説明

画像形成装置

【課題】新たな駆動源を備えることなく、画像読取部と画像形成部との間の画像形成装置筐体内に設けられた排出トレイの記録紙を揃える。
【解決手段】画像形成装置10は、画像読取装置と画像形成部とが分離されて、画像形成装置10の上部に画像読取装置を配置して、画像読取装置と画像形成部との間の空間に記録紙を排出する排出トレイTが形成されている。駆動部100は、スキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部から構成され、スキャナ駆動部はCCDモジュール12Gをスライドさせ、規制ガイド駆動部は排出トレイT上に積載された記録紙の幅方向を揃える左規制ガイド120及び右規制ガイド130を移動させる。CCDモジュール12G並びに左規制ガイド120及び右規制ガイド130は、1つのスキャナ駆動用モータ102で作動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関し、特に、画像読取部と画像形成部との間の画像形成装置の筐体内に記録媒体の排出部空間を設けた胴内排出型の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナー像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ機又はこれらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置では、通常、露光プロセスにて感光体のような像担持体上に静電潜像を形成し、現像プロセスにて静電潜像を現像して可視トナー像を形成し、転写プロセスにて可視トナー像を記録紙等の記録媒体に転写し、或いは一旦中間転写ベルト等の中間転写体に1次転写し中間転写体から記録媒体に2次転写し、定着プロセスにてこのように記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体(以下、記録紙と記載する)に定着させることができる。
【0003】
定着プロセスにおいて、記録紙上に形成された未定着トナー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法として加熱定着法が広く用いられている。加熱定着法においては、一般的に、記録紙上の未定着トナー像が接する側の加熱ローラと、その加熱ローラとの間に記録紙を挟んで搬送する加圧ローラとを備え、加熱ローラを所定の温度に制御することにより、それらのローラの間を通過した記録紙上に定着トナー像が形成される。このようにしてトナー像が形成された記録紙は、画像形成装置の排出トレイ等に排出される。
【0004】
画像読取部(以下、スキャナと記載する場合がある)を備えた画像形成装置においては、画像形成装置の上部位置にスキャナを配置しているものが多い。このような画像形成装置においては、画像形成装置上部にスキャナがあるため、画像形成された記録紙を排出する排出トレイを画像形成装置の上面に設けることができない。このため、画像形成装置の側面に排出トレイを設けてそこに複写された記録紙又は受信内容を記録した記録紙を排出するか、又は、スキャナと画像形成部とを分離して配置して両者の間に記録紙排出空間を形成することにより、排出トレイを画像形成装置の側面に突出させないようにして占有面積を減少させた胴内排紙型の画像形成装置がある。
【0005】
近年のディジタル方式で画像を形成する画像形成においては、このような胴内排紙型のものが普及している。この画像読取部と画像形成部との間に排紙空間を設けた胴内排紙型の画像形成装置は、排出トレイを画像形成装置側面に張り出したウィング型に比べて、省スペースの点で優れているが、内部に記録紙が排出されるため、排出された記録紙をユーザが視認しにくく、また排出された記録紙をユーザが取り出しにくいといった問題があった。特に、排出された用紙が小さいときはこのような問題が顕著であった。また、ファクシミリ装置の場合には、ユーザが受信した用紙が排出されていることに気付かないというおそれもあった。
【0006】
このような問題に対して、特開2005−306580号公報(特許文献1)は、上部に画像読取部が配置された画像形成装置であって、画像読取部の下方に設けられ、転写材が排出される胴内排出部と、胴内排出部に排出された転写材を手前側に配置可能な転写材移動機構とを備え、胴内排出部は、排出された転写材が積載される平面状の積載部を有し、転写材移動機構は、積載部に積載された転写材に奥側から当接可能なスライド板と、スライド板を前後方向に移動させるための駆動部とを有している画像形成装置を開示する。
【0007】
この画像形成装置によると、転写材移動機構の駆動部によりスライド板が前後方向に移動されて、胴内排出部に排出された転写材は手前側に配置されるため、上方に画像読取部が配置されていても、見易く、取り出し易くなる。
【0008】
【特許文献1】特開2005−306580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような胴内排出型の画像形成装置において排出トレイ上の小さい記録紙を取出す場合に、排出トレイの奥側の記録紙を手探りの状態で取り出すことになる。このような場合において、排出された記録紙が揃っていない場合には、記録紙を取り忘れる可能性がある。特許文献1に開示された画像形成装置はスライド板で小さな記録紙も手前側まで移動させるので、このような問題を解決できる可能性が高い。
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された画像形成装置においては、排出トレイに積載された記録紙を手前側に移動させるために、スライド板を駆動する駆動部を備える必要がある。この駆動部は、排出トレイに積載される記録紙の枚数に対応して、排出トレイに積載された記録紙を移動できる出力が必要となり、排出トレイに積載できる記録紙の枚数によっては出力の大きな駆動部を設ける必要がある。このように専用の駆動部、場合によっては大型の駆動部を設けることは画像形成装置のコストアップになることが考えられる。特に、排出トレイに積載された記録紙を手前側に移動させるのではなく、排出トレイ上に積載された記録紙を揃えて取り出しやすくするだけでも取り出し性の向上が図れる場合に、専用の駆動部を設けることは、コスト上許容されない可能性が高い。
【0011】
そこで本発明は、画像形成装置上部に画像読取部を配置し画像読取部の下方に画像形成部を配置し、画像形成部によりトナー像が形成された記録媒体を、画像読取部と画像形成部との間の画像形成装置筐体内に設けられた排出トレイに排出する胴内排出型の画像形成装置であって、画像形成装置のコストアップを抑制して、排出トレイに積載された記録媒体を容易に揃えることができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため本発明は次の画像形成装置を提供する。
画像形成装置上部に画像読取部を配置し画像読取部の下方に画像形成部を配置し、画像形成部によりトナー像が形成された記録媒体を、画像読取部と画像形成部との間の画像形成装置筐体内に設けられた排出トレイに排出する胴内排出型の画像形成装置であって、
画像読取部の走査部を作動させる駆動源により作動される、排出トレイに積載された記録媒体の位置を揃えるガイド機構を備える。
【0013】
この画像形成装置によると、画像読取装置の画像読取部の走査部(CCDモジュール)をスライドさせる駆動源のモータを用いて、排出トレイに排出された記録媒体の幅方向の位置又は通紙方向の位置を揃えることができる。このため、ユーザは、視認しにくく、取り出しにくい記録紙が揃えられているので、容易に取り出すことできるようになる。特に、排出された記録紙を移動させるのではなく、排出トレイに載置された記録紙を揃えるに過ぎないので、画像読取部の走査部を作動させる駆動源のモータが大きな出力を有していない場合であっても、この駆動源を用いて、排出トレイに排出された記録媒体の幅方向の位置又は通紙方向の位置を揃えることができる。
【0014】
ガイド機構は、画像読取部の走査部が読み取り終了側から読み取り開始側へ移動することにより作動されるように構成できる。
【0015】
画像読取部の走査部は原稿の読み取りが終了すると読み取り開始側(原点)に復帰する。このときの動力を用いて、排出トレイに排出された記録媒体の幅方向の位置又は通紙方向の位置を揃えることができるので、消費電力を抑制することができる。
【0016】
ガイド機構は、排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置を揃えるように構成できたり、排出トレイに積載された記録媒体の排出方向に垂直な方向の位置を揃えるように構成できるたり、排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置及び排出方向に垂直な方向の位置を揃えるように構成できたりする。
【0017】
