説明

画像表示システム

【課題】車両の周辺の領域の部分ごとにユーザの所望の光量で照明できる画像表示システムを提供する。
【解決手段】画像表示システム120においては、複数の区分領域をそれぞれ照明する複数の光源がある。変更画面21aを利用することで、これら複数の光源の光量をそれぞれ規定する複数の光量パラメータは、ユーザの操作に基づいて光源ごとに個別に変更することが可能である。したがって、複数の区分領域ごとにユーザの所望の光量で照明することができる。その結果、ユーザにとって見えにくい被写体や、注目すべき被写体を明るくして明瞭に確認することができることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両において画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車などの車両に搭載され、車載カメラで車両の周辺を撮影して得られた画像を車室内のディスプレイに表示する画像表示システムが知られている。この画像表示システムを利用することにより、ドライバは車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握することができる。
【0003】
例えば、運転席の逆側となるフロントフェンダの外側領域は運転席から死角となりやすく、車体と障害物との間のクリアランスをドライバが把握しにくい。これに対して、画像表示システムを利用すれば、車載カメラの撮影によりフロントフェンダの外側領域を示す画像が取得され、その画像が車室内のディスプレイに表示される。これにより、車両の幅寄せを行う場合などにおいて、運転席の逆側の車体と障害物との間のクリアランスをドライバが容易に確認できることとなる。
【0004】
このような画像表示システムでは、夜間など周辺環境が暗い場合においては撮影時に十分な露光量が得られず、車両の周辺を示す画像としての明るさが十分に確保できない場合がある。このため、周辺環境が比較的暗い場合には撮影を補助する補助光を発光して撮影対象となる領域を照明し、画像として必要な明るさを確保することも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−189060号公報
【特許文献2】特許第3286306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、複数の車載カメラで車両の周辺を撮影して得られる複数の撮影画像を利用して、車両の直上や後方などの任意の仮想視点からみた車両の周辺の様子を示す合成画像を生成してディスプレイに表示する画像表示システムが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この画像表示システムでは、車両の周囲の全体を示す画像をディスプレイに表示させることも可能である。
【0007】
このような画像表示システムを利用する場合においても、周辺環境が比較的暗い場合には車両の周囲を照明することが望ましい。画像表示システムで表示可能な領域が広がると、それに伴い、周辺環境が比較的暗い場合に補助光で照明すべき領域についても広がることになる。例えば、車両の側方領域については、車両の前方から後方にわたる比較的広い範囲を補助光で照明する必要がある。
【0008】
このように照明すべき領域が広くなると、街灯によって照明されたり他の物体の陰になるなどして、当該照明すべき領域中において、明るくて見やすい被写体と、暗くて見にくい被写体との双方が同時に存在する可能性が高くなる。このような場合、ユーザは、暗くて見にくい被写体を明るく照明して明確に確認したいという場合がある。
【0009】
しかしながら、従来の画像表示システムでは、補助光で照明すべき領域を一律の光量で照明することが一般的である。このため、仮に照明すべき領域の全体に関して光量を一律に高くしたとしても、明るい被写体はより明るくなり、当該被写体に合わせて露出制御がなされることから、暗い被写体は見えにくいままとなる。また、照明する光量を一律に高くすると、照明すべき領域が広いために非常に大きな電力が必要となるため、消費電力が高くなってしまう。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の周辺の領域ごとにユーザの所望の光量で照明できる画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載される画像表示システムであって、前記車両の周辺を複数のカメラで撮影して得られる撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の様子を示す合成画像を生成可能な画像生成手段と、前記撮影画像及び前記合成画像の少なくとも一つの車両周辺画像を表示する表示手段と、前記車両の周辺の特定領域を分割した複数の区分領域をそれぞれ照明して、前記撮影を補助する複数の光源と、前記複数の光源の光量をそれぞれ規定する複数のパラメータを、ユーザの操作に基づいて前記複数の光源ごとに個別に変更する変更手段と、前記複数のパラメータに基づいて前記複数の光源の光量をそれぞれ調整する光量調整手段と、を備えている。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像表示システムにおいて、前記変更手段は、複数の区分領域のうちから一の区分領域の選択を前記ユーザから受け付ける手段と、選択された前記一の区分領域を照明する光源の前記パラメータの変更を前記ユーザから受け付ける手段と、を備えている。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の画像表示システムにおいて、前記表示手段は、前記一の区分領域の選択を受け付ける際に、前記複数の区分領域の前記車両に対する相対的な位置を表示する。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の画像表示システムにおいて、前記表示手段は、前記複数の区分領域の前記車両に対する相対的な位置を、前記車両の種別に応じて調整する。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、前記光量調整手段は、前記パラメータの変更に応答して、変更後の前記パラメータに基づいて前記光源の光量を調整し、前記表示手段は、前記パラメータの変更に用いる変更画面中に、前記車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに示す前記車両周辺画像を表示する。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の画像表示システムにおいて、視点の位置が互いに異なる複数の種類の前記車両周辺画像のうちから、前記ユーザの操作に応答して前記変更画面中に表示する前記車両周辺画像の種類を切り替える手段、をさらに備えている。
【0017】
また、請求項7の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、視点の位置が互いに異なる複数の種類の前記車両周辺画像のうちから、前記ユーザの操作に応答して前記表示手段に表示する前記車両周辺画像の種類を切り替える手段、をさらに備えている。
【0018】
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の画像表示システムにおいて、前記複数の光源の光量をそれぞれ規定する前記複数のパラメータのセットを、前記車両周辺画像の種類ごとに記憶する記憶手段、をさらに備え、前記変更手段は、前記ユーザに指定された前記車両周辺画像の種類に対応する前記セットに含まれる前記複数のパラメータを変更する。
【0019】
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の画像表示システムにおいて、前記光量調整手段は、前記表示手段に表示させる前記車両周辺画像の切り替えに応答して、切り替え後の前記車両周辺画像の種類に対応する前記セットを前記記憶手段から取得し、当該セットに基づいて前記複数の光源の光量をそれぞれ調整する。
【0020】
また、請求項10の発明は、請求項8または9に記載の画像表示システムにおいて、前記表示手段は、前記車両周辺画像の表示状態において、前記ユーザの一回の操作に応答して、該操作の直前まで表示していた該車両周辺画像の種類に対応する前記セットに含まれる前記複数のパラメータを変更するための変更画面を表示する。
【0021】
また、請求項11の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、前記変更手段は、前記ユーザに指定された前記車両周辺画像の種類に応じて、前記複数の光源のうちの一部の光源のパラメータの変更を不可にする。
【0022】
また、請求項12の発明は、請求項11に記載の画像表示システムにおいて、前記変更手段は、前記車両周辺画像に被写体像として含まれない前記区分領域を照明する光源のパラメータの変更を不可とする。
【0023】
また、請求項13の発明は、請求項11または12に記載の画像表示システムにおいて、変更が不可とされた前記パラメータは、光源の光量を0とする値とする。
【0024】
また、請求項14の発明は、請求項1ないし13のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、前記複数の光源に共通の出力端子から電力を供給する電力供給手段、を備え、前記変更手段は、前記ユーザの操作に基づく前記パラメータの変更により、前記複数の光源の光量の合計が前記電力供給手段の能力に基づく特定光量を超える場合は、当該パラメータを変更しない。
【0025】
また、請求項15の発明は、請求項14に記載の画像表示システムにおいて、前記ユーザの操作に基づく前記パラメータの変更により、前記複数の光源の光量の合計が前記特定光量を超える場合は、前記ユーザに警告を報知する手段、をさらに備えている。
【0026】
また、請求項16の発明は、請求項14または15に記載の画像表示システムにおいて、前記表示手段は、前記パラメータの変更に用いる変更画面中に、前記複数の光源の光量の合計が前記特定光量と一致するまでに変更可能な前記パラメータの量を表示する。
【0027】
また、請求項17の発明は、車両に搭載される画像表示システムであって、前記車両の周辺を複数のカメラで撮影して得られる撮影画像に基づいて車両周辺画像を表示する表示手段と、前記撮影を補助する複数の照明手段と、前記車両の周辺の領域をユーザの操作に基づいて選択する選択手段と、選択された前記領域に対応する前記照明手段をユーザの操作に基づいて調光する調整手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0028】
請求項1ないし17の発明によれば、ユーザの操作に基づいて照明の光量を変更できるため、車両の周辺の領域ごとにユーザの所望の光量で照明できる。その結果、ユーザにとって見えにくい被写体や、注目すべき被写体を明瞭に確認することができる。
