説明

病原体、細菌および異常な細胞を迅速に同定するためのシステムおよび方法

本発明は、病原体、細菌、癌細胞および他の異常なヒトおよび動物の細胞の迅速な同定を達成する。一実施形態では、本発明のシステムは、病原体、細菌および他の異常な細胞の試料の画像を得て処理する第一のサブシステムと、この画像を受容し、高度画像セグメンテーションを用いてこの画像の特定の特徴を切り離し、次いで、パターン認識プロセスを用いることによってこの病原体、細菌および他の異常な細胞を迅速かつ正確に同定し、ここでこのオリジナル画像のセグメント分けまたは切り離された特徴を既知の参照画像と比較する第二のサブシステムとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同一人が所有しており、かつ同時係属中の、2003年3月27日出願の米国仮出願第60/458,769号、および2003年9月25日出願の同第60/505,944号の利益を主張する。
本発明は概して、病原体および異常な細胞を同定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病原体、細菌、異常な細胞および感染性疾患の適時的な診断はしばしば、細菌を同定する手段として培養を用いて、最適の処置を選択するという必要性によって困難である。現在のところ、病原体の同定はしばしば、日数がかかり、最適の抗生物質の適切な選択のような、有効な処置を過度に遅らせるかもしれない状況である、面倒な手順を包含する。食物、特に牛肉、家禽および魚類における細菌汚染を決定するのには同様の問題が存在する。食物中の有害な細菌の存在を同定するのが遅れれば、汚染された食物が流通および消費に流れて悲惨な結果を招きかねない。ある場合には、これらの遅れは、患者にとって致死的であることが証明されており、または不必要な苦痛を生じている。米国疾病管理センター(Center for Disease Control)から提出された1999年の統計によれば、細菌によって生じた感染性疾患の報告が1,194,959例ある。さらに、疾病管理センターに強制的に報告する義務のない食中毒の例が多数あった。感染した患者を処置する慣行的診療は、広範なスペクトルの抗生物質の使用である。しかし、多くの抗生物質に対する細菌の耐性の問題に起因して、広域抗生物質は有効ではないかもしれない。感染性疾患のこれらの例の多くが、迅速かつ正確な診断が利用できれば、防止されるかまたは適切に処理されたであろう。病原体、細菌および異常な細胞の迅速な同定はまた、バイオテロおよび戦争時の生物剤を取り扱うのにも重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、病原体、細菌、ならびに他の異常なヒトおよび動物の細胞の迅速な同定を達成する。一実施形態では、本発明は、病原体を自動的かつ迅速に同定するための非侵襲性のシステムおよび方法に関する。本発明の一実施形態によれば、このシステムは、病原体、細菌または他の異常な細胞の試料の画像を取得して処理する第一のサブシステムと、この試料の画像を受容し、高度画像セグメンテーションを用いて各々の画像の特定の特徴を切り離し、次いで、この特定の切り離された特徴上でパターン認識プロセスを用いて、この病原体、細菌または異常な細胞の構造を迅速かつ正確に同定する第二のサブシステムとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、前述の説明に記載された第一のサブシステムは、顕微鏡およびビデオカメラを含む、画像取り込みシステムを含む。この画像取り込みシステムは、病原体、細菌または異常な細胞構造の試料の画像を取り込むかまたは取得し、次いで、この試料の取り込まれたかまたは取得された画像の妥当な部分を強化、デジタル化、そして一時的に記憶する。この第一のサブシステムはさらに、通信システムを備え、これが処理された画像を、種々の適切な通信スキームのうちのいずれか1つ、例えば、衛星中継、インターネットまたは電話線を介して第二のサブシステムに伝達する。好ましい実施形態では、この第一のサブシステムはさらに、第一のサブシステムの動作を制御するためのコンピューター、マイクロプロセッサーまたは他の制御装置を含む。好ましい実施形態では、この第一のサブシステムは、試料の画像を処理するのにおける手動の労力を最小限にするように自動操作を有するように構成される。
【0005】
一実施形態では、この第二のサブシステムは代表的には、中央位置に位置する。この第二のサブシステムは、第一のサブシステムによって伝達される処理された画像を受け取る。この第二のサブシステムは、目的の試料の画像の特定の特徴を切り離すように、第一のサブシステムから受け取られた画像を処理する画像処理システムを含む。この画像プロセッサーは画像セグメンテーションが画像の前述の特徴を切り離すように機能する。この第二のサブシステムは、公知の参照画像を含むデータベースを含む。このようなデータベースは、既知の病原体細胞、細菌細胞および異常な細胞の画像のライブラリーとして機能する。各々の参照画像は、公知の病原体、細菌または異常細胞の構造と関連している。この画像処理システムは、切り離された特徴から特定の画像データを抽出するデータマイニングプログラム、およびこの抽出された画像データをデータベース中の既知の参照画像に対して比較するパターン認識プログラムを実行して、この切り離された特徴が任意の既知の参照画像と対応するかまたはマッチするかを決定する。
【0006】
本発明のシステムおよび方法はまた、医学および歯科の領域での診断用放射線医学および画像化ツールとして用いることができる。詳細には、本発明のこのシステムおよび方法は、軟部組織の画像、乳房撮影像、x線写真(骨および歯)、超音波、MRI画像およびCATスキャンのような医学画像を分析するために構成され得る。
【0007】
別の実施形態では、このシステムは、第一のサブシステムおよび第二のサブシステムが一緒に接続されて1つの位置に配置される1つのメインシステムを形成するように構成される。このような構成は、米国および世界中の、大型の都市病院または多くの医大付属病院のうちの1つに適切である。
【0008】
従って、本発明は、一態様では、病原体を同定するための方法に関し、この方法は、画像を提供する工程と、この提供された画像を画像セグメンテーションアルゴリズムで処理して目的の特徴を有するこの提供された画像のうちの少なくとも1つのセグメントを切り離す工程と、この提供された画像の切り離されたセグメントを複数の参照画像に比較してこの切り離されたセグメントがこの参照画像のいずれかに対応するか否かを決定する工程とを含む。
【0009】
関連の態様では、本発明は病原体を同定するためのシステムに関連するが、このシステムは、画像を提供するためのデバイスと、記憶された少なくとも1つの参照画像を有するデータベースと、(i)提供された画像を、画像セグメンテーションアルゴリズムを用いて処理して、目的の特徴を有するこの提供された画像の少なくとも1つのセグメントを切り離し、そして(ii)この提供された画像の切り離されたセグメントを参照画像に比較して、この切り離されたセグメントが参照画像に対応するか否かを決定するための画像処理リソースと、を含む。
