説明

治療薬としてのピペラジン誘導体

【課題】5−HT1A及び/又はα1及び/又はα2及び/又はD2レセプターに対して親和性を有し、中枢神経系疾患に有効な新規化合物、及び該化合物を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】式Iで表される化合物、及び該化合物を含有する医薬組成物。


(式中、Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イル等を表し、HETは、置換ピラゾール、イミダゾール又は1,2,4−トリアゾール等を表し、Aは、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていることができる1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は5−HT1A及び/又はα1及び/又はα2及び/又はD2レセプターに対して親和性を有する新規置換ピペラジン化合物、その製造方法、それを含有する医薬及び中枢神経系疾患、例えば鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、肥満症、高血圧症、トゥーレット症候群、性的機能障害、薬物嗜癖、薬物乱用、認知的不協和症、アルツハイマー病、老人性痴呆症、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、摂食障害及び食欲不振、心臓血管及び脳血管障害、非インスリン依存型糖尿病、高血糖症、便秘症、不整脈、神経内分泌系の障害、ストレス、前立腺肥大症及び痙攣の治療のためのその使用に関する。
【0002】
化合物4−アリル−2−(4−フェニルピペラジン−1−イルメチル)−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオンは市販されている。ピラゾール環中に制限された置換基を有する特定のアリールピペラジニルアルキレンピラゾール化合物は、D3レセプターに対して結合性を有するとして、同時継続出願のPCT/EP95/02782(WO9602246)に一般に開示されている。このような化合物は本発明には包含されない。
【0003】
本発明は式I:
【化1】

の化合物(その調剤学的に認容性の塩を含む)を包含し、その際、
Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合により、a)ハロ、b)、場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)カルバモイル基又はカルバモイルメチル基、これらは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されている、l)スルファモイル基又はスルファモイルメチル基、これらは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されている、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていていることができ;
Aは、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていることができる1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し;
HETは式a)〜d)の基を表し
【化2】

