説明

水性クリーニング溶液のためのフッ素化スルホンアミド界面活性剤

アニオンN−置換フッ素化スルホンアミド界面活性剤ならびにクリーニング溶液および酸エッチング溶液中での該界面活性剤の使用が記載されている。クリーニング溶液およびエッチング溶液は、例えば、酸化シリコン含有基材のクリーニングおよびエッチングにおいて多様な基材と合わせて用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のフッ素化スルホンアミド界面活性剤、および水性緩衝酸エッチング溶液などのクリーニング溶液中での該界面活性剤の使用に関する。エッチング溶液は、例えば、酸化シリコン含有基材のエッチングにおいて多様な基材と合わせて用いることが可能である。
【背景技術】
【0002】
集積回路、フラットパネルディスプレイおよびマイクロエレクトロメカニカルシステムなどのマイクロエレクトロニックデバイスの使用は、パソコン、携帯電話、電子カレンダ、パーソナルディジタルアシスタンスおよび医療エレクトロニックスなどの新たなビジネス電子装置および消費者電子装置において発展してきた。こうしたデバイスは、テレビ、ステレオコンポおよび自動車などのより定着した消費者製品の必須部分にもなってきた。
【0003】
これらのデバイスは、そして次に、回路パターンの多くの層を含む非常に高品質の1つ以上の半導体チップを含んでいる。例えばパソコンにおいて見られる高性能論理素子において用いるのに十分な複雑さおよび品質の半導体チップに裸シリコンウェハ表面を変換するために、典型的にほぼ350の処理工程が必要である。半導体チップ製造の最も共通的な処理工程はウェハクリーニング工程であり、全処理工程の10%より多くを占める。これらのクリーニング工程は、通常は酸化およびエッチング(または2つの組み合わせ)の2タイプの中の1つである。酸化クリーニング工程中、典型的にはウェハを過酸化物水溶液またはオゾン水溶液に接触させることによりシリコン表面またはポリシリコン表面を酸化させるために酸化組成物は用いられる。エッチングクリーニング工程中、典型的にはウェハを水性酸に接触させることによりゲート酸化またはエピタキシャルデポジションの前にシリコン表面またはポリシリコン表面から自然シリコン酸化膜および沈着シリコン酸化膜ならびに有機汚染物を除去するためにエッチング組成物は用いられる。例えば、ザゼラ(L.A.Zazzera)およびモールダ(J.F.Moulder)、J.Electrochem.Soc.、136、No.2、484(1989)参照。得られた半導体チップの最終性能は、各エッチング工程がいかにうまく行われたかに応じて大幅に異なる。
【0004】
半導体ウェハのクリーニングの開発において、幾つかの化学品が調査され、数種は工業標準として残っている。これらの工業標準は、スタンダードクリーン−1(SC−1;RCA−1としても知られている)およびスタンダードクリーン−2(SC−2;RCA−2としても知られている)として知られている。SC−1はアルカリpHを有し、水酸化アンモニウム(NH4OH)、過酸化水素(H22)および水を含む。典型的には、SC−1は、金属イオンおよび酸化物表面有機材料を除去するために第1の工程で用いられる。この手順の後には、重金属、アルカリおよび金属水酸化物の汚染物を除去するためにSC−2の利用が続く。SC−2は酸性pHを有し、塩酸、過酸化水素および水を含む。半導体ウェハが有機材料でひどく汚染されている場合、硫酸(H2SO4)および過酸化水素(H22)の溶液を用いてもよい。これらの溶液はピランハと呼ばれている(バークマン(Burkman)ら著「半導体ウェハクリーニング技術ハンドブック(Handbook of Semiconductor Wafer Cleaning Technology)」、第3章、水性クリーニングプロセス(Aqueous Cleaning Processes);120〜3)を参照すること)。ウェア表面をクリーニングするために用いられてきた他の材料には、HF、HBr、リン酸、硝酸、酢酸、オゾンおよびそれらの混合物の水溶液が挙げられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、C2〜C6パーフルオロアルカンスルホニルフルオリド、特にメチルより大きいN−置換アルキル側鎖を含むパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(PBSF)から誘導された1種以上のフルオロケミカル界面活性剤を含む組成物を提供する。これらの界面活性剤は、窒素が置換されていないか、またはメチル置換されているPBSF材料によって達成されるのと同じ値または似た低い値に水および他の水性媒体の表面張力を驚くほどに下げる。これらの組成物は、金属、導電性ポリマー、絶縁材料および例えば銅インターコネクトなどの銅含有基材も含む、種々の組成の薄膜で被覆されたシリコンまたはGaAs、あるいはシリコンウェハまたはGaAsウェハをクリーニングするか、または研磨することを含め、基材をクリーニングする際に有用である。
【0006】
本発明の一態様は、(a)式
【化1】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn−H2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
-はSO3-または−CO2-であり、
+はカチオンである)
の少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも10ppm、典型的には約10〜約1000ppm、
(b)溶媒および
(c)酸化剤
を含む組成物を含む。
【0007】
本組成物は、溶媒として好ましくは水を用いる。本組成物は、媒体を酸性にするために塩酸などの酸、またはアルカリ材料、例えば、媒体を塩基性にするために水酸化アンモニウムを更に含んでもよい。
【0008】
本発明の第2の態様は、基材をクリーニングする方法であって、
(a)上で定義された組成物を提供する工程と、
(b)表面上に少なくとも1つの所望しない材料を有する少なくとも1つの金属インターコネクトおよび/またはフィルムを典型的に有する少なくとも1つの表面を含む基材を提供する工程と、
(c)前記基材の表面と前記組成物を互いに接触させて界面を形成する工程と、
(d)所望しない表面材料の除去を可能にする工程と
を含む方法を含む。
【0009】
本発明のもう1つの実施形態は、酸および式
【化2】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
+はカチオンである)
の界面活性剤
を含む水性酸クリーニング溶液である。
【0010】
典型的には、酸はフッ化水素および/またはオニウムフッ化物錯体、例えばフッ化アンモニウムである。
【0011】
本発明のなおもう1つの実施形態は、式
【化3】

(式中、
1、R、R1、X-およびM+は上で定義された通りである)
の界面活性剤を少なくとも10パーツパーミリオン(ppm)含む水性クリーニング溶液であって、7以上のpHを有する溶液である。
【0012】
フッ素化界面活性剤は水性酸エッチング溶液中で十分に安定であり、集積回路などのシリコン基材上にナノスケール機能を効率的に作ることができるように水性酸エッチング溶液の表面張力を有利に下げ、水性酸エッチング溶液に可溶性である。本発明の溶液は、本溶液が従来のエッチング溶液と同じエッチング速度を有し、そして低い表面張力を保持するという利点の1つ以上を提供する。更に、本溶液は発泡性ではなく、基材を汚染しうる微粒子が少なく、リンスすると全く表面残留物を残さないか、少ない表面残留物しか残さない。濾過された時または長い貯蔵後に溶液は改善された性能安定性も提供し、優れた基材表面平滑度を最終的に与える。金属および酸化物を含む他の基材も酸または酸の混合物の適切な選択によってエッチングされ、クリーニングされてもよい。
【0013】
一態様において、本発明は、半導体および集積回路の製造において有用なエッチング溶液、フッ素化界面活性剤、フッ化水素およびそのオニウムフッ化物錯体を含む組成物に関する。有利には、本発明は、比較的低い界面活性剤濃度を含むが、基材を効果的に濡らし、効果的なエッチング速度を有するエッチングおよび残留物の除去のために有用な水性エッチング溶液を提供する。
【0014】
もう1つの態様において、本発明は、所定のエッチング度を達成するのに十分な時間にわたりフッ素化界面活性剤および酸を含む均質エッチング溶液に基材を接触させることによる基材のためのエッチング方法に関する。好ましい実施形態において、本発明は、所定のエッチング度を達成するのに十分な時間にわたりフッ素化界面活性剤、HFおよび/またはオニウムフッ化物錯体を含む均質エッチング溶液に基材を接触させることによる基材のためのエッチング方法に関する。本発明は、複雑な微小構造を容易に透過するとともにシリコン基材上の表面を濡らす低い表面張力を有するエッチング溶液を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、基材をクリーニングするために、およびエッチング溶液としても用いられる組成物に関する。基材をクリーニングする組成物は、少なくとも1種のフッ素化界面活性剤、溶媒および酸化剤を含む。エッチング組成物またはエッチング溶液は、酸および少なくとも1種のフッ素化界面活性剤を含む水性溶液である。
