説明

監視端末性能処理システム

【課題】監視端末の性能をチェックすることができる監視端末性能処理システムを提供すること。
【解決手段】本発明の監視端末性能処理システムは、監視対象装置(101)と、前記監視対象装置(101)を監視し、前記監視対象装置(101)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131)とを備えた監視システム(1)と、前記監視端末(131)の性能をチェックする監視性能処理装置(2)とを具備している。前記監視性能処理装置(2)は、前記監視端末(131)に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置(101)に前記障害を擬似的に発生させる擬似障害通知部(201)と、前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラ(211)とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象装置と監視端末とを備えた監視システムに適用される監視端末性能処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視対象装置と、その監視対象装置を監視する監視端末とを備えた監視システムが知られている。監視端末は、監視対象装置に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として通知する。例えば、監視端末は表示部を備え、監視情報を自己の表示部に表示する。これにより、監視員が監視端末に表示された監視情報が障害情報を表す場合、障害情報に対する処理を行う。このように、監視端末が監視対象装置を監視することにより、監視対象装置に障害があるか否かについて把握することができる。
【0003】
しかし、監視端末のパフォーマンス(性能)が悪い場合には、監視対象装置の障害の発見が遅れてしまい、障害情報に対する処理が遅れてしまう。上記の監視システムでは、ある建物に設置されたまま、設置条件や立地条件などの制約により、監視システムそのものを変更できない場合がある。その場合、監視システムそのものを変更せずに、性能が悪い監視端末だけを変更することができることが望まれる。
【0004】
監視に関連する技術について紹介する。
【0005】
特開平3−253945号公報(特許文献1)には“データ処理システムの異常回復処理機能確認方式”が記載されている。データ処理システムの異常回復処理機能確認方式は、1以上の処理装置と該処理装置の異常を監視する監視装置とからなり、該処理装置の異状によりシステムダウンした時に該監視装置から該処理装置へのリセット指令によりシステムの再立上げが行われるように構成されている。該処理装置は擬似障害生成手段を備えており、外部から異常回復処理確認試験の指令を受けることで、該擬似障害生成手段が起動されて異常状態となるように構成され、該監視装置は該処理装置が擬似障害状態となった時刻情報を含む異常情報を保持する保持手段を備え、これらの異常情報に基づいて異常回復処理機能の良否を確認するようになっている。
【0006】
特開2006−72784号公報(特許文献2)には“統合監視システム”が記載されている。統合監視システムは、複数の監視エージェントと該監視エージェントの障害を監視する監視サーバとを含む複数の被監視システムに接続され、該複数の被監視システムの障害を監視する。この統合監視システムは、前記被監視システムの監視サーバが、監視エージェントから受け取った障害情報を一元化した障害情報に変換して一次蓄積用監視情報データベースに記憶すると共に前記一元化した障害情報を前記統合監視システムに送信する機能と、前記統合監視システムが、前記被監視システムの監視サーバからの障害情報を受信して監視情報データベースに記憶する機能とを備えることを特徴としている。
【0007】
特開2002−112242号公報(特許文献3)には“差分カメラ端末”が記載されている。差分カメラ端末は、監視エリアの背景をあらかじめ撮影した背景画像と、前記監視エリアをリアルタイムに撮影して取り込んだリアルタイム画像との差分画像を検出する差分検出手段を備え、検出した前記差分画像を前記監視エリアを監視するための監視画像として監視センタへ伝送する。この差分カメラ端末は、前記差分検出手段が検出した差分画像を記録する記録手段と、前記差分検出手段が新たに検出した差分画像を、前記記録手段に記録された各差分画像と比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果が同一の場合には、新たに検出した差分画像を前記監視画像として前記監視センタへ伝送しない制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
特開2002−366932号公報(特許文献4)には“物体検出装置”が記載されている。物体検出装置は、共通の視野を有した基準画像と比較画像とから、前記両画像の共通の背景を構成する基準平面に対し高さのある物体を検出する。この物体検出装置は、前記基準画像と前記比較画像が、それぞれ入力する一対の画像入力手段と、前記基準平面を基準にして前記比較画像中の画素の位置を前記基準画像中の対応する画素の位置に投影変換して投影変換画像を生成する投影変換手段と、前記投影変換された投影変換画像と前記基準画像から、前記物体の領域が残差として表れる投影差分画像を生成する画像比較手段と、前記投影差分画像に基づいて、前記物体の検出を行うときの信頼度を示す3以上の多値の画素から構成された信頼度画像を生成する信頼度画像生成手段と、前記信頼度画像の多値の画素の情報に基づいて前記物体の有無、種類、または、位置を検出する物体構造検出手段とを具備したことを特徴としている。
【0009】
特開平2−181898号公報(特許文献5)には“遠隔監視システム”が記載されている。遠隔監視システムは、監視場所で撮影された監視対象の画像をサービス総合ディジタル網を経由して静止画像として監視センタに伝送したモニタ表示する。この遠隔監視システムは、前記監視センタに、前記監視場所から異なるタイミングに伝送された複数の静止画像を相互に比較する画像比較手段と、この画像比較手段により両静止画像が変化したことが検出された場合に警報を発する警報発生手段とを具備したことを特徴としている。
【0010】
特開平4−40593号公報(特許文献6)には“ビデオカメラにより監視システム”が記載されている。ビデオカメラにより監視システムは、監視場所を撮影する複数のビデオカメラと、該ビデオカメラが撮影した映像を写し出すモニタテレビとを備えている。このビデオカメラにより監視システムは、該複数のビデオカメラが出力する映像信号を所定時間毎に準じに切り換えて出力する映像信号切換手段、該映像信号切換手段が出力する映像信号を所定時間保持する映像信号保持装置、該映像信号保持装置が保持した映像信号と該映像信号切換手段からの映像信号とを画像単位で比較する映像比較手段、及び該映像比較手段が映像信号に不一致があることを検出すると警報を発する警報装置を備えている。
