説明

画像形成装置

【課題】現像ロールに駆動力を伝達する歯車によって画質が低下することを低減する。
【解決手段】傘歯車68は、モータ72によって回転するモータ歯車74が駆動する駆動歯車76に対し、カップリング78を介して連結されている。傘歯車70Y、70M、70Cは、シャフト86を摺動自在に支持する支持部84Y、84M、84Cによってそれぞれ回転自在に支持されている。シャフト86は、上端部に傘歯車88が配置されており、この傘歯車88の下方に、傘歯車90C、90M、90Yが所定の間隔をおいて順に配置されている。また、シャフト86は、下端がカム機構92によって回転自在に支持され、支持部84Y、84M、84Cによって略垂直に支持されている。カム機構92は、下方に配置されたステッピングモータ94の回転運動を略鉛直方向の往復運動に変換し、シャフト86を略鉛直方向に昇降させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機又はファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
4つの感光体にそれぞれ形成した潜像をY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)のトナーによってそれぞれ現像し、現像したトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置が知られている。
この種の画像形成装置において、フルカラー画像形成時には全ての現像ロールを駆動回転させ、モノクロ画像形成時にはカラー現像器の現像ロールの駆動回転を停止又は減速させるものは公知である(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−006579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つの駆動伝達ギヤの駆動力を3つの現像ロール(C,M,Y)に対して順次に伝達すると、駆動力を伝達するためのギヤ数が多くなり、バンディング及び色ずれなどが生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、現像ロールに駆動力を伝達する歯車によって画質が低下することを低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴とするところは、第1の現像ロールと、第2の現像ロールと、前記第1の現像ロールのみを駆動するか、又は前記第1の現像ロール及び前記第2の現像ロールを駆動するか切り替える切替手段とを有し、前記切替手段は、軸部と、この軸部に設けられ、前記第1の現像ロール及び前記第2の現像ロールのそれぞれに形成された第1の歯車に噛み合う第2の歯車とを有する画像形成装置にある。
【0007】
好適には、前記切替手段は、前記軸部を正逆回転させるモータと、前記第1の歯車及び前記第2の歯車それぞれに対し、前記軸部の一方向の回転のみを伝達するクラッチとを有する。
【0008】
また、好適には、前記切替手段は、前記軸部を軸方向に変位させる変位駆動部を有する。
【0009】
また、好適には、前記切替手段は、前記第1の現像ロールを駆動するカップリングを有する。
【0010】
また、好適には、前記第1の歯車及び前記第2の歯車は、傘歯車である。
【0011】
また、好適には、前記第2の歯車は、前記第1の歯車に対する噛み合い位置を決めるトラッキングロールが設けられている。
【0012】
また、好適には、前記第2の歯車は、前記軸部に対して軸方向に遊びが設けられているとともに、前記第1の歯車に向けて付勢されている。
【0013】
また、好適には、前記第2の現像ロールは、前記軸部を摺動自在に支持する支持部に対する位置決めをするための位置決め部が設けられている。
【0014】
また、好適には、第3の現像ロールと、第4の現像ロールとをさらに有し、前記切替手段は、前記軸部に設けられ、前記第3の現像ロール及び前記第4の現像ロールのそれぞれに形成された第1の歯車に噛み合う第2の歯車をさらに有し、前記第1の現像ロールのみを駆動するか、又は前記第1の現像ロール、前記第2の現像ロール、前記第3の現像ロール及び前記第4の現像ロールを駆動するか切り替える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現像ロールに駆動力を伝達する歯車によって画質が低下することを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概要を示す断面図である。この画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12内に画像形成部14と、画像形成部14に用紙などの記録媒体を供給する記録媒体供給装置54と、電源ユニット16と、画像形成装置10を構成する各部を制御する制御手段として用いられる制御部66とが配設されている。また、画像形成装置本体12の上部に画像形成がなされた記録媒体が排出される記録媒体排出部15が設けられている。
