説明

減圧式の揮発分分離装置

本発明は、高分子の製造又は処理プラントにおいて用いる減圧式の揮発分分離装置を提供する。揮発分分離装置は、高分子溶融物の導入口及び流出口、分離される揮発分が通る減圧ポート並びに撹拌軸を挿入する撹拌軸挿入ポートを有する減圧室を備えている。撹拌軸は、撹拌軸挿入ポートを通って前記減圧室に伸長し、撹拌手段を担持している。シールは、撹拌軸挿入ポートに装着され、一部が減圧室の外側に伸長している撹拌軸を密封している。揮発分分離装置は、撹拌軸を回転させるモータを前記減圧室の外側に備え、シールの減圧室の外側に伸長している部分を例えば、窒素、ヘリウム、水蒸気又は二酸化炭素などの低酸素濃度のガス又は蒸気で覆う手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧下で高分子の揮発分の分離装置に関する。更に、揮発分分離装置、特に減圧式の揮発分分離装置を備えた溶液重合プラントを含む高分子製造プラント又は高分子処理プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの高分子製造及び処理方法において、溶媒及び残留モノマーなどの揮発性の化合物を不揮発性の高分子から分離する必要があり、そのために様々な技術が開発されてきた。例えば、液体を分離するには、相状態図において、混合物が高分子の少ない相及び高分子に富んだ相との2相に分離されるように温度及び圧力を調整することが必要である。よく用いられる別の例は、フラッシュ槽内においての揮発分を蒸発させることであり、頂部にある蒸気が分離されて槽の底部に備えられた排出口から高分子が収集される。このようなフラッシュ槽は、溶液重合にも懸濁液重合にもよく用いられる。第三の技術として、溶媒及び残留モノマーのような揮発分を分離して高分子内の揮発分を所望の水準まで下げるために、高分子溶液を減圧下で激しく撹拌する減圧式の揮発分分離装置がある。時には、上記の方法を組み合わせることもある。
【0003】
オレフィンの連続溶液重合は、高分子を含んでいる反応器流出物を生成する一つの方法であり、上記流出物から溶媒及び残留モノマーを分離する必要がある。
【0004】
一般的に、連続溶液重合法は、モノマーと溶媒の混合物へ触媒を添加することが必要である。混合物は、実質的に濃度勾配を無くして、均質な高分子が生成されるように、逆混合してもよい。特許文献1には、連続的に撹拌されているタンク式反応器内において、メタロセンを用いての溶液重合が記載されている。その反応器は、種々の生成物が得られるように、反応器を連ねた構成でもよい。
【0005】
重合反応の熱は、重合混合物に吸収させてもよいが、発熱となる。一方、冷却システム、反応槽の壁の外部から冷却又は反応槽の内部に備えられた熱交換流体により冷却された熱交換面により、反応熱を取り除くことができる。
【0006】
重合反応においては、所定量(50モル%以上)のモノマーが消費されて生成された高分子が溶媒に溶解していることが多い。高分子の濃度が高い程、高分子、溶媒及び未反応化合物が含まれる混合物の粘度が高くなる。重合反応器からの混合物は、仕上げ段階に送られて高分子、溶媒及び未反応のモノマーが分離される。仕上げ段階において、高分子が固体のペレット又はベール(bale)へ形成できるようになるまで、混合物から溶媒及び未反応のモノマーが順次に分離される。分離された溶媒及びモノマーは重合反応器において再利用される。
【0007】
仕上げ段階には、減圧式の揮発分分離装置を備えてもよい。
【0008】
特許文献2及び特許文献3には、エチレン、ポリプロピレン及び他のオレフィン共重合用モノマーを含むオレフィンの連続溶液重合方法及び装置が記載されている。加圧下において、1つ以上の重合反応器において、重合反応が進行する。反応器からの流出物は仕上げ段階おいて、触媒キラーを用いて処理され、1つ以上の熱交換器により加熱されてから、流出物が高分子に富んだ相及び高分子の少ない相に分離されるように、減圧にされる。この2つの相は分離されて、高分子の少ない相は精製されて溶媒として再利用される。高分子に富んだ相は、更に分離・精製される。分離・精製には減圧式の揮発分分離装置を通過させることも含まれる。減圧式の揮発分分離装置に続いて、高分子はペレット及び/又はベールに形成されてから貯蔵又は出荷される。この方法は、異なった種類の高分子にも適している。
【0009】
溶液重合によっては(特許文献4参照)、重合混合物は、フラッシュ蒸発によりに相に別れ、溶媒及び未反応モノマーは気相となる。ポンプによる分離段階の後の溶媒などの効率的な抽出には、低蒸気圧で気相圧縮又は凝縮が要求される。高分子をフラッシュ分離段階から最終の揮発分を除去する押出機に搬送するのにポンプが使われる。
【0010】
溶液を扱うプラントでは、溶媒の選択、操作温度及び精製システムは、所望の重合操作に窓を有するように設計する必要がある。共重合用モノマーの量、分子量などに応じて触媒により広範な高分子を得ることができる。
【0011】
溶液重合又は他の方法を用いて生成された高分子は柔らかく且つべとつく場合があるので、扱いに問題が生じ易い。そのため、そのように柔らかな高分子を扱えるプラント及び方法が必要となる。
【0012】
特許文献1、特許文献5には、上記以外の背景技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第94/00500号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6881800号明細書
【特許文献3】米国特許第7163989号明細書
【特許文献4】国際公開第98/02471号パンフレット
【特許文献5】国際公開第92/14766号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
減圧式の揮発分分離装置自体が、高分子溶液内の残留揮発分の量を減ずるのに効果的であることは実証されているが、確実に作動させるには、特に高度なシールが必要であることが判明した。一方が固定され他方がシャフトに装着された2つの平らなディスク有し、ディスク間にシール油が充填された従来の機械的なシールは、ディスク間に入りこんだ高分子により問題が生じやすく、その結果シールが保たれずシール油が高分子中へ放出されることになる。従って、改善されたシールを備えた揮発分分離装置が必要となる。
【0015】
更に、高分子製品、特にフィルム用高分子は、食品と接する用途の場合には、関連する規制、例えばFDAに適合する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、高分子の製造又は処理プラントにおいて用いられる減圧式の揮発分分離装置を提供する。揮発分分離装置は、溶融高分子の導入口、溶融高分子の排出口、分離される揮発分が通る減圧ポート及び撹拌軸が挿入される撹拌軸挿入ポートを有する減圧室を含んで構成される。撹拌軸は、少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って減圧室内に伸長しており、撹拌板のような撹拌手段を備えている。撹拌軸挿入ポートには、撹拌軸を密封するシールが装着され、該シールの一部は、減圧室の外側に伸長している。揮発分分離装置は、減圧室の外側に撹拌軸を回転させるモータが備えられ、低酸素濃度のガス又は蒸気、例えば、窒素、ヘリウム、水蒸気又は二酸化炭素を用いて、撹拌軸シールの外側に伸長した部分を覆う手段を含んで構成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例である、揮発分分離装置を備えた連続溶液重合プラント概略レイアウトを示す図
