説明

緑内障の処置のための短い形態のc−Maf転写因子アンタゴニストとしてのcdk2アンタゴニスト

短い形態のバージョンのc−Maf転写因子は、ステロイド処理された小柱網細胞およびトランスフォーミング増殖因子β2処理された小柱網細胞においてアップレギュレーションされ、そして緑内障小柱網細胞において正常小柱網細胞よりも高いレベルで存在し、ならびに緑内障視神経乳頭組織において正常視神経乳頭組織よりも高いレベルで存在する。これらの条件下での短い形態のc−Maf転写因子の発現は、原発性開放角緑内障およびステロイド誘発性緑内障の病因におけるこの因子についての原因の役割もしくはエフェクターの役割を示す。小柱網組織または他の眼組織における短い形態のc−Maf転写因子の発現および/もしくは活性の拮抗作用は、緑内障の病因を阻害するためもしくは緩和するために提供される。アンタゴニストは、サイクリン依存性キナーゼ2インヒビターを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、緑内障ための、特に原発性開放角緑内障およびステロイド誘発性緑内障のための、予防剤および治療剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
小柱網(TM)は、内皮細胞、結合組織、および細胞外基質を含む複合組織であって、角膜と虹彩の間の角に位置し、眼内圧(IOP)を維持するために必要とされる正常な抵抗性を提供する。適切な眼内圧は、眼の形状を維持するために、そして無血管の角膜および水晶体に房水の流れを可能にするための圧力勾配を提供するために必要とされる。緑内障において一般的に存在する過度のIOPは、視神経に対して有害な効果を有し、網膜神経節細胞および軸索の損失に至り、そして処置されない場合は進行性視機能障害および失明をもたらす。緑内障は、世界中の失明の主要な原因の一つである。
【0003】
原発性緑内障は、解剖学的もしくは生理学的な根拠を有する房水の流れにおける障害の結果として起こる。続発性緑内障は、眼への損傷もしくは外傷または既存の疾患の結果として起こる。慢性緑内障もしくは単性緑内障としても公知である原発性開放角緑内障(POAG)は、全ての原発性緑内障の90%に相当する。POAGは、小柱網の変性によって特徴付けられ、眼からの流体排液に対する異常に高い抵抗性に至る。そのような抵抗性の一つの結果は、眼によって正常に生成された流体を上昇した抵抗性を越えて駆動するために必要とされるIOPの上昇である。
【0004】
プレドニゾン、デキサメタゾン、およびヒドロコルチゾンのような特定の薬物は、IOPを上昇させることによって緑内障を誘発することが公知である。さらに、投与の様式がIOPに影響するようである。例えば、デキサメタゾンの眼投与は、全身投与による上昇と比べてより著しいIOPの上昇に至る。ステロイドの投与の結果として起こる緑内障は、ステロイド誘発性緑内障と呼ばれる。
【0005】
現行の抗緑内障治療は、房水形成の抑制剤もしくはブドウ膜強膜流出を高める薬剤の使用、レーザー線維柱帯形成術、または排液を改善する濾過手術である線維柱帯切開術によるIOPの低下を含む。薬学的な抗緑内障アプローチは、さまざまな望ましくない副作用を示している。例えば、ピロカルピンのような縮瞳薬は、視覚のぼやけおよび他の負の視覚副作用を引き起こし得る。全身投与されたカルボニックアンヒドラーゼインヒビターもまた、悪心、消化不良、疲労、および代謝性アシドーシスを引き起こし得る。さらに、特定のβ遮断薬は、肺組織におけるβ2レセプターに対するこのβ遮断薬の効果に起因し得る深刻な肺性の副作用とますます関連付けられるようになっている。交感神経作用薬は、頻脈、不整脈および高血圧を引き起こす。このような負の副作用は、減少した患者のコンプライアンスもしくは治療の終了へと至り得る。
【0006】
さらに重要なことに、現行の抗緑内障治療は、小柱網、視神経に対する病理学的損傷、ならびに網膜神経節細胞および軸索の損失に直接的には取り組まず、その損傷は変わらず存続する。緑内障の重要性、および先行技術の処置方法の不十分さを考慮して、緑内障の進行の根底にある原因に取り組む緑内障を処置する改善された方法を有することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障を発症する危険性のある被験体またはそれらの症状を有する被験体における原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障についての処置の方法に関する。この方法は、上記の被験体に対して有効な量の組成物を投与することを包含する。この組成物は、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストおよび受容可能なキャリアを含む。
【0008】
本発明によれば、短い形態のバージョンのc−Maf転写因子は、ステロイド処理された小柱網(TM)細胞およびトランスフォーミング増殖因子β2(TGFβ2)処理されたTM細胞においてアップレギュレーションされると同定されており、緑内障視神経乳頭組織において正常視神経乳頭組織よりも高いレベルで存在すると同定されており、ならびに緑内障のTM細胞において正常なTM細胞よりも高いレベルで存在すると同定されている。これらの条件下の短い形態のc−Maf転写因子の発現は、原発性開放角緑内障およびステロイド誘発性緑内障の病因におけるこの因子についての原因の役割もしくはエフェクターの役割を示す。本発明の方法は、緑内障の病因を阻害もしくは緩和するための、小柱網組織もしくは視神経乳頭組織のような他の眼組織における短い形態のc−Maf転写因子の転写、発現および/または活性の拮抗作用を含む。
