説明

画像形成装置

【課題】記録媒体の搬送方向について隣り合う二箇所の搬送部材の位置関係にバラツキが生じ得る構成で、この二箇所の搬送部材の間での搬送性を確保することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】二次転写ローラ21と定着装置30との間に配置された二次転写出口ガイド部材210が、二次転写ローラ21に対する位置関係が固定された二次転写玉軸受21aと、定着ローラ301に対する位置関係が固定された定着底面板304とに対して位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、トナー像担持体上から記録媒体上へトナー像を転写する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置では、潜像担持体上で形成したトナー像を潜像担持体から直接、または、中間転写体を介して、転写紙等の記録媒体に転写して、記録媒体上のトナー像を定着装置で定着して画像形成を行う。記録媒体は、画像形成装置が備える搬送部材によって搬送力を付与されて画像形成装置内の搬送経路を搬送される。搬送経路を搬送される記録媒体は、潜像担持体または中間転写体からのトナー像の転写を受ける転写部、定着装置によってトナー像が転写される定着部を通過して、排紙トレイに排出される。このような画像形成装置内での記録媒体の搬送は、搬送経路内の複数箇所に配置されたローラ対などの2つの表面移動体からなる搬送部材によって、搬送方向上流側から下流側へと記録媒体が受け渡されることによって行われる。このような画像形成装置では、記録媒体搬送方向について隣り合う搬送部材の間には、上流側の搬送部材を通過した記録媒体の移動する向きを下流側の搬送部材へガイドするガイド部材が配置されている。
【0003】
また、従来の画像形成装置としては、記録媒体を略水平方向に搬送する横搬送型のものや、略鉛直方向に搬送する縦搬送型のものがある。横搬送型の画像形成装置では、記録媒体搬送方向について隣り合う搬送部材間で記録媒体の受け渡しが行われる際、搬送される記録媒体は、搬送部材間に配置されたガイド部材に沿いやすい。これは、二つの搬送部材の間の記録媒体が通過する位置の下方にあるガイド部材に対して記録媒体が沿うように重力が作用するためである。一方、縦搬送型の画像形成装置では、二つの搬送部材の間の記録媒体が通過する位置の側方にあるガイド部材に対して記録媒体が沿うようには重力が作用しない。このため、縦搬送型の画像形成装置では、横搬送型の画像形成装置に比べて、搬送される記録媒体は、搬送部材間に配置されたガイド部材に沿いにくい。
【0004】
縦搬送型の画像形成装置として特許文献1や特許文献2に記載の画像形成装置がある。これらの公報の画像形成装置では、中間転写体としての中間転写ベルトと二次転写ローラとが対向する転写部に対して、下方にレジストローラが配置され、上方に定着装置が配置されている。そして、このような画像形成装置では、転写部で記録媒体を挾持搬送する中間転写ベルト及び二次転写ローラや、定着装置の定着ニップを形成する定着ローラ、レジストローラ対などが記録媒体に搬送力を付与する搬送部材として機能する。また、転写部の搬送方向上流側には転写入口ガイド部材、転写部の搬送方向下流側には転写出口ガイド部材を備える。
このような画像形成装置では、記録媒体がレジストローラ対から転写部に向かう搬送経路で、レジストローラ対と転写入口ガイド部材との位置関係、または、転写入口ガイド部材と転写部との位置関係が所望の位置関係からずれていると、この搬送経路での搬送性が悪化するおそれがある。記録媒体がレジストローラ対から転写部に向かう搬送経路で搬送性が悪化すると、搬送方向に対して記録媒体の先端が傾き、記録媒体の先端が転写部に斜めに進入するおそれがある。記録媒体の先端が転写部に斜めに進入すると、記録媒体上にトナー像が斜めに転写され、画像平行度の悪化につながる。また、記録媒体が転写部から定着ニップに向かう搬送経路で、転写部と転写出口ガイド部材との位置関係、または、転写出口ガイド部材と定着ニップとの位置関係が所望の位置関係からずれていると、この搬送経路での搬送性が悪化するおそれがある。この搬送経路での搬送性悪化は記録媒体のばたつきとなり、定着通過時、シート状記録媒体のシワの原因となる。
【0005】
このような課題を解決するための構成として、転写部を構成する二次転写ローラを支持し画像形成装置に対して着脱する二次転写ユニットに転写入口ガイド部材や転写出口ガイド部材を固定する構成が考えられる。このような構成であれば、各ガイド部材と二次転写ローラとの間の位置精度を高めることができ、転写入口ガイド部材と転写部との位置関係、及び、転写部と転写出口ガイド部材との位置関係を所望の位置関係に保つことができる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−234906号公報
【特許文献2】特許3981859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、画像形成装置本体に装着した状態での二次転写ユニットの画像形成装置本体の筺体に対する位置が装置によってばらつく場合がある。例えば、画像形成装置の開閉ドアに対して二次転写ユニットを組み付ける構成の場合、組み付け公差の積み重ねによって二次転写ユニットの画像形成装置本体の筺体に対する位置が装置によってばらつくことが起こり得る。ここでの公差としては、開閉ドアに対する二次転写ユニットの公差や、画像形成装置本体の筺体に対する開閉ドアの公差などを挙げることができる。また、近年、二次転写ニップのニップ圧を高圧にする傾向がある。そのニップ圧に起因して画像形成装置を構成する部材が変形しないようにするには、多くの部材についてかなりの強度を確保する必要があるが、コスト高につながるため、ニップ圧による変形は生じたままとなっているのが現状である。このニップ圧による変形も画像形成装置によって変形する部材や変形量にバラツキが生じ得るものであり、二次転写ユニットの画像形成装置本体に対する位置のバラツキの原因となる。また、これらの理由に限らず、二次転写ユニットの画像形成装置本体に対する位置はバラツキが生じ得る。
そして、二次転写ユニットの画像形成装置本体に対する位置にバラツキが生じると、二次転写ユニットの定着装置やレジストローラ対に対する位置にバラツキが生じる。二次転写ユニットのレジストローラ対に対する位置にバラツキが生じると、レジストローラ対と転写入口ガイド部材との位置精度が悪化し、レジストローラ対から転写部に向かう搬送経路での搬送性が悪化するおそれがある。そして、レジストローラ対から転写部に向かう搬送経路での搬送性が悪化すると、上述したように画像平行度の悪化の不具合が生じるおそれがある。また、二次転写ユニットの定着装置に対する位置にバラツキが生じると、転写出口ガイド部材と定着ニップとの位置精度が悪化し、転写部から定着ニップに向かう搬送経路での搬送性が悪化するおそれがある。転写部から定着ニップに向かう搬送経路での搬送性が悪化すると、また、これらの不具合に限らず、記録媒体の搬送性が確保されていない箇所では、紙詰まりの不具合が生じ得る。
【0008】
また、記録媒体の搬送性が確保されていないことに起因する紙詰まりは、レジストローラ対と転写部との間、及び、転写部と定着部との間のみに限って起こるものではない。ガイド部材に対して記録媒体搬送方向上流側と下流側とに搬送部材を備え、二箇所の搬送部材の位置関係にバラツキが生じ得る構成であれば、起こり得る。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、記録媒体の搬送方向について隣り合う二箇所の搬送部材の位置関係にバラツキが生じ得る構成で、この二箇所の搬送部材の間での搬送性を確保することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナー像を担持して無端移動するトナー像担持体と、該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体転写部で記録媒体に転写する記録媒体転写手段と、該記録媒体転写手段によって記録媒体上に転写されたトナー像を定着部で記録媒体に定着する定着手段と、該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置され、所定のタイミングで該記録媒体転写部に向けて記録媒体を搬送するレジスト手段と、記録媒体がその形状に沿って移動することで記録媒体の移動方向をガイドするガイド部材と、該ガイド部材に対して記録媒体搬送方向上流側において記録媒体に搬送力を付与する上流側搬送部材と、該上流側搬送部材を備える上流側搬送装置と、該ガイド部材に対して記録媒体搬送方向下流側において記録媒体に搬送力を付与する下流側搬送部材と、該下流側搬送部材を備える下流側搬送装置とを有する画像形成装置において、上記上流側搬送装置は上記上流側搬送部材と上記ガイド部材との位置決めを行う上流側位置決め部を有し、上記下流側搬送装置は上記下流側搬送部材と上記ガイド部材との位置決めを行う下流側位置決め部を有し、上記ガイド部材は上記上流側位置決め部と上記下流側位置決め部とにより位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置であり、上記上流側搬送部材または上記下流側搬送部材の一方が該記録媒体転写ローラであり、該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側または上流側に配置された上記ガイド部材は、上記記録媒体転写装置を構成する該記録媒体転写ローラの回転軸に対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記定着手段は、上記定着部で対向する表面移動体からなる二つの定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、上記上流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材は、上記定着部材と上記記録媒体転写ローラの回転軸とに対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の画像形成装置において、上記レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対を有し、二つのローラの間に記録媒体を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの少なくとも一方を回転駆動することによって記録媒体に搬送力を付与するレジスト装置であり、上記下流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記上流側搬送部材が該レジストローラ対であり、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材は、上記レジストローラ対と上記記録媒体転写ローラの回転軸とに対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有し、上記上流側搬送部材または上記下流側搬送部材の一方が該トナー像担持体であり、該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側または上流側に配置された上記ガイド部材は、該トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材に対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、上記上流側搬送部材が上記トナー像担持体で、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材は、上記定着部材と、上記トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材と、に対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、上記レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対を有し、二つのローラの間に記録媒体を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの少なくとも一方を回転駆動することによって記録媒体に搬送力を付与するレジスト装置であり、上記下流側搬送部材が上記トナー像担持体で、上記上流側搬送部材が該レジストローラ対であり、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材は、上記レジストローラ対と、上記トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材と、に対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3または4の画像形成装置において、上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置であり、上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、上記上流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、該定着部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての定着入口ガイド部材は、上記記録媒体転写ローラと上記定着部材とに対して位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材と、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材と、上記定着部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての定着入口ガイド部材とを有し、各ガイド部材は、各ガイド部材についての上記上流側位置決め部と、上記下流側位置決め部と、に対してそれぞれ位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に該記録媒体転写部を通過した記録媒体を除電する除電針を有し、上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置で、上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、上記除電針を支持する除電針支持部材は、上記記録媒体転写装置と、上記定着装置と、に対して位置決めされていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、上記上流側搬送部材及び上記下流側搬送部材は、記録媒体に搬送力を付与する際に回転する回転体を備え、上記ガイド部材の記録媒体搬送方向上流側または下流側の何れか一方の端部が、上記回転体の回転軸に対して位置決めされていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記ガイド部材の他方の端部は、上記上流側位置決め部と上記下流側位置決め部との2つの位置決め部のうちの該他方の端部が位置決めされる側の位置決め部に対して弾性体からなる付勢部材による付勢によって位置決めされることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、上記トナー像担持体は、潜像担持体上で形成されたトナー像を転写され、転写されたトナー像を上記記録媒体転写部で記録媒体に転写する中間転写体であることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、上記上流側搬送部材から上記下流側搬送部材に向かう記録媒体の搬送は、記録媒体を鉛直方向上方に搬送する縦搬送であることを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項1の構成を備えた画像形成装置であれば、上流側搬送装置がガイド部材の上流側搬送部材に対する位置決めを行う上流側位置決め部を有し、ガイド部材が上流側位置決め部に対して位置決めされているので、ガイド部材の上流側搬送部材に対する位置を固定することができる。よって、上流側搬送部材からガイド部材への記録媒体の受け渡し時の搬送性を確保することができる。また、下流側搬送装置がガイド部材の下流側搬送部材に対する位置決めを行う下流側位置決め部を有し、ガイド部材が下流側位置決め部に対して位置決めされているので、ガイド部材の下流側搬送部材に対する位置を固定することができる。よって、ガイド部材から下流側搬送部材への記録媒体の受け渡し時の搬送性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
