樹脂封止装置および樹脂封止方法
【課題】基板に表面実装した半導体素子を樹脂封止した成形品を、金型から離型する際に生じ得る基板の破損を防止し、歩留まりの高い樹脂封止金型装置および樹脂封止方法を提供する。
【解決手段】キャビティブロック63の上面に設けたキャビティ部68に樹脂封止材料を注入するとともに、プリント基板1に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置である。特に、前記キャビティブロック63と保持装置90の下面に設けた当接部材98とで挟持した前記プリント基板1を、前記キャビティブロック63からトランスファーピン66で突き出し、離型する。
【解決手段】キャビティブロック63の上面に設けたキャビティ部68に樹脂封止材料を注入するとともに、プリント基板1に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置である。特に、前記キャビティブロック63と保持装置90の下面に設けた当接部材98とで挟持した前記プリント基板1を、前記キャビティブロック63からトランスファーピン66で突き出し、離型する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の少なくとも片面に搭載した半導体装置、例えば、集積回路,光半導体素子を樹脂封止する樹脂封止装置および樹脂封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に搭載した半導体素子等の電子部品を樹脂封止する基板としては、例えば、放熱特性に優れたセラミック材料からなり、かつ、LED,半導体レーザ等の光電子部品,パワー半導体素子等を搭載したセラミック基板がある。そして、樹脂封止後に成形品を金型から離型する場合に、例えば、特許文献1の図1に示すように、エジェクタピン15で成形品の基板3を突き出す構成としたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−319900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の樹脂封止装置では、成形品をエジェクタピン15で突き出して離型させる場合に、突き出された際の衝撃力で基板自体が破損するおそれがある。特に、成形品の表面にクラックが発生すると、被封止物である半導体素子も破損するおそれがあり、歩留まりが悪いといった問題点がある。
さらには、特許文献1に示す樹脂封止装置では、基板を押出す下型2に設けられたエジェクタピン15と、上型1に設けられたエジェクタピン15とが設けられ、このように、エジェクタピン、およびそれに伴うエジェクタ駆動装置が成形品を離型させる為だけに個別に必要であった。
本発明は、前記問題点に鑑み、基板に表面実装した半導体素子を樹脂封止した成形品を、金型から離型する際に生じ得る基板の破損を防止し、歩留まりが高いとともに、シンプルな樹脂封止装置および樹脂封止方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る樹脂封止装置は、前記課題を解決すべく、キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置であって、下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を備え、前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで挟持された前記基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出して離型する構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャビティブロックと当接部材とで挟持された樹脂封止後の基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出すので、トランスファーピンの衝撃力を緩衝部材が吸収,緩和し、基板の破損を防止できる。このため、前記基板に表面実装した半導体素子の破損も防止できる。
【0007】
本発明の実施形態としては、キャビティブロックに注入された樹脂封止材料に所定の圧力を付与するトランスファーピンで、樹脂封止後の基板をキャビティブロックから突き出す構成としてある。
本実施形態によれば、トランスファーピンで成形圧力を調整できるとともに、成形後の離型作業をも行うことができる。このため、エジェクタピン、およびそれに伴うエジェクタ駆動装置が不要となる為、樹脂封止装置の部品点数が少なくなり、構造が簡単で安価な樹脂封止装置が得られる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、キャビティブロックを包囲する枠形状を有し、かつ、内周縁部に設けた環状段部に基板の外周縁部を位置決めするとともに、前記基板を離型方向に付勢するフレームガイドを設けた構成としてある。
本実施形態によれば、フレームガイドの付勢力で、樹脂封止後の基板の外周縁部を均一に押し上げて離型できる。このため、前記基板に負荷される押し上げ力のバラツキが小さくなり、基板がより一層破損しにくくなる。
【0009】
本発明の別の実施形態としては、保持装置に設けた当接部材で基板を吸引する構成としてある。
本実施形態によれば、当接部材の吸引力で樹脂封止前後の基板を吸引することにより、基板に反りや不陸を生じない状態で樹脂封止できるとともに、離型させることができる。このため、成形精度にバラツキが生じないとともに、基板がより一層破損しにくくなる。
【0010】
本発明の異なる実施形態としては、当接部材の当接面に複数の凹部を格子状に配置した構成としてもよい。
本実施形態によれば、複数の凹部を格子状に配置することにより、樹脂封止前後の基板を吸引する際に偏りが生じにくいので、基板の成形精度が高いとともに、破損を効果的に阻止できる。
【0011】
本発明に係る樹脂封止方法としては、キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止方法であって、下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を配置し、前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで前記基板を挟持した後、前記基板を前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出し、離型する工程としてある。
【0012】
本発明によれば、キャビティブロックと当接部材とで挟持された樹脂封止後の基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出すので、トランスファーピンの衝撃力を緩衝部材が吸収,緩和し、基板の破損を防止できる。このため、前記基板に表面実装した半導体素子の破損も防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1A,1B,1Cは本願発明に係る樹脂封止装置にて樹脂封止された成形品を示す斜視図、正面図および切り出された光半導体装置単体の斜視図である。
【図2】本願発明に係る樹脂封止装置の正面図である。
【図3】図2に示した樹脂封止装置の要部断面図である。
【図4】本願発明に係る樹脂封止装置の側面図である。
【図5】本願発明に係る樹脂封止装置の平面断面図である。
【図6】図4に示した樹脂封止装置の要部拡大断面図である。
【図7】図5に示した樹脂封止装置の要部拡大平面図である。
【図8】図4,図5に示した保持装置の拡大側面図である。
【図9】図8に示した保持装置の要部拡大平面図である。
【図10】図10A,10Bは本願発明に係る樹脂封止装置の成形工程を説明するための断面図である。
【図11】図11A,11Bは図10Bに続く断面図である。
【図12】図12A,12Bは図11Bに続く断面図である。
【図13】図13A,13Bは図12Bに続く断面図である。
【図14】図14は図13Bに続く断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る樹脂封止装置の実施形態を図1ないし図14の添付図面に従って説明する。
