説明

磁気抵抗効果素子を用いたメモリおよびその駆動方法

【課題】クロスポイント型のMRAMは回りこみ電流による誤読出しを抑制するために選択トランジスタやダイオードをセル内に必要とするため、セルを小型化することが困難であった。また、1方向のみの駆動電流で書き換えを行うことが困難であった。
【解決手段】非対称性および非線形性を有する磁気抵抗効果素子により、磁気抵抗効果素子のみメモリセルを構成できセル面積の小型化とクロスポイント型のメモリを実現する。さらに、磁気抵抗効果素子の構成と駆動電流方向の組み合わせを適正化することで1方向のみの駆動電流で書き換え可能な不揮発メモリを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信端末などに使用される磁気ランダム・アクセスメモリなどに代表される磁気固体メモリおよびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1998年に非磁性膜を介して交換結合した磁性膜よりなるFe/Cr人工格子膜が巨大磁気抵抗効果素子(GMR)を示すことが発見され(非特許文献1)、GMR膜を用いた高感度磁気センサーやハードディスク用再生磁気ヘッドが製品化された。また、新しいコンセプトのデバイスとしてGMR膜を用いたMRAM(Magnetic Randam Access Memory)の提案もなされた(非特許文献2)。続いて、非磁性層をAl2O3等の絶縁膜を用いたトンネル型磁気抵抗効果素子(TMR)が常温で大きな抵抗変化を示すことが実証され(非特許文献3)、次世代高密度記録を実現するためにハードディスク用再生磁気ヘッドおよびMRAMへの開発がなされている。また、高感度の観点から100%以上の磁気抵抗効果を示すものとして、2つの針状のニッケル(Ni)を突き合わせた「磁気微小接点」、あるいはマグネタイトを接触させた磁気微小接点がバリスティック型磁気抵抗効果素子(BMR)として公開されている(非特許文献4、非特許文献5)。
【0003】
このような磁気抵抗効果素子を用いた磁気メモリは、読み出し信号が比較的大きくとれ、金属のみで形成可能なため素子を配線のクロスポイントに配置するだけでメモリセルを形成できる。このような構造のMRAMはクロスポイント型のMRAMと呼ばれている。
【0004】
しかしながら、従来のクロスポイント型のMRAMでは以下のような問題が生じていた。上記した磁気抵抗効果素子は、印加電圧に比例して電流も増加する線形素子であり、磁化方向により抵抗が変化する抵抗素子である。そのため図11に示すように、選択セルの磁気抵抗効果素子12に書き込まれたデータを読み出す場合、スイッチSW(a)、SW(b-1)をオンすることで、ビット線BL(b-1)及びワード線WL(a)が選択され、読み出し電流が実線の矢印方向に従って磁気抵抗効果素子12に流れる。クロスポイント型メモリの構造上、選択されたビット線BL(b-1)及びワード線WL(a)には選択された磁気抵抗効果素子12以外に複数個の素子が接続されているため、磁気抵抗効果素子12a、12b、12cに点線の矢印方向に電流が回り込んでしまう。この結果、実際の選択セルに流れる読み出し電流に対して、最短距離を通らない回り込み電流の割合が多くなり、誤読み出しが生じてしまうという問題がある。また、この問題は、メモリアレイの規模が大きくなるほど、顕在化してしまう。これらの問題を解決するために、非線形特性を有しない磁気抵抗効果素子と非線形特性を有するトランジスタやダイオードなどを一緒にセル内に配置する。例えば図12(a)、図12(b)に示されるように選択トランジスタ上に素子や、選択トランジスタの代わりにアモルファスシリコンダイオードを用いることで読み出し電流と逆向きに流れる回り込み電流を防止する対策がとられていた(特許文献1、特許文献2)。また、駆動方法としてスピン偏極電子のトルクによって磁性体の磁化方向を反転させることが可能なスピン注入磁化反転方法を用いたメモリ素子が提案されている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2004-303801号公報
【特許文献2】特開2004-153248号公報
【特許文献3】特開2003-204095号公報
【非特許文献1】M.N.Baibich et.at.,Phys.Rev.Lett.61(1988)2472.
【非特許文献2】K.T.m.Ranmuthu et.al.,IEEE Trans.on Magn. 29(1993) 2593.