上記請求項1乃至14の発明によれば、上流側搬送部材からガイド部材への搬送性、及び、ガイド部材から下流側搬送部材への搬送性を共に確保することができるので、記録媒体の搬送方向について隣り合う二箇所の搬送部材の間での搬送性を確保することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を、画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
図2は、本実施形態に係るカラー画像形成装置(以下、プリンタ500という)の全体の概略構成図である。プリンタ500は、トナー像担持体として中間転写体である中間転写ベルトを用いたタンデム型中間転写式の電子写真装置であり、本体200と本体200を載せる給紙テーブル31とを備える。
プリンタ500は本体200の中央に複数の張架部材に張架されたトナー担持体である中間転写ベルト10を備え、中間転写ベルト10の下方の張架面に対向するように、潜像担持体としての4つの感光体1(a、b、c、d)が配置されている。
この感光体1(a、b、c、d)の回りには、感光体クリーニングユニット2(a、b、c、d)、 帯電器4(a、b、c、d)、露光装置5(a、b、c、d)、及び、中間転写ベルト10を挟んで対向する一次転写バイアスローラ11(a、b、c、d)などが配置されている。また、感光体クリーニングユニット2(a、b、c、d)は、クリーニング部材としての感光体クリーニングブレード3(a、b、c、d)を備え、感光体クリーニングブレード3(a、b、c、d)を感光体1(a、b、c、d)の表面に当接させて、感光体1(a、b、c、d)をクリーニングする。
現像手段は、イエロー感光体1aに対向するイエロー現像器6,マゼンタ感光体1bに対向するマゼンタ現像器7,シアン感光体1cに対向するシアン現像器8, ブラック感光体1dに対向するブラック現像器9の4個の現像器から構成される。フルカラー画像形成時はイエロー現像器6,マゼンタ現像器7,シアン現像器8, ブラック現像器9の順で可視像を形成し、各色の可視像が中間転写ベルト10に順次重ね転写されることでフルカラー画像が形成される。
【0014】
中間転写ベルト10は、一次転写バイアスローラ11(a、b、c、d)、二次転写対向ローラ12、第一従動ローラ14、第二従動ローラ15、及び、ベルトクリーニング対向ローラ13により張架されている。そして、中間転写ベルト10の駆動ローラを兼ねる二次転写対向ローラ12が図示しない駆動モータによって回転駆動されることにより、中間転写ベルト10が無端移動し、そのプロセス速度(表面移動速度)は150[mm/sec]に調整されている。また、中間転写ベルト10の表面移動方向に直交する方向について中間転写ベルト10の両端側に、図示しない中間転写ベルトユニット側板がそれぞれ配置されており、中間転写ベルト10を張架する各ローラは中間転写ベルトユニット側板によって中間転写ベルトの両側より支持されている。
一次転写バイアスローラ11は感光体1と中間転写ベルト10との接触部に配置されており、一次転写バイアスローラ11には所定の転写バイアスが印加される。本実施形態のプリンタ500では、+1800[V]が印加されるように設定されている。
中間転写ベルト10はPVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10〜1012[Ωcm]、かつ表面抵抗率を10〜1013[Ωcm]の範囲となるよう調整されている。なお、必要に応じ該中間転写ベルト10の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、 PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0015】
中間転写ベルト10の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
中間転写ベルト10の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト10の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における中間転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率は上述の範囲内でなければならない。
なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9[mm]、リング電極内径11[mm])を接続し、中間転写ベルト10の表裏に100[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0016】
ベルトクリーニング対向ローラ13に対して図2中の中間転写ベルト10を挟んで左側には、中間転写ベルト10をクリーニングするベルトクリーニングユニット19が配置されている。
図3は、ベルトクリーニングユニット19周辺の拡大図である。
ベルトクリーニングユニット19には、ウレタンゴムよりなる、クリーニングブレード20が配置されており、クリーニングブレード20を中間転写ベルト10に押し当てて、トナーを堰き止めて清掃する構成となっている。クリーニングブレード20は、ブレードホルダ22により保持される。ブレードホルダ22は、クリーニングブレード20により除去された残留トナーが堆積しないよう、端部がテーパ形状となっている。電圧印加装置103から電圧を印加することによって、ブレードホルダ22に付着した廃トナーを落下させる。本実施形態のプリンタ500では、+1000[V]及び−1000[V]を印加するよう設定されている。
【0017】
また、クリーニングしやすくする為に、固形状の潤滑剤155を潤滑剤塗布部材152によって中間転写ベルト10の表面に塗布する。潤滑剤155には、直鎖状の炭化水素構造を持つ、脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。とりわけその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産され、かつ、多方面での使用実績があることから、コスト、品質安定性、及び、信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物、および遊離脂肪酸を含むものであり、本発明での脂肪酸金属塩もその例外ではない。
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で供給されるのであるが、その具体的な方法としては、ブラシローラなどの潤滑剤塗布部材152によりブロック上に固形成形された潤滑剤155を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常にベルト表面全面に供給することはできない為、簡易な装置構成で、かつ、中間転写ベルト10表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、プリンタ500のように固形状の潤滑剤155を回転するブラシローラからなるで削り取って塗布する方法が良い。
固形状の潤滑剤155を潤滑剤塗布部材152で削り取る為に、スプリングのような弾性体である潤滑剤加圧部材153により、固形潤滑剤を1[N]〜4[N]の力でブラシ状の潤滑剤塗布部材152に圧接する。ここで、ブラシローラ状の潤滑剤塗布部材152の回転軸方向についての潤滑剤155の長さである潤滑剤155の幅は、画像幅よりも広く設定する必要があるため、304[mm]以上とする。また、潤滑剤塗布部材152の回転軸方向についての潤滑剤塗布部材152の長さである潤滑剤塗布部材152の幅は、固形状の潤滑剤155を均一に削り取る為に、潤滑剤155の幅よりも大きくとる必要がある。
【0018】
二次転写対向ローラ12と中間転写ベルト10を挟んで対向する記録媒体転写手段としての二次転写ローラ21はSUS等の金属製芯金上に、導電性材料によって10〜1010[Ω]の抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。ここで、二次転写ローラ21の抵抗値が上述の範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こる為、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、二次転写ローラ21の抵抗値が上述の範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部(例えば三色重ね像)と単色画像部との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ21の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部を転写するには単色画像部に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部を転写できる電圧に設定すると単色画像では転写電流過剰となり転写効率の低減を招く。
なお、二次転写ローラ21の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ21を設置し、芯金両端部に片側4.9[N](両側で合計9.8[N])の荷重を掛けた状態にて、芯金と金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
また、二次転写ローラ21は中間転写ベルト10を挟んで二次転写対向ローラ12を押圧するように、中間転写ベルト10に当接している。そして、中間転写ベルト10が無端移動することによって、中間転写ベルト10の表面に当接する二次転写ローラ21が従動回転する。また、画像形成装置の中には二次転写ローラを独立して駆動させるものもあるが、そのような装置においても本発明は適用可能である。
二次転写は定電流で制御され、本実施形態のプリンタ500ではその設定値を+30[μA]とした。
【0019】
給紙テーブル31の給紙カセット内の記録媒体である転写紙25は、給紙ローラ26、転写紙搬送ローラ27、及び、レジスト手段であるレジストローラ対28によって、中間転写ベルト10表面の4色重ね画像の先端部が、二次転写ローラ21と二次転写対向ローラ12とが中間転写ベルト10を挟んで対向する二次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。転写紙25に転写された4色重ね画像は、上述したように除電手段によって除電された後に定着入口ガイド部材305に沿って定着手段である定着装置30へ搬送され、定着装置30で定着されたあと排紙ローラ32によってプリンタ500の装置外に排紙される。なお、定着装置30は、定着部材としての定着ローラ301と定着対向ローラ302とを備える。
プリンタ500は、レジストローラ対28から二次転写位置まで、及び、二次転写位置から定着装置30までの転写紙25の搬送は、転写紙25を鉛直方向上方に搬送する縦搬送型画像形成装置である。
レジストローラ対28は、対向する二つのローラからなり、2つのローラのうちの一方に駆動を伝達する不図示のレジスト駆動伝達部と2つのローラとでレジスト装置を構成する。プリンタ500ではレジスト装置の二つのローラをプリンタ500本体の筺体を構成する不図示の前面板と後面板とに固定しているが、レジスト装置をレジストユニットとしてプリンタ500本体に対して着脱可能に構成しても良い。
【0020】
なお、本実施例に用いたトナーは重合法によって生成された重合トナーである。更に本実施例に用いるトナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。
図4(a)及び(b)は、トナーの形状を模式的に表した図であり、同図(a)は形状係数SF−1を説明するための説明図であり、同図(b)は形状係数SF−2を説明するための説明図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記(1)式で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記(2)式で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4) ・・・(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0021】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率は高くなる。形状係数SF−1、SF−2のいずれかが180を超えると、転写率が低下するとともに転写手段に付着した場合のクリーニング性も低下するため好ましくない。
また、トナー粒径は体積平均粒径で4〜10[μm]の範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となったり、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなったりする。逆にこれよりも大粒径の場合にはトナー飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。
