説明

液晶表示装置及び電子機器

【課題】リフレッシュレートを低減した際に、静止画を表示する際の画像の劣化を抑制する。
【解決手段】駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードまたは(ノーマリーブラックモード)の液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号及び静止画を表示するための画像信号が供給されており、静止画を表示するための画像信号に応じた画像において黒(または白)を表示する際の液晶に印加する電圧の絶対値は、動画を表示するための画像信号に応じた画像において黒(または白)を表示する際の液晶に印加する電圧の絶対値より大きい液晶表示装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。または、液晶表示装置の駆動方法に関する。または、液晶表示装置を具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで、普及が進んでいる。今後は、より付加価値の高い製品が求められており開発が進められている。近年では、地球環境への関心の高まり、及びモバイル機器の利便性向上の点から、低消費電力型の液晶表示装置の開発が注目されている。
【0003】
非特許文献1では、液晶表示装置の低消費電力化を図るために、動画表示と静止画表示の際のリフレッシュレートを異ならせる構成について開示している。そして静止画表示の際の、休止期間と走査期間の信号切り替えに伴ってドレイン−コモン電圧の変動を伴い、フリッカが知覚されてしまうのを防ぐために、休止期間中にも信号線とコモン電極とに同位相の交流信号を印加してドレイン−コモン電圧の変動を防ぐ構成について開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Kazuhiko Tsuda et al.,IDW’02,pp295−298
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1のように、静止画を表示する際のリフレッシュレートを小さくすることで低消費電力化を図ることができる。しかしながら、画素トランジスタのオフ電流、及び/または液晶からの電流のリークにより画素電極の電位が変化するため、画素電極とコモン電極との間の電圧が一定に保持できないことがある。その結果、液晶に印加される電圧が変化することにより、所望の階調が得られず表示する画質が劣化してしまう問題がある。
【0006】
多階調の表示を行う際には階調の変化が生じやすいため、階調が変化しない程度にリフレッシュレートを保つ必要がある。その結果、リフレッシュレートを小さくすることによる液晶表示装置の低消費電力化を十分に図ることができないといった問題がある。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、リフレッシュレートを低減して静止画を表示する際の、階調が変化することによる画質の劣化を抑制することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号及び静止画を表示するための画像信号が供給されており、静止画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、動画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値より大きい液晶表示装置である。
【0009】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号及び静止画を表示するための画像信号が供給されており、静止画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、動画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値より大きい液晶表示装置である。
【0010】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、静止画を表示するための画像信号が供給されており、タイミングコントローラにより、画像信号の階調数が小さいほど、表示部において画像信号に応じた画像で黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値を大きくする液晶表示装置である。
【0011】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、静止画を表示するための画像信号が供給されており、タイミングコントローラにより、画像信号の階調数が小さいほど、表示部において画像信号に応じた画像で白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値を大きくする液晶表示装置である。
【0012】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、静止画を表示するための第1の階調数の第1の画像信号及び第2の階調数の第2の画像信号が供給されており、タイミングコントローラにより、表示部において第1の画像信号に応じた画像で黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、第1の階調数より小さい第2の階調数の第2の画像信号に応じた画像で黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値より小さくする液晶表示装置である。
【0013】
本発明の一態様は、駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、タイミングコントローラには、静止画を表示するための第1の階調数の第1の画像信号及び第2の階調数の第2の画像信号が供給されており、タイミングコントローラにより、表示部において第1の画像信号に応じた画像で白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、第1の階調数より小さい第2の階調数の第2の画像信号に応じた画像で白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値より小さくする液晶表示装置である。
【0014】
本発明の一態様において、タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号が供給されており、静止画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、動画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際の液晶に印加する電圧の絶対値より大きい液晶表示装置でもよい。
【0015】
本発明の一態様において、タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号が供給されており、静止画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶に印加する電圧の絶対値は、動画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際の液晶に印加する電圧の絶対値より大きい液晶表示装置でもよい。
【0016】
本発明の一態様において、タイミングコントローラは、画像信号の階調数を判定するための分析部と、電圧の絶対値を切り替えるためのスイッチを有するパネルコントローラと、分析部からの信号を元にスイッチのオン又はオフを制御するための画像信号補正制御部と、を有する液晶表示装置でもよい。
【0017】
本発明の一態様において、表示部の各画素は、画像信号の書き込みを制御するためのトランジスタを有し、トランジスタの半導体層は酸化物半導体を含む液晶表示装置でもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様により、リフレッシュレートを低減して静止画を表示する際の、階調が変化することによる画質の劣化を小さくすることができる。また、静止画を表示する際にリフレッシュレートを小さくすることで、低消費電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図2】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図3】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図4】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図5】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図6】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図7】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図8】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図9】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図10】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図11】本発明の一態様のトランジスタを説明するための図。
【図12】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図13】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図14】本発明の一態様の液晶表示装置を説明するための図。
【図15】本発明の一態様の電子機器を説明するための図。
【図16】本発明の一態様の電子機器を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0021】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形、又は領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0022】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、液晶表示装置について説明するための概念図、液晶表示装置のブロック図、及び液晶素子の透過率と印加する電圧の関係図について示し、説明する。
【0024】
まず図1(A)乃至(C)では、液晶表示装置について説明するための概念図、及び液晶表示装置の簡単なブロック図を示し、本明細書に係る液晶表示装置について説明する。
【0025】
図1(A)で示す液晶表示装置100は、タイミングコントローラ101(タイミング制御回路ともいう)、駆動回路102、表示部103を有する。タイミングコントローラ101には、外部より画像信号Dataが供給される。
【0026】
図1(A)で示すタイミングコントローラ101は、画像信号Dataの階調数(画像信号Dataにより表示される画像の階調数のことをいう)に応じて液晶素子に印加する電圧の絶対値を変換するための機能を有する。より具体的には、液晶がノーマリーホワイトモードの場合には表示部103において画像信号に応じた画像で黒を表示する際のノーマリーホワイトモードの液晶を含む液晶素子に印加する電圧の絶対値を大きくする機能、または液晶がノーマリーブラックモードの場合には表示部103において画像信号に応じた画像で白を表示する際のノーマリーブラックモードの液晶を含む液晶素子に印加する電圧の絶対値を大きくする機能を有する。
