説明

異方性導電フィルム

【課題】熱硬化性エポキシ樹脂よりも比較的低温・短時間での硬化が可能な重合性アクリ
ル系化合物をフィルム形成樹脂と共に使用する異方性導電フィルムを用いて、130℃の
圧着温度で3秒間の圧着時間という圧着条件で異方性接続を行った場合に、高い接着強度
と良好な導通信頼性とを実現できるようにする。
【解決手段】異方性導電フィルムは、絶縁性接着層及び異方性導電接着層が積層された構
造を有する。絶縁性接着層及び異方性導電接着層は、それぞれ重合性アクリル系化合物、
フィルム形成樹脂及び重合開始剤を含有する。重合開始剤は、一分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を含有する。その2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の高い有機過酸化物は、分解により安息香酸又はその誘導体を発生するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電フィルム、それを用いた接続構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルとテープキャリアパッケージ(TCP)基板あるいはチップオンフィルム(COF)基板とを接続する際や、TCP基板あるいはCOF基板とプリント配線板(PWB)とを接続する際には、一般に、熱硬化性エポキシ樹脂、重合開始剤及び導電性粒子を含む熱硬化性樹脂組成物をフィルム状に成形した異方性導電フィルム(ACF)が広く用いられている。この場合、通常、圧着温度が180〜250℃程度で、圧着時間が5〜10秒程度である。
【0003】
ところで、近年、PWBの電極部や液晶パネルのITO電極への熱的ストレスを低減するために、異方性導電フィルムを用いて熱圧着する際の圧着温度を下げることや、更に、熱的ストレスの低減のみならず生産効率の向上のために、圧着時間の短縮が求められている。このため、異方性導電フィルムを構成する熱硬化性エポキシ樹脂に代えて、それよりも低温・短時間での硬化が可能な重合性アクリル系化合物をフィルム形成樹脂と共に使用することが試みられている。この場合、重合開始剤として、自己分解に伴ってガスを発生しない有機過酸化物であって、一分間半減期温度が比較的低い100℃〜130℃程度の有機過酸化物(例えば、ジベンゾイルパーオキサイド(一分間半減期温度 130℃)、ジラウロイルパーオキサイド(一分間半減期温度 116.4℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサイノイル)パーオキサイド(一分間半減期温度 112.6℃)等)の使用が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−199825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、重合性アクリル系化合物と上述したような有機過酸化物とを含有する異方性導電フィルムで異方性導電接続を行う際に、圧着温度と圧着時間との低減を目的として、圧着温度130℃以下で圧着時間3秒という条件で圧着を行った場合、電子部品やフレキシブル基板に対する異方性導電フィルムの接着強度が不十分となり、そのため、接続信頼性が充分ではないという問題があった。このため、エポキシ樹脂よりも硬化温度を低く且つ硬化時間を短縮できる重合性アクリル系化合物を使用しているにもかかわらず、圧着温度を150℃以上で圧着時間を5秒以上としなければならなかった。
【0006】
また、TCP基板は、COF基板に比べて実装密度も入手コストも共に低く、しかも表1に示すような相違点があり、特に、COF基板はCuをポリイミドベースに接着剤を介して積層することにより作製されていない。このため、COF基板は、PWBと異方性導電フィルムで接合する際に、異方性導電フィルムとCOF基板のポリイミドベースとが直接接触することになるという点で、Cuをポリイミドベースに接着剤を介して積層することにより作成されたTCP基板とは大きく相違する。この相違のため、COF基板と異方性導電フィルムとの間の接着強度(ピール強度)が、TCP基板と異方性導電フィルムとの間の接着強度よりも小さくなるという問題がある。従って、実際の実装の場面では、TCP基板用異方性導電フィルムとCOF基板用異方性導電フィルムとを使い分けているのが現状である。よって、異方性導電フィルムを用いた実装工程の簡易化(異方性導電フィルムの適用間違い防止)と異方性導電フィルムの在庫管理の簡素化のために、TCP基板とCOF基板とに対して共用できるACFが求められている。
【0007】
【表1】

【0008】
