説明

炎症性、アレルギー性及び増殖性疾患の治療において糖質コルチコイドミメティックスとして使用するための3−(スルホンアミドエチル)−インドール誘導体

一般式(I)
【化1】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びYは明細書に定義のとおりである)
の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;並びに
前記化合物を含有する医薬組成物、及び、これらの化合物を使用して、患者において、糖質コルチコイドレセプター機能を調節する方法、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介されるか又は炎症性、アレルギー性若しくは増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患状態又はコンディションを治療する方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、糖質コルチコイドミメティックス又はリガンド、そのような化合物の製造方法、医薬組成物におけるそれらの使用、及び糖質コルチコイドレセプター機能の調節、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態(disease-state)又はコンディションのそのような治療を必要とする患者の治療における使用、及びその他の使用に関する。
【0002】
背景技術
副腎皮質ステロイドの一種である、糖質コルチコイドは、免疫系及び多臓器系に多大な作用を及ぼす内因性ホルモンである。それらは、炎症性サイトカイン、例えばIL-1、IL-2、IL-6及びTNFの阻害、アラキドン酸代謝物、例えばプロスタグランジン及びロイコトリエンの阻害、T-リンパ球の枯渇、及び内皮細胞の接着分子の発現の低下により、様々な免疫及び炎症性機能を抑制する(P.J. Barnes、Clin. Sci.、1998年、94、557〜572頁; P.J. Barnesら、Trends Pharmacol. Sci.、1993年、14、436〜441頁)。これらの作用に加えて、糖質コルチコイドは、肝臓におけるグルコース産生及びタンパク質の異化を刺激し、電解質及び水の平衡において役割を担い、カルシウム吸収を低下させ、骨芽細胞機能を阻害する。
【0003】
内因性糖質コルチコイドの抗炎症作用及び免疫抑制作用により、合成糖質コルチコイド誘導体、例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン及びプレドニゾロンの開発が刺激されてきた(L. Parente、Glucocorticoids、N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.)、ボストン: Birkhauser、2001年、35〜54頁)。これらは、炎症性、免疫性及びアレルギー性障害、例えばリウマチ性疾患、例えば、慢性関節リウマチ、若年性関節炎、及び強直性脊髄炎、皮膚疾患、例えば乾癬及び天疱瘡、アレルギー性障害、例えばアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、及び接触性皮膚炎、肺疾患、例えば喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び他の免疫性及び炎症性疾患、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性慢性活動性肝炎、変形性関節炎、腱炎、及び滑液包炎の治療に広く使用されることが見い出されてきた(J. Toogood、Glucocorticoids、N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.)、ボストン: Birkhauser、2001年、161〜174頁)。また、それらは、器官移植における拒絶反応の防止を補助するために使用されてきた。
あいにく、糖質コルチコイドの望ましい治療効果の他に、それらの使用には、多くの有害な副作用が関連しており、その幾つかは深刻であり、生命を脅かす可能性がある。それらとしては、液体及び電解質平衡の変化、浮腫、体重増加、高血圧、筋衰弱、真性糖尿病の発生又は悪化及び骨粗鬆症が挙げられる。従って、強力な抗炎症作用を維持する一方で、副作用プロフィールの低い化合物が、具体的には慢性疾患の治療の際に、特に望ましいと考えられる。
【0004】
糖質コルチコイドの作用は、糖質コルチコイドレセプターにより、細胞レベルで媒介されている(R.H. Oakley及びJ. Cidlowski、Glucocorticoids、N.J. Goulding及びR.J. Flowers (eds.)、ボストン: Birkhauser、2001年、55〜80頁)。糖質コルチコイドレセプターは、細胞内レセプターに構造的に関連するクラスのメンバーであり、それは、リガンドと結合した場合に、遺伝子発現に影響する転写因子として機能することができる(R.M. Evans、Science、1988年、240、889〜895頁)。ステロイドレセプターのファミリーに属する他のメンバーとしては、鉱質コルチコイド、プロゲステロン、エストロゲン及びアンドロゲンレセプターが挙げられる。糖質コルチコイドの上記の作用に加え、このレセプターファミリーに働くホルモンは、体のホメオスタシス、ミネラル代謝、ストレス応答及び性徴の発生に多大な影響を与えている。Glucocorticoids、N.J. Goulding 及びR.J. Flowers (eds.)、ボストン: Birkhauser、2001年は、当技術分野の状況をより良く記載するために、全体的に参考文献としてここに含まれるものとする。
【0005】
有益な抗炎症作用及び望ましくない副作用を説明する分子メカニズムが提案されてきている(例えば、S. Heckら、EMBO J、1994年、17、4087〜4095頁; H.M. Reichardtら、Cell、1998年、93、531〜541頁; F. Troncheら、Curr. Opin. in Genetics and Dev.、1998年、8、532〜538年)。多くの代謝系及び心血管系副作用は、転写活性化と呼ばれるプロセスの結果と考えられる。転写活性化において、核へのリガンド結合糖質コルチコイドレセプターのトランスロケーションの後、副作用関連遺伝子、例えば糖産生の増加の場合はホストエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)の、プロモーター領域における糖質コルチコイド応答配列(GRE)に結合する。その結果が、これら遺伝子の転写速度の増加であり、それが、観察される副作用を生じると考えられている。抗炎症作用は、転写抑制と呼ばれるプロセスによると考えられている。一般的に、転写抑制は、DNA結合とは無関係であり、幾つかの炎症性及び免疫メディエーターのダウン・レギュレーションを生じるNF-kB及びAP-1介在経路の阻害から生じる。さらに、観察される多くの副作用は、現在入手可能な糖質コルチコイドの他のステロイドレセプター、特に鉱質コルチコイド及びプロゲステロンレセプターとの交差反応性によるかも知れないと考えられている。
【0006】
従って、選択性が高く、結合において、転写活性化及び転写抑制経路を分離することができる糖質コルチコイドレセプターに関するリガンドを見つけ、副作用プロフィールの低い治療剤を提供することは、可能かもしれない。転写活性化及び転写抑制における作用を測定する分析系は記載されている(例えば、C.M. Bamberger及びH.M. Schulte、Eur. J. Clin. Invest.、2000年、30 (suppl. 3)、6〜9頁)。糖質コルチコイドレセプターの選択性は、このレセプターに関する結合親和性を、上記のものを含む他のステロイドファミリーのレセプターの親和性と比較することにより測定してもよい。
また、糖質コルチコイドは、糖新生と呼ばれるプロセスにより肝臓においてグルコースの産生を刺激し、また、このプロセスは転写活性化現象により媒介されていると考えられている。グルコース産生の増加は、II型糖尿病を悪化させる可能性があり、従って糖質コルチコイド媒介性糖産生の選択的な阻害により、この徴候(indication)における治療有用性が示されてもよい(J.E. Freidmanら、J. Biol. Chem.、1997年、272、31475〜31481頁)。
【0007】
糖質コルチコイドレセプターの新規リガンドは、科学文献及び特許文献に記載されている。例えば、PCT国際公開No. WO 99/33786は、炎症性疾患の治療において使用可能性のあるトリフェニルプロパンアミド化合物を開示している。PCT国際公開No. WO 00/66522は、代謝性及び炎症性疾患の治療に潜在的に有用な糖質コルチコイドレセプターの選択的モジュレーターとしての非ステロイド性化合物を記載している。PCT国際公開No. WO 99/41256は、免疫性、自己免疫性及び炎症性疾患の治療に潜在的に有用な糖質コルチコイドレセプターの四環系モジュレーターを記載している。米国特許No. 5,688,810は、糖質コルチコイド及び他のステロイドのレセプターモジュレーターとして、様々な非ステロイド性化合物を記載している。PCT国際公開WO 99/63976は、糖尿病の治療に潜在的に有用な非ステロイド性、肝-選択的糖質コルチコイドアンタゴニストを記載している。PCT国際公開No. WO 00/32584は、抗炎症作用と代謝作用間の分離を伴う抗炎症活性を有する非ステロイド性化合物を開示している。PCT国際公開No. WO 98/54159は、ゲスターゲン及びアンドロゲンの混合活性を有する非ステロイド性環状置換アシルアニリドを記載している。米国特許No. 4,880,839は、プロゲステロン活性を有するアシルアニリドを記載し、EP 253503は、抗アンドロゲン特性を有するアシルアニリドを開示している。PCT国際公開No. WO 97/27852は、ファルネシル-タンパク・トランスフェラーゼのインヒビターであるアミドを記載している。
【0008】
結合分析において糖質コルチコイドレセプターと相互作用することが見出される化合物は、アゴニスト又はアンタゴニストであり得る。化合物のアゴニスト特性は、上記の転写活性化又は転写抑制分析において評価することができる。炎症性及び免疫性疾患において、入手可能な糖質コルチコイド薬剤により示される有効性及びそれらの有害な副作用について考慮すると、ステロイドレセプターファミリーの他のメンバーを超える選択性を有する新規糖質コルチコイドレセプターアゴニストの必要性及び転写活性化及び転写抑制活性の分離の必要性が未だある。また、その化合物は、アンタゴニスト活性を有することが見い出されるかも知れない。上記のように、糖質コルチコイドは、肝臓においてグルコース産生を刺激する。糖質コルチコイド過剰により誘導されるグルコース産生の増加は、現存する糖尿病を悪化又は潜在的な糖尿病を誘発させる可能性がある。従って、アンタゴニストであることが見い出される糖質コルチコイドレセプターのリガンドは、特に、糖尿病の治療又は予防に有用かも知れない。
【0009】
発明の概要
本発明は、以下の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩に関する;
【0010】
【化1】

{式中、
R1は、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2は、炭素数1〜5のアルキル、炭素環、アリール又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R2の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R7及びR8の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10は、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R9及びR10の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
Xは、Xへの任意の結合がない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基で所望により置換されているNH基であるか、又は
Xへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり;また
Yは、Yへの任意の結合が存在しない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基により所望により置換されているNH基、又は
Yへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり、
ここで、X及びYの各置換基は、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルであり、
式中、各破線(dashed line)は、0又は1の任意の結合が一般式(I)の化合物に存在することを条件として、任意の結合を表している}。
【0011】
本発明の一つの態様としては、以下のように表される一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる:
{式中、R1は、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2は、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオであり;
ここで、R2の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
R7及びR8は、それぞれ、独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R7及びR8の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10は、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R9及びR10の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されている}。
【0012】
本発明の他の態様としては、以下のように表される一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる:
{式中、R1は水素であり、
R2は、フェニル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はハロゲンであり、
ここで、R2の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり;
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキルであり;
ここで、R7及びR8の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;また
R9及びR10は、それぞれ水素である}。
【0013】
本発明の他の態様としては、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくとも一つ、二つ又は三つが、炭素数1〜5のアルキルである、一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる。
本発明のさらに他の態様としては、式中、R2の各置換基が、所望により、独立して、メチル、メトキシ、クロロ、ブロモ又はジメチルアミノから選ばれる1〜3の置換基により置換されている、一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる。
本発明のさらに他の態様としては、 が、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、2-チオフェン基又は3-チオフェン基である、一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる。
本発明の重要な態様としては、XがNH基であり、YがCH基である、一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる。
本発明の他の態様としては、式中X及びYが非置換であるか、又はX及びYが共にCH基又はCH2基であるか、又はX及びYが共にN基又はNH基であるか、又はX及びYの一方がCH基又はCH2基であり、X及びYの他方がN基又はNH基である、一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下のものは、本発明による一般式(I)の代表的な化合物である:
【0015】
【化2】









【0016】
【化3】







【0017】
【化4】












【0018】
【化5】












【0019】
【化6】






【0020】
【化7】






【0021】
【化8】





【0022】
【化9】








【0023】
【化10】






【0024】
【化11】








【0025】
【化12】










【0026】
【化13】









【0027】
【化14】











【0028】
【化15】








【0029】
【化16】













【0030】
【化17】






【0031】
【化18】










【0032】
【化19】












【0033】
【化20】













【0034】
【化21】












【0035】
【化22】










【0036】
【化23】









【0037】
【化24】








【0038】
【化25】

【0039】
一般式(I)の好ましい化合物としては以下の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる:
5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,4,5,6-ペンタメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-tert-ブチル-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド。
【0040】
一般式(I)のより好ましい化合物としては以下の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩が挙げられる:
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド。
【0041】
また、本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【0042】
【化26】

(式中、R1はHであり、R2、 R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びYは、請求項1に定義のとおりである)
その方法が、一般式(II)のアミノエチル複素環を一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させて、一般式(I)の化合物を形成することを含む、上記製造方法を提供する。


【0043】
【化27】

さらに、本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【0044】
【化28】


(式中、R1、R8及びR9は、それぞれHであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R10、X及びYは請求項1に記載のとおりである)
その方法が、以下の工程を含む上記方法を提供する:
(a) 一般式(V)のアルデヒドを一般式(VI)のニトロ化合物と、酢酸アンモニウム及び酢酸の存在下で反応させ、一般式(VII)のニトロアルケンを形成する工程;
【0045】
【化29】

(b) 一般式(VII)のニトロアルケンを、好適な還元剤で還元し、一般式(II)の中間体を形成する工程;及び








【0046】
【化30】

(c) 一般式(II)の中間体を、一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させ、一般式(I)の化合物を形成する工程。
【0047】
【化31】

