説明

発光ダイオードパッケージ及びその製造方法

【課題】ナノ粒子の含まれたモールディング部を含む発光ダイオードパッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明はパッケージ基板上に実装された発光ダイオードチップ130と、発光ダイオードチップ130を覆ってパッケージ基板110上に配置され、蛍光体151、モールディング樹脂153及びナノ粒子152を含有するモールディング部150とを含み、該モールディング部150内に蛍光体151を均一に分布させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードパッケージに関するものであって、具体的には、蛍光体を均一に分布させるための、ナノ粒子の含まれたモールディング部を含む発光ダイオードパッケージ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード素子は、フィラメントに基づいた発光素子に比べて、長寿命、低消費電力、高応答速度、優れた初期駆動特性などのいくつかの長所を有する。これに加えて、発光ダイオード素子は小型軽量化が可能で、表示用途を中心にその応用分野が次第に拡大されてきている。
【0003】
このような発光ダイオード素子のうち、白色を具現する白色発光ダイオード素子は、照明装置及び表示装置のバックライトを代替可能な高出力及び高効率の光源として広く使われてきている。
【0004】
白色発光ダイオード素子は、青色を具現する青色発光ダイオードと、該青色発光ダイオード上に配置され、波長を変換する蛍光体膜とを用いる。ここで、該蛍光体膜を形成するために、まず蛍光体をモールディング樹脂に分散させた後、ディスペンシング工程を用いて該蛍光体が分散されたモールディング樹脂を前記発光ダイオードチップ上に滴下する。続いて、該発光ダイオードチップ上に滴下したモールディング樹脂を硬化させることによって、前記蛍光体膜を形成することができる。
【0005】
前記モールディング樹脂の硬化工程において、該モールディング樹脂上に分散した蛍光体が沈殿されるという問題があった。そのため、前記発光ダイオードチップ上に蛍光体が不均一に配置され、該発光ダイオードチップから発生される光の波長を均一に変換することができなく、偏向角度によって色温度が変わるようになる。そのため、色ムラの現象が発生する。これを改善するため、前記モールディング樹脂と対比して、多量の蛍光体を分散させることができるが、該蛍光体の増加によって発光輝度がむしろ低下することがある。
【0006】
また、発光ダイオードチップの周辺に反射面を備え、発光効率を向上させているが、該蛍光体が沈殿されてその反射面に配置される場合、該反射面の反射効率が低下して、発光輝度を低下させてしまうことになる。
【0007】
特に、蛍光体の沈殿による問題は、多様な蛍光体を混合して使われる場合に、より深刻である。即ち、紫外線発光ダイオード上に赤色、緑色及び青色の蛍光体を混合使用して白色光を具現する場合、各蛍光体が異なる比重及び粒度を有することによって、色の不均一はより深刻化することになる。
【0008】
また、ディスペンシング工程及び硬化時間によって沈殿の程度が異なるため、工程時間に応じて色座標が変化して、製品による色座標の散布が発生することがある。
【0009】
そのため、従来白色発光ダイオード素子を形成するために、蛍光体が分散されたモールディング樹脂を用いたが、該モールディング樹脂内で該蛍光体の沈殿により、発光輝度及び色特性が低下すると共に、製品による色座標の散布が発生するという問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、モールディング部内で蛍光体を均一に分布させることができるように、ナノ粒子を含有するモールディング部を含む発光ダイオードパッケージ及びその製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するために、本発明の一つの好適な実施形態によれば、発光ダイオードパッケージを提供する。この発光ダイオードパッケージは、パッケージ基板上に実装された発光ダイオードチップと、前記発光ダイオードチップを覆って、前記パッケージ基板上に配置され、蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を含有するモールディング部とを含む。
【0012】
ここで、前記ナノ粒子は、アルミニウムオキシド(Al2O)系、シリコンオキシド(SiO)、フュームドシリカ(fumed silica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物からなることができる。
【0013】
また、前記ナノ粒子は、前記モールディング樹脂の含量を基準に0.5%〜5%の含量で含まれることができる。
【0014】
また、前記パッケージ基板上に配置され、前記発光ダイオードチップを含む前記モールディング部の周辺を取り囲むパッケージモールドを、さらに含むことができる。
【0015】