【非特許文献3】T.Miyazaki et.al. JMMM 109,79 (1995)
【非特許文献4】N.Garcia,M.Munoz,and Y.-W. Zhao,Physical Review Letters,Vol.82,p2923(1999)
【非特許文献5】J.J.Versluijs,M.A.Bari and J.M.D.Coey,Physical Review Letters,vol.87,p26601-1(2001)
【非特許文献6】S. Boussaad and N. J. Tao Applied Physics Letters80(2002)2398
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1および特許文献2に示されるように、選択トランジスタをメモリセル内に配置する方法については、素子に比べて選択トランジスタの面積が大きくなってしまいその結果セル面積の増大につながり、大容量メモリを実現するために大きな障害となってしまうという課題もあった。また、アモルファスシリコンダイオードを使用する場合には、選択トランジスタに比べダイオードの面積が小さいためメモリセルの面積を小さくすることは可能になるが、MRAMに使用する材料が300℃程度の熱処理で界面拡散が生じて特性が劣化するため、アモルファスシリコンやポリシリコンの堆積温度に耐える事ができないという課題もあった。
【0006】
また、メモリ駆動方法としては特許文献3に示されるようにスピン注入磁化反転を用い、電流の方向によって磁化の方向を反転させ、「1」、「0」の情報を書き込むことができる。駆動方法としてスピン注入磁化反転方法を用いると、メモリに情報「1」、「0」を書き込む際に、書き込み電流の方向を切り替える必要があり、1方向のみにしか電流を流さないアモルファスシリコンダイオードを用いるメモリセル構造は使用することが不可能である。従って、選択トランジスタを用いたメモリセル構造を使用する必要があり、メモリセル面積の増大により大容量化が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子により選択トランジスタやダイオードをセル内に配置しなくとも回り込み電流を防止でき、前記磁気抵抗効果素子と、その磁気抵抗効果素子に書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成することが可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。量子コンダクタンスについて説明する。電子が伝導する伝導体が電子の平均自由工程よりも小さくなった場合に量子的な振る舞いを生じる。その量子的な振る舞いとは、電子が結晶内を散乱されること無く通過できる現象であり、バリスティック伝導状態と呼ばれている。この伝導状態では、物質の抵抗値はオームの法則に従わず、数1に示されるように、電子素量eとブランク定数hで示される飛び飛びのエネルギー順位で示される値をとる。この公式はランダウアーの公式と言われ、その値を量子コンダクタンスGで示され、本発明でも同様な定義で使用する。
【0008】
【数1】

【0009】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子であって、構成材料としては、Niをはじめとする金属材料で構成される。通常、素子が金属材料で構成される場合には、素子は線形特性を有する。しかし、本発明では量子コンダクタンスを0.01G0以上かつ0.3G0以下の範囲に適正化することにより金属材料だけの構成であっても非線形特性を有すことが見出された。その結果、選択トランジスタやダイオードをセル内に配置しなくても回り込み電流を防止でき、前記磁気抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0010】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果素子の磁化自由層は非磁性層を挟んで少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記2つの強磁性層の磁化方向が反平行に配置かつ磁気的な結合を有するように配置する。この自由層の非磁性層を介して強磁性層が反平行状態に配置され、かつ磁気的な結合を有する構成によって、スピン偏極された電子は必ず非磁性層を介して配置された強磁性層のどちらかにトルクを加えることが可能となり、1方向の電流のみで自由層を反転させることができる。よって、前記磁気抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0011】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果素子の磁化自由層は非磁性層を挟んで少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記2つの強磁性層の磁化方向が反平行に配置かつ磁気的な結合を有するように配置する。