歯科診療用椅子の油圧機構
【課題】歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルトをする油圧駆動の開始時及び終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消する。
【解決手段】椅子の昇降用シリンダ7及びバックレスト4のチルト用シリンダ8を駆動する油圧ポンプ駆動用モータ9の回転数を予めインバータ11にインプットされた加減速時間設定に基づいて制御し、駆動開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に回転数を減じることにより駆動開始時及び終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消する。
【解決手段】椅子の昇降用シリンダ7及びバックレスト4のチルト用シリンダ8を駆動する油圧ポンプ駆動用モータ9の回転数を予めインバータ11にインプットされた加減速時間設定に基づいて制御し、駆動開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に回転数を減じることにより駆動開始時及び終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルト等の姿勢制御をする油圧機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から歯科診療用椅子の昇降やバックレストのチルトに油圧機構が用いられている。この油圧機構に関しては、例えば特許文献1から5に示される技術が公知である。
【0003】
特許文献1から3の技術は、固定容量型油圧ポンプを駆動する同期モータの回転数をインバータコントローラの指令により制御して吐出量を調整すると共に、吐出された油の圧力を回路中に設けられたリリーフバルブにて調整することによりモータの過負荷を緩和し、低発熱、低騒音の効果を得るものである。
【0004】
特許文献4の技術は、可変容量型油圧ポンプを駆動する可変速モータの回転数をインバータ制御して吐出量を調整すると共に、油圧回路中に設けられた機械的圧力調整機構にて機械的に圧力を調整することにより低発熱、低騒音及び省エネの効果を得るものである。
【0005】
特許文献5の技術は、油圧を用いずにギアやネジ軸などをモータ駆動して歯科診療椅子を機械的に昇降またはチルトするものである。
【0006】
しかしながら、前記従来の歯科診療用椅子の油圧機構においては、駆動の開始時及び終了時に駆動の急激な変動により衝撃が生じて着座した患者に不快感を与えるという問題がある。また、特許文献1から4の技術は、インバータコントローラによるモータ回転数の制御にて吐出量を調整し、また油圧回路中にリリーフバルブを設けてモータ駆動に無理が生じないようにしたものであるが、モータ駆動開始及び駆動終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を、本発明のように駆動速度を徐々に変化させることで緩和する制御方式について記載されていない。また駆動の急激な変動を緩和して椅子の昇降やバックレストのチルトの駆動開始時及び駆動終了時に生じる衝撃を緩和する油圧機構を歯科診療用椅子に構築することについても記載されていない。
【0007】
特許文献5の技術は、油圧を用いずにギアやネジ軸用いてモータ駆動する構成であり機械的な騒音が発生しやすく、またネジ軸を用いているのでモータの回転を停止した際に台座が自然に降下する傾向があり、これを阻止するために摩擦係数の大きな(低効率な)台形ネジを使用する必要がある。そのために強力なモータを用いるなどコストが嵩むという問題がある。
なお台座を自然降下させないためには電磁ブレーキなどにて位置を保持させることもできるが、電磁ブレーキを組み込むことによりコストが嵩むと共に、ブレーキの開閉時に騒音が発生するという問題がある。更にモータを可変速にすることにより回転開始時及び停止時のショックを和らげることも可能であるが、昇降やチルトするそれぞれの部分に可変速機構を設ける必要がありコストが嵩むという問題がある。
【特許文献1】特開2000−265966号公報
【特許文献2】特開2000−274376号公報
【特許文献3】特開2000−274377号公報
【特許文献4】特開2003−172302号公報
【特許文献5】実公昭61−30671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、歯科診療用椅子を昇降し、バックレストをチルトする油圧機構の駆動開始時と駆動終了時に駆動の急激な変動による衝撃が生じる点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルトを操作する油圧機構の駆動開始時及び駆動終了時に駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消するために駆動開始時と駆動終了時におけるモータ回転数を徐々に変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の歯科診療用椅子の昇降やバックレストのチルトは、油圧ポンプを駆動するモータ回転数を駆動開始時と駆動終了時に徐々に変化させることによって駆動の急激な変動による衝撃を解消することができるので、着座した患者に不快感を与えないという利点がある。
