説明

皮膚の保湿性、肌理、及び外観を改善するための、植物を主成分とする調合物

【課題】皮膚の外観、肌理及び/又は保湿性を改善する上で有用な成分の調合物の提供。具体的には、皮膚の、コラーゲン、エラスチン及び脂質の合成を促し、及び/又はコラーゲン、エラスチン及び脂質の喪失を抑制又は最小化する作用を有する調合物、更には、MMP−1、MMP−9、コラゲナーゼ又はエラスターゼのようなマトリクスメタロプロテアーゼを抑制する作用を有する調合物、を提供する。
【解決手段】ブドウ種子抽出物、α−トコフェロール又はα−トコフェロール誘導体、ローズヒップ、及び受容可能なキャリアーを備えている調合物。これらの成分に加え、さらにクコ抽出物、梅干し抽出物、ヒアルロン酸、ローヤルゼリー、トウキ抽出物、ルテイン、アスコルビン酸、ビオチン、α−リポ酸、グリシン、ゼラチンが配合された調合物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
皮膚の老化を示す各種の徴候並びにそのもたらされる結果は、人がそれまで生きてきた間に蓄積された酸化による損傷に関係があることが、証拠によって示されている。劣悪な食餌、運動不足、紫外線を浴びること、これら全てが酸化による損傷を引き起こす原因となる。例えば、紫外線は、皮膚に、超酸化物、一重項酸素、水酸ラジカル、及び過酸化水素のような反応性酸素種(ROS)を発生させることが知られている。そのようなROSは、皮膚のコラーゲンを分解すると共に、線維芽細胞のコラーゲン生成能力を低下させることが知られている。
【0002】
コラーゲンは、軟骨、骨、腱、歯、及び皮膚を含む結合組織の主要なタンパク質である。コラーゲン(前躯体の状態はプロコラーゲンと呼ばれる)は、細胞内で結合され、互いに三重らせん構造に巻きついた3つのポリペプチドで構成されているが、これは鎖内ジスルフィド結合により安定化している。らせん状分子は、細胞内で結合され修飾された後、細胞外液に分泌され、更に作用を受けて成熟した形態(トロポコラーゲン)になる。
【0003】
成熟したコラーゲン分子は、細胞外空間で互い違いに平行に結合されコラーゲン原線維となるが、この線維配列では、1つの分子のN末端と別の分子のC末端の間の共有架橋結合により分子は安定した状態にある。コラーゲン原線維は皮膚内で交錯し分岐している。
【0004】
実際に、そのように交錯し分岐したコラーゲン原線維は皮膚の形を整えハリを与え、他方、皮膚にある別のタンパク質であるエラスチンによって皮膚に弾力性が与えられる。エラスチンは、ばねのように巻を形成したり巻を解いたりして皮膚、血管、心臓、肺、腸、腱、靭帯のような構造体に弾力性を与える。エラスチンは、一般には、青春期以降、老化の開始と共に人体では生成されなくなる。
【0005】
人体内の他の全てのタンパク質と同様に、コラーゲンとエラスチンも常に分解されている。コラーゲンとエラスチンを分解する酵素は、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)として知られている。これらの酵素は、ROSの刺激を受けると活性化する。既知のMMPには、コラゲナーゼ、エラステーゼ、MMP−1、及びMMP−9などがある。コラゲナーゼは、コラーゲンを分解する滑膜細胞のような線維芽細胞により生成される酵素である。エラスターゼはエラスチンを分解する。MMP−1は、I型、II型、III型のような原線維コラーゲンを開裂し、その結果、変性コラーゲン(ゼラチン質)が生まれるが、その変性コラーゲンは、MMP−9により更に分解され、これにより基底膜の構成成分であるラミニン及びIV型コラーゲンが分解されることになる。このように、上記MMP酵素は、小ジワ、シワ、シミ、肌のたるみを招く原因となる皮膚のコラーゲンとエラスチンの減少に関与している。
【0006】
ROS及びMMPに起因する酸化性損傷によるコラーゲン及びエラスチンの喪失と同様に、保湿力の喪失も皮膚の老化現象の要因になっている。実際に、皮膚の保湿能力は加齢と共に衰え、皮膚が傷つきやすくなって、乾燥しシワができる。皮膚の脂質及び脂肪は、表皮バリアを形成することにより水分の損失を防ぐ効果を発揮する。このバリアは、皮膚の老化に関与する皮膚の刺激と過敏症を引き起こす原因となる細菌の繁殖も抑制する。
【0007】
従って、ROS、酸化性損傷、及びコラーゲンとエラスチンの喪失に対抗する酸化できる又は抗酸化効果のある栄養素、並びに皮膚に潤いを与えるか又は皮膚の脂質の合成を高める作用物質を含有する調合物は、皮膚の外観、肌理、及び保湿性を改善し、皮膚全般の健康を維持するのに有用である。
【発明の開示】
【0008】
皮膚の老化現象は、皮膚の酸化性ストレス、皮膚からの水分喪失、コラーゲンやエラスチンのような皮膚内の重要なタンパク質の分解を始めとする多くの要因に直接関わりがある。本発明は、アミノ酸、炭水化物、植物抽出物、ビタミン類を始めとする成分の独自の組み合わせを有する調合物、並びに皮膚の保湿性、肌理、及び外観を改善するための上記成分の使用法である。本発明の独自の調合物は、コラーゲン又はエラスチンのような皮膚タンパク質の合成を高めることにより、及び/又はそのようなタンパク質の分解を抑制又は遅くすることにより、効果を発揮する。また、本発明の調合物は、皮膚の脂質の合成を高め、及び/又は分解を抑制又は遅くする独自の能力を有し、皮膚の潤いを促進する。本発明の調合物は、局所的塗布、経口投与、注入投与、腹膜投与により、或いはこれらを組み合わせて投与される。
【0009】
従って、1つの実施形態では、本発明は、花粉(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、カロチノイド、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む調合物である。
【0010】
本発明の別の実施形態は、花粉(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ルテイン、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む調合物を使用して、皮膚の外観、肌理、又は保湿性を改善する方法である。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、花粉(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ルテイン、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む調合物を使用して、皮膚のコラーゲン及びエラスチンの形成を促進する方法である。
