説明

活性ガス生成装置およびリモートプラズマ型成膜処理装置

【課題】被処理材に対するダメージを完全になくすことができ、活性ガスを効率的に取り出すことができる、簡易な構成である活性ガス生成装置を提供する。
【解決手段】活性ガス生成装置700は、少なくとも1以上の電極セル1,2と、電極セル1,2に交流電圧を印加する電源部と、電極セルを囲繞する筐体16,161と、外部から筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部20とを、備えている。そして、電極セル1,2は、第一の電極1と、誘電体を有する第二の電極2とを備えている。さらに、第一の電極1は、誘電体および空間ギャップ(放電空間)100を隔てて、第二の電極2と対面しており、電極セル1,2の平面視における中心領域には、ガス取り出し部1dが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原料ガスから活性ガス(放電ガス)を生成することができる活性ガス生成装置、および、活性ガスの生成と当該活性ガスを用いた成膜処理とを別装置で実行することができるリモートプラズマ型成膜処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造には、プラズマ装置が多々使用されている。例えばCVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)装置においては、熱CVD装置よりもプラズマCVD装置の方が、成膜温度を低くできるなどの利点がある。また、プラズマを利用した成膜処理としては、CVDに留まらず、プラズマ窒化、プラズマ酸化、ALD(Atomic Layer Deposition)などがある。
【0003】
たとえば、ゲート絶縁膜などを構成する窒化膜(SiON、HfSiONなど)を半導体基板に成膜する場合には、以下の技術が一般的に採用されている。つまり、NH3(アンモニア)やN2などのガスをプラズマを利用して、ラジカル窒素(活性窒素ガス)を生成する。そして、当該ラジカル窒素が生成された装置内において、半導体基板を当該ラジカル窒素に晒す。
【0004】
しかしながら、上記技術を採用した場合には、半導体基板がプラズマに直接晒されるため、当該半導体基板にダメージを与えるという問題が生じる。
【0005】
そこで、当該プラズマによる半導体基板(被処理材)へのダメージを軽減することができる先行技術として、リモートプラズマ型成膜処理装置が存在する(たとえば、特許文献1,2)。
【0006】
特許文献1では、プラズマ生成領域と被処理材処理領域とが、隔壁(プラズマ閉込電極により分離されている。具体的に、特許文献1では、高周波印加電極と基板の設置された対向電極との間に当該プラズマ閉込電極を設けることで、中性活性種だけを基板上に取り出す構造となっている。
【0007】
また、特許文献2では、リモートプラズマ源において原料ガスをプラズマにより活性化させている。ここで、ガスの流路は、当該リモートプラズマ源内において周回されている。リモートプラズマ源において生成された活性ガスは放出され、供給路を介して、被処理材の反応室へと供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−135628号公報
【特許文献2】特開2004−111739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の場合には、被処理材に対するプラズマダメージの抑制は完全ではなく、また装置構成が複雑になる。これに対して、特許文献2の場合には、リモートプラズマ源内において発生した活性ガスは、当該リモートプラズマ源内を周回し、供給路を介して、被処理材の反応室に到達する。つまり、当該活性ガスが被処理材に到達するまでには、長距離を要する。したがって、活性ガスの寿命が短いために、効率的に活性ガスを反応室に供給することができない。
【0010】
なお、特開2003−160309号公報に記載されているオゾン発生器を、リモートプラズマ型成膜処理装置におけるプラズマ生成領域として活用できる。しかし、当該特許文献に係る技術の場合にも、ガスの経路は、電極全体内部を横方向にマニホールドブロックまで延設され、装置下部のガス出口から送出されている。したがって、活性ガス(オゾン)の伝達経路は長距離を要するので、上記同様に、効率的に活性ガスを反応室に供給することができない。
【0011】
そこで、本発明は、被処理材に対するダメージを完全になくすことができ、活性ガスを効率的に取り出すことができる、簡易な構成である活性ガス生成装置を提供することを目的とする。さらに、当該活性ガス生成装置と成膜処理装置とから構成されるリモートプラズマ型成膜処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の活性ガス生成装置は、少なくとも1以上の電極セルと、前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、前記電極セルを囲繞する筐体と、前記筐体に形成され、外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、備えており、前記電極セルは、第一の電極と、誘電体を有する第二の電極とを、備えており、前記第一の電極は、前記誘電体および空間ギャップを隔てて、前記第二の電極と対面しており、前記電極セルの平面視における中心領域には、ガス取り出し部が形成されている。
【0013】
また、請求項24に記載のリモートプラズマ型成膜処理装置は、原料ガスをプラズマにより励起して活性ガスを生成する、請求項1乃至23の何れかに記載の活性ガス生成装置と、前記活性ガス生成装置の下方において当該活性ガス生成装置と装着可能であり、前記ガス取り出し部から送出されるガスを用いて、内部に配置された被処理体に所定の膜を成膜する処理装置とを、備えている。
【発明の効果】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の活性ガス生成装置は、第一の電極は、誘電体および空間ギャップを隔てて、第二の電極と対面している。そして、電極セルの平面視における中心領域には、ガス取り出し部が形成されている。
【0015】
したがって、原料ガスから生成される活性ガスは電極セルの端まで横断して伝播されず、電極セルの中心領域まで伝播されるのみである。つまり、電極セルで生成した活性ガスは、非常に短い距離で活性ガス取り出し部から取り出すことできる。よって、電極セルの放電領域を十分に活用しつつ、生成された活性ガスの余計な減衰を極力抑えることできる。
【0016】
また、当該活性ガス生成装置では、電極セルにおいて誘電体バリア放電による高周波プラズマを利用して、原料ガスから活性ガスを生成している。したがって、大気圧放電が可能となり、活性ガス生成装置における筐体内を真空状態にする必要もない。これにより、簡易な構成である活性ガス生成装置を提供することができる。
【0017】
また、請求項24に記載のリモートプラズマ型成膜処理装置は、活性ガス生成装置と処理装置とは、別装置である。つまり、プラズマ生成領域と反応処理領域とは分離されている。
【0018】
したがって、プラズマ生成領域において電離して生成したイオンが、当該処理領域に配置された被処理材に衝突することを防止できる。これにより、被処理材に対するプラズマによるダメージを完全になくすことができる。また、処理装置のコンパクト化が実現でき、かつ安価なリモートプラズマ型成膜処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係る活性ガス生成装置の構成を示す断面図である。
【図2】電極セルの構成を示す分解斜視図である。