本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、熱硬化性エポキシ樹脂よりも比較的低温・短時間での硬化が可能な重合性アクリル系化合物をフィルム形成樹脂と共に使用する異方性導電フィルムを用いて、例えばTCP基板またはCOF基板とPWBとを、130℃の圧着温度で3秒間の圧着時間という圧着条件で異方性接続を行った場合に、高い接着強度と良好な導通信頼性とを実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、異方性導電フィルムを、それぞれ重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂及び重合開始剤を含有する絶縁性接着剤層及び異方性導電接着層から構成し、更に、有機過酸化物として、一分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を使用し、その2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の高い有機過酸化物として、分解により安息香酸を発生するものを使用することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明は、絶縁性接着層及び異方性導電接着層が積層されてなる異方性導電フィルムにおいて、
該絶縁性接着層及び該異方性導電接着層が、それぞれ重合性アクリル系化合物、フィル
ム形成樹脂及び重合開始剤を含有し、但し該異方性導電接着層は更に導電性粒子を含有し
ており、
該重合開始剤が、一分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を含有し、該2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解により安息香酸又はその誘導体を発生するものであることを特徴とする異方性導電フィルムを提供する。
【0011】
また、本発明は、第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間を、上述の異方性導電フィルムで異方性接続した接続構造体を提供する。
【0012】
更に、本発明は、第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間に上述の異方性導電フィルムを挟持させ、一分間半減期温度の低い有機過酸化物が分解しない第1の温度で仮貼りした後、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解する第2の温度で熱圧着することを特徴とする接続構造体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本願発明の異方性導電フィルムは、それぞれ重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂及び重合開始剤を含有する異方性導電接着層と絶縁性接着層との積層構造を有し、両層の重合性アクリル系化合物の重合開始剤として、一分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を使用し、そのうちの一分間半減期温度の高い有機過酸化物として、分解により安息香酸若しくはその誘導体を発生するものを使用する。このため、相対的に一分間半減期温度の低い有機過酸化物の存在により、高温分解過酸化物の分解を促進させる相対的に高い温度での短時間の熱圧着の際に、加熱温度の上昇に伴って、熱ストレスを考慮する必要がない相対的に低い温度から低温分解過酸化物を分解させて、重合性アクリル系化合物を十分に硬化させることが可能となる。そして、最終的に高温分解過酸化物を分解させ、重合性アクリル系化合物の硬化を完了させると共に、安息香酸を生じさせる。生じた安息香酸の一部は、硬化した異方性導電フィルムと被接続物との界面及びその近傍に存在することになるため、接着強度を向上させることが可能となる。
【0014】
また、異方性導電フィルムが、上述したような絶縁性接着層と異方性導電接着層との積層構造を有することから、TCP基板とCOF基板とに対して共用できるものとなる。この理由は明確ではないが、以下のように推察される。
【0015】
即ち、絶縁性接着層は、異方性導電接着層に比べ一般的に低いガラス転移温度を示すため、COF基板もしくはTCP基板が異方性導電フィルムに押し込まれる際に排除され易く、接合時には面方向の隣接する電極間に遍在する傾向がある。この絶縁性接着層は接合時に低温でラジカル硬化し、更により高温でラジカル硬化すると共に安息香酸を発生する。従って、発生した安息香酸のために、絶縁性接着層は、COF基板又はTCP基板との接触面(金属電極表面、ポリイミド表面、接着剤層表面)と強く接合して硬化する。異方性導電層は、絶縁性接着層よりも高いガラス転移温度を有するため、COF基板もしくはTCP基板が異方性導電フィルムに押し込まれる際に相対向する電極間に導電性粒子が存在しやすくなるが、絶縁性接着層と同様に、低温でラジカル硬化し、更により高温でラジカル硬化すると共に安息香酸を発生する。従って、異方性導電接着層はPWB及びCOF基板又はTCP基板との接触面と強く接合して硬化する。このように、絶縁性接着層は、応力緩和及びCOF基板又はTCP基板との強固な接着性を発現し、異方性導電接着層は、その強い凝集力によりCOF基板又はTCP基板とPWBとの良好な接続信頼性を発現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】参考例A2の組成物のGC−MSチャートである。