【0027】
図1(A)で示す駆動回路102は、ゲート線駆動回路(走査線駆動回路ともいう)、ソース線駆動回路(信号線駆動回路ともいう)を有する。ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路は、複数の画素を有する表示部103を駆動するための駆動回路であり、シフトレジスタ回路(シフトレジスタともいう)又はデコーダ回路を有する。なお、ゲート線駆動回路、及びソース線駆動回路は、表示部103と同じ基板に形成されるものでもよいし、別の基板に形成されるものであってもよい。
【0028】
図1(A)で示す表示部103は、複数の画素と、複数の画素を走査して選択するためのゲート線(走査線ともいう)と、複数の画素に画像信号を供給するためのソース線(信号線ともいう)とを有する。ゲート線はゲート線駆動回路によって制御され、ソース線はソース線駆動回路によって制御される。画素はスイッチング素子としてトランジスタ、容量素子、及び液晶素子を有する。なお液晶素子は、画素電極(第1の電極)と対向電極(第2の電極)との間に、液晶が挟持された構造である。本明細書では、画素電極、対向電極、及び液晶を併せて液晶素子と呼ぶものである。
【0029】
本実施の形態で示す液晶表示装置100は、図1(B)に示すように動画表示期間104、及び静止画表示期間105を有する。なお本実施の形態で述べる構成では、特に静止画表示期間105での各フレーム期間における画像信号の書き込み期間、及び保持期間について説明するものである。
【0030】
なお動画表示期間104は、1フレーム期間の周期(またはフレーム周波数)が、1/60秒以下(60Hz以上)であることが望ましい。フレーム周波数を高くすることで、画像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないようにすることができる。また静止画表示期間105は、1フレーム期間の周期を極端に長く、例えば1分以上(0.017Hz以下)とすることが望ましい。フレーム周波数を低くすることで、複数回にわたって同じ画像を切り替える場合と比較して眼の疲労を低減するといったことも可能である。なお、フレーム周波数はリフレッシュレートのことであり、1秒間あたりの画面表示の繰り返しの回数のことである。
【0031】
なお動画表示期間104と静止画表示期間105との切り替えは、外部から切り替えるための信号を供給する構成でもよいし、画像信号Dataをもとに動画表示期間104または静止画表示期間105を判定する構成としてもよい。なお動画表示期間104と静止画表示期間105との切り替えを判定することにより切り替える場合には、図1(A)で示すタイミングコントローラ101によって、表示部103の各画素に書き込まれる画像信号が前の期間に書き込んだ画像信号と異なる画像信号である場合に逐次画像信号を書き込んで動画を表示させる動画表示期間と、表示部103の各画素に書き込まれる画像信号が前の期間に書き込んだ画像信号と同じ場合に当該画像信号の書き込みを停止し書き込まれた当該画像信号を各画素において保持して静止画を表示する静止画表示期間と、を切り替える構成とすればよい。リフレッシュレートを小さくすることは、1フレーム期間の長さを長くすることに相当する。
【0032】
次いで図1(A)で示すタイミングコントローラ101の動作について説明するため、具体的な画像信号Dataとして複数の画像信号、ここでは第1の画像信号及び第2の画像信号を示し、図1(C)に示す概念図にて説明する。なお図1(C)において、第1の画像信号は第1の階調数(具体的にはM階調:Mは3以上の自然数)の画像信号であり期間T1にわたって表示が行われる様子を示し、第2の画像信号は第2の階調数(具体的にはN階調:Nは2以上の自然数)の画像信号であり期間T2にわたって表示が行われる様子を示す。なお第1の階調数Mは第2の階調数Nより大きい、すなわち第1の画像信号は第2の画像信号より多くの階調により画像を表示するものである。図1(C)での期間T1において示す1フレーム期間となる期間106は第1の画像信号による1フレーム期間について表したものである。図1(C)での期間T2において示す1フレーム期間となる期間107は第2の画像信号による1フレーム期間について表したものである。なお第1の階調数Mは、第2の階調数Nより大きい(M>N)ものとして以下説明するものである。
【0033】
なお期間T1と期間T2とで、リフレッシュレートを異ならせる構成としてもよい。例えば、画像信号の階調数が小さいほど、表示部で画像信号に応じた画像を表示する際のリフレッシュレートを小さくする構成としてもよい。画像信号の階調数に応じてリフレッシュレートを異ならせることで、液晶素子に印加される電圧が時間の経過とともに変化しても階調の変化を小さくすることができる。特に静止画表示する際には、階調数が小さい場合にはリフレッシュレートを大幅に低減することが好適である。静止画を表示する際にリフレッシュレートを小さくすることで、画像信号の書き込み頻度を低減でき、低消費電力化を図ることができる。また、同一の画像を複数回書き換えて静止画を表示する場合、画像の切り替わりが視認できると、人間は目に疲労を感じることもあり得る。そのためリフレッシュレートを大幅に小さくすることで、目の疲労を減らすといった効果もある。
【0034】
なお階調数は、画像を構成する画素での色の濃淡を表す際の区切りの数のことをいい、画素に書き込まれる画像信号の電圧の高低(以下、電圧レベル)によって表されるものである。具体的にいえば、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する液晶素子に電圧を印加することで表現される白色から黒色への変化を表す、電圧レベルの勾配を複数段に分割して得られる電圧レベルの総数である。または階調数とは、液晶素子に電圧を印加することで表現される白色から黒色への変化を表す、電圧レベルの勾配を複数段に分割して得られる電圧レベルによって表されるもののうち、実際に1フレーム期間に画像を構成する画素に供給された電圧レベルの数のことをいう。具体的には、画像を構成する画素に供給された電圧レベルの数が、そのまま階調数として表されるものである。なお複数の画像信号とは、階調数の異なる画像信号、例えば上述の第1の画像信号及び第2の画像信号のように、互いに異なる階調数の画像信号が複数供給されるものをいう。
【0035】
本実施の形態で述べる構成では、特に静止画表示期間での画像信号により表示される画像の階調数に応じて、ノーマリーホワイトモードの液晶では画像信号に応じた画像で黒を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値、またはノーマリーブラックモードの液晶では画像信号に応じた画像で白を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値、を大きくする機能を有する。換言すれば液晶の配向を制御するために印加する電圧において、最も高い電圧の絶対値を画像の階調数に応じて変換する構成である。
【0036】
なお本実施の形態の構成は、上記図1(B)で説明した動画表示期間104よりも静止画表示期間105において、液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくすることが好適である。例えば、ノーマリーホワイトモードの液晶では、静止画表示期間105での画像信号に応じた画像で黒を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値は、動画表示期間104での画像信号に応じた画像で黒を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値よりも大きくする。同様に、ノーマリーブラックモードの液晶では、静止画表示期間105での画像信号に応じた画像で白を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値は、動画表示期間104での画像信号に応じた画像で白を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値よりも大きくする。即ち、動画表示期間104よりも静止画表示期間105において液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくする構成とする。
【0037】
次いで本実施の形態の構成による効果について説明するため、一例として2階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図2(A)、M階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図2(B)に示す。なお図2(A)、(B)では、液晶に0[V]を印加する際に透過率が高い、所謂ノーマリーホワイトモードの液晶の透過率について示している。
【0038】
図2(A)では2階調の画像信号のうち、電圧V1が1階調201(黒)に相当し、電圧V2が2階調202(白)に相当するものとして示している。図2(A)において、電圧V1、電圧V2を印加した後、時間の経過と共に、液晶素子に印加する電圧がα(αは正の数)だけ減少し(図2(A)中、矢印203、矢印204参照)、電圧V1−αに応じた階調205、電圧V2−αに応じた階調206となる。図2(A)において電圧V1−αとなった階調205、及び電圧V2−αとなった階調206は、1階調201(黒)及び2階調202(白)と同じ透過率となる。すなわち、電圧V1は、電圧が時間の経過と共に減少したとしても、透過率が変化して画質が劣化しないように予め上乗せされた電圧となるよう変換することが望ましい。
【0039】
図2(B)ではM階調の画像信号のうち、電圧V1aが1階調207(黒)に相当し、電圧V2aが2階調208(中間調)に相当し、電圧VMaがM階調209(白)に相当するものとして示している。図2(B)においても、図2(A)と同様に、電圧V1aは、電圧が時間の経過と共に減少したとしても、透過率が変化して画質が劣化しないように予め上乗せされた電圧となるよう変換する構成とすればよい。なお図2(B)の例において、中間調である2階調208は電圧の変化に対して階調の変化がない程度に上乗せされた電圧が印加される構成としてもよいし、中間調に関しては電圧の上乗せを行わない構成とすることもできる。
【0040】
なお図2(A)の2階調の画像信号のような階調数が少ない画像信号では、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が軽微である。そのため、上乗せされた電圧を多く印加するような構成とすることで、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化を小さくすることができ、画質の劣化を小さくすることができる。なお、図2(B)のM階調の画像信号のような階調数が多い画像信号では、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が大きくなる。そのため、上乗せされた電圧を多く印加するような構成とするより、リフレッシュレートを大きくして画質の劣化を小さくすることが好適である。なお図2(B)のM階調の画像信号のような階調数が多い画像信号でも、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化を考慮して上乗せされた電圧を印加することで1階調(黒)を表す階調の電圧を保持することができ、画像のコントラスト比の低下を抑制することができる。なお電圧の上乗せは、低消費電力化を図るうえで、階調数が多い画像信号よりも、階調数が少ない画像信号において行われることが特に好ましい。