排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置又は/及び排出方向に垂直な方向の位置が揃えられているので、容易に取り出すことできるようになる。また、排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置を揃えるので、記録媒体としての記録紙どうしの通紙方向の摺動や、カールした記録紙が他の記録紙を押し出すことを抑制できる。また、排出トレイに積載された記録媒体の排出方向に垂直な方向の位置を揃えるので、記録媒体としての記録紙のスキューにより記録紙の積載状態が乱れることを抑制できる。
【0018】
画像形成装置は、排出トレイに排出される記録媒体の大きさを取得して、排出される記録媒体の大きさに基づいて、ガイド機構を制御する制御部をさらに備えるように構成できる。
【0019】
排出トレイに積載された記録媒体の大きさに基づいて、ガイド機構の移動量を決定して、排出方向の位置又は/及び排出方向に垂直な方向の位置を揃える。このため、記録媒体の大きさに適して、排出トレイに積載された記録媒体の位置を揃えることができ、容易に取り出すことできるようになる。
【0020】
画像形成装置は、排出トレイに排出される記録媒体の枚数を取得して、記録媒体の枚数に対して予め定められた頻度でガイド機構を制御する制御部をさらに備えるように構成できる。
【0021】
多量の記録媒体が排出トレイに積載される場合には、途中でガイド機構を作動させて、効率的かつ大きな駆動力を必要としないで、排出トレイに積載された記録媒体の位置を揃えることができる。
【0022】
画像形成装置は、画像読取部と排出トレイとが一体となって斜め上方に開くことができ、
画像形成装置は、画像読取部と排出トレイとが一体となって斜め上方に開いたことを検出して、ガイド機構を制御する制御部をさらに備えるように構成できる。
【0023】
例えば、記録媒体の搬送路のいずれかで記録媒体が詰まると、画像読取部と排出トレイとが一体となって斜め上方に開いて詰まった記録媒体を取り除くことが行なわれる。この場合において、排出トレイが斜め上方に開いて、排出トレイに積載された記録媒体の積載状態が乱れるが、ガイド機構により整えることができる。
【0024】
画像形成装置は、画像形成装置の操作者からの要求を検出して、ガイド機構を制御する制御部をさらに備えるように構成できる。
【0025】
操作者の判断に基づいて、ガイド機構が作動されて、排出トレイに積載された記録媒体の積載状態の乱れを整えることができる。
【0026】
画像形成装置は、
駆動源から走査部へ動力を伝達する状態及び遮断する状態のいずれかの状態とする第1の動力伝達切換機構と、
駆動源からガイド機構へ動力を伝達する状態及び遮断する状態のいずれかの状態とする第2の動力伝達切換機構とをさらに備え、
制御部は、第1の動力伝達切換機構及び第2の動力伝達切換機構を制御して、ガイド機構を制御するように構成できる。
【0027】
1つの駆動源で走査部とガイド機構とを作動させるにあたり、第1の動力伝達切換機構及び第2の動力伝達切換機構を備えるので、これらの動力伝達切換機構を制御して、走査部とガイド機構とを独立して作動させることが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように本発明に係る画像形成装置によると、画像形成装置上部に画像読取部を配置し画像読取部の下方に画像形成部を配置し、画像形成部によりトナー像が形成された記録媒体を、画像読取部と画像形成部との間の画像形成装置筐体内に設けられた排出トレイに排出する胴内排出型の画像形成装置であって、画像形成装置のコストアップを抑制して、排出トレイに積載された記録媒体を容易に揃えることができる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0030】
[画像形成装置の全体構成]
以下に、本実施の形態に係る画像形成装置10について説明する。図1は本実施の形態に係る画像形成装置10の斜視図を、図1は本実施の形態に係る画像形成装置10において画像形成装置10の上部を開いた状態の斜視図を、図3は本実施の形態に係る画像形成装置10の正面図を、それぞれ示している。
【0031】
この画像形成装置10は、画像読取装置12と画像形成部14とを分離して、画像形成装置10の上部に画像読取装置12を配置して、画像読取装置12と画像形成部14との間の画像形成装置10の筺体内の空間に記録紙を排出する排出トレイTを形成している、いわゆる胴内排紙型の画像形成装置である。この画像形成装置10は、原稿自動搬送装置11と、画像読取装置12と、操作パネルPAと、排出トレイTと、手差しトレイ13(図1は閉じられた状態)と、画像形成部14とを含む。
【0032】
この画像形成装置10は、図2に示すように、画像形成装置10の上部(原稿自動搬送装置11と画像読取装置12と操作パネルPAと排出トレイTとであって、これらをまとめて排出トレイTと記載する場合がある)が、画像形成装置10の奥側の支点を中心にして開く。例えば、記録紙が詰まった場合に、図2に示すように、画像形成装置10の上部を斜めに開いて、詰まった記録紙を取出す。この画像形成装置10には、図1に示すように画像形成装置10の上部が閉じている状態であるのか、図2に示すように画像形成装置10の上部が開いている状態であるのか検出する排出トレイ開閉検出センサが備えられている。
【0033】
この画像形成装置10の最も特徴的な部分は、画像読取装置12における画像読取用のCCDモジュールをスライドさせる駆動源(モータ)を用いて、排出トレイTに積載された記録紙を揃える点である。なお、CCDモジュールは、原稿の画像を光学的に読み取るユニットであって、光源(ランプ)と集光部(レンズ)とCCD素子とを備える。CCDユニットにおいては、ランプを用いて原稿台ガラス上に配置される原稿に投光し、原稿からの反射光を、レンズを介してCCD素子で検出して、そのCCD素子で光信号を電気信号に変換する。
【0034】
原稿自動搬送装置11は開閉可能で、画像読取装置12の原稿載置台であるガラス板上に配置される原稿を覆うカバーを兼ねている。操作パネルPAには、複写画像形成やファクシミリ送信等の指示を行なうスタートキーSW、画像形成枚数等を設定するテンキー等のキー群K等のほか、液晶表示部Dも搭載されている。液晶表示部Dは、ユーザによるキー操作を反映表示したり、ユーザへの指示メニューを表示したり、画像形成を行なう画像形成部14(詳しくは後述する)等からの情報を表示したりする。
【0035】
画像読取装置12は、原稿台ガラス上に静止配置される原稿の画像を光学的に読み取ることができるほか、原稿自動搬送装置11にてその原稿載置トレイ11Aから搬送され、原稿排出トレイ11Bへ排出され、その途中で画像読取装置12の原稿流し撮り用ガラス板に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取ることもできる。
【0036】
画像読取装置12で読み取られた画像のデータは画像形成を行なう画像形成部へ送られ、そこでの画像形成に供されるか、或いはファクシミリ送信に供される。図示省略のコンピュータ等から送信されてくる画像データは、画像形成部へ送られ、そこでの画像形成に供される。
【0037】
画像形成部は、電子写真方式により記録紙上にトナー像を形成するものである。なお、以下の説明では記録媒体は記録紙として、図1、図2及び図3に示す本実施の形態に係る画像形成装置はフルカラー複写が可能な複合機として説明する。図1、図2及び図3に示す画像形成装置は、記録紙の両面に画像を形成することが可能であっても構わない。本発明は、これ以外にもタンデム型のフルカラー画像形成装置であっても、モノクロ画像形成装置であっても、胴内排出型の画像形成装置であればよい。
【0038】
図4は、本実施の形態に係る画像形成装置10の内部の構成を示している。図4の画像形成装置10は、所謂4サイクル型のカラー画像形成装置である。この図4を用いて記録紙に画像を形成する機構(画像形成部14)について説明する。
【0039】
画像形成装置10は、ドラム型感光体1(以下感光体1)を備えており、その周囲に帯電器2、現像装置4、中間転写ベルト6及びクリーニング装置5がこの順序で配置されている。帯電器2と現像装置4の間から感光体1へ画像露光を行なう画像露光装置3が設けられており、その下方に、手差しトレイ13にセットされた記録紙を画像形成部に供給する記録紙供給部9が設けられている。なお、記録紙は、手差しトレイ13にセットされて記録紙供給部9を経て画像形成部14へ供給されるものに限定されず、画像形成装置10に設けられる給紙ユニットから画像形成部14へ供給されるものであっても構わない。
【0040】
感光体1は感光体駆動モータ(図示省略)により図中時計方向に回転駆動される。帯電器2には出力可変の帯電用電源(図示省略)から所定のタイミングで感光体帯電電圧が印加される。
【0041】
