携帯電子装置のディスプレイの動的な表示制御
方法及び装置は、種々の環境光の状態において、携帯電子装置のディスプレイ(142)上に表示される情報の可視性を向上する。携帯電子装置(100)は、表示情報の可視性を向上するために、ディスプレイ(142)に関連する環境光を測定し、測定した環境光に基づいてディスプレイ(142)を調整する。一実施形態において、光検出電子回路(110)は、ディスプレイ(142)に関連する環境光を検出する。光プロセッサ(114)は、生データを処理し、測定した環境光を検出された環境光に基づいて判定する。携帯電子装置(100)のディスプレイコントローラ(150)は、測定した環境光に基づいてディスプレイ(142)を調整する。一例であるディスプレイコントローラ(150)は、表示情報のサイズ、ディスプレイ(142)のバックライトの輝度又は表示コントラストを測定した環境光に基づいて調整してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、携帯電子装置のディスプレイに関し、特に、携帯電子装置のディスプレイ上に表示される情報の可視性に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、計算器及びパーソナルデータアシスタント等の携帯電子装置は、ユーザに情報を提供するためのディスプレイを含む。表示情報は、現在の時間のような単純なものでもよく、写真、コンピュータゲーム又は映画に関連する画像のような詳細なものでもよい。
【0003】
通常、表示情報のサイズ、表示コントラスト、ディスプレイのバックライトの輝度等の種々のディスプレイパラメータ設定値は、表示情報の可視性に影響を与える。しかし、表示情報の可視性は、環境光の状態によっても異なる。例えば、屋外設定等の明るい環境において、環境光による映り込み及び/又はバックライトの明るさが不十分なことによる映り込みにより、表示情報の可視性は損なわれることがある。暗い環境においては、バックライトは表示情報の可視性を高めることがある。
【0004】
ある装置においては、ユーザは、例えばフォントを所望のサイズに設定したり、あるいはバックライトを常にオン、常にオフ又は自動に設定するなど、特定のディスプレイパラメータ設定を制御できる。通常、ユーザは、一連のメニューを介してナビゲートし、所望の設定値を調整する。しかし、環境光の状態のために表示情報がユーザにとって不可視又はほぼ不可視である場合、そのようなナビゲーションは、可視性の悪い状態では非常に困難となる。更に、ユーザにより1度設定がなされると、それらのパラメータは固定されるため、全ての環境光の状態に対して固定となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、種々の環境光の状態において、携帯電子装置のディスプレイ上の情報の可視性を向上する方法及び装置を含む。本発明によると、ディスプレイは測定した環境光に基づいて調整され、表示情報の可視性を向上する。一実施形態において、携帯電子装置における光検出電子回路は測定した環境光を判定し、ディスプレイコントローラは測定した環境光に基づいて携帯電子装置のディスプレイを調整する。
【0006】
いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラは、表示情報のサイズ、表示コントラスト及び/又はディスプレイのバックライトの輝度等の1つ以上のディスプレイパラメータを調整してもよい。そのような表示制御は、自動的に行なわれてもよく、あるいはユーザ入力に応答して行なわれてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、MP3プレーヤ、CDプレーヤ、デジタルカメラ、ポータブルラジオ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、DVDプレーヤ等の本発明の携帯電子装置100の一例を示す。携帯電子装置100は、光検出電子回路110、マイクロプロセッサ120、入出力回路122、メモリ回路130、ユーザインタフェース140、及びオプションとして温度検出電子回路170を含む。
【0008】
光検出電子回路110は、光センサ112及びオプションの光プロセッサ114を含み、携帯電子装置100に関連する測定した環境光を判定する。光センサ112は、周囲からの光を捕捉する電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等の任意の従来の光センサデバイスである。光プロセッサ114は、光センサ112により捕捉された生データを処理するようにプログラムされたデジタル信号プロセッサ等の任意の従来のプロセッサでもよい。いくつかの実施形態において、光プロセッサ114は、所定の期間にわたり光センサ112により捕捉された光を平均し、その平均光を測定した環境光として規定してもよい。いくつかの実施形態において、光検出電子回路110は、携帯電子装置100内のカメラシステムの一部であってもよい。図1は、光プロセッサ114が光検出電子回路110の一部であることを示すが、光プロセッサ114は本発明にとって必須ではないことが理解されるだろう。例えばいくつかの実施形態において、光センサ112により検出される環境光を測定した環境光としてもよい。更に、光センサ112及び光プロセッサ114は個別の電子装置として示されるが、光センサ112及び光プロセッサ114は単一の電子装置に組み合わされてもよいことが理解されるだろう。いくつかの実施形態において、光検出電子回路110は、携帯電子装置100内のカメラシステムの一部であってもよい。
【0009】
検出電子回路110は、当該技術において周知の任意の手段に従って、測定した環境光を入出力回路122を介してマイクロプロセッサ120に提供する。更に入出力回路122は、マイクロプロセッサ120をユーザインタフェース140とインタフェースする。ユーザインタフェース140は、1つ以上のディスプレイ142及び1つのキーパッド144を含む。ディスプレイ142により、ユーザは、テキスト、画像、メニューオプション及び他の装置情報を見ることができる。ディスプレイ142は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ又はSTN液晶ディスプレイ等の任意の周知のディスプレイ142であってもよい。キーパッド144は1つ以上の制御ボタンを含み、また、当該技術において周知であるように、ジョイスティック制御等のナビゲーション制御及び/又は英数字キーパッドを含んでもよい。更に、キーパッド144は、ラップトップコンピュータで使用されるようなフルキーボードであってもよい。キーパッド144により、オペレータはコマンドを入力でき、また、メモリ130に格納されているオプションを選択できる。
【0010】
メモリ130は、携帯電子装置100のメモリの全体の階層を表しており、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)の双方を含んでもよい。動作に必要とされるコンピュータプログラム命令及びデータは、EPROM、EEPROM及び/又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納される。不揮発性メモリは、個別の装置又はスタック装置として実現されてもよく、あるいはマイクロプロセッサ120と一体化されて実現されてもよい。マイクロプロセッサ120は、メモリ130に格納されたプログラムに従って携帯電子装置100の動作を制御する。制御機能は、単一のマイクロプロセッサ又は複数のマイクロプロセッサにおいて実現されてもよい。適切なマイクロプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの双方、並びにデジタル信号プロセッサを含んでもよい。
【0011】
図1に示すように、マイクロプロセッサ120は、本発明に従ってディスプレイ142を制御するディスプレイコントローラ150を更に含む。図1は、入出力回路122を介してディスプレイ142とインタフェースするディスプレイコントローラ150を示すが、ディスプレイコントローラ150は、ディスプレイ142と直接インタフェースしてもよいことが当業者には理解されるだろう。いずれの場合も、ディスプレイコントローラ150は、図2に示すようなディスプレイ142上に表示される情報の可視性を向上する方法200を実現する。方法の開始後(ブロック210)、光検出電子回路110は、携帯電子装置100付近のディスプレイ142に関連する環境光(LA)を測定する(ブロック215)。それに応答して、携帯電子装置100は、測定した環境光に基づいてディスプレイを調整する(ブロック220)。これについては、以下に更に説明する。携帯電子装置100が処理を終了するまで(ブロック245)、携帯電子装置100は、環境光を測定するステップ(ブロック215)及び測定した環境光に基づいてディスプレイを調整するステップ(ブロック220)を繰り返す(ブロック240)。
【0012】
携帯電子装置100は、任意の数のユーザ入力及び/又はユーザ設定に基づいて表示制御処理200を開始及び終了する。例えば、ユーザが表示制御設定を自動に設定すると、携帯電子装置100が動作状態を入力した時、すなわちユーザが携帯電子装置100の電源を投入した時、ディスプレイコントローラ150は表示制御処理200を開始してもよい。携帯電子装置100がスタンバイ状態を入力した時、あるいは所定の期間が経過した後、携帯電子装置100は表示制御処理200を終了してもよい。更に、ユーザは、キーパッド144上の任意の制御ボタンに触れることにより、表示制御処理200を手動で起動/停止してもよい。同様に、マイクロフォン146、スピーカ148及びオーディオプロセッサ124(図8を参照)等のオーディオ機器を有する携帯電子装置100の場合、ユーザは、音声コマンドを使用して表示制御処理200を起動してもよい。いずれの場合も、ディスプレイコントローラ150は、自動で及び/又はユーザ入力に応答して、表示制御処理200を開始及び終了してもよいことが理解されるだろう。
【0013】
ディスプレイコントローラ150が表示制御処理200を実現すると、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて1つ以上のディスプレイパラメータを調整することによりディスプレイ142を調整する。いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて適切なディスプレイ調整を判定するために、メモリ130とインタフェースしてもよい。メモリ130は、1つ以上の可視性テーブルを含んでもよく、各可視性テーブルは、複数の環境光の値の各々に対するディスプレイ調整パラメータを含む。ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納された1つ以上の可視性テーブルからディスプレイ調整値を検索し、検索したディスプレイ調整値に基づいてディスプレイを調整する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて適切なディスプレイ調整パラメータを判定する1つ以上のパラメータコントローラを含んでもよい。環境光が表示情報の可視性にどのような影響を与えるのかについて示すため、図3は、中程度の光の中での標準的な人の視力を示す。個人差又は適切な照明調整の違いがあっても、その妥当性は変わらない。一般に、より高い空間周波数は、画像及びテキストのより小さな細部に対応する。例えば、より高い空間周波数は、フォントにおいて最も近接する間隔で配置された線に対応する。従って、より小さなテキストフォントは、同一の種類の大きなテキストフォントより高い空間周波数を必要とする。図3に示すように、コントラストが低減する場合、より低い空間周波数のみが可視である。換言すると、コントラストが低減する場合、ディスプレイ上ではより大きなオブジェクトのみを明瞭に見ることができる。
【0015】
コントラストは、以下のように定義されてもよい。
【0016】
【数1】
【0017】
式中、Lavgはディスプレイ上の明暗パターンの平均明度を表し、ΔLはディスプレイの明暗領域に対する平均との明度差を表し、Lmaxはディスプレイの画面上の明るいテスト領域の明度を表し、Lminはディスプレイの画面上の暗いテスト領域の明度を表す。ディスプレイの内部のバックライトのために、薄暗い部屋のディスプレイの明るい領域がある尺度で30のLmax値を有し、且つディスプレイの高精度な細部の最も暗い領域又はそれに近接する領域がLmin値1を有する場合、薄暗い環境光において結果として得られるコントラストは以下の通りである。