【0029】
また、特に請求項2の発明によれば、ユーザは、区分領域を選択した上で、その区分領域を照明する光源のパラメータを変更するため、所望の区分領域を照明する光源の光量を容易に変更できる。
【0030】
また、特に請求項3の発明によれば、選択対象となる複数の区分領域の車両に対する相対的な位置を表示するため、複数の区分領域の位置を直感的に把握できる。
【0031】
また、特に請求項4の発明によれば、複数の区分領域の位置を、車両の種別に合わせて適切な位置に表示できる。
【0032】
また、特に請求項5の発明によれば、パラメータの変更に用いる変更画面中に車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに示す車両周辺画像を表示するため、光源の光量を変更した場合における各区分領域の明るさをほぼリアルタイムに確認できる。
【0033】
また、特に請求項6の発明によれば、変更画面中に表示する車両周辺画像の種類を切り替えて表示可能であるため、所望の視点から各区分領域の明るさを確認できる。
【0034】
また、特に請求項7の発明によれば、表示手段に表示する車両周辺画像の種類を切り替え可能であるため、ユーザの所望の視点から車両の周辺の様子を確認できる。
【0035】
また、特に請求項8の発明によれば、車両周辺画像の種類ごとにパラメータを変更できるため、車両周辺画像の視点に合わせた適切な光量を設定できる。
【0036】
また、特に請求項9の発明によれば、車両周辺画像の切り替えの直後から、切り替え後の車両周辺画像の視点に合わせた適切な光量に調整できる。
【0037】
また、特に請求項10の発明によれば、車両周辺画像の表示状態から一回の操作で当該車両周辺画像に係る複数のパラメータを変更できるため、煩雑な操作を伴うことなく車両周辺画像に応じた光量を変更できる。
【0038】
また、特に請求項11の発明によれば、車両周辺画像の種類に応じて一部の光源のパラメータの変更を不可にするため、車両周辺画像の視点において照明が必要な区分領域に係る光源のみの光量を変更可能とすることができる。
【0039】
また、特に請求項12の発明によれば、実際に表示手段に表示される区分領域に係る光源のみの光量を容易に変更できる。
【0040】
また、特に請求項13の発明によれば、車両周辺画像の視点において照明が不要な区分領域が無駄に照明されず、消費電力を低減できる。
【0041】
また、特に請求項14の発明によれば、電力供給手段の能力に基づく特定光量を超える場合はパラメータを変更しないため、電力の供給能力における適切な範囲内で各光源の光量を変更できる。
【0042】
また、特に請求項15の発明によれば、電力供給手段の能力に基づく特定光量を超える場合はユーザに警告を報知するため、電力の供給能力の限界をユーザが明確に把握できる。
【0043】
また、特に請求項16の発明によれば、複数の光源の光量の合計が特定光量と一致するまでに変更可能なパラメータの量を表示するため、電力の供給能力の限界となるまでに増加可能なパラメータの量をユーザが明確に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、車載カメラが車両に配置される位置を示す図である。
【図3】図3は、左照明部の構成を示す図である。
【図4】図4は、左照明部の光源の光軸の車両に対する位置を示す図である。
【図5】図5は、左照明部の光源の光軸の車両に対する位置を示す図である。
【図6】図6は、光源の光量の調整に関連する構成を示す図である。
【図7】図7は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【図8】図8は、第1の実施の形態の動作モードの遷移を示す図である。
【図9】図9は、全体俯瞰モードで表示される画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、後方俯瞰モードで表示される画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、サイドモードで表示される画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、第1の実施の形態の画像表示モードにおける照明に係る動作の流れを示す図である。
【図13】図13は、光量パラメータを変更する変更画面の一例を示す図である。
【図14】図14は、光量設定モードにおける動作の流れを示す図である。
【図15】図15は、警告表示の一例を示す図である。
【図16】図16は、光量パラメータを変更する変更画面の一例を示す図である。
【図17】図17は、光量パラメータを変更する変更画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、第2の実施の形態の光量設定データの例を示す図である。
【図19】図19は、第2の実施の形態の画像表示モードにおける照明に係る動作の流れを示す図である。
【図20】図20は、画像表示モードにおける画面の遷移を示す図である。
【図21】図21は、光量パラメータを変更する変更画面の一例を示す図である。
【図22】図22は、第2の実施の形態の動作モードの遷移を示す図である。
【図23】図23は、個別設定モードへの移行を示す図である。
【図24】図24は、個別設定モードへの移行を示す図である。
【図25】図25は、個別設定モードへの移行を示す図である。
【図26】図26は、第3の実施の形態の光量設定データの例を示す図である。
【図27】図27は、第3の実施の形態の変更画面の例を示す図である。
【図28】図28は、光源の光量の調整に関連する構成の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.システム構成>
図1は、第1の実施の形態の画像表示システム120の構成を示すブロック図である。この画像表示システム120は、車両(本実施の形態では、自動車)に搭載されるものであり、車両の周辺を撮影して画像を生成して車室内に表示する機能を有している。画像表示システム120のユーザ(代表的にはドライバ)は、この画像表示システム120を利用することにより、当該車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに把握できるようになっている。
【0047】
図1に示すように、画像表示システム120は、車両の周辺の様子を示す車両周辺画像を生成する画像処理装置100と、車両に乗車するユーザに対して各種情報を表示するナビゲーション装置20とを主に備えている。画像処理装置100で生成された車両周辺画像は、ナビゲーション装置20において表示される。
【0048】
ナビゲーション装置20は、ユーザに対しナビゲーション案内を行うものであり、タッチパネル機能を備えた液晶などのディスプレイ21と、ユーザが操作を行うハードスイッチなどで構成される操作部22と、装置全体を制御する制御部23とを備えている。ディスプレイ21の画面がユーザから視認可能なように、ナビゲーション装置20は車両のインストルメントパネルなどに設置される。ユーザの各種の操作は、操作部22とタッチパネルとしてのディスプレイ21とによって受け付けられる。制御部23は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことでナビゲーション機能を含む各種の機能が実現される。
【0049】
ナビゲーション装置20は、画像処理装置100と通信可能に接続され、画像処理装置100との間で各種の制御信号の送受信や、画像処理装置100で生成された画像の受信が可能となっている。ディスプレイ21には、制御部23の制御により、通常はナビゲーション装置20単体の機能に基づく画像が表示されるが、所定の条件下で画像処理装置100で生成された車両周辺画像が表示される。これにより、ナビゲーション装置20は、画像処理装置100で生成された車両周辺画像を受信して表示する表示装置としても機能する。
【0050】
画像処理装置100は、本体部10と撮影部5とを備えている。本体部10は、車両周辺画像を生成する機能を有するECU(Electronic Control Unit)として構成され、車両の所定の位置に配置される。また、撮影部5は、複数の車載カメラを備え、車両の周辺を撮影する。画像処理装置100は、この撮影部5で車両の周辺を撮影して得られる撮影画像に基づいて仮想視点からみた合成画像を生成する画像生成装置として機能する。
【0051】
さらに、画像処理装置100は撮影部5の撮影を補助する照明を行う左照明部6L及び右照明部6Rを備えており、画像処理装置100は撮影部5の撮影を補助する照明を行う車載照明装置としても機能する。左照明部6Lには3つの光源61a〜61cが含まれ、右照明部6Rにも3つの光源61d〜61fが含まれている。これら6つの光源61a〜61fは、撮影部5の撮影を補助する補助光を発光する。夜間など車両の周辺環境が暗い場合においては、照明部6L,6Rで車両の周辺の照明を行うことになる。
【0052】
撮影部5の複数の車載カメラと照明部6L,6Rの複数の光源61a〜61fとは、本体部10とは別の車両の適位置に配置されるが詳細は後述する。
【0053】
画像処理装置100の本体部10は、装置全体を制御する制御部1と、撮影部5で取得された撮影画像を処理して表示用の画像を生成する画像生成部3と、ナビゲーション装置20との間で通信を行うナビ通信部42とを主に備えている。
【0054】
ナビゲーション装置20の操作部22やディスプレイ21によって受け付けられたユーザからの各種の指示は、制御信号としてナビ通信部42によって受け付けられて制御部1に入力される。また、画像処理装置100は、表示内容を切り替える指示をユーザから受け付ける切替スイッチ43を備えている。この切替スイッチ43からもユーザの操作を示す信号が制御部1に入力される。これにより、画像処理装置100は、ナビゲーション装置20に対するユーザの操作、及び、切替スイッチ43に対するユーザの操作の双方に応答した動作が可能となっている。切替スイッチ43は、ユーザが操作しやすいように、本体部10とは別に車両の適位置に配置される。
【0055】
画像生成部3は、各種の画像処理が可能なハードウェア回路として構成されており、撮影画像調整部31、及び、合成画像生成部32を主な機能として備えている。
【0056】
撮影画像調整部31は、撮影部5で取得された撮影画像を対象とし、表示に利用するための調整を行うものである。具体的には、撮影画像調整部31は、撮影画像に対して、歪み補正、拡大縮小、及び、切り出しなどの画像処理を行う。
【0057】
合成画像生成部32は、撮影部5の複数の車載カメラで取得された複数の撮影画像に基づいて、車両の周辺の任意の仮想視点からみた車両の周辺の様子を示す合成画像を生成する。合成画像生成部32が合成画像を生成する手法については後述する。
【0058】
