説明

無線通信装置および増幅器ならびに無線通信装置用増幅器の制御方法

【課題】送信部と受信部とを頻繁に切換えて選択的に稼動させるような条件下であっても
DCオフセット抑制の機能が適切に働き、且つ、小型で簡素な構成を有するダイレクトコ
ンバージョン方式の無線通信装置を提供する。
【解決手段】ベースバンド増幅器の帰還回路に介挿されたローパスフィルタの前段にスイ
ッチを設け、このスイッチによって受信部が非稼動状態にある期間では帰還信号の伝達を
断ってローパスフィルタの容量性素子で帰還信号に相応する信号レベルを維持しておくこ
とにより、受信部の稼動再開に際して、帰還回路のセトリングタイムを大幅に短縮して、
送受信の頻繁な切換りにも適切に応じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信部と受信部とが、例えば一つの構造ユニットに、対をなすようにして構
成されたダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置であって、送信部および受信部の
何れか一方が稼動状態にある期間には何れか他方が非稼動状態となるように機能する無線
通信装置、および、この無線通信装置にも適合し得る増幅器、ならびに、無線通信装置用
増幅器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来のダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置としてのQPSK送受信
機を表すブロック図である。このQPSK送受信機は、送信部110と受信部120とが
、例えば一つの構造ユニットに、対をなすようにして構成される。
PLL101の出力に同期したローカル発信器102で生成されたローカル信号は移相
器103において0度、−180度、90度、および、−90度のように各個に位相が所
定量シフトされた2×2系統の信号に変換された後、I信号およびQ信号に各対応するミ
クサ111,112に供給されてベースバンドの信号がローカル発信器の出力と混合され
、これらI,Q各個の信号が更に加算回路113で加算される。
【0003】
加算回路113で加算された信号は、電力増幅器114で増幅され、送受信切換え回路
140を通してアンテナ151に供給される。
一方、アンテナ151で受けた信号波は送受信切換え回路140を通してローノイズア
ンプ121に供給されて増幅され、I,Q各系統のミクサ122,123で2×2系統の
ローカル信号と混合されて、I,Q各系統の各個のベースバンド信号に変換され、 I
,Q各系統のIFアンプ124,125で増幅された後、各IFアンプ124,125
の出力毎に対応して設けられたコンパレータ126,127で各所定の閾値と比較されて
デジタル信号として再生される。
【0004】
図10は、図9のダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置としてのQPSK送受
信機におけるIFアンプ124(125)の構成を表すブロック図である。増幅回路10
01の出力をローパスフィルタ(以下、LPF)1002を通して入力側に帰還(負帰還
)する帰還回路1003が設けられている。LPF1002がカットオフ周波数fLPF
特性を有する場合、この周波数fLPF以下の帯域を通過した信号のみが帰還される。帰還
信号は入力から差し引かれ、この結果、DC成分は抑圧される。
【0005】
図11は、図10のIFアンプ124(125)の特性を表す図である。
ダイレクトコンバージョン方式を採用した無線通信機はヘテロダイン方式と比べ、中間
周波フィルタ(以下、IFフィルタ)が不要であり構成が簡素化されコストの低減が図ら
れるという特徴がある。
しかし、ダイレクトコンバージョン方式により復調した信号には、回路を構成するトラ
ンジスタのばらつき等に起因するDCオフセットが発生し、場合によってはIFアンプを
飽和させてしまうため、DCオフセットの抑制が重要な課題となる。
【0006】
DCオフセットを抑制する方法としては、図10を参照して説明したように、帰還回路
を備えた増幅回路を用い、DC成分のみを帰還し、相殺する方法がある。この方法は比較
的小規模な回路で実現できるが、所要の信号通過帯域を確保するためにはLPFの高域カ
ットオフ周波数を十分に下げる必要があり、帰還ループが収束するまでに長い時間を必要
とするという課題がある。
【0007】
双方向通信が必要なアプリケーションで、かつ低消費電力化が必要な場合、送信部(T
X)、受信部(RX)の何れか一方が稼動状態にある期間には何れか他方が非稼動状態と
なるように逐一作動を切換えて、機器の電力を節約しなければならないため、帰還ループ
が収束するまでに長い時間を必要とする前述の方法では回路の動作がこのような切換えに
追随しきれなくなるといった問題が生じる。
【0008】
尚、ADコンバータによりDCオフセットに起因する誤差電圧を測定し、必要な校正値
を補正テーブル(メモリ)に蓄積し、起動時にDAコンバータから供給することで、DC
