説明

検査パラメータ設定方法、検査性評価方法および検査システム

【課題】高多層プリント配線基板の配線パターンを検査する際に誤報告の少ないキャリブレーション位置を決定すると共に、その検査性を評価しベリファイ作業時間を予測することができる検査システムを提供する。
【解決手段】検査システムにおいて、検査対象のプリント配線基板を構成する各層のCADデータとその層構成情報を元に検査面より透視した輝度成分マップを生成する。そして検査面を構成する輝度成分の組を求め、全組を網羅する1つ以上の輝度評価領域を決定した後、検査装置にて領域を撮像、各輝度成分に対応する統計輝度値を求め輝度成分マップに代入し、検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求め検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高多層プリント配線基板のような複数の層を有するプリント配線基板に設けられた配線パターンの欠陥を画像処理にて検査する検査システムに関し、特に、検査パラメータ設定方法とその検査性(難易度)を評価する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にプリント配線基板製造においては、その製造過程において配線パターンの断線や欠け、突起やショートと言った配線パターン欠陥を生じる。これら欠陥は主に検査装置を用いてその良否を検査仕様に基づき判別し、疑われる欠陥部位については欠陥候補としてその画像を表示し、人間の目視確認(以下、ベリファイ作業と称する)による最終合否判定を行っている。
【0003】
検査装置においては特定部位の配線パターンをCCDカメラにて撮像し、その画像をA/D変換部に出力する。A/D変換部にて画像を多階調デジタル画像データに変換し、そのデータから輝度ヒストグラムを生成する。
【0004】
輝度ヒストグラムから必要に応じて任意の輝度ピーク値、主に、低輝度側のピーク値と高輝度側のピーク値を用いて各輝度の濃度変化を行うキャリブレーション作業を通しコントラストの良い画像を得る。この画像より輝度ヒストグラムを生成し検査閾値を決定する。
【0005】
後にプリント配線基板の検査対象範囲をCCDカメラにて走査し、得られた画像を検査閾値に従い輪郭化し輪郭データを作成する。さらに、CADデータと輪郭データを比較し、その差より欠陥候補を決定すると共に欠陥候補の画像をモニタに表示する。
【0006】
例えば、特開2000−329532号公報(特許文献1)に記載された発明では、暗視野照明と顕微鏡およびCCDカメラにて配線パターンを撮像し、配線パターンの濃度断面を得ると共に検査閾値を決定し、この検査閾値に従い輪郭化することで撮像位置の影響が無く安定した検査が可能な方法が記載されている。
【0007】
一方、特開2008−144071号公報(特許文献2)にはコントラストの良い画像を提供するプリント配線基板材料の構成樹脂組成物の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−329532号公報
【特許文献2】特開2008−144071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年の電子機器の高機能化ならびに短納期化の要求に伴いプリント配線基板の高多層化、高密度化は著しく、さらには耐熱性や電気絶縁性と言った特性も重要となってきている。
【0010】
これら要求のもと製造された高多層プリント配線基板は種々の材料から構成され、信号や電源層導体厚および絶縁層間厚ならびに絶縁材料種など層構成の組み合わせは複雑である。このような層構成を有するプリント配線基板の多くは様々な輝度成分を有しており、配線パターンの検査においては配線パターンと絶縁材料の各輝度を分離する検査閾値の決定が重要である。
【0011】
ところが、暗視野照明を有する顕微鏡やCCDカメラを用いて検査閾値を決定する特許文献1では、様々な輝度成分の分離が困難である上、顕微鏡と言った微視領域を走査する方法では大型基板の検査に多大な時間を要し、短納期化の要求には不向きである。
【0012】
また、特許文献2に記載のコントラストを改善した樹脂組成物を採用するには多くの製造プロセスの変更や調整が必要であると共に、材料コストの面からその用途は限られる。
【0013】
いずれの場合においても、検査閾値の設定を誤って配線パターンを輪郭化した場合、検査装置は配線パターン以外の部位、例えばクリアランスなども配線パターンと見なして輪郭化し、欠陥候補が増大する上、ベリファイ作業には多大な時間を要すことになる。
【0014】
一方、検査工程はプリント配線基板に付加価値を生まないことから、検査工程のリードタイムは軽視され易く、十分な検査時間を製造計画に設定していない場合が多い。
【0015】
そこで、本発明の目的は、様々な輝度成分を呈する高多層プリント配線基板を検査する際に誤報告の少ない検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求め、かつ、事前に検査性を評価することによりベリファイ作業時間を予測するための検査パラメータ設定方法、検査性評価方法および検査システムを提供することにある。
【0016】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0018】
