説明

糸条の異常検知装置

【課題】清掃作業の作業性を向上させることができるとともに、色に関係なく糸条の異常状態を検知することができる糸条の異常検知装置を提供すること。
【解決手段】走行する糸条Y異常を光学的に検知する異常検知装置において、この異常検知回路は、糸条Yに光を照射する発光器31と、走行する糸条をY挟んで発光器31に対向する位置に設けられた反射棒33と、反射棒33に隣接するとともに、反射棒33に対向して設けられ、糸条Yおよび反射棒33から反射された光を受光し、この反射光を電気信号に変換する受光器32と、受光器32から出力される電気信号が入力され、この電気信号の変化状態に基づいて糸条Yの有無を検知する増幅回路35、監視タイマー回路36および出力手段37からなる制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸条の異常検知装置に関し、例えば、走行する糸条の異常を光学的に検知することができる糸条の断糸検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、精紡機で糸条を生産した後の工程において、静電容量を利用した検知装置または光学的な検知装置によって糸条が断糸しているか否か等の異常を検知するようにしている。静電容量を利用した検知装置としては、例えば、図10に示すものが知られている。
【0003】
図10において、静電容量方式は、電極1、電極2の間に糸条Yを走行させ、電極1、電極2によって検知される電位変化を増幅器3によって増幅させるようにしている。このため、糸条Yが電極1、電極2間を走行している状態と走行していない状態の電圧値の違いから糸条Yの断糸を検知することができる。
また、光学的な検知装置としては、光電反射方式(例えば、特許文献1〜3参照)または光電透過方式がある(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
図11は光電反射方式の異常検知装置である。図11において、発光器11は走行する糸条Yに光を照射するようになっており、受光器12は糸条Yからの反射光を受光できる位置に設置されている。
【0005】
図12は発光器11から糸条Yに照射され、糸条Yから受光器12に反射される範囲を黒く塗りつぶして示している。発光器11にはコントロール回路13が接続されており、このコントローラ回路13は発光器11から発光される光の量を安定した連続光になるような制御を行うようになっている。
【0006】
また、受光器12には増幅回路14、監視タイマー回路15および出力回路16が接続されている。受光器12は糸条Yから反射される光を電気信号に変換するようになっており、増幅回路14は受光器12から出力される電気信号から直流電圧を取り除いた電気信号を増幅して監視タイマー回路15に出力するようになっている。
【0007】
走行する糸条Yを検知した場合には、糸条Yの表面の凹凸面等により受光器12に入射される糸条Yからの反射光の光量が大きく変化するため、受光器12から出力される電気信号が変化する。
【0008】
監視タイマー回路15は受光器12から出力される電気信号の波形の状態を監視し、電気信号が周期変化しているときには糸条Yが走行しているものと判断し、電気信号が一定で安定しているときには糸条Yが停止している状態または断糸しているものと判断し、電気信号を出力回路16に出力する。
【0009】
出力回路16はこの監視タイマー回路15の出力結果に基づいてランプ17a、17bの点灯制御を行い、ランプ17a、17bの点灯状態に基づいて作業者に糸条Yが断糸しているか否かを判断することができる。
【0010】
また、図13に示すように、発光器11a、11bを2つ設け、2つの発光器11a、11bから糸条Yを照射するようものも知られている。図14は発光器11a、11bから糸条Yに照射され、糸条Yから受光器12に反射される範囲を黒く塗りつぶして示している。
【0011】
ところで、このような光反射方式では、糸条Yの表面からの光の反射量の変化に基づいて糸条Yの断糸の検知を行うようになっているため、糸条Yが黒色の場合には、発光器11から糸条Yに光を照射しても光が反射せずに黒色に吸収されてしまう。
【0012】
このため、受光器12は糸条Yからの反射光を受光することができず、検査対象となる糸条の色が制限されてしまうという不具合が発生してしまう。これに対して、光電透過方式は糸条を挟んで発光器と受光器が対向しているため、糸条の色に関係なく糸条の断糸を検知することができる。
【0013】
図15に光電透過方式を示す。図15において、発光器21は走行する糸条Yに光を照射するようになっており、受光器22は糸条Yを挟んで発光器21に対向する位置に設けられ、発光器21から照射される光を受光するようになっている。
【0014】