【図2】揮発分分離装置の詳細を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0018】
高分子の製造又は加工プラントに用いられる本発明による減圧式の揮発分分離装置は、導入口、排出口、少なくとも1つの減圧ポート及び撹拌軸を挿入する少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って減圧室内に伸長して撹拌板のような撹拌手段を備えた撹拌軸、撹拌軸挿入ポートに装着されて一部が減圧室の外側に伸長している撹拌軸を密封するシール、並びに減圧室の外側に備えられた撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを含んで構成され、更に、不活性ガスなど低酸素濃度のガスを用いて、撹拌軸用シールの外側への伸長部を覆う手段を含んで構成される。
【0019】
従来の揮発分分離装置では、減圧室内への空気の漏れは、減圧室内の高分子を酸化して高分子中の黒いしみ及びゼリー(gel)などに変化すると信じられている。本発明による揮発分分離装置では、回転軸のシールの外側に伸長した部分は、低酸素濃度のガスで覆われて外気の酸素が遮断されるので、シールを通って減圧室へ漏れるガスは、高分子に対して不活性なガスであり、空気ではない。
【0020】
本明細書において使われる「濃縮された高分子相(concentrated polymer phase)」とは、ポリオレフィンのような不揮発性の高分子及び高分子から分離されることが好ましい揮発分を含む高分子組成を意味する。一般的に濃縮された高分子は、少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%の高分子を含んでいる。
【0021】
「揮発分(volatiles)」とは、高分子の分解温度以下の温度で加熱し減圧下において、濃縮された高分子相から分離される非高分子種を意味する。
【0022】
減圧室の導入口及び排出口は、濃縮された高分子相の導入及び高分子の排出用である。減圧室内の濃縮された高分子相は、撹拌手段により撹拌される。撹拌手段には、従来から既知の全ての撹拌装置も含まれる。例えば、撹拌手段には、従来からある円板又は楕円板、翼、桿又はそれらの組合せも含まれる。
【0023】
揮発分分離装置は、高分子を排出する排出口に装着されたスクリュー軸を含んで構成してもよい。この場合、減圧室は、減圧室内へスクリュー軸を通すポートを有し、そのスクリュー軸用ポートも、一部が減圧室の外側に伸長しているシールを備えている。揮発分分離装置は、低酸素濃度のガスにより撹拌軸用シールの外側への伸長部を覆うように、囲いなどの手段も備えることが好ましい。
【0024】
撹拌軸用又はスクリュー軸用のシールの外側への伸長部は、減圧室の外側の外気に曝される部分である。本発明の第一の形態である揮発分分離装置を運転する際には、雰囲気は低酸素濃度のガス雰囲気である。
【0025】
本発明による一実施態様では、揮発分分離装置の減圧室は、2つの撹拌軸用のポートを有し、撹拌軸はこの2つのポートを通って伸長している。別の実施態様では、減圧室は、唯一の撹拌軸用のポートを有し、撹拌軸は減圧室の途中までしか伸長していない。直接の不活性ガス流を含む、シールの外側への伸長部を低酸素濃度のガスで覆う全ての適切な手段を用いることができる。低酸素濃度のガスで覆う手段が、減圧室の外側のシールの周りに装着されて低酸素濃度のガスを備える囲いであってもよい。適切な方法により減圧室の外側に、囲いを固定することもできる。
【0026】
揮発分分離装置を運転する際には、囲いを低酸素濃度のガスにより正圧に保ってもよい。このようにして、減圧室内への空気の漏れが防止される。
【0027】
囲いは、点検用ハッチを備えてもよい。このハッチにより、シールが保守し易くなる。
【0028】
回転軸用のモータは、囲いの一部を形成するハウジングを含んで構成してもよい。撹拌軸は、その各端部に備えられたモータそれぞれが囲いの一部を形成するハウジングを有してもよい。揮発分分離装置が、1つのスクリュー軸を含んで構成される場合には、スクリュー軸は1つのモータで駆動され、そのモータは、囲いの一部を形成するハウジングを含んで構成してもよい。
【0029】
揮発分分離装置は、それぞれの囲いに低酸素濃度のガスの流れを監視する流量計を備えてもよい。このようにすると、運転中に、それぞれの囲いへ流れ込む低酸素濃度のガスの流れを監視できる。低酸素濃度のガスの流量が増加した場合には、シールの破損の可能性がある。囲いが複数ある場合には、それぞれの囲いへの流れを個別に監視することが好ましい。
【0030】
一般的に、減圧室は円筒形でその軸及び撹拌軸が水平方向に伸長しており、円筒の軸と撹拌軸が一致してもよい。
【0031】
それぞれの軸のシールは、パッキン材が充填されたシールであり、揮発分分離装置は、パッキン材が充填されたシールへ潤滑油を注入する少なくとも1つの油注入ポンプを含んで構成される。揮発分分離装置に、油注入ポンプ用に潤滑油用に少なくとも1つの容器を備えてもよい。その容器に、食用グレードのローヤルパープル(登録商標)などの食用油を収容してもよい。
【0032】
それぞれのシールは、ケブラー(登録商標)繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及び黒鉛を含んで構成されるパッキン材が充填されたシールでもよい。それぞれのシールはケブラー(登録商標)又はPTFEが含浸された黒鉛を含んで構成されるパッキン材が充填されたシールでもよい。
【0033】
本発明による装置及び方法では、低酸素濃度のガスを用いる。3重量%以下、好ましくは0.5重量%以下の酸素を含むガスであることが好ましい。実質的に酸素が無いか無酸素(0.0重量%)であれば、更に好ましい。低酸素濃度のガスには、酸素を含んでいないヘリウム、アルゴン、窒素、水蒸気、二酸化炭素又はその組み合わせが含まれるが、窒素ガスが好ましい。
【0034】
減圧室の容積は少なくとも2m、例えば4mが好ましく、多くとも15m、例えば11mが好ましい。減圧室は一般的には、長さが少なくとも4m、少なくとも6mでもよく、直径が少なくとも1mの円筒形である。
【0035】
減圧式の揮発分分離装置は、1つ又は複数の減圧ポートを介して減圧室を減圧にする少なくとも1つのポンプを含んでいるか、又は少なくとも1つのポンプに連結されていることが多い。
【0036】
本発明の第二の形態は、上記のような減圧式の揮発分分離装置を含んで構成されたポリオレフィンの製造プラントを提供することである。
【0037】
プラントは、高分子溶融物(polymer melt)のような濃縮された高分子相から揮発分を分離することが望ましい全ての方式のポリオレフィンの製造プラントが含まれる。プラントは、1種以上のモノマーを連続的に溶液重合するプラントであってもよい。
【0038】
