説明

携帯電話機、携帯電話機用ゲームプログラム及び当該ゲームプログラムを利用したサービス提供サーバ並びにゲーム制御方法

【課題】 携帯電話機の電話機機能とネットゲームとを融合して全く新しい興趣を提供することを課題とする。
【解決手段】 携帯電話機への着信又は発信に応じてゲームがスタートし、着信状態が解除される(所謂、終話ボタンの入力)に応じて決定される抽選演算結果に基づき、その携帯電話機の表示手段に対して数字に関する図柄(例えば、サイコロの目)を表示し、その表示された図柄に関する数字に関連するゲーム進行データをゲームサーバに送信して、ゲーム進行データの送信を携帯電話機への着信又は発信を契機とし、着信状態が解除される度に繰り返し、この繰り返し送信したゲーム進行データに基づきゲームサーバ内のゲームプログラムに応じて進行するゲーム結果が所定の結果となった場合に、そのゲーム結果情報を受信する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機を利用し、当該携帯電話機の独特の受話/送話機能とインターネットなどの通信回線を利用したネットゲームとを融合した全く新しい携帯電話機用ゲームプログラム及び当該ゲームプログラムを利用したサーバ並びにゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の普及は目覚しく、特に若者の間では殆どの人間が所有するようになってきている。その一方で、着信音を他の使用者と差別化するために当該使用者の好みで好きな音楽などに変更するなど所謂着メロの個性化が進むとともに、前記携帯電話機の表示手段に表示される待ち受け画面についても使用者独自に好みの待ち受け画面を使用して、他人の携帯電話機との差別化を図る傾向がでてきている。
【0003】
そして、最近では、iモード(登録商標)ではJAVA(登録商標)規格によってiアプリなどの様々ゲームが携帯電話機で行えるようになってきている。しかも、JAVAアプリケ-ションにより、前述した待ち受け画面に関しても従来は静止画だけであったが、動画の待ち受け画面も登場してきている。
【0004】
このような動画の待ち受け画面としては、例えば、非特許文献1に示されているように、J−フォン向けに供給されるセガ社のJAVAアプリケーションとして、3Dポリゴンエンジンを活用したもので、「スペースチャンネル5」の主人公「うらら」が待受画面に登場し、3Dポリゴンで描かれたキャラクターがダンスを踊るというものが提案されている。
【0005】
このJAVAアプリケーションは、「電話やメールの着信時に連動したアニメーションが表示したり、「うらら」の声によるボイス着信音を設定したりすることもできるようになっている。このほか、通話終了後に「今の電話どうだった?」というような簡単な質問に回答することで、通話相手との相性などがランキング表示される相性占い「通話シチョーリツ」でも楽しめるユーザーの回答データが蓄積されるようになっており、使えば使うほど「うらら」のコスチュームや動きが変化したり、謎のキャラクターが登場したりするお楽しみ機能も用意されている。」と前記ホームページに紹介されている。
【0006】
また、上述したような携帯電話機を使っての懸賞応募を行うことができるようなサービスも多々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0007】
特許文献1記載の発明は、携帯電話等の携帯端末を利用して懸賞を実施するための懸賞実施方法および懸賞システムが開示されており、詳しくは、懸賞の応募側実施側共に懸賞の実施に必要な作業を最小限で済ますことが可能にすることを目的としてなされたものである。
【0008】
特許文献2記載の発明は、くじ応募のインタラクティブ性を追求することを目的としてなされたもので、くじ応募を行うとすぐに抽選結果を電子メール等で応募者に知らせるものが開示されている。
【0009】
特許文献3記載の発明は、その場で結果が得られる通信懸賞システムを提供することを目的になされたものであり、応呼者である主催者が主催する懸賞に対して、発呼者である応募者の通信端末の操作により、情報通信網を通じてセンター装置に接続して前記懸賞に応募し、前記センター装置は通信端末からの前記通信端末からの応募に対して当たり外れをその場で判断して、直ちにその結果を前記情報通信網を通じて前記通信端末に返答して前記応募者に通知することを提案している。
【0010】
特許文献4記載の発明は、懸賞くじ付き相互挨拶状の送信方法が提案されている。
【0011】
上述した「うらら」のように携帯電話の着信に応じて動画が動くものでは、動画を待ち受け画面に採用することが可能になって、同じ機種の携帯電話機であっても、前記待ち受け画面を他人とは異なる動画画面を採用することによって、よりオリジナリティのある携帯電話機にすることができるようになった。しかし、電話が長引くとその動画を視認することができないし、何度も見ることにより飽きが生じてしまうといった問題がある。
【0012】
また、携帯電話のインターネット通信機能を用いて、懸賞サイトに応募するような方式では、パソコンを用いてインターネット通信回線を通じて懸賞応募するものと何ら変りなく、携帯電話の機能を十分に発揮したものとは言い難いものであった。
【0013】
以上のような問題から本願出願人は、特開2003−78591号(特許文献4)を既に出願しており、この出願においては、「表示手段に対してゲームプログラムに基づくゲーム結果を表示可能なゲームプログラムを具備した携帯電話機であって、当該携帯電話機の着信又は発信に応じて前記ゲームプログラムに基づくゲームがスタートする一方、前記携帯電話機の前記着信又は発信に対する接続解除に応じてか、或いは所定時間経過後に、前記携帯電話機の使用者に特定の利益を提供し得るゲーム結果が前記表示手段に表示される制御内容を具備することを特徴とするゲームプログラムを具備する携帯電話機」、及び、「通信回線網を通じて携帯電話機からゲーム結果を受信し、前記携帯電話機の使用者に対して前記受信したゲーム結果に応じたサービスを提供可能なサービス提供サーバであって、前記ゲーム結果は、前記携帯電話機への着信又は発信に応じてゲームがスタートし、前記着信又は発信に基づく接続解除に応じてか、或いは所定時間経過後に、決定されるものであることを特徴とするサービス提供サーバ」の発明を提案している。
【0014】
一方、最近では、サーバを通じて複数のゲーム端末を接続し、当該複数のゲーム端末からのゲーム入力を各々のゲーム端末で行い、サーバ内のゲームプログラムを前記各々のゲーム端末からゲーム入力をインターネット通信網を通じて前記サーバが受信し、一つのゲーム時間軸で進行する一つのゲーム空間で複数のゲームプレーヤが対戦プレーを行い、又、一つの解決テーマを競って解決するなどのコミュニケーション的な面白さを備えたゲームが流行している(所謂、ネットゲーム)。
【0015】
【非特許文献1】「右記URL http://k−tai.impress.co.jp/cda/article/.html」
【特許文献1】特開2000−243333号公報
【特許文献2】特開2001−76066号公報
