説明

撮像装置及び撮像方法

【課題】 手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる撮像装置及び撮像方法。
【解決手段】 モード切替スイッチが回転操作され手振れ補正モードに設定されているか否かが判断され(ステップ100)、手振れ補正モードに設定され肯定された場合は、撮像が開始されたか否かが判断される(ステップ102)、撮像が開始されており肯定された場合は、手振れ補正モードに設定された場合に用いられるプログラム線図に基づき、シャッター速度、及び絞り値が設定され(ステップ104)、撮像が行われる。
前記ステップ100で否定されると、撮像が開始されたか否かが判断され(ステップ108)、撮像が開始されており肯定された場合は、通常撮像時のプログラム線図に基づき、シャッター速度、及び絞り値が設定され(ステップ110)、撮像が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び撮像方法に係り、特に、自動露出制御を行なう機能、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正を行なう機能を有する撮像装置及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動画の撮像時において、電子的に手振れ補正を行う技術があり、この種の技術として、特許文献1には、シャッター速度の変化を原因とする補正性能の劣化を防止できるようにした電子式手振れ補正装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−98420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1で提案された装置を用いたとしても、動画撮像を行う際の手振れ補正時で、シャッター速度が低速の場合には、1フレーム内における手振れ又は被写体振れは発生する。そのため、シャッター速度が低速の場合には、1フレーム内で鮮明な画像を得ることができず、手振れ補正後の動画は不鮮明となる場合が多い。さらに、該手振れ補正が、動きベクトルに基づき、フレーム間の相関をみて行なう補正であるとすると、1フレーム内で発生した手振れにより、フレーム間で適切な相関をとることができなくなる。これにより、手振れ補正の精度が劣化してしまうという問題も起こりうる。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮し、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、自動露出制御を行なう機能、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正を行なう機能を有する撮像装置であって、前記手振れ補正を実施しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換える切換手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、自動露出制御、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正が行なわれており、判定手段が、該手振れ補正を実施しているか否かを判定する。
【0007】
そして、切換手段が、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換える。
【0008】
このように、請求項1に記載の発明は、手振れ補正を実施しているか否かを判定し、手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換えているので、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記撮像手段の感度を調整する調整手段と、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較して感度を高くするように変更する変更手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、調整手段が、撮像手段の感度を調整し、変更手段が、判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較して感度を高くするように変更する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記シャッター速度を検出するシャッター速度検出手段と、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、前記シャッター速度検出手段により検出されるシャッター速度が所定速度以上となるように制限する制限手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、シャッター速度検出手段が、シャッター速度を検出すると、制限手段が、前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、該シャッター速度検出手段により検出されるシャッター速度が所定速度以上となるように制限する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記シャッター速度検出手段により前記所定速度未満のシャッター速度が検出された場合に警告を行なう警告手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、警告手段が、シャッター速度検出手段により所定速度未満のシャッター速度が検出された場合に警告を行なう。
【0015】
請求項5に記載の発明は、自動露出制御を行なう機能、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正を行なう機能を有する撮像装置における撮像方法であって、前記手振れ補正を実施しているか否かを判定し、前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換える。
【0016】
従って、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に作用するので、請求項1に記載の発明と同様に手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を静止画像及び動画像の双方の撮像を行う機能を有するデジタルカメラに適用した場合について説明する。
【0019】
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。
【0020】
デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮像時に必要に応じて被写体に照射する光(撮像補助光)を発する発光部44と、撮像する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ20と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮像を実行する際に押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)56Aと、電源スイッチ56Bと、モード切替スイッチ56Cと、が備えられている。
【0021】
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズボタン56Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
【0022】
