説明

有糸分裂キネシン阻害剤

本発明は、細胞増殖性疾患の治療、KSPキネシン活性と関連した疾患の治療、及びKSPキネシンの阻害に有効である、2,3−ジアリールキナゾリノン化合物に関する。また、本発明は、哺乳類においてがんを治療するための前記化合物を含む組成物、及び前記化合物を使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
発明の背景
本発明は、有糸分裂キネシン、特に有糸分裂キネシンのKSPの阻害剤である、2−フェニルキナゾリノン、2−フェニルテトラヒドロキナゾリノン、及び2−フェニルアザキナゾリノン誘導体に関し、これらは、細胞増殖性疾患、例えば、がん、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫異常症、及び炎症の治療に有用である。
【背景技術】
キナゾリノンとそれら誘導体には催眠、鎮静、鎮痛、抗痙攣、鎮咳、及び抗炎症活性を含む広範で様々な生物的特性のあることが知られている。
特異的な生物学的用途が記述されているキナゾリノン誘導体には、気管支拡張活性を持つ2−(置換フェニル)−4−オキソキナゾリンを記述する米国特許第5,147,875号を含む; 米国特許第3,723,432号、同第3,740,442号、及び同第3,925,548号は、抗炎症薬として有用な1クラスの1−置換4−アリール−2(1H)−キナゾリノン誘導体を記述する。欧州特許公報EP0056637B1では高血圧治療のため1クラスの4(3H)−キナゾリノン誘導体をクレームしており; 及び、欧州特許公報EP0884319Alには神経変性障害、向精神性障害、ドラッグとアルコールにより誘発される中枢と末梢神経系障害を治療するのに使用されるキナゾリン−4−オン誘導体の医薬組成物が記述されている。
がんを含む細胞増殖性疾患を治療するのに使用される増加する一方の治療薬には、キナゾリノン類が存在する。例えば、PCT WO96/06616では、血管平滑細胞増殖を阻害するキナゾリノン誘導体を含む医薬組成物が記述されている。PCT WO96/19224では、メセンギアル(mesengial)細胞増殖を阻害するためにこの同じキナゾリノン誘導体を使用している。米国特許第4,981,856号、同第5,081,124号、及び同第5,280,027号では、DNA合成に必要であるチミジンリン酸を合成するためのデオキシウリジンリン酸のメチル化を触媒する酵素である、チミジル酸シンターゼを阻害するためのキナゾリノン誘導体の使用が記述されている。米国特許第5,747,498と5,773,476では、チロシン受容体キナーゼの過剰活性または不適当な活性で特徴付けられるがんを治療するのに使用されるキナゾリノン誘導体が記述されている。米国特許第5,037,829は、上皮細胞に起こるがんを治療するための(1H−アゾール−1−イルメチル)置換キナゾリン組成物をクレームしている。PCT WO98/34613は新生血管形成を弱体させ、悪性腫瘍を治療するのに有用なキナゾリノン誘導体を含む組成を記述している。米国特許5,187,167は抗腫瘍活性を持つキナゾリン−4−オン誘導体を含む医薬組成物を記述している。がんを治療するのに使用される他の治療薬には、タキサン類とビンカアルカロイド類が含まれる。タキサン類とビンカアルカロイド類は、種々の細胞構造に存在する微小管に作用する。微小管は有糸分裂紡錘体の主要な構造要素である。有糸分裂紡錘体は、細胞分裂より結果として生じるそれぞれの2つの娘細胞にゲノムの模写コピーを配分する役割を有する。これら薬剤による有糸分裂紡錘体の妨害によりがん細胞分裂の阻害が起こり、がん細胞死の誘発をもたらすと推定される。しかしながら、微小管は、神経突起における細胞内輸送用トラックを含む、他のタイプの細胞構造を形成する。これらの薬剤は、有糸分裂紡錘体を特異的に標的としないので、それらの有用性を制限する副作用がある。
これらの薬剤の投与に伴う副作用を減少させることができる場合に実現できる治療効果のために、がん治療に使用される薬剤の特異性の改善には相当な興味が存在する。伝統的には、がん治療における劇的な改善は、新しい機構で作用する治療薬を同定することと関連している。この例としては、タキサン類だけではなく、トポイソメラーゼI阻害剤のカンプトテシンのクラスも含まれる。これら見解の両方から見て、有糸分裂キネシンは新抗がん剤の魅力ある標的である。
有糸分裂キネシンは、有糸分裂紡錘体の組み立てと機能にとって不可欠な酵素であるが、一般に、神経突起などのような他の微小管構造の一部ではない。有糸分裂キネシンは有糸核分裂のすべての段階で、不可欠な役割を果たす。これらの酵素は、ATP加水分解で放出されるエネルギーを、微小管に沿って細胞カーゴの指向性運動を走らせる機械的な力へ変える「分子モータ」である。この作業を行うために十分な触媒領域は、およそ340個のアミノ酸よりなるコンパクトな構造である。有糸核分裂中、キネシンは微小管を有糸分裂紡錘体の双極性構造に組織化する。キネシンは、有糸核分裂の特異的な相に関連して有糸分裂紡錘体の構造変化と共に紡錘体微小管に沿って染色体の動きを調節する。有糸分裂キネシンの機能を実験的に混乱させると、有糸分裂紡錘体の形成異常または機能不全を引き起こし、頻繁に細胞周期停止及び細胞死をもたらす。
同定された有糸分裂キネシンの中に、KSPが存在する。KSPは、逆平行ホモダイマより成る双極性ホモ四量体に組み立てられるプラス端方向性微小管モータの進化的に保存されたキネシンのサブファミリーに属する。有糸核分裂中、KSPは有糸分裂紡錘体の微小管と結合する。ヒト細胞中へ抗KSP抗体を微量注射法で注入すると、前中期中、紡錘体極分離を防止し、単極性紡錘体をもたらし、有糸分裂停止を起こし、プログラム細胞死を誘発する。他のヒトでない生物体のKSPとそれに関連するキネシンは、逆平行に微小管を包み、お互いに滑らせ、その結果、正反対方向に2個の紡錘体を強制する。また、KSPは後期Bにおける紡錘体の延長、及び紡錘体極の微小管の集束に関与することがある。
ヒトKSP(また、HsEg5とも呼ばれる)は、[Blangy,他,Cell,83:1159−69(1995);Whitehead,他,Arthritis Rheum,,39:1635−42(1996);Galgio他,J.Cell Biol.,135:339−414(1996);Blangy,他,J Biol.Chem.,272:19418−24(1997);Blangy,他,Cell Motil Cytoskeleton,40:174−82(1998);Whitehead and Rattner,J.Cell Sci.,111:2551−61(1998);Kaiser,他,JBC274:18925−31(1999);GenBank 受入番号:X85137,NM004523及びU37426]に記述され、KSP遺伝子(TRIP5)のフラグメントについては[Lee,他,Mol Endocrinol.,9:243−54(1995);GenBank受入番号L40372]により記述されている。ショウジョウバエKLP61F/KRP130と同様にアフリカツメガエルKSP同族体(Eg5)についても報告されている。
あるキナゾリノン類はKSPの阻害剤であるとして記述されている(PCT公報WO01/30768とWO03/039460)。また、最近、あるテトラヒドロキナゾリノン(PCT公報WO03/049678)とアザキナゾリノン(PCT公報WO03/15810)はKSPの阻害剤として開示された。
有糸分裂キネシンは、新しい有糸分裂化学療法剤の発見と開発にとって魅力的な標的である、それに従って、有糸分裂キネシンであるKSPの阻害に有効な化合物、方法、及び組成を供給することが目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
発明の要約
本発明は、細胞増殖性疾患治療、KSPキネシン活性に関連した疾患治療、及びKSPキネシン阻害に有用な2−フェニルキナゾリノン、2−フェニルテトラヒドロキナゾリノン、及び2−フェニルアザキナゾリノン化合物、及びそれらの誘導体に関する。本発明の化合物は式I:

によって示される。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンの阻害に有用であり、式I:

〔式中、w、x、y、及びzは、独立して、CH、CH、及びNから選択され、但し、多くともw、x、y、及び2の中の1つのみがNであり、両破線が二重結合を表す場合にのみ、w、x、y、及びzの中の1つがNであり;
破線は、任意の二重結合を表し;
aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
mは、0、1、又は2であり;
nは、0ないし2のいずれかであり;
pは、1ないし3のいずれかであり;
rは、0又は1であり;
sは、0又は1であり;
は、下記:
1) H、
2) C−C10アルキル、
3) アリール、
4) C−C10アルケニル、
5) C−C10アルキニル、
6) C−Cペルフルオロアルキル、
7) C−Cアラルキル、
8) C−Cシクロアルキル、及び
9) ヘテロシクリル
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、及びヘテロシクリルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは、下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) (C=O)−C10アルケニル、
4) (C=O)−C10アルキニル、
5) COH、
6) ハロ、
7) OH、
8) O−Cペルフルオロアルキル、
9) (C=O)NR
10) CN、
11) (C=O)−Cシクロアルキル、
12) (C=O)ヘテロシクリル、
13) SONR、及び
14) SO−C10アルキル
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。)から独立に選択され;
は下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) C−C10アルケニル、
4) C−C10アルキニル、
5) (C=O)ヘテロシクリル、
6) COH、
7) ハロ、
8) CN、
9) OH、
10) O−Cペルフルオロアルキル
11) O(C=O)NR
12) オキソ、
13) CHO、
14) (N=O)R
15) (C=O)−Cシクロアルキル、
16) SO−C10アルキル、
17) SONR
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1つ以上の置換基により置換されてもよい。)から独立に選択され;
は下記:
1) (C=O)(C−C10)アルキル、
2) O(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) (C−C)アルキレン−S(O)
4) オキソ、
5) OH、
6) ハロ、
7) CN、
8) (C=O)(C−C10)アルケニル、
9) (C=O)(C−C10)アルキニル、
10) (C=O)(C−C)シクロアルキル、
11) (C=O)(C−C)アルキレン−アリール、
12) (C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
13) (C=O)(C−C)アルキレン−N(R
14) C(O)R
15) (C−C)アルキレン−CO
16) C(O)H、
17) (C−C)アルキレン−COH、及び
18) C(O)N(R
(該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、R、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される最大3つの置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは下記:
1) H、
2) (C=O)O−C10アルキル、
3) (C=O)O−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Oアリール、
5) (C=O)Oヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。)から独立に選択され、或いは、RとRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は、4〜7員環である。)を形成してもよく、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−NR、(C−C)アルキル−NH、(C−C)アルキル−NHR、アリール、ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル、又はS(O)である。〕の化合物、又は医薬的に許容できるその塩又はその立体異性体である。
本発明の2番目の実施形態は、式II:

〔式中、a、w、x、y、z、破線、R、R、R、及びRは、式Iの化合物に関して請求項1に定義される通りであり;
nは、0又は1であり;
p’は、0又は2である;
は、下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) (C=O)NR
4) (C=O)−Cシクロアルキル、
5) (C=O)aヘテロシクリル、
6) SONR、及び
7) SO−C10アルキル
(該アルキル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されいてもよい。)から選択され;
2aは、ハロゲンと(C−C)アルキルから選択され;
4a及びR4bは、水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから選択されるが、但し、少なくとも1つが水素でなく、或いは
4a及びR4bは、一緒になって、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CH=CH−O−及び−CH=CH−N−から選択されるジラジカルを形成する。〕の化合物、又は医薬的に許容できるその塩又はその立体異性体である。
本発明の3番目の実施形態は、式III:

〔式中、
bは、0又は1であり;
mは、0、1、又は2であり;
p’は、0〜2であり;
rは、0又は1であり;
sは、0又は1であり;
は、(C−C)アルキレン−NRであり、該アルキレンはOH,(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びNRから選択される最高3つの置換基で置換されてもよく;
2aは、ハロゲンと(C−C)アルキルから選択され;
3aとR3bは、水素とハロゲンから独立に選択され;
4aとR4bは、水素、ハロゲン、及び(C−C)アルキルから独立に選択されるが、但し、少なくとも1つが水素でなく;
は、下記:
1) (C=O)(C−C10)アルキル、
2) O(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) (C−C)アルキレン−S(O)
4) オキソ、
5) OH、
6) ハロ、
7) CN、
8) (C=O)(C−C10)アルケニル、
9) (C=O)(C−C10)アルキニル、
10) (C=O)(C−C)シクロアルキル、
11) (C=O)(C−C)アルキレン−アリール、
12) (C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
13) (C=O)(Co−C)アルキレン−N(R
14) C(O)R
15) (C−C)アルキレン−CO
16) C(O)H、
17) (C−C)アルキレン−COH、及び
18) C(O)N(R
(該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、R、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される最高3つの置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは、下記:
1) H、
2) (C=O)O−C10アルキル、
3) (C=O)O−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Oアリール、
5) (C=O)Oヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル、
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。)から独立に選択されるか、或いは、
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は、4〜7員環である。)を形成してもよく、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルであり;及び、
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−NR、(C−C)アルキル−NH、(C−C)アルキル−NHR、アリール、ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル、又はS(O)である。〕の化合物、又はその医薬的に許容できる塩又は立体異性体である。
本発明の4番目の実施形態は、上記に示した式IIIの化合物〔ここで、p’、R2a、R3a、R3b、R4a、R4b、及びRが、請求項3の式IIIで定義された通りであり;
が、(C−C)アルキレン−NRであり;
とRが、下記:
1) H、
2) C−C10アルキル、
3) アリール、
4) ヘテロシクリル、
5) C−C10アルケニル、
6) C−C10アルキニル、及び
7) C−Cシクロアルキル
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。)から独立に選択されるか、或いは、
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は4〜7員環である。)を形成し、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。〕、若しくは医薬的に許容できるその塩、又は立体異性体である。
本発明の化合物の具体的な例には、下記:
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
3−(3a,7a−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−(2−ブロモフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
6−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−メチルフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(1H−インドール−5−イル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、
2−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−ルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(メチルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(シクロブチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−[3−(アゼチジン−1−イルメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アミノピペリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−フルオロピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−[2−クロロ−3−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−モルホリン−4−エルエチル)アミノ]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(3−アミノピロリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−({[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(3−{[3−(アミノメチル)−1−メチル−1ラムダ〜5〜−ピペリジン−1−イル]メチル}−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(ベンジルアミノ)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−5−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、及び
7−クロロ−2−[2−クロロ−5−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
又は、医薬的に許容できるその塩、が含まれる。
本発明化合物の更なる具体例は下記:
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(メチルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ2−{2−クロロ−3−[(シクロブチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−[3−(アゼチジン−1−イルメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アミノピペリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−フルオロピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−[2−クロロ−3−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(3−アミノピロリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−({[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(3−{[3−(アミノメチル)−1−メチル−1ラムダ〜5〜−ピペリジン−1−イル]メチル}−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(ベンジルアミノ)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−5−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、及び
7−クロロ−2−[2−クロロ−5−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、から選択される化合物のTFA塩類である。
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸、及びキラル面(E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119−1190中で説明されるように)を有してもよく、本発明の化合物は、ラセミ体、ラセミ混合物として、及び個々のジアステレオマとして存在してもよく、そして、光学異性体を含むすべての可能な異性体とそれらの混合物が本発明に含まれている。
更に、ここで開示された化合物は、互変異性体として存在することがあり、一つ互変変性構造のみが示されても、本発明の範囲には両方の互変異性型が含まれるよう意図されている。例えば、下記のA化合物のクレームには、互変変性構造Bが含まれているものと理解され、その逆もまた同様で、それらの混合物も含まれる。

変数(例R、R、Rなど)が何かの構成において一度以上表示される場合、各表示における定義は他のあらゆる表示の定義と独立している。また、置換基と変数の併用も許容されるが、そのような併用が安定化合物をもたらす場合にだけに限られる。置換基より環構造へ向かって描かれた線は、その表示された結合が環のどの置換可能な原子にも起こることがありうることを示す。環系が多環である場合、その結合が隣接環の適当な炭素原子にのみに起こるように意図される。化学的に安定であり、かつ、容易に利用可能な出発物質より、この領域で知られている技術、及び、以下に説明される方法により、容易に合成できる化合物を提供すべく、本発明の化合物の置換及び置換パターンは、当業者により選択可能であると理解される。1つの置換基自身が1個以上の基で置換される場合、安定構造が結果として生じる限り、これらの複数の基は同じ炭素上、又は、異なった炭素上に存在してもよいと理解される。「1つ以上の置換基により置換されてもよい」という語句は、「少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよい」という語句に等しいものと理解すべきであり、そのような場合、好ましい実施形態には、ゼロより3個まで置換基が存在する。
ここで使用される用語「アルキル」と「アルキレン」は、特定の炭素原子数を持つ分岐鎖及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基を含むように意図される。例えば、「C−C10アルキル」におけるC−C10は、直鎖又は分岐鎖構造で1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素を持つ基を含むと定義される。例えば、「C−C10アルキル」は、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを含んでいる。用語「シクロアルキル」は、特定の炭素原子数を持つ一環系飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアルキル」にはシクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含んでいる。
「アルコキシ」は酸素ブリッジを通して結合した指定炭素原子数の環状又は非環状性アルキル基を表す。したがって、「アルコキシ」は上記のアルキルとシクロアルキルの上記の定義を含む。
炭素原子数が全く指定されない場合、用語「アルケニル」は非芳香族炭化水素基、直鎖基、分岐鎖基、又は環状基について言及され、2〜10までの炭素原子と少なくとも1個の炭素間の二重結合を含む。好ましくは、1つの炭素間二重結合が存在し、最大4つの非芳香族炭素間二重結合が存在してもよい。したがって、「C−Cアルケニル」とは2〜6まで炭素原子を持っているアルケニル基を意味する。アルケニル基には、エテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニル、及びシクロヘキセニルが含まれる。アルケニル基の直鎖、分岐鎖、又は環状部分には二重結合を含んでいてもよく、置換アルケニル基が表示されている場合、置換されていてもよい。
用語「アルキニル」は、2〜10まで炭素原子と少なくとも1つの炭素間三重結合を含む、炭化水素基の直鎖、分岐鎖又は環状の基について言及され、最大3つの炭素間三重結合が存在してもよい。したがって、「C−Cアルキニル」とは2〜6まで炭素原子を持つアルキニル基を意味する。アルキニル基にはエチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどが含まれる。置換アルキニル基が示されている場合、アルキニル基の直鎖、分岐鎖、又は環状部分に三重結合が含まれていてもよく、置換されていてもよい。
ある場合には、置換基は(C−C)アルキレン−アリールのようにゼロを含む炭素の範囲として定義されることがある。アリールがフェニルと考慮されると、この定義では−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどと同様にフェニル自体が含まれることになる。
ここで使用される用語「アリール」とは、少なくとも1つ環が芳香族である、各環中で最大7原子を有する一環又は二環式炭素環を意味する。そのようなアリールの例に、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、及びビフェニルが含まれる。アリール置換基が二環式であり1つの環が非芳香族である場合、結合は芳香族環を通して行われると理解される。
ここで使用される用語「ヘテロアリール」とは、各環中に最大7原子を有する安定した一環又は二環式を表し、少なくとも1つの環は芳香族でO、N、及びSから成るグループから選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含む。この定義の範囲内のヘテロアリール基には、次のものが含まれるがこれらに限定されない: アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン。以下のヘテロ環状の定義について、「ヘテロアリール」は、あらゆる窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体も含むと理解されている。ヘテロアリール置換基が二環式であり、1つの環が非芳香族、又はヘテロ原子を全く含んでいない場合、結合は芳香族環を通じてか、又はヘテロ原子含有環を通じて各々行われると理解される。
ここで使用される用語「ヘテロ環」又は「ヘテロシクリル」は、O、N、及びSから成るグループから選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族又は非芳香族ヘテロ環を意味するように意図されており、二環性基を含む。したがって、「ヘテロシクリル」はジヒドロ、及びテトラヒドロア類似体と同様に上記のヘテロアリールを含む。
「ヘテロシクリル」の更なる例には次のものが含まれるが、それらに限定されない: ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル;イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル;テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘクサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、及びそれのNオキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は炭素原子かヘテロ原子を通じて起こりうる。
好ましくは、ヘテロ環は2−アゼピノン、ベンズイミダゾリル、2−ジアザピノン、イミダゾリル、2−イミダゾリジノン、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノン、2−ピリミジノン、2−ピロリジノン、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、及びチエニルから選択される。
当業者によって理解されるように、ここで使用される「ハロ」又は「ハロゲン」はクロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードを含むよう意図される。
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリル置換基は、特に他で定義されない場合、未置換であってもよく、若しくは、置換であってもよい。例えば、(C−C)アルキルは、OH、オキソ、ハロゲン、アルコキシル、ジアルキルアミノ、又はモルホリニル、ピペリジニルなどのようなヘテロシクリルから選択される1つ、2つ、又は3つの置換基により置換されていてもよい。この場合、一つ置換基がオキソであり、もう一方がOHである場合、以下が定義に含まれる: −C=O)CHCH(OH)CH、−(C=O)OH、−CH(OH)CHCH(O)など。
以下の構造によって表示される部分構造:

〔式中、w、x、y、及びzは独立にCH、CH、及びNから選択され、但し、多くともw、x、y、及びzの中の1つのみがNであり、両破線が二重結合を表す場合にのみ、w、x、y、及びzの中の1つがNであり;
破線は任意の二重結合を表す。〕は、以下を含む。

ある場合には、式IIの化合物において、R4a及びR4bは、これらが一緒になって、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−,、−CH=CH−O−及び−CH=CH−N−から選択されるジラジカルを形成できるように定義される。R4aとR4bがフェニル環に結合して形成した部分構造の例には、次のものが含まれるが、それらのみに限定されない。

ある場合には、R及びRは、それらが結合している窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環で5〜7員環である。)を形成し、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、さらに、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい、というように定義される。このように形成することができるヘテロ環の例を下記に示すが、それらのみに限定されない。ヘテロ環は、Rから選ばれた1つ以上の(そして、好ましくは1つ、2つ、又は3つの)置換基により任意に置換されてもよいことに留意されたい。