【0011】
特開2002−22483号公報(特許文献7)には“ナビゲーションシステムの試験評価装置”が記載されている。このナビゲーションシステムの試験評価装置は、ナビゲーションシステムの試験品(5)に負荷を与える試験機(3、4)と、前記負荷が与えられていないナビゲーションシステムの非試験品(6)と前記試験品(5)のそれぞれの表示画面を撮影する撮影手段(21、22)と、前記撮影手段(21、22)によって撮影された前記試験品(5)の表示画面の画像と前記非試験品(6)の表示画面の画像を比較して前記試験品(5)の異常を判定する異常判定手段(106)と、前記異常が判定されたとき、前記試験品(5)の表示画面の画像とそのときの前記試験機(3、4)の負荷条件を記憶する記憶手段(23)とを備えたことを特徴としている。
【0012】
特開2003−30010号公報(特許文献8)には“障害情報通知システム”が記載されている。障害情報通知システムは、ネットワーク上に分散するエージェント装置とこれらを管理する複数のマネージャ装置とから成る。この障害情報通知システムは、各マネージャ装置ごとに、エージェント装置から通知される障害情報を記憶する障害情報記憶手段と、複数のマネージャ装置間で、前記障害情報記憶手段に記憶している障害情報の同一性を保つ同期手段と、を備えることを特徴としている。
【0013】
特開平8−212096号公報(特許文献9)には“動的構成最適化システム”が記載されている。動的構成最適化システムは、複数種類の資源から構成され、前記資源を利用するための稼動パラメタを変更することで実施中の業務を中断せずに前記資源の保守や変更を行う動的構成制御機能を有する。この動的構成最適化システムは、システムの状態情報を収集するための稼動状況監視部と、前記稼動状況監視部によって得られた状態情報を分析してシステムの性能評価を行う状況分析部と、稼動パラメタの変更処理を行う稼動パラメタ変更部と、前記稼動パラメタ変更部の処理対象となる過渡的な稼動パラメタを格納する稼動パラメタワーク部とを具備し、運用中の情報処理システムが最も効率的に稼動するようになるまで、前記稼動パラメタ変更部による稼動パラメタの変更処理および前記状況分析部によるシステムの性能評価を繰り返し自動的に行うことを特徴としている。
【0014】
【特許文献1】特開平3−253945号公報
【特許文献2】特開2006−72784号公報
【特許文献3】特開2002−112242号公報
【特許文献4】特開2002−366932号公報
【特許文献5】特開平2−181898号公報
【特許文献6】特開平4−40593号公報
【特許文献7】特開2002−22483号公報
【特許文献8】特開2003−30010号公報
【特許文献9】特開平8−212096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、監視端末の性能をチェックすることができる監視端末性能処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0017】
本発明の監視端末性能処理システムは、
監視対象装置(101)と、前記監視対象装置(101)を監視し、前記監視対象装置(101)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131)とを備えた監視システム(1)と、
前記監視端末(131)の性能をチェックする監視性能処理装置(2)と
を具備し、
前記監視性能処理装置(2)は、
前記監視端末(131)に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置(101)に前記障害を擬似的に発生させる擬似障害通知部(201)と、
前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラ(211)と
を具備している。
【0018】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記動画像データは、1番目からN番目(Nは2以上の整数)までのN個の時刻と、前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を表すN個の静止画像データとを含み、
前記監視性能処理装置(2)は、
静止画像データベース(231)と、
前記監視端末(131)を識別する監視端末識別子と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを前記静止画像データベース(231)に格納する静止画像取得部(221)と
を更に具備している。
【0019】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置(2)は、
前記静止画像データベース(231)を参照して、前記監視端末(131)と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを対応付ける対応表を生成し、前記対応表を参照して、差異検出表を生成する画像比較部(241)
を更に具備し、
前記画像比較部(241)は、
第(J−1)時刻に対応する静止画像データと第J時刻に対応する静止画像データとに差異がある場合(Jは、2≦J≦Nを満たす整数)、前記監視端末(131)を識別する前記監視端末識別子と、前記差異を表す差異分類と、前記第J時刻として表示時刻とを対応付けて、前記差異検出表に記載する。
【0020】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置(2)は、
前記差異検出表に記載された前記監視端末識別子と前記差異分類と前記表示時刻とに基づいて、前記擬似障害通知部(201)が前記擬似障害情報を前記監視対象装置(101)に通知してから、前記監視端末(131)が前記監視対象装置(101)における前記障害情報を前記監視情報として表示するまでの速度を表す差異表示速度を前記監視端末(131)の監視性能として算出し、前記差異検出表と前記監視性能とを対応付ける監視性能レポートを生成する監視性能抽出部(251)
を更に具備している。
【0021】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視システム(1)は、
前記監視対象装置(101)を含む複数の監視対象装置(101〜103)と、
前記監視端末(131)を含み、前記複数の監視対象装置(101〜103)を監視する複数の監視端末(131〜133)と
を更に備え、
前記監視性能処理装置(2)は、
前記ビデオカメラ(211)を含み、前記複数の監視端末(131〜133)のそれぞれに対応する複数のビデオカメラ(211〜213)
を更に具備し、
前記擬似障害通知部(201)は、前記複数の監視端末(131〜133)に前記障害情報を表示させるために、前記複数の監視対象装置(101〜103)に前記障害を擬似的に発生させ、