【0017】
画像形成部14は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、現像剤像を担持する像担持体としてのドラム形状の感光体22Y、22M、22C、22Bと、この各感光体22Y、22M、22C、22Bを一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電手段としての帯電装置24Y、24M、24C、24Bと、各感光体22Y、22M、22C、22Bに光により静電潜像を書き込む潜像形成手段としての光書き込み装置26Y、26M、26C、26Bと、各感光体22Y、22M、22C、22Bに書き込まれた潜像を現像剤(トナー)で現像する現像ロール28Y、28M、28C、28Bと、各感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写手段として用いられる転写ユニット42と、転写ユニット42による現像剤像の転写がなされた後に感光体22Y、22M、22C、22Bに残留する廃現像剤を例えば掻き取ってクリーニングするクリーニング装置30Y、30M、30C、30Bとを有する。
【0018】
光書き込み装置26Y、26M、26C、26Bは、それぞれレーザー露光装置からなり、光書き込み装置26Yは感光体22Yにイエロー画像に対応するレーザー光を、光書き込み装置26Mは感光体22Mにマゼンダ画像に対応するレーザー光を、光書き込み装置26Cは感光体22Cにシアン画像に対応するレーザー光を、光書き込み装置26Bは感光体22Bにブラック画像に対応するレーザー光をそれぞれ発し、感光体22Y、22M、22C、22Bに、それぞれ静電潜像を書き込むようになっている。
【0019】
画像形成部14が有する部材のうち感光体22Y、22M、22C、22B、帯電装置24Y、24M、24C、24B、現像ロール28Y、28M、28C、28B及びクリーニング装置30Y、30M、30C、30Bは、交換ユニットとして用いられるプロセスカートリッジ32として一体型され、画像形成装置本体12に対して正面側(図1において左側)から着脱自在に装着される。
【0020】
また、このプロセスカートリッジ32には、現像ロール28Y、28M、28C、28Bに供給される現像剤をそれぞれ収容する交換ユニットとしての現像剤カートリッジ34Y、34M、34C、34Bが画像形成装置本体12に対して側面側から着脱自在に装着されている。
現像剤カートリッジ34Y、34M、34C、34Bには、トナーなどの現像剤を収容する現像剤収容室36Y、36M、36C、36B及び廃現像剤収容室38Y、38M、38C、38Bがそれぞれ内部に形成されている。
【0021】
例えば、現像剤カートリッジ34Yにはイエロートナーが、現像剤カートリッジ34Mにはマゼンダトナーが、現像剤カートリッジ34Cにはシアントナーが、トナーカートリッジ34Bにはブラックトナーが充填(収容)されている。
【0022】
転写ユニット42は、プロセスカートリッジ32の感光体22Y、22M、22C、22Bと当接するように配置されている。この転写ユニット42は、ユニットとして一体化されていて二つの支持ロール44a、44bと、記録媒体又は像を搬送する搬送手段としての搬送ベルト46と、この搬送ベルト46に記録媒体を吸着させる吸着手段としての吸着ロール48と、搬送ベルト46により搬送中の記録媒体に、各感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像をそれぞれ転写する転写ロール50Y、50M、50C、50Bとが装着されてなる。
【0023】
吸着ロール48は、搬送ベルト46を介して支持ロール44aに圧接する状態で設けられ、電源ユニット16から電圧が印加されて搬送ベルト46に静電的に記録媒体を吸着させるようになっている。
【0024】
転写ロール50Y、50M、50C、50Bは、それぞれ転写バイアスが印加されており、感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像を、搬送ベルト46によって搬送中の記録媒体へ順に転写し、記録媒体にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられたカラー現像剤像を形成するようになっている。
【0025】
また、画像形成装置本体12内の上部には、転写ユニット42により記録媒体に転写された現像剤像を記録媒体へと定着する定着装置52が設けられている。定着装置52は、加熱ロール52aと加圧ロール52bとからなり、加熱ロール52aと加圧ロール52bとの間を通過する記録媒体を過熱し加圧することで、記録媒体に現像剤像を定着するようになっている。
【0026】