【0041】
なお上述した、動画表示期間104よりも静止画表示期間105において液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくする構成とすることで、画像のコントラスト比の低下を更に抑制することができる。具体的にノーマリーホワイトモードの液晶では、静止画表示期間105での画像信号に応じた画像で黒を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値は、動画表示期間104での画像信号に応じた画像で黒を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値よりも大きくする。静止画表示期間105は、動画表示期間104よりも、リフレッシュレートが小さいため、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が大きい。そのため、静止画表示期間105において液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくすることで画像のコントラスト比の低下を抑制することができる。なお、動画表示期間104では液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくしても画像のコントラスト比の低下を抑制するほどの時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化の影響がないため、むしろ液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を小さくしておくことで低消費電力化を図ることができるため好適である。
【0042】
また図3(A)、(B)では、図2(A)、(B)と同様に、2階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図3(A)、M階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図3(B)に示す。なお図3(A)、(B)では、液晶に0[V]を印加する際に透過率が低い、所謂ノーマリーブラックモードの液晶の透過率について示している。
【0043】
図3(A)では2階調の画像信号のうち、電圧V1が1階調301(黒)に相当し、電圧V2が2階調302(白)に相当するものとして示している。図3(A)において、電圧V1、電圧V2を印加した後、時間の経過と共に、液晶素子に印加する電圧がα(αは正の数)だけ減少し(図3(A)中、矢印303、矢印304参照)、電圧V1−αに応じた階調305、電圧V2−αに応じた階調306となる。図3(A)において電圧V1−αとなった階調305、及び電圧V2−αとなった階調306は、1階調301(黒)及び2階調302(白)と同じ透過率となる。すなわち、電圧V2は、電圧が時間の経過と共に減少したとしても、透過率が変化して画質が劣化しないように予め上乗せされた電圧となるよう変換することが望ましい。なお時間の経過による電圧の減少が軽微である場合には、上乗せされた電圧を多く印加するような構成としても消費電力の増加を招くだけであるので、本実施の形態の構成は、階調数が少ない画像信号において、上乗せされた電圧を印加する構成とすることが好ましい。
【0044】
図3(B)ではM階調の画像信号のうち、電圧V1aが1階調307(黒)に相当し、電圧V2aが2階調308(中間調)に相当し、電圧VMaがM階調309(白)に相当するものとして示している。図3(B)においても、図3(A)と同様に、電圧VMaは、電圧が時間の経過と共に減少したとしても、透過率が変化して画質が劣化しないように予め上乗せされた電圧となるよう変換する構成とすればよい。なお図3(B)の例において、中間調である2階調308は電圧の変化に対して階調の変化がない程度に上乗せされた電圧が印加される構成としてもよいし、中間調に関しては電圧の上乗せを行わない構成とすることもできる。
【0045】
なお図3(A)の2階調の画像信号のような階調数が少ない画像信号では、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が軽微である。そのため、上乗せされた電圧を多く印加するような構成とすることで、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化を小さくすることができ、画質の劣化を小さくすることができる。なお、図3(B)のM階調の画像信号のような階調数が多い画像信号では、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が大きくなる。そのため、上乗せされた電圧を多く印加するような構成とするより、リフレッシュレートを大きくして画質の劣化を小さくすることが好適である。なお図3(B)のM階調の画像信号のような階調数が多い画像信号でも、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化を考慮して上乗せされた電圧を印加することでM階調(白)を表す階調の電圧を保持することができ、画像のコントラスト比の低下を抑制することができる。なお電圧の上乗せは、低消費電力化を図るうえで、階調数が多い画像信号よりも、階調数が少ない画像信号において行われることが特に好ましい。
【0046】
なお上述した、動画表示期間104よりも静止画表示期間105において液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくする構成とすることで、画像のコントラスト比の低下を更に抑制することができる。具体的にノーマリーブラックモードの液晶では、静止画表示期間105での画像信号に応じた画像で白を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値は、動画表示期間104での画像信号に応じた画像で白を表示する際の液晶素子に印加する電圧の絶対値よりも大きくする。静止画表示期間105は、動画表示期間104よりも、リフレッシュレートが小さいため、時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化が大きい。そのため、静止画表示期間105において液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくすることで画像のコントラスト比の低下を抑制することができる。なお、動画表示期間104では液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を大きくしても画像のコントラスト比の低下を抑制するほどの時間の経過による電圧の減少に伴う階調の変化の影響がないため、むしろ液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を小さくしておくことで低消費電力化を図ることができるため好適である。
【0047】
また図4(A)、(B)では、図2(A)、(B)及び図3(A)、(B)と同様に、2階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図4(A)、M階調の画像信号における電圧と液晶の透過率の関係について図4(B)に示す。図4(A)、(B)では、液晶に0[V]を印加する際に透過率が高い、所謂ノーマリーホワイトモードの液晶の透過率について示しており、反転駆動を行う際の電圧と透過率の関係について示している。なお反転駆動は、ドット反転駆動、ソースライン反転駆動、ゲートライン反転駆動、フレーム反転駆動等により適宜画像信号の極性を反転させて液晶素子に電圧を印加する構成とすればよい。
【0048】
次いで図5(A)で示す液晶表示装置500のブロック図は、図1(A)と同様に、タイミングコントローラ101(タイミング制御回路ともいう)、駆動回路102、表示部103を有する。なお本実施の形態におけるタイミングコントローラ101は、特に静止画表示期間での画像信号により表示される画像の階調数に応じて、液晶の配向を制御するために印加する電圧における、最も高い電圧の絶対値を画像の階調数に応じて変換する構成である。そこで図5(A)に示すブロック図では、異なる階調数の画像信号に応じて電圧を異ならせるためのタイミングコントローラ101の詳細な構成について示す。
【0049】
図5(A)に示すタイミングコントローラ101は、分析部501、パネルコントローラ502(表示制御回路ともいう)、画像信号補正制御部503を有する。図5(A)に示す分析部501は、入力される画像信号Dataの階調値を検出するための回路であっても良いし、各画素のビット値を分析する構成としてもよい。画像信号補正制御部503は、分析部501で検出される画像信号Dataの階調値、または各画素のビット値の分析結果に基づいて、異なる階調数の第1の画像信号の電圧及び第2の画像信号の電圧を異ならせるためのパネルコントローラ502の制御を行うためのものである。
【0050】
分析部501の構成について図5(B)に示す。図5(B)に示す分析部501は、複数のカウンタ回路511、判定部512を有する。複数のカウンタ回路511はビット毎に設けられており、入力される画像信号Dataのビット値に応じてカウント値を切り替えることでカウントする回路である。例えば具体的な動作について述べると、複数のカウンタ回路511では、複数のカウンタ回路511のうち、少なくともいずれか一でカウント値が切り替わることにより、各ビット値が全ての画素において同じでないということとなる。判定部512は、複数のカウンタ回路511でカウント値が切り替わったかを判定し、その結果を画像信号補正制御部503に出力するためのものである。
【0051】
パネルコントローラ502では、図6に示すように、複数の抵抗素子601、バッファ回路602、第1のスイッチ603、第2のスイッチ604、セレクタ回路605(マルチプレクサ回路)を有する構成とすればよい。図6の回路は複数の抵抗素子601を直列に接続することで得られる複数の電圧がバッファ回路602を介して出力され、当該電圧を画像信号の階調値に応じた電圧として階調毎に変換を行う構成である。例えば画像信号補正制御部503からの信号に応じて第1のスイッチ603、第2のスイッチ604を切り替えて動作させることで、階調数または各画素のビット値の分析結果に応じた第1の画像信号の最も高い電圧及び第2の画像信号の最も高い電圧の値を異ならせる構成とすることができる。
【0052】
なお、図6で示したように第1のスイッチ603または第2のスイッチ604は、画像信号補正制御部503により切り替えて動作する。図6の第1のスイッチ603及び第2のスイッチ604の具体的な動作としては、例えば画像信号が第1の階調数Mでは、第1のスイッチ603を非導通状態(オフともいう)、第2のスイッチ604を導通状態(オンともいう)とし、画像信号が第2の階調数Nでは、第1のスイッチ603を導通状態、第2のスイッチ604を非導通状態とする構成とすることで、透過率が変化しない程度に上乗せされた電圧を印加することができる。
【0053】