本発明の第三の形態は、濃縮された高分子相から揮発成分を分離する方法を提供することであり、その方法には、濃縮された高分子相を減圧式の揮発分分離装置へ導入する工程が含まれる。減圧式の揮発分分離装置は、導入口、排出口、少なくとも1つの減圧ポート及び撹拌軸を挿入する少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、減圧室内の濃縮された高分子相を撹拌する撹拌手段を備えた撹拌軸、撹拌軸挿入ポートに装着されて一部が減圧室の外側に伸長している撹拌軸を密封するシール、並びに減圧室の外側に備えられた撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを含んで構成され、更に、低酸素濃度のガスを用いて、撹拌軸用シールの外側への伸長部を覆う手段を含んで構成される。方法には、更に濃縮された高分子相を減圧室に導入する工程、撹拌軸を回転して濃縮された高分子相を撹拌中には少なくとも1つの減圧ポートを通して減圧室を減圧とする工程及び撹拌軸を密封する少なくとも1つのシールの外部を低酸素濃度のガスで覆う工程も含まれる。
【0039】
本発明の第四の形態は、高分子の製造又は処理プラントにおいて用いられる減圧式の揮発分分離装置を提供することである。揮発分分離装置は、導入口、排出口、少なくとも1つの減圧ポートを有する減圧室及び撹拌軸を挿入する少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って減圧室内に伸長して撹拌手段を備えた撹拌軸、撹拌軸挿入ポートに装着されて撹拌軸を密封するシール、並びに減圧室の外側に備えられた撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを含んで構成され、撹拌軸を密封するそれぞれのシールはパッキン材が充填されたシールであり、シールに潤滑油を注入する専用の油注入ポンプが備えられている。
【0040】
本発明の第五の形態は、第四の目的に記載された減圧式の揮発分分離装置を含んで構成されたポリオレフィン製造プラントを提供することである。プラントは、濃縮された高分子相から揮発分を分離できる全てのプラントが含まれる。プラントは、炭化水素溶媒中の1種以上のモノマーを連続的に溶液重合するプラントであってもよい。プラントは、1つ又は複数の減圧ポートを介して減圧室を減圧にする少なくとも1つのポンプを含んでいることが多い。
【0041】
揮発分分離装置は、高分子を減圧室から排出する排出口に装着されたスクリュー軸を含んで構成してもよい。この場合、減圧室は、減圧室内へスクリュー軸を通すスクリュー軸用ポートを備えている。このスクリュー軸用ポートは、一部が減圧室の外側に伸張しているシールも備えている。揮発分分離装置は、スクリュー軸のシールの外側に伸張した部分が低酸素濃度のガスで覆われるように、低酸素濃度のガスで満たされた囲いのような手段も含んで構成されることが好ましい。
【0042】
第四の形態の揮発分分離装置においては、スクリュー軸のシールもパッキン材が充填されたシールであり、シールに潤滑油を注入する専用の油注入ポンプが備えられていることが好ましい。
【0043】
従来の減圧式の揮発分分離装置では、機械的なシールが用いられることが多い。この機械的シールは、軸に取り付けられたディスクに近づけて装着するディスクを備え、ディスク間に潤滑油を保持するシールが一般的である。しかしながら、高分子がディスク間に入ってシールが損なわれ、潤滑油が減圧室内へ入り込み高分子を汚染することになる。
【0044】
第四の形態の揮発分分離装置においては、少なくとも1つ、全ての軸のシールは、パッキン材の充填されたシールであることが好ましい。パッキン材の充填されたシールでは、ケブラー(登録商標)ロープ(編みあげたアラミド繊維)のような柔軟性のあるパッキン材を軸に対して押し付けて気密を保つ。パッキン材の充填されたシールは、シールを潤滑する手段を含んでいることが多く、第四の形態の揮発分分離装置においては、各軸のシールに油を注入する油注入ポンプが備えられている。従って、揮発分分離装置は、3つの充填シール(2つは撹拌軸、1つは高分子を揮発分分離装置から排出するスクリュー軸)を備えているので、それぞれのシールに作用する3つの油注入ポンプがある。このようにして、1つのシールが故障して油が漏れてもこのシールのみが影響を受け、他のシールにおいて油が欠乏することはない。
【0045】
充填シールは、機械的シールよりも遥かに簡単に交換できる。
【0046】
揮発分分離装置は、シールに注入する食用グレードの油を収容する容器を含んで構成してもよい。このようにして、減圧室に油が漏れても、高分子が食品用に受け入れられなくはならない。この油は、ローヤル・パープルから入手できる油であることが好ましい。それぞれの油注入ポンプは、圧力監視装置を含んで構成されることが好ましい。
【0047】
シールのパッキン材には、適切なものであれば、どんな材料を用いてもよい。減圧式の揮発分分離装置における温度及び圧力下で操作しても、短期間で交換することがないパッキン材である必要がある。本発明の一実施態様では、パッキン材は、所要の長さに切断して軸の周りを包むことのできるロープの形状である。それぞれの軸のシールは、1つ又は複数のケブラー(登録商標)繊維、PTFE(ポリテテトラフルオロエチレン)及び黒鉛を含んで構成される充填されたパッキン材でもよい。摩擦を減らして軸の回転が円滑に回転するように、ケブラー(登録商標)繊維、アラミド繊維又は炭素繊維にPTFE又は黒鉛を含浸してもよい。
【0048】
それぞれのシールは、多段のシールであることが好ましい。シールは3段のシールでもよい。
【0049】
揮発分分離装置は、油の注入を、内部と中間のパッキン材の間から中間と外部との間を周期的に切換える自動切換え装置を備えてもよい。
【0050】
低酸素濃度のガス、好ましくは窒素を中間と外部のパッキン材の間に注入してもよい。
【0051】
それぞれのシールを、2〜10本、好ましくは3〜6本の編み上げたロープからなるパッキン材を含んで構成してもよい。
【0052】
プランジャーポンプ又はシュリンジポンプを用いて、ある時間内に所定量の油を注入してもよい。
【0053】
減圧室は、2つの撹拌軸挿入ポート及び2つを通ってポート間を伸張する撹拌軸有し、揮発分分離装置は、更にそれぞれの撹拌軸用シールのパッキン材に油を注入する2つの油注入ポンプを含んで構成してもよい。
【0054】
それぞれの撹拌軸用シールの減圧室から外部に伸張した部分を低酸素濃度のガスで覆う手段は囲いであってもよく、この囲いはハウジングの外側に装着され、低酸素濃度のガスが供給される。
【0055】
囲いは、周り外気に対して、低酸素濃度のガスにより正圧に保たれる。
【0056】
それぞれの囲いには、点検用のハッチを備えてもよい。
【0057】
揮発分分離装置は、それぞれの囲いへの低酸素濃度のガスの流れを監視する流量計を含んでもよい。
【0058】
減圧室は円筒形でその軸が水平面上にあり、撹拌軸も水平方向に伸張し、円筒の軸と撹拌軸が一致してもよい。
【0059】
適切な触媒を用いれば、本明細書に記載した方法の全ての態様は実行可能である。例えば、本発明の方法は全てのシングルサイト触媒(SSC: single sited catalyst)を用いることができる。これらの触媒は、周期表の3〜10族の遷移金属、及び重合反応中に遷移金属と結合したままの少なくとも1つの補助配位子(ancillary ligand)を含んでいることが多い。遷移金属は、陽イオン状態で且つ共触媒又は活性剤により安定化させて用いることが好ましい。特に、チタン、ハフニウム又はジルコニウムなど、周期表の第4族メタロセンが好ましく、以下において詳細に説明するように、重合反応中にd1価の陽イオン状態で1又は2つの付属配位子を有している。配位重合用のこのような触媒の重要な特徴は、引抜き反応ができる配位子及びエチレン(オレフィン)族が挿入できる配位子を有していることである。