【0010】
本発明の特徴は、新規であると考えられる。図面は、例示の目的のためだけであり、大きさについては記載していない。しかし、本発明自体は、操作の機構および方法の両方に関して、添付の図面と組み合わせて詳細な説明を参照すれば最もよく理解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1を参照すれば、本発明による病原体、細菌および異常な細胞の構造の迅速な同定のためのシステムのブロック図が示されている。システム100は概して、画像化サブシステム100aおよび画像管理診断用サブシステム100bを含む。サブシステム100aは概して、コンピューターまたは制御装置101と、染色モジュール102と、顕微鏡104と、デジタルカラービデオカメラ106と、画像記憶装置108と、通信モジュール110とを含む。次の説明から明らかであるとおり、コンピューター101は、顕微鏡104、デジタルカラービデオカメラ106、画像記憶装置108および通信システム110の操作および操作順序を制御する。
【0012】
図1を参照すれば、染色モジュール102は、スライドに固定されている病原体、細菌および異常な細胞の試料のスライドを染色する。このスライドは、顕微鏡104で見る前に染色される。好ましい実施形態では、染色モジュール102は市販の免疫染色手順のモジュールである。このような適切な市販の免疫染色手順モジュールの1つは、染色された細胞の正確なカラー画像化のための電動の蛍光フィルターとして当分野で公知である。好ましい実施形態では、これらのスライドの少なくとも1つが、受容可能な画像を生じるように染色された病原体、細菌または異常な細胞を有することを確実にするために、5〜10個の異なる染色液を選択して、所与の試料について所定の数のスライドを染色する。
【0013】
一実施形態では、統計学的解析を用いて、スライドの少なくとも1つが原因となる病原体、細菌などを含むことを確実にするために必要な試料スライドの十分な数を決定する。染色モジュール102は目的の病原体、細菌などの範囲をカバーするために標準的なセットの染色液を利用するように構成される。
【0014】
図1に参照されるように、顕微鏡104は、十分な倍率を得るように構成され、オイル浸漬対物レンズと、ビデオカメラ106のための光学ポートと、自動ステージ機構と、自動焦点機構とを含む。この自動ステージ機構は、試料スライドの簡便な配置のための浅いウェルを含む。この自動ステージ機構によって、自動焦点機構が焦点に画像を保持したままで、各々のスライドのラスタスキャンが行なわれる。この自動ステージ機構は、画像を取得することを可能にするために、各々の工程で素早く停止するように構成される。各々の取得された画像は、この自動ステージ機構の位置のx−y座標を割り当てられる。これらのx−y座標は、試料の取得された画像に対して適切なフォーマットで自動的に加えられる。
【0015】
図1を参照すれば、ビデオカメラ106は、顕微鏡104の自動ステージ機構の各々の停止で試料のカラー画像を取り込むかまたは取得するように、コンピューターまたは制御装置101によって制御される。ビデオカメラ106は十分な解像度および安定性を提供するように構成される。ビデオカメラ106は、取得された画像をデジタル化する。次いで、デジタル化された画像を画像記憶装置108に伝達する。画像記憶装置108は、ビデオカメラ106によって生成された取得された画像を一時的に記憶するのに十分なデータ記憶容量を有する一時記憶装置である。
【0016】
好ましい実施形態では、顕微鏡104およびビデオカメラ106は、顕微鏡104およびビデオカメラ106の両方の機能を合わせた、単独の、市販のコンパクトユニットとして実現される。このような市販のユニットの1つはLeica Model DMRXA2顕微鏡である。単独のユニットに顕微鏡とビデオカメラとを合わせた他の適切な市販のデバイスも同様に用いられ得る。
【0017】
別の実施形態では、この取得された画像を、有用かつ該当する内容について、プレスクリーニングして、プレソートする。これは、画像記憶装置108と電気データ連絡されているスクリーニングプロセッサおよびディスプレイ装置(両方とも示していない)によって達成される。このプレスクリーニングおよびプレソート機能によって、該当の情報を有する画像でのみさらなる分析を行なうことが保証される。このスクリーニングプロセッサは、画像が該当の内容を有するか否かを決定するために予め決定された基準(記述子)を利用する。
【0018】
図1を参照すれば、コンピューター101は、記憶されたデジタル化画像を通信モジュール110に伝達するように画像記憶装置108を制御する。一実施形態では、通信モジュール110は、RF(高周波)アンテナ111を含む。しかし、通信モジュール110は好ましくは、種々の適切な通信形態、例えば電話線、インターネット、専用回線またはRF通信または衛星通信を通じた通信のうちのいずれか1つを介して第二のサブシステム100bのデジタル化画像を伝達するように構成される。本発明によれば、第一のサブシステム100aと第二のサブシステム100bとの間の通信リンクは、双方向性である。好ましい実施形態では、第一のサブシステム100aと第二のサブシステム100bとの間の通信はリアルタイムである。一実施形態では、通信モジュール110はDSL Speedstream Model 5260として実現される。
【0019】
好ましい実施形態では、適切な市販のPC(パーソナルコンピューター)の高性能システムが、制御モジュール101および画像記憶装置108を現実化するために用いられる。
【0020】
別の実施形態では、サブシステム100aは、別々の適切な市販の構成要素によって実現可能である。例えば、顕微鏡104は、適切な市販の電子顕微鏡またはデジタル顕微鏡によって実現できる。同様に、ビデオカメラ106は、デジタル顕微鏡によって得られる画像に基づいてカラー画像を得ることができる適切なビデオカメラによって実現できる。
【0021】
図2および3を参照すれば、本発明の別の実施形態による画像化サブシステム100aが示される。この実施形態では、サブシステム100aの全ての構成要素が、携帯可能でコンパクトで頑丈であり、移動式の操作または遠隔位置での操作を可能にするようにバッテリー電源での操作またはAC電源で可能な、単独のユニットに組み合わされる。画像サブシステム100aのこの実施形態は、ハウジング120、コントロールパネル122および123、そしてインターフェース124を有する。インターフェース124は、RS 232インターフェース126と、ビデオデータポート128および130と、USBポート132と、外部電源入力134とを含む。再充電可能なバッテリーパック136は、全ての他の構成要素に電力を供給する。スクリーン138は、分析される空気サンプルの捕獲を可能にし、これによって風媒性の病原体、細菌などを分析することが可能になる。スライド挿入デバイス140によって、使用者は、試料スライド142をハウジング120に挿入することができる。流体インレット144および流体アウトレット146によって、分析される流体(例えば、水)の流入および流出が可能になる。別の実施形態では、図2および3に示されるサブシステム100aの特定の実施形態は、車両のバッテリーからの電力で作動するように構成される。
