説明

番組放送予定情報提供装置

【課題】移動中に利用することのできる番組放送予定を提示する「番組放送予定情報提供装置」を提供する。
【解決手段】車載システム1の制御部17は、ナビゲーション処理部から推奨ルート303に従って走行した場合に走行することになる地域と、その地域の走行予定時間帯を取得する。そして、制御部17は、無線通信装置16を介してEPGサーバ4から取得した各地域のEPGに基づき、走行することになる各地域のEPGが示す番組表を、番組放送予定を表す時間帯が重複することのないように一つに組み合わせた番組表401を作成する。この番組表401は、この番組表401によって示される各地域の放送予定の時間帯が、できるだけ、その地域の走行予定時間帯に一致するように作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの移動体において、TV放送番組表などの番組放送予定情報をユーザに提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TV放送番組表などの番組放送予定情報をユーザに提供する技術としては、インターネットなどのWANを介してアクセス可能なサーバから提供されたEPG(電子番組ガイド)に基づいた番組表をユーザに提示する技術や、放送されるEPGに基づいた番組表をユーザに提示する技術が知られている。
【0003】
また、自動車などの移動体において、このようなEPGに基づいた番組表をユーザに提示する技術としては、自動車に搭載された放送受信機において、同自動車に搭載されたナビゲーションシステムより目的地到着時刻を取得し、放送されるEPGに基づいた番組表を、目的地到着時刻以降の部分と目的地到着時刻以前の部分を区別可能に表示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004-260613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、地上波TV放送などの地上波放送は地域毎に受信できる放送が異なる。このため、地上波放送については、EPGを提供するサーバからは、地域毎に、その地域で受信可能な放送における番組放送予定をまとめたEPGが提供されることが一般的である。
【0005】
一方で、自動車などの移動体において、当該移動体に搭載されたTV放送受信機を用いて地上波TV放送を視聴するような場合には、移動体の移動に伴い、現在位置が含まれる地域が変化することがある。
したがって、ユーザは、移動体で長距離を複数の地域をまたがって移動する場合に、移動中に視聴できる地上波TV放送の放送予定を知りたい場合には、前記サーバから走行予定の全ての地域のEPGを取得し、取得したEPGが表す各地域の番組表と、自身の各地域の走行予定時間帯を比較して、移動中に視聴できる番組を把握するといった煩雑な作業を行う必要があった。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが移動体で長距離を移動する場合であっても、移動中に利用することのできる番組放送予定を容易に把握できるように、ユーザに対して、番組放送予定情報を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、移動体に搭乗したユーザに、当該ユーザが利用可能な放送番組の放送予定を表す番組放送予定情報を提供する番組放送予定情報提供装置として、前記移動体が走行する地域を走行予定地域として、各走行予定地域の走行時間帯を当該走行予定地域の走行予定時間帯として推定する推定手段と、各走行予定地域の番組放送予定を表す番組ガイドを取得する番組ガイド取得手段と、前記番組ガイド取得手段が取得した各地域の番組ガイドに基づいて、各走行予定地域の、当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を、時系列に組み合わせた番組放送予定情報を生成し前記ユーザに提示する番組放送予定情報提示手段とを備えた番組放送予定情報提供装置を提供する。
【0008】
このような番組放送予定情報提供装置によれば、各時間帯毎に、当該時間帯に移動体が位置すると予測される地域の番組放送予定を表した番組放送予定情報をユーザに提供するので、ユーザは移動中に利用することのできる番組放送予定を容易に把握することができるようになる。
【0009】