【特許文献3】特開2001−16335号公報
【特許文献4】特開平11−242714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記本願出願人が提案する特許文献4のものでは、上述した携帯電話の機能を十分活用しつつ、自らが主導するのではなく、他人まかせで懸賞の当選を果たすことができる待ち受け懸賞プログラム、当該プログラムを内蔵した携帯電話機、又は、その懸賞プログラムを用いたサービス提供サーバを提供できるものの、そのサーバと携帯電話機との1対1の関係での趣向性しかないので、ゲーム性を更に高める手法が必要になると本願発明者は考えた。また、特許文献4のものでは、各々の携帯電話機内部の乱数などを用いた抽選確率に100%依存して遊技者にとって有利な抽選結果(ゲーム結果)となるために、例えば、そのゲーム結果に応じて景品を提供する懸賞ゲームとする場合には、用意する景品を目標とする景品数に基づく確率値に比べて多めに用意しておく必要があるが、その調整がそのゲームを行う使用者の数に目標とする景品数からの誤差が依存することから、多めに用意する景品数を正確に予測することが困難となる可能性があった。しかも、特許文献4では、サーバへのアクセス回数が通信料金の増加の問題から、実質的にゲーム結果が使用者にとって有利な結果となった場合に限られてしまうので、携帯電話会社としては、通話料の増加が景品数に依存してしまうといった別の側面からみたメリットが少ないといった課題も存在していた。
【0017】
また、上記ネットゲームでは様々なものが登場しているが、従来の一つのゲーム機内で複数人対戦ゲームを行えるもの、或いは、ローカルネットワーク接続されたドライビングゲームなど、広域通信回線網を利用することを必須の要件としつつ、その構成故に格別の面白さが享受されるような斬新なゲームは今のところ存在せず、従来のローカルネット接続された通信ゲームを単に広域ネットワークに適用したにすぎないものが殆どであり、ネットゲームを更に普及させるためには、新たなジャンルとなりえるようなネットゲームの登場が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以上のような課題を解決するため、この発明では、「携帯電話機への着信又は発信に応じてゲームがスタートし、着信状態が解除される(所謂、終話ボタンの入力)に応じて決定される抽選演算結果に基づき、その携帯電話機の表示手段に対して数字に関する図柄(例えば、サイコロの目)を表示し、その表示された図柄に関する数字に関連するゲーム進行データをゲームサーバに送信して、前記ゲーム進行データの送信を前記携帯電話機への着信又は発信を契機とし、着信状態が解除される度に繰り返し、この繰り返し送信した前記ゲーム進行データに基づき前記ゲームサーバ内のゲームプログラムに応じて進行するゲーム結果が所定の結果となった場合に、そのゲーム結果情報を受信する機能を有する」携帯電話機を提供する。
【0019】
また、「携帯電話機への着信又は発信に応じてゲームがスタートし、着信が解除されるのに応じて決定される抽選演算結果に基づき、その携帯電話機の表示手段に対して数字に関する図柄を表示し、その表示された図柄に関する数字に関連するゲーム進行データをゲームサーバに送信する機能を有する携帯電話機と広域通信回線を介して接続可能なゲームサーバであって、前記携帯電話から受信した前記ゲーム進行データの数字に関連する情報に基づいて、当該ゲームサーバ内に予め記憶されたゲームプログラムに基づいて、双六などの所定のゴールが設定されているボードゲームなどのゲームを前記数字の数だけ駒を進めて進行制御し、前記携帯電話から受信した前記ゲーム進行データの数字関連する情報を繰り返し受信することによって進められる駒がゴールに達すると、その携帯電話の使用者に対して所定の利益を提供することを示す画像データ、又は、画像データを生成するためのゴール到達データを携帯電話に送信する機能を有する」ゲームサーバを提供する。
【0020】
この発明によれば、一度の抽選によって遊技者に利益を享受させるか否かを決定するものでないため、その利益として景品を用意する場合であっても、サーバに送信され、又はサーバが受信する数字に関連するゲーム進行データに応じて前記携帯電話機の使用者に景品を提供するようにするから、景品数が予定される景品数より多く当ってしまったり、予定される景品数より少なく当って景品が余ってしまうといった虞を回避することができるのである。
【0021】
より具体的には、以下のような発明を提供する。
【0022】
(1) 着信を契機として、内部抽選によってゲームを進行させるための数字又は当該数字に関連するゲーム進行データを抽出表示するゲームプログラムを記憶した記憶手段を備え、前記ゲーム進行データをゲームサーバに送受信手段を介して送信可能な携帯電話機であって、この携帯電話機には、前記ゲーム進行データと関連する数字又は当該数字に関連する図柄画像表示データの複数種類を記憶する図柄画像表示データ記憶手段と、前記図柄画像表示データ記憶手段から前記内部抽選結果に応じた数字又は当該数字に関連した図柄画像表示データを抽出する抽選結果画像抽出手段と、前記抽選結果画像抽出手段によって抽出された図柄画像表示データを表示するための表示手段とを具備し、前記ゲーム進行データを前記内部抽選による抽選の度に、前記ゲームサーバ内での他のゲームに供すべく、前記ゲーム進行データを前記ゲームサーバへ送信可能としてなることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、携帯電話機に対する着信を契機として抽選した結果が直ちに、景品獲得につながるのではなく、景品獲得のために進行させるゲーム進行のためのデータがこの携帯電話機内の内部抽選によって得られるようにし、そのゲーム進行のためのゲーム進行データがゲームサーバに送信されて、当該ゲームサーバ内では、受信した前記ゲーム進行データに基づいてスゴロクゲームなどのゲームをゲームプログラムに基づいたゲーム演算処理によって実行して、そのゲーム結果が所定の結果に達すると景品の獲得したことを、前記サーバから前記携帯電話端末に通知するための通信などを行うようにできるから、予め用意した景品数などを前記サーバ側で管理することが容易になる。勿論、「携帯電話機で抽選により決定されるゲーム進行データは、誰かからの電話が着信することを条件としているから、従来のように、わざわざ懸賞サーバにアクセスするなどの面倒さを解消することができるとともに、自分の都合だけでは抽選されないといった斬新が懸賞応募形態を呈して」趣向性に富んだものとすることができる。
【0024】
(2) 着信することを条件として、サーバ内で実行可能なボードゲーム上で進める駒数を決定するための抽選を許可するとともに、抽選を実行する抽選手段と、その抽選により得られた駒数を前記サーバに送信する送信手段と、前記駒数に関連する表示情報を表示する表示手段とを具備する携帯電話機において、前記抽選によって得られた駒数は、前記ボードゲーム上の駒を進める又は後退させる数値を含み、前記抽選により得られた駒数を利用して前記ボードゲーム上で駒を移動させることを許可する入力を使用者が入力したことを条件として、前記表示手段に抽選によって得られた駒数又は当該駒数に関連する表示情報を表示する制御手段を具備することを特徴とする。