【0018】
【数2】
【0019】
図3に示すように(外挿法を使用する)、このコントラスト%は、約30サイクル/度(cpd)の空間周波数に対応する。その結果、薄暗い環境光において、標準的な人は、約30cpdの空間周波数でディスプレイ又はそれに同等のものにおいて細部を見ることができる。
【0020】
ディスプレイが明るい領域に配置し直される場合、最適な設計であっても、多くの場合に不可避である眩しさが原因となり、ディスプレイの全ての部分からの環境光の散乱が多く発生する。通常、ディスプレイにより放射される環境光と比較して2倍の環境光が、暗い領域及び明るい領域の双方から散乱する。従って、上述で提供された例において、この散乱により、Lmax及びLminの双方は60だけ増加する。その結果、明るい環境光におけるコントラスト%は、以下のようになる。
【0021】
【数3】
【0022】
図3に示すように、このコントラスト%は、約20cpdの空間周波数に対応する。従って、薄暗い環境光において可視であった同一のテキストを明るい環境光において見るために、例えば、ディスプレイコントローラはフォントサイズを50%増加してもよい。
【0023】
バックライトを使用しないディスプレイでは、明るい光に対する眼の非線形応答のため、最高の光レベルでのコントラストの機能が低下する。低い光レベルでの眼の非線形応答のために光が再び低いレベルになると、環境光を使用するディスプレイは、見かけのコントラストが低下する。いずれの場合も、ディスプレイコントローラは、表示情報のサイズ、表示コントラスト等の1つ以上のディスプレイパラメータを調整し、表示情報の可視性を向上してもよい。
【0024】
一実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、図4Aに示されるサイズコントローラ152を含んでもよい。サイズコントローラ152は、測定した環境光に応答して表示情報のサイズを調整することにより、画像の細部の空間周波数を調整する。測定した環境光が増加するのに伴い、表示コントラストは減少する。これに応答して、サイズコントローラ152は、表示情報の細部の空間周波数を低減するために表示情報のサイズを増加し、その結果、表示情報の可視性を向上してもよい。同様に、環境における光が減少するのに伴い、サイズコントローラ152は、表示情報の空間周波数を増加するために表示情報のサイズを減少する。その結果、所望の可視性を維持し、それと同時に情報を表示するディスプレイ142上の有効な空間の量を増加する。バックライトが使用されない場合、光のレベルが低いか又は非常に明るい時に利用可能であれば、コントローラは、画像の細部をより大きいサイズ又はより高いコントラストに調整してもよい。
【0025】
表示情報のサイズは、当該技術において周知の任意の手段に従って調整されてもよい。例えば、図4Aのディスプレイコントローラ150の場合、メモリ130に格納された可視性テーブルは、サイズ調整テーブルであってもよく、複数の環境光の値の各々に対するサイズ調整パラメータを含む。サイズコントローラ152は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納されたサイズ調整テーブルから対応するサイズ調整パラメータを検索する。サイズコントローラ152は、検索したサイズ調整パラメータを使用してディスプレイ142上に表示される情報のサイズを調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0026】
図4Bに示される別の実施形態において、ディスプレイコントローラ150はバックライトコントローラ154を含んでもよい。バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142のバックライトの輝度を制御する。より明るい環境光は、バックライト付きディスプレイ142上に表示される情報を色あせて見せる傾向があるため、バックライトコントローラ154は、環境光が増加するのに伴いバックライトの輝度を減少することにより表示情報の可視性を向上してもよい。図5は、バックライトの輝度と環境光との関係の一例を示す。ディスプレイコントローラは、環境光の状態に基づいてバックライトの輝度を調整することにより、表示情報の可視性を向上するだけでなく、適切な可視性に必要なバックライトの輝度を提供するだけで、バックライトの効率及び携帯電子装置100の電力消費を改善する。
【0027】
ディスプレイ142のバックライトの輝度は、当該技術において周知の任意の手段に従って調整されてもよい。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等の従来のディスプレイ142のバックライトの輝度を調整するために、バックライトコントローラ154は、ディスプレイ142に対する供給電圧のパルス幅変調(PWM)デューティサイクルを調整する。図4Bの実施形態の場合、メモリ130に格納された可視性テーブルは、バックライト調整テーブルであってもよく、複数の環境光の値の各々に対するPWMデューティサイクルを含む。バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納されたバックライト調整テーブルから対応するPWMデューティサイクルを検索し、検索されたPWMデューティサイクルを使用してディスプレイ142のバックライトの輝度を調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0028】
図4Cに示される更に別の実施形態において、ディスプレイコントローラ150はコントラストコントローラ156を含む。コントラストコントローラ156は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142の表示コントラストを制御する。より明るい環境光は、バックライト付きディスプレイ142上に表示される情報を色あせて見せる傾向があるため、コントラストコントローラ156は、環境光が増加するのに伴い表示コントラストを増加することにより表示情報の可視性を向上してもよい。
【0029】
コントラストコントローラ156は、当該技術において周知の任意の手段に従って表示コントラストを調整してもよい。一実施形態において、コントラストコントローラ156は、フォントの種類及び/又はフォントと背景との色を調整することにより表示コントラストを調整してもよい。例えば、測定した環境光によっては、コントラストコントローラ156は、より適切な表示コントラストを提供するために、フォントの色を黒に変更し且つ背景の色を白に変更してもよい。
【0030】
あるいは、LCD等の従来のディスプレイ142の表示コントラストを調整するために、ディスプレイバイアス電圧が調整されてもよい。図6Aは、コントラストバイアスと環境光との関係の一例を示す。上述の実施形態と同様に、図4Cの実施形態におけるメモリ130はコントラスト調整テーブルを格納してもよく、コントラスト調整テーブルは複数の環境光の値の各々に対するバイアス電圧を含む。コントラストコントローラ156は、測定した環境に基づいて、メモリ130に格納されたコントラスト調整テーブルから対応するバイアス電圧を検索する。コントラストコントローラ156は、検索したバイアス電圧を使用してディスプレイ142の表示コントラストを調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0031】
図6Bに示すように、従来のディスプレイ140のバイアス電圧は、温度変化に依存する場合が多い。従って、表示コントラストを調整するのに使用されるバイアス電圧調整の精度を向上するために、本発明のいくつかの実施形態において、コントラストコントローラ156はバイアス電圧を温度補償してもよい。温度補償を実現するために、コントラストコントローラ156は、測定した環境光及びディスプレイ142の温度に基づいてバイアス電圧を調整してもよい。例えば、メモリ130は、複数の環境光の値及びディスプレイ温度に対するバイアス電圧を相互に参照する2次元のコントラスト調整テーブルを格納してもよい。一実施形態において、表1に示すように、2次元のコントラスト調整テーブルの一方の指標は温度指標であってもよく、他方の指標は環境光指標であってもよい。
【0032】
【表1】
【0033】
2つの指標の交差部分の値は、現在の環境光及びディスプレイ温度に対する最適なバイアス電圧を表す。
【0034】
コントラストコントローラ156に対するディスプレイ温度を判定するために、携帯電子装置100は、図1に示される温度検出電子回路170を含んでもよい。温度検出電子回路170は、温度センサ172及びオプションの温度プロセッサ174を含む。一実施形態において、温度センサは、携帯電子装置100付近の周囲温度を測定する。その後、温度プロセッサ174は、測定した周囲温度と携帯電子装置100の電子回路の温度特性の知識とに基づいてディスプレイ温度を計算する。更に、温度プロセッサ174は、所定の期間の平均ディスプレイ温度を計算し、ディスプレイ温度を平均ディスプレイ温度として規定してもよい。
【0035】
図1は温度センサ172及び温度プロセッサ174の双方を含む温度検出電子回路を示すが、温度センサ172がディスプレイ142の温度を直接測定する場合など、温度センサ172により提供される温度に対して更なる処理が必要とされない場合、温度プロセッサ174は省略されてもよいことが当業者には理解されるだろう。更に、温度センサ172及び温度プロセッサ174は個別の電子装置として示されるが、温度検出電子回路170の温度センサ172及び温度プロセッサ174は、単一の電子装置に組み合わされてもよいことが理解されるだろう。
【0036】
図4A〜図4Cは、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154又はコントラストコントローラ156のみを有するディスプレイコントローラ150を示すが、本発明はそれらに限定されないことが理解されるだろう。実際には、ディスプレイコントローラ150は、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154及び/又はコントラストコントローラ156のうちの2つ以上を含んでもよい。例えば図4Dに示すように、ディスプレイコントローラ150は、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154及びコントラストコントローラ156を含んでもよい。本実施形態において、測定した環境光に基づいて、サイズコントローラ152は表示情報のサイズを調整し、バックライトコントローラ154はバックライトの輝度を調整し、且つコントラストコントローラ156は表示情報の全体の可視性を向上するために表示コントラストを調整する。上述したコントラストコントローラと同様に、バイアス電圧調整は、温度検出電子回路170により提供される温度Tに基づいて温度補償されてもよい。それらのコントローラ152、154、156は、別々に動作してもよいことが理解されるだろう。あるいは、それらのコントローラ152、154、156のうちの1つ以上が、各コントローラにより提供されるディスプレイ調整パラメータを最適化するために対話してもよい。
【0037】
図7は、図4Dのディスプレイコントローラ150を使用する携帯電子装置100に対する表示制御方法202を示す。方法の開始後(ブロック210)、携帯電子装置100の光検出電子回路110は、携帯電子装置100付近のディスプレイ142に関連する環境光LAを測定する(ブロック215)。携帯電子装置100は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142を調整し(ブロック220)、表示情報の可視性を向上する。ディスプレイを調整するために、表示情報のサイズ、バックライトの輝度及び/又は表示コントラストが調整されてもよい。表示情報のサイズが調整される場合(ブロック222)、サイズコントローラ152は、測定した環境光に基づいてサイズを調整する(ブロック224)。ディスプレイ142のバックライトの輝度が調整される場合(ブロック226)、バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいてバックライトの輝度を調整する(ブロック228)。表示コントラストが調整される場合(ブロック230)、コントラストコントローラ156は、測定した環境光に基づいて表示コントラストを調整する(ブロック234)。温度補償を含む携帯電子装置100の場合、温度検出電子回路170はディスプレイ温度を判定し(ブロック232)、コントラストコントローラ156は測定した環境光及びディスプレイ温度に基づいて表示コントラストを調整する(ブロック234)。携帯電子装置100が処理を終了するまで(ブロック245)、携帯電子装置100は、環境光を測定するステップ(ブロック215)及び環境光に基づいてディスプレイを調整するステップ(ブロック220)を繰り返す(ブロック240)。方法202は、図2に示される一連のディスプレイ調整ステップに限定されないことが当業者には理解されるだろう。図4Dのディスプレイコントローラ150は、任意の所望の順番でディスプレイ調整ステップを実現してもよい。