【図2】参考例B1の組成物のGC−MSチャートである。
【図3】実施例2の異方性導電フィルムのGC−MSチャートである。
【図4】実施例2で作成した接続構造体の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の異方性導電フィルムは、絶縁性接着層及び異方性導電接着層が積層された2層構造を有するものである。絶縁性接着層及び異方性導電接着層が、それぞれ重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂及び重合開始剤を含有する。異方性導電接着層は更に導電性粒子を含有する。ここで、重合開始剤は、分解温度の異なる2種類の有機過酸化物を含有しており、その2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解により安息香酸またはその誘導体を発生するものである。ここで安息香酸の誘導体としては、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸t−ブチル等を挙げることができる。なお、2種類の有機過酸化物は、絶縁性接着層及び異方性導電接着層で全く同じ具体的な組み合わせでもよいし、異なる組み合わせであってもよい。
【0018】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれが、重合開始剤として使用する2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度が低い有機過酸化物(以下、低温分解過酸化物と称する場合がある)の一分間半減期温度は、低すぎると硬化前の保存安定性が短くなり、高すぎると異方性導電フィルムの硬化が不充分となる傾向があるので、好ましくは80℃以上120℃未満、より好ましくは90℃以上120℃未満である。他方、一分間半減期温度の高い有機過酸化物(以下、高温分解過酸化物と称する場合がある)の一分間半減期温度は、低いものが上市されておらず、高すぎるとそもそも想定した熱圧着温度では安息香酸またはその誘導体を発生させない傾向があるので、好ましくは120℃以上150℃以下である。
【0019】
また、低温分解過酸化物と高温分解過酸化物の間の一分間半減期温度差は、その差が小さすぎると低温分解過酸化物と高温分解過酸化物とが重合性アクリレート化合物と反応してしまい、接着強度の向上に寄与する安息香酸量が減少してしまう結果となり、大きすぎると異方性導電フィルムの低温での硬化反応性が低下する傾向があるので、好ましくは10℃以上30℃以下である。
【0020】
このような低温分解過酸化物と高温分解過酸化物との質量比は、前者が後者に対し相対的に少なすぎると異方性導電フィルムの低温での硬化反応性が低下し、逆に多すぎると接着強度が低下する傾向があるので、好ましくは10:1〜1:5である。
【0021】
本発明で使用し得る低温分解過酸化物の具体例としては、ジイソブチリル パーオキサイド(一分間半減期温度 85.1℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(一分間半減期温度 124.3℃)、ジラウロイル パーオキサイド(一分間半減期温度 116.4℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサイノイル)パーオキサイド(一分間半減期温度 112.6℃)、t−ブチル パーオキシピバレート(一分間半減期温度 110.3℃)、t−ヘキシル パーオキシピバレート(一分間半減期温度 109.1℃)、t−ブチル パーオキシネオヘプタノエート(一分間半減期温度 104.6℃)、t−ブチル パーオキシネオデカノエート(一分間半減期温度 103.5℃)、t−ヘキシル パーオキシネオデカノエート(一分間半減期温度 100.9℃)、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(一分間半減期温度 90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(一分間半減期温度 92.1℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシネオデカノエート(一分間半減期温度 92.1℃)、ジ−sec−ブチル パーオキシジカーボネート(一分間半減期温度 85.1℃)、ジ−n−プロピル パーオキシジカーボネート(一分間半減期温度 85.1℃)、クミル パーオキシネオデカノエート(一分間半減期温度 85.1℃)等を挙げることができる。これらは、2種以上を併用することができる。
【0022】