[式中、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、または場合によりぞれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;
2及びR3は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は、場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)それぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;
4及びR5は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル、ベンジル又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)それぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;ただし、R4又はR5の一方がアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基である場合、R4又はR5の他方はアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基ではないものとし;
6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素元素を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基、O、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基、又はフェノキシアルキルを表し、その際、フェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)それぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;
8及びR9は無関係にH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;
その際、HETが式d)の基であり、XがS、Arがフェニル、Aがメチレン、及びR8がピリド−3−イルである場合、R9はアリルではないものとし;
Ar′はフェニル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基又はヘテロアリール基は、場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から置換される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及び
XはO又はSを表す。
【0004】
式Iの有利な化合物の1つのグループ(グループ1)において、HETは式a)、b)又はc)の基を表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Aは場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し;R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;R2及びR3は場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;R4及びR5は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;ただし、R4又はR5の一方がアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表す場合、R4又はR5の他方はアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基ではないもととし;R6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;R7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基、O、N並びにSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Ar′はフェニル又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びXはO又はSを表す。
【0005】
グループ1における式Iのさらに有利な化合物(サブグループ1a)において、HETは式a)の基を表し、その際、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合により1〜3個の炭素原子をそれぞれ含有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;R2及びR3は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びArはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されることができる1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。
【0006】
サブグループ1aにおける式Iのさらに有利な化合物において、HETは式a)の基を表し、その際、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されているアミノ基を表し;R2及びR3は無関係に場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基を表し、その際、フェニル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びArはフェニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、又はベンゾ[b]フラン−7−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはメチレンを表す。
【0007】
サブグループ1aにおける式Iの特に有利な化合物において、HETは式a)の基を表し、その際、R1はアミノ基を表し;R2は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよいフェニルを表し;及びR3は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアリル基を表し;及びArはナフチル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、又は場合により有利に2位で1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されたフェニルを表し;及びAはメチレンを表す。最も有利なのは、HETは式a)の基を表し;R1はアミノ;R2はフェニル;R3はメチル、プロピル又はアリル;Arは2−メトキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、2−メチルフェニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イル;Aはメチレンを表す。
【0008】
グループ1における式Iの他のさらに有利な化合物(サブグループ1b)において、HETは式b)の基を表し、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;R4及びR5は無関係に場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりい置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;ただし、R4又はR5の一方がアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよいアミノ基を表す場合、R4又はR5の他方はアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基ではないものとし;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはそれぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれ置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。
【0009】
サブグループ1bにおける式Iのさらに有利な化合物において、HETは式b)の基を表し、その際、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されているアミノ基を表し;R4及びR5は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又は1〜3個のN原子を有する6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基又はd)シアノから選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Arはフェニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、又はベンゾ[b]フラン−7−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはメチレンを表す。
【0010】
サブグループ1bにおける式Iの特に有利な化合物に置いて、HETは式b)の基を表し、その際、R1はアミノ基を表し;R4は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、3〜5個の炭素原子を有するシクロアルキル基、アミノ基又は場合によりハロにより置換されたフェニル基、場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基を表し;R5は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又はピリジル基、ピリミジニル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、その際、このフェニル基は場合によりハロ、場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基又はシアノにより置換されていてもよく;Arはベンゾ[b]フラン−7−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル又は場合により有利に2位又は3位で、ハロ、場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されたフェニルを表し;及びAはメチレンを表す。最も有利なのは、HETは式b)の基を表し;R1はアミノ基;R4はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、t−ブチル、フェニル又はアミノ基;R5はフェニル、2−クロロフェニル、4−シクロフェニル、4−メトキシフェニル、4−シアノフェニル、ベンジル、ピリド−2−イル、ピリド−4−イル、ピリミジン−2−イル、メチル、又はt−ブチル;Arはべんぞ[b]フラン−7−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、2−メトキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、3−シクロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル又は2−メチルフェニル;及びAはメチレンである。
【0011】
グループ1における式Iの他のさらに有利な化合物(サブグループ1c)において、HETは式c)の基を表し、R6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;R7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素元素を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基、O、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基、又はフェノキシアルキル基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Ar′はフェニル又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;XはO又はSを表し;及びArはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれ置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。
【0012】
サブグループ1cにおける式Iのさらに有利な化合物において、HETは式c)の基を表し、その際、R6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;R7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基を表し、その際、フェニル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Ar′はフェニル又は1〜3個のN原子を含有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;XはO又はSを表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、又はベンゾ[b]フラン−7−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはメチレンである。
【0013】
サブグループ1cにおける式Iの特に有利な化合物において、HETは式c)の基を表し、R6は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;R7はH、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基を表し;Ar′はフェニル又はピリジルを表し、その際これらは場合によりa)ハロ、b)1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;XはOを表し;及びArはフェニル又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはメチレンである。最も有利なのは、HETは式c)の基;R6はメチル;R7はH又はアリル;Ar′はフェニル又は3−ピリジル;XはO;Arは3−シクロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−メチルフェニル、2−メトキシフェニル又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イル;及びAはメチレンである。
【0014】
式Iの有利な化合物の第2のグループ(グループ2)において、HETは式d)の基を表し;R8及びR9は無関係にH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;XはO又はSを表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し;ただし、HETが式d)の基であり、XはS、Arはフェニル、Aはメチレン及びR8はピリド−3−イルである場合、R9はアリルではないものとする。
【0015】
グループ2における式Iのさらに有利な化合物において、HETは式d)の基を表し;R8はH、場合により1個以上のハロにより置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換されている2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、フェニル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;R9は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基又は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されたピリジル基を表し;XはO又はSを表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリジニル又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基からの1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。
【0016】
グループ2の式Iの特に有利な化合物において、HETは式d)の基を表し;R8はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル、場合によりハロにより置換されたピリジル、フリル、チエニル又はフェニルを表し;R9は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜4個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜4個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はピリジルを表し;XはO又はS;Arはフェニル、ピリジル、ピリジニル又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基からの1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す。最も有利なのは、HETは式d)の基;R8はH、メチル、トリフルオロメチル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、ピリド−4−イル、2−フリル、2−チエニル、フェニル又は4−クロロフェニルを表し;R9はアリル、メチル、プロピル、3−メトキシプロピル、又はピリド−3−イルを表し;XはO又はSを表し;Arはフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2−ピリミジニル、又は1,4−ベンゾジオキサン−5−イルを表し;及びAはメチレン、エチレン、トリメチレン又はテトラメチレンである。
【0017】
式Iの有利な化合物において、Arはフェニル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ピリミジニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラン−7−イル又はベンゾ[b]チオフェン−7−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりそれぞれ1個以上の、メチル、トリフルオロメチル1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ又はハロから選択される1個以上の置換基により置換されている。
【0018】
式Iの有利な化合物において、Aは1〜4個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表素。式Iのさらに有利な化合物において、Aはメチレンである。
【0019】
式Iの有利な化合物において、HETは式a)、b)又はc)の基である。式Iのさらに有利な化合物において、HETは式a)の基である。
【0020】
式Iの有利な化合物において、R1はヒドロキシ、又は場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基である。式Iのさらに有利な化合物において、R1はアミノである。
【0021】
式Iの有利な化合物において、R2及びR3は無関係に1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、アリル基、場合によりそれぞれハロにより置換されているフェニル、ピリジル又はピリミジル又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基である。式Iのさらに有利な化合物において、R2はフェニル、及びR3はメチル、プロピル又はアリルである。
【0022】
式Iの有利な化合物において、R4はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、t−ブチル、アミノ又はフェニルである。
【0023】
式Iの有利な化合物において、R5はメチル、t−ブチル、ベンジル、ピリド−2−イル、ピリド−4−イル、ピリミジン−2−イル、又は場合によりハロ、メトキシ又はシアノにより置換されたフェニルである。
【0024】
式Iの有利な化合物において、R6はメチルである。
【0025】
式Iの有利な化合物において、R7はH又はアリルである。
【0026】
式Iの有利な化合物において、R8はH、メチル、トリフルオロメチル、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、ピリド−4−イル、フラン−2−イル、チエン−2−イル又は場合によりハロにより置換されたフェニルである。
【0027】
式Iの有利な化合物において、R9はメチル、プロピル、3−メトキシプロピル、アリル又はピリド−3−イルである。
【0028】
式Iの有利な化合物において、Ar′はフェニル又はピリド−3−イルである。
【0029】
3個以上の原子の鎖を有する前記した全ての基は、直鎖又は分枝鎖であることができる基を表すと解釈される。例えば、アルキル基はn−プロピル及びイソプロピルを包含するプロピル、及びn−ブチル、s−ブチル、イソブチル及びt−ブチルを包含するブチルを有することができる。この場合使用した「ハロ」という用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを表す。
【0030】
式Iの化合物は調剤学的に認容性の酸との塩として存在してもよい。このような塩の例は、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、スルフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレエート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート[例えば(+)−タートレート、(−)−タートレート又はラセミ混合物を有するこれらの混合物]、スクシネート、ベンゾエート及びグルタミン酸のようなアミノ酸との塩を包含する。
【0031】
式Iの特定の化合物は、1以上の物理的形態(例えば異なる結晶形)で存在することもでき、本発明は式Iの化合物及びこの混合物の全ての物理的形態(例えばそれぞれの結晶形)を包含する。
【0032】
式Iの特定の化合物及びその塩は、1以上の結晶形の形で存在することもでき、本発明は全ての結晶形及びこれらの混合物を包含する。式Iの特定の化合物及びその塩は、溶媒和物、例えば水和物の形で存在することもでき、本発明は全ての溶媒和物及びこの混合物を包含する。
【0033】
式Iの特定の化合物は、1個以上のキラル中心を有することもでき、異なる光学活性形で存在することもできる。式Iの化合物が1個のキラル中心を有する場合、この化合物は2種のエナンチオマー形で存在し、本発明は両方のエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物を包含する。このエナンチオマーは当業者に公知の方法により、例えば晶出により分離することができるジアステレオ異性体の塩の形成により;例えば晶出、気−液クロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィーにより分離することができるジアステレオ異性体の誘導体又は錯体の形成により;エナンチオマー特異的試薬との一方のエナンチオマーとの選択的反応、例えば酵素によるエステル化により;又は例えば結合キラルリガンドを有するシリカのようなキラルサポートで又はキラル溶剤の存在でのキラル環境中での気液クロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィーにより分離することができる。所望のエナンチオマーを前記の分離手段の一つにより他の化学物質に変換することは、次の工程が所望のエナンチオマー形を開放するために必要となると解釈される。もう一つは、特別なエナンチオマーが光学活性試薬、基質、触媒又は溶剤を用いる不斉合成により又は一方のエナンチオマーから不斉トランスフォーメーションにより他のエナンチオマーへ変換することにより合成することがでる。
【0034】
式Iの化合物が1個以上のキラル中心を有する場合、この化合物はジアステレオ異性形で存在することができる。このジアステレオ異性体ペアは当業者に公知の方法により、例えばクロマトグラフィー又は晶出により分離することができ、及びそれぞれのペアの個々のエナンチオマーは前記のように分離することができる。本発明は式Iの化合物の個々のジアステレオ異性体又はこれらの混合物も包含する。
【0035】
式Iの特別な化合物は次のものである:
3−アミノ−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−2−メチル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−2−メチル−4−[4−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−2−プロピル−3−ピラゾリン−5−オン;
2−アリル−3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
3,5−ジアミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,3−ジフェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−メチル−3−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(3−シクロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−1−フェニル−4−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イルメチル}ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(2−ピリジル)ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−(4−クロロフェニル)−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロペンチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−t−ブチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−t−ブチル−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−ベンジル−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロブチル−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロブチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロブチル−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロペンチル−1−メチルピラゾール;
4−{5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピルピラゾール−1−イル}ベンゾニトリル;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−(2−クロロフェニル)−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(4−ピリジル)ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(2−ピリミジル)ピラゾール;
4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
1−アリル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−メチル−2−フェニル−4−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イルメチル}−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
4−メチル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
1−アリル−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−アリル−2−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3−(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−{4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
5−(4−クロロフェニル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−(3−ピリジル)−1,2,4−−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−(3−メトキシプロピル)−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−プロピル5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−1,2,4−トリアゾール3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(2−フリル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(2−ピリジル)−2−[4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(2−チエニル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(4−クロロフェニル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3−(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{4−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(2−チエニル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{3−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
及び調剤学的に認容性の塩、適当な場合に個々のエナンチオマー、ラセミ体、又はエナンチオマーの他の混合物の形。
【0036】
式Iの特定の化合物は異なる互変異性形で又は異なる幾何異性体として存在することもでき、本発明は式Iの化合物のそれぞれの互変異性体及び/又は幾何異性体及びこれらの混合物を包含する。
【0037】
式Iの特定の化合物は分類することができる異なる安定な配座形で存在することができる。ねじれた非対称形は非対称の単結合に関して例えば立体障害又は環ひずみが原因で回転を制限し、異なる配座に分類することができる。本発明は式Iの化合物のそれぞれの配座異性体及びこれらの混合物も包含する。
【0038】
式Iの特定の化合物は両性イオン形で存在することもでき、本発明は式Iの化合物のそれぞれの両性イオン形及びこれらの混合物も包含する。
【0039】
本発明はさらに、治療学的に有効量の式Iの化合物又はこれらの塩を調剤学的に認容性の希釈剤又は担持剤と一緒に含有する調剤学的組成物を包含する。
【0040】
下記されたように、「活性化合物」という用語は式Iの化合物又はこの塩を表す。治療的使用において、活性化合物は経口、直腸、腸管外又は局所的、有利に経口で投与することができる。本発明の治療的組成物は、経口、直腸、腸管外又は局所的投与のための公知の全ての調剤学的組成物の形態を採ることができる。このような組成物中に使用するのに適した調剤学的に認容性の担持剤は、調剤学の分野において周知である。本発明の組成物は活性化合物を0.1〜99%含有することができる。本発明の組成物は一般に単位投与形で調製される。活性成分の単位投与量は有利に1〜500mgである。この組成物の調製において使用される添加物は調剤学分野において公知の添加物である。
【0041】
経口投与のための組成物は、本発明の有利な組成物であり、このような投与のために公知の調剤学的形状、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ及び水性又は油性懸濁液である。この組成物の調製において使用される添加剤は、調剤学分野おいて公知の添加剤である。錠剤は活性化合物を不活性の希釈剤、例えばリン酸カルシウムと崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン及び滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムの存在で混合し、この混合物を公知の方法で錠剤化することにより製造することができる。この錠剤は、本発明の化合物を持続放出するように当業者に公知の方法で製造することもできる。このような錠剤は所望の場合に公知の方法で、例えばセルロースアセテートフタレートを用いて腸溶被覆を施すことができる。同様に、添加剤を有するか又は有しない活性成分を含有するカプセル剤、例えば硬質又は軟質ゼラチンカプセル剤も通常の方法で製造することができ、所望の場合に、公知の方法で腸溶被覆を施すことができる。この錠剤及びカプセル剤は通常活性化合物1〜500mgをそれぞれ含有することができる。経口投与のための他の組成物は、例えば非毒性懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースの存在で水性媒体中に活性化合物を含有する水性懸濁液及び適当な植物性油、例えば落花生油中に本発明の化合物を含有する油性懸濁液を包含する。
【0042】
この活性化合物は、付加的添加剤を用いて又は付加的添加剤なしで顆粒物に配合することができる。この顆粒物は患者により直接摂取されることができるか、又はこの顆粒物は摂取の前に適当な液体担持剤(例えば水)を添加することもできる。この顆粒物は液体媒体中で分散を促進するために崩壊剤(例えば調剤学的に認容性の、酸及び炭酸塩又は炭酸水素塩から形成される一対の発泡剤)を含有することもできる。
【0043】
直腸投与のために適した本発明の組成物は、このような投与のための公知の投与形、例えばカカオバター又はポリエチレングリコールベースの坐剤である。
【0044】
調剤学的組成物は腸管外で(例えば皮下、筋肉内、皮内及び/又は血管内で[例えば注射及び/又は注入により])、腸管外投与のための公知の調剤学的投与形態の形(例えば水性及び/又は油性媒体中での滅菌懸濁液及び/又は適当な溶剤、有利に患者の血液と等張の溶剤中での滅菌溶液)で投与することもできる。腸管外投与形は(例えばマイクロフィルトレーションにより及び/又は適当な殺菌剤[例えばエチレンオキシド]を用いることにより)滅菌することができる。場合により1種以上の次の調剤学的に認容性の、腸管外投与のために適当な助剤を腸管外投与形に添加することもできる:麻酔剤、保存剤、緩衝剤及び/又はこれらの混合物。腸管外投与形は使用するまで適当な滅菌封止容器(例えばアンプル及び/又はバイアル)中で保存することができる。貯蔵の間の安定性を増大させるために、この腸管外投与形は容器に充填後に冷凍し、液体(例えば水)は減圧下で除去することもできる。
【0045】
調剤学的組成物は鼻に投与するための公知の調剤学的形状で(例えばスプレー、エーロゾル、噴霧溶液及び/又は粉末の形で)投与することができる。
【0046】
調剤学的組成物は口腔(例えば舌下)へ、このための投与のための公知の調剤学的形状(例えば緩慢に溶解する錠剤、チューイングガム、トローチ、ロゼンジ、香錠、ゲル、ペースト、マウスウォッシュ、リンス及び/又はパウダー)の形で適用することができる。
【0047】
局所適用するための組成物は、本発明による薬理活性化合物が、この化合物の経皮投与のために皮膚との接触を保持するマトリックスを有することができる。
適当な経皮組成物は、調剤活性化合物を局所付形剤、例えば鉱油、ワセリン及び/又はワックス、例えばパラフィンワックス、蜜ろうと、潜在的経皮促進剤、例えばジメチルスルホキシド又はプロピレングリコールと一緒に混合することにより製造することができる。他に活性化合物は調剤学的に認容性のクリーム又は軟膏ベースに分散させることもできる。局所調製剤中に含まれる活性化合物の量は、局所調製剤が皮膚上に存在する期間にわたりこの化合物の治療有効量が提供されるようにすべきである。
【0048】
本発明の化合物は、外部供給源から例えば血管内注入により又は体内に置かれた化合物の供給源から連続注入により投与することもできる。内部供給源は、例えば浸透により連続的に放出される注入すべき化合物を含有する植込容器、及び著しく緩慢な水溶性誘導体、例えばドデカン酸塩の形の注入すべき化合物の調剤学的認容性の油中での懸濁液又は溶液のような液体(a)の植込物、又は注入すべき化合物に対して組込担持剤、例えば合成樹脂又はワックス材料の形の固体(b)を包含する。この担持剤は全ての化合物を含有する単一の物体であるか又は供給すべき化合物の一部をそれぞれ含有する一連の数個の物体であることができる。内部供給源中に存在する活性化合物の量は治療有効量の化合物を長時間にわたり供給することができる程度であるべきである。
【0049】
若干の調製剤において、本発明の化合物を例えば流体エネルギーミルにより得られるような著しく小さいサイズの粒子の形で使用するのが有利である。
【0050】
本発明の組成物において活性化合物は所望の場合に他の調剤学的活性成分と組み合わせることもできる。
【0051】
本発明は医薬としての式Iの化合物の使用にも関する。
【0052】
式Iの化合物又はその塩又はその治療有効量を含有する調剤学的組成物は、ヒトの鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、肥満症、高血圧症、トゥーレット症候群、性的機能障害、薬物嗜癖、薬物乱用、認知的不協和症、アルツハイマー病、老人性痴呆症、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、摂食障害、食欲不振、心臓血管及び脳血管障害、非インスリン依存型糖尿病、高血糖症、便秘症、不整脈、神経内分泌系の障害、ストレス、前立腺肥大症及び痙攣の治療に使用することができる。
【0053】
このような治療に投与される活性成分の正確な量は、ファクター、例えば患者の年齢、症状の重さ及び過去の病歴の数値に依存し、常に投与医師の健全な裁量の範囲内にあり、1日あたり投与される活性化合物の量は1〜1000mg、有利に5〜500mgの範囲内にあり、1日の間に1回の投与か又は1回以上での分配投与で投与される。
【0054】
式Iの化合物又はその塩又はその治療有効量を含有する調剤学的組成物は、有利に鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害、ストレス及び前立腺肥大症の治療に使用される。
【0055】
本発明のもう一つの実施態様は、ヒトの鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、肥満症、高血圧症、トゥーレット症候群、性的機能障害、薬物嗜癖、薬物乱用、認知的不協和症、アルツハイマー病、老人性痴呆症、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、摂食障害、食欲不振、心臓血管及び脳血管障害、非インスリン依存型糖尿病、高血糖症、便秘症、不整脈、神経内分泌系の障害、ストレス、前立腺肥大症及び痙攣の治療用の医薬品の製造における式Iの化合物又はその塩の使用である。
【0056】
有利に式Iの化合物又はその塩は、鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害、ストレス及び前立腺肥大症の治療用の医薬品の製造において使用される。
【0057】
本発明は、式Iの化合物の治療有効量を、治療が必要な哺乳類、特にヒトに投与することよりなる、鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、肥満症、高血圧症、トゥーレット症候群、性的機能障害、薬物嗜癖、薬物乱用、認知的不協和症、アルツハイマー病、老人性痴呆症、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、摂食障害、食欲不振、心臓血管及び脳血管障害、非インスリン依存型糖尿病、高血糖症、便秘症、不整脈、神経内分泌系の障害、ストレス、前立腺肥大症及び痙攣の治療方法にも関する。
【0058】
有利に、この方法は、鬱病、不安症、精神病(例えば分裂症)、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害、ストレス及び前立腺肥大症の治療のための方法である。
【0059】
式Iの化合物の製造方法を記載する。この方法は本発明のもう一つの実施態様である。この方法は有利に大気圧で実施される。
【0060】
Aがメチレンである式Iの化合物は、式II:
【化3】