また、画像形成装置本体12内には、記録媒体供給装置54から供給された記録媒体を記録媒体排出部15まで搬送する搬送路60が設けられていて、この搬送路60に沿って、記録媒体搬送方向上流側から順に、レジストロール62、転写ユニット42、定着装置52及び排出ロール64が配置されている。排出ロール64は、定着装置52から搬送された記録媒体を記録媒体排出部15へと排出する。
【0027】
次に、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の概要について説明する。
図2は、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の実施例(現像ロール28Bのみを駆動する状態)を示す正面図である。現像ロール28Bは、一端に現像ロール歯車としての傘歯車(ベベルギア)68が設けられており、他端が画像形成装置本体12(図示せず)によって回転自在に支持されている。また、現像ロール28Y、28M、28Cは、それぞれ一端に傘歯車(ベベルギア)70Y、70M、70Cが設けられており、他端が画像形成装置本体12(図示せず)によって回転自在に支持されている。なお、傘歯車68は、現像ロール28Bに一体に形成されてもよく、傘歯車70Y、70M、70Cは、現像ロール28Y、28M、28Cにそれぞれ一体に形成されてもよい。
【0028】
傘歯車68は、モータ72によって回転するモータ歯車74が駆動する駆動歯車76に対し、カップリング78を介して連結されている。カップリング78は、駆動歯車76に固定される駆動軸側構成部80と、傘歯車68に固定される被駆動軸構成部82とから構成され、駆動歯車76の回転を傘歯車68に伝達する。
【0029】
傘歯車70Y、70M、70Cは、後述するシャフト86を摺動及び回転自在に支持する支持部84Y、84M、84Cによってそれぞれ回転自在に支持されている。支持部84Y、84M、84Cは、それぞれ図示しない画像形成装置本体12に固定されている。
【0030】
シャフト(軸部)86は、上端部に傘歯車88が配置されており、この傘歯車88の下方に、傘歯車90C、90M、90Yが所定の間隔をおいて順に配置されている。また、シャフト86は、下端がカム機構92によって回転自在に支持され、支持部84Y、84M、84Cによって略垂直に支持されている。カム機構92は、下方に配置されたステッピングモータ94の回転運動を略鉛直方向の往復運動に変換し、シャフト86を略鉛直方向に昇降させる。
【0031】
ステッピングモータ94は、画像形成装置本体12(図示せず)に固定され、制御部66の制御に応じて、傘歯車88、90C、90M、90Yが、傘歯車68、傘歯車70C、70M、70Yに対してそれぞれ噛み合うフルカラー動作モード(図8参照)と、傘歯車68、傘歯車70C、70M、70Yからそれぞれ離れるモノクロ動作モード(図2に示した状態)とを切り替えるように回転する。
【0032】
次に、傘歯車90Y、90M、90C、88について詳述する。
傘歯車90Y、90M、90C、88は、それぞれシャフト86に対する配置のみが異なり、略同様に構成(同様の形状に)されている。そこで、以下、傘歯車90Yについて説明する。
【0033】
図3において、傘歯車90Y及びその周辺の詳細が示されている。
傘歯車90Yは、軸方向に貫通孔95が設けられ、上方に歯が位置するように、貫通孔95に対してシャフト86が貫通しており、シャフト86に対して摺動自在になっている。また、傘歯車90Yは、上部(軸方向一端)にトラッキングロール96が設けられ、下部(軸方向他端)に受け穴98が設けられている。
【0034】
トラッキングロール96は、後述するトラッキングロール110に対して摺接することにより、傘歯車70Yに対する傘歯車90Yの軸方向の位置を決める。受け穴98は、後述する付勢部材108が傘歯車90Yに対して付勢する力を安定して受けることができるように形成された軸方向の穴である。また、受け穴98には、後述するピン106が係合するピン受け穴100が形成されている。
【0035】
傘歯車90Yを貫通するシャフト86には、傘歯車90Yの下方にEリング102が取り付けられ、傘歯車90Yの上方にEリング104が取り付けられ、Eリング102とEリング104との間にピン106が取り付けられている。ピン106は、図4にも示すように、例えばシャフト86に対して直交するように略水平方向に突出し、ピン受け穴100に対して略鉛直方向に遊びをもって係合する。Eリング102と傘歯車90Yとの間には、例えばバネなどの付勢部材108が設けられている。付勢部材108は、シャフト86を取り巻いて、下端がEリング102に当接し、上端が受け穴98に当接している。
【0036】