また、高温分解過酸化物の具体例としては、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(一分間半減期温度128.2℃)、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド(一分間半減期温度131.1℃)、ジベンゾイル パーオキサイド(一分間半減期温度 130.0℃)、t−ヘキシル パーオキシベンゾエート(一分間半減期温度 160.3℃)、t−ブチル パーオキシベンゾエート(一分間半減期温度 166.8℃)等を挙げることができる。これらは、2種以上を併用することができる。また、フェニル環を有するこれらの高温分解過酸化物を使用することにより、異方性導電フィルムの凝集力を向上させることができるので接着強度を更に向上させることができる。
【0023】
低温分解過酸化物と高温分解過酸化物との組み合わせとしては、前者がジラウロイルパーオキサイドであり、後者がジベンゾイルパーオキサイドである組み合わせが、保存安定性と接着強度の点で好ましい。
【0024】
このような異なる2種類の過酸化物からなる重合開始剤の絶縁性接着層又は異方性導電接着層のそれぞれにおける使用量は、少なすぎると反応性が無くなり、多すぎると異方性導電フィルムの凝集力が低下する傾向があるので、重合性アクリル系化合物100質量部に対し、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは3〜7質量部である。
【0025】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれが使用する重合性アクリル系化合物としては、アクロイル基またはメタクロイル基(以下(メタ)アクロイル基と称する)を1以上、好ましくは2つ有する化合物である。ここで、重合性アクリル系化合物の一分子中の(メタ)アクロイル基の数は、導通信頼性向上のために2以上、好ましくは2つである。なお、重合性アクリル系化合物は、絶縁性接着層及び異方性導電接着層で、全く同じ具体的な化合物であってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
重合性アクリル系化合物の具体的な例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、リン酸エステル型アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、o−フタル酸ジグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等、及びこれらに相当する(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0027】
なお、重合性アクリル系化合物として、高い接着強度と導通信頼性とを得る点から、2官能アクリレート5〜40質量部と、ウレタンアクリレート10〜40質量部と、リン酸エステル型アクリレート0.5〜5質量部とを併用することが好ましい。ここで、2官能アクリレートは硬化物の凝集力を向上させ、導通信頼性を向上させるために配合され、ウレタンアクリレートはポリイミドに対する接着性向上のために配合され、そしてリン酸エステル型アクリレートは金属に対する接着性向上のために配合される。
【0028】
重合性アクリル系化合物の絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれにおける使用量は、少なすぎると導通信頼性が低くなり、多すぎると接着強度が低くなる傾向があるので、好ましくは樹脂固形分(重合性アクリル系化合物とフィルム形成樹脂との合計)の20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%である。
【0029】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれが使用するフィルム形成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、EVA等の熱可塑性エラストマー等を使用することができる。中でも、耐熱性、接着性のために、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、特にフェノキシ樹脂、例えばビスA型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を挙げることができる。ここで、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂は、硬化物のガラス転移点を上昇させる特性を有する。従って、絶縁性接着層ではなく異方性導電接着層だけに配合することが好ましい。その場合、フィルム形成性樹脂中のフルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂の割合は、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%である。
【0030】
なお、本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれにおけるフィルム形成樹脂の使用量は、少なすぎるとフィルムを形成せず、多すぎると電気接続を得るための樹脂の排除性が低くなる傾向があるので、樹脂固形分(重合性アクリル系化合物とフィルム形成樹脂との合計)の80〜30質量%、より好ましくは70〜40質量%である。
【0031】
