説明

画像形成装置用のカートリッジ

【課題】画像形成装置に装着可能なカートリッジであって、ユーザーの誤装着が防止でき、さらに第三者による模倣が困難なカートリッジを実現する。
【解決手段】画像形成装置の本体に装着可能なカートリッジが、前記本体に設けられた第1嵌合部と対をなす第2嵌合部を有する嵌め合い部材と、他の種類のカートリッジとの識別用のデータを記憶する記憶手段と、前記データを本体側に送るための信号線を本体側に設けられる信号端子と接続するための接続端子とを含んでなる識別部を備え、第2嵌合部は、カートリッジの種類に応じて異なる形状を有し、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記第1嵌合部と嵌合する形状を有し、前記接続端子はカートリッジの種類に応じて異なる位置に配置され、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記信号端子と対応する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置用カートリッジ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、誤装着防止および不正使用防止機能付のカートリッジであって、画像形成装置本体に装着されるものに関する。特に、トナーカートリッジ、現像カートリッジおよびプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像形成装置において、複数色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーを収納したトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが画像形成装置本体に着脱自在に設置されている。ここで、トナーカートリッジとはトナーを収納する容器を画像形成装置本体に着脱可能にしたカートリッジであり、現像カートリッジとは現像手段とトナー収納容器を一体化して画像形成装置本体に着脱可能にしたカートリッジである。さらに、プロセスカートリッジとは、像担持体である感光体ドラムと少なくとも前記トナーカートリッジまたは前記現像カートリッジのどちらか一方、または、両方とを一体化したカートリッジである。
【0003】
また、モノクロ画像形成装置においても、黒色のトナーを収納したトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが画像形成装置本体に着脱自在に設置されている。
それらのトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジは、収納されたトナーが使い果たされたり、カートリッジを構成する部品が機械的寿命に達したりすると適宜に新品と交換される。
【0004】
具体的には、カラー画像形成装置においては、新品のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジにおけるトナー収納部に、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちいずれか1色のトナーが、画像形成装置に設置される前に収納される。
【0005】
そして、画像形成装置に対して、新品状態のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうちいずれか1色乃至4色のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジがそれぞれの設置部に設置される。その後、画像形成装置の稼働に伴い、プロセスカートリッジの感光体ドラム(像担持体)や現像カートリッジの現像剤等が劣化して寿命に達した場合や収納されたトナーが使い果たされた場合に、ユーザーやサービスマンによって、画像形成装置本体に設置された既設のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが取り出される。そして、新品のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが新たに装置本体に設置される。
【0006】
このような複数のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが着脱自在に設置される画像形成装置においては、装置が正常に機能するために、それぞれのトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが対応する設置部に正しく設置される必要がある。すなわち、作業者によって、ある色のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが異なる色の設置部に設置されるような設置ミスが発生しないようにする必要がある。
【0007】
そのために、カラー画像形成装置においては、4色のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジやそれに対応した装置本体の設置部に、形状差を設けることで非互換性を担保する技術が多く用いられているが、互換性のない4種類のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジを製造する必要がある。そのため、それらのカートリッジの部品数や組付工程が多くなって、製造コストが高くなっていた。
【0008】
モノクロ画像形成装置においては、新品のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジにおけるトナー収納部に、黒色のトナーが画像形成装置に設置される前に収納される。
【0009】