一方、傘歯車90Yに噛み合う傘歯車70Yには、シャフト86側にトラキングロール110が設けられており、さらにトラッキングロール110のシャフト86側に半球状の突出部112が設けられている。突出部112は、支持部84Yに形成された断面がV字の穴部114に係合することにより、傘歯車70Yの支持部84Yに対する位置を決める。つまり、突出部112は、支持部84Yに対して現像ロール28Yの位置決めをするための位置決め部となっている。トラッキングロール110は、傘歯車70Yの歯と支持部84Yとの距離を突出部112とともに決める。また、トラッキングロール110は、ステッピングモータ94の後述する動作によってトラッキングロール96が摺接した場合に、傘歯車70Yの歯と傘歯車90Yの歯との距離を決めるようにされている。
【0037】
次に、カム機構92及びその周辺について詳述する。
図5乃至図7において、カム機構92及びその周辺の詳細が示されている。
カム機構92は、ステッピングモータ94によって回転する回転部(原動節)116と、この回転部116の回転に応じて昇降する昇降部(従動節)118とを有する。回転部116は、下端がステッピングモータ94の回転部分に固定され、略鉛直に延びる回転軸120と、この回転軸120の上部に配置され、回転軸120に対して直交するように略水平方向に突出する回転ピン122とを有する。
【0038】
昇降部118は、筒状の昇降部本体123を有し、この昇降部本体123の側面に、対向する2つの溝穴124が形成されている。溝穴124は、それぞれ回転ピン122の端部が摺接し、回転ピン122の回転運動を昇降部118の昇降運動(直線運動)に変換するように、昇降部本体123の長手方向に対して互い違いに傾けられた部分を有する長穴である。また、溝穴124は、上端部分及び下端部分がそれぞれ略水平にされ、昇降部118が所定の位置まで変位した場合におけるステッピングモータ94のロックトルクを小さくするようになっている。さらに、昇降部118は、例えば2つの回転止め126が昇降部本体123の側面から突出している。回転止め126は、画像形成装置本体12に設けられた図示しないガイドに沿って上下方向に摺動するようにされており、回転ピン122の回転にともなって昇降部118が回転することを防止するとともに、昇降部118の変位する方向を安定させる。
【0039】
昇降部118の上面には、シャフト86の下端近傍の軸径を小さくされた部分である貫通部128を回転自在に支持する穴部130が設けられている。シャフト86は、貫通部128よりも上方の部分及び下方の部分の直径が穴部130の直径よりも大きくなっているので、昇降部118の昇降に応じて昇降する。また、シャフト86は、穴部130に対して軸方向に遊びが設けられてもよい。
【0040】
したがって、回転部116が回転することにより昇降部118が上昇すると、図8に示すように、傘歯車88、90C、90M、90Yは、それぞれ位置決めされて傘歯車68、70C、70M、70Yに噛み合い、傘歯車68は、駆動歯車76を介して伝達されるモータ72の駆動力を傘歯車88に伝達する。ここで、傘歯車88は、トラッキングロール96が傘歯車68のカップリング78側に設けられたトラッキングロールに摺接して位置決めされてもよいし、カップリング78によって位置決めされてもよい。
【0041】
傘歯車88は、傘歯車90C、90M、90Yに対し、傘歯車68から伝達された駆動力をシャフト86を介して伝達する。つまり、回転部116が回転することにより昇降部118が上昇すると、モータ72の駆動力を伝達して傘歯車68、70C、70M、70Yを駆動することができ、現像ロール28B、28C、28M、28Yを回転させることができる。
【0042】
次に、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の変形例について説明する。
図9は、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の第1の変形例(現像ロール28Bのみを駆動する状態)を示す正面図である。
なお、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の第1の変形例において、図2に示した実施例を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
【0043】
駆動歯車132は、一端に平歯部134を、他端に傘歯部136を有し、画像形成装置本体12(図示せず)によって回転自在に支持されている。平歯部134は、モータ72によって回転するモータ歯車74により駆動される。傘歯部136は、平歯部134が受けた駆動力を後述する傘歯車138又は傘歯車140に伝達する。
現像ロール28Bは、一端に現像ロール歯車としての傘歯車68が設けられており、両端が画像形成装置本体12(図示せず)によって回転自在に支持されている。また、現像ロール28Bは、傘歯車70Yなどと同様に、画像形成装置本体12に固定された支持部によってシャフト137側の一端が回転自在に支持されてもよい。
【0044】