本発明の異方性導電フィルムの異方性導電接着層で使用する導電性粒子としては、従来の異方性導電フィルムで用いられているような導電性粒子を使用することができ、例えば、金粒子、銀粒子、ニッケル粒子等の金属粒子、ベンゾグアナミン樹脂やスチレン樹脂等の樹脂粒子の表面を金、ニッケル、亜鉛等の金属で被覆した金属被覆樹脂粒子等を使用することができる。このような導電性粒子の平均粒径としては、通常1〜10μm、より好ましくは2〜6μmである。
【0032】
導電性粒子の異方性導電フィルムの異方性導電接着層における使用量は、少なすぎると導通不良となり、多すぎると短絡となるので、好ましくは樹脂固形分100質量部に対し、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部である。
【0033】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれは、必要に応じて、各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することができる。
【0034】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層の層厚は、薄すぎると接着強度が低下し、厚すぎると導通信頼性が低下するので、好ましくは10〜25μm、より好ましくは16〜21μmである。他方、異方性導電接着層の層厚は、薄すぎると導通信頼性が低下し、厚すぎると接着強度が低下するので、好ましくは10〜25μm、より好ましくは15〜20μmである。なお、絶縁性接着層及び異方性導電接着層を合わせた異方性導電フィルムの厚みは、薄すぎると充填不足により接着強度が低下し、厚すぎると押し込み不足により導通不良が生ずるので、好ましくは25〜50μm、より好ましくは30〜45μmである。
【0035】
本発明の異方性導電フィルムの絶縁性接着層及び異方性導電接着層のそれぞれの硬化物のガラス転移温度は、異方性導電フィルムをアンダーフィル剤として機能させるために重要な要素となる。この点等から、絶縁性接着層の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは50〜100℃、より好ましくは65〜100℃であり、他方、異方性導電接着層の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは80〜130℃、より好ましくは85〜130℃である。この場合、絶縁性接着層の硬化物のガラス転移温度よりも、異方性導電接着層の硬化物のガラス転移温度を高く設定することが好ましい。これにより、絶縁性接着層をいち早く流動化させて、接続操作の際に相対向する電極間から排除されるようにすることができる。具体的には、好ましくは0〜25℃、より好ましくは10〜20℃高くなるようにする。
【0036】
本発明の異方性導電フィルムは、従来の異方性導電フィルムと同様の方法に準じて製造することができる。例えば、重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂、重合開始剤及び必要に応じて他の添加剤、更にメチルエチルケトンなどの溶媒を均一に混合して得た絶縁性接着層形成用組成物を、剥離処理が施された剥離シート表面に塗布し、乾燥することにより絶縁性接着層を形成し、その上に、重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂、導電性粒子、重合開始剤及び必要に応じて他の添加剤、更にメチルエチルケトンなどの溶媒を均一に混合して得た異方性導電接着層形成用組成物を塗布し、乾燥させることで異方性導電接着層を形成し、それにより本発明の異方性導電フィルムを得ることができる。
【0037】
本発明の異方性導電フィルムは、第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間を異方性接続してなる接続構造体に好ましく適用できる。ここで、第1の配線基板及び第2の配線基板には特に限定はなく、液晶パネルのガラス基板や、フレキシブル配線基板等を挙げることができる。また、それぞれの基板の接続部についても特に限定はないが、従来の異方性導電フィルムが適用される接続部でかまわない。
【0038】
このように、本発明の異方性導電フィルムは、様々な場面で使用することができるが、中でも、第1の配線基板がCOF基板またはTCP基板であり、第2の配線基板がPWBである場合に好ましく適用できる。このことは、本発明の異方性導電フィルムが、TCP基板とCOF基板とに対して共用できることを意味する。この場合、異方性導電接着層中のフィルム形成樹脂が、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を含有することが好ましい。これにより、異方性導電接着層の硬化物のガラス転移温度を、絶縁性接着層のガラス転移温度よりも高くすることができ、異方性導電フィルムの接続信頼性を向上させることができる。
【0039】
また、上述した接続構造体においては、異方性導電フィルムの絶縁性接着層が第1の配線基板側に配されていることが好ましい。これにより、接着剤層が形成されていないポリイミド表面に対する接着強度を向上させることができる。