前記静止画像取得部(221)は、前記複数の監視端末(131〜133)における前記監視端末識別子と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを前記静止画像データベース(231)に格納し、
前記画像比較部(241)は、前記静止画像データベース(231)を参照して、前記複数の監視端末(131〜133)における前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを対応付ける前記対応表を生成し、前記対応表を参照して、前記複数の監視端末(131〜133)における前記監視端末識別子と前記差異分類と前記表示時刻とを対応付けて、前記差異検出表に記載し、
前記監視性能抽出部(251)は、前記差異検出表に記載された前記複数の監視端末(131〜133)における前記差異分類と前記表示時刻とに基づいて、前記複数の監視端末(131〜133)における前記差異表示速度を前記監視性能として算出し、前記監視性能が早い順にランキングを決定し、前記差異検出表と前記監視性能とランキングとを対応付ける前記監視性能レポートを生成する。
【0022】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置(2)は、
前記監視性能レポートを参照して、前記複数の監視端末(131〜133)のうちの、ランキングが最も高い有効監視端末を決定し、前記有効監視端末のみを稼動させる監視経路選択部(271)
を更に具備している。
【0023】
本発明の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能抽出部(251)は、前記監視性能レポートを出力装置(261)に出力する。
【0024】
本発明の監視性能処理装置(2)は、
監視対象装置(101)と、前記監視対象装置(101)を監視し、前記監視対象装置(101)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131)とを備えた監視システム(1)に適用され、前記監視端末(131)の性能をチェックする監視性能処理装置(2)であって、
前記監視端末(131)に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置(101)に前記障害を擬似的に発生させる擬似障害通知部(201)と、
前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラ(211)と
を具備している。
【0025】
本発明の監視性能処理方法は、
監視対象装置(101)と、前記監視対象装置(101)を監視し、前記監視対象装置(101)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131)とを備えた監視システム(1)に適用される方法であって、
監視性能処理用コンピュータ(200)により、前記監視端末(131)に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置(101)に前記障害を擬似的に発生させるステップと、
ビデオカメラ(211)により、前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するステップと、
前記監視性能処理用コンピュータ(200)により、前記動画像データに基づいて前記監視端末(131)の性能をチェックするステップと
を具備している。
【0026】
本発明のコンピュータプログラムは、
監視対象装置(101)と、前記監視対象装置(101)を監視し、前記監視対象装置(101)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131)とを備えた監視システム(1)と、前記監視端末(131)に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラ(211)と、監視性能処理用コンピュータ(200)とを具備するシステムに適用され、前記監視性能処理用コンピュータ(200)にインストールされたコンピュータプログラムであって、
前記監視端末(131)に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置(101)に前記障害を擬似的に発生させるステップと、
前記動画像データに基づいて前記監視端末(131)の性能をチェックするステップと
の各ステップを前記監視性能処理用コンピュータ(200)に実行させる。
【発明の効果】
【0027】
以上により、本発明の監視端末性能処理システムによれば、監視対象装置(101〜103)と、監視対象装置(101〜103)を監視し、監視対象装置(101〜103)に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末(131〜133)とを備えた監視システム(1)に対して、監視性能処理装置(2)を適用している。この監視性能処理装置(2)では、監視端末(131〜133)に障害情報を表示させるために、監視対象装置(101〜103)に障害を擬似的に発生させる擬似障害情報を監視対象装置(101〜103)に通知し、ビデオカメラ(211〜213)により、監視端末(131〜133)に表示される監視情報を撮影して動画像データを生成する。これにより、監視性能処理装置(2)は、擬似障害情報を通知してから、監視端末(131〜133)が監視対象装置(101〜103)における障害情報(監視情報)を表示するまでの時間や速度(差異表示速度)を、監視端末(131〜133)の性能としてチェックすることができる。例えば、監視システムでは、ある建物に設置されたまま、設置条件や立地条件などの制約により、監視システムそのものを変更できない場合がある。その場合でも、本発明の監視端末性能処理システムでは、上記の建物に監視性能処理装置(2)を取り付けることにより、監視システム(1)そのものを変更せずに、性能が悪い監視端末だけを変更することができる。
【0028】
また、本発明の監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置(2)では、監視端末(131〜133)におけるN個の時刻(Nは2以上の整数)とN個の静止画像データとを対応付ける対応表を生成し、対応表を参照して、差異検出表を生成する。監視性能処理装置(2)は、監視端末(131〜133)において第(J−1)時刻に対応する静止画像データと第J時刻に対応する静止画像データとに差異がある場合(Jは、2≦J≦Nを満たす整数)、監視端末(131〜133)を識別する監視端末識別子と、その差異を表す差異分類と、第J時刻として表示時刻とを対応付けて、差異検出表に記載する。これにより、監視性能処理装置(2)は、上記の差異として、擬似障害情報を通知したときに監視端末(131〜133)に表示されている情報から、監視端末(131〜133)が障害情報(監視情報)を表示するまでの時間や速度(差異表示速度)を、監視端末(131〜133)の性能としてチェックすることができる。
【0029】
