説明

水性フッ化アンモニウムおよびアミンを用いた、半導体ウエハ洗浄組成物および方法

【課題】レジストアッシング工程に続いて残留物を効果的に除去する化学処方物であって、ウエハ上に残ることになる脆い構造を攻撃せずかつ分解するおそれのないものを提供すること。
【解決手段】以下に示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する、プラズマアッシング後の半導体製造で使用する半導体ウエハ洗浄処方物:フッ化アンモニウムおよび/またはそれらの誘導体1〜21%;有機アミンまたは2種のアミンの混合物20〜55%;水23〜50%;金属キレート化剤またはキレート化剤の混合物0〜21%。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、一般に、半導体ウエハ製造の際に用いる化学処方物に関し、特に、レジストプラズマアッシング工程に続いて、ウエハから残留物を除去するのに使用する化学処方物に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術の説明
先行技術は、レジストアッシング工程に続いて、残留物を除去しウエハを洗浄するための種々の化学処方物の使用を教示している。これらの従来技術の化学処方物のいくつかには、アミンおよび/または水酸化テトラアルキルアンモニウム、水および/または他の溶媒、およびキレート化剤を含むアルカリ組成物が挙げられる。さらに他の処方物は、フッ化アンモニウムを含有する酸性から中性の溶液をベースにしている。種々の従来技術の処方物には欠点があり、これには、金属層または絶縁層の不要な除去および所望の金属層(特に、アルミニウムおよびアルミニウム-銅合金および窒化チタンの特性)の腐食が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、レジストアッシング工程に続いて残留物を効果的に除去する化学処方物であって、ウエハ上に残ることになる脆い構造を攻撃せずかつ分解するおそれのないものが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
以下に示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する、プラズマアッシング後の半導体製造で使用する半導体ウエハ洗浄処方物:
フッ化アンモニウムおよび/またはそれらの誘導体; 1〜21%
有機アミンまたは2種のアミンの混合物; 20〜55%
水; 23〜50%
金属キレート化剤またはキレート化剤の混合物 0〜21%
本発明の1つの利点は、プラズマアッシング工程に続いて、無機残留物を効果的に除去することにある。
【0005】
本発明の他の利点は、プラズマアッシングに続いて、金属ハロゲン化物および金属酸化物残留物を効果的に除去することにある。
【0006】
本発明のさらなる利点は、CMP(化学機械研磨)後に残留している酸化アルミニウムおよび他の酸化物のスラリー粒子を効果的に除去することにある。
【0007】
本発明のさらに他の利点は、アミンなしでフッ化アンモニウムを含有する処方物およびフッ化アンモニウムなしでアミンを含有する処方物よりも低い腐食性を有する、より良好な剥離性能を提供することにある。
【0008】
本発明のなおさらなる利点は、従来のアミン含有処方物よりも低い処理温度で、より良好な剥離性能を提供することにある。
【0009】
本発明のさらにさらなる利点は、金属腐食を防止し剥離有効性を高めるキレート化剤を含有することにある。
【0010】
本発明はさらに以下を提供する。
(項目1)プラズマアッシング後の半導体製造で使用する半導体ウエハ洗浄処方物であって、該処方物は、以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する:
フッ化物源; 1〜21%
少なくとも1種の有機アミン; 20〜55%
水; 23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤 0〜21%。
(項目2)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム;および
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)からなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目3)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、および
トリエチレンジアミン(TEDA)からなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目4)前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目5)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目6)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目7)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択され;
前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択され;
そして前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目8)前記フッ化物源が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、以下の一般構造を有する、項目1に記載の洗浄処方物:
X-CHR-Y、ここで、
Rは、水素原子または脂肪族基のいずれかであり、そして
XおよびYは、電子吸引性を有することが知られている複数の結合部分を含む官能基であり、ここで、XおよびYは、CONH、CONHR’、CN、NO、SOR’、SOZであり得、ここで、R’は、アルキル基を表わし、そしてZは、他の原子または基を表わし、そしてXおよびYは、同一または異なり得る。
(項目9)前記フッ化物源4が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、一般式、RRRRN+-OCCFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基である、項目1に記載の洗浄処方物。
(項目10)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
トリエタノールアミン 45%
フッ化アンモニウム 5%
水 50%。
(項目11)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
ジグリコールアミン 55%
フッ化アンモニウム 5%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 30%。