そして、画像形成装置に対して、新品状態の黒色のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが設置部に設置される。その後、画像形成装置の稼働に伴い、プロセスカートリッジの感光体ドラム(像担持体)や現像カートリッジの現像剤等が劣化して寿命に達した場合や収納されたトナーが使い果たされた場合に、ユーザーやサービスマンによって、画像形成装置本体に設置された既設のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが取り出される。そして、新品のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが新たに装置本体に設置される。
【0010】
このようなトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが着脱自在に設置される画像形成装置においては、装置が正常に機能するために、それぞれのトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが対応する機種の設置部に正しく設置される必要がある。すなわち、作業者によって、トナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが異なる機種の設置部に設置されるような設置ミスが発生しないようにする必要がある。
【0011】
そのために、画像形成装置において、異なる機種のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジやそれに対応した装置本体の設置部に形状差を設けたり互換性に係る情報を記憶させておいたりすることにより非互換性を担保する技術が多く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。このため、トナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが共通化可能である機種が存在するにもかかわらず、機種ごとの非互換性を担保するために、互換性のないそれらカートリッジを製造する必要がある。そのため、それらのカートリッジの部品数や組付工程が多くなって、製造コストが高くなっていた。
【特許文献1】特開2005−128414号公報
【特許文献2】特開2005−134797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1および2では、共通化されたカートリッジの識別部材として、形状の違うもの/スイッチの位置の違うもの/反射材の色の違うもの/記憶手段であるICタグ(非接触IC)等を用いている。ICタグは第三者に模倣されにくいが、画像形成装置本体に取り付けてみないと誤装着または非純正品であるかどうかの判別ができず、手間がかかるという欠点がある。また、一方の形状/スイッチの位置の違うもの/反射材の色の違う嵌め合い部材は必要な部分を付加、または削除することで、容易に模倣されるという欠点がある。
【0013】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、各色共通化されたカートリッジ、または各機種共通化されたカートリッジに対して、ユーザーの誤装着が防止でき、さらに第三者による模倣が困難なカートリッジを提供するものである。
【0014】
共通化されたカートリッジ主部に、各色のトナーの種類または機種を特定する記憶手段を内蔵した識別部の構成要素として、カートリッジに収納される色または機種ごとに形状を変えた嵌め合い部材を取り付ける。これにより、嵌め合い部材は、カートリッジの種類をユーザーが容易に識別し得るようにする識別部としての機能を提供する。前記色ごとに形状を変えた嵌め合い部材は、色ごとに、記憶手段の電気接点端子(接続端子)を兼用する突起、または、切り欠きの位置が異なる。識別部が単に形状の異なる嵌め合い部材のみからなる場合は容易に第三者に模倣されるのに対し、この発明の識別部は、その中にICチップが含まれるものであり、嵌め合い部材の異なる形状部分に電気接点端子(接続端子)が配置されるため、模倣が容易でない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、画像形成装置の本体に装着可能なカートリッジが、前記本体に設けられた第1嵌合部と対をなす第2嵌合部を有する嵌め合い部材と、他の種類のカートリッジとの識別用のデータを記憶する記憶手段と、前記データを本体側に送るための信号線を本体側に設けられる信号端子と接続するための接続端子とを含んでなる識別部を備え、第2嵌合部は、カートリッジの種類に応じて異なる形状を有し、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記第1嵌合部と嵌合する形状を有し、前記接続端子はカートリッジの種類に応じて異なる位置に配置され、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記信号端子と対応する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置用カートリッジを提供する。
【発明の効果】
【0016】
この発明のカートリッジにおいて、第2嵌合部は、カートリッジの種類に応じて異なる形状を有し、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記第1嵌合部と嵌合する形状を有し、前記接続端子はカートリッジの種類に応じて異なる位置に配置され、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記信号端子と対応する位置に配置されるので、ユーザーの誤装着が防止でき、さらに第三者による模倣が困難なカートリッジを実現することができる。ユーザーは、カートリッジの装着前に嵌め合い部材を見て、どの種類のカートリッジであるか、例えば、何色用のカートリッジであるかまたはどの機種用のカートリッジであるかを判断できるため、色別または機種別の識別が容易であり、カートリッジの誤装着が防止できる。
