説明

画像形成装置

【課題】 ベルトクリーニング機能以外の他の機能も兼ね備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 用紙に付着した付着物を回収する回収機能、転写ベルト13Aに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる安定化機能を作動させるためのベルトクリーナ23Gを備えることを特徴としている。これにより、ベルトクリーナ23Gにて3つの機能を作動させることができるので、例えば用紙に付着した付着物が感光ドラム7Aに付着することに起因する画像形成不良等の発生を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトタンデム方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1の発明では、用紙搬送ベルトに付着した付着物を回収するクリーニングユニットのクリーニングローラを、用紙搬送ベルトに対しプロセスカートリッジと同じ側に配置するとともに、プロセスカートリッジに対して用紙の搬送方向上流側に配置し、プロセスカートリッジ及びクリーニングユニットを、装置本体から用紙の搬送方向上流側に一体的に引き出し可能な構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−276438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の発明は、ベルトクリーニング機能を発揮させるためのクリーニングローラの配置に関する発明であるところ、本発明は、ベルトクリーニング機能以外の他の機能も兼ね備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、記録シートを搬送する無端ベルト(13A)と、無端ベルト(13A)により搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体(7A)と、記録シートに付着した付着物を回収する回収機能、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための回収機構(23G)とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、請求項1に記載の発明では、回収機構(23G)にて3つの機能を作動させることができるので、例えば記録シートに付着した付着物が感光体(7A)に付着することに起因する画像形成不良等の発生を抑制できる。
【0007】
なお、例えば無端ベルト(13A)に向かって搬送されてきた記録シートが波打つように歪んだ状態で無端ベルト(13A)上を搬送されて画像形成が実行されると、感光体(7A)と無端ベルト(13A)とで用紙が挟まれたときに、記録シートに皺が発生する等の不具合が発生して、良好な画像形成を行うことが困難となる。そして、このような不具合の発生を抑制するには「無端ベルト(13A)へ供給される記録シート又は無端ベルト(13A)にて搬送される記録シートの挙動を安定させる」こと、すなわち、記録シートに皺が発生しないように平らな状態を保ったまま無端ベルト(13A)上を搬送されるようにすることが望ましい。
【0008】
請求項2に記載の発明では、回収機構(23G)は、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて無端ベルト(13A)のうち記録シートが載置される面に接触する接触部材(23A)、及び無端ベルト(13A)を挟んで接触部材(23A)と反対側に配設されたバックアップ部材(23D)を有して構成されていることを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項2に記載の発明では、接触部材(23A)とバックアップ部材(23D)とにより無端ベルト(13A)を両面から挟み込んだ状態で、無端ベルト(13A)及び無端ベルト(13A)上を搬送される記録シートに付着した付着物を確実に回収することができ、また、記録シートの挙動も確実に安定させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を接触部材(23A)に印加する印加手段(31、32)を備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項3に記載の発明では、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合には記録シートに付着した付着物が回収され、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合には無端ベルト(13A)に付着した付着物が回収される。
【0012】
請求項4に記載の発明では、回収機構(23G)は、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて無端ベルト(13A)のうち記録シートが載置される面に接触する接触部材(23A)、及び接触部材(23A)に電圧を印加する印加手段(31、32)を有して構成されており、印加手段(31、32)は、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を印加することを特徴とする。
【0013】
これにより、請求項4に記載の発明では、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合とで、接触部材(23A)に異なる電圧が印加されることにより、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収する場合、記録シートに付着した付着物を回収する場合のいずれにおいても、付着物を確実に回収することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、接触部材(23A)は、幅方向と平行な軸周りに回転可能なローラにて構成されており、さらに、接触部材(23A)を回転駆動する駆動手段(34)は、少なくともベルトクリーニング機能の作動時には、接触部材(23A)のうち無端ベルト(13A)に面する部位が、無端ベルト(13A)の移動の向きと逆向きに回転するように接触部材(23A)を駆動することを特徴とする。