本実施形態のプリンタ500では、トナー粒径の体積平均粒径6.5[μm]のものを用いた。
【0022】
また、図2の破線で示すように、プリンタ500本体の側面は側面カバー510として開閉となっている。側面カバー510はカバー回動軸510aを中心にプリンタ500本体に対して回動可能となっておる。また、二次転写ローラ21を備える二次転写装置としての二次転写ユニット201は側面カバー510に支持されており、側面カバー510をプリンタ500本体に対して図2中右側に引き出すことにより、図2の破線で示すように、二次転写ユニット201も側面カバー510とともに引き出され、二次転写ユニット201をプリンタ500本体に対して着脱可能となる。また、定着装置30も一つのユニットとしてプリンタ500本体に対して着脱可能となっている。側面カバー510を回動させることで図2中の破線で示すようにプリンタ500本体の右側面の開口部を開放し、二次転写ユニット201を取り出すことによって、プリンタ500本体の右側面の開口部から定着装置30の着脱が可能となる。
【0023】
〔実施例1〕
以下、本発明を二次転写ローラ21と定着ローラ301との間の搬送路に適用した一つ目の実施例(以下、実施例1とよぶ)について説明する。
図5は、実施例1のプリンタ500におけるレジストローラ対28〜定着装置30間の搬送路の説明図である。図5に示すように、レジストローラ対28〜定着装置30間の搬送路は、レジストローラ対28を備えるレジスト装置と、二次転写ローラ21を備える二次転写装置としての二次転写ユニット201と、中間転写ベルト10を備える中間転写装置としての中間転写ユニット110と、定着ローラ301を備える定着装置30とから形成されている。
実施例1では、レジストローラ対28が駆動することによって送り出された転写紙25は、二次転写ユニット201のローラ側二次転写入口ガイド面208、及び、中間転写ユニット110に固定された二次転写入口ガイド部材121の二次転写入口ガイド面121fによって二次転写ローラ21が中間転写ベルト10に当接する二次転写部へと案内される。二次転写部に到達した転写紙25は、中間転写ベルト10上のトナー像の転写を受けながら、中間転写ベルト10の表面移動によって搬送力を付与され、二次転写部を通過する。二次転写部を通過した転写紙25は、二次転写出口ガイド板211に当って定着装置30へと案内され、定着装置30に到達した転写紙25は定着入口ガイド部材305の定着ガイド面305fに当って定着装置30内の定着部へと案内される。
【0024】
まず、二次転写ローラ21を備える二次転写ユニット201について説明する。
図6は、実施例1のプリンタ500の中間転写ユニット110に対して二次転写ユニット201を位置決めした状態の2つのユニットの斜視説明図である。また、図7は中間転写ユニット110の斜視説明図であり、図8は二次転写ユニット201の斜視説明図である。図9は、中間転写ユニット110の図7中の領域Aの拡大図であり、図10は中間転写ユニット110に対して二次転写ユニット201の位置決めを行う構成の説明図である。なお、図10では、二次転写ユニット201を構成する部材として、二次転写出口ガイド板211を備える二次転写出口ガイド部材210、及び、二次転写ローラ21のみを表示しており、二次転写ホルダ209や二次転写ユニットケース205といった二次転写ローラ保持部材は非表示としている。
【0025】
二次転写ユニット201は、二次転写ローラ21、二次転写出口ガイド板211を備える二次転写出口ガイド部材210、二次転写出口ガイド部材210を支持する二次転写ユニットケース205、及び、二次転写ユニットケース205を支持する二次転写ホルダ209を備える。また、二次転写ローラ21を二次転写対向ローラ12に対して押圧する二次転写ローラ押圧部材220も備える。すなわち、実施例1のプリンタ500では、二次転写ローラ21、二次転写出口ガイド部材210、二次転写ユニットケース205、二次転写ホルダ209、及び、二次転写ローラ押圧部材220を一体的に支持する二次転写ユニット201として、プリンタ500本体から着脱可能な構成となっている。
【0026】
図8に示すように、二次転写ローラ21の軸方向(図8中の矢印B方向)両端部には二次転写スベリ軸受21bがそれぞれ配置されており、2つの二次転写スベリ軸受21bの内側には二次転写玉軸受21aがそれぞれ配置されている。二次転写スベリ軸受21bは二次転写ローラ21の金属軸にモールドのスベリ軸受を設けたものである。
二次転写出口ガイド部材210は、二次転写玉軸受21aと係合する二次転写ローラ係合部213の上部に二次転写出口ガイド板211を熱カシメによって一体固定した部材である。なお、詳細は後述するが、実施例1の二次転写出口ガイド部材210では、二次転写ローラ係合部213と二次転写出口ガイド板211との間に除電部材を挟んだ状態で熱カシメによって固定している。また、二次転写ローラ係合部213には、二次転写ユニットケース205に支持させるための構造として、ローラ係合部下方凸部210bとローラ係合部上方ボス部210aとを備える。
二次転写ユニットケース205は、ローラ係合部下方凸部210bを下方から支持するローラ係合部載置部205bと、ローラ係合部上方ボス部210aのボス部210cをはめるローラ係合部ボス嵌め込み部205aとを備える。また、二次転写ユニットケース205のローラ係合部載置部205bの下方の形状は、二次転写部に転写紙25を案内するローラ側二次転写入口ガイド面208を形成している。
【0027】
二次転写出口ガイド部材210の二次転写ローラ係合部213が二次転写玉軸受21aを支持することによって、二次転写ローラ21が二次転写出口ガイド部材210に支持される。また、二次転写ローラ21を支持する二次転写出口ガイド部材210を二次転写ユニットケース205に取り付けるときには、ローラ係合部下方凸部210bをローラ係合部載置部205bの上に載置した状態で、二次転写出口ガイド部材210を図5及び図8中の矢印E方向に押す。これにより、ローラ係合部ボス嵌め込み部205aの軸方向(図8中矢印B方向)の内側にボス部210cが接触し、二次転写出口ガイド部材210の軸方向両端のローラ係合部上方ボス部210aが内側に撓む。そして、さらに二次転写出口ガイド部材210を図中矢印E方向に押すことにより、ローラ係合部ボス嵌め込み部205aの開口にボス部210cが対向する位置で、ローラ係合部上方ボス部210aの撓みが戻ることによって、上記開口にボス部210cが嵌る。これにより、二次転写ユニットケース205によって二次転写出口ガイド部材210が支持され、二次転写ローラ21が二次転写ユニットケース205に支持された状態となる。なお、図5に示すように、ローラ係合部ボス嵌め込み部205aの開口はボス部210cに対して十分に大きいため、プリンタ500本体から取り外した二次転写ユニット201のみの状態では、上記開口にボス部210cが嵌る範囲で二次転写ユニットケース205に対する二次転写出口ガイド部材210の位置が変動可能な状態である。よって、二次転写ユニット201をプリンタ500本体に取り付けていない状態では、二次転写ローラ21は二次転写ユニットケース205に対して位置決めされていない状態である。
【0028】
また、二次転写ユニットケース205には、二次転写ローラ押圧部材220の回動軸となる押圧部材回動軸220aが形成されている。二次転写ローラ押圧部材220は、一端が二次転写ユニットケース205に固定された不図示のスプリングからなる付勢部材の他端によって押圧部材付勢部220bが図5中の矢印F方向に押圧される。この押圧により、二次転写ローラ押圧部材220に押圧部材回動軸220aを中心に回動する力が加わる。そして、二次転写ユニット201をプリンタ500本体にセットしている状態では、二次転写ローラ押圧部材220が二次転写玉軸受21aに当接する玉軸受押圧部220cが二次転写玉軸受21aを二次転写対向ローラ12に向けて押圧する。これにより、二次転写ローラ21が中間転写ベルト10を挟んで二次転写対向ローラ12に当接する状態となる。
二次転写ホルダ209は板金からなり、二次転写ユニットケース205は樹脂からなる。そして、二次転写ホルダ209と二次転写ユニットケース205とは不図示のネジ止め構造によって固定されている。また、二次転写ホルダ209の二次転写ユニット固定部209bを側面カバー510に対して固定することによって、二次転写ユニット201が側面カバー510に支持される状態となる。二次転写ユニット固定部209bを側面カバー510に固定した状態で図2中の破線で示すように側面カバー510が開放された状態では、二次転写ユニット201は側面カバー510に対して二次転写ユニット回動軸209aを中心に回動可能な状態でとなる。この状態から側面カバー510を閉めるように回動させると、側面カバー510の内側の面が二次転写ユニットケース205の図5中の右側に設けられたスプリングからなる不図示の二次転写ユニット付勢部材を押圧し、二次転写ユニット201が側面カバー510とともに回動し、プリンタ500本体内にセットされる。側面カバー510を閉めることにより、二次転写ユニットケース205または二次転写ホルダ209の一部がプリンタ500本体内の一部と突き当たり、この突き当たりと二次転写ユニット付勢部材の付勢とによって二次転写ユニットケース205のプリンタ500本体に対して位置決めされる。
【0029】
図7に示すように、中間転写ユニット110は、中間転写ベルト10を張架する各ローラの回転軸の軸方向(図7中の矢印B方向)の両端に、中転前フレーム111と中転後フレーム112とをそれぞれ備える。また、図9に示すように中転後フレーム112の軸方向内側には軸方向に対して直交する平面における一方が開口となった後フレームくちばし形状112aが形成されており、中転前フレーム111の軸方向内側にも不図示ではあるが同様のくちばし形状が形成されている。図10に示すように、二次転写スベリ軸受21bが後フレームくちばし形状112a及び不図示の中転前フレーム111のくちばし形状に入る。二次転写スベリ軸受21bがフレームくちばし形状に入ることによって、図9中の矢印D方向についての中間転写ユニット110に対して二次転写ローラ21が位置決めされる。また、二次転写ローラ押圧部材220によって、二次転写ローラ21が中間転写ベルト10を挟んで二次転写対向ローラ12に突き当たることによって図9中の矢印C方向について位置決めされる。このように、二次転写スベリ軸受21bがフレームくちばし形状に入ることによって、中間転写ユニット110に対して二次転写ローラ21が位置決めされる。
【0030】
なお、プリンタ500では、二次転写ユニット201を側面カバー510に固定して側面カバー510を閉めることによって、二次転写スベリ軸受21bがフレームくちばし形状に入り、プリンタ500本体に対して固定された中間転写ユニット110に対して二次転写ローラ21が位置決めされる。このため、二次転写ユニット201を側面カバー510に固定して側面カバー510を閉めることによって、二次転写ローラ21がプリンタ500本体に対して位置決めされ、二次転写ユニットケース205がプリンタ500本体に対して位置決めされるため、二次転写ユニット201をプリンタ500本体に取り付けることにより、二次転写ローラ21が二次転写ユニットケース205に対して位置決めされる。
【0031】
プリンタ500では、二次転写ローラ21は、フレームくちばし形状を備えた中転前フレーム111と中転後フレーム112とを介してプリンタ500本体の不図示の筺体に固定されているため、公差の積み重ねにより二次転写ローラ21のプリンタ500本体に対する位置は、製品としてのプリンタ500ごとにバラツキが生じ得る。また、プリンタ500は、二次転写対向ローラ12に対して二次転写ローラ21を50[N]以上、望ましくは100[N]の力で押圧して、二次転写部の二次転写ニップのニップ圧を高圧にしている。そして、このニップ圧に起因して二次転写ローラ21が二次転写スベリ軸受21bを介して突き当たる中間転写ユニット110を構成する部材や二次転写玉軸受21aを介して二次転写ローラ21を押圧する二次転写ローラ押圧部材220を備えた二次転写ユニット201を構成する部材に変形が生じ得る。さらに、中間転写ユニット110や二次転写ユニット201を支持する部材にも変形が生じ得る。そして、このようなニップ圧に起因する部材の変形は製品としてのプリンタ500ごとにバラツキが生じ得るものであり、このような変形のバラツキは二次転写ローラ21のプリンタ500本体に対する位置関係のバラツキとなる。
【0032】
次に、定着ローラ301を備える定着装置30について説明する。
図5に示すように、定着装置30は、定着ローラ301、定着ベルト303、定着入口ガイド部材305、定着底面板304、及び、定着側面板310等から構成される。定着ベルト303は定着対向ローラ302、加熱ローラ309、及び、定着ベルトテンションローラ307によって張架されており、駆動ローラとしての定着対向ローラ302が回転駆動することによって、定着ベルト303が無端移動し、表面移動する。定着ローラ301はスプリングからなる定着ローラ加圧部材301aに押圧されることによって、定着ベルト303を挟んで定着対向ローラ302に対して当接し、定着部である定着ニップを形成する。定着対向ローラ302と加熱ローラ309とは定着側面板310に固定されており、定着ローラ301は定着ローラ加圧部材301aによって定着対向ローラ302に対して当接しているため、定着ローラ301は定着対向ローラ302を介して定着側面板310に対して位置決めされている。また、定着入口ガイド部材305は定着底面板304に固定されている。定着側面板310は板金によって形成され、定着底面板304は樹脂からなるモールドによって形成されており、定着側面板310と定着底面板304とは不図示のネジ止め構造によって固定されている。
このような構成により、定着装置30を構成する各部材は定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定されている。
しかし、定着装置30は、一つのユニットとしてプリンタ500本体に対して着脱可能であるため、定着装置30の筺体を構成する定着側面板310及び定着底面板304のプリンタ500本体に対する位置関係にバラツキが生じ得る。このため、定着側面板310及び定着底面板304に固定された定着ローラ301のプリンタ500本体に対する位置関係のバラツキは生じ得る。
【0033】
このように、二次転写ローラ21と定着ローラ301との少なくとも一方がプリンタ500本体に対する位置関係のバラツキが生じ得る構成であると、二次転写ローラ21と定着ローラ301との位置関係にもバラツキが生じ得る。そして、二次転写ローラ21と定着ローラ301との位置関係が所望の位置関係からずれると、二次転写出口ガイド板211に対する二次転写ローラ21または定着ローラ301の位置関係が所望の位置関係からずれるおそれがある。二次転写出口ガイド板211に対する二次転写ローラ21または定着ローラ301の位置関係が所望の位置関係からずれていると、二次転写部から定着部までの搬送性が低下するおそれがある。そして、二次転写部から定着部までの搬送性が低下すると、シート状の転写紙25にシワが発生したり、二次転写部から定着部までの間で紙詰まりが発生したりする原因となる。