オフセット抑制と高速な起動が実現する技術が既に提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−256079号公報(段落0011〜段落0017、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1に提案の技術では、ADコンバータ、DAコンバータ、補正テ
ーブルとして機能するメモリなどの複雑な回路を必要とし、回路規模が大きくなるという
課題を残している。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、送信部と受信部とを頻繁に切
換えて選択的に稼動させるような条件下であってもDCオフセット抑制の機能が適切に働
き、且つ、小型で簡素な構成を有するダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置、お
よび、増幅器、ならびに、無線通信装置用増幅器の制御方法を提供することを目的として
いる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
(1)送信部および受信部を含んで構成されるダイレクトコンバージョン方式の無線通
信装置であって、
前記送信部および前記受信部の何れか一方が稼動状態にある期間には何れか他方を非稼
動状態におくように切換え制御する制御信号を出力するシステムコントローラを備え、
前記受信部は、
受信信号と局部発信信号とを混合してベースバンド信号を得るミキサと、
前記ミキサの後段に配置され前記ベースバンド信号を増幅するベースバンド増幅器と、
を備え、
前記ベースバンド増幅器は、
DCオフセットを除去するローパスフィルタを有する帰還回路
を備え、
前記帰還回路は、
前記システムコントローラから出力された前記制御信号に応じて前記受信部が非稼動状
態にある期間のうちの所定期間は当該帰還回路の帰還信号の伝達を断つスイッチ回路
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【0011】
上記(1)の無線通信装置では、ダイレクトコンバージョン方式を採ることによってヘ
テロダイン方式に比して構成が大幅に簡素化される上、システムコントローラによって送
信部および受信部の何れか一方が稼動状態にある期間には何れか他方が非稼動状態に転じ
るように制御されるため省電力化が図られ、且つ、ベースバンド増幅器の帰還回路中に介
挿されたスイッチ回路によって受信部が非稼動状態にある期間のうちの所定期間では当該
帰還回路の帰還信号の伝達が断たれるため、ローパスフィルタの容量性素子に蓄積保持さ
れた帰還信号に相応する信号レベルが維持され、受信回路の稼動再開に際して、帰還回路
のセトリングタイムを大幅に短縮して、送受信の頻繁な切換りにも適切に応じることが可
能になる。
【0012】
(2)前記ベースバンド増幅器は、バイアス電圧の供給を制御することによって増幅機
能の稼動状態と非稼動状態とを切換えるバイアス切換回路を更に有し、
前記スイッチ回路は、前記バイアス切換回路が前記増幅機能を非稼動状態に切換えるタ
イミングよりも以前のタイミングで前記帰還回路の帰還信号の伝達を絶ち、且つ、前記バ
イアス切換回路が前記増幅機能を稼動状態に切換えるタイミングよりも所定期間後のタイ
ミングで前記帰還回路の帰還信号の伝達を開始するように構成されていることを特徴とす
る(1)の無線通信装置。
【0013】
上記(2)の無線通信装置では、(1)の無線通信装置において特に、バイアス電圧の
供給を制御することによって増幅機能の稼動状態と非稼動状態とを切換えるバイアス切換
回路を更に有し、スイッチ回路は、バイアス切換回路が増幅機能を非稼動状態に切換える
タイミングよりも以前のタイミングで帰還回路の帰還信号の伝達を絶ち、且つ、バイアス
切換回路が増幅機能を稼動状態に切換えるタイミングよりも所定期間後のタイミングで帰
還回路の帰還信号の伝達を開始する。このため、ローパスフィルタの容量性素子に、帰還
信号に相応する信号レベルが適正に蓄積保持された、且つ、受信回路の稼動再開に際して
、ベースバンド増幅器の動作が安定する。
【0014】
(3)前記スイッチ回路は、PMOSトランジスタとNMOSとトランジスタとのコン
プリメンタリ接続で構成されていることを特徴とする(1)〜(2)の何れか一の無線通
信装置。
上記(3)の無線通信装置では、(1)〜(2)の何れか一の無線通信装置において特
に、スイッチ回路は、PMOSトランジスタとNMOSとトランジスタとのコンプリメン
タリ接続で構成されているため、ベースバンド増幅器が非稼動状態に切換るに際して適切
に帰還信号を保持し、また、稼動状態に切換るに際して維持していた帰還信号を速やかに
入力側に帰還することができる。
【0015】
(4)前記システムコントローラは、前記バイアス切換回路が前記増幅機能を稼動状態
に切換えた後の所定期間は前記スイッチ回路が前記帰還回路の帰還信号を断つ状態を保持
して、前記ベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行するように制御することを特
