説明

画像形成装置及びその制御方法

【課題】帯電ローラを感光体ドラムに当接させてAC電圧を印加する方式の画像形成装置において、AC電圧に起因した帯電音の発生を防止する。
【手段】感光体ドラム12に帯電ローラ25が当接し、帯電ローラ25には感光体ドラム12と反対側からクリーニングローラ28が当接している。帯電ローラ25には少なくとも画像形成用AC電圧が印加されている一方、クリーニングローラ28には、画像形成用AC電圧とは正反対の位相の制振用AC電圧が印加されている。帯電ローラ25とクリーニングローラ28と互いに逆方向に振動するため、互いの振動が打ち消しあい、結果として帯電ローラ25とクリーニングローラ28と感光体ドラム12との三者に振動が発生することを防止又を著しく抑制できる。その結果、帯電音を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電ローラ等の接触式帯電部材にて感光体表面を所定の電位に帯電させる接触帯電方式の画像形成装置及びその制御方法に関するものである。ここに、画像形成装置には、複写機、プリンター、ファクシミリ等の単機能機、複写機能・プリント機能・スキャナ機能・通信機能等の機能を複数有する複合機(多機能機)など各種のものが含まれる。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式(静電記録方式)の画像形成装置において、感光ドラムのような感光体の表面を所定の電位に帯電処理する方式としては、コロナ放電を利用した非接触式と、帯電ローラや帯電ブレードを使用した接触式とがあるが、近年、電源の低電圧化やオゾン発生の抑制等の点から、特に帯電ローラを使用した接触方式が広く普及している。
【0003】
他方、帯電ローラに印加する電圧としてはDC電圧とAC電圧とがあるが、DC帯電方式のみでは感光体ドラムへの均一性に劣る等の問題がある一方、AC帯電方式のみでは放電量が増えて感光体ドラムの膜が劣化しやすい問題や放電に起因して画像流れが生じる等の問題があり、そこで、帯電ローラにDC電圧とAC電圧とを重畳して印加し、AC電源の出力を調節して必要最小限度の印加出力を保持することが広く行われている。
【0004】
このように帯電ローラにAC電圧を印加するのは印刷の品質面からは有益であるが、帯電ローラ及び感光体に振動が発生することに起因して騒音(帯電音)が発生するという問題があった。この騒音対策として特許文献1には、給電ローラを介して感光体(被帯電体)に画像形成用AC電圧とは逆位相の電圧を印加することが開示されており、また、特許文献2,3には、帯電ローラに振動防止部材を当接させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−168418号公報
【特許文献2】特開2002−91139号公報
【特許文献3】特開平07−199595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、帯電音の原因である振動は、帯電ローラが感光体に当接していることに起因して発生する。すなわち、帯電ローラが感光体に当接しているため、AC電圧が印加されて帯電ローラに振動が発生すると感光体に対する帯電ローラの押圧力が変化し(誇張して述べると、帯電ローラと感光体とが衝突したり離反したりするように相対動し)、これが帯電ローラと感光体との叩き合いのような状態になり、その結果、騒音を伴う振動になる。従って、振動及び騒音を効果的に防止又は抑制するには、帯電ローラの振動そのものを消去又は抑制すべきであると言える。
【0007】
しかるに、特許文献1は帯電ローラの振動そのものを防止又は抑制するものではなく、感光体に帯電ローラとは逆の動きを付与することで振動・騒音を抑制しようとするものであり、いわば間接的な制振対策であるため、効果に限度があると推測される。
【0008】
他方、特許文献2,3のように防振部材を帯電ローラに当接させる方法は、一見すると帯電ローラに直接に作用するものであるため制振効果が高いように考えられるが、防振部材は帯電ローラに弾性的に当接しているに過ぎず、帯電ローラの振幅を小さくできるに過ぎないため、ある程度の振動吸収効果は期待できるものの、高い防振効果・騒音防止効果は期待できないと言える。また、特許文献3は防振部材としてスポンジを使用しているが、これでは、スポンジが帯電ローラの回転抵抗となって消費電力の増大につながる問題や、異物が溜まって帯電ローラを傷付けるおそれがある問題も懸念される。