【0034】
図1は、実施例1の二次転写出口ガイド部材210の位置決め構造の説明図である。
図1に示すように、二次転写出口ガイド部材210の転写紙25の搬送方向下流側端部である二次転写出口ガイド板211のガイド当接部212を定着装置30の定着底面板304の突き当て部306に突き当てて、定着装置30に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めしている。また、二次転写出口ガイド部材210の転写紙25の搬送方向上流側では、二次転写ローラ係合部213を二次転写ローラ21に対する位置関係が固定である二次転写玉軸受21aにはめ込むことで、二次転写ローラ21に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めしている。
このように、二次転写出口ガイド部材210に対して搬送方向上流側の二次転写ローラ21及び搬送方向下流側の定着装置30に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めすることにより、二次転写ローラ21と定着ローラ301との位置関係が所望の位置関係からずれていても、二次転写出口ガイド板211に対する二次転写ローラ21及び定着ローラ301の位置関係を所望の位置関係に維持することができる。これは、二次転写ローラ21の軸受である二次転写玉軸受21aは二次転写ローラ21の位置決め基準となる部品であり、このような部品に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めすることにより、位置決め精度が向上するからである。これにより、二次転写部から定着部までの搬送性を向上することができ、二次転写部から定着部までの間での紙詰まりや転写紙25のシワの発生を抑制することができる。
【0035】
なお、従来の画像形成装置では、二次転写出口ガイドを二次転写ユニットにて位置決めしており、二次転写ローラからの交差の積み上がりが問題であり、二次転写出口ガイドの二次転写ローラに対する位置精度が十分ではなかった。また、二次転写ローラの位置が二次転写ユニットの筺体に対してずれた場合や、部材の変形などによって二次転写ローラの位置が狙いからずれた場合には、二次転写出口ガイドと二次転写ローラとの位置関係を保つことができなかった。これに対して、実施例1の構成であればそのどちらも解決できる。
また、実施例1では二次転写ローラ21と定着ローラ301との間に、二次転写出口ガイド部材210と定着入口ガイド部材305との2つのガイド部材が配置されているが、どちらか一つのガイド部材のみを配置する構成であってもよい。その場合、形状や設置位置によって、ガイド部材が2個ある場合と同様の機能を果たすことができる。
実施例1では、定着装置30の定着底面板304の突き当て部306に二次転写出口ガイド部材210の一部を突き当てて位置決めを行っているが、二次転写出口ガイド部材210の一部を突き当てる部分としてはこれに限るものではない。定着ローラ301の軸部、定着装置30の筺体、定着入口ガイド部材305、及び、定着ベルト303の張架ローラの軸部など、定着装置30を構成する部材であれば何れの部材であっても突き当てて位置決めを行う構成は有効である。
また、実施例1の定着装置30は、定着装置30を構成する各部材は定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定されている構成であるが、定着装置30を構成する部材の強度などによって、定着ローラ301に対する位置関係が変化し得る定着装置30の部分に対して二次転写出口ガイド部材210の一部を突き当てて位置決めを行う構成であっても、その部分と二次転写出口ガイド部材210との位置関係は維持することができるので、二次転写出口ガイド部材210を定着装置30に対して位置決めしない構成に比べると、二次転写部から定着部までの搬送性の向上を期待することができる。
【0036】
次に、二次転写出口ガイド板211のガイド当接部212が定着底面板304の突き当て部306に突き当たる構造について説明する。
図11は、図5に示す二次転写ユニット201の二次転写出口ガイド部材210近傍の拡大説明図であり、図5に示した定着装置30及び二次転写ローラ押圧部材220の表示は省略している。図11に示すように、二次転写出口ガイド板211の二次転写出口ガイド面211fの裏面には、スプリング係合凸部211sが形成されている。そして、一端が二次転写ユニットケース205に固定された付勢部材としての出口ガイド付勢スプリング215の他端が嵌り、二次転写ユニットケース205に対して図11(及び図1)中の矢印G方向に二次転写出口ガイド部材210を付勢する。二次転写出口ガイド部材210は二次転写玉軸受21aと係合しており、出口ガイド付勢スプリング215が図11中矢印G方向に二次転写出口ガイド部材210を付勢することにより、二次転写出口ガイド部材210に対して二次転写ローラ21の回転軸を中心に図11中の反時計回り方向の力が加わり、二次転写出口ガイド部材210のガイド当接部212を定着底面板304の突き当て部306に突き当たる状態となる。この構成では、二次転写ユニット201をプリンタ500本体にセットすることで、二次転写出口ガイド部材210と二次転写ユニットケース205との間で出口ガイド付勢スプリング215が押されて自然長よりも縮んだ状態となる。そして、この縮んだ状態の出口ガイド付勢スプリング215の復元力によって二次転写出口ガイド部材210が付勢され、ガイド当接部212が突き当て部306に突き当たり、二次転写出口ガイド部材210が定着装置30に対して位置決めされる。出口ガイド付勢スプリング215による付勢力は片側4[N]で設定した。実験によると、片側2[N]以上あれば、厚紙などの搬送の安定して行えることがわかった。また、付勢力の上限は、ガイドの変形で決まり、1[mm]を越えると薄紙などでシワが発生する。1[mm]〜0.5[mm]の変形領域でも稀に薄紙シワが発生することがあり、装置設計としては0.5[mm]以下とすることが望ましい。
【0037】
図11に示すように、各装置間(二次転写ユニット201と定着装置30との間)にまたがるガイド部材(二次転写出口ガイド部材210)の位置決めの、どちらか一方の位置決め方法をスプリングで押圧する方法にすることで、各装置の脱着性を向上させかつ、転写紙25の搬送性を向上させることができる。
詳しくは、二次転写出口ガイド部材210の定着装置30側の位置決めは二次転写出口ガイド部材210を図11中の矢印G方向に付勢するものであるが、二次転写ユニット201を定着装置30に対して矢印G方向とは逆方向に移動させることで、二次転写出口ガイド部材210の定着装置30に対する位置決めを解除することができる。実施例1のプリンタ500では図2中の破線で示すように側面カバー510を開放することにより、二次転写ユニット201が図11中の矢印G方向とは逆方向に移動され、二次転写出口ガイド部材210の定着装置30に対する位置決めを解除することができる。側面カバー510を開放することで、二次転写出口ガイド部材210の定着装置30に対する位置決めを解除することができるので、二次転写出口ガイド部材210の両端を二次転写ローラ21の軸受と定着ローラ301の軸受とに係合させる構成に比べて、二次転写ユニット201と定着装置30とのプリンタ500本体に対する脱着性を向上させることができ、且つ、転写紙25の搬送性も維持することができる。
このような付勢部材によってガイド部材を位置決めする構造は二次転写出口ガイド部材210に限らず他のガイド部材であっても適用することができる。
【0038】
図12は、図1中の矢印H方向から二次転写出口ガイド板211を見た状態の模式図である。図12及び図10に示すように、ガイド当接部212は二次転写出口ガイド板211の幅方向(図中の矢印B方向)の両端部に形成されており、出口ガイド付勢スプリング215によって付勢する力が加わるスプリング係合凸部211sは二次転写出口ガイド板211の幅方向(図中の矢印B方向)の両端部よりも内側に形成されている。このようにガイド当接部212とスプリング係合凸部211sとの位置が不一致であると、スプリング係合凸部211sを設けた位置の裏側の二次転写出口ガイド面211fが膨らむように二次転写出口ガイド板211が変形するおそれがある。そして、二次転写出口ガイド面211fの一部が膨らむような変形が生じると、二次転写出口ガイド板211における転写紙25の搬送性が悪化し、紙詰まりの原因となる。実施例1では、二次転写出口ガイド板211の二次転写出口ガイド面211fの裏側の面に複数の二次転写出口ガイドリブ211rを形成することによって、二次転写出口ガイド板211に二次転写出口ガイド面211fの一部が膨らむような変形が生じることを防止している。
【0039】
なお、二次転写ローラ21に対する定着装置30の位置のバラツキが二次転写ローラ21の回転軸を中心とした回転方向にずれる位置ずれであれれば、実施例1のように変形し難い二次転写出口ガイド板211を設けてもよい。変形し難い二次転写出口ガイド板211であれば、ガイド当接部212とスプリング係合凸部211sとの位置が不一致であっても二次転写出口ガイド板211が搬送性を低下させるような変形が生じにくく、レイアウトの自由度が広がる。
しかし、二次転写ローラ21に対する定着装置30の位置のバラツキは二次転写ローラ21の回転軸を中心とした回転方向にずれるバラツキに限らず、二次転写ローラ21の回転軸と定着装置30が備える定着ローラ301の回転軸との位置関係がねじれる方向にバラツキが生じることが起こり得る。
そこで、二次転写出口ガイド板211の他の例を図13に示す。図13に示す他の例の二次転写出口ガイド板211は実施例1の二次転写出口ガイド板211と異なり、二次転写出口ガイドリブ211rを設けておらず、二次転写出口ガイド板211の上流側端部と下流側端部とがねじれる方向に対してある程度の変形が可能である。図13に示す二次転写出口ガイド板211のように二次転写出口ガイドリブ211rを設けていない構成では、図13に示すように、ガイド当接部212とスプリング係合凸部211sとの位置を一致させることにより、二次転写出口ガイド板211の一部を定着装置30に突き当てる構造を実現する付勢構造に起因して二次転写出口ガイド板211が変形することを防止できる。なお、付勢構造に起因する二次転写出口ガイド板211の変形は防止できる構成であるが、二次転写出口ガイドリブ211rを設けていない構成により、二次転写出口ガイド板211の上流側端部と下流側端部とがねじれる方向に対してある程度の変形が可能である。このため、二次転写ローラ21の回転軸と定着ローラ301の回転軸との位置関係がねじれる方向にバラツキが生じる場合であっても、二次転写ローラ21に対する二次転写出口ガイド板211の位置関係、及び、定着ローラ301に対する二次転写出口ガイド板211の位置関係を維持することができる。これにより、公差や位置ずれに対する追従性が向上し、二次転写部から定着部までの搬送性の維持を維持することができる。二次転写出口ガイド板211の上流側端部と下流側端部とがねじれる方向に対してある程度の変形が可能な二次転写出口ガイド板211としては、樹脂モールド製や薄い板金製のものを挙げることができる。
なお、このようなねじれ方向にある程度の変形が可能なガイド部材としては、二次転写出口ガイド部材210に限らず、後述する定着入口ガイド部材、二次転写入口ガイド部材など上流側の装置と下流側の装置との位置関係が変位し得る位置に配置されたガイド部材であれば適用することにより、そのガイド部材近傍での搬送性の向上を図ることができる。
【0040】
先に述べたように、二次転写出口ガイド部材210は、二次転写ローラ係合部213と二次転写出口ガイド板211とを熱カシメによって固定しており、二次転写ローラ係合部213と二次転写出口ガイド板211との間には除電部材401を挟んだ構成である。
図14は、中間転写ユニット110と二次転写ユニット201との二次転写部近傍の上面図であり、二次転写ユニット201の二次転写出口ガイド板211を取り外した状態を図1中の矢印I方向から見た説明図である。
図14及び図1に示すように、二次転写部を通過した転写紙25が除電部材401の除電針401aと対向する位置の二次転写ローラ係合部213には、二次転写ローラ21の回転軸方向に沿って複数の除電位置ガイドリブ240が形成されている。そして、二次転写ローラ係合部213と二次転写出口ガイド板211とに挟まれている除電部材401の除電針401aが除電位置ガイドリブ240同士の間から転写紙25の搬送位置近傍まで突き出した構成となっている。
【0041】
転写紙25の搬送性に対しては、中間転写ベルト10からの転写紙25の分離機能も重要である。
二次転写部を通過した転写紙25は帯電しており、帯電したままだと中間転写ベルト10に静電的に吸着して、中間転写ベルト10の表面から剥離されず、所望の紙搬送路とは異なる箇所に搬送されて紙詰まりを発生するおそれがある。このため、二次転写部を通過した転写紙25に対して除電針401aを近接させて転写紙25を除電する必要がある。ここで、除電位置ガイドリブ240と接触する位置を通過する転写紙25と除電針401aの先端との位置関係は重要である。
【0042】
通過する転写紙25に対する除電針401aの先端が近すぎて当ってしまうと、転写紙25が除電針401aに引っかかって紙詰まりが発生する。また、転写紙25が除電針401aに引っかからない程度であっても、除電針401aが転写紙25に接触すると接触する衝撃で転写紙25上の未定着トナーが散ってチリが生じて画像不良となる。さらに、転写紙25に当らないまでも除電針401a先端の位置が近すぎると、転写紙25上の未定着のトナーが散ってしまって、画像上に除電針401aに沿って縦に線が出る画像不良となる。なお、転写紙25に対する除電針401a先端の位置が遠すぎると転写紙25が除電されず、転写紙25が中間転写ベルト10から分離せず、紙詰まりが発生するおそれがある。そして、従来は二次転写ユニットにおける二次転写ローラに対する位置精度が高くない箇所に除電部材を設けていたため、分離機能に重要な二次転写ローラと除電部材との位置関係、及び、位置精度が十分ではないという問題がある。
【0043】
実施例1のプリンタ500では、除電部材401が固定された二次転写出口ガイド部材210が二次転写ローラ21及び定着装置30に対して位置決めされているので、除電針401aが二次転写ローラ21及び定着装置30によって位置決めされた状態である。このため、二次転写ローラ21に対する除電針401aの先端の位置精度を向上することができる。そして、二次転写ローラ21に対する除電針401aの先端の位置精度を向上することにより、二次転写ローラ21と中間転写ベルト10との当接部である二次転写部を通過して、定着装置30に向かって搬送される転写紙25と除電針401aの先端との位置精度を向上することができる。これにより、転写紙25と除電針401aの先端との位置関係がずれることに起因する紙詰まりや画像不良を防止することができる。