本実施形態に係る樹脂封止装置は、図1A,1Bに示すように、導電パターンが印刷されたセラミック製のプリント基板1の片面に所定のピッチで実装した光半導体素子2、例えば、LEDを樹脂封止するためのものである。
【0015】
本実施形態に係るLED用の樹脂封止材料としては、耐熱性、光透過性が優れたシリコーン材を主原料とした材料が用いられる。この様な前記樹脂封止材料は従来から使用されているタブレットといわれる固形状のものだけでなく、液状の樹脂封止材料を金型内に注入し、加熱,熱硬化させることにより、所望の形状を得ることが出来る。例えば、本願では、後述するようにプリント基板1上に設けた成形部6に隣接する不要樹脂4を備えた成形品3としてもよい。そして、前記成形品3は後工程のダイシング工程で個々の光半導体装置5(図1C)に切断され、バンプ接続等の処理を行った後、母基板へ搭載される。
【0016】
前記プリント基板1を樹脂封止する樹脂封止装置は、図2に示すように、ベースプレート10上に立設した4本のタイバ11の上端部に固定されたプラテン12と、前記プラテン12の下面に固定された上金型セット20と、前記上金型セット20の下方側に位置し、かつ、前記ベースプレート10の上面に沿ってスライド可能に配置されたスライドプレート30と、前記スライドプレート30上に設置された下金型セット40と、からなるものである。そして、図5に示すように、前記ベースプレート10の待機位置Pに向けて交互に往復移動するように保持装置90およびディスペンサ装置100が配置されている。
【0017】
前記上金型セット20は、図6に示すように、前記プラテン12の下面に固定された上金型ダイセット21と、この上金型ダイセット21の下面に固定された上金型チェス22と、で構成されている。前記上金型チェス22には後述するガイドピン62cが挿入されるガイド孔23が形成されている。さらに、前記上金型チェス22の下面のうち、前記プリント基板1の投影面内に、前記プリント基板1が吸引される吸引孔24を均等に設けてある。前記吸引孔24は、前記上金型ダイセット21と上金型チェス22とに形成された通気路25を介し、図示しない真空発生装置に接続されている。同様に、成形時の密閉空間を真空にするための通気路26が図示しない真空発生装置に接続されている。
【0018】
下金型セット40は、前記ベースプレート10の上面に沿ってスライド可能に設置されたスライドプレート30の上面に、下金型ダイセット41および下金型チェス60を順次、組み付けたものである。また、下金型セット40は、その成形位置に位置する前記スライドプレート30の直下に、前記ベースプレート10に組み付けた昇降装置80を備えている。
【0019】
前記スライドプレート30は、前記ベースプレート10の上面に平行に設置した一対のガイドレール13に沿って待機位置P(図4)と成形位置(図6)との間をスライド移動できるように組み付けられている。そして、図4に示すように、電動モータ14でボールネジ15を回動することにより、前記スライドプレート30は待機位置Pと成形位置との間を往復移動する。また、前記スライドプレート30は、図6に示すように、その側方に配置した電動モータ31を駆動し、ベルト32を介し、図3に示すナット33を回動することによって上下動するボールネジ34を内蔵している。さらに、前記ナット33の両側に配置したブッシュ35を介して上ジョイント36を吊り下げてある。そして、前記スライドプレート30は、その中央下部に位置し、かつ、ベースプレート10上に固定されたサポートブロック16により、型締め時に支持される構造となっている。
【0020】
下金型ダイセット41は、前記スライドプレート30にシリンダーベース42,中間ベース43を順次、積み重ねて構成してある。また、前記下金型ダイセット41は、前記中間ベース43の上面縁部に環状の固定枠44を積み重ねてある。前記固定枠44は、上面に環状のシール材45を備えた可動枠47を、駆動装置46(図2参照)を介して上下動可能に配置してある。
【0021】
前記シリンダーベース42内において、図3に示すように、前記ボールネジ34によって押し上げ可能に配置されたセンタープレート48は内ホルダ49にスライド係合してある。そして、前記内ホルダ49の隅部に立設した連結シャフト50の上端部は下金型チェス60のトランスファープレート64に連結一体化してある。また、前記ブッシュ35を介して押し上げ可能に配置された外プレート51は外ホルダ52にスライド係合してある。そして、前記外ホルダ52に立設した連結シャフト53の上端部は前記中間ベース43内に配置されたロワープレート54に連結一体化してある。
【0022】
前記シリンダーベース42および中間ベース43内には、2本1組で4列に配列された計8本のピストン55を収納するとともに、ピストンカバー56で密閉された空間が形成されている。前記空間は圧力媒体である液体が充填されるとともに、図示しない注入口、排出口から液体を流出入させることにより、ピストン55を上下動させ、ロワープレート54を通じて後述するキャビティブロック63に所定の圧力を付与する。
【0023】
下金型チェス60は、図3および図6に示すように、前記中間ベース43および前記固定枠44で形成された空間内に設置されるものであり、枠状のホルダーベース61の外側面に側面カバー61aを取り付けてあるとともに、前記ホルダーベース61の内にバックプレート62を配置してある。なお、本実施形態はプリント基板1を2枚同時に成形可能な構成であり、下金型チェス60内は2組の構成部品を具備しているが、1枚取りであってもよい。前記バックプレート62は、前記下金型ダイセット41のロワープレート54に立設したサポートピン54aを介して支持されているとともに、ロワープレート54に挿通したショルダーボルト62aを介して抜け止めされている。そして、前記バックプレート62は、図7に示すように、その上面中央部にキャビティブロック63を載置してあるとともに、その上面外周縁部にスプリング62bを介して枠形状のフレームガイド65を支持してある。前記フレームガイド65は、前記スプリング62bにより、前記キャビティブロック63の上面から上方に突き出すように付勢されている。また、前記フレームガイド65は、その内周縁部にプリント基板1を位置決めするための環状段部65aを形成してある一方、その上面から前記バックプレート62に立設したガイドピン62cが出し入れ可能に突出している。さらに、前記フレームガイド65には、手作業でプリント基板1をセットする際の位置決め作業、および、取り出し作業を容易にするため、切り欠き部65bが形成されている。
【0024】
また、前述した様に前記バックプレート62の下方側に配置されたトランスファープレート64は、前記下金型ダイセット41の連結シャフト50を介して支持されている。前記トランスファープレート64は、スプリング66aのバネ力で付勢されるトランスファーピン66の下方部を挿通してある。一方、前記トランスファーピン66の上方部はバックプレート62およびキャビティブロック63に対して出し入れ可能に挿通しており、その先端部分は後述する樹脂溜まり部69に挿通している。このため、前記トランスファーピン66は、電動モータ31を駆動して上下動させることにより、キャビティブロック63に供給された樹脂封止材料9に一定の圧力を付与するとともに、成形後の成形品3を突き出し可能となっている。
【0025】
キャビティブロック63は、図7に示すように、平面略方形状を有し、その上面に形成された凹所67内に半球状のキャビティ部68を格子状に配置するとともに、前記凹所67の対向する両辺に沿って樹脂溜まり部69を形成してある。前記樹脂溜まり部69は、連通路70を介して前記凹所67に連通しているとともに、その所定の位置にトランスファーピン66を挿通できるピン孔71が形成されている。また、前記凹所67に連通する位置に、キャビティブロック63内の樹脂充填圧力を検知できる圧力センサー72が設けられている。
【0026】
