説明

機器制御システム

【課題】来訪者が来訪した際に、住人が対応することなく適切に所望の住宅向けネットワーク機器を制御し、来訪者に利用させることができる機器制御システムを提供する。
【解決手段】通信機器2は、リクエスト信号をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1は、来訪者識別情報を発行し携帯電話3に送信するとともに、来訪者識別情報を住人のID情報と対応付けて認証事項データとして保存し、来訪者により来訪者識別情報が電気錠5と対応した入力装置6に入力されると、入力された来訪者識別情報および住宅内装置情報がサーバ装置1に送信され、サーバ装置1は、あらかじめ住宅内装置情報と対応付けられて登録されている住人のID情報を確認し、認証事項データを参照して、その来訪者識別情報が正当なものであるかどうかの判別を行い、正当なものであれば、制御手段13に電気錠5を解錠するように指示し、電気錠5は、制御手段13により解錠される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅向けネットワーク機器の状態監視・制御がインターネットなどの広域ネットワークを介して接続されたセンターサーバを通じて行われるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
センターサーバには、多数の顧客に販売された住宅向けネットワーク機器が多数接続されており、これら住宅向けネットワーク機器は、常に、センターサーバと通信を行っている。
【0003】
例えば、特許文献1、2、3には、顧客がセンターサーバにアクセスすることで、照明器具、電気錠、空調機器や火災センサ、防犯センサ等の異常検出用センサなどの住宅向けネットワーク機器における状態を確認したり、必要に応じて、住宅向けネットワーク機器を制御したりすることができ、また、住宅向けネットワーク機器の状態変化が発生した際には、その旨がセンターサーバを通じてあらかじめ設定されている携帯端末宛てに電子メールなどにより通知されるシステムが記載されている。
【0004】
さらに、例えば、特許文献4には、住宅向けネットワーク機器としての宅配ボックスに荷物が集荷されたときに宅配ボックスへの荷物の集荷がセンターサーバを通じて受取人へ電子メールにより通知されるシステムが記載されている。
【特許文献1】特開2004−135197号公報
【特許文献2】特開2004−214937号公報
【特許文献3】特開2006−104696号公報
【特許文献4】特開2001−175555号公報
【特許文献5】特開2004−360200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、住宅向けネットワーク機器を住人の留守中などに住人が操作する必要がなく、来訪者に利用させたいというニーズがある。例えば、住人の留守中に、鍵を持たない来訪者に電気錠を解錠させたり、宅配業者に施錠された宅配ボックスに荷物を集荷させたりしたい場合がある。
【0006】
現状では、住人は、来訪者が来訪した際に、来訪者と連絡を取り、外出先より住宅内装置を操作して対応しているが、これでは、住人が来訪者の来訪を認識して対応する必要があり、住人にとっては手間である。
【0007】
ここで、例えば、特許文献5には、マンションの住人に来訪の予約をした際に、来訪先の住人からID情報を取得して携帯電話に保存しておき、来訪時に、当該ID情報をマンションのロビーに設置されたコードリーダーで読み取らせ、センターサーバがあらかじめ記憶しているID情報と比較照合し、合致した場合に、マンションの出入り口を解錠するシステムが記載されている。
【0008】
しかし、このシステムを、戸建住宅の機器制御にそのまま適用すると、センターサーバがどの住宅からID情報を受信しているかを認識できないため、例えば、来訪者が住宅Aの電気錠を解錠させたいにもかかわらず、誤って、住宅Bの入力装置よりID情報を入力しても、住宅Aの電気錠が解錠されてしまい、防犯上好ましくない不具合が生じる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、来訪者が来訪した際に、住人が対応することなく適切に所望の住宅向けネットワーク機器を制御し、来訪者に利用させることができる機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の機器制御システムは、サーバ装置と、当該サーバ装置とネットワークを介して接続され、住人により操作される通信機器と、来訪者が保有する携帯端末装置と、住宅に設けられる住宅内装置および当該住宅内装置に対応した入力装置と、を備え、通信機器