説明

経路探索装置および受信装置

【課題】 操作者の所望の番組を継続して視聴することができる経路を探索することができる経路探索装置、および、操作者の所望の番組の受信を促す受信装置を提供する。
【解決手段】 車両が移動すると、所望の番組が受信可能でない地域を移動する恐れがあるが、制御部7によって、現在位置、および複数の地域と、各地域内で受信可能な番組とを関連付けた関連情報に基づいて、所望の番組が受信可能な地域を含む経路を探索するので、所望の番組を受信可能な地域のみを選択して、移動することができ、操作者は、移動して複数の地域を移動する場合であって、所望の番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の地域と、各地域内で受信可能な番組に基づいて経路を探索する経路探索装置、および操作者に番組の視聴を促す受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の位置に基づいて、放送局が放送する番組を好適に受信する技術が種々実用に供されている。第1の従来技術の移動体搭載用受信装置は、移動体が存在する現在位置をGPSで測定し、測定によって得られた現在位置を、移動体から放送局などの情報提供局に送信する。情報提供局は、受信した移動体の現在位置に基づいて、現在位置で受信可能な放送局の番組表などの情報を送信する。これによって移動体では、現在位置において受信可能な番組を選択することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術の移動体用受信装置は、複数の放送を受信して、受信している複数の放送の信号強度を比較することによって、受信環境の悪い位置であっても、所望の番組を自動選局する装置が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
第3の従来技術の番組受信装置は、放送局から放射される電波の受信可能領域から、別の放送局から放射される電波の受信可能領域に移動した場合であっても、継続して同一の放送番組を受信することができるように、番組受信装置の現在位置と、現在位置で受信可能な番組を識別するための識別情報とに基づいて、受信する番組を制御する技術が開示されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
第4の従来技術の車載用放送受信装置は、同一内容を放送する放送局または関連する内容を放送する放送局が存在する場合、走行に伴って良好な受信ができなくなったときでも、簡便な操作によって、同一内容の放送又は関連する放送が受信可能にするために、放送局の対応関係と、対応関係にある放送局の受信状態を比較して、受信状態が良好な放送局の放送を受信する技術が開示されている(たとえば、特許文献4参照)。
【0006】
第5の従来技術の番組自動構成装置は、ナビゲーションによって目的地までの経路が設定されると、ユーザがジャンルを設定することによって、現在位置から目的位置までの経路上の各地点でユーザが設定したジャンルの番組を放送している放送局を受信するように受信部を制御する技術が開示されている(たとえば、特許文献5参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平11−284930号公報
【特許文献2】特開2003−37785号公報
【特許文献3】特開2003−18108号公報
【特許文献4】特開平5−48396号公報
【特許文献5】特開2002−152067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の第1〜第4の各従来の技術では、移動しても継続して同じ番組を受信できる受信装置が開示されているが、番組を継続して受信することができない地域に移動した場合に、操作者に番組に関する情報を提供することができず、操作者が自ら番組表などから受信可能な番組を探す必要があり、不便である。
【0009】
また前述の第5の従来の技術では、決定された経路において受信できる番組を適宜選択して受信することができるが、操作者が所望する番組を継続して視聴できるように経路を探索することができず、不便である。
【0010】
したがって本発明の目的は、操作者の所望の番組を継続して視聴することができる経路を探索することができる経路探索装置、および、操作者の所望の番組の受信を促すことができる受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、経路を探索する経路探索装置であって、
放送を受信する受信手段により受信中の番組である基準番組と同一の番組を放送する放送局が受信可能な地域を含んだ経路を探索する経路探索手段を含むことを特徴とする経路探索装置である。
【0012】
本発明に従えば、既存の技術では所望の番組が受信可能でない地域が経路として探索される恐れがあるが、本発明の経路探索手段によって、基準番組と同一の番組を放送する放送局が受信可能な地域を含んだ経路を探索するので、基準番組を受信可能な地域のみを選択して、移動することができる。