その上、2つの強磁性層の厚みを異なるように配置することで、厚みが同じ場合と比べて小さな電流で磁化を反転できる。これら上記の構成を用いる前記磁気抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0012】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果素子の磁化固定層は反強磁性層を有する。この構成を用いることで磁気抵抗変化が安定的に得られ、読み出し信号も安定的に得られる。これら上記の構成を用いる前記磁気抵抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0013】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化することを特徴とし、スピンの伝送経路および磁化固定体となる磁気特性を有する伝導体とその伝導体を挟み込むように構成された磁性体の構成や配置、形状、大きさ、材料を適正に選択することで主に量子伝導であるバリスティック的な伝導を制御することを可能にする。更に、素子抵抗として示される量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲で非線形特性を有する磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果素子の磁化固定層は反強磁性層を有する。この構成を用いることで磁気抵抗変化が安定的に得られ、読み出し信号も安定的に得られる。その上、非磁性層を挟んで少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記2つの強磁性層は反強磁性結合を有する。この構成によって、素子が小さくなっても安定に磁化固定層の磁化方向を固定することが可能となり、磁気抵抗変化が安定的に得られ、読み出し信号も安定的に得られる。これら上記の構成を用いる前記磁気抵抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0014】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化し、かつ量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲である非線形特性を有する磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗素子とその磁気手抵抗効果素子に書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみから構成されるメモリセルにおいて、前記メモリセルを構成する磁気抵抗効果素子に対して一方向のみに電流を流し磁化方向を変え、素子抵抗を変化させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化し、かつ量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下の範囲である非線形特性を有する磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗素子とその磁気手抵抗効果素子に書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみから構成されるメモリセルにおいて、前記メモリセルを構成する磁気抵抗効果素子に対して一方向のみに電流を流し磁化方向を変え、素子抵抗を変化させることを特徴とする。更に電流を膜面に対して垂直方向に電流を流す構成にすることにより、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0016】
また、本発明はワード線とビット線がマトリックス状に配置され、互いにクロスする位置に前記メモリセルが配置されるクロスポイント構造を有するメモリアレイ構成を有することを特徴とする。これら上記の構成を用いる前記磁気抵抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできるため大容量メモリを実現できる。
【0017】