【0016】
本発明において有用な基材には、シリコン、ゲルマニウム、GaAs、InPおよび他のIII−V族化合物半導体およびII−VI族化合物半導体が挙げられる。集積回路製造に関与する多数の処理工程のゆえに、基材がシリコン、ポリシリコン、金属および金属酸化物、レジスト、マスクおよび誘電体の層を含んでもよいことは言うまでもないであろう。本発明は、シリコン系マイクロエレクトロメカニカル(MEMS)デバイスのエッチングおよび剥離においても特に有用である。MEMSのエッチングクリーニングおよび乾燥は、半導体チップ製造のための問題に似た問題を有する。基材が銅インターコネクトである時、基材は銅を含む表面パターンとして本明細書で定義される。フィルムは、シリコンウェハなどの基材上の材料の薄い被膜として、例えば、銅金属、窒化ケイ素、フォトレジストまたは誘電体のフィルムとして本明細書で定義される。
【0017】
終点による数値範囲の列挙が当該範囲内に含まれるすべての数値および端数を含むことは理解されるべきである(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。すべての数値およびその端数が「約」という用語によって修飾されていると考えることは理解されるべきである。本明細書で用いられる「a」という用語が複数と単数の両方を含むことは理解されるべきである。
【0018】
「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、イソプロピル、t−ブチルおよびs−ペンチルなどの直鎖または分岐、環式または非環式の炭化水素基を意味する。アルキル基は、例えば、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子または好ましくは1〜6個の炭素原子を含む。
【0019】
「パーフルオロアルキル」という用語は、例えば、CF3CF2−、CF3CF2CF2−、 CF3CF2CF2CF2−、(CF32CFCF2CF2−およびCF3CF(CF2CF3)CF2CF2−などの完全にフッ素化された一価の直鎖または分岐、環式または非環式の飽和炭化水素基を意味する。1個以上の非隣接−CF2−基は、例えばCF3CF2OCF(CF3)CF2−などのカテナリー酸素または窒素原子で置換されていてもよい。パーフルオロアルキル基は、例えば、2〜6個の炭素原子、好ましくは3〜5個の炭素原子および最も好ましくは4個の炭素原子を含む。
【0020】
アミド塩界面活性剤
本発明のアミド塩は式
【化4】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
-は−SO3-または−CO2-であり、
+はカチオンである)
によって表すことが可能である。
【0021】
R基は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であってもよい。特に、Rは式−Cp2p+1のアルキル基、式−Cp2p−OHのヒドロキシアルキル基、式−Cp2p+23-のアルキルアミンオキシドまたは式−Cp2p−NR23(式中、pは1〜6の整数であり、R2およびR3は独立してHまたは炭素原子数1〜6のアルキル基である)のアミノアルキル基であってもよい。R基は、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子を更に含んでもよい。ここで、−CH2−基は−O−または−NR4−基(R4はH−またはC1〜C6アルキル基である)によって置換されている。こうしたカテナリー原子がR基のヒドロキシアルキル基またはアミノアルキル基において見られるようにヘテロ原子に対してアルファではないことが好ましい。
【0022】
1は式−Cn2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンは上述したようにカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよい。R1は、好ましくは−Cn2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6である)である。
【0023】
-は−CO2-であり、ここで、界面活性剤は酸を有する水性エッチング溶液中で用いられる。
【0024】
+は無機カチオンまたは有機カチオンを表す。適する無機カチオンには、遷移金属カチオンおよびアルカリ金属カチオンならびにアルカリ土類カチオンを含む金属カチオンが挙げられる。適する有機カチオンには、第一、第二、第三および第四アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオンならびにホスホニウムカチオンを含むアンモニウムなどのオニウムカチオンが挙げられる。半導体の調製などの多くのエッチング用途のために、金属はデバイスの後続の電子性能に悪影響を及ぼす場合があり、この理由のために、第一、第二、第三および第四アンモニウムカチオンを含むアンモニウムは好ましい。
【0025】
fはC3〜C5パーフルオロアルキル基、最も好ましくはC4パーフルオロアルキル基である。
【0026】
前に知られている多くのフッ素化界面活性剤は、パーフルオロオクタンスルホネートアニオン(PFOS)などのパーフルオロオクチル部分を含んでいる。特定のパーフルオロオクチル含有化合物が生物に生体内蓄積する傾向がありうることが報告されてきた。この傾向は、幾つかのフルオロケミカル化合物に関する潜在的懸念として述べられてきた。例えば、米国特許第5,688,884号明細書参照。結果として、所望する性能を提供する際に効果的であるとともに、より効率的に身体から排泄(組成物およびその分解生成物の排泄を含む)するフッ素含有界面活性剤が必要とされている。
【0027】
環境において見られる生物条件、熱的条件、酸化条件、加水分解条件および光分解条件に露出される時に比較的短いパーフルオロアルカリセグメント(8個未満の過フッ素化炭化水素)を有するアニオンを含む本発明の界面活性剤は生体内蓄積しない官能性短鎖フルオロカーボン分解生成物に分解されることが予想される。例えば、CF3CF2CF2CF2−などのパーフルオロブチル部分を含む本発明の組成物はパーフルオロオクチルより遙かにより効率的に身体から排泄することが予想される。この理由のために、上式中のRf基の好ましい実施形態は、合計で3〜5個の炭素原子を含むパーフルオロアルキル基Cm2m+l-を含む。
【0028】
一般に、本発明の界面活性剤は、スルホンアミドの適切なフルオロケミカルおよび極性溶媒からアニオンを最初に発生させることにより調製される。フルオロケミカルスルホンアミドは米国特許第3,702,504号明細書に記載されたように調製してもよい。スルホンアミド塩は、式Rf−SO2NRHの化合物を強塩基と反応させて式Rf-SO2-Rの窒素中心アニオンを形成することにより生成させてもよい。その後、アニオンは式:求電子体−R1−X-の求電子体含有スルホネート基または求電子体含有カルボキシレート基と更に反応し、よって本発明の界面活性剤をもたらす。本発明のこれらの界面活性剤化合物の調製に関する更なる詳しい説明は実施例に関して行う場合がある。
【0029】
溶媒
本発明の溶媒は、水、極性有機溶媒またはそれらの混合物である。極性溶媒は、室温で5を上回る誘電率を有するとして本明細書で定義される。適する極性有機溶媒の例には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、炭酸エチレンおよびブチロラクトン(例えばガンマブチロラクトン)などのエステル、アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル、ニトロメタンまたはニトロベンゼンなどのニトロ化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホンおよび他のスルホンなどのスルホン、N−メチル−2−オキサゾリジノンなどのオキサゾリジノンならびにそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0030】
特に適する溶媒は水、特に脱イオン水である。好ましい極性有機溶媒はアセトニトリルである。
【0031】
酸化剤および他の添加剤
酸化剤には、例えば、HNO3、H22、O3およびFe(NO33などが挙げられるが、それらに限定されない。追加の任意の添加剤には、例えば、研磨剤粒子、酸(例えば、H2SO4、薄い水性HF、HCl)、腐食防止剤(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール(TTA))、キレート剤(例えば、クエン酸アンモニウム、イミノ二酢酸(IDA)、EDTA)、電解質(例えばリン酸水素アンモニウム)、他の界面活性剤、ブライトナー、レベラーなどが挙げられる。酸化剤は典型的には10〜100,000ppmの範囲の濃度で存在する添加剤である。