現像装置4は現像器ラック40にブラック現像器4K、シアン現像器4C、マゼンタ現像器4M及びイエロー現像器4Yを搭載したものである。現像器ラック40はステッピングモータを含む図示省略の駆動部により図中反時計方向まわりに回転駆動可能である。現像器は90度の等中心角度間隔で、ラック回転方向にブラック現像器4K、シアン現像器4C、マゼンタ現像器4M、イエロー現像器4Yの順序で現像器ラック40に搭載されている。
【0042】
ブラック現像器4KにはブラックトナーカートリッジKCが、シアン現像器4CにはシアントナーカートリッジCCが、マゼンタ現像器4MにはマゼンタトナーカートリッジMCが、イエロー現像器4YにはイエロートナーカートリッジYCがそれぞれ交換可能に搭載されている。各現像器には感光体1上の静電潜像を現像するための現像ローラ(トナー担持体ローラ)41が搭載されている。各現像ローラ41は、例えば表層部が弾性を有するものである。
【0043】
各現像器は、現像ローラ41のほか、現像ローラ41ヘトナーを供給するトナー供給ローラ、トナー供給ローラから供給されるトナーの現像ローラ41上での層厚を規制するトナー規制ブレード等も含んでいる。各現像器は負帯電性トナーを用いて感光体1上の静電潜像を反転現像できる。
【0044】
各現像器は現像器ラック40を回動させることで感光体1上の静電潜像を現像ローラ41で現像する現像位置に配置することができる。現像位置に配置された現像ローラ41は感光体1表面に臨み、出力可変の現像バイアス電源(図示省略)から現像バイアス印加が可能となる。また、現像位置に配置された現像ローラ41は現像ローラ駆動モータ(図示省略)により図中反時計方向に回転駆動可能となる。さらに、図示省略の電源から、トナー供給ローラヘトナー供給バイアスを印加できるようになり、トナー規制ブレードに規制バイアスを印加できるようになる。
【0045】
中間転写ベルト6は駆動ローラ61、これに対向する従動対向ローラ62、感光体1に対向配置された1次転写ローラ63、1次転写ローラ63と共同して中間転写ベルト6を感光体1に当接させるローラ64からなるローラ群に巻き掛けられている。
【0046】
1次転写ローラ63には図示省略の1次転写電源から1次転写電圧を印加できる。駆動ローラ61を図示省略の転写ベルト駆動モータにより図中反時計方向まわりに回転駆動することで中間転写ベルト6を反時計方向回りに回転させることができる。
【0047】
中間転写ベルト6の駆動ローラ61に巻き掛けられた部分に対して2次転写ローラ7が配置されている。2次転写ローラ7は所定のタイミングで中間転写ベルト6に対し接離される。2次転写ローラ7には図示省略の2次転写電源から2次転写電圧を印加できる。
【0048】
中間転写ベルト6の従動対向ローラ62に巻き掛けられた部分に対して2次転写残トナー等を除去清掃するクリーニング装置65が配置されている。このクリーニング装置65には、例えば中間転写ベルト6の2次転写残トナー等を除去するクリーニングブレードが設けられている。
【0049】
2次転写ローラ7の上方には定着装置8が、さらにその下流側には記録紙排出ローラ対R2及び排出トレイTが順次設けられている。定着装置8は、記録紙S上の未定着トナー像が接する側の加熱ローラ81と、その加熱ローラ81との間に記録紙を挟んで搬送する加圧ローラ82とを備える。2次転写ローラ7の下方には記録紙供給部9から供給された記録紙を所定のタイミングで2次転写ローラ7へ搬送する給紙ローラ対R1が配置されている。
【0050】
以上説明した画像形成装置10によると、図1〜図4では図示省略の制御部の指示のもとに4K、4C、4M及び4Yの現像器のうち1又は2以上を用いて記録紙S上にトナー像を形成することができる。4つの現像器を用いてフルカラー画像を形成する例を以下に説明する。
【0051】
先ず、図示省略のラック駆動部により現像器ラック40を回動させてイエロー現像器4Yをその現像ローラ41が感光体1に当接する現像位置に配置するとともに、感光体1を図中時計方向に回転させ、中間転写ベルト6も回転させる。この段階では2次転写ローラ7は中間転写ベルト6から離反させておく。
【0052】
回転する感光体1の表面を帯電用電源から帯電用電圧が印加された帯電器2で一様に所定電位に帯電させ、その帯電域に画像露光装置3からイエロー静電潜像を形成し、潜像を現像器4Yで現像してイエロートナー像を形成する。このイエロートナー像を1次転写電圧が印加された1次転写ローラ63により中間転写ベルト6上に1次転写する。
【0053】
さらに、イエロートナー像の形成の場合と同様にして、マゼンタ現像器4Mを現像位置に配置して感光体1上にマゼンタトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでシアン現像器4Cを現像位置に配置して感光体1上にシアントナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写し、次いでブラック現像器4Kを現像位置に配置して感光体1上にブラックトナー像を形成し、これを中間転写ベルト6上に転写する。各色トナー像の感光体1への形成及び中間転写ベルト6への1次転写はこれらトナー像が重ねて中間転写ベルト6上に転写されるタイミングで行なう。
【0054】
一方、記録紙を記録紙供給部9から給紙ローラ対R1により引き出して供給し、記録紙先端が給紙ローラ対R1の出口側にある図示省略のタイミングセンサに検出されると、給紙ローラ対R1を停止させ、記録紙Sをそこで待機させておく。
【0055】
そして、中間転写ベルト6上の多重トナー像が中間転写ベルト6の回転により2次転写ローラ7へ到達するに先立って2次転写ローラ7を中間転写ベルト6へ接触させ、多重トナー像が2次転写領域に到達するタイミングで記録紙も給紙ローラ対R1で2次転写領域へ送り込む。
【0056】
かくして記録紙Sに多重トナー像が2次転写される。多重トナー像が転写された記録紙Sは定着装置8でそのトナー像が定着され、記録紙排出ローラ対R2にて排出トレイTに排出される。かくしてフルカラー画像が形成された記録紙Sを得ることができる。
【0057】
感光体1上の1次転写残トナー等はクリーニング装置5により除去清掃され、中間転写ベルト6上の2次転写残トナー等はクリーニング装置65により除去清掃される。
【0058】
本実施の形態に係る画像形成装置10においては、排出トレイTに排出された記録紙(トナー像が形成された紙)を、画像読取装置12のCCDモジュールをスライドさせるモータを用いて揃える規制ガイド機構を備える。以下、この規制ガイド機構について詳しく説明する。
【0059】
[規制ガイド機構の構成]
図5は、本実施の形態に係る画像形成装置10におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部(合わせて駆動部100)の構成を示す上面図である。スキャナ駆動部は上述したCCDモジュールをスライドさせ、規制ガイド駆動部は排出トレイT上に積載された記録紙の幅方向を揃える規制ガイドを移動させる。図5に示すように、この画像形成装置10は、CCDモジュール12G並びに左規制ガイド120及び右規制ガイド130を、1つのスキャナ駆動用モータ102で作動させる。
【0060】
CCDモジュール12Gは、リニアスライドユニット12Fに沿って図5における左右方向(原稿読取方向及び原点復帰方向)にスライドする。リニアスライドユニット12Fは保持ユニット12Eを摺動自在に保持している。保持ユニット12EはCCDモジュール12Gを保持している。保持ユニット12Eに保持されたCCDモジュール12Gは、タイミングベルト12Cを介してスキャナ駆動用モータ102から与えられる駆動力により、リニアスライドユニット12Fに沿ってスライドする。タイミングベルト12Cは、駆動側プーリ12Bと従動側プーリ12Dとに巻き掛けられている。駆動側プーリ12Bはその回転軸を一致させたギヤ12Aとともに回転する。ギヤ12Aは、スキャナ用電磁クラッチ104(このスキャナ用電磁クラッチ104には電磁クラッチにより回転したり解放されたりするギヤを含む)を介してスキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aに噛合している。
【0061】
左規制ガイド120及び右規制ガイド130は、ラック120A及びラック130Aに沿って図5における左右方向に移動する。左規制ガイド120は、ラック120A及びそのラック120Aに直交する左規制ガイドバー120Bから構成される。右規制ガイド130は、ラック130A及びそのラック130Aに直交する右規制ガイドバー130Bから構成される。ラック120Aのギヤは図5における下方に、ラック130Aのギヤは図5における上方に向いている(互いに歯を向けている)。ラック120Aとラック130Aとの間には、従動ピニヨンギヤ116が挟まれている。従動ピニヨンギヤ116は、ラック120Aとラック130Aとに噛合している。従動ピニヨンギヤ116はその回転軸を一致させた従動側プーリ114とともに回転する。従動側プーリ114にはベルト112が巻き掛けられ、ベルト112の他端には駆動側プーリ110が設けられている。すなわち、ベルト112は、駆動側プーリ110と従動側プーリ114とに巻き掛けられている。駆動側プーリ110はその回転軸を一致させたギヤ108とともに回転する。ギヤ108は、規制ガイド用電磁クラッチ106(この規制ガイド用電磁クラッチ106には電磁クラッチにより回転したり解放されたりするギヤを含む)を介してスキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aに噛合している。