すなわち、代表的なものの概要は、検査対象のプリント配線基板を構成する各層のCADデータとその層構成情報を元にCADデータを合成し、検査面より透視した輝度成分マップを生成する。検査面の導体が厚い場合は必要に応じて設定した検査面のエッチングファクタを元にCADデータを補正し、輝度成分マップを生成する。輝度成分マップより検査面を構成する輝度成分の組を求め、全組を網羅する1つ以上の輝度評価領域を決定する。そして輝度評価領域を検査装置にて撮像し、各輝度成分に対応する輝度データを取得解析して各統計輝度値を求める。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0020】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、様々な輝度成分を呈する高多層プリント配線基板を検査する際に誤報告の少ない検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求めかつ、ベリファイ作業時間を予測することにより検査性を向上すると共に検査工程のリードタイムを最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る検査システムの検査の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施の形態に係る検査システムの最適キャリブレーション位置を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態に係る検査システムの誤報告密度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態に係る検査システムの構成を示す構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る検査システムの検査装置ステージ部分の断面を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用される層構成情報を説明するためのプリント配線基板の断面構造を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用される層構成情報を説明するためのプリント配線基板の断面構造を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用される層構成情報を説明するためのプリント配線基板の断面構造を示す図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る検査システムのエッチングファクタを元にCADデータを補正する例を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る検査システムのエッチングファクタを元にCADデータを補正する例を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る検査システムの3×3走査子を示す図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係る検査システムの輝度評価領域を決定する例を説明するための図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係る検査システムの輝度評価領域を決定する例を説明するための図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係る検査システムの最適キャリブレーション領域を決定する例を説明するための図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係る検査システムのベリファイ作業時間を予測する例を説明するための図である。
【図21】本発明の一実施の形態に係る検査システムのベリファイ作業時間を予測する例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
図1〜図3により、本発明の一実施の形態に係る検査システムの処理手順について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る検査システムの検査の処理手順を示すフローチャート、図2は本発明の一実施の形態に係る検査システムの最適キャリブレーション位置を決定する処理手順を示すフローチャート、図3は本発明の一実施の形態に係る検査システムの誤報告密度を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【0024】
まず、検査システムの検査の処理手順は図1に示すように、始めに検査装置に検査対象となるプリント配線基板の検査データを検査装置に読み込む(ステップ140)。ここでの検査データには、検査対象となるプリント配線基板の輪郭化したCADデータと検査仕様を含み、基板をアライメントするための位置情報や撮像画像をキャリブレーションするための特定部位の位置情報などが含まれる。
【0025】
そして、検査対象となるプリント配線基板を検査装置にセットする(ステップ125)。そして、検査情報より得たアライメント位置情報を元に検査基板の複数箇所の画像を撮像し、得た画像データを輪郭化し、対応するCADデータの同位置と位置合わせをするアライメント処理を行う(ステップ126)。