【0048】
本発明の他の態様において、本発明による化合物は、有効量、好ましくは医薬的有効量の、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び医薬的に許容され得る賦形剤又は担体を含む医薬組成物に配合される。
また、本発明は、患者における糖質コルチコイドレセプター機能の調節方法であって、その方法が、有効量の、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を患者に投与することを含む、上記方法を提供する。
さらに、本発明は、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、本発明による医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法を提供する。
【0049】
さらに、本発明は、また、II型糖尿病、肥満、心血管疾患、高血圧、動脈硬化症、神経性疾患、副腎及び下垂体の腫瘍及び緑内障から選ばれる疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、本発明による医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法を提供する。
本発明は、炎症性、アレルギー性又は増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患の、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、本発明による医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法を提供する。本発明の好ましい態様において、炎症性、アレルギー性又は増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患は、(i)肺疾患;(ii)リウマチ疾患又は自己免疫疾患又は関節疾患;(iii)アレルギー性疾患;(iv)脈管系疾患;(v)皮膚疾患;(vi)腎疾患;(vii)肝疾患;(viii)胃腸疾患;(ix)直腸系疾患;(x)眼疾患;(xi)耳鼻咽喉(ENT)領域の疾患;(xii)神経疾患;(xiii)血液疾患;(xiv)腫瘍性疾患;(xv)内分泌系疾患;(xvi)器官及び組織の移植及び移植片対宿主疾患;(xvii)重篤なショック状態;(xviii)補充療法;及び(xix)炎症起源の疼痛から選ばれる。本発明の他の好ましい態様において、炎症性、アレルギー性又は増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患は:I型糖尿病、変形性関節炎、ギラン・バレー症候群()、経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷(thermal injury)、外傷に続く多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性腸炎、及び血液透析、白血球除去血輸血(leukopheresis)及び顆粒球輸血に関連する症候群から選択される。
【0050】
さらに、本発明は、上記の疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、患者に:(a)有効量の、本発明による医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び(b)医薬的に許容され得る糖質コルチコイドを、連続的又は同時に投与することを含む、上記方法を提供する。
さらに、本発明は、サンプルにおいて、糖質コルチコイドレセプター機能を分析する方法であって、その方法が:(a)サンプルを、選択された量の、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩と接触させる工程;及び(b)サンプルにおいて糖質コルチコイドレセプターに結合した、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩の量を検出する工程を含む、上記方法を提供する。本発明の好ましい態様において、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、放射性同位元素、蛍光標識、化学発光標識、発色団及びスピン標識から選ばれる検出可能なマーカーで標識する。
【0051】
また、本発明は、サンプル又は患者において、糖質コルチコイドレセプター分布を画像処理する方法であって、その方法が:(a)検出可能なマーカーを有する、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、サンプルに接触させるか、又は患者に投与する工程;(b)サンプル又は患者において、糖質コルチコイドレセプターに結合した検出可能なマーカーを有する、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩の空間分布及び量を、画像化手段を使用して検出し、画像を得る工程;及び(c)サンプルにおいて、糖質コルチコイドレセプターに結合した検出可能なマーカーを有する、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩の空間分布の画像及び量をディスプレーする工程を含む、上記方法を提供する。本発明の好ましい態様において、画像化手段は:ラジオシンチグラフィー、磁気共鳴映像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CTスキャン)又は陽電子放射断層撮影法(PET)から選ばれる。
また、本発明は、サンプルにおいて、糖質コルチコイドレセプター機能のインビトロ診断測定をするためのキットであって、そのキットが:(a)診断的有効量の、本発明による化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;及び(b)診断キットの使用のための説明書を含む、上記キットを提供する。
【0052】
使用する用語及び規約(conventions)の定義
ここに具体的に定義されていない用語は、本開示及び内容に照らして、当業者により与えられると考えられる意味を示すものとする。しかし、本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される場合、もし明記されていなければ、以下の用語は指摘される意味を有し、以下の規約に従われる。
A. 化学命名法、用語及び規約
下記の基、ラジカル又は成分において、炭素原子の数は、多くの場合、基の前に明記されており、例えば、炭素数1〜10のアルキルとは、炭素原子1〜10を有するアルキル基又はラジカルを意味する。炭素含有基に適用される「低級」とは、基に適したものとして、炭素原子1〜8を有する基を意味する(即ち、環状基は、環を構成するために少なくとも三つの原子を有さなければならない)。一般的に、二つ以上のサブグループを含む基に関して、最後に命名された基は、ラジカル結合ポイントであり、例えば、「アルキルアリール」は、一般式 Alk-Ar-で表される一価ラジカルを意味し、一方、「アリールアルキル」は、一般式 Ar-Alk-で表される一価ラジカルを意味する(式中、Alkはアルキル基であり、Arはアリール基である)。さらに、二価ラジカルが好適な場合に、一価ラジカルを称する用語を使用したものは、それぞれ二価ラジカルを示すと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。特に規定しない限り、用語コントロールの従来の定義及び従来の安定原子価は、すべての式及び基において推定されまた達成される。
【0053】
「アルキル」又は「アルキル基」は、分岐又は直鎖飽和脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)等の基により例示される。それは「Alk」と略記されてもよい。
「アルケニル」又は「アルケニル基」は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む分岐又は直鎖脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、3-メチルブタ-2-エニル(3-methylbut-2-enyl)、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等の基により例示される。
「アルキニル」又は「アルキニル基」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含む分岐又は直鎖脂肪族炭化水素一価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、n-ペンチニル、ヘプチニル、オクチニル、デシニル等の基により例示される。
【0054】
「アルキレン」又は「アルキレン基」は、所定の数の炭素原子を有する分岐又は直鎖飽和脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン等の基により例示され、また、代わりに及び同等なものとして、-(アルキル)-とここに記載されてもよい。
「アルケニレン」又は「アルケニレン基」は、所定の数の炭素原子及び少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有する分岐又は直鎖脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン等の基により例示され、代わりに及び同等なものとして、-(アルキレニル)-とここに記載されてもよい。
【0055】
「アルキニレン」又は「アルキニレン基」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を含む分岐又は直鎖脂肪族炭化水素二価ラジカルを意味する。この用語は、例えば、エチニレン、プロピニレン、n-ブチニレン、2-ブチニレン、3-メチルブチニレン、n-ペンチニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、デシニレン等の基により例示され、また、代わりに及び同等なものとして、-(アルキニル)-とここに記載されてもよい。
「アルコキシ」又は「アルコキシ基」は、一般式 AlkO-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキル基である。この用語は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ等の基により例示される。
「アリールオキシ」、「アリールオキシ基」は、一般式 ArO-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Arは、アリールである。この用語は、例えばフェノキシ、ナフトキシ等の基により例示される。
【0056】
「アルキルカルボニル」、「アルキルカルボニル基」、「アルカノイル」又は「アルカノイル基」は、一般式 AlkC(O)-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキル又は水素である。
「アリールカルボニル」、「アリールカルボニル基」、「アロイル」又は「アロイル基」は、一般式 ArC(O)-で表される一価ラジカルであり、式中、Arは、アリールである。
「アシル]又は「アシル基」は、一般式 RC(O)-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Rは、水素又は有機置換基から選ばれる置換基である。その置換基の例としては、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。例えば、その用語には、アルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基が含まれる。
「アシルアミノ」又は「アシルアミノ基」は、一般式 RC(O)N(R)-で表される一価ラジカルを意味し、式中、それぞれのRは、水素又は置換基から選ばれる置換基である。
【0057】
「アルコキシカルボニル」又は「アルコキシカルボニル基」は、一般式 AlkO-C(O)-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等が挙げられる。
「アリールオキシカルボニル」又は「アリールオキシカルボニル基」は、一般式 ArO-C(O)-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Arはアリールである。
「アルキルカルボニルオキシ」又は「アルキルカルボニルオキシ基」又は「アルカノイルオキシ」又は「アルカノイルオキシ基」は、一般式 AlkC(O)O-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。
【0058】
「アリールカルボニルオキシ」又は「アリールカルボニルオキシ基」又は「アロイルオキシ」又は「アロイルオキシ基」は、一般式 ArC(O)O-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Arはアリールである。
「アルキルアミノカルボニルオキシ」又は「アルキルアミノカルボニルオキシ基」は、一般式 R2NC(O)O-で表される一価ラジカルを意味し、式中、それぞれのRは、水素又は低級アルキルである。
「アルコキシカルボニルアミノ」又は「アルコキシカルボニルアミノ基」は、一般式 ROC(O)NH-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Rは、低級アルキルである。
「アルキルカルボニルアミノ」又は「アルキルカルボニルアミノ基」又は「アルカノイルアミノ」又は「アルカノイルアミノ基」は、一般式 AlkC(O)NH-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。アルキルカルボニルアミノ基の例としては、アセトアミド(CH3C(O)NH-)が挙げられる。
【0059】
「アルキルアミノカルボニルオキシ」又は「アルキルアミノカルボニルオキシ基」は、一般式 AlkNHC(O)O-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。
「アミノ」又は「アミノ基」は、-NH2 基を意味する。
「アルキルアミノ」又は「アルキルアミノ基」は、一般式 (Alk)NH-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。アルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ」又は「ジアルキルアミノ基」は、一般式 (Alk)(Alk)N-で表される一価ラジカルを意味し、式中、それぞれのAlkは、独立して、アルキルである。ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ等が挙げられる。
【0060】
「置換アミノ」又は「置換アミノ基」は、一般式 -NR2で表される一価ラジカルを意味し、式中、それぞれのRは、独立して、水素又は特定の置換基から選ばれる置換基である(しかし、両方のRが水素であることは可能ではない)。置換基の例としては、アルキル、アルカノイル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、複素環、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。
「アルコキシカルボニルアミノ」又は「アルコキシカルボニルアミノ基」は、一般式 AlkOC(O)NH-で表される、一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。
「ウレイド」又は「ウレイド基」は、一般式 R2NC(O)NH-で表される、一価ラジカルを意味し、式中、それぞれのRは、独立して、水素又はアルキルである。
「ハロゲン」又は「ハロゲン基」は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を意味する。
【0061】
「ハロ」は、基の一つ以上の水素原子がハロゲン基により置換されているものを意味する。
「ハロアルキル」又は「ハロアルキル基」は、分岐又は直鎖飽和脂肪族炭化水素一価ラジカルであって、その一つ以上の水素原子がハロゲン原子でそれぞれ独立して置換されているものを意味する。この用語の例としては、例えば、クロロメチル、1,2-ジブロモメチル、1,1,1-トリフルオロプロピル、2-ヨードブチル、1-クロロ-2-ブロモ-3-フルオロペンチル等が挙げられる。
【0062】
「スルファニル」、「スルファニル基」、「チオエーテル」又は「チオエーテル基」は、一般式 -S-で表される二価ラジカルを意味する。
「アルキルチオ」又は「アルキルチオ基」は、一般式 AlkS-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Alkはアルキルである。その基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ等が挙げられる。
「アリールチオ」又は「アリールチオ基」は、一般式 ArS-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Arはアリールである。
「スルフィニル」、「スルフィニル基」、「チオニル」又は「チオニル基」は、一般式 -SO-で表される二価ラジカルを意味する。
「スルホニル」又は「スルホニル基」は、一般式 -SO2-で表される二価ラジカルを意味する。
「スルホニルアミノ」又は「スルホニルアミノ基」は、一般式 -SO2NR-で表される二価ラジカルを意味し、式中、Rは、水素又は置換基である。
【0063】
「アミノスルホニル」又は「アミノスルホニル基」は、一般式 NR2SO2-で表される一価ラジカルを意味し、式中、Rは、それぞれ独立して、水素又は置換基である。
「炭素環」又は「炭素環基」は、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、3〜15員の脂肪族単環式又は多環式の一価又は二価ラジカルを意味し、それらは、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは5〜7員の単環又は7〜10員の二環である。特に規定しない限り、炭素環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、もし、置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。その用語には、シクロアルキル(スピロシクロアルキルを含む)、シクロアルキレン、シクロアルケニル、シクロアルケニレン、シクロアルキニル及びシクロアルキニレン等が含まれる。
【0064】
「シクロアルキル」又は「シクロアルキル基」は、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、3〜15員の脂肪族飽和単環又は多環の一価ラジカルを意味し、それは一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員二環である。特に規定しない限り、シクロアルキル環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルナニル、アダマンチル、テトラヒドロナフチル(テトラリン)、1-デカリニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチル等が挙げられる。
【0065】
「シクロアルケニル」又は「シクロアルケニル基」は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有し、かつ、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、5〜15員の脂肪族単環又は多環の一価ラジカルを意味し、それらは一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員二環である。特に規定しない限り、シクロアルケニル環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルケニル基の例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル、ノルボルネニル、2-メチルシクロペンテニル、2-メチルシクロオクテニル等が挙げられる。
「シクロアルキニル」又は「シクロアルキニル基」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を有し、かつ、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、8〜15員の脂肪族単環又は多環の一価ラジカルを意味し、それらは、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは8〜10員単環又は12〜15員二環である。特に規定しない限り、シクロアルキニル環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルキニル基の例としては、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル、2-メチルシクロオクチニル等が挙げられる。
【0066】
「シクロアルキレン」又は「シクロアルキレン基」は、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、3〜15員の飽和脂肪族単環又は多環二価ラジカルを意味し、それらは、一つ以上の縮合環又は架橋環、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員二環を含んでいてもよい。特に規定しない限り、シクロアルキル環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルキレン基の例としては、シクロペンチレン等が挙げられる。
「シクロアルケニレン」又は「シクロアルケニレン基」は、少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を有し、かつ、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、5〜15員の脂肪族単環又は多環の二価ラジカルを意味し、それらは、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員二環である。特に規定しない限り、シクロアルケニレン環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルケニレン基の例としては、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロヘプテニレン、シクロオクテニレン、シクロノネニレン、シクロデセニレン、ノルボルネニレン、2-メチルシクロペンテニレン、2-メチルシクロオクテニレン等が挙げられる。
【0067】
「シクロアルキニレン」又は「シクロアルキニレン基」は、少なくとも一つの炭素-炭素三重結合を有し、かつ、単に炭素原子及び水素原子からなる、安定な、8〜15員の脂肪族単環又は多環の二価ラジカルを意味し、それらは、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよく、好ましくは8〜10員単環又は12〜15員二環である。特に規定しない限り、シクロアルキニレン環は、安定構造を生じる炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。シクロアルキニレン基の例としては、シクロオクチニレン、シクロノニニレン、シクロデシニレン、2−メチルシクロオクチニレン等が挙げられる。
「アリール」又は「アリール基」は、単環(例えば、フェニル又はフェニレン)又は多縮合環(例えば、ナフチル又はアントラニル)を有する、炭素数6〜14の芳香族炭素環の一価又は二価ラジカルを意味する。特に規定しない限り、アリール環は、安定構造を生じる好適な炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適な炭素原子で置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、インダニル、インデニル、ビフェニル等が挙げられる。それは「Ar」と略記されてもよい。
【0068】
「ヘテロアリール」又は「ヘテロアリール基」は、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよい、安定な、5〜14員の単環又は多環の一価又は二価ラジカル、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員ニ環のラジカルを意味し、それは環に、窒素、酸素及び硫黄から独立して選ばれる1〜4のヘテロ原子を有し、その硫黄ヘテロ原子は所望により酸化されていてもよく、また、窒素ヘテロ原子は、所望により酸化されているか又は四級化(quaternize)されていてもよい。特に規定しない限り、ヘテロアリール環は、安定構造を生じる好適なヘテロ原子又は炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適なヘテロ原子又は炭素原子で置換されていてもよい。好ましいヘテロアリールの例としては、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、アザインドリル、ジヒドロインドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾピラゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、フタルアジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル及びフェノキサジニル等が挙げられる。
【0069】
「複素環」、「複素環基」、「複素環式」又は「複素環式基」は、一つ以上の縮合環又は架橋環を含んでいてもよい、安定な5〜14員の非芳香族単環又は多環の一価又は二価の環、好ましくは5〜7員単環又は7〜10員二環を意味し、それは環に、窒素、酸素及び硫黄から独立して選ばれる1〜3のヘテロ原子を有し、その硫黄ヘテロ原子は、所望により酸化されていてもよく、また、窒素ヘテロ原子は、所望により酸化されているか又は四級化されていてもよい。特に規定しない限り、複素環は、安定構造を生じる好適なヘテロ原子又は炭素原子で結合されていてもよく、また、もし置換されているならば、安定構造を生じる好適なヘテロ原子又は炭素原子で置換されていてもよい。好ましい複素環の例としては、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル等が挙げられる。
【0070】
「本発明の化合物」及びそれと同等の表現は、ここに記載するような一般式(I)の化合物を包含することを意味し、状況が許す場合、それらの互変異性体、プロドラッグ、塩、特に医薬的に許容され得る塩、及び溶媒和化合物及び水和物を含む。一般的に及び好ましくは、本発明の化合物及び本発明の化合物を表す一般式は、それらの安定な化合物を単に含み、たとえ不安定な化合物が、化合物の一般式により字義どおりに包含されると考えられたとしても、不安定な化合物は除外されると理解される。同様に、中間体については、それら自体が請求されるか否かにかかわらず、その状況が許す場合、それらの塩及び溶媒和化合物を包含することを意味する。明確にするため、状況が許す場合の具体的な例を、本文中に時々示すが、これらの例は純粋な説明であり、その状況が許す他の例を除外しようとするものではない。
「任意の」又は「所望により」は、それに続いて記載されている事象又は状況が生じても生じなくてもよいこと、及び、その記載は、その事象又は状況が生じる場合の例及び生じない例を含むことを意味している。例えば、「所望により置換されているアリール」は、アリールラジカルが、置換されていてもいなくてもよいこと、及び、その記載は置換されているアリールラジカル及び置換されていないアリールラジカルの両方を含むことを意味している。
【0071】
「安定化合物」又は「安定構造」は、反応混合物から有用な純度への単離、及び有効な治療剤又は診断剤への配合に耐えるのに十分強い化合物を意味する。例えば、「ダングリング価(dangling valency)」を有するか又はカルボアニオンである化合物は、本発明により企図される化合物ではない。
「置換」は、基又は成分の原子上の一つ以上の水素が、具体的に表示されているか否かにかかわらず、原子の正常の原子価が超過されずかつ置換が安定化合物を生じることを条件として、置換基の表示された基の選択肢により置き換えられることを意味する。置換基への結合が、環における二つの原子を連結する結合と交差することを示すならば、そのような置換基は、環上の任意の原子に結合してもよい。もし置換基が、そのような置換基が化合物の残りの部分に結合する原子を示すことなく表記されるならば、そのような置換基は、そのような置換基において任意の原子を介して結合していてもよい。例えば、置換基が、ピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリルの場合、特に規定しない限り、そのようなピペラジニル基、ピペリジニル基又はテトラゾリル基は、そのようなピペラジニル基、ピペリジニル基又はテトラゾリル基中の任意の原子を介して、本発明の化合物の残りの部分に結合してもよい。一般的に、任意の置換基又は基が、任意の置換基又は化合物中に、一つより多く存在する場合、各存在でのその定義は、他の存在ごとにその定義から独立している。従って、例えば、もし基が、0〜2のR5で置換されていることが示されるならば、そのときそのような基は、2つまでのR5で所望により置換されており、また、それぞれの存在においてR5は、可能なR5の所定のリストから独立して選択される。しかし、置換基及び/又はその変化体のそのような組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
特定の態様において、「約」又は「およそ」は、所定の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、及びより好ましくは5%以内を意味する。
ここに記載した反応のそれぞれの収率は、理論値の収率の百分率として表現している。
【0072】
B. 塩、プロドラッグ、誘導体及び溶媒和化合物の用語及び規約
「プロドラッグ」又は「プロドラッグ誘導体」は、その薬理学的作用を示す前に、少なくともある程度の生体内変化を行う親化合物又は活性薬物(active drug substance)の共有結合誘導体又はキャリヤーを意味する。一般的に、そのようなプロドラッグは、代謝的に切断可能な基を有し、インビボで迅速に形質転換され、例えば、血中での加水分解により、親化合物を生成し、また、それらには、一般的に親化合物のエステル及びアミド類似体が含まれる。プロドラッグは、化学的安定性の向上、患者による許容性及びコンプライアンスの向上、バイオアベイラビリティの向上、作用期間の延長、器官選択性の向上、製剤化の向上(例えば、水溶解性の増加)、及び/又は副作用(例えば、毒性)の低減を目的として配合される。一般的に、プロドラッグそれ自体は、生物学的活性が弱いか又は無く、また、通常の条件下では安定である。プロドラッグは、例えば、以下の文献に記載されるような、当技術分野に公知の方法を使用して、親化合物から容易に製造することができる(以下のものは、それぞれ、参考文献として全体的にここに含まれるものとする);A Textbook of Drug Design and Development、Krogsgaard-Larsen及びH. Bundgaard (eds.)、Gordon & Breach、1991年、特にチャプター5: 「Design and Applications of Prodrugs」; Design of Prodrugs、H. Bundgaard (ed.)、Elsevier、1985年; Prodrugs: Topical and Ocular Drug Delivery、K.B. Sloan (ed.)、Marcel Dekker、1998年; Methods in Enzymology、K. Widderら(eds.)、第42巻、Academic Press、1985年、特に309〜396頁; Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery、第5版、M. Wolff (ed.)、John Wiley & Sons、1995年、特に第1巻及び172〜178頁及び949〜982頁; Pro-Drugs as Novel Delivery Systems、T. Higuchi及びV. Stella (eds.)、Am. Chem. Soc.、1975年;及びBioreversible Carriers in Drug Design、E.B. Roche (ed.)、Elsevier、1987年。
【0073】
ここに使用する「医薬的に許容され得るプロドラッグ」は、可能な場合、正しい医学的判断の範囲内で、毒性、炎症、アレルギー応答等なしに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、適切な利点/欠点比で釣り合っており、また、それらの目的とする使用に有効であり、さらに双性イオンの形態である、本発明の化合物のプロドラッグを意味する。
「塩」は、親化合物のイオン形、又は親化合物の酸性塩又は塩基性塩を製造するための好適な酸又は塩基と親化合物との反応生成物を意味する。本発明の化合物の塩は、従来の化学的方法により、塩基性又は酸性成分を含む親化合物から合成することができる。一般的に、塩は、遊離塩基又は遊離酸の親化合物を、望ましい塩形成性の無機又は有機の酸又は塩の理論量又は過剰量と、好適な溶媒中又は様々な組み合わせの溶媒中において反応させることにより製造される。
【0074】
「医薬的に許容され得る塩」は、正しい医学的判断の範囲内で、毒性、炎症、アレルギー反応等なしに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、適切な利点/欠点比で釣り合っており、一般的に水又は油に可溶性又は分散性であり、それらの目的とする使用に有効である、本発明の化合物の塩を意味する。その用語には、医薬的に許容され得る酸付加塩及び医薬的に許容され得る塩基付加塩が含まれる。本発明の化合物は、遊離塩基及び塩の形態の両方に有用なため、実際、塩の形態の使用は、塩基の形態の使用と実質上等しい。好適な塩のリストは、例えば、S.M. Birgeら、J. Pharm. Sci.、1977年、66、1〜19頁に見い出され、それらは参考文献として全体的にここに含まれるものとする。
【0075】
「医薬的に許容され得る酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ、生物学的に又はその他の点において望ましくないものではないそれらの塩を意味し、以下のものと形成される;無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸等、及び有機酸、例えば酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、酪酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、ケイヒ酸、クエン酸、ジグルコン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリセロリン酸、ヘミ硫酸(hemisulfic acid)、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ギ酸、フマル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸(イセチオン酸)、乳酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、2-ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸(pamoic acid)、ペクチン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸等。
【0076】
「医薬的に許容され得る塩基付加塩」は、遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持し、かつ、生物学的に又はその他の点において望ましくないものではないそれらの塩を意味し、以下のものと形成される;無機塩基、例えば、アンモニア又はアンモニウム又は金属カチオン、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等の水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩等。特に好ましくは、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。医薬的に許容され得る有機性非毒性塩基から誘導される塩としては、以下のものの塩が挙げられる:一級、二級及び三級アミン、四級アミン化合物、置換アミン、例えば自然発生的な置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、テトラメチルアンモニウム化合物、テトラエチルアンモニウム化合物、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェンエチルアミン、1-エフェナミン(1-ephenamine)、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、ポリアミン樹脂等。特に好ましい有機性非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
【0077】
「溶媒和化合物」は、一つ以上の溶媒分子と化合物の物理的会合(physical association)又は溶質(例えば、一般式(I)の化合物)及び溶媒、例えば水、エタノール又は酢酸により形成される可変性の化学量論性の複合体を意味する。この物理的会合は、変動する程度のイオン結合及び共有結合(水素結合を含む)に関連してもよい。特定の場合において、溶媒和化合物は、一つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に導入される場合、単離可能と考えられる。一般的に、選択される溶媒は、溶質の生物学的活性を妨げない。溶媒和化合物は、溶液相及び単離可能な溶媒和化合物の両方を包含する。代表的な溶媒和化合物としては、水和物、エタノレート(ethanolates)、メタノレート(methanolates)等が挙げられる。
【0078】
「水和物」は、溶媒分子がH2Oである、溶媒和化合物を意味する。
下記の本発明の化合物としては、それらの遊離塩基又は遊離酸、それらの塩、溶媒和化合物及びプロドラッグが挙げられ、また、それらの構造中の酸化された硫黄原子又は四級化された窒素原子を含んでいてもよいが、特にそれらの医薬的に許容され得る形態を明確に記載又は表示していない。そのような形態、特に医薬的に許容され得る形態は、添付の特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【0079】
C. 異性体の用語及び規約
「異性体」は、同じ数及び種類の原子を有する化合物であり、従って、同じ分子量であるが、空間においてそれらの原子の配列又は配置が異なっている。その用語は、立体異性体及び幾何異性体を含む。
「立体異性体」又は「光学異性体」は、少なくとも一つのキラル原子又は束縛回転を有して垂直な非対称面を生じさせ(例えば、一定のビフェニル、アレン及びスピロ化合物)、また、平面偏光を回転させることができる、安定な異性体を意味する。不斉中心及び他の化学構造は、立体異性を生じるかも知れない本発明の化合物中に存在するので、本発明は、立体異性体及びそれらの混合物を企図している。本発明の化合物及びそれらの塩は、不斉炭素原子を含み、従って、単一の立体異性体、ラセミ体、及びエナンチオマー及びジアステレオマーの混合物として存在してもよい。一般的に、そのような化合物は、ラセミ混合物として製造されると考えられる。しかし、所望により、そのような化合物は、純粋な立体異性体、即ち、個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして、又は立体異性体豊富な混合物として、製造又は単離することができる。以下により詳細に論じるように、化合物の個々の立体異性体は、望ましいキラル中心を含有する光学活性な出発物質からの合成により、又はエンナンチオマー生成物の混合物の製造、その後の分離又は分割、例えばジアステレオマー混合物への変換、その後の分離又は再結晶化、クロマトグラフィー技術、キラル分割剤の使用、又はキラル・クロマトグラフィー・カラムでのエナンチオマーの直接分離により製造される。特定の立体化学の出発化合物は、市販されているか又は、下記の方法により製造され、当技術分野に公知の技術により分割される。
【0080】
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることのできない鏡像である立体異性体の対を意味する。
「ジアステレオ異性体」又は「ジアステレオマー」は、互いに鏡像ではない立体異性体を意味する。
「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」は、個々のエナンチオマーを同量部含有する混合物を意味する。
「非ラセミ混合物」は、個々のエナンチオマーを非同量部で含有する混合物を意味する。
【0081】
「幾何異性体」は、二重結合(例えば、シス-2-ブテン及びトランス-2-ブテン)まわりか、又は環状構造(例えば、シス-1,3-ジクロロシクロブタン及びトランス-1,3-ジクロロシクロブタン)における自由回転の束縛により生じる安定異性体を意味する。炭素-炭素二重(オレフィン)結合、C=N二重結合、環状構造等は、本発明の化合物に存在してもよいので、本発明は、これらの二重結合まわり及びこれらの環状構造において置換基の配列から生じる、様々な安定な幾何異性体のそれぞれ及びそれらの混合物を企図する。置換基及び異性体は、シス/トランスの規約(convention)を使用するか、又はE又はZ系を使用して表記され、その「E」は、二重結合の対辺上の高次置換基を意味し、「Z」は、二重結合の同辺上の高次置換基を意味する。E及びZの異性体の詳細な議論は、J. March、Advanced Organic Chemistry: Reactions、 Mechanisms, and Structure、第4版、John Wiley & Sons、1992年に提供されており、それは参考文献として全体的にここに含まれるものとする。以下の幾つかの例は、単一のE異性体、単一のZ異性体、及びE/Z異性体の混合物を表している。E及びZ異性体の測定は、分析方法、例えばX線結晶構造解析、1H NMR及び13C NMRにより行うことができる。
本発明の幾つかの化合物は、一つより多い互変異性体の形態で存在することが可能である。上記のように本発明の化合物は、全てのそのような互変異性体を含む。
【0082】
化合物の生物学的及び薬理学的活性は、化合物の立体化学に影響を受けやすいことが知られている。従って、例えば、エナンチオマーは、多くの場合、著しく異なる生物学的活性、例えば、薬物動態学的特性における差異、例えば、代謝、タンパク結合等、及び薬理学的特性、例えば、示される活性の型、活性の程度、毒性等を示す。従って、一方のエナンチオマーが、他方のエナンチオマーと比較して多い(enriched)場合又は他方のエナンチオマーから分離された場合に、より活性であるか或いは有益な効果を示すかも知れないということを、当業者は認識すると考えられる。さらに、本発明の化合物のエナンチオマーをどのように分離し、濃縮し(enrich)、又は選択的に製造するかということを、当業者は、本開示内容及び先行技術の知識から知ると考えられる。
【0083】
薬剤のラセミ形を使用してもよいが、それは多くの場合、等量の、エナンチオマー的に純粋な薬剤の投与よりも有効性が低く;実際、ある場合では、一方のエナンチオマーは薬理学的に不活性であるかも知れず、単純な希釈剤として単に働くに過ぎないと考えられる。例えば、イブプロフェンは、ラセミ体として以前は投与されていたが、イブプロフェンのS-異性体のみが抗炎症剤として有効であることが分かった(しかし、イブプロフェンの場合、R-異性体は不活性であるが、インビボでS-異性体に変換され、従って、薬剤のラセミ形での作用の迅速性は、純粋なS-異性体のものよりも低い)。さらに、エナンチオマーの薬理学的活性は、明確な生物学的活性を有するかも知れない。例えば、S-ペニシラミンは、慢性関節炎の治療剤であるが、R-ペニシラミンは毒性である。実際、純粋な個々の異性体が、ラセミ混合物と比較してより速い経皮的浸透性を有することが報告されているので、幾つかの純粋なエナンチオマーは、ラセミ体を上回る利点を有している。米国特許第5,114,946号及び第4,818,541号を参照されたい。
【0084】
従って、もし、一方のエナンチオマーが、他方のエナンチオマーよりも、薬理学的に活性が高く、毒性が低いか、或いは体内での好ましい性質(disposition)を有するならば、そのエナンチオマーを優先的に投与することは、治療上、より有益であると考えられる。従って、治療を受ける患者は、全量のより少ない薬剤を、また、より少量の、エナンチオマーであって場合によっては毒性であるか又は他のエナンチオマーのインヒビターであるものを曝露されると考えられる。
【0085】
純粋なエナンチマー、又は望ましいエナンチオマー過剰物又はエナンチオマー純度の混合物の製造は、(a)エナンチオマーの分離又は分割、又は(b)当技術分野に公知のエナンチオ選択的な合成方法、又はそれらの組み合わせの多くの方法の一つ以上により達成される。一般的に、これらの分割方法は、キラルの認識に依存し、それらとしては、例えば、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー、エナンチオ選択的ホスト・ゲスト複合体形成、キラル助剤を使用する分割又は合成、エナンチオ選択的合成、酵素的及び非酵素的動態学的分割、又は任意のエナンチオ選択的結晶化が挙げられる。一般的に、そのような方法は、Chiral Separation Techniques: A Practical Approach (第2版)、G. Subramanian (ed.)、Wiley-VCH、2000年; T.E. Beesley及びR.P.W. Scott、Chiral Chromatography、 John Wiley & Sons、1999年;及びSatinder Ahuja、Chiral Separations by Chromatography、 Am. Chem. Soc.、2000年に開示されている。さらに、同様に公知の方法としては、エナンチオマー過剰物又は純正物の定量化に関しては、例えば、GC、HPLC、CE又はNMRが、また、絶対的な立体配置及び立体配座の指定に関しては、例えば、CD、ORD、X線結晶構造解析又はNMRがある。
一般的に、もし、特定の立体化学又は異性体型が、化合物の名称又は構造に具体的に示されていないならば、個々の幾何異性体又は立体異性体又はラセミ体又は非ラセミ体の混合物かどうかにかかわらず、化学構造又は化合物の全ての互変異性体型及び異性体型及び混合物が企図される。
【0086】
D.医薬投与及び診断及び治療の用語及び規約
「患者」は、ヒト及び非ヒトの哺乳類の両方を含む。
「有効量」は、本発明による化合物が投与されるか使用される状況において、望ましい作用又は結果を達成するのに十分な、本発明による化合物の量を意味する。状況に応じて、その用語である有効量は、医薬的有効量又は診断的有効量を含むか或いはそれと同じ意味であってもよい。
【0087】
「医薬的有効量」又は[治療的有効量]は、本発明による化合物を必要とする患者に投与する場合、その化合物が有用な疾患状態、コンディション、又は障害の治療に作用するのに十分な、本発明による化合物の量を意味する。そのような量は、研究者又は臨床家により探求される組織、系又は患者の生物学的又は医学的な応答を誘発するのに十分であると考えられる。治療的有効量を構成する本発明による化合物の量は、例えば、化合物及びその生物学的活性、投与に使用される組成物、投与時間、投与経路、化合物の排出速度、治療期間、治療される疾患状態又は障害の型及びその重篤度、本発明の化合物と組み合わせで又は同時に使用される薬剤、及び患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別及び食習慣のような因子により変わると考えられる。そのような治療的有効量は、当業者の知識、先行技術及び本開示内容を考慮して、当業者により日常的に決定することができる。
【0088】
「診断的有効量」は、診断方法、装置又は分析に使用される場合、その診断方法、装置又は分析に必要な、望ましい診断効果又は望ましい生物学的活性を達成するのに十分な、本発明による化合物の量を意味する。そのような量は、診断方法、装置又は分析において生物学的又は医学的な応答を誘発するのに十分と考えられ、それらは、研究者又は臨床家により探求される患者又はインビトロ又はインビボの組織又は系における生物学的又は医学的な応答を含んでいてもよい。診断的有効量を構成する本発明による化合物の量は、例えば、化合物及びその生物学的活性、使用される診断方法、装置又は分析、投与に使用される組成物、投与時間、投与経路、化合物の排出速度、投与期間、本発明の化合物と組み合わせで又は同時に使用される薬剤又は他の化合物、及びもし患者が診断的投与を受けるならば、患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別及び食習慣により変わると考えられる。そのような診断的有効量は、当業者の知識、先行技術及び本開示内容を考慮して、当業者により日常的に決定することができる。
【0089】
「調節」は、糖質コルチコイドレセプターの機能を、例えば、それに結合することにより及び糖質コルチコイドレセプター機能性応答を刺激又は阻害することにより変える化合物の能力を意味する。
本発明の化合物を記載する文脈において「モジュレーター」は、糖質コルチコイドレセプター機能を調節する化合物を意味する。従って、モジュレーターとしては、アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト及び部分的アンタゴニストが挙げられるが、それらに限定されるものではない。
本発明の化合物を記載する文脈において「アゴニスト」は、糖質コルチコイドレセプターに結合する場合、糖質コルチコイドレセプター機能を強化又は増加させる化合物を意味する。従って、アゴニストとしては、部分的アゴニスト及び完全なアゴニストが挙げられる。
【0090】
本発明の化合物を記載する文脈において「完全なアゴニスト」は、予備の(占有されていない)糖質コルチコイドレセプターが存在する場合でさえ、糖質コルチコイドレセプターからの最大刺激応答を惹起する化合物を意味する。
本発明の化合物を記載する文脈において「部分的アゴニスト」は、糖質コルチコイドレセプターの存在を飽和するのに十分な濃度でさえ、糖質コルチコイドレセプターからの最大刺激応答を惹起することができない化合物を意味する。
本発明の化合物を記載する文脈において「アンタゴニスト」は、糖質コルチコイドレセプター機能を直接又は間接的に阻害又は抑制する化合物を意味する。従って、アンタゴニストとしては、部分的アンタゴニスト及び完全なアンタゴニストが挙げられる。
本発明の化合物を記載する文脈において「完全なアンタゴニスト」は、予備の(占有されていない)糖質コルチコイドレセプターが存在する場合でさえ、糖質コルチコイドレセプターからの最大阻害応答を惹起する化合物を意味する。
【0091】
本発明の化合物を記載する文脈において「部分的アンタゴニスト」は、糖質コルチコイドレセプターの存在を飽和するのに十分な濃度でさえ、糖質コルチコイドレセプターからの最大阻害応答を惹起することができない化合物を意味する。
「治療する」又は「治療」は、患者における疾患状態の治療を意味し、また以下のことを含む:
(i) 患者に発生することから疾患状態を予防することであって、特に、そのような患者が、その疾患状態を有すると未だ診断されていないが遺伝的に又はさもなければ罹患しやすい場合に、予防すること;
(ii) 患者において疾患状態を阻害又は寛解させること、即ちその進行を停止させるか又は緩徐化させること;又は
(iii) 患者における疾患状態を軽減する、即ち、その疾患状態の退行又は治癒を生じさせること。
【0092】
発明の詳細な説明
一般式(I)の化合物を製造する一般的な合成方法
また、本発明は、一般式(I)の化合物の製造方法を提供する。すべてのスキームにおいて、特に規定しない限り、以下の一般式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びY は、上記本発明の一般式(I)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びYの意味を有するものとする。本発明の化合物の製造に使用される中間体は、市販されているか又は当業者に公知の方法により容易に製造される。
最適な反応条件及び反応時間は、使用される特定の反応体に依存して変えてもよい。特に規定しない限り、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件は、当業者により容易に選択されてもよい。具体的な方法は、合成例のセクションに提供する。一般的に反応の進行は、薄相クロマトグラフィー(TLC)によりモニターしてもよく、所望により、中間体及び生成物を、シリカゲルによるクロマトグラフィ及び/又は再結晶化により精製してもよい。
一般式(I)の化合物は、スキームIに概説する方法により製造してもよい。
【0093】
【化32】