【0022】
図1および4を参照すれば、画像化サブシステム100aの操作を図示するフローチャートが示される。工程150では、ユーザーがコンピューター101を起動する。工程152では、マスターシステム(示さず)に記憶された任意の必要なデータをコンピューター101にロードする。工程154では、サンプルまたは試料の整備、調製およびプロトコールが行なわれる。この工程では、試料は、染色モジュール102で染色される。工程156では、顕微鏡104およびビデオカメラ106は、コンピューター101によって起動され、そして染色された試料スライドが顕微鏡104に提供される。次に、工程158、160および162において、試料スライドの画像化が手動で(すなわち、局所的に)制御されるべきか否かが決定される。手動で制御されることが決定されれば、使用者はコンピューター101に手動入力コマンドを入力して、このようなコマンドによって規定されるデータに従って顕微鏡104およびビデオカメラ106を制御する。次に、工程164では、試料の画像が生成される。工程166では、試料の生成された画像が、コンピューター101またはビデオカメラ106のいずれかに接続され得る、コンピュータースクリーンまたはLCDのような外部ディスプレイ装置(示さず)上で提示される。工程164および166に含まれるのは、画像が該当の情報を含むか否かを決定するための画像のプレスクリーニングおよびプレソーティングの工程である。一実施形態では、医療従事者が資格検査によって画像をプレスクリーニングする。工程168では、該当の画像を収集して、画像記憶装置108で整理する。工程170では、該当の画像を画像記憶装置108に、またはROMもしくはCD−ROMのような外部データ記憶デバイス(示さず)に記憶する。一実施形態では、この外部データ記憶デバイスは、画像記憶装置108と電気的データ連絡されている外部デバイスである。工程172では、該当の収集および整理された画像を出力バッファ記憶装置に送り、次いで通信モジュール110に送る。工程174では、次にこれらの画像を、通信モジュール110を有する画像管理診断用サブシステム100bと連絡させる。
【0023】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態では、画像管理診断用サブシステム100bは中央に位置する。好ましい実施形態では、サブシステム100bは、複数のサブシステム100aを駆動して、診断情報をほぼリアルタイムで提供するように構成される。サブシステム100bは一般に、通信モジュール180と、アンテナ181と、一時画像記憶装置182と、画像処理システム190とを含む。通信モジュール180は、サブシステム100aの通信モジュール110によって伝えられるデジタル化された画像データを受け取る。一実施形態では、通信モジュール180は、前述の説明に記載される市販のDSL Speedstream Model 5260によって実現される。次いで、この受け取られたデジタル化された画像データは、一時画像記憶装置182に伝えられる。次いで、この記憶されたデジタル化画像が、一時画像記憶装置182から画像処理システム190に伝えられる。図5を参照すれば、画像処理サブシステム190のブロック図が示される。画像処理システム190は、共通ハブ206と電気的データ連絡されているワークステーション200、202および204を含む。一実施形態では、ワークステーション200、202および204は、それぞれ、Linux(商標)、Sun(商標)、およびMicrosoft(商標)によって製造される、市販のPentium(商標)クラスのコンピューターである。一実施形態では、共通ハブ206は、Hewlett Packardまたは互換性10/100/1000ハブのような市販のスイッチとして構成される。画像処理システム190はさらに、マスターノード208と、マスターノード208と共通ハブ206との間のファイヤーウォール210とを含む。マスターノード208は、次の説明に記載される、特定の画像処理および分析コンピュータープログラムの実行および遂行を達成するデータ処理モジュールを含む。好ましい実施形態では、マスターノード208は、高速の並行処理を実施するように構成される。一実施形態では、マスターノード208は、64ノードを含む並行プロセッサを有するScyld Beowulf Computer Clusterを含む。このScyld Beowulf Computer Clusterは、当分野で公知であり、NASAのGoddard Space Flight Centerによって開発された。画像処理サブシステム190はさらに、中央ハブ212を含む。一実施形態では、中央ハブ212は、Hewlett Packardまたは互換性10/100/1000ハブのような市販のスイッチとして構成される。画像処理サブシステム190はさらに、中央ハブ212と電気的データ連絡されている複数のスレーブノード214を含む。一実施形態では、64個のスレーブノード214があり、各々のスレーブノード214は、最低で128MBのRAMを有するPC Pentiumクラスのコンピューターとして構成される。画像処理システム190はさらにデータベースサーバー220を含む。データベースサーバー220は、サブシステム100a(図1を参照のこと)に由来しており、サブシステム100bによって分析される画像データを記憶する。データベースサーバーは、当分野で公知であり、本明細書において詳細に考察する必要はない。画像処理システム190はさらに、十分なデータ記憶容量を有するファイルサーバー画像集積装置222を含む。集積装置222は、第一および第二の部分を有する。この第一部分は、公知の病原体、細菌および異常な細胞の画像を記憶するためである。詳細には、この第一部分は、回転および他の明確な相違の原因である各々のタイプのいくつかの異なる見方を有する、病原体、異常細胞構造、細菌などの参照画像の大きなライブラリーを含む。好ましくはこの参照された画像は、記憶の必要が最小限になるように圧縮される。各々の参照画像は、この参照画像についての情報を提供する、対応する特定情報、例えば、病原体、細菌、細胞などの名称を有する。集積装置222の第二の部分は、次の説明に記載される階層的セグメンテーション処理によって生成された画像のセグメントの記憶のためである。
【0024】