【0013】
また本発明は、電子番組案内の情報に基づいて、基準番組と同一の番組を放送する放送局を選択することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、電子番組案内の情報に基づくことによって、基準番組と同一の番組を放送する放送局を容易に検索することができる。したがって基準番組と同一の番組を短時間で容易に選択することができる。
【0015】
また本発明は、基準番組の同一番組に替えて、基準番組と類似する番組を放送する放送局を選択するものであることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、基準番組の同一番組に替えて、基準番組と類似する番組を放送する放送局を選択するので、基準番組を受信できない地域を移動する必要があっても、基準番組の内容と類似する番組を受信して、移動することができる。したがって操作者は、基準番組と類似の情報を得ることができる。
【0017】
さらに本発明は、前記類似番組は、同一のジャンルの番組であることを特徴とする。
本発明に従えば、前記類似番組は、基準番組と同一のジャンルの番組であるので、基準番組を受信できない地域を移動する必要があっても、基準番組のジャンルと同一のジャンルを受信して、移動することができる。したがって操作者は、基準番組と同一のジャンルの番組を視聴することができる。
【0018】
さらに本発明は、現在位置を検出する位置検出手段と、
位置に対応して受信可能な放送局とその番組データを記憶する記憶手段と、
受信状態を検出する受信状態検出手段と、
受信状態検出手段により番組の受信状態が悪化したことを検出した際に、記憶手段に記憶されたデータに基づき、視聴中番組と同一の番組に関する番組情報を出力する出力手段とを含むことを特徴とする受信装置である。
【0019】
本発明に従えば、記憶手段に記憶されるデータに基づいて、各地域内で受信可能な番組を、受信することができる。出力手段は、受信状態検出手段によって受信中の番組の受信状態が悪化したことを検出した際に、記憶手段に記憶されたデータに基づき、視聴中番組と同一の番組に関する番組情報を出力する。これによって操作者は、視聴中番組の受信状態が悪化して、視聴が困難になった場合、出力手段によって出力される番組情報に基づいて、再び、受信可能な番組を選択することができる。
【0020】
さらに本発明は、前記視聴中番組と同一の番組を放送する放送を当該番組の放送開始時刻に基づき受信することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、前記視聴中番組と同一の番組を放送する放送を当該番組の放送開始時刻に基づき受信するので、受信状態が悪化して視聴が困難になった視聴中番組の視聴を操作者に促すことができる。したがって視聴中番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。
【0022】
さらに本発明は、前記視聴中番組と同一の番組の放送を、前記視聴中番組における受信状態が悪化した時刻に対応する時刻に基づき受信することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、前記視聴中番組と同一の番組の放送を、前記視聴中番組における受信状態が悪化した時刻に対応する時刻に基づき受信するので、操作者は、受信状態が悪化後の番組の視聴を操作者に促すことができる。これによって操作者は、同じ番組の重複部分を視聴するこなく、視聴が困難になった部分だけ視聴することができる。したがって時間を有効に利用することができ、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、経路探索手段によって、基準番組と同一の番組を放送する放送局が受信可能な地域を含む経路を探索するので、基準番組を受信可能な地域のみを選択して、移動することができる。これによって操作者は、移動して複数の地域を移動する場合であって、基準番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。
【0025】
また本発明によれば、基準番組を受信できない地域を移動する必要があっても、基準番組の内容と類似する番組を受信して、移動することができる。したがって操作者は、基準番組と類似の情報を得ることができる。
【0026】
さらに本発明によれば、基準番組を受信できない地域を移動する必要があっても、基準番組のジャンルと同一のジャンルを受信して、移動することができる。したがって操作者は、基準番組と同一のジャンルの番組を視聴することができる。
【0027】
さらに本発明によれば、操作者は、視聴中番組の受信状態が悪化して、視聴が困難になった場合、出力手段によって出力される番組情報に基づいて、再び、受信可能な番組を選択することができる。これによって操作者は、自ら番組表などから受信可能な番組を探すことなく、いわば自動的に出力される番組情報に基づいて、同一の番組を視聴を促すことができる。