【0032】
研磨用途のために、典型的には、本発明の組成物は研磨剤粒子を含むか、または固定研磨剤と組み合わせて用いられる。適する研磨剤粒子には、アルミナ、シリカ、および/または酸化セリウムが挙げられるが、それらに限定されない。一般に、研磨剤粒子は約3〜約10重量%の範囲の濃度で存在する。固定研磨剤は、典型的にはポリマー中に固定された研磨剤粒子である。
【0033】
ECMD用途のために、本発明の組成物は、溶媒に可溶性(すなわち、銅カチオンの濃度は溶媒中で典型的には少なくとも0.10Mである)であるいかなる銅塩であってもよい銅塩を更に含む。適する銅塩には、銅イミド、銅メチド、銅有機スルホネート、銅スルフェートまたはそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。銅塩は、溶媒中で典型的には約0.10M〜約1.5Mの範囲の濃度で存在する。
【0034】
組成物を調製する方法
本発明の組成物は、溶媒、好ましくは脱イオン水にアミド塩界面活性剤を少なくとも部分的に溶解または分散させることにより調製してもよい。
【0035】
界面活性剤は、エッチングまたはクリーニングの速度を容易に制御できるような濃度で一般に用いられる。
【0036】
方法
本発明の組成物は、基材、例えば、シリコンウェハおよび/またはクリーニング金属インターコネクトおよび/またはフィルムをクリーニングするために特に有用である。研磨の例には、化学機械的研磨(CMP)、化学強化研磨(CEP)および電気化学機械的沈着(ECMD)が挙げられるが、それらに限定されない。クリーニングの例には、ウェハクリーニングが挙げられるが、それらに限定されない。
【0037】
本発明は基材をクリーニングする方法であって、
(a)(i)式
【化5】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
-はSO3-または−CO2-であり、
+はカチオンである)
の少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも10ppm、
(ii)溶媒および
(iii)酸化剤
を含む組成物を提供する工程と、
(b)表面上に少なくとも1つの所望しない材料を有する少なくとも1つの金属インターコネクトおよび/またはフィルムを有する少なくとも1つの表面を含む基材を提供する工程と、
(c)前記基材の表面と前記組成物を互いに接触させて界面を形成する工程と、
(d)所望しない表面材料の除去を可能にする工程と
を含む方法を提供する。
【0038】
この方法は、金属が銅である時、界面で銅溶解を促進する力を加える工程を更に含んでもよい。
【0039】
任意に、1種以上の添加剤を組成物に添加してもよい。
【0040】
所望しない材料には、残留物、フィルムおよび金属酸化物を含む汚染物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0041】
本発明の適する基材には、金属、導電性ポリマーおよび絶縁材料を含む、種々の組成の薄膜で被覆されたシリコンウェハまたはGaAsウェハが挙げられるが、それらに限定されない。
【0042】
銅含有基材と組成物は、典型的には浸漬、吹き付けまたは回転分配によって接触するようにもっていかれる。
【0043】
上で定義されたフッ素化スルホンアミド界面活性剤のカルボキシレート塩およびフッ化水素ならびにオニウムフッ化物錯体などの酸を含む本発明の組成物は、半導体の製造の操作のために必要な場合があるエッチング操作などの基材上で行われる種々のエッチング操作において有用である。本明細書で用いられる「基材」は、シリコン、ゲルマニウム、GaAs、InPおよび他のIII−V族化合物およびII−VI族化合物半導体を含む、マイクロエレクトロニック製造において用いられるウェハおよびチップを意味する。本組成物は親水性酸化ケイ素を可溶性または揮発性のフッ化ケイ素に効率的に変換することが可能である。
【0044】
金属などの他の基材も酸の適切な選択によってエッチングしてもよい。フッ素化界面活性剤は水性酸の表面張力を効果的に下げ、よって基材の効果的な濡れを可能にする。
【0045】
本発明のエッチング組成物および方法は強化された濡れを提供することが可能であり、それは、小さい幾何形状パターンにおいて、および大きなアスペクト比、減少した粒子状汚染物および減少した表面粗度を有する機能のために特に重要である。それらのすべては、欠陥を下げてウェハ収率を上げることにより、クリーニング時間を短縮してウェハの生産を上げることにより、または界面活性剤の濾過損失を減らすことによってより長いエッチング浴寿命を見込むことにより製造効率の改善につながる場合がある。
【0046】
改善された性能は、用いられるフッ素化界面活性剤によるエッチング溶液の低い表面張力にある程度起因する。低い表面張力は基材の改善された濡れに寄与する。エッチング溶液の表面張力は、25℃で測定した時、一般には50ダイン/cm未満、好ましくは23ダイン/cm未満、最も好ましくは15〜20ダイン/cmである。
【0047】
エッチング溶液は、水性酸およびフッ素化界面活性剤をいかなる順序でも組み合わせることにより調製してもよい。好ましくは、エッチング溶液はフッ化水素およびオニウムフッ化物錯体を含む。酸化シリコン基材のために、フッ化水素の濃度は基材および所望するエッチング速度に応じて広く、すなわち、0.1から49重量%まで異なってもよい。HFの濃度は、一般には約0.1〜10重量%である。フッ化アンモニウムなどのオニウムフッ化物錯体をHFの全部または一部の代わりに用いる場合、オニウムフッ化物の量はHF酸当量によって決定してもよい。
【0048】
本発明は、基材をエッチングする方法であって、所望するエッチング度をもたらすのに十分な温度で十分な時間にわたって基材を本発明のエッチング溶液に接触させることによる方法を提供する。好ましくは、基材は酸化シリコン基材であり、エッチング溶液は本明細書で記載されたように緩衝酸化物エッチング溶液である。通常、酸化シリコン基材は15〜40℃でエッチングされる。必要ならば、エッチング方法は、エッチングされた基材からエッチング溶液をリンスする工程を更に含んでもよい。一実施形態において、本溶液は水で、好ましくは脱イオン水でリンスしてもよい。もう1つの実施形態において、エッチング溶液は傾斜エッチング法において脱イオン水にゆっくり入れ替えられる。
【0049】
必要ならば、エッチング溶液は、本発明の上述した界面活性剤に加えて第2の界面活性剤を更に含んでもよい。こうした第2の界面活性剤には、エッチング技術上知られているようなフッ素化界面活性剤と非フッ素化界面活性剤の両方が挙げられる。キクヤマ(Kikuyama)ら、IEEE Transactions on Semiconductor Manufacturing、Vol.3、1990、pp99〜108を参照してもよい。一般に、第2の界面活性剤は全界面活性剤の0〜80重量%を構成してもよい。第1の界面活性剤および第2の界面活性剤の合計量は10〜1000ppmを構成する。
【0050】
界面活性剤は溶液の表面張力を所望する度合に下げるのに十分な量で用いられる。シリコン基材の湿式エッチングのために、界面活性剤は、得られた溶液の表面張力を一般には50ダイン/cm以下、好ましくは23ダイン/cm以下に下げるのに十分な量で用いられる。本溶液は、一般には10〜1000ppm、好ましくは100〜500ppmの界面活性剤を含む。10PPM未満では、溶液は望ましい低い表面張力およびシリコン基材上での大きな接触角を示さない場合がある。1000ppmを上回ると、溶液の特性またはエッチングの性能の改善が殆どない。
【0051】
他の基材も酸または酸混合物の適切な選択によってエッチングしてもよい。金、インジウム、モリブデン、白金およびニクロム基材は塩酸と硝酸の混合物によりエッチングしてもよい。アルミニウム基材はリン酸と硝酸の混合物によりエッチングしてもよく、緩衝剤として酢酸を任意に含んでもよい。シリコン基材は、塩酸、硝酸および酢酸の混合物によりエッチングしてもよい。一般に、フッ素化界面活性剤は、前述した緩衝酸化物エッチングについて記載された量で用いられる。SIRTLエッチング溶液は、単結晶シリコンの欠陥を決定するために三酸化クロムとフッ化水素酸の混合物を用いて調製してもよい。
【0052】
列挙された特定の材料および説明ならびに他の条件および詳細事項に限定されない以下の実施例によって本発明の目的、特徴および利点を更に例示する。特に指定がないか、または明らかでない場合、すべての材料は市販されているか、または当業者に知られている。
【実施例】
【0053】
すべての部、百分率および比は特に明記しない限り重量による。
【0054】
試験方法
試験手順I−表面張力の決定