また、本発明はギアやネジ軸を用いてモータ駆動する歯科診療用椅子に比べて、昇降部やバックレスト部それぞれにて速度制御する必要がないので、機械的な騒音がなく、低コストで、衝撃が生じない。更に多軸制御、例えば枕の昇降、枕のチルト、バックレストの昇降、椅子の旋回、座部のチルト、レッグレストのチルト、台座のチルトなどの駆動を油圧回路で構成した場合などでも、1箇所の油圧ポンプで複数の部分の駆動速度を衝撃なく制御することができる。また従来の油圧駆動椅子においても油圧配管を変更せずに油圧ポンプのモータ回転数を制御部の指令のみで変更することにより駆動速度の急変による衝撃を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルトを油圧機構にて操作する際の駆動開始時及び終了時に生じる衝撃を解消するという目的を、駆動開始時及び終了時にモータ回転数を徐々に変化させることにより実現した。
【実施例】
【0012】
図1から図5は本発明の実施例を示し、図1は本発明を適用する歯科診療用椅子の側面図、図2は三相誘導モータを用いた油圧機構のブロック図、図3はモータ回転速度とシリンダ駆動速度等の関係を示す線図、図4は三相誘導モータを用いた油圧制御回路図、図5は直流モータを用いた油圧制御回路図である。
【0013】
図1に示すように本願発明を適用する歯科診療用椅子1は、床上に設けられた昇降可能な台座2と、台座2上に設けられた座部3と、座部3の一端に回動自在に連結されたバックレスト4と、バックレスト4の上端に設けられたヘッドレスト5と、座部3の他端に回動自在に設けられたレッグレスト6などからなる。そして椅子1の下方には台座2の昇降用シリンダ7と、バックレスト4のチルト用シリンダ8と、モータ9にて駆動する油圧ポンプ10及びモータ9の回転数を制御するインバータ11とからなる油圧機構12が設けられており、それぞれの相互間が電気的、油圧的に連結されている。なお図中の符号13はアームレスト、14は電磁弁を示す。
【0014】
前記油圧機構12は、図2のブロック図に示すように図中のインバータ11に対し油圧駆動の開始時及び終了時に徐々に回転数を増減する加減速時間設定が予めインプットされている。そしてこのインバータ11からの指令に基づいてモータ9の回転数が制御され、油圧ポンプ10が駆動されるように構成されている。なお図2の制御弁は以下に述べる複数の電磁弁を一体的に構成したものである。
【0015】
次に前記油圧機構12の駆動を図2のブロック図にて概略説明する。
まず台座2を昇降させる場合は、台座2側の図示しない上昇スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータ11に運転開始信号が発信され、同時に昇降用シリンダ7側の制御弁16の上昇側電磁弁Aが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させる。これにより油圧ポンプ10も徐々に加速して油圧を徐々に上昇させる。吐出した圧力油は制御弁16のPから上昇側電磁弁Aを通って昇降用シリンダ7の上昇側Uに送られる。これにより昇降用シリンダは低速から徐々に加速しつつ台座2を上昇させる。また上昇終了時には上昇スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転がインバータ11からの加減速時間設定に基づく信号により徐々に減速し、台座2の上昇速度が徐々に低下して停止する。即ちスロースタート・スローストップとなる。一方、昇降用シリンダ7の下降側Dの油は制御弁16の排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0016】
また、台座2側の図示しない下降スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータ11に運転開始信号が発信され、同時に昇降用シリンダ7側の制御弁16の下降側電磁弁Bが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させる。これにより油圧ポンプ10も徐々に加速して油圧を徐々に上昇させる。吐出した圧力油は制御弁16のPから下降側電磁弁Bを通って昇降用シリンダ7の下降側Dに送られる。これにより昇降用シリンダは低速から徐々に加速しつつ台座2を下降させる。また下降終了時には下降スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転がインバータ11からの加減速時間設定に基づく信号により徐々に減速し、台座2の下降速度が徐々に低下して停止する。即ちスロースタート・スローストップとなる。一方、昇降用シリンダ7の上昇側Uの油は制御弁16のAから排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0017】