【0094】
スキームIに説明するように、所望により置換されたアミノエチル複素環(II)をスルホニルハライド、好ましくはスルホニルクロライドと、好適な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で反応させ、一般式(I)の所望の化合物(式中、R1はHである)を製造する。もし、R1がアルキル基であることが所望される場合は、存在するならば(X又はYがNHであるならば)任意の活性水素が保護されるであろう。好適な保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(t-Boc)基であり、それは、塩基、例えば4-ジメチルアミノピリジンの存在下、一般式(I)の化合物(式中R1はHである)と、ジ-tert-ブチルジカルボネートとの反応により結合されてもよい。その後、保護された中間体(IV)を、アルキルハライドR1X(式中、Xはハロゲン、好ましくはI又はBrである)と、塩基、例えば炭酸カリウムの存在下において反応させる。トリフルオロ酢酸での処理又はt-Boc保護基のための加熱処理による脱保護により、一般式(I)の所望の化合物(R1はアルキル又は置換アルキルである)が提供される。
【0095】
スルホニルクロライドR2SO2Cl (III)は、市販されているか、又は当業者に公知の方法により容易に製造してもよい。中間体(II)は、市販されているか、又は当技術分野に公知の方法により製造してもよい。例えば、スキームIIに説明するように、一般式(II)の中間体は、アルデヒド(V)から製造してもよい。