「クルス(Kruss)」K12張力計を用いてすべての表面張力を決定した。「ウィルヘルミ(Wilhelmy)」白金板(PL12)およびガラスサンプル容器を用いてプログラムを走らせた。上で述べたすべての部品は、ノースカロライナ州シャーロットのクルスUSA(Kruss USA(Charlotte,NC))から入手できる。
【0055】
【表1】

【0056】
用語解説でリストされたすべての材料は、ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich(Milwaukee,WI))から入手できる。
【0057】
49SO2NH(CH23N(CH32は、C613SO2Fを C49SO2Fで置き換える米国特許第5,085,786号明細書(アルム(Alm)ら)により本質的に調製することが可能である。
【0058】
49SO2NH(C25)は、NH2CH3 を等モル量のNH225で置き換える国際公開第01/30873A1号パンフレットの実施例1Aにより本質的に調製することが可能である。
【0059】
49SO2NH2の調製
冷フィンガーコンデンサ(−78℃)、オーバーヘッドスターラー、熱電対およびガス添加のためのプラスチックチューブが装着された三口丸底フラスコにパーフルオロブタンスルホニルフルオリド(PBSF;500.0g;1.6モル;シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich Company)から入手できる)およびイソプロピルエーテル(600mL;シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)から入手できる)を投入し、室温水の浴に入れた。アンモニアガス(90.0g;5.3モル)を3時間にわたって添加した。混合物の最終温度は13℃であった。
【0060】
混合物を放置して室温に暖めつつ一晩攪拌し、その後、溶媒を大気圧で蒸留した。ポット温度が95℃に達した時、温度設定点を74℃に下げ、脱イオン水(400mL)を添加し、その後、85℃より低い温度を維持する速度で硫酸(100g、濃;95%)を添加した。バッチを約15分にわたり攪拌し、その後、上方水相を除去した。得られた固形物を水性硫酸(50.0g、濃;400mLの水中で95%)で洗浄し、その後、脱イオン水(500mL)で洗浄した。
【0061】
混合物を加熱し、バッチ温度が75℃に達するまでコンデンサを通して水を流しつつ溶媒を真空下で除去した。12トルおよび120℃〜160℃の温度で蒸留することにより固形物を単離した。白色からクリーム色の454gの固形物、C49SO2NH2(収率96%)を得た。
【0062】
49SO2NH(C24OH)の調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対およびリフラックスコンデンサが装着された5Lの丸底フラスコにC49SO2NH2(2000g;6.69モル)、炭酸エチレン(245g、2.78モル)および炭酸ナトリウム(48.5g、0.45モル、Na2CO3)を投入した。混合物を120℃で1時間にわたり攪拌しつつ加熱した。この時に、更に炭酸エチレン(154g、1.75モル)を添加し、混合物を追加の1.5時間にわたり加熱した。追加の炭酸エチレン(154g、1.75モル)を添加した後、バッチを追加の4.5時間にわたり加熱した。
【0063】
混合物を89℃に冷却し、脱イオン水(1000mL)を添加し、その後、硫酸(56g;濃)を添加した。バッチを30分にわたり攪拌し、攪拌を止め、放置して二相に分離した。上方水相の層を真空吸引によって除去し、脱イオン水(1000mL)を残りの有機層に添加し、混合物を89℃で追加の30分にわたり攪拌した。反応混合物を分液漏斗に注ぎ込み、下方有機層を上方水相から分離して2163gの粗C49SO2NH(C24OH)をもたらした。
【0064】
GC分析は粗材料が66%の所望する材料を含んでいたことを示していた。オーバーヘッドスターラー、熱電対、真空ゲージおよび6段シーブトレー蒸留カラムと関連した蒸留ヘッドおよびレシーバーが装着された3リットルのフラスコに粗C49SO2NH(C24OH)を入れた。ポット温度が87℃(29mmHgで)に達するまで水を減圧下で除去し、その後、分留した。高純度C49SO2NH(C24OH)(gc分析で95%を上回る)を120〜134℃のヘッド温度、156〜170℃のポット温度および4〜9mmHgの真空で集めた。合計で1075gを単離した(%転化率のための補正、%収率は74%であった)。
【0065】
49SO2NHC37の調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対および添加漏斗が装着された三口丸底フラスコにPBSF(100.0g;0.33モル)を投入した。温度が30分にわたり55℃を超えないような速度でn−プロピルアミン(40.0g;0.678モル)を添加した。混合物を72℃で2時間にわたり還流させた。その後、脱イオン水(300mL)を添加し、60℃より高く温度を維持した。バッチを約15分にわたり攪拌し、その後、上方水相を除去した。得られた固形物を硫酸溶液(300mL:5%)、その後、脱イオン水(300mL)で洗浄した。粘性黄色液を単離し、C49SO2NHC37(99.0g)として特性決定した。
【0066】
49SO2NHC49の調製
n−プロピルアミンの代わりに等モル量のn−ブチルアミンを用いたことを除き、C49SO2NHC49の調製はC49SO2NHC37の調製について記載された手順に本質的に従っている。
【0067】
49SO2NHC613の調製
熱電対、オーバーヘッドスターラー、滴下漏斗および加熱マントルが装着された2リットルのフラスコにPBSF(543g;1.80モル)を投入した。この攪拌された材料にヘキシルアミン(194.0g;1.90モル)とトリエチルアミン(194.0g;1.90モル)の混合物をゆっくり添加した。得られた混合物を攪拌し、65℃で2時間にわたり加熱した。その後、水(555.0g)を添加し、追加の30分にわたり攪拌した。下方相を分離し、フラスコに入れ、60℃に加熱した。この加熱された混合物に硫酸(50gの濃硫酸および500gの水)を添加した。その後、得られた二相混合物の下方相を分離し、水(500g)で洗浄し、1段蒸留ヘッドを有するフラスコに入れた。フラスコを20〜25mmHgで80℃に加熱し、留出物を1時間にわたり集めた。フラスコに残っていた材料を8mmHgおよび138〜143℃のポット温度で更に蒸留し、C49SO2NHC613(561.0g;収率82%)をもたらした。NMRおよびGC/MSは所望する材料について一致した。
【0068】
FC−1;C49SO2N(C37)CH2CH2CH2COOKの調製
熱電対、オーバーヘッドスターラー、および加熱マントルが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C37)(56.0g;0.164モル)、K2CO3(24.8g;0.179モル;粉末)、NaClOAc(24.8g;0.182モル)およびジグリム(8.0g)を投入した。得られた混合物を140℃で18時間にわたり加熱した。フラスコを100℃に冷却し、脱イオン水(200mL)を添加した。バッチを室温に更に冷却し、下方相を分離し、脱イオン水(200mL)で洗浄した。黄色油(C49SO2N(C37)CH2CH2CH2COOCH3;65g)を単離した。
【0069】
加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された丸底フラスコにC49SO2N(C37)CH2CH2CH2COOCH3(63.0g;0.143モル)、KOH(11.0g;0.196モル;ペレット)、イソプロパノール(22mL)および脱イオン水(18mL)を投入した。得られた混合物を一晩還流させ、室温に冷却し、C49SO2N(C37)CH2CH2CH2COOK(108.6g;固形物53.4%)の溶液をもたらした。
【0070】
FC−2;C49SO2N(C37)(CH25COOKの調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対および加熱マントルが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C37) (61.0g;0.179モル)、 KCO3(32.3g;0.232モル;粉末)、Br(CH25COOC25(52.0g;0.234モル)およびジグリム(50.0g)を投入した。得られた混合物を140℃で18時間にわたり加熱した。その後、フラスコを100℃に冷却し、脱イオン水(300mL)を添加した。バッチを室温に更に冷却し、下方相を分離し、脱イオン水(300mL)で洗浄した。黄色油(C49SO2N(C37)(CH25COOC25;90.0g)を単離した。
【0071】