徴とする(2)〜(3)の何れか一の無線通信装置。
上記(4)の無線通信装置では、(2)〜(3)の何れか一の無線通信装置において特
に、帰還電圧のキャリブレーションを実行することによって動作が安定する。
【0016】
(5)前記システムコントローラは、一定期間前記スイッチ回路を帰還信号の伝達を行
う状態に維持して前記ベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行した後、前記スイ
ッチ回路を帰還信号の伝達を断つ状態にして非キャリブレーション状態を所定期間維持し
つつ前記バイアス切換回路を切換え制御して前記受信部の稼動状態と非稼動状態とを切換
え、該非キャリブレーション状態の期間が経過したタイミングで前記キャリブレーション
を再開し、当該再開のタイミング以降、前記非キャリブレーション状態の期間を挟んで、
前記キャリブレーションを繰り返し実行するように構成されていることを特徴とする(2
)〜(4)の何れか一の無線通信装置。
【0017】
上記(5)の無線通信装置では、(2)〜(4)の何れか一の無線通信装置において特
に、システムコントローラによって、一定期間前記スイッチ回路を帰還信号の伝達を行う
状態に維持してベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行した後、スイッチ回路を
帰還信号の伝達を断つ状態にして非キャリブレーション状態を所定期間維持しつつバイア
ス切換回路のオンオフを切換え制御して受信部の稼動状態と非稼動状態とを切換え、該非
キャリブレーション状態の期間が経過したタイミングでキャリブレーションを再開し、当
該再開のタイミング以降、上述のような非キャリブレーション状態の期間を挟んで、キャ
リブレーションが繰り返し実行されるため、ローパスフィルタで維持されている帰還電圧
が漸減しても再度のキャリブレーションが行われ、DCオフセットの除去が適切に行われ
て動作が安定する。
【0018】
(6)前記ベースバンド増幅器は、縦続接続された複数段の増幅器を有して構成され、
前記帰還回路は、
前記複数段の増幅器のうちの最終段の増幅器の出力を初段の増幅器の入力に帰還するよ
うに設けられていることを特徴とする(1)〜(5)の何れか一の無線通信装置。
上記(6)の無線通信装置では、(1)〜(5)の何れか一の無線通信装置において特
に、縦続接続された複数段の増幅器によって高い増幅率が実現され、且つ、帰還回路およ
び該帰還回路に介挿されたスイッチ回路によって、DCオフセットが適切に除去された良
好な特性を得ることができる。
【0019】
(7)前記ベースバンド増幅器は、縦続接続された複数段の増幅器を有して構成され、
前記帰還回路は、前記複数段の増幅器のうちの各個の増幅器の出力を、当該各個の増幅
器の入力に帰還するように設けられていることを特徴とする(1)〜(5)の何れか一の
無線通信装置。
上記(7)の無線通信装置では、(1)〜(5)の何れか一の無線通信装置において特
に、各個にスイッチ回路が介挿されている帰還回路を持ち縦続接続された複数段の増幅器
によって高い増幅率が実現され、且つ、帰還回路および該帰還回路に介挿されたスイッチ
回路によって、DCオフセットが適切に除去された良好な特性を得ることができる。
【0020】
(8)増幅回路部と帰還回路部とを有する増幅器であって、前記増幅回路部は作動電源
が供給されて稼動する稼動状態と該作動電源の供給が断たれた非稼動状態とが切換え制御
されるように構成され、前記帰還回路部は帰還経路中に前記増幅回路部の出力を保持する
容量性素子と該容量性素子の前段に設けられたスイッチとを含み、前記スイッチは前記切
換え制御に関連したタイミングで開閉制御されるように構成されていることを特徴とする
増幅器。
【0021】
上記(8)の増幅器では、増幅器の帰還回路中に介挿されたスイッチ回路によって増幅
器が非稼動状態にある期間では帰還信号の伝達が断たれるように制御され得るため、容量
性素子に蓄積保持された帰還信号に相応する信号レベルが維持され、増幅器の稼動再開に
際して、帰還のセトリングタイムを大幅に短縮して、増幅器の稼動非稼動の切換りに対す
る応答性が向上する。
【0022】
(9)前記増幅回路部は、送信部および受信部を含んで構成されるダイレクトコンバー
ジョン方式の無線通信装置の受信部に適合するように構成され、当該受信部における稼動
状態および非稼動状態の切換りに応じて前記切換え制御が行われるように構成されている
ことを特徴とする(8)の増幅器。
上記(9)の増幅器では、(8)の増幅器において特に、送信部および受信部を含んで
構成されるダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置の受信部に適合するように構成
され、当該受信部における稼動状態および非稼動状態の切換りに応じて作動電源の供給の
断続による稼動非稼動の切換え制御が行われるため、省電力化が図られる。
【0023】
(10)前記増幅回路部は、自己のバイアス回路に設けられたスイッチング素子の開閉