の化合物を式III:
H−HET III
の化合物と、ホルムアルデヒドの存在で、適当な溶剤、例えば工業メチル化スピリット(industrial methylated spirit)中で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0061】
HETが式c)の基を表し、その際R7がHではない式Iの化合物は、HETがc)の基を表し、その際R7がHである式Iの化合物と、式R7Z(式中、Zは脱離基である)の化合物とを、塩基、例えば水酸化カリウムの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0062】
Aが2〜6個の炭素原子のアルキレン鎖であり、HETが式d)の基である式Iの化合物は、式IV:
【化4】

[式中、Zは脱離基、例えばハロ、例えばクロロであり、R10及びR11は無関係にH又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは2、3、4、5又は6である]の化合物と、式IIの化合物とを、適当な溶剤、例えばジメチルホルムアミド中で、場合により塩基、例えば炭酸カリウムの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0063】
式IIの化合物は式V:
Ar−NH2
の化合物をビス(2−クロロエチル)アミンと、適当な溶剤、例えばクロロベンゼン中で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0064】
式IIの化合物は、式Vの化合物をビス(2−ヒドロキシエチル)アミンと、脱水剤、例えば五酸化リンの存在で、適当な溶剤、例えばジフェニルエーテル中で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することもできる。
【0065】
式IIの化合物は、式VI:
Ar−Z VI
[式中、Zは脱離基、例えばハロ、例えばブロモである]の化合物を、ピペラジンと、溶剤、例えば水の存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0066】
式IIの化合物は式VII:
【化5】

[式中、Dは保護基、例えばt−ブトキシカルボニルである]の化合物を0〜150℃の範囲内の温度で、脱保護することにより、例えば酸、例えばトリフルオロ酢酸の存在で酸加水分解により製造することができる。
【0067】
式IIの特定の化合物は市販されている。
【0068】
HETが式a)の基であり、R1はNH2である式IIIの化合物は、式R2NHNHR3の化合物を、式NCCH2CO2Rの化合物又は式ROC(=NH).CH2CO2Rの化合物(式中Rはアルキル基、例えばエチル基である)と、適当な溶剤、例えばエタノール中で、場合により塩基、例えばナトリウムエトキシドの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0069】
HETが式a)の基であり、R1はNH2である式IIIの化合物は、式VIII:
【化6】

の化合物を、式R3Z(式中、Zは脱離基、例えばハロ、例えばブロモ又はヨードである)の化合物と、塩基、例えば炭酸カリウム又は水素化ナトリウムの存在で、適当な溶剤、例えばアセトニトリル又はテトラヒドロフラン中で0〜150℃の温度で反応させることにより製造することができる。
【0070】
HETが式a)の基であり、R1がヒドロキシである式IIIの化合物は、式R2NHNHR3の化合物を、式RO2CCH2CO2R(式中Rはアルキル基、例えばエチルである)の化合物と、適当な溶剤、例えばエタノール中で、場合により塩基、例えばナトリウムエトキシドの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0071】
HETは式b)の基であり、R1はNH2である式IIIの化合物は、式R4CO.CH2CNの化合物を式R5NHNH2の化合物と、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させる、イクオ アダチ他(Ikuo Adachi et al, Chem. Pharm. Bull., 1987, 35(8), 3235)に記載の方法により製造することができる。
【0072】
式R4CO.CH2CNの化合物は、R4CO2Hの化合物をカプリング剤、例えばカルボニルジイミダゾールと反応させ、引き続きシアノ酢酸のジアニオン(塩基、例えばグリニャール試薬、例えばイソプロピルマグネシウムクロリドを用いて製造されたシアノ酢酸から製造)と溶剤、例えばテトラヒドロフラン中で反応させる個により製造することができる。
【0073】
式R5NHNH2の化合物は、式R5Z(式中Zは脱離基、例えばハロ、例えばクロロ)の化合物をヒドラジンヒドレートと、適当な溶剤、例えばエタノール中で反応させることにより製造することができる。
【0074】
HETは式c)の基であり、R7はH、XはOの式IIIの化合物は、式IX:
【化7】

[式中、Rは1〜6個の炭素原子のアルキル基である]の化合物を式X:
【化8】

[式中、R′は1〜6個の炭素元素を有するアルキル基である]の化合物と、適当な溶剤、例えばテトラヒドロフラン中で、塩基、例えばトリエチルアミンの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0075】
HETは式d)の基である式IIIの化合物は、式R9NHCXNHNHCOR8の化合物を、塩基、例えば水酸化ナトリウムと、溶剤、例えば水中で、0から200℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0076】
HETは式d)の基である式IIIの化合物は、式R9NHCXNHNH2の化合物及び式R8CO2Etの化合物を、塩基、例えばナトリウムメトキシドの存在で、適当な溶剤、例えばメタノール中で0〜200℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0077】
式IIIの特定の化合物は市販されている。
【0078】
式IVの化合物は、HETが式d)の基である式IIIの化合物を、式XI:
Z−(CR1011n−Z′ XI
[Zは脱離基、例えばハロ、例えばクロロであり、Z′は脱離基、例えばハロ、例えばブロモであり、nは2、3、4、5又は6である]の化合物と、溶剤、例えばジメチルホルムアミド中で、塩基例えば水素化ナトリウムの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0079】
Dは保護基である式VIIの化合物は、式VI(Zが脱離基、例えばハロ、例えばブロモである)の化合物を式XII:
【化9】

[式中、Dは保護基、例えばt−ブトキシカルボニルである]の化合物と、塩基、例えばナトリウムt−ブトキシドの存在で、適当な溶剤、例えばトルエン中で、若干の場合に触媒、例えばトリ−o−トルイルホスフィンをビス−(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)と付加させることにより形成される触媒の存在で反応させることにより製造することができる。
【0080】
式IXの特定の化合物は市販されているか又は当業者に公知の方法により製造することができる。
【0081】
式Xの化合物は式XIII:
Ar′CN XIII
の化合物を、式R′OH(式中R′は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)のアルコールと、場合により酸又は塩基触媒、例えばナトリウムメトキシドの存在で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0082】
式R9NHCXNHNH2の化合物は、式H2NNHCO.R8の化合物を、式R9NCXの化合物と、適当な溶剤、例えばメタノール中で、0〜200℃の範囲内の温度で、有利に20〜150℃の範囲内の温度で反応させることにより製造することができる。
【0083】
式Iの化合物と5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)レセプターとの相互作用するの能力は、この化合物が試験管内で5−HTレセプター、特に5−HT1Aレセプターと結合するトリチウム化したリガンドを阻害する能力を測定する次の試験により表された。
【0084】
オスのSprague-Dawleyラット(Charles River;体重範囲150〜250g)の脳からの海馬組織を氷冷した50mMのトリス−HCl緩衝液(25℃で測定した場合pH7.7、1:40w/v)中にホモジナイズドし、4℃で10分間30000gで遠心分離した。このペレットを同じ緩衝液中に再度ホモジナイズドし、37℃で10分間インキュベートし、4℃で10分間30000gで遠心分離した。最終的ペレットを、4mMのCaCl2、0.1%のL−アスコルビン酸及び10μMの塩酸パルギリンを含有する50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.7)中に再懸濁させ(mlあたりの組織の湿潤重量6.25mgと当量)、直ちに結合アッセイに使用した。この懸濁液のアリコート(400μl;試験管あたりの組織の湿潤重量2.5mgと当量)を、リガンド(50μl;2nM)及び蒸留水(50μl;全て結合)又は5−HT(50μl;10μM;非特異的に結合)又は試験化合物(50μl;10-6Mの単一の濃度で又は10-11〜10-3Mの範囲の10の濃度で)を含有する試験管に添加した。リガンドは[3H]8−ヒドロキシ−2−(ジプロピルアミノ)テトラリン([3H]8−OH−DPAT)であり、混合物は25℃で30分間インキュベートし、その後このインキュベートを急速濾過により停止した。
【0085】
このフィルターを氷冷トリス−HCl緩衝液で洗浄し、乾燥させた。このフィルターを打抜いてバイアル中に入れ、シンチレーション液を添加し、液体シンチレーション・カウンティングにより放射性を測定した。トリチウム化されたリガンドの特異的結合の置換率を試験化合物の単一濃度(10-6M)について計算した。次いで、置換曲線を、化合物の濃度範囲を用いる10-6Mでのトリチウム化されたリガンドの特異的結合の≧50%を置き換えた化合物について作成した。特異的結合の50%の阻害率(IC50)を示す濃度がこの曲線から観察された。阻害係数Kiは次の式を用いて計算した:
【数1】

[式中、[ligand]は使用したトリチウム化したリガンドの濃度であり、KDはリガンドに対する平衡解離定数である]。
【0086】
アドレノセプター(adrenoceptor)結合部位と相互作用する式Iの化合物の能力は、試験管内でのアドレノセプター、特にα1−アドレノセプターと結合するトリチウム化したリガンドを阻害する化合物の能力を測定する次の試験により表された。
【0087】
150〜250gの体重のオスのCharles River CDラットの脳からの全ての皮質組織を氷冷の50mMのトリス−HCl、pH7.6(25℃で;1:40w/v)中にホモジナイズドし、4℃で10分間1000gで遠心分離した。この上澄液を4℃で10分間30000gで遠心分離した。このペレットを50mMのトリス−HCl、pH7.6(1:40w/v)中に再度ホモジナイズドし、4℃で10分間30000gで遠心分離した。最終的なペレットを50mMのトリス−HCl、pH7.6中に再懸濁させ(mlあたりの組織の湿潤重量12.5mgと当量)、直ちに結合アッセイに使用した。この懸濁液のアリコート(400μl;試験管あたり組織の湿潤重量5mgと当量)を、リガンド(50μl;0.1nM)及び蒸留水(50μl;全て結合)又はフェントラミン(50μl;5μM;非特異的結合)又は試験化合物(50μl;10-6Mの単一の濃度で又は10-11〜10-3Mの範囲内の10の濃度で)を有する試験管に添加した。このリガンドは7−メトキシ−[3H]プラゾシンであり、この混合物を30℃で30分間インキュベートし、その後このインキュベートを急速濾過により停止した。
【0088】
このフィルターを氷冷のトリス−HCl緩衝液で洗浄し、乾燥させた、このフィルターを打ち抜いてバイアル中に入れ、シンチレーション液を添加し、放射能を液体シンチレーション・カウンティングにより測定した。トリチウム化したリガンドの特異的結合の置換率は、試験化合物の単一の濃度(10-6M)について計算した。次いで置換曲線を、この化合物の濃度の範囲を用いる10-6Mでのトリチウム化したリガンドの特異的結合の≧50%を置き換えた化合物について作成した。特異的結合の50%の阻害(IC50)を示す濃度がこの曲線から観察された。阻害係数Kiは次の式を用いて計算した:
【数2】