図16は発光器21から糸条Yに照射され、糸条Yから受光器12に反射される範囲を黒く塗りつぶして示しており、受光器22の検知範囲は糸条Yの面積以内であることから、走行する糸条Yがふらついて受光器22が糸条Yから反射光を受光できなくなるのを防止するために、糸条Yはガイド部材23によってガイドされている。
【0015】
また、発光器21にはコントロール回路13が接続されており、このコントローラ回路13は発光器21から発光される光の量を安定した連続光になるような制御を行うようになっている。
【0016】
また、受光器22には増幅回路14、監視タイマー回路15および出力回路16が接続されている。受光器12は糸条Yから反射される光を電気信号に変換するようになっており、増幅回路14は受光器12から出力される電気信号から直流電圧を取り除いた電気信号を増幅して監視タイマー回路15に出力するようになっている。
【0017】
監視タイマー回路15は信号波形の状態を監視する。具体的には、発光器21と受光器22の間に糸条Yが走行している場合には、糸条Yが走行している場所が遮光された状態で受光器22に光が入射するため、遮光量が変動するとともに、糸条Yの表面に凹凸等があると遮光量がさらに周期変動する。このため、監視タイマー回路15は受光器22から入力された電気信号が常に変動している場合に糸条Yが走行しているものと判断し、電気信号が一定で安定しているときには糸条Yの走行が停止している状態または断糸しているものと判断し、電気信号を出力回路16に出力する。
【0018】
出力回路16はこの監視タイマー回路15の出力結果に基づいてランプ17a、17bの点灯制御を行い、ランプ17a、17bの点灯状態に基づいて作業者に糸条Yが断糸しているか否かを判断することができる。
また、上述した静電容量方式にあっても、電極1、2間に糸条Yを走行させているため、黒色の糸条Yの断糸を検知することができる。
【特許文献1】特開平6−40662号公報
【特許文献2】特開平9−68466号公報
【特許文献3】登録実用新案第3008719号公報
【特許文献4】特開2004−225166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、このような従来の静電容量方式の検知装置または光電透過方式にあっては、電極1と電極2の間、または発光器21と受光器22の間の狭い空間に糸条Yを走行させているため、糸条Yの破片が油剤等と混じり合って電極1と電極2の表面、または発光器21の発光面と受光器22の受光面に付着してしまい、糸条Yの検知性能が低下してしまう。
【0020】
このため、電極面や発・受光面を頻繁に掃除する必要があるが、電極面や発・受光面が近接して向かい合っているため、清掃作業が非常に面倒なものとなってしまった。特に、電極1、電極2や発光器21、受光器22に隣接してガイド部材23が設置されている場合には、清掃作業がより一層面倒なものとなってしまった。
【0021】
また、上述しように光電反射方式の検知装置では、発光器11と受光器12が糸条Yの一方側に集中して配置されているため、清掃作業が容易であるが、上述したように黒色の糸条Yを検知することができない。
【0022】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、清掃作業の作業性を向上させることができるとともに、色に関係なく糸条の異常状態を検知することができる糸条の異常検知装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の糸条の異常検知装置は、走行する糸条の異常を光学的に検知する異常検知装置において、前記糸条に光を照射する少なくとも1つ以上の発光手段と、走行する前記糸条を挟んで前記発光手段に対向する位置に設けられた棒状の光反射手段と、前記発光手段に隣接するとともに、前記光反射手段に対向して設けられ、前記糸条および前記光反射手段から反射された光を受光し、当該反射光を電気信号に変換する受光手段とを備えたものから構成されている。
【0024】
この構成により、発光手段から光反射手段に向かって照射を行ったときに、糸条の有無による反射光の光量および遮光量に基づいて、糸条の色に関係なしに糸条の断糸等の異常を検知することができる。
【0025】
また、発光手段および受光手段を隣接して設けるとともに、発光手段および受光手段に棒状の光反射手段を対向させて設置したので、発光部材の発光面、受光手段の受光面および光反射手段の表面の間に広い作業スペースを確保することができる。
【0026】
このため、糸条の破片が油剤等と混じり合って発光部材の発光面、受光手段の受光面および光反射手段の表面に付着したときに、発光部材の発光面、受光手段の受光面および光反射手段の表面の破片の付着状態を簡単に確認して清掃を簡単に行うことができ、清掃作業の作業性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の糸条の異常検知回路は、受光手段から出力される電気信号が入力され、前記電気信号の変化状態に基づいて前記糸条の有無を検知する制御手段を有するものから構成されている。