【0038】
図示しないが、他の表示制御方法が図4Dのディスプレイコントローラ150により実現されてもよいことは理解されるだろう。例えば、サイズコントローラ152がサイズ調整を判定した後、バックライトコントローラ154は、測定した環境光及びサイズコントローラ152により判定されたサイズ調整に基づいて適切なバックライトの輝度調整を判定してもよい。換言すると、各ディスプレイコントローラは、所定の光の状態に対する最適なディスプレイ調整パラメータを判定するために対話してもよい。
【0039】
上記例では特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの例に限定されないことが当業者には理解されるだろう。従って、図1の携帯電子装置100は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、MP3プレーヤ、CDプレーヤ、デジタルカメラ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、DVDプレーヤ、パームトップコンピュータ及びパーソナル通信サービス(PCS)装置等を含む当該技術において周知の任意の携帯電子装置でもよい。更に、光検出電子回路110は、携帯電話及び他の携帯電子装置と現在一体化されているカメラを含む任意の周知の光検出電子回路でもよい。
【0040】
図8は、本発明を実現する携帯電話100aを示す。携帯電話100aは、図1に示して上述した電気構成要素に加え、メモリ130に格納され且つマイクロプロセッサ120により制御される命令に従って無線通信信号を送受信する為の、トランシーバ134に結合されるアンテナ132を含む。トランシーバ134は、移動通信用グローバルシステム(GSM)、TIA/EIA-136、cdmaOne、cdma2000、UMTS及び広帯域CDMAとして一般に知られる規格を含む任意の周知の規格に従って動作する全機能搭載型の携帯無線トランシーバである。
【0041】
携帯電話100aは、当該技術において周知であるように、ユーザインタフェース140においてマイクロフォン146及びスピーカ148を更に含む。マイクロフォン146及びスピーカ148は、音声処理回路124とインタフェースする。マイクロフォン146は、ユーザの音声を電気音声信号に変換する。音声処理回路124は、マイクロフォン146からアナログ音声入力を受け取り、それら信号を処理し、且つそれら処理信号を入出力回路122を介してトランシーバ134に提供する。トランシーバ134により受信された音声信号は、音声処理回路124により処理される。音声処理回路124により生成されたアナログ出力信号は、スピーカ148に提供される。その後、スピーカ148は、アナログ音声信号をユーザが聞くことができる可聴信号に変換する。
【0042】
携帯電話100aは、図1に示される基本光検出電子回路110を含んでもよいが、図8に示されるように、基本光検出電子回路110をカメラアセンブリ110aと置き換えてもよい。カメラアセンブリ110aは、カメラレンズ116、画像/光センサ112a及び画像/光プロセッサ114aを含む。カメラレンズ116は、単一のレンズ又は複数のレンズから構成される。カメラレンズ116は、マイクロプロセッサ120からの制御信号に応答して、光を収集し且つ画像/光センサ112aに集束させる。画像/光プロセッサ114aは、画像/光センサ112aにより捕捉された生データを処理する。上述の光センサ112と同様に、画像/光センサ112aは、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ等の任意の従来のセンサでもよい。本発明によると、カメラアセンブリ110aは、測定した環境光を入出力回路122を介してディスプレイコントロール150に提供する。更に、カメラアセンブリ110aは、後続するメモリ130への格納、ディスプレイ142への出力及び/又はトランシーバ134による送信のために画像を捕捉してもよい。
【0043】
上述において、情報のサイズ、バックライトの輝度及び表示コントラスト制御に関して表示制御を説明したが、本発明がそれらに限定されないことは当業者には理解されるだろう。例えば、特に情報がカラーで表示される場合に表示情報の可視性を更に増加するために、ディスプレイコントローラ150は、図9に示すように、ガンマコントローラ160、白色点コントローラ162及び/又は黒色点コントローラ164のうち少なくとも1つを含んでもよい。それらのコントローラのうちの1つ以上が表示情報の可視性を向上するために使用されてもよく、また、異なる光の状態に対して処理及び格納される色データの量を最小限にすることにより携帯電子装置100の効率を向上する。例えば白色点及び/黒色点の設定値は、測定した環境光に基づいて、表示される色の数を制限するように設定されてもよい。環境光が増加するのに伴い、例えば、白色点コントローラ162が白色点の設定値を増加し且つ/又は黒色点コントローラ164が黒色点の設定値を減少して、表示される色の数を低減してもよい。その結果、表示情報の可視性は向上する。更に、表示情報を生成するのに必要とされる処理及びデータ格納は、所望の画質を生成するのに必要なものに制限される。同様の原理がガンマコントローラ160に当てはまる。ガンマコントローラ160は、表示情報の均一な輝度を規定するガンマポイント設定値を生成する。環境光が増加するのに伴い、ガンマコントローラ160は、表示画像の可視性を向上するためにガンマポイント設定値を減少する。
【0044】
図4A〜図4D及び図9は特定のディスプレイコントローラ150を示すが、ディスプレイコントローラ150は、上述のサイズコントローラ152、バックライトコントローラ154、コントラストコントローラ156、ガンマコントローラ160、白色点コントローラ162及び/又は黒色点コントローラ164のうちの1つ以上の任意の組合せを含んでもよいことが理解されるだろう。更に、ディスプレイコントローラ150は、ディスプレイ142の可視性に影響を与える任意の他の周知のディスプレイパラメータコントローラを含んでもよい。
【0045】
また、図1は単一のディスプレイを示すが、複数のディスプレイが単一の携帯電子装置100に実装されてもよく、且つ/又は単一の携帯電子装置100により使用されてもよいことは、当業者には理解されるだろう。例えば、クラムシェルハウジングを有する携帯電話は、クラムシェルの内側に第1のディスプレイを有し、クラムシェルの外側に第2のディスプレイを有してもよい。あるいは、ラップトップコンピュータは、ラップトップハウジングに配置された携帯ディスプレイ及び/又は例えばデスクトップ上の固定ディスプレイと選択的にインタフェースしてもよい。いずれの場合も、各ディスプレイは、同一の種類のディスプレイであってもよく、又は異なる種類のディスプレイであってもよい。異なる種類のディスプレイである場合、ディスプレイコントローラ150は、一方のディスプレイ142に対するディスプレイパラメータ設定値を判定し、その設定値を他方の第2のディスプレイ142に適切な形式に更に変換する。そのような変換技術は従来技術において周知であるため、ここでは更なる説明は行なわない。しかし、一例として、2つの異なるディスプレイを含む本発明の一実施形態は、NITFS(National Imagery Transmission Format Standard)に基づく画像交換基本形式(BIIF)等の画像交換規格(IIS)を使用して、一方のディスプレイ142に対するディスプレイパラメータ設定値を他方のディスプレイ142に対する適切なディスプレイパラメータ設定値に変換してもよい。
【0046】
当然、本発明は、本発明の本質的な特徴から逸脱せずに、本明細書で特に説明した方法以外の方法で実行されてもよい。本発明の実施形態は、全ての点において例として考えられ、限定するものではない。また、添付の請求の範囲の趣旨及び同等の範囲内における全ての変更は、本発明に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明の携帯電子装置の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の表示制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、コントラスト対空間周波数を示すグラフである。
【図4A】図4Aは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4B】図4Bは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4C】図4Cは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4D】図4Dは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図5】図5は、バックライトの輝度対環境光を示すグラフである。
【図6A】図6Aは、コントラストバイアス電圧対環境光を示すグラフである。
【図6B】図6Bは、コントラストバイアス電圧に対する温度の影響を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の表示制御方法の別の例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の別の携帯電子装置の一例を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明のディスプレイコントローラの別の例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、携帯電子装置のディスプレイに関し、特に、携帯電子装置のディスプレイ上に表示される情報の可視性に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、計算器及びパーソナルデータアシスタント等の携帯電子装置は、ユーザに情報を提供するためのディスプレイを含む。表示情報は、現在の時間のような単純なものでもよく、写真、コンピュータゲーム又は映画に関連する画像のような詳細なものでもよい。
【0003】
通常、表示情報のサイズ、表示コントラスト、ディスプレイのバックライトの輝度等の種々のディスプレイパラメータ設定値は、表示情報の可視性に影響を与える。しかし、表示情報の可視性は、環境光の状態によっても異なる。例えば、屋外設定等の明るい環境において、環境光による映り込み及び/又はバックライトの明るさが不十分なことによる映り込みにより、表示情報の可視性は損なわれることがある。暗い環境においては、バックライトは表示情報の可視性を高めることがある。
【0004】
ある装置においては、ユーザは、例えばフォントを所望のサイズに設定したり、あるいはバックライトを常にオン、常にオフ又は自動に設定するなど、特定のディスプレイパラメータ設定を制御できる。通常、ユーザは、一連のメニューを介してナビゲートし、所望の設定値を調整する。しかし、環境光の状態のために表示情報がユーザにとって不可視又はほぼ不可視である場合、そのようなナビゲーションは、可視性の悪い状態では非常に困難となる。更に、ユーザにより1度設定がなされると、それらのパラメータは固定されるため、全ての環境光の状態に対して固定となる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、種々の環境光の状態において、携帯電子装置のディスプレイ上の情報の可視性を向上する方法及び装置を含む。本発明によると、ディスプレイは測定した環境光に基づいて調整され、表示情報の可視性を向上する。一実施形態において、携帯電子装置における光検出電子回路は測定した環境光を判定し、ディスプレイコントローラは測定した環境光に基づいて携帯電子装置のディスプレイを調整する。
【0006】
いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラは、表示情報のサイズ、表示コントラスト及び/又はディスプレイのバックライトの輝度等の1つ以上のディスプレイパラメータを調整してもよい。そのような表示制御は、自動的に行なわれてもよく、あるいはユーザ入力に応答して行なわれてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、MP3プレーヤ、CDプレーヤ、デジタルカメラ、ポータブルラジオ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、DVDプレーヤ等の本発明の携帯電子装置100の一例を示す。携帯電子装置100は、光検出電子回路110、マイクロプロセッサ120、入出力回路122、メモリ回路130、ユーザインタフェース140、及びオプションとして温度検出電子回路170を含む。
【0008】
光検出電子回路110は、光センサ112及びオプションの光プロセッサ114を含み、携帯電子装置100に関連する測定した環境光を判定する。光センサ112は、周囲からの光を捕捉する電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等の任意の従来の光センサデバイスである。光プロセッサ114は、光センサ112により捕捉された生データを処理するようにプログラムされたデジタル信号プロセッサ等の任意の従来のプロセッサでもよい。いくつかの実施形態において、光プロセッサ114は、所定の期間にわたり光センサ112により捕捉された光を平均し、その平均光を測定した環境光として規定してもよい。いくつかの実施形態において、光検出電子回路110は、携帯電子装置100内のカメラシステムの一部であってもよい。図1は、光プロセッサ114が光検出電子回路110の一部であることを示すが、光プロセッサ114は本発明にとって必須ではないことが理解されるだろう。例えばいくつかの実施形態において、光センサ112により検出される環境光を測定した環境光としてもよい。更に、光センサ112及び光プロセッサ114は個別の電子装置として示されるが、光センサ112及び光プロセッサ114は単一の電子装置に組み合わされてもよいことが理解されるだろう。いくつかの実施形態において、光検出電子回路110は、携帯電子装置100内のカメラシステムの一部であってもよい。
【0009】
検出電子回路110は、当該技術において周知の任意の手段に従って、測定した環境光を入出力回路122を介してマイクロプロセッサ120に提供する。更に入出力回路122は、マイクロプロセッサ120をユーザインタフェース140とインタフェースする。ユーザインタフェース140は、1つ以上のディスプレイ142及び1つのキーパッド144を含む。ディスプレイ142により、ユーザは、テキスト、画像、メニューオプション及び他の装置情報を見ることができる。ディスプレイ142は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ又はSTN液晶ディスプレイ等の任意の周知のディスプレイ142であってもよい。キーパッド144は1つ以上の制御ボタンを含み、また、当該技術において周知であるように、ジョイスティック制御等のナビゲーション制御及び/又は英数字キーパッドを含んでもよい。更に、キーパッド144は、ラップトップコンピュータで使用されるようなフルキーボードであってもよい。キーパッド144により、オペレータはコマンドを入力でき、また、メモリ130に格納されているオプションを選択できる。
【0010】
メモリ130は、携帯電子装置100のメモリの全体の階層を表しており、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(ROM)の双方を含んでもよい。動作に必要とされるコンピュータプログラム命令及びデータは、EPROM、EEPROM及び/又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納される。不揮発性メモリは、個別の装置又はスタック装置として実現されてもよく、あるいはマイクロプロセッサ120と一体化されて実現されてもよい。マイクロプロセッサ120は、メモリ130に格納されたプログラムに従って携帯電子装置100の動作を制御する。制御機能は、単一のマイクロプロセッサ又は複数のマイクロプロセッサにおいて実現されてもよい。適切なマイクロプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの双方、並びにデジタル信号プロセッサを含んでもよい。
【0011】
図1に示すように、マイクロプロセッサ120は、本発明に従ってディスプレイ142を制御するディスプレイコントローラ150を更に含む。図1は、入出力回路122を介してディスプレイ142とインタフェースするディスプレイコントローラ150を示すが、ディスプレイコントローラ150は、ディスプレイ142と直接インタフェースしてもよいことが当業者には理解されるだろう。いずれの場合も、ディスプレイコントローラ150は、図2に示すようなディスプレイ142上に表示される情報の可視性を向上する方法200を実現する。方法の開始後(ブロック210)、光検出電子回路110は、携帯電子装置100付近のディスプレイ142に関連する環境光(LA)を測定する(ブロック215)。それに応答して、携帯電子装置100は、測定した環境光に基づいてディスプレイを調整する(ブロック220)。これについては、以下に更に説明する。携帯電子装置100が処理を終了するまで(ブロック245)、携帯電子装置100は、環境光を測定するステップ(ブロック215)及び測定した環境光に基づいてディスプレイを調整するステップ(ブロック220)を繰り返す(ブロック240)。
【0012】
携帯電子装置100は、任意の数のユーザ入力及び/又はユーザ設定に基づいて表示制御処理200を開始及び終了する。例えば、ユーザが表示制御設定を自動に設定すると、携帯電子装置100が動作状態を入力した時、すなわちユーザが携帯電子装置100の電源を投入した時、ディスプレイコントローラ150は表示制御処理200を開始してもよい。携帯電子装置100がスタンバイ状態を入力した時、あるいは所定の期間が経過した後、携帯電子装置100は表示制御処理200を終了してもよい。更に、ユーザは、キーパッド144上の任意の制御ボタンに触れることにより、表示制御処理200を手動で起動/停止してもよい。同様に、マイクロフォン146、スピーカ148及びオーディオプロセッサ124(図8を参照)等のオーディオ機器を有する携帯電子装置100の場合、ユーザは、音声コマンドを使用して表示制御処理200を起動してもよい。いずれの場合も、ディスプレイコントローラ150は、自動で及び/又はユーザ入力に応答して、表示制御処理200を開始及び終了してもよいことが理解されるだろう。
【0013】
ディスプレイコントローラ150が表示制御処理200を実現すると、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて1つ以上のディスプレイパラメータを調整することによりディスプレイ142を調整する。いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて適切なディスプレイ調整を判定するために、メモリ130とインタフェースしてもよい。メモリ130は、1つ以上の可視性テーブルを含んでもよく、各可視性テーブルは、複数の環境光の値の各々に対するディスプレイ調整パラメータを含む。ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納された1つ以上の可視性テーブルからディスプレイ調整値を検索し、検索したディスプレイ調整値に基づいてディスプレイを調整する。
【0014】
いくつかの実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、測定した環境光に基づいて適切なディスプレイ調整パラメータを判定する1つ以上のパラメータコントローラを含んでもよい。環境光が表示情報の可視性にどのような影響を与えるのかについて示すため、図3は、中程度の光の中での標準的な人の視力を示す。個人差又は適切な照明調整の違いがあっても、その妥当性は変わらない。一般に、より高い空間周波数は、画像及びテキストのより小さな細部に対応する。例えば、より高い空間周波数は、フォントにおいて最も近接する間隔で配置された線に対応する。従って、より小さなテキストフォントは、同一の種類の大きなテキストフォントより高い空間周波数を必要とする。図3に示すように、コントラストが低減する場合、より低い空間周波数のみが可視である。換言すると、コントラストが低減する場合、ディスプレイ上ではより大きなオブジェクトのみを明瞭に見ることができる。
【0015】
コントラストは、以下のように定義されてもよい。
【0016】
【数1】
【0017】
式中、Lavgはディスプレイ上の明暗パターンの平均明度を表し、ΔLはディスプレイの明暗領域に対する平均との明度差を表し、Lmaxはディスプレイの画面上の明るいテスト領域の明度を表し、Lminはディスプレイの画面上の暗いテスト領域の明度を表す。ディスプレイの内部のバックライトのために、薄暗い部屋のディスプレイの明るい領域がある尺度で30のLmax値を有し、且つディスプレイの高精度な細部の最も暗い領域又はそれに近接する領域がLmin値1を有する場合、薄暗い環境光において結果として得られるコントラストは以下の通りである。
【0018】
【数2】
【0019】
図3に示すように(外挿法を使用する)、このコントラスト%は、約30サイクル/度(cpd)の空間周波数に対応する。その結果、薄暗い環境光において、標準的な人は、約30cpdの空間周波数でディスプレイ又はそれに同等のものにおいて細部を見ることができる。
【0020】
ディスプレイが明るい領域に配置し直される場合、最適な設計であっても、多くの場合に不可避である眩しさが原因となり、ディスプレイの全ての部分からの環境光の散乱が多く発生する。通常、ディスプレイにより放射される環境光と比較して2倍の環境光が、暗い領域及び明るい領域の双方から散乱する。従って、上述で提供された例において、この散乱により、Lmax及びLminの双方は60だけ増加する。その結果、明るい環境光におけるコントラスト%は、以下のようになる。
【0021】
【数3】
【0022】
図3に示すように、このコントラスト%は、約20cpdの空間周波数に対応する。従って、薄暗い環境光において可視であった同一のテキストを明るい環境光において見るために、例えば、ディスプレイコントローラはフォントサイズを50%増加してもよい。
【0023】
バックライトを使用しないディスプレイでは、明るい光に対する眼の非線形応答のため、最高の光レベルでのコントラストの機能が低下する。低い光レベルでの眼の非線形応答のために光が再び低いレベルになると、環境光を使用するディスプレイは、見かけのコントラストが低下する。いずれの場合も、ディスプレイコントローラは、表示情報のサイズ、表示コントラスト等の1つ以上のディスプレイパラメータを調整し、表示情報の可視性を向上してもよい。
【0024】
一実施形態において、ディスプレイコントローラ150は、図4Aに示されるサイズコントローラ152を含んでもよい。サイズコントローラ152は、測定した環境光に応答して表示情報のサイズを調整することにより、画像の細部の空間周波数を調整する。測定した環境光が増加するのに伴い、表示コントラストは減少する。これに応答して、サイズコントローラ152は、表示情報の細部の空間周波数を低減するために表示情報のサイズを増加し、その結果、表示情報の可視性を向上してもよい。同様に、環境における光が減少するのに伴い、サイズコントローラ152は、表示情報の空間周波数を増加するために表示情報のサイズを減少する。その結果、所望の可視性を維持し、それと同時に情報を表示するディスプレイ142上の有効な空間の量を増加する。バックライトが使用されない場合、光のレベルが低いか又は非常に明るい時に利用可能であれば、コントローラは、画像の細部をより大きいサイズ又はより高いコントラストに調整してもよい。
【0025】
表示情報のサイズは、当該技術において周知の任意の手段に従って調整されてもよい。例えば、図4Aのディスプレイコントローラ150の場合、メモリ130に格納された可視性テーブルは、サイズ調整テーブルであってもよく、複数の環境光の値の各々に対するサイズ調整パラメータを含む。サイズコントローラ152は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納されたサイズ調整テーブルから対応するサイズ調整パラメータを検索する。サイズコントローラ152は、検索したサイズ調整パラメータを使用してディスプレイ142上に表示される情報のサイズを調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0026】