シャフト137は、上端部に傘歯車138が配置されており、この傘歯車138の下方に、傘歯車140、90C、90M、90Yが所定の間隔をおいて順に配置されている。傘歯車138及び傘歯車140は、傘歯車90Yなどと実質的に同じ構成をとり、傘歯車90Yと同様にピン受け穴100とピン106とが係合するようになっている。ただし、傘歯車138は、シャフト137に対して下方に歯が位置するように設けられ、傘歯車140は、シャフト137に対して上方に歯が位置するように設けられている。
なお、傘歯車138は、ピン受け穴100にピン106が係合することなく、シャフト137に対して回転自在に設けられてもよい。
【0045】
また、シャフト137は、下端がソレノイド142によって略鉛直方向に昇降されるとともに回転自在に支持され、支持部84Y、84M、84Cによって略垂直に摺動及び回転自在に支持されている。ソレノイド142は、制御部66の制御に応じて、傘歯車138が傘歯車68に噛み合うモノクロ動作モード(図9に示した状態)と、傘歯車140、90C、90M、90Yが傘歯車68、傘歯車70C、70M、70Yに対してそれぞれ噛み合うフルカラー動作モード(図10に示した状態)とを切り替えるように、シャフト137を略鉛直方向に昇降させる。
したがって、モノクロ動作モードにおいては、モータ72の駆動力が傘歯部136、138、68を介して現像ロール28Bに伝達される。フルカラー動作モードにおいては、モータ72の駆動力が136、140、68を介して現像ロール28Bに伝達され、傘歯部136、140及びシャフト137などを介して現像ロール28C、28M、28Yに伝達される。
なお、傘歯車138及び傘歯車140は、それぞれトラッキングロール96が傘歯部136及び傘歯車68のトラッキングロール110に摺接することによって位置決めされる。
【0046】
図11は、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の第2の変形例を示す正面図である。
なお、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを駆動する機構の第2の変形例において、図2に示した実施例を構成する部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある。
【0047】
モータ144は、制御部66の制御に応じて正逆回転し、モータ歯車146及び駆動歯車148を介してシャフト(軸部)150を正逆回転させる。シャフト150は、支持部84B、84Y、84M、84Cによって回転自在に支持され、反駆動歯車148側が軸受け152によって回転自在に支持されている。なお、支持部84Bは、支持部84Y、84M及び84Cと略同じ構成になっており、現像ロール28Bの一端に設けられた傘歯車68を回転自在に支持する。
【0048】
また、シャフト150は、上方から順に所定の間隔で配置された傘歯車154、156B、156C、156M、156Yを貫通している。傘歯車154は、歯が下方に位置し、傘歯車68に噛み合うようにされており、クラッチ158を介して受け入れたシャフト150の駆動力を傘歯車68に対して伝達する。クラッチ158は、ワンウェイクラッチであり、例えばモータ144が正回転した場合にシャフト150の回転駆動力を傘歯車154に対して伝達し、モータ144が逆回転した場合には傘歯車154をシャフト150に対して空回りさせる。
【0049】
傘歯車156B、156C、156M、156Yは、それぞれ歯が上方に位置し、傘歯車68、70C、70M、70Yにそれぞれ噛み合うようにされており、クラッチ160を介して受け入れたシャフト150の駆動力をそれぞれ伝達する。クラッチ160は、ワンウェイクラッチであり、例えばモータ144が逆回転した場合にシャフト150の回転駆動力を傘歯車156B、156C、156M、156Yに対してそれぞれ伝達し、モータ144が正回転した場合には傘歯車156B、156C、156M、156Yをシャフト150に対してそれぞれ空回りさせる。
【0050】
つまり、モノクロ動作モードにおいては、モータ144の駆動力が傘歯部154、68を介して現像ロール28Bに伝達され、傘歯車156Bがシャフト150に対して空回りする。また、フルカラー動作モードにおいては、モータ144の駆動力が傘歯車156B、156C、156M、156Yを介して現像ロール28B、28C、28M、28Yにそれぞれ伝達され、傘歯車154がシャフト150に対して空回りする。
【0051】
以上説明したように、現像ロール28Y、28M、28C、28Bを回転させるための歯車数(噛み合い数)を少なくすることにより、歯車それぞれの噛み合い周波数及び回転の差によって画像に生じるバンディング及び色ずれなどを低減することができ、歯車の噛み合いによって生じる騒音も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概要を示す断面図である。
【図2】現像ロールを駆動する機構の実施例(1つの現像ロールのみを駆動する状態)を示す正面図である。
【図3】シャフトに設けられた傘歯車及びその周辺の詳細を示す断面図である。
