説明

撮影装置

【課題】レンズ鏡筒と本体との電気接点を保護するとともに、デザイン性を向上させる。
【解決手段】デジタルカメラ10は、カメラ本体11と、カメラ本体11に着脱自在に装着されるレンズユニット(レンズ鏡筒)12とからなる。カメラ本体11は、前面側に、開閉自在に連結された平板状の接続部31を備える。接続部21の裏面の端部には、電気接点31aが設けられている。レンズユニット12は、接続部31が前方へ開かれた状態で挿入される挿入部22が設けられており、挿入部22内には、接続部31が挿入された際に電気接点31aと接触する電気接点が設けられている。レンズユニット12を取り外した状態で、接続部31がマウント部30を覆うように閉じられると、電気接点31aは内側に隠れ、保護される。挿入部22は、接続部31の非挿入時にはその挿入口を塞ぎ、挿入部31が挿入される際には挿入口から退避する蓋部材を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒が本体に着脱自在に装着される撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の銀塩カメラやデジタルカメラにおいて、一眼レフ型などの高級機では、レンズ鏡筒がカメラ本体に対して着脱自在に構成されており、レンズ鏡筒とカメラ本体との間で電気信号をやり取りするために、双方には電気接点が設けられている(例えば、特許文献1〜4参照)。電気接点を介して、例えば、カメラ本体からレンズ鏡筒へレンズ駆動信号が送信され、また、撮像素子を備えるレンズ鏡筒では、レンズ鏡筒からカメラ本体へ撮像信号が送信される。
【特許文献1】特開平11−142935号公報
【特許文献2】特開2000−106640号公報
【特許文献3】特開2001−125187号公報
【特許文献4】特開2002−055388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献に記載のカメラは、レンズ鏡筒とカメラ本体とが分離された状態において、レンズ鏡筒とカメラ本体との電気接点が外部に露呈され、保護されていないため、故障の原因となり得る。また、露呈された電気接点は、見た目(デザイン性)も損ねる。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、レンズ鏡筒と本体との電気接点を保護するとともに、デザイン性を向上させたデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の撮影装置は、本体と、この本体に着脱自在に装着されるレンズ鏡筒とからなり、前記レンズ鏡筒が前記本体に装着された際に、前記本体に形成された第1電気接点と、前記レンズ鏡筒に形成された第2電気接点とが接触して、前記本体と前記レンズ鏡筒との間で通信が行われる撮影装置において、前記本体は、前記第1接点を有し、かつ前面に開閉自在に連結された接続部を備え、前記レンズ鏡筒は、前記第2接点を有し、かつ前記接続部が前方へ開かれた状態で挿入される挿入部を備え、前記第1接点は、前記接続部が閉じられたときに外部に露呈しない裏面に形成されていることを特徴とする。
【0006】
なお、前記挿入部は、前記接続部の非挿入時にはその挿入口を塞ぎ、前記挿入部が挿入される際には挿入口から退避する蓋部材を備えることが好ましい。
【0007】
また、前記接続部には係合部が設けられ、前記挿入部は、前記係合部を付勢して係止する係止部材を備えることが好ましい。
【0008】
また、前記本体は、前記レンズ鏡筒が装着されるマウント部を備え、前記接続部は、閉じられた状態で前記マウント部を覆うことが好ましい。
【0009】
また、前記第1接点は、千鳥状に配列されていることが好ましい。
【0010】
また、前記接続部は、複数の扉として構成され、前記挿入部は、前記扉ごとに設けられていることが好ましい。また、前記各扉は、形状が異なることが好ましい。
【0011】
また、前記レンズ鏡筒には、指掛かりとしてのグリップ部が一体に形成され、前記グリップ部には前記挿入部が形成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記本体は、前記レンズ鏡筒に給電を行う給電手段を備え、この給電手段は、前記接続部の開閉に連動してオン/オフすることが好ましい。
【0013】
