説明

案内装置、案内方法、案内プログラム及びその記録媒体

【課題】
カメラが撮影した画像を利用することにより、利用者を的確に目的地へと案内する。
【解決手段】
車載カメラが車両の周辺を撮影し、周辺画像データCIDを取得する。そして、案内情報抽出部221は、ナビゲーション処理部111からの案内指令GSCに従い、周辺画像データCIDから、目的地への案内指標として使用可能な目的地案内情報を表示していると推定される案内表示領域を抽出する。案内情報抽出部221が、この案内表示領域を抽出すると、ナビゲーション処理部111へ向けて検出通知DFIを送るとともに、強調表示加工部222が、案内表示領域を強調表示する画像加工を施した強調周辺画像データCPDを生成する。こうして生成された強調周辺画像は、ナビゲーション処理部111による制御のもとで、表示画像切替部113を介して、表示ユニットに表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内装置、案内方法、案内プログラム、及び、当該案内プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等の移動体に搭載されるナビゲーション装置が広く普及している。そして、近年におけるナビゲーション装置の技術の発展は目覚しく、より正確に、かつ、より分りやすくナビゲートするための様々な機能が備えられ、利用者に提供されている。こうしたナビゲーション装置の中には、カメラを搭載し、カメラが撮影した画像を利用するものが登場してきている。
【0003】
カメラを搭載したナビゲーション装置の一例として、道路標識に基づいて、運転者に対する運転支援を行う技術が提案されている(特許文献1等参照:以下、「従来例」と呼ぶ)。この従来例の技術は、カメラが撮影した画像に対して画像処理を行い、道路標識パターンとの照合により標識が指示する内容を特定する。そして、特定した内容によって、データベースの地図データや交通情報を更新又は補完するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2006−275690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
走行方向側を撮影するカメラが撮影した実景色の画像の内容は、ドライバ等の利用者が実際に見る周辺の実景色とほぼ一致するという特性がある。このため、カメラが撮影した画像には、目的地への案内に積極的に利用可能な情報も含まれている場合もあると考えられる。しかしながら、上述した従来例の技術は、こうしたカメラによる撮影結果の特性を利用するにいたってはおらず、積極的に目的地への案内を行うものではない。
【0006】
このため、ナビゲーション装置にカメラを搭載した場合に、カメラによる撮影結果の上記のような特性を利用し、利用者を的確に目的地へと案内する技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題の一つに挙げられる。
【0007】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、カメラが撮影した実景色の画像を利用することにより、利用者を的確に目的地へ案内することができる案内装置及び案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、移動体に搭載可能であって、目的地に関する案内を行う案内装置であって、前記移動体の周辺を撮影して周辺画像を取得する撮影手段と;前記目的地を指定する指定手段と;前記撮影手段によって撮影された前記周辺画像における前記目的地に関する案内情報を特定する特定手段と;前記特定手段によって特定された案内情報に対応する実景色上での対象物に関する注意を喚起する報知手段と;を備えることを特徴とする案内装置である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、移動体の目的地に関する案内を行う案内装置であって、前記移動体の周辺を撮影して周辺画像を取得する撮影工程と;前記目的地を指定する指定工程と;前記撮影工程において撮影された前記周辺画像における前記目的地に関する案内情報を特定する特定工程と;前記特定工程において特定された案内情報に対応する実景色上での対象物に関する注意を喚起する報知工程と;を備えることを特徴とする案内方法である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の案内方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする案内プログラムである。
【0011】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の案内プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図12を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一の又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
[構成]
図1には、一実施形態に係る案内装置としての機能を有する車両搭載用のナビゲーション装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。
【0014】
この図1に示されるように、ナビゲーション装置100は、制御ユニット110と、施設名称記憶手段としての記憶装置120とを備えている。
【0015】
また、ナビゲーション装置100は、音出力ユニット130と、画像表示手段としての表示ユニット140と、指定手段としての操作入力ユニット150と、位置検出手段の一部としての走行センサインターフェイス部160と、位置検出手段の一部としてのGPS(Global Positioning System)受信ユニット170とを備えている。
【0016】
さらに、ナビゲーション装置100は、撮影手段としてのカメラユニット180を備えている。
【0017】
