説明

熱伝導性の複合物品

【課題】集積回路の構成部品から発生する熱を効果的に放散させる境界材として使用するのに適する、圧縮性と熱伝導性に優れた材料を提供する。
【解決手段】熱伝導性粒子、及び非電気伝導性でエネルギーにより膨張可能な中空ポリマー粒子を含み、ポリテトラフルオロエチレンのマトリックスを有することを特徴とする熱伝導性の複合物品。好ましくは、熱伝導性粒子は、金属、金属酸化物、金属粉末、金属ビーズ、金属繊維、金属コーティングされた繊維、金属フレーク、金属コーティングされた金属などから選択され、シリコーンエラストマー材料をさらに含み、シリコーンエラストマー材料は不連続な状態で複合物品の中に配置される。また、好ましくは、この複合物品は、1.5g/cc未満の密度を有し、35未満のショアーA硬度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、改良された熱伝導性ポリテトラフルオロエチレン物品に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC)チップは、着実に、より小型化しより強力化している。以前の集積回路チップに比較した場合、この動向は、顕著により密集し且つ所与の時間の中ではるかにより多くの機能を発揮する集積回路チップを生産する。このことは、これらの集積回路チップに使用される電流の増加をもたらす。その結果、より小型でより強力な集積回路チップは、比較的大型で強力でないICチップよりも、顕著により多くの熱を発生する傾向にある。したがって、電子製品での熱の管理は、ICチップの設計における主な問題になっている。
【0003】
電子回路の信頼性は、種々の電子部品の膨張係数の適切な一致に依存する。温度が高くなると、膨張係数の不一致が、電子部品の間に応力を発生させる。これらの条件下において、運転温度の何らかの上昇は、信頼性にマイナスの作用を及ぼすであろう。熱をより的確に管理しようとする検討において、種々のヒートシンクの使用が、今や電子装置の設計における中心的関心事である。今日使用されている一般的なヒートシンクの例には、IBM熱伝導性モジュール(ITCM)、三菱高熱伝導性モジュール(HTCM)、日立SiCヒートシンク、富士通FACOM VP2000冷却メカニズム、あるいは、例えば銅やアルミニウムの金属プレートが挙げられる。
【0004】
ICチップをヒートシンクに首尾よく適合させるため、装着を容易にし且つ電子部品の間の膨張と収縮の影響を最少限にするために、伸縮性その他の適合性のある境界材が好ましい。ヒートシンクにチップを不適切に装着すること、及び/又は使用の際の膨張や収縮のサイクルによって生じる空隙は、ICチップからの熱の流れを著しく妨げることがあり得る。ヒートシンクとチップ傾斜(フリップチップの場合)の公差が大きくなった場合、適合性は特に重要になる。
【0005】
一般に、電子部品の間の公差に対処するため、耐熱グリースや熱伝導性の熱硬化性材料が使用される。例えば、特許文献1を参照されたい。これらの材料は、一部の用途においてはいろいろな成功度で役立つことがあるが、それらの有用性を減じさせる欠点を数多く有する。例えば、これらの材料は、電子デバイスの部品の汚染をコントロールすることが難しい傾向にあり、また、電子デバイスの部品を汚染させがちである。ハンダ接合の不都合な汚染を防ぐため、また、電気伝導性熱硬化性樹脂の場合には隣接導体の不都合な汚染を防ぐため、これらの材料を使用するときは注意が払われなければならない。実際問題として、このことは、一般に、かなりの量の廃棄される材料をもたらす。また、このような材料の洗浄は、溶媒の使用を必要とすることが多い。
【0006】
特許文献2において、溶融性金属コアを囲む薄いフィルムを含むガスケット式材料が開示されている。使用において、このガスケットは境界材として装着され、その温度が高められ、その結果金属コアを溶接し、構成部品にそれが適合することを可能にする。不都合なことに、この構造は、デバイスの通常の熱サイクルの間に生成することがある空隙を回避するのに有効ではないと考えられる。さらに、一般の固体ガスケット材料に共通の問題のように、このデバイスは限られた圧縮性を呈し、合わせ面に過度の圧力を与えること又はガスケットの許容できない厚い部分の使用を必要とすると考えられる。
【0007】
特許文献3において、冷却されるべき部品の周りに金属又は金属酸化物を充填されたシリコーンを硬化させることにより、適合性が追求されている。この方法は上首尾かもしれないが、実際の広範囲な用途にとっては、過度に複雑であり、コストが高く、時間がかかると考えられる。
【0008】
上記に説明した他に、殆どの熱硬化性樹脂、グリース、及びフィラーを使用したガスケットには、満足できる散熱に付加的な制約がある。殆どの樹脂又はグリースは、樹脂の中の熱伝導体の個々の粒子をそれぞれコーティングし、本質的に伝導体を絶縁する傾向にある。このことは、少なくとも2つの仕方で製品の全体的な実際の熱伝導率を著しく低下させる。第1に、薄くコーティングされた表面(例えば、シリコーン又はエポキシの層を用いて)であっても、断熱材として作用し、製品の実際の熱伝導率をとりわけ接触面で低下させることがあり得る。第2に、このような断熱を克服する目的で、熱伝導性粒子を互いに強制的に直接接触させ、その材料を通る必要な程度の伝導性を形成するため、その境界材にかなりの圧力を加える必要があることが多い。このことは、多くの場合、集積回路が実用的な熱伝導性のある境界を提供するために、受入れられない圧縮力を必要とする。