なお、セレクタ回路605は、複数の抵抗素子601を直列に接続することで得られる複数の電圧のいずれか1つの電圧を画像信号に応じて順次選択し、選択した電圧を駆動回路102に出力する。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態の構成による静止画を表示する期間では、リフレッシュレートを小さくすることによる、階調の変化に起因する画質の劣化を予め小さくすることができ、特にコントラスト比の低下を軽減することができる。また、静止画を表示する際にリフレッシュレートを小さくすることで、低消費電力化を図ることができる。
【0055】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0056】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の液晶表示装置、及び低消費電力化を図ることができる液晶表示装置の一形態を、図7乃至図10を用いて説明する。
【0057】
本実施の形態で例示する液晶表示装置800の各構成を、図7のブロック図に示す。液晶表示装置800は、画像処理回路801、タイミングコントローラ802、表示パネル803を有する。透過型液晶表示装置、又は半透過型液晶表示装置の場合、さらに光源としてバックライト部804を設ける。
【0058】
液晶表示装置800は、接続された外部機器から画像信号(画像信号Data)が供給されている。なお、電源電位(高電源電位Vdd、低電源電位Vss、及び共通電位Vcom)は液晶表示装置の電源817をオン状態として電力供給を開始することによって供給され、制御信号(スタートパルスSP、及びクロック信号CK)はタイミングコントローラ802によって供給される。
【0059】
なお高電源電位Vddとは、基準電位より高い電位のことであり、低電源電位Vssとは基準電位以下の電位のことをいう。なお高電源電位Vdd及び低電源電位Vssともに、トランジスタが動作できる程度の電位であることが望ましい。なお高電源電位Vdd及び低電源電位Vssを併せて、電源電圧と呼ぶこともある。
【0060】
共通電位Vcomは、画素電極に供給される画像信号の電位に対して基準となる固定電位であればよく、一例としてはグラウンド電位であってもよい。
【0061】
画像信号Dataは、ドット反転駆動、ソースライン反転駆動、ゲートライン反転駆動、フレーム反転駆動等に応じて適宜反転させて液晶表示装置800に入力される構成とすればよい。また、画像信号がアナログの信号の場合には、A/Dコンバータ等を介してデジタルの信号に変換して、液晶表示装置800に供給する構成とすればよい。
【0062】
本実施の形態では、液晶素子805の一方の電極(対向電極)及び容量素子813の一方の電極には、電源817よりタイミングコントローラ802を介して固定電位である共通電位Vcomが与えられている。
【0063】
画像処理回路801は、入力される画像信号Dataを解析、演算、及び/または加工し、処理した画像信号Dataを制御信号と共にタイミングコントローラ802に出力する。
【0064】
具体的には画像処理回路801は、入力される画像信号Dataを解析し動画であるか静止画であるかを判断し、判断結果を含む制御信号をタイミングコントローラ802に出力する。また、画像処理回路801は、動画または静止画を含む画像信号Dataから1フレームの静止画を切り出し、静止画であることを意味する制御信号と共にタイミングコントローラ802に出力する。また、画像処理回路801は、入力される画像信号Dataを上述の制御信号と共にタイミングコントローラ802に出力する。なお、上述した機能は画像処理回路801が有する機能の一例であり、表示装置の用途に応じて種々の画像処理機能を選択して適用すればよい。
【0065】
タイミングコントローラ802は、上記実施の形態1で述べた機能の他に、表示パネル803に処理した画像信号Data、並びに制御信号(具体的にはスタートパルスSP、及びクロック信号CK等の制御信号の供給または停止の切り替えを制御するための信号)、電源電位(高電源電位Vdd、低電源電位Vss、及び共通電位Vcom)を供給する回路である。なおタイミングコントローラ802は、一部の機能を共通化することにより、画像処理回路801が有する機能を兼ねる構成としてもよい。
【0066】
なお、デジタル信号に変換された画像信号は演算(例えば画像信号の差分を検出する等)が容易であるため、入力される画像信号(画像信号Data)がアナログの信号の場合には、A/Dコンバータ等を画像処理回路801に設ける構成とすればよい。
【0067】
表示パネル803は液晶素子805を一対の基板(第1の基板と第2の基板)間に挟持する構成を有し、第1の基板には駆動回路部806、画素部807が設けられる。また、第2の基板には共通接続部(コモンコンタクトともいう)、及び共通電極(コモン電極、または対向電極ともいう)が設けられる。なお、共通接続部は第1の基板と第2の基板とを電気的に接続するものであって、共通接続部は第1の基板上に設けられていてもよい。
【0068】
画素部807には、複数のゲート線808(走査線)、及びソース線809(信号線)が設けられており、複数の画素810がゲート線808及びソース線809に環囲されてマトリクス状に設けられている。なお、本実施の形態で例示する表示パネルにおいては、ゲート線808はゲート線駆動回路811Aから延在し、ソース線809はソース線駆動回路811Bから延在している。
【0069】
また、画素810はスイッチング素子としてトランジスタ812、該トランジスタ812に接続された容量素子813、及び液晶素子805を有する。
【0070】
液晶素子805は、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界によって制御される。液晶にかかる電界方向は液晶材料、駆動方法、及び電極構造によって異なり、適宜選択することができる。例えば、液晶の厚さ方向(いわゆる縦方向)に電界をかける駆動方法を用いる場合は液晶を挟持するように第1の基板に画素電極を、第2の基板に共通電極をそれぞれ設ける構造とすればよい。また、液晶に基板面内方向(いわゆる横電界)に電界をかける駆動方法を用いる場合は、液晶に対して同一面に、画素電極と共通電極を設ける構造とすればよい。また画素電極及び共通電極は、多様な開口パターンを有する形状としてもよい。本実施の形態においては光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子であれば、液晶材料、駆動方法、及び電極構造は特に限定されない。
【0071】
トランジスタ812は、画素部807に設けられた複数のゲート線808のうちの一つとゲート電極が接続され、ソース電極またはドレイン電極の一方が複数のソース線809のうちの一つと接続され、ソース電極またはドレイン電極の他方が容量素子813の他方の電極、及び液晶素子805の他方の電極(画素電極)と接続される。
【0072】
トランジスタ812は、オフ電流が低減されたトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタ812がオフ状態のとき、オフ電流が低減されたトランジスタ812に接続された液晶素子805、及び容量素子813に蓄えられた電荷は、トランジスタ812を介して漏れ難く、トランジスタ812がオフ状態になる前に書き込まれた状態を、次に信号が書き込まれるまで安定して保持できる。従って、オフ電流が低減されたトランジスタ812に接続された容量素子813を用いることなく、画素810を構成することもできる。
【0073】
このような構成とすることで、容量素子813は液晶素子805に加える電圧を保持することができる。また、容量素子813の電極は、別途設けた容量線に接続する構成としてもよい。
【0074】
駆動回路部806は、ゲート線駆動回路811A、ソース線駆動回路811Bを有する。ゲート線駆動回路811A、ソース線駆動回路811Bは、複数の画素を有する画素部807を駆動するための駆動回路であり、シフトレジスタ回路(シフトレジスタともいう)を有する。
【0075】
なお、ゲート線駆動回路811A、及びソース線駆動回路811Bは、画素部807と同じ基板に形成されるものでもよいし、別の基板に形成されるものであってもよい。
【0076】
なお駆動回路部806には、タイミングコントローラ802によって制御された高電源電位Vdd、低電源電位Vss、スタートパルスSP、クロック信号CK、画像信号Dataが供給される。
【0077】
端子部816は、タイミングコントローラ802が出力する所定の信号(高電源電位Vdd、低電源電位Vss、スタートパルスSP、クロック信号CK、画像信号Data、共通電位Vcom等)等を駆動回路部806に供給する入力端子である。
【0078】
また、液晶表示装置は、測光回路を有していてもよい。測光回路を設けた液晶表示装置は当該液晶表示装置がおかれている環境の明るさを検知できる。その結果、測光回路が接続されたタイミングコントローラ802は、測光回路から入力される信号に応じて、バックライト、サイドライト等の光源の駆動方法を制御することができる。
【0079】
バックライト部804はバックライト制御回路814、及びバックライト815を有する。バックライト815は、液晶表示装置800の用途に応じて選択して組み合わせればよく、発光ダイオード(LED)などを用いることができる。バックライト815には例えば白色の発光素子(例えばLED)を配置することができる。バックライト制御回路814には、タイミングコントローラ802からバックライトを制御するバックライト信号、及び電源電位が供給される。
【0080】
なお、カラー表示を行う場合は、カラーフィルタを組み合わせることで表示が可能である。また、他の光学フィルム(偏光フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルムなど)も組み合わせて用いることができる。透過型液晶表示装置、又は半透過型液晶表示装置の場合に用いられるバックライト等の光源は、液晶表示装置800の用途に応じて選択して組み合わせればよく、冷陰極管や発光ダイオード(LED)などを用いることができる。また複数のLED光源、または複数のエレクトロルミネセンス(EL)光源などを用いて面光源を構成してもよい。面光源として、3種類以上のLEDを用いてもよいし、白色発光のLEDを用いてもよい。なお、バックライトにRGBの発光ダイオード等を配置し、時分割によりカラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カラーフィルタを設けない場合もある。
【0081】
次に、画素に供給する信号の様子を、図7に示す画素の回路図、及び図8に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0082】
図8に、タイミングコントローラ802がゲート線駆動回路811Aに供給するクロック信号GCK、及びスタートパルスGSPを示す。また、タイミングコントローラ802がソース線駆動回路811Bに供給するクロック信号SCK、及びスタートパルスSSPを示す。なお、クロック信号の出力のタイミングを説明するために、図8ではクロック信号の波形を単純な矩形波で示す。
【0083】
また図8に、ソース線809の電位(Data line)、画素電極の電位、並びに共通電極の電位を示す。
【0084】
図8において期間901は、動画を表示するための画像信号を書き込む期間に相当する。期間901では画像信号、共通電位が画素部807の各画素、共通電極に供給されるように動作する。
【0085】
また、期間902は、静止画を表示する期間に相当する。期間902では、画素部807の各画素への画像信号、共通電極への共通電位を停止することとなる。なお図8に示す期間902では、駆動回路部の動作を停止するよう各信号を供給する構成について示したが、期間902の長さ及びリフレッシュレートによって、定期的に画像信号を書き込むことで静止画の画質の劣化を防ぐ構成とすることが好ましい。このリフレッシュレートを上記実施の形態1で示した構成とすることで、階調が変化することによる画質の劣化を小さくすることができる。
