説明

真空吸気配管のクリーニング方法

【課題】減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法に係り、処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管内のクリーニングを良好に行うようにしたクリーニング方法に関する技術である。
【解決手段】処理室1に接続された吸気配管6における真空ポンプ4との接続口6b近傍に開度調節可能な開閉弁9を設け、吸気配管6における処理室1との接続口6a近傍に設けられた装置仕切弁7を閉じ、前記開閉弁9の開度を調節し、吸気配管6に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記吸気配管6内を所定圧力に保持してクリーニングするようにして、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去し、装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法に係り、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管内又は該吸気配管内と前記処理室内とにおけるクリーニングガスの圧力を、クリーニングに適する圧力にして、前記吸気配管内又は該吸気配管内と前記処理室内とをクリーニングすることにより、前記吸気配管内のクリーニングを良好に行って、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくするようにしたクリーニング方法に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法について、いろいろな方法が提案されており、処理室内のクリーニングガスの圧力を成膜等の処理時よりも高くして処理室内をクリーニングすることにより、処理室内のエッチングレート(クリーニングレート)を高くするようにすることは知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、従来、処理室内のクリーニングガスの圧力をクリーニングに適する所定値に維持してクリーニングを行うことも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−151497号公報
【特許文献2】特開2002−231712号公報
【特許文献3】特開2001−81545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜特許文献3に記載された従来の技術は、処理室内のクリーニングに関しては、クリーニングガスの圧力を成膜時よりも高くしたり、所定値にすることにより、処理室内のクリーニングを良好に行って、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるようにしている。
しかしながら、処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管が処理室に接続され、処理室内のクリーニングガスの圧力の制御は、吸気配管における処理室との接続口近傍に設けられた圧力制御弁により行なわれるため、クリーニング時には圧力制御弁の開度が絞られて、圧力制御弁と真空ポンプとの間の吸気配管のクリーニングガスの圧力は処理室内のクリーニングガスの圧力よりも低い状態、すなわち、高真空状態となる。
【0005】
したがって、従来のクリーニング方法は、吸気配管内のクリーニングガスの圧力が最適値よりも低下し、吸気配管内のクリーニングに要する時間が長くかかり、成膜装置又は結晶成長装置の成膜処理又は結晶成長処理を行う時間が短くなり、成膜装置又は結晶成長装置の生産性が低下するという課題があった。
また、クリーニングに要する時間が長いことに伴ってクリーニングに要するガスの消費量が大きいという課題があった。
【0006】
なお、従来のクリーニング方法において、圧力制御弁を吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に設けることにより、吸気配管内についても処理室内と同様の圧力にすることも考えられる。
しかし、このようにした場合、処理室と真空ポンプの設置上の制約から、吸気配管の長さが4m〜20mで、配管径が40mm〜250mmであり、吸気配管の内容積分について、成膜用又は結晶成長用のガスが必要となるとともに高速高精度の制御を要求される圧力制御弁の応答性が悪くなるために、圧力制御弁は吸気配管における処理室との接続口近傍に設けることが行われているのである。
【0007】
本発明は、このような従来の成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法が有していた課題を解決しようとするものであり、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管内又は該吸気配管内と前記処理室内とにおけるクリーニングガスの圧力を、クリーニングに適する圧力にして、前記吸気配管内又は該吸気配管内と前記処理室内とをクリーニングすることにより、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくするようにしたクリーニング方法とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【0009】
請求項2に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記圧力制御弁を全開にして、回転数を調整可能に構成した前記真空ポンプの回転数を調整することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【0010】
請求項3に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁を閉じて、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給することにより、
前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、
前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記処理室及び前記吸気配管に封入した前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを排気する排気工程を形成し、
前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記処理室内及び前記吸気配管内をクリーニングするようにしたものである。
【0011】
請求項4に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【0012】
請求項5に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記装置仕切弁を閉じ、回転数を調整可能に構成した前記真空ポンプの回転数を調整することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【0013】
請求項6に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁及び前記開閉弁を閉じて、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給することにより、
前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、
前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記吸気配管に封入した前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを排気する排気工程を形成し、