撮影画像調整部31に調整された撮影画像、及び、合成画像生成部32により生成された合成画像は、さらに表示用に調整された後、ナビ通信部42によってナビゲーション装置20に出力される。これにより、被写体像として車両の周辺の少なくとも一部の領域を含む車両周辺画像がナビゲーション装置20のディスプレイ21に表示される。本実施の形態において「車両周辺画像」とは、車両の周辺の少なくとも一部の様子を示す画像を意味し、撮影画像及び合成画像の双方を含む概念である。
【0059】
制御部1は、CPU、RAM及びROMなどを備えたコンピュータとして構成され、所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで各種の制御機能が実現される。図中に示す、画像制御部11、照明制御部12及び設定変更部13は、このようにして実現される制御部1の機能のうちの一部を示している。
【0060】
画像制御部11は、画像生成部3によって実行される画像処理を制御する。例えば、画像制御部11は、合成画像生成部32が生成する合成画像の生成に必要な各種光量パラメータなどを指示する。
【0061】
照明制御部12は、照明部6L,6Rを調光するなど、照明部6L,6Rの照明に係る制御を行う。画像表示システム120では、6つの光源61a〜61fの光量をそれぞれ規定する6つの光量パラメータが設定されている。照明制御部12は、これら6つの光量パラメータに基づいて、6つの光源61a〜61fそれぞれの光量を個別に調整する。
【0062】
設定変更部13は、6つの光源61a〜61fにそれぞれ対応する6つの光量パラメータを変更する。設定変更部13は、ユーザの操作に基づいて、これらの6つの光量パラメータを6つの光源61a〜61fごとに個別に変更することが可能である。
【0063】
また、画像処理装置100の本体部10は、不揮発性メモリ40、カード読取部44、及び、信号入力部41をさらに備えており、これらは制御部1に接続されている。
【0064】
不揮発性メモリ40は、画像表示システム120の電源オフ時においても記憶内容を維持可能なスタンバイRAM(車両が備えるバッテリに直結されたRAM)や、フラッシュメモリなどで構成されている。不揮発性メモリ40には、車種別データ4a及び光量設定データ4bなどが記憶されている。
【0065】
車種別データ4aは、画像表示システム120が搭載される車両の種別に応じたデータであり、車両の各種サイズなどが含まれている。また、光量設定データ4bは、6つの光源61a〜61fの光量をそれぞれ規定する6つの光量パラメータを含むテーブルデータである。
【0066】
カード読取部44は、可搬性の記録媒体であるメモリカードMCの読み取りを行う。カード読取部44は、メモリカードMCの着脱が可能なカードスロットを備えており、そのカードスロットに装着されたメモリカードMCに記録されたデータを読み取る。カード読取部44で読み取られたデータは、制御部1に入力される。
【0067】
メモリカードMCは、種々のデータを記憶可能なフラッシュメモリなどで構成されており、画像表示システム120はメモリカードMCに記憶された種々のデータを利用できる。例えば、メモリカードMCにプログラムを記憶させ、これを読み出すことで、制御部1の機能を実現するプログラム(ファームウェア)を更新することが可能である。また、メモリカードMCに不揮発性メモリ40に記憶された車種別データ4aとは異なる種別の車両に応じた車種別データを記憶させ、これを読み出して不揮発性メモリ40に記憶させることで、画像表示システム120を異なる種別の車両に対応させることも可能である。
【0068】
また、信号入力部41は、車両に設けられた各種装置からの信号を入力する。この信号入力部41を介して、画像表示システム120の外部からの信号が制御部1に入力される。具体的には、照度センサ98及び車速度センサ99などから、各種情報を示す信号が制御部1に入力される。
【0069】
照度センサ98は、フロントウインドウ中央上部やダッシュボード上に取り付けられ、車両の周辺環境の明るさを示す照度を検出する。照度センサ98からは、検出結果となる照度が入力される。また、車速度センサ99からは、その時点の車両9の走行速度(km/h)が入力される。
【0070】
<1−2.撮影部及び照明部>
次に、画像処理装置100の撮影部5及び照明部6L,6Rについてより詳細に説明する。撮影部5及び照明部6L,6Rは、制御部1に電気的に接続され、制御部1からの信号に基づいて動作する。
【0071】
撮影部5は、フロントカメラ、バックカメラ及び左右のサイドカメラの4つの車載カメラを備えている。各車載カメラは、CCDやCMOSなどの撮像素子を備えており電子的に画像を取得する。また、各車載カメラは、撮像素子で得られる画像の明るさに基づいて、画像が適切な明るさとなるように露光時間及び絞りを調整する露出制御を行う。
【0072】
図2は、4つの車載カメラが車両9に配置される位置を示す図である。なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜、図中に示す3次元のXYZ直交座標を用いる。このXYZ軸は車両9に対して相対的に固定される。ここで、X軸方向は車両9の左右方向に沿い、Y軸方向は車両9の直進方向(前後方向)に沿い、Z軸方向は鉛直方向に沿っている。また、便宜上、+X側を車両9の右側、+Y側を車両9の後側、+Z側を上側とする。
【0073】
フロントカメラ51は、車両9の前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸51aは車両9の直進方向(平面視でY軸方向の−Y側)に向けられている。バックカメラ52は、車両9の後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸52aは車両9の直進方向の逆方向(平面視でY軸方向の+Y側)に向けられている。また、サイドカメラ53は、左右のドアミラー93にそれぞれ設けられており、その光軸53aは車両9の左右方向(平面視でX軸方向)に沿って外部に向けられている。なお、フロントカメラ51やバックカメラ52の取り付け位置は、左右略中央であることが望ましいが、左右中央から左右方向に多少ずれた位置であってもよい。
【0074】
これらの車載カメラ51,52,53のレンズとしては魚眼レンズなどが採用されており、車載カメラ51,52,53は180度以上の画角αを有している。このため、4つの車載カメラ51,52,53を利用することで、車両9の全周囲の撮影が可能となっている。
【0075】
図1に戻り、照明部6L,6Rに含まれる6つの光源61a〜61fは、不可視光である近赤外光を発光するLEDなどで構成される。近赤外光は人間の目には見えないため、光源61a〜61fから車両9の周辺を照明したとしても、車両9の周辺に存在する歩行者などに影響を与えることがない。一方で、車載カメラ51〜53に採用される撮像素子は、近赤外光の感度を有している。このため、車両9の周辺環境が比較的暗い場合においては、照明部6L,6Rの光源61a〜61fの近赤外光を補助光として車両9の周辺の領域を照明することにより、歩行者などに影響を与えることなく、車両9の周辺の様子を示す画像を取得できる。
【0076】
左照明部6Lは車両9の左側のドアミラー93に配置され、右照明部6Rは車両9の右側のドアミラー93に配置される(図4参照。)。左照明部6Lは車両9の左側の側方領域の照明を担い、右照明部6Rは車両9の右側の側方領域の照明を担う。
【0077】
図3は、左照明部6Lの構成を示す図であり、車両9の左側(−X側)から見たYZ平面での断面図となっている。図に示すように、左照明部6Lは筐体となるハウジング60を有し、このハウジング60内に3つの光源61a〜61cが収容されている。
【0078】
3つの光源61a〜61cは、具体的には、車両9の前方側の領域を主に照明する前方光源61aと、車両9の後方側の領域を主に照明する後方光源61cと、前方光源61a及び後方光源61cが照明する領域の相互間の領域を主に照明する中央光源61bとである。中央光源61bはハウジング60の中央部分に配置され、前方光源61aと後方光源61cとはハウジング60の中心に関して対称に配置されている。ハウジング60において、これらの光源61a〜61cの下部に相当する部分には、近赤外光を透過する透過部材69が採用されている。これにより、光源61a〜61cの補助光をハウジング60の外部に投光できるようになっている。
【0079】
車両9の左右方向(X軸方向)から見て、中央光源61bの光軸62bの方向は鉛直方向(Z軸方向)に沿っており、前方光源61aの光軸62aの方向は車両9の前方側(−Y側)に傾けられ、後方光源61cの光軸62cの方向は車両9の後方側(+Y側)に傾けられている。
【0080】
図4及び図5は、左照明部6Lの3つの光源61a,61b,61cの光軸62a,62a,63aの車両9に対する位置関係を示す図である。図4は上面図(+Z側から見た図)、図5は側面図(−X側から見た図)である。
【0081】
これらの図に示すように、ドアミラー93に設けられる左照明部6Lから、車両9の側面に対しX軸方向に500mm離間した位置に向けて、3つの光源61a,61b,61cの光軸62a,62b,62cが延びている。
【0082】
これら光軸62a,62b,62cが延びる方向は互いに異なっている。具体的には、平面視(図4参照)で、中央光源61bの光軸62bは車両9の左右方向(X軸方向)に沿っており、前方光源61aの光軸62aは車両9の前方側(−Y側)に向けられ、後方光源61cの光軸62cは車両9の後方側(+Y側)に向けられている。また、側面視(図5参照)で、中央光源61bの光軸62bは鉛直方向(Z軸方向)に沿っており、前方光源61aの光軸62aは車両9の前方側(−Y側)に向けられ、後方光源61cの光軸62cは車両9の後方側(+Y側)に向けられている。前方光源61aの光軸62aの方向と後方光源61cの光軸62cの方向とは、中央光源61bの光軸62bの方向に関して対称とされている。
【0083】
このような光軸62a〜62cの配置により、左照明部6Lの3つの光源61a〜61cによって車両9の側方にある側方領域SAが分担して照明される。この側方領域SAは、車両9に対して相対的に固定され、照明の対象とすべき特定領域として設定されている。車両9の前後方向(Y軸方向)においては、車両9の前端よりも約2m前方の位置から車両9のおよそ後端位置までが側方領域SAの範囲となっている。また、車両9の左右方向(X軸方向)においては、車両9の側面の位置からその外側に約1m離れた位置までが側方領域SAの範囲となっている。
【0084】
3つの光源61a,61b,61cは、この側方領域SAを分割した複数の区分領域FA,BA,CAをそれぞれ照明する。具体的には、前方光源61aは、照明対象となる側方領域SAのうち、車両9の前端よりも前方の区分領域(以下、「前方領域」という。)FAを主に照明する。後方光源61cは、照明対象となる側方領域SAのうち、車両9のリアドア96及びリアフェンダ97付近の外側の区分領域(以下、「後方領域」という。)BAを主に照明する。また、中央光源61bは、照明対象となる側方領域SAのうち、前方領域FAと後方領域BAとの間となる、車両9のフロントフェンダ94及びフロントドア95付近の外側の区分領域(以下、「中央領域」という。)CAを主に照明することになる。