【0096】
【化33】

【0097】
スキームIIに説明するように、アルデヒド(II)を、ニトロ化合物(VI)と、酢酸アンモニウム及び酢酸の存在下で反応させ、ニトロアルケン(VII)を提供する。アルケン及びニトロ基の、例えばボラン/THF及びトリメチルシリルクロライドでの還元により、中間体(II)(式中、R8、R9及びR10はそれぞれHである)が提供される。
一般式(I)の化合物(式中R9及び/又はR10はアルキル基である)を製造することができる方法を、スキームIIIに説明する。
【0098】
【化34】

【0099】
スキームIIIに説明するように、所望により置換されたシアノメチル複素環(VIII)を、塩基、例えば水素化ナトリウムと、好適な溶媒、例えばDMSO又はTHF中で処理する。もし、X又はYがNHならば、VIIIに示すように、好適な保護基Pで保護されると考えられる。好適な保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(t-Boc)基である。塩基での処理の後、R9X(式中、Xはハロゲンである)を添加する。R10がまたアルキル基である化合物が望まれるならば、塩基及びR10Xでその工程が繰り返されるであろう。もし、R9及びR10に同じアルキル基を望むのであれば、シアノメチル複素環(VIII)を少なくとも2当量の塩基及びアルキルハライドで処理することにより、同時に両方のアルキルを加えてもよい。もしPがt-Boc基ならば、例えば、一般式(IX)の化合物の酸との処理による保護基の除去により、その後、一般式(X)の化合物が提供される。一般式(X)の化合物を還元剤、例えば水素化アルミニウムリチウムと処理することにより、一般式(X)の化合物におけるシアノ基が還元され、一般式(XI)の化合物が提供される。スキームIにおける中間体IIに関する記載のように、一般式(XI)の化合物のスルホニルハライドとの塩基の存在下における反応により、一般式(I)の望ましい化合物が提供される。
【0100】
本発明がより完全に理解されるために、以下の実施例を示す。これらの実施例は本発明の態様を説明することを目的としており、いかなる場合においても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、なぜなら、当業者に認識されるように、特定の試薬又は条件は、個々の化合物について必要に応じて変更することが可能だからである。使用する出発物質は、市販されているか又は当業者により市販の物質から容易に製造される。
【0101】
実施例
実施例1:N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチル-ベンゼンスルホンアミドの合成
【0102】
【化35】

【0103】
α-メチルトリプタミン(34.9mg、0.2mmol)を、20mLシンチレーション・バイアルに入れ、CH2Cl2 4mLを加えた。これに、メシチレンスルホニルクロライド(43.7mg、0.2mmol)及びトリエチルアミン(0.042mL、0.3mmol)を加えた。その均一混合物を14時間攪拌した。反応混合物をCH2Cl2予洗したNH2/CBA-相の固相抽出カートリッジ(各吸着剤1g、Varian Bond-elut)に直接置き、真空ろ過により吸引した。カートリッジをCH2Cl2 3mL部分(portion)で2回洗った。ろ液を真空下で濃縮し、残渣をプレップ・プレート・クロマトグラフィー(Prep-plate chromatography)(シリカゲル、1.0mm プレート、50%EtOAc/ヘキサン)により精製し、表題の化合物29.2mg(収率39%)を白色固形物として得た。
エナンチオマーへの上記ラセミ体の分割を、以下のように行った:ラセミ体(19.0mg、0.05mmol)を10%イソプロパノール/へキサン溶液8mL中に溶解した。この溶液2.0mLをHPLC(カラム:Chiracel OD 1.0 mm、流速:5 mL/分)に注入した。第一に溶出するエナンチオマーを30.8分で、第二のものを35.2分で回収した。このサイクルをさらに3回繰り返し、第一に溶出するエナンチオマー5.0(収率53%)、第二のものを5.5mg(収率58%)得た。
【0104】
実施例2:N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6,N-テトラメチルベンゼンスルホンアミドの合成


【0105】
【化36】

【0106】
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(400mg、1.12mmol)(実施例1)を、アセトニトリル15mLに溶解した。これに、4-ジメチルアミノピリジン(14.0mg、0.12mmol)及びジ-tert-ブチルジカルボネート(244mg、1.12mmol)を加えた。その反応混合物を一晩攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAc 20mLに溶解した。有機相を、飽和アンモニウムクロライド(NH4Cl)溶液20mL部分で2回及び鹹水20mLで洗った。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、3-[2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピル]インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル 416mgを、オフホワイト色の固形物として得た(収率81%)。1H NMR及びLC-MS分析は、その物質が、続けるのに十分な純度であることを示した。
【0107】
3-[2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピル]インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(200mg、0.44mmol)を、5mL丸底フラスコに入れ、DMF 2mLに溶解した。これにK2CO3 (338mg、2.20mmol)及びヨウ化メチル(0.035mL、0.55mmol)を加えた。その反応物を50℃で16時間加熱した。冷却後、反応混合物をEtOAc 15mLで希釈した。有機相をH2O 10mL部分で4回及び鹹水10mL部分1回で洗った。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、3-{2-[メチル-(2,4,6-トリメチルベンセンスルホニル)アミノ]プロピル}インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル 201mgを粘稠な油状物として得た(収率97%)。
3-{2-[メチル-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニル)アミノ]プロピル}インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(100mg、0.21mmol)をマイクロウェーブ・チューブに入れ、ジクロロエタンに溶解した。その溶液を180℃で20分間、3つのその後の操作において加熱した。TLC分析では、より極性のスポットの構造を示した。溶液をプレップ・プレートに直接適用し、精製し(1.0mmプレート、50% EtOAc/ヘキサン)、表題の化合物29.8mgを白色固形物として得た(収率38%)。
【0108】
実施例3:N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド
【0109】
【化37】