さらに、識別部が単に形状の異なる嵌め合い部材のみからなる場合は第三者により容易に模倣されるのに対し、この発明の識別部は、その中にICチップが含まれ、嵌め合い部材の異なる形状部分に前記接続端子(電気接点端子)が配置されるため、種類別(例えば、色別または機種別)に識別部の記憶手段に記憶された記憶内容と画像形成装置本体の記憶内容とが一致し、さらに色別または機種別に異なる形状である電気接点端子と本体の電気接続部の形状が一致しないと本体にカートリッジが取り付けられても動作しないため模倣が容易でない。さらに、記憶手段にカートリッジ識別用データを有しており、第三者による模倣はさらに困難である。
【0017】
この発明において、記憶手段はカートリッジの識別に係るデータを記憶する手段である。その具体的な態様の一例は不揮発性記憶素子である。後述する実施形態においては、EEPROMに相当する。
また、嵌め合い部材は装着時に本体の第1嵌合部と嵌合することによりカートリッジの種類を識別する機能を発揮する部材である。より具体的な態様の一例はコネクタハウジングである。ただし、これに限定されない。後述する実施形態において、嵌め合い部材は、ドロワー型コネクタのカートリッジ側のコネクタハウジングに相当する。さらに、接続端子は、カートリッジ側コネクタの所定箇所に配置されるコネクタピンに相当する。さらにまた、第1嵌合部は、嵌め合い部材と対をなすコネクタ、より詳細には、前記ドロワー型コネクタの本体側のコネクタハウジングに相当し、信号端子は本体側コネクタの所定箇所に配置されるコネクタピンに相当する。
【0018】
以下、この発明の好ましい態様について説明する。
前記識別部は、一体のユニットとして構成され、前記識別部を除くカートリッジの部材は他の種類のカートリッジと共通の部材であってもよい。このようにすれば、前記ユニット以外の部分についてはカートリッジの部材が共通化できるので、それらの部材を共通に生産することができ、組立ての工程、部材管理を含めたコストの低減に寄与する。
【0019】
また、前記カートリッジはトナーを収容するトナーカートリッジであり、前記記憶手段は、トナーの種類を識別するためのデータを記憶するものであってもよい。このようにすれば、嵌め合い部材だけでなく記憶手段に記憶されたデータを用いて種類の識別が可能なトナーカートリッジを実現することができる。
【0020】
あるいは、前記カートリッジはトナーを収容する第1の収容部および現像剤を収容する第2の収容部を有する現像カートリッジであり、前記記憶手段は、トナーの種類を識別するためのデータを記憶するものであってもよい。このようにすれば、嵌め合い部材だけでなく記憶手段に記憶されたデータを用いて種類の識別が可能な現像カートリッジを実現することができる。
【0021】
あるいはまた、前記カートリッジはトナーを収容する第1の収容部、現像剤を収容する第2の収容部および感光体を含んでなるプロセスカートリッジであり、前記記憶手段は、現像剤の種類を識別するためのデータを記憶するものであってもよい。このようにすれば、嵌め合い部材だけでなく記憶手段に記憶されたデータを用いて種類の識別が可能なプロセスカートリッジを実現することができる。
ただし、この発明のカートリッジの構成は、前記トナーカートリッジ、現像カートリッジおよびプロセスカートリッジに限定されるものではない。カートリッジが前記嵌め合い部材、記憶手段および接続端子を含む識別部を備えておればよく、カートリッジの用途・機能は限定されない。記憶手段に記憶されるデータはカートリッジの機能および/または特性に応じて決定される。例えば、感光体を収容するがトナーを収容しないカートリッジや画像形成装置の他の機能部分に係るカートリッジに適用されてもよい。
【0022】
また、前記記憶手段は、カートリッジに収容されるべきトナーの色およびトナーの材質に応じて異なるデータを記憶するものであってもよい。このようにすれば、記憶されたデータを用いてトナーの色およびトナーの材質を識別することができる。
【0023】
さらにまた、前記嵌め合い部材は、カートリッジに収容されるべきトナーの色に対応する色彩を有するものであってもよい。このようにすれば、嵌め合い部材の色彩からユーザーがカートリッジに収容されたトナーの色を容易に識別でき、誤装着が確実に防止される。
【0024】
前記嵌め合い部材は、突起あるいは切り欠きの形状が第1嵌合部と対応し、他の嵌合部と対応しない第2嵌合部を有するものであってもよい。突起あるいは切り欠きの形状を他の嵌合部と対応しないようにすることにより、誤装着を確実に防止することができる。
【0025】
また、前記記憶部は、記憶されたデータが本体側に送られて本体側に用意された情報と照合され、照合の結果に応じて本体の動作を可能にするために用いられるものであってもよい。このようにすれば、記憶されたデータが識別に用いられることで、万一カートリッジが誤装着されたとしてもその状態で本体が動作するのを未然に防止することができる。
また、前記信号端子は第1嵌合部上に配置され、前記接続端子は第2嵌合部上に配置されるものであってもよい。
ここで示した種々の好ましい態様は、それら複数を組み合わせることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
この実施形態では、最初にこの発明のカートリッジ装着される画像形成装置の構成例を説明する。続いて、カートリッジの態様を説明する。さらに、カートリッジが備える識別部の構成要素としての記憶手段、嵌め合い部材および接続端子ならびに本願側の第1嵌合部について個別に説明する。その後、カートリッジの識別および誤装着防止に係る実施形態とその変形例を説明する。
【0027】
<画像形成装置の構成>
この発明のカートリッジが装着される画像形成装置の例として、電子写真方式の複写機の構成を説明する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる一般的な電子写真プロセスの全体的な工程は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、定着、および除電などの諸工程からなり、その構成は、例えば、図1(a)、(b)に示される。