なお、上記の制御ユニット110以外の要素120〜180は、制御ユニット110に接続されている。また、走行センサインターフェイス部160は、車両に搭載された走行センサユニット910とも接続されている。
【0018】
制御ユニット110は、ナビゲーション装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110の詳細については、後述する。
【0019】
記憶装置120は、不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置等から構成される。記憶装置120内には、ナビゲーション利用情報121などの様々な情報が記憶されている。
【0020】
ナビゲーション利用情報121には、地図情報(MPI)、地点(POI(Point Of Interests))情報(POI)等のナビゲーションのために利用される情報が含まれている。ここで、地図情報には、道路データ、道路ネットワークデータ、背景データ等が含まれている。
【0021】
また、地点情報には、駐車場、行楽地、病院、各種店舗等のPOIのジャンル(属性)別に分類されたデータとともに、様々な施設名称の正式名称情報及びその言い替えワード情報が含まれている。ここで、言い替えワードとは、同一施設に対する正式名称とは異なる通称等の名称である。「成田国際空港」を例にとって説明すると、この正式名称とは異なる、旧名称の「新東京国際空港」、通称の「成田空港」、英字名称の「Narita International Airport」、英字略称の「NAA」等が、言い替えワードにあたる。
【0022】
音出力ユニット130は、例えば、(i)制御ユニット110から受信した案内音声データAODをアナログ信号に変換するDA変換器(Digital to Analog Converter)と、(ii)当該DA変換器から出力されたアナログ信号を増幅する増幅器と、(iii)増幅されたアナログ信号を音声に変換するスピーカとを備えて構成されている。この音出力ユニット130は、制御ユニット110による制御のもとで、車両の進行方向、走行状況、交通状況等の案内音声、利用者に注意を喚起する報知案内音声等を出力する。
【0023】
表示ユニット140は、(i)液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)等の表示デバイスと、(ii)制御ユニット110から送出された表示制御データIMDに基づいて、表示ユニット140全体の制御を行うグラフィックレンダラ等の表示コントローラと、(iii)表示画像データを記憶する表示画像メモリ等を備えて構成されている。この表示ユニット140は、制御ユニット110による制御のもとで、地図情報、ルート情報等のナビゲーション画像、後述する強調周辺画像、操作ガイダンス情報等を表示する。
【0024】
操作入力ユニット150は、ナビゲーション装置100の本体部に設けられたキー部、及び/又はキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、表示ユニット140の表示デバイスに設けられたタッチパネルを用いることができる。なお、キー部を有する構成に代えて、又は併用して音声認識技術を利用して音声にて入力する構成を採用することもできる。
【0025】
この操作入力ユニット150を利用者が操作することにより、ナビゲーション装置100の動作内容の設定が行われる。例えば、目的地の設定、音声ガイダンスの設定、情報の検索設定、車両の走行状況の表示設定等を、利用者が操作入力ユニット150を利用して行う。こうした入力内容は、操作入力データIPDとして、操作入力ユニット150から制御ユニット110へ向けて送られる。
【0026】
走行センサインターフェイス部160は、制御ユニット110と車両に搭載された走行センサユニット910との間におけるデータ授受に関して利用される。ここで、走行センサユニット910は、本実施形態では一例として、(i)車両の移動速度を検出する車速センサと、(ii)車両に作用している加速度を検出する加速度センサと、(iii)車両の角速度を検出する角速度センサとを備えている。ここで、車速センサは、車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号を検出する。また、加速度センサは、例えば、3次元方向の加速度を検出する。また、角速度センサは、例えば、いわゆるジャイロセンサとして構成され、角速度を検出する。これらの検出結果は、走行センサインターフェイス部160を介して、走行センサデータDTDとして制御ユニット110へ向けて送られる。
【0027】
GPS受信ユニット170は、複数のGPS衛星からの電波の受信結果に基づいて、車両の現在位置の擬似座標値を算出する。また、GPS受信ユニット170は、GPS衛星から送出された時刻情報に基づいて、現在時刻を計時する。これら現在位置及び現在時刻に関する情報は、GPSデータGPDとして制御ユニット110へ送られる。
【0028】
カメラユニット180は、不図示の車載カメラと、データ処理部とを備えて構成されている。車載カメラは、例えば、ルームミラーの裏側に配置される。そして、車載カメラは、運転者の通常の目線に近い、車両の進行方向の周辺画像を動画で撮影する。データ処理部は、車載カメラによる撮影結果をデジタル画像データに変換する。こうして撮影された車両の周辺画像のデジタル画像データは、周辺画像データCIDとして、カメラユニット180から制御ユニット110へ向けて送られる。
【0029】
次に、制御ユニット110について説明する。上述したように、制御ユニット110は、ナビゲーション装置100の全体を統括制御する。この制御ユニット110は、図2に示されるように、ナビゲーション処理部111と、周辺画像処理部112と、表示画像切替部113とを備えている。
【0030】
ナビゲーション処理部111は、図3に示されるように、制御手段、及び、目的地位置記憶手段としての統括処理部211を備えている。また、ナビゲーション処理部111は、ナビゲーション画像生成部212と、報知手段の一部としての案内音声生成部213とを備えている。
【0031】