さらに、前記レンズ鏡筒は、被写体光を撮像して電気的な画像データを生成する撮像手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の撮影装置によれば、本体は、第1接点を有し、かつ前面に開閉自在に連結された接続部を備え、レンズ鏡筒は、第2接点を有し、かつ接続部が前方へ開かれた状態で挿入される挿入部を備え、第1接点は、接続部が閉じられたときに外部に露呈しない裏面に形成されているので、レンズ鏡筒と本体との電気接点を保護するとともに、デザイン性を向上させることができる。
【0015】
また、挿入部は、接続部の非挿入時にはその挿入口を塞ぎ、挿入部が挿入される際には挿入口から退避する蓋部材を備えるので、塵埃などの異物の侵入を防止することができる。
【0016】
また、接続部には係合部が設けられ、挿入部は、係合部を付勢して係止する係止部材を備えるので、接続部を挿入部に挿入した際に、クリック感が得られるとともに、接続部を挿入部に確実に装着することができる。
【0017】
また、本体は、レンズ鏡筒が装着されるマウント部を備え、接続部は、閉じられた状態でマウント部を覆うので、非使用時にマウント部を保護することができる。
【0018】
また、第1接点は、千鳥状に配列されているので、配列密度を高め、接点数を増加させることができる。
【0019】
接続部は、複数の扉として構成され、挿入部は、扉ごとに設けられているので、電気接点の数を増やすことができ、また、本体とレンズ鏡筒の装着性を向上させることができる。また、各扉は、形状が異なるので、誤挿入を防止することができる。
【0020】
また、レンズ鏡筒には、指掛かりとしてのグリップ部が一体に形成され、グリップ部には挿入部が形成されているので、把持性を高め、撮影時の手振れを防止することができる。
【0021】
また、本体は、レンズ鏡筒に給電を行う給電手段を備え、この給電手段は、接続部の開閉に連動してオン/オフするので、無駄な電力消費を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1において、デジタルカメラ10は、カメラ本体11とレンズユニット12とからなる。レンズユニット12は、カメラ本体11に着脱自在に装着される交換式のレンズ鏡筒である。レンズユニット12の前面には、撮像レンズ20が露呈されており(図3参照)、背面には、カメラ本体11のマウント部30に装着される円筒状のコネクタ部21と、カメラ本体11の接続部31が挿入されるスリット状の挿入部22とが設けられている。
【0023】
カメラ本体11の前面には、上記コネクタ部21が嵌合する凹状のマウント部30と、上記挿入部22に挿入される平板状の接続部31と、接続部31を図2に示す閉じた状態から図1のように前方へ開ける際に押圧操作されるオープンボタン32と、ストロボ光を被写体に向けて発光するストロボ発光部33とが設けられている。
【0024】
接続部31の裏面(閉じられたとき外部に露呈しない面)の先端部には、複数の短冊状の電気接点(第1電気接点)31aが設けられており、電気接点31aは、接続部31を回動自在(開閉自在)に連結するヒンジ部34を介してカメラ本体11の内部回路と導通している。また、接続部31の裏面の側部には、上記挿入部22内のクリック部材(係止部材)43(図4参照)と係合する係合爪(係合部)35が設けられている。図2に示すように接続部31が閉じられたとき、接続部31はマウント部30を覆う。このとき、電気接点31aはマウント部30側に隠れて保護され、係合爪35は、マウント部30の近傍に形成された収納穴36に収納される。
【0025】
マウント部30には、コネクタ部21に設けられた係合突起21aが図3に示すようにレンズユニット12がカメラ本体11に装着された状態で係合する係合穴30aが設けられている。係合突起21aは、レンズユニット12の側部に設けられたリリースボタン23の押下に連動してコネクタ部21内に埋没する。リリースボタン23は、レンズユニット12をカメラ本体11から取り外す際に押圧操作される。
【0026】
また、カメラ本体11の上面には、電源ボタン37およびシャッタボタン38が設けられている。電源ボタン37は、カメラ本体11の電源をオン/オフにする際に、押圧操作される。シャッタボタン38は、撮影を行う際に押圧操作される。また、背面には、画像や設定画面等を表示するLCD(図示せず)や、撮影モードと再生モードとを切り替える際に操作される操作ダイヤル(図示せず)などが設けられている。
【0027】
図4(A)において、挿入部22には、回転軸40aを中心に回動する蓋部材40が設けられており、蓋部材40は、挿入口42を塞いだ状態を維持するように、トーションバネ41によって付勢されている。挿入部22は、蓋部材40によって、塵埃などの異物の侵入が防止されている。なお、トーションバネ41に代えて、マグネットなどによって、挿入口42を塞いだ状態に蓋部材40を維持するようにしても良い。