また、本発明の監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置(2)では、差異検出表に記載された監視端末識別子と差異分類と表示時刻とに基づいて、差異表示速度を監視端末(131〜133)の監視性能として算出し、差異検出表と監視性能とを対応付ける監視性能レポートを生成する。このとき、監視性能処理装置(2)は、監視性能が早い順にランキングを決定し、差異検出表と監視性能とに対応付けてランキングを監視性能レポートに記載している。これにより、監視性能処理装置(2)は、監視端末(131〜133)のうちの、上記の差異がない監視端末や、ランキングが最も低い監視端末などを監視障害として検知することができる。
【0030】
また、本発明の監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置(2)では、ランキングを監視性能レポートに記載しているため、監視端末(131〜133)のうちの、ランキングが最も高い監視端末を選択することにより、最適な(監視性能が最も高い)監視端末を常時使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照して、本発明の監視端末性能処理システムについて詳細に説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムの構成を示している。第1実施形態による監視端末性能処理システムは、監視システム1と、監視性能処理装置2とを具備している。
【0033】
監視システム1は、監視対象装置101〜103と、監視エージェント111〜113と、監視マネージャ121〜122と、監視端末131〜133とを具備している。
【0034】
監視対象装置101〜103は、サービス提供を行う監視対象となる装置である。監視対象装置101〜103は、一般的な情報処理装置(サーバ装置)であり、HW(ハードウェア)、SW(ソフトウェア)、PP(プログラムプロダクト)等の稼動状況を各種ログによって判断する。監視対象装置101〜103は、各種ログを有し、障害が発生したときにその旨を該当ログに記載する。
【0035】
監視エージェント111〜113は、情報処理装置内に常駐するSWである。監視エージェント111〜113は、それぞれ監視対象装置101〜103の該当ログに記載された障害情報を検知し、監視マネージャ121〜122に通知する。また、監視エージェント111〜113は、それぞれ監視対象装置101〜103の該当ログに追記された擬似障害情報(後述)を障害情報として検知し、監視マネージャ121〜122に通知する。
【0036】
監視マネージャ121〜122は、監視エージェント111〜113から通知される監視対象装置101〜103における障害情報を、監視員141〜143が管理しやすい形式を表す監視情報(後述)に変換し、監視端末131〜133に送出する。
【0037】
監視端末131〜133は、監視システム1内で監視対象装置101〜103、監視エージェント111〜113、監視マネージャ121〜122とは異なる場所に設けられている。この監視端末131〜133は、表示部を備えている。その表示部は、同サイズであり、解像度等の視覚フォーマットが同一であるものとする。監視端末131〜133は、監視マネージャ121〜122に接続し、監視対象装置101〜103における監視情報を自己の表示部にリアルタイム表示する。
【0038】
監視員141〜143は、監視端末131〜133に画面表示される監視情報を常時監視し、監視情報を検知した場合、担当者へ連絡をする。
【0039】
監視性能処理装置2は、ビデオカメラ211〜213と、監視性能管理端末261と、ビデオカメラ211〜213と監視性能管理端末261とに接続された監視性能処理用コンピュータ200とを具備している。
【0040】
監視性能管理端末261は、表示部を備えている。監視性能管理端末261は、出力装置として使用される。その出力装置は、印刷装置でも表示装置でもよい。
【0041】
監視性能処理用コンピュータ200は、コンピュータプログラムが格納された格納部(図示しない)と、コンピュータプログラムを実行する実行部(図示しない)とを備えている。コンピュータプログラムは、擬似障害通知部201と、静止画像取得部221と、画像比較部241と、監視性能抽出部251とを含んでいる。格納部は、更に、静止画像データベース(DB)231を格納している。
【0042】
図2は、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムの動作を示すフローチャートである。図3は、擬似障害通知部201の動作を示すフローチャートである。図4は、静止画像取得部221の動作を示すフローチャートである。図5は、画像比較部241の動作を示すフローチャートである。図6は、監視性能抽出部251の動作を示すフローチャートである。
【0043】
まず、擬似障害通知部201は、擬似障害通知処理を実行する(図2のステップA1)。この擬似障害通知処理では、擬似障害通知部201は、監視対象装置101〜103に接続する(アクセスする)(図3のステップA11)。監視端末131〜133は、監視マネージャ121〜122、監視エージェント111〜113を介して監視対象装置101〜103を監視し、監視対象装置101〜103に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する。この動作を利用して、擬似障害通知部201は、監視端末131〜133に障害情報を表示させるために、監視対象装置101〜103に障害を擬似的に発生させる。この場合、擬似障害通知部201は、障害を擬似的に発生させるための擬似障害情報を監視対象装置101〜103に通知する。例えば、擬似障害通知部201は、予め既定された擬似障害情報を監視対象装置101〜103の該当ログに追記する(ステップA12)。次いで、擬似障害通知部201は、擬似障害撮影指示をビデオカメラ211〜213に出力し、ビデオカメラ211〜213は、その擬似障害撮影指示に応じて、それぞれ監視端末131〜133を撮影する(ステップA13)。ここで、ビデオカメラ211〜213がそれぞれ監視端末131〜133を撮影する時刻を擬似障害発生時刻とする。その後、擬似障害通知部201は、監視対象装置101〜103との接続を切断する(アクセスを終了する)(ステップA14)。
【0044】
監視エージェント111〜113は、それぞれ監視対象装置101〜103の該当ログに追記された擬似障害情報を障害情報として検知し、監視マネージャ121〜122に送出する。監視マネージャ121〜122は、監視対象装置101〜103における障害情報を、監視員141〜143が管理しやすい形式を表す監視情報に変換し、監視端末131〜133に送出する(ステップA2;擬似障害検知処理)。
【0045】
監視端末131〜133は、監視対象装置101〜103における監視情報を自己の表示部にリアルタイムに表示する(ステップA3;監視情報表示処理)。
【0046】