【0062】
スキャナ用電磁クラッチ104を動力伝達状態として、規制ガイド用電磁クラッチ106を動力遮断状態として、スキャナ駆動用モータ102を回転させると、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、スキャナ用電磁クラッチ104を介してギヤ12Aが回転し、駆動側プーリ12Bが回転し、駆動側プーリ12Bと従動側プーリ12Dとの間に張設されたタイミングベルト12Cが作動して、CCDモジュール12Gをリニアスライドユニット12Fに沿ってスライドさせる。
【0063】
スキャナ用電磁クラッチ104を動力遮断状態として、規制ガイド用電磁クラッチ106を動力伝達状態として、スキャナ駆動用モータ102を回転させると、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してギヤ108が回転し、駆動側プーリ110が回転し、駆動側プーリ110と従動側プーリ114との間に張設されたベルト112が作動して、従動ピニヨンギヤ116が回転する。従動ピニヨンギヤ116が図5における時計方向に回転すると左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに近づくように移動される(図6の矢示A方向)。従動ピニヨンギヤ116が図5における反時計方向に回転すると左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに離れるように移動される(図6の矢示B方向)。
【0064】
スキャナ駆動用モータ102は、例えばモータドライバで制御されるステッピングモータであって、後述する制御部からモータドライバへの作動指令信号に従って、スキャナ駆動用モータ102が所定の回転角だけ所定の方向に回転する。
【0065】
[画像形成装置の制御構成:制御ブロック]
図7に本実施の形態に係る画像形成装置10の制御ブロック図を示す。図7に示すように、画像形成装置10の制御ブロックは、この画像形成装置10の全体を制御する制御部190と、制御部190の入力ポート(図示せず)に接続された、操作パネルPAのIF(インターフェイス)180、排出トレイ開閉検出センサ170及び記録紙検出センサ172と、制御部190の出力ポート(図示せず)に接続された、スキャナ駆動用モータドライバ102B、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106とを含む。さらに、制御部190の入力ポートを介して、その他の信号が制御部190に入力されるとともに、制御部190の出力ポートを介して、その他の信号が制御部190から出力される。なお、記録紙検出センサ172は、この画像形成装置10において許容されている最小の大きさ(通紙方向の長さが最小の大きさ)の記録紙Sが排出トレイTに排出されたことを1枚ずつ検出できるように配置されている。
【0066】
[画像形成装置の制御構成:フローチャート]
図8〜図11に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御構造を説明する。なお、図8〜図11に示すフローチャートは、図7の制御部190で実行されるプログラムであって、画像形成装置10の複写モード時における、規制ガイド機構の作動制御に関するサブルーチンプログラムの部分を中心に示しており、画像読取処理及び画像形成処理の詳細については示していない。
【0067】
≪通常モード≫
図8に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御構造を説明する。このフローチャートで示される規制ガイド機構の制御モードは通常モードである。
【0068】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、制御部190は、画像形成が開始されたか否かを判定する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、画像形成が開始されたか否かを判定する。画像形成が開始されたと判定されると(S1000にてYES)、処理はS1002へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1000へ戻されて画像形成が開始されるまで待機する。なお、S1000にてNOの場合、この処理を終了させるようにしても構わない。
【0069】
S1002にて、制御部190は、記録紙幅W及び複写枚数Mを取得する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、記録紙のサイズであって通紙方向に垂直な方向の長さである記録紙幅Wと、複写枚数Mとを取得する。
【0070】
S1004にて、制御部190は、取得した複写枚数Mがしきい値M(1)以上であるか否かを判定する。このときのしきい値M(1)は、規制ガイド機構を一旦作動させる必要がある程度の記録紙の枚数を示している。すなわち、しきい値M(1)で示される記録紙が排出トレイTに積載される毎に規制ガイド機構が作動される。このしきい値M(1)は、例えば1回の規制ガイド機構の作動で記録紙の幅方向の位置を揃えることができる枚数が設定される。例えば95枚の複写ジョブであってM(1)=10であれば10枚毎に規制ガイド機構が9回作動することになる。取得した複写枚数M≧しきい値M(1)であると判定されると(S1004にてYES)、処理はS1006へ移される。もしそうでないと(S1004にてNO)、処理はS1018へ移される。
【0071】
S1006にて、制御部190は、変数nに1を代入する。S1008にて、制御部190は、排出トレイTに記録紙Sが排出されたことを例えば記録紙検出センサ172により検出して、排出トレイTに排出された記録紙の枚数(排出記録紙枚数C)をカウントする。
【0072】
S1010にて、制御部190は、排出記録紙枚数CがM(1)×nであるか否かを判定する。排出記録紙枚数C=M(1)×nであると判定されると(S1010にてYES)、処理はS1012へ移される。もしそうでないと(S1010にてNO)、処理はS1008へ戻されて、次の記録紙Sが排出トレイTに排出されると排出記録紙枚数Cを更新する。
【0073】
S1012にて、制御部190は、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。ここで、制御部190は、スキャナ用電磁クラッチ104が動力遮断状態になるように、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力伝達状態になるように、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106に制御信号を送信する。制御部190は、スキャナ駆動用モータドライバ102Bに作動指令信号を送信する。このときの作動指令信号は、記録紙幅Wに基づいて制御部190により生成され、所定の回転角だけ所定の回転方向に回転するようにスキャナ駆動用モータ102を回転させる信号である。スキャナ駆動用モータ102が回転されるので、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してギヤ108が回転し、駆動側プーリ110が回転し、駆動側プーリ110と従動側プーリ114との間に張設されたベルト112が作動して、従動ピニヨンギヤ116が回転する。従動ピニヨンギヤ116が回転すると、左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに近づくように移動されたり、互いに離れるように移動されたりする。
【0074】
S1014にて、制御部190は、排出トレイTに排出された記録紙の枚数である排出記録紙枚数Cが複写枚数Mであるか否かを判定する。排出記録紙枚数C=複写枚数Mと判定されると(S1014にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S1014にてNO)、処理はS1016へ移される。S1016にて、制御部190は、変数nに1を加算する。この処理の後、処理はS1008へ戻される。
【0075】