【0110】
6-フルオロインドール-3-カルボキシアルデヒド(206.8mg、1.27mmol)、酢酸アンモニウム(245.0mg、3.18mmol)及びニトロエタン(0.271mL、5.08mmol)を、シンチレーション・バイアルに入れた。酢酸(0.21mL)を加え、バイアルを、均一な溶液が発生するまでヒートガンで加熱した。反応容器を、最大にセットした超音波浴に置いた。10分後、反応物は不均一になった。バイアルを前記のように加熱した。このサイクルを均一性が持続するまで繰り返した。反応容器を14時間、超音波処理した。反応内容物をCH2Cl2 10mLで希釈し、H2O 20mLで洗った。有機相をシリカプラグに通し、6-フルオロ-3-((E)-2-ニトロプロペニル)-1H-インドール 243mgを明赤色粉末として得た(収率88%)。
【0111】
6-フルオロ-3((E)-2-ニトロプロペニル)-1H-インドール(101mg、0.46mmol)を窒素ガス下、10mL丸底フラスコに入れ、乾燥THF 3mLを加えた。これに、トリメチルシリルクロライド(0.350mL、2.76mmol)及び1 M BH3/THF溶液(2.76mL、2.76mmol)を加えた。その反応物を16時間攪拌した。TLC分析は、出発物質が完全に消費されていることを示した。MeOHを滴下して加え、残留BH3をクエンチした。ガス発生が止んだとき、反応混合物を真空下で油状残留物に濃縮した。MeOH 5mLを加え、混合物を真空下で再び濃縮した。このサイクルを4回終了させ、2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルアミンを得た。1H NMR及びLC-MSは、続行するのに十分純粋なアミン生成物を示した。
2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルアミン(77.8mg、0.46mmol)をCH2Cl2に懸濁した。トリエチルアミン(0.145mL、1.04mmol)を加え、アミンを完全に溶解した。これに、メシチレンスルホニルクロライド(135mg、0.62mmol)を加え、反応混合物を一晩攪拌した。その反応混合物を、CH2Cl2 予洗浄したNH2/CBA-相の固相抽出カートリッジ(各吸着剤1g、Varian Bond-elut)に直接置き、真空ろ過により吸引した。カートリッジをCH2Cl2 3mL部分で2回洗った。ろ液を真空下で濃縮し、残渣をプレップ・プレート・クロマトグラフィー(シリカゲル、1.0mmプレート、50% EtOAc/へキサン)により精製した。精製により、表題の化合物37.9mgが白色固形物として生成された(収率22%)。
【0112】
実施例4:4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピル]ベンゼンスルホンアミドの合成
【0113】
【化38】