次に、バックレスト4を上昇させる場合は、バックレスト4側の図示しない上昇スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータに運転信号が発信され、チルト用シリンダ8側の制御弁18の上昇側電磁弁Aが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させ、前記と同様に油圧ポンプ10を駆動する。吐出された圧力油は制御弁18のPから上昇側電磁弁Aを通ってチルト用シリンダの上昇側Uに送られバックレスト4が低速から徐々に加速しつつ上昇する。そしてバックレスト4の上昇終了時も前記と同様に加減速時間設定の信号によりスロースタート・スローストップとなる。一方、チルト用シリンダの下降側Dの油は制御弁18の排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0018】
また、バックレスト4を下降させる場合は、バックレスト4側の図示しない下降スイッチをONにすると前記と同様にコントローラ15の指令に基づいて昇降用シリンダ7側の制御弁16は閉止され、バックレスト4のチルト用シリンダ8 側の制御弁18の下降側電磁弁Bが解放に切り替えられる。これにより前記と同様に油圧ポンプ9が駆動し、吐出される圧力油が制御弁18の下降側電磁弁Bを通ってチルト用シリンダの下降側Dに送られバックレスト4の下降が開始する。なおバックレスト4の下降開始時及び終了時は前記と同様に加減速時間設定の信号によりスロースタート・スローストップとなる。一方、チルト用シリンダの上昇側Uの油は制御弁18の油は排出側制御弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0019】
なお、前記は昇降及びバックレストのチルト等のセットポジションを図示しないスイッチにより手動制御する例について説明したが、予めコントローラ15によりプログラムされたタイミングにより自動でモータ駆動を指令し、セットポジションにて自動停止させることもできる。この場合、椅子のセット位置を図示しない記憶手段に記憶させた位置に対応したタイミングでモータ駆動を指令することもできる。
【0020】
次に図3に示す線図を用いてモータ回転速度、シリンダ駆動速度等の関係を説明する。
線図は横軸に時間、縦軸にモータの場合は回転速度、シリンダの場合は駆動速度、制御弁の場合は開度のそれぞれを示す。
一例として台座2を昇降させる場合について説明する。まず台座側の上昇スイッチをONにすると図1のモータ9及び油圧ポンプ10はインバータ11に予めインプットされた加減速時間設定による指令に基づいて回転を開始し低速から徐々に加速する。この場合の回転数や吐出量の変動は図3の線図Aに示すように回転が低速から徐々に加速する時間t1を過ぎると一定回転数となり、台座2が所定の位置に上昇した所でスイッチOFFにすると回転が徐々に減速して設定時間t2を過ぎると自動的に停止する。即ちスロースタート、スローストップとなる。これによる昇降用シリンダ7の駆動速度は線図Bに示すようにt1,t2の時間帯はモータ回転数の変動と同様にスロースタート、スローストップとなるので駆動開始時及び駆動終了時における駆動の急激な変化による衝撃が生じない。また、昇降用シリンダ側制御弁16は、線図Cに示すようにモータ9の回転開始から停止までの間、上昇側が開放されている。このとき台座側制御弁以外の制御弁は線図Dに示すとおり閉止となっている。
【0021】
次に、バックレストをチルトする場合は、例えばバックレスト側の上昇スイッチをONにすることにより線図E及びFに示すようにt1,t2の時間帯はモータ9及びチルト用シリンダ8が前記と同様に加減速時間設定による指令に基づいてスロースタート、スローストップとなる。このときバックレスト側の制御弁18は線図Gに示すようにモータ9の回転開始から停止までの間、上昇側が開放されている。なおバックレスト側の制御弁18以外は線図Hに示すとおり閉止されている。
なお上記例はいずれも上昇の場合について説明したが下降の場合も同様に加減速時間設定による指令に基づいてスロースタート、スローストップになるので重複する線図の説明を省略する。
【0022】
次に三相誘導モータを用いた油圧機構を図4に示す油圧制御回路図にて詳細に説明する。
油圧機構12の駆動開始前は全ての電磁弁14が閉止になっている。この状態から例えば台座2を上昇させる場合は、台座2側の図示しない上昇スイッチをONにすることにより