ビデオカメラ211〜213は、それぞれ、監視端末131〜133に表示される監視情報を一定時間リアルタイムで撮影し、動画像データを生成して静止画像取得部221に送出する。動画像データは、1番目からN番目(Nは2以上の整数)までのN個の時刻と、監視端末131〜133に表示される監視情報を表すN個の静止画像データとを含んでいる。1番目の時刻は、上記の擬似障害発生時刻を表し、N個の静止画像データは、N個の時刻のそれぞれに対応している(ステップA4;ビデオ撮影処理)。
【0047】
静止画像取得部221は、画像取得処理を実行する(図2のステップA5)。この画像取得処理では、静止画像取得部221は、動画像データをN個の時刻とN個の静止画像データとに分ける(図4のステップA51)。静止画像取得部221は、項番と、N個の時刻を表す経過時間と、監視端末131〜133を識別するための監視端末識別子“監視端末131〜133”と、監視情報を分類するための監視情報分類と、N個の静止画像データとを含む監視結果を生成する(ステップA52)。静止画像取得部221は、その監視結果を静止画像データベース231に格納する(ステップA53)。
【0048】
全ての監視結果が静止画像データベース231に格納されたものとする。画像比較部241は、画像比較処理を実行する(図2のステップA6)。この画像比較処理では、画像比較部241は、静止画像データベース231を参照して、監視情報分類毎に監視端末131〜133とN個の時刻とでソートし、監視端末131〜133とN個の時刻とN個の静止画像データとを対応付けるビットマップデータとして対応表を生成する(図5のステップA61)。画像比較部241は、対応表を参照して、1番目からN番目までのN個の時刻のうちの、第(J−1)時刻と第J時刻(Jは、2≦J≦Nを満たす整数)とに対して、監視端末131〜133に表示される監視情報を表す静止画像データを比較し、比較結果として差異検出表を生成する(ステップA62〜A66)。ここで、監視端末131〜133において第(J−1)時刻に対応する静止画像データと第J時刻に対応する静止画像データとに差異がある場合、画像比較部241は、監視端末識別子“監視端末131〜133”と、第(J−1)時刻と第J時刻とに対する静止画像データの差異を表す差異分類と、第J時刻として表示時刻とを対応付けて、差異検出表に記載する(ステップA63−YES、A64)。一方、差異が存在しない静止画像データについては、画像比較部241は、上記の監視端末識別子と差異分類とに対応付けて、未検知を表す情報を差異検出表に記載する(ステップA63−NO、A65)。画像比較部241は、ステップA62〜A65を1番目からN番目までのN個の時刻について実行した場合(ステップS66−YES)、差異検出表を監視性能抽出部251に送出する(ステップA67)。
【0049】
監視性能抽出部251は、性能レポート作成処理を実行する(図2のステップA7)。この性能レポート作成処理では、差異検出表に記載された監視端末131〜133に対して未検知項目が無いものとする(図6のステップA71−NO)。この場合、監視性能抽出部251は、差異検出表に記載された監視端末識別子“監視端末131〜133”と差異分類と表示時刻とに基づいて、擬似障害通知部201が擬似障害情報を監視対象装置101〜103に通知してから、監視端末131〜133が全ての監視対象装置101〜103における障害情報(監視情報)を表示するまでの速度を表す差異表示速度(平均差異表示速度)を監視端末131〜133の監視性能(平均監視性能)として算出する(図6のステップA71−NO、A72)。監視性能抽出部251は、平均監視性能が早い順にランキングを決定する(ステップA73)。また、差異検出表に記載された監視端末131〜133のいずれかに未検知項目がある場合は(ステップA71−YES)、差異検出表に記載された該当する監視端末に対してステップA72、A73が実行されない。監視性能抽出部251は、差異検出表と監視性能(平均監視性能)とランキングとを対応付ける監視性能レポートを生成し、監視性能管理端末261へ送出する(ステップA74)。
【0050】
監視性能管理端末261は、監視性能レポートを自己の表示部に表示する(ステップA8;性能レポート表示処理)。
【0051】
次に、具体例を用いて本実施形態の動作を説明する。
【0052】
具体例の条件として、擬似障害情報は、各監視対象装置101〜103のディスク故障メッセージとする。また、監視端末131〜133は、監視対象装置101〜103のうちの1〜2つの装置におけるディスク故障メッセージを検知した場合は、監視情報分類の監視A(例えばシステムの稼動状態を視覚的に表示する監視情報表示)部分を●で表示し、監視対象装置101〜103の全ての装置で検知した場合は■で表示するものとする。尚、監視端末131〜133は、監視対象装置101〜103の全ての装置でディスク故障メッセージが検知できない場合は、○で表示するものとする。
【0053】
まず、擬似障害通知部201は、監視対象装置101〜103に接続する(アクセスする)。擬似障害通知部201は、監視端末131〜133に障害情報を表示させるために、ディスク故障メッセージを監視対象装置101〜103に通知する。例えば、擬似障害通知部201は、監視対象装置101〜103の該当ログにディスク故障メッセージ(擬似障害情報)を追記する。擬似障害通知部201は、擬似障害撮影指示をビデオカメラ211〜213に出力し、ビデオカメラ211〜213は、その擬似障害撮影指示に応じて、それぞれ監視端末131〜133を撮影する。ここで、ビデオカメラ211〜213がそれぞれ監視端末131〜133を撮影する時刻を擬似障害発生時刻とする。その後、擬似障害通知部201は、監視対象装置101〜103との接続を切断する(アクセスを終了する)。
【0054】
監視エージェント111〜113は、それぞれ監視対象装置101〜103の該当ログに追記されたディスク故障メッセージを障害情報として検知し、監視マネージャ121〜122に送出する。監視マネージャ121〜122は、監視対象装置101〜103における障害情報を監視情報に変換して監視端末131〜133に送出する。本実施形態では、監視情報は、監視員141〜143が管理しやすい形式として、監視対象装置101〜103の全ての装置でディスク故障メッセージが検知できない場合は○を表し、監視対象装置101〜103のうちの1〜2つの装置におけるディスク故障メッセージを検知した場合は●を表し、監視対象装置101〜103の全ての装置で検知した場合は■で表している。
【0055】
監視端末131〜133は、監視対象装置101〜103における監視情報を自己の表示部にリアルタイムに表示する。ただし、監視障害により、監視端末133の表示部では、監視情報分類A部分の変更表示がなされなかったものとする。
【0056】
