説明

救援連絡端末装置及び救援連絡システム

【課題】要救援者を速やかに救援可能とした救援連絡端末装置及びこの救援連絡端末装置を用いた救援連絡システムを提供する。
【解決手段】救援連絡端末装置は、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有し、特に、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供や女性あるいは老人等の弱者が連れ去りあるいは暴行などの救援が必要な要救援状態となった場合に、簡単に救援連絡を行えるようにした救援連絡端末装置及び救援連絡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、子供や女性などの比較力の弱い人々が連れ去りや窃盗あるいは暴行などの身の危険を感じた場合に用いる護身装置として、大きな音を発して威嚇する防犯ブザーや、数十万ボルトの電圧を発生させて電気ショックを与える電気威嚇装置が知られている。
【0003】
特に、昨今では、子供の連れ去りや老人徘徊などのような救援を必要とする事態が生じやすい要救援者に、その要救援者の所在地を通報可能とした通報装置をあらかじめ所持させて、所要の事態となった場合にその通報装置を作動させて、あるいはその通報装置を利用して要救援者を速やかに確保する携帯端末装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−78590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、既知の携帯端末装置を用いた要救援者の確保では、要救援者の位置情報の誤差が数十メートル程度と大きい場合が多く、しかも要救援者が子供である場合にはその要救援者を知らない者が要救援者を判別しにくいために速やかに確保することが困難となる場合があった。
【0005】
そこで、本発明者は、救援が必要な要救援者の特定が容易となる救援連絡端末装置を開発するとともに、この救援連絡端末装置を用いて要救援者を速やかに救援可能な救援連絡システムを開発し、本発明を成すに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の救援連絡端末装置では、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有し、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成した。また、救援連絡端末装置は所要の画像を表示する画像表示手段を有し、この画像表示手段に演出映像を常時表示していることにも特徴を有するものである。
【0007】
また、本発明の救援連絡システムでは、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有する救援連絡端末装置と、この救援連絡端末装置の前記発信手段から発信された信号を受信するとともに、この信号の受信にともなって救援要請信号を発信する携帯端末装置と、この携帯端末装置が発信した前記救援要請信号を受信して、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信を開始し、前記位置情報信号の発信地点を特定して前記救援連絡端末装置を所有した要救援者を救援可能とする位置特定サーバ装置とを有する救援連絡システムであって、前記救援連絡端末装置は、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成したものである。
【0008】
さらに、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)前記携帯端末装置は、前記要救援者をあらかじめ撮影して要救援者画像データを生成する撮像手段を有し、前記救援要請信号の発信にともなって前記要救援者画像データを前記位置特定サーバ装置に送信するように構成したこと。
(2)前記位置特定サーバ装置には、前記要救援者の個人情報をあらかじめ登録した要救援者データベースを設けるとともに、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信開始にともなって、要救援者を捜索して救援する捜索者が所持する捜索者用携帯端末装置に、前記要救援者の個人情報と前記携帯端末装置から送信された要救援者画像データを送信するように構成したこと。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の本発明によれば、発明の救援連絡端末装置では、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有し、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成したことによって、救援連絡端末装置の移動予測、すなわち要救援者の移動予測を極めて容易に行うことができ、要救援者の先回りを可能として要救援者を見つけ出しやすくすることができる。しかも、救援連絡端末装置の電力消費を比較的抑制することができ、要救援者の救援前にバッテリー切れ等によって位置情報信号が発信されなくなるといった不具合が生じることを防止できる。