【0114】
NaH 60% 分散系(600mg、15mmol)を乾燥フラスコに窒素下で入れた。灰色固形物を、ヘキサン20mL部分で三回洗った。これに、乾燥DMSO 20mL及びTHF 20mLを加えた。その後、フラスコを氷浴中で冷却した。この混合物に、THF 5mL中の3-シアノメチルインドール-1-カルボン酸-tert-ブチルエステル(2.56g、10.0mL)を加えた。混合物を1時間、室温まで暖めた。その後、フラスコを再冷却し、MeI (0.934mL、15.0mmol)を滴下して加えた。反応混合物を1時間攪拌した。TLC分析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応物を水でクエンチし、エーテル50mLで希釈し、鹹水50mLで洗った。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。クロマトグラフィ(0〜10% エーテル/ヘキサン)により、3-(シアノジメチルメチル)インドール-1-カルボン酸-tert-ブチルエステル 0.883g(収率31%)及び3-(シアノメチルメチル)インドール-1-カルボン酸-tert-ブチルエステル 0.341g(13%)が提供された。
【0115】
3-(シアノジメチルメチル)インドール-1-カルボン酸-tert-ブチルエステル(0.883g、3.12mmol)をEtOAc 5mLに溶解した。これに、濃塩酸5滴を加えた。反応物を2時間攪拌し、その後、溶媒を真空下で除去し、2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピオニトリル 0.517g(収率75%)を澄明な油状物として得た。
2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピオニトリル(0.375g、2.03mmol)を乾燥エーテル10mLに溶解し、混合物を氷浴中で冷却した。これに水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4) (0.310g、8.14mmol)を一度に加えた。反応混合物を1時間攪拌した。TLC分析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液20mLでクエンチし、混合物をEtOAc 30mLで希釈した。有機相を鹹水20mLで洗った。得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピルアミン 0.173g(収率46%)を得た。
【0116】
2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピルアミン(50mg、0.27mmol)、トリエチルアミン(0.096mL、0.78mmol)及び4-tert-ブチルフェニルスルホニルクロライドをCH2Cl2 2mLに加えた。反応物を一晩攪拌し、CH2Cl2 予洗浄したNH2/CBA-相の固相抽出カートリッジ(各吸着剤1g 、Varian Bond-elut)に直接置き、真空ろ過により吸引した。カートリッジをCH2Cl2 3mL部分で二回洗った。ろ液を真空下で濃縮し、残渣をプレ・プレート・クロマトグラフィ (50% EtOAc/ヘキサン)により精製した。精製により、表題の化合物12.2mg(収率12%)が得られた。
【0117】
生物学的特性の評価
本発明の化合物を、蛍光偏光競合性結合分析法(fluorescence polarization competitive binding assay)により、ステロイドレセプターへの結合性について評価した。分析に使用した組換え糖質コルチコイドレセプター(GR)複合体の製造についての詳細な説明は、2002年5月20日に出願された米国特許出願公開公報No. US 2003/0017503、及び2001年5月18日に出願された対応する米国仮出願 No. 60/291,877に記載されており、それぞれ参考文献として全体的にここに含まれるものとする。テトラメチルローダミン(TAMRA)-標識したデキサメタゾンプローブの製造を、標準的な文献の手法を使用して達成した(M. Ponsら、J. Steroid Biochem.、1985年、22、267〜273頁)。
【0118】
A. 糖質コルチコイドレセプター競合性結合分析法
ステップ1.蛍光プローブのキャラクタリゼーション
蛍光プローブの最大励起及び発光の波長を、最初に測定した。そのようなプローブの例は、ローダミン(TAMRA)標識デキサメタゾンである。
その後、ステロイドレセプター用プローブの親和性を滴定実験において測定した。分析バッファー中のプローブの蛍光偏光値を、SLM-8100蛍光光度計において、上記の励起及び発光の最大値を使用して測定した。発現ベクターのライセートのアリコートを加え、偏光値にさらなる変化が観察されなくなるまで、それぞれ添加した後、蛍光偏光を測定した。非直線最小二乗回帰分析を使用し、プローブに結合するライセートについて得られる偏光値から、プローブの解離定数を計算した。
【0119】
ステップ2.プローブ結合のインヒビターのスクリーニング
この分析では、蛍光偏光(FP)を使用し、昆虫発現系から製造されたヒト糖質コルチコイドレセプター(GR)複合体結合用の、テトラメチルローダミン(TAMRA)標識デキサメタゾンと競合する試験化合物の能力を定量化した。分析バッファーは:10mM TES、50mM KCl、20mM Na2MoO4・2H2O、1.5mM EDTA、0.04% w/v CHAPS、10% v/v グリセリール、1mM ジチオスレイトール、pH 7.4であった。試験化合物をニート(neat)DMSO中に溶解して1mMにし、その後さらに、10%v/v DMSOで補った分析バッファーにおいて10x分析濃度に希釈した。試験化合物を、10% DMSO含有バッファー中、10x 分析濃縮物で、96穴ポリプロピレンプレートに連続的に希釈した。結合反応混合物を、96穴ブラックDynexマイクロタイタープレートに、各穴に以下の分析成分を連続的に添加することにより調製した:10x 試験化合物溶液 15μL、GR-含有バキュロウイルスライセート 85μL(分析バッファーにおいて1:170で希釈された)、及び15nM TAMRA-標識デキサメタゾン50μL。ポジティブコントロールは、試験化合物を含まない反応混合物であり、ネガティブコントロール(ブランク)は、0.7μM〜2μMデキサメタゾンを含有する反応混合物であった。結合反応物を1時間、室温でインキュベートし、その後、550nm励起及び580nm発光にセットされ、ローダミン561二色性ミラーが設置されたLJL分析計において、蛍光偏光を読んだ。IC50 値を、4-パラメータ・ロジスティック方程式へのFPシグナルデータの反復性非直線カーブフィッティングにより決定した。
【0120】
糖質コルチコイドレセプターに結合することが見い出された化合物は、GRへの化合物の選択性を評価するために、プロゲステロンレセプター(PR)、エストロゲンレセプター(ER)及び鉱質コルチコイドレセプターへの結合を評価してもよい。PR及びMRに関するプロトコールは、以下のことを除いて上記のGRの方法と同様である:PR昆虫細胞ライセートは1:7.1で希釈し、MRライセートは1:9.4で希釈した。PRプローブは、分析において最終濃度5nMで使用したTMARA-標識ミフェプリストンであり、ネガティブコントロール(ブランク)は、0.7μM〜2μMでミフェプリストンを含有する反応物であった。
ERプロトコールは、PanVeraキットレセプター、蛍光標識プローブを使用したこと以外は、上記プロトコールと同様である。分析成分は、上記と同様の量で作成し、最終分析濃度をER 15nM及びES2プローブ 1nMで製造した。さらに、添加する成分順序は上記分析とは変更した:プローブを最初にプレートに添加し、その後レセプター及び試験化合物を加えた。プレートを、蛍光505二色性ミラー(dichroic mirror)が設置された、励起485nm及び530nm発光にセットされたLJL分析計において読んだ。
糖質コルチコイドレセプターに結合することが見い出された化合物を、本発明の背景技術において述べた分析(C.M. Bamberger及びH.M. Schulte、Eur. J. Clin. Invest.、2000年、30 (suppl. 3) 6-9)又は以下に記載の分析により、転写活性化及び転写抑制の分離について評価してもよい。
【0121】
B.糖質コルチコイドレセプター細胞分析
1. 線維芽細胞におけるアロマターゼの誘導(転写活性化に関する細胞分析)
糖質コルチコイドレセプター(GR)への合成リガンドである、デキサメタゾンは、ヒト包皮線維芽細胞におけるアロマターゼの発現を誘導する。アロマターゼの活性は、培地中、テストステロンからエストラジオールへの変換により測定される。GRへの結合を示す化合物を、ヒト包皮線維芽細胞において、アロマターゼ活性を誘導するそれらの活性について評価した。
【0122】
ヒト包皮線維芽細胞(ATCC Cat. No. CRL-2429、表示 CCD112SK)を、使用5日前に、穴当たり50,000細胞において96穴プレート上、10%チャコール・フィルターFBS(Clonetech Cat No. SH30068)及びゲンタマイシン(GibcoBRL Life Technologies Cat. No. 15710-064)を補足したIscove's Modified ダルベッコ培地(GibcoBRL Life Technologies Cat No. 12440-053)に蒔いた。実験の日に、穴の中の培地を新鮮な培地と交換した。細胞を試験化合物で処理し、最終濃度10-5 M〜10-8 Mに、テストステロンを最終濃度300ng/mLにした。各穴の全容量は、100μLであった。サンプルの複製を作成した。コントロールの穴には:(a)テストステロンのみを受ける穴、及び(b)テストステロンと2μM デキサメタゾンを受け、アロマターゼの最大誘導を提供する穴がある。プレートを、37℃で一晩(15〜18時間)インキュベートし、上清をインキュベーション終了時に収集した。上清中のエストラジオールを、製造業者の指示に従い、エストラジオール用ELISAキット(ALPCO製、American Laboratory Products Cat. No. 020-DR-2693により得られる)を使用して測定した。エストラジオールの量は、各穴においてELISAシグナルに反比例した。試験化合物によるアロマターゼ誘導の範囲は、デキサメタゾンの相対的百分率として表現した。試験化合物のEC50値は、非直線カーブ・フィッティングにより導いた。
【0123】
2. 線維芽細胞におけるIL-6産生の阻害(転写抑制に関する細胞分析)
ヒト包皮線維芽細胞は、炎症誘発性サイトカインIL-1による刺激に応答してIL-6を産生する。IL-6の産生により測定される場合、この炎症性応答は、糖質コルチコイドレセプター(GR)への合成リガンドであるデキサメタゾンにより、効率的に阻害することができる。GRへの結合を示す化合物を、ヒト包皮線維芽細胞において、IL-6産生を阻害するそれらの能力として評価した。
【0124】
ヒト包皮線維芽細胞(ATCC Cat. No. CRL-2429)を、使用前日に、穴当たり5,000細胞において96穴プレート上に、10%チャコール・フィルターFBS(Clonetech Cat No. SH30068)及びゲンタマイシン(GibcoBRL Life Technologies Cat. No. 15710-064)を補足したIscove's Modified ダルベッコ培地(GibcoBRL Life Technologies Cat No. 12440-053)に蒔いた。翌日、穴中の培地を新鮮な培地と交換した。細胞をIL-1(rhIL-1α, R&D Systems Cat. No. 200-LA)で処理して最終濃度1ng/mLにし、試験化合物で処理し最終濃度10-5M〜10-8Mに、穴あたり全容量200μLにした。サンプルを複製した。バックグラウンド・コントロールの穴は、試験化合物又はIL-1を受けなかった。ポジティブ・コントロールの穴は、IL-1のみを受け、IL-6産生の最大(又は100%)量を表した。プレートを37℃で一晩(15〜18時間)インキュベートし、上清をインキュベーション終了時に収集した。上清のIL-6量は、製造業者の指示に従い、IL-6用のELISAキット(MedSystems Diagnostics GmbH、ウィーン、オーストリア、Cat. No. BMS213TEN)により測定した。試験化合物によるIL-6の阻害範囲は、ポジティブ・コントロールに相対的な百分率で表した。試験化合物のIC50値は、非直線カーブ・フィッティングにより導いた。
糖質コルチコイドレセプターに結合する化合物のアゴニスト又はアンタゴニスト活性の評価を、任意の分析により測定してもよい。
【0125】
3. ラット肝癌細胞におけるチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)誘導の調節
ラット肝癌細胞でのチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)誘導におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性に関する化合物の試験。
H4-II-E-C3細胞を、10%熱不活性化FBS及び1%非必須アミノ酸を含有するMEM培地中、96穴プレート(20,000細胞/100μL/穴)において、一晩インキュベートした。翌日、細胞をデキサメタゾン又は試験化合物の表示の濃縮物(DMSOに溶解、最終DMSO濃度0.2%)で、18時間刺激した。コントロール細胞を0.2%DMSOで処理した。18時間後、細胞を、0.1% トリトロンX-100を含有するバッファーに溶解し、TAT活性を、基質としてチロシン及びα-ケトグルタレートを使用して側光分析において測定した。
アンタゴニスト活性の測定に関して、試験化合物を細胞に適用する直前に、肝癌細胞をデキサメタゾンの添加(濃度3x10-9M〜3x10-8M)により予め刺激した。ステロイド性非選択的GR/PRアンタゴニスト・ミフェプリストンをコントロールとして使用した。
【0126】
4. HeLa細胞におけるMMTV-Luc誘導の調節
HeLa細胞におけるMMTV(マウス乳癌ウイルス)プロモーターの刺激に対するアゴニスト又はアンタゴニスト活性に関する化合物の試験。
HeLa細胞は、ルシフェラーゼ遺伝子(Norden、1988)の前でクローン化されたMMTV-LTR(転写開始点と比較して-200〜+100)のフラグメント及び選択的抗生物質GENETICIN(登録商標)に耐性を恒常的に発現するpcDNA3.1プラスミド(Invitrogen)を含有するpHHLuc-プラスミドで安定的に同時形質移入した。MMTV-プロモーターを最適に導入するクローンを選択し、さらなる実験に使用した。
【0127】
細胞を、3%CCS(木炭処理した子ウシ血清(charcoal treated calf serum))で補足され、フェノールレッドを含まないDMEM培地において一晩培養し、96穴プレートに移した(15,000細胞 100 μL/穴)。翌日、MMTV-プロモーターの活性化を、試験化合物又はDMSOに溶解したデキサメタゾン(最終濃度0.2%)の添加により刺激した。コントロール細胞をDMSOのみで処理した。18時間後、細胞を細胞溶解剤(Promega、Cat. No. E1531)で溶解し、ルシフェラーゼ分析試薬(Promega、Cat. No. E1501)を加え、発光ルミネッセンスを照度計(BMG、オッフェンベルグ)を使用して測定した。
アンタゴニスト活性を測定するために、試験化合物を細胞に適用する直前に、デキサメタゾン(3x10-9M〜3x10-8M)を加えることにより、MMTV-プロモータを予め刺激した。ステロイド性非選択的GR/PRアンタゴニスト・ミフェプリストンを、コントロールとして使用した。
【0128】
5. U937細胞におけるIL-8産生の調節
U-937細胞でのLPS-誘導IL-8分泌のGR-媒介阻害におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性に関する化合物の試験。
U-937細胞を10% CCS(木炭処理した子ウシ血清)を含有するRPMI1640培地において2〜4日間インキュベートした。細胞を96穴プレート(40,000細胞/100μL/穴)に移し、1μg/mL LPS(PBSに溶解した)で、デキサメタゾン又は試験化合物(DMSOに溶解、最終濃度0.2%)の存在下又は不在下で刺激した。コントロール細胞を0.2%DMSOで処理した。18時間後、細胞上清中のIL-8濃縮物を、「OptEIA ヒトIL-8セット」(Pharmingen、Cat. No. 2654KI)を使用して、ELISAにより測定した。
アンタゴニスト活性を測定するために、試験化合物を細胞に適用する直前に、デキサメタゾン(3x10-9M〜3x10-8M)を加えることにより、LPS誘導IL-8分泌を阻害した。ステロイド性非選択性GR/PRアンタゴニスト・ミフェプリストンを、コントロールとして使用した。
【0129】
6.HeLa細胞におけるICAM-Luc発現の調節
HeLa細胞におけるICAM-プロモーターのTNF-α誘導活性化の阻害におけるアゴニスト又はアンタゴニスト活性に関する化合物の試験。
HeLa細胞は、ルシフェラーゼ遺伝子の前でクローン化されたヒトICAM-プロモーター(転写開始点と比較して-1353〜-9、Ledebur and Parks)の1.3kbフラグメント及び抗生物質GENETICIN(登録商標)に耐性を恒常的に発現するpcDNA3.1プラスミド(Invitrogen)を含有するプラスミドで安定的に同時形質移入した。ICAM-プロモーターを最適に導入するクローンを選択し、さらなる実験に使用した。細胞を、3%CCSで補足したDMEM培地において96穴プレート(15,000細胞/100 μL/穴)に移した。次の日、ICAM-プロモーターの活性化を、10ng/mL組み換えTNF-α(R&D System、Cat. No. 210-TA)の添加により誘導した。同時に、細胞を試験化合物又はデキサメタゾン(DMSOに溶解、最終濃度0.2%)で処理した。コントロール細胞をDMSOのみで処理した。18時間後、細胞を細胞溶解薬剤(Promega、Cat. No. E1531)で溶解し、フシフェラーゼ分析試薬(Promega、Cat. No. E1501)を加え、発光ルミネッセンスを照度計(BMG、オッフェンベルグ)を使用して測定した。
アンタゴニスト活性を測定するために、試験化合物を細胞に適用する直前に、デキサメタゾン(3×10-9M〜3×10-8M)を加えることにより、ICAM-プロモーターのTNF-α誘導活性を阻害した。ステロイド性非選択性GR/PRアンタゴニスト・ミフェプリストンを、コントロールとして使用した。
【0130】
一般的に、上記分析における好ましい有効範囲は、0.1nM〜10μM、より好ましい有効範囲は0.1nM〜1μM、最も好ましい有効範囲は0.1nM〜100nMである。
本発明の代表的な化合物を試験し、上記分析の一つ以上における糖質コルチコイドレセプター機能のモジュレーターとしての活性を示した。例えば、本発明の以下の化合物は、GR結合分析において有効活性(100nM以下)を示した:
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド; 及び
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド。
【0131】
さらに、本発明の以下の化合物を試験し、それについては一つ以上の上記分析において糖質コルチコイドレセプター機能のアンタゴニストとしての活性が示された:(BIRY0975XX)
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド。
さらに、本発明の以下の化合物を試験し、それらについては一つ以上の上記分析における糖質コルチコイドレセプター機能のアンタゴニストとしての活性が示された:
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;及び
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド。
【0132】
また、本発明は、本発明による化合物を患者に投与することを含む、患者における糖質コルチコイドレセプター機能の調節方法を提供する。もし、患者における糖質コルチコイドレセプター機能を調節する目的が、疾患状態又はコンディションを治療することならば、その投与には、好ましくは、本発明による医薬的に許容され得る化合物の治療的又は医薬的有効量が含まれる。もし、患者において糖質コルチコイドレセプター機能を調節する目的が、診断又は他の目的(例えば、治療に関する患者の適性又は本発明による化合物の様々な副次的治療量(sub-therapeutic doses)に対する感受性を測定すること)ならば、好ましくは、投与は、本発明による化合物の有効量、即ち、望ましい作用又は調節の程度を得るために必要な量を含む。
【0133】
治療における使用方法
上記のように、本発明の化合物は、糖質コルチコイドレセプター機能を調節するのに有用である。その際、これらの化合物は、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態及びコンディションの治療に治療的に使用されるか、又はそれらは糖質コルチコイドレセプター機能の調節に有益と考えられる。
【0134】
本発明の化合物が糖質コルチコイドレセプター機能を調節する場合、それらは、非常に有用な抗炎症性及び抗アレルギー活性、免疫抑制活性及び抗増殖活性を有し、それらは、薬剤として、患者において、特に下記のように、医薬組成物の形態において、疾患状態及びコンディションの治療のために使用することができる。
【0135】
本発明によるアゴニスト化合物は、炎症性、アレルギー性及び/又は増殖性過程を伴う以下の疾患状態又は徴候の治療のために、薬剤として患者に使用することができる:
(i)肺疾患:何らか起源の慢性、閉塞性肺疾患、特に気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD);成人呼吸窮迫症候群(ARDS); 気管支拡張症;様々な起源による気管支炎;全ての形態の制限的肺疾患、特にアレルギー性肺胞炎;全ての形態の肺水腫、特に中毒性肺水腫;全ての形態の何らか起源の間質性肺疾患、例えば、放射性肺臓炎;及びサルコイドーシス及び肉芽腫症、特にベック疾患(Boeck disease);
(ii)リウマチ性疾患又は自己免疫疾患又は関節疾患:全ての形態のリウマチ様疾患、具体的には、慢性関節リウマチ、急性リウマチ熱及びリウマチ性多発性筋痛;反応性関節炎(reactive arthritis); リウマチ性軟部組織疾患;他起源の炎症性軟部組織疾患;変形性関節疾患における関節炎症状(関節症);外傷性関節炎;何らか起源の膠原病、例えば全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スチル病及びフェルティ症候群;
(iii)アレルギー性疾患:全ての形態のアレルギー反応、例えば血管神経性浮腫、花粉症、虫刺されのあと、薬剤に対するアレルギー反応、血液製剤、造影剤等、アナフィラキシーショック(過敏症)、蕁麻疹、血管神経性浮腫及び接触性皮膚炎;
(iv)脈管系疾患:結節性汎動脈炎、結節性多発性動脈炎、側頭動脈炎、ウェーゲネル肉芽腫症、巨細胞動脈炎及び結節性紅班;
(v)皮膚疾患:アトピー性皮膚炎、特に小児にみられるもの;乾癬;毛孔性紅色粃糠疹;様々な病毒、例えば日光、化学物質、やけど等により惹起される紅班;水泡症;苔癬複合疾患(diseases of the lichenoid complex);掻痒(例えば、アレルギー起源のもの);脂漏性皮膚炎;酒さ;天疱瘡;多形滲出性紅斑;亀頭炎;外陰炎;脱毛症、例えば円形脱毛症に生じるもの;及び皮膚T細胞リンパ腫;
(vi)腎疾患:ネフローゼ症候群;及びすべての型の腎炎、例えば糸球体腎炎;
(vii)肺疾患:急性肝細胞崩壊(acute liver cell disintegration);様々な起源の急性肝炎、例えば、ウイルス性、毒性、薬剤誘導性;及び慢性活動性(chronically aggressive)及び/又は慢性間欠性肝炎;
(viii)胃腸疾患:炎症性腸疾患、例えば限局性腸炎(クローン病)、潰瘍性大腸炎;胃炎;消化性食道炎(逆流性食道炎);及び他起源の胃腸炎、例えば非熱帯性スプルー;
(ix)直腸系疾患:肛門湿疹;亀裂;痔核;及び突発性直腸炎;
(x)眼疾患:アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎又は虹彩炎;結膜炎;眼瞼炎;眼神経炎(neuritis nervi optici);脈絡膜炎;及び交感性眼炎;
(xi)耳鼻咽喉(ENT)領域の疾患:アレルギー性鼻炎又は花粉症;外耳炎、例えば接触性湿疹(contact eczema)により生じるもの、感染症等;及び中耳炎;
(xii)神経疾患:脳水腫、具体的には腫瘍関連性脳水腫;多発性硬化症;急性脳炎;髄膜炎;急性脊髄損傷;脳卒中;及び様々な形態の発作、例えば点頭痙攣;
(xiii)血液疾患:後天性溶血性貧血;及び突発性血小板減少症;
(xiv)腫瘍性疾患:急性リンパ性白血病;悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;広範な転移(extensive metastases)、具体的には乳癌、気管支癌及び前立腺癌におけるもの;
(xv)内分泌系疾患:内分泌性眼障害(endocrine ophthalmopathy)、内分泌性眼窩症(endocrine orbitopathia);甲状腺クリーゼ;亜急性甲状腺炎(Thyroiditis de Quervain);橋本甲状腺炎;バセドウ氏病;肉芽腫性甲状腺炎;リンパ腫性甲状腺腫(struma lymphomatosa);及びグレーブス病;
(xvi)器官及び組織の移植及び移植片対宿主疾患;
(xvii)重篤なショック状態、例えば敗血性ショック、アナフィラキシーショック及び全身性炎症反応症候群(SIRS);
(xviii)以下のものにおける補充療法:先天性原発性副腎機能障害(congenital primary adrenal insufficiency)、例えば副腎性器症候群;後天性原発性副腎機能障害(acquired primary adrenal insufficiency)、例えば、アジソン病、自己免疫性副腎炎、感染後(post-infection)、腫瘍、転移等;先天性二次性副腎機能障害、例えば先天性下垂体機能不全;及び後天性二次性副腎機能障害、例えば、感染後、腫瘍、転移等;
(xix)炎症起源の疼痛、例えば腰痛;及び
(xx)様々な他の疾患状態又はコンディション、例えば、I型糖尿病(インシュリン依存型糖尿病)、変形性関節症、ギラン・バレー症候群、経皮経管冠動脈形成術後の再狭窄、アルツハイマー病、急性及び慢性疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患(bone resorption diseases)、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷(thermal injury)、外傷に続く多臓器傷害(multiple organ injury secondary to trauma)、急性化膿性髄膜炎、壊死性腸炎及び血液透析、白血球除去血輸血及び顆粒球輸血に関連した症候群。
【0136】
さらに、本発明による化合物は、合成糖質コルチコイドで治療された、治療されている又は治療される、上記されていない他の疾患状態又はコンディションの治療に使用することができる(例えば、H.J. Hatz、Glucocorticoide: Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinien [Glucocorticoids: Immunological Fundamentals, Pharmacology, and Therapeutic Guidelines]、Stuttgart: Verlagsgesellschaft mbH、1998年、を参照されたい。それは参考文献として全体的にここに含まれるものとする)。上記の徴候(i)〜(xx)のほとんど又は全てが、H.J. Hatz、Glucocorticoide: Immunologische Grundlagen, Pharmakologie und Therapierichtlinienに詳細に記載されている。さらに、本発明の化合物は、背景技術に記載のものを含め、上記するか又はここに述べるか或いは論じたもの以外の障害を治療するために使用することができる。
【0137】
本発明によるアンタゴニスト化合物は、完全なアンタゴニストであるか又は部分的アンタゴニストであるかにかかわらず、以下の疾患状態又は徴候の治療用薬剤として、患者に使用することができるが、それらに限定されるものではない:II型糖尿病(インシュリン非依存性糖尿病);肥満症;心疾患;高血圧症;動脈硬化症;神経疾患、例えば、精神病及びうつ病;副腎及び下垂体の腫瘍;緑内障;及びACTH分泌性腫瘍様下垂体線腫がベースとなったクッシング症候群。特に、本発明の化合物は、肥満症の治療及び調節解除された脂肪酸代謝に関連した全ての疾患状態及び徴候、例えば、高血圧、アテローム性動脈硬化症及び他の心血管性疾患の治療に有用である。GRアンタゴニストである本発明の化合物を使用することにより、糖質代謝及び脂肪酸代謝の両方に拮抗することが可能と考えられる。従って、本発明のアンタゴニスト化合物は、増加した炭水化物、タンパク質及び脂質代謝に関連し、筋虚弱様異化(catabolism like muscle frailty)、(例えば、タンパク異化)を導く疾患状態及びコンディションを含むと考えられる全ての疾患状態及びコンディションに有用である。
【0138】
診断における使用方法
本発明の化合物は、診断上の適用及び競合的結合分析におけるスタンダードとして商業的に及び他の目的のために使用してもよい。そのような使用において、本発明の化合物は、化合物それ自体の形態において使用するか、又はラジオアイソトープ、ルミネセンス又は蛍光プローブを得るために、ラジオアイソトープ、ルミネセンス、蛍光標識等を付けることにより修飾してもよく、それらは当業者に公知と考えられ、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals、第6版、R.P. Haugland (ed.)、Eugene: Molecular Probes、1996年; Fluorescence and Luminescence Probes for Biological Activity、W.T. Mason (ed.)、San Diego: Academic Press、1993年; Receptor-Ligand Interaction, A Practical Approach、E.C. Hulme (ed.)、オックスフォード: IRL Press、1992年に概説されており、それらはそれぞれ、参考文献として全体的にここに含まれるものとする。
【0139】
一般的な投与及び医薬組成物
医薬品として使用する場合、本発明の化合物は、一般的に医薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は、医薬技術において公知の手法を用いて製造することが可能であり、少なくとも一つの本発明の化合物を含む。また、本発明の化合物は、単独又は補助剤との組み合わせにおいて投与してもよく、その補助剤は、本発明の化合物の安定性を強化し、一定の態様においてそれらを含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解又は分散の強化、阻害活性の強化を提供し、補助的療法を提供等するものである。本発明による化合物は、それら自身又は本発明による他の活性物質と併せて、所望により他の薬理学的活性物質と併せて使用してもよい。一般的に、本発明の化合物は、治療的又は医薬的有効量において投与されるが、診断又は他の目的のために、より少量で投与されてもよい。
【0140】
特に、本発明の化合物は、糖質コルチコイド又は副腎皮質ステロイドとの組み合わせにおいて有用である。上記のように、様々な免疫性及び炎症性障害に関する標準的な治療には、副腎皮質ステロイドの投与が含まれ、それは、免疫応答及び炎症性応答を抑制する能力を有する。(A.P. Truhanら、Annals of Allergy、1989年、62、375〜391頁;J.D. Baxter、Hospital Practice、1992年、27、111〜134頁;R.P. Kimberly、Curr. Opin. Rheumatol.、1992年、4、325〜331頁;M.H. Weisman、Curr. Opin. Rheumatol.、1995年、7、183〜190頁; W. Sterry、Arch. Dermatol. Res.、1992年、284 (Suppl.)、S27〜S29頁)。しかし、治療上の有用性の一方で、副腎皮質ステロイドの使用には、緩和なものから生命を脅かす可能性のあるものまで、多くの副作用が、特に長期間及び/又は多量のステロイドの使用により、付随する。従って、より低い有効投与量の副腎皮質ステロイドの使用(「ステロイド倹約効果(steroid sparing effect)」と呼ばれる)を可能にする方法及び組成物は、望ましくない副作用を避けるために極めて望ましいと考えられる。本発明の化合物は、望ましい治療効果を達成する一方、糖質コルチコイド又は副腎皮質ステロイドの少量の使用及び低頻度の投与を可能にすることにより、そのようなステロイド倹約効果を提供する。
【0141】
純粋な形態又は好適な医薬組成物において、本発明の化合物の投与は、医薬組成物の投与のいずれかの容認された態様を使用して行うことができる。従って、投与は、例えば、経口、頬内(例えば、舌下)、鼻腔内、非経口、局所的、経皮的、膣内又は直腸内に、固形、半固形、凍結乾燥パウダー又は液体投与形態において、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟弾性及び硬ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁剤又はエアロゾル等で、好ましくは正確な投与量の単回投与に適した単回投与形態によることが可能である。一般的に、医薬組成物は、従来の医薬用担体又は賦形剤及び活性薬剤としての本発明の化合物を含むと考えられ、さらに、他の薬用剤(medicinal agents)、医薬用薬剤(pharmaceutical agents)、担体、補助剤、希釈剤、ビヒクル又はそれらの組み合わせを含んでいてもよい。そのような医薬的に許容され得る賦形剤、担体又は添加剤、並びに様々な態様又は投与に関する医薬組成物の製造方法は、当業者に公知である。当技術分野の状況は、例えば、以下の文献により明示されている;Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版、A. Gennaro (ed.)、Lippincott Williams & Wilkins、2000年; Handbook of Pharmaceutical Additives、Michael & Irene Ash (eds.)、Gower、1995年; Handbook of Pharmaceutical Excipients、A.H. Kibbe (ed.)、American Pharmaceutical Ass'n、2000年; H.C. Ansel and N.G. Popovish、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第5版、Lea and Febiger、1990年;それらは、当技術分野の状況を良好に記載するために全体的にここに含まれるものとする。
【0142】
当業者に予期されるように、特定の医薬製剤に利用される本発明の化合物の形態は、有効な製剤に要求される好適な物理的特性(例えば、水溶性)を有するもの(例えば、塩)が選択されると考えられる。
頬内(舌下)投与に好適な医薬組成物としては、矯味ベース、通常ショ糖及びアラビアゴム又はトラガント中に本発明の化合物を含むトローチ剤(lozenges)、及び不活性塩基、例えばゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴム中に本化合物を含む香錠(pastilles)が挙げられる。
【0143】
非経口投与に好適な医薬組成物は、本発明の化合物の滅菌水性製剤を含む。また、これらの製剤は、好ましくは、静脈内に投与されるが、皮下、筋肉内又は皮内注入により作用することができる。注入用医薬製剤は、注入用滅菌生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、油性懸濁液又は当技術分野に公知の他の注入可能な担体を一般的にベースとしており、一般的に、血液で滅菌及び等張性にされる。従って、注入用医薬製剤は、滅菌性注入用溶液又は懸濁液として、無毒性の、非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中において提供されてもよく、それらとしては1,3-ブタンジオール、水、リンゲル溶液、等張食塩液、不揮発性油、例えば合成のモノ-又はジグリセリド、脂肪酸、例えばオレイン酸等が挙げられる。そのような注入用医薬製剤は、好適な分散剤又は硬化剤及び懸濁化剤を使用して公知技術により配合される。注入用組成物は、一般的に、本発明の化合物0.1〜5%w/wを含むと考えられる。
【0144】
本化合物の経口投与用の固形投与形態としては、カプセル、錠、丸、粉末及び顆粒が挙げられる。そのような経口投与に関して、本発明の化合物を含有する医薬的に許容可能な組成物は、通常使用される賦形剤、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース・エーテル誘導体、グルコース、ゼラチン、ショ糖、シトレート、没食子酸プロピル等を導入することにより形成される。そのような固形医薬製剤は、当技術分野に公知のように、胃腸管への薬物の長期の又は持続した送達を多くのメカニズムにより提供するための製剤を含んでもよく、そのメカニズムとしては、小腸のpHを変えることをベースとした投与形態からのpH感受性放出、錠剤又はカプセル剤の崩壊遅延、製剤の物理的特性をベースとした胃内滞留、胃腸管内粘膜への投与形態の細胞接着(bioadhesion)、又は投与形態から活性薬剤の酵素的放出が挙げられるが、それらに限定されない。
本化合物の経口投与用の液体投与形態としては、乳濁液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが挙げられ、所望により担体、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等における医薬用的補助剤を含む。また、これらの組成物は、追加の補助剤、例えば湿潤剤、乳濁化剤、懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤及び香料を含むことが可能である。
【0145】
本化合物の局所投与形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、眼軟膏、点眼又は点耳剤、含浸包帯(impregnated dressings)及びエアロゾルが挙げられ、また、それらは好適な従来の添加剤、例えば保存剤、薬剤の浸透を補助するための溶媒、及び軟膏及びクリームにおける軟化薬を含んでいてもよい。局所適用は、通常の医学的考察により、1日当たり1回以上であってもよい。さらに、本発明の好ましい化合物は、好適な鼻腔内ビヒクルの局所使用により、鼻腔内用形態において投与することができる。また、その製剤は、適合性の従来の担体、例えば、クリーム又は軟膏基剤、及びローション用のエタノール又はオレイルアルコールを含んでいてもよい。そのような担体は、製剤の約1%〜約98%として存在してもよく、より一般的には、それらは製剤の約80%以下を形成すると考えられる。
【0146】
経皮的投与も可能である。経皮的投与に好適な医薬組成物は、長期間にわたりレシピエントの表皮に密接に接触したままにするのに適合された別々の(discrete)パッチとして存在することができる。経皮的送達システムの形態において投与されるため、当然、投与は、投与期間にわたり、断続的よりも連続的にされると考えられる。そのようなパッチは、所望により緩衝化された水溶液中、接着剤に溶解及び/又は分散されるか、又はポリマー中に分散された本発明の化合物を好適に含む。活性化合物の好適な濃度は、約1%〜35%、好ましくは約3%〜15%である。
【0147】
吸入による投与に関して、本発明の化合物は、噴霧ガスを要求しないポンプ・スプレー装置から又は好適な噴霧剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用を伴う加圧パック又はネブライザーからのエアゾール・スプレーの形態において、都合よく送達される。いずれの場合においても、得られる定量吸入器(MDI)が、再現性がありかつ制御された方法において本発明の化合物を投与するために使用されるように、エアゾール・スプレーの投与単位は、定量を送達するためのバルブを提供することにより決められてもよい。そのような吸入器、ネブライザー又はアトマイザー装置は、当技術分野、例えばPCT国際公開No. WO 97/12687(特にその図6であり、市販のRESPIMAT(商標登録)ネブライザーがベースとされている);WO 94/07607;WO 97/12683;及びWO 97/20590において公知であり、参考文献はこれにより作成され、それらは全体的に参考文献としてここに含まれるものとする。
【0148】
直腸投与は、本化合物を低融点の水溶性又は不溶性固形物、例えば脂肪、ココアバター、グリセリン・ゼラチン、水素化植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物又はポリエチレングリコールの脂肪酸エステル等と混合した、単位量坐剤を利用して、作用することができる。活性化合物は、通常、少量の成分、多くの場合、約0.05〜10質量%であり、残りは基剤成分である。
上記医薬組成物のすべてにおいて、本発明の化合物は、許容され得る担体又は賦形剤と配合される。使用される担体又は賦形剤は、当然、組成物の他の成分と適合するという意味で許容可能なものでなければならず、また患者に有害であってはならない。担体又は賦形剤は、固形物又は液体、又はその両方であることが可能であり、また、単位量の組成物、例えば錠剤(活性化合物0.05質量%〜95質量%を含むことができる)として本発明の化合物と好ましく配合される。そのような担体又は賦形剤としては、不活性充填剤又は希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、溶解遅延剤(solution retardants)、再吸収促進剤(resorption accelerators)、吸着剤及び着色剤が挙げられる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖、例えば、グルコース又はβ-ラクトース、コーン甘味料、天然及び合成ゴム、例えばアラビアゴム、トラガント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。滑沢剤としては、オレイン酸ナトイウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム等が挙げられる。
【0149】
一般的に、治療に有効な1日投与量は、本発明の化合物、1日当たり約0.001mg〜約15mg/kg体重;好ましくは、1日当たり約0.1mg〜約10mg/kg体重;最も好ましくは1日当たり約0.1mg〜約1.5mg/kgである。例えば、70kgのヒトに投与する場合、投与量範囲は、本発明の化合物、1日当たり約0.07mg〜約1050mg、好ましくは1日当たり約7.0mg〜約700mgであり、最も好ましくは1日当たり約7.0mg〜約105mgである。ある程度の日常的な量の最適化は、最適な投与量及びパターンを決定するために要求されてもよい。
医薬的に許容され得る担体及び賦形剤は、全ての前述の添加剤等を包含する。
【0150】
医薬製剤の例


