説明

繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法

【課題】ガラス繊維を含有するにもかかわらず高強度で軽い繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造する。
【解決手段】繊維強化熱可塑性樹脂材料からなる押出し成形体の少なくとも一部に空隙を形成し、該空隙が該繊維強化熱可塑性樹脂からなる部分の5〜90容量%である繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法において、(a)該繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練する工程、(b)該溶融混練された繊維強化熱可塑性樹脂を所定の最終成形体の断面積よりも大きくなるように押出す工程、(c)押出された該繊維強化熱可塑性樹脂を最終成形体形状になるまで圧縮する工程、(d)圧縮された該繊維強化熱可塑性樹脂を冷却する工程を含む繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維等の強化繊維を含有する熱可塑性樹脂の押出し成形方法は従来よりよく知られており、例えば、特開平6-278188号公報や特開平6-278187号公報等に開示されている。これらの成形方法は、コア層としてガラス繊維ロービングに熱可塑性樹脂を含浸させ5〜30mmの長さに切断したペレット、いわゆる長繊維強化樹脂ペレットを用い、スキン層として強化繊維を含まない熱可塑性樹脂を用いた多層押出しシートの製造方法であり、優れた外観、表面の耐傷つき性、仮反り性、落鍾衝撃強度を得る事を目的としている。
【0003】しかし、これらの方法によれば、表面性や反りあるいは強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることは可能であるが、強化繊維を含有するため重く、軽量化の面で不十分であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、本発明者らは、ガラス繊維を含有するにもかかわらず高強度で軽い繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造する方法について鋭意検討の結果本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂材料からなる押出成形体の少なくとも一部に空隙を成形し、該空隙が該繊維強化熱可塑性樹脂からなる部分の5〜90容量%である繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法において、(a)該繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練する工程、(b)該溶融混練された繊維強化熱可塑性樹脂を所定の最終成形体の断面積よりも大きくなるように押出す工程、(c)押出された該繊維強化熱可塑性樹脂を最終成形体形状になるまで圧縮する工程、(d)圧縮された該繊維強化熱可塑性樹脂を冷却する工程を含むことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法及びその製造方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、望ましくは1mm以上の平均繊維長を有する強化繊維を含有した熱可塑性樹脂を構成要素とし、図2〜図4にその断面の概略を示すような、強化繊維を含有した熱可塑性樹脂部分に空隙率5〜90容量%の空隙を形成する繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造する事を目的としている。
【0007】ここで言う空隙(10)とは、図1に成形体の空隙形成部の断面を示すように、表面に熱可塑性樹脂(9)が付着された強化繊維(8)が複雑に絡み合い、各強化繊維間に形成された空隙を意味するものである。この空間容積が増すほど成形体にしめる空隙の割合(空隙体積/繊維強化熱可塑性樹脂部分の見かけ体積×100=空隙率)は高くなり、成形体を軽量化する事が可能となる。
【0008】本発明の製造方法によって得られる押出し成形体は、樹脂材料が押出し機により混練されることにより熱可塑性樹脂(9)が強化繊維(8)に強固にまとわり付いているため、空隙(10)を形成する部分の空隙率が高く、例えば50容量%程度以上となっても、強化繊維(8)同士が複雑に絡まり合いその接点付近で熱可塑性樹脂(9)により固定された構造(梁構造)となり、優れた強度を得ることができる。