S1018にて、制御部190は、S1008の処理と同様に、排出トレイTに排出された記録紙の枚数(排出記録紙枚数C)をカウントする。S1020にて、制御部190は、排出記録紙枚数Cが複写枚数Mであるか否かを判定する。排出記録紙枚数C=複写枚数Mであると判定されると(S1020にてYES)、処理はS1022へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、処理はS1018へ戻されて、次の記録紙Sが排出トレイTに排出されると排出記録紙枚数Cを更新する。S1022にて、制御部190は、S1012の処理と同様に、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。
【0076】
≪手動モード≫
図9に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御構造を説明する。このフローチャートで示される規制ガイド機構の制御モードは手動モードである。
【0077】
S1100にて、制御部190は、記録紙Sを揃えるための規制ガイドの作動要求があるか否かを判定する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、規制ガイドの作動要求があるか否かを判定する。例えば、操作パネルPAに設けられた「規制ガイド作動ボタン」をユーザが押すと、規制ガイドの作動要求があると判定される。規制ガイドの作動要求があると判定されると(S1100にてYES)、処理はS1102へ移される。もしそうでないと(S1100にてNO)、処理はS1100へ戻されて規制ガイドの作動要求があるまで待機する。なお、S1100にてNOの場合、この処理を終了させるようにしても構わない。
【0078】
S1102にて、制御部190は、画像読取装置12により原稿台上の原稿の画像を読み取り中であるか否かを判定する。画像読取中であると判定されると(S1102にてYES)、処理はS1102へ戻されて画像読取が終わるまで待機する。もしそうでないと(S1102にてNO)、処理はS1104へ移される。
【0079】
S1104にて、制御部190は、画像形成部14で画像を形成中(現ジョブが継続中)であるか否かを判定する。画像形成中であると判定されると(S1104にてYES)、処理はS1106へ移される。もしそうでないと(S1104にてNO)、処理はS1108へ移される。
【0080】
S1106にて、制御部190は、現ジョブの記録紙幅Wを取得する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、現ジョブの記録紙のサイズであって通紙方向に垂直な方向の長さである記録紙幅Wを取得する。その後、この処理はS1110へ移される。
【0081】
S1108にて、制御部190は、前ジョブの記録紙幅Wを取得する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等を記憶したメモリの内容に基づいて、前ジョブの記録紙のサイズであって通紙方向に垂直な方向の長さである記録紙幅Wを取得する。その後、この処理はS1110へ移される。
【0082】
S1110にて、制御部190は、S1012の処理と同様に、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。
【0083】
≪排出トレイ開モード≫
図10に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御構造を説明する。このフローチャートで示される規制ガイド機構の制御モードは排出トレイ開モードである。
【0084】
S1200にて、制御部190は、排出トレイTの開状態を検出したか否かを判定する。このとき、制御部190は、排出トレイ開閉検出センサ170から入力された信号に基づいて、排出トレイTが開状態であるか否かを判定する。排出トレイTが開状態であると判定されると(S1200にてYES)、処理はS1202へ移される。もしそうでないと(S1200にてNO)、処理はS1200へ戻されて排出トレイTが開状態になるまで待機する。なお、S1200にてNOの場合、この処理を終了させるようにしても構わない。
【0085】
S1202にて、制御部190は、排出トレイTの閉状態を検出したか否かを判定する。すなわち、開かれていた排出トレイTが閉じられたか否かを判定する。このとき、制御部190は、排出トレイ開閉検出センサ170から入力された信号に基づいて、排出トレイTが閉状態であるか否かを判定する。排出トレイTが閉状態であると判定されると(S1202にてYES)、処理はS1204へ移される。もしそうでないと(S1202にてNO)、処理はS1202へ戻されて排出トレイTが閉状態になるまで待機する。
【0086】
S1204にて、制御部190は、画像形成部14で現ジョブが継続中であるか否かを判定する。現ジョブが継続中(画像形成中)であると判定されると(S1204にてYES)、処理はS1206へ移される。もしそうでないと(S1204にてNO)、この処理は終了する。
【0087】
S1206にて、制御部190は、現ジョブの記録紙幅Wを取得する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、現ジョブの記録紙のサイズであって通紙方向に垂直な方向の長さである幅Wを取得する。
【0088】
S1208にて、制御部190は、S1012の処理と同様に、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。
【0089】
≪原点復帰モード≫
図11に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の制御構造を説明する。このフローチャートで示される規制ガイド機構の制御モードは原点復帰モードである。なお、原稿の枚数は1枚であっても構わない。この場合、複写枚数は規制ガイドで記録紙を揃える必要がある枚数が好ましい。より詳しくは、原稿枚数に複写枚数(1原稿あたりの複写枚数)を乗算した記録紙の枚数(これが1ジョブで排出トレイTに排出される記録紙の枚数)が、規制ガイドにより記録紙を揃える必要がある枚数程度であることが好ましい。
【0090】
S1300にて、制御部190は、複数枚の原稿に対する複写モードでの画像形成が開始されたか否かを判定する。このとき、制御部190は、例えば原稿自動搬送装置11に複数原稿が載置されたことに基づいて、複数原稿の画像形成が開始されたか否かを判定する。複数原稿の画像形成が開始されたと判定されると(S1300にてYES)、処理はS1302へ移される。もしそうでないと(S1300にてNO)、処理はS1300へ戻されて複数原稿の画像形成が開始されるまで待機する。なお、S1300にてNOの場合、この処理を終了させるようにしても構わない。
【0091】
S1302にて、制御部190は、記録紙幅W及び複写枚数Mを取得する。このとき、制御部190は、操作パネルPAからユーザにより入力された情報等に基づいて、記録紙のサイズであって通紙方向に垂直な方向の長さである記録紙幅Wと、複写枚数Mとを取得する。
【0092】
S1304にて、制御部190は、原稿の画像読み取りを開始する。S1306にて、制御部190は、画像読み取りが終了したか否か(全ての原稿であるP枚の原稿の読み取りを完了したか否か)を判定する。このとき、制御部190は、例えば原稿自動搬送装置11に載置されていた原稿が、載置されていなくなったことに基づいて、画像読み取りが終了したか否かを判定する。画像読み取りが終了したと判定されると(S1306にてYES)、処理はS1308へ移される。もしそうでないと(S1306にてNO)、処理はS1306へ戻されて画像読み取りが終了するまで待機する。
【0093】
S1308にて、制御部190は、スキャナ読取部(CCDモジュール12G)を反原点側で待機させる。すなわち、制御部190は、P枚目の原稿を読取終了したCCDモジュール12Gを原点復帰させないで、反原点側に留め置く。
【0094】
S1310にて、制御部190は、画像形成部14で画像を形成する。S1312にて、制御部190は、画像が形成された記録紙Sを排出トレイTに排出する。S1314にて、制御部190は、排出トレイTに記録紙Sが排出されたことを例えば記録紙検出センサ172により検出して、排出トレイTに排出された記録紙の枚数(排出記録紙枚数C)をカウントする。
【0095】
S1316にて、制御部190は、排出記録紙枚数Cが原稿枚数P×複写枚数Mであるか否かを判定する。排出記録紙枚数C=原稿枚数P×複写枚数Mであると判定されると(S1316にてYES)、処理はS1318へ移される。もしそうでないと(S1316にてNO)、処理はS1310へ戻されて、次の記録紙Sが排出トレイTに排出されると排出記録紙枚数Cを更新する。
【0096】