【0028】
具体的に説明すると、電子写真プロセスの核となる感光体ドラム6は、画像形成装置1内において矢符S1方向に回転可能に設けられており、この感光体ドラム6の表面は、帯電装置7である高圧電源(図示せず)を具備したコロナチャージャ(図示のもの)や接触ローラ帯電器(図示せず)によって所定の電荷量に均一に帯電され、露光装置3で所定の静電潜像ポテンシャルを形成することによって静電潜像を担持する。
【0029】
その感光体ドラム6は、金属または樹脂製の導電性基体と、その表面に形成される下引き層と、その上に形成される感光層とを含んで構成される。感光層は、下引き層上に形成される比較的薄いキャリア発生層(CGL)と、最外層に形成されるポリカーボネイトを主成分とした比較的薄いキャリア移動層(CTL)とで構成される。
【0030】
露光によってキャリア発生層でキャリアが発生し、該キャリアによって感光体ドラム6に帯電した電荷が相殺されて前記静電潜像ポテンシャルが形成される。感光体ドラム6に担持された静電潜像は、該ドラム6が回転することによって現像装置8の現像剤担持体81と接触する現像領域に搬送される。
【0031】
現像剤担持体81は、上記矢符S1とは反対の矢符S3の方向に回転し、感光体ドラム6に圧接される。そして、現像装置8内にある現像剤担持体81に担持されたトナーが感光体ドラム6の静電潜像にと共に移動し付着することによって静電潜像が顕像化され、現像される。
【0032】
現像剤担持体81には、接続された電源(図示せず)から所定のバイアス電圧が印加される。現像後、感光体ドラム6に付着したトナーは、所定の転写領域に搬送される。転写領域には給紙手段によって紙などの転写材が供給されており、感光体ドラム6上のトナー像と同期して接触する。
【0033】
転写領域に設けられる転写装置4には、高圧電源(図示せず)を具備したチャージャ型(図示のもの)や接触ローラ型(図示せず)があり、トナーが転写される側の極性(トナーと逆の極性)の電圧を感光体ドラム6に印加する。これによって、トナーが転写材に移動し、トナー像が転写される。
【0034】
転写チャージャで与えられた電荷により転写材と感光体ドラム6は静電的に密着しているため、転写材を定着装置5に導くために感光体ドラム6から剥離する必要がある。その剥離装置としては、図示しないが、高圧電源を具備したチャージャ型や感光体ドラム6の曲率によって剥離する剥離爪を用いる剥離装置等がある。
【0035】
チャージャ型の剥離装置の場合、この剥離装置により転写材にAC電圧をかけて転写材の電位を感光体ドラム6の表面電位と同じ電位にまで下げると、転写材と感光体ドラム6との間には吸引力が働かなくなり、転写材は自重で感光体ドラム6から分離される。
【0036】
そして、転写材が感光体ドラム6から分離された後、該転写材上のトナーは定着装置5の加圧ローラ12と加熱ローラ13によって定着される。例えば、熱融解によって定着され、装置外部に排紙される。また、転写後の感光体ドラム6の表面は、クリーナ14によって清掃された後、除電装置10によって表面に残存する電荷が除去され、電気的に初期化される。この除電装置10としては、光除電ランプや接触除電器が適用される。
【0037】
以上、画像形成装置1の電子写真プロセスに係る各部の動作は、画像形成装置本体11に配置された図示しない制御部によって制御される。前記制御部は、例えばマイクロコンピュータと前記マイクロコンピュータが実行する制御プログラムを記憶するROM、データ処理用のワークエリアを提供するRAM、画像形成装置1内に設けられたセンサやスイッチなどからの信号が入力される入力回路、画像形成装置1内に配置されたモーターやアクチュエータへ制御信号を出力するための出力回路などで構成される。さらに、本体制御部は、装着されたトナー補給容器の識別番号等を保持しておくための不揮発性メモリを有する。マイクロコンピュータは、各センサおよび各スイッチの状態を認識し、各モーターおよび各アクチュエータへの制御信号を、出力回路を介して送る。
【0038】
<カートリッジの態様>
前述の画像形成装置に装着されるカートリッジの複数の構成態様を説明する。図1に示すような電子写真プロセス装置においては、図1(b)および図2に示すように、メンテナンスを容易とする上で、いくつかの装置をまとめてカートリッジ化することが広く行われている。
【0039】
例えば、所定の現像剤を収容する現像装置8に対応して設けられ、現像装置8に供給するトナーを収容するトナーボトルをカートリッジ化してトナー補給容器9(トナーカートリッジ)とし、本体11に着脱自在にした態様がある。また、トナー補給容器9(請求項にいう第1の収容部)と現像装置8(請求項にいう第2の収容部)を本体11に対して一体に着脱自在に構成した現像カートリッジ8cの態様もある。さらに現像装置8とトナー補給容器9とに加えて、あるいはそれらと別に、感光体ドラム6と感光体ドラム6に作用する帯電装置7、クリーナ14、などのプロセス手段中の少なくとも一つを一体化させて本体11に着脱自在にしたプロセスカートリッジ2の態様もある。
【0040】
これらプロセスカートリッジ2、および現像カートリッジ8c等の画像形成装置用トナー補給容器の本体11に対する具体的な装着の様子は、図2に示されている。図2は、プロセスカートリッジ2と現像カートリッジ8cとが別のカートリッジとして構成されている態様である。
【0041】
プロセスカートリッジ2が現像装置8とトナー補給容器9を含む構成にすると、交換は簡便になる一方、必ずしも寿命が同じではない感光体ドラムとトナー補給容器を一体で廃棄しなければならなくなる。その観点から、効率よくトナー補給容器を使用するために、感光体ドラムを含むプロセスカートリッジ2とトナー補給容器9(またはトナー補給容器を含む現像カートリッジ8c)とを別のカートリッジとして構成する態様にも妥当性が存在する。プロセスカートリッジ2と現像カートリッジ8cとが分かれる場合、装置を小型化するためにはトナー補給容器9を小さくすることが好ましい。この場合、プロセスカートリッジ2の方がトナー補給容器9(またはトナー補給容器を含む現像カートリッジ8c)よりも長寿命となる。即ち、トナー補給容器9(またはトナー補給容器を含む現像カートリッジ8c)が何回か交換された後に、感光体ドラムカートリッジが交換されることになる。