によって前記稼動状態と非稼動状態とが切換え制御されるように構成されていることを特
徴とする(8)〜(9)の何れか一の増幅器。
上記(10)の増幅器では、(8)〜(9)の何れか一の増幅器において特に、自己の
バイアス回路に設けられたスイッチング素子の開閉によって前記稼動状態と非稼動状態と
が切換え制御されるため、作動電源の供給の断続に関する他の別段の開閉手段を要しない
簡素な構成が実現される。
【0024】
(11)前記帰還回路部の容量性素子は、ローパスフィルタを構成するキャパシタであ
ることを特徴とする(8)〜(10)の何れか一の増幅器。
上記(11)の増幅器では、(8)〜(10)の何れか一の増幅器において特に、帰還
回路部の容量性素子は、ローパスフィルタを構成するキャパシタで構成されるため、帰還
レベルを保持するための他の別段の記憶手段等を要しない簡素な構成が実現される。
【0025】
(12)帰還回路を有する増幅器を断続的に稼動させるに際し、当該増幅器の出力を前
記帰還回路に接続された容量性素子に保持した状態で、且つ、当該増幅器を稼動状態から
非稼動状態に転じさせるよりも以前のタイミングで前記帰還回路による帰還を断ち、当該
増幅器を非稼動状態から稼動状態に転じさせて以降のタイミングで前記帰還回路による帰
還を開始させることを特徴とする無線通信装置用増幅器の制御方法。
【0026】
上記(12)の無線通信装置用増幅器の制御方法では、帰還回路を有する増幅器を断続
的に稼動させるに際し、当該増幅器の出力を前記帰還回路に接続された容量性素子に保持
した状態で、且つ、当該増幅器を稼動状態から非稼動状態に転じさせるよりも以前のタイ
ミングで前記帰還回路による帰還を断ち、当該増幅器を非稼動状態から稼動状態に転じさ
せて以降のタイミングで前記帰還回路による帰還を再開するため、帰還回路を有する増幅
器を一旦停止させ、再度稼動させるに際して、セトリングタイムが短い速やかな応答特性
が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。尚、以下に参照する図において
は、便宜上、説明の主題となる要部は適宜誇張し、要部以外については適宜簡略化し乃至
省略されている。
図1は、本発明の実施の形態としての無線通信装置を表す図である。図1の無線通信装
置は、ダイレクトコンバージョン方式のQPSK送受信機であり、送信部110と受信部
120とが、例えば一つの構造ユニットに、対をなすようにして構成される。
【0028】
PLL101の出力に同期したローカル発信器102で生成されたローカル信号は移相
器103において0度、−180度、90度、および、−90度のように各個に位相がシ
フトされた2×2系統の信号に変換されたのち、I信号およびQ信号各対応するミクサ1
11,112に供給されてベースバンドの信号がローカル発信器の出力と混合され、これ
らI,Q各個の信号が更に加算回路113で混合される。
【0029】
加算回路113で混合された信号は、電力増幅器114で増幅され、送受信切換え回路
140を通してアンテナ151に供給される。
一方、アンテナ151で受けた信号波は送受信切換え回路140を通してローノイズア
ンプ121に供給されて増幅され、I,Q各系統のミキサ122,123で2×2系統の
ローカル信号と混合されて、I,Q各系統の各個のベースバンド信号に変換され、I,Q
各系統のベースバンド信号を増幅するベースバンド増幅器としてのIFアンプ124a,
125aで増幅された後、各IFアンプ124a,125aの出力毎に対応して設けられ
たコンパレータ126,127で各所定の閾値と比較されてデジタル信号として再生され
る。
【0030】
図1の無線通信装置では特に、送信部110および受信部120の何れか一方が稼動状
態にある期間には何れか他方を非稼動状態におくように給電状態を切換え制御すると共に
該当する各部を統括的に制御するシステムコントローラ130と、を備えている。
図2は、図1のダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置としてのQPSK送受信
機におけるIFアンプ124a(125a)の構成を表すブロック図である。増幅回路2
01の出力をローパスフィルタ(以下適宜「LPF」という)202を通して入力側に帰
還(負帰還)する帰還回路203が設けられている。LPF202がカットオフ周波数f
LPFの特性を有する場合、この周波数fLPF以下の帯域を通過した信号のみが帰還される。
帰還信号は入力から差し引かれ、この結果、DC成分は抑圧される。
【0031】
図2のIFアンプ124(125)では特に、帰還回路203中、増幅回路201の出
力をLPF202に供給される経路にスイッチ回路204が介挿されている。このスイッ
チ回路204は、図1のシステムコントローラ130による制御信号に応答して受信部1
20が非稼動状態にある期間の少なくとも一部を占める帰還停止期間では当該帰還回路2
03の帰還信号の伝達を断つように作動する。
【0032】
図1および図2を参照して説明したQPSK送受信機では、ダイレクトコンバージョン