【0025】
上記発明によれば、(1)の発明では、前記サーバにゲームを進行させるためのゲーム進行データを送信する前に携帯電話機の表示手段に、そのゲーム進行データとしての数字又は当該数字に関連する図柄画像表示データを表示するのに対して、この発明では、前記抽選によって得られた駒数は、前記ボードゲーム上の駒を進める又は後退させる数値を含み、前記抽選により得られた駒数を利用して前記ボードゲーム上で駒を移動させることを許可する入力を使用者が入力したことを条件として、前記表示手段に抽選によって得られた駒数に関連する表示情報を表示するようにしているから、抽選によって得られる駒数が前記ボードゲーム上の後退となる駒数であるのか、前進する駒数であるのかが、使用者が、サーバに接続して駒を進めることを意思決定し、許可する入力を行うまで、その使用者には判らないから、例えば、ゴールすることによって景品を得られるようなボードゲームに適用してより興趣に優れたものとすることができる。別の観点から見ると、予め前記抽選によって得られた駒数がサーバに接続する前にわかってしまうと、ボードゲームとしての双六ゲームに適用した場合には、必ずしもサイコロの目が多いと早くゴールするというものではなく、ゴールから戻るといった面白さを享受できない可能性があるし、単調に前進するだけでは、着信が多い使用者が有利となってしまう恐れがあるものの、この発明のように構成すれば、必ずしも着信回数が多ければ早くゴールするといったものでもなくなるので、より面白さが向上するのである。
【0026】
(3) 着信を契機として、第1のゲームプログラムに応じた抽選によりゲーム結果を演算し、この演算された第1のゲーム結果データを携帯電話機から受信する機能を有するサービス提供サーバであって、当該サービス提供サーバは、受信した前記第1のゲーム結果データに基づきゲームを進行させる第2のゲームプログラムと、当該第2のゲームプログラムに基づくゲーム演算処理によって得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを判定する景品提供可否判定機能を担う景品提供可否判定プログラムとを記憶した記憶手段を具備し、前記景品提供可否判定プログラムによって、制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、使用者の自らの意思ではない、他人からの着信によって抽選がなされて、その抽選結果に応じて決定された駒数などのゲーム結果を、サーバに送信することによって、当該サーバ内で前記ゲーム進行データに基づいたボードゲームが実行されることになるから、電話がかかってくるのが楽しくなるような全く新しいゲームの興趣を提供することができるようになる。
【0028】
なお、前記第1のゲーム結果データが、後述する実施例で例示するゲーム進行データ、駒数に相当し、第2のゲーム結果がボードゲームのゴールに到って景品獲得の機会を得たかどうかに相当する。
【0029】
(4) 前記第2のゲームプログラムは、複数の携帯電話機から受信された複数のゲーム結果データに基づいて、同一のゲーム空間内で競い合うゲームを実行可能とし、サービス提供サーバによって、前記制御手段が予め記憶された景品提供可能数の範囲で、夫々の携帯電話機に対して所定の条件を満たした場合に、前記当選確認データを送信することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、複数の携帯電話機の使用者がサーバ内で実行される一つの双六ゲームなどのボードゲームを競技し、ゴールを目指して前記ゲーム進行データを繰り返し送信して、景品獲得を競いあうことが可能な新たな面白さを提供することができる。特に、サーバ内で景品を獲得させて良いかどうかを制御手段で判定してから当選獲得データを該当する携帯電話機に送信するようにしているから、景品数を大幅に越えて獲得させてしまうといった虞を回避することができる。
【0031】
なお、上記(1)(2)の発明においても、この(4)の発明と同様に、前記他のゲーム又は前記ボードゲームが、複数の携帯電話機からのゲーム進行データ又は駒数に関するデータを送信し、前記サーバ内で競技するゲームとすることも可能である。そして、このように構成することによって、携帯電話機の使用者は、他の携帯電話機の使用者と競い合い、早く景品数があるうちに景品獲得のための条件をクリアしようとして、何度も前記サーバにゲーム進行データ又は駒数に関するデータを送信することを促すことができる。
【0032】
また、前記サーバは、前記携帯電話機からゲーム進行データ又は駒数に関するデータを受信する度に、前記制御手段が前記記憶手段に予め記憶された景品残報知プログラムを実行し、この景品獲得報知プログラムを実行させることによって、前記携帯電話機の表示手段に対して景品残を表示するための景品残データを送信するようにすれば更に前述した前記サーバにアクセスしようとする意欲を向上させることが可能となる。
【0033】
(5) 着信を契機として携帯電話機の第1のゲームプログラムにより得られた抽選による第1のゲーム結果データを受信するステップと、受信したゲーム結果に基づいて、制御手段が記憶手段に予め記憶された第2のゲームプログラムに基づいたゲームを演算処理するステップと、前記演算処理により得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、前記制御手段が景品提供可否判定プログラムに基づき、景品獲得させた場合に予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを比較判定するステップと、前記景品提供可否判定プログラムによって、前記制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信するステップとをコンピュータに実行させることが可能な携帯電話機用ゲームプログラム。
【0034】
(6) 前記第2のゲームプログラムは、複数の携帯電話機から受信された複数のゲーム結果データに基づいて、同一のゲーム空間内で競い合うゲームを実行可能とし、前記制御手段が予め記憶された景品提供可能数の範囲で、夫々の携帯電話機に対して所定の条件を満たした場合に、前記当選確認データを送信することを特徴とする(5)に記載の携帯電話機用ゲームプログラム。
【0035】
これら(5)及び(6)の発明によれば、上述した(3)及び(4)と同様の効果を奏する携帯電話機用ゲームプログラムを提供することができる。すなわち、電話がかかってくるのが楽しくなるような全く新しいゲームの興趣を提供することができ、また、景品数を大幅に超えて獲得させてしまうといった虞を回避することができる携帯電話機用ゲームプログラムを提供することができる。
【0036】