【0009】ここで、強化繊維(8)同士を絡ませるために、成形体中の強化繊維(8)の平均繊維長を長く保つことが望ましく、強化繊維(8)の平均繊維長が1mm以上であることが好ましい。ここで言う平均繊維長とは、一般的な重量平均繊維長により測定される。尚、強化繊維(8)は全ての強化繊維(8)が1本1本独立して存在している必要はなく、2本ないしはそれ以上の複数本が束ねられた状態であってもよく、全体として強化繊維(8)が略均等に分散している程度であればよい。
【0010】熱可塑性樹脂(9)中に含有する強化繊維(8)としてはガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の従来より強化繊維として知られている各種の強化繊維が適用されるが、ガラス繊維が最も一般的なものとして多く使用される。強化繊維(8)の含有量は通常5〜80%程度である。このような強化繊維(8)は、マトリックス樹脂との密着性に優れるほど、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂(9)を介しての繊維同士の結合も強固になり、空隙が形成された成形体の強度も向上するため、例えばポリプロピレン系樹脂とガラス繊維の組み合わせのような場合には、ガラス繊維に表面処理を行ったり、ポリプロピレン系樹脂に変性剤を配合してその密着性を向上させることは有効である。
【0011】また、本発明に適用される熱可塑性樹脂(9)としては、押し出し成形、射出成形、プレス成形に用いられている熱可塑性樹脂であればいずれも使用可能であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン。ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、等の一般的な熱可塑性樹脂、これらの混合物、あるいはこれらの熱可塑性樹脂を用いたポリマーアロイ等があげられ、必要に応じて各種添加剤、また、タルク等の充填剤を含んでいてもよい。
【0012】このような空隙(10)を形成した繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体としては、通常行われている押出し成形法によって得られる形状であり、一般的によく知られている平板や波板、丸や角パイプあるいはその断面形状が丸、角、L型等の各種棒状等さまざまな形状のものである。
【0013】これらの押出し成形体に形成される空隙(10)は、成形体全体にわたって形成されていてもよく、また、その一部にのみに形成されていてもよく、更には部分的に空隙率が異なっていてもよい。成形体に形成される空隙(10)は、その形成される部分も所望とする成形体形状により適宜決定され、例えば、図2a〜dに断面を示すようなシート形状では、その全体(図2a)をはじめ、シートの厚み方向に層状に空隙(10)を有する層を設け、その片面のみを空隙形成層(1)としたり(図2b)、空隙非形成層(2)で空隙形成層(1)をはさみ込んだ構造(図2c)としたり、あるいは空隙形成層(1)で空隙非形成層(2)をはさみ込んだ構造(図2d)等を取ることが可能である。これらの構造の中でも強度及び外観面では空隙非形成層(2)で空隙形成層(1)を挟み込んだ構造(図2c)が最も適している。
【0014】これらの積層構造を取る場合、それぞれの層を構成する熱可塑性樹脂(9)は同一である必要はなく、例えば強化繊維を含まない熱可塑性樹脂により空隙非形成層(2)を構成し、繊維強化熱可塑性樹脂からなる空隙形成層(1)と積層一体化されてもよい。また、同一材料により空隙形成層(1)と空隙非形成層(2)を構成すれば両者の積層面が存在しないためより成形体の強度を高くすることができる。また、図3に示すように、シートの幅方向や長さ方向に空隙形成層(1)と空隙非形成層(2)を設けることも可能である。
【0015】これらのシート状に押出しされた成形体は、軽量かつ高強度である特性を利用し各種構造部材として使われるのみならず、空隙の持つ流体透過性を利用したフィルター的な用途に用いることも可能である。
【0016】別の態様として図4に示すような厚肉部と薄肉部の組み合わせも可能である。この場合、例えば厚肉部のみに空隙(10)を形成させることで厚肉による重量の増加を防ぎ、軽量かつ高強度の成形体を得ることが可能となる。
【0017】次に、本発明の繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体の製造方法について説明する。本発明の繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体は、図5に示すような熱可塑性樹脂材料を丸棒やシートあるいは異形品に押出し成形するのに用いられている通常の押出し成形装置を用いて製造することができる。