このように構成されたナビゲーション処理部111は、記憶装置120にアクセスして、地図情報MPI、地点情報POI等を適宜参照し、かつ上述した構成要素130〜180を直接的又は間接的に利用して、利用者にナビゲーション情報を提供する。すなわち、ナビゲーション処理に対する操作入力ユニット150からの入力結果に沿って、走行センサインターフェイス部160を介して取得した走行センサデータDTD及びGPS受信ユニット170からの出力であるGPSデータGPDを利用して、記憶装置120に記憶されたナビゲーション用のデータを適宜読み出す。そして、ナビゲーション処理部111は、(a)利用者が指定する地域の地図を表示ユニット140の表示デバイスに表示するための地図表示、(b)車両が地図上のどこに位置するのか、また、どの方角に向かっているのかを算出し、表示ユニット140の表示デバイスに表示して利用者に提示するマップマッチング、(c)現在車両が存在する位置から、利用者が指定する任意の位置である目的地までの最適ルート検索、(d)設定されたルートに沿って目的地まで運転するときに、目的地への到達予想時刻や、進行すべき方向を的確にアドバイスするために行われる、表示ユニット140の表示デバイスへの案内表示のための制御、及び、音出力ユニット130のスピーカから音声案内を出力するための制御等を行う。以下、ナビゲーション処理部111を構成する統括処理部211、ナビゲーション画像生成部212、案内音声生成部213について詳述する。
【0032】
統括処理部211は、ナビゲーション処理部111の上記の機能を統括処理する。
【0033】
また、統括処理部211は、利用者により操作入力ユニット150を利用して入力された目的地情報を受ける。なお、以下においては、目的地情報として目的地の固有名称が入力されるものとして説明する。
【0034】
目的地の固有名称が入力されると、統括処理部211は、記憶装置120にアクセスして、地点情報POIを参照し、入力された目的地の固有名称に対応する目的地の正式名称及びその言い替えワードを抽出する。そして、統括処理部211は、抽出された目的地の正式名称及びその言い替えワードを、目的地指定情報KWIとして周辺画像処理部112へ向けて送る。なお、入力された目的地の固有名称が、抽出された目的地の正式名称及びその言い替えワードのいずれとも完全一致していない場合には、統括処理部211は、入力された目的地の固有名称も併せて目的地指定情報KWIとして周辺画像処理部112へ向けて送る。
【0035】
また、統括処理部211は、不図示の記憶領域を備え、利用者が指定した目的地の位置を記憶する。そして、統括処理部211は、車両の現在位置から目的地までの距離DISを計算する。次いで、統括処理部211は、後述する周辺画像を利用する案内が行われていない状態において、距離DISが第1所定距離以内となったときに、周辺画像による案内用の周辺画像処理を行うべき旨の案内指令GSCを周辺画像処理部112へ向けて発行する。これは、案内情報として重要度の高い目的地の近くに存在する看板のみに対して、画像処理を行うことにより、処理負担を軽減するためである。
【0036】
また、統括処理部211は、上記の周辺画像処理が行われている状態において、距離DISが上記第1所定距離よりも長い第2所定距離以上になったときに、周辺画像処理を停止すべき旨の案内指令GSCを周辺画像処理部112へ向けて発行する。これは、距離DISが第1所定距離以内となり、一度目的地に接近したのに、その後に多少距離的に遠ざかる事態が発生するのは、目的地までの経路との関係で致し方ない場合や、道に迷っている可能性が高いので、直ちに周辺画像処理を終了するべきではないためである。そして、第2所定距離以上となった場合には、目的地へ向かうことを止めた蓋然性が高いと判断できるので、処理負担の軽減を図り、周辺画像処理を終了するためである。
【0037】
なお、上記の第1所定距離及び第2所定距離の値は、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。本実施形態においては、第1所定距離を2km、第2所定距離を3kmとしている。
【0038】
また、統括処理部211は、周辺画像処理が行われている状態において、周辺画像処理部112からの後述する検出通知DFIを受けると、表示画像切替部113へ向けて、表示ユニット140へ送る画像データをナビゲーション画像データMPDから後述する強調周辺画像データCPDに切替えるべき旨の切替指令SECを発行する。
【0039】
また、統括処理部211は、周辺画像処理が行われている状態において、周辺画像処理部112からの後述する検出通知DFIを受けると、案内音声生成部213へ向けて、利用者に注意を喚起する報知案内音声データを生成すべき旨の指令GACを発行する。ここで、指令GACは、検出通知DFIを所定時間以下の間隔で連続して受けたときには、連続する最初の検出通知DFIを受けたときにだけ、発行する。これは、後述する音出力ユニット130による報知案内音声の出力が、所定時間以下の間隔で連続してなされることを防止することにより、不必要な音声案内を低減するためである。
【0040】
なお、この所定時間は、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
【0041】
また、統括処理部211は、周辺画像処理が行われている状態において、周辺画像処理部112からの後述する非検出通知NDIを受けると、表示画像切替部113へ向けて、表示ユニット140へ送る画像データをナビゲーション画像データMPDとすべき旨の切替指令SECを発行する。これは、周辺画像処理が行われている状態であったとしても、実景色を撮影した画像よりも、ナビゲーション画像の方が、目的地案内のために有効であると考えられるためである。
【0042】
ナビゲーション画像生成部212は、上記の(a)及び(d)の機能を実現するための画像データの生成を行う。このナビゲーション画像生成部212は、統括処理部211を介してナビゲーション画像の生成に必要な情報MPFを受け、ナビゲーション画像データMPDを生成する。こうして生成されたナビゲーション画像データMPDは、表示画像切替部113へ向けて送られる。