また、前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載される番組放送予定情報提供装置として、地図情報に基づいて目的地までのルートを推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートに従ったユーザの走行を案内するナビゲーション部と、前記ナビゲーション装置が算出した推奨ルートが通る地域を走行予定地域として推定し、前記推奨ルートに従って走行した場合に、各走行予定地域を走行すると推定される時間帯を当該走行予定地域の走行予定時間帯として推定する移推定手段と、各走行予定地域の番組放送予定を表す番組ガイドを取得する番組ガイド取得手段と、前記番組ガイド取得手段が取得した各地域の番組ガイドに基づいて、各走行予定地域の、当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を、時系列に組み合わせた番組放送予定情報を生成しユーザに提示する番組放送予定表提示手段とを備えた番組放送予定情報提供装置を提供する。
【0010】
このような番組放送予定情報提供装置によれば、ナビゲーション部が算出した推奨ルートを利用して、各時間帯毎に、当該時間帯に自動車が位置すると予測される地域の番組放送予定を表した番組放送予定情報をユーザに提供するので、ユーザは移動中に利用することのできる番組放送予定を容易に把握することができるようになる。
【0011】
ここで、以上の自動車に搭載される番組放送予定情報提供装置に、無線通信装置を設け、前記番組ガイド取得手段において、前記無線通信装置を用いた無線通信を介して、各地域の前記番組ガイドを提供する番組ガイド提供サーバにアクセスし、前記各走行予定地域の番組ガイドを取得するようにしてもよい。
【0012】
また、以上の各番組放送予定情報提供装置は、ユーザの番組放送予定情報の利用の利便性の向上のために、前記推定手段において、各走行予定地域の走行予定時間帯の区切りの時刻の分が0分、または、0分もしくは30分となるように、1時間、または、30分を時間帯の単位として、各走行予定地域の走行予定時間帯を推定し、前記番組放送予定表提示手段において、各走行予定地域の当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を時系列に配列した番組表を生成しユーザに提示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ユーザが移動体で長距離を移動する場合であっても、移動中に利用することのできる番組放送予定を容易に把握できるように、ユーザに対して、番組放送予定情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
車載システムは、個々のユーザの自動車に搭載される装置であり、図示するように、車載システム1は、操作部11と、表示装置12と、スピーカ13と、ナビゲーション部14と、TV放送受信機15と、無線通信装置16と、制御部17と、無線通信装置16を介した通信を制御する通信制御部18と、記憶装置19と、操作部11や表示装置12を用いたユーザと車載システム1各部間の入出力を処理するGUI制御部20を備えている。
【0015】
なお、操作部11や表示装置12は、自動車の前席のユーザ用の操作部11と表示装置12のセットと、自動車の後席用のユーザ用の操作部11と表示装置12のセットとの2セットを設けるようにしてもよい。そして、走行中には、TV放送受信機15で受信したTV放送は、後席のユーザ用の表示装置12にのみ表示可能とするようにしてよい。
【0016】
また、以上の車載システム1の一部は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路として構成してよく、この場合の、CPU回路としてした各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現される。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介してCPU回路に提供されるものであって良い。
【0017】
ここで、無線通信装置16は、たとえば、携帯電話などと呼称される移動電話機であり、車載システム1は、この無線通信装置16を利用して、移動電話網を介してインターネット2に接続することができるようになっている。
また、ナビゲーション部14は、車速センサなどの車両の走行状態検出用の各種センサや、GPS受信機や、地図データを記憶した記憶部を備えている。そして、GPS受信機や各種センサの出力と地図データとのマップマッチング処理による現在位置を算出や、地図データに基づく、設定された目的地までの推奨ルートの探索及び設定などを行い、地図データが表す地図を示す地図画像上に、現在位置や設定されている推奨ルートや目的地を表す図形を描画した案内画像を生成し、GUI制御部20を介して表示装置12に表示する処理などを行う。
【0018】
そして、TV放送受信機15は、地上波TV放送を放送局3から、地上波TV放送を受信する。
以下、このような車載システム1の動作について説明する。