【図4】シャフトに設けられた傘歯車を下方から見た平面図である。
【図5】カム機構及びその周辺の詳細を示す斜視図であって、(A)はカム機構及びその周辺の外観を示す斜視図であり、(B)は昇降部を取り除いた状態を示す斜視図である。
【図6】カム機構及びその周辺の詳細を示す図であって、(A)は昇降部が下降した状態の正面図であり、(B)は昇降部が下降した状態の断面図である。
【図7】カム機構及びその周辺の詳細を示す図であって、(A)は昇降部が上昇した状態の正面図であり、(B)は昇降部が上昇した状態の断面図である。
【図8】現像ロールを駆動する機構の実施例(4つの現像ロールを駆動する状態)を示す正面図である。
【図9】現像ロールを駆動する機構の第1の変形例(1つの現像ロールのみを駆動する状態)を示す正面図である。
【図10】現像ロールを駆動する機構の第1の変形例(4つの現像ロールを駆動する状態)を示す正面図である。
【図11】現像ロールを駆動する機構の第2の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
14 画像形成部
28Y、28M、28C、28B 現像ロール
66 制御部
68、70Y、70M、70C 傘歯車
72、144 モータ
74、146 モータ歯車
76、148 駆動歯車
78 カップリング
84Y、84M、84C 支持部
86、150 シャフト
88、90C、90M、90Y 傘歯車
92 カム機構
94 ステッピングモータ
95 貫通孔
96、110 トラッキングロール
98 受け穴
100 ピン受け穴
102、104 Eリング
106 ピン
108 付勢部材
112 突出部
114 穴部
116 回転部
118 昇降部
120 回転軸
122 回転ピン
123 昇降部本体
124 溝穴
126 回転止め
128 貫通部
130 穴部
132 駆動歯車
134 平歯部
136 傘歯部
137 シャフト
138、140 傘歯車
142 ソレノイド
152 軸受け
154、156B、156C、156M、156Y 傘歯車
158、160 クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の現像ロールと、第2の現像ロールと、前記第1の現像ロールのみを駆動するか、又は前記第1の現像ロール及び前記第2の現像ロールを駆動するか切り替える切替手段とを有し、前記切替手段は、軸部と、この軸部に設けられ、前記第1の現像ロール及び前記第2の現像ロールのそれぞれに形成された第1の歯車に噛み合う第2の歯車とを有する画像形成装置。
【請求項2】
前記切替手段は、前記軸部を正逆回転させるモータと、前記第1の歯車及び前記第2の歯車それぞれに対し、前記軸部の一方向の回転のみを伝達するクラッチとを有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記軸部を軸方向に変位させる変位駆動部を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記切替手段は、前記第1の現像ロールを駆動するカップリングを有する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の歯車及び前記第2の歯車は、傘歯車である請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の歯車は、前記第1の歯車に対する噛み合い位置を決めるトラッキングロールが設けられている請求項3乃至5いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2の歯車は、前記軸部に対して軸方向に遊びが設けられているとともに、前記第1の歯車に向けて付勢されている請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2の現像ロールは、前記軸部を摺動自在に支持する支持部に対する位置決めをするための位置決め部が設けられている請求項3乃至7いずれか記載の画像形成装置。
【請求項9】
第3の現像ロールと、第4の現像ロールとをさらに有し、前記切替手段は、前記軸部に設けられ、前記第3の現像ロール及び前記第4の現像ロールのそれぞれに形成された第1の歯車に噛み合う第2の歯車をさらに有し、前記第1の現像ロールのみを駆動するか、又は前記第1の現像ロール、前記第2の現像ロール、前記第3の現像ロール及び前記第4の現像ロールを駆動するか切り替える請求項1乃至8いずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−90107(P2008−90107A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272580(P2006−272580)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】