【0043】
案内音声生成部213は、上記の(d)の機能を実現するための音声データの生成を行う。この案内音声生成部213は、統括処理部211を介して案内音声の生成に必要な情報AOFを受け、案内音声データAODを作成する。また、案内音声生成部213は、統括処理部211からの指令GACを受けたときに、案内音声データAODとして利用者に注意を喚起する報知案内音声データを生成する。なお、本実施形態において生成する報知案内音声は、「目的地の看板を検出しました。」であり、目的地の種別にかかわらない共通案内音声である。こうして生成された案内音声データAODは、音出力ユニット130へ向けて送られる。以上が、ナビゲーション処理部111の構成である。
【0044】
次に、図2に戻り、周辺画像処理部112について説明する。周辺画像処理部112は、カメラユニット180が取得した周辺画像を処理する。この周辺画像処理部112は、図4に示されるように、特定手段としての案内情報抽出部221と、強調表示手段としての強調表示加工部222とを備えている。以下、周辺画像処理部112を構成する、案内情報抽出部221及び強調表示加工部222について説明する。
【0045】
案内情報抽出部221は、まず、ナビゲーション処理部111からの目的地指定情報KWIを受ける。そして、ナビゲーション処理部111からの周辺画像による案内用の周辺画像処理を行うべき旨の案内指令GSCを受けると、案内情報抽出部221は、カメラユニット180から送られてくる周辺画像データCIDの解析処理を開始する。
【0046】
案内情報抽出部221は、周辺画像データCIDの解析処理に際し、まず、案内表示領域(すなわち、看板領域)の抽出処理を行い、周辺画像に案内表示領域が撮影されているか否かを判断する。ここで、案内表示領域の抽出処理として、例えば、周辺画像データCIDから得られる明度情報や色相情報等を解析し、明度等が急激に変化するエッジ部分を特定する。そして、当該エッジ部分が看板形状として想定される形状(長方形や円形)とマッチングする場合に、当該エッジ部分で囲まれた領域を案内表示領域として抽出する。例示として、図5(A)に示されるような周辺画像が車載カメラにより撮影されているとする。この場合においては、案内情報抽出部221は、図5(B)に示されるように、看板1〜看板3が撮影されていると判断する。
【0047】
案内情報抽出部221は、案内表示領域を含む周辺画像が撮影されていると判断したときに、案内表示領域に文字列が撮影されているか否かを判断する。案内情報抽出部221は、光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能を備えており、画像を文字情報として認識することができる。図5(B)を例として説明すると、案内情報抽出部221は、看板1においては「□△会社」が撮影されていると判断し、看板2においては「○△デパート」が撮影されていると判断し、看板3においては「△○動物園は、この先1km」が撮影されていると判断する。
【0048】
次いで、案内情報抽出部221は、当該案内表示領域に文字列が存在していると判断すると、当該文字列と目的地指定情報KWIとの照合処理を行う。案内情報抽出部221は、この照合処理にあたり、当該文字列と目的地指定情報KWIとが、同一又は類似しているか否かによって判断する。
【0049】
案内情報抽出部221は、当該文字列と目的地指定情報KWIとが、同一又は類似していると判断した場合、ナビゲーション処理部111へ向けて、検出通知DFIを送るとともに、強調表示加工部222へ向けて案内表示領域情報EGDを送る。
【0050】
一方、案内情報抽出部221は、案内表示領域を含む周辺画像が撮影されていないと判断したり、案内表示領域を含む周辺画像が撮影されたが、当該案内表示領域に目的地指定情報KWIと同一又は類似する文字列が存在していないと判断した場合には、ナビゲーション処理部111へ向けて、非検出通知NDIを送る。
【0051】
強調表示加工部222は、カメラユニット180からの周辺画像データCIDを受けるとともに、案内情報抽出部221からの案内表示領域情報EGDを受ける。そして、強調表示加工部222は、周辺画像データCIDに対して案内表示領域を強調表示する画像加工を施す。こうして画像加工が施された周辺画像データCIDは、強調周辺画像データCPDとして表示画像切替部113へ向けて送られる。以上が、周辺画像処理部112の構成である。
【0052】
図2に戻り、表示画像切替部113について説明する。表示画像切替部113は、表示ユニット140の表示デバイスに表示する画像の切替え処理を行う。この表示画像切替部113は、ナビゲーション処理部111からのナビゲーション画像データMPDを受けるとともに、周辺画像処理部112からの強調周辺画像データCPDを受ける。表示画像切替部113は、通常、ナビゲーション画像データMPDを、表示画像データIMDとして表示ユニット140へ向けて出力する。一方、表示画像切替部113は、ナビゲーション処理部111からの切替指令SECを受けたときに、強調周辺画像データCPDを、表示画像データIMDとして表示ユニット140へ向けて出力する。
【0053】
[動作]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置100の動作について、利用者が指定した目的地の付近における、周辺画像を利用した案内の動作に主に着目して説明する。
【0054】
前提として、利用者が指定する目的地の固有名称は「○△遊園地」であり、地点情報POIには、正式名称として「○△遊園地」が、言い替えワードとして「○△アミューズメントパーク」が、登録されているものとする。
【0055】
この周辺画像を利用した案内の処理は、図6に例示されるシーケンス図に沿って、ナビゲーション処理部111における周辺画像利用処理S10と、周辺画像処理部112における周辺画像処理S30とによって、相互に連関しながら行われる。
【0056】
<ナビゲーション処理部111における処理>