前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記吸気配管内をクリーニングするようにしたものである。
【0014】
請求項7に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、請求項3又は6に係る本発明の構成に加え、封入工程における封入圧力を検出し、検出値又はその演算値と設定値とを比較することにより、クリーニングの終点を検出するようにしたものである。
【0015】
請求項8に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、請求項1、2、4又は5に係る本発明の構成に加え、発光スペクトルの強度を監視する監視室を設け、前記監視室に監視用真空ポンプを接続し、吸気配管の他端側に接続した真空ポンプの出口の排ガスの一部をマスフローコントローラを介して前記監視室に導き、前記監視室に導かれた排ガスをプラズマ発生装置によりプラズマ化し発光スペクトルの強度を監視して、クリーニングの終点を検出するようにしたものである。
【0016】
請求項9に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、
前記処理室に、クリーニングガスとして、下記(1)、(3)、(4)若しくは(5)に記載のいずれかの混合ガス又は下記(2)に記載のいずれかの単体ガスを供給し、
(1)フッ素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(2)三フッ化窒素単体又は三フッ化塩素単体
(3)三フッ化窒素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(4)三フッ化塩素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(5)四フッ化二カーボン、八フッ化三カーボン、六フッ化硫黄又はフッ化カルボニルと 、酸素ガスとの混合ガス
さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記処理室内又は処理室外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【0017】
請求項10に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを排気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室の接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、
前記吸気配管に、クリーニングガスとして、下記(1)、(3)、(4)若しくは(5)に記載のいずれかの混合ガス又は下記(2)に記載のいずれかの単体ガスを供給し、
(1)フッ素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(2)三フッ化窒素単体又は三フッ化塩素単体
(3)三フッ化窒素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(4)三フッ化塩素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(5)四フッ化二カーボン、八フッ化三カーボン、六フッ化硫黄又はフッ化カルボニルと 、酸素ガスとの混合ガス
さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記吸気配管内又は吸気配管外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、前記処理室に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給するとともに、前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室内及び吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
特に、吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
【0019】
請求項2に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給するとともに、前記処理室に接続された吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた圧力制御弁を全開にし、前記処理室に接続の吸気配管に設けられた真空ポンプの回転数を調整可能に構成して該真空ポンプの回転数を調整することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、請求項1に係る本発明と同様な効果を奏することができるのである。
【0020】
請求項3に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁を閉じて、前記処理室に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記特定のクリーニングガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記処理室及び前記吸気配管に封入した前記特定のクリーニングガスを排気する排気工程を形成し、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記処理室内及び前記吸気配管内をクリーニングするようにしたものであるから、請求項1に係る本発明と同様な効果を奏することができるのである。
【0021】
請求項4に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、前記吸気配管に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給するとともに、前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【0022】
請求項5に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給するとともに、前記処理室に接続された吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた装置仕切弁を閉じ、前記処理室に接続の吸気配管に設けられた真空ポンプの回転数を調整可能に構成して該真空ポンプの回転数を調整することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、請求項4に係る本発明と同様な効果を奏することができるのである。
【0023】
請求項6に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた装置仕切弁を及び前記開閉弁を閉じて、前記吸気配管に三フッ化塩素などからなる特定のクリーニングガスを供給することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記特定のクリーニングガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記吸気配管に封入した前記特定のクリーニングガスを排気する排気工程を形成し、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記吸気配管内をクリーニングするようにしたものであるから、請求項4に係る本発明と同様な効果を奏することができるのである。
【0024】
請求項7に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、請求項3又は6に係る本発明の効果に加え、封入工程における封入圧力を検出し、検出値又はその演算値と設定値とを比較することにより、クリーニングの終点を検出するようにしたから、成膜用又は結晶成長用の処理室において、各種の処理を行った後のクリーニングであっても、前記処理室内と前記吸気配管内又は前記吸気配管内に付着した堆積膜の状況に応じて的確なクリーニングの終点を検出することができ、クリーニングの過不足をなくすことができるのである。