【0009】
その結果、殆どの市販の製品は、約1.8W/M・K(グリースの場合)から2.2W/M・K(エポキシの場合)の範囲の熱伝導率を提供できるに過ぎない。銀フィラー入りエポキシのような最も進んだ(そして高価な)材料であっても、3〜4W/M・Kの範囲の熱伝導率を達成できるに過ぎない。容易に取り扱われる材料の例えば粘着性材料について(マサチューセッツ州のWoburnにあるチョメリックス社より商標CHO−THERM熱境界材料として、ミネソタ州のミネアポリスにあるBergquist社より商標SIL−PAD熱管理材料として入手可能)、これらは一般に、それぞれ約0.37〜0.95W/M・Kと0.6〜1.5W/M・Kの熱伝導率を達成できるに過ぎない。これらの商用の材料は、高い取付け圧力では比較的良好な熱伝導率を提供するが、非常に低い取付け圧力(例えば、2〜3ポンド/平方インチ未満の圧力)では極めて乏しい熱伝導率を与える。
【0010】
この他の種々の材料が電気回路ボード用に開発されており、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む材料が挙げられ、これは、多くの場合、特許文献4に教示のような多孔質PTFEである。特許文献5は、無機フィラーで高度に充填され、厚さ0.1〜5.0ミルで実質的にピンホールのないPTFE材料の使用を教示している。この材料は、プリント回路ボードなどの電気又は熱伝導性層として使用するのに特に適切である。しかしながら、この材料の製造プロセスは、膜の緻密化を必要とし、その適合性を顕著に低下させる。特許文献6は、プリント配線ボード(PWB)の薄い電気容量層に有用な同様な技術を教示している。特許文献7は、その高誘電率に有用なセラミックフィラーとPTFEの押出された複合テープを教示している。このような複合体は広範囲な採用を獲得しておらず、というのは、それらの使用に伴う加工技術が難しいためである。このことは非常に不便で実施が不可能な場合が多く、結合されようとする材料が必要な温度と圧力に耐えられない多くの接着用途においては特にそうである。
【0011】
特許文献8は、50mm以下の厚さを有する薄い電気絶縁材として使用するため、多孔質延伸膨張PTFE構造体の中に吸収されたシリコーンゴムを含浸することを教示している。シリコーンゴムの溶液が、延伸膨張PTFEの多孔質構造の中に吸収され、その生産品を透明にする(フィラーなし)。次いで最終的な生産品が硬化される。この構造体を強化する試みの中で、特許文献9は、先ずセラミックをPTFE分散系の中に混和し、このようにして結節とフィブリルの構造体の結節でフィラーを収集し、次いで上記のようにしてそのフィブリル化された構造体の中にシリコーン樹脂を吸収させることによって作成されるシリコーンゴム物品を教示している。これらの双方に場合において、最終的な生産品はゴム状の硬化シートである。
【0012】
同様な仕方で、特許文献10は、プリント配線ボードの基板として有用な、延伸膨張PTFEに熱硬化性樹脂を吸収させる物品とプロセスを記載している。不都合なことに、このアプローチでの従来の試みは、大部分は不成功であり、というのは、セラミックフィラーを添加する際のセラミックの高い充填度が、結節とフィブリルの構造体を弱化させ易いためである。
【0013】
多くの市販のフィラー入り熱硬化性樹脂に経験されたその他の問題に、不十分な適合性(即ち、より高い熱伝導率を得るには過度の圧縮力が必要)、硬化後の高い曲げ弾性率(熱サイクルの間にデバイスにかなりの応力を及ぼす)、柔軟性の不足(硬化後に長手方向に樹脂が曲げられた場合に応力破壊をもたらす)、長い硬化時間、及び大きな体積で製造することの困難性が挙げられる。
【0014】
【特許文献1】米国特許第5028984号明細書
【特許文献2】米国特許第5187283号明細書
【特許文献3】米国特許第5060114号明細書
【特許文献4】米国特許第3543566号明細書
【特許文献5】米国特許第4985296号明細書
【特許文献6】米国特許第4996097号明細書
【特許文献7】米国特許第4518737号明細書
【特許文献8】特開昭61−40328号公報
【特許文献9】特開昭62−100539号公報