[式中、[ligand]は使用したトリチウム化したリガンドの濃度であり、KDはリガンドに対する平衡解離定数である]。
【0089】
α2−アドレノセプター結合部位と相互作用する式Iの化合物の能力は、試験管内でのα2−アドレノセプター、特にα2A−アドレノセプターと結合するトリチウム化したリガンドを阻害する化合物の能力を測定する次の試験により表された。
【0090】
死後に得られたヒトの大脳皮質を、氷冷の0.25Mのスクロース(1:30w/v)中にホモジナイズドし、4℃で12分間1000gで遠心分離した。この上澄液を氷中で貯蔵し、このペレットを0.25Mのスクロース(1:15w/v)中に再度ホモジナイズドし、4℃で12分間850gで遠心分離した。合わせた上澄液を5mMのエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含有する5mMのトリス−HCl(pH7.5)で希釈し、1Mの水酸化ナトリウムを用いてpH7.5(25℃で)に、1:80w/vまで調節し、4℃で10分間11000gで遠心分離した。生じたペレットを、5.68mMのL−アスコルビン酸及び0.5mMのEDTAを含有する50mMのトリス−HCl(pH7.5)中に再懸濁させ、1Mの水酸化ナトリウムを用いてpH7.5(25℃で)に、1:80w/vまで調節し、10分間11000gで遠心分離した。このペレットを−80℃で貯蔵した。アッセイの日にペレットを解凍し、5.68mMのL−アスコルビン酸及び5mMのEDTAを含有する50mMのトリス−HCl(pH7.5)中に1:80w/vまで再懸濁した。この最終的ペレットを5.68mMのL−アスコルビン酸及び5mMのEDTAを含有する50mMのトリス−HCl(pH7.5)中に再懸濁させた(mlあたり組織の湿潤重量25mgと当量)。
【0091】
この懸濁液のアリコート(400μl;試験管あたりの組織の湿潤重量10mgと当量)を、リガンド(50μl;0.2nM)及び蒸留水(50μl;全て結合)又はフェントラミン(50μl;50μM;非特異的結合)又は試験化合物(50μl;10-6Mの単一の濃度で又は10-11〜10-3Mの範囲内の10の濃度で)を含有する試験管に添加した。このリガンドはトリチウム化したRX821002(2−(2−メトキシ−1,4−[6,7(n)−3H]ベンゾジオキサン−2−イル)−2−イミダゾリン)であり、この混合物を0℃で75分間インキュベートし、その後このインキュベートを急速濾過により停止した。
【0092】
このフィルターを氷冷トリス−HCl緩衝液で洗浄し、乾燥した。このフィルターを打ち抜いてバイアルに入れ、シンチレーション液を添加し、液体シンチレーション・カウンティングにより放射能を測定した。トリチウム化したリガンドの特異的結合の置換率を、試験化合物の単一の濃度(10-6M)について計算した。次いで置換曲線を、この化合物の濃度の範囲を用いる10-6Mでのトリチウム化したリガンドの特異的結合の≧50%を置き換えた化合物について作成した。特異的結合の50%の阻害(IC50)を示す濃度がこの曲線から観察された。阻害係数Kiは次の式を用いて計算した:
【数3】

[式中、[ligand]は使用したトリチウム化したリガンドの濃度であり、KDはリガンドに対する平衡解離定数である]。
【0093】
アドレノセプター結合部位と相互作用する式Iの化合物の能力を、試験管内でアドレノセプター、特にα2D−アドレノセプターと結合するトリチウム化したリガンドを阻害する化合物の能力を測定する次の試験により表した。
【0094】
150〜250gの体重のオスのCharles River CDラットの脳の前頭皮質組織を、氷冷の0.25Mスクロース(1:30w/v)中にホモジナイズドし、10分間4℃で1000gで遠心分離した。この懸濁液を氷上で貯蔵し、このペレットを0.25Mのスクロース(1:15w/v)中に再度ホモジナイズドし、4℃で12分間遠心分離した。合わせた上澄液を、5mMのエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含有する5mMのトリス−HCl(pH7.5)で希釈し、1Mの水酸化ナトリウムを用いてpH7.5(25℃で)に1:80w/vまで調節し、4℃で10分間30000gで遠心分離した。生じたペレットを5.68mMのL−アスコルビン酸及び0.5mMのEDTAを含有する50mMのトリス−HCl(pH7.5)中に再懸濁させ、1Mの水酸化ナトリウムを用いてpH7.5(25℃で)に再度調節し、10分間30000gで遠心分離した。最終的ペレットを5.68mMのL−アスコルビン酸及び5mMのEDTAを含有する50mMのトリス−HCl(pH7.5)中に再懸濁させ(mlあたりの組織の湿潤重量12.5mgと当量)、直ちに結合アッセイに使用した。この懸濁液のアリコート(400μl;試験管あたりの組織の湿潤重量5mgと当量)を、リガンド(50μl;1nM)及び蒸留水(50μl;全て結合)又はフェントラミン(50μl;5μM;非特異的結合)又は試験化合物(50μl;10-6Mの単一の濃度で又は10-11〜10-3Mの範囲内の10の濃度で)試験管に添加した。このリガンドはトリチウム化したイダゾキサン(2−(1,4−[6,7(n)−3H]ベンゾジオキサン−2−イル)−2−イミダゾールヒドロクロリド)であり、この混合物を0℃で75分間インキュベートし、その後このインキュベートを急速濾過により停止した。
【0095】
このフィルターを氷冷のトリス−HCl緩衝液で洗浄し、乾燥した。このフィルターを打ち抜いてバイアル中に入れ、シンチレーション液を添加し、液体シンチレーション・カウンティングにより放射能を測定した。トリチウム化したリガンドの特異的結合の置換率を、試験化合物の単一の濃度(10-6M)について計算した。次いで置換曲線を、この化合物の濃度の範囲を用いる10-6Mでのトリチウム化したリガンドの特異的結合の≧50%を置き換えた化合物について作成した。特異的結合の50%の阻害(IC50)を示す濃度がこの曲線から観察された。阻害係数Kiは次の式を用いて計算した:
【数4】

[式中、[ligand]は使用したトリチウム化したリガンドの濃度であり、KDはリガンドに対する平衡解離定数である]。
【0096】
ドーパミンレセプターとの相互作用する式Iの化合物の能力を、試験管内でドーパミンレセプター、特にD2ドーパミンレセプターと結合するトリチウム化したリガンドを阻害する化合物の能力を測定する次の試験により表した。
【0097】
140〜250gの体重のオスのCharles River CDラットの脳の線条体組織を、氷冷の50mMのトリス−HCl(25℃で測定してpH7.7)中にホモジナイズドし、10分間で40000gで遠心分離した。このペレットをトリス塩緩衝液(120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl2及び1mMのMgCl2を含有し、6mMのアスコルビン酸を添加した50mMのトリス−HCl緩衝液;25℃で測定してpH7.7)中に再懸濁させ、10分間で40000gで再度遠心分離した。最終的ペレットを−80℃で貯蔵した。それぞれの試験の前にこのペレットをトリス塩緩衝液(mlあたりの組織の湿潤重量2mgと当量)中に再懸濁させた。この懸濁液のアリコート(720μl;試験管あたりの組織の重量1.44mgと当量)を、次いで、リガンド(40μl;1nM)及びトリス塩緩衝液(40μl;全て結合)又はスピロペリドール(40μl;10μM;非特異的結合)又は試験化合物(40μl;10-6Mの単一の濃度で又は10-11〜10-4Mの範囲内の6の濃度で)試験管に添加した。このリガンドはトリチウム化した(S)−スルピリドであり、この混合物を4℃で40分間インキュベートし、その後このインキュベートを急速濾過により停止した。
【0098】
このフィルターを氷冷のトリス−HCl緩衝液で洗浄し、乾燥した。このフィルターを打ち抜いてバイアル中に入れ、シンチレーション液を添加し、シンチレーション分光分析により計量する前に約20時間放置した。トリチウム化したリガンドの特異的結合の置換率を、試験化合物の単一の濃度(10-6M)について計算した。次いで置換曲線を、この化合物の濃度の範囲を用いる10-6Mでのトリチウム化したリガンドの特異的結合の≧50%を置き換えた化合物について作成した。特異的結合の50%の阻害(IC50)を示す濃度がこの曲線から観察された。阻害係数Kiは次の式を用いて計算した:
【数5】

[式中、[ligand]は使用したトリチウム化したリガンドの濃度であり、KDはリガンドに対する平衡解離定数である]。
【0099】
後記する例1〜72の最終生成物のそれぞれの5−HT1A、α1、α2A、α2D及びD2についての試験において観察されたKi値を次の表1に示した。
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

表1中の%は10-6Mでの置換率%である。
NTは試験していないことを表す。
【0104】
本発明を次の実施例につき詳説するが、これらの実施例は単に例に過ぎない。それぞれの例の最終生成物は一つ以上の次の方法により特性決定された:高性能液体クロマトグラフィー、元素分析、核磁気共鳴分光分析及び赤外線分光分析。
【0105】
例1
1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(2.16g)、37〜40%の水性ホルムアルデヒド溶液(0.8ml)及び工業メチル化スピリット(27ml)の混合物を周囲温度で窒素下で18時間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(54ml)中の3−アミノ−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(2.14g)のスラリーを1回で添加した。この撹拌混合物を24時間加熱還流させ、周囲温度に冷却し、生じた固体を濾過により捕集し、工業メチル化スピリットで洗浄し、真空中で50℃で乾燥させると、3−アミノ−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オンモノヒドレートがオフホワイトの固体として生じた(3.2g)、融点133−136℃。
【0106】
例2
2,3−ジヒドロキシ安息香酸(192.5g)、炭酸カリウム(580g)、アセトニトリル(950ml)及び水(900ml)の撹拌混合物を還流温度に加熱し、1,2−ジブロモエタン(162ml)を30分間にわたり添加した。この撹拌混合物を88時間加熱還流させ、さらに1,2−ジブロモエタン(60ml)を添加し、撹拌及び加熱還流を210時間続け、さらに1,2−ブロモエタン(30ml)及び炭酸カリウム(100g)を添加し、撹拌及び加熱還流を50時間続け、さらに1,2−ジブロモエタン(40ml)を添加し、撹拌及び加熱還流を48時間続けた。
【0107】
この混合物を同様の規模及び同様の条件下で実施された第2の反応から得られたものと合わせた。
【0108】
溶剤を真空中で除去し、残留物を水(7000ml)に溶かし、次いでこの溶液を酢酸エチル(2×500ml)及びエーテル(2×500ml)で洗浄した。木炭(50g)を添加し、この混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いで濾過した。この濾液を過剰量の濃塩酸を添加することにより酸性化し、生じた固体を濾過により捕集し、水で洗浄し、90℃で真空中で乾燥させて、1,4−ベンゾジオキサン−5−カルボン酸がオフホワイトの固体として得られた(306.3g)、融点165〜173℃。
【0109】
1,4−ベンゾジオキサン−5−カルボン酸(120g)を40℃で数回で、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(52g)及びポリリン酸(380g)の撹拌混合物に添加し、次いでこの混合物を120℃の内部温度に加熱した。熱源を取り除き、この混合物を泡立ちが静まるまで強力に撹拌し、次いでこれを160℃で90分間撹拌し、80℃に冷却し、過剰の氷水を添加し、5Mの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより塩基性にした。この生成物を酢酸エチル(6×500ml)中へ抽出し、抽出液を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去した。残留物を酢酸エチル(800ml)中に溶かし、曇った溶液を濾過し、次いで塩化水素で飽和した。生じた固体を濾過により捕集し、酢酸エチルで洗浄し、真空中で周囲温度で乾燥させると、1,4−ベンゾジオキサン−5−アミンモノヒドロクロリドが淡黄褐色の固体としてえられた(65.9g)。
【0110】
1,4−ベンゾジオキサン−5−アミン(21.6g;前記の塩酸塩の塩基性化により製造)、ビス(2−クロロエチル)アミンモノヒドロクロリド(25g)及びクロロベンゼン(250ml)の撹拌混合物を72時間加熱還流させ、次いで溶剤を真空中で除去した。この残留物を水(250ml)で希釈し、5Mの水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより塩基性化し、生成物を酢酸エチル(5×100ml)で抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去すると、1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジンが褐色油状物としてえられた(29.2g)。
【0111】
1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(2.45g)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.8ml)及び工業メチル化スピリット(30ml)の混合物を周囲温度で窒素下で18時間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(55ml)中の3−アミノ−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(1.95g)のスラリーを1回で添加した。この撹拌混合物を5時間加熱還流させ、次いで周囲温度で18時間放置した。生じた固体を濾過により捕集し、濾液を真空中で40mlに濃縮し、次いで氷中で冷却すると白色固体の第2の生成物が生じ、これを濾過により捕集した。合わせた固体を工業メチル化スピリット(80ml)中に懸濁させ、この混合物を還流温度に加熱した。溶解しない固体を熱い混合物から濾過により除去し、次いで濾液を40mlに濃縮し、氷中で冷却し、生じた固体を濾過により捕集した。固体の2つの生成物を合わせ、真空中で65℃で乾燥させると、3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン0.75ヒドレートが白色固体(2.45g)として得られた、融点222〜224℃。
【0112】
例2−他の製造
37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(12.4ml)を、無水エタノール(250ml)中の1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(33.1g;前記の例2に記載されたと同様に製造)の溶液に添加し、この混合物を周囲温度で3時間撹拌した。この混合物を無水エタノール(500ml)で希釈し、生じた溶液を周囲温度で19時間撹拌した。無水エタノール(1000ml)中の3−アミノ−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(31.7g)の溶液を添加し、この溶液を周囲温度で23時間撹拌した。生じた固体を濾過により捕集し、周囲温度で真空中で乾燥させ、酢酸エチル(1200ml)中に懸濁させた。この混合物を撹拌し、66時間加熱還流させ、生じた固体を熱間濾過により捕集し、周囲温度で真空中で乾燥させ、乳鉢と乳棒で砕き、次いで再度撹拌し、酢酸エチル(1700ml)と一緒に46時間加熱還流させた。生成物を熱間濾過により捕集し、ついて、周囲温度で真空中で乾燥させると、3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オンが白色固体(50.4g)として生じた、融点223〜224℃。
【0113】
例3〜8
Aはメチレン基及びHETは式a)の基である式Iの次の化合物は次の方法Aで製造される:
【表5】