ビデオカメラ211〜213は、それぞれ、監視端末131〜133に表示される監視情報を一定時間リアルタイムで撮影し、動画像データを生成して静止画像取得部221に送出する。動画像データは、1番目からN番目(Nは2以上の整数)までのN個の時刻と、監視端末131〜133に表示される監視情報を表すN個の静止画像データとを含んでいる。ここで、N個の時刻をT0、T1、T2、T3、T4、T5、…としたとき、監視端末131に表示される監視情報を表すN個の静止画像データは○、●、●、■、■、■、…により表されるものとする。また、監視端末132に表示される監視情報を表すN個の静止画像データは○、○、●、●、■、■、…により表されるものとする。また、監視端末133に表示される監視情報を表すN個の静止画像データは○、○、○、○、○、○、…により表されるものとする。
【0057】
静止画像取得部221は、監視端末131〜133における監視結果を生成する。図10に示されるように、例えば、監視端末131における監視結果は、項番として“1”、“2”、“3”、“4”、“5”、“6”、…と、経過時間として時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…と、監視端末識別子として“監視端末131”と、監視情報を分類するための監視情報分類として“監視A”と、静止画像データ○、●、●、■、■、■、…とを含んでいる。静止画像取得部221は、監視端末131〜133における監視結果を静止画像データベース231に格納する。
【0058】
全ての監視結果が静止画像データベース231に格納されたものとする。画像比較部241は、静止画像データベース231を参照して、監視情報分類毎に監視端末131〜133と時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…とでソートし、図7に示されるように、対応表を生成する。対応表は、監視端末131と、時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…と、静止画像データ○、●、●、■、■、■、…とを対応付けている。また、対応表は、監視端末132と、時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…と、静止画像データ○、○、●、●、■、■、…とを対応付けている。また、対応表は、監視端末133と、時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…と、静止画像データ○、○、○、○、○、○、…とを対応付けている。画像比較部241は、対応表を参照して、図8に示されるように、差異検出表を生成する。ここで、監視端末131に表示される静止画像データが、差異“1”として時刻T0から時刻T1の間に○から●に変更され、差異“2”として時刻T2から時刻T3の間に●から■に変更されている。監視端末132に表示される静止画像データが、差異“1”として時刻T1から時刻T2の間に○から●に変更され、差異“2”として時刻T3から時刻T4の間に●から■に変更されている。画像比較部241は、監視端末識別子“監視端末131”と、差異分類として差異“1”、“2”、…と、表示時刻として時刻T1、T3、…とを対応付けて差異検出表に記載する。画像比較部241は、監視端末識別子“監視端末132”と、差異分類として差異“1”、“2”、…と、表示時刻として時刻T2、T4、…とを対応付けて差異検出表に記載する。画像比較部241は、監視端末識別子“監視端末133”と、差異分類として差異“1”、“2”、…と、表示時刻として“未検知”とを対応付けて差異検出表に記載する。画像比較部241は、時刻T0、T1、T2、T3、T4、T5、…について全て実行した場合、差異検出表を監視性能抽出部251に送出する。
【0059】
差異検出表に記載された監視端末131〜132に対して未検知項目が無い。この場合、監視性能抽出部251は、差異検出表に記載された差異分類“1”、“2”、…と表示時刻T1、T3、…とに基づいて、擬似障害通知部201が擬似障害情報を監視対象装置101〜103に通知してから、監視端末131が全ての監視対象装置101〜103における障害情報(監視情報)を表示するまでの速度を表す差異表示速度(平均差異表示速度)を監視端末131の監視性能(平均監視性能)AT1として算出する。また、監視性能抽出部251は、差異検出表に記載された差異分類“1”、“2”、…と表示時刻T2、T4、…とに基づいて、擬似障害通知部201が擬似障害情報を監視対象装置101〜103に通知してから、監視端末132が全ての監視対象装置101〜103における障害情報(監視情報)を表示するまでの速度を表す差異表示速度(平均差異表示速度)を監視端末132の監視性能(平均監視性能)AT2として算出する。監視性能抽出部251は、平均監視性能が早い順にランキングを決定する(この場合、監視端末131が1位であり、監視端末132が2位であるものとする)。監視性能抽出部251は、図9に示されるように、差異検出表と平均監視性能(AT1、AT2)とランキング(1位、2位)とを対応付ける監視性能レポートを生成し、監視性能管理端末261へ送出する。
【0060】
監視性能管理端末261は、監視性能レポートを自己の表示部に表示する。監視レポートは、監視性能と監視障害を通知し、監視経路の選択や監視障害への対処を可能とする。
【0061】
次に、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムの効果について説明する。
【0062】
本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムによれば、監視対象装置101〜103と、監視対象装置101〜103を監視し、監視対象装置101〜103に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末131〜133とを備えた監視システム1に対して、監視性能処理装置2を適用している。この監視性能処理装置2では、監視端末131〜133に障害情報を表示させるために、監視対象装置101〜103に障害を擬似的に発生させる擬似障害情報を監視対象装置101〜103に通知し、ビデオカメラ211〜213により、監視端末131〜133に表示される監視情報を撮影して動画像データを生成する。これにより、監視性能処理装置2は、擬似障害情報を通知してから、監視端末131〜133が監視対象装置101〜103における障害情報(監視情報)を表示するまでの時間や速度(差異表示速度)を、監視端末131〜133の性能としてチェックすることができる。例えば、監視システムでは、ある建物に設置されたまま、設置条件や立地条件などの制約により、監視システムそのものを変更できない場合がある。その場合でも、本発明の監視端末性能処理システムでは、上記の建物に監視性能処理装置2を取り付けることにより、監視システム1そのものを変更せずに、性能が悪い監視端末だけを変更することができる。
【0063】