【0015】
これにより、請求項5に記載の発明では、少なくともベルトクリーニング機能の作動時には、無端ベルト(13A)の移動の向きと逆向きに回転する接触部材(23A)によって、無端ベルト(13A)に付着した付着物を確実に回収することができるとともに、ローラ状の接触部材(23A)により無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を確実に安定させることが可能となる。
【0016】
請求項6に記載の発明では、駆動手段(34)から接触部材(23A)に至る動力伝達経路を断続するクラッチ手段(35)を備えており、クラッチ手段(35)は、無端ベルト(13A)に記録シートが搬送されてきた場合には、動力伝達経路を遮断することを特徴とする。
【0017】
これにより、請求項6に記載の発明では、接触部材(23A)は自由に回転することが可能となり、記録シートの搬送と共に従動回転するので、記録シートに付着した付着物を回収しながら、無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を安定させることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明では、回収機構(23G)は、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて無端ベルト(13A)のうち記録シートが載置される面に接触して回転するローラ(23A)を有して構成されており、さらに、ベルトクリーニング機能の作動時には、ローラ(23A)の周速度が無端ベルト(13A)の移動速度と異なるようにローラ(23A)を駆動し、安定化機能の作動時には、記録シートに張力を与えるように、ローラ(23A)の周速度が無端ベルト(13A)の移動速度と異なるようにローラ(23A)を駆動する駆動手段を備えることを特徴とする。
【0019】
これにより、請求項7に記載の発明では、安定化機能の作動時において、ローラ(23A)によって記録シートに張力が与えられるので、記録シートに付着した付着物を回収しながら、無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を確実に安定させることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明では、記録シートを搬送する無端ベルト(13A)と、無端ベルト(13A)により搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体(7A)と、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて回転するローラ(23A)を有するローラ機構(23G)と、ローラ(23A)を回転駆動する駆動手段(34)と、駆動手段(34)から接触部材(23A)に至る動力伝達経路を断続するクラッチ手段(35)とを備え、駆動手段(34)は、少なくともベルトクリーニング機能の作動時には、ローラ(23A)の周速度が無端ベルト(13A)の移動速度と異なるようにローラ(23A)を駆動し、さらに、クラッチ手段(35)は、無端ベルト(13A)に記録シートが搬送されてきた場合には、動力伝達経路を遮断することを特徴とする。
【0021】
これにより、請求項8に記載の発明では、ベルトクリーニング機能及び安定化機能を発揮させることができるとともに、安定化機能の作動時においては、ローラ(23A)は自由に回転することが可能となり、記録シートの搬送と共に従動回転するので、無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を確実に安定させることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明では、駆動手段(34)は、少なくともベルトクリーニング機能の作動時には、ローラ(23A)のうち無端ベルト(13A)に面する部位が、無端ベルト(13A)の移動の向きと逆向きに回転するようにローラ(23A)を駆動することを特徴とする。
【0023】
これにより、請求項9に記載の発明では、少なくともベルトクリーニング機能の作動時において、無端ベルト(13A)の移動の向きと逆向きに回転するローラ(23A)によって、無端ベルト(13A)に付着した付着物を確実に回収することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明では、記録シートを搬送する無端ベルト(13A)と、無端ベルト(13A)により搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体(7A)と、記録シートに付着した付着物を回収する回収機能、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて無端ベルト(13A)のうち記録シートが載置される面に接触する接触部材(23A)を有する回収機構(23G)と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を接触部材(23A)に印加する印加手段(31、32)とを備えることを特徴とする。
【0025】
これにより、請求項10に記載の発明では、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送される場合と、無端ベルト(13A)上を記録シートが搬送されない場合とで、接触部材(23A)に異なる電圧が印加されることにより、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収する場合、記録シートに付着した付着物を回収する場合のいずれにおいても、付着物を確実に回収することができる。
【0026】