ナビゲーション処理部111における周辺画像を利用した案内処理は、図7に示されるように、ステップS11において、利用者が操作入力ユニット150に目的地の固有名称(ここでは、「○△遊園地」)を入力することにより開始する。利用者により入力された目的地の固有名称は、操作入力データIPDとしてナビゲーション処理部111の統括処理部211へ向けて送られる(図3参照)。
【0057】
次いで、ステップS12において、統括処理部211が、周辺画像を利用した案内処理に関する初期処理を行う。かかる初期処理においては、統括処理部211が、利用者が指定した目的地の位置を記憶領域に記憶する。また、統括処理部211は、記憶装置120にアクセスして、地点情報POIを参照し、入力された目的地の固有名称に対応する目的地の正式名称及びその言い替えワードを抽出する。
【0058】
続けて、統括処理部211は、利用者が指定した目的地の正式名称「○△遊園地」と当該正式名称の言い替えワードである「○△アミューズメントパーク」を、目的地指定情報KWIとして周辺画像処理部112の案内情報抽出部221へ向けて送る(図4参照)。また、統括処理部211は、走行中の車両の現在位置から目的地までの距離DISの計算を開始する。こうして初期処理が終了すると、処理はステップS13へ進む。
【0059】
ステップS13では、統括処理部211が、距離DISが第1所定距離(2km)以内となったか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS13:N)には、ステップS13の処理が繰り返される。なお、このステップS13以降の処理においては、ナビゲーション装置100を搭載した車両は、赤信号時や休憩時等を除いて停止しておらず、利用者が指定した目的地へ向けて走行しているものとする。
【0060】
一方、ステップS13における判定の結果が肯定的になると(ステップS13:Y)、処理はステップS14へ進む。
【0061】
ステップS14では、統括処理部211が、周辺画像処理部112の案内情報抽出部221へ向けて、周辺画像処理を開始すべき旨の案内指令GSCを発行する。これにより、周辺画像処理部112において、周辺画像処理S30(図6及び後述する図8参照)が開始される。この後、ナビゲーション処理部111における処理は、ステップS15へ進む。
【0062】
ステップS15では、統括処理部211が、案内情報抽出部221からの検出通知DFIを受けた(図8のステップS35参照)か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS15:Y)には、処理はステップS16へ進む。
【0063】
このステップS16では、統括処理部211が、周辺画像を利用した案内を行うための制御を行う。統括処理部211は、この制御に際し、表示画像切替部113へ向けて、表示ユニット140へ送る画像データをナビゲーション画像データMPDから強調周辺画像データCPDに切替えるべき旨の切替指令SECを発行する。また、統括処理部211は、この制御に際し、案内音声生成部213へ向けて、利用者に注意を喚起する報知案内音声データを生成すべき旨の指令GACを発行する。この後、処理はステップS17へ進む。
【0064】
一方、ステップS15における判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS19へ進む。このステップS19では、統括処理部211が、非検出通知NDIを受けた否かを判定することにより、目的地までの案内に有効な画像が車載カメラにより撮影されているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS19:N)には、処理はステップS17へ進む。
【0065】
ステップS19による判定の結果が肯定的であった場合(ステップS19:Y)には、処理はステップS20へ進む。ステップS20では、統括処理部211は、実景色である周辺画像よりも目的地までの案内に有効であるナビゲーション画像を表示ユニット140に表示させるべく、表示ユニット140へ送る画像データを強調周辺画像データCPDからナビゲーション画像データMPDに切替えるべき旨の切替指令SECを発行する。この後、処理はステップS17へ進む。
【0066】
ステップS17では、統括処理部211が、距離DISが第2所定距離(3km)よりも離れたか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS17:Y)には、処理はステップS18へ進む。ステップS18では、統括処理部211が、案内情報抽出部221へ向けて、周辺画像処理の終了すべき旨の案内指令GSCを発行する。これにより、周辺画像処理部112において行われている周辺画像処理S30(図6及び図8参照)が終了する。この後、ナビゲーション処理部111における処理は、ステップS13へ戻る。
【0067】
一方、ステップS17における判定の結果が否定的であった場合(ステップS17:N)には、処理はステップS21へ進む。
【0068】
ステップS21では、統括処理部211が、車両が目的地に到達したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)には、処理はステップS15へ戻る。
【0069】
一方、ステップS21における判定の結果が肯定的になると(ステップS21:Y)、処理はステップS22へ進む。ステップS22では、ステップS18と同様に、統括処理部211が、案内情報抽出部221へ向けて、周辺画像処理の終了すべき旨の案内指令GSCを発行する。これにより、周辺画像処理部112において行われている周辺画像処理S30(図6及び図8参照)が終了する。この後、ナビゲーション処理部111における処理は、終了する。
【0070】
<周辺画像処理部112における処理>
周辺画像処理部112における周辺画像処理は、ナビゲーション処理部111からの周辺画像処理を開始すべき旨の案内指令GSCを受ける(ステップS14参照)ことにより、開始される。
【0071】
この周辺画像の処理では、まず、図8に示されるように、ステップS31において、周辺画像処理部112の案内情報抽出部221が、カメラユニット180から受けた周辺画像データCIDを解析し、文字列が表示された案内表示領域(看板)の抽出処理を行う。この後、処理はステップS32へ進む。