【図3】第一の電極の構成を示す斜視図である。
【図4】誘電体バリア放電の原理を説明するための図である。
【図5】誘電体バリア放電の原理を説明するための図である。
【図6】実施の形態3に係る活性ガス生成装置の構成を示す断面図である。
【図7】実施の形態4に係る活性ガス生成装置の構成を示す断面図である。
【図8】実施の形態5に係る活性ガス生成装置の構成を示す断面図である。
【図9】実施の形態6に係る活性ガス生成装置の構成を示す断面図である。
【図10】放射プレートの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0021】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る活性ガス生成装置700の断面構成を模式的に表した図である。また、図2は、図1の点線で囲われた領域Pの構成を示す分解斜視図である。さらに、図3は、図1,2で示した第一の電極1の構成を示す斜視図である。これら図1〜3を用いて、本実施の形態に係る活性ガス生成装置700の構成を説明する。
【0022】
ここで、本明細書内においては、第一の電極1と誘電体を有する第二の電極2とが空間ギャップ(放電空間)を介して対面している構成を、電極セル1,2と称する。また、図1の上下方向における高圧冷却板5から第一の電極1までの構成(5,4,3,2,1)を、放電ユニット5〜1と称する。さらに、図1の上下方向における高圧冷却板5から他の高圧冷却板5までの構成(5,4,3,2,1,2,3,4,5)を、放電ユニット対5〜5と称する。
【0023】
まず、図1を用いて、活性ガス生成装置700全体の構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、活性ガス生成装置700を構成する筐体16,161は、装置基台16とチャンバー161とにより構成されている。装置基台16は、チャンバー161によって覆われて外部と遮断されている。換言すれば、筐体16,161内は気密状態となっている。
【0025】
図1に例示する構成では、筐体16,161内において、放電ユニット対5〜5が3対分積層して設置されている。そして、当該積層構造の放電ユニット対5〜5は、装置基台16上に設置されている。つまり、本発明に係る活性ガス生成装置700では、当該筐体16,161に囲繞されるように、少なくとも1以上の電極セル1,2が当該筐体16,161内に配設されている。ここで、図1に例示した構成では、6つの電極セル1,2が、図1の上下方向に積層した状態で、筐体16,161内に配設されている。
【0026】
また、冷却材(たとえば冷却水)は、装置基台16に設けられた冷却材出入部19から取り入れられ、連結ブロック9を介して、各第一の電極1の内部および各高圧冷却板5の内部へと導かれ、その後再び冷却材出入部19から放出される。
【0027】
第一の電極1と連結ブロック9との間には、オーリング11が設けられている(図1,2参照)。また、高圧冷却板5と連結ブロック9と間にも、オーリング11が設けられている(図1参照)。高圧冷却板5−連結ブロック9−第一の電極1−連結ブロック9−高圧冷却板5の順番に、オーリング11を介して図1の上下方向に積み重ねている。そして、当該積み重ねたものを一体的に、冷却材分配セル締め付けボルト13を用いて、装置基台16に対して押さえ込むように固定する。
【0028】
これにより、冷却材出入部19から流れ込んだ冷却材は、連結ブロック9、高圧冷却板5および第一の電極1内における気密状態の冷却材流路のみを循環し、筐体16,161内の当該冷却材流路以外の領域には漏れ出さない。
【0029】
また、原料ガスは、装置基台16に設けられた原料ガス供給部20より、外部から筐体16,161内に供給される。当該原料ガス供給部20から原料ガスとして、たとえば、窒素ガスまたは窒素化合物ガス(NH3やNO2など)が供給される。または、当該原料ガス供給部20から原料ガスとして、たとえば、酸素ガスまたは酸素化合物ガス(オゾン、水蒸気やNO2など)が供給される。
【0030】
筐体16,161内に供給され、当該筐体16,161内に充満した原料ガスは、円形形状を有する各電極セル1,2の外周方向から、各電極セル1,2において形成された各空間ギャップ(放電空間)100内に侵入する。ここで当該空間ギャップ(放電空間)100(つまり、第一の電極1−第二の電極2間の距離)は、0.05mm以上、2.0mm以下である。
【0031】
ところで、電極セル1,2に電圧を印加すると、図4に示すように、放電空間100内に放電柱Haが発生する。したがって、交流電源部17によって、各電極セル1,2に交流高電圧(例えばVop=3kV、10kHz)を印加する。すると結果として、図5に示すように、各電極セル1,2における各放電空間100内に、誘電体バリア放電(無声放電)が均一に形成される。図5に示すように、当該誘電体バリア放電(プラズマ密度109〜1011個/cm3)により、各放電空間100内に侵入した原料ガスは励起され、活性ガス(ラジカルガス)が生成される。生成される活性ガス密度は、1014〜1018個/cm3程度である。ここで、図4,5は、電極セル1,2の一部分を図示したものである。
【0032】
各電極セル1,2において生成された活性ガスは、平面視形状が円形である各電極セル1,2の中心領域から放出され、各電極セル1,2の中心に存するガス通路管21において合流する(図1参照)。ガス通路管21の構成は、下記の通りである。
【0033】
絶縁板4とリング7との間には、オーリング10が設けられている(図1参照)。また、第二の電極2とリング7と間にも、オーリング10が設けられている(図1,2参照)。各電極セル1,2同士(または放電ユニット対同視)を、図1の上下方向に積層されることにより、ガス通路管21が形成される(図1参照)。
【0034】
つまり、各放電ユニット対5〜5の中心部では、図1の上下方向において、高圧冷却板5−絶縁板4−リング7−第二の電極2−スペーサ6−第一の電極1−スペーサ6−第二の電極2−リング7−絶縁板4−高圧冷却板5の順番に積み重ねられている。
【0035】
そして、当該積み重ねたものを一体的に、オーリング10を介して、電極セル締め付けボルト12を用いて、装置基台16に対して押さえ込むように固定する。なお、当該積層体の上部と電極セル締め付けボルト12との間には、締め付け板8が介在している。当該締め付けにより、ガス通路管21の内部が気密状態となり、筐体16,161内におけるガス通路管21以外の空間と離隔される。
【0036】
上記記載から分かるように、ガス通路管21は、各放電ユニット対5〜5(換言すれば、電極セル1,2)の中心において、上記の積層方向に延設している。また、ガス通路管21の側面部は、高圧冷却板5−絶縁板4−リング7−第二の電極2−スペーサ6−第一の電極1−スペーサ6−第二の電極2−リング7−絶縁板4−高圧冷却板5で構成される。
【0037】
ガス通路管21において合流した活性ガスは、当該ガス通路管21の端部である装置基台16に設けられたガス吹き出し板14から、筐体16,161の外部へと放出される。ガス吹き出し板14の直下には、図示しない処理装置内に配置された被処理材18が存在する。当該被処理材18に対して活性ガスを当てることにより、当該被処理材18に対して所定の表面処理(成膜処理)が行える。
【0038】
なお、当該図示しない処理装置は、活性ガス生成装置700の下方において当該活性ガス生成装置700と装着可能である。また、上記の通り、当該処理装置は、ガス取り出し部1b,1d(または、ガス通路管21)から送出される活性ガスを用いて、内部に配置された被処理材18に所定の膜を成膜することができる装置である。つまり、活性ガス生成装置700と当該処理装置とにより、リモートプラズマ型成膜処理装置が構成されている。