【0012】
また、代わりの実施形態では、本発明は、花粉(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ルテイン、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む調合物を使用して、皮膚のコラーゲン及びエラスチンの分解を抑制する方法である。
【0013】
本発明の更に別の実施形態では、本発明は、(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ルテイン、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む本発明の調合物を使用して、皮膚の脂質合成を高める方法である。
【0014】
代わりの実施形態では、本発明は、(ローヤルゼリー)、クコ抽出物、トウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ルテイン、ローズヒップ、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビオチン、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、グルコサミン、梅干し、又は上記の組み合わせを含む本発明の調合物を使用して、皮膚の脂質の分解を抑制する方法である。
【発明の詳細な説明】
【0015】
本発明は、ここに説明している特定の方法論又は手順に限定されるものではない旨理解されたい。また、特別に定義しない限り、ここに使用する全ての技術及び科学用語は、本発明の属する分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。また、ここに使用している専門用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明の範囲を限定する意図は無く、その範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるものと理解されたい。
【0016】
本発明は、以下の成分を独自に組み合わせて皮膚の保湿性、肌理、及び外観を改善するという驚異的な発見に基づくものであり、その成分には、詳しくは表1に示すように、花粉(ローヤルゼリー)、枸杞抽出物、カラトウキ抽出物、ブドウ種子抽出物、ローズヒップ、梅干し、カロチノイド、ビオチン、ビタミンC又はビタミンC誘導体、ビタミンE又はビタミンE誘導体、αリポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、グルコサミンが含まれる。より具体的には、本発明の調合物は、コラーゲン又はエラスチンのような皮膚タンパク質の合成を高めることにより、及び/又はそのようなタンパク質の分解を抑制又は遅くすることにより、皮膚の保湿性、肌理、及び外観を改善する。また、本発明の調合物は、皮膚の保湿力を支援する皮膚の脂質の合成を高め、及び/又はその分解を抑制又は遅くする独自の能力を有している。
【表1】





【0017】
発明の調合物は、単なる薬草抽出物ではなく、成分の組み合わせを提供するように設計されている。具体的には、本発明の調合物は、ビタミン、アミノ酸、天然産物、及び植物抽出物の組み合わせを備えている。上記成分の独自の組み合わせは、皮膚の健康に関わる数多くの重要な酵素に的を絞っており、皮膚の健康改善を促進するために更に皮膚細胞の細胞活性を調整する。具体的には、本発明の調合物を含む各種成分はコラーゲン及び/又はエラスチンの合成を促し、及び/又は分解を抑制する。例えば、チェロキーローズヒップとトウキ抽出物は、単独でも組み合わせても、コラーゲン合成の効果が高い誘導物質であり、一方、ローヤルゼリーや梅干しのような他の化合物はMMPsの活動を抑制するのに効果的である。
【0018】
本願で「コラーゲン(又はエラスチン)合成を促進する」という場合、その最も広い意味で用いており、コラーゲン又はエラスチンの生成、そのコラーゲン組織又はエラスチン組織への取込み(例えば、コラーゲン原線維とエラスチン線維の合成、プロセッシング、架橋、分泌、及び結合を含む)、並びに健康なコラーゲン組織やエラスチン組織が存在することを指す。コラーゲンやエラスチンの合成を「促進する」又は「誘発する」という用語は、従って、ここに記載の、コラーゲンやエラスチンの生成に積極的に作用する調合物の能力をいう。コラーゲンやエラスチンの合成の促進は、コラーゲン原線維又はエラスチン線維の形成に到る、生化学的段階のような各段階を促進するここに記載の調合物の能力によりもたらされうる。
【0019】
「コラーゲン(又はエラスチン)の分解を抑制する」とは、例えば、コラーゲンやエラスチンを分解するMMPを抑制することにより、或いは自然の過程や疾病に伴う過程によってコラーゲン又はエラスチンが破壊された組織にコラーゲン又はエラスチンを補給することにより、既存の健康なコラーゲン組織やエラスチン組織を維持するここに記載の調合物の能力をいう。
【0020】
本願で「脂質合成を促進する」という場合、最も広い意味に使用しており、皮膚の脂質の生成を指す。従って、脂質の合成を「促進する」又は「誘発する」とは、皮膚における脂質の生成に積極的に作用するここに記載の調合物の能力をいう。脂質の合成の促進は、皮膚における脂質の形成に到る生化学的な段階のような各段階を促進するここに記載の調合物の能力によりもたらされ得る。
【0021】
本発明の調合物は、抽出比が20:1の植物抽出物を含む成分の組合せに基づいており、この抽出物は、従来の漢方薬で薬草抽出物を作る場合に広く使用されている水抽出法を使って生成される。Wang他による「選択された漢方薬草及び他の薬用植物からの活性成分の抽出及びクロマトグラフィー質量分光分析」、2003年、Am.J.Chin.Med.、31(6):927−44を参照されたい。
【0022】