(7) 着信を契機として携帯電話機の第1のゲームプログラムにより得られた抽選による第1のゲーム結果データを受信するステップと、受信したゲーム結果に基づいて、制御手段が記憶手段に予め記憶された第2のゲームプログラムに基づいたゲームを演算処理するステップと、前記演算処理により得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、前記制御手段が景品提供可否判定プログラムに基づき、景品獲得させた場合に予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを比較判定するステップと、前記景品提供可否判定プログラムによって、前記制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信するステップとを前記携帯電話機と接続可能なサーバにおいて実行可能なゲーム制御方法。
【0037】
本発明によれば、携帯電話機と接続して、当該携帯電話機内で第1のゲームプログラムに基づいて進行され、そのゲーム結果としての第1のゲーム結果データを受信し、当該第1のゲーム結果をゲーム入力として、このゲーム入力に応じてゲームを進行させるための第2のゲームプログラムを実行する制御手段を具備したサーバにおいて実行される以下のゲーム制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したような、この発明によれば、使用者の自らの意思ではない、他人からの着信によって抽選がなされて、その抽選結果に応じて決定された駒数などのゲーム進行データを、サーバに送信することによって、当該サーバ内で前記ゲーム進行データに基づいたボードゲームが実行されることになるから、電話がかかってくるのが楽しくなるような全く新しいゲームの興趣を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図に沿って、この発明を携帯電話機及び当該携帯電話機で接続可能なサーバに適用した一例としての実施の形態について説明する。
【0040】
図1に示すのは、この発明を適用するシステム構成図であり、図において、1はサービス提供サーバであり、当該サービス提供サーバ1は、インターネット網10及び基地局11を介して携帯電話機20とデータの送受信可能なように構成されている。
【0041】
携帯電話機20は、他の携帯電話機20との間で、基地局11を介して通話やメールの交換が可能であり、且つ、基地局11を介して接続可能な広域通信網としてのインターネット網を通じて、当該インターネット網に接続されているサーバに対して接続可能に構成されている。より具体的には、サービス提供サーバ1内には、内部の記憶手段に予め記憶されたボードゲームプログラムを具備し、このボードゲームプログラムに基づいて進行するボードゲームに対して、携帯電話機20から受信したゲーム進行データとしてのサイコロSの目Aの駒数だけ、その携帯電話機20に関連する駒を進めて所定のゴールを目指すゲームが実行される。このボードゲームは、複数の携帯電話機20による同じ時間軸でのゲームが進行され、携帯電話機20の複数の使用者間で競い合い、早くゴールに到達した携帯電話機20の使用者に対して、予めスポンサーによって用意された本数の景品が提供される。つまり、携帯電話機20の所有者は、予めサイコロSの目Aを抽選によって得ることが可能なサイコロゲームプログラムと、そのスポンサーの広告宣伝情報をサーバ1からダウンロードし、着信し終話ボタンを入力する度に抽選により決定されるサイコロSの目Aを、その都度、サーバ1に送信して、サーバ1内で実行されるボードゲーム上の駒をゴールに向かって順次進めるように促す。そして、ゴールに到達すると、予めサーバ1に登録されているか、又は、そのゴールしたことを契機に携帯電話機20側にサーバ1から送信される景品送付のための住所、氏名などのアドレス情報に基づいて、景品がゴールした携帯電話機20の使用者宛てに発送されることになる。勿論、サイコロゲームによって、サーバ1内のボードゲームで進める駒数を決定するように、この実施の形態では説明するが、例えば、スロットゲームとして、変動停止した結果の数字の合計が駒を進める駒数としても良いし、トランプゲームとして、複数のトランプカードを表示した状態から、一枚のトランプカードを引いてその数字の駒数だけ駒を進めることができるようにボードゲームに対するサイコロゲームを適宜変更することができる。
【0042】
図2に示すのは、携帯電話機20のハード構成図であり、この携帯電話機20は、制御手段21を含んでおり、当該制御手段21には、待ち受け画面や後述するサイコロゲームのゲーム結果(ゲーム進行データとしての駒数)が表示可能な表示手段22と、アンテナなどの送受信手段23と、電話番号や電子メールの文字入力を携帯電話機20の使用者が行うための入力手段24と、システムプログラムなどが予め記憶されたROM25と、ボードゲームを行うためのサイコロSの目Aを抽選により決定するためのサイコロゲームプログラムや、着信又は発信した他の携帯電話機や常設電話などの電話番号などを記憶し、記憶したサイコロゲームプログラムや電話番号を使用者の入力手段24の操作によって記憶又は消去することが可能な記憶手段としてのRAM26とが接続されている。
【0043】
RAM26には、前述したように、「あるスポンサーに因んだサイコロゲームプログラム」が記憶されている。この「あるスポンサーに因んだサイコロゲームプログラム」は、サーバ1からダウンロード可能なように構成しているが、これに限らず予め携帯電話機20内の記憶手段としてのROM25又はRAM26にプレインストールするように構成しても良い。「あるスポンサーに因んだ」とは、図7,図8に示すように表示手段22に対して表示されるサイコロSの目Aが宣伝広告のための図柄(ロゴ)としている。このロゴは、会社名であったり、ある新商品の名前であったり、任意に設定することができる。
【0044】
また、スポンサーの宣伝広告情報とは、例えば、あるキャンペーンのコマーシャル動画データであり、サイコロSが回転して変動を開始し、その変動の開始を使用者に見せた後に、コマーシャル動画データを用いて、制御手段21が表示手段22にコマーシャル動画を表示するようにすることができる。しかしながら、このコマーシャル動画を表示するような、宣伝広告情報は本件発明の必須の構成ではないが、この宣伝広告情報や前述した宣伝広告のためのロゴなどをサイコロの目に使用することによって、携帯電話機20の表示手段22を用いて有効な宣伝広告効果が期待できるようになる。
【0045】
特に、プログラムの改変を防止する目的を追求するのであれば、書き換え不可のマスクROMに製造過程で記憶させるようにするとよい。この場合には、サイコロSの目Aを、スポンサーの宣伝したい商品の図柄や会社名に適宜差し替えることができるようにするためには、変動図柄の画像データを他のゲームプログラムと分離し、画像データだけを携帯電話機20の入力手段24の操作によって適宜にサーバ1からダウンロードさせるようにすることが当該ダウンロードするデータを少なくする意味から好ましい。
【0046】