上記目的を解決するために、本発明の他の好適な実施形態によれば、発光ダイオードパッケージの製造方法を提供する。この製造方法は、パッケージ基板を提供するステップと、前記パッケージ基板上に発光ダイオードチップを実装するステップと、前記発光ダイオードチップを覆って前記パッケージ基板上に配置され、蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を含有するモールディング部を形成するステップとを含む。
【0016】
ここで、前記モールディング部は、ディスペンシング法により形成することができる。
【0017】
また、前記モールディング部を形成するステップの前に、蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を含有するモールディング部形成用組成物を形成した後、該モールディング部形成用組成物に形成された気泡を除去するステップを、さらに含むことができる。
【0018】
また、前記ナノ粒子は、アルミニウムオキシド(Al系、シリコンオキシド(SiO)、フュームドシリカ(fumed si1ica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物からなることができる。
【0019】
また、前記ナノ粒子は、前記モールディング樹脂の含量を基準に0.5%〜5%の含量で含まれることができる。
【0020】
また、前記発光ダイオードチップを実装するステップと、前記モールディング部を形成するステップとの間に、前記パッケージ基板上に前記発光ダイオードチップの周辺を取り囲むパッケージモールドを形成するステップを、さらに含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ナノ粒子を備え、蛍光体の沈殿及び凝集を防止することによって、モールディング部内で蛍光体を均一に分布させることができる。これにより、発光輝度及び色特性を向上させると共に、製品による色座標の散布を減らすことができる。
【0022】
また、ナノ粒子は、発光ダイオードチップからの熱を放出する役割をするだけでなく、水分及び酸素から蛍光体の劣化を防止する役割をすることによって、発光ダイオードパッケージの信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、ナノ粒子は、モールディング部の形成組成物の チックソギェス (Thixotropic Index)を向上させることができ、ディスペンシング法だけでなく多様な製造工程などによってモールディング部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態による発光ダイオードパッケージの断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による発光ダイオードパッケージの製造方法を説明するために示した断面図である。
【図3】同じく、発光ダイオードパッケージの製造方法を説明するために示した断面図である。
【図4】同じく、発光ダイオードパッケージの製造方法を説明するために示した断面図である。
【図5】ナノ粒子の含有如何によって発光ダイオードパッケージの時間による輝度劣化率を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態による発光ダイオードパッケージの断面図である。
【0027】
図1を参照して、発光ダイオードパッケージ100はパッケージ基板110、発光ダイオードチップ130及びモールディング部150を含む。
【0028】
前記パッケージ基板110は、前記発光ダイオードチップ130と電気的に接続されるリードフレーム120a、120bを備える。これに加えて、前記パッケージ基板110の上面にパッケージモールド160が、さらに備えられることができる。前記パッケージモールド160は、前記リードフレーム120a、120bの一部を外部に露出するキャピティを備えることができる。ここで、前記パッケージ基板110及び前記パッケージモールド160は、同一の材料からなることができる。
【0029】
前記キャピティ内の前記リードフレーム120a、120b上に、発光ダイオードチップ130が実装されている。該発光ダイオードチップ130は、接着手段121を用いて前記パッケージ基板110に固定される。また、前記発光ダイオードチップ130及び前記リードフレーム120a、120bは、ワイヤ140により互いに電気的に接続されることができる。
【0030】
ここで、前記発光ダイオードチップ130は、チップ基板130bと、該チップ基板130b上にフリップチップボンディングされて実装された発光ダイオード素子130aとを備えるフリップチップの形態を有することができる。しかし、本発明の実施形態では、この発光ダイオードチップ130の形態を限定するのではない。また、前記発光ダイオード素子130aは、印加された電流により発光する半導体素子でもよい。前記発光ダイオード素子130aは、紫外線または青色などの短波長を有する光を形成することができる。