【0072】
ステップS32では、案内情報抽出部221が、文字列を表示した案内表示領域を抽出できたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS32:N)には、処理は後述するステップS37へ進む。
【0073】
一方、ステップS32における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS32:Y)には、処理はステップS33へ進む。ステップS33では、案内情報抽出部221が、案内表示領域に表示された文字列と、目的地指定情報KWIとの照合処理を行う。この後、処理はステップS34へ進む。
【0074】
ステップS34では、案内情報抽出部221が、案内表示領域に表示された文字列と、目的地指定情報KWI(「○△遊園地」、「○△アミューズメントパーク」)とが、一致もしくは類似するか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS34:N)には、処理はステップS37へ進む。
【0075】
ステップS37では、案内情報抽出部221が、ナビゲーション処理部111の統括処理部211へ向けて非検出通知NDIを送る(図7のステップS19参照)。この後、処理はステップS36へ進む。
【0076】
一方、ステップS34における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS34:Y)には、処理はステップS35へ進む。
【0077】
ステップS35では、案内情報抽出部221が、強調表示加工部222へ向けて案内表示領域情報EGDを送る(図4参照)。強調表示加工部222は、カメラユニット180から送られてくる周辺画像データCIDに対し、案内表示領域情報EGDにより指定される案内表示領域を強調表示する画像加工を行う。そして、強調表示加工部222は、加工処理を施したデータを、強調周辺画像データCPDとして表示画像切替部113へ向けて送る。
【0078】
また、ステップS35では、案内情報抽出部221が、ナビゲーション処理部111の統括処理部211へ向けて検出通知DFIを送る。これにより、ナビゲーション処理部111において、前述した周辺画像を利用した案内を行うための制御が行われる(図7のステップS16参照)。この後、周辺画像処理部112における処理は、ステップS36へ進む。
【0079】
ステップS36では、案内情報抽出部221が、ナビゲーション処理部111からの周辺画像処理を終了すべき旨の案内指令GSCを受けた(図7のステップS18,S22参照)か否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS36:N)には、処理はステップS31へ戻る。
【0080】
一方、ステップS36における判定の結果が肯定的であった(ステップS36:Y)、周辺画像処理部112における周辺画像処理は終了する。
【0081】
<周辺画像を利用した案内の動作例>
現在、表示ユニット140の表示デバイスには、図9に示されるようなナビゲーション画像が表示され、車両が「○△交差点」に差し掛かっているものとして、その後の処理を、図7のステップS15,S16,S19,S20の処理、及び図8の処理S30に着目して詳しく説明する。
【0082】
なお、距離DISは第1所定距離(2km)以内であり、ナビゲーション処理部111が、周辺画像処理部112へ向けて、周辺画像処理を開始すべき旨の案内指令GSCを発行し(図7のステップS14参照)、周辺画像処理部112においては、周辺画像処理S30が行われているものとする。
【0083】
この後、車両が進行し、車載カメラが、図10に示されるような周辺画像を撮影したとする。周辺画像処理部112の案内情報抽出部221は、この周辺画像を解析し、文字列が表示された案内表示領域(看板領域)を抽出する(図8のステップS31)。引き続き、案内情報抽出部221は、ステップS32において、文字列を表示した案内表示領域を抽出できたか否かを判定する。この判定の結果は肯定的である(ステップS32:Y)ので、処理はステップS33へ進む。
【0084】
ステップS33では、案内情報抽出部221が、案内表示領域である看板に表示された文字列「○△遊園地この先の信号右折」と、目的地指定情報KWI(「○△遊園地」、「○△アミューズメントパーク」)との照合処理を行う。
【0085】
次いで、案内情報抽出部221は、ステップS34において、案内表示領域である看板に表示された文字列と、目的地指定情報KWIとが、一致もしくは類似するか否かを判定する。看板に表示された文字列には、目的地指定情報KWIの「○△遊園地」と一致する文字列が含まれていることから、この判定の結果は肯定的となり(ステップS34:Y)、処理はステップS35へ進む。
【0086】
ステップS35では、強調表示加工部222は、カメラユニット180から送られてくる周辺画像データCIDに対し、案内表示領域情報EGDにより指定される案内表示領域を強調表示する画像加工を行う。そして、強調表示加工部222は、加工処理を施したデータを、強調周辺画像データCPDとして表示画像切替部113へ向けて送る。
【0087】
また、ステップS35では、案内情報抽出部221が、ナビゲーション処理部111の統括処理部211へ向けて検出通知DFIを送る。この検出通知DFIを受けた統括処理部211は、図7のステップS15の処理において、肯定的である(ステップS15:Y)と判定し、ステップS16の処理を行う。
【0088】
このステップS16では、統括処理部211は、表示画像切替部113へ向けて、表示ユニット140へ送る画像データをナビゲーション画像データMPDから強調周辺画像データCPDに切替えるべき旨の切替指令SECを発行する。また、統括処理部211は、案内音声生成部213へ向けて、利用者に注意を喚起する報知案内音声データを生成すべき旨の指令GACを発行する。
【0089】
