説明

置換スルホンアミド、その製造方法、それを含有する製薬組成物及びその使用

炭酸脱水酵素の抑制による医薬を製造するのに有用である、一般式(I)


(式中R1はCO又はSO2であり、R2はNH又はOであり、Rは線状又は環式脂肪族連鎖を表し、nは結合用脂肪族連鎖の炭素数を表し、0、1、2又は3であり得る)の置換スルホンアミド及びこれの塩、水和物及び溶媒和物を製造し且つ説明する。これらの化合物は0〜20℃の温度でテトラヒドロフラン又はエーテル中でトリエチルアミン過剰量の存在下にアミンを4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライドと親核反応させることにより製造する。該化合物は抗緑内障活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬として用いるに有用な置換されたスルホンアミドに関する。
【背景技術】
【0002】
スルホンアミド類は重要な群の薬剤を成し、その種々の化学構造体は抗菌特性、利尿特性、静ガン特性を示し、有効な炭酸脱水酵素(カーボアンハイドラーゼ)阻害剤、血糖降下剤、プロテアーゼ阻害剤及びシクロオキシゲナーゼ阻害剤である(C.T. Supuran, A. Casini, A. Scozzafava, Med. Res. Reviews 23 (2003) 535〜558)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の要旨は有用な特性を有する新規化合物、特に製薬組成物の製造に適当な新規化合物に関する。有効なスルホンアミド型の炭酸脱水酵素阻害剤が補完性に基づいて十分に活性な酵素位置を満たし得るには適当な立体(3D)構造を有しなければならないという事実から進行するものである(M. Remko, J. Phys. Chem. A107 (2003) 720〜725)。3D構造に加えて、スルホンアミド類が高い阻害活性を有するには、それらの水溶性と親油性との間で或るバランスが必要とされる。リピンスキーの法則の条件を満たすスルホンアミドのこれらの特性及び別の物理化学的特性は高度に有効な製薬剤である(M. Remko, C-W. vonder Lieth, Bioorg. Med, Chem. 12 (2004) 5395〜5403)。芳香族スルホンアミド構造と活性との間の関連の研究に基いて、有効な炭酸脱水酵素阻害剤である一群のかかる化合物が開発され、該化合物は抗緑内障剤として有効であることを示している。これらの化合物が眼内圧を有効に低減することが確立された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の要旨は、次の一般式(I)

〔式中R1はCO又はSO2であり、
R2はNH又はOであり、
Rは第3級ジC1~4アルキルアミノ基(但しアルキル部分は同じ又は異なっている)又はアミノ基を包含し、そのアルキル部分は一緒になって5,6及び7−員の飽和環を形成し又はそれらの末端は異原子Oにより結合され、あるいは
RはR1がSO2でR2がNHである時は4−(N,N−ジエチルアミノエトキシ)ベンジル基であり;又は
RはR1がCOでR2がNHである時は4−[N−(モルホリノプロピル)スルファモイル]フェニル基であり、
nは線状又は分枝した結合用脂肪族連鎖の炭素数であり、0、2又は3である〕
を有する新規で今まで知られていない置換スルホンアミドに関する。
【0005】
特定の具体例によると、本発明の要旨は前記一般式(I)〔但しR1はSO2であり、R2はNHであり、
R及びnは次の表に示される

〕を有する化合物を提供する。
【0006】
別の具体例によると、本発明の要旨は前記一般式(I)
〔但しR1はCOであり、R、R2及びnは次の表に示される。
【0007】