図1および5を参照すれば、一時画像記憶装置182によって出力された画像が、データベースサーバー220に入力される。データベースサーバー220の画像は、ワークステーション200、202および204のいずれかを用いることによって、マスターノード208に送られる。マスターノード208は、いくつかの機能を果たす。マスターノード208は、データベースサーバー220から受け取ったデジタル化画像のプレスキャンを行なって、このデジタル化画像が該当のかつ有用な情報を含むか否かを決定する。この画像が該当のかつ有用な情報を含まない場合、この画像は破棄される(すなわち、消去される)か、またはファイルサーバー画像集積装置222の指定の領域に記憶される。画像が該当かつ有用な情報を含む場合、次いでこの画像はさらなる処理に供される。詳細には、マスターノード208は、画像上でセグメンテーションを行なう。一実施形態では、マスターノード208は、その開示が参考として本明細書に組み込まれる、「Method For Implementation Of Recursive Hierarchical Segmentation On Parallel Computers」と題された係属中の米国特許出願番号09/839,147に記載されるセグメンテーションプロセスを実行するようにプログラムされる。前述の係属中の米国出願番号09/839,147は、2003年5月1日に公開され、特許出願公開番号US2003/0081833を有する。公開番号US2003/0081833は、参考として本明細書に組み込まれる。セグメンテーションプロセスは、デジタル化画像の特定の特徴を切り離す。詳細には、このセグメンテーションプロセスは、一連の設定の画像セグメンテーションを種々のレベルのセグメンテーションディテールで達成し、ここでは比較的粗いレベルのディテールのセグメンテーションが、それより微細なレベルのディテールのセグメンテーション由来の領域の単純な混同から生成される。階層的な画像セグメンテーションプロセスの固有の特徴は、このセグメント分けされた領域の境界が、この階層の全てのレベルのセグメンテーションディテールで完全な画像空間解像度で維持されることである。このプロセスの結果は、同様の特性の領域が切り離されて(セグメント分けされて)同定されるということである。従って、背景および砕片とは別個の特徴を有する病原体の画像は、特定の割り当てられた基準、例えば、色、形状、サイズなどを用いて切り離され得る。
【0025】
次いで、マスターノード208は、切り離された特徴のサイズおよび形状のような2〜3の記述子に基づいて、切り離された特徴に対して高速の分析を行なう。マスターノード208は、切り離された特徴の特定の画像が有用な情報を有するか否かを決定するためのこの高速の分析で用いられるソーティング基準の記憶装置を含む。この特定の画像が有用な情報を有する場合、この特定の画像を保存してさらなる分析のために利用できるようにした。この特定の画像が有用な情報を有さないということが決定されれば、この特定の画像は破棄する。切り離された特徴の特定の画像が有用な情報を有する場合、マスターノード208は、その画像にさらなる処理を行なう。詳細には、マスターノード208は、視覚的認識およびデータマイニングを達成するコンピュータープログラムを実行して遂行する。一実施形態では、このコンピュータープログラムは、NASA Jet Propulsion LaboratoriesおよびCalTechによって開発された「Continuously Scalable Template Matching(コンティニュアスリー・スケーラブル・テンプレート・マッチング)」と呼ばれるコンピュータープログラムとして構成される。このコンピュータープログラムは、データマイニングを達成する第一部分と、視覚的認識を達成する第二部分とを含む。このデータマイニング部分は、当分野で公知であり、NASAのJet Propulsion Laboratoryによって開発された「Diamond Eye(ダイヤモンド・アイ)」として公知のコンピュータープログラムとして構成される。この「Diamond Eye」コンピュータープログラムは、画像マイニングサービスに対するプラットフォーム依存性のアクセスを提供する、分散型アプレット/サーバーアーキテクチャに基づく。「Diamond Eye」コンピュータープログラムに関連するデータベースは、永続的な記憶を提供し、「マイニングされた(mined)」情報のクエリーを可能にする。この計算エンジンは、データマイニングのタスク:画像処理、物体認識、およびコンテンツ・オペレーションによるクエリー(querying−by−content operation)の最も要求の多い部分の並行した遂行を行なう。このデータマイニングプロセスの目的は、前述の説明に記載されたセグメンテーションプロセスから得られる、切り離された特徴、または対象の画像の特徴から、所望の特定の画像データを抽出することである。使用者は、切り離された特徴または対象の画像の特徴からマイニングされる画像データのパラメーターを規定する、特定のデータを入力する。
【0026】
マスターノード208によって実行されるコンピュータープログラムの視覚的認識部分は、コンピュータープログラムのデータマイニング部分によって得られるマイニングされたデータがファイルサーバー画像集積装置222の参照ライブラリー部分の任意の参照画像にマッチするかまたは対応するかを決定するパターン認識プログラムを含む。光学認識プログラムは、サイズが異なるがそうでなければ特定の(参照)パターンと同様であるパターンを検出できる。マッチングまたは対応が存在する場合、参照画像、この参照画像にマッチまたは対応する対象の切り離された特徴、およびこの参照画像と関連する任意の情報が、ワークステーション200、202および204のディスプレイ上に提示される。マスターノード208はまた、目的の領域を同定するために対象の切り離された特徴において統計学的分析を行ない、診断を行なう医療従事者を補助する、画像分析プログラムの遂行および実行を達成する。1つの適切な画像分析プログラムは、米国国立衛生研究所(National Institute of Health)で開発されたImageJプログラムである。結果として、医療従事者は、ワークステーション200、202および204のいずれかで、得られた情報を見る際に診断を行なうことができる。対象の切り離された特徴にマッチする参照画像も対応する参照画像もなければ、このような情報はワークステーション200、202および204で提示される。
【0027】
マスターノード208はまた、画像処理システム190のノードの全ての費用および時間効果的なスケジューリングを達成する、次の説明に詳しく記載される、スケジューリングプログラムを実行および遂行する。従って、画像処理システム190に16、64または128のいずれのノードが存在しようと、このノードは、費用効果的な方式で最適の操作を達成するために効果的に用いられる。
【0028】