【0009】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、画像形成装置とその制御方法に関する。請求項1の発明は画像形成装置に関するものであり、この発明は、感光体の表面に画像形成用AC電圧が印加される接触式帯電部材を当接し、かつ、前記帯電部材に、前記画像形成用AC電圧の印加によって発生した振動を打ち消すように作用する加振手段(加振部材と呼ぶことも可能である)を当接させている。請求項2の発明では、前記加振手段に、前記画像形成用AC電圧と位相又は周波数若しくは両方を異ならせた制振用AC電圧が印加されている。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記帯電部材は帯電ローラである一方、前記加振手段は加振ローラであり、この加振ローラを、前記帯電ローラを挟んで前記感光体と略正反対の部位に配置しており、かつ、前記制振用AC電圧は画像形成用AC電圧と周波数は同じで位相が逆になっている。この場合、請求項4の発明では、前記加振ローラにクリーニングローラを兼用させている。
【0012】
請求項5の発明は請求項4の発明を具体化したもので、この発明では、前記帯電ローラには画像形成用DC電圧及び前記画像形成用AC電圧が重畳して印加されている一方、前記クリーニングローラの少なくとも表面は導電性材料からなっていてこれにDC電圧を印加可能になっており、前記感光体に潜像を形成していない状態では、前記クリーニングローラによる異物除去機能が高くなるように当該クリーニングローラに印加されるDC電圧と帯電ローラに印加されるDC電圧とに電位差を設けている。
【0013】
請求項6の発明は制御方法に係るものであり、この発明は、感光体の表面に接触式帯電部材を介して画像形成用AC電圧を印加するのと同時に、前記帯電部材に当接した制振手段に、前記画像形成用AC電圧と位相又は周波数若しくは両方を異ならせた制振用AC電圧を印加することにより、前記帯電部材の振動及び騒音を防止又は抑制するものである。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の加振手段は帯電部材に直接に作用するものであり、加振手段が帯電部材と逆の動きをすることにより、帯電部材の動きを打ち消して振動・騒音を効果的に防止又は著しく抑制できる。すなわち、本願発明は帯電部材の振動を積極的に抑制するものであり、このため高い防振機能・騒音防止機能を発揮する。
【0015】
加振手段として請求項3のように加振ローラを採用すると、帯電ローラの回転に抵抗が生じたり異物の挟み込みで帯電ローラが傷ついたりすることを防止できる。また、帯電ローラは感光体に接近したり離反したりするように動くため、請求項3のように加振用のローラを感光体と正反対の箇所に配置すると、加振手段の力の作用方向と帯電ローラの動き方向とを一致させることができて、高い防振効果・防音効果を発揮できる。また、加振手段が感光体から遠い部位に位置しているため、加振手段に電圧を印加することに起因した電位差によって感光体の帯電性に影響が出ることも回避できる。
【0016】
更に、請求項3のように加振手段に画像形成用AC電圧とは逆位相のAC電圧を印加すると、加振手段には帯電ローラと正反対の動きが付与されるため、帯電ローラの動きの打ち消し作用を的確に発揮して、より高い防振効果・防音効果を発揮できる。
【0017】
加振ローラのような加振手段は専用品として配置することも可能であるが、請求項4のようにクリーニングローラを兼用させると、構造を簡素化できて好適である。このようにクリーニングローラを加振ローラに使用した場合、請求項5のように構成すると、帯電ローラに印加されたDC電圧とクリーニングローラに印加されたDC電圧との電位差を利用して、帯電ローラに付着した異物をクリーニングローラで補集することができるため、クリーニング機能を向上させることができ、延いては、帯電ローラやクリーニング部材の寿命アップにも貢献し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】画像形成装置の概略図である。
【図2】本願発明を適用した要部の断面図である。
【図3】要部の説明図である。
【図4】AC電圧の印加状態を示すグラフである。
【図5】他の実施形態を示す図である。
【図6】他の実施形態を示す図である。
【図7】電圧の付加態様を示す別例図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、カラー印刷機能を有する画像形成装置に適用している。まず、図1を参照した画像形成装置の概略を説明する。
【0020】
(1).概略