【0026】
この基板セット(ステップ125)からアライメント(ステップ126)までの処理を初期設定段階(ステップ127)と称する。
【0027】
そして、検査閾値を決定するため、検査データに登録された特定のキャリブレーション位置を検査装置に設定する(ステップ128)。このキャリブレーション位置は、検査対象であるプリント配線基板のCADデータにて、最も配線パターンの密度が微細な部位に設計段階で設定される場合が多い。
【0028】
そして、特定部位の配線パターンをCCDカメラにて撮像し、その画像をA/D変換部に出力する。A/D変換部にて画像を多階調デジタル画像データに変換し、そのデータから輝度ヒストグラムを生成する。輝度ヒストグラムから必要に応じて任意の輝度ピーク値、主に、低輝度側のピーク値と高輝度側のピーク値を用いて各輝度の濃度変化を行うキャリブレーション作業(ステップ129)を通し、コントラストの良い画像を得る。
【0029】
この画像より輝度ヒストグラムを生成し、配線パターンを検査する際に都合の良い検査閾値を決定する(ステップ130)。後にプリント配線基板の検査対象範囲をCCDカメラにて走査し基板を撮像し配線パターンの画像を得る(ステップ131)。
【0030】
そして、得られた画像をステップ130にて決定した検査閾値に従い輪郭化し輪郭データを作成する(ステップ132)。さらに、CADデータと輪郭データを比較し、その差より欠陥候補を決定する輪郭比較検査を行い(ステップ133)、得られた欠陥候補の画像をモニタに表示する(ステップ134)。
【0031】
キャリブレーション(ステップ129)から欠陥候補画像表示(ステップ134)までの処理を検査段階(ステップ135)と称する。
【0032】
そして、モニタに表示された欠陥候補画像を人間が目視確認するベリファイ作業を行い(ステップ136)、欠陥の合否を判定する(ステップ137)。欠陥の種類により、修正可能と判断された欠陥部位には目印となるシールなどが貼られ、後続の製造工程にて配線パターンを修正することも多い。
【0033】
最後に、検査結果の統計情報となる実報告件数と誤報告件数を登録し(ステップ138)、検査が終了する。ベリファイ(ステップ136)から実報告/誤報告件数の登録(ステップ138)までの処理をベリファイ作業段階(ステップ139)と称す。
【0034】
また、図1に示す初期設定段階(ステップ127)の後に行うキャリブレーション位置設定(ステップ128)を補う最適キャリブレーション位置を決定する処理手順は図2に示すように、始めに、検査対象となるプリント配線基板の層構成表を検査システムに読み込む(ステップ101)。
【0035】
そして、層構成表にて定義された各層のCADデータを読み込み(ステップ102)、読み込まれたCADデータとCCDカメラの解像度に従い、CADデータを分割するためのピクセルサイズを設定する(ステップ103)。そして、設定したピクセルサイズにてCADデータを分割し、分割されたCADデータのピクセルごとに階調情報を元に2値化を行う(ステップ104)。
【0036】
本実施の形態で用いるCADデータは、配線パターンには黒色で階調数0を持ち、未配線領域は白色で階調数255を持ち、例えば、黒(0)、白(1)のように階調数0と階調数255の間で2値化処理を行う。検査工程の前工程である配線形成工程におけるウェットエッチングプロセスにて、配線パターンの断面が台形形状となる場合、配線表面のパターンCADデータではパターン寸法に差が生じるため、エッチング補正の有無を指定する(ステップ105)。
【0037】
ステップ105でエッチング補正有りの場合は、CADデータを膨張収縮処理(ステップ106)し、配線パターンの台形形状を表現する。ウェットエッチングプロセスにて過度にエッチングされている場合はCADデータの収縮処理を行い、逆にエッチング量が少ない場合、配線パターンはCADデータよりも太くなるため、膨張処理を行う。
【0038】
そして、指定したピクセルサイズで2値化したCADデータよりメッシュ図を作成する(ステップ107)。次いで、検査対象となるプリント配線基板の検査面を設定し(ステップ108)、設定された検査面に従い検査面より透視した輝度成分マップを生成する(ステップ109)。
【0039】
また、層構成情報と輝度成分マップにて設定された輝度成分番号を用いて輝度成分表を出力する(ステップ110)。さらに、CCDカメラにて撮像される各ピクセルの輝度値を想定し、ステップ110にて出力された輝度成分表を再組み合わせする(ステップ111)。そして、再組み合わせされた輝度成分表より、配線パターン面積を計算する(ステップ112)。
【0040】
そして、ステップ111の輝度成分表にて定義された輝度成分番号を元に、既に情報としてライブラリに登録されているかを確認する(ステップ113)。ステップ113で、ライブラリに登録が無い場合、ステップ111の輝度成分表に従い輝度成分マップを生成する(ステップ114)。
【0041】
そして、輝度成分マップを走査するための走査子サイズを設定する(ステップ115)。走査子サイズはCCDカメラが有する最大素子サイズを満足することが望ましい。そして、走査子サイズを元にステップ114で生成された輝度成分マップを走査(ステップ116)し、輝度評価領域を決定する(ステップ117)。