請求項11に記載の発明では、記録シートを搬送する無端ベルト(13A)と、無端ベルト(13A)により搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体(7A)と、無端ベルト(13A)に付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び無端ベルト(13A)へ供給される記録シート又は無端ベルト(13A)にて搬送される記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて回転するローラ(23A)を有するローラ機構(23G)と、ローラ(23A)を回転駆動する駆動手段(34)とを備え、駆動手段(34)は、ベルトクリーニング機能の作動時には、ローラ(23A)の周速度が無端ベルト(13A)の移動速度と異なるようにローラ(23A)を駆動し、安定化機能の作動時には、記録シートに張力を与えるように、ローラ(23A)の周速度が無端ベルト(13A)の移動速度と異なるようにローラ(23A)を駆動することを特徴とする。
【0027】
これにより、請求項11に記載の発明では、ベルトクリーニング機能及び安定化機能を発揮させることができるとともに、安定化機能の作動時において、ローラ(23A)によって記録シートに張力が与えられるので、無端ベルト(13A)に搬送されてきた記録シートの挙動を確実に安定させることができる。
【0028】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置において、ドロワユニット21を挿抜する状態を示す図である。
【図3】図1のベルトクリーナ23G部分の拡大図である。
【図4】(a)はプロセスユニット7及びベルトクリーナユニット23の着脱を示す図であり、(b)は収容箱23Cの着脱を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電気系のブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るベルトクリーナ23Gの作動を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の特徴を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の特徴を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本実施形態は電子写真方式の画像形成装置に本発明に係る画像形成装置を適用したものであり、以下に本実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.画像形成装置の概要
画像形成装置1の装置本体には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する画像形成部5が収納されており、この画像形成部5は、周知のごとく、プロセスユニット7、ベルトユニット13、露光器9及び定着器11等から構成されている。
【0031】
そして、本実施形態に係る画像形成装置1は、ダイレクトタンデム方式のカラー画像形成装置であるため、用紙の搬送方向に沿って直列に複数個(本実施形態では、4個)のプロセスユニット7K〜7Cが配設されている。そして、各プロセスユニット7K〜7Cによって各色の現像剤(トナー)毎に形成された現像剤像が用紙上で重ね合わせることにより、カラー画像が形成されるようになっている。
【0032】
4個のプロセスユニット7K〜7Cは、用紙に転写される現像剤像が担持される感光ドラム7A、及び感光ドラム7Aを帯電させる帯電器7B等を有して構成されており、帯電した感光ドラム7Aを露光器9にて露光して感光ドラム7Aの外周面に静電潜像を形成した後、電荷を帯びた現像剤を感光ドラム7Aに供給すると、感光ドラム7Aの外周面に現像剤像が担持(形成)される。
【0033】
また、用紙を搬送する用紙搬送ベルトとしても機能する転写ベルト13Aを挟んで感光ドラム7Aと対向する位置には、感光ドラム7Aに担持された現像剤を用紙に転写させる転写ローラ15が設けられており、この転写ローラ15には、感光ドラム7Aに担持された現像剤像を用紙に転写させるための電圧が印加されている。
【0034】
このとき、本実施形態では、複数の感光ドラム7Aは、その軸方向(長手方向)が用紙搬送方向と直交するように用紙搬送方向に直列に並んでドロワケーシング21Aに組み付けられており、各感光ドラム7Aに担持されている現像剤像は、転写ベルト13A上を搬送される用紙上で重ね合わせられる。
【0035】
そして、感光ドラム7Aに担持されていた現像剤像が、転写ベルト13Aにより搬送される用紙に転写されると、その用紙は定着器11に搬送されて加熱され、定着器11にて現像剤像が用紙に溶着(定着)される。その後、用紙は、その搬送方向が上方側に転向されて筐体3の上端面に設定された排紙トレイ3Aに排出される。
【0036】
なお、転写ベルト13Aは、駆動ローラ13B及び従動ローラ13C間に架け渡されて、これらローラ13B、13Cと共に回転する無端状のベルトであり、転写ベルト13A、駆動ローラ13B、従動ローラ13C、並びに駆動ローラ13B及び従動ローラ13Cを支持するフレーム(図示せず。)等によりベルトユニット13が構成されている。
【0037】
また、ベルトユニット13の下方側には、画像形成部5によって画像形成動作が開始される際に、転写ベルト13Aに向けて搬送(供給)される用紙が載置される給紙トレイ17が設けられており、この給紙トレイ17に載置されている用紙は、フィーダ機構17Aにより1枚ずつレジストローラ19側に送出される。
【0038】
なお、本実施形態に係るレジストローラ19は、画像形成部5(転写ベルト13A)に向かって用紙を送り出すタイミングを調整する機能、及び用紙の斜行を矯正して用紙を画像形成部5(転写ベルト13A)へ搬送する機能を兼ね備えた用紙搬送用ローラであるが、いずれか一方の機能のみとしてもよい。
【0039】