は、来訪者が住宅内装置を利用する際に必要となる来訪者識別情報の発行を要請するリクエスト信号をサーバ装置に送信し、サーバ装置は、リクエスト信号を受信すると、来訪者識別情報を発行し、当該来訪者識別情報を携帯端末装置に送信するとともに、来訪者識別情報を住人のID情報と対応付けて認証事項データとして保存し、携帯端末装置は、来訪者識別情報をサーバ装置から受信すると、来訪者識別情報を保存し、来訪者により来訪者識別情報が入力装置に入力されると、入力された来訪者識別情報および当該入力装置に対応した住宅内装置を特定する住宅内装置情報がサーバ装置に送信され、サーバ装置は、来訪者識別情報および住宅内装置情報を受信すると、サーバ装置にあらかじめ住宅内装置情報と対応付けられて登録されている住人のID情報を確認し、認証事項データを参照して、その来訪者識別情報が正当なものであるかどうかの判別を行い、その来訪者識別情報が正当なものであれば、制御手段に住宅内装置を制御するように指示し、住宅内装置は、制御手段により制御され、動作することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の機器制御システムにおいて、リクエスト信号は、来訪者識別情報の利用規定が設定された利用制限情報を含み、認証事項データには、住人のID情報および来訪者識別情報と対応付けられた利用制限情報が登録されることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の機器制御システムにおいて、利用制限情報は、来訪者識別情報の最大使用回数を規定する情報を含み、サーバ装置は、同一の来訪者識別情報の判別回数が最大使用回数を超えた場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2または3に記載の機器制御システムにおいて、利用制限情報は、来訪者識別情報を利用することができる有効期間を規定する情報を含み、サーバ装置は、来訪者識別情報を有効期間外に受信した場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記請求項2〜4のいずれか1項に記載の機器制御システムにおいて、住宅に設けられる複数の住宅内装置および当該複数の住宅内装置にそれぞれ対応した複数の入力装置を備え、利用制限情報は、来訪者識別情報により利用可能となる住宅内装置を規定する情報を含み、サーバ装置は、入力装置に来訪者識別情報が入力されたときに、利用可能とされていない住宅内装置の住宅内装置情報を受信した場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器制御システムにおいて、来訪者識別情報が画像で構成されるとともに、携帯端末装置が当該画像を表示し、入力装置が来訪者識別情報を画像として読み取ることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器制御システムにおいて、来訪者識別情報が音で構成されるとともに、携帯端末装置が当該音を出力し、入力装置が来訪者識別情報を音として読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、来訪者が来訪した際に、住人が対応することなく適切に所望の住宅内装置を制御し、来訪者に利用させることができるとともに、システムを容易に構成することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、来訪者に住宅内装置を利用させる際の自由度が向上するとともに、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、許可された回数以上に来訪者識別情報が再利用されなくなるので、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、許可された期間外に来訪者識別情報が利用されなくなるので、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、住宅内装置が複数ある場合にも、個別に制御することができるので、来訪者に住宅内装置を利用させる際の自由度が向上する。
【0022】
請求項6、7に記載の発明によれば、来訪者による来訪者識別情報の入力を簡便化することができるので、誤入力を心配することなく来訪者識別情報の情報量を増やすことができ、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下の具体例に限定されない。
【0024】