【0010】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の救援連絡端末装置において、所要の画像を表示する画像表示手段を有し、この画像表示手段に演出映像を常時表示していることによって、救援連絡端末装置は常時ON状態となっているので、緊急時に速やかに救援連絡端末装置を作動させることができる。しかも、救援連絡端末装置のバッテリー切れ等を速やかに検出することができ、緊急時にバッテリー切れ等によって使用できないなどの不具合が生じることを防止できる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有する救援連絡端末装置と、この救援連絡端末装置の前記発信手段から発信された信号を受信するとともに、この信号の受信にともなって救援要請信号を発信する携帯端末装置と、この携帯端末装置が発信した前記救援要請信号を受信して、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信を開始し、前記位置情報信号の発信地点を特定して前記救援連絡端末装置を所有した要救援者を救援可能とする位置特定サーバ装置とを有する救援連絡システムであって、前記救援連絡端末装置は、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成したことによって、請求項1記載の発明と同様に、救援連絡端末装置の移動予測、すなわち要救援者の移動予測を極めて容易に行うことができ、要救援者の先回りを可能として要救援者を見つけ出しやすくすることができる。しかも、救援連絡端末装置の電力消費を比較的抑制することができ、要救援者の救援前にバッテリー切れ等によって位置情報信号が発信されなくなるといった不具合が生じることを防止できる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の救援連絡システムにおいて、前記携帯端末装置は、前記要救援者をあらかじめ撮影して要救援者画像データを生成する撮像手段を有し、前記救援要請信号の発信にともなって前記要救援者画像データを前記位置特定サーバ装置に送信するように構成したことによって、要救援者の最新の画像データを位置特定サーバ装置に容易に登録することができ、最新の画像データに基づいて要救援者の捜索を行うことができるので、要救援者の速やかな発見を可能とすることができる。
【0013】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の救援連絡システムにおいて、前記位置特定サーバ装置には、前記要救援者の個人情報をあらかじめ登録した要救援者データベースを設けるとともに、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信開始にともなって、要救援者を捜索して救援する捜索者が所持する捜索者用携帯端末装置に、前記要救援者の個人情報と前記携帯端末装置から送信された要救援者画像データを送信するように構成したことによって、捜索者は捜索者用携帯端末装置を用いて捜索に当たることができ、行動の自由度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の救援連絡端末装置及びこの救援連絡端末装置を用いた救援連絡システムでは、救援連絡端末装置を次のように構成したことに特徴を有するものである。
【0015】
すなわち、救援連絡端末装置は、現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有しているものである。
【0016】
そして、救援連絡端末装置は、制御手段によって発信手段による位置情報信号の発信を行った後に、所定時間毎に位置情報計測手段で位置情報を逐次計測し、位置情報信号を逐次発信するように構成しているものである。
【0017】
このように、救援連絡端末装置は、位置情報計測手段で取得した位置情報からなる位置情報信号を常時発信するのではなく、所定時間毎に位置情報を逐次計測して発信することにより、特別な解析手段を設けることなく経験則的に救援連絡端末装置の移動予測、すなわち要救援者の移動予測を行うことができ、要救援者の先回りを可能として要救援者を見つけ出しやすくすることができる。
【0018】
しかも、救援連絡端末装置の電力消費を比較的抑制することができるので、要救援者の救援前にバッテリー切れ等によって位置情報信号が発信されなくなるといった不具合が生じることを防止でき、さらには大きなバッテリーを用いる必要がないことによって、救援連絡端末装置を小型化あるいは軽量化して救援連絡端末装置の低コスト化を図ることができる。
【0019】
また、救援連絡端末装置には所要の画像を表示する画像表示手段を設け、この画像表示手段に演出映像を常時表示して救援連絡端末装置を常時ON状態としておくことにより、緊急時に速やかに救援連絡端末装置を作動させることができる。
【0020】