昇降装置80は、図3に示すように、ベースプレート10の下面に取り付けられたサポートシャフト81の下端部にナット82が配置されている。そして、図6に示すように、前記ナット82を電動モータ83で回動し、ボールネジ84の上端部に取り付けたガイドプレート85を上下動させることにより、前記ガイドプレート85の隅部に取り付けたガイドシャフト86を上下動させる。また、隣り合う一対のガイドシャフト86の上端部は下ジョイント87で連結されている。
【0027】
保持装置90は、図4,5に示すように、樹脂封止前後のプリント基板1を吸引して保持するための装置であり、ベースプレート10の待機位置に向けて往復移動可能であるとともに、上下動可能に支持されている。また、保持装置90も下金型チェス60と同様に2枚取りの構成である。そして、図8,9に示すように、前記保持装置90は、長方形の上プレート91に、4本1組のポスト92を介し、2枚の正方形の下プレート93をそれぞれ吊り下げてある。
また、前記上プレート91と前記下プレート93との間には、ゴム材等からなる緩衝部材94を4隅に計4箇所で挟持しており、その位置は前述したトランスファーピン66の軸心上に配置されている。さらに、前記上プレート91は、その両側下面縁部に設けたガイド部95を介してガイドシャフト96を軸心方向にスライド可能に支持している。そして、前記ガイドシャフト96,96は、常時、外方に付勢するようにスプリング96aがそれぞれ組み付けられているとともに、その先端部に設けた連結バー97を介して連結されている。さらに、前記連結バー97の両端部には、係止爪97aがそれぞれ設けられている。
一方、下プレート93は、その下面にスポンジ等からなる板状当接部材98を接着してある。前記板状当接部材98は、その下面に最も深い底面正方形の凹部98aを設けるとともに、最下面との間に若干の隙間を形成するように格子状の凸部98bが設けられている。そして、吸引パイプ99が前記凹部98aにそれぞれ連通し、前記プリント基板1を吸引可能となっている。
【0028】
なお、前記保持装置90は、搬送距離および搬送機能を高めたアンローダ装置を利用してもよいことは勿論である。
【0029】
ディスペンサ装置100は、図5に示すように、図示しない駆動装置を介してベースプレート10上の待機位置Pに向けて往復移動可能である。そして、前記ディスペンサ装置100は、待機位置Pに引き出された下金型ダイセット41のキャビティブロック63に、計量された液状の樹脂封止材料9を注入する。
【0030】
次に、本実施形態に係る樹脂封止装置による封止方法を、主として図10ないし図14の添付図面に従って説明する。
まず、電動モータ14を駆動してボールネジ15を回動させることにより、図4において2点鎖線で示した待機位置Pまでスライドプレート30をスライド移動させる。そして、露出したフレームガイド65の環状段部65aにプリント基板1を手動あるいは図示しないインローダ装置で位置決めする。
本実施形態では、フレームガイド65に環状段部65aが形成されているので、プリント基板1を手動で位置決めする作業が簡単、かつ、正確になる。また、フレームガイド65に切り欠き部65bが形成されているので、作業者がプリント基板1を位置決めする際に、プリント基板1を掴んだ指の逃がしとなり、プリント基板1を手動で位置決めする作業が簡単、かつ、正確になる。
なお、前記プリント基板1の位置決めはフレームガイド65に設けた位置決めピン(図示せず)で行ってもよい。
【0031】
そして、電動モータ14を駆動して前記ボールネジ15を逆回転させることにより、キャビティブロック63を成形位置まで移動させると(図10A)、上ジョイント36が下ジョイント87に係合する(図6)。
なお、本実施形態によれば、プリント基板1はフレームガイド65の内周縁部に位置決めされており、前記フレームガイド65はキャビティブロック63の上面から上方に突き出すように付勢されている。このため、前記プリント基板1は宙づり状態にある。この結果、キャビティブロック63が成形位置まで移動する際に振動,衝撃等が加わっても、プリント基板1に搭載されている光半導体素子2、あるいは、前記光半導体素子2とプリント基板1とを接続するAUワイヤが、前記キャビティブロック63に当接することを防止できる。
【0032】
ついで、電動モータ83を駆動すると、ナット82に螺合するボールネジ84が回動し、ガイドシャフト86を押し上げることにより、下ジョイント87および上ジョイント36を介し、プレート51およびホルダ52を押し上げる。このため、前記ホルダ52に立設した連結シャフト53を介してロワープレート54、サポートピン54aが押し上げられ、バックプレート62が押し上げられる。この結果、前記バックプレート62にスプリング62bを介して弾性支持されているフレームガイド65が上昇し、プリント基板1も上昇する。そして、ガイドピン62cがガイド孔23に嵌入して所定の位置に正確に位置決めされるとともに、前記プリント基板1が上金型チェス22の下面に圧接する(図10B)。
【0033】
なお、前記ロワープレート54が上昇するとき、ロワープレート54に連結されたピストン55が上昇し、大径部55aの上面に存在していた液体は図示しない排出口から排出され、ロワープレート54の動作に追従する。
【0034】
図示しない真空装置を駆動することにより、上金型チェス22の下面に設けた吸引孔24がプリント基板1を吸着保持した後、電動モータ83を駆動することにより、キャビティブロック63を下降させる(図11A)。なお、キャビティブロック63の下降前にフレームガイド65がスプリング62bのバネ力を介してプリント基板1を上金型チェス22の下面に押圧しているので、プリント基板1に反りや不陸は生じない。
【0035】
そして、電動モータ14を駆動することにより、下金型セット40を成形位置から待機位置Pまで再度、移動させる。ついで、ディスペンサ装置100を前記キャビティブロック63の上方までスライド移動させた後、キャビティ部68に計量された液状の樹脂封止材料9を注入する(図11B)。
【0036】
ついで、電動モータ14を駆動し、ボールネジ15を逆回転させることにより、スライドプレート30を成形位置に復帰させることにより、上ジョイント36と下ジョイント87とが係合する。そして、可動枠47が上昇し、上金型チェス22の下面にシール材45を密着させた後、図示しない真空発生装置を駆動することにより、通気路26を介して上金型チェス22と中間ベース43との間に形成された密閉空間の空気を排出し、所定の圧力まで減圧する(図12A)。
【0037】
さらに、電動モータ83を駆動することにより、ナット82に螺合するボールネジ84が回動し、ガイドシャフト86を押し上げることにより、下ジョイント87および上ジョイント36を介してプレート51およびホルダ52を押し上げる。このため、前記ホルダ52に立設した連結シャフト53を介してロワープレート54、サポートピン54aが押し上げられ、バックプレート62が押し上げられる。この結果、前記バックプレート62にスプリング62bを介して弾性支持されているフレームガイド65が上昇する。
なお、前記ロワープレート54が上昇するとき、ロワープレート54に連結されたピストン55が上昇し、大径部55aの上面に存在していた液体は図示しない排出口から排出され、ロワープレート54の動作に追従する。
【0038】
そして、ガイドピン62cがガイド孔23に嵌入して所定の位置に正確に位置決めされ、所定位置に保持されているプリント基板1が環状段部65aに嵌合する。そして、前記プリント基板1が、上金型チェス22の下面と、フレームガイド65およびキャビティブロック63とで挟持される(図12B)。このため、キャビティ部68内の樹脂封止材料9にプリント基板1に実装された光半導体素子2が浸される。この工程において、上金型チェス22に予め保持されたプリント基板1の光半導体素子2、および、光半導体素子2に接続されたワイヤ等が、キャビティブロック63のキャビティ部68に注入された樹脂封止材料9に接するまでは比較的高速に移動し、その後は低速、かつ、低圧力で型締めを行う。
【0039】
次に、図示しない加圧装置を駆動することにより、ピストン55の大径部55aの下部に液体を注入して加圧し、型締めを行う。
【0040】