そして、デジタルカメラ10では、レリーズボタン56Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッター速度、絞り値)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮像)が行われる。
【0023】
また、モード切替スイッチ56Cは、静止画像の撮像を行うモードである静止画撮像モード、動画像の撮像を行うモードである動画撮像モード、手振れ補正を行うモードである手振れ補正モード、及び被写体像を後述するLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際に回転操作される。さらに、手振れ補正モードが回転操作され設定された際には、シャッター速度優先モードに設定することもできるようになっている。
【0024】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ20の接眼部と、撮像された被写体像やメニュー画面等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38と、十字カーソルボタン56Dと、が備えられている。なお、十字カーソルボタン56Dは、LCD38の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印ボタンを含んで構成されている。
【0025】
さらに、デジタルカメラ10の背面には、LCD38にメニュー画面を表示させるときに押圧操作されるメニューボタンと、それまでの操作内容を確定するときに押圧操作される決定ボタンと、直前の操作内容をキャンセルするときに押圧操作されるキャンセルボタンと、発光部44の発光状態を設定するときに押圧操作される発光ボタンと、が備えられている。
【0026】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の要部構成を説明する。
【0027】
デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、を含んで構成されている。
【0028】
また、デジタルカメラ10は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
【0029】
また、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
【0030】
CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、CCD24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データ(後述するようにR(赤)、G(緑)、B(青)の各色ごとのデータ)に変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
【0031】
なお、本実施の形態に係るデジタル信号処理部30は、R、G、B各色それぞれに対応するアンプ(図示省略。)を備えると共に、当該アンプに対して設定されたISO感度に応じたデジタルゲインの値を設定することで感度調整を行なう感度調整部31を備えている。
【0032】
なお、当該感度調整部31は、アナログ信号処理部26に設けてもよい。
【0033】
一方、デジタルカメラ10は、被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36と、デジタルカメラ10全体の動作を司るMPU(演算処理装置)40と、動きベクトルを算出する動きベクトル算出回路42と、撮像により得られたデジタル画像データ等を記憶するメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46と、を含んで構成されている。
【0034】
なお、本実施形態における手振れ補正モード時の手振れ補正は、前記動きベクトル算出回路42が算出する動きベクトルに基づくフレーム間の相関の導出により、行なわれるものであるが、当該動きベクトル算出回路42は、ジャイロセンサで代用されてもよく、ジャイロセンサにより、所定の位置からのデジタルカメラ10の移動方向、及び移動量を検出される機構であってもよい。
【0035】
前記メモリ48は、ISO感度毎に複数のプログラム線図を記憶するプログラム線図記憶部49を含んで構成されている。プログラム線図は、シャッター速度と絞り値との切り換え方を示す線図である。即ちAE機能を制御するものであり、デジタルカメラの特性毎に一意的にプログラミング設計されるものである。
【0036】
プログラム線図の一例を、図3(A)に示す第1プログラム線図3A、(B)に示す第2プログラム線図3B、(C)に示す第3プログラム線図3Cで示す。横軸はシャッター速度、縦軸は絞り値、一点鎖線で示されている斜軸はEv値(露出値)である。Evは測光の単位であり、Ev値は被写体輝度である。
【0037】
シャッター速度には、振れが起こる可能性が高くなる閾値がある。これを振れ限界シャッター速度と呼ぶ。該振れ限界シャッター速度は、レンズの焦点距離の逆数であり、レンズに依存して決まる値である。例えば図3(A)に示す第1プログラム線図3Aにおいては、矢印3ASで示すシャッター速度が振れ限界シャッター速度である。
【0038】
図3(A)の第1プログラム線図3Aは、ISO感度をISO200としたときの、手振れ補正モードが未設定の場合に用いられるプログラム線図である。当該プログラム線図における振れ限界シャッター速度は、通常の撮像時のレンズの焦点距離で決定される。
【0039】
図3(B)の第2プログラム線図3Bは、ISO感度をISO200としたときの、手振れ補正モードに設定された場合に用いられるプログラム線図である。
【0040】
図3(C)の第3プログラム線図3Cは、ISO感度をISO800としたときの、プログラム線図である。
【0041】
さらに、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理及び伸張処理を行う圧縮・伸張処理回路54と、を含んで構成されている。
【0042】
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、メモリ48としてフラッシュ・メモリ(Flash Memory)が用いられ、メモリカード52としてスマートメディア(Smart Media(登録商標))が用いられている。
【0043】
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、MPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50及び圧縮・伸張処理回路54はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、MPU40は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46ないし外部メモリインタフェース50を介したアクセスを各々行うことができる。また、前記プログラム線図記憶部49に記憶されるプログラム線図の切り替えも、MPU40が行なっている。
【0044】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はMPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0045】
さらに、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた焦点調整モータ、ズームモータ、及び絞り駆動モータの駆動もMPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。