【0042】
図2に示す現像カートリッジ8c(トナー補給容器9を含む現像カートリッジ8c)を画像形成装置に装着した状態で視認可能な部分の長手方向反対側(奥側)などの適切な位置に、現像カートリッジ8cの使用量等に関する情報を記憶する不揮発性の記憶素子が搭載されている。現像カートリッジ8cに搭載された不揮発性記憶素子は、請求項にいう記憶手段に該当するものである。前述の制御部は、接触方式にて前記不揮発性記憶素子との間でデータの送受信を行うことができるように構成される。前記制御部は、現像カートリッジ8cに取り付けられた不揮発性記憶素子に記憶されている現像カートリッジ8cに関する情報を読み出すことができ、またそれらの情報を書き換えることができる。現像カートリッジ8cの不揮発性記憶素子(図4、図5のEEPROM)から読み出された情報は、前記制御部のRAM(不図示)に記憶される。前記制御部は、RAMに記憶されたデータを対象として、印字処理に伴う現像カートリッジ8cの累積使用量の更新を行う。適当なタイミングで、前記制御部は、更新されたRAM上のデータを現像カートリッジ8cの不揮発性記憶素子に書き込む。タイミングの一例は、印字ジョブの終了後である。一つのジョブの印字枚数が所定枚数を超える場合、ジョブの途中でデータを前記不揮発性記憶素子に書き込んでもよい。なお、前記不揮発性記憶素子としては、例えば、EEPROM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子を用いることができる。
【0043】
新品の現像カートリッジ8cを含むカートリッジに搭載された不揮発性記憶素子には、出荷時にそのカートリッジに関する情報が書き込まれる。どのアドレスにどのような情報を書き込むか、各情報の内容をどのようなデータとして示すかは、画像形成装置本体および現像カートリッジ8cの製造者が予め決定しておく。
【0044】
図3に、現像カートリッジ8cを含むカートリッジに搭載された不揮発性記憶素子に記憶された画像形成装置用現像カートリッジ8cに関する情報の一例を示す。不揮発性記憶素子内の各アドレスには、現像カートリッジの品番、現像カートリッジ個々の識別番号、トナーの色、カートリッジの累積使用量データ、例えば総累積印字枚数(例:A4換算)が記憶されている。
【0045】
画像形成装置用現像カートリッジ8cの製造時、「現像カートリッジの品番」として、現像カートリッジの種類に応じたデータが書き込まれる。「現像カートリッジ個々の識別番号」として、同種類の複数の現像カートリッジ8cを互いに識別できるユニークなデータが書き込まれる。「トナーの色」として、収容されたトナーの色に応じたデータが書き込まれる。
【0046】
現像カートリッジ8cが画像形成装置の本体に装着されると、本体11にある前記制御部は、現像カートリッジ8cの不揮発性記憶素子にアクセスし、現像カートリッジ8cの品番などにより、現像カートリッジ8cが純正品であるか使用済みでないかを判断する。非純正品、または、使用済みである場合は現像カートリッジ8cが非純正品または使用済みであるとユーザーに報知し、交換を促す。
純正品で、かつ、使用済みでない場合は現像カートリッジ8cの不揮発性記憶素子にアクセスを開始する。即ち、前記制御部のマイクロコンピュータは、不揮発性記憶素子の各アドレスに記憶されたデータを読み出すことができ、また、各アドレスへデータを書き込むことができる。各用紙サイズ別の累積印字枚数、複写機/プリンタ/ファクシミリの用途ごとの累積印字枚数(例えばA4換算)、総累積印字枚数(例えばA4換算)、各用紙サイズ別の累積画素数、複写機/プリンタ/ファクシミリの用途ごとの累積画素数、総累積画素数、トナー補給モーターの累積回転時間、現像ローラの累積回転時間を読み出し、またそれらのデータを更新して不揮発性記憶素子に書き込む。
【0047】
各用紙サイズ別の累積印字枚数、複写機/プリンタ/ファクシミリの用途ごとの累積印字枚数(例えばA4換算)、総累積印字枚数(例えばA4換算)、各用紙サイズ別の累積画素数、複写機/プリンタ/ファクシミリの用途ごとの累積画素数、総累積画素数、トナー補給モーターの累積回転時間、現像ローラの累積回転時間から現像カートリッジ8cの使用量がわかる。前記制御部は、例えば、印字1枚ごとまたは印字1ジョブ程度のまとまった枚数ごとにそれらのデータを更新する。
【0048】
この発明に好適なEEPROMの具体的な一例を挙げると、STマイクロエレクトロニクス社(Microelectronics N.V.)製のシリアルEEPROM、品番M34C02、M34E02またはM34F04がある。これらのEEPROMは、シリアルバスによって本体側の制御部とデータを送受できるので、パラレル方式のデータバスを用いてCPUとデータをやり取りする一般的なEEPROMにくらべて通信線の本数を抑制することができる。
【0049】
<記憶手段>
次に、この発明のカートリッジが備える記憶手段について説明する。
図4、図5は、本体11の制御部とカートリッジ側の不揮発性記憶素子であるEEPROMとの電気的な接続を示すブロック図である。本体11とカートリッジ9のシリアルEEPROM25とがインターフェイス回路33Aを介して電気的に接続される。ここで、制御部31は、前述の本体11の制御部である。インターフェイス回路33Aは、制御部31のマイクロコンピュータがシリアルバスを介してシリアルEEPROM25とデータを送受信できるようにする回路である。EEPROM25内の記号の説明を行うと、Vccは電源用端子であり、A0〜A2はチップアドレス用の端子であり、VccかVssに接続することで同一バス上に8個までチップを接続できる。また、WPはライトプロテクト用端子であり、未接続またはVssであれば接続の時書き込み可能であり、Vccに接続の時プロテクトされる。SCLはシリアルクロック(データ転送クロック)用端子であり、SDAはシリアルデータ用送受信端子である。