方法A
【化10】

【0114】
37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(a ml)を工業メチル化スピリット(c ml)中の式IIの化合物(b g)の溶液を添加し、この混合物を周囲温度でd時間窒素下で撹拌した。工業メチル化スピリット(f ml)中の式IIIaの化合物(e g)の溶液又は懸濁液を添加し、この混合物を撹拌し、g時間加熱還流させた。この混合物を周囲温度に冷却するか又は氷中で冷却した。特定の例において、固体生成物が沈殿し、濾過により捕集した;他の例の場合には固体を得るために溶剤を真空中で除去した。若干の場合に、次に固体を次の1つ以上の工程により精製し、表Aに示した融点を有する式Iaの化合物が得られた。置換基及び量は表Aに示されている。
【0115】
精製工程:
i) 酢酸エチルと共に砕きり、プロパン−2−オールから再結晶させた。
ii) 溶離剤としてジクロロメタン中のメタノールの混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。最初のフラクションが所望の生成物デあり、これはさらに熱い酢酸エチル(100ml)中で溶解させることにより精製した。この溶液を16時間周囲温度で放置し、得られた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥させると所望の生成物が生じた。
iii) 溶離剤としてエタノール及びジクロロメタンの3:7混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

【0118】
例9
1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(2.4g)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.9ml)及び工業メチル化スピリット(30ml)の混合物を周囲温度で窒素下で18時間撹拌し、次いで、工業メチル化スピリット(60ml)中の5−アミノ−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール(2.5g)のスラリーを1回で添加した。この撹拌混合物を24時間加熱還流し、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物を、溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの19:1の混合物を用いるシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合わせ、溶剤を真空中で除去した。残留物をアセトンと一緒に砕き、生じた固体を濾過により捕集し、周囲温度で真空中で乾燥すると、5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾールが白色固体(1.4g)として生じた、融点70〜74℃。
【0119】
例10
1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(2.8g;例2に記載されたと同様の方法で製造)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.9ml)及び工業メチル化スピリット(30ml)の混合物を、周囲温度で窒素下で18時間撹拌し、次いで30分間加熱還流した。工業メチル化スピリット(60ml)中の5−アミノ−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール(2.5g)を1回で添加し、次いでこの撹拌混合物を24時間加熱還流させ、溶剤を真空中で濾過した。残留物を溶離剤として及びメチル化スピリットとの19:1混合物を用いてシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去すると、黄色のゴム状物(2.5g)が生じた。このゴム状物をエーテル中に溶解し、溶解しない材料を濾過により除去し、溶剤を真空中で除去した。残留物を石油エーテル(b.p.60〜80℃)2×50ml)と共に砕き、合わせた石油溶液を周囲温度に冷却し、残留する固体を濾過により捕集し、真空中で周囲温度で乾燥させると、5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール0.2ヒドレートが白色固体(1.1g)として生じた、融点67〜70℃。
【0120】
例11
トリエチルアミン(6ml)を、5分間にわたりエタノール(50ml)中のジエチルマロンイミデートジヒドロクロリド(5g)の撹拌懸濁液に添加した。フェニルヒドラジン(2.1ml)を添加し、次いでこの混合物を周囲温度で4時間撹拌し、及び95℃で30分間撹拌した。この溶剤を真空中で除去し、残留物を酢酸エチル(100ml)及び水(50ml)の間に分配した。有機層を分離し、水(50ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去した。残留物を溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールとの19:1の混合物を用いてシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去すると、3,5−ジアミノ−1−フェニルピラゾールが赤褐色の油状物(0.76g)として生じた。
【0121】
1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(0.8g;例2に記載したと同様の方法で製造)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.27ml)及び工業メチル化スピリット(10ml)の混合物を周囲温度で窒素下で18時間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(8ml)中の3,5−ジアミノ−1−フェニルピラゾール(0.63g)の溶液を滴加した。この混合物を周囲温度で2.5時間撹拌し、次いでこの溶剤を真空中で除去し、残留物を溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールの適当な9:1の混合物を用いてシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去すると、3,5−ジアミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾールが淡いピンク色の固体(0.38g)として得られた、融点84〜87℃。
【0122】
例12−35
Aがメチレンであり、HETは基b)の基である式Iの次の化合物は次の方法Bにより製造された:
【表8】

【0123】
【表9】

【0124】
方法B
【化11】

【0125】
37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(a ml)を工業メチル化スピリット(c ml)中の式IIの化合物(b g)の溶液に添加し、この混合物を周囲温度でd時間窒素下で撹拌した。工業メチル化スピリット(f ml)中の式IIIbの化合物(e g)の溶液又は懸濁液を添加し、この混合物をg時間加熱還流させた。この混合物を周囲温度にまで冷却させ、粗製生成物を得るために溶剤を真空中で除去した。若干の場合に、生成物を次の1つ以上の工程により精製し、表Bに示した融点を有する式Ibの化合物が得られた。置換基及び量は表Bに示されている。
【0126】
精製工程:
i) 溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの19:1の混合物を用いてシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィー。適当なフラクションを集め、溶剤を真空中で除去し、残留物をエーテル中に溶かし、エーテル(200ml)中のマレイン酸(2g)の溶液を添加した。生じた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥し、次いで酢酸エチル及び水の混合物中に溶かした。この溶液を塩基性化し、遊離塩基を酢酸エチルで抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去した。生じた油状物をさらに酢酸エチル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の1:1の混合物を用いて減圧カラムクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物が生じた。
ii) 溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの12:1の混合物を用いるシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィー。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去し、残分をエーテル中に溶解させ、エーテル(200ml)中のマレイン酸(2g)の溶液を添加した。得られた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥させ、次いで水中に溶解した。この溶液を塩基性化し、遊離塩基をエーテル中に抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)しこの溶剤を真空中で除去した。この残留物をさらに溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの19:1の混合物を用いるシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィーにより精製した。生じた固体をエーテル及び石油エーテル(沸点40〜60℃)の混合物中に溶解させ、溶剤を蒸発させて所望の生成物が得られた。
iii) この粗製生成物をアセトン中に溶解させ、この溶液を濾過紙、次いで石油エーテル(沸点60〜80℃)5容量で希釈した。この溶剤を周囲温度で100mlに濃縮させた。上澄液をデカントし、残分をアセトンと共に砕いた。溶解しない個体を濾過により捕集し、所望の生成物が得られた。
iv) この粗製生成物を溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの19:1の混合物を用いるシリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いでエーテル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の1:10の混合物から再結晶させ、所望の生成物が得られた。
v) 溶離剤として工業メチル化スピリット及びジクロロメタンの1:99の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
vi) 溶離剤として工業メチル化スピリット及びジクロロメタンの1:19の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
vii) 溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの9:1の混合物を用いるシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィー。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル中に溶かし、塩化水素ガスをこの溶液に通した。生じた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥させ、酢酸エチルで砕き、真空中で70℃で乾燥させて、所望の生成物が生じた。
viii) シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー;溶離剤として、最初にジクロロメタン中のメタノールの5〜10%混合物を用い、次いで、第2の精製で石油エーテル(沸点60〜80℃)中の酢酸エチルの30〜40%の混合物を用いて行った。
ix) 粗製生成物を溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの19:1の混合物を用いてシリカ上でカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで、石油エーテル(沸点60〜80℃)と共に砕き、所望の生成物が生じた。
x) シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー;溶離剤として最初にジクロロメタン中のメタノールの1〜5%混合物を用い、次いで、第2の精製で石油エーテル(沸点60〜80℃)中の酢酸エチルの30〜50%の混合物を用い、次いで第3の精製で石油エーテル(沸点60〜80℃)中の酢酸エチルの25〜40%の混合物を用いて行った。
xi) 粗製生成物を溶離剤としてエタノール及びジクロロメタンの1:1の混合物を用いるシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
xii) 溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールの19:1の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。生じたゴム状物をエーテル(100ml)中に溶かし、溶剤を真空中で除去すると、所望の生成物が得られた。
xiii) 粗製生成物の半分を溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの9:1の混合物を用いてシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去し、残留物を石油エーテル(沸点60〜80℃)、次いでエーテルと共に砕き、所望の生成物が生じた。
xiv) カラムクロマトグラフィーの後に得られた油状物を、酢酸エチル中に溶かし、エーテルを添加し、生じた固体は所望の生成物であった。
xv) 溶離剤として酢酸エチル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の1:1の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
xvi) 溶離剤としてエーテル及びメタノールの95:5の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
xvii) シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー;溶離剤として、最初にジクロロメタン及びメタノールの95:5の混合物を用い、次いで第2の精製でジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの96:4の混合物を用いて行った。
xviii) 溶離剤としてメタノール及びジクロロメタン3:97の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
xix) 溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールの19:1の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。生じた半固体をエーテルと共に砕き、次いで溶剤を真空中で除去して、所望の生成物が生じた。
xx) 溶離剤としてジクロロメタン中の工業メチル化スピリットの2〜5%の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。生じた油状物をエーテル中に溶かし、溶剤を真空中で除去して、所望の生成物が生じた。
xxi) 溶離剤として酢酸エチル中のメタノールの7%の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー、次いで第2の精製で酢酸エチル中のメタノールの10%の混合物を用いた。
xxii) 溶離剤として酢酸エチル中のメタノールの10%の混合物を用いてシリカ上でフラッシュカラムクロマトグラフィー。
【0127】
【表10】