ある実施形態では、RはRから選択される1〜3つの置換基により置換されてもよい、アリールとヘテロシクリルから選択される。別の実施形態では、Rは、Rから選択される1個ないし3個の置換基により置換されてもよい、フェニルとインドリルから選択される。更に別の実施形態では、Rは、Rから選択される1個ないし3個の置換基により置換されてもよい、フェニルである。更にもう1つの実施形態では、Rは、Rから選択される2つの置換基により置換される、フェニルである。
ある実施形態では、Rはハロゲン、(C−C)アルキル、及び(C=O)O(C−C)アルキルから選択され、ここで、該アルキルは、1個ないし3個のRにより置換されてもよい。
ある実施形態では、R2aはブロモとクロロから選択される。
別の実施形態では、式IIの化合物について、R2aはブロモとクロロから選択され、Rは(C−C)アルキレン−NRである。
ある実施形態では、Rは、(C−C)アルキルとハロから選択される。
ある実施形態では、nは0又は1である。
ある実施形態では、pは1又は2であり、別の実施形態では、p’は1である。
ある実施形態では、Rは、ハロ、C−Cアルキル、OC−CアルキレンNR、(C=O)−Cアルキレン−T(ここでTは、H、OH、COH、又はOC−Cアルキル)、SONH、C−CアルキレンNR、又はOC−Cアルキレン−ヘテロシクリルと定義され、これらは、R、C−CアルキレンNR、(C=O)NR、又はOC−Cアルキレン−(C=O)NRから選択される1〜3個の置換基により置換されてもよい。別の実施形態では、R4はハロゲン又はC−Cアルキルである。
式IIの化合物の実施形態では、R4aとR4bは、水素、ハロゲン、及び(C−C)アルキルから独立に選択されるが、但し、少なくとも1つが水素でない。
本発明に含まれるものに、医薬的に許容できるその塩及び立体異性体と同様に前記式I化合物の遊離型(フリー体)がある。ここで例示された特定の化合物のいくつかは、アミン化合物のプロトン化した塩類である。上記用語「遊離型」は非塩型のアミン化合物に関する。含まれる医薬的に許容される上記塩類には、ここで説明した特定の化合物の例示された塩類だけではなく、上記式I化合物の遊離型の、すべての典型的な医薬的に許容される塩類が含まれる。説明した特定の上記塩化合物遊離型は、当技術分野で知られている技術を使用して単離することができる。例えば、希釈したNaOH水溶液、炭酸カリウム、アンモニア、及び重炭酸ナトリウムなどの適当な希釈した塩基水溶液で塩を処理することによって、遊離型を再生できる。極性溶媒中での溶解性などのように、ある物理学的特性において、遊離型は、それぞれの塩型と異なることがあるが、酸と塩基の塩は本発明の目的から見てそれぞれの遊離型と医薬的に同等である。
医薬的に許容できる本発明の上記塩類は、従来の化学的方法で塩基又は酸の基を含むこの発明の前記化合物より合成することができる。一般に、塩基性化合物の上記塩類はイオン交換クロマトグラフィを用いて調製するか、又は上記フリー塩基を反応させるか、適当な溶媒又は様々な組み合わせ溶媒中で、所望の塩を形成する無機酸、又は、有機酸の化学量論量又は過剰量を用いて反応させることにより調製される。同様に、酸性化合物の塩類は、適当な無機塩基、又は、有機塩基との反応によって形成される。
このように、本発明の前記化合物の医薬的に許容できる塩類には、無機酸、又は、有機酸と塩基性本発明化合物を反応させることによって形成される、本発明の化合物の従来の非毒性塩類を含む。例えば、従来の非毒性塩類には、塩酸、臭酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸から得られる塩、及び酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモア酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオル酢酸などの有機酸から調製される塩類が含まれる。
本発明の化合物が酸性である場合、適当な「医薬的に許容できる塩類」とは、無機塩基と有機塩基を含む、医薬的に許容できる非毒性塩基より調製される塩類を言う。無機塩基から得られる塩類には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第2マンガンの塩類、第1マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウムと、マグネシウム、カリウム、及びナトリウム塩である。医薬的に許容できる有機無毒性塩基より得られる塩類には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのような第一級、第二級、第三級アミンの塩類、天然存在の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂の塩類が含まれる。
上記に説明された医薬的に許容できる塩類及び他の典型的な医薬的に許容できる塩類の調製についてBerg et al.,“Pharmaceutical Salts,”J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19においてより詳細に記述されている。
生理的条件下では、カルボキシル基などのような当該化合物の脱プロトン化酸性基はアニオン型であってもよいので、この電荷が、四級窒素原子などのように、プロトン化又はアルキレート化した塩基性基の陽イオン性電荷に対してバランスをとるかもしれないので、本発明の化合物は潜在的に内部塩か双性イオンであることに注意を要する。
本発明の前記化合物は、文献で既知であるか又は本明細書の実験手順で例示されている他の標準操作に加えて、以下のスキームで示されるように反応を用いることによって合成してもよい。例えば、[Ager et al.,J.of Med.Chem.,20:379−386(1977)](これは参考文献として本明細書に取り入れられる。)に説明されるように、芳香族第一アミンとN−アシルアントラニル酸類の酸触媒縮合反応により、キナゾリノン類を得ることができる。キナゾリノン類を得るための他のプロセスは、米国特許第5,783,577、5,922,866、及び5,187,167に記述されており、そのすべてが本明細書に参考文献として取り入れられている。したがって、以下の説明のスキームは、説明目的で使用された化合物やどんな特定の置換基によっても制限されない。スキームに示された置換基番号は、必ずしも特許請求の範囲に使用されたものと関連するものでなく、しばしば明確にするために、式Iの定義下で複数の置換基が許容される場合に一つの置換基が化合物に結合しているように示されている。
スキーム
スキームAに示されるように、本発明の化合物A−3は適宜置換された2−アミノ安息香酸から出発して、合成することができる。3,1−ベンゾキサジン−4−オン中間体A−2を種々の適宜置換されたアミンと反応させA−3を得てもよい。
スキームBには、上記と類似した反応順序であるが、適宜置換されたアミノニコチン酸B−1から出発し、最終的には発明化合物B−3を得る方法が示されている。
スキームCには、適宜置換されたアミノシクロヘキセンカルボン酸エステルから開始して、本発明化合物である5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4(3H)−オンを調製する方法を示す。
スキームDに示されるように、側鎖フェニル環上の一つのアルキル基を利用して、本化合物のこの部分で官能基(示されたアミン基を含むが、それのみに制限されない)を取り入れるのに使用してもよい。
スキームA