を有する化合物を提供する。
【0008】
本発明の要旨は特に次の化合物を提供する。
【0009】
N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−1)、
N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−2)、
N−(ピロリジノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−3)、
N−(ピロリジノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−4)、
N−(モルホリノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−5)、
N−(モルホリノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−6)、
N−(4−ジエチルアミノエトキシベンジル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−7)、
N−(ジメチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−8)、
N−(ジメチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−9)、
N−(N,N−ジプロピルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−10)、
N−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−11)、
N−(N,N−ジブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−12)、
N−(N,N−ジブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−13)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−14)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−15)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−16)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−17)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−18)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−19)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−20)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−21)、
N−(ピペリジノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−22)、
N−(ピペリジノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−23)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−24)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−25)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−26)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−27)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−1)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−2)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−3)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−4)、
4−スルファモイル−N−(モルホリノエチル)ベンズアミド;(II−5)、
4−スルファモイル−N−(モルホリノプロピル)ベンズアミド;(II−6)、
4−[N−(モルホリノプロピル)スルファモイル]フェニルスルファモイルベンズアミド;(II−7)、
(N,N−ジエチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−8)、
(N,N−ジエチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−9)、
(N,N−ジプロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−10)、
(N,N−ジプロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−11)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジプロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−12)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−13)、
(N,N−ジブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−14)、
(N,N−ジブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−15)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−16)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−17)、
(N−メチル−N−エチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−18)、
(N−メチル−N−エチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−19)、
4−スルファモイル−N−(N−メチル−N−エチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−20)、
4−スルファモイル−N−(N−メチル−N−エチルアミノプロピル) ベンズアミド;(II−21)、
(N−エチル−N−プロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート(II−22)、
(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート(II−23)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−プロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−24)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−25)、
(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−26)、
(N−プロピル−N−ブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−27)、
4−スルファモイル−N−(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−28)、
4−スルファモイル−N−(N−プロピル)−N−ブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−29)、
(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−30)、
(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−31)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−32)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−33)、
(ピロリジノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−34)、
(ピロリジノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−35)、
4−スルファモイル−N−(ピロリジノエチル)ベンズアミド;(II−36)、
4−スルファモイル−N−(ピロリジノプロピル)ベンズアミド;(II−37)、
(ピペリジノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−38)、
(ピペリジノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−39)、
4−スルファモイル−N−(ピペリジノエチル)ベンズアミド;(II−40)、
4−スルファモイル−N−(ピペリジノプロピル)ベンズアミド;(II−41)、
(N−エチル−N−イソプロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−42)、
(N−エチル−N−イソプロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−43)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−イソプロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−44)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−イソプロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−45)、
[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノエチル]−4−スルファモイルベンゾエート;(II−46)、
[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノプロピル]−4−スルファモイルベンゾエート;(II-47)、
4−スルファモイル−N−[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノエチル]ベンズアミド;(II−48)、
4−スルファモイル−N−[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノプロピル]ベンズアミド;(II−49)。
【0010】
置換ベンゼン1,4−ビス(スルホンアミド)は0〜20℃の温度で12時間テトラヒドロフラン中で又はエーテル中でトリエチルアミン過剰量の存在下にアミン(IV)を4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライド(V)と親核反応させることによって製造できる。化合物 (I−1) 〜 (I−4) を製造するに当っては、1つのアミノ基が第1級アミノ基であって別のアミノ基が第3級アミノ基である脂肪族アミン(IV)を反応に用いる。窒素原子間の炭素結合鎖は2個又は3個の炭素原子を含有する。第3級アミノ基は2個のアルキル基を含有し、I−1及びI−2あるいはこの第3級アミノ基の窒素原子は環の一部であるI−3、I−4及びI−6。置換1,4−ビス(スルホンアミド) I−7の場合には、4−ジエチルアミノエトキシベンジルアミン(XI)をアミンとして用いた。
【0011】
置換4−スルファモイルベンズアミドは、0〜20℃の温度で12時間テトラヒドロフラン中で又はエーテル中でトリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミン過剰量の存在下に、式(IV)のアミンを4−スルファモイルベンゾイルクロライド(VI)と親核反応させることにより製造できる。化合物II−1乃至II−6を製造するに当っては、1個のアミノ基が第1級アミノ基であって別のアミノ基が第3級アミノ基である脂肪族ジアミンを反応に用いた。第3級アミノ基は2個のアルキル基を含有しあるいはこの第3級アミノ基の窒素原子は環の一部である。置換4−スルファモイルベンズアミド(II−7)を製造するに当っては、4−アミノ−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼン−スルホンアミド(XIII)をアミンとして用いた。置換ベンゾエートII−8を製造するに当っては、2−ジエチルアミノエタノールを第1級アミノ基含有化合物として用いた。
【0012】
置換ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド) を製造する反応図式

R=ジエチルアミノ、1−ピロリジノ、4−モルホリノ、4−(ジエチルアミノエトキシ)ベンジル、n=0,2,3

置換ベンズアミドIIを製造する反応図式

X = NH、O
R =ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、1−ピロリジノ、4−モルホリノ、4−[N−(3−モルホリノプロピル)アミノスルホニル]フェニル、n = 0, 2, 3