【0009】
本発明のアンタゴニストは、短い形態のc−Maf転写因子の転写もしくは発現を妨害する。一実施形態において、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼに対する阻害活性を有するプリンアナログを含む。そのアンタゴニストは、例えば、パーバラノールA(purvalanol A)、パーバラノールB(purvalanol B)、アミノパーバラノール(amino−purvalanol)、オロマウシン(olomoucine)、N9−イソプロピルオロマウシン(N9−isopropylolomoucine)、ロスコビチン(roscovitine)、メトキシ−ロスコビチン(methoxy−roscovitine)、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含み得る。
【0010】
別の実施形態によると、cdk2サイクリン依存性キナーゼに対する阻害活性を有するアンタゴニストは、プリンに基づかず、例えば、インジルビン、オキシインドール(oxindole)、インデノピラゾール(indenopyrazole)、ピリドピリミジン(pyridopyrimidine)、アニリノキナゾリン(anilinoquinazoline)、アミノチアゾール(aminothiazole)、フラボピリドール(flavopiridol)、スタウロスポリン(staurosporine)、パウロン(paullone)、ヒメニアルジシン(hymenialdisine)、それらの組合せおよびそれらの塩である。
【0011】
緑内障疾患プロセスによって引き起こされた損傷から患者を保護もしくは救助するための治療剤としての短い形態のc−Mafの発現または活性のアンタゴニストの使用は、その疾患の症状に加えて、その疾患の進行に対して取り組む。すなわち、この病原性プロセスは、処置の結果として変更される。短い形態のc−Mafの発現もしくは活性のアンタゴニストは、POAGおよびステロイド誘発性緑内障の処置のために有用である。短い形態のc−Maf転写因子の緑内障病因における役者のとしての確認、および本明細書中で表されるような発現インヒビターもしくは活性インヒビターの使用は、以前に記載されたことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明は、短い形態のc−Maf転写因子の発現および/もしくは活性を拮抗する薬剤の緑内障の処置のための使用に関する。ヒトゲノムのマイクロアレイは正常RNAおよび緑内障RNAにハイブリダイズされ、短い形態のc−Maf転写因子遺伝子は、緑内障細胞において正常細胞に比べてアップレギュレーションされた。
【0013】
Maf関連遺伝子は、水晶体および前眼部の発生における重要な役者として同定されている(Yoshidaら(1997)Invest Opthalmol Vis Sci 38(12):2679−83;Oginoら(1998)Science 280(5360):115−8;Kawauchiら(1999)J Biol Chem 274(27):19254−60;Kimら(1999)Proc Natl Acad Sci USA 96(7):3781−5;Ringら(2000)Development 127(2):307−17;Ishibashiら(2001)Mech Dev 101(1−2):155−66;Jamiesonら(2002)Hum Mol Genet 11(1):33−42;Rezaら(2002)Mech Dev 116(1−2):61−73)。c−Mafは、クリスタリン遺伝子発現を活性化することが示されており、緑内障遺伝子産物であるPax6によって活性化され(Sakaiら(2001)Nucleic Acids Res 29(5):1228−37;Yoshidaら(2001)Curr Eye Res 23(2):116−9)、そして自らの遺伝子産物によって正に自己調節される。c−Maf欠乏マウスは、不完全な水晶体形成を有する小眼球症であるが、ヘテロ接合の無発現変異体は、比較的正常な眼の発生を経験する(Kimら(1999)Proc Natl Acad Sci USA96(7):3781−5)。
【0014】
c−Mafは、塩基性領域ロイシンジッパー(basic region leucine zipper)(bZIP)転写因子である。Mafファミリーの構成員は、そのbZIPモチーフの塩基性ドメインにおいて40%以下の相同性を有している。c−Mafの短い単一エキソンの形態(373アミノ酸)および長い2エキソンの形態(403アミノ酸)が存在するが、それらの機能的差異は未知のままである。短い形態のc−Mafは、C末端でメチオニンで終了する。長い形態についての付加的なカルボキシ末端のアミノ酸配列は、ITEPTRKLEPSVGYATFWKPQHRVLTSVFTK(配列番号4)である。本明細書中で用いられるように、用語「短い形態のc−Maf転写因子」は、短い形態のc−Maf転写因子もしくはGen Bank登録番号AF055376のもとに寄託されているタンパク質配列の373アミノ酸のタンパク質産物をコードする遺伝子を意味する。