【0025】
請求項8に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、請求項1、2、4又は5に係る本発明の効果に加え、発光スペクトルの強度を監視する監視室を設け、前記監視室に監視用真空ポンプを接続し、吸気配管の他端側に接続した真空ポンプの出口の排ガスの一部をマスフローコントローラを介して前記監視室に導き、前記監視室に導かれた排ガスをプラズマ発生装置によりプラズマ化し発光スペクトルの強度を監視して、クリーニングの終点を検出するようにしたから、成膜用又は結晶成長用の処理室において、各種の処理を行った後のクリーニングであっても、前記処理室内と前記吸気配管内又は前記吸気配管内に付着した堆積膜の状況に応じて的確なクリーニングの終点を検出することができ、クリーニングの過不足をなくすことができるのである。
【0026】
請求項9に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、前記処理室に特定のフッ素系ガスなどからなるクリーニングガスを供給するとともに、さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記処理室内又は処理室外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室内及び吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
特に、吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
【0027】
請求項10に係る本発明の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法は、減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に接続された吸気配管における真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に設けられた装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、前記吸気配管に特定のフッ素系ガスなどからなるクリーニングガスを供給し、さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記吸気配管内又は吸気配管外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングするようにしたから、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図2】本発明の第二の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図3】本発明の第三の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図4】本発明の第三の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法における圧力変化を示す説明図
【図5】本発明の第四の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図6】本発明の第五の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図7】本発明の第六の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図8】本発明の第七の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図9】本発明の第八の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図10】本発明の第九の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図11】本発明の第十の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【図12】本発明の第十一の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法の概略を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
本発明の第一の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図1の概略説明図を参照しながら説明する。
【0030】
1は減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室であり、処理室1に、クリーニングガスの供給路2と、前記処理室1から真空ポンプ4によりガスを吸気する吸気配管6とが接続されている。
前記クリーニングガスの供給路2にはマスフローコントローラ2a及び開閉弁2bを介設している。
【0031】
前記吸気配管6における前記処理室1との接続口6a近傍に装置仕切弁7及び圧力制御弁8を設け、前記吸気配管6の他端側に前記真空ポンプ4を接続し、さらに、前記吸気配管6における前記真空ポンプ4との接続口6b近傍に、開度調節可能な開閉弁9を設けている。
前記真空ポンプ4の排気側に排ガス路10を設けており、排ガス路10には、必要に応じて排ガス中の有害又は危険なガスを吸着又は分解する処理装置を設けるのである。
【0032】
前記処理室1は、成膜用の処理室として成膜を行う場合、図示していないが、例えば、液晶ディスプレイ用のポリシリコン薄膜の材料となるアモルファスシリコン膜をガラス基板にプラズマCVDで成膜したり、薄膜太陽電池用のアモルファスシリコン膜やマイクロクリスタルシリコン膜をガラス基板にプラズマCVDで成膜したりするのであり、薄膜を形成するのに必要な成膜用のガス及び希釈ガスを処理室1に供給して成膜を行うのである。
また、前記処理室1は、結晶成長用の処理室として結晶成長を行う場合、図示していないが、例えば分子線結晶成長法(Molecular Beam Epitaxy)などの結晶成長法により、バルク型シリコン太陽電池用の結晶薄膜を形成するのである。
【0033】
処理室1による成膜用又は結晶成長用の処理については、実用化されており、本発明の技術的特徴とは無関係であるので図示及び説明を省略する。
そして、処理室1で成膜処理又は結晶成長処理を所定回数継続すると、処理室1内及び吸気配管6内に、アモルファスシリコンやマイクロクリスタルシリコンのチッピングによる粉体、成膜用又は結晶成長用の材料である非晶質珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸化窒化珪素などの珪素化合物、ドーパントであるモリブデン、タンタル、タングステン、砒素、ボロン、リン、ゲルマニウム、アンチモンなどの堆積膜が生じ、製品の薄膜の品質を維持するために、定期的にクリーニングをすることが必要である。
【0034】
第一の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を開き、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路2に介設した開閉弁2bを開き、マスフローコントローラ2aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、前記処理室1に、クリーニングガスとしての三フッ化塩素を前記供給路2から供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記処理室1内及び前記吸気配管6内を所定圧力、例えば5kPaに保持してクリーニングするのである。
なお、三フッ化塩素のクリーニングに適する所定圧力は、三フッ化塩素のクリーニング時の温度や堆積膜の種類などから決定するのである。