図1に示すように、画像形成装置は、本体ケース1の内部のうち下部に配置した1段又は複数段の給紙カセット2、給紙カセット2の上方に配置された画像プロセス部3、画像プロセス部3の上方に形成された排紙トレイ4、用紙Pを給紙カセット2から排紙トレイ4に向けて搬送する搬送路(給送部)5を有している。
【0021】
本実施形態の画像形成装置はフルカラー対応なので、画像プロセス部3は、イエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの4つの色に対応して、4つの作像ユニット6Y,6M,6C,6Kを有している。4つの作像ユニット6Y,6M,5C,6Kは、イエロー作像ユニット6Yが搬送路5から最も離れてブラック作像ユニット6Kが搬送路5に近づくように並んでおり、これら作像ユニット6Y,6M,6C,6Kから中間転写ベルト7にトナー画像が一次転写される。図示していないが、例えば中間転写ベルト7の上方には各色の作像ユニットに対応した4つのトナー貯蔵ユニットが配置されている。

【0022】
中間転写ベルト7は、搬送路5に近接して配置された駆動ローラ8とイエロー作像部6Yの外側に配置した従動ローラ9とに巻き掛けされており、中間転写ベルト7に担持されたトナー像は駆動ローラ8の箇所で用紙Pに二次転写される。用紙Pは二次転写ローラ10で中間転写ベルト7に押圧される。従動ローラ9の外側には廃トナー回収容器11を配置している。
【0023】
各作像ユニット6Y,6M,6C,6Kは感光体の一例として感光体ドラム12を有している。また、画像プロセス部3の下方には露光ユニット13が配置されており、露光ユニット13から各感光体ドラム12の表面にレーザー光14が照射されて、感光体ドラム12に静電潜像が形成される。本実施形態は作像ユニット6Y,6M,6C,6Kに適用しており、その詳細は後述する。
【0024】
搬送路5は一対のガイド体で構成されており、給紙カセット2から排出された用紙Pは搬送路5を移送される途次において、中間転写ベルト7からトナー像が二次転写され、次いで、定着ローラ15と加圧ローラ16とで挟圧されることで画像が定着させられ、次いで、排紙ローラ21で排紙トレイ4に排出される。
【0025】
(2).作像ユニット
図2に拡大して示すように、各作像部6Y,6M,6C,6Kは、既述の感光体ドラム12の他に、感光体ドラム12に所定の電位でむらなく帯電させる帯電部18、レーザー光が照射された後の帯電層にトナーを付着させる現像ユニット19を有している。
【0026】
現像ユニット19は、現像ハウジング20、現像ローラ21、供給ローラ22、攪拌ローラ23、現像室24などを備えている。現像室24内には現像剤としてキャリアとトナーとが収容されている。現像ローラ21には直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスが印加されている。そして、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像が現像バイアスの作用によってトナーで現像され、これにより、感光体ドラム12の表面にトナー像が形成される。
【0027】
帯電部18は、帯電ローラ25、クリーナ26、フィルタユニット、クリーニングローラ28を有しており、これら帯電部18と感光体ドラム12とがドラムハウジング29にまとめられて感光体ユニット30を構成しており、感光体ユニット30が装置本体(機枠)に対し着脱自在になっている。もとより、帯電部のみを着脱式のユニット構造にするなど、具体的な構造は任意に選択できる。クリーニングローラ28は感光体ドラム12と反対側の位置から帯電ローラ25に当接している。
【0028】
敢えて述べるまでもないが、感光体ドラム12の外周面には感光層が形成されている。また、帯電ローラ25の外周層は弾性を有する導電性部材からなっており、このため、感光体ドラム12との当接部にはニップが形成される。帯電ローラ25には、画像形成用AC電源31と画像形成用DC電源32とから、画像形成用AC電圧と画像形成用DC電圧とが重畳した振動電圧が印加される。
【0029】
帯電ローラ25への電圧の印加は、例えば、金属製の軸体を電極としてこれに通電することで行えるが、電極を外周面に当接させるといったことも採用可能である。なお、帯電ローラ25に印加される振動電圧とは時間と共に周期的に電圧値が変化する電圧という意味であり、その波形は正弦波には限らず、矩形波、三角波,パルスなど各種の形態をとりうる。
【0030】
クリーニングローラ28は金属製軸体に導電性の弾性体を巻いた構造になっており、所定の圧力で帯電ローラ25に当接させている。従って、帯電ローラ25との当接部にはニップが形成される。クリーニングローラ28は、帯電ローラ25の軸心を挟んで感光体ドラム12と反対側に配置している。換言すると、クリーニングローラ28は感光体ドラム12から最も遠い部位において帯電ローラ25の外周面に当接している。