【0085】
なお、上記では、左照明部6Lの構成や配置についてのみ説明したが、右照明部6Rの構成や配置は、車両9の左右中央に関して左照明部6Lと対称となっている。したがって、右照明部6Rも同様に、車両9の右側に特定領域として設定された側方領域を照明する。そして、右照明部6Rの3つの光源61d,61e,61fは、この側方領域を分割した複数の区分領域(前方領域、中央領域及び後方領域)をそれぞれ照明することになる。
【0086】
以上のような6つの光源61a〜61fの光量は、それぞれ個別に調整可能とされている。図6は、6つの光源61a〜61fの光量の調整に関連する画像表示システム120の構成を示す図である。
【0087】
6つの光源61a〜61fには、本体部10に備える電力供給部7から電力が供給される。電力供給部7は、直流の電圧を変更するDC−DCコンバータ(以下、単に「コンバータ」という。)71を備えている。コンバータ71は、車両に設けられるバッテリ89の電圧BATT(例えば、12.5V)を、一定の電圧Vcc(例えば、6V)に降圧する。これにより、コンバータ71の出力端子71cに接続された電力ライン72の電圧が一定の電圧Vccとされる。
【0088】
左照明部6Lが備える3つの光源61a,61b,61cは並列に配置され、それぞれ上流側は可変抵抗器63a,63b,63cを介して電力ライン72に接続され、下流側は接地されている。同様に、右照明部6Rが備える3つの光源61d,62e,63fも並列に配置され、それぞれ上流側は可変抵抗器63d,63e,63fを介して電力ライン72に接続され、下流側は接地されている。
【0089】
各光源61a〜61fの光量は、当該光源を流れる電流の値に依存する。したがって、電力ライン72の電圧は一定であることから、各光源61a〜61fの上流側に設けられる可変抵抗器63a〜63fの抵抗値を個別に変更することで、各光源61a〜61fの光量を個別に変更できる。例えば、可変抵抗器の抵抗値を小さくすると電流の値が大きくなるため、当該可変抵抗器の下流側の光源の光量は大きくなる。逆に、可変抵抗器の抵抗値を大きくすると電流の値が小さくなるため、当該可変抵抗器の下流側の光源の光量は小さくなる。また、可変抵抗器の部分では回路を切ることも可能である。回路を切る(抵抗値を無限大にする)と、電流は流れなくなり、当該回路の光源の光量は0となる。すなわち、当該回路の光源は消灯する。
【0090】
左照明部6Lは、左照明部6Lに設けられる可変抵抗器63a〜63cの抵抗値をそれぞれ個別に変更可能な抵抗制御部65Lを備えている。同様に、右照明部6Rも、右照明部6Rに設けられる可変抵抗器63d〜63fの抵抗値をそれぞれ個別に変更可能な抵抗制御部65Rを備えている。抵抗制御部65L,65Rは、各可変抵抗器63a〜63fの部分で回路を切ることも可能である。本体部10が備える制御部1の照明制御部12は、これらの抵抗制御部65L,65Rに信号を送信することで、左照明部6Lの3つの光源61a〜61c、及び、右照明部6Rの3つの光源61d〜61fの計6つの光源61a〜61fの光量を個別に調整することが可能となっている。
【0091】
ただし、コンバータ71の出力容量には限界があり、コンバータ71は定格を超える電力を出力することはできない。つまり、コンバータ71の出力端子71cを流れる電流の値には上限がある。6つの光源61a〜61fには、全てコンバータ71の共通の出力端子71cから電力が供給される。したがって、6つの光源61a〜61fを流れる電流は全て出力端子71cを流れるため、この6つの光源61a〜61fを流れる電流の合計値には上限が存在することになる。本実施の形態では、この電流の合計値の上限は例えば200(mA)である。
【0092】
前述のように各光源61a〜61fの光量は流れる電流の値に依存することから、6つの光源61a〜61fの光量の合計には、コンバータ71の能力に基づいた上限の光量が存在することになる。以下、このコンバータ71の能力に基づく上限となる特定光量を「限界光量」という。6つの光源61a〜61fの光量は、その合計が限界光量を超えないように調整されることになるが詳細は後述する。
【0093】
<1−3.画像変換処理>
次に、画像生成部3の合成画像生成部32が、撮影部5で得られた複数の撮影画像に基づいて車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像を生成する手法について説明する。合成画像を生成する際には、不揮発性メモリ40に予め記憶された車種別データ4aが利用される。図7は、合成画像を生成する手法を説明するための図である。
【0094】
撮影部5のフロントカメラ51、バックカメラ52及びサイドカメラ53で同時に撮影が行われると、車両9の前方、後方、左側方、及び、右側方をそれぞれ示す4つの撮影画像P1〜P4が取得される。すなわち、撮影部5で取得される4つの撮影画像P1〜P4には、撮影時点の車両9の全周囲を示す情報が含まれていることになる。
【0095】
次に、4つの撮影画像P1〜P4の各画素が、仮想的な三次元空間における立体曲面SPに投影される。立体曲面SPは、例えば略半球状(お椀形状)をしており、その中心部分(お椀の底部分)が車両9が存在する位置として定められている。撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の位置と、この立体曲面SPの各画素の位置とは予め対応関係が定められている。このため、立体曲面SPの各画素の値は、この対応関係と撮影画像P1〜P4に含まれる各画素の値とに基づいて決定できる。
【0096】
撮影画像P1〜P4の各画素の位置と立体曲面SPの各画素の位置との対応関係は、車両9における4つの車載カメラ51,52,53の配置(相互間距離、地上高さ、光軸角度等)に依存する。このため、この対応関係を示すテーブルデータが、不揮発性メモリ40に記憶された車種別データ4aに含まれている。
【0097】
また、車種別データ4aに含まれる車体の形状やサイズを示すポリゴンデータが利用され、車両9の三次元形状を示すポリゴンモデルである車両像90が仮想的に構成される。構成された車両像90は、立体曲面SPが設定される三次元空間において、車両9の位置と定められた略半球状の中心部分に配置される。
【0098】
さらに、立体曲面SPが存在する三次元空間に対して、制御部1により仮想視点VPが設定される。仮想視点VPは、視点位置と視野方向とで規定され、この三次元空間における車両9の周辺に相当する任意の視点位置に任意の視野方向に向けて設定される。
【0099】
そして、設定された仮想視点VPに応じて、立体曲面SPにおける必要な領域が画像として切り出される。仮想視点VPと、立体曲面SPにおける必要な領域との関係は予め定められており、テーブルデータとして不揮発性メモリ40等に予め記憶されている。一方で、設定された仮想視点VPに応じてポリゴンで構成された車両像90に関してレンダリングがなされ、その結果となる二次元の車両像90が、切り出された画像に対して重畳される。これにより、車両9及びその車両9の周辺を任意の仮想視点からみた様子を示す合成画像が生成されることになる。
【0100】
例えば、視点位置が車両9の位置の略中央の直上位置で、視野方向が略直下方向とした仮想視点VP1を設定した場合は、車両9の略直上から車両9を見下ろすように、車両9(実際には車両像90)及び車両9の周辺の様子を示す合成画像CP1が生成される。また、図中に示すように、視点位置が車両9の位置の左後方で、視野方向が車両9における略前方とした仮想視点VP2を設定した場合は、車両9の左後方からその周辺全体を見渡すように、車両9(実際には車両像90)及び車両9の周辺の様子を示す合成画像CP2が生成される。
【0101】
なお、実際に合成画像を生成する場合においては、立体曲面SPの全ての画素の値を決定する必要はなく、設定された仮想視点VPに対応して必要となる領域の画素の値のみを撮影画像P1〜P4に基づいて決定することで、処理速度を向上できる。
【0102】
<1−4.動作モード>
次に、画像表示システム120の動作モードについて説明する。図8は、画像表示システム120の動作モードの遷移を示す図である。画像表示システム120は主に、ナビモードM1、画像表示モードM2、及び、光量設定モードM3の3つの動作モードを有している。これらの動作モードは、ユーザの操作や車両の走行状態に応じて制御部1の制御により切り替えられる。
【0103】
ナビモードM1は、ナビゲーション装置20の機能により、ナビゲーション案内用の地図画像などをディスプレイ21に表示する動作モードである。ナビモードM1では、画像処理装置100の機能が利用されず、ナビゲーション装置20単体の機能で各種の表示がなされる。
【0104】
一方、画像表示モードM2は、画像処理装置100の機能を利用して、撮影画像及び合成画像の少なくとも一つの車両周辺画像をディスプレイ21に表示する動作モードである。これにより、画像表示モードM2においては、車両9の周辺の様子がほぼリアルタイムでユーザに示されることになる。
【0105】
さらに、光量設定モードM3は、照明部6L,6Rの6つの光源61a〜61fの光量を設定するための動作モードである。光量設定モードM3においては、6つの光源61a〜61fの光量をそれぞれ個別にユーザが設定することができる。
【0106】
画像表示システム120は起動すると、最初にナビモードM1となる。そして、ナビモードM1において、ユーザが所定の操作を行うと、動作モードが画像表示モードM2に切り替えられる。また、画像表示モードM2において、走行速度が例えば10km/h以上になったときは、動作モードがナビモードM1に切り替えられる。これは、車両9の走行速度が比較的高い場合においてドライバを走行に集中させるためである。また、ナビモードM1において、メニュー画面を出し、さらに所定の操作を行うと動作モードが光量設定モードM3に切り替えられる。
【0107】
画像表示モードM2では、互いに表示態様が異なる3つの表示モードがあり、ユーザが切替スイッチ43を押下するごとに表示モードが変更される。具体的には、3つの表示モードとして、全体俯瞰モードM21、後方俯瞰モードM22、及び、サイドモードM23がある。これらの3つの表示モードでは、表示される車両周辺画像の種類が互いに異なっている。すなわち、表示モードごとに異なる視点から見た車両の周辺の領域がユーザに示されることになる。
【0108】
全体俯瞰モードM21は、図9に示すように、車両の直上の仮想視点からみた車両の周辺の様子を示す合成画像である全体俯瞰画像P21を含む画面をディスプレイ21に表示する表示モードである。全体俯瞰画像P21には、車両の周辺全体の領域が被写体像として含まれている。このため、全体俯瞰モードM21は、前進後退を問わず走行中のさまざまな場面で汎用性高く利用できる。