これにより、表示ユニット140の表示デバイスには、図11に示されるような強調周辺画像が表示される。また、音出力ユニット130のスピーカから、利用者に注意を喚起する「目的地の看板を検出しました。」という案内音声が出力される。
【0090】
なお、本実施形態では、強調画像表示は、目的地への案内指標として使用可能な目的地案内情報を表示していると推定される案内表示領域に対して、丸等で囲うものとする。また、周辺画像に、目的地への案内指標として使用可能な目的地案内情報を表示していると推定される案内表示領域が複数存在する場合には、それぞれの案内表示領域に対して強調画像表示を行うものとする。
【0091】
さらに車両が進行して「○△交差点」を右折した際に、案内情報抽出部221が、周辺画像データCIDを解析し、文字列を表示する案内表示領域を抽出することができなかったとする。この場合には、図8のステップS32における処理は否定的となり(ステップS32:N)、ステップS37において、非検出通知NDIが統括処理部211へ向けて送られる。このため、ナビゲーション処理部111における図7のステップS19の判定の結果が肯定的となり(ステップS19:Y)、S20の処理が行われる。この結果、表示ユニット140の表示デバイスには、図12に示されるようなナビゲーション画像が表示される。
【0092】
以上説明したように、本実施形態では、車載カメラが車両の周辺を撮影し、周辺画像データCIDを取得する。そして、周辺画像処理部112は、ナビゲーション処理部111の統括処理部211からの案内指令GSCに従い、周辺画像データCIDから、目的地への案内指標として使用可能な目的地案内情報を表示していると推定される案内表示領域を抽出する。周辺画像処理部112は、案内表示領域を抽出すると、統括処理部211へ向けて検出通知DFIを送る。検出通知DFIを受けた統括処理部211は、抽出された案内表示領域に関する注意を喚起する報知を行わせる。このため、目的地付近の案内情報としての看板等の存在を、利用者に知らせることができる。これにより、ナビゲーション利用情報121の不足により目的地の駐車場まで的確に運転者を案内することができない場合、日時や施設管理者の意図により進入ルートが変更されている場合等にも、利用者を的確に目的地まで案内することができる。
【0093】
また、本実施形態では、周辺画像処理部112は、案内表示領域を抽出すると、案内表示領域を強調表示する画像加工を施した強調周辺画像データCPDを生成する。また、検出通知DFIを受けた統括処理部211は、表示画像切替部113に向けて切替指令SECを発行する。この結果、表示ユニット140の表示デバイスに、強調周辺画像が表示される。このため、目的地付近の案内情報としての看板等が存在すること、及び、当該看板等の位置を、利用者に非常に判り易い態様で知らせることができる。
【0094】
また、本実施形態では、統括処理部211が、周辺画像処理部112からの検出通知DFIを受けた際に、案内音声生成部213へ向けて指令GACを発行する。この結果、音出力ユニット130から、利用者に注意を喚起する報知案内音声が出力される。このため、利用者が表示デバイスを見ていなくても、目的地付近の案内情報としての看板の存在を、利用者に知らせることができる。
【0095】
したがって、本実施形態によれば、車載カメラが撮影した周辺画像を利用することにより、利用者を的確に目的地へと案内することができる。
【0096】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、上記の実施形態では、表示ユニット140の表示デバイスには、表示画像切替部113よる画像切替えにより、ナビゲーション画像と強調周辺画像のいずれかを表示することとした。これに対して、表示デバイスには、ナビゲーション画像の一部に重畳して、強調周辺画像を表示させてもよいし、また、表示デバイスにおける表示領域を分割して、分割された表示領域ごとに、ナビゲーション画像と強調周辺画像とを表示させてもよい。
【0098】
また、上記の実施形態では、強調画像表示は、目的地への案内指標として使用可能な目的地案内情報を表示していると推定される案内表示領域(看板)に対して、丸等で囲うものとした。これに対して、強調画像表示の方法はいかなるものであってもよく、例えば、周辺画像に目的地名称の文字列等を重ねて表示するものであってもよい。
【0099】
また、上記の実施形態では、音出力ユニット130のスピーカから出力する案内音声は、目的地の種別にかかわらず、「目的地の看板を検出しました。」とした。これに対して、案内音声を別のフレーズにしてもよいし、また、音声合成により生成した目的地の種別に対応する案内音声であってもよい。
【0100】
また、上記の実施形態では、第1所定距離を2km、第2所定距離を3kmとしたが、この第1及び第2所定距離は、第1所定距離よりも第2所定距離の方が長ければ、上記の値に限られない。
【0101】
また、上記の実施形態では、第1所定距離を第2所定距離よりも短く設定したが、第1所定距離と第2所定距離とを同一に設定するようにしてもよい。さらに、第1及び第2所定距離にかかわりなく、案内を行うものであってもよい。
【0102】
また、上記の実施形態では、目的地指定情報KWIを構成する少なくとも1つの目的地識別情報は、「○△遊園地」などの固有名詞である目的地名称とした。これに対して、目的地識別情報としては、目的地に対応するマーク等の絵柄であってもよい。
【0103】
また、上記の実施形態では、図7におけるステップS16を画像の切替に代えて音声の通知とし、図8におけるステップS35を強調周辺画像の生成の代えて音声の生成とするようにしてもよい。こうして生成される音声としては、例えば、「右方向に看板があります」等を採用することができる。なお、この場合には、図7におけるステップS19及びS20に相当する処理は不要となる。
【0104】
また、上記の実施形態では、目的地指定情報KWIは、最終目的地としたが、経由地等であってもよい。
【0105】
また、上記の実施形態では、車両に搭載されるナビゲーション装置100に本発明を適用したが、カメラを搭載した携帯電話装置等にも本発明を適用することができる。
【0106】