図5A〜図5Dを参照すれば、画像処理システム190によって実行される画像処理方法のフローチャートが示される。この方法は、工程300において、使用者によってワークステーション200、202および204のいずれかにコマンドが入力された際に開始する。工程302では、使用者はワークステーション200、202および204のいずれかを用いて、データベースサーバー220からの画像を検索する。この検索された画像が、マスターノード208によって処理されて分析されるべき画像である。前述の説明に記載されるとおり、この検索された画像は、JPEG、TIFFまたは他の形式であってもよい。工程304では、マスターノード208は、この検索された画像を、マスターノード208によって処理するのに適切な生データに変換する。工程306では、使用者は、マスターノード208によって実行される階層的セグメンテーションプロセスによって、使用のためのパラメーターデータおよび再帰的レベルデータのような、コマンドをワークステーション200、202および204に入力してもよい。パラメーターデータとしては、対象の画像が分割される領域の数が挙げられる。各々の領域は、医療従事者が分析の目的とする画像の特定の一部を規定する。この再帰的レベルデータによって、所望のビット解像度および画像を処理するのに必要な帯域幅を規定する。別の実施形態では、パラメーターデータおよび再帰的レベルデータは、使用者によって入力されるのではなく、そのソフトウェア内に存在する。次に、工程307によって、時間および費用効果的な操作、ならびにクラスターの使用を達成するために、マスターノード208内のクラスターの使用をスケジューリングする、クラスタースケジューリングプログラムの実行を達成する。従って、工程307によって、全てのクラスターが任意の所与の時点で常に実行タスクであること、およびアイドリング状態のクラスターがないことが確実にされる。工程307はまた、時間および効率的な操作、ならびにファイルサーバー画像集積装置222およびデータベースサーバー220の使用をスケジューリングする。スケジューリングプログラムは、次の説明で記載される。次に、工程308では、この方法を、階層的セグメンテーションプロセスで続行すべきか否かが決定される。この方法が、階層的なセグメンテーションで続行されるべきでないならば、この方法は工程309で終わる。この方法が階層的なセグメンテーションで続行されるべき場合、この方法は、工程310、312または314に進む。工程310は、検索された画像が階層的なセグメンテーションによってセグメント分けされる前にRGB(赤(Red)、緑(Green)、青(Blue))フォーマットにこの検索された画像がフォーマットされるべきか否かを決定する。RGBフォーマットが所望される場合、この方法は工程318にシフトし、ここで階層的セグメントプロセスが始まる。RGBフォーマットが所望されない場合、この方法は工程312にシフトする。工程312では、検索された画像が階層的セグメンテーションによってセグメント分けされる前にこの検索された画像が8ビットフォーマットにフォーマットされるべきか否かが決定される。8ビットが所望される場合、この方法は、工程318にシフトして、ここで階層的セグメンテーションプロセスが始まる。8ビットフォーマットが所望されない場合、この方法は工程314にシフトする。工程314では、検索された画像が階層的セグメンテーションによってセグメント分けされる前にこの検索された画像が16ビットフォーマットにフォーマットされるべきか否かが決定される。16ビットフォーマットが所望されないならば、この方法は、パラメーターをリセットする工程315にシフトする。次いでこの方法は、工程316にシフトして、この方法を開始工程300に戻す。16ビットフォーマットが所望される場合、この方法は工程318にシフトし、ここで階層的セグメンテーションプロセスが始まる。前述の説明から明らかであるとおり、工程310、312および314によって行なわれる決定プロセスは、工程306に入力された再帰的レベルに依存する。工程318では、階層的セグメンテーションプロセスが開始して、検索された画像をセグメントに分ける。各々のセグメントは検索された画像(工程302で検索された)の特定の領域を規定する。工程320では、このセグメントがさらなる処理を受けるべきか否か、またはこのセグメントが集積装置222に記憶されるべきか否かが決定される。工程320によって、特定の領域のセグメントがさらなる処理を受けるべきでないことが決定されるならば、工程322は、集積装置222における特定の領域のこれらの画像の貯蔵を達成する。工程320によって、このセグメントがさらなる処理を受けるべきであることが決定されれば、この方法は工程324にシフトして、ここでこのセグメントによって規定される領域がマッピングされる。詳細には、工程324は、各々の領域に対する標識のマッピングまたは割り当てを達成する。工程325では、標識された領域が集積装置222に記憶される。
【0029】
次に、工程326において、使用者は、所望のCSTM(Continuously Scalable Template Matching)モデルを画定するデータを、ワークステーション200、202および204のいずれかを介してマスターノード208に入力する。詳細には、このデータは、画像集積装置222に記憶された参照画像に基づいて作製されるべき所望のモデルを規定する。これらのモデルは、特定の病原体、細菌または他の疾患の特定の特徴および特性に基づく。次に、工程327で、CSTMモデルが集積装置222に記憶された標識された領域に存在するか否かを決定する。この工程は、前述の説明で記載された「Continuously Scalable Template Matching」プログラムの実行によって達成される。CSTMモデルが、集積装置222に記憶された標識された領域に存在しないならば、この方法は、工程328にシフトして、これがデータをワークステーション200、202および204に送り、これによってマッチングが見出されていないことが示される。工程327によって、集積装置222に記憶された標識された領域にマッチするかまたは対応するCSTMモデルが存在することが決定されれば、この方法は工程330にシフトして、これによってCSTMモデル(単数または複数)が対応する特定の領域(単数または複数)を画定する標識された画像の検索が達成される。工程332では、検索された標識された画像がワークステーション200、202および204で提示されて、それによって医療従事者は検索された画像を再検討して診断を行なうことが可能になる。次いでこの方法は工程334で終わる。
【0030】
図6を参照すれば、工程307のクラスタースケジューリングプログラムのフローチャートが示される。工程400では、クラスタースケジューリングプログラムが実行されるべきか否かが決定される。このクラスタースケジューリングプログラムが開始されるべきでない場合、このクラスタースケジューリングプログラムは終了して、マスターノード208によって実行された方法は工程308にシフトする(図5Aを参照のこと)。クラスタースケジューリングプログラムが実行されるべきであるならば、このプログラムは工程402にシフトする。工程402は、対象の画像を処理するのに必要であるノードの数を決定する。従って工程402は、4、16、64、128またはそれ以上のノードが要求されるかどうかを決定する。工程404では、対象の検索画像を処理するのに高速ノードが必要とされるか低速ノードが必要とされるかが決定される。高速のノードを用いるかまたは低速のノードを用いるかは、処理される画像の量および任意の特定の状況、例えば、救急、化学兵器のシナリオなどによって決定される時間の要因に依存する。工程406では、任意の必要なノードと関連する時間の遅れがあるか否かが決定される。