表示手段22としては、省電力の目的から一般的に携帯電話機20に使用される液晶表示装置を採用している。また、入力手段24としては、ボタンの表面にアルファベットや数字が標印されメールを作成したり、会話をしたい相手も電話番号を入力するためのキーボタンスイッチ24Aと、各種の機能を選択するための多方向スイッチ24B、サイコロゲームのゲーム結果(駒数)を送信するための専用のゲーム結果送信スイッチ24Cを設けている。ゲーム結果送信スイッチ24Cは必須のものではなく、キーボタンスイッチ24Aや多方向スイッチ24Bを使用してゲーム結果としての駒数をサーバ1に送信して、サーバ1内で進行するボードゲーム上で、送信してきた携帯電話機20に対応する駒を受信した当該駒数だけ進める処理をサーバ1に実行させるようにしている。
【0047】
なお、JAVAを搭載した携帯電話機20においては、通常の電話はオペレーティングシステム及びネイティブソフトウエア(ブラウザ、ネットワーキングコンポーネント、Phone Dialer等)を使用して行われる。これに対して、JAVA Application Manager(JAM)により、ROM25又はRAM26に格納されている個々のJAVAアプリケーション(ゲームプログラム等)の管理が行われるようになされている。
【0048】
図3に示すのは、サーバ1のハードブロック図である。このサーバ1は、制御手段2と、当該制御手段2には、インターネット網10と接続し電子データの送受信を行うための通信インターフェース3と、ボードゲームプログラム、及び携帯電話機20から受信したゲーム進行データとしての駒数に基づいて受信した携帯電話機20に対応する駒を進める処理を実行し、ゴールしたかどうかの判定処理を制御手段2が実行し、この実行結果でゴールしたと制御手段2が判定した場合に、そのゴールしたことを通知する通知プログラムとを記憶する記憶部4と、複数の携帯電話機の使用者の携帯電話番号に対応付けられて、住所等や年齢及び性別などのID情報が記憶されたユーザデータベース5と、スポンサーが提供する賞品又は賞金などの携帯電話機20の使用者に特定の利益を提供する目的で各々の携帯電話機20に対する駒数を決定するためのサイコロゲームプログラムが複数種類記憶された記憶手段としてのスポンサーデータベース6とが接続されている。サイコロゲームプログラムは、スポンサーごとに異なるプログラムとなっており、それぞれのスポンサーが提供する景品などを携帯電話機20の使用者が見て、どのサイコロゲームプログラムをダウンロードするかを携帯電話機20の入力手段24を用いて決定する。また、ボードゲームプログラムを前述したスポンサーごとに用意して、ボードゲームの進行途中で止まった駒の位置によってイベントを発生させ、そのイベントの発生に伴うゲーム課題を入力手段24の操作で携帯電話機20の所有者がクリアすると目的の景品の割引特典が得られたり、また、目的の景品に関連する別の景品が当たるように構成することもできる。この場合には、ボードゲームプログラムを記憶部4から他の記憶手段であるスポンサーデータベース6に格納することが好ましい。また、同じボードゲーム上で競い合っている他の携帯電話機20の使用者の駒をイベントの発生に伴い後退させるなどの処理をコンピュータに実行させることが可能なプログラムとすることもできる。
【0049】
しかも、サーバ1内の記憶部4には、ボードゲーム全体をサーバ1に携帯電話機20が接続されることを条件として、当該ボードゲームにおける他の携帯電話機20との駒の位置関係をビジュアル的に表示手段22に表示させるための画像データを記憶している。この画像データがゲーム進行データをサーバ1に対して携帯電話機20の入力手段24の操作により使用者が送信すると、この送信を受けて進んだ駒数だけ駒を進ませた、ボードゲーム全体を表示可能な画像データがサーバ1から携帯電話機20に送信される。
【0050】
スポンサーデータベース6は、複数のデータベースの集合体からなり、それぞれのデータベースには、スポンサーごとの確率テーブルでサーバ1内で制御手段2の制御の基に進行するボードゲームで駒を進める数を決定するための、サイコロゲームが実行可能なゲームプログラムが記憶されている。また、サイコロゲームを携帯電話機20で実行させるスポンサーごとのゲームプログラムの他、携帯電話機20の入力手段20の操作によって賞品や賞金内容又は賞品や賞金の当選可能本数、或いは、ボードゲーム上での他の携帯電話機20の使用者との位置関係などを閲覧可能にするための各種画像データや文字データが制御手段2の制御の基に検索可能、且つ、携帯電話機20に対して検索した各種画像データや文字データを送信するために抽出可能なように記憶されている。
【0051】
しかして、スポンサーデータベース6に記憶された複数のゲームプログラム(ボードゲームプログラムと関連付けられたサイコロゲームプログラム)の中から当該ゲームプログラムごとに対応する賞品又は賞金を使用者が自ら所有する携帯電話機20の入力手段24を操作して閲覧し、どの賞品又は賞金を狙ってゲームプログラムをダウンロードするかを決定し、入力手段24を操作して決定したゲームプログラムをダウンロードする。このサイコロゲームプログラムには、進める駒数の数が大きく出易いかどうかを決定する確率テーブルが含まれており、高額で少ない景品数の場合には、宣伝の宣伝情報を使用者に繰り返し見てもらう目的と、キャンペーン期間内のぎりぎりまで景品が残っているようにするために、駒数としてのサイコロの出目を大きく出しにくい確率としており、景品の数が多い場合には、逆にサイコロの出目が大きく出易い確率テーブルとして使用者に沢山の景品が得られるように制御するようにしている。
【0052】
サイコロゲームのゲームプログラムをダウンロード完了した後は、後述する図4,図5で詳述するように、携帯電話機20への着信の度にサイコロゲームが開始され、着信を解除した段階としての終話のために入力手段24を操作することに応じて接続を断ったことを契機としてサイコロゲームが終了し、サイコロゲームのゲーム結果としてのゲーム進行のための駒数が携帯電話機20の表示手段22にリアルタイムで表示される(駒数表示状態図7参照)。この実施の形態では、携帯電話機20への着信を契機として予めダウンロードしたサイコロゲームがスタートするようなプログラムの構成としているが、これに限らず発信を契機としてスロットゲームがスタートするようなプログラムの構成とすることもできるのは勿論である。このような場合には、携帯電話機20の使用者が携帯電話機20を使用することがサイコロゲームで抽選によってゲーム進行データをサーバ1に送信したボードゲームでのゴールインを早期に実現しようとする意欲を向上させることができるし、この実施の形態のように、着信を契機としてサイコロゲームがスタートするようにすれば、他の携帯電話機20からの着信をボードゲームでゴールインして景品や賞金を獲得することを期待して、誰からの電話であろうと電話があることを楽しみに待つことになるといった効果が見込まれる。
【0053】
(ゲームの流れ)
図4を参照して、前述したように、携帯電話機20のRAM26にサイコロゲームのダウンロードが完了すると、携帯電話機20は他の電話からの着信を待つ(ステップS1)。
【0054】
そして、他の電話機からの着信があったことを制御手段21がROM25内に予め記憶されるシステムプログラムによって判定する(ステップS2:YES)と、制御手段21はRAM26内のサイコロゲームのゲームプログラムを起動させてゲームスタートの準備をするとともに、着信先の電話との送話及び受話を可能にする(ステップS3)。