【0050】
図4の場合は、複数のEEPROMを装置本体制御装置に接続するために、チップアドレス用の端子A0〜A2のVccまたはVssへの接続方法をメモリ基板上で個々に変えてチップアドレスを4種類設定して、一つのインターフェイス回路にパラレルに接続している。図5の場合は、複数のEEPROMを装置本体制御装置に接続するために、チップアドレス用の端子A0〜A2のVccまたはVssへのメモリ基板上での接続方法は同一にして、インターフェイス回路を個々のEEPROMに対応して設置して、装置本体制御装置にパラレルに接続している。図4、図5いずれの場合も、A0〜A2はVccまたはVssに、カートリッジ側のメモリ基板23上で接続されており、インターフェイス回路との接続用として、電源(Vcc)、GND(Vss)、シリアルクロック(SCL)、シリアルデータ(SDA)送受信の4つの電気接点端子が必要となる。
【0051】
<嵌め合い部材、接続端子および第1嵌合部>
続いて、記憶手段に記憶されたデータを本体側に送る信号が接続される接続端子、前記接続端子が配置される嵌め合い部材および嵌め合い部材と嵌合する本体側の第1嵌合部について説明する。
図6は、前記EEPROMを有するカートリッジ9と、装置本体11との信号の接続手法の一例を示す説明図である。図6(a)はカートリッジ9が装置本体11に装着される前の状態を示し、図6(b)はカートリッジ9が装置本体11に装着された状態を示す。カートリッジ9の奥側には、メモリ基板23とコネクタ20bとが搭載されている。メモリ基板23上には、データ記憶素子としてのシリアルEEPROM25が実装されている。シリアルEEPROM25用のシリアルバス(図4、図5で示す、シリアルクロックおよびシリアルデータに相当)、アース(図4、図5で示す、GNDに相当)および電源(図4、図5で示す、Vccに相当)の電気接点端子は、カートリッジ9側のコネクタ20bに配線されている。例えば、図6(a)でコネクタ20bの4個の電気接点端子の内GND端子22aはコネクタ20bの突起部21aに配線される。その他の3個の電気接点端子は突起部21aと反対側の平坦部21bに配線される。突起部21aと平坦部21bの詳細は図7で説明する。
コネクタ20bの各電気接点端子は、本体側のコネクタ20aを介して本体11と接続される。コネクタ20a、20bは、いわゆるドロワーコネクタであり、カートリッジ9を本体11に奥まで挿入するとコネクタ20aと20bとが嵌合し、前記コネクタのハウジング内の各端子が相手方の端子と接触する。この状態で、各配線が本体側と接続される。なお、トナーカートリッジ9と現像装置8とが一体になった現像ユニット8cの場合は、現像ユニット8cの奥側にメモリ基板23とコネクタ20bとを搭載すればよい。また、トナーカートリッジまたは現像カートリッジと感光体が一体になったプロセスカートリッジの場合は、プロセスカートリッジ2の奥側にメモリ基板23とコネクタ20bとを搭載すればよい。
【0052】
<識別および誤装着防止に係る第1の実施形態>
カラー画像形成装置に脱着可能な4色のトナーカートリッジ9、または現像カートリッジ8c、またはプロセスカートリッジ2を4色とも同一形状にし、記憶素子の電気的接続のためのコネクタを兼ねた識別部にて各カートリッジの互換性を確保するため、トナーの種類ごとに異なる形状を有し、異なる形状部分に電気接点端子を有する識別部をカートリッジに固定する。上記カートリッジ識別部の内部の不揮発性記憶素子であるEEPROMの4つの電気接点端子のうち、例えばGND端子22aをカートリッジ側コネクタ20bの突起部21aに配置し、カラー画像形成装置の前記カートリッジ内のトナーの色ごとに突起部兼電気接点端子21aを、例えば黄色(Y)のカートリッジは図7(a)に示すように中央部、マゼンタ色(M)のカートリッジは図7(b)のように左端と中央の中間部、シアン色(C)のカートリッジは図7(c)のように右端と中央の中間部、黒色(K)のカートリッジは図7(d)のように右端部に位置させ、突起部21aと反対側の平坦部21bにその他の3個の電気接点端子22b、22c、22dを配置する。図7(a)〜(d)では突起部21aが平坦部21bの上部に位置した例のみ記したが、突起部21aが平坦部21bの下部に位置する構成としても問題はない。これらの色別に異なる突起部形状および電気接点端子位置を有する識別部であるカートリッジ側コネクタ20bが係合する本体側コネクタ20aを、各色のカートリッジが装着される本体の奥側に設置する。図7(c)のカートリッジ側コネクタ20bに嵌合する本体側コネクタ20aの例を、図11に示す。図11の本体側コネクタ20aはメス型のコネクタであり、オス型のコネクタであるカートリッジ側コネクタ20bの電気接点端子22a(GND)、22b(Vcc)、22c(SCL)、22d(SDA)に対応する電気接点端子24a、24b、24c、24dを有する。その他のメス型のコネクタの例は図11から、第1の実施例乃至第4の実施例についても、容易に類推可能であるので、省略する。
【0053】
カートリッジ9を本体11に奥まで挿入すると、色別の嵌め合い部材であるコネクタ20aと装置本体側のコネクタ20bの形状とが同一であれば嵌合する。嵌合しない場合は、カートリッジが最後まで挿入できないことから、カートリッジの色違いまたは偽造されたカートリッジと判断できる。前記カートリッジコネクタ20bのハウジング内の各電気接点端子が相手方である本体装置のコネクタ20aの電気接点端子と接触し、EEPROMの各配線と本体側のインターフェイス回路の各配線とが正常に接続され、不揮発性記憶素子であるEEPROMに記憶された「トナーの種類」、「現像カートリッジの品番」などの識別用データを本体側制御部が読み出す。単に、コネクタに突起部のみ設け、正しく電気接点端子が設定されていない場合は本体側制御部との通信は成立しない。読み出したカートリッジ側不揮発性記憶素子の識別用データと本体制御部に記憶している識別用データを照合して、正しい種類のトナーのカートリッジが装着されたかどうか、また、正規品であるかどうかを判断する。そうでない場合は、トナーの種類が不適合である、または非正規品のカートリッジであることをユーザーに報知し、交換を促す。さらに、カートリッジが使用済みでないかどうかも判断し、使用済みの場合は、使用済みであることをユーザーに報知し、交換を促す。カートリッジが正しいトナーの種類を有し、正規品で、かつ、使用済みでないと判断されれば、本体は印字動作の待機状態となる。