【0039】
各高圧電極3は、絶縁板4を介して高圧冷却板5に接続される。当該絶縁板4により、筐体16,161と高圧電極3とは電気的に絶縁される。また、上述のように、第一の電極1と同様に高圧冷却板5内において冷却材を循環させさせることで、絶縁板4を介して間接的に高圧電極3が冷却される。
【0040】
次に、図2を用いて、電極セル1,2等の詳細な構成について説明する。
【0041】
各電極セル1,2は、第一の電極1と、誘電体2aを有する第二の電極2とから構成されている。具体的には、図2の構成では、一つの第一の電極1と二つの第二の電極2とから、二つの各電極セル1,2が構成されている。
【0042】
第一の電極1は、誘電体2aおよび放電空間100を隔てて、第二の電極2と対面している。さらに、電極セル1,2の平面視における中心領域には、ガス取り出し部1b,1dが形成されている。具体的な電極セル1,2の構成、下記の通りである。
【0043】
図2に示すように、第一の電極1と第二の電極2とが対面する範囲(つまり、放電が発生する放電領域)における、第一の電極1および第二の電極2の平面視形状は、円形である。
【0044】
第一の電極1の両面上には、所定のパターンのスペーサ6が形成される。ここで、図2には、図面の都合により、第一の電極1の一方の主面に形成されたスペーサ6のみが図示されており、第一の電極1の他方の主面に形成されているスペーサ6は図示が省略されている。
【0045】
具体的に、第一の電極1の両面上には各々、放射線状の複数のスペーサ6と、ガス通路管21を囲繞するスペーサ6とが形成されている。当該スペーサ6は、所定のパターンのマスクを用いた、第一の電極1の両主面に対する溶射によって作成しても良い。または、単に所定のパターンの金属を、第一の電極1の両主面に固着させることにより形成しても良い。
【0046】
また、平面視形状が円形である第一の電極板1の当該円形の中心領域には、ガス取り出し部1b,1dが形成されている。各電極セル1,2が備える各ガス取り出し部1b,1dは、前記円形の中心において上下方向に延設されたガス通路管21に、各々連通している。
【0047】
また、第一の電極1には、当該第一の電極1内を循環する冷却材の出入り口となる部分1mが、当該第一の電極1と一体的に設けられている。図2に示すように、部分1mは、円形形状の第一の電極1から延設しており、連接ブロック9と接合される。
【0048】
なお、当該第一の電極1は、たとえば、ステンレス材、アルミニウム、またはアルミニウム合金から構成されている。
【0049】
第二の電極2は、誘電体2aと金属薄膜2dとから構成されている。誘電体2は、たとえば酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムから構成されており(リング7も同様)、当該誘電体2の厚さは0.3〜1.0mm程度である。誘電体2aの高圧電極3と接続する側の主面に、金などの金属薄膜2dが形成されている。当該金属薄膜2dにより、第二の電極2と高圧電極3との接触部分におけるギャップの発生を防止し、第二の電極2と高圧電極3との接触面積が増大させることができる。
【0050】
各電極セル1,2において、第一の電極1が上下方向から、スペーサ6を介して、各第二の電極2により挟持される。つまり、第一の電極1の第一の主面は、一方の第二電極2が有する誘電体2aおよび放電空間100を隔てて、当該一方の第二の電極2と対面している。また、当該第一の電極1の第二の主面は、他方の第二電極2が有する誘電体2aおよび放電空間100を隔てて、当該他方の第二の電極2と対面している。
【0051】
つまり、放電空間100は、第一の電極1と第二の電極2(より具体的には誘電体2a)とが、スペーサ6によって離隔されることにより形成される。したがって、当該スペーサ6の厚みが、放電空間100の上下方向の寸法となる。上記のように、放電空間100のギャップ幅は、0.05〜2.0mmであることが望ましいので、スペーサ6の厚みは、0.05〜2.0mmであることが好ましいことが分かる。
【0052】
各電極セル1,2において、誘電体2aを有する第二の電極2は、各高圧電極3に接している。そして、各高圧電極3は、電気供給端子15を介して、交流電源部17の一方の端子に接続される(図1,2参照)。また、図1に示すように、交流電源部17の他方の端子は、当該装置基台16および冷却材連結ブロック9を介して、第一の電極1に電気的に接続される。
【0053】
当該交流電源部17との接続状態において、交流電源部17によって、交流高電圧(例えばVop=3kV、10kHz)を電極セル1,2に印加する。すると、図5を用いて説明したように、各放電空間100(放電ギャップ)に誘電体バリア放電(無声放電)が均一に形成される。上述したように、原料ガスは、平面視形状が円形である各電極セル1,2の外周方向から、当該誘電体バリア放電場となる各放電空間100内に侵入する。すると、高周波プラズマにより原料ガスが励起され、活性ガス(ラジカルガス)が生成される。
【0054】
当該生成された活性ガスは、円形状の電極セル1,2の外側から内側(当該円形の中心)に向かって伝播される。つまり、円形状の電極セル1,2において、逆放射状にガス(原料ガスおよび生成された活性ガス)は伝播する。そして、伝播された活性ガスは、ガス取り出し部1b,1dを介して、ガス通路管21に送り出される。なお、ガス通路管21はスペーサ6により囲繞されているので、活性ガスは、常にガス取り出し部1b,1dを介して、ガス通路管21に送出されることになる。ここで、当該ガス通路管21内には、生成された活性ガスのみならず、高周波プラズマにより励起しなかった原料ガスも送出される。
【0055】
次に、図3を用いて、第一の電極1の構成を具体的に説明する。
【0056】
第一の電極1および当該第一の電極1と一体的に設けられた部分1mは、二つの電極板1aを重ね合わせることにより構成される。各電極板1aの厚さは、約1mm程度の薄板である。各電極板1aにおいて、第二の電極2と対面する側の主面には、上記スペーサ6が形成されている。
【0057】
スペーサ6が形成されない側の各電極板1aの面は、ハーフエッチング等で所定のパターンの掘り込みが形成されている。当該掘り込みの深さは、0.5mm程度である。さらに、フルエッチング等により、各電極板1aの上記中央領域付近に、複数の貫通孔を設ける。上記所定のパターン同士が対面するように、二つの電極板1aを重ね合わせ、重ね合わせ面をロー付けもしくは拡散接合する。これにより、一つの第一の電極1が形成される。
【0058】
ここで、当該第一の電極1の内部には、上記所定のパターンに起因して、冷却材が流動する冷却材流路1rが形成される。さらに、上記所定のパターンおよび上記貫通孔に起因して、複数(図3では、5つ)の上記ガス取り出し部1b,1dが形成される。なお、図3では、第一の電極1内部に形成される冷却材流路1rおよび後述するガス流路部1dは、点線にて輪郭を図示している。
【0059】
冷却材流路1rは、冷却材が第一の電極1内を循環するように、第一の電極1内に形成される。なお、当該冷却材は、部分1mの穴19aを介して連結ブロック9から第一の電極1内に流入し、部分1mの穴19bを介して第一の電極1内から連結ブロック9に流出する。当該冷却材流路1rに流れる冷却材は、放電によって生じたガスの発熱を第一の電極1を介して取り去り、放電ガス自身を冷却させることができる。なお、図3では図示を省略しているが、冷却材流路1r内に均等に冷却材が流れるように、所定の仕切り等が形成されている。
【0060】
ここで、第一の電極1と同様に高圧冷却板5内部においても冷却材が循環する構造を有しており、各高圧冷却板5内部に冷却材を循環させることにより、放電によって生じた高圧電極3の熱を絶縁板4を介して間接的に吸収することができる。