(項目12)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
トリエタノールアミン 27.1%
TEAF 20.3%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 42.6%。
(項目13)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 45%
フッ化アンモニウム 5%
アセト酢酸メチル 6%
水 44%。
(項目14)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 45%
フッ化アンモニウム 1%
2,4-ペンタンジオン 8%
APDC 15%
水 31%。
(項目15)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 55%
フッ化アンモニウム 1%
マロン酸ジメチル 13.2%
TMTDS 6%
水 24.8%。
(項目16)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
TEA 36%
PMDETA 16%
フッ化アンモニウム 12%
アセトアセトアミド 10%
水 28%。
(項目17)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
TEA 45%
フッ化アンモニウム 11.4%
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム 17%
水 27%。
(項目18)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
トリエタノールアミン 45〜52%
フッ化アンモニウム 3〜10%
2,4-ペンタンジオン 5〜10%
水 35〜44%。
(項目19)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 38〜45%
フッ化アンモニウム 5%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 40〜47%。
(項目20)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 38%
TMAF 5%
フッ化アンモニウム 2%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 45%。
(項目21)以下から構成される、項目1に記載の洗浄処方物:
PMDETA 38%
フッ化アンモニウム 1%
2,4-ペンタンジオン 10.7%
カルバミン酸アンモニウム 10%
水 38.3%。
(項目22)以下の工程を包含する、半導体ウエハを製造する方法:
該ウエハの表面から、金属化層をプラズマエッチングする工程;
該金属エッチング工程に続いて、該ウエハの表面から、レジストをプラズマアッシングする工程;
以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する化学処方物を用いて、引き続く工程で、該ウエハを洗浄する工程:
フッ化物源; 1〜21%
少なくとも1種の有機アミン; 20〜55%
水; 23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤 0〜21%。
(項目23)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム;および
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)からなる群から選択される、項目22に記載の洗浄処方物。
(項目24)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、および
トリエチレンジアミン(TEDA)からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目25)前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目26)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目27)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目28)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択され;
前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択され;
そして前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(項目29)前記フッ化物源が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、以下の一般構造を有する、項目22に記載の方法:
X-CHR-Y、ここで、
Rは、水素原子または脂肪族基のいずれかであり、そして
XおよびYは、電子吸引性を有することが知られている複数の結合部分を含む官能基であり、ここで、XおよびYは、CONH、CONHR’、CN、NO、SOR’、SOZであり得、ここで、R’は、アルキル基を表わし、そしてZは、他の原子または基を表わし、そしてXおよびYは、同一または異なり得る。
(項目30)前記フッ化物源が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、一般式、RRRRN+-OCCFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基である、項目22に記載の方法。
(項目31)以下の工程を包含する、半導体ウエハを製造する方法:
該ウエハの表面から、金属化層をプラズマエッチングする工程;
該金属エッチング工程に続いて、該ウエハの表面から、レジストをプラズマアッシングする工程;
以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する化学処方物を用いて、引き続く工程で、該ウエハを洗浄する工程:
フッ化物源; 1〜21%
少なくとも1種の有機アミン; 20〜55%
水; 23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤 0〜21%。
(項目32)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム;および
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)からなる群から選択される、項目31に記載の洗浄処方物。
(項目33)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、および