また、本発明のメモリアレイは絶縁層を介して3次元的に積層されていることを特徴とする。これら上記の構成を用いる前記磁気抵抗効果素子と書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみからメモリセルを構成可能となり、メモリセルの面積を小さくできる。更に前記メモリアレイを絶縁層を介して3次元的に積層することによって大容量メモリを実現できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のV-I特性が非対称で非線形を有する磁気抵抗効果素子を用いることで、誤読出しおよび誤書き込み動作を生じさせる回り込み電流を抑制することが可能となるため、前記磁気抵抗効果素子とその磁気抵抗効果素子に電流を流して書き込み、読出しを行うワード線およびビット線のみで構成可能なクロスポイント型のメモリセルを構成できる。更に前記構成によって、メモリセルの面積は小型化できるため高密度メモリを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の磁気抵抗効果素子(以下、単に「素子」ということがある)の断面概略図である。素子は、2つの強磁性体1a、1a'とこれらの強磁性体間に挟み込むように形成された磁気特性を有する1つ以上の伝導体3、この伝導体3を包み込むように配置された絶縁層2から構成される。強磁性体1a、1a'は伝導体3と物理的に接しており、磁気特性を有する伝導体3を挟み込むように形成された2つの強磁性体1a、1a'の磁化相対角によって抵抗が変化し、かつ量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下である磁気抵抗効果素子1である。図2(a)、(b)は磁気特性を有する伝導体3を挟んで配置された2つの強磁性体1a、1a'の磁化相対角によって抵抗変化率がどのように変化するかを示した図である。図2(a)において、磁気特性を有する伝導体3を挟んで2つの強磁性体1a、1a' の磁化方向は平行である。この時、一方の強磁性体1a'から伝導体3を通ってもう一方の強磁性体1aに電流を流すと、2つの強磁性体の1a、1a'の磁化方向は平行なので電子が散乱されることなく通過する。一方、図2(b)において、磁気特性を有する伝導体3を挟んで2つの強磁性体1a、1a' の磁化方向は反平行である。この時、一方の強磁性体1a'から伝導体3を通ってもう一方の強磁性体1aに電流を流すと、2つの強磁性体の1a、1a'の磁化方向は反平行なので電子が散乱される。この結果、2つの強磁性体1a、1a' の磁化方向が平行時、抵抗は低くなり、反平行時、抵抗は大きくなる。磁気抵抗効果素子1の構成は、図1に示される構成に限らず、図3(a)、(b)に示されるように、2つの強磁性体1a、1a' 、1c、1c'と 伝導体3を構成する材料が異なっても良い。図4に本発明の磁気抵抗効果素子1のV-I特性を示す。電圧の印加方向および電流方向は、図2(a)、(b)に示されるように上から下方向が正(+)、下から上方向が負(−)である。図4に示されるV-I特性からも、この磁気抵抗効果素子1は非線形特性を示すと同時に非対称性を有する。非線形特性を示すだけでなく、この非対称性を有することで選択トランジスタやダイオードをセル内に設けなくとも回り込み電流を防止できる。本発明の磁気抵抗効果素子1を構成する磁化自由層6の磁化方向を反転させる方法としては、スピン偏極電子が磁化に与えるトルクによって磁化方向を回転させるスピン注入磁化反転方法を用いる。このスピン注入磁化反転方法を用いて、V−I特性で非対称および非線形性が得られた0.01G0〜0.3G0の範囲の量子コンダクタンスを有する磁気抵抗効果素子1の磁化自由層6の磁化を反転させるために必要とされた電流密度IはI>107A/cm2であった。この電流密度を各々の量子コンダクタンスで必要とされる電流値に換算し、その電流に対応する印加電圧を求めた値を表1に示す。この表からもわかるように、印加電圧(正方向)と印加電圧(負方向)の電圧差は0.1V以上確保できるため、情報の書き込みまたは読出し時に電流を流した場合、回り込み電流を抑制可能であるため、誤読出し、誤書き込みを低減できる。
【0020】
【表1】

【0021】
メモリセル構造としては、図5に示されるように磁気抵抗効果素子1とワード線、ビット線のみで構成可能となり、セルの小型化が可能となる。なお、磁気抵抗効果素子1を構成する材料としては、電子が伝導する部分がNiを初めとする材料であれば問題ない。
【0022】
次に、本発明の磁気抵抗効果素子1の作製方法を図6(a)〜(c)を用いて説明する。まず、
図6(a)に示すような強磁性層1a'/絶縁層2/強磁性層1aの多層膜をスパッタ装置で成膜する。多層膜をフォトリソグラフィーで素子形状にパターン化し、イオンミリング装置を用いて図6(b)に示すような形状に加工する。図6(b)は基板上に作成された素子を上から見た図である。素子パターンには、次の工程で伝導体3を作製するためにパターン化された素子の一部に突き出し部11を設けている。図6(b)に示されている矢印方向から見た素子の断面図を図6(c)に示す。伝導体3の作製には、Dr.Taoらが発明した原子スケールのポイントコンタクト作製方法である「self-terminated electrochemical method」を用いた(非特許文献6)。この方法は、電気化学法を用いた電気めっきを改良したものであり、簡単な説明図を図6(d)に示す。電源V0、ギャップ抵抗Rgap、そのギャップ電圧Vgap、外部抵抗Rext、その外部抵抗Vextとすると、ギャップ電圧Vgapは数2のように示される。