本発明の或る実施形態では、調合物は、次のような活性成分を以下の量で含んでおり、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、チェロキーローズヒップ30〜500mg、ビタミンC又はビタミンC誘導体40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE又はビタミンE誘導体3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを含んでいる。
【0023】
別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で含んでおり、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、チェロキーローズヒップ30〜500mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0024】
更に別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で含んでおり、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、チェロキーローズヒップ(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、チェロキーローズヒップ30〜500mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0025】
別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で、即ち、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mgと、チェロキーローズヒップ(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0026】
他の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で、即ち、チェロキーローズヒップ(抽出比20:1)30〜500mgと、梅干し(抽出比20:1)10〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0027】
別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で、即ち、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mgと、チェロキーローズヒップ(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0028】
更に別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で含んでおり、即ち、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、クコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、及びチェロキーローズヒップ(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、ブドウ種子抽出物100〜150mg、ルテイン2〜5mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0029】
別の実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で含んでおり、即ち、ブドウ種子抽出物100〜150mg、梅干し10〜500mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、及びクコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、ルテイン2〜5mg、チェロキーローズヒップ30〜500mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、グルコサミン5〜300mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0030】
或る実施形態では、本発明の調合物は、次のような活性成分を以下の量で、即ち、ブドウ種子抽出物100〜150mg、トウキ抽出物(抽出比20:1)30〜500mg、及びクコ抽出物(抽出比20:1)30〜500mgを含んでいる。代わりに、上記調合物は、次の活性成分のうちの1つ又はそれ以上を以下の量だけ更に含んでいてもよく、即ち、ローヤルゼリー(花粉)30〜1500mg、ルテイン2〜5mg、チェロキーローズヒップ30〜500mg、ビタミンC40〜70mg、ビオチン600〜900mg、ビタミンE3〜7mg、α−リポ酸1〜4mg、ヒアルロン酸4〜60mg、グリシン30〜200mg、梅干し10〜500mg、グルコサミン5〜100mg、ゼラチン30〜500mgを追加的に含んでいてもよい。
【0031】
(投与の方法)
本発明の調合物を、外用、内服、又はそれらを組み合わせた方法で投与することにより、皮膚の外観、肌理、及び保湿力に改善効果が得られる。本発明の調合物は受容可能なキャリアを使って投与されることが望ましい。例えば、本発明の調合物は、ゲル、ローション、クリーム、トニック、乳液などの形態をした受容可能なキャリアを使って外用投与してもよい。別の例としては、本発明の調合物は、丸薬、錠剤、粉末、バー、飲料などの形態をした受容可能なキャリアを使って内服投与してもよい。このように、ここに説明した調合物は、医薬品、食品、飲料を含め多様な完成製品に利用することができる。これら製品は、好ましくは、哺乳類の皮膚に、改善された肌理、外観、並びに高い保湿力を与えるのに有用である。
【0032】
本発明の或る実施形態では、本発明の調合物は、美容飲料の形態で経口投与される。本発明の調合物を経口投与することにより、皮膚は即座に潤い、若々しい肌を保つことができる。
【0033】