【0151】
微細な活性物質、ラクトース及びコーンスターチの一部を共に混合した。その混合物を篩い、ポリビニルピロリドン水溶液で湿らせ、混合し、湿式造粒し、乾燥させた。その顆粒、残りのコーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを篩い、共に混合した。その混合物を圧縮し、好適な形状及びサイズの錠剤を製造した。


【0152】
微細な活性物質、コーンスターチの一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩い、残りのコーンスターチ及び水と合わせ、乾燥して篩われた顆粒を形成した。カルボキシメチルナトリウムデンプン及びステアリン酸マグネシウムを加え混合し、その混合物を圧縮し、好適な大きさの錠剤を形成した。


【0153】
活性物質、コーンスターチ、ラクトース及びポリビニルピロリドンを入念に混合し、水で湿らせた。湿った塊状物を1mmメッシュサイズの篩に押し通し、約45℃で乾燥させ、その後顆粒を同じ篩に通した。ステアリン酸マグネシウムを混合した後、直径6mmの凸状の錠芯を錠剤製造機において圧縮した。そのようにして製造した錠芯を、公知の方法において、糖及びタルクから本質的になるカバーにより被覆した。最終的な被覆錠をワックスで磨いた。


【0154】
本物質及びコーンスターチを混合し、水で湿らせた。その湿らせた塊状物を篩い、乾燥した。乾燥した顆粒を篩い、ステアリン酸マグネシウムと混合した。最終的な混合物をサイズ1の硬ゼラチンカプセルに詰めた。


【0155】
活性物質を水に、それ自身のpH又は所望によりpH5.5〜6.5で溶解し、塩化ナトリウムを加え、それを等張性にした。得られた溶液をろ過し、発熱物質を除外し、ろ液を無菌条件下でアンプルに移し、その後それらを殺菌し、溶融シールした。アンプルは、活性物質を5mg、25mg及び50mg含む。


【0156】
固い脂肪を融解させた。40℃で、粉砕された活性物質をそれらに均一に分散させた。その混合物を38℃に冷まし、わずかに冷却した坐剤の型に注いだ。


【0157】
懸濁液を計量バルブ付きの従来のエアロゾル容器に移した。好ましくは、スプレー当たり懸濁液50μLが放出される。また、活性物質は、所望により、より多い量で計量されてもよい(例えば、0.02質量%)。








【0158】
例H、I、J及びKにおいて、吸入用パウダーは、個々の成分を一緒に混合することにより、通常の方法において製造される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;
【化1】