方式を採ることによってヘテロダイン方式に比して構成が大幅に簡素化される上、システ
ムコントローラ130によって送信部110および受信部120の何れか一方が稼動状態
にある期間には何れか他方が非稼動状態に転じるように制御されるため省電力化が図られ
る。
【0033】
また、ベースバンド増幅器(IFアンプ)124a(125a)の帰還回路203中に
介挿されたスイッチ回路204によって受信部120が非稼動状態にある期間の少なくと
も一部を占める帰還停止期間では当該帰還回路の帰還信号の伝達が断たれるため、LPF
202の容量性素子(キャパシタ)に蓄積保持された帰還信号に相応する信号レベルが維
持され、受信回路120の稼動再開に際して、帰還回路203のセトリングタイムを大幅
に短縮して、送受信の頻繁な切換りにも適切に応じることが可能になる。
【0034】
図3は、図2のベースバンド増幅器(IFアンプ)124a(125a)の回路図であ
る。トランジスタM11,M12,M31,M32,M30、抵抗R31,R32、およ
び、コンプリメンタリ接続されてスイッチ304a,304bを構成する各トランジスタ
M1,M2、ならびに、各ローパスフィルタ302a,302bを構成する各抵抗R,キ
ャパシタCが図示のように接続されて構成されている。
【0035】
図中、破線で囲まれた増幅回路301の一方の出力OUT_Nはスイッチ回路304a
とLPF302aが介挿された帰還回路303aを通して一方の入力IN_P側(自己の
ゲートが入力端IN_PとされたトランジスタM11に並列接続されたトランジスタM3
3のゲート)に帰還されるように構成されている。
同様に、増幅回路301の他方の出力OUT_Pはスイッチ回路304bとLPF30
2bが介挿された帰還回路303bを通して他方の入力IN_N側(自己のゲートが入力
端IN_NとされたトランジスタM12に並列接続されたトランジスタM34のゲート)
に帰還されるように構成されている。
【0036】
上述のスイッチ回路304aはNMOSトランジスタM1とPMOSトランジスタM2
とのコンプリメンタリ接続によって構成され、また、LPF302aは抵抗Rとその後段
に接続された容量性素子(キャパシタ)Cとによって構成されている。
同様に、上述のスイッチ回路304bはNMOSトランジスタM1とPMOSトランジ
スタM2とのコンプリメンタリ接続によって構成され、また、LPF302bは抵抗Rと
その後段に接続された容量性素子(キャパシタ)Cとによって構成されている。
【0037】
増幅回路301は、図1のシステムコントローラ130からの信号に応答してバイアス
電圧の供給のオンオフを制御することによって増幅機能の稼動状態と非稼動状態とを切換
えるバイアス切換回路としてのトランジスタM30を更に有する。
スイッチ304a(304b)は、システムコントローラ130からの信号(VB)に
応答して、トランジスタM30がオフに切換えられて増幅機能が非稼動状態に転じるタイ
ミングよりも以前のタイミングでオフ(即ち、帰還信号の伝達を断つ状態)に転じ且つト
ランジスタM30がオンに切換えられて増幅機能が稼動状態に転じる時点よりも所定時間
遅延したタイミングでオン(即ち、帰還信号の伝達を行う状態)に転じるように構成され
ている。
【0038】
即ち、トランジスタM30は増幅回路301の作動電源の供給の断続に関するスイッチ
ング素子としても機能し、これの開閉によって増幅回路301の稼動状態と非稼動状態と
が切換え制御されるように構成されている。このため、作動電源の供給の断続に関する他
の別段の開閉手段を要しない簡素な構成が実現されている。
尚、図3の構成例では、スイッチ回路304aおよび304bとして、それぞれNMO
SトランジスタとPMOSトランジスタとのコンプリメンタリ接続回路を適用しているが
、これに替えて、単一のNMOSトランジスタまたはPMOSトランジスタを適用するこ
とも可能である。
図2および図3のベースバンド増幅器(IFアンプ)124a(125a)の動作につい
て更に詳述する。
【0039】
先ず、DCオフセットがあり且つ信号入力がない場合に、システムコントローラ130
(図1)からの信号によってスイッチ回路304aはオン状態を維持しているものとする
。この状態で、2つの入力のうちIN_Pに正のDCオフセットが印加され、IN_Nに
負のDCオフセットが印加されると仮定する。
IN_Pに正のDCオフセットが加わると、トランジスタM11のオーバードライブ電
圧が上昇し、トランジスタM11に流れる電流が増加する。この電流の増加に従って、ト
ランジスタでの電圧降下(所謂PMOS負荷の電圧降下)が大きくなり出力OUT_Nの
電圧値が低下する。
【0040】
この出力電圧は帰還回路303aのスイッチ回路304aとLPF302aを経てトラ
ンジスタM33のゲートに印加される。このとき出力電圧OUT_NはDCオフセットの
影響により低下している。
このため、トランジスタM33のオーバードライブ電圧が低下し、トランジスタM33
に流れる電流は減少する。上述のようにトランジスタM11で増加した電流と、トランジ