【0046】
すなわち、本実施の形態に係るレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々MPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
【0047】
さらに、前述のレリーズボタン56A、電源スイッチ56B、モード切替スイッチ56C、十字カーソルボタン56D、メニューボタン等の各種ボタン、スイッチ類(同図では、「操作部56」と総称。)はMPU40に接続されており、MPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握できる。また、前述した発光部44もMPU40に接続されており、発光部44による撮像補助光の発光もMPU40によって制御される。
【0048】
次に、第1実施形態の作用を説明する。
【0049】
まず、CCD24は、光学ユニット22を介した撮像を行い、被写体像を示すR、G、B毎のアナログ信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力されたアナログ信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。
【0050】
ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、B毎のアナログ信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ48の所定領域に直接格納する。
【0051】
メモリ48の所定領域に格納されたデジタル画像データは、MPU40による制御に応じてデジタル信号処理部30により読み出され、所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理、シャープネス処理、及び感度調整を行って8ビットのデジタル画像データを生成する。
【0052】
そして、デジタル信号処理部30は、生成した8ビットのデジタル画像データに対しYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ48の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0053】
なお、LCD38は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されており、LCD38をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース36を介して順次LCD38に出力する。これによってLCD38にスルー画像が表示されることになる。
【0054】
ここで、静止画撮影モードが設定されている場合、レリーズボタン56Aがユーザによって半押し状態とされたタイミングで前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされたタイミングで、必要に応じて発光部44から撮影補助光が射出されると共に、その時点でメモリ48に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路54によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に電子化ファイルとして記録する。
【0055】
一方、動画撮影モードが設定されている場合には、レリーズボタン56Aが全押し状態とされたタイミングで、必要に応じて発光部44から撮影補助光が射出されると共に、その時点からメモリ48に格納されるYC信号を、所定期間毎に時系列で圧縮・伸張処理回路54により所定の圧縮形式(本実施の形態では、Motion JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に順次記録していき、再度レリーズボタン56Aが全押し状態とされたタイミングで、当該記録動作を終了する。この動作により、動画像を示す動画像データが電子化ファイルとしてメモリカード52に記録されることになる。
【0056】
ところで、第1実施形態のデジタルカメラ10は、手振れ補正モードの設定によりプログラム線図を切り換える機能を備えている。当該機能に関する部分の作用を図4のフローチャートに従い詳細に説明する。
【0057】
まず、ステップ100では、MPU40の判定によりモード切替スイッチ56Cが回転操作され手振れ補正モードに設定されているか否かが判断される。手振れ補正モードに設定され肯定された場合は、ステップ102へ移行し、前記ステップ100で否定された場合は、後述のステップ108へ移行する。
【0058】
ステップ102では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ104へ移行し、前記ステップ102で否定された場合は、ステップ102にで再度同様の判断が行われる。
【0059】
ステップ104では、プログラム線図を、第2プログラム線図3Bに切り換え、該第2プログラム線図3Bに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0060】
次に、ステップ106では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ106で否定された場合は、前記ステップ104へ移行する。
【0061】
前記ステップ100で否定され、移行したステップ108では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ110へ移行し、前記ステップ108で否定された場合は、ステップ108にで再度同様の判断が行われる。
【0062】
ステップ110では、プログラム線図を、第1プログラム線図3Aに切り換え、該第1プログラム線図3Aに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0063】
次に、ステップ112では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ112で否定された場合は、前記ステップ110へ移行する。
【0064】
このように、第1実施形態では、手振れ補正モード設定時は、シャッター速度を高速化し、1フレーム内での手振れを防止でき、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【0065】
次に、第2実施形態に係るデジタルカメラ10について説明する。
【0066】
なお、前記第1実施の形態と基本的に同一の構成については、前記第1実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。
【0067】
第2実施形態のデジタルカメラ10は、手振れ補正モード設定時にISO感度を上げることでシャッター速度を高速化する機能を備えている。当該機能に関する部分の作用を図5のフローチャートに従い詳細に説明する。
【0068】
まず、ステップ150では、MPU40の判定によりモード切替スイッチ56Cが回転操作され手振れ補正モードに設定されているか否かが判断される。手振れ補正モードに設定され肯定された場合は、ステップ152へ移行し、前記ステップ150で否定された場合は、後述のステップ162へ移行する。
【0069】
ステップ152では、LCD38に、補正精度を上げるためにISO感度を向上させるか否かを問う旨の警告表示を行なう。
【0070】
次にステップ154では、前記ステップ152の警告に促され、ISO感度を向上させるか否かの判断を行なう。ISO感度を向上させるとして該ステップ154の判断が肯定された場合はステップ156へ移行し、前記ステップ154で否定された場合は、後述のステップ162へ移行する。