【0028】
また、挿入部22の奥には、図4(B)に示すように、蓋部材40を挿入口42から奥側へ退避させるように接続部31が挿入された際に、係合爪35を付勢して係止する板バネ状のクリック部材43が設けられている。さらに、挿入部22の奥には、電気接点31aに付勢力を持って当接する板バネ状の電気接点44が設けられている。
【0029】
接続部31を挿入部22に挿入し、係合爪35がクリック部材43に係合すると、その係合力からフリクションが得られる。電気接点44は、その付勢力によって確実に電気接点31aに接触し、良好な電気的導通が得られる。よって、接続部31を挿入部22に挿入した際に、ユーザはクリック感が得られるとともに、接続部31を挿入部22に確実に装着することができる。
【0030】
なお、図5に示すように、電気接点31aの各々を、1つの鋭角を有する5角形とし、これらを2列に半ピッチをずらして配列させ、鋭角の部分が互い違いに位置するように、いわゆる千鳥状配列としても良い。これにより、電気接点31aの配列密度を高め、接点数を増加させることができる。
【0031】
デジタルカメラ10の電気的構成を示す図6において、レンズユニット12には、ユニット内の各部を制御するユニット制御部50が設けられている。電源制御部51は、前述の電気接点31a,44を介して、カメラ本体11側から給電され、レンズユニット12内の各部に給電を行う。また、ユニット制御部50は、電気接点31a,44を介してカメラ本体11内の本体制御部60と通信を行い、本体制御部60から送られた制御信号に基づいてレンズユニット12内の各部を制御する。
【0032】
光学系52は、前述の撮像レンズ20と絞りとからなり、レンズモータおよびアイリスモータを含む駆動部53が接続されている。駆動部53は、ユニット制御部50によって制御され、ピント、ズーム倍率、絞り値などの調節を行う。
【0033】
光学系52の光軸上には、CCDイメージセンサ(以下、単にCCDという)54が配置されている。CCD54は、2次元状に配列されたフォトダイオードを備えている。撮影モードにおいて、CCD54は、光学系52を介して結像した被写体光を光電変換して、光量に応じた信号電荷を各フォトダイオードに蓄積する。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CCDドライバ55から供給される駆動パルスに基づいて、その電荷量に応じた電圧信号(撮像信号)として順次に読み出される。
【0034】
CCD54から出力された撮像信号は、相関二重サンプリング回路やオートゲインコントロール・アンプなどからなるアナログ信号処理回路56に入力され、アナログ信号処理回路56は、撮像信号に対して、雑音の除去やゲイン調整などを行う。アナログ信号処理回路56から出力された撮像信号は、A/D変換器57に入力され、A/D変換器57は、撮像信号をデジタル信号に変換する。なお、CCD54に代えて、CMOSイメージセンサなどの他の撮像素子を用いても良い。
【0035】
ユニット制御部50は、各部を制御して、A/D変換器57から順次に一画面分の撮像信号(画像データ)を出力させ、各画像データを、バス58を介し、電気接点31a,44からカメラ本体11内に順次に入力させる。CCD54、アナログ信号処理回路56、およびA/D変換器57は、被写体光を撮像して電気的な画像データを生成する撮像手段として機能する。
【0036】
また、ユニット制御部50は、AF(自動焦点調節)動作時、或いはAE(自動露出調節)動作時には、A/D変換器57から出力される画像データをAF/AE検出部59に順次に入力する。AF/AE検出部59は、AF動作時には、入力された画像データの所定範囲内から高周波成分を抽出し、画素ごとにこれらを加算してAF評価値(コントラスト値)を求める。また、AF/AE検出部59は、AE動作時には、入力された画像データの所定範囲内から輝度値を抽出し、画素ごとにこれらを加算してAE評価値(被写体光量)を求める。AF/AE検出部59は、AF評価値およびAE評価値を、バス58を介してユニット制御部50に入力する。
【0037】
ユニット制御部50は、AF動作時には、光学系52を制御し、AF評価値が極大(ピーク)となる位置に撮像レンズ20内のフォーカスレンズ位置を調節する。また、ユニット制御部50は、AE動作時には、AE評価値が所定の目標値(適正露出値)となるように、光学系52内の絞り、およびCCD54の電子シャッタ速度を調節する。
【0038】