【0061】
各ガス取り出し部1b,1dは、第一の電極1の両面に設けられたガス流入口1bと、第一の電極1内部に配設されたガス流路部1dとから構成される。上記ガス流入口1bは、上記貫通孔に起因して形成され、ガス通路管21を囲繞するスペーサ6の外周外側に複数形成される。また、ガス流路部1dは、上記所定のパターンに起因して形成され、前記ガス流入口1bとガス通路管21との間を連接する。ここで、当該流路部1dは、直線的でなく、螺旋状に配設されている。したがって、放電空間100内で発生した活性ガスは、各ガス流入口1bへと流れ込み、各ガス流路部1dにより螺旋流となって、ガス通路管21にて合流する。
【0062】
ここで、第一の電極1内部において、冷却材流路1rと各ガス流路部1dとは、合流せず、別個独立に各々形成される。
【0063】
なお、図3に示す符号13aは、冷却材分配セル締め付けボルト12が貫通する穴である。
【0064】
次に、上記で記載した構成を有する活性ガス生成装置700の効果を説明する。
【0065】
活性ガスの寿命は、非常に短い場合が多い。たとえば、窒素の活性種としてN2(A)、N2(B)またはNが考えられるが、その半減期は大気圧下において〜数msec程度である。したがって、生成した活性ガスを長距離隔てた被処理材まで伝播させた構成の場合には、当該活性ガスが途中で消滅し、被処理材において活性ガスを効率的に取り出すことができない。
【0066】
本実施の形態では、電極セル1,2の外周部から原料ガスを取り込み、当該電極セル1,2に交流電圧を印加し、誘電体バリア放電により放電空間100において活性ガスを生成している。そして、電極セル1,2の平面視における中心領域には、ガス取り出し部1b,1dが形成されており、当該ガス取り出し部1b,1dから活性ガスを抽出する構成となっている。
【0067】
このように、活性ガスは電極セル1,2の端まで横断して伝播されず、電極セル1,2の中心領域まで伝播されるのみである。したがって、放電空間100で生成した活性ガスは、非常に短い距離で活性ガス取り出し部1b,1dから取り出すことできる。よって、電極セル1,2の放電領域を十分に活用しつつ、生成された活性ガスの余計な減衰を極力抑えることでき、被処理材18において効率的に活性ガスを取り出すことができる。つまり、活性ガスの高濃度を維持したまま、被処理材18に活性ガスを到達させることができる。
【0068】
また、本願発明では、リモートプラズマ型成膜処理装置を提供している。つまり、原料ガスから活性ガスを生成する活性ガス生成装置700と、当該生成した活性ガスを用いて被処理材18に対して成膜処理を行う処理装置とは、別個独立の装置である。
【0069】
このように、プラズマ発生源と処理領域とは完全に分離しているので、プラズマ源において電離して生成したイオンが、当該処理領域に配置された被処理材18に衝突することを防止できる。これにより、被処理材18に対するプラズマによるダメージを完全になくすことができる。
【0070】
また、本実施の形態では、電極セル1,2において、マイクロ波でなく、誘電体バリア放電による高周波プラズマを利用して、活性ガスを生成している。したがって、大気圧放電が可能となり、活性ガス生成装置700における筐体16,161内を真空状態にする必要もない。これにより、簡易な構成である活性ガス生成装置700を提供することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、電極セル1,2の平面視形状は円形である。つまり、第一の電極1と第二の電極2とが対面する範囲である放電領域における、第一の電極1および第二の電極2の平面視形状は、円形である。
【0072】
したがって、電極セル1,2の外周部から中心部までの距離を、全範囲において等距離で最短距離とすることができる。
【0073】
また、本実施の形態では、1つの第一の電極1を二つの電極2で挟み込む構成により、二つの電極セル1,2を構成している。
【0074】
したがって、より少ない構成により、より多くの電極セル1,2を構成できる。よって、活性ガス生成装置100の小型化および製造コストの削減を図ることができる。
【0075】
また、本実施の形態では、複数の電極セル1,2は、積層状態で配置されおり、各電極セル1,2が備える各ガス取り出し部1b,1dに連通しており、電極セル1,2の中心において前記積層方向に延設されたガス通路管21を備えている。
【0076】
したがって、複数の電極セル1,2から活性ガスを生成させることができ、当該活性ガス通路管21において当該活性ガスを合流させることができる。よって、当該活性ガス通路管21において、大流量の活性ガスを取り出すことができるので、当該大流量の活性ガスを被処理材18に晒すことが可能となる。なお、電極セル1,2は上下方向に積層されているので、活性ガス生成装置700の占有面積を増大させることなく、活性ガスの生成量を大幅に増大させることができる。
【0077】
また、本実施の形態では、第一の電極1内部には、冷却材が流動できる冷却材流路1rが形成されている。したがって、誘電体バリア放電により電極セル1,2で発生した熱を、放熱することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、各電極セル1,2が備えるガス取り出し部1b,1dは、複数であり、各ガス取り出し部1b,1dは、第一の電極1に設けられたガス流入口1bと、第一の電極1内に配設されたガス流路部1dとから構成されている。ここで、当該ガス流路部1dは、ガス流入口1bとガス通路管21との間を螺旋状に連接している。
【0079】
したがって、電極セル1,2において生成された活性ガスを、螺旋的流れでガス通路管21において合流させることができる。これにより、ガス合流の際に、ガス粒子同士の衝突断面積を小さくすることができるため、活性ガスの衝突による減衰量を抑制することができる。よって、被処理材18に晒さす活性ガスの高濃度および大流量を維持することができる。
【0080】
また、第一の電極1の構成材としては、成型容易の観点から、基本的にはSUS316などのステンレス材が使用される。これに対して、第一の電極1の構成材として、アルミニウムまたはA6061、A5052等のアルミニウム合金を採用することもできる。なお、当該アルミニウム部材の表面は陽極酸化を実施する。
【0081】
第一の電極1の構成材をアルミニウム部材とすることにより、活性ガスの生成効率を高めると共に、活性ガスの減衰率が抑制することができる。したがって、被処理材18に対して高濃度・大流量の活性ガスを晒すことができる。
【0082】
また、本実施の形態では、第二の電極2が有する誘電体2aは、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムである。特に、当該誘電体2aは、窒化アルミニウムであることが望ましい。
【0083】
第一の電極1にステンレス材を使用する場合、その表面を酸化アルミニウムもしくは窒化アルミニウムによって溶射処理する。当該第一の電極1と酸化アルミニウムもしくは窒化アルミニウムである誘電体2aとの組み合わせにより、更なる活性ガスの減衰抑制を図ることが可能となる。また、誘電体2aを窒化アルミニウムとすることによって、窒素活性種による窒化処理の場合、当該窒素活性種(活性ガス)の減衰を抑制すると共に被処理材18の酸化を防止することが可能となる。
【0084】
また、活性ガス生成装置700内に供給される原料ガスとして、窒素ガスまたは窒素化合物ガス(NH3、NO2等)を採用しても良い。この場合には、生成される活性ガスは、被処理材18の窒化表面処理に有効な、窒素を含んだNラジカルガスやN分子ガスとなる。したがって、被処理材18に対する窒化表面処理を効率良く施すことができる。