【0028】
さらに本発明によれば、受信状態が悪化して視聴が困難になった視聴中番組の視聴を操作者に促すことができる。したがって視聴中番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。
【0029】
さらに本発明によれば、操作者は、受信状態が悪化後の番組の視聴を操作者に促すことができる。これによって操作者は、同じ番組の重複部分を視聴するこなく、視聴が困難になった部分だけ視聴することができる。したがって時間を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。各フローチャートの開始条件は、記載した開始条件だけに必ずしも限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態の受信装置1の電気的構成を示すブロック図である。本実施の形態の受信装置1は、移動体、たとえば車両に搭載される。受信装置1は、テレビ放送を受信する受信部2、目的地までの経路を案内するナビゲーションシステム3、各種の操作を指示するための操作部4、各種設定が記憶されるメモリ5、放送局に関する情報が記憶される放送局データベース6、および各部を制御する制御部7を含んで構成される。受信装置1は、ナビゲーションシステム3が搭載されるので、経路探索装置としての機能を有する。
【0032】
受信手段として機能する受信部2は、放送局から送信される放送波を受信し、放送波に含まれる、番組に基づく放送情報、および放送局による番組の提供予定を表す提供予定情報をそれぞれ受信する。受信部2は、視聴者が所望する放送局の放送波(チャンネル番号、受信周波数)、換言すると視聴者が所望する番組が受信できるように高周波増幅回路の出力信号と局部発振回路からの(局部発振周波数)信号とを混合して中間周波数に変換するチューナ部8、中間周波信号を検波・増幅し映像信号と音声信号に分離する受信回路部9、検波・復調された音声信号を増幅し、検波された信号を左右に分離したステレオ音声信号を左右のスピーカから音声出力する音声出力部10、および、検波・復調された映像信号を増幅し、液晶表示素子等に表示する映像出力部11から構成される。このように音声出力部10および映像出力部11は、出力手段として機能を有し、受信された放送情報および提供予定情報を出力可能に構成され、チューナ部8は、受信状態検出手段としての機能を有し、受信状態を検出して、検出した受信状態を制御部7に与える。
【0033】
提供予定情報は、本実施の形態では電子番組案内(Electronic Program Guide;略称:EPG)によって得られる情報によって実現される。放送局は、EPGで表され、予め設定される提供時間枠に区切られる提供予定に従って、アナログテレビジョン放送電波を送信することによって、番組を提供する。EPGは、放送局からの放送波における映像信号の垂直帰線区間(Vertical Blanking Interval ;略称:VBI)に重畳して、放送局から送信される。EPGは、受信回路部9によって、映像信号のVBIからEPGが抽出され、抽出されたEPGは、制御部7に与えられる。EPGは、搬送波周波数に対応する各チャンネル毎に、各提供時間枠で提供される番組のタイトル、ジャンル、出演者名などのキーワードを含むインデックスを有する。
【0034】
ナビゲーションシステム3は、人工衛星からの電波を利用して車両位置を検出するGPSシステム12、および地図情報が記憶される地図データベース13を含んで構成される。位置検出手段として機能するGPSシステム12は、受信装置1の現在位置を検出する。GPSシステム12は、人工衛星からの測位電波を受信して現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)受信機、道路交通情報をユーザに報知するVICS(
Vehicle Information and Communication System)装置、移動距離を測定する車速パルス発生装置(車両の速度計に用いられているものを兼用)と曲がり方向を測定する振動ジャイロセンサと路面傾斜を測定する傾斜計とからなる自律航法センサ、携帯電話機、および、PHS(Personal Handyphone System)などで実現され、受信装置1の現在位置を検出する。ナビゲーションシステム3は、検出された現在位置に基づく情報を、制御部7に与える。
【0035】
メモリ5は、制御部7が各部を制御するために用いられるプログラム、および各種のデータが記憶され、制御部7から与えられた制御指令に従って、記憶されるプログラムを制御部7に与える。メモリ5は、制御部7から与えられる情報、たとえばEPGを記憶する。メモリ5は、たとえばリードオンリーメモリ(Read Only Memory:略称ROM)、およびランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:略称RAM)によって実現される。
【0036】