トリエチレンジアミン(TEDA)からなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目34)前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目35)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目36)前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目37)前記フッ化物源が、
フッ化アンモニウム、
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)、
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)、
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)、および
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)からなる群から選択され;
前記有機アミンが、
ジグリコールアミン(DGA)、
メチルジエタノールアミン(MDEA)、
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、
トリエタノールアミン(TEA)、
トリエチレンジアミン(TEDA)、
ヘキサメチレンテトラミン、
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、および
モノエタノールアミンからなる群から選択され;
そして前記金属キレート化剤が、
アセトアセトアミド、
カルバミン酸アンモニウム、
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、
マロン酸ジメチル、
アセト酢酸メチル、
N-メチルアセトアセトアミド、
2,4-ペンタンジオン、
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、および
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、項目31に記載の方法。
(項目38)前記フッ化物源が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、以下の一般構造を有する、項目31に記載の方法:
X-CHR-Y、ここで、
Rは、水素原子または脂肪族基のいずれかであり、そして
XおよびYは、電子吸引性を有することが知られている複数の結合部分を含む官能基であり、ここで、XおよびYは、CONH、CONHR’、CN、NO、SOR’、SOZであり得、ここで、R’は、アルキル基を表わし、そしてZは、他の原子または基を表わし、そしてXおよびYは、同一または異なり得る。
(項目39)前記フッ化物源が、一般式RRRRNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、一般式、RRRRN+-OCCFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基である、項目31に記載の方法。
【0011】
本発明のこれらのおよび他の特徴および利点は、好ましい実施態様の以下の詳細な説明を検討するとすぐに、当業者に理解されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、高密度プラズマエッチングに続く酸素含有プラズマを用いたアッシングから生じる無機ウエハ残留物を剥離するのに適切な処方物を包含する。これらの処方物はまた、CMP(化学機械研磨)後に残留している酸化アルミニウムおよび他の酸化物のスラリー粒子を除去するのに適切である。これらの処方物は、フッ化アンモニウムまたはフッ化アンモニウム誘導体、アミンまたはアミン混合物、水、および必要に応じて、1種以上の金属キレート化剤を含有する。
【0013】
好ましい処方物は、以下の成分を使用する(パーセントは、重量基準である):
フッ化アンモニウムおよび/またはそれらの誘導体 1〜21%
有機アミンまたは2種のアミンの混合物 20〜55%
水 23〜50%
金属キレート化剤またはキレート化剤の混合物: 0〜21%。
【0014】
好ましいアミンには、以下がある:
ジグリコールアミン(DGA)
メチルジエタノールアミン(MDEA)
ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)
トリエタノールアミン(TEA)
トリエチレンジアミン(TEDA)。
【0015】
有効な他のアミンには、以下が挙げられる:
ヘキサメチレンテトラミン
3,3-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)
モノエタノールアミン。
【0016】
好ましいフッ化物源には、以下がある:
フッ化アンモニウム
フッ化トリエタノールアンモニウム(TEAF)。
【0017】
有効な他のフッ化物源には、以下が挙げられる:
フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF)
フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF)
トリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT-HF)。
【0018】
有効な金属キレート化剤には、以下が挙げられる:
アセトアセトアミド
カルバミン酸アンモニウム
ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)
マロン酸ジメチル
アセト酢酸メチル
N-メチルアセトアセトアミド
2,4-ペンタンジオン
チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)。
【0019】
フッ化アンモニウムまたは上で同定した置換フッ化物源とアミン(1%以下の量で、界面活性剤として以外)との組み合わせは、アミンなしでフッ化アンモニウムを含有する処方物およびフッ化アンモニウムなしでアミンを含有する処方物よりも低い腐食性を有する、より良好な剥離性能を提供する。さらに、得られたアルカリ溶液は、従来のアミン含有処方物よりも低い処理温度(21℃〜40℃)で有効であった。
【0020】
キレート化剤としてのおよび金属腐食を防止するための1,3-ジカルボニル化合物の使用もまた、有効性を高めると思われる。
【0021】
従来技術では、アミンは、処方物の1%以下に限定されていて、界面活性剤としてのみ働くか、またはアミンは、処方物の成分としては、全く使用されない。また、この従来技術の処方物は、酸性(pH<7)である。本発明の処方物では、アミンは、主成分として存在し、剥離において主な役割を果たし、処方物は、塩基性(pH>7)である。
【0022】
好ましい処方物のいくつかの代表的な例には、以下がある:
トリエタノールアミン 45%
フッ化アンモニウム 5%
水 50%