オーバーヘッドスターラーが装着された丸底フラスコにC49SO2N(C37)(CH25COOC25(63.0g;0.143モル)、KOH(13.1g;0.234モル;ペレット)、イソプロパノール(26mL)および脱イオン水(21mL)を投入した。得られた混合物を一晩還流させ、室温に冷却し、C49SO2N(C37)(CH25COOK(固形物61.3%)の溶液をもたらした。
【0072】
FC−3;C49SO2N(C37)CH2COONaの調製
熱電対、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C37)(104.0g;0.301モル)、NaOH(12.5g;0.32モル;ペレット)および脱イオン水(104.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で5時間にわたり加熱した。この混合物にNaClOAc(41.6g;0.357モル)およびKI(3.0g;0.018モル)を添加し、その後、温度を5時間にわたり100℃に上げた。室温に冷えると、二相が生じ、下方相を単離し、100℃に加熱し、脱イオン水(100mL)で洗浄した。冷えると、淡黄色固形物を単離し、C49SO2N(C37)CH2COONa(41%)とC49SO2NH(C37)(57%)の混合物としてLC/MSによって特定された。
【0073】
FS−4;C49SO2N(C25)CH2COONaの調製
熱電対、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C25)(52.3g;0.066モル)、NaOH(3.1g、0.07モル;ペレット)および脱イオン水(22.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で5時間にわたり加熱した。この混合物にClOAcNa(9.1g;0.078モル)を添加し、その後、温度を100℃に上げ、18時間にわたり保持した。室温に冷えると、混合物を濾過し、回収された白色固形物をオーブンで乾燥させ、白色固形物/ゲルが沈殿し、二相が生じ、下方相を単離し、100℃に加熱し、脱イオン水(100mL)で洗浄した。冷えると、白色固形物を単離し、C49SO2N(C25)CH2COONa(52%)とC49SO2NH(C25)(35%)の混合物としてLC/MSを用いて特定された。
【0074】
FC−5;C49SO2N(C613)CH2CH(OH)CH2SO3NH4の調製
加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C613)(71.0g;0.198モル)、KOH(8.2g、0.458モル;48%)および脱イオン水(100.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で45分にわたり加熱した。混合物を76℃に冷却し、CHPS(89.6g;0.458モル)を添加し、その後、温度を100℃に上げ、18時間にわたり保持した。その後、水(750g)を混合物に添加し、混合物を放置して17℃に冷却し、下方相を単離した。この相に水(290g)および硫酸(289g;濃)を添加した。硫酸の添加後、水(140mL)を添加し、得られた混合物を86℃で30分にわたり加熱した。その後、混合物を30℃に冷却し、MTBE(706g)を添加した。エーテル相を分離し、硫酸(300mLの水中の30gの濃)のアリコートで2回洗浄した。得られたエーテル相をNH4OH(55.6g;28%水性)で中和し、乾燥させて、C49SO2N(C613)CH2CH(OH)CH2SO3NH4(206.0g)をもたらした。
【0075】
FC−6;C49SO2N(CH2CH2OCH3)CH2COONaの調製
熱電対、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(CH2CH2OCH3)(52.3g;0.144モル)、NaOH(6.0g;0.15モル;ペレット)および脱イオン水(50.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で5時間にわたり加熱した。この混合物にClOAcNa(20.0g;0.172モル)およびKI(1.0g;0.006モル)を添加し、その後、温度を100℃に上げ、18時間にわたり保持した。70℃に冷やすと、二相が生じた。下方相を単離し、脱イオン水(50mL)で洗浄した。室温に冷えると、淡黄色固形物が生じ、それは、C49SO2N(CH2CH2OCH3)CH2COONa(38%)とC49SO2NH(CH2CH2OCH3)(48%)の混合物としてLC/MSを用いて分析された。
【0076】
FC−7;C49SO2N(CH3)CH2COONaの調製
熱電対、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(CH3)(53.0g;0.168モル)、NaOH(7.8g;0.195モル、ペレット)および脱イオン水(50.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で5時間にわたり加熱した。この混合物にNaClOAc(23.0g;0.197モル)を添加し、その後、温度を100℃に上げ、18時間にわたり保持した。室温に冷えると、白色固形物が沈殿した。混合物を濾過し、回収された白色固形物をオーブンで乾燥させ、C49SO2N(CH3)CH2COONa(50.0g)をもたらした。
【0077】
FC−8;C49SO2N(CH3)CH2CH(OH)CH2SO3Naの調製
熱電対、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(CH3)(90.8g;0.29モル)、CHPS(62.5g;0.32モル)、NaOH(12.5g;0.30モル:ペレット)および脱イオン水(100.0mL)を投入した。得られた混合物を95℃で一晩加熱した。室温に冷えると、白色固形物が沈殿した。混合物を濾過し、回収された白色固形物をオーブンで乾燥させ、C49SO2N(CH3)CH2CH(OH)CH2SO3Na(111.0g;収率81%)をもたらした。
【0078】
FC−9;C49SO2N(Et)CH2CH(OH)CH2SO3Naの調製
熱電対、リフラックスコンデンサ、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C25)(92.0g;0.28モル)、NaOH(14.0g;0.30モル、ペレット)および脱イオン水(90.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で5時間にわたり加熱した。その後、混合物の温度を76℃に下げ、CHPS(69.0g;0.35モル)および脱イオン水(20mL)を添加した。その後、混合物の温度を18時間にわたり100℃に上げた。この後、脱イオン水(150mL)をゆっくり添加し、混合物を放置して30℃に冷却した。そうすると白色沈殿物が生じた。その後、液体を白色固形物からデカントし、脱イオン水(250mL)を固形物に添加し、温度を50℃に上げ、白色固形物を溶解させた。室温に冷えると、白色固形物が沈殿した。それを濾過し、脱イオン水(それぞれ150mL)の2つのアリコートで洗浄し、乾燥させた。白色固形物のジアゾ化誘導体をNMRおよびGC/MSによって分析し、結果は、式C49SO2N(Et)CH2CH(OH)CH2SO3Na(119.0g;収率88%)に一致した。
【0079】
FC−10;C49SO2N(Pr)CH2CH(OH)CH2SO3Naの調製
熱電対、リフラックスコンデンサ、加熱マントルおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C37)(93.6g;0.274モル)、NaOH(13.6g;0.34モル、ペレット)および脱イオン水(90.0mL)を投入した。得られた混合物を98℃で45分にわたり加熱した。その後、混合物の温度を76℃に下げ、CHPS(67.9g;0.344モル)を添加した。その後、混合物の温度を18時間にわたり100℃に上げた。この後、脱イオン水(250mL)をゆっくり添加し、混合物を放置して30℃に冷却した。そうすると油性黄色相と水の二相が存在した。水を油相からデカントし、脱イオン水(250mL)を黄色油に添加した。その後、得られた混合物を50℃に加熱し、油を溶解させ、19℃に冷却した。混合物からの水の蒸発は、C49SO2N(Pr)CH2CH(OH)CH2SO3Na(111.4g;収率81%)として分析されたクリーム色固形物をもたらした。
【0080】
FC−11;C49SO2N(C25)C36SO3Liの調製