また、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置2では、監視端末131〜133におけるN個の時刻(Nは2以上の整数)とN個の静止画像データとを対応付ける対応表を生成し、対応表を参照して、差異検出表を生成する。監視性能処理装置2は、監視端末131〜133において第(J−1)時刻に対応する静止画像データと第J時刻に対応する静止画像データとに差異がある場合(Jは、2≦J≦Nを満たす整数)、監視端末131〜133を識別する監視端末識別子と、その差異を表す差異分類と、第J時刻として表示時刻とを対応付けて、差異検出表に記載する。これにより、監視性能処理装置2は、上記の差異として、擬似障害情報を通知したときに監視端末131〜133に表示されている情報から、監視端末131〜133が障害情報(監視情報)を表示するまでの時間や差異表示速度を、監視端末131〜133の性能としてチェックすることができる。
【0064】
また、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置2では、差異検出表に記載された監視端末識別子と差異分類と表示時刻とに基づいて、差異表示速度を監視端末131〜133の監視性能として算出し、差異検出表と監視性能とを対応付ける監視性能レポートを生成する。このとき、監視性能処理装置2は、監視性能が早い順にランキングを決定し、差異検出表と監視性能とに対応付けてランキングを監視性能レポートに記載している。これにより、監視性能処理装置2は、監視端末131〜133のうちの、上記の差異がない監視端末や、ランキングが最も低い監視端末などを監視障害として検知することができる。
【0065】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を省略する。本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムでは、上記の監視性能レポートにより、監視端末131〜133の中で最適な(監視性能が最も高い)監視端末を決定する。
【0066】
図11は、本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムの構成を示している。第2実施形態による監視端末性能処理システムでは、監視性能処理装置2の監視性能処理用コンピュータ200内のコンピュータプログラムは、更に、監視経路選択部271を含んでいる。
【0067】
図12は、本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムの動作を示すフローチャートである。図13は、監視経路選択部271の動作を示すフローチャートである。
【0068】
まず、上述のステップA1〜A8が実行される。ステップA7が実行された後、又は、ステップA8の実行と同時に、監視経路選択部271は、最適経路変更処理を実行する(図12のステップA9)。この最適経路変更処理では、監視経路選択部271は、監視性能レポートを参照して、監視端末131〜133におけるランキングを比較する(図13のステップA91)。この場合、監視経路選択部271は、監視端末131〜133のうちの、ランキングが最も高い有効監視端末を決定する(ステップA92)。監視経路選択部271は、その有効監視端末のみを稼動させる(ステップA93)。
【0069】
次に、具体例を用いて本実施形態の動作を説明する。具体例の条件は、第1実施形態と同じである。
【0070】
まず、監視経路選択部271は、監視性能レポートを参照して、監視端末131〜133におけるランキングを比較する。上述のように、監視性能レポートには、監視端末131が1位であり、監視端末132が2位であることが記載されている。この場合、監視経路選択部271は、監視端末131〜133のうちの、ランキングが最も高い有効監視端末として監視端末131を決定する。監視経路選択部271は、その監視端末131のみを稼動させる。このとき、監視端末132と133に対する監視マネージャへの接続を中断する。
【0071】
このように、本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムによれば、監視性能処理装置2では、ランキングを監視性能レポートに記載しているため、監視端末131〜133のうちの、ランキングが最も高い監視端末を選択することにより、最適な(監視性能が最も高い)監視端末を常時使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムの構成を示している。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態による監視端末性能処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、擬似障害通知部201の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、静止画像取得部221の動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、画像比較部241の動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、監視性能抽出部251の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、対応表を示している。
【図8】図8は、差異検出表を示している。
【図9】図9は、監視性能レポートを示している。
【図10】図10は、静止画像データベース231に格納される監視結果を示している。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムの構成を示している。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態による監視端末性能処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図13】図13は、監視経路選択部271の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1 監視システム、
2 監視性能処理装置、
101〜103 監視対象装置、
111〜113 監視エージェント、
121〜122 監視マネージャ、
131〜133 監視端末、
141〜143 監視員、
200 監視性能処理用コンピュータ、
211〜213 ビデオカメラ、
201 擬似障害通知部、
221 静止画像取得部、
231 静止画像データベース(DB)
241 画像比較部、
251 監視性能抽出部、
261 監視性能管理端末、
271 監視経路選択部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象装置と、前記監視対象装置を監視し、前記監視対象装置に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末とを備えた監視システムと、
前記監視端末の性能をチェックする監視性能処理装置と
を具備し、
前記監視性能処理装置は、
前記監視端末に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置に前記障害を擬似的に発生させる擬似障害通知部と、