【0018】押出し成形装置は、一般的な押出し機(3)、溶融された繊維強化熱可塑性樹脂を所定の形状に成形するためのダイス(4)、押出しされた繊維強化熱可塑性樹脂を最終成形体形状に圧縮するための圧縮装置(5)、圧縮された繊維強化熱可塑性樹脂を連続的に搬送するための引き取り装置(6)からなっている。押出し機(3)は通常用いられるものでよく、その大きさや押出し能力は製造する成形体の大きさ等によって適宜選択される。ただし、成形体中に平均繊維長1mm以上の強化繊維(8)を含有させるために、押出し機(3)のスクリューは、混練度を低くしたものを用いることが好ましい。そのようなスクリューとしては一般的にフルフライトと呼ばれるものが有り、また、スクリューの圧縮比も2〜3程度の低いものが用いられる。
【0019】ダイス(4)は押出し機の先端に接続され、押出し機(3)により押出された繊維強化熱可塑性樹脂は直接ダイス(4)内に流動する構造になっている。ダイス(4)の内部には溶融樹脂の流動を調整できるような流路調整機能を備えていることが望ましい。
【0020】圧縮装置(5)は、成形体形状に応じて適当なものが選択され、ロールやスチールベルト、キャタピラ、場合によってはフォーミングダイ等が用いられる。引き取り装置(6)も成形体形状に応じて適当なものが選択されるが、一般的に用いられるゴムロールやキャタピラ等を使用することができる。
【0021】本発明の方法においては、押出原料として平均繊維長3mm以上の強化繊維を含んだ熱可塑性樹脂材料が適している。このような繊維強化熱可塑性樹脂材料としては、強化繊維(8)と熱可塑性樹脂材料(9)を混合したものを用いることも可能であり、また通常、長繊維強化樹脂ペレットと呼ばれるものを用いることもできる。このようなペレットとしては、例えば、ガラスロービングに溶融した熱可塑性樹脂を含浸させ、冷却固化させたものを適当な長さ例えば3〜25mm程度に切断しペレット化したものが用いられる。これらのペレットは単体で用いられてもよく、他の樹脂材料と混合したものも使用可能である。
【0022】以下、シート状成形体を例に、工程を追って本発明の膨張成形体の製造方法を説明する。
【0023】この例では押出し機(3)としてフルフライトの一般的なものを用い、その先端にシート形状の繊維強化熱可塑性樹脂を押出すためのダイスを取り付けたものを用いている。圧縮装置としては通常のシート成形で用いられるようなロールが使用可能であり、ダイスの先端より僅かに離れた位置に圧縮用の回転ロールが設置されている。更に前方には引き取り用のゴムロールが設けられている。
【0024】圧縮用の回転ロールと引き取り用のゴムロールには各々回転数を制御できる機能が設けてあることが好ましく、押出し機より押出される繊維強化熱可塑性樹脂量に応じてそれぞれの回転数が制御される。
【0025】上記した繊維強化熱可塑性樹脂は、押出し機(3)で溶融混練され、熱可塑性樹脂中に強化繊維を分散した状態で押出し機より押出される。
【0026】このとき、押出し機(3)の設定温度は用いる樹脂、強化繊維含有量や目的とする成形体の形状等により適宜決定され、マトリックスとなる熱可塑性樹脂(9)の溶融温度以上分解温度未満に保たれている。例えば、強化繊維(8)としてガラス繊維を50wt%含むポリプロピレンを用いた場合、押出し機(3)の温度は、熱可塑性樹脂の温度が180℃〜300℃程度に押出されるように温度設定される。また、スクリューの回転数等の諸条件も適宜決定される。
【0027】続いて、押出された熱可塑性樹脂はダイス(4)に分配され、所定の略形状に押出される。ダイス各部も用いる熱可塑性樹脂の溶融温度以上分解温度未満に制御されている。押出された繊維強化熱可塑性樹脂は含有された強化繊維(8)の復元力(スプリングバック)により強化繊維間に空隙(10)を形成し、体積膨張する。シート状成形体を製造する場合、ダイス(4)より押出された繊維強化熱可塑性樹脂(11)は、ダイス(4)出口の隙間よりも厚み及び幅を増した形状で押出される。従って、ダイス出口の形状や構造は所望とする最終成形体(1)の厚みや幅あるいは用いる樹脂材料等により適宜決定される。
【0028】ここで、押出しされた繊維強化熱可塑性樹脂(11)は最終成形体の断面積形状よりも大きくなっていることが必要であり、特に、シートの場合は最終成形体厚みよりも厚く押出しされている事が必須となる。この時の繊維強化熱可塑性樹脂の空隙率は10〜95容量%程度であり、最終成形体の空隙率よりも高くなっている。