図1に、実施形態に係る機器制御システムを示す。実施形態では、住宅4に設けられた扉の電気錠5を来訪者に解錠させる例を示す。なお、実施形態に係る機器制御システムでは、住宅内装置として電気錠5を例示するが、住宅内装置は、電気錠5に限らず、例えば、宅配ボックスであってもよいし、1つの住宅に電気錠5および宅配ボックスなど、複数の住宅内装置が設けられていてもよい。1つの住宅に複数の住宅内装置が設けられている場合、複数の住宅内装置は、分電盤(図示せず)を介して、サーバ装置1と接続される。
【0025】
機器制御システムは、サーバ装置1と、サーバ装置1とネットワークを介して接続され、住人により操作される通信機器2と、来訪者が保有する携帯端末装置としての携帯電話3と、住宅4に設けられた住宅内装置としての電気錠5および電気錠5と対応した入力装置6と、を基本構成とする。
【0026】
ここで、サーバ装置1は、通信機器2から来訪者識別情報の発行を要請するリクエスト信号を受信すると来訪者識別情報を発行し来訪者識別情報を含むデータ信号を来訪者が保有する携帯電話3に送信する来訪者識別情報発行手段7と、来訪者識別情報を住宅4の住人を識別する情報である住人のID情報と対応付けてデータベース化された認証事項データとして保存する保存手段8と、来訪者が持つ来訪者識別情報が正当なものであるかどうかの判別を行う判別手段9と、を備える。
【0027】
来訪者識別情報は、来訪者を識別するための情報であり、具体的には、来訪者ごとに指定された数字列で構成されている。来訪者は、自身が保有する携帯電話3に送信された来訪者識別情報により所定の住宅内装置を利用することができる。
【0028】
また、リクエスト信号は、サーバ装置1が来訪者識別情報発行手段7により発行される来訪者識別情報を来訪者が保有する携帯電話3に送信するために必要な携帯電話3のメールアドレスや電話番号の情報を含む。さらに、リクエスト信号は、利用制限情報を含む。利用制限情報は、来訪者識別情報の利用規定が設定された情報であり、例えば、来訪者識別情報の最大使用回数を規定する情報や、来訪者識別情報の使用可能期間を規定する情報や、住宅4に複数の住宅内装置がある場合に来訪者に電気錠5を解錠させる旨を規定する情報である。
【0029】
なお、サーバ装置1には、図2に示すように、あらかじめ、電気錠5の住宅内装置情報とその電気錠5がある住宅4の住人を識別する情報である住人のID情報とが対応付けられて機器登録情報として登録されている。住宅内装置情報は、ここでは電気錠5を特定するための情報であって、個別の数字列で構成されている。
【0030】
そして、認証事項データは、図3に示すように、住人のID情報と来訪者識別情報と利用制限情報とが対応付けられて登録されたデータベースである。ここで、利用制限情報に、来訪者識別情報の最大使用回数を規定する情報が含まれている場合は、認証事項データには、来訪者識別情報の残りの使用回数が住人のID情報や来訪者識別情報に対応付けられて登録される。最初に利用制限情報が登録されるときには、来訪者識別情報の最大使用回数と残りの使用回数は一致し、来訪者識別情報が正当に使用されれば、残りの使用回数は、1回少なくなって登録される。
【0031】
また、通信機器2は、例えば、パソコンや携帯電話であり、住宅4の住人によって操作され、サーバ装置1が来訪者に来訪者識別情報を発行するために、来訪者が保有する携帯電話3のメールアドレスや電話番号、上記利用制限情報をサーバ装置1に送信する。また、住人は、通信機器2により、適宜来訪者識別情報を使用できなくしたり、来訪者識別情報の発行状況や使用状況を確認したりすることができる。さらに、住人は、通信機器2により、必要に応じ、利用制限情報の内容を変更することもできる。
【0032】
そして、来訪者が保有する携帯電話3は、サーバ装置1から送信された来訪者識別情報を含むデータを受信する受信手段10と、当該来訪者識別情報を含むデータから来訪者識別情報を取り出して保存する保存手段11と、を備え、電気錠5を解錠させる鍵として機能する。なお、携帯電話3の液晶画面に、利用制限情報が表示されるようにしてもよい。具体的には、受信手段10において、サーバ装置1から利用制限情報も受信し、例えば、当該来訪者識別情報の残りの使用回数、当該来訪者識別情報が使用できる期間、住宅4に複数の住宅内装置がある場合に当該来訪者識別情報により利用可能な住宅内装置などを来訪者が携帯電話3で確認できると、来訪者にとって利便性が向上する。来訪者識別情報の残りの使用回数については、来訪者識別情報を使用するごとに変わる、すなわち1回少なくなるので、適宜、携帯電話3からサーバ装置1にアクセスして、受信手段10において、来訪者識別情報の残りの使用回数を規定する情報を受信し、液晶画面に表示させて確認すればよい。
【0033】