具体例の実施例に詳細に記載した或る原料化合物を製造する反応図式

全ての場合に、アンモニウム塩は化合物I−7及びII−8のアミノ基をメタノール中の塩化水素の溶液と酸−塩基性反応させることにより製造した。
【0013】
一般式(I)の化合物は塩化水素とのそれらの塩の形で試験した。これらの塩の水溶液のpHはpH=7の値に近い。1H−NMRはDMSO溶液中でMercury plus 300 MHzの分光計で測定した。
【0014】
本発明はまた製薬組成物を調製するのに一般式(I)の化合物及びこれの生理上及び製薬上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物の使用に関する。この目的のため、該化合物は助剤と一緒に別法として1種又はそれ以上の別の活性剤特に緑内障の治療用活性剤と一緒に、適当な投薬形に加工できる。
【0015】
本発明のこれらの組成物はヒトへの医薬として及び動物用医薬として用い得る。特定の助剤は製薬製剤及び必要とされる投与方式に応じて選択される。
【0016】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、気管内、鼻内、経皮、直腸又は眼内投与用の本発明の製薬組成物においては、一般式(I)の活性成分又はこれの許容しうる塩、溶媒和物又は水和物は単位投薬形として並びに慣用の製薬ビヒクルとの混合物として、カーボアンハイドラーゼ酵素と関連する疾病又は病気の予防又は治療に動物及びヒトに投与できる。適当な投薬単位には経口方式投与用の製剤例えば錠剤、ゼラチンカプセル、粉末、顆粒及び経口溶液又は懸濁液、舌下、頬側、気管内又は鼻内、皮下投与用の製剤、筋肉内又は静脈内投与用の製剤及び直腸投与用の製剤がある。局所投与用には、本発明の化合物はクリーム、軟膏、溶液、乳液、マイクロエマルジョン、懸濁物又は洗眼薬として用い得る。局所組成物を溶液の形で、特に点眼剤の形で調製するならば、製薬主成分は種々の補助剤と一緒に混合され;即ち
0.001〜2重量%の、pH条件を維持する補助剤(例えばホウ酸、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)、
0.001〜2重量%の、媒質の等張性を調節する補助剤(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコース、マンニトール等)、
0.001〜2重量%の防腐剤(例えばベンザルコニウム、クロライド、クロロヘキシジン等)、
0.001〜2重量%の媒質の粘度を調節する補助剤(例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポビドン、ポリビニルアルコール等)、
0.001〜2重量%の抗酸化剤(例えばクエン酸、マンニトール、EDTA等)
と一緒に混合される。これらの補助剤は例として挙げられており、他の多数の薬剤でさえ用い得る。
【0017】
一般式(I)の化合物及びこれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物は疾病の予防又は治療に、特に眼内圧上昇の緑内障の治療に用い得る。
【0018】
前記の検定及び下記の検定結果に基づいて、次の群;
交感神経興奮剤(クロニジン、ブリモニジン、エピネフリン);副交感神経興奮剤(ピロカルピン、カルバコール);ベタブロケーター(betablo cators)(チモロール、ベタキソロール、レボブノロール);プロスタグランジン同族体(ラタノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト)、及び別の抗緑内障剤(グアネチジン、ダピプラゾール)
から選んだ別の抗緑内障剤と一緒に本発明の化合物の相乗効果が予期される。
【0019】
本発明を、具体例である次の実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0020】
実施例
原料化合物の調製
実施例1
4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライド(V)の調製[Cross, P.E., Gatsby, B., J. Med. Chem. 21, 845 (1978); Holland, G.F., Funderbulk., W. H., J. Med. Chem. 6, 307 (1963)]。
【0021】
700 mlのエルレンマイヤーフラスコに54 mlの蒸留水と72 mlの濃塩酸とを添加する。該溶液を0℃に冷却し、24g(0.139モル)のスルファニルアミド(III)を攪拌下に少量ずつ連続的に添加する。該混合物をこの温度で更に1時間攪拌する。この混合物に、16 mlの水に入れた9.6 g(0.139モル)の亜硝酸ナトリウムの溶液を、該混合物の温度が0℃を超えないように攪拌及び冷却下に30分間滴下して加える。次いで該混合物を更に30分間0℃で攪拌する。その間に120mlの99%酢酸に入れた36g(0.56モル)の二硫化硫黄の溶液を調製する。二酸化硫黄は250 mlの40%硫酸に100gのピロ亜硫酸ナトリウムを連続的に添加することにより調製される。調製した二酸化硫黄は重量が36gに達するまで+5℃で120mlの99%酢酸に冷却下で溶解させる。この溶液に1.4gの二塩化銅二水和物を添加し、該混合物を攪拌する。この混合物に調製したジアゾニウム塩の溶液を該混合物の温度が+5℃を越えないように温和に攪拌しながら5分間添加し、3つの部分として10分間添加する。約15分後に、生成窒素の発生が起こる。該混合物を更に15分間攪拌し、該混合物に200 mlの水及び粉砕した氷を添加し、該混合物を更に20分間攪拌する。得られた固体を分離し、氷水で3回洗浄し、乾燥する。酢酸エチルから晶出させる。無色の固体、融点156〜157℃、14.9g(42%)の4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライド(V)を得た。
【0022】
実施例2
ナトリウム 4−スルファモイルベンゾエート(VIII)の調製〔Gubert, S., Famaco 45, 59 (1990);Radionov, V.H., Javorskaja, E.V., Zh. Obsc, Chim. 18, 110 (1948)〕。
【0023】
500 mlのエルレンマイヤーフラスコで180 mlの蒸留水に入れた20.1 g(0.2モル)の重炭酸カリウムの溶液を調製した。この溶液に、40.2g(0.2モル)の4−スルファモイル安息香酸(VII)を45℃で攪拌下に30分間少量ずつ溶解するまで添加する。該混合物はCO2を漏洩することによりしゅーしゅーいう。次いで真空回転蒸発器上で水を該溶液から乾固するまで留去した(浴の温度は60℃を越えない)。残留する湿分は真空蒸発器上でトルエンと共に数回の共沸蒸留により除去する。固体残渣をジクロロメタンと共に浸透させ、これを傾シャし、固体生成物を赤外ランプにより乾燥させた。無色の固体。収量43g(98%)のカリウム4−スルファモイルベンゾエート(VIII)。