【0015】
Glimcherらに対する米国特許第6,274,338号は、その特許の全体の開示は本明細書中で参考として援用されており、ヒトc−Mafについての核酸配列およびタンパク質配列の情報、ならびにアンチセンス分子および抗cMaf抗体を開示する。米国特許第6,274,338号のcMafの配列は、GenPeptにおいて登録番号#AAE79064としてある。この配列は、GenBank登録番号AF055376(短い形態の配列)およびAF055377(長い形態の配列)に含まれるタンパク質配列と比較した場合、アミノ酸241〜243の3つのアミノ酸の欠失を含めた数個のアミノ酸のミスマッチを除いては、上記の長い形態のc−Mafと対応している。
【0016】
短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニスト:短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストとしては、短い形態の遺伝子の転写を減少させる因子、短い形態の発現を阻害する因子、もしくは短い形態の活性を阻害する因子が挙げられる。特に、cdk2サイクリン依存性キナーゼインヒビター(特にプリンのアナログ)が、短い形態のc−Maf転写因子の転写をダウンレギュレートすることが見出されている。表1は、cdk2に対する阻害活性を有する、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストの一覧を提供する。
【0017】
【表1−1】

【0018】
【表1−2】

【0019】
【表1−3】

【0020】
さらなるcdk2阻害因子は、Grayらに対する米国特許第6,573,044号、Rosaniaら、Exp.Opin.Ther.Patents(2000)10(2);215−230(特に、低分子インヒビターについての第3節)、Fischer,P.M.、Celltransmissions 19:1,3−9頁、2003年3月において記載される。当業者は、本明細書を考慮して、因子が、置換基によって、ラセミ混合物、またはジアステレオマーもしくはエナンチオマーであり得ることを理解する。
【0021】
その化学的多様性にも拘わらず、表1の化合物の多くは、サイクリン/cdk2複合体における結合部位についてATPと競合する。例えば、構造解析の結果は、多くのプリンインヒビターのプリン部分が、cdk2のアデニシン結合ポケットに結合し、その本来のリガンドの結合を阻害することを示している。平面複素環式環系は、多くのcdk2インヒビターにとって一般的な構造的特徴であるようである。
【0022】
短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストについてのアッセイは、候補アンタゴニストを、転写および発現が起こることを可能とするバックグラウンドにおいてc−Maf転写因子遺伝子と組み合わせることを包含する。存在するc−Maf転写因子の量もしくは候補アンタゴニストの不在時における活性より小さい活性は、候補アンタゴニストが、実際にc−Mafのアンタゴニストであることを示す。
【0023】
投与の様式:上記のアンタゴニストは、直接的に眼へと(例えば:局所点眼剤もしくは眼軟膏;盲嚢内の、または強膜に隣接してもしくは眼内に移植された、徐放デバイス;眼周囲注射、結膜注射、テノン(Tenon)下注射、眼房内(intracameral)注射、硝子体内(intravitreal)注射、もしくは小管内注射);あるいは全身的に(例えば:経口で;静脈内注射、皮下注射もしくは筋肉内注射で;非経口で、皮膚送達で)当業者によって周知の技術を用いて、送達され得る。本発明のアンタゴニストが、眼内挿入デバイスもしくは眼内移植デバイスにおいて処方され得ることが、さらに企図される。眼房内注射は、上記の因子が小柱網へと達することを可能とするために、角膜を通って前眼房内へと行われ得る。小管内注射は静脈集合路(venous collector channel)内へであり得、静脈集合路は、シュレム管から、もしくはシュレム管へと排液する。
【0024】
被験体:本明細書中に記載されるように原発性開放角緑内障についてもしくはステロイド誘発性緑内障について処置される被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障を発症する危険性があるかまたは原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の症状を有する、ヒトもしくは他の動物であり得る。
【0025】
処方物および投与量:本発明のアンタゴニストは、適切な眼用キャリア中の、液剤、懸濁剤、もしくはエマルジョン(分散剤)として投与され得る。以下は、本発明によって具体化される可能な処方物の例である。
【0026】
【表2】

【0027】
上記眼用組成物は、さらなる実施形態において約0.1〜100ナノモル濃度(nM)のアンタゴニストの眼内濃度、もしくは、さらなる実施形態において1〜10nMのアンタゴニストの眼内濃度を提供するように、処方される。局所性組成物は、熟練した臨床家の慣用的判断に従って、一日当たり1〜4回、眼の表面へ送達される。上記処方物のpHは、4〜9、もしくは4.5〜7.4であるべきである。全身性処方物は、約10〜1000mgの上記アンタゴニストを含み得る。