【0035】
そして、以上のクリーニング方法を行うことにより、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室1内及び吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
特に、吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
【0036】
以上の第一の実施の形態ではクリーニングガスとして三フッ化塩素単体を用いたが、三フッ化塩素と、三フッ化塩素に対して不活性な窒素ガスとの混合ガスをクリーニングガスとして用いてもよく、この場合、窒素ガス用のマスフローコントローラ及び開閉弁を介設した供給路を前記供給路2と並列に設けるとともに、合流させて前記処理室1に前記混合ガスを供給するのであり、クリーニング時の前記処理室1内及び前記吸気配管6内の所定圧力は窒素ガスの混合割合に応じて高くするのである。
また、クリーニングガスとしては、三フッ化塩素単体又は三フッ化塩素と窒素ガスとの混合ガスに替えて、フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれるハロゲン間化合物ガス単体でもよく、また、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガスでもよく、また、前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガスでもよく、さらに、前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスでもよい。
【0037】
これらの場合、クリーニングガスの性状に応じて前記処理室1内及び前記吸気配管6内の所定圧力が0.5kPa〜80kPaの範囲となるように、前記開閉弁9の開度を調節するのである。
また、クリーニングガスとして前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス又は前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスとする場合、ハロゲン間化合物ガスと不活性なガスとの混合割合は前記処理室1の内壁及び前記吸気配管6の内面などに付着した堆積膜の量、厚さ、組成などに応じて決定するのである。
【0038】
なお、クリーニング時の前記開度調節可能な開閉弁9の開度の調節は、前記吸気配管6内の圧力を検出して、所定圧力になるように開度制御装置により行ってもよく、また、処理室1において同じ成膜処理又は同じ結晶成長処理を行う場合には、予め定めた設定開度でクリーニングを行うようにしてもよい。
また、クリーニングの終了については、クリーニング時間を設定して、設定時間が経過すれば、クリーニングを終了するようにしてもよく、公知のクリーニング終了手段を採用してもよい。
【0039】
次に、本発明の第二の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図2の概略説明図を参照しながら説明する。
以下、第一の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図2に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
【0040】
第一の実施の形態では、前記吸気配管6における前記真空ポンプ4との接続口6b近傍に、開度調節可能な開閉弁9を設けて、クリーニング時に前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力が所定圧力となるように調節したが、第二の実施の形態では、前記開閉弁を設けることなく、前記吸気配管6の他端側に回転数を調整可能な真空ポンプ5を接続し、この真空ポンプ5の回転数の調整を吸気配管6内の圧力を検出する圧力検出器5a及び圧力制御装置5bにより行うようにしている。
そして、第二の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を開き、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路2に介設した開閉弁2bを開き、マスフローコントローラ2aを所定値に設定し、前記処理室1に、クリーニングガスとしての三フッ化塩素を前記供給路2から供給するとともに、前記真空ポンプ5の回転数を調整することにより、前記処理室1内及び前記吸気配管6内を所定圧力、例えば5kPaに保持してクリーニングするのである。
【0041】
以上の第二の実施の形態に係るクリーニング方法を行うことにより、第一の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室1内及び吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
特に、吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
【0042】
また、クリーニングの終了については、第一の実施の形態と同様に、クリーニング時間を設定して、設定時間が経過すれば、クリーニングを終了するようにしてもよく、公知のクリーニング終了手段を採用してもよい。
【0043】
次に、本発明の第三の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図3の概略説明図及び図4の圧力変化を示す説明図を参照しながら説明する。
以下、第一の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図3に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
【0044】
第一の実施の形態では、前記吸気配管6における前記真空ポンプ4との接続口6b近傍に、開度調節可能な開閉弁9を設けて、クリーニング時に前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力が所定圧力となるように調節したが、第三の実施の形態では、開度調節可能な開閉弁9に替えて、開閉可能な開閉弁9aとするとともに、吸気配管6内の圧力を検出する封入圧力検出器11と、クリーニングの終点を検出する終点検出装置11aとを設けている。
そして、第三の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を開き、前記圧力制御弁8を全開とし、前記開閉弁9aを閉じて、前記処理室1に、クリーニングガスを供給路2から供給することにより、前記処理室1内及び前記吸気配管6内が所定圧力となるようにクリーニングガスを封入し、次に、供給路2の開閉弁2bを閉じてクリーニングガスの封入を終わって、封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、前記開閉弁9aを開くとともに前記真空ポンプ4を稼動して前記処理室1及び前記吸気配管6に封入したクリーニングガスを排気する排気工程を形成し、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記処理室1内及び前記吸気配管6内をクリーニングするようにしたものである。
【0045】
このように、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記処理室1内及び前記吸気配管6内をクリーニングすることにより、第一の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室1内及び吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
特に、吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
【0046】
また、第三の実施の形態では、さらに、以下に説明するように、クリーニングの終点を的確に検出して過不足のないクリーニングを行うことができるようにしているのである。