また、本実施形態では、プロセスユニット7K〜7Cは、ドロワケーシング21Aに取り付けられてドロワユニット21が構成されており(図4(a)及び図4(b)参照)、このドロワユニット21は、転写ベルト13A上を搬送される用紙の搬送方向(本実施形態では、前後方向)に移動可能として装置本体に対して挿抜可能に装着されている。
【0040】
そして、本実施形態では、筐体3に、画像形成装置1の前方側を開閉する開閉カバー3Bが設けられており、この開閉カバー3Bが開かれると、図2に示すように、ドロワユニット21を前後方向に移動させることにより、4つのプロセスユニット7K〜7Cを装置本体に対して一体的に挿抜させることが可能な状態となる。
【0041】
因みに、装置本体とは、ドロワユニット21を挟んで幅方向両側に設けられた一対のフレーム(図示せず)、及び、それらを収容する筐体3等からなり、ドロワケーシング21Aに取り付けられたプロセスユニット7、及びベルトユニット13等を含む画像形成部5や、給紙トレイ17、フィーダ機構17A、レジストローラ19等を収容し支持するものである。
【0042】
なお、本実施形態では、各プロセスユニット7のうち、現像剤(トナー)が充填された収納部および感光ドラム7Aに現像剤を供給する現像ローラ等が設けられた現像カートリッジ部が、ドロワケーシング21Aに対して着脱自在に装着されているので、ドロワユニット21を手前側に引き出した状態で、カートリッジ部のみを交換することにより、現像剤の補充を簡単に行うことができる。
【0043】
また、ドロワケーシング21Aのうちドロワユニット21の挿抜方向一端側(本実施形態では、前端側)には、図3に示すように、ベルトクリーナユニット23が設けられており、このベルトクリーナユニット23は、クリーニングローラ23A、クリーニングシャフト23B、及び収容箱23C等から構成されている。本実施形態では、転写ベルト13Aに付着した付着した付着物(主として現像剤)を効率よく除去(回収)するため、クリーニングローラ23Aは、例えば、適度の弾性を有するシリコン発泡ローラによって構成され、クリーニングシャフト23Bは、金属製のローラ(シャフト)によって構成されているが、これらの材質は必ずしも限定されるものではない。
【0044】
クリーニングローラ23Aは、画像形成装置1の幅方向に延びて転写ベルト13Aのうち用紙が載置される面に接触して回転する接触部材であり、クリーニングシャフト23Bは、クリーニングローラ23Aの外周面に付着した付着物を回収する回収手段である。
【0045】
クリーニングローラ23Aは、ベルトユニット13と対向配置されて転写ベルト13Aの表面に付着した付着物(主に、現像剤)を転写ベルト13Aから除去し、クリーニングシャフト23Bはクリーニングローラ23Aの表面に付着した現像剤を回収する。
【0046】
そして、クリーニングシャフト23Bの表面に回収された付着物(主に、現像剤)は、クリーニングシャフト23Bが正逆いずれの方向に回転する場合にも機能するように互いに逆向きに配置された複数の薄板状の剥離ブレードのいずれかによって掻きとられ、クリーニングシャフト23Bの幅方向に延びるスクリュー状の第1オーガ23Hにより幅方向一端側に移送された後、斜め上下方向に延びるスクリュー状の第2オーガ23Eにより収容箱23Cの上端側に設けられた入口23Fまで移送されて収容箱23Cに溜まっていく。
【0047】
なお、幅方向とは、用紙の搬送方向及び厚み方向と直交する方向をいい、本実施形態では、左右方向(紙面直交方向)と一致する。
また、収容箱23Cは、クリーニングローラ23Aから回収された付着物を貯留する収容体であり、この収容箱23Cは、ドロワケーシング21Aに設けられたベルトクリーナユニット23に対して着脱自在に装着されている(図4(b)参照)。
【0048】
このため、本実施形態では、収容箱23Cをベルトクリーナユニット23から取り外すことにより、収容箱23C内に貯留された付着物を容易に破棄することができる。因みに、本実施形態では、収容箱23Cを含むベルトクリーナユニット23全体もドロワケーシング21Aに着脱自在に装着されている(図4(a)参照)。
【0049】
また、バックアップローラ(バックアップ部材)23Dは、図3に示すように、ベルトユニット13のうち転写ベルト13Aを挟んでクリーニングローラ23Aと反対側であって、クリーニングローラ23Aと対向する位置に配設されている。すなわち、バックアップローラ23Dは、ベルトクリーナユニット23ではなく、ベルトユニット13の内側に設けられている。
【0050】
そして、バックアップローラ23Dは、転写ベルト13Aとクリーニングローラ23Aとの接触面圧が予め設定された所定範囲となるように転写ベルト13Aをクリーニングローラ23A側に押圧しており、このバックアップローラ23D及びベルトクリーナユニット23によりベルトクリーナ23Gが構成されている。
【0051】
2.ベルトクリーナについて
転写ベルト13Aに付着した付着物(主として現像剤)を回収する際、クリーニングローラ23Aとバックアップローラ23Dとの間、及びクリーニングローラ23Aとクリーニングシャフト23Bとの間には、現像剤との間で静電吸引力が発生するような電圧が印加される。
【0052】
すなわち、本実施形態では、現像剤が正電荷を帯びていることから、図5に示すように、バックアップローラ23Dを接地(アース)側に電気的に接続してその電位を0Vとするとともに、クリーニングローラ23A及びクリーニングシャフト23Bに、現像剤が帯びている電荷と反対の極性を有する電位(本実施形態では、負電位)を印加している。
【0053】
これにより、クリーニングローラ23Aと現像剤との間に発生する静電吸引力により転写ベルト13Aの表面に付着した現像剤がクリーニングローラ23Aに静電吸着されて転写ベルト13Aがクリーニングされる。
【0054】
このとき、クリーニングシャフト23Bへ印加される電位の絶対値がクリーニングローラ23Aへ印加される電位の絶対値より大きくなるように制御されているので、クリーニングローラ23Aに静電吸着されている現像剤は、静電吸引力によりクリーニングシャフト23Bに転写されるようにしてクリーニングローラ23Aから回収される。
【0055】