コンデンサ、加熱マントルおよびスターラーが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(C25)(15.0g;0.04585モル)、LiOH・H2O(2.1g;0.05モル)およびMTBE(100mL)を投入した。得られた混合物を攪拌しつつ1.5時間にわたり還流温度で加熱した。室温に冷却した後、混合物を濾過した。無色透明の濾液を1,3−プロパンスルトン(6.12g;0.05モル)と組み合わせ、1.5時間にわたり約50℃に加熱し、白色固形物の沈殿を引き起こした。室温に冷却後、焼結ガラスフリットを通して吸引によりMTBE懸濁液を濾過し、MTBEの2つの150mL部分で沈殿物を洗浄して、ありうる残留可溶性出発材料を除去することにより白色固形物を単離した。固形物を吸引により部分的に乾燥させ、その後、50〜60℃および10-2トルで約1時間にわたり真空炉内で更に乾燥させた。白色結晶質固形物(13.7g;収率66%)。d6−アセトン中で200MHzで記録された1H NMRスペクトルは、C49SO2N(C25)C36SO3Liの構造と一致した。
【0081】
FC−12;C49SO2N(n−C37)C36SO3Liの調製
コンデンサ、加熱マントル、熱電対およびスターラーが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(n−C37)(15.635g;0.04585モル)、LiOH−H2O(2.104g;0.05014モル)およびMTBE(150mL)を投入した。得られた混合物を攪拌しつつ1.5時間にわたり還流させた。室温に冷えると、反応混合物を濾過した。無色透明の濾液を1,3−プロパンスルトン(6.124g;0.05014モル)と組み合わせ、3.0時間にわたり約55℃に加熱した。室温に混合物を冷却すると、ヘキサン(150mL)を攪拌しつつ添加し、白色ゴム状半固体沈殿物を生じさせた。この混合物から溶媒をデカントし、ヘキサン(150mL)を添加した。室温で数日にわたる攪拌は、製品を固形物粒子の懸濁液に破砕できる点にまで製品を更に結晶化させた。懸濁液を吸引によって濾過し、固形物製品をヘキサンの2つの部分で洗浄し、吸引によって部分的に乾燥させた。更なる乾燥は50℃および10-2トルで一晩真空炉内で実行した。合計で16.9gの製品(収率78.6%)を白色易流動性粉末として回収した。LC−MS分析は、この材料が87%のC49SO2N(n−C37)C36SO3-であり、残りの大部分がC49SO2N(n−C37)C36SO336SO3-(9.6%)およびC49SO2N(n−C37)C36SO336SO336SO3-(1.6%)を含むことを示した。
【0082】
FC−13;C49SO2N(n−C49)C36SO3Liの調製
49SO2NH(n−C37)の代わりに等モル量のC49SO2NH(n−C49)を用いたことを除き、C49SO2N(n−C49)C36SO3Liの調製はC49SO2N(n−C37)C36SO3Liの調製について記載された手順に本質的に従っている。
【0083】
FC−14;C49SO2N(CH3)C36SO3Liの調製
コンデンサ、加熱マントル、熱電対およびスターラーが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(Me)(14.35g;0.04585モル)、LiOH−H2O(2.104g;0.05014モル)およびMTBE(100mL)を投入した。得られた混合物を1.5時間にわたり還流させた。室温に冷却した後、反応混合物を濾過した。無色透明の濾液を1,3−プロパンスルトン(6.12g;0.0501モル)と組み合わせ、1.5時間にわたり50℃に加熱し、白色沈殿を生じさせた。室温に冷却した後、焼結ガラスフリットを通した吸引濾過によって製品を単離し、MTBE(それぞれ150mL)の2つのアリコートで洗浄した。固形物を吸引により部分的に乾燥させ、その後、50℃〜60℃および10-2トルで約5時間にわたり真空炉内で更に乾燥させた。C49SO2N(CH3)C36SO3Liを白色粉末(19.2g;収率95%)として回収した。
【0084】
FC−15;C49SO2N(C49)CH2CO2Hの調製
熱電対、添加漏斗、加熱マントル、リフラックスコンデンサおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C49)(133.0g; 0.375モル)および炭酸ナトリウム(33.0g)を投入した。混合物を93℃に加熱し、エチルブロモアセテート(69.0g;0.411モル)を8時間にわたりゆっくり添加した。その後、得られた混合物を放置して93℃で一晩攪拌した。この混合物に水(120.0mL)を添加し、温度は56℃であった。その時点で、温度を100℃より低く保つ速度で硫酸(39.0g;濃)を添加した。二相が生じ、底層を回収し、水(150mL)で洗浄した。この粗材料を蒸留(110〜125℃;3.3mmHg)してC49SO2N(C49)CH2CO225(107.0g)をもたらした。
【0085】
熱電対、添加漏斗、加熱マントル、リフラックスコンデンサおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2N(C49)CH2CO225(103.0g;0.241モル)、KOH(18.0g;0.273モル)、水(50 mL)およびイソプロパノール(50.0g)を投入した。混合物を2時間にわたり還流状態で加熱し、ディーンスタークトラップを付加した。イソプロパノールをトラップから除去するにつれて、等量の水を反応混合物に添加した。反応混合物が101℃に達した時、水(25mL)を添加し、混合物を56℃に冷却した。硫酸(26.5g;濃)を添加すると、温度は78℃に上昇し、二相が現れた。底相を蒸留(139〜147℃;3.6mmHg)してクリーム色の固形物C49SO2N(C49)CH2CO2Hをもたらした。
【0086】
FC−16;C49SO2N(C37)CH2CO2Hの調製
熱電対、添加漏斗、加熱マントル、リフラックスコンデンサおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C37)(120.0g; 0.352モル)および炭酸ナトリウム(39.0g)を投入した。混合物を93℃に加熱し、エチルブロモアセテート(62.0g;0.371モル)を4時間にわたりゆっくり添加した。その後、得られた混合物を放置して93℃で一晩攪拌した。この混合物に水(120.0mL)を添加し、温度は56℃であった。その時点で、温度を100℃より低く保つ速度で硫酸(23.8g;濃)を添加した。二相が生じ、底層を回収し、水(150mL)で洗浄した。この粗材料を蒸留(95〜121℃;4.0mmHg)してC49SO2N(C37)CH2CO225(132.0g)をもたらした。熱電対、添加漏斗、加熱マントル、リフラックスコンデンサおよびオーバーヘッドスターラーが装着された1リットルのフラスコにC49SO2N(C37)CH2CO225(116.0g;0.27モル)、KOH(20.0g;0.303モル)、水(60mL)およびイソプロパノール(60.0g)を投入した。混合物を2時間にわたり還流状態で加熱し、ディーンスタークトラップを付加した。イソプロパノールをトラップから除去するにつれて、等量の水を反応混合物に添加した。反応混合物が101℃に達した時、水(25mL)を添加し、混合物を56℃に冷却した。硫酸(31.0g;濃)を添加すると、温度は78℃に上昇し、二相が現れた。底相を分離し、蒸留(136〜142℃;4.0〜5.4mmHg)して白色固形物C49SO2N(C37)CH2CO2H(71.0g)をもたらした。
【0087】
4オンスのガラスジャーにC49SO2N(C37)CH2CO2H(2.09g;0.0126モル)、水(15.1g)およびNH4OH(0.8g;28%水性)を投入し、60℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、表1でリストされた溶媒を用いて適切なアリコートを2000ppmに希釈した。上述した試験方法を用いて表面張力値(ダイン/cm)を決定した。
【0088】
FC−17;C49SO2N(C49)CH2CH(OH)CH2SO3Naの調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対、リフラックスコンデンサおよび加熱マントルが装着された1リットルのフラスコにC49SO2NH(C49)(79.8g;0.222モル)、水(80mL)およびNaOH(11.5g;0.299モル;ペレット)を投入し、98℃に加熱した。45分後、フラスコを76℃に冷却し、CHPS(58.8g;0.299モル)を添加した。その後、フラスコの温度を100℃に上げた。18時間後、水(210mL)を添加し、フラスコを35℃に冷却した。二相が生じ、下方濃黄色液体を分離し、水(670mL)で処理し、60℃に加熱した。冷えると、固形物が生じ、それを濾過し、乾燥させてC49SO2N(C49)CH2CH(OH)SO3Na(76.0g)をもたらした。
【0089】