また、公差の積み上がりや部材の変形によってプリンタ500本体に対する二次転写ローラ21の位置が狙いの位置からずれた場合にも除電針401aは二次転写ローラ21に追従して二次転写ローラ21との位置関係を保つことができる。中間転写ベルト10から転写紙25を分離させるには除電針401aと二次転写ローラ21との位置精度および位置関係が重要であるが、本構成においてはそのどちらも満足できる構成となっている。
実施例1では、二次転写出口ガイド部材210が、除電針401aを備える除電部材401を支持する除電針支持部材として機能を兼ねる構成であるが、二次転写出口ガイド部材210とは別に除電針支持部材を設けても良い。このように除電針支持部材を別途設ける場合であっても、除電針支持部材が二次転写ローラ21と定着装置30とに対して位置決めされた構成とすることにより、除電針401aの二次転写ローラ21に対する位置関係と位置精度とを保つことができる。
【0044】
〔実施例2〕
次に、本発明をレジストローラ対28から定着ローラ301までの間の搬送路に適用した二つの目の実施例(以下、実施例2とよぶ)について説明する。
図15は、実施例2のプリンタ500におけるレジストローラ対28〜定着装置30間の搬送路の説明図である。実施例2は定着入口ガイド部材305及び二次転写入口ガイド部材121の転写紙搬送方向上流側と下流側とに位置決めを行う構成を備えている点で実施例1と異なり、他の構成は共通する。よって、共通点については説明を省略し、相違点について説明する。なお、図15では、二次転写ユニット201を構成する部材のうち、二次転写出口ガイド部材210と二次転写ローラ21のみを表示しているが、二次転写ユニット201の構成は図5を用いて説明した実施例1の二次転写ユニット201と同一であるため、他の部材の表示は省略している。
図15に示すように、実施例2の定着入口ガイド部材305は転写紙25の搬送方向について、搬送方向上流側は二次転写ユニット201に対して位置決めされており、搬送方向下流側は定着ローラ301に対して位置決めされている。また、実施例2の二次転写入口ガイド部材121は、転写紙25の搬送方向について、搬送方向上流側はレジストローラ対28に対して位置決めされており、搬送方向下流側は二次転写ローラ21に対して位置決めされている。
【0045】
図16及び図17を用いて実施例2の定着入口ガイド部材305の位置決めを行う構造について説明する。
図16は、実施例2の定着装置30とその下方に配置された二次転写出口ガイド部材210との説明図であり、図17は、実施例2の定着入口ガイド部材305の斜視説明図である。図16及び図17に示すように、実施例2の定着入口ガイド部材305には転写紙搬送方向上流側での位置決めを行う定着入口ガイド当接部305a、及び、転写紙搬送方向下流側での位置決めを行う定着入口ガイド係合部305bが形成されている。また、定着入口ガイド部材305における定着入口ガイド当接部305aの裏側には、図16に示す定着入口ガイド押圧スプリング308が入り込むための、定着入口ガイドスプリング係合穴305sが形成されている。
【0046】
図16に示すように、定着入口ガイド押圧スプリング308の一端は定着装置30の定着底面板304に固定されており、他端が定着入口ガイド部材305の定着入口ガイドスプリング係合穴305sに係合する。このとき、定着入口ガイド押圧スプリング308は自然長よりも短い状態であり、定着入口ガイド押圧スプリング308の復元力によって定着入口ガイド当接部305aがガイド当接部212に対して突き当たるように二次転写出口ガイド部材210を付勢する。これにより、定着入口ガイド部材305の転写紙搬送方向上流側を二次転写出口ガイド部材210に対して位置決めすることができる。
また、定着ローラ301の回転軸の軸方向両端部には定着玉軸受301bが配置されており、定着入口ガイド部材305の搬送方向下流側では、定着入口ガイド係合部305bを定着ローラ301に対する位置関係が固定である定着玉軸受301bにはめ込むことで、定着ローラ301に対して定着入口ガイド部材305を位置決めしている。
このように、定着入口ガイド部材305に対して搬送方向上流側の二次転写ローラ21を備えた二次転写ユニット201の二次転写出口ガイド部材210、及び、搬送方向下流側の定着ローラ301に対して定着入口ガイド部材305を位置決めすることにより、二次転写ローラ21と定着ローラ301との位置関係が所望の位置関係からずれていても、定着入口ガイド部材305に対する二次転写ローラ21及び定着ローラ301の位置関係を所望の位置関係に維持することができる。すなわち図16に示すように、定着入口ガイド部材305の搬送方向の一方を定着ローラ301の軸受と位置決めし、他方を二次転写装置である二次転写ユニット201(本例では二次転写出口ガイド部材210)に突き当てて位置決めしている。これにより、従来に比べて、定着ローラ301との位置精度および位置関係、二次転写装置との位置精度および位置関係の精度が向上する。これは、定着ローラ301の軸受である定着玉軸受301bは定着ローラ301の位置決め基準となる部品であり、このような部品に対してガイド部材210を位置決めすることにより、位置決め精度が向上するからである。
これにより、二次転写部から定着部までの搬送性を向上することができ、二次転写部から定着部までの間での紙詰まりや転写紙25のシワの発生を抑制することができる。
【0047】
実施例2では、二次転写ユニット201の二次転写出口ガイド部材210のガイド当接部212に定着入口ガイド部材305の一部を突き当てて位置決めを行っているが、定着入口ガイド部材305の一部を突き当てる部分としてはこれに限るものではない。二次転写ローラ21の軸部、二次転写ユニット201の筺体である二次転写ユニットケース205、二次転写出口ガイド部材210の他の部分など、二次転写ユニット201を構成する部材であれば何れの部材であっても突き当てて位置決めを行う構成は有効である。
また、実施例1と同様の構成である二次転写ユニット201では、二次転写ユニット201を構成する部材のうち少なくとも二次転写出口ガイド部材210は二次転写ローラ21に対する位置関係が実質的に固定されている構成である。しかし、二次転写ローラ21の支持構造や二次転写ユニット201を構成する部材の強度などによって二次転写ローラ21に対する位置関係が変化し得る二次転写ユニット201の部分に対して定着入口ガイド部材305の一部を突き当てて位置決めを行う構成であっても、その部分と定着入口ガイド部材305との位置関係は維持することができるので、定着入口ガイド部材305を二次転写ユニット201に対して位置決めしない構成に比べると、二次転写部から定着部までの搬送性の向上を期待することができる。
【0048】
次に、図18及び図19を用いて実施例2の二次転写入口ガイド部材121の位置決めを行う構造について説明する。
図18は、実施例2の二次転写部を形成する中間転写ユニット110及び二次転写ユニット201の二次転写ローラ21、そして、二次転写部の下方に配置されたレジストローラ対28との説明図であり、図19は、実施例2の二次転写入口ガイド部材121の斜視説明図である。図18及び図19に示すように、実施例2の二次転写入口ガイド部材121には転写紙搬送方向上流側での位置決めを行う二次転写入口ガイド上流側係合部121b、及び、転写紙搬送方向下流側での位置決めを行う二次転写入口ガイド下流側係合部121aが形成されている。
【0049】
図18に示すように、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向下流側では、二次転写入口ガイド下流側係合部121aを二次転写ローラ21に対する位置関係が固定である二次転写玉軸受21aにはめ込むことで、二次転写ローラ21に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めしている。
また、レジストローラ対28はレジスト駆動ローラ282とレジスト従動ローラ281とから構成されるローラ対であり、レジスト従動ローラ281の回転軸の軸方向両端部にはレジスト玉軸受281aが配置されている。そして、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向上流側では、二次転写入口ガイド上流側係合部121bをレジスト従動ローラ281に対する位置関係が固定であるレジスト玉軸受281aにはめ込むことで、レジスト従動ローラ281に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めしている。
このように、二次転写入口ガイド部材121に対して搬送方向上流側のレジストローラ対28、及び、搬送方向下流側の二次転写ローラ21に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めすることにより、レジストローラ対28と二次転写ローラ21との位置関係が所望の位置関係からずれていても、二次転写入口ガイド部材121に対するレジストローラ対28及び二次転写ローラ21の位置関係を所望の位置関係に維持することができる。すなわち図18に示すように、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向の一方をレジストローラ対28を構成するローラの軸受と位置決めし、他方を二次転写ローラ21の軸受と位置決めしている。
【0050】
従来では、二次転写入口ガイド部材121を中間転写ユニット110にて位置決めすることが多かった。しかし、中間転写ユニット110とレジストローラ対28との位置関係および位置精度には交差の積み上がりが多い。また、中間転写ユニット110とレジストローラ対28とのねじれの問題もある。これに対して、実施例2の構成においてはレジストローラ対28が狙いの位置からずれた場合にも追従して位置関係を保つので、そのような問題はなくなる。
よって、従来に比べて、レジストローラ対28との位置精度および位置関係、二次転写ローラ21との位置精度および位置関係の精度が向上する。これは、レジストローラ対28を構成するローラの軸受はレジストローラ対28の位置決め基準となる部品であり、このような部品に対してガイド部材である二次転写入口ガイド部材121を位置決めすることにより、位置決め精度が向上するからである。これにより、レジストローラ対28から二次転写部までの搬送性を向上することができ、レジストローラ対28から二次転写部までの間での紙詰まりや転写紙25上の画像の画像平行度の悪化を抑制することができる。
【0051】
また、実施例2のプリンタ500は図15に示すように、二次転写入口ガイド部材121、二次転写出口ガイド部材210、及び、定着入口ガイド部材305は、各ガイド部材について上流側の装置と下流側の装置とのそれぞれに対して位置決めされている。すなわち、二次転写入口ガイド部材121はレジスト装置が備えるレジストローラ対28と二次転写ユニット201が備える二次転写ローラ21とによって位置決めをする。また、二次転写出口ガイド部材210は、二次転写ローラ21と定着装置30とによって位置決めをする。さらに、定着入口ガイド部材305は、二次転写出口ガイド部材210と定着ローラ301とによって位置決めをする。このように、転写紙25を搬送する搬送経路を形成する表面移動体の間のガイド部材を実施例2のように位置決めすることにより、それぞれのガイド部材について、従来の位置決め方法よりも交差の積み上がりが少なくなり位置精度が向上する。また、転写紙25の受け渡しをする表面移動体同士の位置関係が狙いからずれた場合にもガイド部材が追従し、位置関係を保つことができる構成となっている。
レジスト部から二次転写部を通過して定着部まで至る搬送路における搬送性は、二次転写時に発生する画像平行度不良の問題や、定着時に発生するシワの問題に係わってくるため、プリンタ500のような縦型搬送の画像形成装置においては重要視される課題である。
実施例2のプリンタ500では、レジスト部〜定着部までの搬送路において、転写紙25の受け渡しをする表面移動体同士の位置関係が狙いからずれた場合にもガイド部材が追従し、位置関係を保つことができる構成となっているので、レジスト部〜定着部までの搬送路における搬送性を向上することができる。このため、二次転写時の画像平行度不良の発生や、定着時のシワの発生を抑制することができる。
【0052】
なお、各ガイド部材の上流側の装置、及び、下流側の装置に該当し得る装置を以下に示す。
・二次転写入口ガイド部材の上流側の装置:レジスト装置
・二次転写入口ガイド部材の下流側の装置:二次転写装置、中間転写装置、定着装置
・二次転写出口ガイド部材の上流側の装置:二次転写装置、中間転写装置、レジスト装置
・二次転写出口ガイド部材の下流側の装置:定着装置
・定着入口ガイド部材の上流側の装置:レジスト装置、中間転写装置、二次転写装置
・定着入口ガイド部材の下流側の装置:定着装置
【0053】
〔変形例1〕
実施例1では二次転写出口ガイド部材210は、二次転写部を形成する二次転写ローラ21と定着装置30とに対して位置決めされた構成であるが、二次転写出口ガイド部材210の搬送方向上流側の位置決めをする部材としては、中間転写ユニット110側の部材であってもよい。以下、変形例1として、二次転写出口ガイド部材210の搬送方向上流側を位置決めする部材が、中間転写ユニット110を構成する二次転写対向ローラ12である構成について説明する。
図20は、変形例1の二次転写出口ガイド部材210の位置決め構造の説明図である。
実施例1では、二次転写出口ガイド板211を二次転写ローラ係合部213に固定して、二次転写出口ガイド部材210を形成する構成である。一方、変形例1の二次転写出口ガイド部材210は、図20中の斜線で示す部材であり、二次転写出口ガイド板211が二次転写対向ローラ係合部210dを備えた構成である。また、図20に示すように、二次転写対向ローラ12の軸方向両端部には二次転写対向玉軸受12aが配置されていおり、二次転写対向ローラ係合部210dが二次転写対向玉軸受12aに係合する。
図20に示すように、二次転写出口ガイド部材210の転写紙25の搬送方向下流側では二次転写出口ガイド板211のガイド当接部212を定着装置30の定着底面板304の突き当て部306に突き当てて、定着装置30に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めしている。また、二次転写出口ガイド部材210の転写紙25の搬送方向上流側は、二次転写対向ローラ係合部210dを二次転写対向ローラ12に対する位置関係が固定であるが二次転写対向玉軸受12aにはめ込むことで、二次転写対向ローラ12に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めしている。