スキームB

スキームC

スキームD

効用
上記発明化合物には種々な用途が可能である。当業者により理解されるように、有糸核分裂を種々な方法により変化できる。即ち有糸核分裂系路における、コンポーネントの活性を増強するか、又は減少させることによって、有糸核分裂に影響を及ぼすことができる。異なった言い方をすれば、平衡関係を妨害(例えば、混乱させる)し、あるコンポーネントを阻害又は活性化することによって、有糸核分裂に影響を及ぼしてもよい。同様なアプローチは、減数分裂を変化させるのに使用できる。
ある実施形態では、発明化合物は有糸分裂紡錘体形成を調節するのに使用され、その結果、有糸核分裂で長期化した細胞周期停止を引き起こす。ここで「調節」(modulate)とは、有糸紡錘体形成の増強及び減少を含み、有糸分裂紡錘体形成を変化させることを意味する。ここで「有糸分裂紡錘体形成」とは、有糸分裂キネシンによる微小管の双極性構造への組織化を意味する。ここで「分裂紡錘機能不全」とは、有糸分裂停止と単極性紡錘体形成を意味する。
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンに結合及び/又はその活性を調節するのに有用である。実施形態では、有糸分裂キネシンは有糸分裂キネシンのbimCサブファミリーのメンバー(米国特許6,284,480番コラム5に記述)である。別の実施形態では、また、他の有機体からの有糸分裂キネシンの活性が本発明化合物によって調節されてもよいが、有糸分裂キネシンは人間のKSPである。この関係上、「調節」とは紡錘体極分離を増強するか、又は減少させることを意味し、奇形を生じ、すなわち、有糸分裂紡錘体極を広げるか、又はそうでなければ、分裂紡錘の形態学的な混乱を引き起こす。また、これらの目的のためにKSPの定義の中に含まれるものは、KSPの変形及び/又は断片である。更に、他の有糸分裂キネシンも現在の前記発明化合物によって阻害されてもよい。
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患を治療するのに使用される。ここで提供できる本方法と組成物で治療できる疾患には下記のものがあるが、それらに限定されない。がん(以下に更に考察)、自己免疫疾患、関節炎、移植片拒否反応、炎症性腸疾患、医療後誘発過形成(外科手術、血管形成術などを含むがそれらに限定されない)。ある場合には、細胞が過度又は低増殖状態(異常状態)ではないが、治療を必要とすることがあることを理解されたい。例えば、創傷治癒の間、細胞は「普通に」増殖しているかもしれないが、増殖強化が望まれることがある。同様に、上記で考察したように、農業領域で細胞が「正常な」状態にあるかもしれないが、作物の成長を直接に強化するか、又は作物に悪く影響する植物又は生物の成長を阻害することによって、作物を強化するために増殖調節を望むかもしれない。従って、ある実施形態では、ここでの発明は、病気の細胞又は個人、若しくは最終的にこれらの障害又は病状の1つを被っているか、又は被るようになる細胞又は個人への適用が含まれる。
ここで供給される前記化合物、組成物、及び方法は、皮膚がん、乳がん、脳がん、子宮頚がん、精巣がんなどの固形がんを含むがんの治療に特に有用と考えられる。特に、本発明の化合物、組成物、及び方法によって治療できるがんには下記のものが含まれるが、それらに限定されない。心臓系:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;肺系:気管支がん(扁平細胞、非分化小細胞、非分化大細胞、腺がん)、肺胞(細気管支)がん、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮細胞がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(がん、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺がん、インシュリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポシ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、線維腫)、大腸(腺がん、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路:腎臓(腺がん、ウイルム腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮細胞がん、移行細胞がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、睾丸(セミノーマ、奇形腫、胎生期がん、奇形がん、絨毛膜癌、肉腫、間質細胞がん、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞がん(原発性肝細胞がん)、胆管細胞がん、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、広汎性骨内皮腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫瘍;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、グリオーマ、脳室上皮腫、胚芽腫[松果体腫]、多様グリア芽腫、乏突起細胞腫、神経鞘腫、網膜胚種細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、グリオーマ、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜がん)、頚(子宮頚がん、前がん子宮頚部上皮異形成)、卵巣(卵巣がん[しょう液性のう胞腺がん、粘液性のう胞腺がん、非分類がん]、顆粒膜包膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫);外陰部(扁平上皮細胞がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞がん、扁平上皮細胞がん、ブドウ状横紋筋肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(がん);血液性:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾病、多発性骨髄腫、骨髄形成異常症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞腺がん、扁平上皮細胞がん、カポシ肉腫、モル形成不全型母斑、脂肪腫、脈管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;副腎:神経芽細胞腫。従って、ここで提供される用語「がん細胞」は上で同定された病状のどれか一つによって冒された細胞も含む。
また、米国特許第6,284,480に記述されているように、bimCキネシンサブグループの真菌メンバーの活性を調節することにより、本発明の化合物は抗真菌薬として有用である可能性がある。
標準製剤プラクティスに従って、医薬組成物において単独又は医薬的に許容できる担体、賦形剤、又は希釈剤と併用で、本発明化合物を哺乳動物、好ましくはヒトに投与してもよい。経口、又は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸内、及び局所ルートを含む、非経口で上記化合物を投与できる。
上記有効成分を含む医薬組成物は、経口使用に適した形態であってもよく、例えば、錠剤、トローチ、ひし形剤、水又は油の懸濁液、分散性粉末又は顆粒剤、乳剤、硬質又は軟質カプセル剤、又はシロップ又はエリキシールである。医薬組成物の製造技術に知られているすべての方法により、経口使用に意図された組成物を調製することが可能で、そのような組成物には、医薬的に上品で口に合う製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤、及び保存剤より成るグループから選択される1種以上の薬剤を含んでいてもよい。錠剤には、錠剤製造に適した無毒性で医薬的に許容できる賦形剤と混合された上記有効成分が含まれる。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ソーダ、乳糖、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウムなどのような不活性な希釈剤; 造顆剤と崩壊剤、例えば、微晶性セルロース、カルメロースナトリウム、トウモロコシデンプン、又はアルギン酸; 結着剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、又はアカシア; 及び、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又は滑石である。錠剤には被膜が施されていないこともあり、薬の不快な味をマスクするため、又は胃腸管での薬の崩壊と吸収を遅らせる作用を長時間提供するために既知の技術により被膜が施されていることもある。例えば、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、又はヒドロキシプロピルセルロースのような、水溶性の味をマスクする物質、又はエチルセルロース、セルロースアセテートブチレートのような遅延物質(time delay material)を使うこともできる。
また、経口使用のための製剤として硬ゼラチンカプセルを使用してもよく(ここで、その有効成分が不活性な固体の希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合される。)、又は軟ゼラチンカプセルを使用してもよい(ここで、その有効成分が水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコール、又はオイル媒体(例えば、落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油)と混合される。)。
水性懸濁液は水性懸濁液の製造に適した賦形剤と一緒に上記有効成分を含む。そのような賦形剤は、懸濁化剤で、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントゴム、及びアラビアゴムであり; 分散又は湿潤剤は天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、又はアルキレンオキシドの脂肪酸縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又はエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコール縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又は脂肪酸から得られた部分エステルのエチレンオキシド縮合物、及びポリオキシエチレンソルビトールオレイン酸モノエステルなどのヘキシトール、又は脂肪酸より得られた部分エステルのエチレンオキシド縮合物、及びヘキシトール無水物(例えば、ポリエチレンソルビタンオレイン酸モノエステル)である。また、上記水性懸濁液には、1つ以上の保存剤、例えば、エチル−、又はn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸、1つ以上の着色剤、1つ以上の芳香剤、及び蔗糖、サッカリン又はアスパルテームのような1つ以上の甘味剤を含んでいてもよい。
油性懸濁液は前記有効成分を植物油(例えば落花生油、オリーブ油、胡麻油又はココナツ油)、又は鉱物油(油流動パラフィンなど)に懸濁することによって、調製してもよい。上記油性懸濁液には、濃稠化剤、例えば蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールが含まれることがある。上記の甘味剤や芳香剤を加えて口に合う経口調剤ができる。これらの組成はプチルヒドロキシアニソールやアルファトコフェロールなどの抗酸化剤を加えることにより保存してもよい。
水の付加による水性懸濁液の調製に適当な分散性粉末と果粒を加えることにより、分散剤、又は湿潤剤、濁液化剤、及び1つ以上の保存剤と混合した前記有効成分が得られる。適当な分散剤又は湿潤剤及び濁液化剤は上述のものにより既に例示されている。また、追加賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤、及び着色剤も存在してもよい。これらの組成物はアスコルビン酸などの抗酸化剤の追加によって保存してもよい。
また、本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤であってもよい。油相は植物油、例えば、オリーブオイル又は落花生油であり、又は鉱物油、例えば、流動パラフィン又はこれらの混合物であってもよい。適当な乳化剤は、天然のリン脂質(例えば、大豆レシチン)、及び脂肪酸とヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレイン酸エステル)、及び上記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル)であってもよい。また、これらの乳剤には甘味剤、芳香剤、保存剤、及び抗酸化剤を含んでいてもよい。
シロップとエリキシールは、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又は蔗糖)によって調剤できる。また、そのような調剤は粘滑薬、保存剤、芳香剤、着色剤、及び抗酸化剤を含んでいてもよい。
医薬組成物は無菌注射用水溶液であってもよい。使用してもよい許容される媒体と溶剤には、水、リンガー液、及び等張食塩液がある。
また、上記無菌注射用調剤は前記有効成分が油相に溶かされた、無菌注射用水中油マイクロエマルションであってもよい。例えば、最初に、大豆油とレシチンの混合物中に前記有効成分を溶かしてもよい。次に、水とグリセロールの混合物に当該油溶液を導入し、マイクロエマルションを形成するように処理する。
上記注射用溶液又はマイクロエマルションは、局所ボーラス注入により患者の血流中に導入してもよい。代わりに、本化合物を一定の血中濃度に維持するような方法で溶液又はマイクロエマルションを投与する方が有利であるかもしれない。そのような一定濃度を維持するために、連続静脈内送達デバイスを利用してもよい。そのようなデバイスに関する例は、Deltec CADD−PLUSTMモデル5400静脈内ポンプである。
医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与のための無菌注射用水性又は油性懸濁液の形態を取ってもよい。この懸濁液は、既知の技術に従って上述した適当な分散剤、又は湿潤剤、及び濁液化剤を使用して調製してもよい。また、上記無菌注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のように、非毒性で、非経口的に許容できる希釈剤又は溶剤中の無菌注射用溶液又は懸濁液であってもよい。更に、無菌固定油は、慣習上溶剤又は濁液化媒地として使用してもよい。この目的で、モノ−又はジグリセリドを含むすべての刺激性のない固定油が使用されることがある。更に、注射剤の調製にオレイン酸のような脂肪酸が使用される。
また、式Iの化合物は直腸投与のため坐薬の形態で投与してもよい。これらの組成物は、常温で固体であるが、直腸温度で液体である適当な無刺激性賦形剤を前記薬剤と混ぜることによって調製することができ、従って、この組成物が直腸で溶けて薬剤を放出することになる。そのような物質には、ココアバター、グリセロゼラチン、水添植物油、種々分子量のポリエチレングリコールの混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルが含まれる。
局所施用のために、式Iの化合物を含むクリーム、軟膏剤、ゼリー、溶液や懸濁液などが使用される。(この適用の目的のために、局所適用には、口内洗剤とうがい薬が含まれる。)
適当な鼻腔内媒体と送達デバイスの局所施用により、又は当業者によく知られている経皮皮膚用パッチ剤を使用して経皮ルートにより、本発明化合物を鼻腔内用形態で投与してもよい。経皮送達系の形態で投与するために、投与計画を通じて用量投与は断続的であるよりもちろん連続的である。また、本発明の化合物は、ココアバター、グリセロゼラチン、水添植物油、種々分子量のポリエチレングリコール混合物、及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルのようなベースを使用して坐薬として送達してもよい。
この発明に従って化合物がヒト被験者に投与するとき、一日投与量は、普通、患者の症状の重篤度と同様、個々の患者の年齢、体重、性別、及び反応に従って量が変化するが、処方をする医師により決定される。
1つの例の投与として、適量の化合物ががんの治療を受けている哺乳動物に投与されている。投与は1日体重当たりおよそ0.1mg/kg〜60mg/kg、好ましくは1日体重当たりおよそ0.5mg/kg〜40mg/kgである。
また、本化合物は、既知の治療薬及び抗がん薬との併用にも有効である。例えば、本化合物は既知の抗がん薬との併用において有効である。現在開示された化合物の他の抗がん剤又は化学療法剤との併用は、本発明の範囲内である。そのような薬剤の例は、Cancer Principles and Practice of Oncology by V.T.Devita and S.Hellman(editors),6th edition(February15,2001),Lippincott Williams & Wilkins Publishersに記載されている。当業者は、薬物の特定な特性と対象がんに基づいて、どの薬剤の併用が有用であるかを裁量することができる。そのような抗がん剤は次に含まれているがそれらのみに限定されない。エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制性物質、抗増殖性物質、プレニル蛋白質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤と他の血管新生阻害剤、細胞増殖と生存シグナリングの阻害剤、アポトーシス誘導剤、及び細胞周期を妨げる物質。放射線療法と併用されると、本化合物は特に有用である。
また、ある実施形態では、以下を含む既知の抗がん剤との併用で本化合物が有用である。エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性物質、抗増殖性物質、プレニル蛋白質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、及び他の血管新生阻害剤。
「エストロゲン受容体調節剤」とは、メカニズムにかかわらず、エストロゲンの受容体への結合を妨げるか、又は阻害する化合物である。エストロゲン受容体調節剤の例には次のものが含まれるが、それらのみに限定されない。タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレシフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)−フェニル−2,2−ジメチルプロピオン酸エステル、4,4’−ジヒドロオキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、及びSH646。
「アンドロゲン受容体調節剤」とは、メカニズムにかかわらず、アンドロゲン類が受容体に結合するのを妨げるか、又は阻害する化合物である。アンドロゲン受容体調節剤の例には、フィナステリドと他の5α還元酵素阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール、及び酢酸アビラテロンが含まれる。
「レチノイド受容体調節剤」とは、メカニズムにかかわらず、レチノイド類が受容体に結合するのを妨げるか、又は阻害する化合物である。そのようなレチノイド受容体調節剤の例には、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチナミドが含まれる。
「細胞傷害性/細胞増殖抑制物質」とは、細胞死を引き起こすか、主に直接細胞の機能を妨げることによって細胞増殖を阻害するか、細胞有糸核分裂を阻害するか妨げる化合物であり、これにはアルキル化剤、腫瘍壊死因子類、インターカレータ、低酸素血症活性化可能化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンの阻害剤、有糸分裂進行に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗剤;生物反応調節剤;ホルモン性/抗ホルモン性治療剤、造血成長因子、単クローン抗体標的治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、及びユビキチンリガーゼ阻害剤が含まれる。
細胞傷害性物質の例には次のものが含まれるが、それらのみに限定されない。セルテネフ、カケクチン;イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニマスチン、ディブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デェキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2メチルピリジン)プラチナ、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス,)−ビス−μ−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−μジアミン白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]四塩化物、ジアリジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7,ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3′−デアミノ−3′−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルフォニル−ダウノルビシン(WO00/50032を参照)。
低酸素血症活性化可能化合物の例にはチイラパザミンがある。
プロテアソーム阻害剤の例にはラクタシスチンとボルテゾミブが含まれるがこれらのみに限定されない。
微小管阻害剤/微小管安定化剤の例には、パクリタクセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8′−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオン酸塩、アウリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(例えば米国特許第6,284,781と6,288,237を参照)及びBMS188797が含まれる。
いくつかのトポイソメラーゼ阻害剤の例には、トポテカン、ヒプカタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−シャールトルーシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2(6H)プロパナミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H、12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン、7−[2(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2(ジメチルアミド)エチル−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキシアミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−2(ジメチルアミノ)エチル−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4,:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナンスリディニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソグイノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキシアミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、及びデメスナがある。
有糸分裂キネシンの阻害剤の例、及び特にヒト有糸分裂キネシンKSP阻害剤の例はPCT公報 WO01/30768、WO01/98278、WO03/05,064、WO03/050,122、WO03/049,527、WO03/049,679、WO03/049,678、及びWO03/39460、及び係属中のPCT出願番号US03/06403(2003年3月4日に出願)、US03/15861(2003年5月19日に出願)、US03/15810(2003年5月19日に出願)、US03/18482(2003年6月12日に出願)、及びUS03/18694(2003年6月12日に出願)に記述されている。有糸分裂キネシン阻害剤実施形態には、KSPの阻害剤、MKLP1の阻害剤、CENP−Eの阻害剤、MCAKの阻害剤、Kif14の阻害剤、Mphosph1の阻害剤、及びRab6−KIFLの阻害剤が含まれるが、それらのみに限定されない。
「有糸分裂進行に関与するキナーゼの阻害剤」には、オーロラキナーゼの阻害剤、ポロ様キナーゼ(PLK)(特にPLK−1阻害剤)の阻害剤、bub−1の阻害剤、及びbub−R1の阻害剤が含まれるが、これらのみに限定されない。
「抗増殖性物質」にはG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001などのアンチセンスRNAやDNAのオリゴヌクレオチドが含まれ、エノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテファー、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチルイデネシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロクサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ2,4,−6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロモトレクソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、及び3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンなどの代謝拮抗剤が含まれる。
単クローン抗体標的治療剤の例には、がん細胞特異的又は標的細胞特異的単クローン抗体に細胞傷害性薬剤又は放射性同位元素を結合させたそれらの治療薬が含まれる。例にはBexxar(ベキサール)が含まれる。
「HMG−CoA還元酵素阻害剤」とは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAレダクターゼの阻害剤である。使用されることがあるHMG−CoA還元酵素阻害剤には、ロバスタチン