上金型チェス22とキャビティブロック63が基板1を介して密着すると、キャビティ部68で余剰な樹脂封止材料9は連通路70を介して樹脂溜まり部69に流入する。そして、電動モータ31を駆動することにより、トランスファーピン66を上下動させることにより、樹脂封止材料9の注入量のバラツキを解消するとともに、キャビティ部68に所定の圧力を付与する。トランスファーピン66の上下動は、下金型キャビティブロック63に設けられた圧力センサー72が検知した圧力に基づき、設定圧力に達するように電動モータ31によって制御されるとともに、ピストン55を介して必要最小限度の型締め圧力を発生するように制御される。そして、トランスファーピン66の動作により、圧力センサー72が検知した圧力が設定圧力に達したときに、図示しない前記加圧装置により最終型締めが行われる。
【0041】
所定の硬化時間が経過した後、電動モータ31を駆動してトランスファーピン66を下降させることにより、前記トランスファーピン66を硬化した樹脂封止材料6から分離する。ついで、可動枠47を下降させるとともに、加圧装置を停止して無負荷状態とした後、電動モータ83を駆動してキャビティブロック63を下降させる。上金型チェス22の真空発生装置は瞬間的に空気を吐出した後、停止する。そして、成形品3は、キャビティブロック63と、硬化した樹脂封止材料9との張り付きにより、前記キャビティブロック63に伴って下降する(図13A)。
【0042】
電動モータ14を駆動して下金型セット40を待機位置Pに移動した後、保持装置90が前記下金型セット40の直上までスライド移動する。そして、保持装置90の図示しない駆動装置により、連結バー96を内方に引き込んだ後、所定の位置まで下降させる。そして、図示しない前記駆動装置を解放し、側面カバー61aに係止爪97aを係止することにより、当接部材98の下面にプリント基板1を当接させるとともに、前記プリント基板1の外周縁部を前記当接部材98とフレームガイド65とで挟持する(図13B)。ついで、吸引パイプ99を介して吸引することにより、当接部材98を成形品3のプリント基板1に吸着させる。この側面カバー61aに係止爪97aを係止することにより、後述するトランスファーピン66を突き出した際に保持装置90に負荷される衝撃力を、効果的に吸収できる。
【0043】
電動モータ31を駆動させてトランスファーピン66を上昇させることにより、ピン孔71内で硬化した不要樹脂4を突き出し、フレームガイド65がプリント基板1の外周縁部をスプリング62bのバネ力で押し上げるとともに、当接部材98の吸引力でプリント基板1を吸引することにより、キャビティブロック63から成形品3を撓ませずに離型する(図14)。この際、キャビティブロック63に強固に張り付いて硬化した樹脂封止材料9で形成された成形部6の外周を複数のトランスファーピン66で突き出すとともに、プリント基板1の外周縁分をフレームガイド65の環状段部65aで押し上げる。さらに、プリント基板1の投影面全体を当接部材98で吸引することにより、成形部6がキャビティブロック63の凹所67から強力かつバランスよく離型される。さらには、離型の際に生じるトランスファーピン66の衝撃力は当接部材98、緩衝部材94に吸収,緩和される。このため、成形品3のプリント基板1が破損しないだけでなく、光半導体素子2の破損をも防止できる。
また、当接部材98の下面を格子状に形成することによって、均一な吸着力を確保できると共に、プリント基板1の撓みを最小にできるので、プリント基板1の損傷を防止できる。
そして、保持装置90に設けた緩衝部材94は前述したトランスファーピン66の軸心上に設置されているので、プリント基板1をトランスファーピン66で突き出した際に、プリント基板1に余分なモーメント荷重が負荷されず、損傷をより一層効果的に防止できる。
【0044】
最後に、電動モータ31を駆動し、トランスファーピン66を元の位置に戻す一方、保持装置90の図示しない駆動装置を駆動して連結バー96を引き込んだ後、プリント基板1を吸着したままの状態で保持装置90を上方に移動させる。そして、前記保持装置90を元の位置までスライド移動させた後、成形品3を確保する。以後、同様な作業を繰り返すことにより、樹脂封止作業を連続的に行うことができる。
【0045】
前述のプリント基板としては、セラミック基板を例示したが、必ずしもこれに限らず、金属基板、ガラスエポキシ樹脂等からなる樹脂基板であってもよい。
また、半導体素子は、前記基板の片面に限らず、両面に実装したものであってもよいことは勿論である。
さらに、本実施形態では緩衝部材94がゴムである場合を例示したが、例えばスプリング等、弾性を有するものであればよい。
そして、本実施形態では板状当接部材98はスポンジで例示したが、材質は特に限定されず、アルミ、鋼鉄等、金属製でも良い。特に、本実施形態では、板状当接部材98の下面に底面正方形の凹部98aおよび格子状の凸部98bを配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、最も撓みが大きい当接部材の中央部に凸部を形成し、その凸部を中心として凹部を放射状に形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、前述の実施形態に係る樹脂封止装置に限定するものではなく、両面に半導体素子を実装したプリント基板を樹脂封止する樹脂封止装置に適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1:プリント基板
2:光半導体素子
3:成形品
5:半導体装置
9:樹脂封止材料
10:ベースプレート
11:タイバ
12:プラテン
13:ガイドレール
20:上金型セット
22:上金型チェス
24:吸引孔
30:スライドプレート
40:下金型セット
41:下金型ダイセット
55:ピストン
60:下金型チェス
62:バックプレート
62a:ショルダーボルト
62b:スプリング
62c:ガイドピン
63:キャビティブロック
64:トランスファープレート
65:フレームガイド
65a:環状段部
65b:切り欠き部
66:トランスファーピン
67:凹所
68:キャビティ部
69:樹脂溜まり部
70:連通部
71:ピン孔
72:圧力センサー
80:昇降装置
90:保持装置
91:上プレート
93:下プレート
94:緩衝部材
98:板状当接部材
98a:凹部
99:吸引パイプ
100:ディスペンサ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の少なくとも片面に搭載した半導体装置、例えば、集積回路,光半導体素子を樹脂封止する樹脂封止装置および樹脂封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面に搭載した半導体素子等の電子部品を樹脂封止する基板としては、例えば、放熱特性に優れたセラミック材料からなり、かつ、LED,半導体レーザ等の光電子部品,パワー半導体素子等を搭載したセラミック基板がある。そして、樹脂封止後に成形品を金型から離型する場合に、例えば、特許文献1の図1に示すように、エジェクタピン15で成形品の基板3を突き出す構成としたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−319900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の樹脂封止装置では、成形品をエジェクタピン15で突き出して離型させる場合に、突き出された際の衝撃力で基板自体が破損するおそれがある。特に、成形品の表面にクラックが発生すると、被封止物である半導体素子も破損するおそれがあり、歩留まりが悪いといった問題点がある。
さらには、特許文献1に示す樹脂封止装置では、基板を押出す下型2に設けられたエジェクタピン15と、上型1に設けられたエジェクタピン15とが設けられ、このように、エジェクタピン、およびそれに伴うエジェクタ駆動装置が成形品を離型させる為だけに個別に必要であった。