【0028】
この構成により、糸条の走行がない状態や断糸している場合には、受光手段に入力される光量が一定であるため、受光手段から出力される電気信号も略一定となり、糸条の断糸等の異常が発生したものと判断することができる。
【0029】
また、糸条が走行している場合には、糸条の表面の凹凸等によって受光手段に入力される光量が変化するため、電気信号も変化したものとなり、糸条が断糸することなく正常に走行しているものと判断することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の糸条の異常検知装置によれば、清掃作業の作業性を向上させることができるとともに、色に関係なく糸条の異常状態を検知することができる糸条の異常検知装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図9は、本発明に係る糸条の異常検知装置の一実施の形態を示す図である。
【0032】
まず、構成を説明する。図1において、発光手段としての発光器31は走行する糸条Yに光を照射するようになっており、走行する糸条Yを挟んで発光器31に対向する位置には反射棒(光反射手段)33が設けられている。
なお、反射棒33はその軸線方向が糸条Yの走行方向と略平行になるように設置されている。
【0033】
また、発光器31に隣接する位置には受光手段としての受光器32が設けられており、この受光器32は糸条Yおよび反射棒33から反射された光を受光し、この反射光を電気信号に変換するようになっている。
【0034】
図2は発光器31から糸条Yおよび反射棒33を照射したときの反射面を示し、糸条Yの反射面を黒く塗りつぶして示すとともに、反射棒33の反射面を斜線で示す。
【0035】
発光器31にはコントロール回路34が接続されており、このコントローラ回路34は発光器31から発光される光の量を安定した連続光になるような制御を行うようになっている。
【0036】
また、受光器32には増幅回路35、監視タイマー回路36および出力回路37が接続されている。受光器32は糸条Yおよび反射棒33から反射される光を電気信号に変換するようになっており、増幅回路35は受光器32から出力される電気信号から直流電圧を取り除いた電気信号を増幅して監視タイマー回路36に出力するようになっている。
【0037】
監視タイマー回路36は増幅回路35から出力された電気信号の変化状態に基づいて糸条Yの有無を検知する。具体的には、糸条Yが走行している場合には、発光器31から糸条Yおよび反射棒33を照射したときには、光の一部は糸条Yによって反射されて受光器32に入射される。
【0038】
また、光の一部は糸条Yによって遮断され、残りが反射棒33に到達して反射棒33によって反射され、受光器32に入射される前に糸条Yに遮断された部分を除いて受光器32に入射される。また、糸条Yの検知状態によっては、反射棒33に到達する前に遮光され、反射棒33から反射後も遮光される光もある。
【0039】
さらに、糸条Yが走行している場合には、糸条Yの表面の凹凸等によって糸条Yおよび反射棒33からの反射光の光量と遮光の光量が変化するため、受光器32に入射する光量も変化するため、受光器32から出力される電気信号の大きさも変化する。
【0040】
監視タイマー回路36はこの電気信号が大きく変化するときに、糸条Yが走行しているものと判断して出力回路37に信号を出力する。また、監視タイマー回路36は電気信号の変化が少なく増幅回路35から連続した電気信号が入力した場合に、糸条Yの走行が停止しているか断糸しているものと判断して出力回路37に信号を出力する。
【0041】
出力回路37は監視タイマー回路36から入力された信号に基づき、糸条Yの走行状態に応じてランプ38a、38bをオン/オフ制御して作業者に知らせる。具体的には、糸条Yの走行を正常に検知している場合には、ランプ38aを点灯制御し、糸条Yの断糸を検知した場合にはランプ38bを点灯制御することにより、作業者に点灯しているランプ38a、38bによって糸条Yの異常を知らせるようにしている。本実施の形態では、増幅回路35、監視タイマー回路36および出力回路37が制御手段を構成している。
【0042】
図3は糸条Yの異常検知方法を示すタイミングチャートである。図3において、走行している糸条Yに発光器31から光を照射すると、発光器31から照射された光は糸条Yによって反射されて受光器32に入射される。
【0043】