【0085】
また、活性ガス生成装置700内に供給される原料ガスとして、酸素ガスまたは酸素化合物ガス(オゾン、水蒸気またはNO2等)を採用しても良い。この場合には、活性ガスとして、被処理材18の酸化表面処理に有効な、酸素を含んだ酸素ラジカルもしくはオゾン分子ガスを高濃度にて取得できる。したがって、被処理材18に対する非常に品質の良い酸化膜を成膜することができる。また、低温状態・短時間での酸化膜成膜が可能となる。
【0086】
また、本実施の形態では、電極セル1,2における空間ギャップ(放電空間)100は、0.05mm以上、2.0mm以下である。当該放電空間100のギャップ幅を前記に限定することにより、生成した活性ガスを効率良く取出せ、取出せる活性ガス量も増大させることができる。
【0087】
また、放電ユニット1〜5の積層構造において、冷却材出入口19から第一の電極1や高圧冷却板5までの冷却材の通路は、オーリング11を介した連結ブロック9を用いた連結および冷却材分配セル締め付けボルト13による装置基台16への固着により、形成されている。さらに、ガス通路管21は、オーリング10を介したリング7を用いた連結および電極セル締め付けボルト12による装置基台16への固着により、形成されている。
【0088】
したがって、冷却材出入口19から第一の電極1や高圧冷却板5までの冷却材の通路およびガス通路管21の気密性を確保でき、装置の組立作業が容易となり、コンパクトな活性ガス生成装置700が実現される。
【0089】
<実施の形態2>
実施の形態1で説明した電極セル1,2は、次のような構成であることが望まれる。
【0090】
つまり、第一の電極1に対面する側の第二の電極2の面は、凹凸形状を有することが望ましい。具体的には、第一の電極1に対面する側の誘電体2aの表面が、凹凸形状を有することが望ましい。および/または、第二の電極2に対面する側の第一の電極1の面は、粒子状の電極材でコーティングされていることが望ましい。
【0091】
第二の電極2の面(誘電体2aにおける金属薄膜2d非形成面)における凹凸形状は、たとえば当該凹凸形状を形成する面に対してイオンを衝突させることにより、形成される。また、たとえば、回転している第一の電極1の面に電極材溶液を滴下してコーティングを行うスピンコーティングにより、第一の電極1の面には粒子状の電極材でコーティングされる。
【0092】
実施の形態1で説明した電極セル1,2に本実施の形態で説明した構成を採用することにより、電極表面積を大幅に高めることができる。したがって、電極付近における活性ガスの生成効率を高めることができ、結果として、高濃度および大流量の活性ガスの生成が可能となる。
【0093】
なお、第一の電極1のコーティングの際に使用される粒子状の電極材としては、活性化ガスの発生効率が最も高いものを選択することが好ましい。
【0094】
<実施の形態3>
実施の形態1に係る活性ガス生成装置700の代わりに、本実施の形態に係る活性ガス生成装置701を用いることが望ましい。図6は、本実施の形態に係る活性ガス生成装置701の構成を示す断面図である。
【0095】
図1と図6との比較から分かるように、本実施の形態に係る活性ガス生成装置701は、実施の形態1に係る活性ガス生成装置700に希ガス供給部30が追加されている構成である。当該希ガス供給部30が設けられている以外は、装置700の構成と装置701の構成とは同じである。
【0096】
活性ガス生成装置701が備える希ガス供給部30は、チャンバー161を貫通するように形成されている。当該希ガス供給部30は、装置701外部から希ガスを取り入れ、希ガス通過路31を介して、ガス通路管21に希ガスを供給できる構成となっている。つまり、希ガス供給部30の一方端の開口部はチャンバー161外に存し、希ガス供給部30の他方端の開口部はガス通路管21と接続している。
【0097】
装置701外部から、マスフローコントローラ等(図示せず)で流量調整されたアルゴンやヘリウムなどの希ガスは、希ガス供給部30の一方端の開口部から投入され、当該希ガス供給部30の他方端の開口部からガス通路管21内へと供給される。そして、当該供給された希ガスと電極セル1,2で生成された活性ガスとは、当該ガス通路管21内において混合され、活性ガスを希釈する。当該混合されたガスは、そのまま希ガスを含んだ状態で、装置基台16に配設されたガス吹き出し板14から外部へと放出される。
【0098】
以上のように、本実施の形態では、ガス通路管21に希ガスを供給する希ガス供給部30を備えている。
【0099】
したがって、ガス通路管21における当該希ガスの供給により、ガス通路管21における活性ガス同士の衝突に起因した活性種の減衰を抑制することができる。これにより、活性ガス生成装置701から取り出され、被処理材18に晒される活性ガスの高濃度および大流量を維持することができる。
【0100】
<実施の形態4>
実施の形態3に係る活性ガス生成装置701の代わりに、本実施の形態に係る活性ガス生成装置702を用いることがより望ましい。図7は、本実施の形態に係る活性ガス生成装置702の構成を示す断面図である。
【0101】
図6と図7との比較から分かるように、本実施の形態に係る活性ガス生成装置702は、実施の形態3に係る活性ガス生成装置701に予備放電器800が追加されている構成である。当該予備放電器800が設けられている以外は、装置701の構成と装置702の構成とは同じである。
【0102】
予備放電器800は、上記希ガス供給部30の一方端の開口部に接続される。したがって、希ガスは、予備放電器を経由した後に、ガス通路管21内に供給される。予備放電器800は、予備放電生成用電源32、予備放電用高圧電極33、予備放電用誘電体34および予備放電用接地電極35により構成されている。
【0103】
予備放電用接地電極35と予備放電用誘電体34とは、所定の空間(予備放電空間36)を介して設置されている。また、予備放電用誘電体34内には、当該予備放電用誘電体34と接しながら、予備放電用高圧電極33が設置されている。さらに、予備放電生成用電源32の一方端子には予備放電用接地電極35が接続され、予備放電生成用電源32の他方端子には予備放電用高圧電極33が接続されている。
【0104】
予備放電生成用電源32により、予備放電用高圧電極33および予備放電用接地電極35に交流電圧を印加する。これにより、予備放電用接地電極35と予備放電用誘電体34との間の予備放電空間36において、誘電体バリア放電が生成される。当該誘電体バリア放電生成場において、予備放電用接地電極35の側面に形成された希ガス供給口37から希ガスを導入する。すると、当該導入された希ガスの少なくとも一部は、予備放電空間36において、活性状態へと励起される。そして、当該活性状態のガスを含む希ガスは、上記希ガス供給部30を介して、ガス通路管21内へと供給される。なお、ガス通路管21内では、先の実施の形態3と同様に、当該活性状態のガスを含む希ガスは、活性ガスと混合される。
【0105】
以上のように、本実施の形態では、予備放電器800をさらに備えており、希ガスは、予備放電器800から希ガス供給部30へと供給され、当該希ガス供給部30からガス通路管21内へと供給される。
【0106】
したがって、ガス通路管21に供給される前に、予備放電器800により希ガスを活性状態に励起することができる。よって、ガス通路管21内には、当該活性状態に励起した希ガスが供給されることになるので、活性ガスの消滅抑止効果を実施の形態3の場合より高めることができる。
【0107】