そして、第1電圧印加回路31はクリーニングローラ23Aに電圧を印加することによりクリーニングローラ23Aに所定電位を発生させる手段であり、第2電圧印加回路32はクリーニングシャフト23Bに電圧を印加することによりクリーニングローラ23Aに所定電位を発生させる手段である。
【0056】
また、第1モータ駆動回路36は、ベルトクリーナユニット23を除く各種のローラ(駆動ローラ13Bやレジストローラ19等)を回転駆動させる第1電動モータ37に駆動電圧を印加する手段であり、第2モータ駆動回路33は、ベルトクリーナユニット23におけるクリーニングローラ23Aを回転駆動させる第2電動モータ34に駆動電圧を印加する手段であり、クラッチ35は、第2電動モータ34からクリーニングローラ23Aに至る動力伝達経路を断続するクラッチ手段である。
【0057】
なお、ベルトクリーナユニット23におけるクリーニングシャフト23Bは、図示しない歯車機構によってクリーニングローラ23Aと連結されており、その接触部分(ニップしている部分)が同方向に移動するようにするように駆動される。
【0058】
因みに、本実施形態に係るクラッチ35は、動力伝達経路を構成する複数の歯車のうち、いずれかの歯車をソレノイド等の電気式アクチュエータにより変位させて動力伝達経路を断続する方式のものであるが、これに限定されるものではなく、電磁クラッチ等のその形式のクラッチでよい。
【0059】
また、制御部30は、第1電圧印加回路31、第2電圧印加回路32、第1、2モータ駆動回路33、36及びクラッチ35等を制御する制御手段であり、この制御部30には、レジ後センサ38からの信号が入力されている。
【0060】
なお、制御部30は、CPU、ROM及びRAM等から構成された周知のマイクロコンピュータにて構成されたものであり、後述するクリーニングローラ制御用のプログラムは、ROMに格納されている。
【0061】
因みに、レジ後センサ38は、レジストローラ19より用紙の搬送方向下流であって、転写ベルト13Aより搬送方向上流側、つまり画像形成部5の入口側に配設されて、少なくとも用紙の搬送方向前端がレジストローラ19を通過したか否かを検出することが可能な検出手段である。なお、レジ後センサ38は、用紙の搬送方向前端が検出された後、用紙の搬送方向後端が通過したか否かを検出することもできる。
【0062】
3.ベルトクリーナの作動
3.1.作動の概要
本実施形態に係るベルトクリーナ23Gは、用紙に付着した付着物を回収する回収機能、転写ベルト13Aに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる安定化機能を兼ね備えたものである。
【0063】
因みに、用紙に付着した付着物とは多くの場合は紙粉であり、転写ベルト13Aに付着した付着物とは多くの場合は用紙に転写されなかった現像剤である。また、転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙とは、画像形成部5の入口、つまりプロセスユニット7Kと転写ベルト13Aとの接触部に突入する用紙を意図するものである。
【0064】
画像形成部5において、感光ドラム7Aに形成された現像剤像を用紙に転写して画像を形成する際、仮に、用紙に付着物(紙粉)が付着したまま画像形成が実行されると、その付着物が感光ドラム7Aの外周面に付着してしまうので、用紙に形成される画像の品質が悪化してしまうという問題が発生する。
【0065】
また、仮に、転写ベルト13Aに付着物(現像剤)が付着したまま画像形成が実行されると、その付着物が用紙の裏面(転写ベルト13Aに接触する側の面)に転写されてしまうので、用紙を汚してしまうという問題が発生する。
【0066】
しかも、本実施形態に係る画像形成装置1では、用紙の搬送を行わない適当なタイミングで現像剤(トナー)濃度調整用のパッチ又は色ずれ検知用のレジマークを転写ベルト13A上に印刷(転写)し、その後、使用済みのパッチ又はレジマークを、廃現像剤(廃トナー)として転写ベルト13Aから除去(回収)する必要がある。
【0067】
また、転写ベルト13Aに向かって搬送されてきた用紙が波打つように歪んだ状態で転写ベルト13A上を搬送されて画像形成が実行されると、感光ドラム7Aと転写ベルト13Aとで用紙が挟まれたときに、用紙に皺が発生する等の不具合が発生し易く、良好な画像形成を行うことが困難となる。
【0068】
そして、この不具合の発生を抑制するには、プロセスユニット7Kと転写ベルト13Aとの接触部に用紙が突入する前に、波打つように歪んだ用紙を矯正するように「転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる」ことが望ましい。、すなわち、用紙に皺が発生しないように平らな状態を保ったまま転写ベルト13A上を搬送されるようにすることが望ましい。
【0069】
3.2.回収機能及びベルトクリーニング機能について
本実施形態に係る画像形成装置1では、上述したように、現像剤が正電荷を帯びていることから、ベルトクリーニング機能を実行する際には、クリーニングローラ23Aに負電位を印加してクリーニングローラ23Aと現像剤との間に発生する静電吸引力により転写ベルト13Aの表面に付着した現像剤をクリーニングローラ23Aに静電吸着することにより、転写ベルト13Aをクリーニングする。因みに、本実施形態では、クリーニングローラ23Aへの印加電位は約−1200Vであり、クリーニングシャフト23Bへの印加電位は約−1600Vである。
【0070】
また、ベルトクリーニング機能を実行する際には、動力伝達経路が繋がれた状態で、クリーニングローラ23Aのうち転写ベルト13Aと接触する部分が転写ベルト13Aの移動の向きと逆向きに回転するように第1電動モータ34が駆動される。つまり、ベルトクリーニング機能の作動時には、クリーニングローラ23Aの周速度が転写ベルト13Aの移動速度と異なるように第1電動モータ34が駆動されることとなる。
【0071】
このため、本実施形態では、クリーニングローラ23Aが転写ベルト13Aの移動方向に対して逆向きに回転することによる機械的な掻き取り力も加わって、静電吸引力との相乗効果により、転写ベルト13Aから付着物が効果的に回収される。