なお、上記の実施形態における制御ユニット110の一部又は全部を中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、読出専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における処理の一部又は全部を実行するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配送の形態で取得されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】図2のナビゲーション処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】図2の周辺画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】車載カメラが撮影した周辺画像の例(その1)である。
【図6】周辺画像を利用した案内処理を説明するためのシーケンス図の例である。
【図7】ナビゲーション処理部における処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】周辺画像処理部における処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】表示デバイスに表示されるナビゲーション画像の例(その1)である。
【図10】車載カメラが撮影した周辺画像の例(その2)である。
【図11】表示デバイスに表示される強調周辺画像の例である。
【図12】表示デバイスに表示されるナビゲーション画像の例(その2)である。
【符号の説明】
【0108】
100 … ナビゲーション装置(案内装置)
120 … 記憶装置(施設名称記憶手段)
140 … 表示ユニット(画像表示手段)
150 … 操作入力ユニット(指定手段)
160 … 走行センサインターフェイス部(位置検出手段の一部)
170 … GPS受信ユニット(位置検出手段の一部)
180 … カメラユニット(撮影手段)
211 … 統括処理部(制御手段、目的地位置記憶手段)
213 … 案内音声生成部(報知手段の一部)
221 … 案内情報抽出部(特定手段)
222 … 強調表示加工部(強調表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載可能であって、目的地に関する案内を行う案内装置であって、
前記移動体の周辺を撮影して周辺画像を取得する撮影手段と;
前記目的地を指定する指定手段と;
前記撮影手段によって撮影された前記周辺画像における前記目的地に関する案内情報を特定する特定手段と;
前記特定手段によって特定された案内情報に対応する実景色上での対象物に関する注意を喚起する報知手段と;
を備えることを特徴とする案内装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記目的地に関する前記特定された案内情報を前記周辺画像上において強調表示する強調表示手段と;
前記強調表示手段によって強調表示された周辺画像を表示する画像表示手段と;
を備えることを特徴とする請求項1に記載の案内装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記実景色上での対象物の属性と位置する方向とに関する情報を報知する、ことを特徴とする請求項1に記載の案内装置。
【請求項4】
1の施設に対して少なくとも1つの施設名称を関連付けて記憶する施設名称記憶手段を更に備え、
前記指定手段は、前記施設名称記憶手段に記憶された1の施設を目的地として指定し、
前記特定手段は、前記目的地として指定された施設に関連付けて記憶された少なくとも1つの施設名称が前記周辺画像中に存在すると判定できた場合に、前記目的地に関する案内情報を特定する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の案内装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記周辺画像中の前記対象物の属性と一致する領域を特定し、前記特定した領域において前記少なくとも1つの施設名称が存在するか否かを判定する、ことを特徴とする請求項4に記載の案内装置。
【請求項6】
前記目的地の位置が記憶された目的地位置記憶手段と;
前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と;
前記移動体と前記目的地との距離が第1所定距離以内である場合に、前記特定手段の処理を開始させる制御手段と;を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の案内装置。
【請求項7】
前記特定手段は、前記移動体と前記目的地との距離が前記第1所定距離以内となった後に、前記第1所定距離よりも長い第2所定距離となった場合に、処理を終了する、ことを特徴とする請求項6に記載の案内装置。
【請求項8】
移動体の目的地に関する案内を行う案内装置であって、
前記移動体の周辺を撮影して周辺画像を取得する撮影工程と;
前記目的地を指定する指定工程と;
前記撮影工程において撮影された前記周辺画像における前記目的地に関する案内情報を特定する特定工程と;
前記特定工程において特定された案内情報に対応する実景色上での対象物に関する注意を喚起する報知工程と;
を備えることを特徴とする案内方法。
【請求項9】
請求項8に記載の案内方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とする案内プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の案内プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−133657(P2009−133657A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308359(P2007−308359)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】