前記監視端末に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラと
を具備する監視端末性能処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記動画像データは、1番目からN番目(Nは2以上の整数)までのN個の時刻と、前記監視端末に表示される前記監視情報を表すN個の静止画像データとを含み、
前記監視性能処理装置は、
静止画像データベースと、
前記監視端末を識別する監視端末識別子と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを前記静止画像データベースに格納する静止画像取得部と
を更に具備する監視端末性能処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置は、
前記静止画像データベースを参照して、前記監視端末と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを対応付ける対応表を生成し、前記対応表を参照して、差異検出表を生成する画像比較部
を更に具備し、
前記画像比較部は、
第(J−1)時刻に対応する静止画像データと第J時刻に対応する静止画像データとに差異がある場合(Jは、2≦J≦Nを満たす整数)、前記監視端末を識別する前記監視端末識別子と、前記差異を表す差異分類と、前記第J時刻として表示時刻とを対応付けて、前記差異検出表に記載する
監視端末性能処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置は、
前記差異検出表に記載された前記監視端末識別子と前記差異分類と前記表示時刻とに基づいて、前記擬似障害通知部が前記擬似障害情報を前記監視対象装置に通知してから、前記監視端末が前記監視対象装置における前記障害情報を前記監視情報として表示するまでの速度を表す差異表示速度を前記監視端末の監視性能として算出し、前記差異検出表と前記監視性能とを対応付ける監視性能レポートを生成する監視性能抽出部
を更に具備する監視端末性能処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視システムは、
前記監視対象装置を含む複数の監視対象装置と、
前記監視端末を含み、前記複数の監視対象装置を監視する複数の監視端末と
を更に備え、
前記監視性能処理装置は、
前記ビデオカメラを含み、前記複数の監視端末のそれぞれに対応する複数のビデオカメラ
を更に具備し、
前記擬似障害通知部は、前記複数の監視端末に前記障害情報を表示させるために、前記複数の監視対象装置に前記障害を擬似的に発生させ、
前記静止画像取得部は、前記複数の監視端末における前記監視端末識別子と前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを前記静止画像データベースに格納し、
前記画像比較部は、前記静止画像データベースを参照して、前記複数の監視端末における前記N個の時刻と前記N個の静止画像データとを対応付ける前記対応表を生成し、前記対応表を参照して、前記複数の監視端末における前記監視端末識別子と前記差異分類と前記表示時刻とを対応付けて、前記差異検出表に記載し、
前記監視性能抽出部は、前記差異検出表に記載された前記複数の監視端末における前記差異分類と前記表示時刻とに基づいて、前記複数の監視端末における前記差異表示速度を前記監視性能として算出し、前記監視性能が早い順にランキングを決定し、前記差異検出表と前記監視性能とランキングとを対応付ける前記監視性能レポートを生成する
監視端末性能処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能処理装置は、
前記監視性能レポートを参照して、前記複数の監視端末のうちの、ランキングが最も高い有効監視端末を決定し、前記有効監視端末のみを稼動させる監視経路選択部
を更に具備する監視端末性能処理システム。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれかに記載の監視端末性能処理システムにおいて、
前記監視性能抽出部は、前記監視性能レポートを出力装置に出力する
監視端末性能処理システム。
【請求項8】
監視対象装置と、前記監視対象装置を監視し、前記監視対象装置に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末とを備えた監視システムに適用され、前記監視端末の性能をチェックする監視性能処理装置であって、
前記監視端末に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置に前記障害を擬似的に発生させる擬似障害通知部と、
前記監視端末に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラと
を具備する監視性能処理装置。
【請求項9】
監視対象装置と、前記監視対象装置を監視し、前記監視対象装置に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末とを備えた監視システムに適用される方法であって、
監視性能処理用コンピュータにより、前記監視端末に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置に前記障害を擬似的に発生させるステップと、
ビデオカメラにより、前記監視端末に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するステップと、
前記監視性能処理用コンピュータにより、前記動画像データに基づいて前記監視端末の性能をチェックするステップと
を具備する監視性能処理方法。
【請求項10】
監視対象装置と、前記監視対象装置を監視し、前記監視対象装置に障害が発生したときにその旨を表す障害情報を監視情報として自己の表示部に表示する監視端末とを備えた監視システムと、前記監視端末に表示される前記監視情報を撮影して動画像データを生成するビデオカメラと、監視性能処理用コンピュータとを具備するシステムに適用され、前記監視性能処理用コンピュータにインストールされたコンピュータプログラムであって、
前記監視端末に前記障害情報を表示させるために、前記監視対象装置に前記障害を擬似的に発生させるステップと、
前記動画像データに基づいて前記監視端末の性能をチェックするステップと
の各ステップを前記監視性能処理用コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−197696(P2008−197696A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29004(P2007−29004)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】