図4に、前記封入工程と前記排気工程とにおける前記吸気配管6内及び前記処理室1内の圧力の変化を時間Tを横軸に、圧力Pを縦軸にして示している。
【0047】
図4において、P1〜P20が封入工程を示しており、E1〜E20が排気工程を示しており、P1〜P6の封入工程では、クリーニングガスを封入すると処理室1内及び吸気配管6内に堆積した堆積膜とクリーニングガスとが反応して反応化合物のガスが発生して圧力が上昇することを示しており、堆積膜のクリーニングが終了していないことを示している。
そして、封入後に圧力の上昇がなくなることは、クリーニングが終了したことを示しており、P10以降の封入工程においては、クリーニングが終了したことを示している。
【0048】
そこで、前記終点検出装置11aは封入圧力検出器11で吸気配管6内の圧力を検出した検出値又はその演算値を設定値と比較することによりクリーニングの終点を検出するようにしている。
例えば、終点検出装置11aは封入圧力検出器11で吸気配管6内の圧力を検出した検出値を、堆積膜が全く存在しない状態で検出した検出値である設定値と比較したり、検出値の変化を微分したり、前回の検出値と今回の検出値とを比較することなどにより、クリーニングの終点を検出することができるのである。
【0049】
なお、クリーニングの終点を検出して直ぐにクリーニングを終了してもよく、クリーニングの完全を期すためにクリーニングの終点を検出後に数回の封入工程と排気工程とを行ってクリーニングを終了してもよい。
また、以上の第三の実施の形態では、クリーニングの終点を検出するようにしたが、クリーニングの終点の検出を省略することもでき、この場合、クリーニングの終了は、封入工程と排気工程とを繰り返す回数を予め設定して、クリーニングを終了するようにしてもよい。
【0050】
次に、本発明の第四の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図5の概略説明図を参照しながら説明する。
以下、第一の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図5に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
【0051】
第一の実施の形態では処理室1にクリーニングガスの供給路2を接続するようにしていたが、第四の実施の形態では前記吸気配管6における前記処理室1との接続口6a近傍に設けた装置仕切弁7と圧力制御弁8との間の吸気配管6にクリーニングガスの供給路3を接続し、この供給路3にマスフローコントローラ3a及び開閉弁3bを介設したのである。
そして、第四の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を閉じ、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路3に介設した開閉弁3bを開き、マスフローコントローラ3aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、前記吸気配管6に、クリーニングガスを前記供給路3から供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記吸気配管6内を所定圧力に保持してクリーニングするのである。
【0052】
このように、第四の実施の形態に係るクリーニング方法を行うことにより、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
なお、この第四の実施の形態では、前記処理室1内のクリーニングを対象としていないが、処理室1内のクリーニングは別途人手で行うようにするのである。
【0053】
処理室1内のクリーニングを人手で行うのは、処理室1で成膜又は結晶成長を行う製品の中には、処理室1内にハロゲン間化合物の微量が残存することを避けなければならない製品があるからである。
また、クリーニングの終了は、第一の実施の形態と同様に、クリーニング時間を設定して、設定時間が経過すれば、クリーニングを終了するようにしてもよく、公知のクリーニング終了手段を採用してもよい。
【0054】
次に、本発明の第五の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図6の概略説明図を参照しながら説明する。
以下、第二の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図6に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
【0055】
第二の実施の形態では処理室1にクリーニングガスの供給路2を接続するようにしていたが、第五の実施の形態では前記吸気配管6における前記処理室1との接続口6a近傍に設けた装置仕切弁7と圧力制御弁8との間の吸気配管6にクリーニングガスの供給路3を接続し、この供給路3にマスフローコントローラ3a及び開閉弁3bを介設したのである。
そして、第五の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を閉じ、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路3に介設した開閉弁3bを開き、マスフローコントローラ3aを所定値に設定し、前記吸気配管6にクリーニングガスを前記供給路3から供給するとともに、前記真空ポンプ5の回転数を調整することにより前記吸気配管6内を所定圧力に保持してクリーニングするのである。
【0056】
このように、第五の実施の形態に係るクリーニング方法を行うことにより、第四の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
なお、処理室1のクリーニングについては、第四の実施の形態と同様に別途人手でおこなうのである。
【0057】
また、クリーニングの終了については、第二の実施の形態と同様に、クリーニング時間を設定して、設定時間が経過すれば、クリーニングを終了するようにしてもよく、公知のクリーニング終了手段を採用してもよい。
【0058】
次に、本発明の第六の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図7の概略説明図を参照しながら説明する。
以下、第三の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図7に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
【0059】
第三の実施の形態では処理室1にクリーニングガスの供給路2を接続するようにしていたが、第六の実施の形態では前記吸気配管6における前記処理室1との接続口6a近傍に設けた装置仕切弁7と圧力制御弁8との間の吸気配管6にクリーニングガスの供給路3を接続し、この供給路3にマスフローコントローラ3a及び開閉弁3bを介設したのである。
そして、第六の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を閉じ、前記圧力制御弁8を全開とし、前記開閉弁9aを閉じて、前記吸気配管6に、クリーニングガスを供給路3から供給することにより、前記吸気配管6内を所定圧力でクリーニングガスを封入し、次に、供給路3の開閉弁3bを閉じてクリーニングガスの封入を終わって、封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、前記開閉弁9aを開くとともに前記真空ポンプ4を稼動して前記吸気配管6に封入したクリーニングガスを排気する排気工程とを形成し、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記吸気配管6内をクリーニングするようにしたものである。
【0060】
このように、前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記吸気配管6内をクリーニングすることにより、第四の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