昇降用シリンダ7側の電磁弁14及び電磁弁22を開放する指令がコントローラ15から発信される。また予めインプットされた加減速時間設定に基づいたモータ駆動指令がインバータ11から発信される。これによりモータ9が回転開始し低速から徐々に回転速度が上昇すると同時に電磁弁14及び電磁弁22が開放される。油圧ポンプ10の駆動により吐出された圧力油はフィルタ19、電磁弁14及び逆止弁20を通って昇降用シリンダ7の上昇側Aに送り込まれて台座2が上昇開始する。このとき、昇降用シリンダ7のB側の油は流量調節弁21及び排出側電磁弁22を通ってオイルタンク17に戻される。なお油圧ポンプ10から吐出される油圧は規定圧内に保たれるべく安全弁23にて調整される。また上記により台座2を所定位置に上昇させたところで台座上昇をOFFにするとモータ9の回転が徐々に減速して自動停止し、電磁弁14及び電磁弁22を閉止することで停止した位置が保たれる。
【0023】
台座2を下降させる場合は、図示しない台座下降スイッチをONにすることにより、台座下降側の電磁弁24及び電磁弁27を開放する指令がコントローラ15から発信される。
また予めインプットされた加減速時間設定に基づいたモータ駆動指令がインバータ11から発信される。これによりモータ9が回転開始すると同時に台座下降側の電磁弁24のみが開放され、油圧ポンプ10が吐出した圧力油はフィルタ19、台座下降側の電磁弁24及び逆止弁25を通って昇降用シリンダ7の下降側Bに送り込まれて台座2が下降開始する。一方、昇降用シリンダ7のA側の油は流量調節弁26 及び排出側電磁弁27を通ってオイルタンク17に戻される。下降を停止する場合は台座下降スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転が徐々に減速して自動停止し、電磁弁24及び電磁弁27を閉止することで停止した位置が保たれる。
【0024】
バックレスト4をチルトする場合は、バックレスト4の上昇または下降スイッチをONにすることによりチルト用シリンダ8側の回路図に従って前記と同様に油圧機構が駆動し、バックレスト4をスロースタート、スローストップにてチルトすることが可能になるので重複する説明を省略する。
【0025】
前記は三相誘導モータを使用した場合の油圧制御回路図についての説明であるが、図5に示すように直流モータ29を使用して回転速度を電圧制御回路30にて電圧制御することもでき、前記と同様にスロースタート、スローストップが可能になる。なお油圧制御は前記三相誘導モータを使用した場合と同様であるので同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
以上、本実施例では、昇降部及びバックレスト部を油圧駆動することにより姿勢制御する例を示したが、これに限らず枕の昇降、枕のチルト、バックレストの昇降、椅子の旋回、座部のチルト、レッグレストのチルト、台座のチルトなどを駆動する歯科診療用椅子の姿勢制御においても実現が可能である。この場合も1箇所の油圧ポンプを速度制御することにより複数部の制御ができ、駆動の急変による衝撃を解消することができる。
【0027】
よって本発明の歯科診療用椅子の油圧機構は、歯科診療用椅子の各部を姿勢制御するに際して駆動開始時及び終了時におけるモータの回転をスロースタート、スローストップにすることにより、駆動の急激な変動による衝撃を解消することができ、着座した患者に不快感を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用する歯科診療用椅子の側面図である。
【図2】三相誘導モータを用いた油圧機構のブロック図である。
【図3】モータ回転速度とシリンダ駆動速度の関係を示す線図である。
【図4】三相誘導モータを用いた油圧制御回路図である。
【図5】直流モータを用いた油圧制御回路図である。
【符号の説明】
【0029】
1 歯科診療用椅子
2 台座
3 座部
4 バックレスト
5 ヘッドレスト
6 レッグレスト
7 昇降用シリンダ
8 チルト用シリンダ
9 三相誘導モータ
10 油圧ポンプ
11 インバータ
12 油圧機構
13 アームレスト
14,24,27,28 電磁弁
15 コントローラ
16,18 制御弁
17オイルタンク
19 フィルタ
20,25 逆止弁
21,26 流量調節弁
23安全弁
29直流モータ
30電圧制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルト等の姿勢制御をする油圧機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から歯科診療用椅子の昇降やバックレストのチルトに油圧機構が用いられている。この油圧機構に関しては、例えば特許文献1から5に示される技術が公知である。
【0003】
特許文献1から3の技術は、固定容量型油圧ポンプを駆動する同期モータの回転数をインバータコントローラの指令により制御して吐出量を調整すると共に、吐出された油の圧力を回路中に設けられたリリーフバルブにて調整することによりモータの過負荷を緩和し、低発熱、低騒音の効果を得るものである。
【0004】