【0060】
本明細書において「メタロセン(metallocene)」とは、元素の周期表の遷移金属と組合わさった1つ又は複数のシクロペンタジエニル残基(moiety)を含むことを意味する。
【0061】
メタロセンは、蒸気圧オスモメトリーにより測定された平均重合度4〜30のアルモキサン(alumoxane)、好ましくは メチルアルモキサンを共触媒として用いることができる。直鎖状のアルカンへ溶解されるように、アルモキサンは変性するか、又はスラリー状で用いてもよいが、通常はトルエン溶液が用いられる。このような溶液には、未反応のトリアルキルアルミニウムが含まれることがあり、アルモキサンの濃度はモルAl/リットルで表示されることが多い。この濃度表示には、オリゴマーを形成しなかった未反応のトリアルキルアルミニウムも含まれている。アルモキサンを共触媒として用いる際は、遷移金属に対するモル比が50以上、好ましくは100以上で且つ1000以下、好ましくは500以下と過剰に用いられる。
【0062】
本発明による方法及びその方法を実行するプラントは、種々の高分子及び広範な分子量が重合できるように設計される。一般には、高分子は、主要な成分(50モル%以上)として、エチレン又はプロピレンから重合される。高分子は、その結晶度及び柔軟性に応じて5〜45モル%の共重合用モノマーが含まれる。共重合用モノマーは、2〜20の炭素原子を有する、エチレン、(プロピレンが主要成分の高分子の場合は)1−ブテン、1−ヘクセン及び1−オクテンなどのα−オレフィン(スチレンなどの環式オレフィンも含まれる)である。不飽和鎖及び/又は長い側鎖を形成するように、ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン(ENB)、ノルバルナジエンなどのジエンが含まれてもよい。
【0063】
プラストマーの場合には、以下のような態様を含んだ高分子が生成される。共重合用モノマーは、好ましくは炭素数が3〜15、より好ましくは4〜12、更に好ましくは4−10のα−オレフィンである。エチレンは、少なくとも2つの共重合用モノマーと重合してターポリマーを形成する。通常は、70〜99.99モル%、より好ましくは70〜90モル%、更に好ましくは80〜95モル%又は90〜95モル%のエチレンが、0.01〜30モル%、好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜20モル%の共重合用モノマーと重合する。本発明では、高分子の分子量分布は、ウルトラ−スタイロゲル5(Ultra−styrogel 5)カラム及び屈折率検出器を備えたWatersのゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。測定器の温度は145℃に設定、溶離用の溶媒にはトリクロロベンゼン、且つ校正用の標準試料には、500〜5.2百万の間で正確な分子量が判明している16のポリスチレン及びポリエチレンの標準試料NBS(米国規格基準局)の1475.10を用いた。本明細書に記載した方法により生成したプラストマーの分子量分布(MWD)は、「狭い(narrow)」と判定された。すなわち、Mw/Mnが3以下、好ましくは2.5未満又は2.5であった(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。一般的には高分子のメルトインデックスは、0.01〜200g/10minの範囲にあるが、本発明では0.1〜100g/10min、より好ましくは0.2〜50g/10min、更に10g/10min以下であることが好ましい。プラストマーの目標とする密度は0.85〜0.93g/cm、好ましくは0.87〜0.92g/cm、より好ましくは0.88〜0.91g/cmの範囲内である。
【0064】
本発明による方法は、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1,4−メチル−1−ペンテン、1−ヘクセン、1−オクテン、1−デセン及びスチレンのような環式オレフィンなどのα−オレフィンの1つ又は複数のモノマーが関与する特に共重合反応に関する。
【0065】
エラストマーの場合には、重量平均分子量(Mw)の大きなエチレン−α−オレフィン−ジエンエラストマー(EODE)及びジエン含量が0.3重量%以上、好ましくは2.0重量%の高分子が生成されると思われる。これらの高分子は、大部分が非晶質であり、融解熱が小さいか又はゼロである。ここでの用語「EODE」には、エチレン、α−オレフィン及び1つ又は複数の非共役ジエンのモノマーから成るエラストマー状の高分子も包含される。非共役ジエンのモノマーは、炭素数6〜15の直鎖状炭化水素、側鎖を有する炭化水素又は環式のジエン炭化水素である。適当な非共役ジエンは、例えば、1,4−ヘキサジエン及び1,6−オクタジエンのような非環式直鎖状ジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン及びジヒドロミルセンとジヒドロオシメンの異性体のような非環式側鎖を有するジエン、1,4−シクロヘキサジエン及び1,5−シクロドデカジエンのような単環の脂環式ジエン、並びにテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−1,5−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエンのような多環の脂環式の融合、架橋した環式ジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン及びノルボナジエンのようなアルケニル、アルキリデン,シクロアルキリデン,シクロアルキリデン・ノルボルネンである。
【0066】
EPDMを調整するのに好ましいジエンは、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニリデン−2−ノルボルネン(VNB)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)及び5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)ジシクロペンタジエン(DCPD)である。特に好ましいジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)及び1,4−ヘキサジエン(HD)である。EODエラストマーは、20〜90重量%、好ましくは30〜85重量%、更に好ましくは35〜80重量%のエチレンを含んでいる。エチレン及びジエンと共に使用してエラストマーを調整するのに適したα−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘクセン及び1−ドデカンである。α−オレフィンは、その10〜80重量%、好ましくは20〜65重量%がEODエラストマーに組み込まれる。非共役ジエンは、その0.5〜20、35重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜12重量%がEODエラストマーに組み込まれる。必要に応じて、全ジエン量を上記の範囲内保って、2つ以上のジエン、例えばHD及びENBを同時にEODエラストマーに組み込んでもよい。