【0109】
また、後方俯瞰モードM22は、図10に示すように、車両の後方の仮想視点からみた車両の周辺の様子を示す合成画像である後方俯瞰画像P22を含む画面をディスプレイ21に表示する表示モードである。後方俯瞰画像P22には主に、車両の左右の側方領域が被写体像として含まれている。この後方俯瞰画像P22は、全体俯瞰画像P21と比較して仮想視点の位置が車両の後方に移動されているため、車両の後方の領域は狭くなるものの、車両の側方領域が確認しやすくなっている。このため、後方俯瞰モードM22は、対向車とすれ違う場合において対向車とのクリアランスを確認するのに有効に利用できる。
【0110】
また、サイドモードM23は、図11に示すように、左右のサイドカメラ53それぞれの撮影によって得られる2つのサイド画像P23を並べて含む画面をディスプレイ21に表示する表示モードである。サイド画像P23は、合成画像ではなくサイドカメラ53の撮影画像であり、視点の位置はサイドカメラ53の位置となる。サイド画像P23は、運転席から死角となりやすい車両のフロントフェンダの外側の領域のみを被写体像として含んでいる。このため、サイドモードM23は、道路の端に車体を寄せる幅寄せを行う場合などにおいて車両の近傍の領域を確認するのに利用できる。
【0111】
このように、画像表示モードM2においては、視点の位置が互いに異なる複数の種類の車両周辺画像が表示可能である。換言すれば、被写体像として含まれる車両9の周辺の領域が互いに異なる複数の種類の車両周辺画像が表示可能であるともいえる。そして、切替スイッチ43の押下に応答して、ディスプレイ21に表示する車両周辺画像の種類が切り替えられる。これにより、ユーザの所望の視点から車両9の周辺の様子を確認できるようになっている。
【0112】
<1−5.画像表示モードでの照明動作>
このように画像表示モードM2では、撮影部5を利用して得られる車両周辺画像が表示される。しかしながら、夜間など周辺環境が暗い場合においては、撮影時に十分な露光量が得られず、車両9の周辺を示すために明るさが十分に確保できない場合がある。このため、画像表示モードM2において周辺環境が比較的暗い場合には、照明部6L,6Rは撮影を補助する補助光を発光して車両9の側方領域を照明する。
【0113】
図12は、このような画像表示モードM2における照明に係る動作の流れを示す図である。この動作は、特に言及しない限り照明制御部12の制御により実行される。図12の動作は、画像表示モードM2になったことに応答して開始される。
【0114】
まず、照明部6L,6Rによる照明が必要か否かが判定される(ステップS11)。具体的には、照度センサ98から入力される車両9の周辺環境の明るさを示す照度が、所定のしきい値よりも低いか否かによって照明の必要性が判定される。なお、撮影部5で取得される撮影画像の平均輝度に基づいて照明の必要性を判定してもよい。
【0115】
照度が所定のしきい値よりも高い場合は照明が不要と判断され(ステップS11にてNo)、全ての光源61a〜61fが消灯したまま(ステップS15)、処理が終了する。
【0116】
一方、照度が所定のしきい値よりも低い場合は照明が必要と判断される(ステップS11にてYes)。この場合は、次に、不揮発性メモリ40から光量設定データ4bが読み出され、この光量設定データ4bから6つの光量パラメータが取得される(ステップS12)。
【0117】
前述のとおり、この6つの光量パラメータは6つの光源61a〜61fの光量をそれぞれ規定する。各光量パラメータは「0」〜「20」の整数で表される。そして、この光量パラメータに10を乗算した値が、対応する光源に流すべき電流の値(mA)とされる。つまり、光量パラメータが「1」の場合は対応する光源に流すべき電流の値は10(mA)となり、光量パラメータが「3」の場合は対応する光源に流すべき電流の値は30(mA)となる。
【0118】
6つの光量パラメータが取得されると、各光量パラメータに基づいて、照明制御部12から照明部6L,6Rの抵抗制御部65L,65Rに信号が送信される。これに応答して、2つの抵抗制御部65L,65Rが各光源61a〜61fの上流側の可変抵抗器63a〜63fの抵抗値を変更する。これにより、各光源61a〜61fに流れる電流の値が、対応する光量パラメータによって示される電流の値となるように調整される。その結果、6つの光源61a〜61fの光量が個別に調整される。各光源61a〜61fは、このようにして光量が個別に調整された状態で点灯される(ステップS13)。
【0119】
このような光源61a〜61fの点灯状態は、画像表示モードM2が終了するまで維持される(ステップS14)。動作モードが画像表示モードM2からナビモードM1などへ移行すると(ステップS14にてYes)、全ての光源61a〜61fが消灯され(ステップS15)、処理が終了する。
【0120】
<1−6.光量設定モード>
このように画像表示モードM2では6つの光量パラメータに基づいて6つの光源61a〜61fの光量が個別に調整される。各光源61a〜61fの光量を規定する光量パラメータについては、光量設定モードM3においてユーザが任意に変更できる。これにより、画像表示システム120では、車両9の側方に設定された複数の区分領域(前方領域,中央領域及び後方領域)のそれぞれをユーザの所望の光量で照明できるようになっている。
【0121】
図13は、光量設定モードM3において6つの光量パラメータを変更するためにディスプレイ21に表示される変更画面21aの例を示す図である。
【0122】
図に示すように、変更画面21aの左側には、6つの光源61a〜61cの6つの光量パラメータの設定状態を示す光量設定領域80が配置されている。光量設定領域80においては、車両9を直上から見た場合の形状を示す車体イラスト91が示されている。また、車体イラスト91の左右側方には、左右の6つの区分領域(図4に示す前方領域FA,中央領域CA,後方領域BA)にそれぞれ対応する6つの表示区分領域81a〜81fが設けられている。6つの表示区分領域81a〜81fは車体イラスト91との相対的な位置関係により、対応する実際の区分領域の車両9に対する相対的な位置を示している。
【0123】
実際の区分領域の位置は、車両9における光源の配置(地上高さ、前後位置等)に依存するため、車両9の種別によって異なる。このため、車種別データ4aには、表示区分領域81a〜81fを調整するための調整データが含まれている。そして、この調整データに基づいて表示区分領域81a〜81fの位置が画像表示システム120が搭載される車両9の種別に応じて調整される。これにより、区分領域の車両9に対する相対的な位置を、車両9の種別に合わせて適切に表示することが可能となる。
【0124】
6つの表示区分領域81a〜81fは、ユーザが当該位置に触れることでいずれかを選択可能となっている。選択状態の表示区分領域81a〜81fには、カーソルCが配置される。表示区分領域81a〜81fのいずれかを選択することは、対応する区分領域を選択することに実質的に相当する。例えば、図に示すように、変更画面21aにおいて左上にある表示区分領域81aを選択した場合は、左側の前方領域FAを選択したことに相当する。
【0125】
また、6つの表示区分領域81a〜81fのそれぞれの外側には、パラメータ表示領域82a〜82fが設けられている。各パラメータ表示領域82a〜82fは、内側の表示区分領域81a〜81fが示す実際の区分領域に対応している。そして、各パラメータ表示領域82a〜82fには、対応する区分領域を照明する光源61a〜61fの光量を規定する光量パラメータの値が設定バーB1を用いて示される。
【0126】
設定バーB1の1本は、光量パラメータの「1」に相当する。例えば、図13においては、左上にある表示区分領域81aの外側のパラメータ表示領域82aには設定バーB1が3本示されている。これは、左側の前方領域FAを照明する光源61aの光量パラメータが「3」であることを示すことになる。
【0127】
このように光量設定領域80では、各区分領域に対応させて光量パラメータの値が示されるが、これらの光量パラメータの値はそれぞれユーザの操作によって変更することができるようになっている。光量パラメータの値を変更する場合は、まず、所望の表示区分領域81a〜81fに触れて、いずれか一の区分領域を選択する。そして、一の区分領域を選択した状態で、ナビゲーション装置20の操作部22を介してユーザが所定操作を行うことで、選択された一の区分領域を照明する光源の光量パラメータが増減することになる。この際、光量パラメータの増減に合わせて、パラメータ表示領域82a〜82fの設定バーB1の本数も増減する。これにより、ユーザは所望の区分領域を照明する光源の光量パラメータを所望の値に容易に調整できる。
【0128】
なお、一の区分領域を選択した後に光量パラメータの値を変更する操作方法は、どのようなものであってもよい。例えば、表示区分領域81a〜81fやパラメータ表示領域82a〜82fに触れることで、光量パラメータの値が増減するようにしてもよい。
【0129】
また、光量設定領域80の下方には、残量表示領域84が配置されている。前述のとおり、6つの光源61a〜61fの光量の合計には上限の光量が存在し、限界光量以下とする必要がある。残量表示領域84においては、6つの光源61a〜61fの光量の合計が限界光量と一致するまでに変更可能な光量パラメータの量を示す指標が表示される。具体的には、増加可能な光量パラメータの量が白色バーB2の本数で示される。また、既に設定済の光量パラメータの量が灰色バーB3の本数で示される。これら白色バーB2及び灰色バーB3の1本も、光量パラメータの「1」に相当する。
【0130】
本実施の形態では、6つの光源61a〜61fの光量の合計を限界光量以下とするためには、6つの光量パラメータの合計値は「20」以下である必要がある。白色バーB2と灰色バーB3とは合わせて20本あり、灰色バーB3の本数はパラメータ表示領域82a〜82fに表示されている設定バーB1の本数の合計と一致される。図13の例では、設定済の光量パラメータの量は「13」であり、6つの光源61a〜61fの光量の合計が限界光量と一致するまでに光量パラメータを「7」増加可能であることが示されている。ユーザは、このような表示を閲覧することで、コンバータ71の電力の供給能力の限界となるまでに増加可能な光量パラメータの量を明確に把握できることになる。
【0131】
また、変更画面21aの右側には、車両周辺画像を表示するための画像表示領域86が配置されている。画像表示領域86においては、その時点の撮影部5による撮影により得られた車両周辺画像が表示される。すなわち、車両周辺画像は、車両9の周辺の様子をほぼリアルタイムに示すことになる。
【0132】
また、画像表示領域86の上部には、3つのコマンドボタンCb11〜Cb13が配置されている。これら3つのコマンドボタンCb11〜Cb13は、全体俯瞰画像P21、後方俯瞰画像P22、及び、サイド画像P23にそれぞれ対応している。このコマンドボタンCb11〜Cb13に触れることで、画像表示領域86に表示させる車両周辺画像の種類を変更することができる。