スタM33で減少した電流が釣り合う条件でフィードバックは平衡になり、DCオフセッ
トがキャンセルされる。
【0041】
一方、上記とは反対に、入力IN_Nに負のDCオフセットが加わると、トランジスタ
M12のオーバードライブ電圧が低下し、トランジスタM12に流れる電流が減少する。
トランジスタM12に流れる電流が減少するとトランジスタでの電圧降下(所謂PMOS
負荷の電圧降下)が小さくなり出力電圧OUT_Pが上昇する。
出力電圧OUT_Pはスイッチ回路304aとLPF302aが介挿された帰還回路3
03aを通してトランジスタM12に並列接続されたトランジスタM34のゲートに帰還
される。このときの出力OUT_Pの電圧値はDCオフセットにより上昇しているため、
M34のオーバードライブ電圧は上昇し、M34に流れる電流が増加する。M12で減少
した電流と、M34で増加した電流が釣り合う条件でフィードバックは平衡になり、DC
オフセットがキャンセルされる。
【0042】
図4は、図3の回路の動作を表すタイミングチャートである。電源投入時には、帰還ル
ープが収束するためのキャリブレーション時間の後、正規の動作に移行する。
信号VBによってトランジスタM30をオフに転じて増幅回路301を非稼動状態に転
じるよりも僅かに以前のタイミングで帰還回路303a(303b)のスイッチ304a
(304b)を切り、キャパシタCに記憶する形でそのタイミングでの帰還電圧を保持す
る。次いでトランジスタM30をオフし、増幅回路301への電流の供給を断ち、非稼動
状態に移行させる。
【0043】
信号VBによってトランジスタM30をオンに切換えて増幅回路301が稼動状態に転
じたタイミングから所定時間遅延したタイミングで増幅回路301の動作点電圧が安定し
てからスイッチ304a(304b)をオンし、帰還回路303a(303b)による帰
還信号の伝達を再開する。
以上のようにスイッチ304a(304b)の開閉とトランジスタM30のオンオフの
タイミングを図ることによって、スイッチ両端の電位差を少なくし、立ち上がり時間(セ
トリングタイム)をより短くすることができる。
【0044】
図5は、増幅器(増幅回路301)の稼動と非稼動(オンオフ)の遷移のタイミングに
応じてローパスフィルタ302a(302b)の容量性素子(キャパシタ)Cに保持され
る電圧値が変化する様子を表す図である。
図5(A)に示されるように、十分に長い時間に亘ってスイッチ304a(304b)
がオンの状態を維持するとき、換言すれば、図1の送受信装置における送信部110と受
信部120との稼動・非稼動の状態の切換りの頻度が余り高くない状況では、容量性素子
(キャパシタ)Cに保持される電圧値には累積誤差が残りにくく、装置はDCオフセット
がキャンセルされた正規の状態で作動する。
【0045】
これに対し、図5(B)に示されるように、比較的短時間でスイッチ304a(304
b)のオンオフが繰り返されるとき、換言すれば、図1の送受信装置における送信部11
0と受信部120との稼動・非稼動の状態の切換りの頻度が高い状況では、容量性素子(
キャパシタ)Cに保持される電圧値には次第に誤差が累積され、装置はDCオフセットが
十分にキャンセルされ得ず正規の状態で作動することが困難になる。
【0046】
図6は、図5(B)の状況に対処するための制御態様を表すタイミングチャートである
。即ち、図5(B)を参照して既述のように容量性素子(キャパシタ)Cに保持される電
圧値は徐々にではあるがずれていくため、必要に応じて再キャリブレーションを行う。
図6におけるキャリブレーションは、システムコントローラによって、一定期間前記ス
イッチ回路のオン状態を維持してベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行した後
、スイッチ回路をオフにして該オフの状態が維持された非キャリブレーション状態を所定
期間維持しつつバイアス切換回路のオンオフを切換え制御して受信部の稼動状態と非稼動
状態とを切換え、該非キャリブレーション状態の期間が経過したタイミングでキャリブレ
ーションを再開し、当該再開のタイミング以降、上述のような非キャリブレーション状態
の期間を挟んで、キャリブレーションを繰り返し実行するようにして行われる。このため
、ローパスフィルタで維持されている帰還電圧が経時的に漸減しようとしても再度のキャ
リブレーションが行われ、DCオフセットの除去が適切に行われて動作が安定する。
【0047】
図6の例では、キャリブレーション→受信部オン(稼動)→受信部オフ(非稼動)→…
→受信部オン→受信部オフ→キャリブレーション→受信部オン…という順序になっている
が、キャリブレーション前後の動作はオンでもオフでも良い。
以上より理解されるとおり、本実施の形態では、ローパスフィルタを構成するキャパシ
タCが帰還回路において帰還レベルを保持するための容量性素子Cとしても機能するよう
に構成されている。このため、帰還レベルを保持するための他の別段の記憶手段等を要し
ない簡素な構成が実現されている。
【0048】