このように、二次転写出口ガイド部材210に対して搬送方向上流側の二次転写対向ローラ12、及び、搬送方向下流側の定着装置30に対して二次転写出口ガイド部材210を位置決めすることにより、二次転写対向ローラ12と定着ローラ301との位置関係が所望の位置関係からずれていても、二次転写出口ガイド板211に対する二次転写対向ローラ12及び定着ローラ301の位置関係を所望の位置関係に維持することができる。これにより、実施例1と同様に、二次転写部から定着部までの搬送性を向上することができ、二次転写部から定着部までの間での紙詰まりや転写紙25のシワの発生を抑制することができる。
【0054】
変形例1では、二次転写対向ローラ12の二次転写対向玉軸受12aに二次転写出口ガイド部材210の一部を係合させて位置決めを行っているが、二次転写出口ガイド部材210の一部と位置決めを行う部分としてはこれに限るものではない。中間転写装置である中間転写ユニット110の筺体である中転前フレーム111や中転後フレーム112等、中間転写ユニット110の一部に対して、二次転写出口ガイド部材210の一部を突き当てることによって、中間転写ユニット110に対する二次転写出口ガイド部材210の位置決めを行うことができる。二次転写出口ガイド部材210の上流側を中間転写ユニット110を構成する部材に対して位置決めをし、二次転写出口ガイド部材210の下流側を定着装置30を構成する部材に対して位置決めをすることによって、二次転写部から定着部までの搬送性を向上することができる。
【0055】
〔変形例2〕
実施例2では二次転写入口ガイド部材121は、二次転写部を形成する二次転写ローラ21とレジストローラ対28とに対して位置決めされた構成であるが、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向下流側の位置決めをする部材としては、中間転写ユニット110側の部材であってもよい。以下、変形例2として、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向下流側を位置決めする部材が、中間転写ユニット110を構成する二次転写対向ローラ12である構成について説明する。
図21は、変形例2の二次転写入口ガイド部材121の位置決め構造の説明図である。
実施例2では、二次転写入口ガイド部材121の二次転写入口ガイド下流側係合部121aを二次転写玉軸受21aにはめ込むことで、二次転写ローラ21に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めする構成である。一方、変形例2では、図20に示すように、二次転写対向ローラ12の軸方向両端部には二次転写対向玉軸受12aが配置されていおり、二次転写入口ガイド下流側係合部121aが二次転写対向玉軸受12aに係合し、二次転写対向ローラ12に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めする構成である。
また、レジストローラ対28はレジスト駆動ローラ282とレジスト従動ローラ281とから構成されるローラ対であり、レジスト従動ローラ281の回転軸の軸方向両端部にはレジスト玉軸受281aが配置されている。そして、二次転写入口ガイド部材121の搬送方向上流側では、二次転写入口ガイド上流側係合部121bをレジスト従動ローラ281に対する位置関係が固定であるレジスト玉軸受281aにはめ込むことで、レジスト従動ローラ281に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めしている。
このように、二次転写入口ガイド部材121に対して搬送方向上流側のレジストローラ対28、及び、搬送方向下流側の二次転写対向ローラ12に対して二次転写入口ガイド部材121を位置決めすることにより、レジストローラ対28と二次転写対向ローラ12との位置関係が所望の位置関係からずれていても、二次転写入口ガイド部材121に対するレジストローラ対28及び二次転写対向ローラ12の位置関係を所望の位置関係に維持することができる。これにより、レジストローラ対28から二次転写部までの搬送性を向上することができ、レジストローラ対28から二次転写部までの間での紙詰まりや転写紙25上の画像の画像平行度の悪化を抑制することができる。
【0056】
変形例2では、二次転写対向ローラ12の二次転写対向玉軸受12aに二次転写入口ガイド部材121の一部を係合させて位置決めを行っているが、二次転写入口ガイド部材121の一部と位置決めを行う部分としてはこれに限るものではない。中間転写装置である中間転写ユニット110の筺体である中転前フレーム111や中転後フレーム112等、中間転写ユニット110の一部に対して、二次転写入口ガイド部材121の一部を突き当てることによって、中間転写ユニット110に対する二次転写入口ガイド部材121の位置決めを行うことができる。二次転写入口ガイド部材121の上流側をレジスト装置を構成する部材に対して位置決めをし、二次転写入口ガイド部材121の下流側を中間転写ユニット110を構成する部材に対して位置決めをすることによって、レジストローラ位置から二次転写部までの搬送性を向上することができる。
【0057】
また、今日、電子写真装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなどカラー画像出力のものが多く出回っている。カラー電子写真装置で代表的な方式として複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写して中間転写ベルト上に合成カラー画像を作り、二次転写ローラ、二次転写ベルト等により合成カラー画像を転写紙上に一括転写する、タンデム中間転写型がある。
このタンデム中間転写型には転写紙の搬送方向によって主に二種類に大別される。
転写紙を二次転写部へ搬送するレジストローラ、中間転写ベルト上の合成カラー画像を転写紙へ転写する二次転写部、転写紙上のトナーを熱定着する定着装置が、横方向に並んでいて、転写紙の搬送は横方向に行われる横搬送型がその一つである。
横搬送型においては、転写紙は重力で下側に落ちようとするため、各装置間に配置されている搬送ガイドや搬送ベルトに沿い易い構成となっている。
【0058】
一方、レジストローラ、二次転写部、定着装置が縦方向に並んでいて、転写紙の搬送は縦方向に行われる縦搬送型があり、本実施形態のプリンタ500も縦搬送型である。
縦搬送型の画像形成装置においては、転写紙を縦に搬送するため、各装置間に配置されている搬送ガイドや搬送ベルトに転写紙が沿いづらく、紙搬送性が重要視されている。紙搬送性による画像への影響としては、上述したように二次転写部での画像平行度不良の問題、定着部でのシワの問題等がある。
このような搬送性の問題には、紙の受け渡しをする部材同士の位置精度の向上及び、他方の部材の位置がずれた場合にも位置関係を保つということが重要となる。安定した転写紙搬送性を有する画像形成装置として、特許文献1に記載された構成の画像形成装置が挙げられる。これは、二次転写出口ガイドを静電吸着部材とするために電圧を印加するという構成である。この方式では確かに搬送性については確保されるが、未定着トナーに電圧を印加するため、トナー像が静電気力により崩れてしまう可能性がある。
【0059】
また、特許文献2に記載の画像形成装置は、二次転写ローラの硬度を高くして曲率を維持して搬送角度を維持する構成である。この方式では紙を受け渡しする部材(例えば、二次転写ローラと二次転写出口ガイド部材)の位置精度及び位置関係が向上されるわけではなく、例えば二次転写ローラの位置が狙いからずれた場合に二次転写出口ガイドと二次転写ローラ間での転写紙の受け渡しに問題がでると考えられる。
【0060】
一方、本実施形態のプリンタ500では、転写紙25を受け渡しする部材同士(実施例1では二次転写ローラ21と二次転写出口ガイド部材210)の位置精度を向上させるとともに、一方の部材の位置が狙いからずれた場合にも追従し、位置関係を保つことができる。
【0061】
上述したように実施例1、実施例2、変形例1及び変形例2として、本発明を実施するための最良の形態を図に基づいて説明した。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすとは容易であり、これらの変更・修正は本発明の特許請求の範囲に含まれるものであり、上述した説明はこの発明における最良の形態の例であって、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0062】
以上、本実施形態の画像形成装置であるプリンタ500は、トナー像を担持して無端移動するトナー像担持体としての中間転写ベルト10を備える。また、中間転写ベルト10上のトナー像を記録媒体転写部である二次転写部で記録媒体である転写紙25に転写する記録媒体転写手段としての二次転写ローラ21と、二次転写ローラ21によって転写紙25上に転写されたトナー像を定着部で転写紙25に定着する定着手段である定着装置30とを備える。また、二次転写部に対して転写紙の搬送方向上流側に配置され、所定のタイミングで二次転写部に向けて転写紙25を搬送するレジスト手段としてのレジストローラ対28を備えるレジスト装置を有する。
そして、実施例1のプリンタ500では、転写紙25がその形状に沿って移動することで転写紙25の移動方向をガイドするガイド部材である二次転写出口ガイド部材210を備える。また、二次転写出口ガイド部材210に対して転写紙搬送方向上流側及び下流側に配置され、表面移動することによって転写紙25に搬送力を付与する上流側搬送部材である二次転写ローラ21、及び、下流側搬送部材である定着ローラ301を有する。また、実施例1のプリンタ500では、二次転写ローラ21と定着ローラ301との位置関係は、製造時の公差やプリンタ500本体に対して組み付けた状態での部材の変形などにより、製品としてのプリンタ500ごとにバラツキが生じ得る構成である。そして、実施例1のプリンタ500の二次転写ローラ21を備える上流側搬送装置である二次転写装置としての二次転写ユニット201は、二次転写ローラ21と二次転写出口ガイド部材210との位置決めを行う上流側位置決め部である二次転写玉軸受21aを備える。そして、二次転写出口ガイド部材210は、二次転写ユニット201を構成する部材のうち、上記バラツキが生じても二次転写ローラ21に対する位置関係が実質的に固定された二次転写玉軸受21aに対して位置決めされている。さらに、定着ローラ301を備える下流側搬送装置としての定着装置30は、定着ローラ301と二次転写出口ガイド部材210との位置決めを行う下流側位置決め部である定着底面板304を備える。そして、二次転写出口ガイド部材210は、定着装置30を構成する部材のうち上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着底面板304に対して位置決めされている。
このような実施例1のプリンタ500では、上記バラツキが生じても二次転写ローラ21に対する位置関係が実質的に固定された二次転写ユニット201の二次転写玉軸受21aに対して二次転写出口ガイド部材210が位置決めされている。このため、二次転写出口ガイド部材210の二次転写ローラ21に対する位置を固定することができる。よって、二次転写ローラ21から二次転写出口ガイド部材210への転写紙25の受け渡し時の搬送性を確保することができる。また、上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着装置30の定着底面板304に対して二次転写出口ガイド部材210が位置決めされている。このため、二次転写出口ガイド部材210の定着ローラ301に対する位置を固定することができる。よって、二次転写出口ガイド部材210から定着ローラ301への転写紙25の受け渡し時の搬送性を確保することができる。このように、実施例1のプリンタ500では、二次転写ローラ21から二次転写出口ガイド部材210への搬送性、及び、二次転写出口ガイド部材210から定着ローラ301への搬送性を共に確保することができるので、転写紙25の搬送方向について隣り合う二箇所の搬送部材である二次転写ローラ21と定着ローラ301との間での搬送性を確保することができるという優れた効果を奏する。
【0063】
また、実施例1及び実施例2のプリンタ500の記録媒体転写手段は、記録媒体転写部である二次転写部で中間転写ベルト10と対向し、中間転写ベルト10との間で転写紙25を挾持し、回転することによって転写紙25に搬送力を付与しながら中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙25に転写する記録媒体転写ローラとしての二次転写ローラ21を有する記録媒体転写装置である二次転写ユニット201である。また、上流側搬送部材または下流側搬送部材の一方が二次転写ローラ21である。そして、二次転写部に対して転写紙25の搬送方向下流側または上流側に配置されたガイド部材(二次転写出口ガイド部材210または二次転写入口ガイド部材121)は、二次転写ユニット201を構成する部材のうち上記バラツキが生じても二次転写ローラ21に対する位置関係が実質的に固定された二次転写玉軸受21aに対して位置決めされることによって、二次転写ローラ21の回転軸に対して位置決めされる。
これにより、二次転写ローラ21と二次転写出口ガイド部材210または二次転写入口ガイド部材121との位置精度が向上し、二次転写部から二次転写出口ガイド部材210に向かう転写紙25の搬送性、または、二次転写入口ガイド部材121から二次転写部に向かう転写紙25の搬送性を向上することができる。これにより、二次転写部近傍での紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0064】
また、実施例1のプリンタ500では、定着手段は、定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材としての定着ローラ301と定着ベルト303とを有し、定着ローラ301と定着ベルト303との間に転写紙25を挾持し、定着ローラ301と定着ベルト303とが表面移動することによって転写紙25に搬送力を付与しながら転写紙25にトナー像を定着させる定着装置30である。また、上流側搬送部材が二次転写ローラ21で、下流側搬送部材が二つの定着部材のうちの定着ローラ301である。二次転写部に対して転写紙搬送方向下流側に配置された二次転写出口ガイド部材210は、定着装置30を構成する部材のうち上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着底面板304と、二次転写ユニット201の二次転写対向玉軸受12aと、に対して位置決めされている。このように、二次転写出口ガイド部材210が定着底面板304に対して位置決めされることによって定着部材である定着ローラ301に対して位置決めされ、二次転写玉軸受21aに対して位置決めされることによって、二次転写ローラ21の回転軸に対して位置決めされる。