本発明の調合物が液体の形態で経口投与される場合、液体は、基礎が、水、ミルク、茶、果汁、又はそれらの組み合わせであってもよい。本発明による内服投与用としての固体又は液体調合物は、キサンタンガム、カルボシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシポルポルセルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、スターチ類、デキストリン類、発酵ホエイ、豆腐、マルトデキストリン類、糖アルコール(例えば、ソルビトールやマニトール)を含む多価アルコール類、炭水化物(例えば、ラクトース)、プロピレングリコールアルギン酸塩、ゲランガム、グアール、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、イナゴマメゴム、アラビアゴム、ゼラチンを含む増粘剤、並びにそれら増粘剤の混合剤を更に含んでいてもよい。上記増粘剤は、使用される特定の増粘剤及び望ましい粘度効果にもよるが、通常、本発明の調合物には約0.1%のレベルまで含まれる。
【0034】
本発明の固体及び液体(食品又は飲料)調合物は、通常、炭水化物甘味料及び天然や人工のノーカロリー又は低カロリー甘味料を含め、1つ又はそれ以上の甘味料を有効な量だけ含んでいる。本発明の調合物に使用される甘味料の量は様々であるが、一般的には、使用甘味料の種類と所望の甘味度によって決まる。
【0035】
本発明の別の実施形態では、本発明の調合物は、溶液、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、水中油型乳液、油中水型乳液、スチック、スプレイ、ペースト、ムース、トニック、又は美容上及び局所用としてふさわしいその他の形態として、局所的に投与される。
【0036】
局所的投与に適している本発明の調合物は、受容可能なキャリアと混合されるのが望ましい。受容可能なキャリアは、組成物の構成要素の、溶剤、基材、希釈剤、又は分散剤として多様に作用し、皮膚の表面に対して構成要素を適当な希釈度で均一に塗布できるようにしている。受容可能なキャリアは、組成物が皮膚へ浸透し易くする働きもある。
【0037】
局所的塗布用としての調合物の1つの実施例では、受容可能なキャリアは、組成物全体の約90から約99.99重量%を形成する。他の例では、受容可能なキャリアは、組成物全体の約97から約99重量%を形成する。受容可能なキャリアは、更に、組成物全体の約91から約98重量%、組成物全体の約92から約97重量%、組成物全体の約93から約96重量%、又は組成物全体の約94から約95重量%を形成する。受容可能なキャリアは、他の化粧用添加剤又は混合剤が存在しない場合、組成物を均衡させる。
【0038】
本発明を実施するのに使用される各種成分は、受容可能なキャリアに可溶であって不溶であってもよい。調合物の全ての成分が受容可能なキャリアに可溶である場合、媒体は溶剤として働く。しかしながら、調合物の成分の全て又は一部が受容可能なキャリアに不溶な場合、それら成分は、例えば、懸濁液、乳液、ゲル、クリーム、又はペーストなどとして、媒体中に分散される。
【0039】
このように、当業者には自明のように、使用可能と考えられる受容可能なキャリアの範囲は非常に広い。例えば、受容可能なキャリアは、乳液系、ローション系、クリーム系、又はトニック系である。受容可能なキャリアには、水、エタノール、ブチレングリコール、又は皮膚への浸透を助成するその他各種の溶剤が含まれる。幾つか適した溶剤の例が、米国特許第6,184,247号及び米国特許第6,579,516号に記載されており、両特許の内容全体を参照して本願の一部とするものである。
【0040】
本発明を実施するのに使用される受容可能なキャリアには、好ましくは、水とエタノールが含まれる。また、随意ではあるが、受容可能なキャリアには、ブチレングリコール及び/又はフレスコレイトMGA(frescolateMGA)も含まれる。例えば、受容可能なキャリアは、組成の重量として、水40〜60%、エタノール45〜55%、ブチレングリコール5〜10%を含むことができる。本発明を実施する場合、この受容可能なキャリアは、全組成の2重量%を占める本発明の調合物と混合されるのが望ましい。別の実施形態では、受容可能なキャリアは、全組成の0.99から10重量%、全組成の1から9重量%、全組成の2から8重量%、全組成の3から7重量%、又は全組成の4から6重量%で本発明の調合物と混合される。
【0041】
しかしながら、一般的には、本発明による受容可能なキャリアは、限定されるものではないが、以下に挙げる例の何れを、即ち、水、ヒマシ油、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、コーン油、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、イソプロパノール、大豆油、グリセリン、可溶性コラーゲン、酸化亜鉛、酸化チタニウム、又はカオリン、を備えていてもよい。
【0042】
また、本発明に使用される受容可能なキャリアは、随意で、限定されるものではないが、ジブチルフタレート、可溶性コラーゲン、ソルビトール、又はソジウム 2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(sodium 2−pyrrolidone−5−carboxylate)を含む、保湿剤を1つ以上備えていてもよい。本発明を実施する際に使用することのできる保湿剤の他の例は、CFTA化粧品成分ハンドブックに見出すことができ、同ハンドブックの関連部分を参照して本願の一部とするものである。
【0043】
また、本発明の受容可能なキャリアは、随意的に、1つ又はそれ以上の皮膚軟化剤を備えていてもよく、その皮膚軟化材剤には、限定するわけではないが、ブタン−1,3−ジオール(butane−1,3−diol)、セチルパルミテート、ジメチルポリシロキサン、グリセリルモノリシノーリエート(glyceryl monoricinoleate)、グリセリルモノステアラート、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、デシルオレエート、イソプロピルミリステート、ラウリルラクテート(lauryl lactate)、オクタデカン−2−オール、カプリル酸トリグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ポリエチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、トリエチレングリコール、ゴマ油、ココナツ油、紅花油、イソアミルラウレート、ノノキシノール−9、パンテノール、硬化植物油、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレート(tocopheryl linoleate)、アラントイン、プロピレングリコール、落花生油、ヒマシ油、リノール酸イソプロピル、パルミチン酸、イソプロピルリノレエート、ラウリル乳酸塩、ミリスチル乳酸塩(myristyl lactate)、デシルオレアート、又はミリスチルミリステートが含まれる。本発明を実施する際に使用することのできる皮膚軟化剤のその他の例は、CFTA化粧品成分ハンドブックに見い出すことができ、同ハンドブックの関連部分を参照して本願の一部とするものである。