【0042】
そして、実際にCCDカメラにて輝度評価領域を撮像し(ステップ118)、輝度データ表を作成する(ステップ119)。ライブラリに輝度成分番号が既に登録されていた場合、輝度成分マップ生成(ステップ114)から輝度データ表作成(ステップ119)の処理は不要であり、輝度データ表を参照し、ライブラリの登録値を使用する(ステップ120)。
【0043】
そして、輝度データ表から統計輝度を解析すると共に、検査尤度を解析する(ステップ121)。解析より得た統計輝度を元にステップ114にて生成した輝度成分マップを変換し(ステップ122)、この輝度成分マップを走査して(ステップ123)、最適キャリブレーション位置を決定する(ステップ124)。
【0044】
また、誤報告密度を決定する処理手順は、図3に示すように、図1に示すベリファイ作業段階(ステップ139)を経た後、確率密度分布計算を行う(ステップ141)。
【0045】
そして、輝度成分として、2種の輝度成分番号を設定し(ステップ142)、検査尤度を計算する(ステップ143)。そして、図2に示すステップ112にて決定した配線パターン面積を読み込み(ステップ144)、図1に示すステップ138にて登録された誤報告件数を取得する(ステップ145)。
【0046】
そして、配線パターン面積と誤報告件数より誤報告密度を計算し(ステップ146)、検査尤度と誤報告密度をライブラリに登録する。
【0047】
次に、図4および図5により、本発明の一実施の形態に係る検査システムの構成について説明する。図4は本発明の一実施の形態に係る検査システムの構成を示す構成図、図5は本発明の一実施の形態に係る検査システムの検査装置ステージ部分の断面を示す図である。
【0048】
図4において、検査システムは、検査対象の検査を行う検査装置1、CADデータを管理するCAD管理システム2、層構成情報を管理する層構成情報管理システム3、記憶装置であるハードディスク装置(HDD)6、メモリ(ROM/RAM)7、演算装置であるCPU8、モニタ9、キーボード10、プリンタ11、インタフェース(I/F)5から構成され、ハードディスク装置(HDD)6、メモリ(ROM/RAM)7、CPU8、表示装置であるモニタ9、キーボード10、およびプリンタ11はバス12を介して接続され、検査装置1、CAD管理システム2、および層構成情報管理システム3とハードディスク装置(HDD)6、メモリ(ROM/RAM)7、CPU8、モニタ9、キーボード10、およびプリンタ11とはインタフェース(I/F)5を介して接続されている。
【0049】
また、検査装置1、CAD管理システム2、および層構成情報管理システム3は、製造LAN4に接続されている。
【0050】
検査装置1にて撮像したデータおよびCADデータ管理システム2や層構成情報管理システム3より得たデータは、インタフェース(I/F)5を介して記憶装置であるハードディスク装置(HDD)6に蓄積する。
【0051】
演算装置であるCPU8は、ハードディスク装置(HDD)6に蓄積されたデータをメモリ(ROM/RAM)7に適宜格納し、これをCPU8が実行するプログラムにより参照して演算し、その結果をハードディスク装置(HDD)6やメモリ(ROM/RAM)7に格納する。
【0052】
また、必要に応じて演算結果をモニタ9やプリンタ11等の表示装置に出力する。CPU8の実行するプログラムは、操作者がキーボード10から起動指令を入力するか、当該プログラムの自動起動機能にて実行開始する。
【0053】
また、各部の間のデータの転送は、バス12を介して行われる。さらに、これらデータや演算結果の情報は、検査装置1を介して製造LAN4に接続した他の検査装置や製造装置でも参照可能となる。
【0054】
このような本実施の形態の検査システムの構成は、既存のシステムを利用しながら構築可能である。このシステム構成により、様々な輝度成分を呈する高多層プリント配線基板を検査する際に誤報告の少ない検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求めかつ、事前に検査性を評価することによりベリファイ作業時間を予測することが可能となる。
【0055】
また、検査装置1のステージの断面構造は、図5に示すように、ステージ17上には複数個の吸着孔16が設けられ、基板を吸着する。ステージ17はリニアヘッド(駆動用リニアモータ)19によりガイド18に沿ってX、Y方向に移動する。
【0056】
また、ステージ17上に吸着された基板の配線パターンをステージ17の移動に合わせて照明14を有するCCDカメラ13が撮像する。撮像したデータはA/D変換部15に出力され多階調デジタル画像データに変換し、インタフェース(I/F)5を介してハードディスク装置(HDD)6に蓄積する。
【0057】
次に、図6〜図8により、本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用される層構成情報について説明する。図6〜図8は本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用される層構成情報を説明するためのプリント配線基板の断面構造を示す図である。
【0058】