また、入力装置6は、電気錠5と対応し、来訪者により、来訪者識別情報が入力され、入力された来訪者識別情報および電気錠5の住宅内装置情報をサーバ装置1に送信する送信手段12と、サーバ装置1に送信した来訪者識別情報の認証結果にもとづく指示をサーバ装置1から受け当該指示に従って電気錠5を制御する制御手段13と、を備える。複数の住宅内装置がある場合には、当該複数の住宅内装置にそれぞれ対応した複数の入力装置が必要となる。ここで、入力装置6は、入力手段(図示せず)として、テンキーなどを備える。そして、来訪者識別情報が数字列で構成されている場合には、来訪者は、テンキーにより来訪者識別情報を入力することができる。なお、実施形態に係る機器制御システムでは、制御手段13は、入力装置6に設けられているが、その目的を達成することができる限り、機器制御システムのどこに設けられていてもよい。
【0034】
ところで、来訪者識別情報を画像、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元バーコードで構成し、当該画像を来訪者が保有する携帯電話3の液晶画面に表示させるようにしてもよい。この場合、入力装置6には、携帯電話3の液晶画面に表示された画像を撮影するカメラが入力手段として設けられており、入力装置6は、来訪者識別情報をカメラにより画像として読み取る。また、来訪者識別情報を音声、例えばDTMFで構成し、当該音声を来訪者が保有する携帯電話3のスピーカーから出力させるようにしてもよい。この場合、入力装置6には、携帯電話3のスピーカーから出力された音声を聞き取るマイクが入力手段として設けられており、入力装置6は、来訪者識別情報をマイクにより音として読み取る。なお、来訪者識別情報を画像や音声で構成する場合には、デコード手段(図示せず)により、当該画像や音声が解析される。以下では、デコード手段がサーバ装置1に設けられている例について説明するが、デコード手段は、入力装置6に設けられていてもよく、その目的を達成することができる限り、機器制御システムのどこに設けられていてもよい。
【0035】
以下、図4に示すフローを参照して、実施形態に係る機器制御システムの動作を詳述する。
【0036】
まず、来訪者Aが来訪する際に、あらかじめ、住宅4の住人は、通信機器2を用いて、サーバ装置1に、来訪者Aが保有する携帯電話3のメールアドレスや電話番号の情報および来訪者識別情報の利用回数、来訪者識別情報の有効期間および来訪者に電気錠5を解錠させる旨を規定する利用制限情報を含むリクエスト信号を送信し、来訪者Aが電気錠5を解錠する際に必要となる来訪者識別情報の発行を要請する(S101)。
【0037】
そうすると、サーバ装置1は、来訪者識別情報発行手段7において、来訪者識別情報を発行し、必要に応じ、変換手段(図示せず)において、来訪者識別情報を画像データや音声データに加工して、来訪者Aが保有する携帯電話3に来訪者識別情報を含むデータを電子メールや電話にて送信するとともに、保存手段8において、住人のID情報と発行した来訪者識別情報と利用制限情報とを対応付けデータベース化された認証事項データとして保存する(S102)。なお、上述したように、サーバ装置1には、あらかじめ、電気錠5の住宅内装置情報とその電気錠5がある住宅4の住人のID情報とが対応付けられて登録されている。
【0038】
来訪者Aが保有する携帯電話3に送信された来訪者識別情報を含むデータは、携帯電話3の受信手段10において、受信され、来訪者識別情報は、保存手段11において、当該来訪者識別情報を含むデータから取り出されて保存される(S103)。ここで、利用制限情報も、受信手段10において、サーバ装置1から受信することができ、来訪者Aは、適宜、携帯電話3の液晶画面にて利用制限情報を確認することができる。
【0039】
そして、来訪者Aは、来訪時に、来訪者識別情報を保存した携帯電話3を所持し、入力装置6に来訪者識別情報を入力する(S104)。具体的には、来訪者識別情報が数字列で構成されていれば、テンキーにより入力され、画像データで構成されていれば、カメラにより撮影され、音声データで構成されていれば、マイクにより聞き取られる。
【0040】
入力装置6に来訪者識別情報が入力されると、入力装置6は、送信手段12において、入力された来訪者識別情報および電気錠5の住宅内装置情報をサーバ装置1に送信する(S105)。
【0041】
サーバ装置1は、来訪者識別情報および住宅内装置情報を受信すると、受信した住宅内装置情報にもとづいてあらかじめ登録されている電気錠5の住宅内装置情報から住人のID情報を確認する(S106)。
【0042】