【0067】
エラストマーは、ジエンを含まずに2つのモノマーの共重合体でもよい。そのような共重合体は、Mw(重量平均分子量)の大きなエラストマーで、結晶度が低く、灰分が少ない。共重合体は、Mwの大きなエチレン−α−オレフィン共重合体(EPC)でもよい。ここで用いる用語「EPC」は、エチレンとα−オレフィンの共重合体を意味し、エラストマーの特性を示すプロピレンである必要はない。エチレンと共に用いてエラストマーを調整するのに適したα−オレフィンは、C〜C10のα−オレフィンが好ましい。そのようなα−オレフィンの非限定的な例は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘクセン、1−オクテン及び1−ドデセンである。必要に応じて、2つ以上のα−オレフィンを組み込んでもよい。EPCエラストマーは、20〜90重量%、好ましくは30〜85重量%、より好ましくは35〜80重量%のエチレンを含んでいる。
【0068】
プロピレン由来の化合物が主体の高分子の場合には、鎖中にアイソタクチックなプロピレン配列があるために、高分子は以下のような特徴を有する。
【0069】
一実施態様において、プロピレンと少なくとも1つのモノマーとの共重合体では、共重合用モノマーはエチレン又はα−オレフィンである。共重合用モノマーには、エチレン及び直鎖状又は側鎖を有するC〜C30のα−オレフィン、又はそれらの組み合わせが含まれる。α−オレフィンには、エチレン及びC〜Cのα−オレフィン、より好ましくは、エチレン、1−ブテン、1−ヘクセン及び1−オクテン、更に好ましくは、エチレン又は1−ブテンが含まれる。側鎖を有する好ましいα−オレフィンには、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン及び3,5,5−トリメチルー1−ヘクセンが含まれる。以下に定義するように、プロピレン共重合体は不規則(random)な共重合体であることが好ましい。
【0070】
プロピレン共重合体は、2〜65%の結晶度を有する。この範囲内において、結晶度の下限は5%又は10%、上限は50、45又は40%でもよい。
【0071】
ポリプロピレン共重合体の結晶度は、共重合体中のポリプロピレンのアイソタクチック(又はシンジオタクチック)配列に由来する。プロピレンの量は65〜95重量%である。この範囲内において、プロピレンの量の下限は70又は80重量%で、上限は92.5、90又は89重量%である。
【0072】
半晶質のポリプロピレン共重合体は測定できる結晶度を有するため、融解熱が必ずしもゼロとはならない。結晶度100%の融解熱を189J/gとして、融解熱と結晶度の直線関係により、結晶度から融解熱を算定できる(例えば、B. Wundelich, Macromolecular Physics, vol.3, Academic Press (1980)の特に8.4.2.章参照)。
【0073】
ポリプロピレン共重合体は、単一の広い融解転移(single broad melting transition)を有する。一般に、ポリプロピレン共重合体の試料は、主融解ピークに隣接して第二次融解ピーク又は肩を有し、これらを組合せて単一の融点(single melting point)、すなわち単一の広い融解転移と見なしている。これらの内最も高いピークを融点と見なしている。ポリプロピレン共重合体は、25〜110℃の融点を有することが好ましい。この範囲において、下限は30又は35℃で、上限は105又は95℃が好ましい。
【0074】
ポリプロピレン共重合体のMw(重量平均分子量)は、10,000〜5,000,000g/モル、好ましくは80,000〜500,000g/モルである。分子量分布(MWD)は2以上であることが好ましい。MWDは40以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。別の実施態様では、ポリプロピレン共重合体は、ML(1+4)@125℃が100以下、好ましくは75以下、より好ましくは60、更に好ましくは30以下である。
【0075】
本発明の方法により生成したポリプロピレン共重合体は、狭い組成分布を有する不規則(random)で結晶化可能な共重合体であることが好ましい。高分子の分子間組成分布は、溶媒中の熱分留により決まる。代表的な溶媒は、ヘキサン又はヘプタンのような飽和炭化水素である。以下、熱分留法を説明する。通常は、約75重量%、より好ましくは85重量%の高分子が、1つ又は隣接した2つの可溶な留分として分離され、残部がそれに続く留分である。これら留分のそれぞれのエチレンの含有量(重量%)は、ポリプロピレン共重合体のエチレン含有量の平均重量%との(相対的な)差が20%、より好ましくは10%以下である。上記の分留の分布に合えば、ポリプロピレン共重合体は、「狭い」組成分布を有していると見なされる。
【0076】
好適なポリプロピレン共重合体における、立体規則性のポリプロピレン配列の長さ及び分布は、実質的に不規則で統計的な共重合と矛盾しない。配列の長さ及び分布は、共重合の反応性比(reactivity ratio)に関連することは周知である。「実質的に不規則な(substantially random)」とは、共重合体の製品の反応性比が2又はそれ以下であることを意味する。対照的に、ステレオブロック構造においては、ポリプロピレン配列の平均長さは、同じ組成の場合、実質的に不規則な共重合体よりも長い。ステレオブロック構造を有する従来のポリプロピレンは、その配列の分布がこの不規則というよりは、実質的に統計的な分布のブロック構造と矛盾しない。
【0077】
高分子の反応性比及び配列の分布は、エチレン残分(residue)及びポリプロピレン残分の位置を同定するC−13NMRにより決められる。所望の不規則性及び狭い組成分布を有する結晶化可能な共重合体を生成するには、次の2つを用いることが望ましい。(1)シングルサイト触媒。(2)好ましいポリプロピレン共重合体の実質的に全ての高分子鎖に対して単一重合状態のみが可能な、十分に混合されて連続流の撹拌槽式の重合反応器。
【0078】
以下、本発明の利点、特徴及び詳細について、図面を用いて説明する。
【0079】
[重合及び高分子と溶媒の初期分離]
重合原料は、遠心ポンプ3により導管2を通って反応器8に供給される。重合原料は、A)溶媒としてのヘキサン、B)モノマー(一般には、エチレン又はプロピレンが多い)、C)共重合用モノマー(共重合可能なα−オレフィンでもよい)及びジエン又は他のポリエン又は共重合可能な環式化合物を含む。重合原料は、連続的に撹拌される並列的に運転される2つ反応器8(単純化するため図1では1つしか図示していない)内における断熱重合のために冷却装置又は冷却器6を通過する際に低温に冷却される。活性化剤及びメタロセン触媒を、予備混合してから1つ反応器8に添加してもよい(矢印5、7で示す)。原料中の毒及び反応器における触媒の活性への毒の影響を最小化するために、一般的には、トリイソブチルアルミニウム又はトリnオクチルアルミニウムのような、アルキルアルミニウムを捕捉剤として添加する(矢印4で示す)。
【0080】
原料の温度は、発熱量及びモノマーの所望の変換度に応じ重合温度によって変動する。温度は、40℃以下、場合によっては20℃以下、0℃以下、−20℃以下、例えば−20℃〜−40℃であることが好ましい。