本発明は、前記問題点に鑑み、基板に表面実装した半導体素子を樹脂封止した成形品を、金型から離型する際に生じ得る基板の破損を防止し、歩留まりが高いとともに、シンプルな樹脂封止装置および樹脂封止方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る樹脂封止装置は、前記課題を解決すべく、キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置であって、下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を備え、前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで挟持された前記基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出して離型する構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャビティブロックと当接部材とで挟持された樹脂封止後の基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出すので、トランスファーピンの衝撃力を緩衝部材が吸収,緩和し、基板の破損を防止できる。このため、前記基板に表面実装した半導体素子の破損も防止できる。
【0007】
本発明の実施形態としては、キャビティブロックに注入された樹脂封止材料に所定の圧力を付与するトランスファーピンで、樹脂封止後の基板をキャビティブロックから突き出す構成としてある。
本実施形態によれば、トランスファーピンで成形圧力を調整できるとともに、成形後の離型作業をも行うことができる。このため、エジェクタピン、およびそれに伴うエジェクタ駆動装置が不要となる為、樹脂封止装置の部品点数が少なくなり、構造が簡単で安価な樹脂封止装置が得られる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、キャビティブロックを包囲する枠形状を有し、かつ、内周縁部に設けた環状段部に基板の外周縁部を位置決めするとともに、前記基板を離型方向に付勢するフレームガイドを設けた構成としてある。
本実施形態によれば、フレームガイドの付勢力で、樹脂封止後の基板の外周縁部を均一に押し上げて離型できる。このため、前記基板に負荷される押し上げ力のバラツキが小さくなり、基板がより一層破損しにくくなる。
【0009】
本発明の別の実施形態としては、保持装置に設けた当接部材で基板を吸引する構成としてある。
本実施形態によれば、当接部材の吸引力で樹脂封止前後の基板を吸引することにより、基板に反りや不陸を生じない状態で樹脂封止できるとともに、離型させることができる。このため、成形精度にバラツキが生じないとともに、基板がより一層破損しにくくなる。
【0010】
本発明の異なる実施形態としては、当接部材の当接面に複数の凹部を格子状に配置した構成としてもよい。
本実施形態によれば、複数の凹部を格子状に配置することにより、樹脂封止前後の基板を吸引する際に偏りが生じにくいので、基板の成形精度が高いとともに、破損を効果的に阻止できる。
【0011】
本発明に係る樹脂封止方法としては、キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止方法であって、下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を配置し、前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで前記基板を挟持した後、前記基板を前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出し、離型する工程としてある。
【0012】
本発明によれば、キャビティブロックと当接部材とで挟持された樹脂封止後の基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出すので、トランスファーピンの衝撃力を緩衝部材が吸収,緩和し、基板の破損を防止できる。このため、前記基板に表面実装した半導体素子の破損も防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1A,1B,1Cは本願発明に係る樹脂封止装置にて樹脂封止された成形品を示す斜視図、正面図および切り出された光半導体装置単体の斜視図である。
【図2】本願発明に係る樹脂封止装置の正面図である。
【図3】図2に示した樹脂封止装置の要部断面図である。
【図4】本願発明に係る樹脂封止装置の側面図である。
【図5】本願発明に係る樹脂封止装置の平面断面図である。
【図6】図4に示した樹脂封止装置の要部拡大断面図である。
【図7】図5に示した樹脂封止装置の要部拡大平面図である。
【図8】図4,図5に示した保持装置の拡大側面図である。
【図9】図8に示した保持装置の要部拡大平面図である。
【図10】図10A,10Bは本願発明に係る樹脂封止装置の成形工程を説明するための断面図である。
【図11】図11A,11Bは図10Bに続く断面図である。
【図12】図12A,12Bは図11Bに続く断面図である。
【図13】図13A,13Bは図12Bに続く断面図である。
【図14】図14は図13Bに続く断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る樹脂封止装置の実施形態を図1ないし図14の添付図面に従って説明する。
本実施形態に係る樹脂封止装置は、図1A,1Bに示すように、導電パターンが印刷されたセラミック製のプリント基板1の片面に所定のピッチで実装した光半導体素子2、例えば、LEDを樹脂封止するためのものである。
【0015】
本実施形態に係るLED用の樹脂封止材料としては、耐熱性、光透過性が優れたシリコーン材を主原料とした材料が用いられる。この様な前記樹脂封止材料は従来から使用されているタブレットといわれる固形状のものだけでなく、液状の樹脂封止材料を金型内に注入し、加熱,熱硬化させることにより、所望の形状を得ることが出来る。例えば、本願では、後述するようにプリント基板1上に設けた成形部6に隣接する不要樹脂4を備えた成形品3としてもよい。そして、前記成形品3は後工程のダイシング工程で個々の光半導体装置5(図1C)に切断され、バンプ接続等の処理を行った後、母基板へ搭載される。
【0016】
前記プリント基板1を樹脂封止する樹脂封止装置は、図2に示すように、ベースプレート10上に立設した4本のタイバ11の上端部に固定されたプラテン12と、前記プラテン12の下面に固定された上金型セット20と、前記上金型セット20の下方側に位置し、かつ、前記ベースプレート10の上面に沿ってスライド可能に配置されたスライドプレート30と、前記スライドプレート30上に設置された下金型セット40と、からなるものである。そして、図5に示すように、前記ベースプレート10の待機位置Pに向けて交互に往復移動するように保持装置90およびディスペンサ装置100が配置されている。
【0017】
前記上金型セット20は、図6に示すように、前記プラテン12の下面に固定された上金型ダイセット21と、この上金型ダイセット21の下面に固定された上金型チェス22と、で構成されている。前記上金型チェス22には後述するガイドピン62cが挿入されるガイド孔23が形成されている。さらに、前記上金型チェス22の下面のうち、前記プリント基板1の投影面内に、前記プリント基板1が吸引される吸引孔24を均等に設けてある。前記吸引孔24は、前記上金型ダイセット21と上金型チェス22とに形成された通気路25を介し、図示しない真空発生装置に接続されている。同様に、成形時の密閉空間を真空にするための通気路26が図示しない真空発生装置に接続されている。
【0018】
下金型セット40は、前記ベースプレート10の上面に沿ってスライド可能に設置されたスライドプレート30の上面に、下金型ダイセット41および下金型チェス60を順次、組み付けたものである。また、下金型セット40は、その成形位置に位置する前記スライドプレート30の直下に、前記ベースプレート10に組み付けた昇降装置80を備えている。
【0019】