詳細には、工程406は、特定のノードが対象の検索された画像を処理するのに利用可能である前に時間の遅延があるか否かを決定する。時間の遅延とは、その他のタスクを完了するためのそのノードによって必要とされる時間の長さである。従って、特定のノードが別のタスクでビジーである場合、マスターノード208は、そのような他のタスクを完了するためにそのノードによって必要とされる時間の長さの満了の際に、対象の検索された画像を処理するために用いられるようにそのノードをスケジューリングする。同様に、マスターノード208は、現在のタスクの完了の際に新しいタスクを開始するようにノードをスケジューリングする。時間の遅延があるかどうかは、再帰的レベル、ノードの所望の数、および高速ノードが要るか低速ノードが要るかのような多くの要因に依存する。次に、工程408は、この特定の処理タスクについてのコスト要因を算出する。費用の関数は、再帰的レベル、ノードの所望の数、高速ノードが要るか低速ノードが要るか、および任意の時間の遅延に依存する。従って、コスト要因は、これらの先行要因のいずれかが変化される場合に変化され得る。費用要因の情報は、ワークステーション200、202および204のいずれかに提示される。当分野で公知の数学的アルゴリズムをコスト要因を決定するのに用いる。工程410では、クラスタースケジューリングプログラムが終わり、マスターノード208によって実行される全体的プロセスが工程308で再開する。
【0031】
前述の説明に記載される特定の階層的セグメンテーションならびにテンプレートマッチングコンピュータープログラムおよびアルゴリズムは、本発明の実現および実施を容易にする適切なプログラムおよびアルゴリズムの例である。従って、他の適切なセグメンテーションおよびテンプレートマッチングプログラムも同様に用いられ得るということが理解されるべきである。
【0032】
本発明によって、多くの利点および利益、例えば、
a)培養の必要性の排除;
b)病原体、細菌、感染性疾患および異常な細胞の迅速かつ正確な同定を提供する;
c)画像処理からの画像獲得サブシステムおよび同定サブシステムの分離を可能にし、困難な条件下での遠隔操作を可能にする;
d)利用可能な通信システムを利用するために複数のデータ伝達経路を使用する;
e)比較的低コストの並行処理コンピューターシステムを使用してほぼリアルタイムの操作を達成する;
f)感染性疾患と闘い、疾病率および死亡率を低下させ、国内および世界の辺縁地域に高レベルの医薬を提供する;
g)細菌に起因する感染性疾患の診断、および食物の細菌汚染の検出を達成する;
h)サブシステム100aは、小さい病院および診療所に、特に田舎または辺縁の地域、例えばアパラチア地方およびインディアン保留地に、そして保険医療施設へのアクセスが限定されている第三世界の国々に置くことが可能である;
i)サブシステム100aを、大規模な食肉処理場、食肉および家禽の処理施設、大型の酪農場および他の農業関連産業に置いて、このような食肉、家禽および酪農製品が消費者に運ばれる前に細菌を検出することが可能になる;そして
j)サブシステム100aを研究実験施設、米国疾病管理センター(Center for Disease Control)および製薬業者に置いて、新規な抗生物質の研究および開発を補助することができる;
ということが得られる。
【0033】
前述の説明は、病原体、細菌および異常な細胞の迅速な同定に関する本発明に関しているが、本発明のシステムおよび方法は、医学および歯科の分野での診断用の放射線医学および画像化のツールとして用いられ得る。詳細には、本発明のシステムおよび方法は、軟部組織の画像、乳房撮影像、x線写真(骨および歯)、超音波、MRI画像およびCATスキャンのような医学画像を分析するために構成され得る。このような実施形態では、前述の画像は、前述の説明に記載されたデジタル顕微鏡画像と一般に同じ方式で同定のための領域を作成するようにセグメント分けされる。詳細には、画像は、画像処理システム190に移されて、ここでワークステーション200、202、および204を用いて画像を圧縮する。好ましい実施形態では、当分野で公知のロスなしの圧縮ソフトウェアプログラムを用いる。好ましくは、圧縮ソフトウェアは、医学的画像の使用のために認証される。適切な圧縮ソフトウェアはGZIPおよびBZIT2である。他の適切な圧縮ソフトウェアを用いてもよい。次に、圧縮された画像をファイルサーバー画像集積装置222に記憶する。この圧縮された画像は集積装置222に記憶されて、引き続いて検索され、そこで、セグメント分けされるか、および/または別の画像、セグメントまたは領域に対して比較され得る。圧縮された画像が集積装置222から検索された後、この圧縮された画像は、前述の説明に記載される再帰的階層的セグメンテーションプログラムを用いてセグメンテーションのために調製される。好ましくは、この前述の再帰的階層的セグメンテーションプログラムは、前述の説明に記載されるような並行コンピューティング・プラットオフォーム(例えば、マスターノード208)で行なわれる。本明細書において前に記載したとおり、画像セグメンテーションプロセスは、画像をセクションまたは領域に分割する工程を含む。これらの領域は、種々の組織において正常、異常または逸脱を引き続いて伴い得るが、このセグメンテーションプロセスは単に各々の領域に総称的な標識を与えるだけである。この領域は、同様のデータ特徴の値を有するマルチスペクトルまたはハイパースペクトルの画像ピクセルの群から構成される。これらのデータ特徴の値は、マルチスペクトルまたはハイパースペクトルのデータ値自体であってもよく、そして/または帯域比もしくはテクスチャーの特徴のような派生的な特徴であってもよい。同時に、それらのセクションまたは領域にセグメント分けされている局所的画像、および標識されているマスクされたセグメント分けされた画像が、集積装置220に記憶される。集積装置220に記憶された画像は、放射線医学の画像において正常、異常または逸脱を伴っている既知のまたは規定のセグメント分けされた領域を再検討またはマッチングするために、前述の説明に記載されたスケーラブル・テンプレート・マッチング・プログラムによってリコールされ得る。
【0034】
本発明の操作のこの原理、好ましい実施形態および形態は、前述の説明に記載されている。しかし、本明細書において保護されることが意図される本発明は、開示された特定の形態に限定されると解釈されるべきではない。なぜならそれらは限定ではなく例示とみなされるべきであるからである。本発明の趣旨から逸脱することなく変異の変化を当業者によって行なうことができる。従って、前述の詳細な説明は、本質的に例示と解釈されるべきであり、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲および精神を限定はしない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のシステムのブロック図である。
【図2】図1に示される画像化サブシステムの一実施形態の斜視図である。
【図3】図2の画像化サブシステムの後ろ側の斜視図である。