このような構成のプリンタ500では、二次転写出口ガイド部材210の定着装置30に対する位置精度、及び、二次転写出口ガイド部材210二次転写ローラ21に対する位置精度を向上させ紙搬送性を向上させることができる。また、二次転写ローラ21や定着装置30のプリンタ500本体に対する位置について、狙いからの位置のズレに対しても二次転写出口ガイド部材210が二次転写ローラ21や定着装置30に追従して位置関係を保ち、紙搬送性を保つことことができる。このように二次転写部の出口側の紙搬送性を向上させることで定着時に発生するシワを抑制することができる。
【0065】
また、プリンタ500では、レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対28を有し、二つのローラの間に転写紙25を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの一方であるレジスト駆動ローラ282を回転駆動することによって転写紙25に搬送力を付与するレジスト装置である。そして、実施例2のプリンタ500では、下流側搬送部材が二次転写ローラ21で、上流側搬送部材がレジストローラ対28である。二次転写部に対して転写紙25の搬送方向上流側に配置されたガイド部材としての二次転写入口ガイド部材121の上流側は、レジスト装置を構成する部材のうちバラツキが生じてもレジストローラ対28に対する位置関係が実質的に固定されたレジスト従動ローラ281のレジスト玉軸受281aに対して位置決めされている。さらに、二次転写入口ガイド部材121の下流側は二次転写ユニット201の二次転写玉軸受21aに対して位置決めされている。このように、二次転写入口ガイド部材121がレジスト玉軸受281aに対して位置決めされることによってレジストローラ対28に対して位置決めされ、二次転写玉軸受21aに対して位置決めされることによって、二次転写ローラ21の回転軸に対して位置決めされる。
このような構成の実施例2のプリンタ500では、二次転写入口ガイド部材121がプリンタ500本体や二次転写ユニット201の筺体によって位置決めされるよりも、二次転写ローラ21やレジストローラ対28に対する公差の積み上がりが少なくなる。これにより、二次転写ローラ21やレジストローラ対28に対する二次転写入口ガイド部材121の位置精度が向上するため紙搬送性が向上する。また、二次転写ローラ21やレジストローラ対28のプリンタ500装置本体に対する位置が、狙いの位置とずれた場合にも二次転写入口ガイド部材121が追従し、二次転写ローラ21やレジストローラ対28との位置関係を保つことで紙搬送性を保つことができる。このように二次転写部の入口側の紙搬送性を向上させることで、二次転写時に発生する画像平行度不良の問題を抑制することができる。
【0066】
また、変形例1または変形例2のプリンタ500では、記録媒体転写手段である二次転写ユニット201は、二次転写部で中間転写ベルト10と対向し、中間転写ベルト10との間で転写紙25を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙25に転写する記録媒体転写ローラである二次転写ローラ21を有する。そして、上流側搬送部材または下流側搬送部材の一方が中間転写ベルト10であり、二次転写部に対して転写紙25の搬送方向下流側または上流側に配置されたガイド部材は、中間転写ベルト10を備えるトナー像担持装置である中間転写ユニット110を構成する部材のうち、中間転写ベルト10を支持して二次転写ローラ21に対向する部材であり、上記バラツキが生じても中間転写ベルト10に対する位置関係が実質的に固定された二次転写対向ローラ12の二次転写対向玉軸受12aに対して位置決めている。
これにより、中間転写ベルト10と二次転写出口ガイド部材210または二次転写入口ガイド部材121との位置精度が向上し、二次転写部から二次転写出口ガイド部材210に向かう転写紙25の搬送性、または、二次転写入口ガイド部材121から二次転写部に向かう転写紙25の搬送性を向上することができる。これにより、二次転写部近傍での紙詰まりの発生を抑制することができる。
【0067】
変形例1のプリンタ500では、定着手段は、定着部で対向する表面移動体からなる二つの定着部材である定着ローラ301と定着ベルト303とを有し、定着ローラ301と定着ベルト303との間に転写紙25を挾持し、定着ローラ301及び定着ベルト303が表面移動することによって転写紙25に搬送力を付与しながら転写紙25にトナー像を熱定着させる定着装置30である。そして、上流側搬送部材が中間転写ベルト10で、下流側搬送部材が二つの定着部材のうちの定着ローラ301である。二次転写部に対して転写紙25の搬送方向下流側に配置されたガイド部材としての二次転写出口ガイド部材210下流側は、定着装置30を構成する部材のうち上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着底面板304に対して位置決めされている。このように、二次転写出口ガイド部材210が定着底面板304に対して位置決めされることによって定着部材である定着ローラ301に対して位置決めされる。一方、二次転写出口ガイド部材210上流側は、トナー像担持装置である中間転写ユニット110の二次転写対向ローラ12の二次転写対向玉軸受12aに対して位置決めされている。このように、二次転写出口ガイド部材210が二次転写対向玉軸受12aに対して位置決めされることによって、二次転写対向ローラ12に対して位置決めされる。
このような構成の変形例1のプリンタ500では、二次転写出口ガイド部材210が、プリンタ500本体や二次転写ユニット201の筺体(二次転写ユニットケース205等)によって位置決めされるよりも、二次転写対向ローラ12に対する公差の積み上がりが少なくなる。これにより、中間転写ベルト10や定着ローラ301に対する二次転写出口ガイド部材210の位置精度が向上するため、二次転写部の出口側の紙搬送性が向上することができる。また、中間転写ユニット110や定着装置30のプリンタ500本体に対する位置が、狙いの位置とずれた場合に二次転写出口ガイド部材210が追従し、中間転写ユニット110や定着装置30との位置関係を保つことで紙搬送性を保つことができる。このように二次転写部の出口側の紙搬送性を向上させることで定着時に発生するシワを抑制することができる。
【0068】
また、プリンタ500では、レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対28を有し、二つのローラの間に転写紙25を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの一方であるレジスト駆動ローラ282を回転駆動することによって転写紙25に搬送力を付与するレジスト装置である。そして、変形例2のプリンタ500では、下流側搬送部材が中間転写ベルト10で、上流側搬送部材がレジストローラ対28である。二次転写部に対して転写紙25の搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての二次転写入口ガイド部材121の上流側は、レジスト装置を構成する部材のうちバラツキが生じてもレジストローラ対28に対する位置関係が実質的に固定されたレジスト従動ローラ281のレジスト玉軸受281aに対して位置決めされている。このように、二次転写入口ガイド部材121がレジスト玉軸受281aに対して位置決めされることによってレジストローラ対28に対して位置決めされる。さらに、二次転写入口ガイド部材121の下流側は、中間転写ユニット110の二次転写対向ローラ12の二次転写対向玉軸受12aに対して位置決めされている。このように、二次転写入口ガイド部材121が二次転写対向玉軸受12aに対して位置決めされることによって、二次転写対向ローラ12に対して位置決めされる。
このような構成の変形例2のプリンタ500では、二次転写入口ガイド部材121がプリンタ500本体や中間転写ユニット110の筺体によって位置決めされるよりも、二次転写対向ローラ12やレジストローラ対28に対する公差の積み上がりが少なくなる。これにより、二次転写対向ローラ12やレジストローラ対28に対する二次転写入口ガイド部材121の位置精度が向上するため紙搬送性が向上する。また、二次転写対向ローラ12やレジストローラ対28のプリンタ500装置本体に対する位置が、狙いの位置とずれた場合にも二次転写入口ガイド部材121が追従し、二次転写対向ローラ12やレジストローラ対28との位置関係を保つことで紙搬送性を保つことができる。このように二次転写部の入口側の紙搬送性を向上させることで、二次転写時に発生する画像平行度不良の問題を抑制することができる。
【0069】
また、プリンタ500では、記録媒体転写手段は、二次転写部で中間転写ベルト10と対向し、中間転写ベルト10との間で転写紙25を挾持し、回転することによって転写紙25に搬送力を付与しながら中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙25に転写する二次転写ローラ21を有する記録媒体転写装置である二次転写ユニット201である。また、定着手段は、定着部で対向する表面移動体からなる二つの定着部材である定着ローラ301と定着ベルト303とを有し、定着ローラ301と定着ベルト303との間に転写紙25を挾持し、定着ローラ301及び定着ベルト303が表面移動することによって転写紙25に搬送力を付与しながら転写紙25にトナー像を熱定着させる定着装置30である。
そして、実施例2のプリンタ500では、上流側搬送部材が二次転写ローラ21で、下流側搬送部材が定着ローラ301である。また、定着部に対して転写紙25の搬送方向上流側に配置されたガイド部材としての定着入口ガイド部材305の上流側は、二次転写ユニット201を構成する部材のうち上記バラツキが生じても二次転写ローラに対する位置関係が実質的に固定された二次転写出口ガイド部材210に対して位置決めされている。このように、定着入口ガイド部材305が二次転写出口ガイド部材210に対して位置決めされることによって二次転写ローラ21に対して位置決めされる。また、定着入口ガイド部材305の下流側は、定着装置30を構成する部材のうち上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着ローラ301の定着玉軸受301bに対して位置決めされている。このように、定着入口ガイド部材305が定着玉軸受301bに対して位置決めされることによって定着ローラ301に対して位置決めされる。
このような構成の実施例2のプリンタ500では、定着入口ガイド部材305がプリンタ500本体や二次転写ユニット201の筺体によって位置決めされるよりも、二次転写ローラ21や定着ローラ301に対する公差の積み上がりが少なくなる。これにより、二次転写ローラ21や定着ローラ301に対する定着入口ガイド部材305の位置精度が向上するため紙搬送性が向上する効果がある。また、二次転写ローラ21や定着ローラ301のプリンタ500装置本体に対する位置が、狙いの位置とずれた場合にも定着入口ガイド部材305が追従し、二次転写ローラ21や定着ローラ301との位置関係を保つことで紙搬送性を保つことができる。このように定着部の入口側の紙搬送性を向上させることで定着時に発生するシワの問題を抑制することができる。
【0070】
また、プリンタ500は、二次転写部に対して転写紙25の搬送方向上流側に配置されたガイド部材としての二次転写入口ガイド部材121と、二次転写部に対して搬送方向下流側に配置された二次転写出口ガイド部材210と、定着部に対して搬送方向上流側に配置された定着入口ガイド部材305とを有する。そして、実施例2のプリンタ500は、図15に示すように、ガイド部材は、各ガイド部材についての上流側位置決め部と、下流側位置決め部と、に対してそれぞれ位置決めされている。
このような実施例2のプリンタ500では、二次転写出口ガイド部材210、二次転写入口ガイド部材121、及び、定着入口ガイド部材305がプリンタ500本体や二次転写ユニット201、定着装置30によって位置決めされるよりも各上流または下流に位置する部材に対する公差の積み上がりが少なくなり位置精度が向上するため紙搬送性を向上させることができる。また、二次転写出口ガイド部材210、二次転写入口ガイド部材121、定着入口ガイド部材305の各上流または下流に位置するローラ(二次転写ローラ21、レジストローラ対28、または、定着ローラ301)のプリンタ500装置本体に対する位置が、狙いの位置とずれた場合にも各ガイド部材は追従し、各ローラとの位置関係を保つことで紙搬送性を保つことができる。このように、実施例2のプリンタ500では、一つのシステムにおいて、二次転写部において発生する画像平行度不良の問題と、定着時に発生するシワの問題を同時に抑制することができる。
【0071】
また、実施例1のプリンタ500は、二次転写部に対して転写紙25の搬送方向下流側に二次転写部を通過した転写紙25を除電する除電針401aを有する。除電針401aを備えた除電部材401を支持する除電針支持部材は、二次転写出口ガイド部材210である。そして、除電針支持部材としての二次転写出口ガイド部材210は、二次転写ユニット201を構成する部材のうち上記バラツキが生じても二次転写ローラ21に対する位置関係が実質的に固定された二次転写玉軸受21aと、定着装置30を構成する部材のうち上記バラツキが生じても定着ローラ301に対する位置関係が実質的に固定された定着底面板304と、に対して位置決めされている。
このような実施例1のプリンタ500は、中間転写ベルト10から転写紙25を分離させる機能に重要な部材である除電部材401の除電針401aと、二次転写ローラ21と、の位置関係および位置精度を向上させることができる。これにより、分離機能の向上により紙搬送性が向上し、定着時に発生するシワを抑制することができる。
【0072】
また、実施例1のプリンタ500では、上流側搬送部材である二次転写ローラ21及び下流側搬送部材である定着ローラ301は、転写紙25に搬送力を付与する際に回転する回転体である。そして、ガイド部材である二次転写出口ガイド部材210の搬送方向上流側の端部は、回転体である二次転写ローラ21の回転軸に対して二次転写玉軸受21aを介して位置決めされている。
【0073】
また、実施例1のプリンタ500では、二次転写出口ガイド部材210の搬送方向下流側の端部は、下流側搬送装置である定着装置30の下流側位置決め部定着底面板304の突き当て部306に対して弾性体からなる付勢部材である出口ガイド付勢スプリング215による付勢によって位置決めされる。このような構成であれば、出口ガイド付勢スプリング215による付勢を解除することにより二次転写出口ガイド部材210の定着装置30に対する位置決めを容易に解除することができ、二次転写出口ガイド部材210の位置決めされている定着装置30に対して、二次転写ユニット201の着脱性を向上させることができ、さらに、紙搬送性を向上させることができる。
なお、このような付勢部材を用いた位置決めは定着装置30に対する二次転写出口ガイド部材210の位置決めに限らず、いずれのガイド部材と、そのガイド部材の上流側または下流側の搬送装置との位置決めの組み合わせに対しても用いることができる。
【0074】