【0029】ダイス(4)より押出され空隙(10)を形成した繊維強化熱可塑性樹脂(11)は、溶融状態にある間に規定の間隔にセットされた回転ロール等の圧縮装置(5)により圧縮され、その表面を平滑に形成されるとともに最終成形体形状に成形される。一旦、最終成形体の断面積よりも大断面積となった繊維強化熱可塑性樹脂を圧縮することにより、成形体内の強化繊維と樹脂の絡まり具合が均一化され、強度分布の少ない成形体となる。
【0030】シート形状は主として厚み方向に圧縮される事が多いが、幅方向を規定するような装置を設けることも可能である。ここで、成形体の空隙率は圧縮する度合いによって調整することができるが、圧縮しすぎると空隙率が低くなり場合によってはほとんど空隙(10)がなくなってしまう。また、圧縮の度合いが低すぎると表面が平滑にならず、表面に凸凹を有する成形体となってしまうため、成形体の空隙率は通常5〜90容量%程度に調整される。
【0031】用いる樹脂材料によっては押出された繊維強化熱可塑性樹脂とロール間で滑りを生じる事もあるので、ロールの材質や表面処理などが適宜選択される。また、この圧縮工程はロールのみに限定されるのではなく、例えばプレス装置を用いたり、あるいはプレスで一旦圧縮したものをロールにより最終成形体形状まで圧縮するなど、各種手法をとる事ができる。
【0032】ロール等(5)により圧縮されて最終成形体形状となった成形体は、各種冷却方法により冷却された後ゴムロール等の引き取り装置(6)により引き取られ、連続的に巻き取られたり、あるいは肉厚のシートであれば所定の長さに切断される。ここで、冷却方法としては、従来より公知の冷却ロールやスチールベルト等を用いることも可能であるし、また、気体や液体をその内部に吹き付けて冷却することもできる。この時冷却が不十分であると引き取り時に内部の空隙がつぶされてしまう可能性があるので、成形体内部が繊維強化熱可塑性樹脂の熱変形温度程度となるまで冷却する必要がある。
【0033】以上、成形体全体に空隙(10)を有する繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体の製造方法について説明を行ったが、部分的に空隙(10)を有する積層状の成形体を得る場合は、図6に示されるよう、あらかじめ成形された空隙(10)を有さない熱可塑性樹脂製のシートまたはフィルム(7)を繊維強化熱可塑性樹脂押出し成形体の片面あるいは両面に積層することにより容易に得る事ができる。
【0034】この場合は、空隙を形成した繊維強化熱可塑性樹脂の耐圧縮力は低いため、シート又はフィルムには容易に接着するものを用いる必要がある。また、従来より公知の多層押し出し装置を用い、空隙形成層(1)の押し出しと同時に空隙非形成層(2)を押し出し積層することも可能である。
【0035】更には、図3に示すような、部分的に空隙を形成したシートを製造する場合、空隙非形成層(2)に対応する部分が厚肉となるよう、図8に示すような出口形状を持ったダイスにより繊維強化熱可塑性樹脂を押出し、部分的に厚肉が形成された押出しシートをロール等の圧縮装置(5)で均一厚みに圧縮することで部分的に空隙を有する繊維強化熱可塑性樹脂押出しシートを得ることができる。
【0036】このとき、ダイスから押出される樹脂量に応じて圧縮度合いを決定する必要がある。また、図4に示すような部分的に空隙を形成した厚肉部を有する成形体を製造する場合は、図9に示されるような溝を有するロール等により部分的に繊維強化熱可塑性樹脂の圧縮度合いを変えることで、容易に空隙を有する厚肉部を得ることができる。
【0037】ここでは、シート状成形体の製造方法について説明を行ったが本発明はシートに限定されるものではなく、パイプや棒状あるいは一般的に異形と呼ばれる断面を有する成形体を製造する事も可能である。この場合、所定の略形状に押出され、空隙(10)を形成した繊維強化熱可塑性樹脂は、従来より公知のフォーミングダイと呼ばれる成形ダイスにより圧縮することにより所定の空隙率になるように形成される。フォーミングダイは溶融状態の熱可塑性樹脂を冷却するために水冷ジャケット等を整えていてもよい。また、この場合も公知の多層押し出し機等を用いて空隙非形成層を積層一体化することもできる。
【0038】尚、用いる熱可塑性樹脂(9)や強化繊維(8)の種類あるいは強化繊維の充填率によっては、押出した時の空隙率が低く、良好な空隙(10)を得にくい場合もあり、このような場合には、熱可塑性樹脂材料中に発泡剤を僅かに混合しておくことで空隙(10)の形成を補助することができる。しかし、このような場合でも発泡剤の使用量は樹脂材料中に占める樹脂分に対して0.01〜5重量%程度で充分である。
【0039】このようにして、容易に空隙を有する繊維強化熱可塑性樹脂押し出し成形体を得ることが可能であり、これらの成形体は、軽量かつ高強度、更には流体透過性、断熱性、防音・遮音性、制振性等さまざまな特性を利用し、自動車、航空機、家電あるいは住設関係等に幅広く用いられる。