特許文献4の技術は、可変容量型油圧ポンプを駆動する可変速モータの回転数をインバータ制御して吐出量を調整すると共に、油圧回路中に設けられた機械的圧力調整機構にて機械的に圧力を調整することにより低発熱、低騒音及び省エネの効果を得るものである。
【0005】
特許文献5の技術は、油圧を用いずにギアやネジ軸などをモータ駆動して歯科診療椅子を機械的に昇降またはチルトするものである。
【0006】
しかしながら、前記従来の歯科診療用椅子の油圧機構においては、駆動の開始時及び終了時に駆動の急激な変動により衝撃が生じて着座した患者に不快感を与えるという問題がある。また、特許文献1から4の技術は、インバータコントローラによるモータ回転数の制御にて吐出量を調整し、また油圧回路中にリリーフバルブを設けてモータ駆動に無理が生じないようにしたものであるが、モータ駆動開始及び駆動終了時における駆動の急激な変動により生じる衝撃を、本発明のように駆動速度を徐々に変化させることで緩和する制御方式について記載されていない。また駆動の急激な変動を緩和して椅子の昇降やバックレストのチルトの駆動開始時及び駆動終了時に生じる衝撃を緩和する油圧機構を歯科診療用椅子に構築することについても記載されていない。
【0007】
特許文献5の技術は、油圧を用いずにギアやネジ軸用いてモータ駆動する構成であり機械的な騒音が発生しやすく、またネジ軸を用いているのでモータの回転を停止した際に台座が自然に降下する傾向があり、これを阻止するために摩擦係数の大きな(低効率な)台形ネジを使用する必要がある。そのために強力なモータを用いるなどコストが嵩むという問題がある。
なお台座を自然降下させないためには電磁ブレーキなどにて位置を保持させることもできるが、電磁ブレーキを組み込むことによりコストが嵩むと共に、ブレーキの開閉時に騒音が発生するという問題がある。更にモータを可変速にすることにより回転開始時及び停止時のショックを和らげることも可能であるが、昇降やチルトするそれぞれの部分に可変速機構を設ける必要がありコストが嵩むという問題がある。
【特許文献1】特開2000−265966号公報
【特許文献2】特開2000−274376号公報
【特許文献3】特開2000−274377号公報
【特許文献4】特開2003−172302号公報
【特許文献5】実公昭61−30671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、歯科診療用椅子を昇降し、バックレストをチルトする油圧機構の駆動開始時と駆動終了時に駆動の急激な変動による衝撃が生じる点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルトを操作する油圧機構の駆動開始時及び駆動終了時に駆動の急激な変動により生じる衝撃を解消するために駆動開始時と駆動終了時におけるモータ回転数を徐々に変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の歯科診療用椅子の昇降やバックレストのチルトは、油圧ポンプを駆動するモータ回転数を駆動開始時と駆動終了時に徐々に変化させることによって駆動の急激な変動による衝撃を解消することができるので、着座した患者に不快感を与えないという利点がある。
また、本発明はギアやネジ軸を用いてモータ駆動する歯科診療用椅子に比べて、昇降部やバックレスト部それぞれにて速度制御する必要がないので、機械的な騒音がなく、低コストで、衝撃が生じない。更に多軸制御、例えば枕の昇降、枕のチルト、バックレストの昇降、椅子の旋回、座部のチルト、レッグレストのチルト、台座のチルトなどの駆動を油圧回路で構成した場合などでも、1箇所の油圧ポンプで複数の部分の駆動速度を衝撃なく制御することができる。また従来の油圧駆動椅子においても油圧配管を変更せずに油圧ポンプのモータ回転数を制御部の指令のみで変更することにより駆動速度の急変による衝撃を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
歯科診療用椅子の昇降及びバックレストのチルトを油圧機構にて操作する際の駆動開始時及び終了時に生じる衝撃を解消するという目的を、駆動開始時及び終了時にモータ回転数を徐々に変化させることにより実現した。
【実施例】
【0012】
図1から図5は本発明の実施例を示し、図1は本発明を適用する歯科診療用椅子の側面図、図2は三相誘導モータを用いた油圧機構のブロック図、図3はモータ回転速度とシリンダ駆動速度等の関係を示す線図、図4は三相誘導モータを用いた油圧制御回路図、図5は直流モータを用いた油圧制御回路図である。
【0013】
図1に示すように本願発明を適用する歯科診療用椅子1は、床上に設けられた昇降可能な台座2と、台座2上に設けられた座部3と、座部3の一端に回動自在に連結されたバックレスト4と、バックレスト4の上端に設けられたヘッドレスト5と、座部3の他端に回動自在に設けられたレッグレスト6などからなる。そして椅子1の下方には台座2の昇降用シリンダ7と、バックレスト4のチルト用シリンダ8と、モータ9にて駆動する油圧ポンプ10及びモータ9の回転数を制御するインバータ11とからなる油圧機構12が設けられており、それぞれの相互間が電気的、油圧的に連結されている。なお図中の符号13はアームレスト、14は電磁弁を示す。