【0086】
まず、期間901におけるタイミングチャートを説明する。期間901では、クロック信号GCKとして、常時クロック信号が供給され、スタートパルスGSPとして、垂直同期周波数に応じたパルスが供給される。また、期間901では、クロック信号SCKとして、常時クロック信号が供給され、スタートパルスSSPとして、1ゲート選択期間に応じたパルスが供給される。
【0087】
また、各行の画素に画像信号Dataがソース線809を介して供給され、ゲート線808の電位に応じて画素電極にソース線809の電位が供給される。
【0088】
一方、期間902は、静止画を表示する期間である。次に、期間902におけるタイミングチャートを説明する。期間902では、クロック信号GCK、スタートパルスGSP、クロック信号SCK、及びスタートパルスSSPは共に停止する。また、期間902において、ソース線809に供給していた画像信号Dataは停止する。クロック信号GCK及びスタートパルスGSPが共に停止する期間902では、トランジスタ812が非導通状態となり画素電極の電位が浮遊状態となる。
【0089】
期間902では、液晶素子805の両端の電極、即ち画素電極及び共通電極の電位を浮遊状態にして、新たに電位を供給することなく、静止画の表示を行うことができる。
【0090】
また、ゲート線駆動回路811A、及びソース線駆動回路811Bに供給するクロック信号、及びスタートパルスを停止することにより低消費電力化を図ることができる。
【0091】
特に、トランジスタ812としてオフ電流が低減されたトランジスタを用いることにより、液晶素子805の両端子に加わる電圧が経時的に低下する現象を抑制できる。
【0092】
次に、動画から静止画に切り替わる期間(図8中の期間903)、及び静止画から動画に切り替わる期間(図8中の期間904)における表示制御回路の動作を、図9(A)、(B)を用いて説明する。図9(A)、(B)は表示制御回路が出力する、高電源電位Vdd、クロック信号(ここではGCK)、及びスタートパルス(ここではGSP)の電位を示す。
【0093】
動画から静止画に切り替わる期間903の表示制御回路の動作を図9(A)に示す。表示制御回路は、スタートパルスGSPを停止する(図9(A)のE1、第1のステップ)。次いで、スタートパルスGSPの停止後、パルス出力がシフトレジスタの最終段まで達した後に、複数のクロック信号GCKを停止する(図9(A)のE2、第2のステップ)。次いで、電源電圧の高電源電位Vddを低電源電位Vssにする(図9(A)のE3、第3のステップ)。
【0094】
以上の手順をもって、駆動回路部806の誤動作を引き起こすことなく、駆動回路部806に供給する信号を停止できる。動画から静止画に切り替わる際の誤動作はノイズを生じ、ノイズは静止画として保持されるため、誤動作が少ない表示制御回路を搭載した液晶表示装置は、階調が変化することによる画質の劣化が少ない静止画を表示できる。
【0095】
なお信号の停止とは、配線への所定の電位の供給を停止し、所定の固定電位が供給される配線、例えば低電源電位Vssが供給された配線、に接続することをいう。
【0096】
次に静止画から動画に切り替わる期間904の表示制御回路の動作を図9(B)に示す。表示制御回路は、電源電圧を低電源電位Vssから高電源電位Vddにする(図9(B)のS1、第1のステップ)。次いで、クロック信号GCKとして先にハイの電位を与えた後、複数のクロック信号GCKを供給する(図9(B)のS2、第2のステップ)。次いでスタートパルスGSPを供給する(図9(B)のS3、第3のステップ)。
【0097】
以上の手順をもって、駆動回路部806の誤動作を引き起こすことなく駆動回路部806に駆動信号の供給を再開できる。各配線の電位を適宜順番に動画表示時に戻すことで、誤動作なく駆動回路部の駆動を行うことができる。
【0098】
また、図10に、動画を表示する期間1101、または静止画を表示する期間1102における、フレーム期間毎の画像信号の書き込み頻度を模式的に示す。図10中、「W」は画像信号の書き込み期間であることをあらわし、「H」は画像信号を保持する期間であることを示している。また、図10中、期間1103は1フレーム期間を表したものであるが、別の期間であってもよい。
【0099】
このように、本実施の形態の液晶表示装置の構成において、期間1102で表示される静止画の画像信号は期間1104に書き込まれ、期間1104で書き込まれた画像信号は、期間1102の他の期間で保持される。
【0100】
本実施の形態に例示した液晶表示装置は、静止画を表示する期間において画像信号の書き込み頻度を低減できる。その結果、静止画を表示する際の低消費電力化を図ることができる。
【0101】
また、同一の画像を複数回書き換えて静止画を表示する場合、画像の切り替わりが視認できると、人間は目に疲労を感じることもあり得る。本実施の形態の液晶表示装置は、画像信号の書き込み頻度が削減されているため、目の疲労を減らすといった効果もある。
【0102】
特に、本実施の形態の液晶表示装置は、オフ電流が低減されたトランジスタを各画素、並びに共通電極のスイッチング素子に適用することにより、保持容量で電圧を保持できる期間(時間)を長く取ることができる。その結果、画像信号の書き込み頻度を小さくすることが可能になり、静止画を表示する際の低消費電力化、及び目の疲労の低減に、顕著な効果を有する。
【0103】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本明細書に開示する液晶表示装置に適用できるトランジスタの例を示す。
【0104】
図11(A)乃至(D)にトランジスタの断面構造の一例を示す。
【0105】
図11(A)に示すトランジスタ1210は、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであり、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0106】
トランジスタ1210は、絶縁表面を有する基板1200上に、ゲート電極層1201、ゲート絶縁層1202、半導体層1203、ソース電極層1205a、及びドレイン電極層1205bを含む。また、トランジスタ1210を覆い、半導体層1203に積層する絶縁層1207が設けられている。絶縁層1207上にはさらに保護絶縁層1209が形成されている。
【0107】
図11(B)に示すトランジスタ1220は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともいう)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型トランジスタともいう。
【0108】
トランジスタ1220は、絶縁表面を有する基板1200上に、ゲート電極層1201、ゲート絶縁層1202、半導体層1203、半導体層1203のチャネル形成領域上に設けられたチャネル保護層として機能する絶縁層1227、ソース電極層1205a、及びドレイン電極層1205bを含む。また、トランジスタ1220を覆い、保護絶縁層1209が形成されている。
【0109】
図11(C)示すトランジスタ1230はボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁表面を有する基板である基板1200上に、ゲート電極層1201、ゲート絶縁層1202、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b、及び半導体層1203を含む。また、トランジスタ1230を覆い、半導体層1203に接する絶縁層1207が設けられている。絶縁層1207上にはさらに保護絶縁層1209が形成されている。
【0110】
トランジスタ1230においては、ゲート絶縁層1202は基板1200及びゲート電極層1201上に接して設けられ、ゲート絶縁層1202上にソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層1202、及びソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b上に半導体層1203が設けられている。
【0111】
図11(D)に示すトランジスタ1240は、トップゲート構造のトランジスタの一つである。トランジスタ1240は、絶縁表面を有する基板1200上に、絶縁層1247、半導体層1203、ソース電極層1205a、及びドレイン電極層1205b、ゲート絶縁層1202、ゲート電極層1201を含み、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bにそれぞれ配線層1246a、配線層1246bが接して設けられ電気的に接続している。
【0112】
本実施の形態では、半導体層1203が酸化物半導体を含むものとする。
【0113】
酸化物半導体としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系金属酸化物や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系金属酸化物、In−Sn−Zn−O系金属酸化物、In−Al−Zn−O系金属酸化物、Sn−Ga−Zn−O系金属酸化物、Al−Ga−Zn−O系金属酸化物、Sn−Al−Zn−O系金属酸化物や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系金属酸化物、Sn−Zn−O系金属酸化物、Al−Zn−O系金属酸化物、Zn−Mg−O系金属酸化物、Sn−Mg−O系金属酸化物、In−Mg−O系金属酸化物や、In−O系金属酸化物、Sn−O系金属酸化物、Zn−O系金属酸化物などを用いることができる。また、上記金属酸化物の半導体にSiOを含んでもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系金属酸化物とは、少なくともInとGaとZnを含む酸化物であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよい。
【0114】
また、酸化物半導体は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
【0115】
なお本実施の形態の構成において酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することにより真性(i型)とし、又は実質的に真性型としたものである。すなわち、不純物を添加してi型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去したことにより、高純度化されたi型(真性半導体)又はそれに近づけたものである。加えて、酸化物半導体は、2.0eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3.0eV以上のバンドギャップを有する。そのため、酸化物半導体は、熱励起に起因するキャリアの発生を抑制することができる。その結果、酸化物半導体によってチャネル形成領域が構成されたトランジスタの動作温度の上昇に伴うオフ電流の増加を低減することができる。
【0116】