【0031】
前記発光ダイオードチップ130を覆って前記パッケージ基板110上、即ち前記キャピティ内部にモールディング部150が配置されている。該モールディング部150は、モールディング樹脂153、蛍光体151及びナノ粒子152を含む。
【0032】
前記モールディング樹脂153は、前記発光ダイオードチップ130を保護する役割をすることができる。前記モールディング樹脂153は透明な材料、例えばシリコン系樹脂、エポキシ系樹脂及びこれらの混合樹脂などからなることができる。
【0033】
また、前記蛍光体151は、前記発光ダイオードチップ130からの光により励起され、該励起された光は異なる波長を有する光に発光させる。例えば、前記蛍光体151からの光と前記発光ダイオードチップ130からの青色光とが混色されて、白色を具現することができる。この時、前記蛍光体151は、黄色蛍光体物質であってもよい。しかし、前記蛍光体151はこれに限定されるのではなく、青色、緑色、黄色及び赤色の中少なくとも2つを混合して具現してもよい。
【0034】
ここで、前記モールディング部150に前記蛍光体151が不均一に分布される場合、発光輝度及び色特性が低下するだけではなく、製品による色座標の散布が発生するという問題が発生した。
【0035】
これにより、前記モールディング部150は前記ナノ粒子152を備えることによって、前記モールディング部150は均一に分布した蛍光体151を備えることができる。これに加えて、前記ナノ粒子152の一部は前記蛍光体151の表面に吸着され、該蛍光体151が熱や水分により劣化するのを防止することができる。また、前記ナノ粒子152は前記発光ダイオードチップ130からの熱を放出する役割をすることができる。これにより、発光ダイオードパッケージ100の信頼性を向上させることができる。
【0036】
ここで、前記ナノ粒子152に使われる材料の例としては、アルミニウムオキシド(Al)系、シリコンオキシド(SiO)、ブュームドシリカ(fumed si1ica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物等であってもよい。
【0037】
また、前記ナノ粒子152の大きさは、数nm〜数百nmであってもよいが、光の特性を考慮して、5〜30nmの大きさを有してもよい。
【0038】
また、前記ナノ粒子152は、前記モールディング樹脂153の含量を基準に0.5%〜5%の含量で前記モールディング部150に含まれることができる。ここで、前記ナノ粒子152の含量が0.5%未満の場合、前記蛍光体151の分散性を向上させるのに効果がない。反面、前記ナノ粒子152の含量が5%を超える場合、蛍光体151の光発光を阻害して、むしろ発光輝度が低下することがある。
【0039】
そのため、本発明の実施形態においては、モールディング部に均一に蛍光体を分布させるためにナノ粒子を備えることによって、発光ダイオードパッケージの発光輝度及び製品による均一の色座標を得ることができる。
【0040】
また、前記ナノ粒子が熱や水分による蛍光体の劣化を防止することができ、発光ダイオードパッケージの信頼性を向上させることができる。
【0041】
図2〜図4は各々、本発明の第2の実施形態による発光ダイオードパッケージの製造方法を説明するために示した断面図である。
【0042】
図2を参照して、発光ダイオードパッケージ100を製造するために、パッケージ基板110を提供する。
【0043】
前記パッケージ基板110は、前記発光ダイオードチップ130と電気的に接続されるリードフレーム120a、120bを備える。また、前記パッケージ基板11Oの上面に、キャピティを有するパッケージモールド160がさらに設けられることができる。
【0044】
続いて、前記リードフレーム120a、120b上に発光ダイオードチップ130を実装する。該発光ダイオードチップ130は、前記キャピティ内部に配置される。即ち、前記パッケージモールド160は該発光ダイオードチップの周辺を取り囲む。
【0045】
前記発光ダイオードチップ130は、接着部材121により前記パッケージ基板上に固定されることができる。また、前記発光ダイオードチップ130はワイヤボンディング方法により前記リードフレーム120a、120bと電気的に接続されることができる。ここで、前記発光ダイオードチップ130はチップ基板130bと、該チップ基板130b上に実装された発光ダイオード素子130aとを含むフリップチップ型であるが、本発明の実施形態ではこれを限定するのではない。
【0046】
図3を参照して、前記発光ダイオードチップ130を含むパッケージ基板110をディスペンシング装置200に提供する。
【0047】
一方、モールディング部形成用組成物210を形成する。
【0048】
前記モールディング部形成用組成物210は、蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を混合して形成されることができる。
【0049】
前記モールディング樹脂は、透明な材料、例えばシリコン系樹脂、エポキシ系樹脂及びこれらの混合樹脂等からなることができる。