【特許文献10】英国特許第2195269号明細書(欧州特許第0248617号明細書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上記は、現在の熱伝導性物品に存在することが知られる制約を説明する。このように、上記の制約の1つ以上を解決することに結びつく改良された熱伝導性物品を提供することが有益なことは明らかであろう。このような改良された熱伝導性物品が、例えば50ポンド/平方インチ(psi)未満のような低い荷重下で、100ミルにも及んで圧縮可能であれば望ましいであろう。したがって、下記により十分に開示される特徴を備えた適切な代替策が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、所定の前駆体材料から得られる熱伝導性の複合物品に関する。本熱伝導性の複合物品は、ポリテトラフルオロエチレンのマトリックスを有し、熱伝導性の粒子とエネルギーにより膨張可能な中空のポリマー粒子を含んでなる。本発明の1つの態様において、熱伝導性粒子の体積%は、前駆体材料の少なくとも20体積%である。
【0017】
エネルギーにより膨張された中空ポリマー粒子の体積%は前駆体材料の約1〜約15体積%の範囲でよい。好ましい熱伝導性粒子には、限定されるものではないが、次のもの、即ち、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)のような金属、金属ビーズ、金属粉末、金属繊維、金属コーティングされた繊維、金属フレーク、金属コーティングされた金属、金属コーティングされたセラミック、金属コーティングされたガラス気泡体、金属コーティングされたガラスビーズ、金属コーティングされたマイカフレーク、又はその他の熱伝導性粒子が挙げられ、また、これらは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、ダイヤモンド粉末、又は炭化ケイ素(SiC)のように非電気伝導性であってもよい。
【0018】
本熱伝導性の複合物品は、不連続な状態で複合物品の中に配置されたエラストマー材料を含むことができる。適切なエラストマー材料には、限定されるものではないが、シリコーン、ポリウレタン、エチレン/プロピレンのコポリマー、フルオロシリコーン、フルオロカーボンエラストマー、ペルフルオロエラストマー、又はその他のフルオロエラストマー材料が挙げられる。
【0019】
このように、本発明の目的は、種々の用途に使用される改良された熱伝導性のポリテトラフルオロエチレン物品を提供することである。
【0020】
また、本発明の目的は、熱伝導性のガスケット又は境界材(interface) として使用される改良された熱伝導性材料を提供することである。
【0021】
本発明のもう1つの目的は、物品の構造体の全体にわたって可撓性で、適合性で、且つ熱伝導性の材料を必要とする種々の用途に使用されるソフトで且つ易圧縮性の、改良された熱伝導性ポリテトラフルオロエチレン材料(例えば、約35未満のショアーA硬度を有し、且つ100psiで少なくとも30%に圧縮可能な熱伝導性ポリテトラフルオロエチレン材料)を提供することである。
【0022】
上記の要旨、及び下記の本発明の好ましい態様の詳細な説明は、添付の図面と併せて読み進めることによってより的確に理解されるであろう。発明の説明のため、図面に現状で好ましい態様が示されている。ここで、本発明は示されたそのままの配置や装備に限定されるものではないことを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に、本発明の1つの態様の教示にしたがった熱伝導性境界材10が示されている。熱伝導性境界材10が、電子回路ボード16の上で2つの代表的な構成部品のヒートシンク12と集積回路14の間に装着されている。数多くの現状で入手可能な熱伝導性境界材とは異なり、本発明によって得られる境界材は、構成部品の間に比類ない適合性を提供する。その結果、最少限の圧縮圧力によって、境界材10は、境界材10と構成部品の各々の隣接表面18、20の間に緊密な接続を形成し、熱伝導を妨げる空隙は殆ど又は全く存在しない。
【0024】
用語「緊密な(tight) 」は、本発明の境界材を用いて構成部品の間に得られる接続を説明するために用いられ、境界材が構成部品の表面の不規則性を満たすように適合し、それらの間の全ての空隙を顕著に減少又は解消する構成部品の間の接続を全て含む意味である。本発明の教示にしたがって得られた境界材は、割合に低い取付け圧力で緊密な接続を形成するのに特に有効である。用語「低い取付け圧力」とは、本願明細書においては、敏感な電子製品(例えば、シリカICチップ)が耐えることができる制限された圧力を全て含むものとし、約30ポンド/平方インチ(147kg/m)未満の圧力を含む。
【0025】
本発明の境界材10は、特定のニーズを満足するように各種の形状とサイズに作成されることができる。図2に、本発明の教示にしたがって作成された熱伝導性境界材22のもう1つの態様が示されている。この例において、境界材22は、ヒートシンク24と電子部品26の間の追従性のある接続を提供するように変形されている。
【0026】
本発明において、PTFEと熱伝導性粒子に配合されたエネルギーにより膨張可能な粒子を含む熱伝導性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)物品が提供される。本発明のPTFE物品は、熱伝導性であって且つ容易に圧縮される。このような材料は、いろいろな有用な用途に効果的に使用されることができ、限定されるものではないが、適当なデバイス(複数でもよい)の冷却を助長するための、電子デバイス、種々のデバイス、又はヒートシンクの間の熱境界材としての使用が挙げられる。