図4Bに示される別の実施形態において、ディスプレイコントローラ150はバックライトコントローラ154を含んでもよい。バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142のバックライトの輝度を制御する。より明るい環境光は、バックライト付きディスプレイ142上に表示される情報を色あせて見せる傾向があるため、バックライトコントローラ154は、環境光が増加するのに伴いバックライトの輝度を減少することにより表示情報の可視性を向上してもよい。図5は、バックライトの輝度と環境光との関係の一例を示す。ディスプレイコントローラは、環境光の状態に基づいてバックライトの輝度を調整することにより、表示情報の可視性を向上するだけでなく、適切な可視性に必要なバックライトの輝度を提供するだけで、バックライトの効率及び携帯電子装置100の電力消費を改善する。
【0027】
ディスプレイ142のバックライトの輝度は、当該技術において周知の任意の手段に従って調整されてもよい。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等の従来のディスプレイ142のバックライトの輝度を調整するために、バックライトコントローラ154は、ディスプレイ142に対する供給電圧のパルス幅変調(PWM)デューティサイクルを調整する。図4Bの実施形態の場合、メモリ130に格納された可視性テーブルは、バックライト調整テーブルであってもよく、複数の環境光の値の各々に対するPWMデューティサイクルを含む。バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいて、メモリ130に格納されたバックライト調整テーブルから対応するPWMデューティサイクルを検索し、検索されたPWMデューティサイクルを使用してディスプレイ142のバックライトの輝度を調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0028】
図4Cに示される更に別の実施形態において、ディスプレイコントローラ150はコントラストコントローラ156を含む。コントラストコントローラ156は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142の表示コントラストを制御する。より明るい環境光は、バックライト付きディスプレイ142上に表示される情報を色あせて見せる傾向があるため、コントラストコントローラ156は、環境光が増加するのに伴い表示コントラストを増加することにより表示情報の可視性を向上してもよい。
【0029】
コントラストコントローラ156は、当該技術において周知の任意の手段に従って表示コントラストを調整してもよい。一実施形態において、コントラストコントローラ156は、フォントの種類及び/又はフォントと背景との色を調整することにより表示コントラストを調整してもよい。例えば、測定した環境光によっては、コントラストコントローラ156は、より適切な表示コントラストを提供するために、フォントの色を黒に変更し且つ背景の色を白に変更してもよい。
【0030】
あるいは、LCD等の従来のディスプレイ142の表示コントラストを調整するために、ディスプレイバイアス電圧が調整されてもよい。図6Aは、コントラストバイアスと環境光との関係の一例を示す。上述の実施形態と同様に、図4Cの実施形態におけるメモリ130はコントラスト調整テーブルを格納してもよく、コントラスト調整テーブルは複数の環境光の値の各々に対するバイアス電圧を含む。コントラストコントローラ156は、測定した環境に基づいて、メモリ130に格納されたコントラスト調整テーブルから対応するバイアス電圧を検索する。コントラストコントローラ156は、検索したバイアス電圧を使用してディスプレイ142の表示コントラストを調整し、現在の光の状態において表示情報の可視性を向上する。
【0031】
図6Bに示すように、従来のディスプレイ140のバイアス電圧は、温度変化に依存する場合が多い。従って、表示コントラストを調整するのに使用されるバイアス電圧調整の精度を向上するために、本発明のいくつかの実施形態において、コントラストコントローラ156はバイアス電圧を温度補償してもよい。温度補償を実現するために、コントラストコントローラ156は、測定した環境光及びディスプレイ142の温度に基づいてバイアス電圧を調整してもよい。例えば、メモリ130は、複数の環境光の値及びディスプレイ温度に対するバイアス電圧を相互に参照する2次元のコントラスト調整テーブルを格納してもよい。一実施形態において、表1に示すように、2次元のコントラスト調整テーブルの一方の指標は温度指標であってもよく、他方の指標は環境光指標であってもよい。
【0032】
【表1】
【0033】
2つの指標の交差部分の値は、現在の環境光及びディスプレイ温度に対する最適なバイアス電圧を表す。
【0034】
コントラストコントローラ156に対するディスプレイ温度を判定するために、携帯電子装置100は、図1に示される温度検出電子回路170を含んでもよい。温度検出電子回路170は、温度センサ172及びオプションの温度プロセッサ174を含む。一実施形態において、温度センサは、携帯電子装置100付近の周囲温度を測定する。その後、温度プロセッサ174は、測定した周囲温度と携帯電子装置100の電子回路の温度特性の知識とに基づいてディスプレイ温度を計算する。更に、温度プロセッサ174は、所定の期間の平均ディスプレイ温度を計算し、ディスプレイ温度を平均ディスプレイ温度として規定してもよい。
【0035】
図1は温度センサ172及び温度プロセッサ174の双方を含む温度検出電子回路を示すが、温度センサ172がディスプレイ142の温度を直接測定する場合など、温度センサ172により提供される温度に対して更なる処理が必要とされない場合、温度プロセッサ174は省略されてもよいことが当業者には理解されるだろう。更に、温度センサ172及び温度プロセッサ174は個別の電子装置として示されるが、温度検出電子回路170の温度センサ172及び温度プロセッサ174は、単一の電子装置に組み合わされてもよいことが理解されるだろう。
【0036】
図4A〜図4Cは、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154又はコントラストコントローラ156のみを有するディスプレイコントローラ150を示すが、本発明はそれらに限定されないことが理解されるだろう。実際には、ディスプレイコントローラ150は、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154及び/又はコントラストコントローラ156のうちの2つ以上を含んでもよい。例えば図4Dに示すように、ディスプレイコントローラ150は、サイズコントローラ152、バックライトコントローラ154及びコントラストコントローラ156を含んでもよい。本実施形態において、測定した環境光に基づいて、サイズコントローラ152は表示情報のサイズを調整し、バックライトコントローラ154はバックライトの輝度を調整し、且つコントラストコントローラ156は表示情報の全体の可視性を向上するために表示コントラストを調整する。上述したコントラストコントローラと同様に、バイアス電圧調整は、温度検出電子回路170により提供される温度Tに基づいて温度補償されてもよい。それらのコントローラ152、154、156は、別々に動作してもよいことが理解されるだろう。あるいは、それらのコントローラ152、154、156のうちの1つ以上が、各コントローラにより提供されるディスプレイ調整パラメータを最適化するために対話してもよい。
【0037】
図7は、図4Dのディスプレイコントローラ150を使用する携帯電子装置100に対する表示制御方法202を示す。方法の開始後(ブロック210)、携帯電子装置100の光検出電子回路110は、携帯電子装置100付近のディスプレイ142に関連する環境光LAを測定する(ブロック215)。携帯電子装置100は、測定した環境光に基づいてディスプレイ142を調整し(ブロック220)、表示情報の可視性を向上する。ディスプレイを調整するために、表示情報のサイズ、バックライトの輝度及び/又は表示コントラストが調整されてもよい。表示情報のサイズが調整される場合(ブロック222)、サイズコントローラ152は、測定した環境光に基づいてサイズを調整する(ブロック224)。ディスプレイ142のバックライトの輝度が調整される場合(ブロック226)、バックライトコントローラ154は、測定した環境光に基づいてバックライトの輝度を調整する(ブロック228)。表示コントラストが調整される場合(ブロック230)、コントラストコントローラ156は、測定した環境光に基づいて表示コントラストを調整する(ブロック234)。温度補償を含む携帯電子装置100の場合、温度検出電子回路170はディスプレイ温度を判定し(ブロック232)、コントラストコントローラ156は測定した環境光及びディスプレイ温度に基づいて表示コントラストを調整する(ブロック234)。携帯電子装置100が処理を終了するまで(ブロック245)、携帯電子装置100は、環境光を測定するステップ(ブロック215)及び環境光に基づいてディスプレイを調整するステップ(ブロック220)を繰り返す(ブロック240)。方法202は、図2に示される一連のディスプレイ調整ステップに限定されないことが当業者には理解されるだろう。図4Dのディスプレイコントローラ150は、任意の所望の順番でディスプレイ調整ステップを実現してもよい。
【0038】
図示しないが、他の表示制御方法が図4Dのディスプレイコントローラ150により実現されてもよいことは理解されるだろう。例えば、サイズコントローラ152がサイズ調整を判定した後、バックライトコントローラ154は、測定した環境光及びサイズコントローラ152により判定されたサイズ調整に基づいて適切なバックライトの輝度調整を判定してもよい。換言すると、各ディスプレイコントローラは、所定の光の状態に対する最適なディスプレイ調整パラメータを判定するために対話してもよい。
【0039】
上記例では特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの例に限定されないことが当業者には理解されるだろう。従って、図1の携帯電子装置100は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、MP3プレーヤ、CDプレーヤ、デジタルカメラ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、DVDプレーヤ、パームトップコンピュータ及びパーソナル通信サービス(PCS)装置等を含む当該技術において周知の任意の携帯電子装置でもよい。更に、光検出電子回路110は、携帯電話及び他の携帯電子装置と現在一体化されているカメラを含む任意の周知の光検出電子回路でもよい。
【0040】
図8は、本発明を実現する携帯電話100aを示す。携帯電話100aは、図1に示して上述した電気構成要素に加え、メモリ130に格納され且つマイクロプロセッサ120により制御される命令に従って無線通信信号を送受信する為の、トランシーバ134に結合されるアンテナ132を含む。トランシーバ134は、移動通信用グローバルシステム(GSM)、TIA/EIA-136、cdmaOne、cdma2000、UMTS及び広帯域CDMAとして一般に知られる規格を含む任意の周知の規格に従って動作する全機能搭載型の携帯無線トランシーバである。
【0041】
携帯電話100aは、当該技術において周知であるように、ユーザインタフェース140においてマイクロフォン146及びスピーカ148を更に含む。マイクロフォン146及びスピーカ148は、音声処理回路124とインタフェースする。マイクロフォン146は、ユーザの音声を電気音声信号に変換する。音声処理回路124は、マイクロフォン146からアナログ音声入力を受け取り、それら信号を処理し、且つそれら処理信号を入出力回路122を介してトランシーバ134に提供する。トランシーバ134により受信された音声信号は、音声処理回路124により処理される。音声処理回路124により生成されたアナログ出力信号は、スピーカ148に提供される。その後、スピーカ148は、アナログ音声信号をユーザが聞くことができる可聴信号に変換する。
