説明

活性成分および金属酸化物シェルを含むマイクロカプセル、その製造方法およびその使用

本発明は、金属酸化物シェルによりカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルを製造する方法、それとともに得られるマイクロカプセルおよびその使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にマイクロカプセルを製造する方法、該マイクロカプセルを含む組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の記載)
以下の公報は、本発明の技術分野の最先端技術の記載に関連すると考えられる。
米国特許第5500223号明細書、米国特許第6303149号明細書、米国特許第6238650号明細書、米国特許第6468509号明細書、米国特許第6436375号明細書、米国特許第6337089号明細書、米国特許出願公開第2005/037087号明細書、米国特許出願公開第2002/064541号明細書、米国特許第6251313号明細書、米国特許第4931362号明細書、米国特許第6855335号明細書、国際公開第00/09652号パンフレット、国際公開第00/72806号パンフレット、国際公開第01/80823号パンフレット、国際公開第03/03497号パンフレット、国際公開第03/039510号パンフレット、国際公開第00/71084号パンフレット、国際公開第05/009604号パンフレット、国際公開第04/81222号パンフレット、国際公開第03/066209号パンフレット、英国特許第2416524号明細書、欧州特許第0934773号明細書、欧州特許第0941761号明細書、S.A.F. Bon et al., Pickering Stabilization as a Tool in the Fabrication of Complex Nanopatterned Silica Microcapsules, Langmir, 23:9527-9530, 2007, C.A. Prestidge et al. Nanoparticle encapsulation of emulsion droplets, International Journal of Pharmaceutics 324:92-100, 2006.
【発明の概要】
【0003】
(発明の概略)
本発明は、金属酸化物シェルによりカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルを製造する方法に関し、該方法は、
(a)水相中でコア物質を含む油相の乳化によって水中油型エマルションを調製し、ここで油相および水相の一方または両方がゾル−ゲル前駆体を含むステップと;
(b)前記水相に金属酸化物ナノ粒子を前記ステップ(a)の前、中、後のいずれかで含めるステップと;
(c)マイクロカプセルを得るための条件を適用するステップとを備える。
【0004】
本発明は更に、本発明で記載する方法により得ることができるマイクロカプセルに関する。
【0005】
本発明は加えて、金属酸化物シェルによりカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルに関し、ここで前記コア物質が(i)液体または(ii)液体中の分散体であり;前記シェルの厚みが0.1〜10ミクロンの範囲にあり;また、前記シェルを(a)金属酸化物ナノ粒子、および(b)加水分解され、そして重合されたゾル−ゲル前駆体から得る。
【0006】
更に本発明は、本発明で記載するマイクロカプセルおよび担体を含む組成物に関する。
【0007】
本発明は加えて、被験者の表面疾患を治療する方法であって、該表面に本発明で記載する組成物を局所的に投与することを備え、ここでコア物質が局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0008】
本発明は更に、本発明で記載するマイクロカプセルを含む組成物に関するもので、ここでコア物質がにきび、感染症、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびそれらの組合せから選択された疾患または障害の治療用の局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0009】
更に本発明は、本発明で記載するマイクロカプセルの使用に関し、ここでコア物質が、皮膚または粘膜への局所投与向けの薬剤調製用の局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0010】
加えて本発明は、本発明で記載するマイクロカプセルを含む害虫駆除用の組成物に関し、ここで前記コア物質が農薬を含む。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明は、金属酸化物ナノ粒子をゾル−ゲル前駆体と組み合わせて用いて、非水溶性液体コアに対する厚くて濃密なコーティングまたは非水溶性液体コア中の分散体を得る方法を発見したことに基づく。
【0012】
従って、本発明の一つの態様では、金属酸化物シェルによりカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルを製造する方法に関し、該方法は:
(a)水相中でコア物質を含む油相の乳化によって水中油型エマルションを調製し、ここで油相および水相の一方または両方がゾル−ゲル前駆体を含むステップと;
(b)前記水相に金属酸化物ナノ粒子を前記ステップ(a)の前、中、後のいずれかで含めるステップと;
(c)マイクロカプセルを得るための条件を適用するステップとを備える。
【0013】
本発明で用いる「コア物質」という用語は、マイクロカプセルの金属酸化物シェルにより囲まれた活性成分を含むマイクロカプセルの内部を指す。この用語は、コア中に存在するあらゆる物質、すなわち活性成分および液体担体のような賦形剤の両方を指す。
【0014】
非水溶性液体または非水溶性液体中の分散体とし得るコア物質は、活性成分(例えば、農薬、皮膚科学的に活性な成分)を含む。コア物質は、非水溶性液体の活性成分により構成されてもよく;別の活性成分であるかまたは担体媒質として機能する第二の非水溶性液体に溶解および/または分散した第一の非水溶性液体の活性成分を含んでもよく;別の活性成分であるかまたは担体媒質として機能する非水溶性液体に溶解および/または分散した固体活性成分を含んでもよい。活性成分は、単一種類の活性成分とするか、または二種以上の活性成分の組合せとしてもよい。
【0015】
「非水溶性液体」または「非水溶性液体中の分散体」という用語は、室温(20〜25℃)で1%w/w未満の液体(そこに含まれ、溶解されかつ/または分散された成分を含む)の水への溶解度を指す。一つの実施形態では、液体(そこに含まれ、溶解されかつ/または分散された成分を含む)の水への溶解度が、室温(20〜25℃)で約0.5%w/wである。別の実施形態では、液体(そこに含まれ、溶解されかつ/または分散された成分を含む)の水への溶解度が、室温(20〜25℃)で1%w/w未満である。一つの実施形態では、液体(そこに含まれ、溶解されかつ/または分散された成分を含む)の水への溶解度が、室温(20〜25℃)で約0.15 %w/wである。
【0016】
従って、コア物質中に含まれる構成成分は、固体または液体成分であり、室温(20〜25℃)で約1%w/w未満の溶解度を有する。一つの実施形態では、コア物質中に含まれる構成成分が、固体または液体成分であり、室温(20〜25℃)で約0.5%w/w未満の溶解度を有する。別の実施形態では、コア物質中に含まれる構成成分が、固体または液体成分であり、室温(20〜25℃)で約0.15%w/w未満の溶解度を有する。
【0017】
非水溶性液体は、次の非制限のリスト、すなわちスクアラン油、ポリジメチルシロキサン、鉱油、ヒマシ油、アロマティック200およびその混合物から選択することができる。
【0018】
本発明において、「ゾル−ゲル前駆体」という用語は、現場重合(無機ゾルゲル重合法)によりガラスまたはセラミック材料を得ることができるあらゆる金属または半金属の有機金属モノマーまたはそのプレポリマー(一緒に重合された数種のモノマーを意味する)を指す。一つの実施形態では、ゾル−ゲル前駆体が金属または半金属の有機金属モノマー、例えば金属または半金属アルコキシドモノマーである。
【0019】
本発明において、「活性成分」という用語は、医薬、化粧品、農業で用いることができ、最終製品(化粧品、農薬、薬等)に少なくとも一つの所望の特性を与えるあらゆる分子または物質を指す。
【0020】
ここで用いる「金属酸化物ナノ粒子」は、実質的に金属酸化物のみからなるか、または完全に金属酸化物からなる実質的に純粋な金属酸化物ナノ粒子を指す。一つの実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は有機材料、特にポリスチレンを含まない。
【0021】
本発明の一つの実施形態によれば、前記コア物質が薬学的、美容的、または農薬の活性成分を含む。
【0022】
加えて、本発明の他の実施形態によれば、前記コア物質が皮膚科学的に活性な薬剤を含む。
【0023】
更に本発明の他の実施形態によれば、皮膚科学的に活性な薬剤が抗真菌薬、抗菌薬、抗炎症性薬、鎮痒薬、乾癬治療薬、抗にきび薬、抗酒さ薬および上記のいずれかの組合せから選択される。
【0024】
一つの実施形態では、抗にきび薬を過酸化ベンゾイル、レチノイドおよびその混合物から選択する。
【0025】
レチノイドは、例えばトレチノイン(全トランスレチノイン酸)、タザロテン、イソトレチノイン、アダパレンまたはその混合物であってもよい。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、前記農薬の活性成分が農薬である。
【0027】
本発明の実施に際して用い得る農薬は、常温で個体または液体であり得る広範囲の除草剤、抗線虫薬、殺虫剤、ダニ駆除剤、殺菌剤、植物成長促進または制御薬品、および他の農作物取扱製品を含む。当業者は、Ashgate Handbook of Pesticides and Arricultural Chemicals, G.W.A. Milne (ed.), Wiley Publishers (2000) のような文献を参照することにより適当な農薬のリストを見つけることができる。二種類以上の農薬の組合せを用いてもよい。
【0028】
農薬を除草剤、殺虫剤、殺菌剤およびその混合物から選択することができる。