図7は、図1の送受信装置における受信部120に適用されるベースバンド増幅器とし
てのIFアンプ124a(125a)の他の構成例を表す図である。
図7の例では、縦続接続された複数段(図示の例では2段)の増幅器701a,701
bによって構成され、該複数段の増幅器701a,701bのうちの最終段の増幅器70
1bの出力を初段の増幅器701aの入力に帰還するように帰還回路703が設けられ、
帰還回路703に、ローパスフィルタ702とスイッチ704とが介挿されている。
【0049】
図7の態様では、縦続接続された複数段の増幅器701a,701bによって高い増幅
率が実現され、且つ、帰還回路703および該帰還回路703に介挿されたトランジスタ
回路710のスイッチ704によって、DCオフセットが適切に除去された良好な特性を
得ることができる。
図8は、図1の送受信装置における受信部120に適用されるベースバンド増幅器とし
てのIFアンプ124a(125a)の更に他の構成例を表す図である。
【0050】
図8の例では、ローパスフィルタ802aとスイッチ804aとが介挿されている帰還
回路803aが設けられている増幅器801aと、同様に、ローパスフィルタ802bと
スイッチ804bとが介挿されている帰還回路803bが設けられている増幅器801b
との複数段(図示の例では2段)の増幅器の縦続接続によって構成されている。
図8の態様では、各個に帰還回路803a,803bを持ち縦続接続された複数段の増
幅器801a,801bによって高い増幅率が実現され、且つ、帰還回路803a,80
3bおよび該帰還回路に介挿されたスイッチ804a,804bによって、DCオフセッ
トが適切に除去された良好な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態としての無線通信装置を表す図である。
【図2】図1の無線通信装置におけるベースバンド増幅器の構成を表すブロック図である。
【図3】図2のベースバンド増幅器の回路図である。
【図4】図3の回路の動作を表すタイミングチャートである。
【図5】図3の増幅器の稼動と非稼動の遷移のタイミングに応じて容量性素子に保持される電圧値が変化する様子を表す図である。
【図6】図5(B)の状況に対処するための制御態様を表すタイミングチャートである。
【図7】図1の送受信装置における受信部に適用されるベースバンド増幅器の他の構成例を表す図である。
【図8】図1の送受信装置における受信部に適用されるベースバンド増幅器の更に他の構成例を表す図である。
【図9】従来のダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置を表すブロック図である。
【図10】図9の無線通信装置におけるベースバンド増幅器の構成を表すブロック図である。
【図11】図10のベースバンド増幅器の特性を表す図である。
【符号の説明】
【0052】
101…PLL 102…ローカル発信器 103…移相器 110…送信部 111
,112…ミクサ 113…加算回路 114…電力増幅器 120…受信部 121…
ローノイズアンプ 122,123…ミクサ 124,124a…IFアンプ 125,
125a…IFアンプ 126,127…コンパレータ 130…システムコントローラ
140…送受信切換え回路 151…アンテナ 201…増幅回路 202…ローパス
フィルタ 203…帰還回路 204…スイッチ回路 301…増幅回路 302a,3
02b…ローパスフィルタ 303a,303b…帰還回路 304a,304b…スイ
ッチ 310a,310b…MOSトランジスタ回路 701a,701b…増幅器 7
02…ローパスフィルタ 703…帰還回路 704…スイッチ 710…トランジスタ
回路 801a,801b…増幅器 802a,802b…ローパスフィルタ 803a
,803b…帰還回路 804a,804b…スイッチ 810a,810b…トランジ
スタ回路 1001…増幅回路 1002…ローパスフィルタ 1003…帰還回路 C
…容量性素子(キャパシタ) M1…NMOSトランジスタ M2…PMOSトランジス
タ M11…トランジスタ M12…トランジスタ M30…トランジスタ M31…ト
ランジスタ M32…トランジスタ R31…抵抗 R32…抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信部および受信部を含んで構成されるダイレクトコンバージョン方式の無線通信装置
であって、
前記送信部および前記受信部の何れか一方が稼動状態にある期間には何れか他方を非稼
動状態におくように切換え制御する制御信号を出力するシステムコントローラを備え、
前記受信部は、
受信信号と局部発信信号とを混合してベースバンド信号を得るミキサと、
前記ミキサの後段に配置され前記ベースバンド信号を増幅するベースバンド増幅器と、
を備え、
前記ベースバンド増幅器は、
DCオフセットを除去するローパスフィルタを有する帰還回路
を備え、
前記帰還回路は、
前記システムコントローラから出力された前記制御信号に応じて前記受信部が非稼動状