【0081】
重合温度の制御による分子量の調整を完全にするため、1つ又は双方の反応器に導管(不図示)を通して水素を添加してもよい。
【0082】
反応器内の操作圧力は、80バール以上、90バール以上、95バール以上、特に120バール以上、又は140バール以上でもよい。圧力の上限の規制はないが、一般には200バール以下、140バール以下、又は120バール以下が好ましい。反応器内の圧力は、溶液が単相状態であれば十分であり、減圧手段18により、流体がプラント内を圧送できる圧力に調節される。
【0083】
反応器8から導管11を通過して流出する高分子を含んでいるヘキサン溶液は、重合反応を終了させるように、導管11の10の位置から、最初に触媒キラー、好ましくは水、場合によってはメタノールが添加されて処理される。熱管理系の一部としての熱交換器12は、液相分離装置14の上部相20からの高分子の少ない相により加熱され、導管11内の高分子溶液の温度を上昇させる。高分子溶液は、水蒸気、加熱油又は他の高温流体を用いて操作されるトリム熱交換器16により、更に液相分離に適した温度まで昇温される。次いで、高分子溶液は、減圧弁18を通過することにより、高分子の少ない上部相20及び高分子に富んだ下部相22に分離される。
【0084】
[高分子の少ない相の処理]
上述したように、熱交換器12により冷却された上部相20は、冷却装置24により更に冷却されて、水素の抽出に適用されるサージタンク26を通過してから、導管43においてインラインで化学分析され、溶媒中のモノマー及び共重合用モノマーの濃度が算定される。高分子の少ない冷却された上部相20は、30から新たに供給された溶媒及びモノマーにより、所望の濃度とされてから、触媒キラーとしての未反応の水又は新たに供給された溶媒及びモノマー中の水、又は再循環される溶媒及びモノマー中の不純物を除去するために、乾燥器32を通過させる。
【0085】
サージタンク26は、特許引用文献2の図3に示すように、抽出用蒸気としてのエチレンにより水素を抽出するのに適した形状の容器に形成される。
【0086】
サージタンク26からの蒸気は、精留塔36の環流ドラム39へと送られる。その蒸気の一部は、精留塔36及びその塔頂留出蒸気の圧縮・凝結システムにより処理されて、主としてエチレン、プロピレンなどの有用な成分が回収されて乾燥器32の導入口側の導管43に再循環される。主として水素及び凝結されない成分が含まれる蒸気は、112の位置において焼却される。
【0087】
[高分子に富んだ相の処理]
低圧のフラッシュタンクである液相分離装置14からの高分子に富んだ下部相22は、低圧分離装置34に送られて、溶媒及びモノマーの蒸気が分離され、高分子相が濃縮される。濃縮された高分子相は、例えば、高分子が70〜95重量%を含み、残部が溶媒及び残留モノマーである。
【0088】
溶媒及びモノマーの蒸気は、導管35を介して精留塔36に送られ、高揮発性の溶媒及び未反応のエチレン、プロピレンなどの軽い成分と、触媒又は活性化剤を溶解させるヘキサン、トルエン及び未反応のジエン状の共重合用モノマーなどの重い成分に分離するために蒸留される。触媒の成分、並びに触媒の溶解度を上げるために溶液温度を上げるなど触媒の調整条件により、トルエンの使用量を減ずることができ、トルエンを分離する工程が不要となる。
【0089】
低圧分離装置34において濃縮された高分子は、ギアポンプ38により、図2に詳細が図示された減圧式の揮発分分離装置40に送られる。揮発分分離装置40において、蒸気相が取り出されて凝結され、ポンプにより精製塔50に送られる。この精製塔50により、重い成分である触媒の溶媒として使われるトルエン、並びにエチレンノルバルナジエン(ENB)共重合用モノマー又は1−オクテン共重合用モノマーが回収される。ENB又はオクテンは、排出導管54を介して再循環することが可能である。ENB及びオクテンなどの重い共重合用モノマーは、結果として有用な未反応の共重合用モノマーの回収することになるが、異なった製品群(例えば、EPDM,EOプラストマー)間の切り換えが、迅速に行えるように、貯蔵容器55、56に個別に貯蔵してもよい。
【0090】
揮発分分離装置40からの高分子溶融物は、熱交換器42により冷却された水中においてペッレット化されて、袋詰めできるように洗浄してから図1の44において回転乾燥されるか又はペレット化装置46においてベール化される。
【0091】
図2は、揮発分分離装置の詳細を示す模式図である。揮発分分離装置40は、減圧室201及び2つの減圧ポート204、205を含んで構成される。減圧室201は、ギアポンプ38を介して液相分離装置14から移送される濃縮された高分子相の導入口202、並びに濃縮された高分子をペレタイザー46(図2には示されていない)へと流送する流出口203を備えている。減圧ポート204、205は、導管(不図示)によりポンプを含んで構成される減圧システムへ連結されている。減圧室201は、長さが2〜10m、直径が1m以上の円筒であることが多い。減圧室201は、水平に配置され、両端に撹拌軸挿入ポート206、207を備えている。更に、減圧室201には、ポート206、207の水平方向の延長線上に撹拌軸208が同心に備えられている。ポート206には、減圧室201と撹拌軸208の間を密閉するシール209が備えられている。同様に、ポート207には、シール210が備えられている。シール209、210の機能は、外気が減圧室201内に侵入するのを防ぐことである。減圧式の揮発分分離装置40には、撹拌軸208の末端に装着された2つの油圧モータ211、212も含まれる。モータ211、212は、それぞれの油圧装置213、214により動力が供給される。撹拌軸208の長さ方向に沿って、減圧室201の内部の高分子を撹拌する多数の撹拌板215が備えられている。
【0092】
減圧室201の導入口202から離れた側に、スクリュー軸216が撹拌軸208に対して垂直に、水平に載置されている(図2では、判り易いように垂直に載置されているように図示されている)。スクリュー軸216は、油圧装置214により動力が供給される油圧モータ217により駆動される。スクリュー軸216の機能は、高分子を減圧室201から排出口203を通過して下流のペレット化装置に排出させることである。スクリュー軸216は、減圧室にポート218から挿入されてシール219により密閉されている。
【0093】
シール209、210及び219のそれぞれは、PTFE及び黒鉛を含浸させた編んだケブラー(登録商標)繊維を主としてパッキン材が充填された3段シールである。シール209は、減圧室201の外側に伸長する部分209aを有する。シール209の伸長部209aは、減圧室201の末端からモータ211のハウジングまで伸長している円筒形の囲い220内に収容されている。揮発分分離装置40が操作されている際には、囲い220内を不活性雰囲気に保つように、窒素源(不図示)から窒素が供給されてシール209の伸長部209aが不活性雰囲気で覆われる。このようにして、シール209の漏れがあっても、減圧室201には、空気ではなく窒素が吸引される。囲い220への窒素の供給がモニター(不図示)により監視されているので、囲い220からの窒素の流れの急激な上昇は、シール209の漏れの可能性の徴候として検出される。同様に、シール210も外側に伸長する部分があり、その部分は窒素が満たされた囲い221で覆われている。また、シール219も外側に伸長する部分があり、その部分は窒素が満たされた囲い222で覆われている。囲い221、222のそれぞれには、独立した窒素が供給され、窒素流の急激な上昇を検出する独立したモニター(不図示)を有している。