【0027】
本発明に有用な膨張可能な粒子は熱を与えると膨張を呈する。この膨張可能な粒子は均質ではなく、即ち、ポリマーのビーズではなく、流体物質を含む中央コアを有するポリマー殻を含んでなる。もう1つの特徴は、特有の温度に加熱すると膨張可能な粒子の全体的な寸法が増加することである。
【0028】
本発明の前駆体複合材料に有用な膨張可能な中空ポリマー粒子は、ポリマー殻と、少なくとも1種の別な物質のコアを有する材料を含んでなり、この少なくとも1種の別な物質は液体又は気体のいずれでもよく、最も好ましくは室温で液体であり、ポリマー殻はその中に本質的に不溶である。液体のコアは、膨張度が膨張温度でのコア物質の体積変化に直接関係するため、有利である。気体のコア物質について、予測される体積膨張は、一般的な気体法則から概算することができる。ここで、液体コア物質を含む膨張可能な粒子は、とりわけ相変化が生じる場合には(即ち、液体が膨張温度で又はその付近で蒸発する)、はるかにより大きい体積変化を与える機会を提供する。
【0029】
前駆体複合体に有用な好ましい膨張可能なポリマー粒子(マイクロスフェアー、マイクロバルーン、マイクロバブルとも称される)は、塩化ビニルや塩化ビニリデンのようなコポリマー、塩化ビニルとアクリロニトリルのコポリマー、塩化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、メタクリロニトリルとアクリロニトリルのコポリマー、及びスチレンとアクリロニトリルのコポリマーを含む殻を有することができる。さらに、約2重量%までのスチレンを含むメチルメタクリレートのコポリマー、メチルメタクリレートと約50重量%までのエチルメタクリレートを含むコポリマー、メチルメタクリレートと約70重量%までのオルトクロロスチレンを含むコポリマーを挙げることができる。膨張前のマイクロスフェアーは流体、好ましくは揮発性流体、即ち、発泡剤を含み、このことは、ここで記載したタイプのマイクロスフェアーにとって一般的である。適切には、発泡剤は、マイクロスフェアーの5〜30重量%である。マイクロスフェアーは、ドライ粒子、ウェットケーキ、又は例えばイソプロパノールのようなアルコール中のサスペンションとして、いろいろな仕方で添加されることができる。
【0030】
膨張前の粒子は、望ましくは、約0.1μm〜約600μmの範囲のサイズであり、好ましくは0.5μm〜200μm、最も好ましくは1μm〜100μmである。膨張後の粒子は、約0.12μm〜1000μm、好ましくは1μm〜600μmの範囲のサイズを有することができる。膨張の後、膨張可能な粒子の体積は、少なくとも1.5倍(factor)に、好ましくは少なくとも5倍に、最も好ましくは少なくとも10倍に増加し、約100倍のように高いこともできる。
【0031】
適切なマイクロスフェアーは、スウェーデンのSundsvallにあるノーベルインダストリィズ社より商標EXPANCEL(登録商標)として市販されている。これらのマイクロスフェアーは、種々のサイズと形態で入手可能であり、膨張温度は一般に80〜130℃の範囲である。一般的なEXPANCELマイクロスフェアーは、9〜17μmの初期平均直径と、40〜60μmの平均膨張後直径を有する。ノーベルインダストリィズ社によると、マイクロスフェアーは、1250〜1300kg/mの膨張前真密度と20kg/m未満の膨張後密度を有する。
【0032】
本願における用語「エネルギーにより膨張可能な粒子」とは、膨張に適する揮発性流体を装填された任意の中空の弾力性のある収容体を全て含むものと理解すべきである。現状で入手可能なマイクロスフェアーは、エネルギー源に曝されたときに膨張するのに適する本質的にボール形状の粒子であるが、このようなマイクロスフェアーは、膨張後の形態において極めて弾力性があり、本発明に必要な膨張を達成するために圧縮・開放され得る(例えば、押出による)ことを理解すべきである。また、このような生産品は、チューブ、楕円体、立方体、粒子などの各種のその他の形状に作成することもできる。そのようなものとして、本発明の技術的思想における用語「エネルギーにより膨張可能な粒子」は、現在公知の又は将来開発されるこれらの生産品の全ての適用可能な形態と使用を含むものである。
【0033】
膨張可能なマイクロスフェアーのポリマー殻の中に、広く様々な発泡剤又は起毛助剤(raising agent) が包まれることができる。それらは、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、アセチレン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、又はこのような脂肪族炭化水素の1種以上の混合物のような揮発性流体発生剤であることができ、好ましくは、少なくとも26の数平均分子量を有し、また、使用される特定の発泡剤で飽和された場合、大気圧においてポリマー殻の樹脂材料の軟化点とほぼ同じ温度範囲又はそれより低い範囲の沸点を有する。