【0028】
「有効量」とは、短い形態のc−Mafの発現もしくは活性を中断させ得るc−Mafアンタゴニストの量を指す。そのような中断は、眼内圧の低下をもたらし、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の症状を示す被験体において緑内障の症状の緩和をもたらす。そのような中断は、緑内障を発症する危険性のある被験体において症状の開始を遅延もしくは防止する。処方物の有効量は、例えば、被験体の年齢、人種および性別、または緑内障の重篤度などの要因に依存し得る。一実施形態において、上記アンタゴニストは、局所的に眼へと送達され、治療的用量で小柱網、網膜もしくは視神経乳頭に到達し、それによって緑内障疾患のプロセスを改善する。
【0029】
正確なレジメンは臨床家の判断に委ねられる一方で、結果として生じる液剤は、好ましくは各々の液剤の一滴を各々の眼の中に一日に1〜4回置くことによって、もしくは臨床家によって指示されるとおりに、投与される。
【0030】
受容可能なキャリア:眼用で受容可能なキャリアとは、多くともほとんど眼に刺激をもたらさないか全く眼に刺激をもたらさず、必要であれば適切な保存性を提供し、そして一つ以上の本発明のc−Mafアンタゴニストを均質な投与量で送達するキャリアを指す。眼への送達のためには、c−Maf転写インヒビターは、眼科学的に受容可能な保存剤、共溶媒、界面活性剤、粘度増強剤(viscosity enhancer)、浸透増強剤(penetration enhancer)、緩衝剤、塩化ナトリウム、または水と組み合わされて、水性の、滅菌眼用懸濁剤もしくは滅菌眼用液剤を形成し得る。眼用液剤処方物は、上記インヒビターを生理学的に受容可能な等張性の水性緩衝液中で溶解することによって調製され得る。さらに、上記眼用液剤は、上記インヒビターを溶解するのを助けるために、眼科学的に受容可能な界面活性剤を含み得る。ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの粘度を増加する物質は、上記の化合物の遺残性を向上させるために本発明の組成物へ加えられ得る。
【0031】
滅菌眼用軟膏処方物を調製するために、上記c−Mafアンタゴニストは、適切なビヒクル(例えば、鉱油、液体ラノリン、もしくは白色ワセリン)の中で保存剤と組み合わされる。滅菌眼用ゲル処方物は、上記c−Mafアンタゴニストを、親水性基剤中に懸濁することによって調製され得る。この親水性基剤は、例えば、CARBOPOL(登録商標)−940(BF Goodrich,Charlotte,NC)などの組合せから、他の眼用処方物についての当該分野において公知の方法に従って調製される。VISCOAT(登録商標)(Alcon Laboratories、Inc.,Fort Worth,TX)は、例えば、眼内注射のために用いられ得る。本発明の他の組成物は、上記c−Mafアンタゴニストが眼にそれほど浸透しない場合に備えて、クレモフォール(cremephor)およびTWEEN(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(polyoxyethylene sorbitan monolaureate)、Sigma Aldrich,St.Louis,MO)などの浸透増強物質を含み得る。
【実施例】
【0032】
(実施例1:ヒト小柱網組織および小柱網細胞からのRNA単離)
ヒト小柱網(TM)細胞を、提供者の眼(Central Florida Lions Eye and Tissue Bank,Tampa,FL)から得、以前に記(Steelyら(1992)Invest Ophthalmol Vis Sci、33(7):2242−50;Wilsonら(1993)Curr Eye Res、12(9):783−93;Clark(1994)Invest Ophthalmol Vis Sci、35(1):281−94;Dickersonら(1998)Exp Eye Res、66(6):731−8;Wangら(2001)Mol Vis、7:89−94)されたように培養した。TM細胞を、正常または緑内障のいずれかの各4個の細胞株のプールから得た。総RNAを、TRIZOL(登録商標)試薬を製造者の指示書(Invitrogen,Carlsbad,CA)に従って用いて各々のプール由来のTM細胞から単離した。
【0033】
(実施例2:Affymetrix GeneChip解析)
増幅されたRNAの逆転写、第2鎖cDNA合成およびビオチン標識を、標準的なAffymetrixのプロトコルに従って実施した。ヒトゲノムU133AおよびU133B GENECHIPS(登録商標)(Affymetrix,Santa Clara,CA)を、標準的なAffymetrixのプロトコルに従って、ハイブリダイズし、洗浄し、スキャンした。ハイブリダイズされたGENECHIP(登録商標)アレイを、GENEARRAY(登録商標)スキャナー(Agilent Technologies,Palo Alto,CA)を用いてスキャンした。生データを収集し、Affymetrix Microarray Suiteソフトウェアを用いて解析した。
【0034】