【0040】
このような接続構造体は、第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間に本発明の異方性導電フィルムを、通常は第1の配線基板側に絶縁性接着層が配置されるように挟持させ、一分間半減期温度の低い有機過酸化物が分解しない第1の温度で仮貼りし、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解する第2の温度で熱圧着することにより製造することができる。ここで、一分間半減期温度の低い有機過酸化物、一分間半減期温度の高い有機過酸化物、それらの好ましい一分間半減期温度、それらの好ましい温度差については、既に説明したとおりである。また、第1の温度としては、一分間半減期温度の低い有機過酸化物の当該一分間半減期温度の−20℃以下の温度が好ましく、第2の温度としては、一分間半減期温度の高い有機過酸化物の当該一分間半減期温度の−20℃以上の温度が好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0042】
参考例A1〜A4及びB1〜B3
表2の配合組成を常法により均一に混合することにより異方性導電接着層形成用組成物(A1〜A4)と絶縁性接着層形成用組成物(B1〜B3)を調整した。これらの組成物を単層で剥離ポリエステルフィルムに塗布し、70℃の熱風を5分間吹き掛けて乾燥することにより接着フィルムを作成した。
【0043】
なお、参考例A1〜A3は、重合開始剤として低温分解性の有機過酸化物と高温分解性で分解時に安息香酸を発生させる有機過酸化物とを併用した異方性導電接着層形成用組成物の例であり、参考例A4は、低温分解性の有機過酸化物のみ使用した異方性導電接着層形成用組成物の例である。また、参考例A2及びA3は、フィルム形成樹脂にフルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を使用した異方性導電接着層形成用組成物の例にも該当する。
【0044】
参考例B1は、重合開始剤として低温分解性の有機過酸化物と高温分解性で分解時に安息香酸を発生させる高温分解性の有機過酸化物とを併用した絶縁性接着層形成用組成物の例であり、参考例B2は、重合開始剤として高温分解性で分解時に安息香酸を発生させる有機過酸化物のみを使用した絶縁性接着層形成用組成物の例であり、参考例B3は、重合開始剤として低温分解性の有機過酸化物のみを使用した絶縁性接着層形成用組成物の例である。
【0045】
得られた接着フィルム(未硬化品)について、以下に説明するように「安息香酸発生の有無」と、「低温硬化性の有無」と、「硬化物のガラス転移温度」とを調べた。得られた結果を表2に示す。
【0046】
<安息香酸発生の有無>
接着フィルムを密閉容器に入れ、ヘリウムガスを50mL/分で流しながら、135℃で15分間加熱し、発生ガスを捕集(−20℃、Tenax358)し、以下の条件でGC−MS分析を行い、安息香酸の発生の有無を調べた。参考例A2とB1の組成物のGC−MSチャートをそれぞれ図1と図2に示す。
【0047】
機器 : JHS100(JAI社製)、HP6890/5973MS(Agilent社)
注入口 : 280℃、Split50:1
カラム : DB1701(30M)
オーブン: 40℃(15分保持)→240℃(5分保持)、昇温10℃/分
IF,I/S温度: 250℃、230℃
走査範囲: 33−550℃
【0048】
<低温硬化性の有無及びガラス転移温度>
接着フィルムの低温硬化性及びガラス転移温度を、動的粘弾性測定装置(RHEOVI
BRON DDV−01FP、オリエンテック社)により調べた。
【0049】
【表2】

【0050】
実施例1〜3、比較例1〜7
表3に示す構成となるように、参考例A1〜A4及び/又はB1〜B3の組成物を剥離ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)フィルムに塗布し、それぞれ70℃の熱風を5分間吹き掛けて乾燥することにより成膜して異方性導電フィルムを作成した。但し、絶縁性接着層が剥離ポリエステルフィルム側になるようにした。
【0051】
得られた異方性導電フィルムについて、接続信頼性の程度を判断するために4端子法にて導通抵抗を測定した。即ち、ガラスエポキシ基板表面の35μm厚の銅箔に200μmピッチの配線が形成されたプリント配線板(PWB)に異方性導電フィルムを80℃、1MPa、2秒という条件で加熱圧着し、剥離PETフィルムを引き剥がし、PWB表面に異方性導電フィルムを仮接着した。この異方性導電フィルムに対し、COF基板(厚さ38μmのポリイミドフィルムに200μmピッチの厚さ8μmの銅配線を形成した配線基板)又はTCP基板(厚さ75μmのポリイミドフィルムに、12μm厚のエポキシ系接着剤層と、その上に200μmピッチの厚さ18μmの銅配線を形成した配線基板)の銅配線部分を載せ、130℃、3MPa、3秒又は190℃、3MPa、5秒という条件で圧着して評価用の接続構造体を得た。
【0052】