カメラ本体11には、本体内の各部を制御する本体制御部60が設けられている。電源制御部61は、バッテリ62に接続されており、バッテリ62の出力電圧を所定電圧に変圧し、カメラ本体11内の各部に給電を行う。また、電源制御部61は、電気接点31a,44を介してレンズユニット12に対して給電を行う。バッテリ62および電源制御部61は、レンズユニット12に給電を行う給電手段として機能する。
【0039】
カメラ本体11から入力された画像データ(いわゆるRAWデータ)は、バス63を介してメモリ64に記憶される。デジタル信号処理部65は、メモリ64に記憶された画像データに対して、同時化、γ変換、YC変換、圧縮処理などの信号処理を施す。
【0040】
操作部66には、前述の電源ボタン37やシャッタボタン38が含まれている。シャッタボタン38は、2段階押圧式のスイッチとなっている。撮影モードにおいて、シャッタボタン38が軽く押下(半押し)されて1段目のスイッチがオンすると、レンズユニット12によって上記AF動作やAE動作などの撮影準備動作がなされる。シャッタボタン38がさらに深く押下(全押し)されて2段目のスイッチがオンすると、デジタル信号処理部65は、メモリ64に取り込まれた画像データに対して上記信号処理を施し、メディアコントローラ67は、この画像データを記録メディア68に記録する(いわゆる撮影処理)。
【0041】
撮影モードにおいてシャッタボタン38が押下されるまでの撮影待機状態では、デジタル信号処理部65は、メモリ64に記憶された画像データに対して簡易な画像処理とYC処理とを施し、LCDドライバ69は、この画像データをLCD70にスルー画として表示させる。
【0042】
一方、再生モードでは、メディアコントローラ67は、記録メディア59から画像データを読み出し、メモリ64に取り込む。デジタル信号処理部65は、この画像データに対して伸張処理を施し、LCDドライバ69は、この画像データをLCD70に再生画像として表示させる。
【0043】
また、本体制御部60には、ストロボ制御部71が接続されている。本体制御部60は、撮影モードにおいてシャッタボタン38が全押しされた際に、ストロボ制御部71に指示を与え、ストロボ発光部33を発光させる。
【0044】
また、前述のヒンジ部34は、接続部31の開閉検出、つまり、図2に示す閉じた状態にあるか、または、図1に示す開いた状態にあるかを電気的に検出する機構を有し、この検出信号を、バス63を介して本体制御部60に入力する。本体制御部60は、ヒンジ部34からの上記検出信号を参照し、電源制御部61を制御して、レンズユニット12への給電をオン/オフさせる。これにより、無駄な電力消費が防止される。
【0045】
具体的には、本体制御部60は、電源ボタン37が押下されると、図7に示すフローチャートに従い、まず、ヒンジ部34からの上記検出信号を参照して、接続部31の開閉状態を判定する。接続部31が開かれると、本体制御部60は、電源制御部61を制御し、レンズユニット12に給電を行う。そして、本体制御部60は、レンズユニット12が起動したことを知らせる信号をユニット制御部50から受けると、レンズユニット12と通信を開始し、各種動作を実行する。
【0046】
次に、図8は、接続部を変形した第2実施形態のデジタルカメラ80を示す。デジタルカメラ80は、カメラ本体81とレンズユニット82とからなる。なお、上記第1実施形態と同様な部分については同一の符号を付しており、それらの詳しい説明は省略する。
【0047】
接続部83は、カメラ本体81の前面にヒンジ部84a,84bを介して回動自在に取り付けられた第1および第2扉83a,83bからなる。第1扉83aはマウント部30の左側に、第2扉83bはマウント部30の右側に取り付けられ、第1および第2扉83a,83bは、いわゆる観音開きを行う。
【0048】
第1および第2扉83a,83bの各裏面の先端部には、電気接点85が設けられている。図9に示すように、第1および第2扉83a,83bが閉じられると、電気接点85は内側に隠れて保護される。レンズユニット82には、第1および第2扉83a,83bが挿入される第1および第2挿入部86a,86bが設けられており、各挿入部は上記第1実施形態の挿入部22と同様な構成である。
【0049】
また、図10に示すように、第1および第2扉83a,83bを、それぞれ異なる形状(相似形で大きさが異なる場合も含む)としても良い。ここでは、第1扉83aを、第2扉83bに比べやや小さくしている。また、第1および第2挿入部86a,86bを、第1および第2扉83a,83bに合わせた形状とする。これにより、第1および第2扉83a,83bが第1および第2挿入部86a,86bに対して逆に挿入されることが防止される。