【0072】
一方、用紙に付着した紙粉等の付着物は、転写ローラ15に現像剤の帯電極性(正極性)と反対の極性の転写バイアスを与えるための電位(負電位)が印加されいることから、転写ベルト13A並びに転写ベルト13Aに接触する用紙の付着物(主として紙粉)については、負極性に帯電する傾向にある。このため、用紙に付着した紙粉等の付着物を回収する機能を実行する際には、クリーニングローラ23A及びクリーニングシャフト23Bに正電位を印加してクリーニングローラ23Aと紙粉等との間に発生する静電吸引力により用紙の表面に付着した紙粉等をクリーニングローラ23Aに静電吸着することにより、用紙をクリーニングする。
【0073】
このとき、クリーニングシャフト23Bへ印加される電位(正電位)の絶対値がクリーニングローラ23Aへ印加される電位(正電位)の絶対値より大きくなるように制御されるので、クリーニングローラ23Aに静電吸着されている紙粉等は、静電吸引力によりクリーニングシャフト23Bに転写されるようにしてクリーニングローラ23Aから回収される。
【0074】
なお、本実施形態では、転写ベルト13A上を用紙が搬送される際には、用紙に付着した付着物を回収する回収機能、及び転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる安定化機能が同時に実行されることから、回収機能の実行時には、後述するように、クラッチ35にて動力伝達経路が遮断される。
【0075】
3.3.安定化機能について
安定化機能とは、上述したように、プロセスユニット7Kと転写ベルト13Aとの接触部に用紙が突入する前に、波打つように歪んだ用紙を平らな状態に矯正したり、あるいは、皺が発生しないように平らな状態を保ったまま用紙が転写ベルト13Aに接触するように、「転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる」ことである。
【0076】
そして、本実施形態では、転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙は、クリーニングローラ23Aを通過する際に、転写ベルト13Aを介してバックアップローラ23Dとクリーニングローラ23Aとにより挟まれた状態となるので、波打つように歪んだ用紙が搬送されてきても、平らな状態に矯正される等して用紙の挙動が安定化される。
【0077】
また、本実施形態では、安定化機能を発揮させる場合、つまり用紙が転写ベルト13A上を搬送される場合には、クラッチ35にて動力伝達経路を遮断してクリーニングローラ23A及びクリーニングシャフト23Bが用紙(転写ベルト13A)の移動と共に従動回転(連れ周り)する状態としている。
【0078】
なお、バックアップローラ23Dには、駆動力は供給されておらず、常に自由回転可能な状態となっているとともに、バネ等の弾性手段により転写ベルト13Aに押圧されているので、常に、転写ベルト13Aの移動と共に従動回転(連れ周り)する。
【0079】
3.4.クリーニングローラ制御(図6参照)
クリーニングローラ制御とは、レジ後センサ38からの信号に基づいて、転写ベルト13A上を用紙が搬送されているか否か判別して、回収機能、ベルトクリーニング機能及び安定化機能を実行する制御である。
【0080】
画像形成装置1の起動後、印刷指令が画像形成装置1に与えられると、図6に示すように、先ず、レジ後センサ38により用紙の搬送方向前端がレジストローラ19を通過したか否かが判定される(S10)。
【0081】
そして、用紙の搬送方向前端が検出されていないと判定された場合には(S10:NO)、用紙が転写ベルト13A上を搬送されていないとみなされてベルトクリーニング機能が実行される(S20)。
【0082】
一方、用紙の搬送方向前端が検出された場合には(S10:YES)、用紙の搬送方向前端が検出された時から第1所定時間の経過後には、用紙が転写ベルト13Aとクリーニングローラ23Aとの接触部(以下、ニップ点という。)に到達することから、用紙が転写ベルト13A上を搬送されているとみなされ、動力伝達経路が遮断(クラッチOFF)されて安定化機能が実行されるとともに(S30)、回収機能が実行される(S40)。
【0083】
なお、第1所定時間とは、レジ後センサ38によって用紙の搬送方向前端が検出された時から、用紙の搬送方向前端がニップ点に到達するのに必要な時間をいう。
そして、用紙の搬送方向前端が検出された時から第2所定時間が経過したか否か判定される(S50)。このとき、用紙の搬送方向前端が検出された時から第2所定時間が経過していない場合には(S50:NO)、用紙の搬送方向後端がニップ点を通過しておらず、用紙がクリーニングローラ23Aと接触しているものとみなされて安定化機能及び回収機能が継続実行される。
【0084】
なお、第2所定時間とは、レジ後センサ38によって用紙の搬送方向前端が検出された時から、用紙の搬送方向後端がニップ点を通過するのに必要な時間をいう。この第2所定時間に代えて、たとえば、レジ後センサ38によって用紙の搬送方向後端が検出された時から、用紙の搬送方向後端がニップ点を通過するのに必要な時間をもとに、S20の判断を行うようにしてもよい。
【0085】
一方、用紙の搬送方向前端が検出された時から第2所定時間が経過した場合には(S50:YES)、安定化機能及び回収機能が停止されてベルトクリーニング機能が実行される(S60)。その後、全ての画像形成が終了したか否か、つまり画像形成予定枚数分の画像形成が終了したか否かが判定される(S70)。
【0086】
因みに、全ての画像形成が終了したか否かの判定は、例えば、レジ後センサ38、給紙センサ(図示せず。)や排紙センサ(図示せず。)等の用紙の搬送状態を検出するセンサ等の検出信号等に基づいて判定される。
【0087】
そして、全ての画像形成が終了していないと判定された場合には(S70:NO)、再び、S10が実行され、一方、全ての画像形成が終了したと判定された場合には(S70:YES)、本制御が終了する。
【0088】