態にある期間のうちの所定期間は当該帰還回路の帰還信号の伝達を断つスイッチ回路
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記ベースバンド増幅器は、バイアス電圧の供給を制御することによって増幅機能の稼
動状態と非稼動状態とを切換えるバイアス切換回路を更に有し、
前記スイッチ回路は、前記バイアス切換回路が前記増幅機能を非稼動状態に切換えるタ
イミングよりも以前のタイミングで前記帰還回路の帰還信号の伝達を絶ち、且つ、前記バ
イアス切換回路が前記増幅機能を稼動状態に切換えるタイミングよりも所定期間後のタイ
ミングで前記帰還回路の帰還信号の伝達を開始するように構成されていることを特徴とす
る請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記スイッチ回路は、PMOSトランジスタとNMOSとトランジスタとのコンプリメ
ンタリ接続で構成されていることを特徴とする請求項1〜2の何れか一項に記載の無線通
信装置。
【請求項4】
前記システムコントローラは、前記バイアス切換回路が前記増幅機能を稼動状態に切換
えた後の所定期間は前記スイッチ回路が前記帰還回路の帰還信号を断つ状態を保持して、
前記ベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行するように制御することを特徴
とする請求項2〜3の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、一定期間前記スイッチ回路を帰還信号の伝達を行う状態
に維持して前記ベースバンド増幅器のキャリブレーションを実行した後、前記スイッチ回
路を帰還信号の伝達を断つ状態にして非キャリブレーション状態を所定期間維持しつつ前
記バイアス切換回路を切換え制御して前記受信部の稼動状態と非稼動状態とを切換え、該
非キャリブレーション状態の期間が経過したタイミングで前記キャリブレーションを再開
し、当該再開のタイミング以降、前記非キャリブレーション状態の期間を挟んで、前記キ
ャリブレーションを繰り返し実行するように構成されていることを特徴とする請求項2〜
4の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記ベースバンド増幅器は、縦続接続された複数段の増幅器を有して構成され、
前記帰還回路は、
前記複数段の増幅器のうちの最終段の増幅器の出力を初段の増幅器の入力に帰還するよ
うに設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記ベースバンド増幅器は、縦続接続された複数段の増幅器を有して構成され、
前記帰還回路は、前記複数段の増幅器のうちの各個の増幅器の出力を、当該各個の増幅
器の入力に帰還するように設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に
記載の無線通信装置。
【請求項8】
増幅回路部と帰還回路部とを有する増幅器であって、前記増幅回路部は作動電源が供給
されて稼動する稼動状態と該作動電源の供給が断たれた非稼動状態とが切換え制御される
ように構成され、前記帰還回路部は帰還経路中に前記増幅回路部の出力を保持する容量性
素子と該容量性素子の前段に設けられたスイッチとを含み、前記スイッチは前記切換え制
御に関連したタイミングで開閉制御されるように構成されていることを特徴とする増幅器

【請求項9】
前記増幅回路部は、送信部および受信部を含んで構成されるダイレクトコンバージョン
方式の無線通信装置の受信部に適合するように構成され、当該受信部における稼動状態お
よび非稼動状態の切換りに応じて前記切換え制御が行われるように構成されていることを
特徴とする請求項8に記載の増幅器。
【請求項10】
前記増幅回路部は、自己のバイアス回路に設けられたスイッチング素子の開閉によって
前記稼動状態と非稼動状態とが切換え制御されるように構成されていることを特徴とする
請求項8〜9の何れか一項に記載の増幅器。
【請求項11】
前記帰還回路部の容量性素子は、ローパスフィルタを構成するキャパシタであることを
特徴とする請求項8〜10の何れか一項に記載の増幅器。
【請求項12】
帰還回路を有する増幅器を断続的に稼動させるに際し、当該増幅器の出力を前記帰還回
路に接続された容量性素子に保持した状態で、且つ、当該増幅器を稼動状態から非稼動状
態に転じさせるよりも以前のタイミングで前記帰還回路による帰還を断ち、当該増幅器を
非稼動状態から稼動状態に転じさせて以降のタイミングで前記帰還回路による帰還を開始
させることを特徴とする無線通信装置用増幅器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−92021(P2008−92021A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267578(P2006−267578)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】