特に、画像表示手段に演出映像を常時表示しておくことにより、救援連絡端末装置のバッテリー切れまたは電池切れ等を速やかに検出することができ、緊急時にバッテリー切れや電池切れ等によって使用できないなどの不具合が生じることを防止できる。
【0021】
画像表示手段に表示される演出映像としてはゲーム画面とすることにより、年少の要救援者が喜んで所持できる。なお、画像表示手段に表示される演出映像としてはゲーム画面に限定するものではなく、例えば文字情報を配信しているラジオ放送を受信して表示するようにしてもよい。あるいは、単にラジオ機能を組み込んでラジオ放送の受信を可能としてもよい。
【0022】
図1は、本実施形態の救援連絡端末装置1の外観図であり、子供の掌に収まる程度の大きさとした略矩形体状のハウジング2で構成し、ハウジング2の上側面における略中央部分に液晶表示画面3を設け、この液晶表示画面3の下側に近接させて操作ボタン4を設けている。図1中、5はアンテナである。ハウジング2には適宜の吊り下げ用のチェーンなどを装着して、救援連絡端末装置1をキーホルダーとするようにしてもよい。
【0023】
図1には示さないが、ハウジング2の所定位置には、ハウジング2に内蔵したバッテリーへの充電を行うための充電用コネクタを設けている。
【0024】
さらにハウジング2には、図2の機能ブロック図に示すようにハウジング2に内蔵した回路基板に設けたメモリ6などの記憶装置に所要のデータを入力するためのメモリ用コネクタ7を設けている。
【0025】
ハウジング2に内蔵した回路基板には、図2に示すように、救援連絡端末装置1の動作制御を行う制御用CPUで構成した制御手段としての制御部8を設けるとともに、制御部8からの発信命令に基づいて所要の信号を発信する発信手段としての発信部9と、救援連絡端末装置1の現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段としてのGPS(Global Positioning Systems)部10を設け、さらに上記したメモリ6を設けるとともに、上記した液晶表示画面3及び操作ボタン4をそれぞれ接続している。
【0026】
GPS部10では、救援連絡端末装置1のアンテナ5を利用して受信した測位用電波を用いて救援連絡端末装置1の現在地点の緯度情報及び経度情報からなる位置情報を生成して制御部に出力するようにしている。
【0027】
発信部9では、制御部8からの発信命令に基づいて、メモリ6に記憶された指定電話番号の受信装置に向けて、GPS部10で生成された位置情報を位置情報信号として発信するようにしている。
【0028】
メモリ6には、各救援連絡端末装置1を識別するための識別情報を記憶させているとともに、救援連絡端末装置1が発信する信号の受信先電話番号情報を少なくとも記憶させている。
【0029】
識別情報は、本実施形態の場合では、救援連絡端末装置1を移動体電話とした場合の電話番号情報に相当するものであり、実質的には11桁の番号で指定される電話番号としている。
【0030】
また、受信先電話番号情報は、少なくとも救援通知用の電話番号であって、この救援通知用の電話番号に救援連絡端末装置1から位置情報信号が送信されることにより、その救援連絡端末装置1を所持している要救援者の捜索を開始できるようにしている。なお、受信先電話番号情報は、少なくとも救援連絡端末装置1の所有者を保護する義務のある保護者の携帯電話番号としている。この受信先電話番号情報は、上記したメモリ用コネクタ7を介して救援連絡端末装置1に接続したメモリ情報書換装置によって、受信先電話番号情報を適宜書換可能としている。
【0031】
さらに、メモリ6には、その救援連絡端末装置1の所有者の氏名、年齢、外見的特徴などの個人データ、さらには写真画像データを記憶しておき、上記した位置情報信号の発信とともに、個人データや写真画像データからなる信号を発信可能としてもよい。
【0032】
このように構成した救援連絡端末装置1では、通常は液晶表示画面3にゲーム画面等を表示しており、操作ボタン4が操作されることによって救援連絡端末装置1は、制御部8からGPS部10に対して位置情報の出力を要求し、位置情報の出力後、制御部8から発信部9に対して発信命令を出力して、メモリ6にあらかじめ登録された発信先電話番号に対して発信し、位置情報信号を送信するようにしている。
【0033】
さらに、このとき、救援連絡端末装置1は、液晶表示画面3を点滅表示させることにより、救援連絡端末装置1が正しく機能していることを表示するようにしている。
【0034】
なお、誤って救援連絡端末装置1が操作された場合には、操作ボタン4の長押し操作を行うことによって、発信を停止可能としている。この場合、点滅表示させていた液晶表示画面3を通常のゲーム画面等とすることによって、発信が停止されたことを表示するようにしている。
【0035】
さらに、救援連絡端末装置1は、操作ボタン4の操作後は、所定時間毎に制御部8からGPS部10に対して位置情報の出力を要求し、位置情報の出力後、制御部8から発信部9に対して発信命令を出力して、位置情報信号を逐次発信するように構成している。本実施形態では、1分ごとに位置情報信号を発信するように構成している。
【0036】