【0044】
また、本発明に使用される受容可能なキャリアは、随意的に、1つ又はそれ以上の浸透エンハンサーを備えていてもよく、その浸透エンハンサーには、限定するものではないが、ピロリドン類、例えば2−ピロリドン、エタノールのようなアルコール類、デカノールのようなアルカノール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコールのようなグリコール類、界面活性剤、又はテルペンが含まれる。
【0045】
本発明を実施する際に使用することができる他の受容可能なキャリアは、当業者にとっては自明であろう。そして、それらも本発明の範囲に含まれる。
【0046】
例えば、受容可能なキャリアは、局所的に塗布されるローションであってもよい。ローションには、カーボマー981(cabomer981)、水、グリセリン、イソプロピルミリステート、鉱油、シアバター、ステアリン酸、グリコールステアレート、セチルアルコール、ジメチコーン、防腐剤、茶、及び本発明の調合物の各種成分が含まれる。
【0047】
本発明の調合物は、更に、様々な既知の従来型の化粧品用補助剤を、調合物がもたらす望ましい皮膚の改善効果並びに保湿効果に悪影響を及ぼさない限りにおいて、含んでいてもよい。例えば、本発明の調合物は、当業者には周知の1つ以上の添加物や他の随意的成分を更に含んでいてもよく、それらには、限定されるものではないが、充填剤(例えば、固体、半固体、液体など);キャリア;希釈剤;増粘剤;ゲル化剤;ビタミン、レチノイド、及びレチノール(例えば、ビタミンB、ビタミンAなど);色素;香料;日焼け止め剤;酸化防止剤及び遊離基捕捉剤;有機ヒドロキシ酸、;エクスフォリエーター;スキンコンディショナー;モイスチュアライザー;セラミド、擬似セラミド、リン脂質、スフィンゴ脂質、コレステロール、グルコサミン、医薬的に受容可能な浸透剤(例えば、n−デシルメチルスルホキシド(n−decylmethyl sulfoxide)、レシチンオルガノゲル、チロシン、リシンなど);防腐剤;抗菌剤:プロリンのようなアミノ酸類、ピロリドンカルボン酸(pyrrolidone carboxylic acid)、それらの誘導体及び塩、サッカリドイソメラーテ(saccharide isomerate)、パンテノール、トリエタノールアミンや水酸化ナトリウムのような塩基と併用された緩衝剤;蜜ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックスのようなワックス類;アロエベラ、ヤグルマソウ、ウィッチヘーゼル、ニワトコの花、又はきゅうり及びそれらの組み合わせのような植物抽出物が含まれる。その他の適した添加剤及び/又は補助剤は、米国特許第6,184,247号に記載されており、同特許の内容全体を参照して本願の一部とするものである。
【0048】
調合物は、限定されるものではないが、界面活性剤、共存溶媒、賦形剤を含む、追加的な不活性成分を含んでいてもよい。親水性及び疎水性界面活性剤のような界面活性剤が、調合物に含まれていてもよい。調合物の全体的組成と、意図される調合物の供給に基づいて、特定の界面活性剤を使用することができる。有用な界面活性剤には、ポリエトキシレーテッド(PEG)脂肪酸、PEG脂肪酸ジエステル、PEG脂肪酸モノジエステル及びジエステル混合物(PEG−fatty acid mono− and di−ester mixtures)、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(polyethylene glycol glycerol fatty acid esters)、アルコール−油脂エステル交換生成物、ポリグリセライズド脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物(mixtures of propylene glycol exters−glycerol esters)、モノジグリセリド−及びジグリセリド、ステロール及びステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(polyethylene glycol sorbitan fatty acid esters)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、多糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール(polyethylene glycol alkyl phenols)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、イオン界面活性剤、及びそれらの混合物が含まれる。
【0049】
調合物は、更に、アルコール及びポリオール、ポリエチレングリコールエステル、アミド、エステル、その他適した共存溶媒、及びそれらの混合物のような共存溶媒を含んでいてもよい。調合物は、甘味料、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、粘度調整剤、浸透剤、着臭剤、乳白剤、サスペンディングエージェント、結合剤、及びそれらの混合物のような賦形剤及び添加剤を含んでいてもよい。
【0050】