なお、ベルトクリーニング機能(S20、S60)は、画像形成の動作中において、用紙がクリーニングローラ23Aと接触していない期間を利用して、ベルトクリーニングが必ず実行されるようにする必要はない。例えば、画像形成の動作が開始される前、あるいは、画像形成の動作が終了してから、一定時間、クリーニング動作が実行されるようにしてもよい。
【0089】
4.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本発明は、用紙に付着した付着物を回収する回収機能、転写ベルト13Aに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動を安定させる安定化機能を作動させるためのベルトクリーナ23Gを備えることを特徴としている。
【0090】
これにより、本実施形態では、ベルトクリーナ23Gにて3つの機能を作動させることができるので、例えば用紙に付着した付着物(主として紙粉)が感光ドラム7Aに付着することに起因する画像形成不良等の発生を抑制できる。
【0091】
(第2実施形態)
第1実施形態では、安定化機能の実行時に動力伝達経路を遮断してクリーニングローラ23Aが用紙(転写ベルト13A)の移動と共に従動回転(連れ周り)する状態としたが、本実施形態では、図7に示すように、安定化機能の実行時には、クリーニングローラ23Aの周速度が転写ベルト13Aの移動速度と異なるように第1電動モータ34を駆動するものである。
【0092】
具体的には、動力伝達経路が繋がれた状態で、クリーニングローラ23Aのうち転写ベルト13Aと接触する部分を転写ベルト13Aの移動の向きと同一向きに回転し、かつ、クリーニングローラ23Aの周速が転写ベルト13Aの移動速より大きくなるように第1電動モータ34を駆動する。
【0093】
これにより、安定化機能の実行時には、図7に示すように、搬送される用紙のうちレジストローラ19とクリーニングローラ23Aとの間の部分に張力が発生するので、転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動が安定する。
【0094】
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の変形例である。具体的には、図8に示すように、安定化機能の実行時には、動力伝達経路が繋がれた状態で、クリーニングローラ23Aのうち転写ベルト13Aと接触する部分が転写ベルト13Aの移動の向きと逆向きに回転するように第1電動モータ34を駆動する。
【0095】
これにより、安定化機能の実行時には、図8に示すように、搬送される用紙のうち感光ドラム7Aとクリーニングローラ23Aとの間の部分に張力が発生するので、転写ベルト13Aに搬送されてきた用紙の挙動が安定する。
【0096】
なお、用紙の搬送方向前端がクリーニングローラ23Aのニップ点に到達する前からクリーニングローラ23Aが逆向きに回転していると、用紙の搬送が阻害されるおそれがある。
【0097】
そこで、本実施形態では、レジ後センサ38により用紙の搬送方向前端が検出された時から前記第1所定時間が経過するまでは、動力伝達経路を遮断又はクリーニングローラ23Aを転写ベルト13Aの移動の向きと同一の向きに回転させ、用紙の搬送方向前端が検出された時から前記第1所定時間が経過したときに、クリーニングローラ23Aを逆向きに回転させている。
【0098】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、3つの機能(回収機能、ベルトクリーニング機能、及び安定化機能)を全て有する画像形成装置であったが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0100】
1…画像形成装置、3A…排紙トレイ、3B…開閉カバー、5…画像形成部、
7…プロセスユニット、9…露光器、11…定着器、13…ベルトユニット、
13A…転写ベルト、13B…駆動ローラ、13C…従動ローラ、
15…転写ローラ、17…給紙トレイ、17A…フィーダ機構、
19…レジストローラ、21…ドロワユニット、21A…ドロワケーシング、
23…ベルトクリーナユニット、23A…クリーニングローラ、
23B…クリーニングシャフト、23C…収容箱、23D…バックアップローラ、
23H…第1オーガ、23E…第2オーガ、23F…入口、
23G…ベルトクリーナ、30…制御部、31…第1電圧印加回路、
32…第2電圧印加回路、33…第2モータ駆動回路、
34…第2電動モータ、35…クラッチ、38…レジ後センサ、
36…第1モータ駆動回路、37…第1電動モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートを搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトにより搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体と、
記録シートに付着した付着物を回収する回収機能、前記無端ベルトに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び前記無端ベルトへ供給される記録シート又は前記無端ベルトにて搬送される記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための回収機構と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回収機構は、
記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて前記無端ベルトのうち記録シートが載置される面に接触する接触部材、及び
前記無端ベルトを挟んで前記接触部材と反対側に配設されたバックアップ部材を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回収機構は、前記無端ベルト上を記録シートが搬送される場合と、前記無端ベルト上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を前記接触部材に印加する印加手段を有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回収機構は、