{式中、
R1は、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2は、炭素数1〜5のアルキル、炭素環、アリール又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R2の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R7及びR8の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10は、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R9及びR10の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
Xは、Xへの任意の結合がない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基により所望により置換されているNH基であるか、又は
Xへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり;また
Yは、Yへの任意の結合が存在しない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基により所望により置換されているNH基、又は
Yへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり、
ここで、X及びYの各置換基は、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルであり、
式中、各破線は、0又は1の任意の結合が一般式(I)の化合物に存在することを条件として、任意の結合を表している}。
【請求項2】
式中、XがNH基であり、YがCH基である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項3】
式中、R1が、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2が、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている)、又は炭素数1〜5のアルキルチオであり、
ここで、R2の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
R7及びR8が、それぞれ、独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R7及びR8の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10が、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R9及びR10の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されている、
請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項4】
式中、R1が水素であり、
R2が、フェニル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はハロゲンであり、
ここで、R2の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり;
R7及びR8が、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキルであり、
ここで、R7及びR8の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;また
R9及びR10が、それぞれ水素である、
請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項5】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくとも一つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項6】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくとも二つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項7】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくと三つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項8】
式中、R2の各置換基が、所望により、独立して、メチル、メトキシ、クロロ、ブロモ又はジメチルアミノから選ばれる1〜3の置換基により置換されている、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項9】
式中、R2が、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、2-チオフェン基又は3-チオフェン基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項10】
式中、X及びYが非置換である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項11】
式中、X及びYが共にCH基又はCH2基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項12】
式中、X及びYが共にN基又はNH基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項13】
式中、X及びYの一方がCH基又はCH2基であり、X及びYの他方がN基又はNH基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項14】
化合物が、
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
(R)-2-(4-tert-ブチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオン酸メチルエステル;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-メチル-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-ヒドロキシメチル-2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,5-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,4,5,6-ペンタメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
3,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-(1,1-ジメチルプロピル)-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-イソプロピルベンゼンスルホンアミド;
5-クロロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
4,5-ジクロロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
3-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジブロモ-3,6-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,5,6-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-tert-ブチル-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-メチル-2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-メチル-2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチル-ベンゼンスルホンアミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6,N-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
(S)-3-(1H-インドール-3-イル)-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
(R)-3-(1H-インドール-3-イル)-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(4-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6,N-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
ナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
ナフタレン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-{5-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルスルファモイル]-4-メチルチアゾール-2-イル}アセトアミド;
7-クロロベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
キノリン-8-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-ヨードベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4-ジニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-ニトロベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-{4-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルスルファモイル]フェニル}アセトアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシベンゼンスルホンアミド;
2-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-メチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-ニトロ-4-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
2,3,4-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,5-ジメトキシベンゼンスルホンアミド;
3,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-クロロ-4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-エチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-プロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,5-ジメチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチル-5-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
3-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4,5-ジブロモチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-ベンゼンスルホニルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
5-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3,4-ジメトキシベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-ピリジン-2-イルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
3-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド;
3-シアノ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-シアノ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシ-5-メチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
5-クロロ-4-ニトロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
ビフェニル-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;
5-ブロモチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,6-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-3,5-ジニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メタンスルホニルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メタンスルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-アセチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3,5-ビス-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジメチルイソキサゾール-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
5-ベンゼンスルホニルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;及び
5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-チオスルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項15】
化合物が、
5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,4,5,6-ペンタメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-tert-ブチル-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項16】
化合物が、
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項17】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び医薬的に許容され得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、患者における糖質コルチコイドレセプター機能の調節方法。
【請求項19】
糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項20】
II型糖尿病、肥満、心血管疾患、高血圧、動脈硬化症、神経性疾患、副腎及び下垂体の腫瘍及び緑内障から選ばれる疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項21】
炎症性、アレルギー性又は増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患の、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を、患者に投与することを含む、上記方法。
【請求項22】
疾患が、(i)肺疾患;(ii)リウマチ疾患/自己免疫疾患/関節疾患;(iii)アレルギー性疾患;(iv)脈管系疾患;(v)皮膚疾患;(vi)腎疾患;(vii)肝疾患;(viii)胃腸疾患;(ix)直腸系疾患;(x)眼疾患;(xi)耳鼻咽喉(ENT)領域の疾患;(xii)神経疾患;(xiii)血液疾患;(xiv)腫瘍性疾患;(xv)内分泌系疾患;(xvi)器官及び組織の移植及び移植片対宿主疾患;(xvii)重篤なショック状態;(xviii)補充療法;及び(xix)炎症起源の疼痛から選ばれる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
疾患が、I型糖尿病、変形性関節炎、ギラン・バレー症候群、経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷、外傷に続く多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性腸炎、及び血液透析、白血球除去血輸血及び顆粒球輸血に関連する症候群から選ばれる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態又はコンディションの、そのような治療を必要とする患者における治療方法であって、その方法が、患者に:(a)有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び(b)医薬的に許容され得る糖質コルチコイドを、連続的又は同時に投与することを含む、上記方法。
【請求項25】
サンプルにおける糖質コルチコイドレセプター機能のインビトロ診断測定をするためのキットであって、そのキットが:
(a)診断的有効量の、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;及び
(b)診断キットの使用のための説明書
を含む、上記キット。
【請求項26】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化2】

(式中、R1はHであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びYは、請求項1に定義のとおりである)
その方法が、一般式(II)のアミノエチル複素環を一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させて、一般式(I)の化合物を形成することを含む、上記方法。
【化3】

【請求項27】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化4】

(式中、R1、R8及びR9は、それぞれHであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R10、X及びYは請求項1に記載のとおりである)
以下の工程:
(a) 一般式(V)のアルデヒドを一般式(VI)のニトロ化合物と、酢酸アンモニウム及び酢酸の存在下で反応させ、一般式(VII)のニトロアルケンを形成する工程;
【化5】

(b) 一般式(VII)のニトロアルケンを、好適な還元剤で還元し、一般式(II)の中間体を形成する工程;及び
【化6】

(c) 一般式(II)の中間体を、一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させ、一般式(I)の化合物を形成する工程。
【化7】

を含む上記方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;
【化1】

{式中、
R1は、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2は、炭素数1〜5のアルキル、炭素環、アリール又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R2の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボニル、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R7及びR8は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
ここで、R7及びR8の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10は、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基は、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、アミノカルボニル、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のジアルキルアミノカルボニルオキシ、炭素数1〜5のアルカノイルアミノ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルスルホニルアミノ、炭素数1〜5のアルキルアミノスルホニル、炭素数1〜5のジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている);又はウレイド(いずれかの窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより置換されている);又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R9及びR10の各置換基は、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
Xは、Xへの任意の結合がない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基により所望により置換されているNH基であるか、又は
Xへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり;また
Yは、Yへの任意の結合が存在しない場合は、1又は2の置換基により所望により置換されているCH2基、又は1置換基により所望により置換されているNH基、又は
Yへの任意の結合が存在する場合は、1置換基により所望により置換されているCH基、又はNであり、
ここで、X及びYの各置換基は、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルであり、
式中、各破線は、0又は1の任意の結合が一般式(I)の化合物に存在することを条件として、任意の結合を表している}。
【請求項2】
式中、XがNH基であり、YがCH基である、請求項1に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項3】
式中、R1が、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、ヒドロキシ、ハロゲン又はオキソから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R2が、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により1〜5の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、複素環、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はアリールにより一置換又は二置換されている)、又は炭素数1〜5のアルキルチオであり、
ここで、R2の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ又はアミノ(窒素原子は、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルにより一置換又は二置換されている)から選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニルオキシ、炭素数2〜5のアルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり;
R7及びR8が、それぞれ、独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R7及びR8の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており、
R9及びR10が、それぞれ、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R9及びR10の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、アリール、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、又は炭素数1〜5のアルキルチオ(硫黄原子は、所望により、スルホキシド又はスルホンに酸化されている)であり、
ここで、R9及びR10の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選ばれる1〜3の置換基により置換されている、
請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項4】
式中、R1が水素であり、
R2が、フェニル基又はヘテロアリール基であり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R2の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキル又はハロゲンであり、
ここで、R2の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜5のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;
R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素又はハロゲンであり;
R7及びR8が、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜5のアルキルであり、それぞれ所望により、1〜3の置換基により置換されており、
ここで、R7及びR8の各置換基が、独立して、炭素数1〜5のアルキルであり、
ここで、R7及びR8の各置換基が、所望により、独立して、炭素数1〜3のアルキルから選ばれる1〜3の置換基により置換されており;また
R9及びR10が、それぞれ水素である、
請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項5】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくとも一つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項6】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくとも二つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項7】
式中、R1、R2、R7、R8、R9又はR10 の少なくと三つが、炭素数1〜5のアルキルである、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項8】
式中、R2の各置換基が、所望により、独立して、メチル、メトキシ、クロロ、ブロモ又はジメチルアミノから選ばれる1〜3の置換基により置換されている、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項9】
式中、R2が、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、2-チオフェン基又は3-チオフェン基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項10】
式中、X及びYが非置換である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項11】
式中、X及びYが共にCH基又はCH2基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項12】
式中、X及びYが共にN基又はNH基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項13】
式中、X及びYの一方がCH基又はCH2基であり、X及びYの他方がN基又はNH基である、請求項2に記載の一般式(I)の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項14】
化合物が、
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロ-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
(R)-2-(4-tert-ブチルベンゼンスルホニルアミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロピオン酸メチルエステル;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-メチル-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-ヒドロキシメチル-2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,5-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,4,5,6-ペンタメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
3,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-(1,1-ジメチルプロピル)-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-イソプロピルベンゼンスルホンアミド;
5-クロロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
4,5-ジクロロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
3-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジブロモ-3,6-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,5,6-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-tert-ブチル-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[1-メチル-2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-メチル-2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-2-メチルプロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチル-ベンゼンスルホンアミド;
N-[1-ヒドロキシメチル-2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-tert-ブチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6,N-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
(S)-3-(1H-インドール-3-イル)-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
(R)-3-(1H-インドール-3-イル)-2-(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルアミノ)プロピオン酸メチルエステル;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(4-ベンジルオキシ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6,N-テトラメチルベンゼンスルホンアミド;
ナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
ナフタレン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-{5-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルスルファモイル]-4-メチルチアゾール-2-イル}アセトアミド;
7-クロロベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
キノリン-8-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-ヨードベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4-ジニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジクロロ-2-ヒドロキシ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-ニトロベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-{4-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチルスルファモイル]フェニル}アセトアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシベンゼンスルホンアミド;
2-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-メチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-ニトロ-4-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
2,3,4-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,5-ジメトキシベンゼンスルホンアミド;
3,4-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
3-クロロ-4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-エチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-プロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,5-ジメチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メチル-5-ニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
3-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
4,5-ジブロモチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-ベンゼンスルホニルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
5-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3,4-ジメトキシベンゼンスルホンアミド;
2,3-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-ピリジン-2-イルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
3-ブロモ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-トリフルオロメトキシベンゼンスルホンアミド;
3-シアノ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2-シアノ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシ-5-メチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-4-フルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
5-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メトキシベンゼンスルホンアミド;
5-クロロ-4-ニトロチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
ビフェニル-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-(2-ニトロフェニル)メタンスルホンアミド;
5-ブロモチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,6-ジフルオロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-3,5-ジニトロベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メタンスルホニルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2-メタンスルホニルベンゼンスルホンアミド;
4-アセチル-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-3,5-ビス-トリフルオロメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
3,5-ジメチルイソキサゾール-4-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
5-ベンゼンスルホニルチオフェン-2-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;及び
5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-チオスルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項15】
化合物が、
5-ジメチルアミノナフタレン-1-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,3,4,5,6-ペンタメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2-クロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-6-メチルベンゼンスルホンアミド;
2,6-ジクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
4-tert-ブチル-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(7-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項16】
化合物が、
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホンアミド;
4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホン酸[2-(1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]アミド;
2,4,6-トリクロロ-N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]ベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[1-(1H-インドール-3-イルメチル)プロピル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;
N-[2-(6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)-1-メチルエチル]-2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド;及び
2,4,6-トリメチル-N-[1-メチル-2-(6-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]ベンゼンスルホンアミド
から選ばれる、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩。
【請求項17】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び医薬的に許容され得る賦形剤又は担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を含む、患者における糖質コルチコイドレセプター機能を調節するための医薬組成物。
【請求項19】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を含む、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態又はコンディションの治療を必要とする患者を治療するための医薬組成物。
【請求項20】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を含む、II型糖尿病、肥満、心血管疾患、高血圧、動脈硬化症、神経性疾患、副腎及び下垂体の腫瘍及び緑内障から選ばれる疾患状態又はコンディションの治療を必要とする患者を治療するための医薬組成物。
【請求項21】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩を含む、炎症性、アレルギー性又は増殖性プロセスにより特徴付けられる疾患の治療を必要とする患者を治療するための医薬組成物。
【請求項22】
疾患が、(i)肺疾患;(ii)リウマチ疾患/自己免疫疾患/関節疾患;(iii)アレルギー性疾患;(iv)脈管系疾患;(v)皮膚疾患;(vi)腎疾患;(vii)肝疾患;(viii)胃腸疾患;(ix)直腸系疾患;(x)眼疾患;(xi)耳鼻咽喉(ENT)領域の疾患;(xii)神経疾患;(xiii)血液疾患;(xiv)腫瘍性疾患;(xv)内分泌系疾患;(xvi)器官及び組織の移植及び移植片対宿主疾患;(xvii)重篤なショック状態;(xviii)補充療法;及び(xix)炎症起源の疼痛から選ばれる、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
疾患が、I型糖尿病、変形性関節炎、ギラン・バレー症候群、経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;アルツハイマー病、急性及び慢性の疼痛、アテローム性動脈硬化症、再灌流傷害、骨吸収疾患、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷、外傷に続く多臓器傷害、急性化膿性髄膜炎、壊死性腸炎、及び血液透析、白血球除去血輸血及び顆粒球輸血に関連する症候群から選ばれる、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
有効量の、請求項1〜16のいずれか1項に記載の医薬的に許容され得る化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩、及び、医薬的に許容され得る糖質コルチコイドを含む、糖質コルチコイドレセプター機能により媒介される疾患状態又はコンディションの治療を必要とする患者を治療するための医薬組成物。
【請求項25】
サンプルにおける糖質コルチコイドレセプター機能のインビトロ診断測定をするためのキットであって、そのキットが:
(a)診断的有効量の、請求項1に記載の化合物又はその互変異性体、それらのプロドラッグ、溶媒和化合物又は塩;及び
(b)診断キットの使用のための説明書
を含む、上記キット。
【請求項26】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化2】

(式中、R1はHであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X及びYは、請求項1に定義のとおりである)
その方法が、一般式(II)のアミノエチル複素環を一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させて、一般式(I)の化合物を形成することを含む、上記方法。
【化3】

【請求項27】
一般式(I)の化合物の製造方法であって、
【化4】

(式中、R1、R8及びR9は、それぞれHであり、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R10、X及びYは請求項1に記載のとおりである)
以下の工程:
(a) 一般式(V)のアルデヒドを一般式(VI)のニトロ化合物と、酢酸アンモニウム及び酢酸の存在下で反応させ、一般式(VII)のニトロアルケンを形成する工程;
【化5】

(b) 一般式(VII)のニトロアルケンを、好適な還元剤で還元し、一般式(II)の中間体を形成する工程;及び







【化6】

(c) 一般式(II)の中間体を、一般式(III)のスルホニルハライドと、好適な塩基の存在下で反応させ、一般式(I)の化合物を形成する工程。
【化7】

を含む上記方法。

【公表番号】特表2006−504681(P2006−504681A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532889(P2004−532889)
【出願日】平成15年8月12日(2003.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/025062
【国際公開番号】WO2004/019935
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(500091335)ベーリンガー インゲルハイム ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (55)
【Fターム(参考)】