一般的には、本発明の調合物は、皮膚の外観、肌理、及び保湿性に望ましい改善効果がもたらされるのに充分な期間に亘って、少なくとも毎日、局所投与や経口投与される。本発明の調合物の局所投与又は経口投与は、適当であればどの様な期間に亘って継続してもよい。より具体的には、塗布又は摂取を始めて数時間から数日以内に、使用者は、皮膚の外観、肌理、及び保湿性が改善されたことに気づくかもしれない。なお、本発明の調合物の塗布又は摂取する頻度は、外観、肌理、及び保湿性の要求される改善レベルによって変わる。とりわけ、美容的な改善程度は、組成物の総使用量と直接結びついて変化する。
【0051】
有効な投与の形態は、当業者に自明の方法と技法によって調製することができるはずであり、それには、錠剤、カプセル又は液体の投与形態の製作に際し、追加の成分を使用することも含まれる。
【0052】
なお、これまでの詳細な説明は、限定ではなく説明を目的としていると理解されたい。本発明について、これより実験的研究及び実施例によって更に詳しく説明するが、それらも限定とみなされるべきではない。本特許出願を通して引用してきた全ての参考文献、特許文献、並びに公開された出願の内容は、参照して本発明の一部とするものである。
【実施例】
【0053】
実施例1:本発明の調合物の成分を使用したプロコラーゲン合成の促進
【0054】
ヒト線維芽細胞培養Hs27と、ヒト角化細胞培養HEKとを、24細胞ウェルプレートに設置した。濃度10mg/mlの本発明の調合物に使用されている各種成分に細胞を曝した。次いで、その共培養を一晩培養した。翌日、上澄を採集した。コラーゲン合成の過程で線維芽細胞により形成されるコラーゲンの溶性の前駆体であるプロコラーゲンの存在を確認するために上澄を分析した。市販のELISAキットを使ってプロコラーゲン合成の効力検定をした。例えば、Hasan A、ムラタH、Falabella A、Ochoa S、Zhou L、Badiavas E、Falanga Vによる「静脈性潰瘍由来の真皮線維芽細胞はトランスフォーミング成長因子ベータ1の作用に反応しない」、J Dermatol Sci、1997年、16(1):59−66を参照されたい。
【0055】
図2に示すように、単独で使用した場合は、梅干し、ローズヒップ、及びトウキ抽出物が、線維芽細胞/角化細胞共存培養中のプロコラーゲン合成に最も効能の高い促進物質であった。更に、図2は、ローズヒップを、梅干し、クコ抽出物、及びトウキ抽出物と組み合わせた場合は、それら混合物を単独で用いた場合よりも高いレベルのコラーゲン合成がもたらされることを示している。
【0056】
実施例2:本発明の調合物の成分を使用したエラスチン合成の促進
【0057】
ヒト線維芽細胞培養Hs27と、ヒトの角化細胞培養HEKとを、24培養ウェルプレートに設置した。濃度10mg/mlの本発明の調合物の各種成分に細胞を曝した。次いで、その共培養を一晩培養した。翌日、上澄を採集した。エラスチンの存在を確認するために、Biocolor社のFastin Elastin(登録商標)キットを使用して上澄を分析した。Liao J.、Vessely I、2004年、「コラーゲン原線維とグリコサミノグリカンと僧帽弁腱索の応力緩和との関係」、Ann.Biomed.Eng.、32(7):977−983参照。
【0058】
図3に明らかにされているように、単独の場合も組み合わせた場合も、トウキ抽出物が、エラスチン合成にとって最も効能の高い促進物質であった。
【0059】
実施例3:本発明の調合物の成分を使用したヒアルロン酸合成の促進
【0060】
ヒト線維芽細胞培養Hs27と、ヒトの角化細胞培養HEKとを、24培養ウェルプレートに設置した。濃度10mg/mlの本発明の調合物の各種成分に細胞を曝した。次いで、その共培養を一晩培養した。翌日、上澄を採集した。ヒアルロン酸の存在を確認するために、上澄を分析した。市販のELISAキットを使ってヒアルロン酸合成の効力検定をした。Lindqvist U、チチブK、Delpech B.、Goldberg RL、Knudson W.、Poole AR、Laurent TC.、1992年、「臨床的有用性ついて比較した7通りのヒアルロナン評価」、Clin.Chem.、38(1):127−32
【0061】
図4に示しているように、どの成分も単独ではヒアルロン酸の合成を十分なレベルに高める誘発効果は認められないが、ローズヒップとクコ抽出物とを組み合わせるか、又はローズヒップとクコ抽出物とトウキ抽出物とを組み合わせると、処理されていない対照細胞よりも高いレベルのヒアルロン酸の誘発が認められた。
【0062】
実施例4:本発明の調合物の成分によるMMP−1、MMP−9及びエラスターゼの抑制
【0063】
市販されているキットを使用して、本発明の調合物に使用されている各種成分によるMMP−1、MMP−9及びエラスターゼの活性に対する効果を試験した。Gould LJ、Yager DR、McGeehan GM、Diegelmann RF、1999年、「培養液内の線維芽細胞によるコラゲナーゼ及びゼラチナーゼ活性の分析法」In Vitro Cell.Dev.Biol.Anim.、35(2):75−79参照。MMP−1については、Amersham(登録商標)製のキットを製造業者の仕様に従って使用した。MMP−9とエラスターゼについては、Molecular Probes(登録商標)製のキットを使用した。試料は、濃度100mg/mlの溶媒で準備された。試料は、PBSを使って100μg/mlまで希釈した。
【0064】
上記分析の結果を図5に示す。ローヤルゼリーが、MMP−1とエラスターゼの最も効果の高い抑制剤であり、梅干しがMMP−9に対する最も効果が高い抑制剤であった。ブドウ種子抽出物は、3種類の酵素のどれに対しても抑制効果は最低であり、これに続いてチェロキーローズシヒップの効果が劣っていた。
【0065】
実施例5:本発明の調合物の成分を使用した脂質合成の促進
【0066】
ヒトHEK001細胞を、96培養ウェルプレートに2×10/ウェルで入れて一晩培養した。翌日、細胞培養媒体中に濃度0.005%、0.05%、及び0.5%の希釈となるグリシン、チェロキーローズヒップ、ブドウ種子抽出物、クコ抽出物、梅干し、アスコルビン酸、カラトウキ抽出物、ローヤルゼリー、及びα−トコフェロールに、細胞を曝した。
【0067】