FC−18;C49SO2N(C49)CH2CH(OH)CH2SO3NH4の調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対、リフラックスコンデンサおよび加熱マントルが装着された1リットルのフラスコにC49SO2N(C49)CH2CH(OH)CH2SO3Na(50.0g)、水(50.0g)および硫酸(50.0g;濃)を投入した。その後、追加の水(250.0g)を添加し、フラスコの温度を30分にわたり86℃に上げた。30℃に冷えると、メチル−t−ブチルエーテル(217.0g)を添加し、二相が得られた。上方相を分離し、希硫酸(250mLの水中の6.2g濃硫酸)の2つのアリコートで洗浄し、水酸化アンモニウム(NH4OH;13.0g;28%;水性)で中和した。上方相を単離し、乾燥させてC49SO2N(C49)CH2CH(OH)CH2SO3NH4(39.0g)をもたらした。
【0090】
FC−19;C49SO2N(C37)CH2CH(OH)CH2SO3NH4の調製
49SO2N(C49)CH2CH(OH)SO3Naの代わりにC49SO2N(C37)CH2CH(OH)SO3Na(23.7g)を用いたことを除き、調製FC−17について記載された手順に本質的に従った。本プロセスはC49SO2N(C37)CH2CH(OH)CH2SO3NH4(20.8g)をもたらした。
【0091】
FC−20;C49SO2N(C24OH)C36SO3Liの調製
コンデンサ、加熱マントルおよびスターラーが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(C24OH)(4.2g、0.012モル;上で調製されたもの)、LiOH・H2O(0.56g;0.013モル)およびMTBE(50mL)を投入した。得られた混合物を攪拌しつつ1.5時間にわたり還流温度で加熱した。室温に冷却後、混合物を濾過した。無色透明濾液を1,3−プロパンスルトン(1.64g;0.013モル)と組み合わせ、1.5時間にわたり約50℃に加熱し、白色固形物の沈殿を引き起こした。室温に冷却後、焼結ガラスフリットを通して吸引によりMTBE懸濁液を濾過し、MTBEの2つの150mL部分で沈殿物を洗浄して、ありうる残留可溶性出発材料を除去することにより白色固形物を単離した。固形物を吸引により部分的に乾燥させ、その後、50〜60℃および10-2トルで約1時間にわたり真空炉内で更に乾燥させた。白色結晶質固形物C49SO2N(C24OH)C36SO3Liを得た(3.39g;収率59%)。
【0092】
FC−21;C49SO2N(C24OH)C48SO3Liの調製
49SO2NH(C24OH)(4.2g;0.012モル;上で調製されたもの)、LiOH・H2O(0.565g;0.013モル)、MTBE(50mL)および(75mL)の対応する量を用い、そして1,3−プロパンスルトンを1,4−ブタンスルトン(1.83g;0.013モル)に置き換えたことを除き、本質的にFC−20の調製で記載された手順によりC49SO2N(C24OH)C48SO3Liを調製した。更に、大気圧で沸騰させることにより殆どのMTBEを蒸発させた後、DMEを添加し、還流を85℃で1時間にわたり再開し、白色固形物の沈殿をもたらした。白色固形物C49SO2N(C24OH)C48SO3Liを単離した(1.39g;収率23.5%)。
【0093】
FC−22;C49SO2N(H)(CH23+(CH32(CH23SO3-の調製
窒素雰囲気下にあるコンデンサ、加熱マントルおよびスターラーが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(CH23N(CH32(15.0g;0.039モル)、1,3−プロパンスルトン(5.25g;0.042モル)およびMTBE(100mL)を投入した。混合物を攪拌しつつ27時間にわたり還流温度で保持した。室温に冷却後、焼結ガラスフリットを通して吸引によりMTBE懸濁液を濾過し、MTBEの3つの100mL部分で沈殿物を洗浄することにより不溶性白色固形物製品を単離した。固形物を吸引により部分的に乾燥させ、その後、50〜80℃および10-2トルで約45分にわたり真空炉内で更に乾燥させた。白色固形物C49SO2N(H)(CH23+(CH32(CH23SO3-を単離した(18.36g;収率93%)。
【0094】
FC−23;C49SO2N(C613)CH2COOKの調製
オーバーヘッドスターラー、熱電対、添加漏斗、加熱マントルおよびリフラックスコンデンサが装着された500mLの丸底フラスコにC49SO2NH(C613)(123.0g;0.320モル)およびK2CO3(38.0g;0.275モル)を投入した。得られた混合物を93℃に加熱し、エチルブロモアセテート(60.0g;0.358モル)を8時間にわたりゆっくり添加した。フラスコを一晩更に攪拌し、翌朝、水(120mL)を添加した。その後、得られた混合物を75℃に加熱し、温度を100℃より低く保つように濃硫酸(39.0g)をゆっくり添加した。二相が生じた。(まだ75℃である間に)下方相を上方相から分離し、水(150mL)で洗浄し、粗固形物材料(144.0g)を溶媒から単離し、116℃で真空(10mmHg)で乾燥させた。その後、KOH(23.5g;0.273モル)、水(65mL)およびイソプロパノール(65.0g)に加えて、オーバーヘッドスターラー、熱電対およびリフラックスコンデンサが装着された1リットルの丸底フラスコにこの粗固形物(144.0g;0.241モル)を入れた。その後、フラスコを2時間にわたり100℃に加熱し、C49SO2N(C613)CH2COOK(固形物48重量%)の黄褐色溶液をもたらした。
【0095】
多様な溶媒(表1でリストしたもの)中の種々の濃度の溶液を達成するために添加剤の適切な量を混合した。表面張力値は上述した試験方法を用いて決定した。
【0096】
【表2】

【0097】
本発明の種々の修正および変更は本発明の範囲および精神から逸脱せずに当業者に対して明らかになるであろう。本明細書で記載された例証的な実施形態および実施例によって本発明が不当に限定されない積もりであり、こうした実施例および実施形態が例のみとして提示されており、次の通り本明細書で規定された特許請求の範囲によってのみ本発明の範囲が限定されるべきであることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式
【化1】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn−H2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
-はSO3-または−CO2-であり、
+はカチオンである)
の少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも10パーツパーミリオン(ppm)、
(b)溶媒および
(c)酸化剤
を含む組成物。
【請求項2】
前記酸化剤は、HNO3、H22、Fe(NO33、O3およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記溶媒は水である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
塩酸またはアルカリ材料を更に含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記アルカリ材料は水酸化アンモニウムである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
Rは式−Cp2p−OH(式中、pは1〜6の整数である)のヒドロキシアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
Rは式−Cp2p−NR23(式中、pは1〜6の整数であり、R2およびR3は独立してHまたは炭素原子数1〜6のアルキルである)のアミノアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
1は−Cn2nCH(OH)Cm2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6である)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記カチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはオニウムイオンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記オニウムはアンモニウムイオンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
fはC3〜C5パーフルオロアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
fはC4パーフルオロアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤は前記組成物の約10〜約1000ppmの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