また、光の一部は糸条Yによって遮断され、残りが反射棒33に到達して反射棒33によって反射され、受光器32に入射される前に糸条Yに遮断された部分を除いて受光器32に入射される。また、糸条Yの検知状態によっては、反射棒33に到達する前に遮光され、反射棒33から反射後も遮光される光もある。
【0044】
また、糸条Yの表面の凹凸等によって糸条Yおよび反射棒33からの反射光の光量と遮光の光量が変化するため、受光器32は入射される光を電気信号に変換すると、図3に示すように電気信号が変化する。この電気信号を増幅回路35によって直流電圧を取り除いて増幅すると、電気信号の変化量が大きくなる。
【0045】
増幅回路35はこの増幅した信号を比較値Aと比較し、比較値Aよりも大きい電気信号を監視タイマー回路36に出力する。監視タイマー回路36はこの電気信号の変化を監視し、この電気信号が連続して変化すると出力回路37に正常信号を出力する。
【0046】
出力回路37はこの正常信号に基づいて出力をランプ38aの点灯をオンにするとともに、ランプ38bの点灯をオフにし、ランプ38aの点灯制御を行う。作業者はこのランプ38aの点灯状態を見て糸条Yが正常に走行しているものと判断する。
【0047】
なお、出力回路37は、増幅回路35の電気信号の周期変化に応じてランプ38の点灯および消灯を行う。このようにすれば、発光器31の発光面および受光器32の受光面に糸条Yの破片が油剤等と混じり合って付着して受光器32の受光量が落ちる場合に、受光器32の受光量が正常な場合に比べてランプ38aの点灯および消灯の状態が変化するため、作業者は発光器31および受光器32の異常を知ることができる。
【0048】
また、糸条Yの走行が停止している状態では、走行による糸条Yの凹凸等の変化がないため、受光器32に入射される反射光の光量と遮光の光量の変化は少なく安定した連続光となるため、受光器32から出力される電気信号も安定して連続するものとなる。
【0049】
また、糸条Yが断糸している状態では、発光器31から反射棒33に照射されて反射棒33から反射される光が受光器32に入射されるため、この反射光の光量の変化が少なく安定した連続光となるため、受光器32から出力される電気信号も安定して連続するものとなる。
【0050】
増幅回路35はこの電気信号から直流電圧を取り除いて増幅し、比較値Aと比較する。増幅回路35は受光器32から入力された電気信号の変化がないため、比較値Aよりも小さな一定の増幅信号となり、この電気信号を監視タイマー回路36に出力する。
【0051】
監視タイマー回路36は増幅回路35からの入力される電気信号を監視し、この電気信号が比較値Bよりも大きい場合に、出力回路に異常信号を送信する。出力回路37はこの異常信号に基づいて出力をオンにし、ランプ38bを点灯するとともに、ランプ38aを消灯することにより、作業者はこのランプ38bの点灯状態を見て糸条Yの走行が停止しているか、または断糸しているものと判断する。
【0052】
このように本実施の形態の異常検知装置は、糸条Yに光を照射する発光器31と、走行する糸条Yを挟んで発光器31に対向する位置に設けられた反射棒33と、発光器31に隣接した位置に設けられ、糸条Yおよび反射棒33から反射された光を受光し、この反射光を電気信号に変換する受光器32とを備えているので、発光器31から糸条Yおよび反射棒33に向かって照射を行ったときに、糸条Yの有無による反射光の光量および遮光量に基づいて、黒色の糸条Yを検知することができ、糸条Yの色に関係なしに糸条Yの断糸等の異常を検知することができる。
【0053】
また、発光器31および受光器32を隣接して設けるとともに、発光器31および受光器32に反射棒33を対向させて設置したので、発光器31の発光面、受光器32の受光面および反射棒33の表面の間に広い作業スペースを確保することができる。
【0054】
このため、糸条Yの破片が油剤等と混じり合って発光器31の発光面、受光器32の受光面および反射棒33の表面に付着したときに、発光器31の発光面、受光器32の受光面および反射棒33の表面の破片の付着状態を簡単に確認して清掃を簡単に行うことができ、清掃作業の作業性を向上させることができる。
【0055】
また、本実施の形態では、受光器32から出力される電気信号が入力され、電気信号の変化状態に基づいて糸条Yの有無を検知する増幅回路35、監視タイマー回路36および出力回路37を設けたので、受光器32に入力される光量が一定の場合に糸条Yの断糸等の異常が発生したものと判断することができ、受光器32に入力される光量が変化する場合に糸条Yの断糸することなく正常であるものと判断することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、反射棒33はその軸線方向が糸条Yの走行方向と略平行になるように設置されているが、図4に示すように、糸条Yの走行方向と略直交する方向に設置しても良い。図5はこのように反射棒33を設置したときに、発光器31から糸条Yおよび反射棒33を照射したときの反射面を示すものであり、糸条Yの反射面を黒く塗りつぶして示すとともに、反射棒33の反射面を斜線で示す。このようにしても、黒色の糸条Yを検知することができる。