【0094】
図2から判るように、モータ211、212、217は、それぞれの囲い220、221、222の一部を形成しているハウジングを有している。
【0095】
各々の囲い220、221及び222には、運転員が整備及び再充填のためシール209、210及び211を扱えるように点検用ハッチ(不図示)も備えられている。
【0096】
シール209には、シール材のシール効果を改善し耐用期間を延ばすシール油として潤滑油ロイヤルパープル(登録商標)をシール209に供給する専用のシール油注入ポンプ223が備えられている。ポンプ223は、1工程毎の油量を正確に計量して過剰の油がシール209に供給されないように作動する、空気駆動のプランジャーポンプである。食品包装に使われる可能性のある高分子への油の混入は、注意深く制御される。代わりに、潤滑油は、導管224を通して供給される窒素により所定の圧力に加圧されて、シール209に圧入してもよい。
【0097】
シール209の油漏れが検出できるように、ポンプ223からシール209への配管に油流量計(不図示)を備えることもできる。同様に、シール210には、ポンプ225及びその空気源又は窒素源226が備えられ、シール219には、ポンプ227及びその空気源又は窒素源228が備えられている。
【0098】
撹拌軸の両端及びスクリュー軸のそれぞれの3段シールは、第1段と第2段の間と、第2段と第3段の間に2つのポートを有している。揮発分分離装置の圧力が雰囲気の圧力よりも低くなると、シール油が第2のポートから注入される。このように、シール油は優先的に中段に向かって引き込まれその部分を潤滑する。例えば、10分〜12時間、好ましくは10分〜2時間経つと、シール油が第1のポートから注入され、第1段が潤滑される。1分〜12時間、好ましくは1分〜1時間経つと、自動弁によりシール油の注入は第2ポートに切り換わる。装置の運転中はこの切り換えサイクルが繰り返されるので、シールは良好に潤滑される。例えば、高分子の種類の切り換え、又はプラントの整備などで、揮発分分離装置が高分子を処理しない場合には、減圧室は、0.25〜10psig(1.72〜68.95キロパスカル)、より好ましくは、0.5〜5psig(3.45〜34.47キロパスカル)だけ雰囲気よりも高い正圧とされ、その間は、シール油が第1と第2段の間に注入され、第2段が潤滑される。
【0099】
第2のポート、すなわち中段と外側の段の間、すなわち減圧室から離れたポートから低酸素濃度のガス、好ましくは窒素が注入される。これにより、シールと回転軸の間からの漏れは、酸素及湿気を含まない外気である。湿気を含んだ空気は、炭化水素回収系内において、凝結して氷を生成するので、問題である。酸素は、高分子を劣化させ且つ安全を損なう危険があるので問題である。
【0100】
揮発分分離装置40を運転中は、10〜30重量%の揮発分(少量の残留モノマーを含む溶媒が主体)を含む濃縮された高分子相は、ギアポンプ38により、低圧の液相分離装置14の底部から減圧室21の導入口202へ流入する。減圧室内において、濃縮された高分子相は、20〜45rpmの速度で回転する撹拌軸208に固定された撹拌板215により撹拌される。撹拌により、減圧室201内にある高分子の新たな面が連続的に露出されて揮発分は2つの減圧ポート204、205を通して(不図示の)減圧システムに向けて吸引される。減圧室201内の圧力は約20mmHgに保たれる。高分子は減圧室の撹拌軸に沿って流れ、末端の回転するスクリュー軸216により、排出口203を通って、下流のペレット化装置46へと向かう。
【0101】
撹拌軸208が回転する際に、シール209及び210を通って僅かな気体が漏れる、それにより囲い220及び221の窒素が減圧室201に吸引される。囲い220及び221が存在することにより、シール209及び210を通って減圧室201内に外部から酸素が入り込むのを防いでいる。同様に、囲い222は、シール219を通って空気が引き込まれるのを防いでいる。
【0102】
撹拌軸208及びスクリュー軸216が回転している間は、シール油注入専用のポンプ223、225及び227によりそれぞれのシールに潤滑油が供給される。これらのシールが十分に機能しないと、シールへの潤滑油の供給圧が低下し流量が増加するので、漏れが早期に検出できる。この場合、他のシールへの流量には影響を及ぼさない。
【0103】
第1ポート及び第2ポートへのシール油の注入は、交互に定期的に切り換えられ、このサイクルが繰り返される。
【0104】
第2段と第3段のシールの間にも、第2ポート又はシール油注入ポートを通して、窒素又は酸素の含有量が低い気体が注入される。
【符号の説明】
【0105】
2 導管
3 遠心ポンプ
6 冷却器
8 反応器
9 重力式分離装置
11 導管
12 熱交換器
14 液相分離装置
16 トリム熱交換器
18 減圧弁
20 上部相
22 下部相
24 冷却装置
26 サージタンク
32 乾燥器
34 低圧分離装置
35 導管
36 精留塔
38 ギアポンプ
39 環流ドラム
40 揮発分分離装置
42 熱交換器
43 導管
46 ペレタイザー
50 精製塔
54 排出導管
55、56 貯蔵容器
201 減圧室
202 導入口
203 流出口
204、205 減圧ポート
206、207 (撹拌軸用)ポート
208 撹拌軸
209、210 シール
211、212 油圧モータ
213、214 油圧装置
215 撹拌板
216 スクリュー軸
217 油圧モータ
218 (スクリュー軸用)ポート
219 シール
220、221、222 囲い
223 ポンプ
224 導管
225 ポンプ
226 窒素源
227 ポンプ
228 窒素源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子の製造又は処理プラントにおいて用いる減圧式の揮発分分離装置であって、前記揮発分分離装置は、
導入口、流出口、少なくとも1つの減圧ポート及び少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、
前記少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って前記減圧室に伸長し、撹拌手段を有する撹拌軸、
前記撹拌軸挿入ポートに装着され、一部が前記減圧室の外側に伸長している前記撹拌軸を密封するシール、及び
前記撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを前記減圧室の外側に備え、
前記揮発分分離装置は、少なくとも1つの前記シールの前記減圧室の外側に伸長している部分を低酸素濃度のガス又は蒸気で覆う手段を更に備えていることを特徴とする揮発分分離装置。
【請求項2】
前記減圧室は2つの撹拌軸挿入ポートを有し、前記撹拌軸は前記2つの撹拌軸挿入ポートを通って伸長していることを特徴とする請求項1に記載の揮発分分離装置。
【請求項3】
前記シールの外側に伸長している部分をガスで覆う手段は、ポリオレフィンとは反応しないシールの周りの囲いであり、前記囲いは減圧室の外側に装着されて低酸素濃度のガス又は蒸気が満たされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の揮発分分離装置。