また、高純度化された酸化物半導体中にはキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャリア濃度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好ましくは1×1011/cm未満である。
【0117】
酸化物半導体中にキャリアが極めて少ないため、トランジスタでは、オフ電流を少なくすることができる。具体的には、上述の酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタは、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を10aA/μm(1×10−17A/μm)以下にすること、さらには1aA/μm(1×10−18A/μm)以下、さらには10zA/μm(1×10−20A/μm)にすることが可能である。つまりトランジスタの非導通状態において、酸化物半導体は絶縁体とみなせて回路設計を行うことができる。一方で、酸化物半導体は、トランジスタの導通状態においては、非晶質シリコンで形成される半導体層よりも高い電流供給能力を見込むことができる。
【0118】
酸化物半導体を半導体層1203に用いたトランジスタ1210、1220、1230、1240は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像データ等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュレートを小さくすることができるため、より消費電力を抑制する効果を高くできる。
【0119】
また、酸化物半導体を半導体層1203に用いたトランジスタ1210、1220、1230、1240は、非晶質半導体を用いたものとしては比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。よって、表示装置の高機能化及び高速応答化が実現できる。
【0120】
絶縁表面を有する基板1200に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いることができる。
【0121】
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。なお、実用的な耐熱ガラスである、酸化ホウ素(B)より酸化バリウム(BaO)を多く含むガラス基板を用いてもよい。
【0122】
なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶縁体でなる基板を用いても良い。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。また、プラスチック基板等も適宜用いることができる。
【0123】
ボトムゲート構造のトランジスタ1210、1220、1230において、下地膜となる絶縁膜を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することができる。
【0124】
ゲート電極層1201の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0125】
例えば、ゲート電極層1201の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された2層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した2層構造、または銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層を積層した2層構造、窒化チタン層とモリブデン層とを積層した2層構造とすることが好ましい。3層の積層構造としては、タングステン層または窒化タングステン層と、アルミニウムとシリコンの合金層またはアルミニウムとチタンの合金層と、窒化チタン層またはチタン層とを積層した積層とすることが好ましい。なお、透光性を有する導電膜を用いてゲート電極層を形成することもできる。透光性を有する導電膜としては、透光性導電性酸化物等をその例に挙げることができる。
【0126】
ゲート絶縁層1202は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。
【0127】
ゲート絶縁層1202は、ゲート電極層側から窒化シリコン層と酸化シリコン層を積層した構造とすることもできる。例えば、第1のゲート絶縁層としてスパッタリング法により膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiN(y>0))を形成し、第1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シリコン層(SiO(x>0))を積層して、膜厚100nmのゲート絶縁層とする。ゲート絶縁層1202の膜厚は、トランジスタに要求される特性によって適宜設定すればよく350nm乃至400nm程度でもよい。
【0128】
ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wからから選ばれた元素、または上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属層の下側又は上側の一方または双方にCr、Ta、Ti、Mo、Wなどの高融点金属層を積層させた構成としても良い。また、Si、Ti、Ta、W、Mo、Cr、Nd、Sc、YなどAl膜に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防止する元素が添加されているAl材料を用いることで耐熱性を向上させることが可能となる。
【0129】
ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bに接続する配線層1246a、配線層1246bのような導電膜も、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bと同様な材料を用いることができる。
【0130】
また、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bは、単層構造でも、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する2層構造、Ti膜と、そのTi膜上に重ねてアルミニウム膜を積層し、さらにその上にTi膜を成膜する3層構造などが挙げられる。
【0131】
また、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b(これと同じ層で形成される配線層を含む)となる導電膜を導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)または前記金属酸化物材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0132】
絶縁層1207、1227、1247、保護絶縁層1209としては、酸化絶縁層、又は窒化絶縁層などの無機絶縁膜を好適に用いることができる。
【0133】
絶縁層1207、1227、1247は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0134】
保護絶縁層1209は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0135】
また、保護絶縁層1209上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0136】
このように、本実施の形態において、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを用いることにより、さらに低消費電力化が達成された高機能な液晶表示装置を提供することができる。
【0137】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0138】
(実施の形態4)
トランジスタを作製し、該トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用いて表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、トランジスタを用いた駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0139】
なお液晶表示装置とは、コネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0140】
液晶表示装置の外観及び断面について、図12を用いて説明する。図12(A1)(A2)は、トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、第1の基板4001と第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、パネルの平面図であり、図12(B)は、図12(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に相当する。
【0141】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0142】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図12(A1)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図12(A2)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0143】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図12(B)では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。トランジスタ4010、4011上には絶縁層4041a、4041b、4042a、4042b、4020、4021が設けられている。
【0144】
トランジスタ4010、4011は、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを適用することができる。本実施の形態において、トランジスタ4010、4011はnチャネル型トランジスタである。
【0145】
絶縁層4021上において、駆動回路用のトランジスタ4011の酸化物半導体を用いたチャネル形成領域と重なる位置に導電層4040が設けられている。導電層4040を酸化物半導体を用いたチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT(Bias Temperature)試験前後におけるトランジスタ4011のしきい値電圧の変化量を低減することができる。また、導電層4040は、電位がトランジスタ4011のゲート電極層と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層4040の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