【0042】
携帯電話100aは、図1に示される基本光検出電子回路110を含んでもよいが、図8に示されるように、基本光検出電子回路110をカメラアセンブリ110aと置き換えてもよい。カメラアセンブリ110aは、カメラレンズ116、画像/光センサ112a及び画像/光プロセッサ114aを含む。カメラレンズ116は、単一のレンズ又は複数のレンズから構成される。カメラレンズ116は、マイクロプロセッサ120からの制御信号に応答して、光を収集し且つ画像/光センサ112aに集束させる。画像/光プロセッサ114aは、画像/光センサ112aにより捕捉された生データを処理する。上述の光センサ112と同様に、画像/光センサ112aは、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ等の任意の従来のセンサでもよい。本発明によると、カメラアセンブリ110aは、測定した環境光を入出力回路122を介してディスプレイコントロール150に提供する。更に、カメラアセンブリ110aは、後続するメモリ130への格納、ディスプレイ142への出力及び/又はトランシーバ134による送信のために画像を捕捉してもよい。
【0043】
上述において、情報のサイズ、バックライトの輝度及び表示コントラスト制御に関して表示制御を説明したが、本発明がそれらに限定されないことは当業者には理解されるだろう。例えば、特に情報がカラーで表示される場合に表示情報の可視性を更に増加するために、ディスプレイコントローラ150は、図9に示すように、ガンマコントローラ160、白色点コントローラ162及び/又は黒色点コントローラ164のうち少なくとも1つを含んでもよい。それらのコントローラのうちの1つ以上が表示情報の可視性を向上するために使用されてもよく、また、異なる光の状態に対して処理及び格納される色データの量を最小限にすることにより携帯電子装置100の効率を向上する。例えば白色点及び/黒色点の設定値は、測定した環境光に基づいて、表示される色の数を制限するように設定されてもよい。環境光が増加するのに伴い、例えば、白色点コントローラ162が白色点の設定値を増加し且つ/又は黒色点コントローラ164が黒色点の設定値を減少して、表示される色の数を低減してもよい。その結果、表示情報の可視性は向上する。更に、表示情報を生成するのに必要とされる処理及びデータ格納は、所望の画質を生成するのに必要なものに制限される。同様の原理がガンマコントローラ160に当てはまる。ガンマコントローラ160は、表示情報の均一な輝度を規定するガンマポイント設定値を生成する。環境光が増加するのに伴い、ガンマコントローラ160は、表示画像の可視性を向上するためにガンマポイント設定値を減少する。
【0044】
図4A〜図4D及び図9は特定のディスプレイコントローラ150を示すが、ディスプレイコントローラ150は、上述のサイズコントローラ152、バックライトコントローラ154、コントラストコントローラ156、ガンマコントローラ160、白色点コントローラ162及び/又は黒色点コントローラ164のうちの1つ以上の任意の組合せを含んでもよいことが理解されるだろう。更に、ディスプレイコントローラ150は、ディスプレイ142の可視性に影響を与える任意の他の周知のディスプレイパラメータコントローラを含んでもよい。
【0045】
また、図1は単一のディスプレイを示すが、複数のディスプレイが単一の携帯電子装置100に実装されてもよく、且つ/又は単一の携帯電子装置100により使用されてもよいことは、当業者には理解されるだろう。例えば、クラムシェルハウジングを有する携帯電話は、クラムシェルの内側に第1のディスプレイを有し、クラムシェルの外側に第2のディスプレイを有してもよい。あるいは、ラップトップコンピュータは、ラップトップハウジングに配置された携帯ディスプレイ及び/又は例えばデスクトップ上の固定ディスプレイと選択的にインタフェースしてもよい。いずれの場合も、各ディスプレイは、同一の種類のディスプレイであってもよく、又は異なる種類のディスプレイであってもよい。異なる種類のディスプレイである場合、ディスプレイコントローラ150は、一方のディスプレイ142に対するディスプレイパラメータ設定値を判定し、その設定値を他方の第2のディスプレイ142に適切な形式に更に変換する。そのような変換技術は従来技術において周知であるため、ここでは更なる説明は行なわない。しかし、一例として、2つの異なるディスプレイを含む本発明の一実施形態は、NITFS(National Imagery Transmission Format Standard)に基づく画像交換基本形式(BIIF)等の画像交換規格(IIS)を使用して、一方のディスプレイ142に対するディスプレイパラメータ設定値を他方のディスプレイ142に対する適切なディスプレイパラメータ設定値に変換してもよい。
【0046】
当然、本発明は、本発明の本質的な特徴から逸脱せずに、本明細書で特に説明した方法以外の方法で実行されてもよい。本発明の実施形態は、全ての点において例として考えられ、限定するものではない。また、添付の請求の範囲の趣旨及び同等の範囲内における全ての変更は、本発明に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明の携帯電子装置の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の表示制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、コントラスト対空間周波数を示すグラフである。
【図4A】図4Aは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4B】図4Bは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4C】図4Cは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図4D】図4Dは、本発明のディスプレイコントローラの例を示す図である。
【図5】図5は、バックライトの輝度対環境光を示すグラフである。
【図6A】図6Aは、コントラストバイアス電圧対環境光を示すグラフである。
【図6B】図6Bは、コントラストバイアス電圧に対する温度の影響を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の表示制御方法の別の例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の別の携帯電子装置の一例を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明のディスプレイコントローラの別の例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電子装置(100)のディスプレイ(142)上の情報の可視性を向上する方法であって、
前記携帯電子装置(100)に配置されている光検出電子回路(110)を使用して環境光を測定し、
前記測定した環境光に基づいて、前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
光検出電子回路(110)を使用して前記環境光を測定することは、
光センサ(112)を使用して環境光を検出することと、
前記検出した環境光を前記測定した環境光として規定することとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の期間にわたり前記検出した環境光を平均することを更に含み、
前記検出した環境光を前記測定した環境光として規定することは、前記検出した環境光の前記平均を前記測定した環境光として規定することを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光センサ(112)はカメラの一部であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて、表示情報のサイズ、前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度、及び表示コントラストのうち少なくとも1つを調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記測定した環境光に基づいて前記表示情報の前記サイズを調整することは、前記測定した環境光の増減に伴い前記表示情報の前記サイズを増減することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のパルス幅変調デューティサイクルを調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を調整することは、前記測定した環境光の増減に伴い前記バックライトの輝度を増減することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを調整することは、フォントの種類、フォントの色、及び背景色のうち少なくとも1つを調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のバイアス電圧を調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイ温度を判定することと、前記測定した環境光及び前記ディスプレイ温度に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)の前記バイアス電圧を調整することとを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ温度を判定することは、前記ディスプレイ(142)の温度を測定することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ディスプレイ温度を判定することは、周囲温度を測定することと、前記測定した周囲温度に基づいて前記ディスプレイ温度を判定することとを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて、表示情報のサイズ、前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度、及び表示コントラストのうち少なくとも2つを調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ディスプレイ調整値のテーブルを生成することを更に含み、各ディスプレイ調整値は異なる環境光の値に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、
前記測定した環境光に対応するディスプレイ調整値の前記テーブルから前記ディスプレイ調整値を選択することと、
前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各ディスプレイ調整値は、異なる環境光の値に対する表示情報のサイズ、表示コントラスト、又は前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度に対応することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記表示情報の前記サイズ、前記表示コントラスト、及び前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度のうち少なくとも1つに対するディスプレイ調整値をディスプレイ調整値の前記テーブルから選択することと、前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記表示情報の前記サイズ、前記表示コントラスト、及び前記バックライトの輝度のうち少なくとも1つを調整することとを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を自動的に調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、ユーザ入力を受信することと、前記ユーザ入力に応答して、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)のガンマ設定値、白色点の設定値、及び黒色点の設定値のうち少なくとも1つを調整することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記携帯電子装置(100)の第1のディスプレイ(142)に対する前記測定した環境光に基づいて生成されたディスプレイ調整パラメータを、前記携帯電子装置(100)の第2のディスプレイ(142)に対するディスプレイ調整パラメータに変換するために変換規格を使用することにより、前記携帯電子装置(100)の前記第2のディスプレイ(142)を調整することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及びSTN液晶ディスプレイのうち1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