このように位置情報信号を逐次発信するように構成することによって、救援連絡端末装置1の移動予測、すなわち要救援者の移動予測を極めて容易に行うことができ、要救援者の先回りを可能として要救援者を見つけ出しやすくすることができる。
【0037】
しかも、救援連絡端末装置1の電力消費を比較的抑制することができるので、要救援者の救援前に救援連絡端末装置1がバッテリー切れして位置情報信号が発信されなくなるといった不具合が生じることを防止できる。
【0038】
救援連絡端末装置1が発信した位置情報信号は、その救援連絡端末装置1の所有者を保護する義務のある保護者が所有する携帯電話などの携帯端末装置21で受信するようにしている。
【0039】
携帯端末装置21には、図3に示すように、所要の電波を受信するとともに所要の電波を発信するためのアンテナ25と接続した受発信部29と、携帯端末装置21の動作制御を行う制御用CPUで構成した制御手段としての制御部28と、所要の操作の入力を行うための操作ボタン24と、所要の表示を行うための液晶表示画面23と、各種プログラムや所要のデータを記憶したメモリ26とを設けており、さらに携帯端末装置21にはCCDカメラあるいはCMOSカメラからなる撮像部22を設けている。この撮像部22が要救援者画像データを生成する撮像手段である。
【0040】
保護者は、あらかじめ撮像部22によって救援連絡端末装置1の所有者を撮影し、要救援者画像データとしてメモリ26に記憶させておく。特に、できれば救援連絡端末装置1の所有者を毎朝撮影し、その日の服装を記録することが望ましい。
【0041】
携帯端末装置21では、救援連絡端末装置から発信された位置情報信号を受信可能であって、受信した位置情報信号が誤操作や誤動作に基づく発信でないと判断した場合には、位置情報信号の受信にともなって連絡先に救援要請信号を発信可能としている。連絡先の情報は、メモリ26にあらかじめ記憶させていることが望ましい。救援要請信号には、位置情報信号による位置情報が含まれている。
【0042】
さらに、携帯端末装置21では、救援要請信号の発信にともなって、メモリ26に記憶した要救援者画像データを自動的に送信するようにしている。このように救援要請信号の発信にともなって要救援者画像データを送信することにより、最新の要救援者画像データを用いて捜索を行うことを可能とすることができ、要救援者の速やかな確保を可能とすることができる。
【0043】
特に、要救援者画像データに当日着用している服装の情報が含まれていると、要救援者を特定しやすくすることができる。しかも、要救援者画像データを自動的に送信することにより、気が動転しやすい保護者が要救援者画像データの送信漏れを生じることを防止でき、捜索における貴重な情報となる画像データを確実に送信することができる。要救援者画像データは、正面だけでなく、側面及び背面の画像データもある方が望ましい。
【0044】
携帯端末装置21が発信した救援要請信号は位置特定サーバ装置31で受信するようにしており、位置特定サーバ装置31では、救援要請信号の受信後、救援連絡端末装置1が発信する位置情報信号の受信を開始する。
【0045】
位置特定サーバ装置31は、基本的に救援連絡端末装置1と携帯端末装置21との通信を管理している通信会社が設置した基地局に設けて、救援要請信号の受信にともなって救援連絡端末装置1から携帯端末装置21に逐次送信される位置情報信号を受信して、位置情報信号の発信地点を特定するように構成している。
【0046】
すなわち、位置特定サーバ装置31には、図4に示すように、救援要請信号及び位置情報信号が入力されるとともに、所要の捜索情報信号を出力する通信部39と、位置特定サーバ装置31の動作制御を行う制御用CPUで構成した制御手段としての制御部38と、要救援者の個人情報をあらかじめ登録した要救援者データベース36と、要救援者の捜索に必要となる地図情報を登録した地図情報データベース34と、各捜索者が所持している捜索者用携帯端末装置の情報を登録した捜索者データベース33を設け、入力された位置情報信号に基づいて要救援者の所在地を特定し、その所在に最も近い捜索者が所持している捜索者用携帯端末装置に出動信号を送信するようにしている。
【0047】
ここで、救援要請信号とともに携帯端末装置21から位置特定サーバ装置31に送信された要救援者画像データは、位置特定サーバ装置31の要救援者データベース36に一旦登録され、その後、位置特定サーバ装置31は、この要救援者画像データと、あらかじめ登録されている要救援者の氏名や年齢などの個人情報、さらに位置情報信号から特定された当該要救援者の現在の所在情報とをまとめて出動信号として、捜索者用携帯端末装置に送信するようにしている。
【0048】
このように、捜索を行う捜索者には、要救援者の氏名や年齢だけでなく要救援者画像データが送信されることによって、要救援者を速やかに特定して確保委することができる。捜索者用携帯端末装置は、上記した携帯端末装置21とほぼ同一構成であってよく、詳細な説明は省略する。
【0049】
なお、捜索者用携帯端末装置にも撮像部を設け、所要の要救援者の確保後、その要救援者を撮影して位置特定サーバ装置31を介して携帯端末装置21に送信することにより、誤確保が生じた場合に、その誤確保を速やかに検出することができる。