そして、サーバ装置1は、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が画像データや音声データで構成されている場合には、デコード手段により来訪者識別情報を解析して、判別手段9において、保存手段8にデータベース化して保存している認証事項データを参照し、住人のID情報と来訪者識別情報とが対応付けられて登録されているかどうかを検索する(S107)。なお、デコード手段が入力装置6に設けられている場合は、上記S105において、画像データや音声データで構成された来訪者識別情報が解析される。
【0043】
認証事項データに住人のID情報と来訪者識別情報とが対応付けられて登録されていなければ、判別手段9は、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が正当なものでないと判別し、電気錠5は解錠されず、処理が終了する(S108)。
【0044】
一方、住人のID情報と来訪者識別情報とが対応付けられて登録されていれば、サーバ装置1は、次に、判別手段9において、認証事項データに住人のID情報および来訪者識別情報と対応付けられて登録されている利用制限情報を参照して、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が正当なものであるかどうかの判別を行う(S109)。具体的には、判別手段9は、認証事項データにおいて、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報の利用回数があらかじめ規定されている最大使用回数を超えていないかどうか、来訪者識別情報があらかじめ規定されている有効期間内に使用されているかどうか、来訪者Aに電気錠5を解錠させる旨が規定されているかどうか、を認証し、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が正当なものであるかどうかを判別する。認証により、これらの条件がすべて満たされている場合には、来訪者Aに電気錠5の解錠が許可されているものとして、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が正当なものであると判別し、そうでない場合には、来訪者Aに電気錠5の解錠が許可されていないものとして、来訪者Aにより入力された来訪者識別情報が正当なものでないと判別する。
【0045】
サーバ装置1が判別手段9において、来訪者により入力された来訪者識別情報を正当なものでないと判別した場合には、電気錠5は解錠されず、処理が終了する(S110)。
【0046】
一方、サーバ装置1は、判別手段9において、来訪者により入力された来訪者識別情報を正当なものであると判別すれば、電気錠5を解錠する旨を入力装置6の制御手段13に指示するとともに、来訪者識別情報の残りの使用回数を1回少なくして保存手段8にデータベース化されて保存されている認証事項データに登録する(S111)。
【0047】
そして、入力装置6の制御手段13は、サーバ装置1から電気錠5を解錠する旨の指示を受けると、電気錠5を解錠する(S112)。
【0048】
その後、サーバ装置1は、来訪者Aにより電気錠5が設けられた扉の開閉が行われ、または、電気錠5が設けられた扉の開閉が行われなくても所定の期間が経過したことを確認した場合には、電気錠5を施錠する旨を入力装置6の制御手段13に指示する(S113)。
【0049】
最後に、入力装置6の制御手段13は、サーバ装置1から電気錠5を施錠する旨の指示を受けて、電気錠5を施錠する(S114)。
【0050】
なお、上記S108およびS110で、電気錠5が解錠されずに処理が終了する場合には、サーバ装置1は、来訪者Aにその旨を報知するとよい。具体的には、例えば、入力装置6に液晶画面を設けておき、サーバ装置1は、当該液晶画面にその旨を表示させる。
【0051】
したがって、来訪者が来訪した際に、住人が対応することなく適切に所望の住宅内装置を制御し、来訪者に利用させることができるとともに、システムを容易に構成することができる。
【0052】
また、許可された回数以上に来訪者識別情報が再利用されなくなるので、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【0053】
さらに、許可された期間外に来訪者識別情報が利用されなくなるので、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【0054】
そして、住宅内装置が複数ある場合にも、個別に制御することができるので、来訪者に住宅内装置を利用させる際の自由度が向上する。
【0055】