以上のような車載システム1の構成において、制御部17は、ユーザから指定されたチャネルのTV放送をTV放送受信機15に受信させ、TV放送受信機15が受信した放送番組の映像をGUI制御部20を介して表示装置12に表示したり、TV放送受信機15が受信した放送番組の音声をスピーカ13に出力する動作を制御する処理を行う。
【0019】
また、制御部17は、定期的(たとえば、一日毎)に、通信制御部18、無線通信装置16を介して、インターネット2上のEPGサーバ4にアクセスし、EPGサーバ4から、全国各地域のEPG(電子番組ガイド)を取得し、記憶装置19に格納する処理を行う。
ここで、EPGサーバ4は、図1に示すように、全国各地域毎のEPGを格納したEPGデータベース41と、EPG提供部42を備えており、EPG提供部42は、車載システム1から要求された地域のEPGをEPGデータベース41より読み出し、車載システム1に提供する処理を行う。ここで、この地域毎のEPGが対応する地域としては、都道府県や、東北/関東/東海といった地方などを用いることができるが、以下では、一例として都道府県を地域の単位として、地域毎のEPGがEPGサーバ4から提供されるものとして説明を行う。
【0020】
また、制御部17は、以下に示す番組表作成処理を定期的(たとえば、5分毎)に行う。
図2に、この番組表作成処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、ナビゲーション部14によって現在推奨ルートが設定されているかどうかを調べる(ステップ202)。
そして、推奨ルートが設定されていない場合には、ナビゲーション部14が算出した現在位置が含む地域のEPGを記憶装置19から読み出し、読み出したEPGが示す番組表を生成し、生成した番組表で、記憶装置19に記憶されている前回生成した番組表を更新する(ステップ224)。
【0021】
一方、推奨ルートが設定されている場合には(ステップ202)、まず、ナビゲーション部14が設定している現在位置以降の推奨ルートが走行する地域を取得する(ステップ204)。すなわち、たとえば、図3に示すように、現在位置301が神奈川県にあり、神奈川県から東京都、千葉県を通って茨城県の目的地302に至る推奨ルート303が設定されている場合には、推奨ルートが走行する地域として、神奈川県、東京都、千葉県、茨城県を取得する。
【0022】
次に、各地域の境界の走行予定時刻を、ナビゲーション部14に問い合わせて取得し、取得した各地域の境界(ここでは、県境)の走行予定時刻より各地域の走行予定時間帯を算出する(ステップ206)。ナビゲーション部14は、推奨ルート303上の各地点の走行予定時刻を、推奨ルート303に従って走行した場合の、現在位置301からその地点までの道程距離や、その地点まで利用する道路種類(高速道路や一般道等)や、その地点までの間の渋滞の有無などに応じて算出する機能を備えており、制御部17から、各地域の境界に相当する地点の走行予定時刻の問い合わせを受けると、その地点に対応する地点の通過予定時刻を算出し、制御部17に通知する。
【0023】
次に、制御部17は、記憶装置19に記憶されている、ステップ204で求めた推奨ルート303が走行する各地域のEPGから、その地域の走行予定時間帯とその周辺の時間帯を含む時間帯の番組放送予定を表すEPGデータを読み出し、各地域毎に、その地域について読み出したEPGデータが示す番組放送予定を表す番組表を、地域毎番組表として生成し、記憶装置19に記憶する(ステップ210)。ただし、推奨ルート303が走行する最後の地域、すなわち、目的地302が属する地域については、走行予定時間帯の終了時刻を無しとして、可能な限り遅い日時までの番組放送予定を表すEPGデータを記憶装置19から取得し、読み出したEPGデータが示す番組放送予定を表す番組表を地域毎番組表として生成し、記憶装置19に記憶する。
【0024】
次に、ステップ204で求めた推奨ルート303が走行する地域の数をnとし、変数iを1とし(ステップ214)、現在位置301から推奨ルート303に従って走行した場合にi番目に走行することになる地域を第i番目の地域とし、現在位置301から推奨ルート303に従って走行した場合にi番目に通過することになる地域の境界を第i番目の地域境界として、第i番目の地域から第n番目の地域について(ステップ220、230)、以下の処理を行う。
【0025】