【0023】
【数2】

【0024】
ギャップの幅が広い場合には、ギャップ抵抗Rgapは非常に大きな109以上の抵抗を示し、Rg≫Rextであり、印加電源電圧V0とギャップ電圧Vgapの関係は数3で示される。
【0025】
【数3】

【0026】
その時、析出速度は最大である。析出が進み、ギャップの幅が狭まってくるとトンネル電流が流れ出し電圧降下が生じるためギャップ抵抗Rgapは減少し、ギャップ電圧Vgapも減少する。ギャップ抵抗Rgapが外部抵抗Rextに比べて非常に小さく、すなわちRgap<<Rextになるとギャップ電圧Vgap〜0になる。すなわち、外部抵抗Rextに依存してギャップ幅(ポイントコンタクト幅)を制御し作製可能となる。この作成方法を用いて今回はポイントコンタクトの作製を行った。図6(e)に示すように、フォトリソグラフィーで作製した素子に電源をつなぎ、外部抵抗12.7kΩで接合の制御を行った。電解液はpH3.3の硫酸ニッケル水溶液を用い、印加電圧-1.0V一定で作製した。電源に-1.0Vを印加すると徐々にニッケルが析出し、おおよそ数分で接合が完了し、図6(f)に示されるような伝導体3が作製される。今回は、突き出し部11を予め作製しておいて、素子側面に伝導体3を作製したが、絶縁層2にスルーホールなどを空けておいて、そのスルーホール内に同様な電気めっきで伝導体3を作製しても同様な効果が得られる。
【0027】
(実施の形態2)
図7(a)は本発明のメモリセルを構成する磁気抵抗効果素子1を示す図である。磁気抵抗効果素子1において、磁化固定層7はNiをはじめとする金属材料1a'と反強磁性材料5から構成される。磁化自由層6を構成する軟磁性材料4は、少なくともFe、Co、Niを含む軟磁性材料が好ましい。また、反強磁性材料5としては IrMn(イリジュ−ム・マンガン)などの低抵抗の金属反強磁性材料が好ましい。図7(a)に示す磁化固定層7に反強磁性体5を用いる構成にすることによって、磁化固定層7は熱などの外乱に対しても磁化方向を安定に固定可能となる。一方、磁化自由層6は、非磁性層8を介して2つの軟磁性層4、4'から構成され、2つの軟磁性層4、4'は磁化方向が反平行に配置かつ磁気的な結合を有していることを特徴とする。なお、磁化固定層7を反強磁性体の代わりに反強磁性結合を有する多層構造を用いた場合の磁気抵抗効果素子1の構成を図7(b)、(c)に示す。磁化固定層7としては、図7(b)に示されるように非磁性層8を介して少なくとも2つの強磁性層1a'から構成され、2つの強磁性層1a'は反強磁性結合を有していること徴とする。この反強磁性結合を有する多層構造にすることで、サイズが小さくなっても磁化固定層7を安定に保持することが可能となり、メモリセルの小型化を実現できる。さらに、磁化固定層7としては、図7(c)に示されるように強磁性層1a'の多層構造にするのではなく、強磁性層1a'とは別の強磁性層9、9'を多層構造にすることで更に磁化固定層の安定性を向上させ、メモリセルの小型化を実現できる。
【0028】
(実施の形態3)
図8(a)、(b)、(c)は、本発明の磁気抵抗効果素子1の駆動方法を説明する図である。駆動方法としては、スピン偏極された電子のトルク効果により磁化を回転させるスピン注入磁化反転方法を用いる。図8(a) 、(b)、(c)において実線矢印は電流方向を示す。一方、点線矢印は電子の流れる方向を示す。電流方向は図8(a)、(b)、(c)において、図面の上から下方向を正(+)とし、電子については下から上へ移動する。この時、磁化固定層7の磁化方向と同じ向きのスピンをもつ電子をe-↑、磁化固定層7と逆向きのスピンをもつ電子をe-↓とする。
【0029】
図8(a)の構成において電流が上から下へ流れる(電子は下から上へ移動する)場合、磁化固定層7と同じ向きのスピンをもつ電子e-↑が伝導体3を通過し、磁化自由層6の一方の軟磁性層4'に対しトルクを与え、電流がある特定の臨界値を超えると磁化方向を磁化固定層7と同方向へ反転させる。磁化自由層6のもう一方の軟磁性層4は非磁性層8を介して軟磁性層4'と磁気的に弱い反強磁性結合しているため、軟磁性層4'が反転するともう一方の軟磁性層4も反転する。また、強磁性層1aも軟磁性層4に磁気的に誘導され軟磁性層4と同じ方向に反転し図8(b)に示すように変わる。図8(b)の状態において、もう一度同じ方向に電流を流すと磁化固定層7と同じ向きのスピンをもつ電子e-↑が伝導体3を通過し、磁化自由層6の一方の軟磁性層4と強磁性層1aに対しトルクを与え、電流がある特定の臨界値を超えると磁化方向を磁化固定層7と同方向へ反転させる。軟磁性層4は非磁性層8を介して軟磁性層4'と磁気的に弱い反強磁性結合しているため、軟磁性層4が反転するともう一方の軟磁性層4'も反転し図8(c)に示されるように磁化が反転する。以上の磁気抵抗効果素子の構成を用いることで、一方向のみの電流で駆動可能な不揮発メモリを実現できる。