【0146】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、トランジスタ4010と電気的に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板4006上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008とが重なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向電極層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、絶縁層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0147】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性基板を用いることができ、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。
【0148】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。また、対向電極層4031は、トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極層4031と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005に含有させることができる。
【0149】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0150】
なお透過型液晶表示装置の他に、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0151】
また、液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層、表示素子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。また、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板及び着色層の材料や作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、表示部以外にブラックマトリクスとして機能する遮光膜を設けてもよい。
【0152】
トランジスタ4011は、チャネル保護層として機能する絶縁層4041aと、酸化物半導体を用いた半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4041bとが形成されている。同様にトランジスタ4010は、チャネル保護層として機能する絶縁層4042aと、酸化物半導体を用いた半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4042bとが形成されている。
【0153】
酸化物半導体を用いた半導体層の周縁部(側面を含む)を覆う酸化物絶縁層である絶縁層4041b、4042bは、ゲート電極層と、その上方または周辺に形成される配線層(ソース配線層や容量配線層など)との距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができる。また、トランジスタの表面凹凸を低減するため平坦化絶縁膜として機能する絶縁層4021で覆う構成となっている。ここでは、絶縁層4041a、4041b、4042a、4042bとして、一例としてスパッタ法により酸化珪素膜を形成する。
【0154】
また、絶縁層4041a、4041b、4042a、4042b上に絶縁層4020が形成されている。絶縁層4020は、一例としてRFスパッタ法により窒化珪素膜を形成する。
【0155】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4021を形成する。絶縁層4021としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層4021を形成してもよい。
【0156】
本実施の形態では、画素部の複数のトランジスタをまとめて窒化物絶縁膜で囲む構成としてもよい。絶縁層4020とゲート絶縁層とに窒化物絶縁膜を用いて、図12に示すように少なくともアクティブマトリクス基板の画素部の周縁を囲むように絶縁層4020とゲート絶縁層とが接する領域を設ける構成とすればよい。この製造プロセスでは、外部からの水分の侵入を防ぐことができる。また、液晶表示装置としてデバイスが完成した後にも長期的に、外部からの水分の侵入を防ぐことができデバイスの長期信頼性を向上することができる。
【0157】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
【0158】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。絶縁層4021の焼成工程と半導体層のアニールを兼ねることで効率よく液晶表示装置を作製することが可能となる。
【0159】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する透光性の導電性材料を用いることができる。
【0160】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0161】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体または誘導体などがあげられる。
【0162】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0163】
接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、トランジスタ4010、4011のソース電極層及びドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0164】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0165】
また図12においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているがこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0166】
図13は、液晶表示装置を構成する一例を示している。
【0167】
図13は液晶表示装置の一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む表示素子2604、着色層2605が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成される。回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位相差板を有した状態で積層してもよい。
【0168】
液晶表示装置の駆動方式には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0169】
以上の工程により、静止画表示を行う際、階調が変化することによる画質の劣化を小さくすることができる液晶表示装置を作製することができる。
【0170】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0171】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で示す液晶表示装置において、タッチパネル機能を付加した液晶表示装置の構成について、図14(A)、(B)を用いて説明する。
【0172】
図14(A)は、本実施の形態の液晶表示装置の概略図である。図14(A)には、上記実施の形態の液晶表示装置である液晶表示パネル1501にタッチパネルユニット1502を重畳して設け、筐体1503(ケース)にて合着させる構成について示している。タッチパネルユニット1502は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等を適宜用いることができる。
【0173】
図14(A)に示すように、液晶表示パネル1501とタッチパネルユニット1502とを別々に作製し重畳することにより、タッチパネル機能を付加した液晶表示装置の作製に係るコストの削減を図ることができる。
【0174】
図14(A)とは異なるタッチパネル機能を付加した液晶表示装置の構成について、図14(B)に示す。図14(B)に示す液晶表示装置1504は、複数設けられる画素1505に光センサ1506、液晶素子1507を有する。そのため、図14(A)とは異なり、タッチパネルユニット1502を重畳して作製する必要がなく、液晶表示装置の薄型化を図ることができる。なお、画素1505とともにゲート線側駆動回路1508、信号線側駆動回路1509、光センサ用駆動回路1510を画素1505と同じ基板上に作製することで、液晶表示装置の小型化を図ることができる。なお光センサ1506は、アモルファスシリコン等で形成し、酸化物半導体を用いたトランジスタと重畳して形成する構成としてもよい。
【0175】
本実施の形態により、タッチパネルの機能を付加した液晶表示装置において、酸化物半導体膜を用いたトランジスタを用いることで、静止画の表示の際の、画像の保持特性を向上させることができる。そしてリフレッシュレートを低減して静止画表示を行う際、階調が変化することによる画質の劣化を小さくすることができる。
【0176】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0177】
(実施の形態6)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0178】
図15(A)は携帯型遊技機であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操作キー9635、接続端子9636、記録媒体読込部9672、等を有することができる。図15(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能、等を有することができる。なお、図15(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0179】
図15(B)はデジタルカメラであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操作キー9635、接続端子9636、シャッターボタン9676、受像部9677、等を有することができる。図15(B)に示すデジタルカメラは、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、アンテナから様々な情報を取得する機能、撮影した画像、又はアンテナから取得した情報を保存する機能、撮影した画像、又はアンテナから取得した情報を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図15(B)に示すデジタルカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0180】
図15(C)はテレビ受像器であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操作キー9635、接続端子9636、等を有することができる。図15(C)に示すテレビ受像機は、テレビ用電波を処理して画像信号に変換する機能、画像信号を処理して表示に適した信号に変換する機能、画像信号のフレーム周波数を変換する機能、等を有することができる。なお、図15(C)に示すテレビ受像機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0181】