【0029】
除草剤の非制限例は、トリアジン、ジニトロアニリン、フェノキシエステル、ベンズアミド、クロロアセトアミド、イソオキサゾリジノン、ピリジンカルボキサミド、キノリンカルボキシレート、チオカルバメート、トリアゾリノン、トリアゾロピリミジン、トリケトン類、尿素およびその混合物である。
【0030】
殺虫剤の非制限例は、メクチン、ベンゾイル尿素、カルバメート、ジアシルヒドラジン、イソキサゾール、ネオニコチノイド、有機リン酸塩、オキサジアジン、フェニルピラゾール、ピレスロイド、セミカルバゾン、ストロビルリン、テトロン酸、およびその混合物である。
【0031】
殺菌剤の非制限例は、ベンゾイミダゾール、カルボキサミド、アゾール、マンデルアミド、モルホリン、フェニルアミドおよびその混合物である。
【0032】
農薬の活性成分はまた、フェロモン、共力剤、植物成長調節剤であってもよい。
【0033】
農薬の活性成分の非制限例は以下の通りである:
2,4−D−2−エチルヘキシル、アバメクチン、アセトクロール、アクロニフェン、アラクロール、アルドリン、α−シペルメトリン、アメトリン、アトラジン、アザジラクチン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ベンジオカルブ、ベンフルラリン、ベノミル、ベンタゾン、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェントリン、ビナパクリル、バイオレスメトリン、ボスカリド、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブチレート、カズサホス、カプタホル、キャプタン、カルバリル、カルベンダジム、カルボフラン、カルボスルファン、カルボキシン、カルフェントラゾンエチル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロロタロニル、クロルホキシム、クロルピリホス、クロマフェノジド、クロジナホッププロパルギル、クロマゾン、クロキントセットメキシル、クロランスラムメチル、クロチアニジン、シアナジン、シアゾファミド、シフルトリン、シハロホップブチル、シハロトリン、シペルメトリン、シブロコナゾール、デルタメトリン、ジアジノン、ジクロホップメチル、ジクロホップ−P−メチル、ジメトモルフ、ジメチルビンホス、ジモキシストロビン、ジスルホトン、ジチアノン、ジチオピル、ジウロン、ドデモルフアセテート、ドデモルフ、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エポキシコナゾール、エスフェンバレレート、エタコナゾール、エタルフラリン、エトフメセート、エトフェンプロックス、フェナミホス、フェンブコナゾール、フェノキサプロップエチル、フェンプロピモルフ、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジホップブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルアジナム、フルシトリネート、フルフェナセット、フルフェノクススロン、フルメツラム、フルオトリマゾール、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアホル、フルバリネート、フォルペット、フォメサフェン、フォスメチラン、γ−シハロトリン、ハロフェノジド、ハロキシホップ−P−メチル、ヘキサコナゾール、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、アイオキシニルオクタノエート、イプコナゾール、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロツロン、イソキサフルトール、イソキサチオン、カルブチレート、クレソキシムメチル、ラクトフェン、ラムダ−シハロトリン、リニュロン、ルフェヌロン、マラチオン、マンコゼブ、マンジプロパミド、MCPA−2−エチルヘキシル、メタフルミゾン、メタザクロール、メタコナゾール、メトキシフェノジド、メトフルトリン、メトミノストロビン、メトキスロン、メトラフェノン、メトリブジン、ミルベメクチン、ミクロブタニル、ナプロパミド、ニコスルフロン、ニトラリン、ニトロフェン、ノルフラゾン、ノバルロン、オリザリン、オキシフルオルフェン、パクロブトラゾール、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンジメタリン、ペルメトリン、石油、フェントエート、ホレート、ホサロン、フォスジフェン、ホスメット、ホキシム、ピクロラム、ピコリナフェン、ピコキシストロビン、ピノキサデン、ピペロニルブトキシド、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、プラレトリン、プロクロラズ、プロジアミン、プロメトリン、プロパクロル、プロパニル、プロパホス、プロパルギット、プロピコナゾール、ピメトロジン、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピレトリン(クリサンテマート)、ピリダリル、ピリデート、キンクロラック、キンメラック、キザロホップ−エチル、キザロホップ−P−エチル、キザロホップ−P−テフリル、レスメスリン、シマジン、シメコナゾール、S−メトラクロール、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロキサミン、スルコトリオン、スルフェトラゾン、スルプロホス、タウ−フルバリナート、テブコナゾール、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テラレスリン、テルバシル、テルブホス、テトラコナゾール、テトラメトリン、チアクロプリド、チジアズロン、チラム、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアレート、トリアザメート、トリプロキシストロビン、トリフルラリン、トリチコナゾール、ゼータ−シペルメトリン、ジラム、ゾキサミド、フェロモン、硫黄および上記いずれかの混合物。
【0034】
本発明の一つの実施形態によれば、前記金属酸化物をシリカ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛およびその混合物から選択する。
【0035】
本発明の一つの実施形態によれば、前記金属酸化物ナノ粒子は、1〜100ナノメートルの範囲内の粒子直径(d50)を有する。別の実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、1〜50ナノメートルの範囲内の粒子直径(d50)を有する。更なる実施形態では、金属酸化物ナノ粒子は、5〜30ナノメートルの範囲内の粒子直径(d50)を有する。
【0036】
「1〜100ナノメートルの範囲内の粒子直径(d50)」という用語は、粒子の50容量%が1〜100ナノメートルの範囲内の値以下であり得ることを意味する。
【0037】
特に明記しない限り、粒子のサイズへの言及は粒子の90%が記載された大きさ(容量による測定)またはそれ以下を有することを意味するD90によってなされる。従って、例えば、10ナノメートルの直径を有すると記載されたナノ粒子に関して、これはナノ粒子が10ナノメートルのD90を有することを意味する。D90はレーザー回折で測定することができる。
【0038】
本発明の一つの実施形態によれば、前記コア物質に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、1:99から3:2の範囲内にある。一つの実施形態では、前記コア物質に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、1:50から1:1の範囲内にある。別の実施形態にでは、前記コア物質に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、1:20から1:5の範囲内にある。
【0039】
本発明の一つの実施形態によれば、前記ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と前記金属酸化物ナノ粒子とのモル比は、1:99から1:1の範囲内にある。一つの実施形態では、前記ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と前記金属酸化物ナノ粒子とのモル比は、1:50から1:2の範囲内にある。別の実施形態では、前記ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と前記金属酸化物ナノ粒子とのモル比は、1:25から1:4の範囲内にある。
【0040】
ある実施形態によれば、本発明の方法は、金属酸化物の塩を前記水相にステップ(a)の前、中、後のいずれかで加えることを更に備える。
【0041】
一つの実施形態では、前記金属酸化物の塩が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ジルコン酸ナトリウム、ジルコン酸カリウムおよびその混合物から選択される。
【0042】
一つの実施形態では、前記金属酸化物塩に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、99:1から1:2の範囲内にある。別の実施形態では、前記金属酸化物塩に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、2:1から50:1の範囲内にある。更なる実施形態において、前記金属酸化物塩に対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、10:1から50:1の範囲内にある。
【0043】
ある実施形態によれば、本発明の方法は、高分子剤、二価または三価の金属塩、多価電解質およびその混合物から選択した結合または架橋添加剤を前記水相にステップ(a)の前、中、後のいずれかで加えることを更に含む。
【0044】
一つの実施形態では、前記高分子剤は、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびその混合物から選択される。
【0045】
別の実施形態では、前記二価または三価の金属塩が硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウムおよびその混合物から選択される。
【0046】