【0030】
(実施の形態4)
図9(a)、(b)、(c)は、本発明の磁気抵抗効果素子1の駆動方法を説明する図である。駆動方法としては、実施の形態3と同様にスピン偏極された電子のトルク効果により磁化を回転させるスピン注入磁化反転方法を用いる。図9(a) 、(b)、(c)において実践矢印は電流方向を示す。一方、点線矢印は電子の流れる方向を示す。電流方向は図9(a)、(b)、(c)において、実施の形態3と同様に図面の上から下方向を正(+)とし、電子については下から上へ移動する。磁化固定層7の磁化方向と同じ向きのスピンをもつ電子をe-↑、磁化固定層7と逆向きのスピンをもつ電子をe-↓とする。実施例3と異なる点は、電流の方向と伝導体3のポイントコンタクトの接合方向である。
【0031】
図9(a)の構成において電流が下から上へ流れる(電子は上から下へ移動する)場合、磁化自由層6から流れ込む電子のうち、磁化固定層7と同じ向きのスピンをもつ電子e-↑は伝導体3を通過できるが、磁化固定層7と逆向きのスピンをもつ電子e-↓は伝導体3と磁化固定層7の強磁性層1a'の界面で反射される。この反射された電子電子e-↓が磁化自由層6の強磁性層1aおよび軟磁性層4の磁化と結合して、強磁性層1aおよび軟磁性層4の磁化が磁化固定層7の磁化と反平行になる。その結果、図9(b)で示される状態に変わる。図9(b)の状態において、もう一度同じ方向に電流を流すと磁化固定層7と同じ向きのスピンをもつ電子e-↑は伝導体3を通過できるが、磁化固定層7と逆向きのスピンをもつ電子e-↓は、磁化自由層6の軟磁性体4と非磁性層8の界面で反射される。この反射された電子電子e-↓が磁化自由層6の軟磁性層4'の磁化と結合して、軟磁性層4'の磁化が磁化固定層7の磁化と反平行になる。軟磁性層4'は非磁性層8を介して軟磁性層4と磁気的に弱い反強磁性結合しているため、軟磁性層4'が反転するともう一方の軟磁性層4も反転し図9(c)に示されるように磁化が反転する。以上の磁気抵抗効果素子の構成を用いることで、一方向のみの電流で駆動可能な不揮発メモリを実現できる。
【0032】
なお、1方向の電流で駆動可能な磁気抵抗効果素子1の構成(伝導体3のポイントコンタクトの接合方向)と電流方向の組み合わせは実施の形態3、実施の形態4の他に図8(a)、(b)、(c)の磁気抵抗効果素子1の構成で電流方向が反対の組み合わせと、図9(a)、(b)、(c)の磁気抵抗効果素子1の構成で電流方向が反対の組み合わせの2通りがある。これら残りの2通りは一方向の電流で駆動可能であるが、しかし、図8、図9に示される構成と比べて磁化を反転させるために必要な電流密度が高く、また非線形特性を有するものの図4に示されるような非対称性の効果が小さいため回り込み電流を抑制することができないことがわかった。従って、図8および図9の磁気抵抗効果素子1の素子構成と電流方向の組み合わせが望ましい。
【0033】
(実施の形態5)
図10は、本発明の磁気抵抗効果素子1を有するメモリセルを3×3のマトリックス状に配置した場合の構成を示す。図10に示されるように、ワード線とビット線がマトリックス状に配置され、互いにクロスする位置に磁気抵抗効果素子1のみが配置されるクロスポイント構造を有する。また、本発明のメモリセルは磁気抵抗効果素子1が図4に示すV−I特性において非対称性と非線形性を有する。その結果、クロスポイント型のMRAMで生じていた読み出し時あるいは書き込み時に回り込み電流を抑制でき、誤読出し、誤書き込みの低減を実現できる。また、選択トランジスタやダイオードをセル内に配置しなくてもよいため、セル面積の小型化も含めて実現できる。
【0034】
また、本発明のメモリセルを用いたメモリは、駆動方法としてスピン偏極電子を用いたスピン注入磁化反転方法を用いる。実施の形態4で示した図8および図9の磁気抵抗効果素子1の素子構成と電流を流す方向の組み合わせを適正にすることで1方向の電流によって磁化の方向を反転できることを見出した。その結果、駆動電源も多種類の電源を用いる必要が無く、非常に単純な駆動回路で構成できる。
【0035】
以上の結果、誤読出し、誤書き込みの少ないクロスポイント型の不揮発メモリであって、磁気抵抗効果素子1に対して1方向のみの電流で書き換え可能なメモリを実現できる。
なお、上記クロスポイント型のメモリアレイ構成を絶縁層を介して積層することによって、3次元メモリを実現できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明にかかるメモリ素子およびその駆動方法は、情報通信端末などに使用される磁気ランダム・アクセスメモリなどに代表される磁気固体メモリとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の磁気抵抗効果素子の構成を示す図