放送局データベース6は、記憶手段であって、EPGに基づいて、複数の地域と、各地域内で受信可能な番組データとを関連付けた関連情報を記憶する。具体的には、放送局データベース6は、ネットワークを構成する放送局の系列名とその系列に属する地区毎の放送局名、チャンネル番号が記憶され、EPGの情報を組み合わせたデータベースであり、ROMあるいは電源バックアップされたRAMに記憶される。放送局データベース6は、具体的には、ネットワークを構成する放送局の系列毎に、各地区(たとえば、東京地区、大阪地区、名古屋地区)の放送局名とチャンネル番号と各時間帯に放送予定の番組に関する情報が記憶されている。たとえば、フジテレビ系列であれば東京地区は8chのフジテレビ、大阪地区は8chの関西テレビ、名古屋地区は1chの東海テレビというように各地区の同系列の放送局名とチャンネル番号が対応して記憶されている。
【0037】
操作部4は、選択手段としての機能を有し、操作者が操作することによって、受信部2によって受信され、各出力部10,11によって出力される番組が選択される。操作部4は、複数のキーを備えるキーボードなどで実現され、操作者が操作することでチャンネルサーチの開始指令など各種の指令が、制御部7に与えられる。操作部4は、赤外線等を用いたリモコンと、リモコンの操作に応じて映像出力部11の画像表示を変えるリモコン画像制御部とで構成し、表示画像に応じてリモコンを操作し、各種設定などを行えるようにする構成とすることも可能である。
【0038】
制御部7は、制御手段であって、入力された各種情報に応じた処理を行うとともに、メモリ5に記憶される制御プログラムに基づいて各部位に制御指令を出力することで、受信装置1全体の動作を制御する。
【0039】
また制御部7は、経路探索手段としての機能を有し、GPSシステム12によって検出される現在位置と、地図データベース13に記憶される地図情報とに基づいて、目的地までの経路を探索する。また制御部7は、EPGに基づく情報をメモリ5に与える。
【0040】
また制御部7は、ナビゲーションシステム3、および放送局データベース6に基いて現在位置において受信可能な放送局の放送局名とチャンネル番号の表示、GPSシステム12の出力および地図データベース13に基いて車両位置を特定する処理、特定された車両位置(現在位置)が属する放送局を表示するように、各部を制御する。制御部7は、たとえばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。
【0041】
図2は、経路探索を説明するための図である。操作者は、操作部4を用いて、目的地または経由地を入力することによって、現在位置からその目的地または経由地までで、たとえば最短距離となる推奨ルート、有料道路を経由して最短の移動時間となる高速優先ルート、および、現在受信している番組が継続して視聴できる受信優先ルートが演算されて、各ルートとして表示される。本実施の形態では、制御部7は、現在位置、および放送局データベース6に記憶される関連情報に基づいて、基準番組である所望の番組が受信可能な地域を含む経路である受信優先ルート、換言すると放送を受信する受信部2により受信中の番組である基準番組と同一の番組を放送する放送局が受信可能な地域を含んだ受信優先ルートを探索することに特徴を有する。
【0042】
ナビゲーションシステム3は、検出された現在位置と、地図データベース13とのマップマッチングをして、正確な現在位置を演算して制御部7に与える。制御部7は、図2に示すようなルートを演算し、演算された経路に関する経路情報を映像出力部11に与える。また制御部7は、ナビゲーションシステム3から与えられる情報を、映像出力部11に与える。映像出力部11は、制御部7から与えられる情報に基づいて、図2に示すような現在位置および探索されたルートを地図情報に重畳して出力し、操作者にルートの選択を促すことができる。
【0043】
次に、受信装置1の動作についてフローチャートを用いて説明する。各フローチャートの動作は、制御部7によって行われる。
【0044】
図3は、制御部7におけるルートの探索動作を説明するためのフローチャートである。本フローは、操作者によって、予め所望の番組が選択され、前記所望の番組を継続して受信するルート、および前記推奨ルートなどの通常のルートを探索する処理である。本フローは、操作者が所望の番組を選択し、選択された番組は受信可能な状態であり、かつEPGがメモリ5に記憶されている状態で、操作者によって目的地が入力されると開始される。
【0045】
ステップa1では、目的地に関する情報を取得し、ステップa2に移る。操作者は、操作部4を操作することによって、目的地を入力し、入力された目的地に関する情報が制御部7に与えられる。ステップa2では、放送局データベース6に記憶される関連情報に基づいて、選択された所望の番組が受信可能な地域を検索し、ステップa3に移る。たとえば図2に示すように、所望の番組が受信可能な地域は、放送局Aと放送局Bとの放送エリアである。
【0046】