【0050】
なお、接続部を構成する扉の枚数は、3枚以上としても良く、各扉の開閉方向は適宜変更して良い。このように、接続部を複数の扉で構成することにより、電気接点の数を増やすことができ、また、カメラ本体とレンズユニットの装着性も向上する。
【0051】
次に、図11は、レンズユニットを変形した第3実施形態のデジタルカメラ90を示す。デジタルカメラ90は、カメラ本体91とレンズユニット92とからなる。なお、上記第1実施形態と同様な部分については同一の符号を付しており、それらの詳しい説明は省略する。
【0052】
レンズユニット92には、指掛かりとしてのグリップ部93が一体に設けられており、グリップ部93の端部は前方へ向かって膨出している。この膨出部の背面側には、カメラ本体91の接続部94が挿入される挿入部95が設けられており、挿入部95は上記第1実施形態の挿入部22と同様な構成である。
【0053】
接続部94は、カメラ本体91の前面にヒンジ部96を介して回動自在に取り付けられている。接続部94の裏面の先端部には、電気接点94aが設けられており、接続部94を閉じると、電気接点94aは、内側に隠れて保護される。
【0054】
図12は、レンズユニット92がカメラ本体91に取り付けられた状態を示す。このように、カメラ本体91の厚さは薄くても、レンズユニット92のグリップ部93により、ユーザはデジタルカメラ90をしっかりと把持することができる。これにより、撮影時の手振れが防止される。
【0055】
本実施形態のレンズユニット92は、高倍率の望遠レンズを備える場合に適応することが好ましい。一方、第1実施形態のレンズユニット12は、小型レンズや広角レンズなどを備える場合に適用することが好ましい。
【0056】
図13は、レンズユニット92の変形例であり、グリップ部93の上面端部にシャッタボタン97が設けられている。シャッタボタン97は、カメラ本体91のシャッタボタン38と同様の構成である。図14に示すように、レンズユニット92内には、上記第1実施形態のレンズユニット12の構成に加えて、バッテリ98および画像メモリ99が設けられている。バッテリ98は、電源制御部51に接続されており、バッテリ98の出力電圧が電源制御部51によって所定電圧に変圧された後、レンズユニット92内の各部に給電される。画像メモリ99は、バス58に接続され、A/D変換器57から出力された画像データを格納する。
【0057】
シャッタボタン97は、ユニット制御部50に接続されている。ユニット制御部50にシャッタボタン97からシャッタ操作信号が与えられると、レンズユニット92は、単体で撮影動作を行うことができる。レンズユニット92を撮影装置として使用し、カメラ本体91をレンズユニット92に格納された画像データを表示するための画像表示装置(モニタリング装置)として使用することも可能である。なお、画像記録枚数を増やすために、レンズユニット92にさらにメモリーカードを着脱自在に装着可能としても良い。
【0058】
なお、上記実施形態において、撮像素子としてCCDを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、他の撮像素子(例えば、CMOSイメージセンサ)を用いても良い。
【0059】
また、上記実施形態において、撮像素子を内部に備えたレンズユニットを例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されず、撮像素子がカメラ本体に設けられている場合にも適用可能である。さらに、撮像素子に代えて銀塩フィルムをカメラ本体に装着される銀塩カメラに本発明を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】デジタルカメラの構成を示す斜視図である。
【図2】接続部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図3】レンズユニットをカメラ本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】挿入部の断面図であり、(A)は接続部が挿入されていない状態、(B)は接続部が挿入された状態を示す。
【図5】接続部の電気接点の変形例(千鳥状配列)を示す斜視図である。
【図6】デジタルカメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】接続部の開閉に応じた給電および通信の開始動作を説明するフローチャートである。
【図8】接続部を2枚の扉で構成した第2実施形態のデジタルカメラの構成を示す斜視図である。