次いで上記細胞をもう一晩培養した。翌日、細胞を1%ホルムアルデヒド中に固定した。次いで、細胞脂質をOil Red O着色剤で着色した。Ramirez JL、Castro−Munnozledo F、Kuri−Harusch W、1992年「Oil Red O(登録商標)を使った細胞質内脂質の着色による脂肪質の変換及びトリグリセリドの評価法」、Histochemistry、97:493−497を参照されたい。着色後、脂質に結合した着色剤をイソプロパノールで採収した。抽出された着色剤のODを読み取ったところ515nmであった。
【0068】
ブドウ種子抽出物が脂質合成の効果が最も高い誘導物質であるが、チェロキーローズヒップ及びα−トコフェロールも脂質合成を誘導する能力のあることが実証された。
【0069】
実施例6:コラーゲン、エラスチン、MMP−1、MMP−9及び脂質の形成に対する各種成分の効果
【0070】
表2は、実施例1から5で論じた生物学的検定の結果を集約したものであり、コラーゲン、エラスチン、MMP−1、MMP−9及び脂質の形成に対する、グリシン、チェロキーローズヒップ、ブドウ種子抽出物、クコ抽出物、梅干し、アスコルビン酸、トウキ抽出物、ローヤルゼリー、及びα−トコフェロールの効果を示している。表2において、「+」符号は合成の増加を示し、「+」が多いほど合成の増加が大きいことを示し、一方「−」符号は合成の減少を示し、「−」が多いほど合成の減少が大きいことを示す。「NT」は、コラーゲン、エラスチン、MMP−1、MMP−9、エラスターゼ、又は脂質形成に対する特定の混合物の効果が試験されていないことを示している。
【表2】


【0071】
実施例7:Coca−2単層膜の調合物の成分の透過性
【0072】
本発明の調合物を経口投与するに際して、どの場合も経口吸収率の高いことが成果にとって重要である。分化したCaco−2単層膜は、ヒトの小腸の形態学的及び生理学的性質、例えば、関門機能、微絨毛、刷子縁、酵素、能動輸送系、流出系などを示す。従って、Caco−2細胞は、生体内での腸内吸収を予測する場合の信頼できる生体外モデルとなる。
【0073】
Caco−2細胞を、トランスウェルポリカーボネートインサートで21日間成長させた。培養中の経上皮電気抵抗を測定することにより、成長と分化を観測する。試験混合物をドナー側に3回同様に添加する。特定時に、レシーバ側から試料を採集する。混合物の透過過程に対するP−グリコプロテインの影響を評価するために、先端から基底外側までと、基底外側から先端までの透過を比較した。試験混合物の品質管理と分類のために、高及び低経上皮流速を有する対象混合物を各評価分析に含める。対象混合物は、Pharmacelsus(登録商標)による混合物一覧から選定してもよい。各評価分析後、Lucifer yellow透過係数値(Papp)の量定により、各細胞単層の全体性を調べる。
【0074】
合成物の濃度は、UV分光法又はLC−MS/MS分析法により、レシーバ側及びドナー側の濃度を測定する。上記濃度の値を使用して、明確な浸透量と合成物の回収量を算出する。
【0075】
図6は、チェロキーローズヒップ、クコ抽出物、梅干し、ブドウ種子抽出物、トウキ抽出物、及びローヤルゼリーの、Caco−2単層膜の透過を示している。データは、Caco−2細胞の基底面側に培養された共培応答細胞によって分泌された対照コラーゲンを%として表わし、未処理の対照共培養と比較している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1(A)】 図1は、コラーゲン及びエラスチンのタンパク質、原線維、及び線維の構造を示す概略図である。図1(A)は、互いに巻きついている3本の伸長したタンパク質の鎖で形成された、コラーゲンの三重らせん構造を示している。原線維内でコラーゲン分子が規則的な配列を繰り返すことで、コラーゲン原線維に縞模様がもたらされる。
【図1(B)】 図1(B)は、コラーゲン原線維と架橋結合してゴム様の弾性線維を形成しているエラスチンのポリペプチド鎖を示している。各エラスチン分子は、線維が引っ張られると巻を解いて伸びた形状になり、その引張る力が緩むと同時に自然発生的に巻いた形状に戻る。
【図2】 図2は、本発明の各種成分の、単独又は組み合わせた場合の、コラーゲン合成に及ぼす効果を示すグラフである。データは、未処理の対照細胞区から対照コラーゲン区をパーセントで表している。図2は、単独で使用した場合に、トウキ抽出物とチェロキーローズヒップが、コラーゲン合成の効能が最も高い誘引物質であることを示している。図2は、更に、組み合わせで使用した場合に、チェロキーローズヒップ(「ローズヒップ」又は「RH」)と梅干し(「ウメ」)がコラーゲン合成の効能が最も高い誘引物質であり、次いで、チェロキーローズヒップとクコ抽出物(「クコ」)の組み合わせ、次にチェロキーローズヒップとクコ抽出物とトウキ抽出物(「トウキ」)の組み合わせ、そして、チェロキーローズヒップとトウキ抽出物の組み合わせの順にコラーゲン合成の効能が高いことを示している。図2では、「GS」はブドウ種子抽出物を示す。
【図3】 図3は、本発明の各種成分の、単独又は組み合わせた場合の、エラスチン合成に及ぼす効果を示すグラフである。データは、未処理の対照細胞区から対照エラスチン区をパーセントで表している。図3は、単独で使用した場合に、トウキ抽出物(「トウキ」)とチェロキーローズヒップ(「ローズヒップ」又は「RH」)が、エラスチン合成の効能が最も高い誘引物質であることを示している。図3は、更に、組み合わせて使用した場合に、チェロキーローズヒップと梅干し(「ウメ」)がエラスチン合成の効能が最も高い誘引物質であり、次いで、ブドウ種子抽出物(「GS」)と梅干しとクコ抽出物(「クコ」)とトウキ抽出物の組み合わせ、次にブドウ種子抽出物とトウキ抽出物とクコ抽出物の組み合わせの順にエラスチン合成が高いことを示している。
【図4】 図4は、本発明の各種成分の、単独又は組み合わせた場合の、ヒアルロン酸合成に及ぼす効果を示すグラフである。データは、未処理の対照細胞区からヒアルロン酸処理対照細胞区をパーセントで表している。図4は、どの成分も単独で使用した場合は、ヒアルロン酸合成レベルを著しく高める誘導効果は認められないことを示している。しかしながら、図4は、更に、組み合わせて使用した場合に、チェロキーローズヒップ(「ローズヒップ」又は「RH」)とクコ抽出物(「クコ」)とカラトウキ抽出物(「トウキ」)の組み合わせがヒアルロン酸合成の効能が最も高い誘引物質であり、次いで、チェロキーローズヒップとトウキ抽出物の組み合わせ、次にブドウ種子抽出物(「GS」)とトウキ抽出物とクコ抽出物の組み合わせの順にヒアルロン酸合成が高いことを示している。