基材をクリーニングする方法であって、
(a)請求項1に記載の組成物を提供する工程と、
(b)基材を提供する工程と、
(c)前記基材の表面と前記組成物を互いに接触させて界面を形成する工程と、
(d)所望しない表面材料の除去を可能にする工程と
を含む方法。
【請求項15】
前記基材の前記表面は少なくとも1つの金属インターコネクトまたはフィルムあるいはそれらの組み合わせを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒は水である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記界面活性剤は前記組成物の約10〜約1000ppmの濃度で存在する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記金属はアルミニウムである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記金属は銅である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
(e)界面で銅の溶解を促進するために力を加える工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記力は、機械的な力、電気化学的な力またはそれらの混合である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
(a)酸および
(b)式
【化2】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn−H2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
+はカチオンである)
の界面活性剤
を含む水性クリーニング溶液。
【請求項23】
前記酸は、フッ化水素、オニウムフッ化物錯体またはそれらの混合物である、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項24】
Rは式−Cp2p−OH(式中、pは1〜6の整数である)のヒドロキシアルキル基である、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項25】
Rは式−Cp2p−NR23(式中、pは1〜6の整数であり、R2およびR3は独立してHまたは炭素原子数1〜6のアルキルである)のアミノアルキル基である、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項26】
1は−Cn2nCH(OH)Cm2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6である)である、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項27】
前記カチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはオニウムイオンである、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項28】
前記オニウムイオンはアンモニウムイオンである、請求項27に記載のクリーニング溶液。
【請求項29】
fはC3〜C5パーフルオロアルキル基である、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項30】
fはC4パーフルオロアルキルである、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項31】
前記オニウムフッ化物錯体は、ピリジニウムポリ(フッ化水素)、オキソニウムポリ(フッ化水素)、アンモニウムポリ(フッ化水素)およびホスホニウムポリ(フッ化水素)から選択される、請求項23に記載のクリーニング溶液。
【請求項32】
前記界面活性剤を10〜1000ppm含む、請求項22に記載のクリーニング溶液。
【請求項33】
0.1〜49重量%のHFまたはそのオニウムフッ化物錯体を含む、請求項23に記載のクリーニング溶液。
【請求項34】
基材を請求項22に記載のクリーニング溶液に接触させることを含む、基材をクリーニングする方法。
【請求項35】
前記溶液は所定のエッチング度を達成するのに十分な時間にわたり前記基材に接触する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記基材は所定のパターンで前記溶液によって接触される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記所定のパターンは、前記基材の予め選択された部分をマスキングすることにより達成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記界面活性剤のRfはC4パーフルオロアルキル基である、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記クリーニング溶液はHFおよびフッ化アンモニウムを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
1重量部のHFおよび5〜500重量部のフッ化アンモニウムを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】

【化3】

(式中、
fはC2〜C6パーフルオロアルキル基であり、
Rは、カテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよいC2〜C25アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミンオキシドまたはアミノアルキル基であり、
1は式−Cn−H2n(CHOH)om2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6であり、oは0または1である)のアルキレン基であり、前記アルキレンはカテナリー酸素、窒素または硫黄原子によって任意に中断されてよく、
-はSO3-または−CO2-であり、
+はカチオンである)
の少なくとも1種の界面活性剤を少なくとも10ppm含む水性クリーニング溶液であって、7以上のpHを有する溶液。
【請求項42】
水酸化アンモニウムを更に含む、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項43】
Rは式−Cp2p−OH(式中、pは1〜6の整数である)のヒドロキシアルキル基である、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項44】
Rは式−Cp2p−NR23(式中、pは1〜6の整数であり、R2およびR3は独立してHまたは炭素原子数1〜6のアルキルである)のアミノアルキル基である、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項45】
1は−Cn2nCH(OH)Cm2m−(式中、nおよびmは独立して1〜6である)である、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項46】
前記カチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属またはオニウムイオンである、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項47】
前記オニウムイオンはアンモニウムイオンである、請求項46に記載のクリーニング溶液。
【請求項48】
fはC3〜C5パーフルオロアルキル基である、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項49】
fはC4パーフルオロアルキルである、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項50】
前記界面活性剤を10〜1000ppm含む、請求項41に記載のクリーニング溶液。
【請求項51】
基材を請求項41に記載のクリーニング溶液に接触させることを含む、基材をクリーニングする方法。

【公表番号】特表2007−526944(P2007−526944A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501784(P2007−501784)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/002907
【国際公開番号】WO2005/095567
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】