【0050】
前記蛍光体は、前記発光ダイオードチップで形成された光の波長を変換する役割をする材料であってもよい。例えば、白色光を得たい場合、前記発光ダイオードチップが青色に発光する場合、前記蛍光体は黄色蛍光体であってもよい。しかし、前記蛍光体はこれに限定されるのではなく、青色、緑色、黄色及び赤色の中少なくとも2つを混合してなされることができる。
【0051】
前記ナノ粒子は、前記モールディング樹脂内で前記蛍光体を均一に分散させる役割をする。前記ナノ粒子は、前記蛍光体を取り囲むことによって前記モールディング樹脂内で該蛍光体が互いに凝集するかまたは沈殿することを防止することができる。また、前記ナノ粒子は組成物のチックソギェス (Thixotropic Index)を調節する役割をするようになって、該組成物の粘度を一定に維持することができる。これにより、前記ナノ粒子により、前記蛍光体は前記モールディング樹脂内で沈殿現象なしに均一に分散されることができる。
【0052】
また、前記モールディング部形成用組成物210のチックソギェス (Thixotropic Index)の調節が可能になることによって、前記モールディング部はディスペンシング工程だけでなく多様な工程、例えば印刷工程によっても製造されることができる。
【0053】
また、前記ナノ粒子は、前記蛍光体の表面に吸着され、該蛍光体が熱や水分により劣化するのを防止することができる。また、前記ナノ粒子は前記発光ダイオードチップ130から発生する熱を外部に放出する役割をすることができる。これにより、発光ダイオードパッケージの信頼性を向上させることができる。
【0054】
前記ナノ粒子として使われる材料の例としては、アルミニウムオキシド(Al)系、シリコンオキシド(SiO)、フュームドシリカ(furned silica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物等であってもよい。
【0055】
前記ナノ粒子の大きさは、数nm〜数百nmであってもよいが、光の特性を考慮して、5〜30nmの大きさを有してもよい。
【0056】
前記ナノ粒子は、前記蛍光体の分散性効果や発光輝度を阻害しないことを考慮して、前記モールディング樹脂の含量を基準に0.5%〜5%の含量で前記モールディング部に含まれることができる。
【0057】
前記モールディング部形成用組成物210を形成する過程において、前記ナノ粒子によって多くの気泡が発生することがある。この気泡はディスベンシング工程でモールディング部の高さバラツキを引き起こす。そのため、発光ダイオードパッケージの色散布を引き起こすことがあって、前記モールディング部形成用組成物210で気泡を除去するための脱泡工程をさらに行うことができる。
【0058】
前記ディスベンシング装置200に前記モールディング部形成用組成物210を供給した後、該ディスベンシング装置200は前記発光ダイオードチップ130を含むパッケージ基板110上に前記モールディング部形成組成物210を滴下する。この時、前記モールディング部形成用組成物210は、前記ナノ粒子により蛍光体が安定して散しており、また、該滴下されたモールディング部形成用組成物でも蛍光体は均一に分散していることができる。
【0059】
続いて、前記滴下されたモールディング部形成用組成物を硬化させることによって、前記発光ダイオードチップ130を覆って前記キャピティ内部に充填されたモールディング部150を形成することができる。ここで、前記硬化工程において、前記ナノ粒子により前記蛍光体が安定して分散されており、前記モールディング部150は均一に分布された蛍光体を備えることができる。
【0060】
図5は、ナノ粒子の含有如何によって発光ダイオードパッケージの時間による輝度劣化率を比較したグラフである。ここで、第1の発光ダイオードパッケージは、ナノ粒子を含有するモールディング部を備え、第2の発光ダイオードパッケージはナノ粒子を含有していないモールディング部を備える。また、輝度劣化率は50℃の温度、95%の湿度の環境にて20mAの電流を印加して駆動された発光ダイオードパッケージの輝度を測定することによって得た。ここで、輝度劣化率は初期輝度値を1に基準とし、時間による輝度の測定値を基準値である1に対比して相対的に換算した値である。
【0061】
図5でのように、ナノ粒子を備える第1の発光ダイオードパッケージ310は、時間による輝度劣化率の変化がほぼなかった。これは、前記ナノ粒子が前記蛍光体の表面に吸着されて、該蛍光体が熱や水分により劣化するのを防止するためである。また、前記ナノ粒子によって前記発光ダイオードチップから発生する熱を効果よく逃すことができる。これにより、発光ダイオードパッケージの信頼性を向上させることができる。反面、ナノ粒子を備えていない第2の発光ダイオードパッケージ320は、時間によって輝度劣化率が低下するのを確認することができた。これは、前記蛍光体が外部の熱や水分により劣化されて、該蛍光体の波長変換に影響を及ぼすためである。
【0062】