【0133】
さらに、画像表示領域86の右下には完了ボタンCb5が配置されている。この完了ボタンCb5に触れることで、変更した光量パラメータの値が確定され、光量設定データ4bとして不揮発性メモリ40に記憶されることになる。
【0134】
図14は、光量設定モードM3における動作の流れを示す図である。以下に説明する動作は、特に言及しない限り設定変更部13の制御により実行される。設定変更部13は、画像制御部11及び照明制御部12と適宜に連携して動作を実行する。図14の動作は、光量設定モードM3になったことに応答して開始される。
【0135】
まず、照明制御部12の制御により、光源61a〜61fが点灯される。すなわち、不揮発性メモリ40から光量設定データ4bが照明制御部12により読み出され、この光量設定データ4bから6つの光量パラメータが取得される(ステップS21)。そして、各光量パラメータに基づいて、照明制御部12から照明部6L,6Rの抵抗制御部65L,65Rに信号が送信される。これにより、6つの光源61a〜61fの光量が光量パラメータに基づいて個別に調整される。各光源61a〜61fは、このようにして光量が個別に調整された状態で点灯される(ステップS22)。
【0136】
次に、撮影部5によって車両の周辺の撮影がなされ、得られた撮影画像に基づいて車両周辺画像(この時点では、全体俯瞰画像P21)が画像生成部3において生成される。そして、ディスプレイ21には、図13に示すような変更画面21aが表示され、生成された車両周辺画像が画像表示領域86に表示される(ステップS23)。
【0137】
そして、以降はユーザの操作を待機する操作待機状態となる。この操作待機状態においては、撮影部5によって車両9の周辺の撮影がなされ、得られた撮影画像に基づいて車両周辺画像が生成されて画像表示領域86に表示されるといった動作が繰り返される(ステップS31にてNo→ステップS23)。これにより、車両9の周辺の様子がほぼリアルタイムにユーザに示される。すなわち、ユーザは、車両9の周辺の各区分領域がどのような明るさで照明されているかを、ほぼリアルタイムに把握できることになる。
【0138】
このような操作待機状態で、区分領域を指定する操作、すなわち、表示区分領域81a〜81fのいずれかに触れるユーザの操作が発生した場合は(ステップS24にてYes)、触れられた表示区分領域81a〜81fにカーソルCが移動する。そして、指定された区分領域が、光量パラメータの変更対象とする区分領域として選択される(ステップS25)。
【0139】
また、操作待機状態で、光量パラメータを変更する操作、すなわち、ナビゲーション装置20の操作部22を介した所定の操作があった場合は(ステップS26にてYes)、当該操作に基づいて、変更対象とする区分領域の光量パラメータが変更される(ステップS27)。
【0140】
ただし、ユーザから指示された光量パラメータの変更によって、6つの光源61a〜61fの光量の合計が限界光量を超える場合は、そのユーザの操作は受け付けられず、光量パラメータは変更されない。これにより、コンバータ71の電力の供給能力における適切な範囲内で各光源61a〜61fの光量を変更できる。
【0141】
そして、このようにユーザの操作を受け付けない場合は、図15に示すように、6つの光源61a〜61fの光量の合計が限界光量を超える旨を示す警告ダイアログDがディスプレイ21に表示される。これにより、コンバータ71の電力の供給能力の限界をユーザが明確に把握することができる。なお、警告音を出力するなど、他の手法でユーザに警告を報知するようにしてもよい。
【0142】
また、正常に光量パラメータが変更された場合は、この光量パラメータの変更に応答して、照明制御部12の制御により、変更後の光量パラメータに基づいて実際に光源の光量が調整される(ステップS28)。これにより、当該光源が照明する車両9の周辺の区分領域の明るさに変化が生じることになる。このような明るさの変化は、画像表示領域86に表示されている車両周辺画像によって確認することができる。すなわち、ユーザは、光量パラメータを変更した結果を、車両周辺画像を閲覧することでほぼリアルタイムに把握できる。したがって、ユーザは、車両9の周辺の所望の区分領域が所望の明るさで照明されるように光量パラメータを容易に変更できることになる。
【0143】
また、操作待機状態で、表示させる車両周辺画像の種類を変更する操作、すなわち、3つのコマンドボタンCb11〜Cb13のいずれかに触れる操作があった場合は(ステップS29にてYes)、指定されたコマンドボタンCb11〜Cb13に対応する種類の車両周辺画像が画像表示領域86に表示される。すなわち、画像制御部11の制御により、当該種類の車両周辺画像が画像生成部3において生成されて、生成された車両周辺画像が画像表示領域86に表示される(ステップS30)。
【0144】
全体俯瞰画像ボタンCb11に触れた場合は、図13に示すように、画像表示領域86に全体俯瞰画像P21が表示される。また、後方俯瞰画像ボタンCb12に触れた場合は、図16に示すように、画像表示領域86に後方俯瞰画像P22が表示される。さらに、、サイド画像ボタンCb13に触れた場合は、図17に示すように、画像表示領域86にサイド画像P23が表示される。そして、以降は、変更後の種類の車両周辺画像が画像表示領域86に表示される動作が繰り返される(ステップS31にてNo→ステップS23)。このように、ユーザの操作によって車両周辺画像の種類を切り替えて表示させることが可能であるため、ユーザは、所望の視点から各区分領域の明るさを確認できる。
【0145】
また、操作待機状態で、完了ボタンCb5に触れる操作があった場合は(ステップS31にてYes)、その時点において光量設定領域80において設定されている光量パラメータが確定され、光量設定データ4bとして不揮発性メモリ40に記憶されることになる。そして、光量設定モードM3が終了する。
【0146】
以上のように、本実施の形態の画像表示システム120においては、複数の区分領域をそれぞれ照明する複数の光源61a〜61fがあり、これら複数の光源61a〜61fの光量をそれぞれ規定する複数の光量パラメータをユーザの操作に基づいて光源61a〜61fごとに個別に変更することが可能である。したがって、複数の区分領域ごとにユーザの所望の光量で照明することができる。その結果、ユーザにとって見えにくい被写体や、注目すべき被写体を明るくして明瞭に確認することができることになる。
【0147】
また、光量パラメータの変更に用いる変更画面21a中に、車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに示す車両周辺画像を表示することから、ユーザは、光源61a〜61fの光量を変更した場合における各区分領域の明るさをほぼリアルタイムに確認できる。
【0148】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.概要>
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では表示する車両周辺画像の種類に係わらず共通の光量パラメータが使用されていたが、第2の実施の形態では車両周辺画像の種類に合わせた光量パラメータが使用されるようになっている。本実施の形態の画像表示システム120の構成及び動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点について説明する。
【0149】
図18は、第2の実施の形態の光量設定データ4bの例を示す図である。前述のように、光量パラメータとしては、左照明部6Lの前方光源61a、中央光源61b及び後方光源61c、並びに、右照明部6Rの前方光源61d、中央光源61e及び後方光源61fにそれぞれ対応する6つがある。本実施の形態では、この6つの光量パラメータをまとめて1つのパラメータセットStとしている。そして、図18に示すように、このパラメータセットStが車両周辺画像の種類ごとに用意されて、光量設定データ4bに含まれている。
【0150】
画像表示モードM2では、ディスプレイ21に表示する車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットStが光量設定データ4bから取得され、このパラメータセットStに基づいて6つの光源61a〜61fの光量が調整される。
【0151】
<2−2.画像表示モードでの照明動作>
図19は、第2の実施の形態の画像表示モードM2における照明に係る動作の流れを示す図である。
【0152】
まず、照明部6L,6Rによる照明が必要か否かが判定される(ステップS41)。照明が不要な場合は(ステップS41にてNo)、全ての光源61a〜61fが消灯したまま(ステップS47)、処理が終了する。
【0153】
一方、照明が必要な場合は(ステップS41にてYes)、まず、現在の表示モードが取得される(ステップS42)。次に、当該表示モードでディスプレイ21に表示する車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットが、不揮発性メモリ40の光量設定データ4bから取得される。すなわち、全体俯瞰モードM21では全体俯瞰画像P21に対応するパラメータセット、後方俯瞰モードM22では後方俯瞰画像P22に対応するパラメータセット、サイドモードM23ではサイド画像P23に対応するパラメータセットがそれぞれ取得される(ステップS43)。
【0154】
パラメータセットが取得されると、パラメータセットに含まれる6つの光量パラメータに基づいて、照明制御部12の制御により、6つの光源61a〜61fの光量が個別に調整される。各光源61a〜61fは、このようにして光量が個別に調整された状態で点灯される(ステップS44)。これにより、各光源61a〜61fの光量は、表示している車両周辺画像の視点に最適な光量に調整できることになる。
【0155】
前述のように、画像表示モードM2では、切替スイッチ43を押下するごとに表示モードを変更可能である。表示モードの変更があるときは、ディスプレイ21に表示する車両周辺画像の種類が切り替わることから、パラメータセットも変更する必要がある。
【0156】
このため、このような表示モードの変更が発生した場合は(ステップS45にてYes)、これに応答して、処理はステップS42に戻る。そして、再び表示モードが取得され、切り替え後の車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットが取得される(ステップS43)。そして、このパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータに基づいて、照明制御部12の制御により、6つの光源61a〜61fの光量が個別に調整されることになる(ステップS44)。
【0157】