前記スライドプレート30は、前記ベースプレート10の上面に平行に設置した一対のガイドレール13に沿って待機位置P(図4)と成形位置(図6)との間をスライド移動できるように組み付けられている。そして、図4に示すように、電動モータ14でボールネジ15を回動することにより、前記スライドプレート30は待機位置Pと成形位置との間を往復移動する。また、前記スライドプレート30は、図6に示すように、その側方に配置した電動モータ31を駆動し、ベルト32を介し、図3に示すナット33を回動することによって上下動するボールネジ34を内蔵している。さらに、前記ナット33の両側に配置したブッシュ35を介して上ジョイント36を吊り下げてある。そして、前記スライドプレート30は、その中央下部に位置し、かつ、ベースプレート10上に固定されたサポートブロック16により、型締め時に支持される構造となっている。
【0020】
下金型ダイセット41は、前記スライドプレート30にシリンダーベース42,中間ベース43を順次、積み重ねて構成してある。また、前記下金型ダイセット41は、前記中間ベース43の上面縁部に環状の固定枠44を積み重ねてある。前記固定枠44は、上面に環状のシール材45を備えた可動枠47を、駆動装置46(図2参照)を介して上下動可能に配置してある。
【0021】
前記シリンダーベース42内において、図3に示すように、前記ボールネジ34によって押し上げ可能に配置されたセンタープレート48は内ホルダ49にスライド係合してある。そして、前記内ホルダ49の隅部に立設した連結シャフト50の上端部は下金型チェス60のトランスファープレート64に連結一体化してある。また、前記ブッシュ35を介して押し上げ可能に配置された外プレート51は外ホルダ52にスライド係合してある。そして、前記外ホルダ52に立設した連結シャフト53の上端部は前記中間ベース43内に配置されたロワープレート54に連結一体化してある。
【0022】
前記シリンダーベース42および中間ベース43内には、2本1組で4列に配列された計8本のピストン55を収納するとともに、ピストンカバー56で密閉された空間が形成されている。前記空間は圧力媒体である液体が充填されるとともに、図示しない注入口、排出口から液体を流出入させることにより、ピストン55を上下動させ、ロワープレート54を通じて後述するキャビティブロック63に所定の圧力を付与する。
【0023】
下金型チェス60は、図3および図6に示すように、前記中間ベース43および前記固定枠44で形成された空間内に設置されるものであり、枠状のホルダーベース61の外側面に側面カバー61aを取り付けてあるとともに、前記ホルダーベース61の内にバックプレート62を配置してある。なお、本実施形態はプリント基板1を2枚同時に成形可能な構成であり、下金型チェス60内は2組の構成部品を具備しているが、1枚取りであってもよい。前記バックプレート62は、前記下金型ダイセット41のロワープレート54に立設したサポートピン54aを介して支持されているとともに、ロワープレート54に挿通したショルダーボルト62aを介して抜け止めされている。そして、前記バックプレート62は、図7に示すように、その上面中央部にキャビティブロック63を載置してあるとともに、その上面外周縁部にスプリング62bを介して枠形状のフレームガイド65を支持してある。前記フレームガイド65は、前記スプリング62bにより、前記キャビティブロック63の上面から上方に突き出すように付勢されている。また、前記フレームガイド65は、その内周縁部にプリント基板1を位置決めするための環状段部65aを形成してある一方、その上面から前記バックプレート62に立設したガイドピン62cが出し入れ可能に突出している。さらに、前記フレームガイド65には、手作業でプリント基板1をセットする際の位置決め作業、および、取り出し作業を容易にするため、切り欠き部65bが形成されている。
【0024】
また、前述した様に前記バックプレート62の下方側に配置されたトランスファープレート64は、前記下金型ダイセット41の連結シャフト50を介して支持されている。前記トランスファープレート64は、スプリング66aのバネ力で付勢されるトランスファーピン66の下方部を挿通してある。一方、前記トランスファーピン66の上方部はバックプレート62およびキャビティブロック63に対して出し入れ可能に挿通しており、その先端部分は後述する樹脂溜まり部69に挿通している。このため、前記トランスファーピン66は、電動モータ31を駆動して上下動させることにより、キャビティブロック63に供給された樹脂封止材料9に一定の圧力を付与するとともに、成形後の成形品3を突き出し可能となっている。
【0025】
キャビティブロック63は、図7に示すように、平面略方形状を有し、その上面に形成された凹所67内に半球状のキャビティ部68を格子状に配置するとともに、前記凹所67の対向する両辺に沿って樹脂溜まり部69を形成してある。前記樹脂溜まり部69は、連通路70を介して前記凹所67に連通しているとともに、その所定の位置にトランスファーピン66を挿通できるピン孔71が形成されている。また、前記凹所67に連通する位置に、キャビティブロック63内の樹脂充填圧力を検知できる圧力センサー72が設けられている。
【0026】
昇降装置80は、図3に示すように、ベースプレート10の下面に取り付けられたサポートシャフト81の下端部にナット82が配置されている。そして、図6に示すように、前記ナット82を電動モータ83で回動し、ボールネジ84の上端部に取り付けたガイドプレート85を上下動させることにより、前記ガイドプレート85の隅部に取り付けたガイドシャフト86を上下動させる。また、隣り合う一対のガイドシャフト86の上端部は下ジョイント87で連結されている。
【0027】
保持装置90は、図4,5に示すように、樹脂封止前後のプリント基板1を吸引して保持するための装置であり、ベースプレート10の待機位置に向けて往復移動可能であるとともに、上下動可能に支持されている。また、保持装置90も下金型チェス60と同様に2枚取りの構成である。そして、図8,9に示すように、前記保持装置90は、長方形の上プレート91に、4本1組のポスト92を介し、2枚の正方形の下プレート93をそれぞれ吊り下げてある。
また、前記上プレート91と前記下プレート93との間には、ゴム材等からなる緩衝部材94を4隅に計4箇所で挟持しており、その位置は前述したトランスファーピン66の軸心上に配置されている。さらに、前記上プレート91は、その両側下面縁部に設けたガイド部95を介してガイドシャフト96を軸心方向にスライド可能に支持している。そして、前記ガイドシャフト96,96は、常時、外方に付勢するようにスプリング96aがそれぞれ組み付けられているとともに、その先端部に設けた連結バー97を介して連結されている。さらに、前記連結バー97の両端部には、係止爪97aがそれぞれ設けられている。
一方、下プレート93は、その下面にスポンジ等からなる板状当接部材98を接着してある。前記板状当接部材98は、その下面に最も深い底面正方形の凹部98aを設けるとともに、最下面との間に若干の隙間を形成するように格子状の凸部98bが設けられている。そして、吸引パイプ99が前記凹部98aにそれぞれ連通し、前記プリント基板1を吸引可能となっている。
【0028】
なお、前記保持装置90は、搬送距離および搬送機能を高めたアンローダ装置を利用してもよいことは勿論である。
【0029】
ディスペンサ装置100は、図5に示すように、図示しない駆動装置を介してベースプレート10上の待機位置Pに向けて往復移動可能である。そして、前記ディスペンサ装置100は、待機位置Pに引き出された下金型ダイセット41のキャビティブロック63に、計量された液状の樹脂封止材料9を注入する。
【0030】
次に、本実施形態に係る樹脂封止装置による封止方法を、主として図10ないし図14の添付図面に従って説明する。
まず、電動モータ14を駆動してボールネジ15を回動させることにより、図4において2点鎖線で示した待機位置Pまでスライドプレート30をスライド移動させる。そして、露出したフレームガイド65の環状段部65aにプリント基板1を手動あるいは図示しないインローダ装置で位置決めする。
本実施形態では、フレームガイド65に環状段部65aが形成されているので、プリント基板1を手動で位置決めする作業が簡単、かつ、正確になる。また、フレームガイド65に切り欠き部65bが形成されているので、作業者がプリント基板1を位置決めする際に、プリント基板1を掴んだ指の逃がしとなり、プリント基板1を手動で位置決めする作業が簡単、かつ、正確になる。