ステップa3では、所望の番組である基準番組と同一番組を放送する放送局が有るか否かを判断し、放送局がある場合、ステップa4に移り、放送局が無い場合、ステップa6に移る。ステップa4では、現在位置、検索結果の受信可能地域、および目的地に基づいて、目的地までの受信可能な地域を含む最短ルートを探索し、ステップa5に移る。ステップa6では、通常のルートを探索し、ステップa5に移る。ステップa5では、探索した結果を、映像出力部11に与え、本フローを終了する。
【0047】
以上、図3に関連して説明したように、目的地まで受信可能地域を経るルート(図2参照)または、通常のルートが探索され、映像出力部11によって出力される。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態では、車両が移動すると、所望の番組が受信可能でない地域を移動する恐れがあるが、制御部7によって、現在位置および関連情報に基づいて、所望の番組が受信可能な地域を含む経路を探索するので、所望の番組を受信可能な地域のみを選択して、移動することができる。これによって操作者は、移動して複数の地域を移動する場合であって、所望の番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。したがって利便性が向上する。
【0049】
また制御部7は、受信可能な地域の重複領域がなく、互いに離間してる場合、受信不能な時間ができるだけ短くなるようなルートを探索することが好ましい。これによって操作者は、受信できない時間をできるだけ短いルートを経て、目的地に移動することができる。
【0050】
また前述の実施の形態では、同一の番組を継続的に受信できるように、経路が探索されているが、これに限らず、出力されるべき所望の番組の内容と類似する番組が受信可能な地域を含む経路を探索するように構成してもよい。たとえば所望の番組が、野球中継である場合、系列局ではなく、他の局で同一カードの野球中継をしているときに、他の局の野球中継を受信する地域を含む経路を探索するように制御する。具体的な類似の番組の検索方法は、基準番組が野球中継である場合、EPGの情報から、たとえばキーワードを「野球中継」および「スポーツ中継」などとして、類似する番組を検索するように制御される。これによって所望の番組を受信できない地域を移動する必要があっても、所望の番組に内容と類似する番組を受信して、移動することができる。したがって操作者は、所望の番組と類似の情報を得ることができ、利便性が向上する。
【0051】
また前述の実施の形態では、同一の番組を継続的に受信できるように、経路が探索されているが、これに限らず、制御部7は、出力されるべき所望の番組のジャンルと同一のジャンルが受信可能な地域を含む経路を探索するように構成してもよい。具体的な同一のジャンルの番組の検索方法は、基準番組が野球中継である場合、ジャンルはスポーツまたは野球であるので、EPGの情報から、たとえばキーワードを「野球」および「スポーツ」などとして、同じジャンルの番組を検索するように制御される。したがって所望の番組を受信できない地域を移動する必要があっても、所望の番組のジャンルと同一のジャンルを受信して、移動することができる。したがって操作者は、所望の番組と同一のジャンルの番組を視聴することができ、利便性が向上する。
【0052】
また前述の実施の形態では、目的地を設定して経路を探索しているが、これに限ることはなく、たとえばドライブコースなどで経路を探索する場合であっても、所望の番組の受信可能な地域を経過するように、制御してもよい。
【0053】
次に本発明の第2の実施の形態の受信装置1に関して説明する。本実施の形態の受信装置1は、制御部7の処理に特徴を有し、特に、受信中の番組の受信状態が悪化した場合の処理に特徴を有する。受信装置1の構成に関しては、前述の図1〜図3の受信装置1の構成と類似しているので説明を省略する。
【0054】
図4は、制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。本フローは、映像出力部11によって、受信中の番組が出力されている状態で開始される。制御部7は、図4に示される動作を短時間に繰返す。ステップb1では、チューナ部8から与えられる情報であって、受信中の番組の受信状態を示す情報を取得し、ステップb2に移る。
【0055】
ステップb2では、受信状態が操作者が視聴可能な受信状態であるか否かを判断し、視聴可能な受信状態の場合、本フローを終了し、視聴が困難な受信状態である場合、ステップb3に移る。たとえば信号対雑音比(Signal to Noise Ratio:略称S/N比)に基づいて、受信状態を判断する。ステップb3では、受信中の番組と同一で、かつ受信可能な番組を、現在位置および放送局データベース6に記憶される関連情報に基づいて検索し、ステップb4に移る。
【0056】