すなわち、まず、ステップ206で取得した第i番目の地域境界の通過予定時刻に最も近い、標準番組境界時刻を第i番目の区切り時刻として算出する(ステップ212)。ここで、標準番組境界時刻とは、一般的に番組の終了時刻や開始時刻とされることの多い時刻であり、本実施形態では、0時からの24時時間を30分毎に区切った時刻(0時、0時半、1時、1時半、2時、2時半......、23時半)を標準番組境界時刻とする。したがって、第i番目の地域境界の通過予定時刻が12時10分であれば、これに最も近い標準番組境界時刻である12時が第i番目の区切り時刻として算出され、第i番目の地域境界の通過予定時刻が12時20分であれば、これに最も近い標準番組境界時刻である12時30分が第i番目の区切り時刻として算出されることになる。なお、0時からの24時時間を1時間毎に区切った時刻(0時、1時、2時......、23時)を標準番組境界時刻とするようにしてもよい。
【0026】
次に、i=1である場合(ステップ214)、すなわち、第1番目の地域(現在位置301が含まれる地域)については、現在時刻に先行する直前の標準番組境界時刻からステップ212で算出した第1番目の区切り時刻までの時間帯の、ステップ208で読み出した第1番目の地域のEPGデータが示す番組放送予定を表す番組表を部分番組表として生成する(ステップ226)。
【0027】
そして、i=1でなく、i=nでもない場合、すなわち第1番目の地域でも最後の地域でもない地域については、その地域を第i番目の地域として、先に算出している第i-1番目の区切り時刻からステップ212で算出した第i番目の区切り時刻までの、ステップ208で読み出した第i番目の地域のEPGデータが示す番組放送予定を表す番組表を部分番組表として生成する(ステップ218)。
【0028】
そして、残るi=nである場合(ステップ216)、すなわち、最後の地域(目的地302が含まれる地域)については、先に算出している第n-1番目の区切り時刻から可能な限り遅い日時までの、ステップ208で読み出した第n番目の地域のEPGデータが示す番組放送予定を表す番組表を部分番組表として生成する(ステップ228)。
【0029】
そして、以上のようにして、推奨ルート303が走行する各地域について部分番組表を生成したならば、生成した部分番組表を対応する時間帯の順に組み合わせた番組表を生成し、記憶装置19に記憶し(ステップ222)、処理を終了する。
以上、制御部17が行う番組表生成処理について説明した。
なお、以上の番組表生成処理のステップ208では、推奨ルート303が走行する各地域のEPGから、その地域の走行予定時間帯とその周辺時間帯とを含む時間帯の番組放送予定を表すEPGデータを読み出し地域毎番組表を作成したが、この地域の走行予定時間帯とその周辺時間帯とを含む時間帯、すなわち、地域毎番組表を作成する時間帯とは、以下のように定める。すなわち、現在位置301から推奨ルート303に従って走行した場合に最初に走行することになる第1番目の地域(現在位置301が含まれる地域)については、地域毎番組表を作成する時間帯は、現在時刻の直前の標準番組境界時刻から第1番目の地域境界点通過時刻の30分後の時刻の直後の標準番組境界時刻までの時間帯とする。また、現在位置301から推奨ルート303に従って走行した場合に最後に走行することになる第n番目の地域(現在位置301が含まれる地域)については、地域毎番組表を作成する時間帯は、第n-1番目の地域境界点通過時刻の30分前の時刻の直前の標準番組境界時刻から、第n-1番目の地域のEPGに含まれる番組放送予定の最後の時刻までの時間帯とする。そして、その他の第i(1<i<n)の地域については、地域毎番組表を作成する時間帯は、第i-1番目の地域境界点通過時刻の30分前の時刻の直前の標準番組境界時刻から、第i番目の地域境界点通過時刻の30分後の時刻の直後の標準番組境界時刻までの時間帯とする。
【0030】
ここで、以上の番組生成処理の処理例を示す。
いま、図3に示したように、現在時刻10:05に現在位置301が神奈川県にあり、推奨ルート303に従って走行した場合に、神奈川県から10:37分に東京都に進み、東京都から11:47分に千葉県に進み、千葉県から12:10分に茨城県に進んで、茨城県内の目的地302に14:10分に到着すると予測される場合について説明する。
【0031】
この場合、神奈川県については、ステップ208では、図4bに示すように、EPGサーバ4から取得した神奈川県のEPGに従い神奈川県の10:00から11:30までの番組放送予定を示す地域毎番組表が作成される。また、東京都については、EPGサーバ4から取得した東京都のEPGに従い東京都の10:00から12:30までの番組放送予定を示す地域毎番組表が作成される。同様に、千葉県については、EPGサーバ4から取得した千葉県のEPGに従い千葉県の11:00から13:00までの番組放送予定を示す地域毎番組表が作成される。そして、茨城県については、EPGサーバ4から取得した茨城県のEPGに従い茨城県の11:30から茨城県のEPGに含まれる番組放送予定の最終時刻までの番組放送予定を示す地域毎番組表が作成される。