【0055】
ゲームスタートの準備が完了すると、制御手段21は、サイコロゲームをスタートさせる(ステップS4)。ゲームがスタートすると、携帯電話機20の表示手段22には、随時書き換え可能なメモリとしてのRAM26に記憶されたゲームプログラムに含まれる画像データに基づいて、制御手段21に制御によって、図7に示すサイコロSが回転しながら演出表示される。そして、このサイコロSの回転変動状態は、着信が解除されるまで、すなわち、その携帯電話機20に着信した他の電話との接続が解除されるまで維持される。この接続が解除されると、図7に示すようにサイコロSの回転が停止して、ゲーム進行データとしての駒数が確定表示される。この時のサイコロ自体又はサイコロの目の図柄画像データは、ゲームプログラムに含まれてRAM26に予め記憶されている。
【0056】
携帯電話機20の入力手段24を使用して終話のための操作入力が行われると、これを制御手段21が検知する(ステップS5:YES)。
【0057】
携帯電話機20の入力手段24を使用して終話のための操作入力が行われない(ステップS5:NO)で、着信先の電話からの接続状態の解除の信号が受信されるか或いは着信先の電話との接続状態が断たれる(非着信状態への移行)と、これを制御手段21が検知する(ステップS6:YES)。
【0058】
そして、(ステップS5:YES)又は(ステップS6:YES)の段階で非着信状態に至ったことを制御手段21が検知すると、継続して変動状態を表示手段22に表示してサイコロゲームが進行している状態を維持しつつ、当該サイコロゲームの出目Aの抽選結果をいくつにするかを決定するための抽選処理が制御手段21の制御の基で、ダウンロードされたゲームプログラムの中の確率テーブルを使用して実行される(ステップS7)。
【0059】
S7の抽選に応じてゲーム結果としての駒数が出目Aとして表示手段22に表示される(ステップS8)。
【0060】
ゲーム結果が表示された後に、使用者の入力手段24としてのゲーム結果送信スイッチ24Cの操作入力を制御手段21が検知する(ステップS9:YES)と、ゲームプログラムに予め用意されたアドレスに対してアドレスに位置するサーバ1へゲーム結果としてのゲーム進行データを送信する(ステップS10)ための準備処理を行う。この準備は、得られたゲーム進行データとその携帯電話機の電話番号とを一つのデータとして結合するなどの処理である。そして、ステップS10の処理が完了すると自動的にアドレスのサーバ1に対して、どの携帯電話機からの送信であるかを判定するためのデータである携帯電話番号データとゲーム結果とがサーバ1に送信され、この送信が完了したことをサーバ1の制御手段21が検知するとサーバ1との接続を断って終了する。
【0061】
次に、図6に基づいて、ゲーム結果がサーバ1に送信されてからの当該サーバ1内での処理フローについて説明する。
【0062】
まず、サーバ1は、前述したように携帯電話機20からのサイコロゲームプログラムのダウンロードのための接続、及び携帯電話機20からの駒数(ゲーム進行データ)としてのゲーム結果の受信を待つ待機状態を維持する(ステップS30)。この実施の形態では、駒数=ゲーム進行データとしているが、当該ゲーム進行データは、駒数に比べて広義の概念であり、ゲームを進めるためのデータとして、例えば、サーバ1と接続してルーレットを回す回数に関するデータであるとか、サーバ1と接続した状態で行うのがボードゲームではなく、射撃ゲームであって、ゲーム進行データが射撃ゲームで発射できる玉の数であるといったものも含まれる。つまり、この実施の形態に対応付けて説明すれば、サイコロゲームとしての第1のゲームは、ボードゲームとしての第2のゲームを進行させるためのゲーム進行データを得るためのゲームであり、サーバ1と接続していない状態で、第1のゲームを行わせ、サーバ1と接続した状態で第2のゲームを行わせることにより、景品の在庫を確認しつつ制御手段2がゴールさせて良いか(景品を当ててしまって良いか)を判定しつつ、スポンサーから与えられた景品数や賞金本数の範囲でサービスを提供することが容易に制御できるようになる。
【0063】
そして、ステップS11で送信されたゲーム結果がサーバ1に送信されると、この送信されたゲーム結果を受信したことを制御手段2が検知する(ステップS31)。
【0064】
ステップS31でゲーム進行データとしてのゲーム結果が受信されると、このゲーム結果としてのゲーム進行データに結合された電話番号に基づいて認証処理を実行する(ステップS32)。この認証処理とは、予めユーザデータベースに登録されたその携帯電話番号に対応する使用者としてのユーザーを特定する処理である。そして、このユーザーの特定によって、その使用者が既にそのボードゲームを過去に実施していないかどうかを見るために、ユーザデータベース5に制御手段2がアクセスする。もし、過去のボードゲームの実行履歴がある場合には、制御手段2は、その使用者が前回までに進めた駒の位置データを抽出処理する。
【0065】
そして、受信されたゲーム結果と前回の位置データとに基づいてボードゲームを行った時にゴールしたかどうかを制御手段2の制御の基で演算処理を実行する(ステップS33)。
【0066】
次に、演算処理の結果、制御手段2がボードゲーム上で受信した駒数だけ、その使用者の駒を移動させた時にゴールしたかどうかを判定する(ステップS34)。
【0067】
そして、(ステップS34:YES)ゴールしたと判定した場合には、制御手段2は、受信したゲーム進行データに付随するスポンサー識別コードから、どのスポンサーのゲームを行っているかを判定し、スポンサーデータベース6にアクセスして在庫景品数や懸賞本数が残っているかどうかを見て、ゴールさせてもよいかどうかを制御手段2が判定する(ステップS35)。
【0068】
もし、この判定の結果で制御手段2によってゴールさせることができないと判定された(ステップS35:NO)場合には、既に、本数が終了していることを受信した携帯電話機20に対して画像データ又は音声データで通知する(ステップS39)。
【0069】
受信したゲーム結果でゴールし、ゴールさせてよいと制御手段2が判定した場合には(ステップS35:YES)、そのゴールによって当選したことを示すための認証番号を発行する処理と、通知処理として当選を賞賛する画像データをスポンサーデータベース6から抽出する処理を制御手段2が実行する(ステップS36)。この認証番号は、後に賞品又は賞金が使用者に対して送付されなかった場合の問い合わせなどに利用する目的で発行されるものである。
【0070】
ステップS34に続いて、当該ステップS34で準備した認証番号と当選を通知するための画像データ(例えば、何が当ったのかを再度使用者に通知するための画像データなど)が準備できると、この準備した認証番号と当選を通知するための画像データを当選確認データとして、使用者の携帯電話機20のアドレスに送信する(ステップS37)。このアドレスのデータは、ユーザデータベース5から抽出され、携帯電話番号又はメールアドレスがこれに相当する。
【0071】