S1318にて、制御部190は、原点復帰するCCDモジュール12Gの動作に連動させて、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。ここで、制御部190は、スキャナ用電磁クラッチ104が動力伝達状態になるように、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力伝達状態になるように、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106に制御信号を送信する。制御部190は、スキャナ駆動用モータドライバ102Bに作動指令信号を送信する。このときの作動指令信号は、CCDモジュールを反原点位置から原点位置に復帰させるだけの回転角だけ所定の回転方向に回転するようにスキャナ駆動用モータ102を回転させる信号である。スキャナ駆動用モータ102が回転されるので、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、スキャナ用電磁クラッチ104を介してギヤ12Aが回転し、駆動側プーリ12Bが回転し、駆動側プーリ12Bと従動側プーリ12Dとの間に張設されたタイミングベルト12Cが作動して、CCDモジュール12Gをリニアスライドユニット12Fに沿ってスライドされる。一方、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力伝達状態とされているので、スキャナ駆動用モータ102が回転されるので、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してギヤ108が回転し、駆動側プーリ110が回転し、駆動側プーリ110と従動側プーリ114との間に張設されたベルト112が作動して、従動ピニヨンギヤ116が回転する。従動ピニヨンギヤ116が回転すると左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに近づくように移動されたり、互いに離れるように移動されたりする。
【0097】
なお、制御部190は、必要に応じて、スキャナ用電磁クラッチ104が動力遮断状態になるように、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力遮断状態になるように、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106に制御信号を送信する。例えば、CCDモジュール12Gが原点に到達した後でも規制ガイド機構を作動させる必要がある場合には、スキャナ駆動用モータ102を回転させた状態で、スキャナ用電磁クラッチ104が動力遮断状態になるように、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力伝達状態を継続するように、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106に制御信号を送信する。また、CCDモジュール12Gが原点に到達する前に規制ガイド機構を作動させる必要がなくなった場合には、スキャナ駆動用モータ102を回転させた状態で、スキャナ用電磁クラッチ104が動力伝達状態を継続するように、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力遮断状態になるように、スキャナ用電磁クラッチ104及び規制ガイド用電磁クラッチ106に制御信号を送信する。このようにすると、CCDモジュールの原点復帰のタイミングとは関係なく記録紙幅Wに基づいて規制ガイド機構を作動させることができる。この点で、S1012における処理と同様に、記録紙幅Wに基づいて規制ガイドを作動させることができることになる。
【0098】
[規制ガイド機構の制御動作]
以上のような構造及びフローチャートに基づく、本実施の形態に係る画像形成装置10の規制ガイド機構の動作について説明する。
【0099】
≪通常モード≫
例えば、原稿自動搬送装置11をカバーとして使用する場合には、原稿自動搬送装置11を開放し、画像読取装置12上面の原稿台ガラス上に原稿を載置する。原稿自動搬送装置11(画像読取装置12の原稿載置台であるガラス板上に配置される原稿を覆うカバーでもある)を閉めた後、操作パネルPAにより記録紙サイズ、複写枚数等を指定しスタートキーSWを押し下げする(S1000にてYES)。上述した規制ガイド機構の制御とは別に、画像読取装置12であるスキャナによる原稿の読み取りが開始される。
【0100】
このとき、制御部190により、スキャナ用電磁クラッチ104が動力伝達状態とされて、規制ガイド用電磁クラッチ106が動力遮断状態とされて、スキャナ駆動用モータ102を回転される。スキャナ駆動用モータ102を回転するとスキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、スキャナ用電磁クラッチ104を介してギヤ12Aが回転し、駆動側プーリ12Bが回転し、駆動側プーリ12Bと従動側プーリ12Dとの間に張設されたタイミングベルト12Cが作動する。これにより、CCDモジュール12Gがリニアスライドユニット12Fに沿ってスライドされて、読み取られた原稿の画像情報は光電変換によりディジタル化されて画像処理される。
【0101】
その処理された信号に基づいて、画像露光装置3により感光体1上に静電潜像が形成される。その静電潜像はトナー像として顕像化され、記録紙Sに転写される。記録紙S上に転写されたトナー像は定着装置8により定着され、排出トレイT上に排出されるように画像が形成される。
【0102】
このような画像形成とともに、記録紙Sの幅W及び複写枚数Mが取得されて(S1002)、複写枚数Mがしきい値M(1)以上であると(S1004にてYES)、規制ガイド機構の作動が複写途中で必要であると判定される。この場合には、排出トレイTに排出された記録紙の枚数(排出記録紙枚数C)がM(1)になる毎に(S1010にてYES)、規制ガイド機構が作動される(S1012)。
【0103】
一方、複写枚数Mがしきい値M(1)未満であると(S1004にてNO)、規制ガイド機構の作動が複写途中で必要でないと判定される。この場合には、排出トレイTにこの複写ジョブでの全ての記録紙が排出されたときに(S1020にてYES)、規制ガイド機構が作動される(S1022)。
【0104】
このため、多くの記録紙Sが排出トレイ上に積載される場合には、一定の枚数毎に(M(1)毎に)規制ガイド機構を作動させるので、多くの記録紙を一度に揃える必要がなく規制ガイド機構を作動させる動力(スキャナ駆動用モータ102の定格出力)を少なくできる。
【0105】
≪手動モード≫
ユーザが、操作パネルPAに設けられた「規制ガイド作動ボタン」を押すと、規制ガイドの作動要求があると判定されて(S1100にてYES)、画像読取装置12で原稿台上の原稿の画像を読み取り中であるか否かが判定される(S1102)。画像読取中でないと(S1102にてNO)、画像形成中(ジョブ継続中)であるか否かが判定される(S1104)。
【0106】
画像形成中(ジョブ継続中)である場合、すなわち、1つのジョブの途中でユーザが操作パネルPAに設けられた「規制ガイド作動ボタン」を押した場合には(S1104にてYES)、現ジョブの記録紙幅Wが取得され、この現ジョブの記録紙幅Wに基づいて規制ガイド機構が作動される(S1110)。
【0107】
画像形成中(ジョブ継続中)でない場合、すなわち、ジョブとジョブとの切れ目でユーザが操作パネルPAに設けられた「規制ガイド作動ボタン」を押した場合には(S1104にてNO)、前ジョブの記録紙幅Wが取得され、この前ジョブの記録紙幅Wに基づいて規制ガイド機構が作動される(S1110)。
【0108】
ユーザが規制ガイド機構の作動を要求しても、画像読取中においては、規制ガイド機構が作動されないので、規制ガイド機構の作動による振動が画像読取装置12に伝達されることはなく、精度高く画像を読み取ることができる。また、画像読取後においては、ジョブの種類、すなわち規制される記録紙の幅Wに対応させて規制ガイド機構を作動させることができる。
【0109】
≪排出トレイ開モード≫
例えば、画像形成装置10で記録紙Sに画像を形成しているときに(1つのジョブの途中)、記録紙Sが記録紙搬送通路のいずれかで詰まった場合、ユーザが排出トレイTを開く(S1200にてYES)。ユーザが記録紙搬送路のいずれかで詰まった記録紙Sを取り除いてユーザが排出トレイTを閉じると(S1202にてYES)、ジョブ継続中であるので(S1204にてYES)、現ジョブの記録紙幅Wが取得され、この現ジョブの記録紙幅Wに基づいて規制ガイド機構が作動される(S1208)。
【0110】
ユーザが排出トレイTを開くと、図2に示すように排出トレイTが大きく傾くので、排出トレイに載置された記録紙Sがずれてしまうことがある。このような場合であっても、排出トレイTが閉じられた後に規制ガイド機構を作動させて排出トレイに載置された記録紙Sを揃える。なお、排出トレイTが開いている状態で規制ガイド機構を作動させても構わない。
【0111】
≪原点復帰モード≫