【0024】
実施例3
4−スルファモイルベンゾイルクロライド(VI)の調製〔Gubert, S., Famaco 45, 59 (1990);Radionov, V.H. Javorskaja, E.V. Zh, Osbc, Chim, 18, 110 (1948)〕。
【0025】
攪拌機及び温度計を備えた三ツ首フラスコに、蒸留仕立ての55 mlの塩化チオニルを入れ、3滴のジメチルホルムアミドを添加した。該混合物を油浴中で40℃に加熱し、この温度で35.8g(0.149モル)のカリウム4−スルファモイルベンゾエート(VIII)を30分間攪拌下に少量ずつ添加する。次いで該混合物を更に40分間55℃に加熱する。真空回転蒸発器上で過剰の塩化チオニルを留去し、生成物を3回100 mlの温(60℃)無水ジオキサン中に抽出する。該溶液を500mlの石油エーテルの添加により希釈する。得られた固体を分離し、石油エーテル又はヘキサンで洗浄し、クロロホルムからの晶出により精製した。殆んど無色の固体、m.p. 151〜153℃。20g(61%)の4−スルファモイルベンゾイルスルホニルクロライドVIを得た。
【0026】
実施例4
4−ジエチルアミノエトキシベンズアルデヒドXの調製〔Rodionov, V, H., Jovorskaja, E, V., Zh. Obsc. Chim, 18, 110(1948)〕。
【0027】
100 mlのアセトンに入れた18.4g(0.15モル)の4−ヒドロキシベンズアルデヒドの溶液に、27.5g(0.16モル)のN,N−ジエチル−N−(2−クロルエチル)アミンIX及び22.1g(0.16モル)の炭酸カリウムを室温で攪拌下に添加した。次いで該混合物を沸騰温度で12時間強く攪拌する。溶剤を真空回転蒸発器で該溶液から留去する。20g(60.6%)の4−ジエチルアミノエトキシベンズアルデヒドXを得た。無色の流体、沸点120〜123℃/0.5トル、nD20=1.536。文献〔5〕は沸点123〜125℃/0.8トル、n20D=1.530を報告する。
【0028】
実施例5
4−ジエチルアミノエトキシベンジルアミンXIの調製〔Cossey, H.D., Sharpe, C.J., J. Chem. Soc, 4322(1963), Goldberg, M.W., Moutclair, U., Schw, Pat, 365387(1962)〕。
【0029】
無水エタノールに入れたアンモニアの10%溶液180mlに溶かした4−ジエチルアミノエトキシベンズアルデヒドXの溶液に、4.5gのRaNiを添加し、該混合物を12時間攪拌下に反応混合物に水素を供給しながらオートクレーブ中で68気圧の圧力で80℃に加熱した。該混合物を冷却し、触媒を濾去し、エタノールで洗浄した。溶剤を該溶液から留去し、蒸留残渣を減圧下での蒸留により精製した。13g(65%)の4−ジエチルアミノエトキシベンジルアミンXIを得た。無色の流体 138〜140℃/0.5トル、n20=1.520、文献〔6,7〕は130℃/0.3トル、n20=1.5220を報告する。
【0030】
実施例6
4−アセトアミド−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼンスルホンアミドXIIIの調製〔Goldberg, M.W., Moutclair, U.., 米国特許2,879,293(1959)〕。
【0031】
15 mlのアセトンに入れた2.8g(0.020モル)の3−モルホリノプロピルアミンの溶液に、3 mlの水に入れた3.3g(0.024モル)の炭酸カリウムの溶液を攪拌下に添加する。この混合物に5g(0.021モル)の4−アセトアミドベンゼンスルホニルクロライドXIIを室温で15分間少量ずつ添加する。該混合物を次いで室温で更に2時間攪拌する。溶剤容量の半分を該混合物から留去し、該混合物を0℃に冷却する。得られた固体を分離し、5 mlの氷水で3回洗浄し、乾燥させた。4.2g(62%)の4−アセトアミド−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼンスルホンアミドXIIIを得た。無色固体mp,97〜98℃。
【0032】
実施例7
4−アミノ−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼンスルホンアミドXIVの調製〔Goldberg, M.W., Moutclair, U., 米国特許2,879,293(1959)〕。
【0033】
3.4g(0..001モル)の4−アセトアミド−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼンスルホンアミドXIIIと4mlの17%酸との混合物を攪拌下にわずかに沸騰するまで3.5時間加熱する。該混合物を室温に冷却し、クロロホルムで中和する。溶剤を該溶液から留去し、蒸留残渣の油をエーテルで解離する(macerate)。2.1g(71%)の4−アミノ−N−(3−モルホリノプロピル)ベンゼンスルホンアミドXIVを得た。無色固体、m.p.96〜97℃。文献〔8〕は95℃を報告する。
【0034】
実施例8
N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)(I−1)の製造
温度計、添加漏斗、磁気攪拌機を備えた250mlの三ツ首フラスコに、50mlの無水テトラヒドロフラン、24g(0.0485モル)のN,N−ジエチルアミノエチルアミンIV及び33ml(0.238モル)のトリエチルアミンを装入する。該溶液を0〜5℃に冷却し、50mlの無水テトラヒドロフラン又はエーテルに入れた12g(0.0469モル)の4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライドVの溶液を0〜15℃に冷却且つ攪拌下に30分間添加する。固体が分離する。次いで該混合物を室温で12時間攪拌する。100mlの石油エーテルを該溶液に添加し、該混合物を攪拌し、半固体生成物を濾取する。これを塩化ナトリウムの飽和水溶液15mlと共に研和する。固体生成物を分離し、10mlの氷水で2回洗浄し、乾燥させた。水:エタノール(2:1)混合物から晶出させて精製する。7.4g(47%)のN−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド) I−1を得た。無色固体、mp.128〜130℃。メタノール中の10〜20%塩化水素溶液で、50mlのメタノール中の5g(0.015モル)のこの塩基溶液をpH=4に酸性化することによりアンモニウム塩を調製する。50mlのエーテルを該混合物に添加する。得られた固体を濾取し、エーテルで洗浄し、水:エタノール(3:1)混合物からの晶出で精製する。4.6g(82%)の化合物I−1のアンモニウム塩が得られた。無色固体、m.p. 185〜187℃。