以下の成分を使用する目的は、カプセルをより架橋させ、シェルを強化するためであった。
【0047】
理論に縛られることなく、下記の成分は以下の通りに作用する:
【0048】
硫酸アルミニウム: 正に荷電したアルミニウム陽イオンが負に荷電した金属酸化物ナノ粒子に引きつけられ、それ自体油滴−水界面で吸着される金属酸化物ナノ粒子間の架橋剤として機能し得る。
【0049】
アルミン酸ナトリウム: アルミン酸ナトリウムは金属酸化物ナノ粒子表面上のシラノール基と反応し、それ自体油滴−水界面で吸着される金属酸化物ナノ粒子間の架橋剤として機能し得る。
【0050】
PVA(ポリビニルアルコール)は、水素結合により金属酸化物シェル上に吸着することができ、またホウ酸ナトリウムによって架橋され得る。
【0051】
ホウ酸ナトリウム: ホウ酸ナトリウムはPVAをマイクロカプセルの金属酸化物シェルで架橋することができる。
【0052】
アルギン酸ナトリウム: アルギン酸ナトリウムは、金属酸化物シェル(金属酸化物ナノ粒子の吸着から生成した)に吸着することができ、塩化カルシウムの添加により架橋され得る。
【0053】
PDAC7(ポリクオタニウム7): PDAC7を金属酸化物シェルの被覆用に用い得る。正に荷電したPDAC7は、負に荷電した金属酸化物シェルに吸着することができ、それ自体金属酸化物ナノ粒子間の「ギャップ」を減少させ、よってシェルを強化することができる。
【0054】
CMC(カルボキシメチルセルロース): CMCを金属酸化物シェルの追加被覆用に用い得る。これはPDAC7での被覆後に用いることができる。
【0055】
PDAC7およびCMCは、組み合せて用いる場合、金属酸化物シェルを被覆し、強化するために加えてもよい。
【0056】
一つの実施形態では、前記多価電解質がポリクオタニウム−7(塩化ジメチルジアリルアンモニウムアクリルアミド共重合体)、ポリクオタニウム−1[ボリ[(ジメチルイミノ)−2−ブテン1,4−ジイルクロライド]、α−[4−[トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニオ]−2−ブテニル]−ω−[トリス(2−ヒドロキシエチル)アンモニオ]、ジクロライド]、ポリクオタニウム−10[セルロース2−ヒドロキシエチル−2−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロポキシ)エチル−2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピルエーテルクロリド]、キトサン、ポリリジンおよびその混合物から選択される。
【0057】
本発明のある実施形態によれば、前記油相はゾル−ゲル前駆体を含む。
【0058】
本発明の一つの実施形態によれば、前記ゾル−ゲル前駆体が金属アルコキシドモノマー、半金属アルコキシドモノマー、金属エステルモノマー、半金属エステルモノマー、および化学式M(R)(P)(ここでMは金属または半金属元素、Rは加水分解性置換基、nは2から6の整数、Pは非重合性置換基、およびmは0から6の整数)のモノマー、上記いずれかの部分的に加水分解されたポリマーおよび部分的に凝縮されたポリマー、および上記いずれかの混合物から選択される。
【0059】
一つの実施形態では、前記金属または半金属元素がケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウムおよび亜鉛から選択される。
【0060】
別の実施形態では、前記ゾル−ゲル前駆体がシリコンアルコキシドモノマー、シリコンエステルモノマー、化学式Si(R)(P)(ここでRは加水分解性置換基、nは2から4の整数、Pは非重合性置換基、およびmは0から4の整数)のモノマー、上記いずれかの部分的に加水分解されたポリマーおよび部分的に凝縮されたポリマー、および上記いずれかの混合物から選択される。
【0061】
更なる実施形態では、前記シリコンアルコキシドモノマーがテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびその混合物から選択される。
【0062】
更なる実施形態では、前記化学式Si(R)(P)のモノマーがメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびその混合物から選択される。
【0063】
一つの実施形態では、ゾル−ゲル前駆体が先に記載したようなモノマー(例えば金属アルコキシドモノマー、半金属アルコキシドモノマー)である。一つの実施形態では、ゾル−ゲル前駆体がゾル−ゲル法を受け得る重合されたモノマーでない。
【0064】
本発明の一つの実施形態によれば、前記水相のpHは2〜9の範囲内にある。一つの実施形態では、水相のpHは2〜7の範囲内にある。更なる実施形態では、水相のpHは3〜5の範囲内にある。
【0065】
本発明の一つの実施形態によれば、前記条件が遠心分離、濾過、蒸発、水性媒体への再懸濁および透析の少なくとも一つから選択された処理によりマイクロカプセルを単離するステップを含む。
【0066】
本発明のある実施形態によれば、前記条件が2〜9の範囲内のpHを含む。更なる実施形態では、pHは3〜5の範囲内にある。
【0067】
本発明の一つの実施形態によれば、前記条件が撹拌を含む。
【0068】
撹拌は、例えば撹拌機器により200〜500rpmで行ってもよい。
【0069】
本発明の別の実施形態によれば、前記条件が得られた懸濁液中のマイクロカプセルを乾燥するステップを含む。
【0070】
一つの実施形態によれば、本発明の方法で得た生成物は前記マイクロカプセルの懸濁液である。
【0071】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の方法で得た生成物は前記マイクロカプセルの粉末である。
【0072】
本発明の別の態様では、本発明の方法によって得ることができるマイクロカプセルを提供する。
【0073】
本発明の更に別の態様では、金属酸化物シェルによってカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルを提供するもので、ここで前記コア物質が(i)液体または(ii)液体中の分散体であり、前記金属酸化物シェルの厚さが0.1〜10ミクロンの範囲であり、前記シェルを(a)金属酸化物ナノ粒子および(b)加水分解され、そして重合されたゾル−ゲル前駆体から得られる。
【0074】
本発明の更に別の実施形態によれば、金属酸化物シェルが約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.5、2または5ミクロン以上の幅(厚み)を有する。一つの実施形態では、金属酸化物シェルが約10ミクロンまでの幅(厚み)を有する。
【0075】
コア物質、シェル等の構成成分は、本発明に記載するようなものであってもよい。
【0076】
液体中の分散体の最終的な形状は、固体成分および液体成分間の比率に依存して液体または半固体であり得ると理解されたい。
【0077】
金属酸化物層の幅は、例えば透過型電子顕微鏡または共焦点顕微鏡によりマイクロカプセルの円形断面領域において最小幅が少なくとも例えば0.1ミクロンであるように決定することができる(幅は、マイクロカプセルの外面(すなわち金属酸化物表面)からコア−金属酸化物界面までの最小距離として決定される)。
【0078】
前記ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と前記金属酸化物ナノ粒子との間のモル比は、1:99から1:1の範囲内にある。一つの実施形態では、ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と金属酸化物ナノ粒子との間のモル比は、1:50から1:2の範囲内にある。更なる実施形態では、ゾル−ゲル前駆体から生じた金属酸化物と金属酸化物ナノ粒子との間のモル比は、1:25から1:4の範囲内にある。
【0079】
本発明の別の実施形態によれば、前記コア物質が薬学的、美容的、または農薬の活性成分を含む。
【0080】
加えて、本発明の一つの実施形態では、前記コア物質が皮膚科学的に活性な薬品を含む。
【0081】
一つの実施形態では、前記皮膚科学的に活性な薬剤が抗真菌薬、抗菌薬、抗炎症性薬、鎮痒薬、乾癬治療薬、抗にきび薬、抗酒さ薬および上記のいずれかの組合せから選択される。
【0082】
別の実施形態では、抗にきび薬が過酸化ベンゾイル、レチノイドおよびその混合物から選択される。
【0083】
本発明の別の態様では、担体および本発明のマイクロカプセルを含む組成物が提供される。
【0084】
更に本発明の別の態様では、被検体の表面疾患を治療する方法を提供するもので、これは本発明の組成物を表面上に局所的に投与することを備え、ここでコア物質が局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0085】
ここで用いる「治療する」または「治療」という用語は、皮膚または粘膜などの被検体表面に関わる疾患(病気または障害)のあらゆる治療を含み、病気または障害の阻害(すなわち、その進展の阻止)か、病気または障害の軽減(すなわち、病気または障害の退行を生起する)か、または病気により生じた疾患(すなわち病気の症状)を軽減することを含む。特定の病気または障害の治療に使用し得る皮膚科学的な薬品の濃度は、The Merck index an encyclopedia of chemical drugs, and biologicals, Rahway, NJ; Merck & Co; 1989に記載されたようなものとしてよく、ここにその全てを参照して援用する。
【0086】
個々の要求は変動し得るが、組成物の有効量の最適範囲の決定は当業者の範囲内である。一般に、当業者によって調整し得る製薬学的組成物の有効量を付与するに必要な投与量は、年齢、健康、体調、体重、患者の病気または障害のタイプおよび程度、治療頻度、併用療法(もしあれば)の性質、および所望効果の性質および領域に応じて変動する。
【0087】
本発明のある実施形態によれば、前記表面は皮膚または粘膜である。
【0088】
本発明の別の実施形態によれば、前記表面疾患は、にきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択された皮膚の病気または障害である。
【0089】