【図9】接続部を閉じた状態を示す斜視図である。
【図10】接続部を構成する2枚の扉をそれぞれ異なる形状とした例を示す斜視図である。
【図11】レンズユニットにグリップ部を一体に設けた第3実施形態のデジタルカメラの構成を示す斜視図である。
【図12】レンズユニットをカメラ本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】レンズユニットにシャッタボタンを設けた例を示す斜視図である。
【図14】シャッタボタンが設けられたレンズユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
10 デジタルカメラ
11 カメラ本体
12 レンズユニット
21 コネクタ部
22 挿入部
30 マウント部
31 接続部
31a 電気接点
34 ヒンジ部
35 係合爪
40 蓋部材
40a 回転軸
41 トーションバネ
43 クリック部材
44 電気接点
45 CCDイメージセンサ
50 ユニット制御部
60 本体制御部
80 デジタルカメラ
81 カメラ本体
82 レンズユニット
83 接続部
83a,83b 第1および第2扉
86a,86b 第1および第2挿入部
90 デジタルカメラ
91 カメラ本体
92 レンズユニット
94 接続部
95 挿入部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に着脱自在に装着されるレンズ鏡筒とからなり、前記レンズ鏡筒が前記本体に装着された際に、前記本体に形成された第1電気接点と、前記レンズ鏡筒に形成された第2電気接点とが接触して、前記本体と前記レンズ鏡筒との間で通信が行われる撮影装置において、
前記本体は、前記第1接点を有し、かつ前面に開閉自在に連結された接続部を備え、前記レンズ鏡筒は、前記第2接点を有し、かつ前記接続部が前方へ開かれた状態で挿入される挿入部を備え、前記第1接点は、前記接続部が閉じられたときに外部に露呈しない裏面に形成されていることを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記挿入部は、前記接続部の非挿入時にはその挿入口を塞ぎ、前記挿入部が挿入される際には挿入口から退避する蓋部材を備えることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
【請求項3】
前記接続部には係合部が設けられ、前記挿入部は、前記係合部を付勢して係止する係止部材を備えることを特徴とする請求項1または2記載の撮影装置。
【請求項4】
前記本体は、前記レンズ鏡筒が装着されるマウント部を備え、前記接続部は、閉じられた状態で前記マウント部を覆うことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第1接点は、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の撮影装置。
【請求項6】
前記接続部は、複数の扉として構成され、前記挿入部は、前記扉ごとに設けられていることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の撮影装置。
【請求項7】
前記各扉は、形状が異なることを特徴とする請求項6記載の撮影装置。
【請求項8】
前記レンズ鏡筒には、指掛かりとしてのグリップ部が一体に形成され、前記グリップ部には前記挿入部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の撮影装置。
【請求項9】
前記本体は、前記レンズ鏡筒に給電を行う給電手段を備え、この給電手段は、前記接続部の開閉に連動してオン/オフすることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載の撮影装置。
【請求項10】
前記レンズ鏡筒は、被写体光を撮像して電気的な画像データを生成する撮像手段を備えることを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載の撮影装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2007−101886(P2007−101886A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291473(P2005−291473)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】