図6は以下の表1に示す層構成表に基づく3層プリント配線基板の層構成図を示す図である。各層をL1層、L2層、L3層と称し、L1層導体材料201よりなる信号層とL2層配線パターン203ならびにL2層絶縁材料204からなる電源層およびL3層導体材料206からなる信号層で構成され、L1層とL2層の層間にL1−2層間絶縁材料202を配し、L2層とL3層の層間にL2−3層間絶縁材料205を呈する。
【0059】
この層構成にて組まれたプリント配線基板は後続の積層プレス工程にて加熱圧着され、図7に示す積層後の3層プリント配線基板となる。さらに、表面研磨工程、配線形成工程などの製造プロセスを経て、図8に示すL1層配線パターン207およびL3層配線パターン208が形成される。
【0060】
これら配線パターンは配線形成工程におけるウェットエッチングプロセスにて、その断面形状が台形となることが多い。この場合L1層配線パターン幅216とL1層配線表面パターン幅217の差を求め、その差の半分の逆数をL1層配線導体厚218に乗じたエッチングファクタを用いて台形形状を表す。
【0061】
【表1】

【0062】
次に、図9〜図13により、本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータについて説明する。図9〜図13は本発明の一実施の形態に係る検査システムで使用されるCADデータを説明するためのプリント配線基板の各層の平面図である。
【0063】
図9は図8に示す3層プリント配線基板のL1層CADデータを示す図で、L1層配線パターン207および未配線領域215を含むL1層CAD図210にて構成される。
【0064】
また、図11は図8に示す3層プリント配線基板のL2層CADデータを示す図で、L2層配線パターン203および未配線領域215を含むL2層CAD図212にて構成される。
【0065】
また、図12は図8に示す3層プリント配線基板のL3層CADデータを示す図で、L3層配線パターン208および未配線領域215を含むL3層CAD図213にて構成される。
【0066】
さらに、図10は図9に示すL1層CADデータを画像処理にて収縮処理表現しエッチングファクタを考慮したL1層CAD図で、エッチングファクタを考慮したL1層配線表面パターン209と未配線領域215にて構成される。
【0067】
また、図13は図9〜図12を用いてL1層より透視したL1層〜L3層CAD図を示すもので、本実施の形態では、L1層を検査層とする。
【0068】
次に、図14〜図21により、本発明の一実施の形態に係る検査システムの処理による具体例について説明する。
【0069】
図14〜図21は、本発明の一実施の形態に係る検査システムの処理による具体例を説明するための図であり、図14および図15はエッチングファクタを元にCADデータを補正する例を説明するための図、図16は3×3走査子を示す図、図17および図18は輝度評価領域を決定する例を説明するための図、図19は最適キャリブレーション領域を決定する例を説明するための図、図20および図21はベリファイ作業時間を予測する例を説明するための図である。
【0070】
まず、図14は図9に示すL1層CADデータをX方向基板サイズとY方向基板サイズを指定ピクセル302にてピクセル分割したL1層CADデータのメッシュ図である。この場合、L1層配線パターン207は黒色で各ピクセルは階調数0を持ち、未配線領域215は白色で各ピクセルには階調数255が格納される。
【0071】
図16は3×3走査子を示したものである。この走査子にて図14を左上から右下まで走査する。この際に着目ピクセル314の周辺8つのピクセルが有する階調値を評価し、1つでも未配線領域215の階調数である255を有する場合、着目ピクセル314を未配線領域215の階調数に変換することで、図10に示すエッチングファクタを考慮したL1層CAD図が完成する。
【0072】
走査子やピクセルのサイズは、評価対象に合わせて任意に決め、正確な情報を得ることが必要である。また、所定のエッチング補正量を満足すべく膨張収縮処理を複数回実施することもある。
【0073】
図15は、図14と同様に図11、図12もメッシュ表現し、それぞれメッシュ表現された図を、図16に示す3×3走査子にて走査し、L1層より透視した際の各ピクセル位置における下層の状態(配線パターン、絶縁材料)を区分し、以下の表2記載の輝度成分表に基づきラベリングしたものである。
【0074】
図15に示す図では、L1層配線パターン、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分304、L1層配線パターン、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分305、L1層配線パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分306、L1層配線表面パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分307、L1層配線表面パターン、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分308、L1層配線表面パターン、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分309、L1層絶縁材料、L2層配線パターン、L3層配線パターンからなる輝度成分310、L1層絶縁材料、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分311、L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分312、L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分313の10種の輝度成分より構成されている。