【0014】
前記油圧機構12は、図2のブロック図に示すように図中のインバータ11に対し油圧駆動の開始時及び終了時に徐々に回転数を増減する加減速時間設定が予めインプットされている。そしてこのインバータ11からの指令に基づいてモータ9の回転数が制御され、油圧ポンプ10が駆動されるように構成されている。なお図2の制御弁は以下に述べる複数の電磁弁を一体的に構成したものである。
【0015】
次に前記油圧機構12の駆動を図2のブロック図にて概略説明する。
まず台座2を昇降させる場合は、台座2側の図示しない上昇スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータ11に運転開始信号が発信され、同時に昇降用シリンダ7側の制御弁16の上昇側電磁弁Aが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させる。これにより油圧ポンプ10も徐々に加速して油圧を徐々に上昇させる。吐出した圧力油は制御弁16のPから上昇側電磁弁Aを通って昇降用シリンダ7の上昇側Uに送られる。これにより昇降用シリンダは低速から徐々に加速しつつ台座2を上昇させる。また上昇終了時には上昇スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転がインバータ11からの加減速時間設定に基づく信号により徐々に減速し、台座2の上昇速度が徐々に低下して停止する。即ちスロースタート・スローストップとなる。一方、昇降用シリンダ7の下降側Dの油は制御弁16の排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0016】
また、台座2側の図示しない下降スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータ11に運転開始信号が発信され、同時に昇降用シリンダ7側の制御弁16の下降側電磁弁Bが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させる。これにより油圧ポンプ10も徐々に加速して油圧を徐々に上昇させる。吐出した圧力油は制御弁16のPから下降側電磁弁Bを通って昇降用シリンダ7の下降側Dに送られる。これにより昇降用シリンダは低速から徐々に加速しつつ台座2を下降させる。また下降終了時には下降スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転がインバータ11からの加減速時間設定に基づく信号により徐々に減速し、台座2の下降速度が徐々に低下して停止する。即ちスロースタート・スローストップとなる。一方、昇降用シリンダ7の上昇側Uの油は制御弁16のAから排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0017】
次に、バックレスト4を上昇させる場合は、バックレスト4側の図示しない上昇スイッチをONにすることによりコントローラ15からインバータに運転信号が発信され、チルト用シリンダ8側の制御弁18の上昇側電磁弁Aが開放に切り替えられる。運転開始信号を受けたインバータ11は、予めインプットされた加減速時間設定に基づいてモータ9を回転させ、回転数を低速から徐々に加速させ、前記と同様に油圧ポンプ10を駆動する。吐出された圧力油は制御弁18のPから上昇側電磁弁Aを通ってチルト用シリンダの上昇側Uに送られバックレスト4が低速から徐々に加速しつつ上昇する。そしてバックレスト4の上昇終了時も前記と同様に加減速時間設定の信号によりスロースタート・スローストップとなる。一方、チルト用シリンダの下降側Dの油は制御弁18の排出側電磁弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0018】
また、バックレスト4を下降させる場合は、バックレスト4側の図示しない下降スイッチをONにすると前記と同様にコントローラ15の指令に基づいて昇降用シリンダ7側の制御弁16は閉止され、バックレスト4のチルト用シリンダ8 側の制御弁18の下降側電磁弁Bが解放に切り替えられる。これにより前記と同様に油圧ポンプ9が駆動し、吐出される圧力油が制御弁18の下降側電磁弁Bを通ってチルト用シリンダの下降側Dに送られバックレスト4の下降が開始する。なおバックレスト4の下降開始時及び終了時は前記と同様に加減速時間設定の信号によりスロースタート・スローストップとなる。一方、チルト用シリンダの上昇側Uの油は制御弁18の油は排出側制御弁Tを通ってオイルタンク17に戻される。
【0019】
なお、前記は昇降及びバックレストのチルト等のセットポジションを図示しないスイッチにより手動制御する例について説明したが、予めコントローラ15によりプログラムされたタイミングにより自動でモータ駆動を指令し、セットポジションにて自動停止させることもできる。この場合、椅子のセット位置を図示しない記憶手段に記憶させた位置に対応したタイミングでモータ駆動を指令することもできる。