【0035】
化合物I−1、HClのH−NMR
I-1(塩)δCH3, 1.166, 1.177, 1.190, t(6H)、CH2, 3.992, 3.112, 3.123, m(6H)CH2, 3.163、3.169 , 3.172 m(2H)SO2−NH2, 7.653 , s(H) Har 8.036,(4H)SO2−NH, 8.383, 8.395, 8.405, t(1H)NH10.173,s(1H)。
【0036】
テトラヒドロフランの代りに、エーテルを用いることができ(5.6g)、トリエチルアミンの代りにN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を用い得る。
【0037】
実施例9
N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)(I−2)の製造
実施例8(化合物I−1)の如き手法に従って、6.3g(0.0485モル)のN,N−ジエチルアミノプロピルアミンを用いる。7.4g(47%)のN−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)を得た。無色固体、m.p.133〜135℃。アンモニウム塩を調製するには、5.3g(0.015モル)の塩基I−2を用いる。5.0g(90.3%)の化合物I−2のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.198〜200℃。
【0038】
H-NMR:
I−2(塩)δCH3 1.156, 1.180, 1.205, t(6H9) CH2 1.780 - 1.1800 m(2H) CH2 2.864 - 2.884 m(2(2H) CH2 2.907, -3.053 m(6H) SO2−NH2 1.648, s(2H) Har 7.982, 8.011, 8.027, 8.057 dd(4H) SO2−NH 8.068, 8.090, 8.094 t(1H) NH+ 10.254 s(1H)。
【0039】
実施例10
N−(ピロリジノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)(I−4)の製造
実施例8の如き手法に従って、6.2g(0.0485モル)のピロリジノプロピルアミンを用いる。6.7g(41.0%)のN−(ピロリジノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)を得た。無色固体、m.p.120〜122℃。アンモニウム塩を調製するには5.5g(0.0158モル)の塩基I−4を用いる。実施例8の如き手法により5.2g(85.8%)の化合物I−4のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.180〜183℃。
【0040】
H-NMR:
II−4(塩)δCH2 1.835, 1.852, 1.875, 1.904, 1.943, 1.969, m(6H) CH2 2.856 - 2.898, m(4H) CH2 3.044 −3.113, m(2H) Har 7.987, 8.015, 8.026, 8.054, dd (4H) SO2-NH, 8.079, 8.098, 8.118 t(1H), NH+ 10.868 s(1H)。
【0041】
実施例11
N−(モルホリノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)(I−6)の製造
実施例8の如き手法に従って、7g(0.0485モル)のモルホリノプロピルアミンを用いる。8.2g(48.0%)のN−(モルホリノプロピル)−1,4−ビス(スルホンアミド)I−6を得た。無色固体、m.p.121〜123℃。
【0042】
H−NMR:
II−6(塩基) δ CH2−中間 1.533, 1.564, 1.574, t(3H), CH2 2.377, m(4H). CH2−N, 2.806, 2.818, 2.829, t(2H), CH2 3.557, m(6H) SO2-NH2 7.607 s(2H) SO2−NH 7.865, s(1H) Har 7.962, 7.975, 8.010, 8.023, dd(4H)
アンモニウム塩を調製するには6.0g(0.0173モル)の塩基I−6を用いる。実施例8の如き手法に従って、4.9g(86.0%)の化合物I−6のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.232〜234。
【0043】
H-NMR:
I-6(塩)δCH2 1.813, 1.912 m(2H) CH2 2.823 - 2.881, m(2H) CH2 2.953 - 3.102 m(4H) CH2 3.322 - 3 363 m (2 H) CH2 3.731 - 3.964 m (4H) SO2-NH2 7.642 s(2H) Har 8.002, 8.011, 8.022, 8.032, dd(4H) SO2-NH , 8.053, 8.076, 8.096, t(1H) NH+ 10.893, s(1H)。
【0044】
実施例12
N−(4−ジエチルアミノエトキシベンジル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)(I−7)の製造
実施例8の如き手法に従って、10.8g(0.0485モル)の4−ジエチルアミノエトキシベンジルアミンXIを用いる。8.6g(37.7%)のN−(4−ジエチルアミノエトキシベンジル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド)I−7を得た。
【0045】
無色固体、m.p.72〜74℃。
【0046】
アンモニウム塩を調製するには、実施例8の如き手法を用いる。アンモニウム塩を調製するのに、7.7g(0.0176モル)の塩基I−7を用いる。6.4g(76.2%)の化合物I−7のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p. 92〜94℃。
【0047】
H-NMR:
I−7(塩)δ CH3 1.217, 1.242, 1.265, t(6H) CH2 3.166 - 3.217 m (4H) CH2-N 3.960, 3.981, d(2H) CH2-O 4.315, 4.318, 4.321 t(2H) Har (O−フェニル) 6.87, 380, 7, 6.906, 7.159, 7.188, dd(4H)SO-NH2 7.635 s (2H) Har (S−フェニル) 7.961 - 7.971 dd (4H) SO2−NH 8.380, 8.384, 8.387 t (1H) NH+ 10.230 s (1H)