なお、前記プリント基板1の位置決めはフレームガイド65に設けた位置決めピン(図示せず)で行ってもよい。
【0031】
そして、電動モータ14を駆動して前記ボールネジ15を逆回転させることにより、キャビティブロック63を成形位置まで移動させると(図10A)、上ジョイント36が下ジョイント87に係合する(図6)。
なお、本実施形態によれば、プリント基板1はフレームガイド65の内周縁部に位置決めされており、前記フレームガイド65はキャビティブロック63の上面から上方に突き出すように付勢されている。このため、前記プリント基板1は宙づり状態にある。この結果、キャビティブロック63が成形位置まで移動する際に振動,衝撃等が加わっても、プリント基板1に搭載されている光半導体素子2、あるいは、前記光半導体素子2とプリント基板1とを接続するAUワイヤが、前記キャビティブロック63に当接することを防止できる。
【0032】
ついで、電動モータ83を駆動すると、ナット82に螺合するボールネジ84が回動し、ガイドシャフト86を押し上げることにより、下ジョイント87および上ジョイント36を介し、プレート51およびホルダ52を押し上げる。このため、前記ホルダ52に立設した連結シャフト53を介してロワープレート54、サポートピン54aが押し上げられ、バックプレート62が押し上げられる。この結果、前記バックプレート62にスプリング62bを介して弾性支持されているフレームガイド65が上昇し、プリント基板1も上昇する。そして、ガイドピン62cがガイド孔23に嵌入して所定の位置に正確に位置決めされるとともに、前記プリント基板1が上金型チェス22の下面に圧接する(図10B)。
【0033】
なお、前記ロワープレート54が上昇するとき、ロワープレート54に連結されたピストン55が上昇し、大径部55aの上面に存在していた液体は図示しない排出口から排出され、ロワープレート54の動作に追従する。
【0034】
図示しない真空装置を駆動することにより、上金型チェス22の下面に設けた吸引孔24がプリント基板1を吸着保持した後、電動モータ83を駆動することにより、キャビティブロック63を下降させる(図11A)。なお、キャビティブロック63の下降前にフレームガイド65がスプリング62bのバネ力を介してプリント基板1を上金型チェス22の下面に押圧しているので、プリント基板1に反りや不陸は生じない。
【0035】
そして、電動モータ14を駆動することにより、下金型セット40を成形位置から待機位置Pまで再度、移動させる。ついで、ディスペンサ装置100を前記キャビティブロック63の上方までスライド移動させた後、キャビティ部68に計量された液状の樹脂封止材料9を注入する(図11B)。
【0036】
ついで、電動モータ14を駆動し、ボールネジ15を逆回転させることにより、スライドプレート30を成形位置に復帰させることにより、上ジョイント36と下ジョイント87とが係合する。そして、可動枠47が上昇し、上金型チェス22の下面にシール材45を密着させた後、図示しない真空発生装置を駆動することにより、通気路26を介して上金型チェス22と中間ベース43との間に形成された密閉空間の空気を排出し、所定の圧力まで減圧する(図12A)。
【0037】
さらに、電動モータ83を駆動することにより、ナット82に螺合するボールネジ84が回動し、ガイドシャフト86を押し上げることにより、下ジョイント87および上ジョイント36を介してプレート51およびホルダ52を押し上げる。このため、前記ホルダ52に立設した連結シャフト53を介してロワープレート54、サポートピン54aが押し上げられ、バックプレート62が押し上げられる。この結果、前記バックプレート62にスプリング62bを介して弾性支持されているフレームガイド65が上昇する。
なお、前記ロワープレート54が上昇するとき、ロワープレート54に連結されたピストン55が上昇し、大径部55aの上面に存在していた液体は図示しない排出口から排出され、ロワープレート54の動作に追従する。
【0038】
そして、ガイドピン62cがガイド孔23に嵌入して所定の位置に正確に位置決めされ、所定位置に保持されているプリント基板1が環状段部65aに嵌合する。そして、前記プリント基板1が、上金型チェス22の下面と、フレームガイド65およびキャビティブロック63とで挟持される(図12B)。このため、キャビティ部68内の樹脂封止材料9にプリント基板1に実装された光半導体素子2が浸される。この工程において、上金型チェス22に予め保持されたプリント基板1の光半導体素子2、および、光半導体素子2に接続されたワイヤ等が、キャビティブロック63のキャビティ部68に注入された樹脂封止材料9に接するまでは比較的高速に移動し、その後は低速、かつ、低圧力で型締めを行う。
【0039】
次に、図示しない加圧装置を駆動することにより、ピストン55の大径部55aの下部に液体を注入して加圧し、型締めを行う。
【0040】
上金型チェス22とキャビティブロック63が基板1を介して密着すると、キャビティ部68で余剰な樹脂封止材料9は連通路70を介して樹脂溜まり部69に流入する。そして、電動モータ31を駆動することにより、トランスファーピン66を上下動させることにより、樹脂封止材料9の注入量のバラツキを解消するとともに、キャビティ部68に所定の圧力を付与する。トランスファーピン66の上下動は、下金型キャビティブロック63に設けられた圧力センサー72が検知した圧力に基づき、設定圧力に達するように電動モータ31によって制御されるとともに、ピストン55を介して必要最小限度の型締め圧力を発生するように制御される。そして、トランスファーピン66の動作により、圧力センサー72が検知した圧力が設定圧力に達したときに、図示しない前記加圧装置により最終型締めが行われる。
【0041】
所定の硬化時間が経過した後、電動モータ31を駆動してトランスファーピン66を下降させることにより、前記トランスファーピン66を硬化した樹脂封止材料6から分離する。ついで、可動枠47を下降させるとともに、加圧装置を停止して無負荷状態とした後、電動モータ83を駆動してキャビティブロック63を下降させる。上金型チェス22の真空発生装置は瞬間的に空気を吐出した後、停止する。そして、成形品3は、キャビティブロック63と、硬化した樹脂封止材料9との張り付きにより、前記キャビティブロック63に伴って下降する(図13A)。
【0042】
電動モータ14を駆動して下金型セット40を待機位置Pに移動した後、保持装置90が前記下金型セット40の直上までスライド移動する。そして、保持装置90の図示しない駆動装置により、連結バー96を内方に引き込んだ後、所定の位置まで下降させる。そして、図示しない前記駆動装置を解放し、側面カバー61aに係止爪97aを係止することにより、当接部材98の下面にプリント基板1を当接させるとともに、前記プリント基板1の外周縁部を前記当接部材98とフレームガイド65とで挟持する(図13B)。ついで、吸引パイプ99を介して吸引することにより、当接部材98を成形品3のプリント基板1に吸着させる。この側面カバー61aに係止爪97aを係止することにより、後述するトランスファーピン66を突き出した際に保持装置90に負荷される衝撃力を、効果的に吸収できる。
【0043】
電動モータ31を駆動させてトランスファーピン66を上昇させることにより、ピン孔71内で硬化した不要樹脂4を突き出し、フレームガイド65がプリント基板1の外周縁部をスプリング62bのバネ力で押し上げるとともに、当接部材98の吸引力でプリント基板1を吸引することにより、キャビティブロック63から成形品3を撓ませずに離型する(図14)。この際、キャビティブロック63に強固に張り付いて硬化した樹脂封止材料9で形成された成形部6の外周を複数のトランスファーピン66で突き出すとともに、プリント基板1の外周縁分をフレームガイド65の環状段部65aで押し上げる。さらに、プリント基板1の投影面全体を当接部材98で吸引することにより、成形部6がキャビティブロック63の凹所67から強力かつバランスよく離型される。さらには、離型の際に生じるトランスファーピン66の衝撃力は当接部材98、緩衝部材94に吸収,緩和される。このため、成形品3のプリント基板1が破損しないだけでなく、光半導体素子2の破損をも防止できる。