【0128】
【表11】

【0129】
【表12】

【0130】
【表13】

【0131】
【表14】

【0132】
例36
メタノール中のニコチノニトリル(11.35g)及びナトリウムメトキシド(1.1g)の溶液を、周囲温度で窒素下で18時間放置し、次いで酢酸(1.2ml)を添加し、溶剤を真空中で除去した。残留物をシクロヘキサンと一緒に砕き、溶解しない固体を濾過により除去し、溶剤を真空中で除去して、メチルピリジン−3−カルボキシイミデートがオレンジ色の油状物(10.6g)として生じた。
【0133】
メチルピリジン−3−カルボキシイミデート(10.6g)、アラニンエチルエステルモノヒドロクロリド(10g)、トリエチルアミン(8.4ml)及びテトラヒドロフラン(250ml)の撹拌混合物を、窒素下で5時間加熱還流させ、次いで周囲温度に冷却した。生じた固体を濾過により捕集し、テトラヒドロフランで洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル及び酢酸エチルの1:1の混合物と共に砕き、生じた固体を濾過により捕集し、エーテルで洗浄した。2つのグループの固体を合わせ、水(130ml)中に懸濁させ、この混合物を、周囲温度で1時間撹拌した。生じた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥し、4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オンが黄色の固体(4.9g)として生じた、融点238〜241℃。
【0134】
1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(1.65g)及び37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.39g)の混合物を周囲温度で窒素下で10分間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(75ml)中の4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン(1.5g)の懸濁液を1回で添加した。この混合物を撹拌し、52時間加熱還流させ、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル、酢酸エチル及びプロパン−2−オールの49:49:2の混合物と共に砕き、生じた固体を濾過により捕集し、酢酸エチルで洗浄し、周囲温度で真空中で乾燥させ、4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オンがオフホワイトの固体(1.55g)として得られた、融点159〜162℃。
【0135】
例37
メチルベンズイミデートモノヒドロクロリド(5g)、アラニンエチルエステルモノヒドロクロリド(4.77g)、トリエチルアミン(8.5ml)及びテトラヒドロフラン(130ml)の混合物を撹拌し、窒素下で5.5時間加熱還流させ、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテル及び酢酸エチルの1:1の混合物と共に砕き、生じた黄色の固体を濾過により捕集し、水(100ml)中に懸濁させた。この混合物を周囲温度で1時間撹拌させ、次いで生じた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥させて、4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オンが黄色の固体(2.56g)として生じた、融点165℃。
【0136】
1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(2.4g)及び37〜40%のホルムアルデヒド水溶液の混合物を周囲温度で窒素下で10分間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(100ml)中の4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン(2.58g)の懸濁液を1回で添加した。この撹拌混合物を48時間加熱還流し、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物をシクロヘキサン及びエーテルの2:1の混合物と共に砕き、溶解しない固体を濾過により除去し、次いで濾液を周囲温度で濃縮させた。生じた固体を濾過により濾過により捕集した。さらに濾液を濃縮して第2のグループの固体を得た。2つのグループの固体を合わせ、周囲温度で真空中で乾燥させ、4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン1.1ヒドレートが無色の固体(0.2g)として得られた、融点86〜89℃。
【0137】
例38
1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(4.96g;例2に記載された方法と同様に製造)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(1ml)及び工業メチル化スピリット(40ml)の混合物を、周囲温度で窒素下で30分間撹拌し、次いで工業メチル化スピリット(100ml)中の4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン(3.82g;例37に記載したと同様の方法で製造)の懸濁液を1回で添加した。この混合物を撹拌し、18時間加熱還流させ、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物を溶離剤として酢酸エチル及びエタノールの1:1混合物を用いるシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去して、油状物が得られた。この油状物を酢酸エチルと共に砕き、溶解しない固体を濾過により除去し、濾液をシクロヘキサンで希釈し、生じた固体を濾過により捕集し、周囲温度で真空中で乾燥させ、4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン1.1ヒドレートがオフホワイトの固体(0.6g)として生じた、融点80〜85℃。
【0138】
例39
4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン(3.7g;例36に記載されたと同様の方法で製造した)、臭化アリル(1.05ml)、微細粉末化した水酸化カリウム(0.79g)、18−クラウン−6(0.26g)及びテトラヒドロフラン(50ml)の混合物を周囲温度で窒素下で120時間撹拌し、氷水(30ml)に注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチル中へ抽出し、抽出物を乾燥(MgSO4)し、及び溶剤を真空中で除去した。残留物を溶離剤として酢酸エチル及びエタノールの9:1の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去し、1−アリル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オンがオフホワイトの固体(0.25g)として得られた、融点66〜69℃。
【0139】
例40〜43
Aがメチレン及びHETが式c)の基である式Iの次の化合物は、方法Cにより製造された:
【表15】

【0140】
方法C
【化12】

【0141】
37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(a ml)を工業メチル化スピリット(c ml)中の式IIの化合物(b g)の溶液に添加し、この混合物を窒素下で周囲温度でd時間撹拌した。工業メチル化スピリット(f ml)中の式IIIcの化合物(e g)の溶液又は懸濁液を添加し、この混合物を撹拌し、g時間加熱還流させた。この混合物を周囲温度に冷却させ、溶剤を真空中で除去し、粗製生成物が得られた。若干の場合に、生成物を次の1つ以上の工程により精製し、表Cに示した融点を有する式Icの化合物が得られた。置換基及び量は表Cに示されている。
【0142】
精製工程:
i) 溶離剤として酢酸エチル及びジクロロメタンの4:1の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー
ii) エーテルと共に砕く
iii) 溶離剤としてジクロロメタン及び工業メチル化スピリットの9:1の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー
iv) 石油エーテル(沸点40〜60℃)と共に砕く
v) 酢酸エチル中に溶解させ、溶液を濾過し、溶剤を真空中で除去
vi) エーテル中に溶解させ、溶液を濾過し、溶剤を真空中で除去
vii) プロパン−2−オールから再結晶
viii) すべての液体を合わせ、溶剤を真空中で除去
ix) 熱い石油エーテル(沸点80〜100℃)中へ抽出させ、冷却し、生成された固体を濾過により捕集
【表16】

【0143】
例44
無水テトラヒドロフラン(5ml)中の臭化アリル(0.7ml)の溶液を、無水テトラヒドロフラン(60ml)中の4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン(2.86g;例40に記載したと同様の方法で製造)、粉末化水酸化カルシウム(0.57g)及び18−クラウン−6(0.18g)の撹拌混合物に、窒素下で0℃で滴加した。この混合物を周囲温度で17時間撹拌し、次いで氷水(30ml)に注ぎ、生成物をエーテル中へ抽出した。この週出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して発泡体を生じ、この発泡体をエーテルと共に砕いた。この沈殿物を濾過により捕集すると、1−アリル−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オンが固体(0.53g)として得られた、融点102〜105℃。
【0144】
例45
1−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン(1g;例2に記載されたと同様の方法で製造)、4−アリル−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン(1g)、37〜40%のホルムアルデヒド水溶液(0.5ml)及びt−ブタノール(60ml)の混合物を周囲温度で30分間撹拌し、15分間加熱還流させ、次いで溶剤を真空中で除去した。残留物をシクロヘキサン及びエーテルの1:1混合物(40ml)で砕き、生じた固体を濾過により捕集し、真空中で周囲温度で乾燥させると4−アリル−2−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオンが白色固体(0.62g)として得られた、融点122〜127℃。
【0145】
例46
アリルイソシアネート(16.8g)を周囲温度でメタノール(500ml)中のニコチンヒドラジン(25g)の撹拌懸濁液に滴加し、次いでこの混合物を周囲温度で2.75時間撹拌し、真空中で250mlまで濃縮し、次いでエーテル(750ml)で希釈した。生じた固体を濾過により捕集し、真空中で乾燥させると、4−アリル−1−ニコチノイルセミカルバジドが無色の固体(37.1g)として生じた、融点165〜167℃。
【0146】
1M水酸化ナトリウム水溶液(175ml)を10分間にわたり水(100ml)中の4−アリル−1−ニコチノイルセミカルバジド(17.2g)の撹拌懸濁液に添加し、次いでこの撹拌混合物を17時間90〜95℃で加熱し、周囲温度に冷却し、5M塩酸の添加によりpH5にまで酸性化した。この混合物を真空中で濃縮し、生じた固体を濾過により捕集し、真空中で周囲温度で乾燥させ、4−アリル−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オンがオフホワイトの固体(14g)として生じた、融点120〜125℃。
【0147】
ジメチルホルムアミド(50ml)中の4−アリル−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン(5g)の溶液を、周囲温度で窒素下で水素化ナトリウム[0.92g;石油エーテル(沸点40〜60℃)で前洗浄した鉱油中の60%の分散液]及びジメチルホルムアミド(50ml)の撹拌混合物に滴加した。次いでこの混合物を周囲温度で1時間撹拌し、1−ブロモ−4−クロロブタン(2.65ml)を添加し、周囲温度で16時間撹拌し続けた。この溶剤を真空中で除去し、残留物を水(60ml)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×200ml)中へ抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去し、4−アリル−2−(4−クロロブチル)−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オンが黄色の油状物(6.93g)として得られた。
【0148】
4−アリル−2−(4−クロロブチル)−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン(3g)、炭酸カリウム(2.76g)、ヨウ化カリウム(10mg)及びトルエン(100ml)の混合物を90〜95℃で窒素下で85時間撹拌した。この時間の間にさらに3回1−(2−メトキシフェニル)ピペラジンモノヒドロクロリド(3×1.92g)を17時間の間隔で添加した。溶剤を真空中で除去し、残留物を水(100ml)で希釈し、生成物を酢酸エチル(3×50ml)中へ抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去すると油状物が生じ、この油状物を溶離剤としてエーテル及びメタノールの1:1混合物を用いるシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラクションを合わせ、溶剤を真空中で除去した。残留物をエーテルと共に砕き、溶解していない固体を濾過により除去し、溶剤を真空中で除去した。残留物を石油エーテル(沸点40〜60℃)と共に砕き、生じた固体を濾過により捕集し、周囲温度で真空中で乾燥させ、4−アリル−2−{4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オンがオフホワイトの固体(1g)として生じた、融点71〜75℃。
【0149】
例47〜63
Aがメチレンであり、HETが式d)の基である式Iの次の化合物は次の方法Daにより製造される:
【表17】

【0150】
方法Da
【化13】

【0151】
37%のホルムアルデヒド水溶液(a ml)及び式IIの化合物(b g)をt−ブタノール(d ml)中の式IIIdの化合物(c g)の懸濁液に添加し、この混合物を周囲温度でe時間撹拌し、次いでf時間加熱還流した。溶剤を真空中で除去して、粗製生成物を得た。若干の場合に、生成物を次の1つ以上の工程により精製し、表Daに示した融点を有する式Idの化合物が得られた。置換基及び量は表Daに示されている。
【0152】
精製工程:
i) 粗製生成物を冷却し、エーテルと共に砕いた。
ii) まずプロパン−2−オール及びエーテルの1:1の混合物から再結晶させ、次いでシクロヘキサンから再結晶
iii) 粗製生成物を冷却し、酢酸エチルと共に砕いた。
iv) プロパン−2−オールから再結晶させた。
v) 粗製生成物を冷却し、水及びプロパン−2−オールの1:1混合物と共に砕いた。
vi) エタノールから再結晶
vii) 酢酸エチルから再結晶
viii) 溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールの97:3の混合物を用いてシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
ix) シクロヘキサンから再結晶。
x) エーテル濾液を砕き、蒸発させて残留物を生じさせた。
xi) 粗製生成物を冷却し、エーテル及び石油エーテル(沸点40〜60℃)の1:1の混合物と共に砕いた。
xii) 粗製生成物を冷却し、エタノール及び水の2:1の混合物と共に砕いた。
xiii) 粗製生成物を石油エーテル(沸点40〜60℃)と共に砕いた。
【0153】
【表18】

【0154】
【表19】

【0155】
【表20】

【0156】
【表21】

【0157】
例64〜72
Aが−(CH2n−であり、HETが式d)の基である式Iの次の化合物は次の方法Dbにより製造した:
【表22】

【0158】
方法Db
【化14】

【0159】
式IIの化合物(a g)をジメチルホルムアルド(d ml)中の式IIIdの化合物(b g)、炭酸カリウム(c g)及び触媒量のヨウ化カリウムの混合物に窒素下で添加した。この混合物を撹拌し、約95℃でe時間加熱した。水(100ml)を添加し、生成物を酢酸エチル(2×100ml)中へ抽出させた。有機抽出物を水(2×100ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空中で濃縮して、油状物が生じた。この油状物次の1つ以上の工程により精製し、表Dbに示した融点を有する式Idの化合物が得られた。置換基及び量は表Dbに示されている。
【0160】
精製工程:
i) 溶離剤としてメタノール及び酢酸エチルの1:1の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー。
ii) 塩を石油エーテル(沸点40〜60℃)及びエタノールの混合物から再結晶させた。
iii) 溶離剤として酢酸エチルを用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより固形物が得られた。
iv) 固体をプロパン−2−オールから再結晶。
v) 溶離剤としてトルエン及びトリエチルアミンの9:1の混合物を用いるシリカ上でのカラムクロマトグラフィー。
vi) エーテルと共に砕いた。
vii) 砕きつぶしからのエーテル抽出物から溶剤を真空中で除去した。
viii) 溶離剤としてジクロロメタン及びメタノールの9:1の混合物を用いるシリカ上でのカラムクロマトグラフィー。
ix) 溶離剤として酢酸エチル及びメタノールの2:1の混合物を用いるシリカ上での減圧カラムクロマトグラフィー。
x) この塩を酢酸エチル及びプロパン−2−オールの5:1の混合物と一緒に砕いた。
【0161】
【表23】