なお、本実施の形態では、予備放電器800では誘電体バリア放電場形成される場合について説明した。しかし、当該誘電体バリア放電に限ったものではなく、その他の希ガスを励起させることが可能な放電を採用しても良い。たとえば、予備放電器800は、マイクロ波放電やRF(Radio Frequency)波放電を発生することができる構成であっても良い。
【0108】
<実施の形態5>
実施の形態1に係る活性ガス生成装置700の代わりに、本実施の形態に係る活性ガス生成装置703を用いることが望ましい。図8は、本実施の形態に係る活性ガス生成装置703の構成を示す断面図である。
【0109】
図1と図8との比較から分かるように、本実施の形態に係る活性ガス生成装置703は、実施の形態1に係る活性ガス生成装置700にオリフィス22が追加されている構成である。当該オリフィス22が設けられている以外は、装置700の構成と装置703の構成とは同じである。
【0110】
装置基台16の被処理材18と対面する面において、オリフィス22は、ガス通路管21の端部に配設されている。なお、活性ガス生成装置703では、ガス吹き出し板14は省略されているが、オリフィス22は、ガス吹き出し板14を介して、ガス通路管21の端部に配設されていても良い。
【0111】
活性ガス生成装置700に供給される原料ガスは、原料供給口20の手前でマスフローコントローラ(図示せず)によって、その供給ガス流量が制御される。一方、被処理材18は、図1,6,7では図示を省略していた処理装置(たとえば、CVD装置)23によって覆われており、当該被処理材18が載置されている空間は、排気ポンプ24によって真空状態へと減圧される。
【0112】
ここで、実施の形態1でも説明したように、活性ガス生成装置703と処理装置23とによりリモートプラズマ型成膜処理装置が構成される。また、処理装置23は、活性ガス生成装置703の下方において、当該活性ガス生成装置703と装着可能である。処理装置23は、当該活性ガス生成装置703から送出されるガスを用いて、内部に配置された被処理体18に所定の膜を成膜する。
【0113】
処理装置23内の圧力は、排気ポンプ24によって所定の圧力に減圧されるが、当該処理装置23における当該所定の圧力と排気ポンプ24の能力とに応じて、オリフィス22の径と原料ガス供給口20から供給される原料ガス流量が設定される。原料ガス流量は、活性ガス生成装置703の内部圧力が50kPa〜大気圧を維持するだけの量でもあり、大気圧近傍を維持することで、電極セル1,2において誘電体バリア放電を発生させることが可能となる。
【0114】
処理装置23を減圧下とすることは、減圧下での被処理材18に対する処理が必要な場合に実施されるが、処理装置23内を減圧することにより、当該処理装置23内における活性ガスの衝突頻度が減少させることができる。これにより、処理装置23内に供給された活性ガスの寿命を延ばすことが可能となる。
【0115】
以上のように、本実施の形態では、図8に示す構成のように、ガス通路管21のガス出力部にオリフィス22が接続される。
【0116】
したがって、活性ガス生成装置703内の大気圧付近の圧力と、被処理材18が設置され減圧された処理装置23内の所定の圧力とを、圧力的に分離することが可能となる。これにより、活性ガス生成装置703内において、誘電体バリア放電を実施することができ、処理装置23内において、被処理材18に対する真空状態での成膜処理や活性ガスの長寿命化が可能となる。
【0117】
なお、本実施の形態では、実施の形態1で説明した活性ガス生成装置にオリフィス22を設ける構成について説明した。しかしながら、実施の形態3,4で説明した活性ガス生成装置に、同様の構成にてオリフィス22を配設することも可能である。
【0118】
<実施の形態6>
実施の形態1に係る活性ガス生成装置700の代わりに、本実施の形態に係る活性ガス生成装置704を用いることが望ましい。図9は、本実施の形態に係る活性ガス生成装置704の構成を示す断面図である。
【0119】
図1と図9との比較から分かるように、本実施の形態に係る活性ガス生成装置704は、実施の形態1に係る活性ガス生成装置700のガス吹き出し板14の代わりに、放射プレート40が配設されている。当該ガス吹き出し板14が放射プレート40に置換されている以外は、装置700の構成と装置704の構成とは同じである。なお、図9には、図1で図示を省略していた、CVD装置などの処理装置23が図示されている。つまり、図9には、活性ガス生成装置704と処理装置23とから成る、リモートプラズマ型成膜処理装置が図示されている。
【0120】
実施の形態1で説明した積層構造の放電ユニット対5〜5と装置基台16との間において、当該装置基台16上に放射プレート40が設置される。当該放射プレート40の平面視形状は、円形である。つまり、放射プレート40は円盤型である。また、放射プレート40内部には空洞が形成されている。
【0121】
また、放射プレート40の第一の主面(積層構造の放電ユニット対5〜5に対面する側の面)には、一つの開口部が設けられており、当該開口部はガス流入部40bとなる。図9に示すように、最下段の高圧冷却板5と放射プレート40との間には、リング7が存在する。ここで、放射プレート40の主面とリング7との間にもオーリング10が設けられており、リング7と放射プレート40との接続部の気密性も確保されている。なお、ガス流入部40bは、円形の第一の主面の中心に形成されている。
【0122】
上記リング7と放射プレート40との接続からも分かるように、実施の形態1で説明したガス通路管21の端部は、放射プレート40の第一の主面と接続される。より具体的には、ガス通路管21の端部は、放射プレート40の第一の主面に形成されたガス流入部40bと接続される。したがって、ガス通路管21内を経由してきた活性ガスは、ガス流入部40bを介して放射プレート40内へと流入する。
【0123】
放射プレート40内部には、空洞、より具体的にはガス通路部42が形成されている。したがって、ガス流入部40bから流入した活性ガスは、当該ガス通路部42において同心円状にプレート外周部に向かって拡散していく。また、放射プレート40の第二の主面(被処理材18に対面する側の面)には、複数の開口部が設けられており、当該複数の開口部はガス放散部40aとなる。ここで、当該ガス放散部40aは、第二の主面において均等に設けられている。つまり、第二の主面における所定の面積当たりのガス放散部40aの数は、当該第二の主面全体に渡って均一(同数)である。また、ガス放散部40aの開口面積は非常に微細なものであり、少なくともガス流入部40bの開口部よりも小さい。
【0124】
また、装置基台16の底面の所定の領域に開口部16tが形成されており、当該開口部16tからは、放射プレート40に設けられた全てのガス放散部40aが露出している。したがって、ガス通路部42を伝播した活性ガスは、各ガス放散部40aおよび開口部16tを介して、処理装置23内に供給される。
【0125】
処理装置23内には、被処理材18を載置するための設置テーブル25が設けられている。ここで、当該設置テーブル25には、被処理材18を加熱するための加熱ヒータ27が設けられている。また、設置テーブル25は、処理装置23内に配設された設置テーブル引き出しレール26上を移動することができる。なお、実施の形態1等でも述べたように、処理装置23は、活性ガス生成装置704の下方において当該活性ガス生成装置704と装着可能であり、当該装置704から送出される活性ガスを用いて、処理装置23内部に配置された被処理体18に所定の膜を成膜する。
【0126】
さて上記のように、当該ガス放散部40aは第二の主面において均等に設けられているので、当該設置テーブル25上に載置された被処理材18の表面全体に渡って均等に、放射プレート40から供給された活性ガスが照射される。
【0127】
次に、図10に示す分解斜視図を用いて、放射プレート40の構成を具体的に説明する。