例えば、原稿自動搬送装置11を用いて画像読取装置12の原稿台ガラス上に原稿を送り込む場合には、原稿載置トレイ11Aに原稿をセットした後、操作パネルPAにより記録紙サイズ、複写枚数等を指定しスタートキーSWを押し下げる(S1300にてYES)。記録紙Sの幅W及び複写枚数Mが取得されて(S1302)、原稿自動搬送装置11にてその原稿載置トレイ11Aから搬送され、原稿排出トレイ11Bへ排出され、その途中で画像読取装置12の原稿流し撮り用ガラス板に沿って移動する原稿の画像を光学的に読み取りが開始される(S1304)。
【0112】
画像読取装置12のスキャナ読取部(CCDモジュール)は、1枚の原稿の読み取りを完了する毎に原点復帰して、次の原稿の読み取りを行なうことを、画像の読み取りが完了するまで繰返す(ただし、後述するように最後の原稿を読取った後は原点復帰しない)。原稿自動搬送装置11に載置されていた原稿が載置されていなくなり、全ての原稿であるP枚の原稿の読み取りを完了すると(S1306にてYES)、スキャナ読取部(CCDモジュール)を反原点側で待機させる(S1308)。
【0113】
記録紙Sに画像が形成され(S1310)、画像が形成された記録紙Sが排出トレイTに排出される(S1312)。排出トレイTに排出された記録紙Sの枚数である排出記録紙枚数Cがカウントされて(S1314)、排出記録紙枚数Cが原稿枚数P×複写枚数Mになると(S1316にてYES)、原点復帰するCCDモジュール12Gの動作に連動させて、記録紙幅Wに基づいて、規制ガイド機構を作動させる。
【0114】
このため、CCDモジュール12Gを原点復帰させるために作動されるスキャナ駆動用モータ102の動力を用いて、規制ガイド機構を作動させて、排出トレイTに載置された記録紙を揃えることができる。
【0115】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、画像読取装置12のスキャナ読取部(CCDモジュール)をスライドさせるスキャナ駆動用モータを用いて、排出トレイに排出された記録紙の幅方向の位置を揃えることができる。このため、ユーザは、視認しにくく、取り出しにくい記録紙が揃えられているので、容易に取り出すことできるようになる。特に、排出された記録紙を移動させるのではなく、排出トレイTに載置された記録紙を揃えるに過ぎないので、駆動用モータに大きな出力を必要としないのでスキャナ駆動用モータを用いることができる。
【0116】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。本実施の形態に係る画像形成装置20は、その基本的な構成(画像読取装置、画像形成部)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10と同じである。そのため、図1〜図4を用いた説明はここでは繰り返さない。
【0117】
上述した第1の実施の形態に係る画像形成装置の規制ガイド機構は記録紙Sの幅方向を揃えるように作動したが、本実施の形態に係る画像形成装置20の規制ガイド機構は記録紙Sの通紙方向を揃えるように作動する点が異なる。以下、この異なる点について詳しく説明する。
【0118】
図12は、上述した図5に対応する図であって、本実施の形態に係る画像形成装置20におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部(合わせて駆動部200)の構成を示す上面図である。スキャナ駆動部は上述したCCDモジュールをスライドさせ、規制ガイド駆動部は排出トレイT上に積載された記録紙の通紙方向を揃える規制ガイドを移動させる。図12に示すように、この画像形成装置20は、CCDモジュール12G並びに前規制ガイド220を、1つのスキャナ駆動用モータ102で作動させる。なお、図5と同じ構成については同じ参照符号を付してある。それらの機能は同じである。従ってそれらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0119】
前規制ガイド220は、ラック220Aに沿って図12における上下方向に移動する。前規制ガイド220は、ラック220A及びそのラック220Aに直交する前規制ガイドバー220Bから構成される。ラック220Aのギヤは図12における左側に向いている。ラック220Aは、従動ピニヨンギヤ210と噛合している。従動ピニヨンギヤ210はその回転軸を一致させた従動側プーリ208とともに回転する。従動側プーリ208にはベルト206が巻き掛けられ、ベルト206の他端には駆動側プーリ204が設けられている。すなわち、ベルト206は、駆動側プーリ204と従動側プーリ208とに巻き掛けられている。駆動側プーリ204はその回転軸を一致させたギヤ202とともに回転する。ギヤ202は、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してスキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aに噛合している。
【0120】
スキャナ用電磁クラッチ104を動力遮断状態として、規制ガイド用電磁クラッチ106を動力伝達状態として、スキャナ駆動用モータ102を回転させると、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してギヤ202が回転し、駆動側プーリ204が回転し、駆動側プーリ204と従動側プーリ208との間に張設されたベルト206が作動して、従動ピニヨンギヤ210が回転する。従動ピニヨンギヤ210が図12における時計方向に回転すると前規制ガイド220が画像形成装置20の手前側に移動される(図13の矢示FR方向)。従動ピニヨンギヤ210が図12における反時計方向に回転すると前規制ガイド220が画像形成装置20の奥側に移動される(図13の矢示BK方向)。
【0121】
なお、図8〜図11に示すフローチャートにおける「記録紙幅W」を、「記録紙長さL」に変更することにより、本実施の形態に係る画像形成装置20にこれらのフローチャートを適用することできる。
【0122】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、画像読取装置12のスキャナ読取部(CCDモジュール)をスライドさせるスキャナ駆動用モータを用いて、排出トレイに排出された記録紙の通紙方向の位置を揃えることができる。
【0123】
なお、上述した第2の実施の形態においては、前規制ガイドのみを有していたが、後規制ガイドを有しても構わない。
【0124】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。本実施の形態に係る画像形成装置30は、その基本的な構成(画像読取装置、画像形成部)は、第1の実施の形態に係る画像形成装置10と同じである。そのため、図1〜図4を用いた説明はここでは繰り返さない。
【0125】
上述した第1の実施の形態に係る画像形成装置の規制ガイド機構は記録紙Sの幅方向を揃えるように作動し、第2の実施の形態に係る画像形成装置の規制ガイド機構は記録紙Sの通紙方向を揃えるように作動したが、本実施の形態に係る画像形成装置30の規制ガイド機構は記録紙Sの幅方向及び記録紙Sの通紙方向を揃えるように作動する点が異なる。以下、この異なる点について詳しく説明する。
【0126】
図14は、上述した図5又は図12に対応する図であって、本実施の形態に係る画像形成装置30におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部(合わせて駆動部300)の構成を示す上面図である。スキャナ駆動部は上述したCCDモジュールをスライドさせ、規制ガイド駆動部は排出トレイT上に積載された記録紙の幅方向及び通紙方向を揃える規制ガイドを移動させる。図14に示すように、この画像形成装置30は、CCDモジュール12G、並びに、左規制ガイド120、右規制ガイド130及び前規制ガイド220を、1つのスキャナ駆動用モータ102で作動させる。なお、図5又は図12と同じ構成については同じ参照符号を付してある。それらの機能は同じである。従ってそれらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
【0127】
規制ガイド用電磁クラッチ106に噛合するギヤ108には、その回転軸を一致させた駆動側プーリ110及び駆動側プーリ302が設けられている。例えば、ギヤ108、駆動側プーリ110、駆動側プーリ302の順で下側から上側に積層されている(2段プーリを形成している)。
【0128】
前規制ガイド220は、ラック220Aに沿って図14における上下方向に移動する。前規制ガイド220は、ラック220A及びそのラック220Aに直交する前規制ガイドバー220Bから構成される。ラック220Aのギヤは図14における左側に向いている。ラック220Aは、従動ピニヨンギヤ210と噛合している。従動ピニヨンギヤ210はその回転軸を一致させた従動側プーリ306とともに回転する。従動側プーリ306にはベルト304が巻き掛けられ、ベルト304の他端には駆動側プーリ302が設けられている。すなわち、ベルト304は、駆動側プーリ302と従動側プーリ306とに巻き掛けられている。駆動側プーリ302はその回転軸を一致させたギヤ108とともに(さらに駆動側プーリ110とともに)回転する。ギヤ108は、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してスキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aに噛合している。