記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて前記無端ベルトのうち記録シートが載置される面に接触する接触部材、及び
前記接触部材に電圧を印加する印加手段を有して構成されており、
前記印加手段は、前記無端ベルト上を記録シートが搬送される場合と、前記無端ベルト上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接触部材は、前記幅方向と平行な軸周りに回転可能なローラにて構成されており、
さらに、前記接触部材を回転駆動する駆動手段は、少なくとも前記ベルトクリーニング機能の作動時には、前記接触部材のうち前記無端ベルトに面する部位が、前記無端ベルトの移動の向きと逆向きに回転するように前記接触部材を駆動することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記駆動手段から前記接触部材に至る動力伝達経路を断続するクラッチ手段を備えており、
前記クラッチ手段は、前記無端ベルトに記録シートが搬送されてきた場合には、前記動力伝達経路を遮断することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回収機構は、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて前記無端ベルトのうち記録シートが載置される面に接触して回転するローラを有して構成されており、
さらに、前記ベルトクリーニング機能の作動時には、前記ローラの周速度が前記無端ベルトの移動速度と異なるように前記ローラを駆動し、前記安定化機能の作動時には、記録シートに張力を与えるように、前記ローラの周速度が前記無端ベルトの移動速度と異なるように前記ローラを駆動する駆動手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
記録シートを搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトにより搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体と、
前記無端ベルトに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び前記無端ベルトへ供給される記録シート又は前記無端ベルトにて搬送される記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて回転するローラを有するローラ機構と、
前記ローラを回転駆動する駆動手段と、
前記駆動手段から前記接触部材に至る動力伝達経路を断続するクラッチ手段とを備え、
前記駆動手段は、少なくとも前記ベルトクリーニング機能の作動時には、前記ローラの周速度が前記無端ベルトの移動速度と異なるように前記ローラを駆動し、
さらに、前記クラッチ手段は、前記無端ベルトに記録シートが搬送されてきた場合には、前記動力伝達経路を遮断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、少なくとも前記ベルトクリーニング機能の作動時には、前記ローラのうち前記無端ベルトに面する部位が、前記無端ベルトの移動の向きと逆向きに回転するように前記ローラを駆動することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
記録シートを搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトにより搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体と、
記録シートに付着した付着物を回収する回収機能、前記無端ベルトに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び前記無端ベルトへ供給される記録シート又は前記無端ベルトにて搬送される記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて前記無端ベルトのうち記録シートが載置される面に接触する接触部材を有する回収機構と、
前記無端ベルト上を記録シートが搬送される場合と、前記無端ベルト上を記録シートが搬送されない場合とで、異なる電圧を前記接触部材に印加する印加手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
記録シートを搬送する無端ベルトと、
前記無端ベルトにより搬送される記録シートの画像形成面に対向して配設され、記録シートの搬送方向に沿って直列に並んで配置された複数の感光体と、
前記無端ベルトに付着した付着物を回収するベルトクリーニング機能、及び前記無端ベルトへ供給される記録シート又は前記無端ベルトにて搬送される記録シートの挙動を安定させる安定化機能を作動させるための機構であって、記録シートの搬送方向及び厚み方向と直交する幅方向に延びて回転するローラを有するローラ機構と、
前記ローラを回転駆動する駆動手段とを備え、
前記駆動手段は、前記ベルトクリーニング機能の作動時には、前記ローラの周速度が前記無端ベルトの移動速度と異なるように前記ローラを駆動し、前記安定化機能の作動時には、記録シートに張力を与えるように、前記ローラの周速度が前記無端ベルトの移動速度と異なるように前記ローラを駆動することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−13927(P2012−13927A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149998(P2010−149998)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】