得られた接続構造体について、配線構造体のPWBに対しCOF基板又はTCP基板を剥離速度50mm/分で90度剥離試験を行いピール強度を接着強度として測定した。また、初期導通抵抗(Ω:max値)と、温度85℃、湿度85%RHの恒温槽中に500時間保持した後の後期導通抵抗(Ω:max値)とをマルチメータ(品番34401A、Agilent社)で測定した。得られた結果を表1に示す。また、ピール強度(N/cm)の測定結果を表3に示す。なお、実施例2の異方性導電フィルムについて、参考例A2と同様にGC−MS分析を行った。得られたチャートを図3に示す。図3から、実施例2の異方性導電フィルムが、安息香酸を生じさせていることがわかる。
【0053】
なお、COF基板とPWBとの間、及びTCP基板とPWBとの間の初期導通抵抗、高温高湿放置後の後期導通抵抗及びピール強度の好ましい範囲は以下の通りである。
【0054】
<ピール強度>
COF/PWB: 6.0〜12.0N/cm
TCP/PWB: 10〜15N/cm
【0055】
<初期導通抵抗(MAX値)>
COF/PWB: 0.10〜0.13Ω
TCP/PWB: 0.035〜0.060Ω
【0056】
<高温高湿放置後の後期導通抵抗(MAX値)>
COF/PWB: 0.11〜0.20Ω
TCP/PWB: 0.050〜0.200Ω
【0057】
(総合評価)
また、これらの評価結果が、すべて好ましい範囲にある場合を良好(G)と判定し、その中でもより好ましい場合を更に良好(E)と判定し、一つでも外れていた場合には不良(NG)と判定した。得られた結果を表3に示す。
【0058】
【表3】

【0059】
表3から、絶縁性接着層と異方性導電層のそれぞれに、ジラウロイルパーオキサイド(低温分解過酸化物)とジベンゾイルパーオキサイド(高温分解過酸化物)とを重合開始剤として用いた実施例1〜3の異方性導電フィルムは、導通抵抗が小さく、従って導通信頼性に優れ、しかも優れた接着強度を示していることがわかる。特に、異方性導電接着層のフィルム形成樹脂にフルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を含有する実施例2及び3の異方性導電フィルムの場合、実施例1に比べてCOF基板とPWBとの間のピール強度が高くなり、よりTCP基板及びCOF基板に共用の異方性導電フィルムとして適したものとなることがわかる。
【0060】
それに対し、絶縁性接着層及び異方性導電接着層のいずれかで、重合開始剤として低温分解性過酸化物又は高温分解性過酸化物の一方しか使用していない比較例1〜5の異方性導電フィルムの場合、評価項目の全てを満足する結果を与えなかった。具体的には、比較例1、2、4及び5の場合、低温硬化性に問題のある絶縁性接着層又は異方性導電接着層を使用しているので、特に、TCP基板に対する後期導通抵抗がオープンとなり、TCP基板に対する導通信頼性に問題があった。また、比較例3の場合、絶縁性接着層において安息香酸が発生するような過酸化物を使用していないので、COF基板に対するピール強度が低く、接着強度に問題があった。なお、比較例6の異方性導電フィルムは、絶縁性接着層を使用しておらず、Tgが他に比べ低いため、TCP基板に対する後期導通抵抗が上昇し、TCP基板の導通信頼性に問題があった。また、比較例7の異方性導電フィルムは、絶縁性接着層を使用していないので、COF基板に対するピール強度が低く、接着強度に問題があった。
【0061】
なお、実施例2の異方性導電フィルムを用いて作成したTCP/PWB接続構造体を切断したところ、図4に示すように、隣接する電極間の接着層が特異な構造となっていることがわかった。具体的には、この接続構造体100は、PWB基板1の電極2と、TCP基板3の接着剤層4上の電極5との間を異方性導電フィルムで接続したものであるが、隣接する電極間のほぼ中央に、絶縁性接着層6が遍在すると共に、そのPWB側の異方性導電接着層7の中に左右に足を伸ばしたような形状となっていたことがわかった。このような構造をとっているため、高ガラス転移温度を有する凝集力の強い異方性導電接着層がTCPとPWBとを強く互いに引きつけ、他方、低ガラス転移温度の絶縁性接着層が接続部の応力を緩和させてピール強度を向上させ、結果的に、低温短時間硬化性と、COF基板に対する高いピール強度と、TCP基板に対する高い導通信頼性を実現できたものと考えられる。
【0062】
実施例4〜7
表4に示すように、実施例2の異方性導電フィルムの絶縁性接着層と異方性導電接着層との層厚を変化させること以外、実施例2を繰り返すことにより、異方性導電フィルムを作成し、実施例2と同様に、評価した。得られた結果を表4に示す。絶縁性接着層と異方性導電層の層厚を9:27〜27:9と変化させても、実施例2と同じ総合評価結果であった。
【0063】
【表4】

【0064】
実施例8及び9
表5に示すように、実施例2の異方性導電フィルムの圧着条件を以下に示すように変化させること以外、実施例2を繰り返すことにより、異方性導電フィルムを作成し、実施例2と同様に、評価した。得られた結果を表5に示す。より低温での圧着でも、実施例2と同じ総合評価結果であった。逆により高温での圧着でも実施例2と同じ総合評価結果であった。