【0071】
ステップ156では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ158へ移行し、前記ステップ156で否定された場合は、ステップ156にで再度同様の判断が行われる。
【0072】
ステップ158では、プログラム線図を、第3プログラム線図3Cに切り換え、該第3プログラム線図3Cに基づき、シャッター速度の変更、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0073】
即ち、感度調整部31により感度が調整され、ISO感度はISO200から、ISO800に向上する。そして、当該ステップ158の処理が行なわれる前は、図3(A)の矢印3ASで示されるように1/30であったシャッター速度が、当該ステップ158のISO感度を向上させる処理により、図3(C)の矢印3CSで示される1/125のシャッター速度へと高速化する。なお、当該ステップ158では、絞り値は2.8のまま変化しない。
【0074】
次に、ステップ160では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ160で否定された場合は、前記ステップ158へ移行する。
【0075】
前記ステップ150、及び前記ステップ154で否定され、移行したステップ162では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ164へ移行し、前記ステップ162で否定された場合は、ステップ162にで再度同様の判断が行われる。
【0076】
ステップ164では、プログラム線図を、第1プログラム線図3Aに切り換え、該第1プログラム線図3Aに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0077】
次に、ステップ166では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ166で否定された場合は、前記ステップ164へ移行する。
【0078】
このように、第2実施形態では、ISO感度を向上させることにより、シャッター速度を高速化できる。これにより、1フレーム内での手振れを防止することができ、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【0079】
次に、第3実施形態に係るデジタルカメラ10について説明する。
【0080】
なお、前記第1実施の形態と基本的に同一の構成については、前記第1実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。
【0081】
第3実施形態は、手振れ補正モード時に、シャッター速度優先モードに設定する形態である。
【0082】
図6に示されるようにデジタルカメラ10は、シャッター速度を測定するシャッター速度検出部58を備えている。シャッター速度検出部58は、前記タイミングジェネレータからCCD24を駆動させるためのタイミング信号を受信し、CCD24の露光時間に基づきシャッター速度を測定するようになっている。
【0083】
第3実施形態は、当該シャッター速度検出部58のシャッター速度を測定により、シャッター速度が振れ限界シャッター速度以上に保たれ、シャッター速度が振れ限界シャッター速度未満となったときは、シャッター速度検出部58が信号を出力する機能を有している。当該機能に関する部分の作用を図7のフローチャートに従い詳細に説明する。
【0084】
まず、ステップ200では、MPU40の判定によりモード切替スイッチ56Cが回転操作され手振れ補正モードに設定されているか否かが判断される。手振れ補正モードに設定され肯定された場合は、ステップ202へ移行し、前記ステップ200で否定された場合は、後述のステップ216へ移行する。
【0085】
ステップ202では、LCD38に、補正精度を上げるためにシャッター速度優先モードに切り換えるか否かを問う旨の警告表示を行なう。
【0086】
次にステップ204では、前記ステップ202の警告に促され、シャッター速度優先モードに切り換えるか否かの判断を行なう。シャッター速度優先モードに切り換えるとして肯定された場合はステップ206へ移行し、前記ステップ204で否定された場合は、後述のステップ216へ移行する。
【0087】
ステップ206では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ208へ移行し、前記ステップ206で否定された場合は、ステップ206にで再度同様の判断が行われる。
【0088】
ステップ208では、プログラム線図を、第2プログラム線図3Bに切り換え、該第2プログラム線図3Bに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0089】
なお、ステップ208では、第2プログラム線図3Bではなく、第3プログラム線図3Cを用いるのでもよい。
【0090】
次にステップ210では、シャッター速度検出部58が測定したシャッター速度が、手振れ限界シャッター速度以上か否かを判断する。手振れ限界シャッター速度以上で肯定された場合はステップ212へ移行し、前記ステップ210で否定された場合は後述のステップ214へ移行する。
【0091】
ステップ212では、シャッター速度を手振れ限界シャッター速度に補正する。
【0092】
次に、ステップ214では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ214で否定された場合は、前記ステップ208へ移行する。
【0093】
前記ステップ200、及び前記ステップ204で否定され、移行したステップ216では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ218へ移行し、前記ステップ216で否定された場合は、ステップ216にで再度同様の判断が行われる。
【0094】
ステップ218では、プログラム線図を、第1プログラム線図3Aに切り換え、該第1プログラム線図3Aに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0095】
次に、ステップ220では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ220で否定された場合は、前記ステップ218へ移行する。
【0096】
このように、第3実施形態では、手振れ補正モードであるときに、シャッター速度を振れ限界シャッター速度以上に保つことで、1フレーム内の振れを防止でき、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【0097】
次に、第4実施形態に係るデジタルカメラ10について説明する。
【0098】
なお、前記第3実施の形態と基本的に同一の構成については、前記第1実施の形態と同符号を付してその説明を省略する。
【0099】
第4実施形態のデジタルカメラ10は、シャッター速度が振れ限界シャッター速度以上になり、振れが大きくなる恐れがあることを警告する機能を備えている。当該機能に関する部分の作用を図8のフローチャートに従い詳細に説明する。
【0100】
まず、ステップ250では、MPU40の判定によりモード切替スイッチ56Cが回転操作され手振れ補正モードに設定されているか否かが判断される。手振れ補正モードに設定され肯定された場合は、ステップ252へ移行し、前記ステップ200で否定された場合は、後述のステップ262へ移行する。
【0101】