【0054】
このように、非互換性を識別部である不揮発性記憶素子のコネクタの形状(突起部の位置)および突起部による電気的接続、さらに不揮発性記憶素子内の識別用データで担保することにより、カートリッジ形状を各色同一にし、誤って違う色の位置に挿入しても、コネクタの形状が違うことで誤挿入に気づくことができる。また、コネクタの突起部に電気接点端子を設けたので、突起部の除去などによる識別部の第三者による模倣が容易でない。仮に、コネクタの突起部に設ける電気接点端子の模倣ができたとしても、不揮発性記憶素子に識別データを有するため、本体装置の画質低下や故障につながる非正規品トナーの使用を回避できる。カートリッジ側コネクタの突起部に配置するのはGND端子ではなく、他の端子でも問題はない。識別部の嵌め合い部材であるカートリッジ側コネクタ20bの色をトナーの色と同一とすると、識別がさらに容易になる。
【0055】
また、モノクロ画像形成装置のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが共通化可能である機種にても、それらカートリッジを機種共通の形状にし、非互換性は、図7(a)〜(e)に示す上記カートリッジ側の識別部である不揮発性記憶素子のコネクタの突起部の位置および突起部の電気的接続、不揮発性記憶素子内の識別データで担保する。
不揮発性記憶素子としてEEPROMについて記述したが、他の不揮発性記憶素子であるフラッシュメモリ、FRAM等でも電気接点端子を突起部に設けて、同様の事を行うことが可能である。
【0056】
<識別および誤装着防止に係る第2の実施形態>
第1の実施形態における識別部の電気接点端子の配置の、他の例を図8(a)〜(d)に示す。カートリッジ側の不揮発性記憶素子であるEEPROMの4端子のうち、例えばGND端子を識別部であるカートリッジ側コネクタ20bの凹部21cに配置し、カラー画像形成装置の前記カートリッジ内のトナーの色ごとに凹部21cの位置を変更する。例えば黄色(Y)のカートリッジは図8(a)のように右部、マゼンタ色(M)のカートリッジは図8(b)のように左部、シアン色(C)のカートリッジは図8(c)のように下部、黒色(K)のカートリッジは図8(d)のように左部に位置させる。カートリッジ側コネクタの凹部21cに配置するのはGND端子ではなく、他の端子でも問題はない。
また、モノクロ画像形成装置のトナーカートリッジ9、現像カートリッジ8cまたはプロセスカートリッジ2が共通化可能である機種にても、それらカートリッジを機種共通の形状にし、非互換性は、図8(a)〜(d)に示す、識別部であるカートリッジ側の不揮発性記憶素子のコネクタの凹部の位置および凹部による電気的接続、不揮発性記憶素子内の識別データで担保する。
【0057】
<識別および誤装着防止に係る第3の実施形態>
第1の実施形態における識別部の電気接点端子の配置の、他の例を図9(a)〜(d)に示す。カートリッジ側の不揮発性記憶素子であるEEPROMの4端子のうち、例えばGND端子を識別部であるカートリッジ側コネクタ20bの突起部21aに配置し、カラー画像形成装置の前記カートリッジ内のトナーの色ごとに突起部21aの位置を変更する。例えば黄色(Y)のカートリッジは図9(a)のように上部、マゼンタ色(M)のカートリッジは図9(b)のように右部、シアン色(C)のカートリッジは図9(c)のように下部、黒色(K)のカートリッジは図9(d)のように左部に位置させる。カートリッジ側コネクタの突起部に配置するのはGND端子ではなく、他の端子でも問題はない。
また、モノクロ画像形成装置のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが共通化可能である機種にても、それらカートリッジを機種共通の形状にし、非互換性は、図9(a)〜(d)に示す、識別部であるカートリッジ側の不揮発性記憶素子のコネクタの突起部の位置および突起部による電気的接続、不揮発性記憶素子内の識別データで担保する。
【0058】
<識別および誤装着防止に係る第4の実施形態>
第1の実施形態における識別部の電気接点端子の配置の、他の例を図10(a)〜(d)に示す。カートリッジ側の不揮発性記憶素子であるEEPROMの4端子のうち、例えばVcc端子を識別部であるカートリッジ側コネクタの凹部21cに、GND端子をカートリッジ側コネクタの突起部に配置する。カラー画像形成装置の前記カートリッジ内のトナーの色ごとに凹部および突起部21aの位置を変更する。例えば、黄色(Y)のカートリッジは図10(a)のように突起部21aを上部、凹部を右部に、マゼンタ色(M)のカートリッジは図10(b)のように突起部21aを上部、凹部を下部に、シアン色(C)のカートリッジは図10(c)のように突起部21aを上部、凹部を左部に、黒色(K)のカートリッジは図10(d)のように突起部21aを下部、凹部を上部に位置させる。カートリッジ側コネクタの凹部21cに必ずVcc端子を、同様にカートリッジ側コネクタの突起部に必ずGND端子を配置する必要はなく、他の端子でも問題はない。
また、モノクロ画像形成装置のトナーカートリッジ、現像カートリッジまたはプロセスカートリッジが共通化可能である機種にても、それらカートリッジを機種共通の形状にし、非互換性は、図10(a)〜(d)に示す上記カートリッジ側の不揮発性記憶素子のコネクタの突起部および凹部の位置およびその電気的接続、不揮発性記憶素子内の識別データで担保する。
【0059】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図とカートリッジ類の着脱状態の説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に対するカートリッジ類の組み付け対応図である。