【0040】
【発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂押し出し成形体は、軽量かつ高強度という特性を利用し、自動車、航空機、家電あるいは住設関係等に幅広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の空隙形成部の概略を断面図で示す。
【図2】本発明の方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の断面の例を示す。
【図3】本発明の方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の断面の例を示す。
【図4】本発明の方法により得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の断面の例を示す。
【図5】本発明の方法により繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造するための装置の一例をその断面で示す。
【図6】本発明の方法により繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造するための装置の一例をその断面で示す。
【図7】本発明の方法により繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造するためのダイスの一例をその断面で示す。
【図8】本発明の方法により繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体を製造するためのロールの一例をその断面で示す。
【符号の説明】
1:空隙形成層
2:空隙非形成層
3:押出し機
4:ダイス
5:圧縮装置
6:引き取り装置
7:空隙非形成熱可塑性樹脂シート
8:強化繊維
9:熱可塑性樹脂
10:空隙
11:空隙を形成した繊維強化
12:ダイス出口
13:溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】繊維強化熱可塑性樹脂材料からなる押出し成形体の少なくとも一部に空隙を形成し、該空隙が該繊維強化熱可塑性樹脂からなる部分の5〜90容量%である繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法において、(a)該繊維強化熱可塑性樹脂を溶融混練する工程、(b)該溶融混練された繊維強化熱可塑性樹脂を所定の最終成形体の断面積よりも大きくなるように押出す工程、(c)押出された該繊維強化熱可塑性樹脂を最終成形体形状になるまで圧縮する工程、(d)圧縮された該繊維強化熱可塑性樹脂を冷却する工程を含むことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。
【請求項2】前記(c)工程において、空隙を形成しない熱可塑性樹脂層と積層一体化することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。
【請求項3】前記空隙を形成しない熱可塑性樹脂層が共押出しにより積層一体化することを特徴とする請求項2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。
【請求項4】前記空隙を形成しない熱可塑性樹脂層があらかじめ製造されたシート又はフィルムである事を特徴とする請求項2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。
【請求項5】前記(a)工程において、繊維強化熱可塑性樹脂中の強化繊維が1mm以上の平均繊維長を有するように溶融混練することを特徴とする請求項1〜4に記載の繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体の製造方法。
【請求項6】請求項1〜5によって得られる繊維強化熱可塑性樹脂押出成形体。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2000−263622(P2000−263622A)
【公開日】平成12年9月26日(2000.9.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−68125
【出願日】平成11年3月15日(1999.3.15)
【出願人】(000002093)住友化学工業株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】