ステップS37で当選確認データの送信が完了すると、次に、ユーザデータベース5を参照して当選した賞品又は賞金の発送処理を実行して(ステップS38)処理を終了する。
【0072】
なお、上述の実施の形態においては、常にゲームを実行するようになされている場合について述べたが、本発明は、これに限らず、使用者がキーボタンスイッチ24Aを操作することにより、ゲームの実行を中途解除するようにしてもよい。この場合、携帯電話機20の制御手段21は、キーボタンスイッチ24Aによるゲーム解除命令を入力すると、当該命令に基づいて、RAM26に記憶されているゲームプログラムの実行を禁止状態とする。これにより、携帯電話機20は着信時においてもゲームが開始されることはなくなり、この分、電池の消耗を軽減することができる。使用者は、電池の残量によってゲームを実行させるか否かを選択することができるようになるのである。
【0073】
図7に示すのは、携帯電話機20の表示手段22にゲーム進行データとしてのサイコロSの出目Aが表示された状態を示しており、ステップS8のゲーム結果表示の表示画面である。このようにゲーム結果を表示させて、「サイコロの出目5」をゲームサーバ1に送信するかどうかを、使用者に決定させる(ステップS9)。図7に示すように、サイコロSの正面に位置する出目を有効な駒数と設定しており、図8のサイコロSの展開図に示すように、1〜6の出目がサイコロゲームの確率テーブルに基づいてゲームの抽選結果として表示される。図7及び図8から明らかなように、サイコロSの目には、宣伝情報としての企業のロゴが使用されるようになっており、このサイコロSの出目Aを使用者に確認させることによって宣伝効果が得ることができるように配慮している。勿論、この実施の形態に示すようにサイコロSの出目Aに会社がキャンペーン賞品のロゴを使用して宣伝効果を創出する方式に限らず、出目がでるまでに宣伝情報を含む動画演出を表示手段22に表示させるように構成することもできる。
【0074】
(変形例)
図9には、図4,5の携帯電話機20での処理の変形例を示しており、同一の流れとなるステップS1〜S8までは図4,5と同じであるので同一符号を付して繰り返しの説明を省略する。この変形例では、携帯電話機20に各スポンサーが提供する賞品や賞金に応じたサイコロゲームプログラムを、着信を契機として終話を経て抽選結果が確定されるまでの流れは同じであるが、上述した実施の形態の場合には、サーバ1と接続するまでは、第2のゲームとしてサーバ1内で実行するための駒数を表示手段22に表示させることなく制御する点で大きく異なる。つまり、制御手段21の制御による抽選によって得られる駒数が、ボードゲーム上の駒を進める又は後退させる数値を含むように確率テーブルが設定されており、抽選により得られた駒数を利用してボードゲーム上で駒を移動させることを許可する入力を使用者が入力したことを条件として、携帯電話機20がサーバ1と接続されて、表示手段22に抽選によって得られた駒数に関連する表示情報を表示する。
【0075】
ステップS8において、図12に示すような、抽選結果送信確認画面が表示手段22に表示される。この抽選結果送信確認画面をこの携帯電話機20の使用者が視認しつつ、携帯電話機20の入力手段24のキーボタンスイッチ24の中で、B又はCに標印のあるボタンを押し込んで、抽選結果としてのゲーム進行データをサーバ1に送信するか否かを使用者に決定させるように促す。
【0076】
次に、抽選結果を送信しないとの入力が入力手段24によってなされた場合(ステップS9−1:YES)、その抽選結果送信確認画面を削除して処理を終了する。
【0077】
また、抽選結果を送信するとの入力が入力手段24によって行われた場合には、ステップS10に移行して制御手段21が抽選結果送信処理を実行する。
【0078】
そして、サーバ1から送信した抽選結果に基づいて、その抽選結果に対応する駒数データを受信したと制御手段21が判定すると(ステップS12:YES)、その受信した駒数データをRAM25に格納する(ステップS13)。
【0079】
次に、このRAM25に格納した駒数データに対応する駒数関連表示データをサイコロゲームプログラムに含まれる画像データから抽出する(ステップS14)。
【0080】
ステップS14に続いて、その抽出した駒数関連表示情報としての画像データを使用して制御手段21は、表示手段22に駒数関連表示情報を表示する(ステップS15)。
【0081】
そして、サーバ1から当選確認データが携帯電話機20に送信され、受信されたと制御手段21が判定すると(ステップS16:YES)、当選演出表示処理をサイコロゲームに含まれる画像データから抽出処理(ステップS17)し、表示手段22に表示させる(ステップS18)。
【0082】
図11に示すのは、図9,図10の携帯電話機20内の処理の流れに対応するサーバ1での処理フローである。つまり、図11は、図6のサーバ1での処理の変形例を示しており、ステップS32とステップS33の間に、駒数通知処理のステップS32−1が挿入されている点で異なり、他の流れは図6の流れと同一であるので同一符号を付して繰り返しの説明を省略する。
【0083】
つまり、この変形例では、図9のステップS12に対応する駒数データが、抽選結果を携帯電話機20からサーバ1が受け取ったことを契機として、認証処理の後に送信先のアドレスを制御手段2が確定させてから送信される流れとしている(ステップS32−1)。
【0084】
なお、この実施の形態では、サーバ1に対して携帯電話機20の1つが接続されてボードゲームが進行されることをより詳しく説明したが、図1に示すように、複数の携帯電話機20が接続され同一のボードゲームのプレーフィールド上でゴールを競い合うようなゲーム形態をとるようにすることが、より面白さを高めるために好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る携帯電話機、携帯電話機用ゲームプログラム及び当該ゲームプログラムを利用したサービス提供サーバ並びにゲーム制御方法は、着信を契機とした内部抽選による抽選結果が、ゲームサーバへゲーム進行データとして送信することとしたから、携帯電話機能とネットゲームとの融合によって新たな娯楽を提供できて有用である。また、内部抽選による抽選の度に、ゲームサーバへゲーム進行データを送信することとしたから、景品の不足や過剰在庫を回避することができるものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係るゲームプログラムを具備する携帯電話機及び当該携帯電話機で実行されるゲーム結果に応じたサービス提供サーバ並びにサービス提供方法を適用したシステム構成図である。
【図2】図1に示す携帯電話機のハードブロック図である。
【図3】図1に示すサーバのハードブロック図である。
【図4】図1に示すシステムに基づいて携帯電話機で実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の流れを示すフロー図である。
【図5】図1に示すシステムに基づいて携帯電話機で実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の流れを示すフロー図である。