4,681,893、5,489,691、及び5,342,952を参照)が含まれるが、それらのみに限定されない。本方法で使用できるこれらと追加HMG−CoA還元酵素阻害剤の構造式はM.Yalpani,”Cholesterol Lowering Drugs”,Chemistry & Industry,pp.85−89(1996年2月5日)の87ページ及び米国特許第4,782,084、及び4,885,314に記述されている。ここで使用される用語HMG−CoA還元酵素阻害剤には、HMG−CoA還元酵素阻害活性を持つ化合物の塩とエステルと同様すべての医薬的に許容できるラクトンとオープン型(すなわち、ラクトン環は、オープン遊離酸を形成)が含まれ、そのため、そのような塩、エステル、オープン酸(open−acid)、及びラクトン型がこの発明の範囲に含まれる。
「プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤」とは、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTase−I)、及びゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTase−II、また、Rab GGPTaseとも呼ばれる)を含む、どれか一つ又はあらゆる組み合わせのプレニルタンパクトランスフェラーゼ酵素を阻害する化合物について言及する。
プレニル蛋白質トランスフェラーゼ阻害剤の例は、以下の刊行物と特許にて見られる。
WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、米国特許第5,420,245、米国特許第5,523,430、米国特許第5,532,359、米国特許第5,510,510、米国特許第5,589,485、米国特許第5,602,098、欧州特許公報0618221、欧州特許公報0675112、欧州特許公報0604181、欧州特許公報0696593、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、米国特許第5,661,152、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、米国特許第5,571,792、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、及び米国特許第5,532,359。血管新生に関するプレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤の役割の例に関しては、European J.of Cancer,Vol.35,No.9,pp.1394−1401(1999)を参照されたい。
「血管新生阻害剤」とは、メカニズムにかかわらず、新血管形成を阻害する化合物について言及する。血管新生阻害剤の例には、次記のものが含まれるが、それらのみに限定されない。チロシンキナーゼ受容体のFlt−1(VEGFR1)とFlk−1/KDR(VEGFR2)の阻害剤などのようなチロシンキナーゼ阻害剤; 表皮由来、繊維芽細胞由来、ならびに血小板由来増殖因子; MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸塩、セレコキシブとロフェコキシブのような選択的なシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬、及びアスピリンとイブプロフェンのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)を含むシクロオキシゲナーゼ阻害剤(PNAS,Vol.89,p.7384(1992);JNCI,Vol.69,p.475(1982);Arch.Opthalmol.,Vol.108,p.573(1990);Anat.Rec.,Vol.238,p.68(1994);FEBS Letters,Vol.372,p.83(1995);Clin,Orthop.Vol.313,p.76(1995);J.Mol.Endocrinol.,Vol,16,p.107(1996);Jpn.J.Pharmacol.,Vol.75,p.105(1997);Cancer Res.,Vol.57,p.1625(1997);Cell,Vol.93,p.705(1998);Intl.J.Mol.Med.,Vol.2,p.715(1998);J.Biol.Chem.,Vol.274,p.9116(1999))、ステロイド性抗炎症剤(コルチコイド、ミネラルコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニソロン、メチルプレドニソロン、ベタメサゾンなど)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンII拮抗薬(Fernandez,他,J.Lab.Clin.Med.105:141−145(1985)を参照)、及びVEGFへの抗体(Nature Biotechnology,Vol.17,pp.963−968(October 1999);Kim,他,Nature,362,841−844(1993);WO00/44777;及びWO00/61186を参照)。
血管新生を調節又は阻害し、また、本発明化合物と併用で使用できる他の治療薬には、凝固とフィブリン溶解系を調節又は阻害する薬剤が含まれる(Clin.Chem.La.Med.38:679−692(2000)の総説を参照)。凝固とフィブリン溶解経路を調節又は阻害するそのような薬剤の例には、ヘパリン(Thromb.Haemost.80:10−23(1998)を参照)、低分子量ヘパリン、及びカルボキシペプチダーゼU阻害物質(また、活性トロンビン活性化線溶抑制因子[TAFIa]の阻害剤として知られている)(Thrombosis Res.101:329−354(2001)を参照)が含まれるが、それらのみに限定されない。
TAFIa阻害剤についてPCT公報WO03/013,526及び米国連番60/349,925(2002年1月18日に出願)に記述されている。
「細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤」とは、細胞周期チェックポイントシグナルを変換するタンパク質キナーゼを阻害する化合物であり、これによりがん細胞がDNA損傷薬剤に増感させる。そのような薬剤には、ATR、ATM、Chk1とChk2キナーゼ、及びcdkの阻害剤、及びcdcキナーゼ阻害剤が含まれており、それらは特異的に7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel/サイクラセル)、及びBMS−387032によって明確に例示されている。
「細胞増殖と生存シグナリング経路の阻害剤」とは、膜表面受容体及びこれらの膜表面受容体の川下での情報伝達カスケードを阻害する薬剤である。そのような薬剤には、EGFR(例えば、ゲフィチニブとエルロチニブ)の阻害物質の阻害剤、ERB−2(例えば、トラスツズマブ)の阻害剤、IGFRの阻害剤、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PI3K(例えば、LY294002)の阻害剤、セリン/トレオニンキナーゼ(WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、及びWO02/083138に記述されたようなAktの阻害剤を含むがそれらのみに限定されない)、Rafキナーゼの阻害剤(例えば、BAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えば、CI−1040とPD−098059)、及びmTORの阻害剤(例えば、Wyeth CCI−779)が含まれる。そのような薬剤には、低分子阻害化合物と抗体拮抗剤が含まれる。
「アポトーシス誘導剤」にはTNF受容体ファミリーメンバーの活性化因子が含まれる(TRAIL受容体を含む)。
また、本発明は選択的COX−2阻害剤であるNSAID’sとの併用を含む。この特異性を明確にする目的のために、COX−2の選択的阻害剤であるNSAID’sは、細胞又はミクロソーム分析法で評価され、COX−1のIC50に対するCOX−2のIC50比で測定して、少なくとも100倍のCOX−1に対するCOX−2阻害特異性を持つものと定義される。それらの化合物には次の開示されたものが含まれるが、それらのみに限定されない。米国特許5,474,995、米国特許5,861,419、米国特許6,001,843、米国特許6,020,343、米国特許5,409,944、米国特許5,436,265、米国特許5,536,752、米国特許5,550,142、米国特許5,604,260、米国特許5,698,584、米国特許5,710,140、WO94/15932、米国特許5,344,991、米国特許5,134,142、米国特許5,380,738、米国特許5,393,790、米国特許5,466,823、米国特許5,633,272、及び米国特許5,932,598。これらすべてが、ここで、参考文献として取り込まれている。
本治療法で特に有用なCOX−2阻害剤は、3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)フラノン、及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン、又は医薬的に許容できるそれらの塩である。
COX−2の特異的阻害剤として記述され、従って本発明で有用な化合物には、パレコキシブ、