【図4】図1に示される画像化サブシステムの操作を図示するフローチャートである。
【図5】図1に示される画像管理診断用サブシステムのブロック図である。
【図5A】図5に示される画像管理診断用サブシステムの操作を図示するフローチャートを示す。
【図5B】図5に示される画像管理診断用サブシステムの操作を図示するフローチャートを示す。
【図5C】図5に示される画像管理診断用サブシステムの操作を図示するフローチャートを示す。
【図5D】図5に示される画像管理診断用サブシステムの操作を図示するフローチャートを示す。
【図6】図5に示される画像管理診断用サブシステムによって用いられるクラスタースケジューリングプロセスを図示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
100 システム
100a サブシステム
100b サブシステム
106 ビデオカメラ
111 アンテナ
120 ハウジング
122 コントロールパネル
123 コントロールパネル
124 インターフェース
126 RS232インターフェース
128 ビデオデータポート
130 ビデオデータポート
132 USBポート
134 外部電源入力
136 バッテリーパック
138 スクリーン
140 スライド挿入デバイス
142 試料スライド
144 流体インレット
146 流体アウトレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原体を同定するための方法であって、
画像を提供する工程と;
目的の特徴を有する提供された画像の少なくとも1つのセグメントを切り離すための画像セグメンテーションアルゴリズムで前記提供された画像を処理する工程と;
複数の参照画像に対して前記提供された画像の前記切り離されたセグメントを比較して、前記切り離されたセグメントが任意の参照画像に対応するか否かを決定する工程と;
を含む、方法。
【請求項2】
前記画像提供工程が画像を取得する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像取得工程が、前記取得された画像を処理して前記取得された画像の妥当な部分を得る工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像取得工程が、前記取得された画像をデジタル化する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像取得工程が、前記デジタル化された画像をデジタル形式で強化する工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
データ記憶デバイスにおいて前記デジタル形式で強化された画像を記憶する工程をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記提供された画像が試料の画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供された画像が歯のx線写真を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像セグメンテーションアルゴリズムが、再帰的階層的セグメンテーションアルゴリズムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記切り離されたセグメントを複数の参照画像に対して比較する工程が、
前記切り離されたセグメントを、データマイニングアルゴリズムを用いて処理して、前記切り離されたセグメントから特定の画像データを抽出する工程と;
前記抽出された特定の画像データおよび各々の参照画像を、視覚的認識アルゴリズムを用いて処理して、前記抽出された特定の画像データが任意の参照画像にマッチするか否かを決定する工程と;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイ装置を設ける工程と;
前記抽出されたデータ、ならびに前記抽出された画像データおよび各々の参照画像を処理した結果を提示する工程と;
をさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
記憶された多数の参照画像を有するデータベースを提供する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
画像を提供するためのデバイスと;
記憶された少なくとも1つの参照画像を有するデータベースと;
(i)提供された画像を、画像セグメンテーションアルゴリズムを用いて処理して、目的の特徴を有する前記提供された画像の少なくとも1つのセグメントを切り離し、そして(ii)前記提供された画像の切り離されたセグメントを参照画像に比較して、前記切り離されたセグメントが参照画像に対応するか否かを決定する、ための画像処理リソースと;
を含む、病原体を同定するためのシステム。
【請求項14】
前記デバイスが画像を取得するためのデバイスを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記デバイスが、提供された画像をデジタル化するためのデジタイザを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記デバイスが、前記デジタル化された画像をデジタル形式で強化するための強化デバイスをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記デシタル化された画像を記憶するためのデータ記憶リソースをさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記提供された画像が、試料の画像を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記提供された画像が歯のx線写真を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記画像セグメンテーションアルゴリズムが、再帰的階層的セグメンテーションアルゴリズムを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
前記画像処理リソースが、前記切り離されたセグメントを、データマイニングアルゴリズムを用いて処理して、前記切り離されたセグメントから画像データを抽出するように構成
される、請求項13に記載のシステム。
【請求項22】
前記画像処理リソースが、前記抽出された画像データおよび参照画像を視覚的認識アルゴリズムを用いて処理して、前記抽出された画像データが前記参照画像にマッチするか否かを決定する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記抽出されたデータ、ならびに前記抽出された画像データおよび参照画像を視覚的認識アルゴリズムを用いて処理した結果を提示するためのディスプレイ装置をさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記画像処理リソースが、並行処理リソースを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記並行処理リソースが、Beowulfクラスターを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記デバイスがビデオカメラを含む、請求項13に記載のシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病原体を同定するための方法であって、