ステップ252では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ254へ移行し、前記ステップ252で否定された場合は、ステップ252にで再度同様の判断が行われる。
【0102】
ステップ254では、プログラム線図を、第2プログラム線図3Bに切り換え、該第2プログラム線図3Bに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0103】
次にステップ256では、シャッター速度検出部58が測定したシャッター速度が、手振れ限界シャッター速度以上か否かを判断する。手振れ限界シャッター速度以上で肯定された場合はステップ258へ移行し、前記ステップ256で否定された場合は後述のステップ260へ移行する。
【0104】
ステップ258では、LCD38が、LCDI/F36を介して、前記シャッター速度検出部58が出力する信号を受信することで、図9に示される矢印9Wで示すような警告を表示する。
【0105】
次に、ステップ260では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ260で否定された場合は、前記ステップ254へ移行する。
【0106】
前記ステップ250で否定され、移行したステップ262では、撮像が開始されたか否かが判断される。撮像が開始されており肯定された場合は、ステップ264へ移行し、前記ステップ262で否定された場合は、ステップ262にで再度同様の判断が行われる。
【0107】
ステップ264では、プログラム線図を、第1プログラム線図3Aに切り換え、該第1プログラム線図3Aに基づき、シャッター速度の切換、及び絞り値の変更が行なわれる。
【0108】
次に、ステップ266では、撮像が終了したか否かが判断される。撮像が終了し肯定された場合は、当該フローチャートの処理は終了し、前記ステップ266で否定された場合は、前記ステップ264へ移行する。
【0109】
このように、第4実施形態では、シャッター速度が振れ限界シャッター速度になった場合に、警告を表示することで、1フレーム内の振れを防止でき、手振れによる画質劣化が抑えられ、鮮明な画像を得ることができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、プログラム線図の切り換えにより、シャッター速度を変更する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、直接シャッター速度を増加さる、演算式により増加させる等の形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0111】
また、本実施形態では、シャッター速度の所定速度を、手振れ限界シャッター速度とする場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、AEで設定された所定値に所定係数を掛けた値等をシャッター速度の所定速度とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0112】
さらに、本実施形態では、LCD38による表示により警告を行なう場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、スピーカー(図示省略。)、LEDランプ(図示省略。)の点灯等で警告を行なうこともできることはいうまでもない。もちろん、この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本実施形態に係るデジタルカメラの外観を示す外観図である。
【図2】第1実施形態に係るデジタルカメラの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は手振れ補正モード未設定時のプログラム線図であり、(B)はシャッター速度を振れ限界シャッター速度以上に保つプログラム線図であり、(C)はISO感度をあげた場合のプログラム線図である。
【図4】第1実施形態に係るデジタルカメラにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係るデジタルカメラにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係るデジタルカメラの電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図7】第3実施形態に係るデジタルカメラにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第4実施形態に係るデジタルカメラにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第4実施形態において警告が表示された際のLCDである。
【符号の説明】
【0114】
10 デジタルカメラ
22 光学ユニット
24 CCD(撮像手段)
26 アナログ信号処理部
30 デジタル信号処理部
31 感度調整部(調整手段)
32 タイミングジェネレータ
34 モータ駆動部
38 LCD(警告手段)
40 MPU(判定手段、切換手段、変更手段、制限手段)
42 動きベクトル算出回路
48 メモリ
49 プログラム線図記憶部
56C モード切替スイッチ
58 シャッター速度検出部(シャッター速度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動露出制御を行なう機能、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正を行なう機能を有する撮像装置であって、
前記手振れ補正を実施しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換える切換手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像手段の感度を調整する調整手段と、
前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較して、前記感度を高くするように変更する変更手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記シャッター速度を検出するシャッター速度検出手段と、
前記判定手段によって前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、前記シャッター速度検出手段により検出されるシャッター速度が所定速度以上となるように制限する制限手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記シャッター速度検出手段により前記所定速度未満のシャッター速度が検出された場合に警告を行なう警告手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
【請求項5】
自動露出制御を行なう機能、及び撮像手段によって取得したデジタル画像データに対して手振れ補正を行なう機能を有する撮像装置における撮像方法であって、
前記手振れ補正を実施しているか否かを判定し、
前記手振れ補正を実施していると判定された場合に、実施していないと判定された場合に比較してシャッター速度を速くするように切り換える撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−19973(P2007−19973A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200457(P2005−200457)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】