【請求項4】
前記囲いは、低酸素濃度のガスにより正圧に保たれていることを特徴とする請求項3に記載の揮発分分離装置。
【請求項5】
前記囲いには、監視用ハッチが備えられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の揮発分分離装置。
【請求項6】
前記囲いへの低酸素濃度のガスの流れを監視する流量計も備えられていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の揮発分分離装置。
【請求項7】
前記減圧室は円筒状であり、前記円筒の軸が水平面に在り、前記撹拌軸も水平に伸長し前記円筒の軸と一致していることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項8】
前記シールはパッキン材が充填されたシールであり、前記揮発分分離装置には前記パッキン材が充填されたシールに潤滑油を注入する少なくとも1つの油注入ポンプが備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項9】
前記シールは、PTFE又は黒鉛を含浸させた編んだケブラー(登録商標)繊維から成るパッキン材を含むことを特徴とする請求項8に記載の揮発分分離装置。
【請求項10】
前記低酸素濃度のガスは、窒素であることを特徴とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項11】
前記減圧室の容積は、少なくとも2m〜10mであることを特徴とする請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の揮発分分離装置を備えたことを特徴とするポリオレフィン製造プラント。
【請求項13】
減圧式の揮発分分離装置を用いて、濃縮された高分子相から揮発成分を分離する方法であって、前記揮発分分離装置は、
導入口、流出口、少なくとも1つの減圧ポート及び少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、
前記少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って前記減圧室に伸長して、前記減圧室内の前記濃縮された高分子相を撹拌する撹拌手段を有する撹拌軸、
前記撹拌軸挿入ポートに装着され、一部が前記減圧室の外側に伸長している前記撹拌軸を密封するシール、及び
撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを前記減圧室の外側に備え、
前記揮発分分離装置は更に、少なくとも1つの前記シールの前記減圧室の外側に伸長している部分を低酸素濃度のガス又は蒸気で覆う手段を備え、前記方法は、
濃縮された高分子相を前記減圧室に導入する工程、
前記濃縮された高分子相が撹拌されるように前記撹拌軸を回転させながら、前記少なくとも1つの減圧ポートを通して減圧にする工程、及び
少なくとも1つの前記シールの前記減圧室の外側に伸長している部分を低酸素濃度のガス又は蒸気で覆う工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
高分子の製造又は処理プラントにおいて用いる減圧式の揮発分分離装置であって、前記揮発分分離装置は、
導入口、流出口、少なくとも1つの減圧ポート及び少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを有する減圧室、
前記少なくとも1つの撹拌軸挿入ポートを通って前記減圧室に伸長し、撹拌手段を有する撹拌軸、
前記撹拌軸挿入ポートに装着され、一部が前記減圧室の外側に伸長している前記撹拌軸を密封するシール、及び
前記撹拌軸を回転させる少なくとも1つのモータを前記減圧室の外側に備え、
前記シールはパッキン材が充填されたシールであり、前記パッキン材が充填されたシールに潤滑油を注入する専用の油注入ポンプが備えられていることを特徴とする揮発分分離装置。
【請求項15】
前記減圧室は、前記撹拌軸を通して伸長させる2つの撹拌軸挿入ポートを有し、それぞれの撹拌軸挿入ポートはパッキン材が充填されたシールを有し、更に、それぞれの前記シールにシール油が注入されるように2つの油注入ポンプを備えていることを特徴とする請求項14に記載の揮発分分離装置。
【請求項16】
それぞれの前記シールに注入されるシール油は、食用グレードの油であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の揮発分分離装置。
【請求項17】
それぞれの前記シールの前記減圧室の外側に伸長している部分を低酸素濃度のガスで覆う手段を備えていることを特徴とする請求項14ないし請求項16の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項18】
前記シールの外側に伸長している部分を低酸素濃度のガス又は蒸気で覆う前記手段は前記シールの周りの囲いであり、前記囲いは前記減圧室の外側に装着されて低酸素濃度のガス又は蒸気を供給されることを特徴とする請求項17に記載の揮発分分離装置。
【請求項19】
それぞれの前記囲いは、低酸素濃度のガスにより正圧に保たれていることを特徴とする請求項18に記載の揮発分分離装置。
【請求項20】
それぞれの前記囲いは、監視用のハッチを備えていることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の揮発分分離装置。
【請求項21】
それぞれの前記囲いへの低酸素濃度のガス又は蒸気の流入を監視する流量計が備えられていることを特徴とする請求項18ないし請求項20の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項22】
前記減圧室は円筒状であり、前記円筒の軸が水平面に在り、前記撹拌軸も水平に伸長し前記円筒の軸と一致していることを特徴する請求項14ないし請求項21の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項23】
前記シールは、PTFE又は黒鉛を含浸させた編んだケブラー(登録商標)繊維から成るパッキン材を含むことを特徴する請求項14ないし請求項22の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項24】
前記低酸素濃度のガスは、窒素であることを特徴する請求項14ないし請求項23の何れか1項に記載の揮発分分離装置。
【請求項25】
前記減圧室の容積は、少なくとも2m〜10mであることを特徴する請求項14ないし請求項24の何れか1項に記載の揮発分分離装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−517349(P2013−517349A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548946(P2012−548946)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061113
【国際公開番号】WO2011/087730
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(508291766)リスト ホールディング アーゲー (7)
【Fターム(参考)】