【0032】
このようにして作成された各地域の地域毎番組表は、図4aに示した各地域の走行予定時間帯との対応より理解されるように、その地域の走行予定時間帯を30分過去未来方向に延長した時間帯を含むように生成される。
次に、図4cの401は、ステップ222で生成される番組表を表したものである。図示するように、この番組表401は、各地域の地域毎番組表を時間帯が重複することのないように一つの番組表401に組み合わせたものであり、この番組表401によって示される各地域の放送予定の時間帯は、各地域に対応する時間帯の区切りが標準番組境界時刻と一致する範囲内において、できるだけ、その地域の走行予定時間帯に一致するようになっている。なお、通常、地域Aから地域Bに進んだ場合に、地域Aから離れた直後から地域A向けの放送が受信できなくなることはなく、地域Bに入っても、ある程度地域Aから大きく離れるまでは地域A向けの放送を受信できる。したがって、このように、番組表401によって示される各地域の放送予定の時間帯が、厳密に、その地域の走行予定時間帯に一致していなくても支障は生じない。また、走行予定時間帯と実際の走行時間帯がずれる可能性なども考慮すると、このように、各地域に対応する時間帯の区切りを標準番組境界時刻と一致させることの方が、番組表401の利便性が大きい。
【0033】
さて、制御部17は、操作部11、GUI制御部20を介した番組表表示要求に応じて、記憶装置19に記憶されている図4cの401に示した番組表を表示装置12に表示する処理も行う。
また、図4cに示すように、番組表の各時間帯に対応する地域名を示すタブ4011の操作部11を介したユーザ操作に応じて、操作されたタブ4011に対応する地域の地域毎番組表402を記憶装置19から読み出して表示装置12に表示する処理も行う。なお、この地域毎番組表の表示に際しては、その地域の走行予定時間帯を地域毎番組表402上で示すようにしてもよい。図示した例では、地域毎番組表402の、その地域の走行予定時間帯に対応しない時間帯の部分の番組放送予定の表示部分を網掛け表示することにより、これを表している。また、この地域毎番組表の表示に際しては、番組表401に表示されている、その地域の番組放送予定の時間帯を、地域毎番組表402上で示すようにしてもよい。図示した例では、地域毎番組表402の、番組表401に表示されている時間帯の番組放送予定の表示部分を枠4021で囲むことにより、これを表している。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上の実施形態では、定期的にEPGサーバ4にアクセスし、EPGサーバ4から、全国各地域のEPGを取得し、記憶装置19に格納するものとして説明したが、EPGは、番組表作成処理において以下のように取得するようにしてもよい。すなわち、ステップ202で推奨ルート303が設定されていないと判定された場合には、EPGサーバ4にアクセスして現在位置301が含まれる地域のEPGを取得する。また、ステップ202で推奨ルート303が設定されていると判定された場合には、EPGサーバ4にアクセスして、ステップ204で求めた走行ルートが走行する各地域についてのEPGを取得する。
【0035】
また、以上の実施形態では、定期的に番組表作成処理を行うものとして説明したが、番組表作成処理は、ユーザから操作部11を介して番組表表示要求があった時点で、これを行うようにしてもよい。
また、以上では、自動車に搭載した車載システム1において番組表や地域毎番組表の生成を行ったが、これは、車載システム1から、EPGサーバ4にナビゲーション部14が設定した推奨ルート303の情報を送り、EPGサーバ4において受け取った推奨ルート303の情報とEPGデータベース41に格納されている各地域のEPGとに基づいて、図4に示した番組表や地域毎番組表を生成し、車載システム1に提供するようにしてもよい。
【0036】
また、以上の実施形態は、地域毎に番組表が異なるTV放送を受信する場合について説明したが、地域毎に番組表がラジオ放送など、任意の放送を受信する場合について、本実施形態は同様に適用することができる。また、自動車以外の、走行ルートと走行ルート上の各地点の走行予定時間が予測できる列車などの任意の移動体における番組表の提供にも本実施形態は同様に適用することができる。