【0031】
クリーニングローラ28には、制振用AC電源33と制振用DC電源34とから制振用AC電圧と制振用DC電圧とが重畳して印加される(なお、「制振用」の文言は「クリーニング用」と言い換えることも可能である。)。図4では、画像形成用AC電圧の波形を実線で示して符号35を付し、制振用AC電圧の波形を点線で示して符号36を付している。この図に示すように、、制振用AC電圧は、画像形成用AC電圧に対して振幅・波長は同じで位相が正反対の関係になっている。制振用DC電圧は画像形成用DC電圧と同じ電圧になっている。
【0032】
(3).第1実施形態のまとめ
帯電ローラ25は感光体ドラム12に対して弾性的に当接しているため、帯電ローラ25にAC電圧が印加されて当該帯電ローラ25に振動が発生すると、帯電ローラ25が感光体ドラム12に対して遠近動するように運動をして、誇張すると、帯電ローラ25と感光体ドラム12とが衝突・離反を繰り返すような現象が生じる。特に、帯電ローラ25の外周層は弾性体で構成されているため、弾性体の復元力によって帯電ローラ25の動きが増幅される傾向を呈することもある。
【0033】
しかるに、本実施形態では、帯電ローラ25には感光体ドラム12と正反対の位置においてクリーニングローラ28が当接しており、クリーニングローラ28が、画像形成用AC電圧とは逆位相のAC電圧によって帯電ローラ25とは正反対の振動をするため、帯電ローラ25の振動とクリーニングローラ28の振動とが互いに打ち消し合い、結果として、帯電ローラ25とクリーニングローラ28とは殆ど又は全く振動しない状態て回転する。これにより、帯電部18(或いは作像ユニット)での振動と騒音を防止又は著しく抑制することができる。また、制振用の加振にクリーニングローラ28を兼用するのものであるため、構造の複雑化を防止できてコスト面でも有利である。
【0034】
さて、クリーニングローラ28は、例えば図5に示すように、感光体ドラム12とクリーニングローラ28との軸心を結ぶ線から外れた部位に配置することも可能であるが、この場合は、クリーニングローラ28の振動方向Bが帯電ローラ25の振動方向Aと相違するため、クリーニングローラ28の振動エネルギのうち帯電ローラ25の振動を抑制することに使用される分力が小さくなり、エネルギのロスが生じる。両方向の交叉角度θが大きくなるほどエネルギロスも大きくなる。
【0035】
また、帯電ローラ25には横からクリーニングローラ28が当たるため、帯電ローラ25の振動方向も変化することになり、このため感光体ドラム12が複雑に振動する可能性もある。従って、クリーニングローラ28はできるだけ感光体ドラム12と反対側から帯電ローラ25に当接させるのが好ましい。
【0036】
帯電ローラ25に印加されるDC電圧の値とクリーニングローラ28に印加されるDC電圧の値とを異ならせて、両者の間に電位差を設けると、帯電ローラ25に付着した異物をクリーニングローラ28で効率良く補集することが可能になる。但し、電位差を設けることが感光体ドラム12の帯電性に悪影響を及ぼすのは好ましくない。この面からも、クリーニングローラ28はできるだけ感光体ドラム12から遠い位置に配置するのが好ましい。
【0037】
また、DC電圧の電位差を利用したクリーニングは、感光体ドラム12に画像を形成していないタイミングで行うのが好ましい。このように画像を形成していない状態で電位差を設ける場合は、帯電ローラ25及びクリーニングローラ28ともAC電圧は印加する必要はない。
【0038】
クリーニングローラ28は、一般に外周層がスポンジ状やゴム状になっていて非導電性であることが普通である。従って、電位差を利用したクリーニング機能を採用しない場合は、クリーニングローラ28に、例えば金属性軸体にAC電圧のみを印加して加振したららよい。この場合、スポンジ状やゴム状の外周層は帯電ローラ25から電気的に絶縁されているので、クリーニングローラ28にAC電圧を印加することで帯電ローラ25に影響することはない。
【0039】
(4).他の実施形態
図6に第2実施形態として示すように、帯電ローラ25に、帯電ローラ25と感光体ドラム12との軸心を結ぶ線を挟んだ両側の対称位置から制振ローラ38を配置することも可能である。この場合は、帯電ローラ25が複雑な振動をすることはない。この場合、いずれか一方又は両方をクリーニングローラ28で兼用させると好適である。
【0040】