マイクロアレイデータのフィルタリングを、GENESPRING(登録商標)ソフトウェア(Silicon Genetics,Redwood City,CA)を用いて行った。各々の実験について、各々の測定値をそのチップについての全てのシグナル強度測定値の50番目の百分位数で分割することによって、データをチップごとに正規化した。処置サンプルもしくは疾患サンプルにおける遺伝子ごとの正規化されたシグナルを、各々の実験についてのコントロールサンプルにおけるその遺伝子に関する中央値で分割することによって、各々の遺伝子についての発現比を計算した。Cross−Gene Error Modelを用い、ベースライン(baseline)を各々の実験についての固有な基準/比例値と等しい値に設定して、統計学的なバックグラウンドより高い発現レベルについて、遺伝子を選択した。全ての実験条件においてAffymetrix U133A GENECHIP(登録商標)上に存在する(present)/境界上である(marginal)と示された遺伝子のみを、解析のために考慮に入れた。c−Mafの短い形態の遺伝子は、プローブセット209348_s_atとしてU133A GENECHIP(登録商標)上で一回のみ示される。短い形態のc−Mafは、疾患状態もしくは処置状態において、コントロール状態の少なくとも2倍高く発現していた。
【0035】
(実施例3:定量PCR)
第1鎖cDNAを、ランダムヘキサマーおよびTAQMAN(登録商標)Reverse Transcription試薬を製造者の指示書(Applied Biosystems,Foster City,CA)に従って用いて1μgの総RNAから生成した。100μlの反応物をその後20倍に希釈して0.5ng/μlの有効cDNA濃度を達成した。
【0036】
短い形態のc−Maf遺伝子発現の測定を、本質的にShepardら((2001)Invest Ophthalmol Vis Sci 42(13):3173−81)によって記載されたように、ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System(Applied Biosystems)を用いた定量的リアルタイムRT−PCR(QPCR)によって、行った。短い形態に特異的なc−Maf増幅(Genbank登録番号#AF055376)のためのプライマーを、PRIMER EXPRESS(登録商標)ソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて設計した。順方向プライマー配列および逆方向プライマー配列は、TTGGGACTGAATTGCACTAAGATATAA(配列番号1(ヌクレオチド3773〜3799))およびGCGTTCTAAACAGTTTTGCAATTTT(配列番号2(ヌクレオチド3823〜3847))であり、副溝結合プローブの配列は、CTGCAAGCATATAATACA(配列番号3(ヌクレオチド3801〜3818))であった。6FAMを上記の副溝結合プローブの5’末端に結合させた。6FAMは、TAQMAN(登録商標)プローブに結合した発蛍光団の型を指す。発蛍光団についての他の選択肢は、JOETMFluorophore(Applied Biosystems)もしくはVICTMfluorophore(Applied Biosystems)である。「副溝結合性非蛍光消光剤(Minor Groove Binding Non−Fluorescent Quencher)」を上記プローブの3’末端に結合させた。副溝結合性非蛍光消光剤を、6FAMからの蛍光を消光するために用いる。75bpのc−Mafアンプリコンの増幅を、1× pre−developed 18S rRNAプライマー/プローブセット(20× 18S MASTER MIX(登録商標);Applied Biosystems)を用いて18S rRNAレベルに対して正規化した。c−MafのQPCRは、50μlの最終体積において、1× TAQMAN(登録商標)Universal Mix(Applied Biosystems)、900nMのプライマー濃度および100nMのプローブ濃度、および2.5ngのcDNAからなった。サーマルサイクルの条件は、50℃で二分間、95℃で10分間、続けて95℃で15秒間と60℃で1分間との40サイクルからなった。相対的なcDNA濃度の定量を、PE Biosystems User Bulletin #2,ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System,2001(Applied BioSystems)において記載されているような相対的標準曲線方法を用いて行った。データ解析を、SDSソフトウェアバージョン1.9.1(Applied Biosystems)およびMS Excel 97(Microsoft)を用いて行った。ヒトの参照総RNA(Stratagene,La Jolla,CA)を、標準曲線を作成するために用いた。QPCRのデータを、正規化されたc−Maf/18S比の平均値±平均値の標準誤差として表す。
【0037】
(実施例4:小柱網細胞におけるTGFβ2誘発性c−Maf遺伝子発現)
本実施例は、短い形態のc−Mafが、トランスフォーミング増殖因子β2誘発性緑内障細胞において識別的にアップレギュレーションされることを、定量PCR解析を用いて示す。
【0038】