【0020】
次に図3に示す線図を用いてモータ回転速度、シリンダ駆動速度等の関係を説明する。
線図は横軸に時間、縦軸にモータの場合は回転速度、シリンダの場合は駆動速度、制御弁の場合は開度のそれぞれを示す。
一例として台座2を昇降させる場合について説明する。まず台座側の上昇スイッチをONにすると図1のモータ9及び油圧ポンプ10はインバータ11に予めインプットされた加減速時間設定による指令に基づいて回転を開始し低速から徐々に加速する。この場合の回転数や吐出量の変動は図3の線図Aに示すように回転が低速から徐々に加速する時間t1を過ぎると一定回転数となり、台座2が所定の位置に上昇した所でスイッチOFFにすると回転が徐々に減速して設定時間t2を過ぎると自動的に停止する。即ちスロースタート、スローストップとなる。これによる昇降用シリンダ7の駆動速度は線図Bに示すようにt1,t2の時間帯はモータ回転数の変動と同様にスロースタート、スローストップとなるので駆動開始時及び駆動終了時における駆動の急激な変化による衝撃が生じない。また、昇降用シリンダ側制御弁16は、線図Cに示すようにモータ9の回転開始から停止までの間、上昇側が開放されている。このとき台座側制御弁以外の制御弁は線図Dに示すとおり閉止となっている。
【0021】
次に、バックレストをチルトする場合は、例えばバックレスト側の上昇スイッチをONにすることにより線図E及びFに示すようにt1,t2の時間帯はモータ9及びチルト用シリンダ8が前記と同様に加減速時間設定による指令に基づいてスロースタート、スローストップとなる。このときバックレスト側の制御弁18は線図Gに示すようにモータ9の回転開始から停止までの間、上昇側が開放されている。なおバックレスト側の制御弁18以外は線図Hに示すとおり閉止されている。
なお上記例はいずれも上昇の場合について説明したが下降の場合も同様に加減速時間設定による指令に基づいてスロースタート、スローストップになるので重複する線図の説明を省略する。
【0022】
次に三相誘導モータを用いた油圧機構を図4に示す油圧制御回路図にて詳細に説明する。
油圧機構12の駆動開始前は全ての電磁弁14が閉止になっている。この状態から例えば台座2を上昇させる場合は、台座2側の図示しない上昇スイッチをONにすることにより
昇降用シリンダ7側の電磁弁14及び電磁弁22を開放する指令がコントローラ15から発信される。また予めインプットされた加減速時間設定に基づいたモータ駆動指令がインバータ11から発信される。これによりモータ9が回転開始し低速から徐々に回転速度が上昇すると同時に電磁弁14及び電磁弁22が開放される。油圧ポンプ10の駆動により吐出された圧力油はフィルタ19、電磁弁14及び逆止弁20を通って昇降用シリンダ7の上昇側Aに送り込まれて台座2が上昇開始する。このとき、昇降用シリンダ7のB側の油は流量調節弁21及び排出側電磁弁22を通ってオイルタンク17に戻される。なお油圧ポンプ10から吐出される油圧は規定圧内に保たれるべく安全弁23にて調整される。また上記により台座2を所定位置に上昇させたところで台座上昇をOFFにするとモータ9の回転が徐々に減速して自動停止し、電磁弁14及び電磁弁22を閉止することで停止した位置が保たれる。
【0023】
台座2を下降させる場合は、図示しない台座下降スイッチをONにすることにより、台座下降側の電磁弁24及び電磁弁27を開放する指令がコントローラ15から発信される。
また予めインプットされた加減速時間設定に基づいたモータ駆動指令がインバータ11から発信される。これによりモータ9が回転開始すると同時に台座下降側の電磁弁24のみが開放され、油圧ポンプ10が吐出した圧力油はフィルタ19、台座下降側の電磁弁24及び逆止弁25を通って昇降用シリンダ7の下降側Bに送り込まれて台座2が下降開始する。一方、昇降用シリンダ7のA側の油は流量調節弁26 及び排出側電磁弁27を通ってオイルタンク17に戻される。下降を停止する場合は台座下降スイッチをOFFにすることによりモータ9の回転が徐々に減速して自動停止し、電磁弁24及び電磁弁27を閉止することで停止した位置が保たれる。
【0024】
バックレスト4をチルトする場合は、バックレスト4の上昇または下降スイッチをONにすることによりチルト用シリンダ8側の回路図に従って前記と同様に油圧機構が駆動し、バックレスト4をスロースタート、スローストップにてチルトすることが可能になるので重複する説明を省略する。
【0025】
前記は三相誘導モータを使用した場合の油圧制御回路図についての説明であるが、図5に示すように直流モータ29を使用して回転速度を電圧制御回路30にて電圧制御することもでき、前記と同様にスロースタート、スローストップが可能になる。なお油圧制御は前記三相誘導モータを使用した場合と同様であるので同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