また、プリンタ500では、記録媒体転写部で記録媒体である転写紙25と対向し、転写紙25に転写するトナー像を担持するトナー像担持体は、潜像担持体である感光体1上で形成されたトナー像を転写され、転写されたトナー像を二次転写部で転写紙25に転写する中間転写としての中間転写ベルト10である。転写紙25と対向するトナー像担持体としては、中間転写体に限るものではなく、潜像担持体であってもよいが、感光層を備えない中間転写体の方が材料やレイアウト等の選択の自由度が広がる。
【0075】
また、プリンタ500は、上流側搬送部材としてのレジストローラ対28から下流側搬送部材としての二次転写ローラ21に向かう転写紙25の搬送、及び、上流側搬送部材としての二次転写ローラ21から下流側搬送部材としての定着ローラ301に向かう転写紙25の搬送は、転写紙25を鉛直方向上方に搬送する縦搬送型の画像形成装置である。縦搬送型の画像形成装置では、転写紙25がガイド部材に沿うように重力が寄与し難く、上流側搬送部材とガイド部材、及び、ガイド部材と下流側搬送部材との位置精度が重要である。プリンタ500では、ガイド部材とその上流側及び下流側の搬送部材との位置精度の向上を図ることができるので、そのガイド部材近傍での転写紙25の搬送性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例1の二次転写出口ガイド部材の位置決め構造の説明図。
【図2】本発明を適用したカラー画像形成装置の全体の概略構成図。
【図3】ベルトクリーニングユニット周辺の拡大図。
【図4】(a)及び(b)はトナーの形状を模式的に表した図。
【図5】実施例1のプリンタにおけるレジストローラ対〜定着装置間の搬送路の説明図。
【図6】中間転写ユニットと二次転写ユニットとの斜視説明図。
【図7】中間転写ユニットの斜視説明図。
【図8】二次転写ユニットの斜視説明図。
【図9】図7中の領域Aの拡大図。
【図10】中間転写ユニットに対して二次転写ユニットの位置決めを行う構成の説明図。
【図11】図5に示す二次転写ユニットの二次転写出口ガイド部材近傍の拡大説明図。
【図12】図1中の矢印H方向から二次転写出口ガイド板を見た状態の模式図。
【図13】二次転写出口ガイド板の他の例を示す図。
【図14】中間転写ユニットと二次転写ユニットとの二次転写部近傍の上面図。
【図15】実施例2のプリンタにおけるレジストローラ対〜定着装置間の搬送路の説明図。
【図16】実施例2の定着装置とその下方に配置された二次転写出口ガイド部材との説明図。
【図17】実施例2の定着入口ガイド部材の斜視説明図。
【図18】実施例2の二次転写部を形成する部材と二次転写部の下方に配置されたレジストローラ対との説明図。
【図19】実施例2の二次転写入口ガイド部材の斜視説明図。
【図20】変形例1の二次転写出口ガイド部材の位置決め構造の説明図。
【図21】変形例1の二次転写出口ガイド部材210の位置決め構造の説明図。
【符号の説明】
【0077】
1 感光体
1a イエロー感光体
1b マゼンタ感光体
1c シアン感光体
1d ブラック感光体
2 感光体クリーニングユニット
3 感光体クリーニングブレード
4 帯電器
5 露光装置
6 イエロー現像器
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器
9 ブラック現像器
10 中間転写ベルト
11 一次転写バイアスローラ
12 二次転写対向ローラ
13 ベルトクリーニング対向ローラ
14 第一従動ローラ
15 第二従動ローラ
19 ベルトクリーニングユニット
20 クリーニングブレード
21 二次転写ローラ
21a 二次転写玉軸受
21b 二次転写スベリ軸受
22 ブレードホルダ
25 転写紙
26 給紙ローラ
27 転写紙搬送ローラ
28 レジストローラ対
30 定着装置
31 給紙テーブル
32 排紙ローラ
110 中間転写ユニット
111 中転前フレーム
112 中転後フレーム
112a 後フレームくちばし形状
121 二次転写入口ガイド部材
121a 二次転写入口ガイド下流側係合部
121b 二次転写入口ガイド上流側係合部
121f 二次転写入口ガイド面
152 潤滑剤塗布部材
155 潤滑剤
200 本体
201 二次転写ユニット
205 二次転写ユニットケース
205a ローラ係合部ボス嵌め込み部
205b ローラ係合部載置部
208 ローラ側二次転写入口ガイド面
209 二次転写ホルダ
209a 二次転写ユニット回動軸
209b 二次転写ユニット固定部
210 二次転写出口ガイド部材
210a ローラ係合部上方ボス部
210b ローラ係合部下方凸部
210c ボス部
210d 二次転写対向ローラ係合部
211 二次転写出口ガイド板
211r 二次転写出口ガイドリブ
211s スプリング係合凸部
212 ガイド当接部
213 二次転写ローラ係合部
215 出口ガイド付勢スプリング
220 二次転写ローラ押圧部材
220a 押圧部材回動軸
220b 押圧部材付勢部
220c 玉軸受押圧部
240 除電位置ガイドリブ
281 レジスト従動ローラ
281a レジスト玉軸受
282 レジスト駆動ローラ
301 定着ローラ
301a 定着ローラ加圧部材
301b 定着玉軸受
302 定着対向ローラ
303 定着ベルト
304 定着底面板
305 定着入口ガイド部材
305a 定着入口ガイド当接部
305b 定着入口ガイド係合部
305f 定着ガイド面
305s 定着入口ガイドスプリング係合穴
306 突き当て部
307 定着ベルトテンションローラ
308 定着入口ガイド押圧スプリング
309 加熱ローラ
310 定着側面板
401 除電部材
401a 除電針
500 プリンタ
510 側面カバー
510a カバー回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持して無端移動するトナー像担持体と、
該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体転写部で記録媒体に転写する記録媒体転写手段と、
該記録媒体転写手段によって記録媒体上に転写されたトナー像を定着部で記録媒体に定着する定着手段と、
該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置され、所定のタイミングで該記録媒体転写部に向けて記録媒体を搬送するレジスト手段と、
記録媒体がその形状に沿って移動することで記録媒体の移動方向をガイドするガイド部材と、
該ガイド部材に対して記録媒体搬送方向上流側において記録媒体に搬送力を付与する上流側搬送部材と、
該上流側搬送部材を備える上流側搬送装置と、
該ガイド部材に対して記録媒体搬送方向下流側において記録媒体に搬送力を付与する下流側搬送部材と、
該下流側搬送部材を備える下流側搬送装置とを有する画像形成装置において、
上記上流側搬送装置は上記上流側搬送部材と上記ガイド部材との位置決めを行う上流側位置決め部を有し、
上記下流側搬送装置は上記下流側搬送部材と上記ガイド部材との位置決めを行う下流側位置決め部を有し、
上記ガイド部材は上記上流側位置決め部と上記下流側位置決め部とにより位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置であり、
上記上流側搬送部材または上記下流側搬送部材の一方が該記録媒体転写ローラであり、
該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側または上流側に配置された上記ガイド部材は、上記記録媒体転写装置を構成する該記録媒体転写ローラの回転軸に対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
上記定着手段は、上記定着部で対向する表面移動体からなる二つの定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、
上記上流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材は、
上記定着部材と上記記録媒体転写ローラの回転軸とに対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3の画像形成装置において、
上記レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対を有し、二つのローラの間に記録媒体を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの少なくとも一方を回転駆動することによって記録媒体に搬送力を付与するレジスト装置であり、
上記下流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記上流側搬送部材が該レジストローラ対であり、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材は、
上記レジストローラ対と上記記録媒体転写ローラの回転軸とに対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1の画像形成装置において、
上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有し、
上記上流側搬送部材または上記下流側搬送部材の一方が該トナー像担持体であり、
該記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側または上流側に配置された上記ガイド部材は、
該トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材に対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、
上記上流側搬送部材が上記トナー像担持体で、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材は、
上記定着部材と、上記トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材と、に対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5または6の画像形成装置において、
上記レジスト手段は、対向する二つのローラからなるレジストローラ対を有し、二つのローラの間に記録媒体を挾持し、所定のタイミングで二つのローラの少なくとも一方を回転駆動することによって記録媒体に搬送力を付与するレジスト装置であり、
上記下流側搬送部材が上記トナー像担持体で、上記上流側搬送部材が該レジストローラ対であり、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材は、
上記レジストローラ対と、上記トナー像担持体を支持して上記記録媒体転写ローラに対向する部材と、に対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2、3または4の画像形成装置において、
上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置であり、
上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、
上記上流側搬送部材が上記記録媒体転写ローラで、上記下流側搬送部材が該定着部材であり、
該定着部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての定着入口ガイド部材は、
上記記録媒体転写ローラと上記定着部材とに対して位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1の画像形成装置において、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての転写入口ガイド部材と、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に配置された上記ガイド部材としての転写出口ガイド部材と、
上記定着部に対して記録媒体搬送方向上流側に配置された上記ガイド部材としての定着入口ガイド部材とを有し、
各ガイド部材は、各ガイド部材についての上記上流側位置決め部と、上記下流側位置決め部と、に対してそれぞれ位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
上記記録媒体転写部に対して記録媒体搬送方向下流側に該記録媒体転写部を通過した記録媒体を除電する除電針を有し、
上記記録媒体転写手段は、上記記録媒体転写部で上記トナー像担持体と対向し、該トナー像担持体との間で記録媒体を挾持し、回転することによって記録媒体に搬送力を付与しながら該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する記録媒体転写ローラを有する記録媒体転写装置で、
上記定着手段は、上記定着部で対向する二つの表面移動体からなる定着部材を有し、二つの該定着部材の間に記録媒体を挾持し、該定着部材が表面移動することによって記録媒体に搬送力を付与しながら記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であり、
上記除電針を支持する除電針支持部材は、上記記録媒体転写装置と、上記定着装置と、に対して位置決めされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の画像形成装置において、
上記上流側搬送部材及び上記下流側搬送部材は、記録媒体に搬送力を付与する際に回転する回転体を備え、
上記ガイド部材の記録媒体搬送方向上流側または下流側の何れか一方の端部が、上記回転体の回転軸に対して位置決めされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
上記ガイド部材の他方の端部は、上記上流側位置決め部と上記下流側位置決め部との2つの位置決め部のうちの該他方の端部が位置決めされる側の位置決め部に対して弾性体からなる付勢部材による付勢によって位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、
上記トナー像担持体は、潜像担持体上で形成されたトナー像を転写され、転写されたトナー像を上記記録媒体転写部で記録媒体に転写する中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13の画像形成装置において、
上記上流側搬送部材から上記下流側搬送部材に向かう記録媒体の搬送は、記録媒体を鉛直方向上方に搬送する縦搬送であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−72243(P2010−72243A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238509(P2008−238509)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】