実施例13
4−スルファモイル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)ベンズアミド(II−1)の製造
温度計、添加漏斗及び攪拌機を備えた250mlの三ツ首フラスコに40mlのテトラヒドロフラン又はエーテル、4.3g(0.0485モル)のN,N−ジメチルアミノエチルアミン及び24g(33ml)(0.238モル)のトリエチルアミン又はDIPEA(ジイソプロピルエチルアミン)を入れる。該溶液を0℃に冷却し、60mlのテトラヒドロフラン又はエーテルに溶かした10.3g(0.0470モル)のスルファモイルベンゾイルクロライドIXの溶液を温度が0〜15℃を越えないように冷却及び攪拌下に30分間滴下して添加する。次いで該混合物を室温で12時間攪拌する。100mlの石油エーテル又はヘキサンを該混合物に添加する。半固体生成物を濾取し、20mlの塩化ナトリウムの氷冷飽和水溶液で離解させる。固体生成物を分離し、10mlの塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回、氷水で2回洗浄し、水:エタノール(2:1)から晶出させて精製する。6.1g(48.0%)の4−スルファモイル−N−(2−ジメチルアミノエチル)ベンズアミドII−1を得た。無色固体、m.p.150〜151℃。
【0048】
H-NMR:
II−1(塩基)δ CH3 2.182 t(6H) CH2−N+ 2.389, 2.412, 2.435, t(2H) CH2−NCO 3.356−3.376, m(2H) SO2−NH2 7.472, s(2H) SO2−NH2 7.472, s(2H) Har 7.871, 7.899, 7.991, dd(4H), CO-NH 8.590, 8.594, 8.958, t(1H)。
【0049】
40mlのメタノールに溶かした5g(0.015モル)のこの化合物II−1の溶液を、メタノール中の10〜20%塩化水素溶液でPh=5に酸性化することによりアンモニウム塩を調製した。80mlのエーテルを該混合物に添加し、固体を濾取し、水:エタノール(1:2)から晶出させて精製した。4.5g(80.4%)の化合物II−1のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.208〜210℃。
【0050】
H−NMR:
II−1(塩) δCH3 2.821, s(6H) CH2−N+ 3.270, 3.270, 3.278, 3.297, t(2H) CH2−NCO 3.630, 3.649, 3.668, t(2H) SO2−NH2 7.524, s(2H) Har 7.896, 7.924, 8.084, 8.113, dd(4H) CO−NH 9.087, 9.104, 9.123 t(1H) NH+ 10.365 s(1H)。
【0051】
実施例14
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンズアミド(II−3)の製造
実施例13の如き手法に従って、5.6g(0.0485モル)のN,N−ジエチルアミノエチルアミンを用いる。6.2g(44.0%)の4−スルファモイル−N−(2−ジエチルアミノエチル)ベンズアミドを得た。無色固体、m.p. 174〜176℃。
【0052】
H−NMR:
II−3(塩)δCH3 0.945, 0.969, 0.993, t(6H) CH2 2.501 - 2..584, m(8H) SO2−NH2 7.466 s(2H) Har 7.873, 7.900, 7.057, 7.985 dd(4H) CO-NH 8.568, 8.571, 8.574 t(1H)。
【0053】
アンモニウム塩を製造するのに、5.2g(0.0184モル)の塩基II−3を用いる。実施例13の如き手法により、5.1g(85.4%)の化合物II−3のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.201〜202℃。
【0054】
N−NMR;
II−3(塩)δCH3 1.203, 1.233, 1.254 t(6H) CH2 3.161 - 3.203, m(6H) CH2−N+ 3.66 m(2H) SO2−NH2 7.51 s(2H) Har 7.903, 7.932, 8.084, 8.101 dd(4H) CO−NH 9.142, 9.173, 9.212 t(1H) NH+ 10.383 s(1H)。
【0055】
実施例15
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンズアミド(II−4)の製造
実施例13の如き手法に従って、6.2g(0.0485モル)のN,N−ジエチルアミノプロピルアミンを用いる。6.2g(44.0%)の4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンズアミドII−4を得た。無色固体、m.p.122〜123℃。アンモニウム塩を製造するには、5.2g(0.0184モル)の塩基を用いる。実施例13の如き手法に従って、5.2g(85.4%)の化合物II−4のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.165〜167℃。
【0056】
H−NMR:
II−4(塩)δCH3 1.173, 1.197, 1.221 t(6H) CH2中間1.900 - 1.958 m(2H) CH2 (3.350 - 3.358) m(2H) SO2−NH2 7.513 s(2H) Har 7.887, 7.914, 8.018, 8.045 dd(4H) CO−NH 8.936, 8.940, 8.944 t(1H) NH+ 10.250 s (1H)。
【0057】
実施例16
4−スルファモイル−N−(モルホリノプロピル)ベンズアミド(II−6)の製造
実施例13の如き手法に従って、7.0g(0.0485モル)のモルホリノプロピルアミンを用い、7.3g(47.7%)の4−スルファモイル−N−(モルホリノプロピル)ベンズアミドII−6を得た。無色固体、m.p. 196〜198℃。
【0058】
II−6(塩基)δCH2(中間) 1.643, 1.666, 1.689, 1.712, 1.736五重項(2H)CH2 2.306 - 2353 m (6H) CH2 3.272 - 3.294 m (2H)(CH2) 2 O 3.548, 3.564. 3.580 t (4H) SO2−NH2 7.477 s (2H) Har 7.874, 7.880, 7.897, 7.903, 7.971, 7.987, 7.994 m (4H) CO−NH 8.644, 8.662, 8.680 t (1H)。
【0059】
H−NMR:
アンモニウム塩を製造するためには、6.0g(0.0183モル)の塩基II−6を用いる。実施例13の如き手法に従って、5.9g(88.0%)の化合物II−6のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p.196〜198℃。
【0060】
H−NMR:
II−6(塩)δCH2 1.963 − 2.040 m (2H) CH2 2.991 − 3.152 m (4H) SO2−NH2 7.510 s(2H) Har 7.892, 7.923, 8.021, 8.053 dd(4H) CO−NH 8.912, 8.933, 8.952 t(1H) NH+ 10.992 s (1H)。
【0061】
実施例17
4−[N−(モルホリノプロピル)スルファモイル]フェニルスルファモイルベンズアミド(II−7)の製造
実施例13の如き手法に従って、14.6g(0.0485モル)の4−アミノ−N−(モルホリノプロピル)ベンゼン−スルホンアミドXIIIを用い、4−スルファモイル−N−[4−モルホリノプロピル]アミノスルホニルフェニル]ベンズアミドII−7を得た。淡黄色油。
【0062】
H-NMR:
II−7(塩基)δCH2 1.493, 1.522, 1.543 t(2H) CH2 3.510 - 3.542 m(6H) SO2−-NH 7.541 t (1H) SO2-NH2 7.562s (1H) 7.562 s (1H) Har (CO−フェニル) 7.776, 1.805, 8.109, 8.137 dd (4H) Har (N−フェニル) 7.961, 7.973, 7.990, 8.003 dd (4H) CO−NH 10.763 s (!H)。
【0063】
アンモニウム塩を製造するには、8.0g(0.0166モル)の塩基II−7を用いる。実施例13の如き手法に従って、7.0g(81.4%)の化合物II−7のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p. 201〜202℃。
【0064】
H-NMR:
II−7(塩)CH2(中間) 1.815, 1.840, 1.865 t (2 H) CH2 2.780,2.802, 2.823, 2.844 m (2H) CH2 3.921, 3.960 d (2H) SO2−NH27.500, s (2H), SO2−NH 7.706, 7.746 t (1H) Har (CO−フェニル) 7.796, 7.825, 8.126, 8.154 dd (4H) Har (n−フェニル) 7.962, 7.990, 8.005, 8.035 dd (4H) NH+ 10.568 s (1H) CO−NH 10.842 s (1H)。
【0065】
実施例18
N,N−ジエチルアミノエチル−1,4−スルファモイルベンゾエート)II−8の製造
実施例13の如き手法に従って、5.7g(0.0485モル)のN,N−ジエチルアミノエタノールを用いる。6.1g(43.3%)のN,N−ジエチルアミノエチル−(4−スルファモイルベンゾエート)II−8を得た。無色固体、m.p. 159〜160℃。アンモニウム塩を製造するにはM5.1g(0.017モル)の塩基II−8を用いる。実施例13の如き手法に応じて、4.4g(77.2%)の化合物II−8のアンモニウム塩を得た。無色固体、m.p. 185〜186℃。
【0066】
H-NMR:
II−8(塩)δCH3 1.242, 1.273, 1.291 t (3H) CH2 3.203 - 3.242 m (4H) CH2 3.522 - 3.541 m (2H) CH2 3.203 - 3.242 m (4H) CH2 3.522 - 3.541 m (2H) CH2 4.653 - 4.702 m (2H) SO2−NH2 7.621 s (1H) Har 7.962, 7.993, 8.210, 8.243 dd (4H) NH+ 10.633 s (1H)。
【0067】
実施例19
有効性試験の結果
本発明化合物の有効性は薬理試験の結果で立証される。
【0068】
眼内圧の変化の測定に向けられる、一般式(I)の化合物の基本的な薬理側面は生体内条件で評価される。主たる強力な治療効果に加えて関連アルコール副応答も監視する。実験においては、チンチラ種の実験動物を用いる。何故ならこの動物種の正常血圧眼は最良の反応性を与えるからである。標準の条件下で生育させた疾病徴候のない、獣医により検査した成体の雄のチンチラ(1年乃至1年半の年令)を動物モデルとして用いる。一般式(I)供試化合物の溶液は常に新たに調製される。Medtronic XOMED社からの測定装置トノ−ペン(Tono-Pen;登録商標)XLを眼内圧の測定に用いる。
【0069】
眼内圧値はmmHgで表す。実験の第1日目には、一般式(I)の供試化合物の溶液を1日につき2回、特に午前8.00時および午後2時に施用する。実験の第2日目には、施用は30時間目に静止する(即ち2日目の午後2時)。
【0070】
各々の化合物の溶液は右の結膜のうに2滴の量で常に施用する。左眼は対照として役立つ。この眼(左)の結膜のう中に蒸留水の同じ小滴(2滴)を施用する。蒸留水は擬薬として役立つ。
【0071】
両眼の結膜のう中に1滴の局所麻酔剤(オキシブプロカイン)を投与し、細心の円形運動(1〜2回)によりマッサージしてから、化合物溶液と蒸留水との両方の眼内活性を測定する。
【0072】
標準の要件は全ての測定で保持する。測定は朝の午前7時に開始する。測定は、5回連続的にラビットの角膜に探針(プローブ)の柔らかな垂直タッチによりトノ−ペン(登録商標)XL装置で行なう。測定は試料の投与前に両角膜(右眼及び左眼)について行なう。
【0073】
即ち右眼と左眼との両方について眼内圧の正常値が得られる。次いで午前8時に2滴の供試化合物を右眼に施用し、2滴の蒸留水を左眼に施用する。
【0074】
更なる測定は右眼の施用から30分後(午前8.30)に、1時間後(午前9.00)に及び7時間後(午後3.00)に、25時間後(第2日目の午前9.00)に及び31時間後(第2日目の午後3.00)に行なう。擬薬の施用後即ち2滴の蒸留水の施用後にラビットの左眼の眼内圧の変化を同じ時間の間隔で監視する。更に右眼に2滴の供試化合物及び左眼に2滴の蒸留水を第1日目の午後2.00に(即ち供試化合物の第1回目の投与量の施用から6時間後に)及び実験の第2日目の午後2.00に(即ち実験の30時間目に)同じ群のラビットに再び施用する。即ち供試化合物の反復投与によって生起される変化を監視する。各々の化合物について及び各々の濃度について、10回の別個の試験を行なう。
【0075】
実験中は、反作用的な副作用は見出されなかった。
【0076】
以下の表は、測定した時間の間隔で2%及び2.5%の濃度での化合物I−4と1%の濃度での化合物II−4との監視により得られた絶対数値を示す。
【0077】