ステップb4では、検索結果の有無、換言すると同一の番組であって受信可能な番組があるか否かを判断し、受信可能な同一の番組がある場合、ステップb5に移り、受信可能な同一の番組が無い場合、ステップb6に移る。ステップb6では、受信可能な同一の番組が無い旨を示す情報を、映像出力部11に与え、本フローを終了する。ステップb5では、検索結果に基いて、検索された番組を含む情報をEPGから抽出し、抽出した情報を、映像出力部11に与え、本フローを終了する。
【0057】
以上、図4に関連して説明したように、制御部7は、受信中の番組の受信状態が悪化した場合、現在位置、および放送局データベース6に記憶される関連情報に基づいて、操作部4によって選択された番組と同一で、かつ受信可能な番組を検索し、その検索された番組を含むEPGを出力するように映像出力部11を制御する。これによって操作者は、受信中の番組の受信状態が悪化して、視聴が困難になった場合、映像出力部11によって出力されるEPGに基づいて、再び、操作部4よって受信可能な番組を選択することができる。これによって操作者は、自ら番組表などから受信可能な番組を探すことなく、いわば自動的に出力されるEPGに基づいて、同一の番組を視聴を促すことができる。これによって利便性が向上する。
【0058】
またステップb5では、検索結果に基いて、検索された番組が現在受信可能であるとき、検索された番組を出力するように各出力部10,11を制御してよい。これによって操作者は、受信中の番組の受信状態が悪化した場合に、自動的に受信可能な番組に切り替わるので、不都合なく、継続して同一の番組を視聴することができる。
【0059】
またステップb3では、選択された番組の受信可能な再放送番組を検索してもよい。これによって、受信状態が悪化した番組の再放送番組の視聴を操作者に促すことができる。
【0060】
図5は、制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。本フローは、図4のフローに関連しており、図4におけるステップb5にて、EPGから情報が抽出されると、本フローが開始される。制御部7は、図5に示される動作を短時間に繰返す。ステップc1では、抽出された情報に基づいて、同一の番組の放送開始時刻を取得し、ステップc2に移る。ステップc2では、現在時刻が放送開始時刻であるか否かを判断し、放送開始時刻である場合、ステップc3に移り、放送開始時刻でない場合、本フローを終了する。ステップc3では、番組を受信するように受信部2および映像出力部11を制御し、本フローを終了する。
【0061】
以上、図5に関連して説明したように、制御部7は、前記検索した番組を放送開始時刻に出力するように映像出力部11を制御する。このように制御することによって、受信状態が悪化して視聴が困難になった番組の視聴を操作者に促すことができる。したがって操作者によって選択された番組を見逃すことを可及的に防ぐことができる。
【0062】
図6は、制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。本フローは、選択された番組の受信状態が悪化した時刻を検出する処理である。本フローは、映像出力部11によって、受信中の番組が出力されている状態で開始される。制御部7は、図6に示される動作を短時間に繰返す。ステップd1では、チューナ部8から与えられる情報であって、受信中の番組の受信状態を示す情報を取得し、ステップd2に移る。
【0063】
ステップd2では、受信状態が操作者が視聴可能な受信状態であるか否かを判断し、視聴可能な受信状態の場合、本フローを終了し、視聴が困難な受信状態である場合、ステップd3に移る。ステップd3では、受信中の番組の受信状態が悪化した受信状態低下時刻を検出し、ステップd4に移る。
【0064】
ステップd4では、受信中の番組の放送開始時刻、および前述の受信状態低下時刻に基づいて、番組が経過した番組経過時間を算出し、算出した時間をメモリ5に与え、本フローを終了する。たとえば受信中の番組の放送開始時刻が19時であり、受信状態低下時刻が同日19時30分である場合、番組経過時間は30分となる。このような番組経過時間を算出することによって、操作者がどこまで受信中の番組を視聴したかを、メモリ5に記憶させることができる。
【0065】
図7は、制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。本フローは、図4および図6のフローに関連しており、図4におけるステップb5にて、EPGから情報が抽出され、図6において番組経過時間が算出されると、本フローが開始される。制御部7は、図7に示される動作を短時間に繰返す。
【0066】
ステップe1では、抽出された情報に基づいて、同一の番組の放送開始時刻を取得し、ステップe2に移る。ステップe2では、前期放送開始時刻、および前期番組経過時間に基づいて、受信開始時刻を算出し、ステップe3に移る。たとえば放送開始時刻が21時であり、番組経過時間がたとえば30分である場合、受信開始時刻は21時30分となる。
【0067】
ステップe3では、現在時刻が受信開始時刻であるか否かを判断し、受信開始時刻である場合、ステップe4に移り、受信開始時刻でない場合、本フローを終了する。ステップe4では、同一の番組を受信するように受信部2および映像出力部11を制御し、本フローを終了する。