【0075】
【表2】

【0076】
次に、図15および表2に基づき、実際に検査した際にCCDカメラ13にて撮像される各ピクセルの輝度値を想定して、図17に示す再組み合わせ後の輝度成分マップを生成する。
【0077】
図15および表2にてL1層に配線パターンや配線表面パターンを呈するピクセル位置では、検査時の照明14にて発せられた光はL1層にて反射され、L2層やL3層などの下層の影響を受けない。従って、表2は以下の表3に示す再組み合わせ後の輝度成分表に分類し直すことができる。
【0078】
最終的に、生成された図17に示す再組み合わせ後の輝度成分マップが、本実施の形態における検査面より透視した輝度成分マップとなる。
【0079】
この場合、L1層配線パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分306、L1層配線表面パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分307、L1層絶縁材料、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分311、L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分312、L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分313の5種の輝度成分に集約される。
【0080】
【表3】

【0081】
また、図18に示すように、5種の輝度成分に集約された図17に示す再組み合わせ後の輝度成分マップを、図16に示す3×3走査子のサイズを50×50として画像を左上から右下まで走査する。
【0082】
この走査子サイズはできればCCDカメラ13が有する最大素子サイズを満足することが望ましい。この走査子にて画像の左上から右下までに至る全ピクセルを走査する際に、各着目ピクセルにおいて走査子内に含まれる各輝度成分の数(各輝度成分面積)と輝度成分の種類をカウントする。
【0083】
全ピクセルの走査が終了した際に、着目ピクセルごとに各輝度成分面積と輝度成分の種類を評価し、各輝度成分面積のばらつきが少なく、輝度成分の種類が最も多い着目ピクセルのX座標、Y座標を輝度評価領域の中心とし、輝度評価領域316を決定する。
【0084】
しかし、この方法にて、上記表3に記載の輝度成分数5種を含む輝度評価領域を決定出来なかった場合は、不足した輝度成分の種類を含む2番目に輝度成分の種類が多い輝度評価領域を評価すれば良い。
【0085】
また、各輝度評価領域における輝度成分は重複しても良い。この方法にて全ての輝度成分の種類を含む輝度評価領域を1つ以上決定する。次に、検査装置に検査対象基板をセットし、決定した輝度評価領域を撮像する。そして、以下の表4に示す各輝度成分に対する輝度データ表を作成する。
【0086】
【表4】

【0087】
そして、各輝度成分番号に対応する輝度データの纏まりの平均と標準偏差値を計算し、以下の表5に示す各輝度成分に対する統計輝度値を算出する。
【0088】
【表5】

【0089】
この統計輝度値における平均値を図17に示す再組み合わせ後の輝度成分マップにおける各輝度成分番号に代入し、再度、図16に示す走査子を用いて画像の左上から右下までに至る全ピクセルを走査する。この場合も図18と同様に、走査子サイズを50×50としている。
【0090】
走査子サイズはできればCCDカメラ13が有する最大素子サイズを満足することが望ましい。この走査子にて走査する際に、各着目ピクセルにおいて走査子内に含まれる各輝度成分の数(各輝度成分面積)と輝度成分の種類、標準偏差値および最大値、最小値より求めたレンジをカウントする。全ピクセルの走査終了後、標準偏差値とレンジが最も大きくかつ輝度成分の種類が多い着目ピクセルを1つ決定し、最適キャリブレーション位置とする。
【0091】
図19に最適キャリブレーション位置を示す。最適キャリブレーション位置501を中心にキャリブレーション領域502を決定した。なお、キャリブレーション領域502は走査子サイズである。
【0092】
以下の表6に本実施の形態における各輝度成分と面積を示す。図19に示す最適キャリブレーション位置を決定する際に、図16に示す走査子を用いてカウントした各輝度成分の数をピクセル単位で輝度成分面積として出力し、検査面L1層の配線パターン面積つまりは輝度成分番号306、307の和を本実施の形態における配線パターン面積とする。
【0093】
【表6】

【0094】
図20は、各輝度成分における確率密度分布と検査尤度を示しており、横軸を輝度として、縦軸を確率密度とした場合、符号601、602、603、604、605はそれぞれ、輝度成分番号312、311、313、306、307に対応する確率密度分布を示し、その分布は以下の数1の式の正規分布形状で表される。
【0095】
【数1】