なお、処理室1のクリーニングについては、第四の実施の形態と同様に別途人手でおこなうのである。
【0061】
また、第六の実施の形態では、さらにクリーニングの終点を的確に検出して過不足のないクリーニングを行うことができるようにしているのであり、この点は第三の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
さらに、以上の第六の実施の形態では、クリーニングの終点を検出するようにしたが、クリーニングの終点の検出を省略することもでき、この場合、クリーニングの終了は、第三の実施の形態と同様に、封入工程と排気工程とを繰り返す回数を予め設定して、クリーニングを終了するようにしてもよい。
【0062】
次に、本発明の第七の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図8の概略説明図を参照しながら説明する。
第七の実施の形態は、第一の実施の形態における排ガス路10に、排ガス分岐路12を付設してクリーニングの終点を検出するようにしたものである。
【0063】
以下、第一の実施の形態と異なる点を説明する。
図8において、排ガス路10には排ガス分岐路12を分岐して接続し、排ガス分岐路12の端部に発光スペクトルの強度を監視する監視室13を設けている。
前記監視室13に監視用真空ポンプ13aを接続し、排ガス路10の排ガスの一部をマスフローコントローラ12aを介して排ガス分岐路12から監視室13に導くようにしている。
【0064】
また、前記監視室13に導かれた排ガスは高周波電源14a及び電極14b、14cを備えプラズマ発生装置14によりプラズマ化されて発光スペクトルの強度を発光スペクトルの強度監視装置15により監視するようにしている。
発光スペクトルの強度監視装置15はクリーニングの進行に伴い、処理室1内及び吸気配管6内に付着していた堆積膜の反応生成ガスが減少し、発光スペクトルの強度が低下し、この強度低下を設定値と比較してクリーニングの終点を検出するのである。
【0065】
なお、監視用真空ポンプ13aの出口は排ガス合流路12bにより、前記排ガス路10に合流するようにしている。
そして、第七の実施の形態に係るクリーニング方法は、第一の実施の形態に、発光スペクトルの強度を監視する監視室13を設け、前記監視室13に監視用真空ポンプ13aを接続し、吸気配管6の他端側に接続した真空ポンプ4の出口の排ガスの一部をマスフローコントローラ12aを介して前記監視室13に導き、前記監視室13に導かれた排ガスをプラズマ発生装置14によりプラズマ化し発光スペクトルの強度を強度監視装置15により監視して、クリーニングの終点を検出するようにしたから、第一の実施の形態による処理室1ない及び吸気配管6内のクリーニングを行うことができながら、成膜用又は結晶成長用の処理室1において、各種の処理を行った後のクリーニングであっても、前記処理室1内と前記吸気配管6内に付着した堆積膜の状況に応じて的確なクリーニングの終点を検出することができ、クリーニングの過不足をなくすことができるのである。
【0066】
なお、強度監視装置15によりクリーニングの終点を検出して直ぐにクリーニングを終了してもよく、クリーニングの完全を期すためにクリーニングの終点を検出後に一定時間クリーニングを行った後にクリーニングを終了してもよい。
以上の第七の実施の形態では、第一の実施の形態における排ガス路10にクリーニングの終点検出機構を付設したが、第二の実施の形態、第四の実施の形態又は第五の実施の形態における排ガス路10にクリーニングの終点検出機構を付設するようにしてもよい。
この場合、第二の実施の形態、第四の実施の形態又は第五の実施の形態においても、成膜用又は結晶成長用の処理室1において、各種の処理を行った後のクリーニングであっても、前記処理室1内と前記吸気配管6内又は前記吸気配管6内に付着した堆積膜の状況に応じて的確なクリーニングの終点を検出することができ、クリーニングの過不足をなくすことができるのである。
【0067】
次に、本発明の第八の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図9の概略説明図を参照しながら説明する。
第八の実施の形態は、第一の実施の形態における処理室1内にクリーニングガスのプラズマ発生装置16を利用してクリーニングガスをプラズマ化してクリーニングをするようにしたものであり、クリーニングガスも第一の実施の形態とは異なっている。
【0068】
以下、第一の実施の形態と異なる点を説明する。
図9において、処理室1内に、高周波電源16aに接続した上部電極16aと下部電極16bとから構成したプラズマ発生装置16を配設し、供給路2から処理室1に供給するクリーニングガスをプラズマ化するようにしている。
【0069】
第八の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を開き、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路2に介設した開閉弁2bを開き、マスフローコントローラ2aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、前記処理室1に、クリーニングガスとしての三フッ化窒素を前記供給路2から供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記処理室1内及び前記吸気配管6内を所定圧力、例えば300Paに保持してクリーニングするのである。
そして、以上のクリーニング方法を行うことにより、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室1内及び吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【0070】
特に、吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
以上の第八の実施の形態ではクリーニングガスとして三フッ化窒素単体を用いたが、三フッ化窒素と、ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つのガスを含む混合ガスをクリーニングガスとして用いてもよく、この場合、それぞれのガスのマスフローコントローラ及び開閉弁を介設した供給路を前記供給路2と並列に設けるとともに、合流させて前記処理室1に前記混合ガスを供給するのであり、クリーニング時の前記処理室1内及び前記吸気配管6内の所定圧力はプラズマ化に適する圧力とするのである。
【0071】
また、クリーニングガスとしては、三フッ化窒素単体又は三フッ化窒素との前記混合ガスに替えて、下記(1)、(3) 若しくは(4)に記載のいずれかの混合ガス又は下記(2)に記載の単体ガスでもよい。
(1)フッ素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(2)三フッ化塩素単体
(3)三フッ化塩素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(4)四フッ化二カーボン、八フッ化三カーボン、六フッ化硫黄又はフッ化カルボニルと 、酸素ガスとの混合ガス
【0072】
これらの場合、クリーニングガスの性状に応じて前記処理室1内及び前記吸気配管6内の所定圧力が50Pa〜1.1kPaの範囲となるように、前記開閉弁9の開度を調節するのである。
なお、クリーニング時の前記開度調節可能な開閉弁9の開度の調節は、前記吸気配管6内の圧力を検出して、所定圧力になるように開度制御装置により行ってもよく、また、処理室1において同じ成膜処理又は同じ結晶成長処理を行う場合には、予め定めた設定開度でクリーニングを行うようにしてもよい。
【0073】
また、クリーニングの終了については、公知のクリーニング終了手段、例えば発光スペクトルの強度の監視、クリーニング時間の設定、開閉弁9の開度検出などを採用することができる。
【0074】