このように、ディスプレイ21に表示させる車両周辺画像の切り替えに応答して、切り替え後の車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットが取得され、当該パラメータセットに基づいて6つの光源61a〜61fの光量がそれぞれ調整される。このため、車両周辺画像の切り替えの直後から、切り替え後の車両周辺画像の視点に最適な光量に調整できることになる。
【0158】
動作モードが画像表示モードM2からナビモードM1などへ移行すると(ステップS46にてYes)、全ての光源61a〜61fが消灯され(ステップS47)、処理が終了する。
【0159】
<2−3.光量設定モード>
第2の実施の形態においても、画像表示モードM2において光量パラメータを変更することができる。ただし、パラメータセットが複数あるため、まず、パラメータセットの内容を変更すべき所望の車両周辺画像の種類をユーザが指定し、その指定された車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更することになる。
【0160】
図20は、画像表示モードM2においてディスプレイ21に表示される画面の遷移を示す図である。画像表示モードM2では、まず、車両周辺画像の種類をユーザが指定するための画像指定画面21bが表示される。この画像指定画面21bにおいては、3つのコマンドボタンCb21〜Cb23が配置されている。これら3つのコマンドボタンCb21〜Cb23は、全体俯瞰画像P21、後方俯瞰画像P22、及び、サイド画像P23にそれぞれ対応している。このコマンドボタンCb21〜Cb23に触れることで、車両周辺画像の種類を指定することができる。
【0161】
全体俯瞰画像ボタンCb21に触れた場合は、全体俯瞰画像P21に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更するための変更画面21cがディスプレイ21に表示される。また、後方俯瞰画像ボタンCb22に触れた場合は、後方俯瞰画像P22に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更するための変更画面21dがディスプレイ21に表示される。さらに、サイド画像ボタンCb23に触れた場合は、サイド画像P23に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更するための変更画面21eがディスプレイ21に表示される。
【0162】
これらの変更画面21c,21d,21eにおいて、ユーザは指定した車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更することができる。この変更画面21c,21d,21eの態様は、図13に示す変更画面21aとほぼ同じであるが、一部が相違する。
【0163】
図21は、全体俯瞰画像P21に対応する変更画面21cを拡大して示す図である。この変更画面21cの場合は、図13と比較してわかるように、表示させる車両周辺画像の種類を変更するためのコマンドボタンCb11〜Cb13は配置されていない。その他は、図13に示す変更画面21aと同じであるため、図13で説明したものと同様の操作で光量パラメータを変更することができる。
【0164】
この変更画面21cを表示する際には、全体俯瞰画像P21に対応するパラメータセットが取得され、このパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータに基づいて、照明制御部12の制御により、6つの光源61a〜61fの光量が個別に調整される。また、パラメータセットに含まれる6つの光量パラメータの値が、パラメータ表示領域82a〜82fにそれぞれ表示されることになる。また、変更画面21cの完了ボタンCb5を押下した場合は、全体俯瞰画像P21に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータの変更が確定されることになる。
【0165】
また、変更画面21d,21eの態様(図20参照。)は、画像表示領域86に表示される車両周辺画像が異なる以外は、変更画面21cと同様である。
【0166】
後方俯瞰画像P22に対応する変更画面21dを表示する際には、後方俯瞰画像P22に対応するパラメータセットが取得されて、このパラメータセットに基づいて6つの光源61a〜61fの光量が調整される。また、この変更画面21dの完了ボタンCb5を押下した場合は、後方俯瞰画像P22に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータの変更が確定される。
【0167】
また、サイド画像P23に対応する変更画面21eを表示する際には、サイド画像P23に対応するパラメータセットが取得されて、このパラメータセットに基づいて6つの光源61a〜61fの光量が調整される。また、この変更画面21eの完了ボタンCb5を押下した場合は、サイド画像P23に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータの変更が確定される。
【0168】
<2−4.個別設定モード>
また、第2の実施の形態では、光量設定モード以外に、光量パラメータを変更するための個別設定モードがある。この個別設定モードには、画像表示モードM2において車両周辺画像を表示している状態から、簡単な操作で移行できるようになっている。
【0169】
図22は、第2の実施の形態の動作モードの遷移を示す図である。図に示すように、ナビモードM1、画像表示モードM2、及び、光量設定モードM3の3つの動作モードに関する遷移は、第1の実施の形態と同様である。ただし、画像表示モードM2の各表示モードM21〜M23において所定の操作を行うと、その操作の直前まで表示していた車両周辺画像の種類に対応するパラメータセットに含まれる6つのパラメータを変更するための個別設定モードM31〜M33に移行することになる。この個別設定モードM31〜M33への移行は、ユーザによる一回の操作に応答してなされるため、ユーザは煩雑な操作を伴うことなく車両周辺画像の種類に応じた光量パラメータを容易に変更できる。
【0170】
全体俯瞰モードM21の場合には、図23に示すように、ディスプレイ21の画面に表示される光量設定ボタンCb6に触れると、個別設定モードM31に移行する。個別設定モードM31では、操作の直前まで表示していた全体俯瞰画像P21に対応する変更画面21cが表示され、全体俯瞰画像P21に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更できる。そして、変更画面21cの完了ボタンCb5に触れると、6つの光量パラメータの変更が確定されるとともに、全体俯瞰モードM21に戻ることになる。
【0171】
後方俯瞰モードM22の場合には、図24に示すように、ディスプレイ21の画面に表示される光量設定ボタンCb6に触れると、個別設定モードM32に移行する。個別設定モードM32では、操作の直前まで表示していた後方俯瞰画像P22に対応する変更画面21dが表示され、後方俯瞰画像P22に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更できる。そして、変更画面21dの完了ボタンCb5に触れると、6つの光量パラメータの変更が確定されるとともに、後方俯瞰モードM22に戻ることになる。
【0172】
また、サイドモードM23の場合には、図25に示すように、ディスプレイ21の画面に表示される光量設定ボタンCb6に触れると、個別設定モードM33に移行する。個別設定モードM33では、操作の直前まで表示していたサイド画像P23に対応する変更画面21eが表示され、サイド画像P23に対応するパラメータセットに含まれる6つの光量パラメータを変更できる。そして、変更画面21eの完了ボタンCb5に触れると、6つの光量パラメータの変更が確定されるとともに、サイドモードM23に戻ることになる。
【0173】
このように個別設定モードM31〜M33を利用する場合においては、画像表示モードM2において表示モードを切り替える操作が、パラメータセットの内容を変更すべき車両周辺画像の種類をユーザが指定する操作に相当するともいえる。
【0174】
以上のように、第2の実施の形態においては、車両周辺画像の種類ごとに光量パラメータを変更できるため、各光源61a〜61fの光量を、車両周辺画像の視点に合わせた適切な光量に設定できる。ディスプレイ21に表示する車両周辺画像の種類によって、閲覧するユーザが注目する領域は異なる。本実施の形態では、車両周辺画像の種類に合わせて、注目する領域を照明する光源の光量を大きくするなどの調整を行うことが可能である。
【0175】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では全ての光源の光量パラメータを変更可能であったが、第3の実施の形態では車両周辺画像の種類に応じて一部の光源の光量パラメータを変更不可とする。本実施の形態の画像表示システム120の構成及び動作は、第2の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第2の実施の形態との相違点について説明する。
【0176】
図26は、第3の実施の形態の光量設定データ4bの例を示す図である。図26に示すように、サイド画像P23に対応するパラメータセットStにおいては、後方光源61c,61fの光量パラメータに関しては、「0固定」が示されている。
【0177】
後方光源61c,61fが照明することになる後方領域BA(図4参照。)は、サイド画像P23には被写体像として含まれていない。このため、サイド画像P23を表示する際に、後方領域BAを照明したとしても、ディスプレイ21における表示内容には影響せず、電力が無駄に消費されることになる。
【0178】
このため、本実施の形態では、このように車両周辺画像に被写体像として含まれない区分領域を照明する光源の光量パラメータの変更を不可とする。これとともに、当該光源の光量が0となるように(光源を消灯するように)、当該光源の光量パラメータを「0」に固定する。
【0179】
このような「0」に固定する光量パラメータは、図26に示すように、光量設定データ4bにおいて「0固定」と示される。画像表示モードM2において、このような「0固定」と示された光量パラメータが取得された場合は、当該光量パラメータに対応する光源の光量は0とされる(すなわち、消灯される)。これにより、車両周辺画像の視点において照明が不要な区分領域が無駄に照明されず、消費電力を低減できることになる。
【0180】
図27は、第3の実施の形態のサイド画像P23に対応する変更画面21fの例を示す図である。この変更画面21fでは、光量設定領域80において、左右の後方領域BAに対応する表示区分領域が表示されていない。このため、光量パラメータの変更対象とする区分領域として後方領域BAを選択できなくなっている。これにより、後方領域BAを照明する光源61c,61fの光量パラメータは変更不可とされる。
【0181】