図15(D)は、電子計算機(パーソナルコンピュータ)用途のモニター(PCモニターともいう)であり、筐体9630、表示部9631等を有することができる。図15(D)に示すモニターは、ウインドウ型表示部9653が表示部9631にある例について示している。なお説明のために表示部9631にウインドウ型表示部9653を示したが、他のシンボル、例えばアイコン、画像等であってもよい。パーソナルコンピュータ用途のモニターでは、入力時にのみ画像信号が書き換えられる場合が多く、上記実施の形態における液晶表示装置の駆動方法を適用する際に好適である。なお、図15(D)に示すモニターが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0182】
図16(A)はコンピュータであり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操作キー9635、接続端子9636、ポインティングデバイス9681、外部接続ポート9680等を有することができる。図16(A)に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信又は有線通信などの通信機能、通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、等を有することができる。なお、図16(A)に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0183】
次に、図16(B)は携帯電話であり、筐体9630、表示部9631、スピーカ9633、操作キー9635、マイクロフォン9638等を有することができる。図16(B)に示した携帯電話は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。なお、図16(B)に示した携帯電話が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0184】
次に、図16(C)は電子ペーパー(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示部9631、操作キー9632等を有することができる。図16(C)に示した電子ペーパーは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。なお、図16(C)に示した電子ペーパーが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。別の電子ペーパーの構成について図16(D)に示す。図16(D)に示す電子ペーパーは、図16(C)の電子ペーパーに太陽電池9651、及びバッテリー9652を付加した構成について示している。表示部9631として反射型の液晶表示装置を用いる場合、比較的明るい状況下での使用が予想され、太陽電池9651による発電、及びバッテリー9652での充電を効率よく行うことができ、好適である。なおバッテリー9652としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0185】
本実施の形態において述べた電子機器は、リフレッシュレートを低減して静止画表示を行う際、階調が変化することによる画質の劣化を小さくすることができる。
【0186】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0187】
100 液晶表示装置
101 タイミングコントローラ
102 駆動回路
103 表示部
104 動画表示期間
105 静止画表示期間
106 期間
107 期間
201 階調
202 階調
203 矢印
204 矢印
205 階調
206 階調
207 階調
208 階調
209 階調
301 階調
302 階調
303 矢印
304 矢印
305 階調
306 階調
307 階調
308 階調
309 階調
500 液晶表示装置
501 分析部
502 パネルコントローラ
503 画像信号補正制御部
511 カウンタ回路
512 判定部
601 抵抗素子
602 バッファ回路
603 スイッチ
604 スイッチ
605 セレクタ回路
800 液晶表示装置
801 画像処理回路
802 タイミングコントローラ
803 表示パネル
804 バックライト部
805 液晶素子
806 駆動回路部
807 画素部
808 ゲート線
809 ソース線
810 画素
811A ゲート線駆動回路
811B ソース線駆動回路
812 トランジスタ
813 容量素子
814 バックライト制御回路
815 バックライト
816 端子部
817 電源
901 期間
902 期間
903 期間
904 期間
1101 期間
1102 期間
1103 期間
1104 期間
1200 基板
1201 ゲート電極層
1202 ゲート絶縁層
1203 半導体層
1205a ソース電極層
1205b ドレイン電極層
1207 絶縁層
1209 保護絶縁層
1210 トランジスタ
1220 トランジスタ
1227 絶縁層
1230 トランジスタ
1240 トランジスタ
1246a 配線層
1246b 配線層
1247 絶縁層
1501 液晶表示パネル
1502 タッチパネルユニット
1503 筐体
1504 液晶表示装置
1505 画素
1506 光センサ
1507 液晶素子
1508 ゲート線側駆動回路
1509 信号線側駆動回路
1510 光センサ用駆動回路
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 表示素子
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4040 導電層
4041a 絶縁層
4041b 絶縁層
4042a 絶縁層
4042b 絶縁層
9630 筐体
9631 表示部
9632 操作キー
9633 スピーカ
9635 操作キー
9636 接続端子
9638 マイクロフォン
9651 太陽電池
9652 バッテリー
9653 ウインドウ型表示部
9672 記録媒体読込部
9676 シャッターボタン
9677 受像部
9680 外部接続ポート
9681 ポインティングデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号及び静止画を表示するための画像信号が供給されており、
前記静止画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記動画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号及び静止画を表示するための画像信号が供給されており、
前記静止画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記動画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、静止画を表示するための画像信号が供給されており、
前記タイミングコントローラにより、前記画像信号の階調数が小さいほど、前記表示部において前記画像信号に応じた画像で黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値を大きくすることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、静止画を表示するための画像信号が供給されており、
前記タイミングコントローラにより、前記画像信号の階調数が小さいほど、前記表示部において前記画像信号に応じた画像で白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値を大きくすることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
駆動回路によって制御され、ノーマリーホワイトモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、静止画を表示するための第1の階調数の第1の画像信号及び第2の階調数の第2の画像信号が供給されており、
前記タイミングコントローラにより、前記表示部において前記第1の画像信号に応じた画像で黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記第1の階調数より小さい第2の階調数の第2の画像信号に応じた画像で黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より小さくすることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
駆動回路によって制御され、ノーマリーブラックモードの液晶を有する表示部と、
前記駆動回路を制御するためのタイミングコントローラと、を有し、
前記タイミングコントローラには、静止画を表示するための第1の階調数の第1の画像信号及び第2の階調数の第2の画像信号が供給されており、
前記タイミングコントローラにより、前記表示部において前記第1の画像信号に応じた画像で白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記第1の階調数より小さい第2の階調数の第2の画像信号に応じた画像で白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より小さくすることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項3または請求項5において、前記タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号が供給されており、
前記静止画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記動画を表示するための画像信号に応じた画像において黒を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項4または請求項6において、前記タイミングコントローラには、動画を表示するための画像信号が供給されており、
前記静止画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値は、前記動画を表示するための画像信号に応じた画像において白を表示する際の前記液晶に印加する電圧の絶対値より大きいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
前記タイミングコントローラは、前記画像信号の階調数を判定するための分析部と、
前記電圧の絶対値を切り替えるためのスイッチを有するパネルコントローラと、
前記分析部からの信号を元に前記スイッチのオン又はオフを制御するための画像信号補正制御部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
前記表示部の各画素は、画像信号の書き込みを制御するためのトランジスタを有し、
前記トランジスタの半導体層は酸化物半導体を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一に記載の液晶表示装置を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−191746(P2011−191746A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26053(P2011−26053)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】