以上、本実施例では、昇降部及びバックレスト部を油圧駆動することにより姿勢制御する例を示したが、これに限らず枕の昇降、枕のチルト、バックレストの昇降、椅子の旋回、座部のチルト、レッグレストのチルト、台座のチルトなどを駆動する歯科診療用椅子の姿勢制御においても実現が可能である。この場合も1箇所の油圧ポンプを速度制御することにより複数部の制御ができ、駆動の急変による衝撃を解消することができる。
【0027】
よって本発明の歯科診療用椅子の油圧機構は、歯科診療用椅子の各部を姿勢制御するに際して駆動開始時及び終了時におけるモータの回転をスロースタート、スローストップにすることにより、駆動の急激な変動による衝撃を解消することができ、着座した患者に不快感を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用する歯科診療用椅子の側面図である。
【図2】三相誘導モータを用いた油圧機構のブロック図である。
【図3】モータ回転速度とシリンダ駆動速度の関係を示す線図である。
【図4】三相誘導モータを用いた油圧制御回路図である。
【図5】直流モータを用いた油圧制御回路図である。
【符号の説明】
【0029】
1 歯科診療用椅子
2 台座
3 座部
4 バックレスト
5 ヘッドレスト
6 レッグレスト
7 昇降用シリンダ
8 チルト用シリンダ
9 三相誘導モータ
10 油圧ポンプ
11 インバータ
12 油圧機構
13 アームレスト
14,24,27,28 電磁弁
15 コントローラ
16,18 制御弁
17オイルタンク
19 フィルタ
20,25 逆止弁
21,26 流量調節弁
23安全弁
29直流モータ
30電圧制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子各部を油圧機構にて姿勢制御する歯科診療用椅子において、油圧駆動の開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に減速する手段を講じることにより駆動開始時及び駆動終了時における速度の急激な変動により生じる衝撃を緩和することを特徴とする歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項2】
前記油圧機構が少なくともシリンダと、制御弁、油圧ポンプと、油圧ポンプ駆動用モータから成ることを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項3】
前記駆動用モータが三相誘導電動機からなり、回転数をインバータにインプットした加減速時間設定に基づいて制御することを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項4】
前記駆動用モータが直流モータからなり、回転数を加減速時間設定に基づいた電圧制御回路により制御することを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項1】
椅子各部を油圧機構にて姿勢制御する歯科診療用椅子において、油圧駆動の開始時には低速から徐々に加速し、駆動終了時には徐々に減速する手段を講じることにより駆動開始時及び駆動終了時における速度の急激な変動により生じる衝撃を緩和することを特徴とする歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項2】
前記油圧機構が少なくともシリンダと、制御弁、油圧ポンプと、油圧ポンプ駆動用モータから成ることを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項3】
前記駆動用モータが三相誘導電動機からなり、回転数をインバータにインプットした加減速時間設定に基づいて制御することを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【請求項4】
前記駆動用モータが直流モータからなり、回転数を加減速時間設定に基づいた電圧制御回路により制御することを特徴とする請求項1記載の歯科診療用椅子の油圧機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2008−142455(P2008−142455A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−335765(P2006−335765)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000141598)株式会社吉田製作所 (117)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(000141598)株式会社吉田製作所 (117)
【Fターム(参考)】
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