【0096】
図20に示す符号607は確率密度分布603の正方向側裾野の位置を示し、輝度成分番号313の平均値+3σ位置を示す。
【0097】
また、符号608は確率密度分布604の負方向側裾野の位置を示し、輝度成分番号306の平均値−3σ位置を示す。符号608から符号607の輝度位置を差した大きさを検査尤度として符号606にて表す。
【0098】
図21は、ライブラリに登録された検査尤度と誤報告密度を、横軸に検査尤度、縦軸に誤報告密度を取りプロットした図である。図21の符号701は、検査尤度が0未満の検査尤度と誤報告密度との関係を示す1次近似式で、符号702は各プロットである。各プロットにおいて検査尤度を示す横軸を(x1、x2、・・・)とし、縦軸は誤報告密度(y1、y2、・・・)とすると、1次近似式は以下の数2の式で表される。
【0099】
実際に検査対象のプリント配線基板における検査尤度と配線パターン面積を前述の方法にて求め、検査尤度を以下の数2の式に代入し誤報告密度を求め、以下の数3の式に求めた誤報告密度と配線パターン面積を代入し、ベリファイ作業時間を計算する。以下の数3の式のベリファイ時間は製造で標準作業時間として定義される欠陥1件当たりの確認者の確認時間である。
【0100】
【数2】

【0101】
(数3)
ベリファイ作業時間=誤報告密度×配線パターン面積×ベリファイ時間
以上のように、本実施の形態では、様々な輝度成分を呈する高多層プリント配線基板を検査する際に誤報告の少ない検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求めかつ、ベリファイ作業時間を予測することにより検査性を向上すると共に検査工程のリードタイムを最適化することが可能である。
【0102】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、高多層プリント配線基板のような複数の層を有するプリント配線基板に設けられた配線パターンの欠陥を画像処理にて検査する検査システムなどに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…検査装置、2…CAD管理システム、3…層構成情報管理システム、4…製造LAN、5…インタフェース(I/F)、6…ハードディスク装置(HDD)、7…メモリ(ROM/RAM)、8…CPU、9…モニタ、10…キーボード、11…プリンタ、12…バス、13…CCDカメラ、14…照明、15…A/D変換部、16…吸着孔、17…ステージ、18…ガイド、19…リニアヘッド、201…L1層導体材料、202…L1−2層間絶縁材料、203…L2層配線パターン、204…L2層絶縁材料、205…L2−3層間絶縁材料、206…L3層導体材料、207…L1層配線パターン、208…L3層配線パターン、209…エッチングファクタを考慮したL1層配線表面パターン、210…L1層CAD図、212…L2層CAD図、213…L3層CAD図、215…未配線領域、216…L1層配線パターン幅、217…L1層配線表面パターン幅、218…L1層配線導体厚、302…ピクセル、304…L1層配線パターン、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分、305…L1層配線パターン、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分、306…L1層配線パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分、307…L1層配線表面パターン、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分、308…L1層配線表面パターン、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分、309…L1層配線表面パターン、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分、310…L1層絶縁材料、L2層配線パターン、L3層配線パターンからなる輝度成分、311…L1層絶縁材料、L2層配線パターン、L3層絶縁材料からなる輝度成分、312…L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層配線パターンからなる輝度成分、313…L1層絶縁材料、L2層絶縁材料、L3層絶縁材料からなる輝度成分、314…着目ピクセル、316…輝度評価領域、501…最適キャリブレーション位置、502…キャリブレーション領域、601…輝度成分番号312の確率密度分布、602…輝度成分番号311の確率密度分布、603…輝度成分番号313の確率密度分布、604…輝度成分番号306の確率密度分布、605…輝度成分番号307の確率密度分布、607…確率密度分布603の正方向側裾野の位置、608…確率密度分布604の負方向側裾野の位置、606…検査尤度、701…検査尤度と誤報告密度との関係を示す1次近似式、702…検査尤度と誤報告密度のプロット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層を有するプリント配線基板に設けられた配線パターンの欠陥を画像処理にて検査する検査システムにおける検査パラメータ設定方法であって、