【0128】
図10に示すように、放射プレート40は、2枚の円盤状のプレート板401,402を組み合わせることにより構成される。一方のプレート板402の中央部には、エッチング処理または機械加工により、一つのガス流入部40bが穿設されている。また、他方のプレート板401には、エッチング処理または機械加工により、複数のガス放散部40aが均等に穿設されている。
【0129】
さらに、少なくとも一方のプレート板401,402には、ハーフエッチング処理または機械加工により、ガス通路部42を構成する所定のパターンの空間リブ40cが形成されている。図10に示す構成図では、各空間リブ40cは円柱形状である。また、図10には、他方のプレート板401に空間リブ40cが形成されている様子が図示されている。上記空間リブ40cが形成されている状態において両プレート板401,402を組み合わせる(貼り合わせる)。これにより、放射プレート40内には空間リブ40cの隙間空間が形成され、当該隙間空間がガス通路部42となる。
【0130】
図10に示す構成の放射プレート40において、活性ガス流入部40bより内部へ侵入する活性ガスは、空間リブ40cに衝突しながら当該放射プレート40内のガス通路部42内を拡散する。そして、ガス放散部40aの開口部は微小であるので、放射プレート40内部(ガス通路部42全体)にバッファリングされる。放射プレート40内部における拡散によりガス通路部42内全体に満たされた活性ガスは、各ガス放散部40aから処理装置23内に配置された被処理材料18に向けて放出される。なお、活性ガスは、均等な速度となって各ガス放散部40aより放出される。また、各ガス放散部40aから放出される活性ガスの流速は、少なくとも、ガス通路部42内部を拡散する活性ガスの流速よりも大きい。
【0131】
ここで、放射プレート40内全体に活性ガスが均等に拡散し、高い流速にて各ガス放散部40aより活性ガスを放出させるためには、放射プレート40の厚みは薄いほうが良く、また各ガス放散部40aの開口面積も微細なほうが良い。具体的には、放射プレート40の厚みは、3mm以下(当然、ゼロは含まない)であることが望ましく、各ガス放散部40aの開口径は、1μm以上、1000μm以下であることが望ましい。なお、各ガス放散部40aから均等な流速で活性ガスを放出させるためには、各ガス放散部40aの開口径は、1μm以上、300μm以下であることが望ましい。
【0132】
また、プレート板401とプレート板402とは、ロー付けまたは拡散接合により接続(接合)されることができる。しかしながら、ロー付けによる接合を採用した場合には、ロー材と活性ガスとの反応で、活性ガスの損失やロー付けの劣化が起こりやすくなる。したがって、両プレート板401,402を接合するときには、拡散接合を採用する方が望ましい。
【0133】
以上のように、本実施の形態では、活性ガス生成装置704は、ガス通路管21の端部と接続される放射プレート40を備えている。そして、当該放射プレート40は、ガス通路管21の端部と接続される一つのガス流入部40bと、活性ガスを放射プレート40内部に拡散させるためのガス放散部42と、被処理材18に対して活性ガスを放出する複数のガス放散部40aとを、備えている。
【0134】
したがって、ガス通路管21の直下からだけではなく、放射プレート40内に放射状に分散させて広い範囲から、活性ガスを取り出すことができる。これにより、簡易な構成により、大表面積を有する被処理材18に対しても、短い処理時間にて表面処理を行うことができる。
【0135】
また、本実施の形態では、複数のガス放散部40aは、放射プレート40の第二の主面内において均等に配設されている。したがって、当該第二の主面からの偏在した活性ガスの放出を防止することができる。
【0136】
また、本実施の形態では、放射プレート40は、2枚のプレート板401,402を組み合わせることにより、構成されている。そして、少なくとも一方のプレート板401,402には、ガス通路部42を構成するための所定のパターンの空間リブ40cが形成されている。
【0137】
したがって、簡単な構成により、活性ガスバッファータンクとなる放射プレート40、および当該放射プレート40内を活性ガスが拡散(分散)することができるガス通路部42を形成することができる。また、放射プレート401,402の接合は、ロー付けや拡散接合で可能で有り、空間リブ40cもハーフエッチング処理または機械加工により形成可能である。したがって、簡単な作成方法および低コストにより、図10に示す放射プレート40を製造することができる。
【0138】
なお、上述のように、2枚のプレート板401,402を組み合わせることにより放射プレート40を作成する際には、拡散接合を採用することが望ましい。
【0139】
これにより、ロー付けにより2枚のプレート板401,402を結合する際に発生していた、放射プレート40内における活性ガスの損失やプレート板401,402同士の接合力低下を防止することができる。また、拡散接合の場合には、接合の際にプレート板401,402に歪が生じることもない。したがって、放射プレート40内部を活性ガスは低抵抗で流動することができる。
【0140】
また、放射プレート40の厚みは、3mm以下であることが望ましい。また、各ガス放散部40aの開口径は、1〜1000μmであることが望ましい。
【0141】
当該放射プレート40の構成およびガス放散部40aの構成を採用することにより、放射プレート40内全体に活性ガスが均等に拡散し、高い流速にて各ガス放散部40aより活性ガスを放出させることができる。また、放射プレート40は薄板形状となるので、容易にかつ装置全体の大型化を防止して、活性ガス生成装置704に当該放射プレート40を配設することができる。
【0142】
なお、ガス放散部40aの開口径は、1〜300μmであることがより望ましい。これは、各ガス放散部40aから均等な流速で活性ガスを放出させることができるためである。このように、各ガス放散部40aから均等な流速な活性ガスが放出されることにより、大面積の被処理材18の表面に対しても、均一な成膜が実現できる。
【0143】
なお、各活性ガス生成装置700〜704の下方において、図8,9等で示すように、被処理材18の活性ガスを用いた成膜処理を行うCVD装置などの処理装置23が装着できる。つまり、活性ガス生成装置700〜704と処理装置23とで、リモートプラズマ型成膜処理装置が構成されている。
【0144】
このように、活性ガス生成装置700〜704に処理装置23を装着させることにより、処理装置23のコンパクト化が実現でき、かつ安価なリモートプラズマ型成膜処理装置を実現することができる。
【0145】
なお、複数台の活性ガス生成装置700〜704を併設し、各活性ガス生成装置700〜704に装着された処理装置23内に、被処理材18を順に配置する表面処理方法も採用できる。これにより、被処理材18の表面に対して、複数の膜を重ね合わせて成膜することができる。
【0146】
なお、上記各実施の形態で説明した発明は、半導体装置に対するプラズマ成膜処理(たとえば、窒化処理)の際に利用される。たとえば、CMOSトランジスタなどに用いられるゲート絶縁膜などの成膜時に、当該発明は利用される。
【符号の説明】
【0147】
1 第一の電極
1a 電極板
1b ガス流入口
1d ガス流路部
1r 冷却材流路
1m (冷却材の出入り口となる)部分
2 第二の電極
2a 誘電体
2d 金属薄膜
3 高圧電極
4 絶縁板
5 高圧冷却板
6 スペーサ
7 リング
8 締め付け板
9 連結ブロック
10,11 オーリング
12 電極セル締め付けボルト
13 冷却材分配セル締め付けボルト
14 ガス吹き出し板
15 電気供給端子
16 装置基台
17 交流電源部
18 被処理材