既述のように、帯電ローラ25に印加される画像形成用AC電圧の波形には特に限定はないが、クリーニングローラ28のような加振ローラ38(或いは加振手段)に印加されるAC電圧(振動電圧)の波形(印加方式)も種々のものを採用できる。
【0041】
その例として図7(A)では、プラスとマイナスとの電圧が交互に繰り返すパルス電圧(角形波形)を採用している。この場合、プラス及びマイナスの電圧の値は、画像形成用AC電圧のピーク値と同じに設定しているが、ピーク値と異なる値とすることも可能である。また、(A)ではプラスとマイナスとが時間差無しで切り換わっているが、プラスからマイナスへの切り替わり、マイナスからプラスへの切り替わりに時間差を設けることも可能である。
【0042】
図7(B)に示す例では、プラス電圧が間欠的に付加される態様を採用しており、(C)に示す例では、マイナス電圧のみが間欠的に付加される態様を採用している。(B)(C)の方法を採用して、帯電ローラ25が感光体ドラム12から離反するタイミングで制振ローラ38を帯電ローラ25に向けて前進させることにより、帯電ローラ25の振動を抑制できる言える。
【0043】
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば適用対象は必ずしも作像ユニットの帯電部には限らないのであり、現像部や二次転写部などの他の部位にも適用可能である。帯電部材として帯電ブレードを採用してもよい。また、加振手段は必ずしもローラ構造である必要はなく、ブレード状の形態であっても良い。加振手段は帯電部材の全長に対して当接している必要はなく、例えば飛び飛びの状態で当接していてもよい。
【0044】
敢えて述べるまでもないが、本願発明はAC電圧のみを印加する方式の画像形成装置にも適用できる。感光体はドラム状には限らず、ベルト状であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明は単機能機や複合機のような画像形成装置に適用して有用性を発揮する。従って産業上利用できる。
【符号の説明】
【0046】
3 画像プロセス部
6Y〜6K 作像ユニット
7 中間転写ベルト
12 感光体ドラム
19 現像ユニット
25 帯電ローラ
28 クリーニングローラ
30 感光体ユニット
31 画像形成用AC電源
32 画像形成用DC電源
33 制振用AC電源
34 制振用DC電源
35 画像形成用AC電圧の波形
36 制振用AC電圧の波形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の表面に画像形成用AC電圧が印加される接触式帯電部材を当接し、かつ、前記帯電部材に、前記画像形成用AC電圧の印加によって発生した振動を打ち消すように作用する加振手段を当接させている、
画像形成装置。
【請求項2】
前記加振手段に、前記画像形成用AC電圧と位相又は周波数若しくは両方を異ならせた制振用AC電圧が印加されている、
請求項1に記載した画像形成装置。
【請求項3】
前記帯電部材は帯電ローラである一方、前記加振手段は加振ローラであり、この加振ローラを、前記帯電ローラを挟んで前記感光体と略正反対の部位に配置しており、かつ、前記制振用AC電圧は画像形成用AC電圧と周波数は同じで位相が逆になっている、
請求項1又は2に記載した画像形成装置。
【請求項4】
前記加振ローラにクリーニングローラを兼用させている、
請求項3に記載した画像形成装置。
【請求項5】
前記帯電ローラには画像形成用DC電圧及び前記画像形成用AC電圧が重畳して印加されている一方、前記クリーニングローラの少なくとも表面は導電性材料からなっていてこれにDC電圧を印加可能になっており、前記感光体に潜像を形成していない状態では、前記クリーニングローラによる異物除去機能が高くなるように当該クリーニングローラに印加されるDC電圧と帯電ローラに印加されるDC電圧とに電位差を設けている、
請求項4に記載した画像形成装置。
【請求項6】
感光体の表面に接触式帯電部材を介して画像形成用AC電圧を印加するのと同時に、前記帯電部材に当接した制振手段に、前記画像形成用AC電圧と位相又は周波数若しくは両方を異ならせた制振用AC電圧を印加するとにより、前記帯電部材の振動及び騒音を防止又は抑制するものである、
画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−53339(P2012−53339A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196808(P2010−196808)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】