従って、本発明の実施形態による発光ダイオードパッケージにおいては、モールディング部にナノ粒子を含めることによって、時間による発光輝度特性が低下するのを防止して、発光ダイオードパッケージの信頼性を確保することができた。
【0063】
また、前記ナノ粒子により前記モールディング部を形成するための組成物のチックソギェス (Thixotropic Index)を増加させることができ、前記モールディング部はディスベンシング工程だけでなく多様な工程、例えば印刷工程などによっても製造されることができる。
【0064】
また、前記ナノ粒子は、モールディング樹脂内で蛍光体の分散性を向上させ、均一に分布された蛍光体を有するモールディング部を形成することができ、発光ダイオードパッケージは発光輝度及び色特性を向上させることができ、製品による色座標の散布を減らすことができた。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
100 発光ダイオードパッケージ
110 パッケージ基板
130 発光ダイオードチップ
140 ワイヤ
150 モールディング部
151 蛍光体
152 ナノ粒子
153 モールディング樹脂
160 パッケージモールド
200 ディスベンシング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ基板上に実装された発光ダイオードチップと、
前記発光ダイオードチップを覆って前記パッケージ基板上に配置され、モールディング樹脂、蛍光体及びナノ粒子を含有するモールディング部と
を含む発光ダイオードパッケージ。
【請求項2】
前記ナノ粒子は、アルミニウムオキシド(Al)系、シリコンオキシド(SiO)、ブュームドシリカ(fumed silica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物を含む請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項3】
前記ナノ粒子は、前記モールディング樹脂の含量を基準に0.5%〜5%の含量で含まれる請求項1または2に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項4】
前記パッケージ基板上に配置され、前記発光ダイオードチップを含む前記モールディング部の周辺を取り囲むパッケージモールドを、さらに含む請求項1から3の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ。
【請求項5】
パッケージ基板を提供するステップと、
前記パッケージ基板上に発光ダイオードチップを実装するステップと、
前記発光ダイオードチップを覆って前記パッケージ基板上に配置され、蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を含有するモールディング部を形成するステップと
を含む発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項6】
前記モールディング部は、ディスペンシング法により形成される請求項5に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項7】
前記モールディング部を形成するステップの前に、
蛍光体、モールディング樹脂及びナノ粒子を含有するモールディング部形成用組成物を形成した後、前記モールディング部形成用組成物に形成された気泡を除去するステップを、さらに含む請求項5または6に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項8】
前記ナノ粒子は、アルミニウムオキシド(Al)系、シリコンオキシド(SiO)、フュームドシリカ(fumed silica)及びチタンオキシド(TiO)のうちのいずれか一つまたは二つ以上の混合物を含む請求項5から7の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項9】
前記ナノ粒子は、前記モールディング樹脂の含量を基準に0.5%〜5%の含量で含まれる請求項5から8の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項10】
前記発光ダイオードチップを実装するステップと、前記モールディング部を形成するステップとの間に、前記パッケージ基板上に前記発光ダイオードチップの周辺を取り囲むパッケージモールドを形成するステップを、さらに含む請求項5から9の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−222718(P2011−222718A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89704(P2010−89704)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(509156538)サムソン エルイーディー カンパニーリミテッド. (114)
【Fターム(参考)】