【0129】
スキャナ用電磁クラッチ104を動力遮断状態として、規制ガイド用電磁クラッチ106を動力伝達状態として、スキャナ駆動用モータ102を回転させると、スキャナ駆動用モータ102の回転軸に設けられたモータ駆動ギヤ102Aが回転して、規制ガイド用電磁クラッチ106を介してギヤ108が回転し、駆動側プーリ110及び駆動側プーリ302が回転し、駆動側プーリ110と従動側プーリ114との間に張設されたベルト112及び駆動側プーリ302と従動側プーリ306との間に張設されたベルト304が作動して、従動ピニヨンギヤ116及び従動ピニヨンギヤ210が回転する。
【0130】
従動ピニヨンギヤ116が図14における時計方向に回転すると左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに近づくように移動される(図6の矢示A方向)。従動ピニヨンギヤ116が図14における反時計方向に回転すると左規制ガイド120と右規制ガイド130とが互いに離れるように移動される(図6の矢示B方向)。
【0131】
従動ピニヨンギヤ210が図14における時計方向に回転すると前規制ガイド220が画像形成装置30の手前側に移動される(図13の矢示FR方向)。従動ピニヨンギヤ210が図14における反時計方向に回転すると前規制ガイド220が画像形成装置30の奥側に移動される(図13の矢示BK方向)。
【0132】
なお、図8〜図11に示すフローチャートにおける「記録紙幅W」を、「記録紙幅W及び記録紙長さL」に変更することにより、本実施の形態に係る画像形成装置30にこれらのフローチャートを適用することできる。
【0133】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像形成装置によると、画像読取装置12のスキャナ読取部(CCDモジュール)をスライドさせるスキャナ駆動用モータを用いて、排出トレイに排出された記録紙の幅方向の位置及び通紙方向の位置を揃えることができる。
【0134】
なお、上述した実施の形態において、スキャナ駆動部と規制ガイド駆動部とが同時に作動する場合において、CCDモジュール12Gのスライド方向と、規制ガイドバーの移動方向とが合致しない場合には、中間ギヤを挿入すること、ベルトをクロスさせること等により、方向を合致させることが可能である。
【0135】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成の概要を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置において装置上部を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成の概要を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部の構成を示す上面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の排出トレイ近傍の正面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【図8】図7の制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(通常モード)である。
【図9】図7の制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(手動モード)である。
【図10】図7の制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(排出トレイ開モード)である。
【図11】図7の制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(原点復帰モード)である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部の構成を示す上面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の排出トレイ近傍の側面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置におけるスキャナ駆動部及び規制ガイド駆動部の構成を示す上面図である。
【符号の説明】
【0137】
1 感光体
2 帯電器
3 画像露光装置
4 現像装置
5、65 クリーニング装置
6 中間転写ベルト
8 定着装置
10、20、30 画像形成装置
11 原稿自動搬送装置
12 画像読取装置
13 手差しトレイ
14 画像形成部
100、200、300 駆動部
102 スキャナ駆動用モータ
104 スキャナ用電磁クラッチ
106 規制ガイド用電磁クラッチ
120 左規制ガイド
130 右規制ガイド
170 排出トレイ開閉センサ
172 記録紙検出センサ
190 制御部
220 前規制ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置上部に画像読取部を配置し前記画像読取部の下方に画像形成部を配置し、前記画像形成部によりトナー像が形成された記録媒体を、前記画像読取部と前記画像形成部との間の画像形成装置筐体内に設けられた排出トレイに排出する胴内排出型の画像形成装置であって、
前記画像読取部の走査部を作動させる駆動源により作動される、前記排出トレイに積載された記録媒体の位置を揃えるガイド機構を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド機構は、前記画像読取部の走査部が読み取り終了側から読み取り開始側へ移動することにより作動される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ガイド機構は、前記排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置を揃える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ガイド機構は、前記排出トレイに積載された記録媒体の排出方向に垂直な方向の位置を揃える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ガイド機構は、前記排出トレイに積載された記録媒体の排出方向の位置及び排出方向に垂直な方向の位置を揃える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記排出トレイに排出される記録媒体の大きさを取得して、前記排出される記録媒体の大きさに基づいて、前記ガイド機構を制御する制御部をさらに備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、前記排出トレイに排出される記録媒体の枚数を取得して、前記記録媒体の枚数に対して予め定められた頻度で前記ガイド機構を制御する制御部をさらに備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記画像読取部と前記排出トレイとが一体となって斜め上方に開くことができ、
前記画像形成装置は、前記画像読取部と前記排出トレイとが一体となって斜め上方に開いたことを検出して、前記ガイド機構を制御する制御部をさらに備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記画像形成装置の操作者からの要求を検出して、前記ガイド機構を制御する制御部をさらに備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置は、
前記駆動源から前記走査部へ動力を伝達する状態及び遮断する状態のいずれかの状態とする第1の動力伝達切換機構と、
前記駆動源から前記ガイド機構へ動力を伝達する状態及び遮断する状態のいずれかの状態とする第2の動力伝達切換機構とをさらに備え、
前記制御部は、前記第1の動力伝達切換機構及び第2の動力伝達切換機構を制御して、前記ガイド機構を制御する請求項6から請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−101928(P2010−101928A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270526(P2008−270526)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】