短い形態のc−Maf遺伝子の発現を、SGTM2697と称される緑内障小柱網細胞のプールについての、実施例2において記載されているAffymetrix U133A GENECHIP(登録商標)解析を用いて、解析した。この緑内障細胞を、遺伝子発現の誘導のために、16時間の間5ng/mlのトランスフォーミング増殖因子β2(TGFβ2)を用いて処理した。短い形態のc−Mafの遺伝子発現は、アップレギュレーションされると同定された。c−Mafのアップレギュレーションの確認を、Affymetrix GENECHIP(登録商標)解析のために用いるプールされた±TGFβ2処理されたSGTM2697細胞のRNAに由来するcDNAを用いて、実施例3において記載されているようにQPCRによって行った。短い形態のc−Mafは、図1に示されるように、コントロールと比較してTGFβ2によって16倍アップレギュレーションされた。図1のデータを、c−Mafのリボソーム18S mRNAレベルに対して正規化された比(平均値±平均値の標準誤差、n=3)として表す。
【0039】
(実施例5:小柱網細胞におけるデキサメタゾン誘発性c−Maf遺伝子発現)
本実施例は、短い形態のc−Mafが、デキサメタゾン誘発性緑内障細胞において識別的にアップレギュレーションされたことを、定量PCR解析を用いて示す。
【0040】
短い形態のc−Maf遺伝子の発現を、TM70Aと称される小柱網細胞についての、実施例2において記載されているAffymetrix U133A GENECHIP(登録商標)解析を用いて、解析した。この細胞を1日間もしくは14日間、10−7Mのデキサメタゾン(Dex)を用いて処理した。短い形態のc−Mafの遺伝子発現は、アップレギュレーションされると同定された。c−Mafのアップレギュレーションの確認を、Affymetrix GENECHIP(登録商標)解析のために用いる上記の±Dex処理されたTM70A細胞のRNAに由来するcDNAを用いて、実施例3において記載されているようにQPCRによって行った。短い形態のc−Mafは、図2に示されるように、コントロールと比較して、Dex処理の第1日目に2.1倍アップレギュレーションされ、Dex処理の第14日目に3.2倍アップレギュレーションされた。データを、c−Mafのリボソーム18S mRNAレベルに対して正規化された比(平均値±平均値の標準誤差、n=3)として表す。
【0041】
(実施例6:小柱網細胞における短い形態のc−Maf遺伝子の基底発現およびTGFβ2誘発性発現の低分子阻害)
本実施例は、cdk2インヒビターが、短い形態のc−Maf遺伝子の発現のアンタゴニストの一つであることを示す。
【0042】
短い形態のc−Maf遺伝子の発現に対する低分子阻害の効果を、SGTM2697と称される緑内障小柱網(継代6)細胞において、実施例2において記載されるようにQPCR解析を用いて解析した。この細胞を、5ng/mlのTGFβ2およびcdk2/サイクリンAインヒビターであるパーバラノールAを用いてまたは用いずに16時間処理した(Hardcastleら(2002)Annu Rev Pharmacol Toxicol 42:325−348)。図3に示されるように、基底c−MafレベルはパーバラノールA処理によって2.6倍ダウンレギュレーションされた。図3に示されるように、TGFβ2処理された(17倍アップレギュレーションされた)c−Mafは、パーバラノールA共処理によって完全に滅失された。図3のデータを、c−Mafのリボソーム18S mRNAレベルに対して正規化された比(平均値±平均値の標準誤差、n=6)として表す。図3のy軸は、0.00〜0.03の下方目盛および0.08〜0.48の上方目盛を有する。
【0043】
上記で述べた短い形態のc−Maf遺伝子の発現のパーバラノールA阻害によって支持されるように、本発明は、本明細書中において記載されるように、上記の短い形態のc−Mafの発現のアンタゴニストとして使用するためのさらなるサイクリン依存性キナーゼ2インヒビターを提供する。そのようなアンタゴニストは、緑内障疾患のプロセスによって引き起こされた損傷から保護する予防剤もしくはこのような損傷を治療する治療剤として有用である。
【0044】
(実施例7:緑内障視神経乳頭組織における短い形態のc−Maf転写因子)
Affymetrix GENECHIP(登録商標)マイクロアレイ解析を用いると、短い形態のバージョンのc−Maf転写因子は、緑内障視神経乳頭組織において正常視神経乳頭組織に比べて高いレベルで存在する。視神経乳頭組織を、4個の正常提供者の眼または5個の緑内障提供者の眼のいずれかのプールから得た。総RNAを、TRIZOL(登録商標)試薬を製造者の指示書(Invitrogen)に従って用いて、視神経乳頭組織から単離した。これらの条件における短い形態のc−Mafの発現は、緑内障の病因における要因の一部分について原因となる役割もしくはエフェクターの役割をさらに示す。緑内障の病因を阻害するためもしくは緩和するために、ならびに網膜および視神経に神経保護を提供するために、眼組織内における短い形態のc−Maf転写因子の発現および/もしくは活性の拮抗作用を、提供する。
【0045】
本明細書において引用される参考文献は、該参考文献が本明細書において示される詳細に対する補足的な例示的な手順の詳細もしくは他の詳細を提供する範囲まで、特に参考として援用される。
【0046】