ジグリコールアミン 55%
フッ化アンモニウム 5%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 30%

トリエタノールアミン 27.1%
TEAF 20.3%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 42.6%

PMDETA 45%
フッ化アンモニウム 5%
アセト酢酸メチル 6%
水 44%

PMDETA 45%
フッ化アンモニウム 1%
2,4-ペンタンジオン 8%
APDC 15%
水 31%

PMDETA 55%
フッ化アンモニウム 1%
マロン酸ジメチル 13.2%
TMTDS 6%
水 24.8%

TEA 36%
PMDETA 16%
フッ化アンモニウム 12%
アセトアセトアミド 10%
水 28%

TEA 45%
フッ化アンモニウム 11.4%
トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム 17%
水 27%

トリエタノールアミン 45〜52%
フッ化アンモニウム 3〜10%
2,4-ペンタンジオン 5〜10%
水 35〜44%

PMDETA 38〜45%
フッ化アンモニウム 5%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 40〜47%

PMDETA 38%
TMAF 5%
フッ化アンモニウム 2%
2,4-ペンタンジオン 10%
水 45%

PMDETA 38%
フッ化アンモニウム 1%
2,4-ペンタンジオン 10.7%
カルバミン酸アンモニウム 10%
水 38.3%。
【0023】
本発明者らは、密接に関連した成分が、本発明者らの処方物で使用する成分とに匹敵する性能を示すだろうと予想している。
【0024】
これらには、以下が挙げられる:
A.他の有機アミンは、適切であると予想される。
【0025】
B.他の置換フッ化アンモニウムは、適切であると予想される。これらは、一般式RRRRNFを有し、ここで、このR基は、水素原子および/または脂肪族基である。
【0026】
C.以下を含む他の金属キレート化剤:
1.他の1,3-ジカルボニル化合物は、匹敵する性能を示すと予想される。これらは、以下の一般構造を有する:
X-CHR-Y、ここで、
Rは、水素原子または脂肪族基のいずれかであり、そして
XおよびYは、電子吸引性を有することが知られている複数の結合部分を含む官能基であり、例えば、XおよびYは、CONH、CONHR’、CN、NO、SOR’、SOZであり得、ここで、R’は、アルキル基を表わし、そしてZは、他の原子または基を表わす。XおよびYは、同一または異なり得る。
【0027】
2.他のトリフルオロ酢酸アミンもまた、キレート化剤として、適切であると予想される。これらは、一般式、RRRRN+-OCCFを有し、ここで、このR基は、水素原子および/または脂肪族基である。
【0028】
D.任意の成分(例えば、界面活性剤、安定剤、腐食防止剤、緩衝剤および共溶媒)の含有はまた、当該分野で実施されたものへの明らかな追加を構成すると予想される。
【0029】
本発明の処方物は、塩素またはフッ素含有プラズマを用いたエッチングに続いて酸素プラズマアッシングされるウエハ上で、特に有用である。このタイプの処理により発生する残留物は、典型的には、無機材料(例えば、酸化アルミニウム、酸化チタンおよびフッ化アルミニウムであるが、これらに限定されない)を含有する。これらの残留物は、しばしば、有効なデバイス性能に必要な金属および窒化チタンの特性の腐食を引き起こすことなく完全に溶解するのは困難である。また、CMP後に残留している金属酸化物および酸化ケイ素のスラリー粒子もまた、これらの処方物により、効果的に除去される。
【0030】
バイア(via)構造を含む商業的に生成した3つのタイプのウエハを、本発明の処方物を用いて評価した。各場合において、プラズマエッチングおよびアッシングに続いて、21〜60℃の槽で10〜30分間(好ましくは:21〜35℃、20〜30分間)、本発明の処方物へのウエハの浸漬を行い、続いて、脱イオン水で洗浄し、そして窒素ガス流で乾燥した。これらの処方物はまた、自動化噴霧器具でのウエハ上への噴霧、続いて水リンスにより、適用し得ると予想される。
【0031】
これら3つのバイア構造は、以下であった:
1.酸化ケイ素頂部層および第二層、窒化チタン第三層、およびアルミニウム、ケイ素、銅(AlSiCu)合金の底部層から構成された直径0.8ミクロンの4層バイア。基板は、酸化ケイ素であった。
【0032】
2.ケイ素基板の頂部上の、酸化ケイ素頂部層(7000オングストローム厚)および窒化チタン底部層(1200オングストローム厚)から構成された直径1ミクロンの2層バイア。
【0033】
3.酸化ケイ素基板上の、窒化チタン頂部層(40 Nm.厚)、酸化ケイ素第二層(1.3ミクロン厚)およびアルミニウム/銅底部層を有する幅1.6ミクロンの4層バイア。
【0034】
本発明の処方物を、この処方物の相対的な剥離有効性および腐食性によって、評価した。好ましい処方物は最高の評点であり、剥離有効性および低腐食性の両方に基づく全体的な性能は、ほぼ同じである。
【0035】
本発明は、特定の好ましい実施態様に関して記述されているものの、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変をこれに行い得ることは、当業者によって理解される。従って、以下の請求の範囲は、このような全ての変更および改変を含み、やはり、本発明の真の精神および範囲を包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハから、化学機械研磨(CMP)後に残留している金属酸化物のスラリー粒子を除去するための方法であって、該方法が、以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する、方法:
フッ化アンモニウムおよび/またはその誘導体;1〜21%
少なくとも1種の有機アミン;20〜55%
