説明

携帯電話装置

【課題】 ストップウォッチ機能を有する複数の携帯電話装置が同一のタイムをカウントする場合、スタート時刻に人為的な誤差がでないようにする。
【解決手段】 ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置において、ストップウォッチのカウントを開始する操作が行われたときに、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を発信し、また、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を受信すると、受信したスタート信号に基づいてストップウォッチのカウントを開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話装置の多機能の一つとしてストップウォッチ機能がある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−72497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の携帯電話装置で同一のストップウォッチのタイムをカウントする場合、個々の使用者がスタートを操作するために、スタート時間に人為的な誤差が生じるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、ストップウォッチのカウントを開始する操作が行われたときに、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を発信する。これにより、スタート信号を受信した装置は送信した携帯電話装置とスタート時刻を合わせることができ、人為的な誤差がなくなる。
【0005】
また、前記スタート信号はメールにより複数の送信先へ送信される。これにより、携帯電話のメール機能の一斉受信を利用して複数のメール受信装置に容易に早くスタート信号を送信することができる。
【0006】
また、ストップウォッチモードになると自動的に時刻合わせを行う。これにより、ストップウォッチに関係ある時刻を自動的に更新することができる。
【0007】
また、ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置において、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を受信し、受信したスタート信号に基づいてストップウォッチのカウントを開始する。これにより、送信した装置にスタート時刻を合わせて、自動的にストップウォッチのカウントを開始することができる。
【0008】
また、受信した前記スタート信号はストップウォッチのカウントを開始した時刻情報を有し、現在の時刻とカウントを開始した時刻の差よりストップウォッチのカウントを計算する。これにより、時刻に基づいてストップウォッチのカウントを行うので、スタート信号の受信が遅れても、スタート時刻を送信した装置に合わせることができる。
【0009】
前記スタート信号の受信後自動的に時刻合わせを行った後にストップウォッチのカウントを開始する。これにより、ストップウォッチに関係ある時刻を自動的に更新することができる。
【0010】
ストップキーと記憶手段を有し、該ストップキーの操作が行われたときにストップウォッチのカウントを終了させると共に、ストップウォッチのカウント情報を前記記憶手段に記憶させる。これにより、自動的にストップウォッチのカウント情報を記憶させることができる。記憶させているのは携帯電話装置であるから、表示部にストップウォッチのカウント情報を表示させたり、ストップウォッチのカウント情報を送信させることが容易にできる。
【発明の効果】
【0011】
複数のストップウォッチ装置で同一のタイムをカウントする場合、ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置がストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を発信するので、スタート信号を受信した装置は送信した携帯電話装置とスタート時刻を合わせることができ、人為的な誤差がなくなる。また、通常の携帯電話装置は時計機能、自動時刻合わせ機能、送受信機能、マイクロソフトを有しているので、ハードウェアを追加することなく安価に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の携帯電話装置の要部の構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話装置は折畳式である。
【0013】
(1)は電話通信部であり、後述のベースバンド部(3)からの信号をアンテナ(2)を介して基地局へ発信したり、アンテナ(2)を介して基地局からの電波を受信したりする。
【0014】
(3)はベースバンド部であり、CDMA処理回路(31)と音声コーデック(32)を有する。CDMA処理回路(31)は符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。音声コーデック(32)は音声を圧縮(符号化)・伸張(復号化)したり、アナログとディジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示せず)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0015】