当業者は、本開示を考慮して、本明細書において開示される実施形態の明らかな修正は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解する。本明細書において開示される実施形態の全ては、本開示を考慮して、過度の実験なしに行われ得、そして実行され得る。本発明の最大限度の範囲は、本開示およびその同等の実施形態において示される。本明細書は、本発明が権利を与える最大限度の保護範囲を過度に狭めるとは解釈されるべきではない。
【0047】
本明細書中において用いられる場合、他に指示されていない限り、用語「a」および「an」は、「一つ」、「少なくとも一つ」もしくは「一つ以上」を意味すると選択される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】SGTM2697のプールされた細胞における短い形態のc−Maf発現のQPCR解析は、コントロールと比較して16倍アップレギュレートされたTGFβ2誘発性遺伝子発現を示す。
【図2】TM70A細胞における短い形態のc−Maf発現のQPCR解析は、コントロールと比較して、1日目に2.1倍、14日目に3.2倍アップレギュレートされたデキサメタゾン誘発性遺伝子発現を示す。
【図3】パーバラノールAがある場合およびパーバラノールAがない場合の、基底細胞およびTGFβ2によって誘導された細胞についての、SGTM2697(P6)細胞における短い形態のc−Maf発現のQPCR解析。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体における原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障についての処置の方法であって、該方法は、有効量の組成物を該被験体に投与する工程を包含し、該組成物は、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストおよび受容可能なキャリアを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記処置は、原発性開放角緑内障についてである、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記処置は、ステロイド誘発性緑内障についてである、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障を発症する危険がある、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の症状を有する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、c−Maf遺伝子の転写を妨害する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有するプリンアナログを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、アミノ−パーバラノール、オロマウシン、N9−イソプロピルオロマウシン、ロスコビチン、メトキシ−ロスコビチン、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールAを含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有し、インジルビン、オキシインドール、インデノピラゾール、ピリドピリミジン、アニリノキナゾリン、アミノチアゾール、フラボピリドール、スタウロスポリン、パウロン、ヒメニアルジシン、それらの組合せおよびそれらの塩からなる群より選択される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記投与する工程は、眼内注射、徐放送達デバイスの移植、または局所投与、経口投与、もしくは鼻内投与による、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記投与する工程は、局所投与による、方法。
【請求項14】
被験体における原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障についての処置のための薬の調製における、有効量の組成物の使用であって、該組成物は、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストおよび受容可能なキャリアを含む、使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用であって、前記薬は、原発性開放角緑内障の処置のためである、使用。
【請求項16】
請求項14に記載の使用であって、前記薬は、ステロイド誘発性緑内障の処置のためである、使用。
【請求項17】
請求項14に記載の使用であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障を発症する危険がある、使用。
【請求項18】
請求項14に記載の使用であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の症状を有する、使用。
【請求項19】
請求項14に記載の使用であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、c−Maf遺伝子の発現を妨害する、使用。
【請求項20】
請求項14に記載の使用であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有するプリンアナログを含む、使用。