定されない。
血管新生阻害物質の他の例には、次のものが含まれるが、それらのみには限定されない。エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシアミド、CM101、スクアラミン、コンブレタスタチン、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4−2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4−2ピロール]カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタリンジスルホネート)、及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)。
上記のように、「インテグリン遮断剤」とは、生理学的リガンドがαβインテグリンへ結合するのを選択的に拮抗するか、阻害するか、又は防ぐ化合物; 生理学的リガンドがαβインテグリンへ結合するのを選択的に拮抗するか、阻害するか、又は防ぐ化合物; 生理学的リガンドがαβインテグリン及びαβインテグリンへ結合するのを選択的に拮抗するか、阻害するか、又は防ぐ化合物; 毛細管内皮細胞上に表現された特別なインテグリンの活性に拮抗するか、それを阻害するか、又は防ぐ化合物である。また、この用語はαβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ及びαβインテグリン類の拮抗剤に関する。また、この用語はαβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ及びαβインテグリン類のすべての組み合わせの拮抗剤に関する。
チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかの特異的な例には次のものが含まれる。N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソキサゾール−4−カルボキシアミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチルイデニル]インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリナミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−I][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニスタイン、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジナミン、及びEMD121974。
また、抗がん化合物以外の化合物との併用も本方法中に含まれる。例えば、本請求項記載の化合物とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)作用剤及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)作用剤との併用はある悪性腫瘍の治療に有用である。PPAR−γとPPAR−δは、核ペロキシソーム増殖活性化受容体γとδである。内皮細胞上におけるPPAR−γの発現と血管新生におけるその関与に関して文献に報告されている。(J.Cardiovasc.Pharmacol.1998;31:909−913;J.Biol.Chem.1999;274:9116−9121;Invest.Ophthalmol Vis.Sci.2000;41:2309−2317を参照)。より最近になって、PPAR−γ作用剤がインビトロでVEGFに対する血管新生反応を阻害することが示され、トログリタゾンとマレイン酸ロシグリタゾンの両方がネズミで網膜新生血管形成の発達を阻害する(Arch.Ophthamol.2001;119:709−717)。PPAR−γ作用剤とPPAR−γ/α作用剤の例は次に示されるが、それらのみには限定されない。チアゾリジンジオン類(DRF2725、CS−011、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンなど)、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570;PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンズイソオキサゾール−6−イル)オキシ−2−メチルプロピオン酸(USSN09/782,856で開示)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN60/235,708と60/244,697で開示)。
本発明の別の実施形態は、がん治療のための遺伝子療法との併用で現在開示された化合物を使用することである。がん治療への遺伝的戦略の概要に関しては、Hall,他(Am J Hum Genet61:785−789,1997)及びKufe,他(Cancer Medicine,5th Ed,pp 876−889,BC Decker,Hamilton2000)を参照されたい。すべてのがん抑制遺伝子を送達するのに遺伝子療法を使用することができる。
そのような遺伝子の例が次に含まれているが、それらのみに限定されない: 組換ウイルスによる遺伝子導入で送達できるp53(例えば米国特許第6,069,134を参照),uPA/uPAR拮抗剤(「uPA/uPAR拮抗剤のアデノウイルスによる送達によりネズミの血管新生依存性腫瘍の成長と播種が抑制される」Gene Therapy,August 1998;5(8):1105−13)及びインターフェロンガンマ(J Immunol 2000;164:217−222)。
また、本発明の前記化合物は固有の多剤耐性(MDR)の阻害剤(特に輸送体タンパク質の高レベルの発現と関連したMDRの阻害剤)と併用で投与できる。そのようなMDR阻害剤には、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853やPSC833(バルスポダー)などのp糖タンパク質(P−gp)の阻害剤が含まれる。
本発明化合物は、本発明化合物の単独使用又は放射線療法との併用より生じるかもしれない急性、遅延、後期相、及び予期的な嘔吐を含む、嘔気又は嘔吐を治療するための制吐剤と共に使用できる。嘔吐の予防又は治療のために、本発明化合物は他の制吐剤と共に使用してもよく、特に次のものを挙げる: ニューロキニン−1受容体拮抗剤、5HT3受容体拮抗剤(オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、及びザチセトロンなど)、GABAB受容体作用薬(バクロフェンなど)、コルチコイド(デカドロン(デキサメタゾン)、ケナログ、アリストコート、ナサリド、プレフェリド、ベネコルテンなど)、米国特許で開示された他剤(米国特許第2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326及び3,749,712)、抗ドーパミン剤(フェノチアジン(例えば、プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン、及びメソリダジン)、メトクロプラミド又はドロナビノールなど)。ある実施形態では、ニューロキニン−1受容体拮抗剤、5HT3受容体拮抗剤、及びコルチコイドから選択された制嘔剤は、本化合物の投与の結果として生じるかもしれない嘔吐の治療又は予防のための補助薬として投与される。
本発明化合物と共に使用できるニューロキニン−1受容体拮抗剤は、例えば、次の特許などで十分に記述されている: 米国特許第5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147、欧州特許公報番号EP0360390、0394989、0428434、0429366、0430771、0436334、0443132、0482539、0498069、0499313、0512901、0512902、0514273、0514274、0514275、0514276、0515681、0517589、0520555、0522808、0528495、0532456、0533280、0536817、0545478、0558156、0577394、058591、0590152、0599538、0610793、0634402、0686629、0693489、0694535、0699655、0699674、0707006、0708101、0709375、0709376、0714891、0723959、0733632及び0776893、PCT国際特許公報番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942、及び97/21702、及び英国特許公報番号2266529、2268931、2269170、2269590、2271774、2292144、2293168、2293169、及び2302689。
そのような化合物の調製は、前述の特許と公報に十分に記述されており、本明細書に参考文献に取り込まれている。
ある実施形態では、本発明化合物と共に使用するニューロキニン−1受容体拮抗剤は2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフロロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又は医薬的に許容できるその塩(米国特許第5,719,147に記述)から選択される。
また、本発明化合物は、貧血に有用な薬剤と共に投与してもよい。例えば、そのような貧血治療薬は、連続投与の赤血球生成受容体活性化因子(エポエチンアルファなど)である。
また、本発明化合物は好中球減少症の治療に有用な薬剤と共に投与してもよい。そのような好中球減少症治療剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の生産と機能を規制する造血成長因子である。G−CSFの例には、フィルグラスチムが含まれる。
また、本発明化合物はレバミゾールや、イソプリノシン、及びザダシンなどの免疫刺激剤と共に投与してもよい。
従って、本発明の範囲は次のものから選択された2番目の化合物と併用で本請求項記載の化合物の使用を含む: エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖性物質、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、固有多剤耐性阻害剤、制吐剤、貧血治療に有用な薬剤、好中球減少症治療に有用な薬剤、免疫刺激剤、細胞増殖と生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導物質。
本発明化合物に関連した用語「投与」とその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療を必要とする動物系に化合物又は化合物のプロドラッグを導入することを意味する。本発明化合物又はそのプロドラッグが1つ以上の他の活性剤(例えば、細胞傷害性薬剤など)と併用で与えられる場合、「投与」及びその変形は、各々それの化合物又はそのプロドラッグ及び他の薬剤の同時及び連続した導入を含むと理解される。
ここで使用されているように、用語「組成物」は、特定成分の特定量を有するある製品、及び、特定成分の特定量の組み合わせにより直接又は間接的に結果として生じるすべての製品、を含むよう意図される。
ここで使用されている用語「治療上有効量」とは、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められている組織、系、動物又はヒトにおける生物的又は医学的反応を引き出す活性化合物又は薬剤の量を意味する。
用語「がんを治療する」又は「がんの治療」とは、がん病状に冒された哺乳動物を管理することに関し、がん細胞を殺すことによりがん病状を軽減する効果、並びに、がんの成長及び/又は転移の阻害をもたらす効果に関する。
ある実施形態では、2番目の化合物として使用される血管新生阻害剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮細胞誘導増殖因子阻害剤、線維芽細胞誘導成長因子阻害剤、血小板由来増殖因子阻害剤;MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸ナトリウム、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、カロボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−Oクロロアセチルカルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、又はVEGFへの抗体から選択される。ある実施形態では、エストロゲン受容体調節剤は、タモキシフェン又はラロキシフェンである。
また、本特許請求の範囲に含まれているのは、放射線療法と併用及び/又は以下に挙げたものから選択される化合物と併用で、治療上有効量の式1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療方法である。エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、固有多剤耐性の阻害剤、制吐剤、貧血の治療に有効な薬剤、好中球減少症の治療に有効な薬剤、免疫刺激剤、細胞増殖と生存シグナリング阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導剤。
そして、本発明の別の実施形態は、パクリタクセル又はトラスツズマブと併用で、治療上有効量の式Iの化合物を投与することを特徴とする、がん治療方法である。
本発明は、更に、COX−2阻害剤と併用で、治療上有効量の式Iの化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防法を包含する。
また、本発明は、治療上有効量の式Iの化合物と以下に挙げる化合物から選択される化合物を含むことを特徴とする、がん治療又はがん予防に有効な医薬組成物を含む。エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、細胞増殖と生存シグナリング阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導剤。
本発明のこれらの実施態様は、本明細書に含まれた教示から明白であろう。
分析法
実施例に記載された本発明の化合物は、以下で記載された分析法でテストされ、キナーゼ阻害活性を持っていることが分かった。他の分析法は文献にて既知であり、当業者により容易に実行することができよう(例えば、PCT公報WO01/30768、2001年5月3日、18〜22ページを参照)。
I.キネシンATPアーゼインビトロ分析法
ヒトポリヒスチジン標識KSPモータドメインのクローン化と発現(KSP(367H))
ヒトKSPモータドメインコンストラクト発現用プラスミッドは、テンプレートとしてpBluescript全長ヒトKSPコンストラクト(Blangy,他,Cell,vol.83,pp1159−1169,1995)を使用してPCR法でクローン化した。N末端プライマー5’−GCAACGATTAATATGGCGTCGCAGCCAAATTCGTCTGCGAAG(SEQ.ID.NO.:1)及びC−末端プライマー5’−GCAACGCTCGAGTCAGTGATGATGGTGGTGATGCTGATTCACTTCAGGCTTATTCAATAT(SEQ.ID.NO.:2)を使用してモータドメインとネックリンカー領域を増幅した。
PCR生成物は、AseIとXhoIで消化され、pRSETa(Invitrogen)のNdeI/XhoI消化産物にライゲートされ、大腸菌BL21(DE3)へ形質転換された。
細胞を37℃でOD600が0.5になるまで培養した。培養液を室温へ冷却した後、KSPの発現を100μM IPTGで誘導し、インキュベーションを夜通し続けた。細胞を遠心して採集し、氷冷PBSで1度洗浄した。細胞ペレットを瞬間冷凍し、−80℃で保存した。
タンパク質精製
細胞ペレットを氷上で解凍し、溶解緩衝液(50mM K−HEPES、pH8.0、250mM塩化カリウム、0.1%Tween、10mMイミダゾール、0.5mMマグネシウム−ATP、1mM PMSF、2mMベンズイミジン、1x完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche))中に再懸濁した。細胞懸濁液を1mg/mlリゾチームと5mMβ−メルカプトエタノールを用いて氷上で10分間インキュベートし、超音波処理(3x30秒)を行った。すべてのその後の手順は、4℃で行われた。分解物を40,000xgで40分間遠心した。上清を緩衝液A(50mM K−HEPES、pH6.8、1mM MgCl、1mM EGTA、10μM Mg−ATPマグネシウム、1mM DTT)中で希釈し、SPセファロースカラム(Pharmacia、5mlカートリッジ)へ装填し、緩衝液A中0〜750mM塩化カリウム勾配で溶出した。KSP含有分画をプールし、1時間ニッケル−NTA樹脂(Qiagen/キアゲン)とインキュベートした。樹脂を緩衝液B(溶解緩衝液マイナスPMSFとプロテアーゼ阻害剤カクテル)で3回洗浄し、3回の15分のインキュベーション後、緩衝液Bで洗浄した。最後に、樹脂を緩衝液C(pH6.0以外は緩衝液Bと同じ)でインキュベートし洗浄15分間を3回行いカラムへ装填した。溶出緩衝液(150mM塩化カリウムと250mMイミダゾールを除いて緩衝液Bと同じ)でKSPを溶出した。KSPを含む分画をプールし、蔗糖中で10%にし、−80℃で保存した。
微小管はウシ脳から単離されたチューブリンから調製される。BRB80緩衝液(80mM K−PIPES,1mM EGTA,1mM MgCl、pH6.8)中10μMパクリタクセル,1mM DTT,1mM GTPの存在下で1mg/mlの精製チューブリン(>97%MAP不在)を37℃で重合する。得られた微小管は、非重合チューブリンより超遠心と上清の除去により分離される。微小管を含むペレットを10μMパクリタクセル、1mM DTT、50μg/mlアンピシリン、5μg/mlクロラムフェニコールを含むBRB80中にゆっくり懸濁させる。
キネシンモーター領域を微小管、1mM ATP(1:1Mg Cl:ATPナトリウム)、及び化合物を80mM K−HEPES(pH7.0),1mM EGTA,1mM DTT,1mM MgCl,及び50mM KClを含む緩衝液中で23℃でインキュベートする。80mM HEPESと50mM EDTAの最終的な緩衝液組成を用いた2〜10倍希釈により反応を停止する。150μlのクエンチC緩衝液(2:1比率のクエンチA:クエンチBを含む)を加えることにより、キナルジンレッド/モリブデン酸アンモニウム分析法により、ATP加水分解反応より遊離されるリン酸を測定する。クエンチAは、0.1mg/mlのキナルジンレッドと0.14%のポリビニールアルコールを含んでおり、クエンチBは、1.15Mの硫酸に12.3mMのモリブデン酸アンモニウム四水和物を含んでいる。反応は10分間23℃でインキュベートして行われ、リンモリブデン酸塩複合体の吸光度を540nmで測定する。
実施例で記述されている1−3〜1−19、2−4及び3−4〜3−6の化合物が上の分析法でテストされ、