(4)は耳にあてて通話に使用されるスピーカであり、増幅回路(5)で増幅されたベースバンド部(3)の電気信号を音声に変換する。(6)は通話に使用されるマイクロホンであり、音声を電気信号に変換する。(7)は増幅回路であり、マイクロホン(6)の出力を増幅してベースバンド部(3)に出力する。
【0016】
(8)は受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。このスピーカ(8)は増幅回路(9)で増幅されたベースバンド部(3)の電気信号を音声に変換する。また、スピーカ(8)は着信報知の鳴動も行う。
【0017】
(10)は切替回路であり、3つの夫々の増幅回路(5)(7)(9)とベースバンド部(3)との接続を後述の制御回路(11)の制御によりON/OFFする。尚、これら3つの増幅回路(5)(7)(9)はゲインを固定しており、受話音量やマイクロホンの感度を変更することはできない。受話音量やマイクロホンの感度の変更は制御回路(11)の制御によりベースバンド部(3)の音声コーデック(32)が行う。
【0018】
(11)はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、動作のプログラムを記憶したROM(12)に基づき各部を制御する。ROM(12)は不揮発メモリであり、前述のプログラム以外に電話帳情報や時刻情報等も記憶する。(13)はRAMであり、ストップウォッチの情報等、制御回路(11)の動作に必要な情報を記憶する。
【0019】
(14)は液晶の内部表示手段であり、装置が開かれたときに露出するメインの表示手段である。(15)は液晶の外部表示手段であり、装置が閉じられた状態でも露出するサブの表示手段である。
【0020】
(16)は内部入力手段であり、装置が開かれたときに露出するメインの入力手段である。内部入力手段(16)は、電話番号の入力等を行うテンキー(161)と、通話の開始を操作する通話キー(162)、通話の終了を操作する終話キー(163)、カーソルを前後左右に移動させるカーソルキー(164)、メールモードにするmailキー(165)、電話帳を操作する電話帳キー(166)を有する。(17)はは外部入力手段であり、装置が閉じられた状態でも露出するサブの入力手段である。外部入力手段(17)は、カメラのフラッシュ操作、照明のライト操作、ストップウォッチモードの切り替え操作、ストップウォッチのリセット操作を行うライトキー(171)と、音声のメモ録音操作、ストップウォッチモードの切り替え操作、ストップウォッチのスタート/ストップを操作するメモキー(172)を有する。
【0021】
(18)はCCD方式のカメラであり、撮像を行う。(19)は白色LEDのライトであり、カメラのフラッシュや照明の光源となる。
【0022】
次に、本願発明のストップウォッチ動作について説明する。図2は制御回路(11)の動作を示すフローチャートである。
【0023】
携帯電話装置をストップウォッチモードにするには二つの方法がある。一つは使用者の操作による方法で、もう一つは他装置からのスタート信号を受信することによる自動的なモード切替である。制御回路(11)はこのためにライトキー(171)が操作されたか否か(S1)と、ストップウォッチのメールを受信したか否か(S2)を監視する。
【0024】
ライトキー(171)が押され(S1のY)、その時間が3秒未満であり(S3のN)、その後、3秒以内にメモキー(172)が押されると(S4のY)ストップモードとなり、ステップS5に進む。
【0025】
このように、ストップウォッチモードにする操作は、折畳式携帯電話装置を閉じた状態でも操作することができる内部入力手段(17)を兼用して行われる。この兼用方法は上述の方法に限定するものではなく、例えば、ライトキー(171)とメモキー(172)を同時に押す方法でもよい。
【0026】
尚、ステップS3でライトキー(171)が3秒以上押されると(S3のY)、ライト(19)が点灯して照明となる(S6)。また、ステップS4で3秒以内にメモキー(172)が押されないと(S4のN)、ステップS1に戻る。
【0027】
ストップウォッチモードとなるステップS5では、制御回路(11)は外部表示手段(15)にストップウォッチモードの表示を行わせる。また、時刻合わせを行う。この時刻合わせは、基地に現在の時刻情報の送信を要求し、これを受信し、ROM(12)に記憶されている時刻を補正することにより行われる。この時刻合わせは上述の方法に限定するものではなく、例えば、電波時計の方法やインターネットの自動時刻合わせ方法でもよい。このように、ストップウォッチモードになると自動的に時刻合わせを行う。これにより、ストップウォッチに関係ある時刻を自動的に更新することができる。
【0028】
ストップウォッチモードでは、メモキー(172)でスタート/ストップの操作を行い、ライトキー(171)でリセットとストップウォッチモード離脱の操作を行う。このために、制御回路(11)はメモキー(172)とライトキー(171)の操作を監視する(S7、S12)。