加えて、本発明の別の態様では、本発明で記載したようなマイクロカプセルを含む組成物を提供するもので、ここでコア物質がにきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択された病気または障害の治療用の局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0090】
更に別の態様では、本発明のマイクロカプセルの使用が提供され、ここで前記コア物質が皮膚または粘膜への局所投与向けの薬剤調製用の局所的に作用する活性薬剤を含む。
【0091】
本発明の別の実施形態によれば、前記局所投与は、にきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択された病気または障害の治療用である。
【0092】
本発明の別の態様では、本発明のマイクロカプセルを含む害虫駆除用の組成物が提供され、ここで前記コア物質が農薬を含む。
【0093】
本発明の別の実施形態によれば、前記組成物が農作物保護用または非農作物の害虫駆除用である。
【0094】
更に本発明の一つの実施形態によれば、前記農薬が除草剤、殺虫剤、殺菌剤およびその混合物から選択される。
【0095】
(農薬組成物および使用)
(組成物)
本発明の一つの態様は、上記の被覆農薬を含む農薬組成物を対象とする。一般に、かかる組成物は、被覆農薬および農学的に許容し得る担体を含む。かかる担体は、当業界で周知であり、固体または液体とすることができる。
【0096】
(他の構成成分)
組成物が他の構成要素を含有する限り、これら構成要素が組成物の副部分を形成する。副要素はまた、被覆農薬(マイクロカプセル)に組み込まれなかった遊離農薬を含むことができる。ここに列挙した他の構成要素に加えて、本発明の組成物はまた、担体、例えば水または他の溶媒を主要素以上の量で含んでもよい。
【0097】
本発明の被覆農薬は、一つ以上の第二の化合物を用いて製剤化および/または塗布し得る。かかる組合せは、例えば、これらに限定されないが、害虫のより大きな駆除への相乗効果を示すこと、農薬の塗布割合を低減して環境および作業者の安全性に対するあらゆる影響を最小限にすること、より広いスペクトルの害虫を制御すること、農作物の植物毒性に対する耐性、および哺乳類および魚類のような非害虫性種による耐性の向上などの特定の利点を提供し得る。
【0098】
第二の化合物としては、これらに限定されないが、他の殺虫剤、化学肥料、土壌調整剤、または他の農薬が挙げられる。本発明の組成物はまた、分散剤として追加的な表面活性化合物を含んでよい。農薬の製剤化に用いる代表的な湿潤剤、分散剤または乳化剤としては、これらに限定されないが、アルキルおよびアルキルアリールのスルホン酸塩および硫酸塩並びにそのナトリウム塩類;アルキルアリールポリエーテルアルコール類;硫酸化された高級アルコール類;ポリエチレンオキシド;スルホン化された動物および植物油;スルホン化された石油;多価アルコールの脂肪酸エステル類およびかかるエステル類のエチレンオキシド付加生成物;および長鎖メルカプタンとエチレンオキシドとの付加生成物が挙げられる。他の多くのタイプの有用な表面活性剤が市販されている。使用の際、界面活性剤は通常組成物の1〜20重量%からなる。
【0099】
当業者は、当然、農薬の処方および適用モードが所定の用途における物質の活性に影響を及ぼし得ることを認識している。従って、農業に用いる本発明の被覆農薬を、比較的大きな粒径(例えば、8/16または4/8 US Mesh)の顆粒(例えば第一被覆農薬に対し水に再分散し得る被覆農薬の凝集体)として、水分散性粉末として、粉末として、水和剤として、懸濁濃縮剤として、カプセル懸濁液(懸濁液中の被覆農薬)として、または他のあらゆる既知のタイプの農学的に有用な製剤として所望の適用モードに応じて処方することができる。これらは乾燥状態(例えば、顆粒、粉末または錠剤として)で適用するか、または安定な分散液(懸濁液)を形成するのに希釈し得る濃縮物(例えば、固体、液体、ゲル)として処方することができる。
【0100】
(濃縮物)
組成物を当業者に既知の技術により濃縮物として処方することができる。組成物を固体として処方すべき場合、アタクレーのような充填材を添加して顆粒の剛性を向上させることができる。
【0101】
被覆農薬および農薬製剤は、使用前に安定な水性エマルションまたは分散液に分散可能な固体として保存し、取り扱うことができる。分散液は水から均一塗布を可能にする。これは、適用前にすべて水中への通常の混合を必要とする使用の観点で特に有利である。
【0102】
本発明の組成物はまた、水和剤の形状であってもよい。水和剤は、水または他の分散剤中に容易に分散する微粉化した粒子である。水和剤は、害虫駆除を必要とする部位に乾式粉末または水もしくは他の液体中の分散体のいずれかとして最終的に塗布される。水和剤用の代表的な担体は、フーラー土、カオリンクレー、シリカ、他の高吸収性の、容易に湿潤する無機の希釈剤を含む。水和剤は、通常担体の吸収性に従って約5〜80%の農薬を含むように調製され、また分散を促進するために少量の湿潤剤、分散剤または懸濁剤を普通含有する。例えば、有用な水和剤製剤は、80.0部の農薬化合物と、17.9部のクレーと、1.0部のリグノスルホン酸ナトリウムと、0.3部の湿潤剤としてのスルホン化脂肪族ポリエステルとを含有する。付加的な湿潤剤および/または油をタンク混合物にしばしば添加して、植物の葉上への分散を容易にする。
【0103】
水分散性顆粒(WDGまたはDG)は、水に分散して一次粒子の分散を得る被覆農薬の乾燥組成物である。農薬含有量は、10〜70%の範囲とし得る。ポリマーを分散剤(ポリアクリレート塩類およびリグノスルホン酸塩類)として、また顆粒を共に保持するための結合剤として用いる。乾燥生成物の有利な点は、加水分解に対する可能性がより低く、高い農薬含有量を達成することができることである。不利な点は、製粉、混合、押出および乾燥を含むより複雑な処理であることである。普通、賦形剤はこの製剤において固体である。
【0104】
本発明の農薬組成物用の他の有用な製剤は、サスポエマルション類、流動性製剤、および懸濁濃縮物を含む。
【0105】
流動性製剤は、液体担体、一般には水の中に懸濁させた被覆農薬の粒子からなる。流動性製剤は、一般に陰イオン性または非イオン性である湿潤剤および分散剤として少量の界面活性剤を含む場合があり、また一般に組成物の重量で5%〜95%、しばしば10%〜50%で農薬を含む。塗布のために、流動性製剤は、水または他の液体溶媒で希釈することができ、処理すべき領域に噴霧として通常塗布される。
【0106】
懸濁濃縮物(SC)は、被覆農薬の微粒子(例えば、2〜15ミクロン)の水分散液である。農薬含有量は、8%〜50%の範囲内にある。それらは、水に注ぎ、容易に分散可能であり、パッケージにおける沈降に対して安定とすべきである。キサンタンガムのようなポリマーを用いて、懸濁液の降伏応力を増加させることにより沈降を防ぐ。ポリアクリル酸塩類のようないくつかのポリマー分散剤を用いる。分散液を、ポリエチレングリコールでグラフト化したメタクリレート(Atlox)のようなポリマーの使用により軟凝集に対して安定化させることができる。エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体を用いて希釈後に若干の安定化を付与してもよい。
【0107】
サスポエマルション類(SE)は、水不混和性液体と、被覆農薬の微粒子(例えば、2〜15ミクロン)との水分散液である。農薬含有量は、8%〜50%の範囲内にある。それらは、水に注ぎ、容易に分散可能であり、パッケージにおける沈降に対して安定とすべきである。粒子を安定化すると共に液体を乳化するために、数種類の界面活性剤を含む。ポリアクリル酸塩類のような数種類のポリマー分散剤を用いる。SEは、SCのようにポリエチレングリコールでグラフト化したメタクリレート(Atlox)のようなポリマーの使用により軟凝集に対して安定化させることができる。エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体を用いて希釈後に若干の安定化を付与してもよい。
【0108】
有用な製剤は、比較的不揮発性の溶媒、すなわち水、コーンオイル、灯油、プロピレングリコールまたは他の適当な溶媒などにおける被覆農薬の懸濁液を含む。被覆農薬を比較的粗い粒子に担持させた顆粒状製剤が、空中散布用または被覆作物キャノピーの侵入用に特に有用である。加圧噴霧、代表的には低沸点の分散剤溶媒担体の蒸発の結果として被覆農薬を微粉形状で分散させるエアロゾルを用いてもよい。水分散性顆粒は、遊離状態で流動し、埃っぽくなく、容易に水に混和する。農家が田畑で使用するに際し、顆粒状製剤、サスポエマルション、流動性濃縮物、水性エマルション、溶液等を水で希釈して例えば0.2%から2%の範囲内の農薬の濃度を与えることができる。
【0109】
(害虫駆除の方法)
本発明の更なる態様は、ここに記載した農薬組成物の農薬的に有効な量を害虫の部位へ塗布することを備える害虫駆除方法を対象とする。かかる部位は、害虫が存在するかまたは存在しそうな部位とすることができる。
【0110】
本発明の組成物を適用するに際し、単独または他の農薬と共に製剤化するにしろ、活性化合物の有効量および濃度が用いられ;該量が例えば約0.001〜約3kg/ha、またはいくつかの実施形態では約0.03〜2kg/haの範囲で変動することができる。田畑使用に関し、農薬の喪失が生ずる場合、より高い塗布割合(例えば、上記割合の四倍)を用いてもよい。
【0111】
本発明の農薬組成物を、水希釈された噴霧若しくは粉末または顆粒のいずれかとして害虫の抑制が望まれる領域に塗布することができる。これら製剤は、最低で0.1質量%から多くて35質量%以上までの農薬を含有してよい。粉末は、本発明の農薬組成物と、タルク、天然クレー、珪藻土、クルミ殻および綿実粉などの粉、および農薬用の分散剤および担体として作用する他の有機および無機の固体のような微粉細した固体との遊離流動する混合物である。これらの微粉細した固体は、約50ミクロン未満の平均粒径を有する。ここで有用な典型的粉末製剤は、1.0部以下の農薬組成物および99.0部のタルクを含むものである。
【0112】
種々の塗布方法が、標的の害虫、例えば雑草、真菌または昆虫によって、また処理される農作物のタイプ応じた農薬製剤に対して使用される。農薬の塗布は、例えば被覆農薬を包含する溶液、エマルションまたは分散液を噴霧して全処理領域または標的の全体に渡って正確かつ均一な濃度を達成することによってなされてよい。通常、噴霧混合物中の農薬組成物を希釈するのに用いる水は、1エーカー当たり約5〜80ガロンになり、また活性成分の量は1エーカー当たり約20〜1000グラムの範囲とすることができる。
【0113】