また、完了ボタンCb5に触れることで、変更した光量パラメータの値が確定されるが、「0」に固定する光量パラメータは、そのまま「0」に固定するように維持されることになる。
【0182】
以上のように、第3の実施の形態においては、車両周辺画像の種類に応じて一部の光源の光量パラメータの変更を不可にするため、車両周辺画像の視点において照明が必要な区分領域に係る光源のみの光量を変更可能とすることができる。
【0183】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0184】
上記実施の形態では、左照明部6Lの光源61a〜61cと右照明部6Rの光源61d〜61fとは、共通のコンバータ71から電力が供給されていた。これに対して、図28に示すように、左照明部6Lの光源61a〜61cに電力を供給するコンバータ73と、右照明部6Rの光源61d〜61fに電力を供給するコンバータ74とを別々に設けてもよい。この場合は、左照明部6Lの光源61a〜61cと、右照明部6Rの光源61d〜61fとで別々に限界光量が設定されることになる。
【0185】
また、上記実施の形態では、光量パラメータを変更するための変更画面においては、表示区分領域81a〜81fは車体イラスト91とともに表示されていた。これに対して、全体俯瞰画像などの合成画像を表示し、この合成画像中に表示区分領域81a〜81fを表示するようにしてもよい。この場合は、表示区分領域81a〜81fと合成画像に含まれる車両像90との相対的な位置関係により、実際の区分領域と車両9との相対的な位置を示せばよい。また、この場合において、ほぼリアルタイムに取得される合成画像を利用することで、各表示区分領域81a〜81fにおいて対応する実際の区分領域の明るさを重ねて示すことが可能である。
【0186】
また、上記実施の形態では、各区分領域に対応する光量パラメータの値は設定バーB1の本数で示されていたが、色や数値などの他の手法によって示すようにしてもよい。また、複数の光源の光量の合計が限界光量と一致するまでに変更可能な光量パラメータの量についても、数値などの他の手法によって示すようにしてもよい。
【0187】
また、上記実施の形態では、複数の光源が照明する車両の周辺の特定領域として車両の側方領域を設定していたが、特定領域としては車両の側方領域には限定されず車両の周囲の任意の領域を設定すればよい。ただし、上記実施の形態のように側方領域を特定領域とすれば、ドライバにとって確認が難しくヘッドライト等の走行用の灯火装置でも照明しにくい側方領域を示す画像を、車両の周辺が暗い場合でも表示できるため有効である。なお、上記実施の形態では、車両の左右双方の側方領域を特定領域としていたが、一方の側方領域のみ(例えば、特に死角となりやすい運転席の逆側の側方領域のみ)を特定領域として設定してもよい。
【0188】
また、上記実施の形態では、画像処理装置100とナビゲーション装置20とは別の装置であるとして説明したが、画像処理装置100とナビゲーション装置20とが同一の筐体内に配置されて一体型の装置として構成されてもよい。
【0189】
また、上記実施の形態では、画像処理装置100で生成された画像を表示する表示装置はナビゲーション装置20であるとして説明したが、ナビゲーション機能等の特殊な機能を有していない一般的な表示装置であってもよい。
【0190】
また、上記実施の形態において、画像処理装置100の制御部1によって実現されると説明した機能の一部は、ナビゲーション装置20の制御部23によって実現されてもよい。
【0191】
また、上記実施の形態において、信号入力部41を介して画像処理装置100の制御部1に入力されると説明した信号の一部または全部は、ナビゲーション装置20に入力されるようになっていてもよい。この場合は、ナビ通信部42を経由して、画像処理装置100の制御部1に当該信号を入力すればよい。
【0192】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0193】
3 画像生成部
5 撮影部
6L 左照明部
6R 右照明部
12 照明制御部
13 設定変更部
21 ディスプレイ
21a 変更画面
40 不揮発性メモリ
4b 光量設定データ
71 コンバータ
80 光量設定領域
84 残量表示領域
86 画像表示領域
B1 設定バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される画像表示システムであって、
前記車両の周辺を複数のカメラで撮影して得られる撮影画像に基づいて、仮想視点からみた前記車両の周辺の様子を示す合成画像を生成可能な画像生成手段と、
前記撮影画像及び前記合成画像の少なくとも一つの車両周辺画像を表示する表示手段と、
前記車両の周辺の特定領域を分割した複数の区分領域をそれぞれ照明して、前記撮影を補助する複数の光源と、
前記複数の光源の光量をそれぞれ規定する複数のパラメータを、ユーザの操作に基づいて前記複数の光源ごとに個別に変更する変更手段と、
前記複数のパラメータに基づいて前記複数の光源の光量をそれぞれ調整する光量調整手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記変更手段は、
複数の区分領域のうちから一の区分領域の選択を前記ユーザから受け付ける手段と、
選択された前記一の区分領域を照明する光源の前記パラメータの変更を前記ユーザから受け付ける手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記一の区分領域の選択を受け付ける際に、前記複数の区分領域の前記車両に対する相対的な位置を表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記複数の区分領域の前記車両に対する相対的な位置を、前記車両の種別に応じて調整することを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
前記光量調整手段は、前記パラメータの変更に応答して、変更後の前記パラメータに基づいて前記光源の光量を調整し、
前記表示手段は、前記パラメータの変更に用いる変更画面中に、前記車両の周辺の様子をほぼリアルタイムに示す前記車両周辺画像を表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示システムにおいて、
視点の位置が互いに異なる複数の種類の前記車両周辺画像のうちから、前記ユーザの操作に応答して前記変更画面中に表示する前記車両周辺画像の種類を切り替える手段、
をさらに備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
視点の位置が互いに異なる複数の種類の前記車両周辺画像のうちから、前記ユーザの操作に応答して前記表示手段に表示する前記車両周辺画像の種類を切り替える手段、
をさらに備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項8】
請求項7に記載の画像表示システムにおいて、
前記複数の光源の光量をそれぞれ規定する前記複数のパラメータのセットを、前記車両周辺画像の種類ごとに記憶する記憶手段、
をさらに備え、
前記変更手段は、前記ユーザに指定された前記車両周辺画像の種類に対応する前記セットに含まれる前記複数のパラメータを変更することを特徴とする画像表示システム。
【請求項9】
請求項8に記載の画像表示システムにおいて、
前記光量調整手段は、前記表示手段に表示させる前記車両周辺画像の切り替えに応答して、切り替え後の前記車両周辺画像の種類に対応する前記セットを前記記憶手段から取得し、当該セットに基づいて前記複数の光源の光量をそれぞれ調整することを特徴とする画像表示システム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の画像表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記車両周辺画像の表示状態において、前記ユーザの一回の操作に応答して、該操作の直前まで表示していた該車両周辺画像の種類に対応する前記セットに含まれる前記複数のパラメータを変更するための変更画面を表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
前記変更手段は、前記ユーザに指定された前記車両周辺画像の種類に応じて、前記複数の光源のうちの一部の光源のパラメータの変更を不可にすることを特徴とする画像表示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の画像表示システムにおいて、
前記変更手段は、前記車両周辺画像に被写体像として含まれない前記区分領域を照明する光源のパラメータの変更を不可とすることを特徴とする画像表示システム。
【請求項13】
請求項11または12に記載の画像表示システムにおいて、
変更が不可とされた前記パラメータは、光源の光量を0とする値とすることを特徴とする画像表示システム。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
前記複数の光源に共通の出力端子から電力を供給する電力供給手段、
を備え、
前記変更手段は、前記ユーザの操作に基づく前記パラメータの変更により、前記複数の光源の光量の合計が前記電力供給手段の能力に基づく特定光量を超える場合は、当該パラメータを変更しないことを特徴とする画像表示システム。
【請求項15】
請求項14に記載の画像表示システムにおいて、
前記ユーザの操作に基づく前記パラメータの変更により、前記複数の光源の光量の合計が前記特定光量を超える場合は、前記ユーザに警告を報知する手段、
をさらに備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項16】
請求項14または15に記載の画像表示システムにおいて、
前記表示手段は、前記パラメータの変更に用いる変更画面中に、前記複数の光源の光量の合計が前記特定光量と一致するまでに変更可能な前記パラメータの量を表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項17】
車両に搭載される画像表示システムであって、
前記車両の周辺を複数のカメラで撮影して得られる撮影画像に基づいて車両周辺画像を表示する表示手段と、
前記撮影を補助する複数の照明手段と、
前記車両の周辺の領域をユーザの操作に基づいて選択する選択手段と、
選択された前記領域に対応する前記照明手段をユーザの操作に基づいて調光する調整手段と、
を備えることを特徴とする画像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−11849(P2012−11849A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148800(P2010−148800)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】