【0050】
図5は、本発明の救援連絡システムの動作の概略説明図であり、最後に本発明の救援連絡システムの動作を簡単に説明する。
【0051】
まず、救援連絡端末装置1の操作ボタン4が操作されることによって、救援連絡端末装置1は携帯端末装置21に位置情報信号を送信する(ステップS1)。
【0052】
携帯端末装置21は、位置情報信号を受信した場合であって、受信した位置情報信号が誤操作や誤動作に基づく発信でない場合に、位置特定サーバ装置31に救援要請信号を送信する(ステップS2)。
【0053】
位置特定サーバ装置31では、救援要請信号の受信にともなって救援連絡端末装置1から発信された位置情報信号の発信地点の特定を開始する。また、このとき、救援連絡端末装置1から逐次発信される位置情報信号を逐次受信して、最新の発信地点の特定を行う(ステップS3)。
【0054】
位置特定サーバ装置31において発信地点の特定が行われるとともに、その発信地点に最も近い捜索者の特定が終了すると、位置特定サーバ装置31は所要の捜索者の捜索者用携帯端末装置41に、要救援者画像データ、要救援者の氏名や年齢などの個人情報、当該要救援者の現在の所在情報を出動信号として送信する(ステップS4)。
【0055】
捜索者は、受信した出動信号に基づいて要救援者の捜索を行って、当該要救援者を速やかに確保する(ステップS5)。本発明の救援連絡システムでは、最初の位置情報信号の発信開始から、遅くとも20〜30分程度で、当該要救援者を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態の救援連絡端末装置の外観図である。
【図2】本実施形態の救援連絡端末装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施形態の携帯端末装置の機能ブロック図である。
【図4】本実施形態の位置特定サーバ装置の機能ブロック図である。
【図5】本発明の救援連絡システムの動作の概略説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 救援連絡端末装置
2 ハウジング
3 液晶表示画面
4 操作ボタン
5 アンテナ
6 メモリ
7 メモリ用コネクタ
8 制御部
9 発信部
10 GPS(Global Positioning Systems)部
21 携帯端末装置
31 位置特定サーバ装置
41 捜索者用携帯端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成した救援連絡端末装置。
【請求項2】
所要の画像を表示する画像表示手段を有し、この画像表示手段に演出映像を常時表示していることを特徴とする請求項1記載の救援連絡端末装置。
【請求項3】
現在地点の位置情報を計測する位置情報計測手段と、この位置情報計測手段で計測した前記位置情報に基づいて生成した位置情報信号を発信する発信手段と、この発信手段による前記位置情報信号の発信開始を制御する制御手段とを有する救援連絡端末装置と、
この救援連絡端末装置の前記発信手段から発信された信号を受信するとともに、この信号の受信にともなって救援要請信号を発信する携帯端末装置と、
この携帯端末装置が発信した前記救援要請信号を受信して、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信を開始し、前記位置情報信号の発信地点を特定して前記救援連絡端末装置を所有した要救援者を救援可能とする位置特定サーバ装置とを有する救援連絡システムであって、
前記救援連絡端末装置は、前記制御手段によって前記発信手段による前記位置情報信号の発信を行った後、所定時間毎に前記位置情報計測手段で位置情報を逐次計測して位置情報信号を逐次発信するように構成した救援連絡システム。
【請求項4】
前記携帯端末装置は、前記要救援者をあらかじめ撮影して要救援者画像データを生成する撮像手段を有し、前記救援要請信号の発信にともなって前記要救援者画像データを前記位置特定サーバ装置に送信するように構成したことを特徴とする請求項3記載の救援連絡システム。
【請求項5】
前記位置特定サーバ装置には、前記要救援者の個人情報をあらかじめ登録した要救援者データベースを設けるとともに、前記救援連絡端末装置が発信する前記位置情報信号の受信開始にともなって、要救援者を捜索して救援する捜索者が所持する捜索者用携帯端末装置に、前記要救援者の個人情報と前記携帯端末装置から送信された要救援者画像データを送信するように構成したことを特徴とする請求項4記載の救援連絡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−201888(P2006−201888A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10939(P2005−10939)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(505021795)株式会社オールサービスセンター (1)
【Fターム(参考)】