【図6】図1に示すシステムに基づいてサーバで実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の流れを示すフロー図である。
【図7】携帯電話機の表示手段にゲーム結果が表示された状態を示す説明図である。
【図8】図7におけるサイコロSの展開状態を模式的に示す説明図である。
【図9】携帯電話機で実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の変形例の流れを示すフロー図である。
【図10】携帯電話機で実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の変形例の流れを示すフロー図である。
【図11】サーバで実行されるゲーム結果に応じたサービス提供方法の変形例の流れを示すフロー図である。
【図12】携帯電話機内で抽選によって決定されたゲーム進行データをサーバに送信するか否かを使用者に決定させる抽選結果送信確認画面を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0087】
1 サーバ
6 スポンサーデータベース
10 インターネット網
20 携帯電話機
22 表示手段
24 入力手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
着信を契機として、内部抽選によってゲームを進行させるための数字又は当該数字に関連するゲーム進行データを抽出表示するゲームプログラムを記憶した記憶手段を備え、前記ゲーム進行データをゲームサーバに送受信手段を介して送信可能な携帯電話機であって、
この携帯電話機には、前記ゲーム進行データと関連する数字又は当該数字に関連する図柄画像表示データの複数種類を記憶する図柄画像表示データ記憶手段と、
前記図柄画像表示データ記憶手段から前記内部抽選結果に応じた数字又は当該数字に関連した図柄画像表示データを抽出する抽選結果画像抽出手段と、
前記抽選結果画像抽出手段によって抽出された図柄画像表示データを表示するための表示手段とを具備し、
前記ゲーム進行データを前記内部抽選による抽選の度に、前記ゲームサーバ内での他のゲームに供すべく、前記ゲーム進行データを前記ゲームサーバへ送信可能としてなることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
着信することを条件として、サーバ内で実行可能なボードゲーム上で進める駒数を決定するための抽選を許可するとともに、抽選を実行する抽選手段と、その抽選により得られた駒数を前記サーバに送信する送信手段と、前記駒数に関連する表示情報を表示する表示手段とを具備する携帯電話機において、
前記抽選によって得られた駒数は、前記ボードゲーム上の駒を進める又は後退させる数値を含み、前記抽選により得られた駒数を利用して前記ボードゲーム上で駒を移動させることを許可する入力を使用者が入力したことを条件として、前記表示手段に抽選によって得られた駒数又は当該駒数に関連する表示情報を表示する制御手段を具備することを特徴とする携帯電話機。
【請求項3】
着信を契機として、第1のゲームプログラムに応じた抽選によりゲーム結果を演算し、この演算された第1のゲーム結果データを携帯電話機から受信する機能を有するサービス提供サーバであって、
当該サービス提供サーバは、受信した前記第1のゲーム結果データに基づきゲームを進行させる第2のゲームプログラムと、
前記第2のゲームプログラムに基づくゲーム演算処理によって得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを判定する景品提供可否判定機能を担う景品提供可否判定プログラムとを記憶した記憶手段を具備し、
前記景品提供可否判定プログラムによって、制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信することを特徴とするサービス提供サーバ。
【請求項4】
前記第2のゲームプログラムは、複数の携帯電話機から受信された複数のゲーム結果データに基づいて、同一のゲーム空間内で競い合うゲームを実行可能とし、前記制御手段が予め記憶された景品提供可能数の範囲で、夫々の携帯電話機に対して所定の条件を満たした場合に、前記当選確認データを送信することを特徴とする請求項3に記載のサービス提供サーバ。
【請求項5】
着信を契機として携帯電話機の第1のゲームプログラムにより得られた抽選による第1のゲーム結果データを受信するステップと、
受信したゲーム結果に基づいて、制御手段が記憶手段に予め記憶された第2のゲームプログラムに基づいたゲームを演算処理するステップと、
前記演算処理により得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、前記制御手段が景品提供可否判定プログラムに基づき、景品獲得させた場合に予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを比較判定するステップと、
前記景品提供可否判定プログラムによって、前記制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信するステップとをコンピュータに実行させることが可能な携帯電話機用ゲームプログラム。
【請求項6】
前記第2のゲームプログラムは、複数の携帯電話機から受信された複数のゲーム結果データに基づいて、同一のゲーム空間内で競い合うゲームを実行可能とし、前記制御手段が予め記憶された景品提供可能数の範囲で、夫々の携帯電話機に対して所定の条件を満たした場合に、前記当選確認データを送信することを特徴とする請求項5に記載の携帯電話機用ゲームプログラム。
【請求項7】
着信を契機として携帯電話機の第1のゲームプログラムにより得られた抽選による第1のゲーム結果データを受信するステップと、
受信したゲーム結果に基づいて、制御手段が記憶手段に予め記憶された第2のゲームプログラムに基づいたゲームを演算処理するステップと、
前記演算処理により得られた第2のゲーム結果が景品獲得可能となった場合に、前記制御手段が景品提供可否判定プログラムに基づき、景品獲得させた場合に予め記憶された景品提供可能数を超えていないかどうかを比較判定するステップと、
前記景品提供可否判定プログラムによって、前記制御手段が景品提供可能とした場合に、前記携帯電話機に対して当選を確認させるための当選確認データを送信するステップとを前記携帯電話機と接続可能なサーバにおいて実行可能なゲーム制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−36302(P2007−36302A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−364626(P2003−364626)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【出願人】(503391669)株式会社オフィス・ゼロ (2)
【Fターム(参考)】