農薬はまた、標的全体に渡って均一な分布を達成するのに機械を用いた顆粒製剤の広範な散布により塗布することができる。被覆農薬は、ステッカー(追加的な界面活性剤、ポリマー溶液またはラテックス)を用いて農薬を不活性な支持体に付着させることによって顆粒製剤に組み込ませてもよい。他の顆粒は、粉末被覆農薬を不活性な粉末成分、水、結合剤および分散剤とともに押出してその後に乾燥する顆粒を形成することによって調製される。予め形成した顆粒支持体をしばしば用いて液状農薬または農薬の溶液を吸収する。
【0114】
これらのタイプの製剤を通常用いて、農作物の出現前に農薬を土壌に送達する。標的は、土壌中の異なった深さに存在する雑草の種または昆虫とすることができる。本発明の組成物の製剤化および塗布に用いる二種類の水がある。第一は、塗布用に濃縮物を希釈するのに用いる水である。第二のタイプの水は、塗布後に被覆農薬と相互作用する水である。この水は、雨水または灌漑システムからの水のような環境水を含む。土壌中の農薬の移動は通常降雨に影響、制御される。一般に、塗布後の農薬組成物は、噴霧溶液に由来する水若しくは噴霧溶液または降雨由来の水に溶解または分散される。
【実施例】
【0115】
下記の実施例において、特記しない限り「%」は質量%(w/w)を指す。
「BPO(75%)」は、25%w/wの水を有する75%w/wのBPO(過酸化ベンゾイル)を指す。
「Ludox TM50(50%)」は、シリカナノ粒子(約20〜30nmの平均粒子直径)の水分散液(水中で50%w/w)を指す。Ludox TM50は、シグマ−アルドリッチ社(イスラエル)から得られた。
「Ludox AM−30」は、アルミン酸ナトリウムで安定化し、水中に分散したコロイド状シリカ(水中で30%w/w)を指す。Ludox AM−30は、シグマ−アルドリッチ社(イスラエル)から得られた。
「CTAC(29%)」は、29%w/wの塩化セチルトリメチルアンモニウムの水溶液を指す。
「PVA(10%)」は、10%w/wのポリビニルアルコールの水溶液を指す。
「ケイ酸ナトリウム(25%)」は、25%w/wのケイ酸ナトリウム水溶液を指す。
「GMIS」は、シャーケミカルズ(米国)から得たグリセリルモノイソステアリン酸塩を指す。
「硫酸アルミニウム溶液(50%)」または「硫酸アルミニウム(50%)」は、50%w/wの硫酸アルミニウム18水和物の水溶液を指す。
「PDAC7(5%)」は、5%w/wのポリクオタニウム7(塩化ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体)の水溶液を指す。
「CMC(10%)」は、10%w/wのカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩の水溶液を指す。
「アルミン酸ナトリウム(50%)」は、50%w/wのアルミン酸ナトリウムの水溶液を指す。
「ホウ酸ナトリウム(5%)」は、5%w/wのホウ酸ナトリウムの水溶液を指す。
「アルギン酸ナトリウム(5%)」は、5%w/wのアルギン酸ナトリウムの水溶液を指す。
「PVP K30(40%)」は、40%w/wのPVP K30(ポリビニルピロリドンK−30)の水溶液を指す。
【0116】
(実施例1) BPO(過酸化ベンゾイル)のカプセル化(DC−246中に分散させたBPO)
a)油相の調製:67.68gのBPO(75%)と、132.04gのDC246(シクロヘキサシロキサン、ダウコーニング社(米国))と、分散剤としての10.06gのSpan65と、45.6gのTEOS(テトラエトキシシラン)との混合物を、まず4000rpmの高剪断により2分間、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:6.06gのMyrj45(ポリオキシエチレン(8)ステアレート)と、2.68gのCTAC(29%)と、64.54gのPVA(10%)と、328.13gの水とを含む水相を調製した。
【0117】
油相(a)を6000rpmの剪断下2分間水相(b)に加えた。その後、49.93gのLudoxTM50(50%)および5mlのケイ酸ナトリウム(25%)を加え、次いでpHを3に調節した。混合物を反応容器に移し20時間撹拌した。
【0118】
(実施例2) BPOのカプセル化(PC−350中に分散させたBPO)
a)油相の調製:67.49gのBPO(75%)と、130.92gのDC−350(ポリジメチルシロキサン、ダウコーニング社(米国)から購入)と、分散剤としての10.16gのセチルアルコールと、45.42gのTEOSとの混合物を、まず4000rpmの高剪断により2分間、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:5.69のMyrj45(ポリオキシエチレン(8)ステアレート)と、2.25gのCTAC(29%)と、65.05gのPVA(10%)と、327.24gの水とを含む水相を調製した。
【0119】
二つの相を50℃で予熱し、その後油相(a)を5000rpmの剪断下2分間水相(b)に加えた。その後、50.09gのLudoxTM50(50%)を加えると、溶液が粘稠になった。次いで、5mlのケイ酸ナトリウム(25%)を水で100.09gにまで希釈し、生成した溶液を5000rpmの剪断下1分間粘稠混合物に加えた。pHを3に調節し、その後混合物を反応容器に移し、20時間撹拌した。
【0120】
(実施例3) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:68.64gのBPO(75%)と、129.58gのスクアラン(レイクオイル社(スペイン)から購入)と、分散剤としての5.08gのGMISと、89.85gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下2分間、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:1.18gのCTAC(29%)と、65.10gのPVA(10%)と、329.93gの水とを含む水相を調製した。
【0121】
油相(a)を5000rpmの剪断下30秒間水相(b)に加えた。その後、49.64gのLudoxTM50(50%)を加え、更に30秒間剪断を続けた。次いで、20.72gの硫酸アルミニウム溶液(50%)を加えると、得られたpHは3であった。混合物を40℃で予熱した反応容器に移し、そして混合物を118rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0122】
(実施例4) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:80.63gのBPO(75%)と、108.15gのスクアラン(レイクオイル社(スペイン)から購入)と、分散剤としての5.71gのGMISと、27.97gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1分間、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:1.02gのCTAC(29%)と、60.27gのPVA(10%)と、290.09gの水とを含む水相を調製した。
【0123】
油相(a)を5000rpmの剪断下30秒間水相(b)に加えた。その後、30.58gのLudoxTM50(50%)を加え、更に30秒剪断を続けた。その後、20.09gの硫酸アルミニウム溶液(50%)を剪断下30秒間加えると、得られたpHは3.2であった。混合物を40℃で予熱した反応容器に移し、そして混合物を100rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0124】
(実施例5) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:53.19gのBPO(75%)と、75.21gのスクアランと、分散剤としての5.12gのGMISと、80.68gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1分間、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:4.16gのCTAC(29%)、6.5gのPVA(10%)および280.45gの水を含む水相を調製した。
【0125】
油相(a)を5000rpmの剪断下30秒間水相(b)に加えた。その後、90.11gのLudoxTM50(50%)を加え、更に30秒剪断を続けた。その後、15.19gの水に溶解した9.96gの硫酸アルミニウムを加え、生成した混合物を6100rpmで1分間粉砕した。次いで、混合物を38.8℃で予熱した反応容器に移し、118rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、そして撹拌を20時間続けた。
【0126】
(実施例6) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:106.35gのBPO(75%)と、88.09gのスクアランと、分散剤としての4.91gのGMISと、41.05gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1分間破砕した。濃い混合物が得られ、マイクロフルイダイザーにより破砕することができなかった。
b)水相の調製:1.31gのCTAC(29%)と、6.3gのPVA(10%)と、283.1gの水とを含む水相を調製した。
【0127】
油相(a)を5000rpmの剪断下30秒間水相(b)に加えた。その後、60.66gのLudoxTM50(50%)を加え、更に30秒間剪断を続けた。その後、50.18gの硫酸アルミニウム(50%)を加え、生成した混合物を6000rpmで1分間粉砕した。次いで、混合物を41.8℃で予熱した反応容器に移し、100rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0128】
(実施例7) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:106.24gのBPO(75%)と、61.12gのスクアランと、分散剤としての5.65gのセチルアルコールと、60.49gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1.5分間破砕した。濃い混合物が得られ、マイクロフルイダイザーにより破砕することができなかった。