携帯電子装置(100)であって、
前記携帯電子装置(100)に配置され、測定した環境光を判定する光検出電子回路(110)と、
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)のディスプレイ(142)を調整するディスプレイコントローラ(150)と
を備えることを特徴とする携帯電子装置(100)。
【請求項25】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて表示情報のサイズを調整するサイズコントローラ(152)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項26】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度を調整するバックライトコントローラ(154)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項27】
前記バックライトコントローラ(154)は、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を制御するために、前記ディスプレイ(142)のパルス幅変調デューティサイクルを調整することを特徴とする請求項26に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項28】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて表示コントラストを調整するコントラストコントローラ(156)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項29】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光に基づいてフォントの種類、フォントの色、及び背景色のうち少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項30】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを制御するために前記ディスプレイ(142)のバイアス電圧を調整することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項31】
ディスプレイ温度を判定する温度センサ(172)を更に具備することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項32】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光、及び前記ディスプレイ温度に基づいて、前記ディスプレイ(142)の前記バイアス電圧を調整することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項33】
前記温度センサ(172)は前記ディスプレイ温度を測定することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項34】
前記温度センサ(172)により測定された周囲温度から前記ディスプレイ温度を判定する温度プロセッサ(174)を更に具備することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項35】
ディスプレイ調整値のテーブルを少なくとも1つ格納するメモリ回路(130)を更に具備し、各ディスプレイ調整値は、異なる環境光の値に対応することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項36】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に対応する前記ディスプレイ調整値をディスプレイ調整値の前記テーブルから選択し、前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することを特徴とする請求項35に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項37】
前記メモリ回路(130)は、表示情報のサイズ、表示コントラスト、及び前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度のうち少なくとも1つの各々に対するディスプレイ調整値のテーブルを格納することを特徴とする請求項35に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項38】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整するために、前記ディスプレイコントローラ(150)に指示を送るユーザ入力装置(140)を更に具備することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項39】
前記ユーザ入力装置(140)は、前記携帯電子装置(100)のハウジングに配置される制御ボタン(144)を有することを特徴とする請求項38に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項40】
前記ユーザ入力装置(140)は、可聴ディスプレイコマンドを前記ユーザから受信するスピーカ(148)を有することを特徴とする請求項38に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項41】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を自動的に調整することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項42】
前記光検出電子回路(110)は、環境光を検出する光センサ(112)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項43】
前記光検出電子回路(110)は、前記検出した環境光を処理し、且つ前記処理した環境光から前記測定した環境光を判定する光プロセッサ(114)を更に有することを特徴とする請求項42に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項44】
前記光検出電子回路(110)は、カメラアセンブリ(110a)の一部であることを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項45】
前記携帯電子装置(100)は、ラップトップコンピュータ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、及び携帯音楽プレーヤのうち1つを含むことを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項46】
前記携帯電子装置(100)は、無線通信信号を送受信するトランシーバを有する携帯電話を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項47】
前記光検出電子回路(110)は、前記携帯電話内のカメラアセンブリ(110a)内に配置されることを特徴とする請求項46に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項48】
前記ディスプレイ(142)は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及びSTN液晶ディスプレイのうち1つを含むことを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項49】
前記携帯電子装置(100)上に第2のディスプレイ(142)を更に具備し、
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記携帯電子装置(100)の第1のディスプレイ(142)に対する測定した環境光に基づいて生成されたディスプレイ調整パラメータを、前記携帯電子装置(100)の前記第2のディスプレイ(142)に対するディスプレイ調整パラメータに変換するために変換規格を使用することにより前記第2のディスプレイ(142)を調整することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項1】
携帯電子装置(100)のディスプレイ(142)上の情報の可視性を向上する方法であって、
前記携帯電子装置(100)に配置されている光検出電子回路(110)を使用して環境光を測定し、
前記測定した環境光に基づいて、前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
光検出電子回路(110)を使用して前記環境光を測定することは、
光センサ(112)を使用して環境光を検出することと、
前記検出した環境光を前記測定した環境光として規定することとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の期間にわたり前記検出した環境光を平均することを更に含み、
前記検出した環境光を前記測定した環境光として規定することは、前記検出した環境光の前記平均を前記測定した環境光として規定することを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記光センサ(112)はカメラの一部であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて、表示情報のサイズ、前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度、及び表示コントラストのうち少なくとも1つを調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記測定した環境光に基づいて前記表示情報の前記サイズを調整することは、前記測定した環境光の増減に伴い前記表示情報の前記サイズを増減することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のパルス幅変調デューティサイクルを調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を調整することは、前記測定した環境光の増減に伴い前記バックライトの輝度を増減することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを調整することは、フォントの種類、フォントの色、及び背景色のうち少なくとも1つを調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のバイアス電圧を調整することを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイ温度を判定することと、前記測定した環境光及び前記ディスプレイ温度に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)の前記バイアス電圧を調整することとを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ温度を判定することは、前記ディスプレイ(142)の温度を測定することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ディスプレイ温度を判定することは、周囲温度を測定することと、前記測定した周囲温度に基づいて前記ディスプレイ温度を判定することとを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて、表示情報のサイズ、前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度、及び表示コントラストのうち少なくとも2つを調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ディスプレイ調整値のテーブルを生成することを更に含み、各ディスプレイ調整値は異なる環境光の値に対応することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、