なお、来訪者識別情報を画像データや音声データで構成すれば、来訪者による来訪者識別情報の入力を簡便化することができるので、誤入力を心配することなく来訪者識別情報の情報量を増やすことができ、不正に住宅内装置が利用される危険性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施形態に係る機器制御システムを示すブロック図である。
【図2】機器登録情報を示す概念図である。
【図3】認証事項データを示す概念図である。
【図4】実施形態に係る機器制御システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1 サーバ装置
2 通信機器
3 携帯端末装置としての来訪者の携帯電話
4 住宅
5 住宅内装置としての電気錠
6 入力装置
7 来訪者識別情報発行手段
8 サーバ装置の保存手段
9 判別手段
10 携帯電話の受信手段
11 携帯電話の保存手段
12 入力装置の送信手段
13 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、当該サーバ装置とネットワークを介して接続され、住人により操作される通信機器と、来訪者が保有する携帯端末装置と、住宅に設けられる住宅内装置および当該住宅内装置に対応した入力装置と、を備え、
通信機器は、来訪者が住宅内装置を利用する際に必要となる来訪者識別情報の発行を要請するリクエスト信号をサーバ装置に送信し、
サーバ装置は、リクエスト信号を受信すると、来訪者識別情報を発行し、当該来訪者識別情報を携帯端末装置に送信するとともに、来訪者識別情報を住人のID情報と対応付けて認証事項データとして保存し、
携帯端末装置は、来訪者識別情報をサーバ装置から受信すると、来訪者識別情報を保存し、
来訪者により来訪者識別情報が入力装置に入力されると、入力された来訪者識別情報および当該入力装置に対応した住宅内装置を特定する住宅内装置情報がサーバ装置に送信され、
サーバ装置は、来訪者識別情報および住宅内装置情報を受信すると、サーバ装置にあらかじめ住宅内装置情報と対応付けられて登録されている住人のID情報を確認し、認証事項データを参照して、その来訪者識別情報が正当なものであるかどうかの判別を行い、その来訪者識別情報が正当なものであれば、制御手段に住宅内装置を制御するように指示し、
住宅内装置は、制御手段により制御され、動作することを特徴とする機器制御システム。
【請求項2】
リクエスト信号は、来訪者識別情報の利用規定が設定された利用制限情報を含み、
認証事項データには、住人のID情報および来訪者識別情報と対応付けられた利用制限情報が登録されることを特徴とする請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
利用制限情報は、来訪者識別情報の最大使用回数を規定する情報を含み、
サーバ装置は、同一の来訪者識別情報の判別回数が最大使用回数を超えた場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
利用制限情報は、来訪者識別情報を利用することができる有効期間を規定する情報を含み、
サーバ装置は、来訪者識別情報を有効期間外に受信した場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする請求項2または3に記載の機器制御システム。
【請求項5】
住宅に設けられる複数の住宅内装置および当該複数の住宅内装置にそれぞれ対応した複数の入力装置を備え、
利用制限情報は、来訪者識別情報により利用可能となる住宅内装置を規定する情報を含み、
サーバ装置は、入力装置に来訪者識別情報が入力されたときに、利用可能とされていない住宅内装置の住宅内装置情報を受信した場合には、その来訪者識別情報を正当なものではないと判別し、住宅内装置が動作しないことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項6】
来訪者識別情報が画像で構成されるとともに、携帯端末装置が当該画像を表示し、
入力装置が来訪者識別情報を画像として読み取ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器制御システム。
【請求項7】
来訪者識別情報が音で構成されるとともに、携帯端末装置が当該音を出力し、
入力装置が来訪者識別情報を音として読み取ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−33426(P2009−33426A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194682(P2007−194682)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】