【図5】 図5は、本発明の各種成分の、MMP−1(黒)、MMP−9(明るいグレイ)、及びエラスターゼ(グレイ)酵素の酵素活性に及ぼす効果を示すグラフである。データは、各酵素毎に対照区をパーセントで表している。図5は、ローヤルゼリーが、MMP−1とエラスターゼに対する最も効能が高い抑制剤であり、梅干しがMMP−9に対する最も効能が高い抑制剤であることを示している。ブドウ種子抽出物は、3種類の酵素のどれに対しても抑制効果が一番低く、次いでチェロキーローズヒップが低い。
【図6】 図6は、Caco−2単層膜の本発明の調合物成分の透過性を示すグラフである。データは、Caco−2細胞の基底面側に培養された共培応答細胞によって分泌された対照コラーゲンをパーセントとして表わし、未処理の対照共培と比較している。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブドウ種子抽出物、α−トコフェロール又はα−トコフェロール誘導体、ローズヒップ、及び受容可能なキャリアを備えている調合物において、皮膚細胞の脂質合成を促進するのに有効な調合物。
【請求項2】
該ブドウ種子抽出物は100〜150mgの範囲の量が含まれ、該α−トコフェロール又はα−トコフェロール誘導体は3〜7mgの範囲の量が含まれ、該ローズヒップは30〜500mgの範囲の量が含まれている、請求項1に記載の調合物。
【請求項3】
対象に請求項1の調合物を投与することを含む、対象の皮膚の脂質合成を高める方法。
【請求項4】
該調合物が液体の形態で経口投与される、請求項3の方法。
【請求項5】
該液体が、水、ミルク、茶、果汁、又はそれらの組み合わせを基礎とする、請求項4の方法。
【請求項6】
該液体が、更に、増粘剤、甘味料、又はそれらの組み合わせを含む、請求項5の方法。
【請求項7】
該調合物が、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、乳液、ペースト、又はムースの形態で局所的に投与される、請求項3の方法。
【請求項8】
ブドウ種子抽出物、クコ抽出物、ローズヒップ、梅干し抽出物、及び受容可能なキャリアを有しており、皮膚細胞の脂質合成を促進するのに有効な調合物。
【請求項9】
該ブドウ種子抽出物は100〜150mgの範囲の量が含まれ、該クコ抽出物は30〜500mgの範囲の量が含まれ、該ローズヒップは30〜500mgの範囲の量が含まれ、該梅干し抽出物は10〜500mgの範囲の量が含まれている、請求項8の調合物。
【請求項10】
更にヒアルロン酸を含んでいる、請求項8の調合物。
【請求項11】
更にヒアルロン酸が4〜40mgの範囲の量で含まれている、請求項9の調合物。
【請求項12】
対象に請求項8の調合物を投与することを含む、対象の皮膚の脂質合成を高める方法。
【請求項13】
該調合物が液体の形態で経口投与される、請求項12の方法。
【請求項14】
該液体が、水、ミルク、茶、果汁、又はそれらの組み合わせを基礎とする、請求項13の方法。
【請求項15】
該液体が、更に、増粘剤、甘味料、又はそれらの組み合わせを有する、請求項14の方法。
【請求項16】
該調合物が、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、乳液、ペースト、又はムースの形態で局所的に投与される、請求項12の方法。
【請求項17】
ローヤルゼリー、クコ抽出物、トウキ抽出物、ルテイン、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体、ビオチン、α−リポ酸、ヒアルロン酸、グリシン、ゼラチン、梅干し抽出物、又はそれらの組み合わせを更に有する、請求項1の調合物。
【請求項18】
該ローヤルゼリーは30〜1500mgの範囲の量が含まれ、該クコ抽出物は30〜500mgの範囲の量が含まれ、該トウキ抽出物は30〜500mgの範囲の量が含まれ、該ルテインは2〜5mgの範囲の量が含まれ、該アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体は40〜70mgの範囲の量が含まれ、該ビオチンは600〜900mgの範囲の量が含まれ、該α−リポ酸は1〜4mgの範囲の量が含まれ、該ヒアルロン酸は4〜40mgの範囲の量が含まれ、該グリシンは30〜200mgの範囲の量が含まれ、該ゼラチンは30〜500mgの範囲の量が含まれ、該梅干し抽出物は10〜500mgの範囲の量が含まれる、請求項17の調合物。
【請求項19】
対象に請求項17の調合物を投与することを含む、対象の皮膚の脂質合成を高める方法。
【請求項20】
該調合物が液体の形態で経口投与される、請求項19の方法。
【請求項21】
該液体は、水、ミルク、茶、果汁、又はそれらの組み合わせを基礎とする、請求項20の方法。
【請求項22】
該液体が、更に、増粘剤、甘味料、又はそれらの組み合わせを有する、請求項21の方法。
【請求項23】
該調合物が、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、乳液、ペースト、又はムースの形態で局所的に投与される、請求項19の方法。
【請求項24】
皮膚細胞に請求項17の調合物を投与することを含む、皮膚細胞のコラーゲン又はエラスチンの合成を促進する方法。
【請求項25】
皮膚細胞に請求項17の調合物を投与することを含む、皮膚細胞のコラーゲン又はエラスチンの分解を抑制する方法。
【請求項26】
皮膚細胞に請求項17の調合物を投与することを含む、皮膚細胞のMMP−1、MMP−9、又はエラスターゼを抑制する方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−273857(P2006−273857A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−100100(P2006−100100)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(505416588)アクセス ビジネス グループ インターナショナル エルエルシー (14)
【氏名又は名称原語表記】ACCESS BUSINESS GROUP INTERNATIONAL LLC
【Fターム(参考)】