【請求項21】
請求項20に記載の使用であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、アミノ−パーバラノール、オロマウシン、N9−イソプロピルオロマウシン、ロスコビチン、メトキシ−ロスコビチン、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、使用。
【請求項22】
請求項20に記載の使用であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、使用。
【請求項23】
請求項20に記載の使用であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールAを含む、使用。
【請求項24】
請求項14に記載の使用であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有し、インジルビン、オキシインドール、インデノピラゾール、ピリドピリミジン、アニリノキナゾリン、アミノチアゾール、フラボピリドール、スタウロスポリン、パウロン、ヒメニアルジシン、それらの組合せおよびそれらの塩からなる群より選択される、使用。
【請求項25】
請求項14に記載の使用であって、前記薬は、眼内注射のため、徐放送達デバイスの移植のため、または局所投与のため、経口投与のため、もしくは鼻内投与のために調製される、使用。
【請求項26】
請求項14に記載の使用であって、前記薬は、局所投与のために調製される、使用。
【請求項27】
被験体における原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の処置のための組成物であって、該組成物は、短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストおよび受容可能なキャリアを含む有効量の組成物を含む、組成物。
【請求項28】
請求項27に記載の組成物であって、前記処置は、原発性開放角緑内障についてである、組成物。
【請求項29】
請求項27に記載の組成物であって、前記処置は、ステロイド誘発性緑内障についてである、組成物。
【請求項30】
請求項27に記載の組成物であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障を発症する危険がある、組成物。
【請求項31】
請求項27に記載の組成物であって、前記被験体は、原発性開放角緑内障もしくはステロイド誘発性緑内障の症状を有する、組成物。
【請求項32】
請求項27に記載の組成物であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、c−Maf遺伝子の転写を妨害する、組成物。
【請求項33】
請求項27に記載の組成物であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有するプリンアナログを含む、組成物。
【請求項34】
請求項33に記載の組成物であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、アミノ−パーバラノール、オロマウシン、N9−イソプロピルオロマウシン、ロスコビチン、メトキシ−ロスコビチン、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、組成物。
【請求項35】
請求項33に記載の組成物であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールA、パーバラノールB、それらの組合せ、もしくはそれらの塩を含む、組成物。
【請求項36】
請求項33に記載の組成物であって、前記アンタゴニストは、パーバラノールAを含む、組成物。
【請求項37】
請求項27に記載の組成物であって、前記短い形態のc−Maf転写因子のアンタゴニストは、cdk2サイクリン依存性キナーゼについての阻害活性を有し、インジルビン、オキシインドール、インデノピラゾール、ピリドピリミジン、アニリノキナゾリン、アミノチアゾール、フラボピリドール、スタウロスポリン、パウロン、ヒメニアルジシン、それらの組合せおよびそれらの塩からなる群より選択される、組成物。
【請求項38】
請求項27に記載の組成物であって、該組成物は、眼内注射のため、徐放送達デバイスの移植のため、または局所投与のため、経口投与のため、もしくは鼻内投与のために調製される、組成物。
【請求項39】
請求項27に記載の組成物であって、該組成物は、局所投与のために調製される、組成物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−515426(P2007−515426A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545577(P2006−545577)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/042930
【国際公開番号】WO2005/063252
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(399054697)アルコン,インコーポレイテッド (102)
【Fターム(参考)】