【0162】
【表24】

【0163】
表Dbの注
1) 精製された油状物をエーテル中に溶解し、エーテル性のマレイン酸溶液の過剰量を添加し、マレイン酸塩の形で生じた。
2) 精製された油状物をエタノール(50ml)中に取り、この溶液を塩化水素ガスで飽和し、塩酸塩の形で生じた。
3) 水(200ml)及び酢酸エチル(3×100ml)を抽出において使用した。
4) 式IIの化合物はジメチルホルムアミド(80ml)中にあった。
5) 精製された油状物をプロパン−2−オール中に溶解し、プロパン−2−オール(100ml)中のフマル酸(2.63g)の温溶液に添加し、フマル酸塩の形で生じた。
6) アセトニトリル(120ml)を反応混合物中に含まれた。
7) 水を添加しかつ生成物を抽出する代わりに、混合物を濾過し、溶剤を真空中で除去して油状物を得た。
8) 精製された油状物を酢酸エチル中に溶解し、工業メチル化スピリット中のフマル酸(1.36g)で処理し、フマル酸塩の形で生じた。
【0164】
出発材料の製造
式IIの化合物
【化15】

【0165】
Arが1,4−ベンゾジオキサン−5−イルである式IIの化合物を、例2に記載したと同様の方法で製造した。
【0166】
Arが7−ベンゾ[b]フラン−1−イルである式IIの化合物は次の方法で製造した:
2−ブロモフェノール(34.8ml)、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(35.5ml)、炭酸カルシウム(124.4g)及びジメチルホルムアミド(500ml)の混合物を、95℃で窒素下で18時間撹拌し、次いで冷却し、冷水(500ml)上へ注いだ。この生成物をエーテル(2×300ml)中へ抽出し、合わせた抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)及びブライン(300ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空中で除去し、2−(2−ブロモフェノキシ)アセトアルデヒドジメチルアセタールが油状物(69.6g)として生じた。
【0167】
五酸化リン(19.3g)及びリン酸(64ml、85%)の混合物を、クロロベンゼン(450ml)中の2−(2−ブロモフェノキシ)アセトアルデヒドジメチルアセタール(69.6g)の撹拌溶液に、周囲温度で窒素下で注意深く添加した。次いで、この混合物を20時間加熱還流させ、冷却し、氷/水(500ml)に注ぎ込んだ。次いで、水相を分離し、ジクロロメタン(2×250ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物をブライン(400ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去した。残留物を溶離剤としてエーテル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の1:49の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、引き続き蒸留して、7−ブロモベンゾ[b]フラン(30.3g)が透明の油状物として生じた、0.93mbarで沸点66〜68℃。
【0168】
トリ−o−トリルホスフィン(1.42g)をトルエン(480ml)中のビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)の撹拌懸濁液に周囲温度で窒素下で添加した。ナトリウムt−ブトキシド(16.1g)を添加し、引き続きN−t−ブトキシカルボニルピペラジン(26.6g)を添加し、周囲温度で5時間撹拌し続けた。7−ブロモベンゾ[b]フラン(23.3g)を添加し、この撹拌混合物を20時間加熱還流させ、次いで周囲温度に冷却した。この有機溶液をパラジウム残留物からデカントし、次いでブライン(500ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空中で除去し、残留物を溶離剤としてエーテル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の1:9の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、t−ブチル4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(7.12g)が淡黄色固体として生じた、沸点98〜100℃。
【0169】
トリフルオロ酢酸(5ml)を、ジクロロメタン(5ml)中のt−ブチル4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1.66g)の冷却溶液に窒素下で20℃で滴加した。この溶液を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、冷却した水(50ml)に注ぎ込んだ。この混合物をアンモニア水溶液を添加することにより塩基性化し、次いでこの生成物をジクロロメタン(2×50ml)中へ抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して、1−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン(1.02g)が生じた。
【0170】
式IIの他の化合物は公知であるか及び/又は市販されている。
【0171】
式IIIaの化合物
【化16】

【0172】
IIIai
フェニルヒドラジン(75g)を、撹拌した酢酸(198ml)に<20℃で滴加した。添加が完了した後、ホルムアミド(27.9ml)を一回で添加し、この混合物を周囲温度で4時間撹拌した。水(225ml)を添加し、生じた固体を濾過により捕集し、水で十分に洗浄し、真空中で乾燥させて、N′−フェニルホルモヒドラジン(68.8g)がクリーム色の固体として生じた、融点138〜143℃。
【0173】
無水テトラヒドロフラン(750ml)中のN′−フェニルホルモヒドラジン(20.59g)の溶液を、無水テトラヒドロフラン(200ml)中の水素化アルミニウムリチウム(10g)の撹拌懸濁液に滴加し、この混合物を撹拌し、4時間加熱還流させた。この混合物を水(10ml)、引き続き5Mの水酸化ナトリウム水溶液(10ml)、次いで水(20ml)のゆっくりとした滴加によりクウェンチ(quench)し、次いでこれを濾過し、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して油状物が生じた。この油状物をエーテル中に溶かし、再乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して、1−メチル−2−フェニルヒドラジン(14.1g)が黄色の油状物として生じた。
【0174】
メタノール(30ml)中のナトリウムメトキシド(6.88g)の溶液を、メタノール(120ml)中のエチル3−アミノ−3−エトキシアクリレートヒドロクロリド(21.8g)の撹拌溶液に0〜5℃で窒素下で滴加した。次いで、メタノール(30ml)中の1−メチル−2−フェニルヒドラジン(13.63g)の溶液を0〜5℃で滴加し、この混合物を0〜5℃で2時間撹拌し、周囲温度で20時間撹拌し、還流温度で48時間撹拌した。次いで、この混合物を氷水(300ml)に注ぎ込み、この生成物をジクロロメタン中へ抽出した。この抽出物を乾燥(MgSO4)し、次いで溶剤を真空中で除去して油状物を生じ、この油状物をエーテル及びプロパン−2−オールの5:1の混合物と一緒に擦ると3−アミノ−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オンが固体(4.5g)として生じた、融点205〜215℃。
【0175】
IIIaii
炭酸カリウム(39.3g)を無水アセトニトリル(75ml)中の5−アミノ−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(10g)の氷冷した撹拌懸濁液に1回で添加し、この混合物を30分間撹拌した。プロピルヨージド(6.6ml)を滴加し、この混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで還流温度で1.5時間撹拌した。さらにプロピルヨージド(3ml)を添加し、この混合物を撹拌し、2時間加熱還流させ、次いで周囲温度に冷却した。生じた固体を濾過により捕集し、アセトニトリル(150ml)及び水(100ml)で洗浄し、真空中で65℃で乾燥して、3−アミノ−1−フェニル−2−プロピル−3−ピラゾリン−5−オンが白色固体(3.25g)として生じた、融点183〜185℃。
【0176】
IIIaiii
水素化ナトリウム(2.5g)を無水テトラヒドロフラン(100ml)中の5−アミノ−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(10g)の氷冷した撹拌懸濁液に窒素下で10分間にわたり数回で添加し、この混合物を1時間撹拌した。臭化アリル(6.4ml)を滴加し、冷却した混合物を1時間撹拌した。さらに臭化アリル(2.66g)を添加し、この混合物を周囲温度で72時間撹拌し、次いで還流温度で1時間撹拌した。臭化アリル(2.66g)を添加し、この混合物を還流温度で1.5時間撹拌した。水素化ナトリウム(1.2g)を添加し、この混合物を周囲温度で一晩中撹拌した。水(10ml)を添加し、この溶液を生じた固体からデカントにより除去した。溶剤を真空中で除去し、残留物を固体と合わせた。この粗製生成物をジクロロメタン(50ml)及び水(25ml)の混合物中に懸濁させ、1時間撹拌した。生じた固体を濾過により捕集し、真空中で65℃で乾燥させて、2−アリル−3−アミノ−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン(1.9g)がクリーム色の固体として生じた、融点184〜185℃。
【0177】
式IIIbの化合物
【化17】

【0178】
式SMi(a g)の化合物及び式SMii(b g)のエタノール(c ml)中の混合物を、d時間加熱還流させ、次いで冷却し、真空中で濃縮した。この残留物を溶離剤として酢酸エチル及び石油エーテル(沸点60〜80℃)の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、式IIIbの化合物が得られた。この詳細は表IIIbに示した。
【0179】
【表25】

【0180】
【表26】

【0181】
【表27】

【0182】
表IIIbの注
1) 生成物をエーテル及び石油エーテル(沸点40〜60℃)の混合物から再結晶させた。
2) 残留物を冷たいエーテルと共に砕いた。
3) 固体を酢酸エチルから再結晶させた。
4) 溶離剤はジクロロメタン及びメタノールの混合物であった。
5) トリエチルアミン(1当量)が反応混合物中に含まれた。
6) 溶離剤は酢酸エチル及びメタノールの混合物であった。
7) 残留物を精製せずに使用した。
8) 固体が冷却した反応混合物から生じた。これを濾過により捕集し、さらにクロマトグラフィーにより精製した。
9) ヒドラジンヒドロクロリド塩を反応中で使用した。
【0183】
SMi
【化18】

【0184】
式SMiのいくつかの化合物は市販されており、他のものは次のように製造した:
1,1−カルボニルジイミダゾール(a g)をテトラヒドロフラン(c ml)中の式SMiiiの化合物(b ml)に添加し、これを氷冷し、この混合物を周囲温度でd時間撹拌した(混合物1)。イソプロピルマグネシウムクロリド(e ml;テトラヒドロフラン中2M)をジクロロメタン(g ml)及びテトラヒドロフラン(h ml)の混合物中のシアノ酢酸(f g)の溶液に、1時間にわたり窒素下で<15℃で添加した。この混合物を2.5時間撹拌し、次いで混合物1を滴加し、この混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応を<15℃で3Mの塩酸(i ml)の添加によりクウェンチした。この混合物を4時間周囲温度で撹拌し、次いでこれを真空中で有機溶剤を除去するために濃縮し、生成物をエーテル中に抽出した。この抽出物を炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄し、次いで乾燥(MgSO4)した。有機相を濾過し、溶剤を真空中で除去して、式SMiの化合物が得られた。詳細は表SMiに記載されている。
【0185】
【表28】

【0186】
SMii
【化19】

【0187】
式SMiiのいくつかの化合物は市販されている。他の化合物は次の方法により製造した:
式R5−Cl(a g)の化合物をエタノール(b ml)中に懸濁させ、ヒドラジンヒドレート(c ml)を添加した。この混合物をd時間加熱還流させ、周囲温度に冷却し、次いでエーテルで希釈した。生じた固体を濾過により捕集し、エーテルで洗浄し、真空中で乾燥させて、式SMiiの化合物が塩酸塩として得られた。この詳細は表SMiiに記載されている。
【0188】
【表29】

【0189】
式IIIcの化合物
【化20】

【0190】
式IIIc(式中、XはOであり、R6はメチルであり、R7はHであり、Ar′はピリド−3−イルである)の化合物を例36に記載されたと同様の方法で製造した。
【0191】
式IIIc(式中、XはOであり、R6はメチルであり、R7はHであり、Ar′はフェニルである)の化合物を例37に記載されたと同様の方法で製造した。
【0192】
化合物IIId
【化21】

【0193】
式IIId(式中、XはSであり、R8はピリド−3−イルであり及びR9はアリルである、R8はピリド−4−イルであり及びR9はメチル、プロピル、アリル又は3−メトキシプロピルである、R8は4−クロロフェニルであり及びR9はアリル又はピリド−3−イルである、R8はトリフルオロメチルであり及びR9はメチルである、及びR8はHであり及びR9はメチルである)の化合物は公知である及び/又は市販されている。
【0194】
式IIId(式中XはOである)の化合物は次の方法で製造された。
【0195】
式R9NHCONHNHCOR8のセミカルバジド(a g)を水(b ml)中に懸濁させ、1M水酸化ナトリウム水溶液(c ml)を添加し、この混合物を17時間95℃で撹拌し、次いで冷却した。この混合物を5Mの塩酸の添加によりpH5にまで酸性化させ、次いで真空中で濃縮した。生じた沈殿物は式IIIdの化合物であった。この詳細は表IIId中で示した。
【0196】
【表30】