【図2】本発明の磁気抵抗効果素子を構成する強磁性層の磁化相対角による抵抗変化を表す図
【図3】本発明の磁気抵抗効果素子の構成を示す図
【図4】本発明の磁気抵抗効果素子のV-I特性を示す図
【図5】本発明の磁気抵抗効果素子の結晶磁気異方性を示す図
【図6】本発明の磁気抵抗効果素子の作製方法を示す図
【図7】本発明の磁気抵抗効果素子の構成を示す図
【図8】本発明の磁気抵抗効果素子の駆動原理を示す図
【図9】本発明の磁気抵抗効果素子の駆動原理を示す図
【図10】本発明のメモリのメモリアレイと駆動電流を示す図
【図11】従来のメモリのメモリアレイの駆動電流および回り込み電流を示す図
【図12】従来のメモリセル構造を示す図
【符号の説明】
【0038】
1 磁気抵抗効果素子
1a、1a' 、1c、1c' 強磁性層
2 絶縁層
3、3' 伝導体
4 軟磁性層
5 反強磁性層
6 自由層
7 固定層
8 非磁性層
9、9' 強磁性層
10 基板
11 突き出し部
12、12a、12b、12c 磁気抵抗効果素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体の1つは前記伝導体と物理的に面で接しており、前記磁性体のもう1つは前記伝導体と物理的に点で接し、抵抗変化の量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下である磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗素子とその磁気抵抗効果素子に書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみから構成されることを特徴とするメモリセル。
【請求項2】
前記メモリセルを構成する前記磁気抵抗効果素子は、非線形特性を有することを特徴とする請求項1記載のメモリセル。
【請求項3】
前記メモリセルを構成する前記磁気抵抗効果素子は、金属材料から構成されることを特徴とする請求項1〜2記載のメモリセル。
【請求項4】
前記磁気抵抗効果素子の磁化自由層は非磁性層を介して少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記2つの強磁性層の磁化方向が反平行に配置かつ磁気的な結合を有していることを特徴とする請求項1〜3記載のメモリセル。
【請求項5】
前記磁気抵抗効果素子の磁化自由層は非磁性層を介して少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記強磁性層の厚みが異なることを特徴とする請求項4記載のメモリセル。
【請求項6】
前記磁気抵抗効果素子の磁化固定層は反強磁性層を有していることを特徴とする請求項1〜5記載のメモリセル。
【請求項7】
前記磁気抵抗効果素子の磁化固定層は非磁性層を介して少なくとも2つの強磁性層から構成され、前記2つの強磁性層は反強磁性結合を有していること徴とする請求項1〜5記載のメモリセル。
【請求項8】
少なくとも2つの磁性体と前記磁性体間に挟み込むように形成された少なくとも1つの磁気特性を有する伝導体から構成され、前記磁性体は前記伝導体と物理的に接しており、前記磁気特性を有する伝導体を挟み込むように形成された2つの磁性体の磁化相対角によって抵抗が変化し、かつ量子コンダクタンスが0.01以上かつ0.3G0以下である磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗素子とその磁気抵抗効果素子に書き込みもしくは読出しに必要な電流を流すための電極、前記電極に接合されるワード線およびビット線のみから構成されるメモリセルにおいて、前記メモリセルを構成する磁気抵抗効果素子に対して一方向のみに電流を流し磁化方向を変え、素子抵抗を変化させることを特徴とする請求項1〜7記載のメモリセルの駆動方法。
【請求項9】
前記メモリセルを構成する磁気抵抗効果素子の膜面に対して垂直方向に電流を流すことを特徴とする請求項8記載のメモリセルの駆動方法。
【請求項10】
前記ワード線とビット線がマトリックス状に配置され、互いにクロスする位置に前記メモリセルが配置されるクロスポイント構造を有することを特徴とする請求項1〜9記載のメモリ。
【請求項11】
前記メモリアレイは絶縁層を介して3次元的に積層されていることを特徴とする請求項10記載のメモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−305823(P2007−305823A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133297(P2006−133297)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】