b)水相の調製:1.09gのCTAC(29%)と、61.52gのPVA(10%)と、269.45gの水とを含む水相を調製した。
【0129】
油相(a)を5000rpmの剪断下30秒間水相(b)に加えた。その後、59.87gのLudoxTM50(50%)を加え、更に1分間剪断を続けた。その後、21.87gの硫酸アルミニウム(50%)を加え、生成した混合物を6000rpmで1分間粉砕した。次いで、混合物を40℃で予熱した反応容器に移し、4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0130】
(実施例8) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:105.28gのBPO(75%)と、130.13gのスクアランと、5.48gのSpan20と、32.51gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1分間破砕した。濃い混合物が得られ、マイクロフルイダイザーにより破砕することができなかった。
b)水相の調製:4.31gのCTAC(29%)と、6.5gのPVA(10%)と、279.8gの水とを含む水相を調製した。
【0131】
油相(a)を4000rpmの剪断下水相(b)に加え、その後90.41gのLudoxTM50(50%)を加え、1分間剪断を続けた。その後、20.88gの硫酸アルミニウム(50%)を加え、生成した混合物を5000rpmで1分間粉砕した。次いで、混合物を39.2℃で予熱した反応容器に移し、103rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を60時間続けた。
【0132】
(実施例9) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:80.25gのBPO(75%)と、107.04gのスクアランと、5.01gのセチルアルコールと、30.40gのTEOSとの混合物を、まず10000rpmの高剪断下1分間破砕した。濃い混合物が得られ、マイクロフルイダイザーにより破砕することができなかった。
b)水相の調製:4.33gのCTAC(29%)と、6.16gのPVA(10%)と、279.59gの水とを含む水相を調製した。
【0133】
油相(a)を4000rpmの剪断下水相(b)に加え、その後59.43gのLudoxTM50(50%)を加え、そして生成した混合物が非常に濃かったため、該混合物を8000rpmで1分間均質化した。その後、49.45gの硫酸アルミニウム(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmで30秒間粉砕した。次いで、混合物を41.2℃で予熱した反応容器に移し、103rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0134】
(実施例10) BPOのカプセル化(スクアラン中に分散させたBPO)
a)油相の調製:80.2gのBPO(75%)と、93.5gのスクアラン(レイクオイル社(スペイン)から購入)と、5.38gのSpan20と、42.07gのTEOSとの混合物を、まず10000の高剪断下1分間破砕し、その後マイクロフルイダイザーにより15分間破砕した。
b)水相の調製:4.05gのCTAC(29%)と、61.51gのPVA(10%)と、257.74gの水とを含む水相を調製した。
【0135】
油相(a)を4000rpmの剪断下水相(b)に加え、その後61.42gのLudoxTM50(50%)を加え、その後5000rpmで1分間剪断した。その後、21.1gの硫酸アルミニウム(50%)を加え、生成した混合物を5000rpmで1分間粉砕した。次いで、混合物を41.2℃で予熱した反応容器に移し、103rpmで4時間撹拌した。その後、温度を室温まで下げ、撹拌を20時間続けた。
【0136】
実施例11〜21は、本方法における変更を有する活性成分のカプセル化に関する。本手法は、あらゆる液体の活性成分、若しくは疎水性液体中に溶解または分散され得る活性成分、または融解し、低温(30〜60℃)で液体となり得る固体の活性成分に対して適している。
【0137】
(実施例11) 一般的なAI(活性成分)のカプセル化用の手順1
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後150gの油相(AIおよびゾル−ゲル前駆体、例えばTEOS、TMOSを含む)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)の添加によって5に調節し、その後50gのPVA(10%)および5gのケイ酸ナトリウム(25%)を加え、その後混合物のpHを4に調節した。次いで、混合物を20時間撹拌した。
【0138】
(実施例12) 一般的なAIのカプセル化用の手順2
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後150gの油相(AIおよびゾル−ゲル前駆体、例えばTEOS、TMOSを含む)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)の添加によって5に調節し、その後50gのPVA(10%)および5gのケイ酸ナトリウム(25%)を加え、その後混合物のpHを4に調節した。次いで、混合物を20時間撹拌した。その後、ゼータ電位が+20mvとなるまで40gのPDAC7(5%)を加えた。その後、CMC(10%)(25g)の溶液を、負のゼータ電位(−20mv)が得られるまで徐々に加えた。添加の間、混合物を7000rpmの破砕下で保持した。
【0139】
(実施例13) 一般的なAIのカプセル化用の手順3
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後150gの油相(AIおよびゾル−ゲル前駆体、例えばTEOS、TMOSを含む)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)の添加によって5に調節し、その後50gのPVA(10%)および10gのアルミン酸ナトリウム(50%)を加え、その後混合物のpHを4に調節した。次いで、混合物を20時間撹拌した。
【0140】
(実施例14) 一般的なAIのカプセル化用の手順4
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後150gの油相(AIおよびゾル−ゲル前駆体、例えばTEOS、TMOSを含む)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって5に調節し、その後50gのPVA(10%)および50gのホウ酸ナトリウム(5%)を加え、その後混合物のpHを4に調節した。次いで、混合物を20時間撹拌した。
【0141】
(実施例15) 一般的なAIのカプセル化用の手順5
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)および20gのジメチルジメトキシシランを加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって3に調節し、その後混合物を20時間撹拌した。
【0142】
(実施例16) 一般的なAIのカプセル化用の手順6
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)および20gのジメチルジメトキシシランを加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。その後、25gの硫酸アルミニウム(50%)および50gのPVA(10%)を加え、生成した混合物を24時間撹拌した。
【0143】
(実施例17) 一般的なAIのカプセル化用の手順7
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)および20gのAl(OPr)Prはイソプロピル基を意味する)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって3に調節し、その後混合物を20時間撹拌した。
【0144】
(実施例18) 一般的なAIのカプセル化用の手順8
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)および20gのTi(OPr)Pr=イソプロピル基)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物をより8000rpmの高剪断機に1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって3に調節し、その後混合物を20時間撹拌した。
【0145】
(実施例19) 一般的なAIのカプセル化用の手順9
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)、20gのTEOSおよび5gのジメチルジメトキシシランを加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって3に調節し、その後混合物を20時間撹拌した。
【0146】
(実施例20) 一般的なAIのカプセル化用の手順10
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後130gの油相(AIを含む)および20gのTEOSを6000rpmで1分間の破砕下加えた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって5に調節し、その後50gのPVA(10%)および10gの塩化カルシウムを加え、その後混合物のpHを4に調節した。次いで、混合物を20時間撹拌した。
【0147】
(実施例21) 一般的なAIのカプセル化用の手順11
水で150gまで希釈した8.6gのCTAC(29%)を含む水相を、6000rpmの高剪断機により破砕し、その後150gの油相(AIおよびゾル−ゲル前駆体、例えばTEOS、TMOSを含む)を加え、破砕を1分間続けた。その後、50gのLudoxTM50(50%)を加え、生成した混合物を8000rpmの高剪断機により1分間破砕した。混合物のpHを、HCl(5N)を加えることによって5に調節した。その後、40gのPDAC7(5%)を、ゼータ電位が+20mvになるまで加えた。その後、アルギン酸ナトリウム(5%)(35g)の溶液を、負のゼータ電位(−20mv)が得られるまで徐々に加えた。添加の間、混合物を7000rpmの破砕下で保持した。その後、5gの塩化カルシウムを加え、生成した混合物を2時間撹拌した。