画像を提供する工程と;
目的の特徴を有する提供された画像の少なくとも1つのセグメントを切り離すように、再帰的階層的セグメンテーションアルゴリズムを含む画像セグメンテーションアルゴリズムで前記提供された画像を処理する工程と;
複数の参照画像に対して前記提供された画像の前記切り離されたセグメントを比較して、前記切り離されたセグメントが任意の参照画像に対応するか否かを決定する工程と;
を含む、方法。
【請求項2】
前記画像提供工程が画像を取得する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像取得工程が、前記取得された画像を処理して前記取得された画像の妥当な部分を得る工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像取得工程が、前記取得された画像をデジタル化する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記画像取得工程が、前記デジタル化された画像をデジタル形式で強化する工程をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
データ記憶デバイスにおいて前記デジタル形式で強化された画像を記憶する工程をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記提供された画像が試料の画像を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供された画像が歯のx線写真を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記切り離されたセグメントを複数の参照画像に対して比較する工程が、
前記切り離されたセグメントを、データマイニングアルゴリズムを用いて処理して、前記切り離されたセグメントから特定の画像データを抽出する工程と;
前記抽出された特定の画像データおよび各々の参照画像を、視覚的認識アルゴリズムを用いて処理して、前記抽出された特定の画像データが任意の参照画像にマッチするか否かを決定する工程と;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ディスプレイ装置を設ける工程と;
前記抽出されたデータ、ならびに前記抽出された画像データおよび各々の参照画像を処理した結果を提示する工程と;
をさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
記憶された多数の参照画像を有するデータベースを提供する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
画像を提供するためのデバイスと;
記憶された少なくとも1つの参照画像を有するデータベースと;
(i)目的の特徴を有する前記提供された画像の少なくとも1つのセグメントを切り離すように、再帰的階層的セグメンテーションアルゴリズムを含む画像セグメンテーションアルゴリズムを用いて提供された画像を処理し、そして(ii)前記切り離されたセグメントが参照画像に対応するか否かを決定するように、前記提供された画像の切り離されたセグメントを参照画像と比較するための画像処理リソースと;
を含む、病原体を同定するためのシステム。
【請求項13】
前記デバイスが画像を取得するためのデバイスを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記デバイスが、提供された画像をデジタル化するためのデジタイザを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記デバイスが、前記デジタル化された画像をデジタル形式で強化するための強化デバイスをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記デシタル化された画像を記憶するためのデータ記憶リソースをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記提供された画像が、試料の画像を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記提供された画像が歯のx線写真を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記画像処理リソースが、前記切り離されたセグメントを、データマイニングアルゴリズムを用いて処理して、前記切り離されたセグメントから画像データを抽出するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記画像処理リソースが、前記抽出された画像データおよび参照画像を視覚的認識アルゴリズムを用いて処理して、前記抽出された画像データが前記参照画像にマッチするか否かを決定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記抽出されたデータ、ならびに前記抽出された画像データおよび参照画像を視覚的認識アルゴリズムを用いて処理した結果を提示するためのディスプレイ装置をさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記画像処理リソースが、並行処理リソースを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項23】
前記並行処理リソースが、Beowulfクラスターを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記デバイスがビデオカメラを含む、請求項12に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−524818(P2006−524818A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509293(P2006−509293)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/009172
【国際公開番号】WO2004/086941
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505359274)バートロン メディカル イマジング、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】