【0034】
本発明の1つの現状で好ましい態様において、EXPANCELタイプ091DUマイクロスフェアーが使用される。この製品は、10〜40μmの範囲の粒子サイズを有する灰色がかった白色の乾燥粉末を含んでなる。これらのマイクロスフェアーの殻はアクリロニトリルを含んでなる。揮発性流体はイソペンタンを含んでなる。
【0035】
EXPANCELマイクロスフェアーの乾燥調整物にPTFE又は同様なポリマーの分散系を混合し、次いで得られた組成物を加熱することによって、そのポリマーは三次元の延伸膨張を受け、フィブリル化されたPTFEマトリックスが得られることが見出されている。
【0036】
本発明によると、熱伝導性粒子、ペースト又は分散系又は粉末の形態のPTFE、及び乾燥粉末又は溶液の形態のマイクロスフェアーを含む前駆体材料が、少なくとも20体積%から90体積%の熱伝導性粒子、1〜15体積%のEXPANCELマイクロスフェアー、及び5〜70体積%のPTFEの比率で混合され、少なくとも部分的に電気伝導性フレークを含む態様においては、70体積%の熱伝導性粒子、3体積%のEXPANCELマイクロスフェアー、及び27体積%のPTFEが好ましい。混合は任意の適切な手段で行うことができ、粉末の乾式混合、湿式混合、水分散系とスラリーフィラーの共凝固、高剪断混合などが挙げられる。本願における用語「体積%」は、前駆体材料の体積百分率を意味するものとする。
【0037】
得られたPTFE前駆体材料の中に取り込まれた熱伝導性粒子は、その主な成分である。好ましい熱伝導性粒子には、限定されるものではないが、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)のような金属、金属ビーズ、金属粉末、金属繊維、金属コーティングされた繊維、金属フレーク、金属コーティングされた金属、金属コーティングされたセラミック、金属コーティングされたガラス気泡体、金属コーティングされたガラスビーズ、金属コーティングされたマイカフレーク、又はその他の熱伝導性粒子が挙げられ、これらは酸化亜鉛、酸化アルミニウム、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、ダイヤモンド粉末、又は炭化ケイ素(SiC)のように非電気伝導性であってもよい。また、2種以上の粒子の組み合わせが使用されることもできる。伝導性フレークの平均サイズは約1μm〜約700μmでよく、好ましくは約50μm〜約500μmであり、最も好ましくは約100μm〜約300μmである。伝導性粉末の平均サイズは、約0.5μm〜約400μmでよく、好ましくは約0.5μm〜約100μmであり、最も好ましくは約2μm〜約60μmである。
【0038】
本発明のPTFE前駆体の製造に使用されるPTFE水分散系は、PTFE粒子のミルク状の白色水分散系であることができる。一般に、PTFE水分散系は、重量で約20%〜約70の固形分を含み、その固形分の大部分は、0.05μm〜約5.0μmの範囲の粒子サイズを有するPTFE粒子である。このようなPTFE水分散系は、現在E.I.duPont de Nemours &Company社より、例えば商標TEFLON、テフロン(登録商標)、3636として市販されており、これは固形分が18〜24重量%で、その殆どの部分は約0.05μm〜約5.0μmのPTFE粒子である。
【0039】
上記の前駆体材料の厚さは、例えば約3ミルから約150ミルの範囲であることができる。
【0040】
この前駆体材料を加熱すると、エネルギーにより膨張可能な粒子の膨張によって厚さが増加する。観察される膨張の量は、存在するエネルギーにより膨張可能な粒子の重量%、エネルギーにより膨張可能な粒子のタイプ、エネルギーにより膨張可能な粒子のポリマー殻の分子量、及び前駆体材料を一緒に支持するPTFEマトリックスの靱性などのいくつかの因子によって決まる。このプロセスの長所は、膨張プロセスの後に250ミルを上回る厚さを提供できることである。
【0041】
熱膨張工程が生じるのに必要な温度は、マイクロスフェアーの殻を構成するポリマーのタイプと、使用される特定の発泡剤によって決まる。一般的な温度範囲は約40℃〜約220℃であり、好ましくは60℃〜200℃であり、最も好ましくは80℃〜190℃である。
【0042】
上記に説明した複合物品に加え、本発明の別な態様は、シリコーンエラストマー材料(例えば、ジメチルシロキサン)のようなエラストマー材料を前駆体材料に添加することによって作成されることができる。本発明の1つの態様において、このことは、フィラー入り微粉末の凝固物にジメチルシロキサンを配合することによって達成される。適切なジメチルシロキサンは、ダウコーニング社から入手可能なSylgard(登録商標)タイプ1−4105又はQ1−4010である。(また、やはりダウコーニング社から入手可能なQ3−661のような二酸化ケイ素で強化されたシリコーン材料を使用することが適切なこともある。)シロキサンは、重量基準で添加され、例えばミネラルスピリットのような溶媒で希釈されてもよい。一般に、シロキサンは、1〜約50%の範囲の量で添加されることができ、好ましくは5〜約20%であり、最も好ましくは10〜約15%である。その他の適切なエラストマー材料には、限定されるものではないが、シリコーン、ポリウレタン、エチレン/プロピレンのコポリマー、フルオロシリコーン、フルオロカーボンエラストマー、ペルフルオロエラストマー、又は他のフルオロエラストマー材料が挙げられる。