【0148】
実施例22〜24は、ATRA(オールトランスレチノイン酸)の油分散カプセル化に関する。
【0149】
(実施例22) スクアラン油およびトレチノインを含む油相を用いたカプセル化
a)油相の調製:10gのトレチノイン、4gのBHT(ブチルヒドロキシトルエン)(トレチノイン重量の40%)、100gのスクアラン油および2gのGMISを、室温での撹拌下混合した。その後、混合物を12000rpmの高剪断ホモジナイザーにより2分間破砕して、約30ミクロンの粒径を得た。生成した懸濁液を、マイクロフルイダイザーで30分間破砕して、3〜7ミクロンの粒径を得た。49.7gのTEOS(TEOS/油の重量比30/70)を撹拌下懸濁液に加えた。
b)水相の調製:285.5gのTDW(三度蒸留された水)、水中で(29%)w/wとした1gのCTAC(塩化セチルトリメチルアンモニウム)、および100gの10%PVAを撹拌下混合する。油相/水相(OP/WP)の重量比を30/70とした。
【0150】
エマルションを4000rpmで1分間調製した。乳化直後、20gのLudoxAMを加え、3500rpmで30秒間混合した。その後、30gの硫酸アルミニウムを加え、3000rpmで2分間混合した。反応混合物を撹拌下40℃で4時間(熟成)保持した。
【0151】
任意選択的に、カプセルをポリマーで以下のように被覆した。エマルションに110gの5%PDAC−7を3500〜4000rpmで加え、ゼータ電位を+3mVとした。その後、120gの5%のCMCを3500〜4000rpmで加え、ゼータ電位を−2mVとした。
【0152】
カプセルのポリマーでの被覆は、カプセルを増強し、いくつかの実施形態においてPDAC−7に関して+3mVから+5mVのゼータ電位の制限範囲内、CMCに関して−3mVから−5mVのゼータ電位の制限範囲内とすべきである。
【0153】
(実施例23) ヒマシ油およびトレチノインを含む油相を用いたカプセル化
a)油相の調製:10gのトレチノイン、4gのBHT、100gのヒマシ油および2gのGMISを混合し、40℃で撹拌した。49.7gのTEOS(TEOS/油の重量比30/70)を加えた。その後、混合物を12000rpmの高剪断ホモジナイザーにより2分間破砕して、約30ミクロンの粒径を得た。生成した懸濁液をマイクロフルイダイザーで30分間破砕した。
b)水相の調製:285.5gの三度蒸留された水、1gのCTAC(29%)および40gのPVA(10%)を攪拌下混合し、40℃に加熱した。油相/水相(OP/WP)の重量比を30/70とした。
【0154】
エマルションを5000rpmで1分間調製した。乳化直後、60gのLudoxAM−30を3500〜4000rpmで加えた。その後、150gの硫酸アルミニウム溶液(50%)を加えた。反応混合物を撹拌下40℃で4時間保持した。
【0155】
任意選択的に、カプセルをポリマーで以下のように被覆した。エマルションに105gの5%PDAC−7を4000rpmで加え、ゼータ電位を+3.5とした。その後、275gの10%CMCを4000rpmで加え、ゼータ電位を−1.5mVとした。
【0156】
カプセルのポリマーでの被覆は、PDAC−7に関して+3mVから+5mVのゼータ電位の制限範囲内、CMCに関して−3mVから−5mVのゼータ電位の制限範囲内とすべきである。
【0157】
(実施例24) シクロメチコンDC−246油およびトレチノインを含む油相を用いたカプセル化
DC246中に分散したトレチノイン結晶をDyno−mill MutiLab KD(0.3L)において27℃で10分間破砕した。トレチノイン粒子がd(0.9)<3ミクロンで得られ(マイクロフルイダイザーで破砕したものよりも小さい)、従ってエマルション滴中へのトレチノイン結晶の包含を容易にした。破砕は、分散剤の添加なしに首尾よく進行した。
【0158】
油相の調製:50gのTEOSを、10gのトレチノイン、4gのBHTおよび100gのDC246を含有する114gの破砕材料に加え、混合物を撹拌した。
【0159】
水相の調製:285.6gの三度蒸留された水、5gのCTAC(29%)および80gのPVAを混合した。
【0160】
エマルションを、油相を5000rpmで1分間水相に加えることにより調製した。乳化直後、50gのLudoxAM−30を加え、4000rpmで1分間混合した。その後、47gの硫酸アルミニウム溶液(50%)を加え、4000rpmで1分間混合した。
【0161】
エマルションに85gのPDAC−7(5%)を4000rpmで加え、ゼータ電位を+5.8mVとした。その後、254gのCMC(10%)を4000rpmで加え、ゼータ電位を−4.5mVとした。
【0162】
カプセルのポリマーでの被覆は、PDAC−7に関して+3mVから+5mVのゼータ電位の制限範囲内、CMCに関して−3mVから−5mVのゼータ電位の制限範囲内とすべきである。
【0163】
(実施例25) カルボスルファンのカプセル化
75gの水(脱イオン水)および水の25gのAgrimer AL−10LC(1−ブテンビニルピロリドンポリマー、インターナショナルスペシャルティプロダクツ社(ISP)、米国)の5%水溶液を、1000mLのブレンダー(ワーリング社、速度可変)に入れた。別容器中で6gのテトラエトキシシラン(アルドリッチ社、米国)と均一に混合した70gのカルボスルファン(88.8%、FMC社、米国)を加えた。二つの相を混ぜ合わせ、混合物を9000rpmで2分間混合した。20gのLudoxTM−50(コロイド状シリカ懸濁液、50%水、アルドリッチ社、米国)を加え、8000rpmで40秒間均質化した。30gのLudoxTMA(コロイド状シリカ懸濁液、34%水、アルドリッチ社、米国)を加え、更に8000rpmで40秒間均質化した。粒径は、Horiba LA910粒度分布測定装置(D90<10μm)を用いて決定した。
【0164】
分散液を、パドル型テフロン(登録商標)攪拌機用羽根を備えたジャケット付反応容器に注入し、室温で穏やかに撹拌した。pHを6NのHClを用いてpH3.0に調節した。反応容器を窒素の穏やかな流入によりパージして生成したメタノールを除去し、撹拌を24時間続けた。懸濁液のpHを、飽和NaHCO(約5g)の添加によって7.5に調節した。懸濁液(21.3の重量%アッセイ)を瓶詰めし、保存した。
【0165】
(実施例26) メトラクロールのTMOSでのカプセル化
90gの5%NaSO溶液(ジェイ・ティー・ベーカー社、米国)および22gのAgrimer DA102W(2%水溶液、ISP(インターナショナルスペシャルティプロダクツ社、ISP、米国))を、1000mLのブレンダー(ワーリング社、速度可変)に入れた。52.0gの98.8%メトラクロール(アガン・ケミカル・マニュファクチャラーズ社、イスラエル)を別の容器中で6.0gのaromatic200(エクソンモービル社、米国)、5.2gのテトラメトキシシラン(アルドリッチ社、米国)および1.0gのエポキシ化大豆油と均質に混合し、これを加えた。二つの相を混ぜ合わせ、混合物を9000rpmで2分間混合した。20gのLudoxTMA(コロイド状シリカ懸濁液、50%水、アルドリッチ社、米国)を加え、9000rpmで40秒間均質化した。20gのLudoxTMA(コロイド状シリカ懸濁液、34%水、アルドリッチ社、米国)を加え、更に8000rpmで40秒間均質化した。粒径は、Horiba LA910粒度分布測定装置(D90<10μm)を用いて決定した。
【0166】
分散液を、パドル型テフロン(登録商標)攪拌機用羽根を備えたジャケット付反応容器に注入し、室温で穏やかに撹拌した。pHを6NのHClを用いてpH2.0に調節した。反応容器を窒素の穏やかな流入によりパージして、生成したMeOHを除去し、撹拌を24時間続けた。懸濁液のpHを、飽和NaHCO(約1g)の添加によって4.1に調節した。40gの水および10gのPVP K30(40%)を加え、混合物を3500rpmで3分間剪断した。カプセル化した22重量%のメトラクロールを瓶詰めした。
【0167】
(実施例27) クロマゾンのカプセル化
ステンレス鋼ビーカー中で150mlの水(脱イオン水)を25gのAgrimer AL−10LC(5%水溶液)と混合した。20gのLudoxTM50(50%)を混合しながら加えた。溶液を1NのHClを用いてpH7に中和した。
【0168】
別の容器中で120gのクロマゾン(91%アッセイ)を30gのテトラメトキシシラン(純度99%、TMOS)と均質な溶液が得られるまで混合した。
【0169】
シルバーソンL4Rホモジェナイザーを用いて水溶液を混合しながら、クロマゾン/TMOS溶液を加え、混合物を5000rpmで1分間均質化した。生成したエマルションを、プロペラ撹拌器を備えたジャケット付樹脂フラスコへ移し、2gの硫酸アルミニウム(50mlの水中に(Al(SO18水和物)を撹拌中のスラリーに少量ずつ加えた。
【0170】
サンプルを30℃で、250rpmで終夜撹拌した。
【0171】
本発明は、その好適な実施例を参照して示され記載されるが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、多くの代替、変更および変動がなされ得ることは、当業者により理解されるであろう。従って、添付する請求項の精神および広範な範囲の中にある、かかる代替、変更および変動の全てを包含することを目的とする。
【0172】
個々の公報、特許および特許出願が、特に個々に本明細書中に参考として援用されることを示された場合と同程度に、本明細書中で言及されたあらゆる公報、特許および特許出願を、それら全てを本明細書中に参考として援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物シェルによりカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルを製造するに当たり、
(a)コア物質を含む油相の水相中での乳化によって水中油型エマルションを調製し、ここで油相および水相の一方または両方がゾル−ゲル前駆体を含むステップと;
(b)金属酸化物ナノ粒子を前記水相に前記ステップ(a)の前、中、後のいずれかで含めるステップと;
(c)マイクロカプセルを得るための条件を適用するステップとを備えるマイクロカプセルの製造方法。
【請求項2】