II.細胞増殖分析法
細胞が96−ウエル組織培養ディッシュに24、48、及び72時間工程中に対数増殖できるような密度で播種し、夜通し付着させる。翌日、化合物を10点1/2対数力価測定法(10−point,one−halflog titration)ですべてのプレートに加える。各力価測定系列(titration series)は三つ組みで実行され、一定DMSO濃度0.1%が分析中維持される。また、0.1%DMSOだけの対照が含まれ、血清なしの培養液で各化合物希釈系列を作成した。分析法における血清の終末濃度は、200μLの培養液容積中で5%である。薬剤を加えてから24、48、又は72時間後に、力価測定プレート上の各サンプルと対照ウエルに20μLのアラマーブルー染色試薬を加え、37℃インキュベーションへプレートを戻す。6〜12時間後に、530−560nm波長励起と590nm波長発光を使用して、アラマーブルー蛍光をCytoFluor IIプレート読取装置上で分析する。
細胞傷害性のEC50は、X軸に化合物の濃度をプロットし、Y軸に各力価測定の細胞増殖の平均百分率阻害をプロットして求める。培養液のみで処理された対照ウエルの細胞増殖がこの分析法の100%の増殖として定義され、化合物で処理された細胞の増殖がこの値に比較される。
社内専有ソフトウェアを使用してパーセント細胞傷害値と変曲点を計算し、これには論理計算4パラメータ曲線フィッティング(4−parameter curve fitting)が使用される。パーセント細胞傷害性は以下のように定義される。
%細胞傷害性:(蛍光対照)−(蛍光サンプル)x100x(蛍光対照−1
変曲点は、細胞傷害性のEC50として報告される。
III.FACSによる有糸分裂停止とアポトーシスの評価
FACS分析を使用して、有糸核分裂において細胞を停止させ、アポトーシスを誘導する化合物の能力を、処理された細胞集団におけるDNA含量を測定することにより評価する。6cmの組織培養ディッシュ当たり1.4x10細胞の密度で細胞を播種し、夜通し付着させる。それで、8〜16時間の間、培養液(0.1%のDMSO)又は化合物の力価測定系列で細胞を処理する。処理後、指定時間にトリプシン処理により細胞を採集し、遠心して細胞のペレットを得る。細胞ペレットをPBSで洗浄し、70%のエタノールの中で固定し、夜通し又はそれ以上、4℃で保存する。
FACS分析を行うために、少なくとも50万個の固定細胞をペレット状にし、70%のエタノールを吸引法で取り除く。次に、4℃で30分間、細胞をRNase A(50Kunitz単位/ml)とヨウ化プロピジウム(50μg/ml)と共にインキュベートし、Becton DickinsonのFACSCaliberで分析する。
Modfit細胞周期分析モデリングソフトウェア(Verity Inc.)を使用して、データ(1万個の細胞よりの)を分析する。
有糸分裂停止のEC50はX軸に化合物の濃度をプロットし、Y軸に各力価測定点(ヨウ化プロピジウム蛍光により測定される)に対する細胞周期のG2/Mにおける細胞の百分率プロットして求められる。データ分析は、論理計算4−パラメータ曲線フィッティングを使用して変曲点計算するためのSigmaPlotプログラムを使用して行われる。変曲点は有糸分裂停止のEC50として報告される。同様の方法を使用して、アポトーシスに対する化合物EC50を決定する。ここでは、各力価測定点(ヨウ化プロピジウム蛍光で測定されるように)でのアポトーシス細胞の百分率がY軸にプロットされ、同様の分析が上記説明のように実行される。
IV.単極性紡錘体を検出する免疫蛍光顕微鏡法
DNA、チューブリン、及び中心体因子の免疫蛍光染色法は、本質的にはKapoor,他(2000)J.Cell Biol.150:975−988により記述されたとおりである。細胞培養試験を行うために、組織培養処理されたガラスのチャンバースライド上に、細胞を播種し、夜通し、付着させる。それで、細胞が興味のある化合物と4〜16時間インキュベートされる。インキュベーション完了後、培養液と薬剤は吸引され、チャンバーとガスケットはそのガラススライドから取り外される。参照プロトコルに従って細胞を透過性にし、固定し、洗浄し、非特異的抗体結合を遮断する。遮断の前に、パラフィン包埋した腫瘍切片よりザイレンでパラフィンを除き、エタノールシリーズにより再水和する。スライドを4℃で一次抗体(マウスモノクローナル抗α−チューブリン抗体、Sigma製クローンDM1A、1:500希釈、Covance製ウサギのポリクローン抗中心体因子抗体、1:2000希釈)とインキュベートする。洗浄後、スライドを15μg/mlに希釈した二次抗体(チューブリン用FITC−抱合型ロバ抗マウスIgG、中心体因子用テキサスレッド抱合型ロバ抗ウサギIgG)と1時間室温でインキュベートする。次に、DNAを視覚化するためにスライドを洗浄し、Hoechst33342で対比染色する。Metamorphデコンボリューションイメージングソフトウェアを使用してNikon落射蛍光顕微鏡で100x油浸対物レンズを用いて免疫染色したサンプルの映像を得る。
実施例
ここで提供する実施例により本発明のさらなる理解を助けることを意図する。使用する特定の試料、種、及び条件は、本発明の説明を助けるもので、その理にかなった範囲を限定するものでない。
スキーム1

ステップ12−(2−ブロモフェニル)−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(1−2)
ピリジン(60mL)中のアントラニル酸(1−1、5.0g、36.5mmol、1当量)溶液を2−ブロモベンゾイル塩化物(9.53mL、72.9mmol、2.00当量)で処理し、得られた溶液を23℃で30分間攪拌した。黄色い反応混合物を冷水(200mL)で希釈し、得られた褐色の沈殿をろ過し、冷水(3×100mL)で洗浄し、次に、乾燥後2−(2−ブロモフェニル)−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(1−2)を褐色固体として得た。1H NMR(300 MHz,CDCl)δ8.29(dd,1H,J=6.4,1.5Hz),7.89(dd,2H,J=6.4,1.5Hz),7.74(d,2H,J=7.6Hz),7.59(td,1H,J=6.0,1.2Hz),7.48−7.36(m,2H)
ステップ2: 2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(1−3)
氷酢酸(3mL)中の2−(2−ブロモフェニル)−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(1−2、150mg、0.50mmol、1当量)、とp−トルイジン(53mg、0.50mmol、1.0当量)の溶液を100℃で2.5時間加熱した。反応混合物を冷水(35mL)で希釈し、得られた沈殿をろ過し、空気乾燥した。この固体を逆相HPLC(0.1%TFA存在下のアセトニトリル:HO勾配)で精製し2−(2−ブロモフェニル)−3−(4メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(1−3)をオフホワイトの固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ8.39(d,1H,J=8.1Hz),7.88(d,2H,J=3.7Hz),7.59−7.56(m,1H),7.45(d,1H,J=7.1Hz),7.34(bd,1H,J=7.1Hz),7.28(d,1H,J=6.5),7.21(t,1H,J=6.8Hz),7.14−7.05(m,3H),6.97(bd,1H,J=7.3Hz),2.27(s,3H)
以下の化合物を上記手順を修正することで容易に調製した。




スキーム2

ステップ1エチル2−[(2−クロロベンゾイル)アミノ]シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート(2−2)
ピリジン(5mL)中のエチル2−アミノシクロヘキサ−1−エン−1カルボキシレート(2−1、300mg、1.77mmol、1当量)溶液を2−クロロベンゾイル塩化物(225mL、1.77mmol、1.00当量)で処理し、得られた混合物を23℃で30分間攪拌した。この反応混合物をジクロロメタン(2×55mL)とHO(60mL)の間で分配した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮して黄色いオイルとしてエチル−2−[(2−クロロベンゾイル)アミノ]シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート(2−2)を得た。LRMS m/z:C1618ClNO(M+H)の計算値308.7、測定値308.3
ステップ22−(2−クロロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(2−3)
t−ブチルアルコール(15mL)中のエチル2−[(2−クロロベンゾイル)アミノ]シクロヘキサ−1−エン−1−カルボキシレート(2−2、0.500g、1.63mmol、1当量)溶液を水酸化ナトリウム水溶液(1N、4.87mL、4.85mmol、3.00当量)で処理し、得られた混合物を50℃で18時間加熱した。上記反応混合物を濃縮し、次に、ジエチルエーテル(45mL)とHO(55mL)の間で分配した。上記水層を濃塩酸で酸処理し、次に、酢酸エチル(2×50mL)で再抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮した。ジメチルホルムアミド(3.5mL)中の上記残留油、PyBOP(1.01g、1.95mmol、1.20当量)、及びトリエチルアミン(0.566mL、4.06mmol、2.50当量)の混合物を23℃で20時間攪拌した。上記反応混合物を酢酸エチル(2×50mL)とHO(55mL)の間で分配し、合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮した。上記残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO:100%のHexより60:40Hex:EtOAcまでの勾配)で精製し、2−(2−クロロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(2−3)を褐色固体として得た。LRMS m/z:C1412ClNO(M+H)の計算値262.7、測定値262.3
ステップ32−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン4(3H)−オン(2−4)
酢酸(5mL)中の2−(2−クロロフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン(2−3、200mg、0.764mmol、1当量)と4−フルオロ−3−メチルアニリン(115mg、0.917mmol、1.20当量)の溶液を100℃で1.5時間加熱した。前記反応混合物を濃縮し、次に、酢酸エチル(2×45mL)とNaHCO水溶液(55mL)の間で分配した。合わせた上記有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮した。上記残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO:100%のHexより80:20Hex:EtOAcまでの勾配)で精製し、2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4(3H)−オン(2−4)を無色のオイルとして得た。LRMS m/z:C2118ClFNO(M+H)計算値369.8、測定値369.2
スキーム3

ステップ17−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−2)
ジクロロメタン(25mL)中の2−クロロ−3−メチル安息香酸(0.994g、5.83mmol、1.00当量)溶液に塩化オキサリル(1.53mL、17.5mmol、3.00当量)と触媒量のジメチルホルムアミド(5μL)を0℃で加えた。得られた上記混合物を23℃に暖め、18時間攪拌し、次に濃縮した。ピリジン(10mL)中の上記残渣の溶液を5−クロロアントラニル酸(3−1、1.00g、5.83mmol、1.00当量)で処理し、得られた混合物を23°Cで1時間攪拌した。上記反応混合物を冷水(30mL)で希釈し、得られた沈殿をろ過し、乾燥した。酢酸(10mL)中の前記の黄色い固体の溶液を4−クロル−3−フルオロアニリン(0.891g、6.12mmol、1.05当量)で処理し、得られた混合物を100℃で2時間加熱した。上記反応混合物を冷やし、その後、冷水(20mL)で希釈し、得られた沈殿をろ過し、その後フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO:100%のヘキサンより80:20Hex:EtOAcまでの勾配)で精製して7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−2)をオフホワイトの固体として得た。HNMR(500MHz,CDCl)d8.27(d,1H,J=8.5Hz),7.80(d,1H,J=2.0Hz),7.52(dd,1H,J=6.6,2.0Hz),7.26−7.32(m,1H),7.20(m,1H),7.13(app bs,3H),6.89(bm,1H),2.31(s,3H)
ステップ22−[3−(ブロモメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−3)
四塩化炭素(6mL)中の7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−2、50.0mg、0.115mmol、1.00当量)、N−ブロモスクシンイミド(51.0mg、0.288mmol、2.50当量)、及びAIBN(4.00mg、0.024mmol、0.20当量)の溶液を加熱し、22時間還流した。上記反応混合物を濃縮し、次に、酢酸エチル(2×25mL)とNa(35mL)の間で分配した。合わせた上記有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO:100%のHexより80:20Hex:EtOAcまでの勾配)で精製し、2−[3−(ブロモメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−3)を白色固体として得た。LRMSm/z:C2111BrClFNO(M+H)計算値512.6、測定値513.1
ステップ37−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、TFA塩(3−4)
ジオキサンとイソプロピルアルコールの1:1混合液(4mL)中の2−[3−(ブロモメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン(3−3、5.00mg、0.010mmol、1.00当量)溶液をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.00μL、0.029mmol、3.00当量)と1−メチルピペラジン(2μL、0.020mmol、2.00当量)で処理した。得られた上記混合物を80℃で3日攪拌した。得られた上記オイルを逆相HPLC(0.1%TFA存在下のアセトニトリル:HO勾配)で精製し、7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2クロロ−3−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オンTFA塩(3−4)をわずかに黄色いオイルとして得た。LRMSm/z:C2622ClFNO(M+H)計算値531.8、測定値532.2
以下の化合物は、スキーム3で利用された手順の適切なアミンと2−クロロ安息香酸試薬を置換する以外ではそのスキームで例解された手順の簡単な修正によって調製された。化合物のすべてがTFA塩として単離された。










【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:

〔式中、w、x、y、及びzは、独立して、CH、CH、及びNから選択され、但し、多くともw、x、y、及びzの中の1つのみがNであり、両破線が二重結合を表す場合にのみ、w、x、y、及びzの中の1つがNであり;
破線は、任意の二重結合を表し;
aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
mは、0、1、又は2であり;
nは、0ないし2のいずれかであり;
pは、1ないし3のいずれかであり;
rは、0又は1であり;
sは、0又は1であり;
は、下記:
1) H、
2) C−C10アルキル、
3) アリール、
4) C−C10アルケニル、
5) C−C10アルキニル、
6) C−Cペルフルオロアルキル、
7) C−Cアラルキル、
8) C−Cシクロアルキル、及び
9) ヘテロシクリル
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アラルキル、及びヘテロシクリルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは、下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) (C=O)−C10アルケニル、
4) (C=O)−C10アルキニル、
5) COH、
6) ハロ、
7) OH、
8) O−Cペルフルオロアルキル、
9) (C=O)NR
10) CN、
11) (C=O)−Cシクロアルキル、
12) (C=O)ヘテロシクリル、
13) SONR、及び
14) SO−C10アルキル
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。)から独立に選択され;
は下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) C−C10アルケニル、
4) C−C10アルキニル、
5) (C=O)ヘテロシクリル、
6) COH、
7) ハロ、
8) CN、
9) OH、
10) O−Cペルフルオロアルキル
11) O(C=O)NR
12) オキソ、
13) CHO、
14) (N=O)R
15) (C=O)−Cシクロアルキル、
16) SO−C10アルキル、
17) SONR
(該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1つ以上の置換基により置換されてもよい。)から独立に選択され;
は下記:
1) (C=O)(C−C10)アルキル、
2) O(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) (C−C)アルキレン−S(O)
4) オキソ、
5) OH、
6) ハロ、
7) CN、
8) (C=O)(C−C10)アルケニル、
9) (C=O)(C−C10)アルキニル、
10) (C=O)(C−C)シクロアルキル、
11) (C=O)(C−C)アルキレン−アリール、
12) (C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
13) (C=O)(C−C)アルキレン−N(R
14) C(O)R
15) (C−C)アルキレン−CO
16) C(O)H、
17) (C−C)アルキレン−COH、及び
18) C(O)N(R
(該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、R、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される最大3つの置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは下記:
1) H、
2) (C=O)O−C10アルキル、
3) (C=O)O−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Oアリール、
5) (C=O)Oヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。)から独立に選択され、或いは、
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は、4〜7員環である。)を形成してもよく、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルであり;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−NR、(C−C)アルキル−NH、(C−C)アルキル−NHR、アリール、ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル、又はS(O)である。〕で示される化合物、若しくは医薬的に許容できるその塩、又はその立体異性体。
【請求項2】
式II:

〔式中、a、w、x、y、z、破線、R、R、R、及びRは、式Iの化合物に関して請求項1に定義される通りであり;
nは、0又は1であり;
p’は、0又は2である;
は、下記:
1) (C=O)−C10アルキル、
2) (C=O)アリール、
3) (C=O)NR
4) (C=O)−Cシクロアルキル、
5) (C=O)ヘテロシクリル、
6) SONR、及び
7) SO−C10アルキル
(該アルキル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されいてもよい。)から選択され;
2aは、ハロゲンと(C1−C6)アルキルから選択され;
4a及びR4bは、水素、ハロゲン及び(C−C)アルキルから選択されるが、但し、少なくとも1つが水素でなく、或いは、
4a及びR4bは、一緒になって、−CHCHCHCH−、−CHCHCH−、−CH=CH−O−及び−CH=CH−N−から選択されるジラジカルを形成する。〕で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式III:

bは、0又は1であり;
mは、0、1、又は2であり;
p’は、0〜2であり;
rは、0又は1であり;
sは、0又は1であり;
は、(C−C)アルキレン−NRであり、該アルキレンはOH,(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びNRから選択される最高3つの置換基で置換されてもよく;
2aは、ハロゲンと(C−C)アルキルから選択され;
3aとR3bは、水素とハロゲンから独立に選択され;
4aとR4bは、水素、ハロゲン、及び(C−C)アルキルから独立に選択されるが、但し、少なくとも1つが水素でなく;
は、下記:
1) (C=O)(C−C10)アルキル、
2) O(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) (C−C)アルキレン−S(O)mR
4) オキソ、
5) OH、
6) ハロ、
7) CN、
8) (C=O)(C−C10)アルケニル、
9) (C=O)(C−C10)アルキニル、
10) (C=O)rO(C−C)シクロアルキル、
11) (C=O)(C−C)アルキレン−アリール、 12) (C=O)(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
13) (C=O)(C−C)アルキレン−N(R
14) C(O)R
15) (C−C)アルキレン−CO
16) C(O)H、
17) (C−C)アルキレン−COH、及び
18) C(O)N(R
(該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、R、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される最高3つの置換基により置換されてもよい。)から選択され;
とRは、下記:
1) H、
2) (C=O)O−C10アルキル、
3) (C=O)O−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Oアリール、
5) (C=O)Oヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル、
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基により置換されていてもよい。)から独立に選択されるか、或いは、
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は、4〜7員環である。)を形成してもよく、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよく;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルであり;及び、
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルキル−NR、(C−C)アルキル−NH、(C−C)アルキル−NHR、アリール、ヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル、又はS(O)である。〕で示される化合物、若しくは医薬的に許容できるその塩又はその立体異性体。
【請求項4】
p’、R2a、R3a、R3b、R4a、R4b、及びRが、請求項3の式IIIで定義された通りであり;
が、(C−C)アルキレン−NRであり;
とRが、下記:
1) H、
2) C−C10アルキル、
3) アリール、
4) ヘテロシクリル、
5) C−C10アルケニル、
6) C−C10アルキニル、及び
7) C−Cシクロアルキル
(該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい。)から独立に選択されるか、或いは、
とRは、それらが結合する窒素と一緒になって、一環式又は二環式ヘテロ環(各環は4〜7員環である。)を形成し、該一環式又は二環式ヘテロ環は、上記窒素以外にN、O、及びSから選択される1つか2つの追加ヘテロ原子を任意に含み、また、該一環式又は二環式ヘテロ環は、Rから選択される1つ以上の置換基で置換されてもよい、請求項3に記載の化合物、若しくは医薬的に許容できるその塩又はその立体異性体。
【請求項5】
下記:
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2,4−ジクロロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
3−(3a,7a−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−2−(2−ブロモフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
6−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−メチルフェニル)−3−(4−メチルフェニル)−キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロフェニル)−3−(1H−インドール−5−イル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−ブロモフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン、
2−(5−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(2−クロロフェニル)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(メチルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−3−[(シクロブチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−[3−(アゼチジン−1−イルメチル)−2−クロロフェニル]−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−ヒドロキシピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(3S)−3−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アミノピペリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−3−[(4−フルオロピペリジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−[2−クロロ−3−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−3−{[(2−モルホリン−4−エルエチル)アミノ]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(3−アミノピロリジン−1−イル)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−3−({[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]アミノ}メチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
2−(3−{[3−(アミノメチル)−1−メチル−1ラムダ〜5〜−ピペリジン−1−イル]メチル}−2−クロロフェニル)−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
2−{3−[(ベンジルアミノ)メチル]−2−クロロフェニル}−7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−2−{2−クロロ−5−[(エチルアミノ)メチル]フェニル}−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(イソプロピルアミノ)メチル]−フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピロリジン−3−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−{2−クロロ−5−[(ピペリジン−4−イルアミノ)メチル]フェニル}キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−[2−クロロ−5−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル]キナゾリン−4(3H)−オン、
7−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−2−(2−クロロ−5−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]メチル}フェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、及び
7−クロロ−2−[2−クロロ−5−({[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}メチル)フェニル]−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)キナゾリン−4(3H)−オン、
から選択される化合物、若しくは、医薬的に許容できるその塩。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物と医薬的に許容できる担体を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項7】
請求項3に記載の化合物と医薬的に許容できる担体を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項8】
がん治療又は予防の方法であって、かかる処置を必要とする哺乳動物に、治療上有効量の請求項1化合物を投与することを特徴とする、前記方法。
【請求項9】
がん治療又は予防の方法であって、かかる処置を必要とする哺乳動物に、治療上有効量の請求項3記載の化合物を投与すること特徴とする、前記方法。
【請求項10】
がんが、脳、泌尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭、及び肺のがんから選択される、請求項8に記載のがん治療又は予防の方法。
【請求項11】
がんが、組織球性リンパ腫、肺腺がん、肺小細胞がん、すい臓がん、グリア穿腫、及び乳がんから選択される、請求項8に記載のがん治療又は予防の方法。
【請求項12】
請求項1の化合物を医薬的に許容できる担体と一緒に混合する工程を含むことを特徴とする、医薬組成物の調製方法。
【請求項13】
エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖性物質、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、細胞増殖と生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導物質、から選択される第2番目の化合物を更に含むことを特徴とする、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項14】
第2番目の化合物が、チロシンキナーゼ阻害剤、上皮細胞誘導増殖因子阻害剤、線維芽細胞誘導成長因子阻害剤、血小板由来増殖因子阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリン遮断薬、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン多硫酸ナトリウム塩、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、カロボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−(クロロアセチルカルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、及びVEGFへの抗体、から選択される血管新生阻害剤である、請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
更に、プロテオソーム阻害剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
更に、オーロラキナーゼ阻害剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項17】
更に、ラフキナ−ゼ阻害剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
更に、セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項19】
更に、KSPではない別の有糸分裂キネシンの阻害剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項20】
第2番目の化合物が、タモキシフェンとラロキシフェンから選択されるエストロゲン受容体調節剤である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項21】
放射線療法と併用で治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療の方法。
【請求項22】
エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖性物質、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、固有多剤耐性阻害剤、制吐剤、貧血治療に有用な薬剤、好中球減少症治療に有用な薬剤、免疫刺激剤、細胞増殖と生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導物質、から選択される化合物と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項23】
放射線療法、並びに、エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤、抗増殖性物質、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、血管新生阻害剤、PPAR−γ作用薬、PPAR−δ作用薬、固有多剤耐性阻害剤、制吐剤、貧血治療に有用な薬剤、好中球減少症治療に有用な薬剤、免疫刺激剤、細胞増殖と生存シグナリングの阻害剤、細胞周期チェックポイントを妨げる薬剤、及びアポトーシス誘導物質、から選択される化合物と併用で、請求項1化合物の治療上有効量を投与することを特徴とする、がん治療方法。
【請求項24】
治療上有効量の請求項1の化合物、及びパクリタクセル又はトラスツズマブを投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項25】
治療上有効量の請求項1の化合物、及びGPIIb/IIIa拮抗薬を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項26】
GPIIb/IIIa拮抗薬が、チロフィバンである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
COX−2阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項28】
プロテソーム阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項29】
オーロラキナーゼ阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項30】
ラフキナーゼ阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項31】
セリン/トレオニンキナーゼ阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項32】
KSPでない有糸分裂キネシン阻害剤と併用で、治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、がん治療又は予防の方法。
【請求項33】
治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、有糸分裂紡錘体形成を調整する方法。
【請求項34】
治療上有効量の請求項1の化合物を投与することを特徴とする、有糸分裂なキネシンKSPにを阻害する方法。

【公表番号】特表2007−517071(P2007−517071A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549289(P2006−549289)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/042070
【国際公開番号】WO2005/065183
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】