【図3】本発明の実施形態に係る現像カートリッジに搭載する不揮発性記憶素子に記憶される内容の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る本体制御部とカートリッジのEEPROMとの電気的な接続を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る本体制御部とカートリッジのEEPROMとの電気的な接続を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るカートリッジ9と装置本体11との信号の接続手法の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る、識別部であるカートリッジ側コネクタの一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係る、識別部であるカートリッジ側コネクタの他の例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係る、識別部であるカートリッジ側コネクタの他の例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係る、識別部であるカートリッジ側コネクタの他の例を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る、本体側コネクタの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 露光装置
4 転写装置
5 定着装置
6 感光体ドラム
7 帯電装置
8 現像装置
8c 現像カートリッジ
9 トナー補給容器
10 除電装置
11 画像形成装置本体
12 加圧ローラ
13 加熱ローラ
14 クリーナ
20a、20b コネクタ
21a 突起部、 21b 平坦部、 21c 凹部
22a、22b、22c、22d 電気接点端子
23 メモリ基板
24a、24b、24c、24d 電気接点端子
25 EEPROM、不揮発性記憶素子
31 本体制御部
33 インターフェイス回路
81 現像剤担持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の本体に装着可能なカートリッジが、
前記本体に設けられた第1嵌合部と対をなす第2嵌合部を有する嵌め合い部材と、他の種類のカートリッジとの識別用のデータを記憶する記憶手段と、前記データを本体側に送るための信号線を本体側に設けられる信号端子と接続するための接続端子とを含んでなる識別部を備え、
第2嵌合部は、カートリッジの種類に応じて異なる形状を有し、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記第1嵌合部と嵌合する形状を有し、
前記接続端子はカートリッジの種類に応じて異なる位置に配置され、かつ、装着されるべき種類のカートリッジに係るもののみが前記信号端子と対応する位置に配置されることを特徴とする画像形成装置用カートリッジ。
【請求項2】
前記識別部は、一体のユニットとして構成され、
前記識別部を除くカートリッジの部材は他の種類のカートリッジと共通の部材である請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジはトナーを収容するトナーカートリッジであり、
前記記憶手段は、トナーの種類を識別するためのデータを記憶する請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジはトナーを収容する第1の収容部および現像剤を収容する第2の収容部を有する現像カートリッジであり、
前記記憶手段は、トナーの種類を識別するためのデータを記憶する請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジはトナーを収容する第1の収容部、現像剤を収容する第2の収容部および感光体を含んでなるプロセスカートリッジであり、
前記記憶手段は、現像剤の種類を識別するためのデータを記憶する請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記記憶手段は、カートリッジに収容されるべきトナーの色およびトナーの材質に応じて異なるデータを記憶する請求項1〜5のいずれか一つに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記嵌め合い部材は、カートリッジに収容されるべきトナーの色に対応する色彩を有する請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記嵌め合い部材は、突起あるいは切り欠きの形状が第1嵌合部と対応し、他の嵌合部と対応しない第2嵌合部を有する請求項1〜7のいずれか一つに記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記記憶部は、記憶されたデータが本体側に送られて本体側に用意された情報と照合され、照合の結果に応じて本体の動作を可能にするために用いられるものである請求項1〜8のいずれか一つに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記信号端子は第1嵌合部上に配置され、前記接続端子は第2嵌合部上に配置される請求項1〜9のいずれか一つに記載のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−210615(P2009−210615A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50516(P2008−50516)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】