前記測定した環境光に対応するディスプレイ調整値の前記テーブルから前記ディスプレイ調整値を選択することと、
前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することとを含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各ディスプレイ調整値は、異なる環境光の値に対する表示情報のサイズ、表示コントラスト、又は前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度に対応することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記表示情報の前記サイズ、前記表示コントラスト、及び前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度のうち少なくとも1つに対するディスプレイ調整値をディスプレイ調整値の前記テーブルから選択することと、前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記表示情報の前記サイズ、前記表示コントラスト、及び前記バックライトの輝度のうち少なくとも1つを調整することとを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を自動的に調整することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することは、ユーザ入力を受信することと、前記ユーザ入力に応答して、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)のガンマ設定値、白色点の設定値、及び黒色点の設定値のうち少なくとも1つを調整することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記携帯電子装置(100)の第1のディスプレイ(142)に対する前記測定した環境光に基づいて生成されたディスプレイ調整パラメータを、前記携帯電子装置(100)の第2のディスプレイ(142)に対するディスプレイ調整パラメータに変換するために変換規格を使用することにより、前記携帯電子装置(100)の前記第2のディスプレイ(142)を調整することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及びSTN液晶ディスプレイのうち1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
携帯電子装置(100)であって、
前記携帯電子装置(100)に配置され、測定した環境光を判定する光検出電子回路(110)と、
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)のディスプレイ(142)を調整するディスプレイコントローラ(150)と
を備えることを特徴とする携帯電子装置(100)。
【請求項25】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて表示情報のサイズを調整するサイズコントローラ(152)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項26】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度を調整するバックライトコントローラ(154)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項27】
前記バックライトコントローラ(154)は、前記測定した環境光に基づいて前記ディスプレイ(142)の前記バックライトの輝度を制御するために、前記ディスプレイ(142)のパルス幅変調デューティサイクルを調整することを特徴とする請求項26に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項28】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて表示コントラストを調整するコントラストコントローラ(156)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項29】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光に基づいてフォントの種類、フォントの色、及び背景色のうち少なくとも1つを調整することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項30】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光に基づいて前記表示コントラストを制御するために前記ディスプレイ(142)のバイアス電圧を調整することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項31】
ディスプレイ温度を判定する温度センサ(172)を更に具備することを特徴とする請求項28に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項32】
前記コントラストコントローラ(156)は、前記測定した環境光、及び前記ディスプレイ温度に基づいて、前記ディスプレイ(142)の前記バイアス電圧を調整することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項33】
前記温度センサ(172)は前記ディスプレイ温度を測定することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項34】
前記温度センサ(172)により測定された周囲温度から前記ディスプレイ温度を判定する温度プロセッサ(174)を更に具備することを特徴とする請求項31に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項35】
ディスプレイ調整値のテーブルを少なくとも1つ格納するメモリ回路(130)を更に具備し、各ディスプレイ調整値は、異なる環境光の値に対応することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項36】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に対応する前記ディスプレイ調整値をディスプレイ調整値の前記テーブルから選択し、前記選択したディスプレイ調整値に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整することを特徴とする請求項35に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項37】
前記メモリ回路(130)は、表示情報のサイズ、表示コントラスト、及び前記ディスプレイ(142)のバックライトの輝度のうち少なくとも1つの各々に対するディスプレイ調整値のテーブルを格納することを特徴とする請求項35に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項38】
前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を調整するために、前記ディスプレイコントローラ(150)に指示を送るユーザ入力装置(140)を更に具備することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項39】
前記ユーザ入力装置(140)は、前記携帯電子装置(100)のハウジングに配置される制御ボタン(144)を有することを特徴とする請求項38に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項40】
前記ユーザ入力装置(140)は、可聴ディスプレイコマンドを前記ユーザから受信するスピーカ(148)を有することを特徴とする請求項38に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項41】
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記測定した環境光に基づいて前記携帯電子装置(100)の前記ディスプレイ(142)を自動的に調整することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項42】
前記光検出電子回路(110)は、環境光を検出する光センサ(112)を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項43】
前記光検出電子回路(110)は、前記検出した環境光を処理し、且つ前記処理した環境光から前記測定した環境光を判定する光プロセッサ(114)を更に有することを特徴とする請求項42に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項44】
前記光検出電子回路(110)は、カメラアセンブリ(110a)の一部であることを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項45】
前記携帯電子装置(100)は、ラップトップコンピュータ、計算機、パーソナルデータアシスタント、ポータブルゲームシステム、及び携帯音楽プレーヤのうち1つを含むことを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項46】
前記携帯電子装置(100)は、無線通信信号を送受信するトランシーバを有する携帯電話を有することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項47】
前記光検出電子回路(110)は、前記携帯電話内のカメラアセンブリ(110a)内に配置されることを特徴とする請求項46に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項48】
前記ディスプレイ(142)は、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタディスプレイ、薄膜ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及びSTN液晶ディスプレイのうち1つを含むことを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【請求項49】
前記携帯電子装置(100)上に第2のディスプレイ(142)を更に具備し、
前記ディスプレイコントローラ(150)は、前記携帯電子装置(100)の第1のディスプレイ(142)に対する測定した環境光に基づいて生成されたディスプレイ調整パラメータを、前記携帯電子装置(100)の前記第2のディスプレイ(142)に対するディスプレイ調整パラメータに変換するために変換規格を使用することにより前記第2のディスプレイ(142)を調整することを特徴とする請求項24に記載の携帯電子装置(100)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2007−535695(P2007−535695A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504938(P2007−504938)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/034124
【国際公開番号】WO2005/104081
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/034124
【国際公開番号】WO2005/104081
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】
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