前記検査システムにより、前記プリント配線基板を構成する各層のCADデータおよびその層構成情報に基づいて、前記CADデータを合成し、合成したCADデータをエッチングファクタに基づいて補正して検査面より透視した輝度成分マップを生成し、前記輝度成分マップに基づいて前記検査面を構成する輝度成分の組を求め、全組を網羅する1つ以上の輝度評価領域を決定することを特徴とする検査パラメータ設定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の検査パラメータ設定方法において、
前記検査システムにより、前記輝度評価領域を撮像し、各輝度成分に対応する輝度データを取得解析して各統計輝度値を求めることを特徴とする検査パラメータ設定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の検査パラメータ設定方法において、
前記検査システムにより、前記各統計輝度値を前記輝度成分マップに代入し、検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求めることを特徴とする検査パラメータ設定方法。
【請求項4】
複数の層を有するプリント配線基板に設けられた配線パターンの欠陥を画像処理にて検査する検査システムにおける検査性評価方法であって、
前記検査システムにより、前記プリント配線基板を構成する各層のCADデータとその層構成情報に基づいて、前記CADデータを合成し、合成したCADデータをエッチングファクタに基づいて補正して検査面より透視した輝度成分マップを生成し、前記輝度成分マップに基づいて前記検査面を構成する輝度成分の組を求め、全組を網羅する1つ以上の輝度評価領域を決定し、前記輝度評価領域を撮像し、各輝度成分に対応する輝度データを取得解析して各統計輝度値を求め、前記輝度成分マップおよび前記統計輝度値に基づいて、前記各輝度成分の確率密度分布を計算し、高輝度側の輝度成分と隣接する輝度成分の前記確率密度分布の干渉具合に基づいて検査尤度を求めることを特徴とする検査性評価方法。
【請求項5】
請求項4に記載の検査性評価方法において、
前記検査システムにより、前記輝度評価領域を撮像し、前記各輝度成分に対応する前記輝度データを取得解析して前記各統計輝度値を求め、前記各統計輝度値を前記輝度成分マップに代入し、検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求め、前記最適キャリブレーション位置にて前記検査面を検査し、その結果をベリファイした際の誤報告数および配線パターン面積に基づいて、誤報告密度を求め、前記検査尤度と対でライブラリに登録することを特徴とする検査性評価方法。
【請求項6】
請求項5に記載の検査性評価方法において、
前記検査システムにより、前記ライブラリに登録された前記検査尤度および前記誤報告密度に基づいて、前記検査尤度と前記誤報告密度との関係を示す近似式を算出し、前記近似式に、実際の検査対象の前記プリント配線基板の前記検査尤度を代入して、前記誤報告密度を求め、求めた誤報告密度および前記プリント配線基板の前記配線パターン面積に基づいて、ベリファイ作業時間を求めることを特徴とする検査性評価方法。
【請求項7】
複数の層を有するプリント配線基板に設けられた配線パターンの欠陥を画像処理にて検査する検査システムであって、
前記プリント配線基板を検査する検査装置と、
前記プリント配線基板を構成する各層のCADデータとその層構成情報を読み出し記憶すると共に、輝度成分マップ、エッチングファクタ、各輝度成分、前記各輝度成分に対応する輝度データと統計輝度値、前記各輝度成分に対応する検査尤度と誤報告密度を記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された情報に基づいて、前記輝度成分マップ、輝度成分の組、前記統計輝度値、前記検査尤度、前記誤報告密度、輝度評価領域、最適キャリブレーション位置を演算する演算装置と、
前記演算装置の演算結果を表示する表示装置とを備え、
前記演算装置は、前記プリント配線基板を構成する各層の前記CADデータおよびその層構成情報に基づいて、前記CADデータを合成し、合成したCADデータを前記エッチングファクタを元に補正して検査面より透視した前記輝度成分マップを生成し、前記輝度成分マップに基づいて前記検査面を構成する前記輝度成分の組を求め、全組を網羅する1つ以上の前記輝度評価領域を決定することを特徴とする検査システム。
【請求項8】
請求項7に記載の検査システムにおいて、
前記演算装置は、前記輝度評価領域を撮像し、各輝度成分に対応する輝度データを取得解析して各統計輝度値を求めることを特徴とする検査システム。
【請求項9】
請求項8に記載の検査システムにおいて、
前記演算装置は、前記各統計輝度値を前記輝度成分マップに代入し、検査閾値を決定するための最適キャリブレーション位置を求めることを特徴とする検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−7526(P2011−7526A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149098(P2009−149098)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】