【0068】
以上、図6および図7に関連して説明したように、制御部7は、受信中の番組の受信状態が悪化した時刻に基づいて、前記検索した番組を出力するように各部を制御する。これによって操作者は、受信状態が悪化後の番組の視聴を操作者に促すことができる。したがって操作者は、同じ番組の重複部分を視聴するこなく、視聴が困難になった部分だけ視聴することができる。したがって時間を有効に利用することができ、利便性が向上する。
【0069】
図7では、受信状態低下時刻に基づいて、一部を重複するように受信開始時刻を制御してもよい。たとえば放送開始時刻が21時であり、番組経過時間がたとえば30分である場合、受信開始時刻は21時25分とするように制御して、5分間の重複期間を設定することによって、視聴者が以前に視聴した番組の情報を想起を促して、円滑に視聴される番組の内容を理解できるように、情報を操作者に出力することができる。
【0070】
前述の各実施の形態では、移動体は車両によって実現されるが、これに限ることはなく、たとえば船舶、航空機に搭載されてもよく、また、操作者が保持する携帯電話装置などの情報端末装置の機能の一部として実現してもよい。
【0071】
前述の各実施の形態では、放送局からアナログ放送信号を受信するように構成されているが、デジタル放送信号を受信するように構成しても、同様の効果を達成することができる。この場合、EPGは、放送局からのデジタルコンテンツ信号に重畳して受信装置1に与えるようにしてもよい。またラジオ局からの放送をさらに受信するように構成してもよい。
【0072】
また前述の各実施の形態では、放送局データベースに関連情報は予め定め記憶されているが、これに限ることはなく、選択した番組の受信可能地域を、番組を選択する毎に放送局などに問い合わせて、放送局から送信される情報に基づいて、各種処理を行うように構成してよもよい。これによって常に最新の情報に基づいて、経路探索および継続受信の処理手順を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態の受信装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】経路探索を説明するための図である。
【図3】制御部7におけるルートの探索動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】制御部7における受信動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 受信装置
2 受信部
3 ナビゲーションシステム
4 操作部
5 メモリ
6 放送局データベース
7 制御部
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路を探索する経路探索装置であって、
放送を受信する受信手段により受信中の番組である基準番組と同一の番組を放送する放送局が受信可能な地域を含んだ経路を探索する経路探索手段を含むことを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
電子番組案内の情報に基づいて、基準番組と同一の番組を放送する放送局を選択することを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項3】
基準番組の同一番組に替えて、基準番組と類似する番組を放送する放送局を選択するものであることを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
【請求項4】
前記類似番組は、同一のジャンルの番組であることを特徴とする請求項3に記載の経路探索装置。
【請求項5】
現在位置を検出する位置検出手段と、
位置に対応して受信可能な放送局とその番組データを記憶する記憶手段と、
受信状態を検出する受信状態検出手段と、
受信状態検出手段により番組の受信状態が悪化したことを検出した際に、記憶手段に記憶されたデータに基づき、視聴中番組と同一の番組に関する番組情報を出力する出力手段とを含むことを特徴とする受信装置。
【請求項6】
前記視聴中番組と同一の番組を放送する放送を当該番組の放送開始時刻に基づき受信することを特徴とする請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記視聴中番組と同一の番組の放送を、前記視聴中番組における受信状態が悪化した時刻に対応する時刻に基づき受信することを特徴とする請求項5に記載の受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−267060(P2006−267060A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89617(P2005−89617)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】