次に、本発明の第九の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図10の概略説明図を参照しながら説明する。
第九の実施の形態は、第八の実施の形態におけるクリーニングガスのプラズマ化を処理室1内に替えて、クリーニングガスの供給路3でクリーニングガスのプラズマ化を行うようにしたものである。
【0075】
以下、第八の実施の形態と異なる点を説明する。
図10において、クリーニングガスの供給路2に介設したプラズマ発生室17a内に高周波電源17bに接続した上部電極17cと下部電極17dとから構成したプラズマ発生装置17を形成し、供給路2から処理室1に供給するクリーニングガスをプラズマ化するようにしている。
【0076】
第九の実施の形態に係るクリーニング方法は、前記装置仕切弁7を開き、前記圧力制御弁8を全開とし、前記供給路2に介設した開閉弁2bを開き、マスフローコントローラ2aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、前記処理室1に、クリーニングガスとしての三フッ化窒素を前記プラズマ発生装置17でプラズマ化して、前記供給路2から供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記処理室1内及び前記吸気配管6内を所定圧力、例えば300Paに保持してクリーニングするのである。
そして、以上のクリーニング方法を行うことにより、第八の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に処理室1内及び吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【0077】
特に、吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができるので、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができるのである。
なお、クリーニングの終了については、第八の実施の形態と同様に、公知のクリーニング終了手段、例えば発光スペクトルの強度の監視、クリーニング時間の設定、開閉弁9の開度検出などを採用することができる。
【0078】
次に、本発明の第十の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図11の概略説明図を参照しながら説明する。
第十の実施の形態は、第四の実施の形態におけるクリーニングガスの供給路3にクリーニングガスのリモートプラズマ発生装置18を設けてクリーニングガスをプラズマ化してクリーニングするようにしたものである。
【0079】
以下、第四の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図11に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
第十の実施の形態は吸気配管6に接続したクリーニングガスの供給路2に、プラズマ発生室18aを介設し、このプラズマ発生室18a内に高周波電源18bに接続した上部電極18cと下部電極18dとから構成したプラズマ発生装置18を形成し、供給路2から吸気配管6に供給するクリーニングガスをプラズマ化するようにしている。
【0080】
第十の実施の形態に係るクリーニング方法は、装置仕切弁7を閉じ、圧力制御弁8を全開とし、前記供給路2に介設した開閉弁2bを開き、マスフローコントローラ2aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、クリーニングガスとしての三フッ化窒素を前記プラズマ発生装置18でプラズマ化して、前記供給路2から供給するとともに、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記吸気配管6内を所定圧力、例えば300Paに保持してクリーニングするのである。
そして、以上のクリーニング方法を行うことにより、第四の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【0081】
なお、この第十の実施の形態では、前記処理室1内のクリーニングを対象としていないが、処理室1内のクリーニングは別途人手で行うようにするのである。
また、クリーニングの終了については、第九の実施の形態と同様に、公知のクリーニング終了手段、例えば発光スペクトルの強度の監視、クリーニング時間の設定、開閉弁9の開度検出などを採用することができる。
【0082】
次に、本発明の第十一の実施の形態に係る減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法を図12の概略説明図を参照しながら説明する。
第十一の実施の形態は、第十の実施の形態における供給路3に設けたクリーニングガスのリモートプラズマ発生装置18に替えて、吸気配管6内にクリーニングガスのプラズマ発生装置19を設けてクリーニングガスをプラズマ化するようにしたものである。
【0083】
以下、第十の実施の形態と同様なクリーニング方法については、図12に同一の符号を付して説明を省略ないし簡略にして説明する。
第十一の実施の形態は吸気配管6に高周波電源19aに接続した電極管19bを設け、ステンレススチールからなる吸気配管6に高周波電源19aを接続して電極管19cとして、電極管19bと電極管19c(吸気配管6)との間で放電させて、吸気配管6内をクリーニングするクリーニングガスをプラズマ化するようにしている。
【0084】
第十一の実施の形態に係るクリーニング方法は、装置仕切弁7を閉じ、圧力制御弁8を全開とし、前記供給路3に介設した開閉弁3bを開き、マスフローコントローラ3aを所定値に設定し、前記開閉弁9の開度を前記吸気配管6内の圧力がクリーニングに適する所定圧力となるように調節して、クリーニングガスとしての三フッ化窒素を前記供給路3から吸気配管6に供給するとともに前記プラズマ発生装置19でプラズマ化して、前記真空ポンプ4を稼動することにより、前記吸気配管6内を所定圧力、例えば300Paに保持してクリーニングするのである。
そして、以上のクリーニング方法を行うことにより、第十の実施の形態と同様に、成膜処理又は結晶成長処理時に吸気配管6内に付着した堆積膜を良好に除去することができ、成膜装置又は結晶成長装置の修理や分解をする際に、有害、危険な堆積膜による災害を防止することができ、さらに、クリーニングに要する時間を短縮するとともに、クリーニングガスの消費量を少なくすることができるのである。
【0085】
なお、この第十一の実施の形態では、前記処理室1内のクリーニングを対象としていないが、処理室1内のクリーニングは別途人手で行うようにするのである。
また、クリーニングの終了については、第十の実施の形態と同様に、公知のクリーニング終了手段、例えば発光スペクトルの強度の監視、クリーニング時間の設定、開閉弁9の開度検出などを採用することができる。
【0086】
以上の第一〜第十一の実施の形態では、クリーニングガスの供給路1、3にはマスフローコントローラ2a、3a及び開閉弁2b、3bを設けたが、これらに替えて開度調節可能な開閉弁により、クリーニングガスの供給量を調節及び供給路の閉止を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 処理室
2、3 クリーニングガスの供給路
4、5 真空ポンプ
6 吸気配管
6a 吸気配管における処理室との接続口
6b 吸気配管における真空ポンプとの接続口
7 装置仕切弁
8 圧力制御弁
9 開度調節可能な開閉弁
9a 開閉可能な開閉弁
10 排ガス路
12a マスフローコントローラ
13 監視室
13a 監視用真空ポンプ
14、15、16、17、18、19 プラズマ発生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項2】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記圧力制御弁を全開にして、回転数を調整可能に構成した前記真空ポンプの回転数を調整することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項3】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁を閉じて、