【0043】
次いで、この前駆体材料は約130℃〜約190℃の範囲に加熱され、前駆体材料の膨張を行うだけでなくシロキサンの架橋もまた行い、硬化状態の固体シリコーンエラストマーを得る。得られた物品は、不連続な状態で複合物品の中に配置されたシリコーンエラストマーを含む、易圧縮性で熱伝導性のPTFE複合材料である。
【0044】
エラストマー材料の添加は、高められたZ方向強度、引張強度、伸びを有する複合材料を生成する。また、ある程度のゴム弾性を提供し、その材料の使用可能な温度範囲を高める。これらの望ましい特性は、複合物品のソフト性/圧縮性を犠牲にすることなく達成される。
【0045】
以下の方法が、下記の例で作成された材料の特性を測定するために使用された。
【0046】
〔圧縮%〕
膨張後のサンプルを、ASTMのF36−88にしたがって100psiにて圧縮%を測定した。
【0047】
〔密度〕
前駆体材料の密度は、1インチ×6インチの型板を用いてサンプルを正確に1インチ×6インチに切断することにより得られた。次いでそのサンプルを0.01グラムの最小単位で秤量し、次のようにして密度を計算した。
【0048】
D(g/cc)=M/V
ここで、M=最小単位0.01グラムでのサンプルの質量
V=体積(長さ×幅×厚さ)
である。
【0049】
さらに、膨張後の複合材料もまた上記の仕方で測定した。用語「膨張%」は、次の計算によるサンプルの密度変化%を示す。
膨張%=(初期密度−最終密度)×100/初期密度
【0050】
〔熱伝導率の測定方法〕
サンプルを2.25インチ平方に切断する。試験装置は2つの銅ブロックからなる。上のブロックは加熱され断熱される。下のブロックは循環水によって冷却される。試験装置は、試験装置に加えられるべき一定圧力を許容するフレームの中に据わる。試験装置は、ASTM5470−93の「薄い熱伝導性固体電気絶縁材料の熱伝導性の標準試験法」に記載の装置と同様に設計された。
【0051】
高温ブロックを所与のパワー量で加熱する。高温ブロックの温度降下を、4つの熱電対を用いて2箇所でモニターする。高温表面での温度は、表面から0.031インチ離して装着された熱電対によって近似する。試験片表面の温度は4つの熱電対の読み取り値の平均である。低温ブロックは、設計と熱電対の位置が同じである。
【0052】
試験片を取り付ける前に厚さを測定する。その試験片を下の低温ブロックの上に載置する。その試験片を覆って上の高温ブロックを配置する。所定の圧力が加えられる。試験は、供給されたパワーの関数として試験片を貫く温度降下を測定することからなる。熱抵抗は、サンプルを貫く温度差を供給パワーで割算することによって計算される。単位は℃/Wである。熱伝導率はフーリェの伝導式を用いて計算される。
【0053】
k=(Q×t)/(A×ΔT)
ここで、k=熱伝導率 W/m・℃
Q=パワー W
t=サンプルの厚さ m
A=サンプルの面積 m
ΔT=サンプルを貫く温度降下 ℃
である。
【0054】
温度の読み取り値は、平衡に達するまで1.5時間毎に採取する。
【0055】
本発明の熱伝導性境界材は、とりわけ、パワーFET(電界効果トランジスタ)、コンピューター論理回路、その他の高電子密度の回路のような電子デバイスの構成部品からの熱エネルギーの放散のために設計される。ここで、本発明の応用は、限定されるものではないが、電力用変圧器、トランジスターパッケージ(例えば、呼称TO−3、TO−5、TO−18、TO−36、TO−66、TO−220など)、及びダイオードパッケージ(例えば、呼称DO−4、DO−5など)のようなその他の用途の広範囲な選択を含むことができると理解すべきである。
【0056】
さらに、本発明から逸脱することなく、本発明の熱伝導性は、ヒートシンク、コールドプレートなどのある種の構成部品に熱を移動させるのに使用され得ることも理解すべきである。
【0057】
本発明の範囲を限定するものではないが、下記の例は、本発明が実施され使用され得る仕方を例証する。
【実施例】
【0058】
例1