【0197】
式IIId(式中、XがSである)の他の化合物は方法IIIdiにより製造することができる。
【0198】
IIIdi
4−アリル−3−チオセミカルバジド(a g)、式R8CO2Etの化合物(b g)及びナトリウムメトキシドの溶液(メタノール(50ml)中に溶解したナトリウム(0.58g)から製造)の混合物を撹拌し、22時間加熱還流させた。この溶剤を真空中で除去してゴム状物が得られた。水(70ml)を添加し、生じた固体を濾過により捕集し、水で洗浄し、真空中で乾燥させると固体が得られた。さらに固体は濾液及び洗浄液を氷酢酸(1.5ml)でpH6まで酸性化することにより得られた。この固体は式IIIdの化合物であった。この詳細は表IIIdiに示した。
【0199】
【表31】

【0200】
表IIIdiの注
1) ナトリウム(1.38g)、メタノール(120ml)及び水(160ml)を使用した。
2) 固体は工業メチル化スピリットから再結晶させた。
3) 混合物を39時間加熱還流した。
4) 酸性化した濾液及び洗浄液を1/3の容量にまで濃縮し、冷却して油状物が得られた。この油状物を酢酸エチル(3×40ml)中へ抽出し、この抽出物を乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して油状物が得られた。これを石油エーテル(沸点60〜80℃)及び酢酸エチルの1:1の混合物を用いるシリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して油状物が得られ、この油状物は放置すると固化した。
5) ナトリウム(0.87g)、メタノール(75ml)及び水(200ml)を使用した。
6) 粗製生成物をエタノール(50ml)中のナトリウム(0.6g)から製造したナトリウムエトキシドの溶液中に懸濁させ、この混合物を16時間加熱還流させた。さらにエタノール(50ml)中のナトリウム(0.6g)から製造したナトリウムエトキシドを添加し、72時間加熱還流し続けた。この溶剤を真空中で除去し、残留物を氷水(200ml)で希釈し、この混合物を酢酸の添加によりpH6に酸性化した。生成物を濾過により捕集し、真空中で40℃で48時間乾燥させた。
【0201】
式IIIdbの化合物
【化22】

【0202】
式IIIdb(XはOである)の化合物は式IIId(XがOである)の化合物から次の方法により製造される:
式IIId(a g)の化合物のジメチルホルムアミド(b ml)中の溶液を周囲温度で窒素下で、ジメチルホルムアミド(d ml)中の水素化ナトリウム(c g;60%の油分散液)の撹拌懸濁液に滴加し、次いでこの混合物を周囲温度で1時間撹拌した。式Br(CH2nClの化合物(e ml)を滴加し、生じた混合物を周囲温度で16時間撹拌した。水(fml)を添加し、生成物を酢酸エチル(3×100ml)中へ抽出した。この抽出物を水(2×150ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、溶剤を真空中で除去して、式IIIdbの化合物が得られた。この詳細は表IIIdbに示した。
【0203】
【表32】

【0204】
例79
調剤学的組成物の製造のための本発明の化合物の使用を次の記載により表した。この記載において「活性化合物」という用語は本発明の全ての化合物を示すが、特に上記の実施例の一つの最終生成物の全ての化合物を示す。
【0205】
a) カプセル剤
カプセル剤の製造において、活性化合物10重量部及びラクトース240重量部を解凝集させ、ブレンドした。この混合物を硬質ゼラチンカプセル中へ充填し、それぞれのカプセルは活性化合物の単位服用又は量単位服用量の一部を含有する。
【0206】
b) 錠剤
錠剤を次の成分から製造した。
【0207】
重量部
活性化合物 10
ラクトース 190
トウモロコシデンプン 22
ポリビニルピロリドン 10
ステアリン酸マグネシウム 3
この活性化合物、ラクトース及び若干のデンプンを解凝集し、ブレンドし、得られた混合物をエタノール中のポリビニルピロリドンの溶液を用いて顆粒にした。この乾燥顆粒をステアリン酸マグネシウム及び残りのデンプンとブレンドした。次にこの混合物を錠剤製造装置中で圧縮して、活性化合物の単位服用量又は単位服用量の一部を含有するそれぞれの錠剤が得られた。
【0208】
c) 腸溶被覆錠剤
錠剤を前記の(b)に記載した方法により製造した。この錠剤を通常の方法で、20%セルロースアセテートフタレート及び3%ジエチルフタレートのエタノール:ジクロロメタン(1:1)中の溶液を用いて腸溶被覆した。
【0209】
d) 坐剤
坐剤の製造において、活性化合物100重量部をトリグリセリド坐剤ベース1300重量部に導入し、この混合物を坐剤の形に成形し、このそれぞれの坐剤は治療学的有効量の活性成分を含有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

で示される化合物又はその調剤学的に認容性の塩
前記式中、
Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合により、a)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていていることができ;
Aは、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていることができる1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し;
HETは式a)〜d)の基を表し、
【化2】

[式中、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、または場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;
2及びR3は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は、場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;
4及びR5は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)それぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;ただし、R4又はR5の一方がアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基である場合、R4又はR5の他方はアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基ではないものとし;
6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素元素を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基、O、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基、又はフェノキシアルキル基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)それぞれ場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていることができ;
8及びR9は無関係にH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5員又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;
その際、HETが式d)の基であり、XがS、Arがフェニル、Aがメチレン、及びR8がピリド−3−イルである場合、R9はアリルではないものとし;
Ar′はフェニル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、フェニル基又はヘテロアリール基は、場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から置換される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及び
XはO又はSを表す。
【請求項2】
HETは式a)、b)又はc)の基を表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Aは場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し、;R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;R2及びR3は場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;R4及びR5は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;ただし、R4又はR5の一方がアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表す場合、R4又はR5の他方はアルキル基又は場合により1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基ではないもととし;R6はH又は場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基を表し;R7はH、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基、O、N並びにSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基を表し、その際、フェニル基、ベンジル基、ヘテロアリール基又はフェノキシアルキル基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;Ar′はフェニル又はO、N並びにSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びXはO又はSを表す、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
HETは式a)の基を表し、その際、R1はヒドロキシ、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、又は場合により1〜3個の炭素原子をそれぞれ含有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基を表し;R2及びR3は無関係に、場合により1個以上のハロにより置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換された2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又はO、N並びにSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びArはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAは場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表す、請求項1又は2記載の式Iの化合物。
【請求項4】
HETは式a)の基を表し、その際、R1はアミノ基を表し;R2は場合によりa)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又はc)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもいフェニル基を表し;及びR3は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアリル基を表し;及びArはナフチル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル又は場合により有利に2位で1〜3個の炭素原子を有するアルキル基又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基により置換されたフェニル基を表し;及びAはメチレンを表す、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項5】
HETは式d)の基を表し;R8及びR9は無関係にH、場合により1個以上のハロにより置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換されている2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、場合により1個以上のハロにより置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルコキシアルキル基、又はフェニル基、ベンジル基又は、O、N及びSから選択される1から3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール基を表し、その際、前記のフェニル基、ベンジル基又はヘテロアリール基は、場合により、a)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;XはO又はSを表し;Arはフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ナフチル、1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル、ベンゾ[b]フラン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−7−イル又はクロマン−8−イルを表し、これらのそれぞれは、場合により、a)ハロ、b)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、c)場合により1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、d)場合によりそれぞれ1個以上のハロにより置換された1〜3個の炭素原子を有するアルキルチオ基、アルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基、e)ヒドロキシ、f)1〜3個の炭素原子を有するアシルオキシ基、g)1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、h)シアノ、i)1〜6個の炭素原子を有するアルカノイル基、j)2〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、k)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたカルバモイル基又はカルバモイルメチル基、l)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基によりそれぞれN−置換されたスルファモイル基又はスルファモイルメチル基、又はm)場合によりそれぞれ1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されたアミノ基から選択される1個以上の置換基により置換されていてもよく;及びAはそれぞれが場合により1〜3個の炭素原子を有する1個又は2個のアルキル基により置換されていてもよい1〜6個の炭素原子を有するアルキレン鎖を表し、;ただし、HETが式d)の基であり、XはSであり、Arはフェニルであり、Aはメチレンであり及びR8はピリド−3−イルである場合、R9はアリルではないものとする、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項6】
適当な個々のエナンチオマー、ラセミ体又はエナンチオマーの他の混合物の形の次の化合物:
3−アミノ−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−2−メチル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−2−メチル−4−[4−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−2−プロピル−3−ピラゾリン−5−オン;
2−アリル−3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
3−アミノ−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
3,5−ジアミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,3−ジフェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−メチル−3−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−1−フェニル−4−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イルメチル}ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(2−ピリジル)ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(4−メトキシフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−(4−クロロフェニル)−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロペンチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−t−ブチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロプロピル−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−t−ブチル−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)−ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−ベンジル−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(7−ベンゾ[b]フラニル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−3−シクロブチル−4−[4−(2−イソプロポキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロブチル−1−フェニルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロブチル−1−メチルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロペンチル−1−メチルピラゾール;
4−{5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピルピラゾール−1−イル}ベンゾニトリル;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1−(2−クロロフェニル)−3−シクロプロピルピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(4−ピリジル)ピラゾール;
5−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−3−シクロプロピル−1−(2−ピリミジニル)ピラゾール;
4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
1−アリル−4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−メチル−2−フェニル−4−{4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペラジン−1−イルメチル}−2−イミダゾリン−5−オン;
4−[4−(3−クロロフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−フェニル−2−イミダゾリン−5−オン;
4−メチル−4−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−フェニル−イミダゾリン−5−オン;
1−アリル−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−2−(3−ピリジル)−2−イミダゾリン−5−オン;
4−アリル−2−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3−(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−{4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
5−(4−クロロフェニル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−(3−メトキシプロピル)−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−プロピル−5−(4−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−4−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(2−フリル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(3−ピリジル)−2−[4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−メチル−1,2,4−−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(2−チエニル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−5−(4−クロロフェニル)−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−チオン;
4−アリル−2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イルメチル]−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2{4−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{4−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]ブチル}−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(2−チエニル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−メチル−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2−{2−[4−(2−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル]エチル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
4−アリル−2{3−[4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]プロピル}−5−(3−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール−3(2H,4H)−オン;
及びその調剤学的に認容性の塩から選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項7】
適当な個々のエナンチオマー、ラセミ体又はエナンチオマーの他の混合物の形の
3−アミノ−4−[4−(1,4−ベンゾジオキサン−5−イル)ピペラジン−1−イルメチル]−2−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリン−5−オン
及びこの調剤学的に認容性の塩である、請求項6記載の式Iの化合物。
【請求項8】
治療学的有効量の請求項1記載の式Iの化合物又はその塩を、調剤学的に認容性の希釈剤又は担持剤と一緒に含有する組成物。
【請求項9】
ほ乳類、特にヒトにおける鬱病、不安症、精神病、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害、ストレス又は前立腺肥大症の治療に使用するための、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項10】
分裂症の治療に使用するための、請求項9記載の式Iの化合物。
【請求項11】
ほ乳類、特にヒトにおける鬱病、不安症、精神病、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害又は前立腺肥大症の治療用の医薬品の製造のための請求項1記載の式Iの化合物の使用。
【請求項12】
ほ乳類、特にヒトに請求項1記載の式Iの化合物の治療学的作用量を投与することよりなる、鬱病、不安症、精神病、遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、高血圧症、トゥーレット症候群、強迫行動、パニック発作、社会的恐怖症、心臓血管及び脳血管障害、ストレス又は前立腺肥大症の治療方法。
【請求項13】
分裂症の治療のための請求項12記載の方法。
【請求項14】
式II
【化3】

の化合物を、式III
H−HET III
の化合物と、ホルムアルデヒドの存在で適当な溶剤中で0〜200℃の範囲内の温度で反応させることよりなる請求項1記載の式Iの化合物の製造方法。

【公開番号】特開2008−150387(P2008−150387A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24324(P2008−24324)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【分割の表示】特願平9−504630の分割
【原出願日】平成8年7月2日(1996.7.2)
【出願人】(502159343)アボット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (24)
【氏名又は名称原語表記】Abbott GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Max−Planck−Ring 2, D−65205 Wiesbaden, Germany
【Fターム(参考)】