また、本実施の形態では、発光器31を1つだけ設けているが、図6〜図9に示すように、発光器31a、31bを2つ設けても良い。
【0057】
図6は発光器31a、31bを2つ設けるとともに、反射棒33の軸線方向を糸条Yの走行方向と略直交する方向になるように反射棒33を設置した状態を示す図である。この場合には、図7に示すように発光器31aから反射棒33に照射されたときの反射面がC1で示す領域となり、発光器31bから反射棒33に照射されたときの反射面がC2で示す領域となる。そして、領域C1とC2が重なり合う部分に糸条Yを走行させたときに、糸条Yの反射面を黒い部分で示す。このようにしても、黒色の糸条Yを検知することができる。
【0058】
また、図8は発光器31a、31bを2つ設けるとともに、反射棒33の軸線方向を糸条Yの走行方向と略平行になるように反射棒33を設置した状態を示す図である。この場合には、図9に示すように発光器31aから反射棒33に照射されたときの反射面がD1で示す領域となり、発光器31bから反射棒33に照射されたときの反射面がD2で示す領域となる。そして、領域D1とD2が重なり合う部分に糸条Yを走行させたときに、糸条Yの反射面を黒い部分で示す。このようにしても、黒色の糸条Yを検知することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明に係る糸条の異常検知装置は、清掃作業の作業性を向上させることができるとともに、色に関係なく糸条の異常状態を検知することができるという効果を有し、走行する糸条の異常を光学的に検知することができる糸条の断糸検知装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態に係る異常検知装置の構成図
【図2】本発明の一実施形態に係る異常検知装置は糸条および反射棒に照射したときの反射面を示す図
【図3】本発明の一実施の形態に係る異常検知装置の糸条の検知を行うときの制御回路のタイミングチャート
【図4】本発明の一実施の形態に係る他の異常検知装置の構成図
【図5】図4の発光器から糸条および反射棒に照射したときの反射面を示す図
【図6】本発明の一実施の形態に係る他の異常検知装置の構成図
【図7】図6の発光器から糸条および反射棒に照射したときの反射面を示す図
【図8】本発明の一実施の形態に係る他の異常検知装置の構成図
【図9】図8の発光器から糸条および反射棒に照射したときの反射面を示す図
【図10】従来の静電容量方式の異常検知装置の構成図
【図11】従来の光電反射方式の異常検知装置の構成図
【図12】図11の発光器から糸条に照射したときの反射面を示す図
【図13】従来の他の光電反射方式の異常検知装置の構成図
【図14】図13の発光器から糸条に照射したときの反射面を示す図
【図15】従来の光電透過方式の異常検知装置の構成図
【図16】図15の発光器から糸条に照射したときの透過面を示す図
【符号の説明】
【0061】
31 発光器(発光手段)
32 受光器(受光手段)
33 反射棒(光反射手段)
35 増幅回路(制御手段)
36 監視タイマー回路(制御手段)
37 出力回路(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行する糸条の異常を光学的に検知する異常検知装置において、
前記糸条に光を照射する少なくとも1つ以上の発光手段と、走行する前記糸条を挟んで前記発光手段に対向する位置に設けられた棒状の光反射手段と、前記発光手段に隣接するとともに、前記光反射手段に対向して設けられ、前記糸条および前記光反射手段から反射された光を受光し、当該反射光を電気信号に変換する受光手段とを備えたことを特徴とする糸条の異常検知装置。
【請求項2】
前記受光手段から出力される電気信号が入力され、前記電気信号の変化状態に基づいて前記糸条の有無を検知する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の糸条の異常検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−177371(P2007−177371A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378453(P2005−378453)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(593189324)小田原工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】