145.6gの窒化ホウ素(アドバンストセラミックス社から入手したタイプHCJ−48)と5.2gのEXPANCELタイプ091DUマイクロスフェアーを、1643gの脱イオン水の中でスラリーにした。次いでこのスラリーを206.7gのPTFE分散系(E.I.duPont de Nemours & Company社から入手したタイプTE3636)と共に凝固させた。次いでこの凝塊を90℃で16時間乾燥させ、−10℃で24時間冷凍し、次いで1/4インチのメッシュの金属スクリーンを通して手で篩にかけた。得られた粉末を1ポンドの凝塊あたり0.35ポンドの潤滑剤のレベルで潤滑した。潤滑剤は、75重量%のシリコーンエラストマー(ダウコーニング社から入手のSylgard(登録商標)タイプ1−4105)と25重量%のミネラルスピリットを含む混合物からなった。得られた材料を室温(約72°F)で24時間放置し、次いで直径1インチのペレットに予備成形し、厚さ約44ミル×幅2インチのテープに押出した。次いでこのテープを7ミルの厚さまで圧延した。次いでこの押出物のサンプルを100℃で5分間硬化させた。図3の横断面の顕微鏡写真を参照されたい。この工程は、シリコーンを硬化させてミネラルスピリットを除去するのに必要である。ここで、100℃はEXPANCELを活性化させるのに十分高くはない。このことは、押出物(又は膨張前)の特性を測定可能な材料を残存させる。次いで下記のデータが得られた。
【0059】
厚さ=7ミル
密度=1.38g/cc
100psiでの圧縮%=0
ショアーA硬度=60
10psiでの熱伝導率=0.83W/m・℃
100psiでの熱伝導率=1.53W/m・℃
【0060】
図3を参照して最も的確に理解されるように、硬化した押出物は、Aの窒化ホウ素フレーク、Bのマイクロスフェアー、及びCのPTFEとシリコーンエラストマーを含む。(注:この特定のSEM(走査形電子顕微鏡写真)においては、PTFEとシリコーンエラストマーを識別することが難しい。)
【0061】
次いで押出材料の別の片を150℃で5分間加熱した。(図4参照。)この様式の加熱は、複合体に膨張を生じさせ(EXPANCELの活性化による)、同時にシリコーンエラストマーが硬化し、ミネラルスピリットが蒸発する。下記のデータがこのサンプルについて得られた。
【0062】
厚さ=17ミル
密度=0.53g/cc ⇒62%の膨張
100psiでの圧縮%=31.3%
ショアーA硬度=18
10psiでの熱伝導率=0.63W/m・℃
100psiでの熱伝導率=2.04W/m・℃
【0063】
図4を参照して最も的確に理解されるように、この複合体は、Aの窒化ホウ素フレーク、Bのマイクロスフェアー、Cの膨張プロセスによって生じたPTFEフィブリル、及びDのシリコーンエラストマーを含む。
【0064】
図4の材料は、図3の材料と比較して非常に新規な特性を有する。第1に、図4の材料は、図3の材料よりも密度が62%低く、ショアーAジュロメーターと圧縮性によって認識されるように、非常にソフトで圧縮性のある材料を生成している。ここで、100psiにおいて、図4の材料の熱伝導率は押出物サンプルを上回る。このことは、このサンプルが単位体積あたりはるかに少ない窒化ホウ素を有するため、極めて驚くべきことである。このことは、従来のパーコレーション理論と全く対照的である。
【0065】
例2
4.98ポンドの窒化アルミニウム(ART社から入手したタイプA500FXWR)と87gのEXPANCELタイプ091DUマイクロスフェアーを、10ガロンの容器内でイソプロピルアルコールと脱イオン水の中でスラリーにした。次いでこのスラリーを、固形分22.5%の6.12ポンドのPTFE分散系(E.I.duPont de Nemours & Company社から入手したタイプTE3636)と共に凝固させた。得られた凝塊を95℃で24時間乾燥させた。次いでこの凝塊を−10℃で24時間冷凍し、1/4インチのメッシュの金属スクリーンを通して手で篩にかけた。次いで得られた粉末を1ポンドの凝塊あたり0.25ポンドの潤滑剤のレベルで潤滑した。使用した潤滑剤は、75重量%のシリコーンエラストマー(ダウコーニング社から入手のSylgard(登録商標)タイプ1−4105)と25重量%のミネラルスピリットの混合物からなった。次いでこの材料を再度−10℃で4時間冷凍し、再度同じ1/4インチのメッシュスクリーンを通して篩にかけた。得られた粉末を室温(約72°F)で24時間放置し、次いで直径2.5インチのペレットに予備成形した。次いでこのペレットを、厚さ約150ミル×幅4インチのテープに押出した。次いでこのテープを103ミルに圧延し、150℃で5分間加熱した。このプロセスは、十分に浸透した硬化シリコーンエラストマーを含む多孔質PTFE複合体を生成した。得られた複合体は下記の特性を有した。
【0066】
厚さ=167ミル
密度=0.91g/cc
100psiでの圧縮%=32.3%
ショアーA硬度=34
100psiでの熱抵抗=0.775℃/W
100psiでの熱伝導率=2.1W/m・℃
【0067】
例3
19.34ポンドの銀フレーク(テクニック社から入手したSILFLAKE450)、3.91ポンドの銀コーティングされたアルミニウム粉末(ノバメットスペシャルティプロダクツ社から入手)、及び0.374ポンドのEXPANCELタイプ091DUマイクロスフェアーを54.7リットルの脱イオン水と17.43リットルのイソプロピルアルコールと共にスラリーにした。次いでこのスラリーを固形分29.7%の17.33ポンドのPTFE分散系(E.I.duPont de Nemours & Company社から入手したタイプTE3636)と共に凝固させた。次いで得られた凝塊を90℃で22時間乾燥させ、−10℃で24時間冷凍し、次いで1/4インチのメッシュのスクリーンを通して手で篩にかけて粉末状にした。次いでこの材料を1ポンドの凝塊あたり0.20ポンドの潤滑剤のレベルで潤滑した。例2と同様にしてテープを作成し、但し、テープを7ミルの厚さに圧延した。このテープのサンプルを130℃に4分間加熱し、膨張と硬化を起こさせた。下記の特性が測定された。