水;23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤;0〜21%。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄処方物であって、前記フッ化物源が、フッ化アンモニウム;フッ化トリエタノールアンモニウム;フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF);フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF);およびトリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT−HF)からなる群から選択される、洗浄処方物。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記有機アミンが、ジグリコールアミン(DGA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリエタノールアミン(TEA)、トリエチレンジアミン(TEDA)、ヘキサメチレンテトラミン、3,3−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、およびモノエタノールアミンからなる群から選択される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1種の金属キレート化剤を含み、該金属キレート化剤が、アセトアセトアミド、カルバミン酸アンモニウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチル、N−メチルアセトアセトアミド、2,4−ペンタンジオン、チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、少なくとも1種の金属キレート化剤を含み、
前記フッ化物源が、フッ化アンモニウム;フッ化トリエタノールアンモニウム;フッ化ジグリコールアンモニウム(DGAF);フッ化テトラメチルアンモニウム(TMAF);およびトリエチルアミントリス(フッ化水素)(TREAT−HF)からなる群から選択され;
前記有機アミンが、ジグリコールアミン(DGA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリエタノールアミン(TEA)、トリエチレンジアミン(TEDA)、ヘキサメチレンテトラミン、3,3−イミノビス(N,N−ジメチルプロピルアミン)、およびモノエタノールアミンからなる群から選択され;そして
該金属キレート化剤が、アセトアセトアミド、カルバミン酸アンモニウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC)、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチル、N−メチルアセトアセトアミド、2,4−ペンタンジオン、チオ安息香酸テトラメチルアンモニウム、トリフルオロ酢酸テトラメチルアンモニウム、およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTDS)からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記フッ化物源が、一般式RNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、以下の一般構造を有する、方法:
X−CHR−Y、ここで、
Rは、水素原子または脂肪族基のいずれかであり、そして
XおよびYは、電子吸引性を有することが知られている複数の結合部分を含む官能基であり、ここで、XおよびYは、CONH、CONHR’、CN、NO、SOR’、SOZであり得、ここで、R’は、アルキル基を表わし、そしてZは、他の原子または基を表わし、そしてXおよびYは、同一または異なり得る。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記フッ化物源が、一般式RNFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基であり、前記金属キレート化剤が、一般式、R+−CCFを有し、ここで、該R基が、水素原子および/または脂肪族基である、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記金属酸化物が、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選択される酸化物を含む、方法。
【請求項9】
半導体ウエハを製造するための方法であって、該方法が、以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する化学処方物を使用して、該半導体ウエハから、化学機械研磨(CMP)後に残留している金属酸化物のスラリー粒子を除去する工程を包含する、方法:
フッ化アンモニウムおよび/またはその誘導体;1〜21%
少なくとも1種の有機アミン;20〜55%
水;23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤;0〜21%。
【請求項10】
以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する化学処方物を使用して洗浄された、半導体ウエハ:
フッ化アンモニウムおよび/またはその誘導体;1〜21%
少なくとも1種の有機アミン;20〜55%
水;23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤;0〜21%、
ここで、残留物が、該洗浄処方物を使用して該ウエハから除去される。
【請求項11】
以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分を含有する、半導体製造において使用するための半導体ウエハ洗浄処方物:
フッ化アンモニウムおよび/またはその誘導体;1〜21%
少なくとも1種の有機アミン;20〜55%
水;23〜50%
少なくとも1種の金属キレート化剤;0〜21%、および
残留物および/または粒子物質、
ここで、該残留物および/または粒子物質は、該半導体ウエハから除去されている。
【請求項12】
請求項11に記載の洗浄処方物であって、前記残留物および/または粒子物質が、無機ウエハ残留物、金属ハロゲン化物残留物、金属酸化物残留物、酸化アルミニウム粒子、および酸化ケイ素粒子からなる群より選択される物質を含む、洗浄処方物。
【請求項13】
以下で示した重量パーセント範囲で、以下の成分からなる、半導体製造において使用するための半導体ウエハ洗浄処方物:
トリエタノールアミン 45%
フッ化アンモニウム 5%
水 50%。
【請求項14】
本明細書中に開示される洗浄処方物を使用して、半導体ウエハから残留物質を除去する方法。

【公開番号】特開2008−66747(P2008−66747A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291278(P2007−291278)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【分割の表示】特願平10−531118の分割
【原出願日】平成10年1月8日(1998.1.8)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】