前記処理室に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給することにより、
前記処理室内及び前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、
前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記処理室及び前記吸気配管に封入した前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを排気する排気工程を形成し、
前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記処理室内及び前記吸気配管内をクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項4】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項5】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給するとともに、
前記装置仕切弁を閉じ、前記圧力制御弁を全開にして、回転数を調整可能に構成した前記真空ポンプの回転数を調整することにより、前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項6】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に前記真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプとの接続口近傍に開閉可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁及び前記開閉弁を閉じて、
前記吸気配管に、フッ化塩素、三フッ化塩素、五フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、一塩化臭素、五フッ化ヨウ素及び七フッ化ヨウ素からなる群から選ばれる、ハロゲン間化合物ガス単体若しくは2以上のハロゲン間化合物ガスを含む混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを供給することにより、
前記吸気配管内を0.5kPa〜80kPaの圧力で前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを封入した状態を所定時間保持する封入工程を形成し、
前記開閉弁を開くとともに前記真空ポンプを稼動して前記吸気配管に封入した前記ハロゲン間化合物ガス単体若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガス又は前記ハロゲン間化合物ガス単体と該ガス単体に対して不活性なガスとの混合ガス若しくは前記混合ハロゲン間化合物ガスと該混合ハロゲン間化合物ガスに対して不活性なガスとの混合ガスを排気する排気工程を形成し、
前記封入工程と前記排気工程とを交互に複数回行って前記吸気配管内をクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項7】
封入工程における封入圧力を検出し、検出値又はその演算値と設定値とを比較することにより、クリーニングの終点を検出する
ことを特徴とする請求項3又は6に記載の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項8】
発光スペクトルの強度を監視する監視室を設け、前記監視室に監視用真空ポンプを接続し、吸気配管の他端側に接続した真空ポンプの出口の排ガスの一部をマスフローコントローラを介して前記監視室に導き、前記監視室に導かれた排ガスをプラズマ発生装置によりプラズマ化し発光スペクトルの強度を監視して、クリーニングの終点を検出する
ことを特徴とする請求項1、2、4又は5に記載の減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項9】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを吸気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室との接続口近傍に圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記圧力制御弁を全開とし、前記開閉弁の開度を調節し、
前記処理室に、クリーニングガスとして、下記(1)、(3)、(4)若しくは(5)に記載のいずれかの混合ガス又は下記(2)に記載のいずれかの単体ガスを供給し、
(1)フッ素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(2)三フッ化窒素単体又は三フッ化塩素単体
(3)三フッ化窒素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(4)三フッ化塩素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(5)四フッ化二カーボン、八フッ化三カーボン、六フッ化硫黄又はフッ化カルボニルと 、酸素ガスとの混合ガス
さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記処理室内又は処理室外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記処理室内及び前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。
【請求項10】
減圧可能な成膜用又は結晶成長用の処理室に、成膜用又は結晶成長用のガスを供給する供給路と、前記処理室から真空ポンプによりガスを排気する吸気配管とが接続され、前記吸気配管における前記処理室の接続口近傍に装置仕切弁及び圧力制御弁が設けられ、前記吸気配管の他端側に真空ポンプが接続された減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法であって、
前記吸気配管における前記真空ポンプの接続口近傍に開度調節可能な開閉弁を設け、前記装置仕切弁を閉じ、前記開閉弁の開度を調節し、
前記吸気配管に、クリーニングガスとして、下記(1)、(3)、(4)若しくは(5)に記載のいずれかの混合ガス又は下記(2)に記載のいずれかの単体ガスを供給し、
(1)フッ素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(2)三フッ化窒素単体又は三フッ化塩素単体
(3)三フッ化窒素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(4)三フッ化塩素と、
ヘリウム、アルゴン、キセノン及び窒素ガスからなる群から選ばれる少なくとも一つ のガスを含む混合ガス
(5)四フッ化二カーボン、八フッ化三カーボン、六フッ化硫黄又はフッ化カルボニルと 、酸素ガスとの混合ガス
さらに、前記クリーニングガスをプラズマ発生装置により前記吸気配管内又は吸気配管外でプラズマ化するとともに前記真空ポンプを稼動することにより、前記吸気配管内を50Pa〜1.1kPaの圧力に保持してクリーニングする
ことを特徴とする減圧下で処理を行う成膜装置又は結晶成長装置のクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−208193(P2011−208193A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75179(P2010−75179)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】