【0068】
厚さ=17ミル
密度=1.02g/cc
ショアーA硬度=21
100psiでの圧縮%=36.1%
100psiでの電気抵抗率=0.008Ω・cm
100psiでの熱伝導率=2.18W/m・℃
【0069】
この例において、熱伝導性でありながら同時にソフトで圧縮性があるといったユニークな複合体が作成された。
【0070】
本発明のいくつかの代表的な態様を上記に詳細に説明したが、当業者には、本願で説明した新規な教示と特長から大きく逸脱することなく多くの変更があり得ることが容易に明らかであろう。したがって、そのような変更はいずれも、特許請求の範囲に限定される本発明の範囲の中に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】電子デバイスの構成部品の間に装着されて示された、本発明の熱伝導性物品の1つの態様の半横向きの等角投影図である。
【図2】電子デバイスの構成部品の間に装着されて示された、本発明の熱伝導性物品のもう1つの態様の横断面図である。
【図3】本発明の教示にしたがった硬化後の押出物(膨張なし)の横断面の、組織の状態を示す図面に代わる440倍で示された走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
【図4】本発明の教示にしたがった膨張後の熱伝導性物品の横断面の、組織の状態を示す図面に代わる430倍で示されたSEMである。
【符号の説明】
【0072】
10 熱伝導性境界材
12 ヒートシンク
14 集積回路
22 境界材
24 ヒートシンク
26 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性粒子、及び非電気伝導性でエネルギーにより膨張可能な中空ポリマー粒子を含み、ポリテトラフルオロエチレンのマトリックスを有することを特徴とする熱伝導性の複合物品。
【請求項2】
熱伝導性粒子が、金属、金属酸化物、金属粉末、金属ビーズ、金属繊維、金属コーティングされた繊維、金属フレーク、金属コーティングされた金属、金属コーティングされたセラミック、金属コーティングされたガラス気泡体、金属コーティングされたガラスビーズ、金属コーティングされたマイカフレーク、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド粉末、及び炭化ケイ素から本質的になる群より選択された請求項1に記載の複合物品。
【請求項3】
シリコーンエラストマー材料をさらに含む請求項1に記載の複合物品。
【請求項4】
シリコーンエラストマー材料が、不連続な状態で複合物品の中に配置された請求項3に記載の複合物品。
【請求項5】
熱伝導性粒子、エネルギーにより膨張可能な中空ポリマー粒子、及び不連続な状態で複合物品の中に配置されたエラストマー材料を含み、ポリテトラフルオロエチレンのマトリックスを有することを特徴とする熱伝導性の複合物品。
【請求項6】
熱伝導性粒子が、金属、金属ビーズ、金属粉末、金属繊維、金属コーティングされた繊維、金属フレーク、金属コーティングされた金属、金属コーティングされたセラミック、金属コーティングされたガラス気泡体、金属コーティングされたガラスビーズ、金属コーティングされたマイカフレーク、及び非電気伝導性で熱伝導性の材料から本質的になる群より選択された請求項5に記載の複合物品。
【請求項7】
1.5g/cc未満の密度を有する請求項5に記載の複合物品。
【請求項8】
35未満のショアーA硬度を有する請求項5に記載の複合物品。
【請求項9】
約20のショアーA硬度を有する請求項5に記載の複合物品。
【請求項10】
エラストマー材料がシリコーンエラストマー材料である請求項5に記載の複合物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−45132(P2008−45132A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223937(P2007−223937)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【分割の表示】特願平9−184626の分割
【原出願日】平成9年6月26日(1997.6.26)
【出願人】(391028362)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド (18)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
【Fターム(参考)】