前記コア物質が薬学的、美容的または農薬の活性成分を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア物質が皮膚科学的な活性薬剤を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記皮膚科学的な活性薬剤が抗真菌薬、抗菌薬、抗炎症性薬、鎮痒薬、乾癬治療薬、抗にきび薬、抗酒さ薬および上記のいずれかの組合せから選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記抗にきび薬が過酸化ベンゾイル、レチノイドおよびその混合物から選択される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記農薬の活性成分が農薬である請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記金属酸化物がシリカ、チタニア、ジルコニア、ZnOおよびその混合物から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属酸化物ナノ粒子が1〜100ナノメートルの範囲内の粒子直径(d50)を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コア物質に対する前記金属酸化物ナノ粒子の重量比が1:99から3:2の範囲内にある請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ゾル−ゲル前駆体から生成した金属酸化物と前記金属酸化物ナノ粒子とのモル比が1:99から1:1の範囲内にある請求項1に記載の方法。
【請求項11】
金属酸化物の塩を前記水相に前記ステップ(a)の前、中、後のいずれかで加えることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記金属酸化物の塩がケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ジルコン酸ナトリウム、ジルコン酸カリウムおよびその混合物から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項13】
高分子剤、二価または三価の金属塩、多価電解質およびその混合物から選択した結合または架橋添加剤を前記水相に前記ステップ(a)の前、中、後のいずれかで加えるステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記高分子剤がアルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびその混合物から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記二価または三価の金属塩が硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウムおよびその混合物から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記多価電解質がポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−1、ポリクオタニウム−10、キトサン、ポリリジンおよびその混合物からなる群から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記油相がゾル−ゲル前駆体を含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ゾル−ゲル前駆体が金属アルコキシドモノマー、半金属アルコキシドモノマー、金属エステルモノマー、半金属エステルモノマー、化学式M(R)(P)(ここでMは金属または半金属元素、Rは加水分解性置換基、nは2から6の整数、Pは非重合性置換基、およびmは0から6の整数)のモノマー、上記いずれかの部分的に加水分解されたポリマーおよび部分的に濃縮されたポリマー、および上記いずれかの混合物から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記金属または半金属元素がSi,Ti,Zr,AlおよびZnから選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ゾル−ゲル前駆体がシリコンアルコキシドモノマー、シリコンエステルモノマー、化学式Si(R)(P),(ここでRは加水分解性置換基、nは2から4の整数、Pは非重合性置換基、およびmは0から4の整数)のモノマー、上記いずれかの部分的に加水分解されたポリマーおよび部分的に濃縮されたポリマー、および上記いずれかの混合物から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記シリコンアルコキシドモノマーがテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびその混合物から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記化学式Si(R)(P)のモノマーがメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびその混合物から選択される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記水相のpHが2〜9の範囲内にある請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記水相のpHが2〜7の範囲内にある請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記条件が遠心分離、濾過、蒸発、水性媒質への再懸濁および透析による分離の少なくとも一つから選択した処置によりマイクロカプセルを単離するステップを含む前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記条件が2〜9の範囲内のpHを含む前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記条件が撹拌を含む前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記条件が、得られたマイクロカプセルを浮遊状態で乾燥することを備える前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記得られた生成物が前記マイクロカプセルの懸濁液である請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記得られた生成物が前記マイクロカプセルの粉末である請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記請求項のいずれか一項に記載の方法により得られるマイクロカプセル。
【請求項32】
金属酸化物シェルによってカプセル化されたコア物質を含むマイクロカプセルであって、前記コア物質が(i)液体または(ii)液体中の分散体であり;前記金属酸化物シェルの厚さが0.1〜10ミクロンの範囲にあり;前記シェルが(a)金属酸化物ナノ粒子および(b)加水分解され、そして重合されたゾル−ゲル前駆体から得られるマイクロカプセル。
【請求項33】
前記コア物質が薬学的、美容的または農薬の活性成分を含む請求項31または32に記載のマイクロカプセル。
【請求項34】
前記コア物質が皮膚科学的な活性薬剤を含む請求項31または32に記載のマイクロカプセル。
【請求項35】
前記皮膚科学的な活性薬剤が抗真菌薬、抗菌薬、抗炎症性薬、鎮痒薬、乾癬治療薬、抗にきび薬、抗酒さ薬および上記のいずれかの組合せから選択される請求項34に記載のマイクロカプセル。
【請求項36】
前記抗にきび薬が過酸化ベンゾイル、レチノイドおよびその混合物から選択される請求項35に記載のマイクロカプセル。
【請求項37】
請求項31または32に記載のマイクロカプセル、担体とを含む組成物。
【請求項38】
請求項37に記載の組成物を表面に局所的に投与することを備え、ここでコア物質が局所的に作用する活性薬剤を含む被検体の表面疾患を治療する方法。
【請求項39】
前記表面が皮膚または粘膜である請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記表面疾患がにきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択される皮膚疾病または障害である請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記コア物質が、にきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択される疾患または障害の治療用の局所的に作用する活性薬剤を含む請求項31または32に記載のマイクロカプセルを含む組成物。
【請求項42】
前記コア物質が、皮膚または粘膜への局所投与のための薬剤調製用の局所的に作用する活性薬剤を含む請求項31または32に記載のマイクロカプセルの使用。
【請求項43】
前記局所投与がにきび、感染、炎症、かゆみ、乾癬、脂漏、接触皮膚炎、酒さおよびその組合せから選択される疾患または障害の治療用である請求項42に記載の使用。
【請求項44】
前記コア物質が農薬を含む請求項31または32に記載のマイクロカプセルを含む害虫駆除用の組成物。
【請求項45】
農作物保護または非農作物の害虫駆除用である請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記農薬が除草剤、殺虫剤、殺菌剤およびその混合物から選択される請求項44に記載の組成物。

【公表番号】特表2011−529392(P2011−529392A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520654(P2011−520654)
【出願日】平成21年8月2日(2009.8.2)
【国際出願番号】PCT/IL2009/000751
【国際公開番号】WO2010/013250
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511026050)ゾル−ゲル テクノロジー リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SOL−GEL TECHNOLOGIES LTD.
【Fターム(参考)】