【0065】
<実施例8の圧着条件>
COF/PWB(120℃-3MPa-3秒)、TCP/PWB(130℃-3MPa-3秒)
<実施例9の圧着条件>
COF/PWB(180℃-3MPa-3秒)、TCP/PWB(180℃-3MPa-3秒)
<実施例2の圧着条件>
COF/PWB(130℃-3MPa-3秒)、TCP/PWB(140℃-3MPa-3秒)
【0066】
【表5】


【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の異方性導電フィルムは、低温・速硬化で異方性接続することができる。従って、接続対象物に熱ストレスを与えずに異方性接続することができ、精密電子部品の高信頼性の異方性接続に有用である。
【符号の説明】
【0068】
1 PWB基板
2 電極
3 TCP基板
4 接着剤層
5 電極
6 絶縁性接着層
7 異方性導電接着層
100 接続構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性接着層及び異方性導電接着層が積層されてなる異方性導電フィルムにおいて、
該絶縁性接着層及び該異方性導電接着層が、それぞれ重合性アクリル系化合物、フィルム形成樹脂及び重合開始剤を含有し、但し該異方性導電接着層は更に導電性粒子を含有しており、
該重合開始剤が、一分間半減期温度の異なる2種類の有機過酸化物を含有し、該2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解により安息香酸又はその誘導体を発生するものであることを特徴とする異方性導電フィルム。
【請求項2】
該2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の低い有機過酸化物の一分間半減期温度が80℃以上120℃未満であり、一分間半減期温度の高い有機過酸化物の一分間半減期温度が120℃以上150℃以下である請求項1記載の異方性導電フィルム。
【請求項3】
分解温度の異なる2種類の有機過酸化物の間の一分間半減期温度差が、10℃以上30℃以下である請求項1又は2記載の異方性導電フィルム。
【請求項4】
該2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の低い有機過酸化物と一分間半減期温度の高い有機過酸化物との質量比が10:1〜1:5である請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
【請求項5】
該2種類の有機過酸化物のうち、一分間半減期温度の低い有機過酸化物がジラウロイルパーオキサイドであり、一分間半減期温度の高い有機過酸化物がジベンゾイルパーオキサイドである請求項1〜4のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
【請求項6】
フィルム形成樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はフェノキシ樹脂を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
【請求項7】
該異方性導電接着層中のフィルム形成樹脂が、フルオレン骨格を有するフェノキシ樹脂を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の異方性導電フィルム。
【請求項8】
異方性導電接着層の硬化物のガラス転移温度が、絶縁性接着層の硬化物のガラス転移温度に比べて高い請求項1〜7記載の異方性導電フィルム。
【請求項9】
異方性導電接着層の硬化物のガラス転移温度が、絶縁性接着層の硬化物のガラス転移温度に比べて10〜20℃高い請求項8記載の異方性導電フィルム。
【請求項10】
第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間を、請求項1〜9のいずれかに記載の異方性導電フィルムで異方性接続した接続構造体。
【請求項11】
該第1の配線基板が、チップオンフィルム基板またはテープキャリアパッケージ基板であり、第2の配線基板がプリント配線板であり、異方性導電フィルムが請求項7記載の異方性導電フィルムであり、該異方性導電フィルムの絶縁性接着層が第1の配線基板側に配されている請求項10記載の接続構造体。
【請求項12】
第1の配線基板の接続部と第2の配線基板の接続部との間に請求項1〜10のいずれかに記載の異方性導電フィルムを挟持させ、一分間半減期温度の低い有機過酸化物が分解しない第1の温度で仮貼りした後、一分間半減期温度の高い有機過酸化物が分解する第2の温度で熱圧着することを特徴とする接続構造体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−37539(P2010−37539A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94618(P2009−94618)
【出願日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】