19 冷却材出入部
20 原料ガス供給部
21 ガス通路管
22 オリフィス
23 処理装置
24 排気ポンプ
25 設置テーブル
26 設置テーブル引き出しレール
27 加熱ヒータ
30 希ガス供給部
31 希ガス通過路
32 予備放電生成用電源
33 予備放電用高圧電極
34 予備放電用誘電体
35 予備放電用設置電極
36 予備放電空間
37 希ガス供給口
40 放射プレート
40a ガス放散部
40b ガス流入部
40c 空間リブ
42 ガス通路部
100 空間ギャップ(放電空間)
161 チャンバー
401,402 プレート板
700,701,702,703,704 活性ガス生成装置
800 予備放電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の電極セルと、
前記電極セルに交流電圧を印加する電源部と、
前記電極セルを囲繞する筐体と、
前記筐体に形成され、外部から前記筐体内に原料ガスを供給する原料ガス供給部とを、備えており、
前記電極セルは、
第一の電極と、
誘電体を有する第二の電極とを、備えており、
前記第一の電極は、
前記誘電体および空間ギャップを隔てて、前記第二の電極と対面しており、
前記電極セルの平面視における中心領域には、
ガス取り出し部が形成されている、
ことを特徴とする活性ガス生成装置。
【請求項2】
前記第一の電極と前記第二の電極とが対面する範囲における、前記第一の電極および前記第二の電極の平面視形状は、
円形である、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項3】
前記電極セルは、
二つの前記第二の電極を、備えており、
前記第一の電極の第一の主面は、
一方の前記第二電極が有する前記誘電体および空間ギャップを隔てて、前記一方の第二の電極と対面しており、
前記第一の電極の第二の主面は、
他方の前記第二電極が有する前記誘電体および空間ギャップを隔てて、前記他方の第二の電極と対面している、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項4】
前記電極セルは、
複数であり、
各前記電極セルは、
積層状態で配置されおり、
各前記電極セルが備える各前記ガス取り出し部に連通しており、前記電極セルの中心において前記積層方向に延設された、ガス通路管を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項3に記載の活性ガス生成装置。
【請求項5】
前記第一の電極内部には、
冷却材が流動できる冷却材流路が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項6】
前記各電極セルが備える前記ガス取り出し部は、
複数であり、
各前記ガス取り出し部は、
前記第一の電極の面に設けられたガス流入口と、
前記第一の電極内に配設され、前記ガス流入口と前記ガス通路管との間を螺旋状に連接するガス流路部とを、備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の活性ガス生成装置。
【請求項7】
前記ガス通路管に希ガスを供給する希ガス供給部を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の活性ガス生成装置。
【請求項8】
予備放電器を、さらに備えており、
前記希ガスは、
前記予備放電器から前記希ガス供給部へと供給される、
ことを特徴とする請求項7に記載の活性ガス生成装置。
【請求項9】
前記ガス通路管の端部に配設されたオリフィスを、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の活性ガス生成装置。
【請求項10】
前記第一の電極は、
アルミニウムまたはアルミニウムを含む合金より成る、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項11】
前記第二の電極が有する前記誘電体は、
酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムである、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項12】
前記第一の電極に対面する側の前記第二の電極の面は、
凹凸形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項13】
前記第二の電極に対面する側の前記第一の電極の面は、
粒子状の電極材でコーティングされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項14】
原料ガス供給部から前記筐体内には、
窒素ガスまたは窒素化合物ガスが供給される、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項15】
原料ガス供給部から前記筐体内には、
酸素ガスまたは酸素化合物ガスが供給される、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項16】
前記ガス通路管の端部と接続される放射プレートを、さらに備えており、
前記放射プレートは、
第一の主面に形成された前記ガス通路管の端部と接続されるガス流入部と、
内部配設されたガス通路部と、
第二の主面において設けられた複数のガス放散部とを、備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の活性ガス生成装置。
【請求項17】
前記ガス放散部は、
前記第二の主面内において均等に配設されている、
ことを特徴とする請求項16に記載の活性ガス生成装置。
【請求項18】
前記放射プレートは、
2枚のプレート板を組み合わせることにより、構成されており、
少なくとも一方のプレート板に、前記ガス通路部を構成する所定のパターンが施されている、
ことを特徴とする請求項16に記載の活性ガス生成装置。
【請求項19】
前記放射プレートは、
2枚のプレート板を組み合わせることにより、構成されており、
前記プレート板同士は、
拡散接合により、接続されている、
ことを特徴とする請求項16に記載の活性ガス生成装置。
【請求項20】
前記ガス放散部の開口径は、
1μm以上、1000μm以下である、
ことを特徴とする請求項16に記載の活性ガス生成装置。
【請求項21】
前記ガス放散部の開口径は、
1μm以上、300μm以下である、
ことを特徴とする請求項20に記載の活性ガス生成装置。
【請求項22】
前記放射プレートの厚みは、
3mm以下である、
ことを特徴とする請求項16に記載の活性ガス生成装置。
【請求項23】
前記空間ギャップは、
0.05mm以上、2.0mm以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の活性ガス生成装置。
【請求項24】
原料ガスをプラズマにより励起して活性ガスを生成する、請求項1乃至23の何れかに記載の活性ガス生成装置と、
前記活性ガス生成装置の下方において当該活性ガス生成装置と装着可能であり、前記ガス取り出し部から送出されるガスを用いて、内部に配置された被処理体に所定の膜を成膜する処理装置とを、備えている、
ことを特徴とするリモートプラズマ型成膜処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−11183(P2011−11183A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159642(P2009−159642)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】