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、各時間帯毎に、当該時間帯に移動体が位置すると予測される地域の番組放送予定を表した番組表をユーザに提供するので、ユーザは移動中に利用することのできる番組放送予定を容易に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る番組表作成処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る推奨ルートの設定例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る番組表作成処理の処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1…車載システム、2…インターネット、3…放送局、4…EPGサーバ、11…操作部、12…表示装置、13…スピーカ、14…ナビゲーション部、15…TV放送受信機、16…無線通信装置、17…制御部、18…通信制御部、19…記憶装置、20…GUI制御部、41…EPGデータベース、42…EPG提供部、301…現在位置、302…目的地、303…推奨ルート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭乗したユーザに、当該ユーザが利用可能な放送番組の放送予定を表す番組放送予定情報を提供する番組放送予定情報提供装置であって、
前記移動体が走行する地域を走行予定地域として、各走行予定地域の走行時間帯を当該走行予定地域の走行予定時間帯として推定する推定手段と、
各走行予定地域の番組放送予定を表す番組ガイドを取得する番組ガイド取得手段と、
前記番組ガイド取得手段が取得した各地域の番組ガイドに基づいて、各走行予定地域の、当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を、時系列に組み合わせた番組放送予定情報を生成し前記ユーザに提示する番組放送予定情報提示手段とを有することを特徴とする番組放送予定情報提供装置。
【請求項2】
自動車に搭載される番組放送予定情報提供装置であって、
地図情報に基づいて目的地までのルートを推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートに従ったユーザの走行を案内するナビゲーション部と、
前記ナビゲーション装置が算出した推奨ルートが通る地域を走行予定地域として推定し、前記推奨ルートに従って走行した場合に、各走行予定地域を走行すると推定される時間帯を当該走行予定地域の走行予定時間帯として推定する移推定手段と、
各走行予定地域の番組放送予定を表す番組ガイドを取得する番組ガイド取得手段と、
前記番組ガイド取得手段が取得した各地域の番組ガイドに基づいて、各走行予定地域の、当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を、時系列に組み合わせた番組放送予定情報を生成しユーザに提示する番組放送予定情報提示手段とを有することを特徴とする番組放送予定情報提供装置。
【請求項3】
請求項2記載の番組放送予定情報提供装置であって、
無線通信装置を備え、
前記番組ガイド取得手段は、前記無線通信装置を用いた無線通信を介して、各地域の前記番組ガイドを提供する番組ガイド提供サーバにアクセスし、前記各走行予定地域の番組ガイドを取得することを特徴とする番組放送予定情報提供装置。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の番組放送予定情報提供装置であって、
前記推定手段は、各走行予定地域の走行予定時間帯の区切りの時刻の分が0分、または、0分もしくは30分となるように、1時間、または、30分を時間帯の単位として、各走行予定地域の走行予定時間帯を推定し、
前記番組放送予定表提示手段は、各走行予定地域の当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を時系列に配列した番組表を生成しユーザに提示することを特徴とする番組放送予定情報提供装置。
【請求項5】
コンピュータによって読み取られ実行されるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
所定の移動体が走行する地域を走行予定地域として、各走行予定地域の走行時間帯を当該走行予定地域の走行予定時間帯として推定するステップと、
各走行予定地域の番組放送予定を表す番組ガイドを取得するステップと、
取得した各地域の番組ガイドに基づいて、各走行予定地域の、当該走行予定地域の走行予定時間帯の番組放送予定を、時系列に組み合わせた番組放送予定情報を生成し、前記ユーザに提示するステップとを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−279860(P2006−279860A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99587(P2005−99587)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】