また、当接部材98の下面を格子状に形成することによって、均一な吸着力を確保できると共に、プリント基板1の撓みを最小にできるので、プリント基板1の損傷を防止できる。
そして、保持装置90に設けた緩衝部材94は前述したトランスファーピン66の軸心上に設置されているので、プリント基板1をトランスファーピン66で突き出した際に、プリント基板1に余分なモーメント荷重が負荷されず、損傷をより一層効果的に防止できる。
【0044】
最後に、電動モータ31を駆動し、トランスファーピン66を元の位置に戻す一方、保持装置90の図示しない駆動装置を駆動して連結バー96を引き込んだ後、プリント基板1を吸着したままの状態で保持装置90を上方に移動させる。そして、前記保持装置90を元の位置までスライド移動させた後、成形品3を確保する。以後、同様な作業を繰り返すことにより、樹脂封止作業を連続的に行うことができる。
【0045】
前述のプリント基板としては、セラミック基板を例示したが、必ずしもこれに限らず、金属基板、ガラスエポキシ樹脂等からなる樹脂基板であってもよい。
また、半導体素子は、前記基板の片面に限らず、両面に実装したものであってもよいことは勿論である。
さらに、本実施形態では緩衝部材94がゴムである場合を例示したが、例えばスプリング等、弾性を有するものであればよい。
そして、本実施形態では板状当接部材98はスポンジで例示したが、材質は特に限定されず、アルミ、鋼鉄等、金属製でも良い。特に、本実施形態では、板状当接部材98の下面に底面正方形の凹部98aおよび格子状の凸部98bを配置する場合について説明したが、必ずしもこれに限らない。例えば、最も撓みが大きい当接部材の中央部に凸部を形成し、その凸部を中心として凹部を放射状に形成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、前述の実施形態に係る樹脂封止装置に限定するものではなく、両面に半導体素子を実装したプリント基板を樹脂封止する樹脂封止装置に適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1:プリント基板
2:光半導体素子
3:成形品
5:半導体装置
9:樹脂封止材料
10:ベースプレート
11:タイバ
12:プラテン
13:ガイドレール
20:上金型セット
22:上金型チェス
24:吸引孔
30:スライドプレート
40:下金型セット
41:下金型ダイセット
55:ピストン
60:下金型チェス
62:バックプレート
62a:ショルダーボルト
62b:スプリング
62c:ガイドピン
63:キャビティブロック
64:トランスファープレート
65:フレームガイド
65a:環状段部
65b:切り欠き部
66:トランスファーピン
67:凹所
68:キャビティ部
69:樹脂溜まり部
70:連通部
71:ピン孔
72:圧力センサー
80:昇降装置
90:保持装置
91:上プレート
93:下プレート
94:緩衝部材
98:板状当接部材
98a:凹部
99:吸引パイプ
100:ディスペンサ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置であって、
下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を備え、
前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで挟持された前記基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出して離型することを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項2】
キャビティブロックに注入された樹脂封止材料に所定の圧力を付与するトランスファーピンで、樹脂封止後の基板をキャビティブロックから突き出すことを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
キャビティブロックを包囲する枠形状を有し、かつ、内周縁部に設けた環状段部に基板の外周縁部を位置決めするとともに、前記基板を離型方向に付勢するフレームガイドを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
保持装置に設けた当接部材で基板を吸引することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
当接部材の当接面に複数の凹部を格子状に配置したことを特徴とする請求項1ないし4に記載の樹脂封止装置。
【請求項6】
キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止方法であって、
下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を配置し、
前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで前記基板を挟持した後、前記基板を前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出し、離型することを特徴とする樹脂封止方法。
【請求項1】
キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止装置であって、
下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を備え、
前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで挟持された前記基板を、前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出して離型することを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項2】
キャビティブロックに注入された樹脂封止材料に所定の圧力を付与するトランスファーピンで、樹脂封止後の基板をキャビティブロックから突き出すことを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
キャビティブロックを包囲する枠形状を有し、かつ、内周縁部に設けた環状段部に基板の外周縁部を位置決めするとともに、前記基板を離型方向に付勢するフレームガイドを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
保持装置に設けた当接部材で基板を吸引することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
当接部材の当接面に複数の凹部を格子状に配置したことを特徴とする請求項1ないし4に記載の樹脂封止装置。
【請求項6】
キャビティブロックの上面に設けたキャビティ部に樹脂封止材料を注入するとともに、基板に表面実装した半導体素子を投入して樹脂封止する樹脂封止方法であって、
下面に配置され、かつ、前記基板に当接する当接部材と、離型時に前記当接部材に負荷される衝撃力を緩衝する緩衝部材と、を有する保持装置を配置し、
前記キャビティブロックと、前記保持装置の当接部材とで前記基板を挟持した後、前記基板を前記キャビティブロックからトランスファーピンで突き出し、離型することを特徴とする樹脂封止方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−64879(P2012−64879A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209719(P2010−209719)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(592028846)第一精工株式会社 (94)
【Fターム(参考)】
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