【0029】
ステップS5後、メモキー(172)が操作されると(S7のY)、ストップウォッチのタイマをスタートさせ、スタート時刻をRAM(13)に記憶させ、ストップウォッチのタイマのスタートを報知するメールを1以上のあて先に発信する(S8)。このメールにはストップウォッチのスタートを報知する信号である旨のデータとスタート時刻が含まれている。
【0030】
このようにして発信されたストップウォッチのスタート信号を受信した装置は送信した携帯電話装置とスタート時刻を合わせることができ、人為的な誤差がなくなる。
【0031】
制御回路(11)は、ストップウォッチのタイマがスタートしてメモキー(172)が操作されるまでは(S10のY)、経過時間をカウントして外部表示手段(15)に表示させる(S9)。メモキー(172)が操作されると(S10のY)、ストップウォッチのタイマをストップし、ストップ時刻をRAM(13)に記憶させる(S11)。そして、ステップS7に戻る。
【0032】
このように、ステップS8やステップS11でストップウォッチの情報を記憶されている。携帯電話装置は表示手段や送信部やマイクロプロセッサを備えているので、表示手段にストップウォッチの情報を表示させたり、ストップウォッチの情報を送信させることが容易にできる。
【0033】
リセットの動作について説明すると、ステップS7のNとステップS12のNのループにおいて、ライトキー(171)が押され(S12のY)、押された時間が3秒未満であれば(S13のN)、ストップウォッチのタイマをリセットし(S14)、ステップS7に戻る。ステップS13で、ライトキー(171)が押された時間が3秒以上であれば(S13のY)、ストップウォッチモードを解除して(S15)、ステップS1に戻る。
【0034】
制御回路(11)は、ステップS2でストップウォッチのメールを受信すれば、ストップウォッチモードにする。このストップウォッチモードでは、外部表示手段(15)にストップウォッチモードの表示を行わせ、時刻合わせを行う(S16)。そして、現在の時刻から受信したスタート時刻を差し引いてストップウォッチのタイマの経過時間とし、外部表示手段(15)に表示する(S17)。ステップS9に進み、メモキー(172)によるストップ操作を待ちながら経過時間を表示させる。
【0035】
このように、送信した装置にスタート時刻を合わせて、自動的にストップウォッチのカウントを開始することができる。
【0036】
尚、上述の実施例はメールによりストップウォッチのスタート信号を送信したが、他の送信方法でもよい。例えば、電話や、基地局を介さずに直接無線や赤外線などでスタート信号を送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の要部の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 電話通信部
11 制御回路
15 外部表示手段
16 外部入力手段
171 ライトキー
172 メモキー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置において、ストップウォッチのカウントを開始する操作が行われたときに、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を発信することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項2】
前記スタート信号はメールにより複数の送信先へ送信されることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
ストップウォッチモードになると自動的に時刻合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
ストップウォッチ機能を有する携帯電話装置において、ストップウォッチのカウントを開始するスタート信号を受信し、受信したスタート信号に基づいてストップウォッチのカウントを開始することを特徴とする携帯電話装置。
【請求項5】
受信した前記スタート信号はストップウォッチのカウントを開始した時刻情報を有し、現在の時刻とカウントを開始した時刻の差よりストップウォッチのカウントを計算することを特徴とする請求項4に記載の携帯電話装置。
【請求項6】
前記スタート信号の受信後自動的に時刻合わせを行った後にストップウォッチのカウントを開始することを特徴とする請求項4に記載の携帯電話装置。
【請求項7】
ストップキーと記憶手段を有し、該ストップキーの操作が行われたときにストップウォッチのカウントを終了させると共に、ストップウォッチのカウント情報を前記記憶手段に記憶させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−10571(P2006−10571A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189874(P2004−189874)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】