【産業上の利用可能性】
【0078】
一般式(I)の置換スルホンアミドは製薬組成物、薬剤の製造に、ヒト及動物の医薬に活性化合物として、特に抗緑内障剤として有用である。該化合物は有効な炭酸脱水酵素(カーボンアンハイドラーゼ)阻害剤であり、それ故該化合物は、この酵素を阻害することが必要である全ての疾病の治療に幅広い用途を有し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑内障の治療用医薬を製造するのに、次の一般式(I)

〔式中R1はCO又はSO2であり、
R2はNH又はOであり、
Rは第3級ジC1~4アルキルアミノ基(但しアルキル部分は同じ又は異なっている)又はアミノ基を包含し、そのアルキル部分は一緒になって5,6及び7−員の飽和環を形成し又はそれらの末端は異原子Oにより結合され、あるいは
RはR1がSO2でR2がNHである時は4−(N,N−ジエチルアミノエトキシ)ベンジル基であり;又は
RはR1がCOでR2がNHである時は4−[N−(モルホリノプロピル)スルファモイル]フェニル基であり、
nは線状又は分枝した結合用脂肪族連鎖の炭素数であり、0、2又は3である〕
の置換スルホンアミド及び/又はこれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物の使用。
【請求項2】
緑内障の治療用医薬を製造するのに、請求項1記載の一般式(I)
〔但しR1がCOである時
R2、R及びnは次の表で示される;

〕を有する置換スルホンアミド及び/又はその生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物の使用。
【請求項3】
緑内障の治療用医薬を製造するのに請求項1記載の一般式(I)

〔式中R1はSO2であり、
R2はNHであり、
R及びn次の表に示される;

〕を有する置換スルホンアミド及び/又はそれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物の使用。
【請求項4】
次の群;
N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−1)、
N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−2)、
N−(ピロリジノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−3)、
N−(ピロリジノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−4)、
N−(モルホリノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−5)、
N−(モルホリノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−6)、
N−(4−ジエチルアミノエトキシベンジル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−7)、
N−(ジメチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−8)、
N−(ジメチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−9)、
N−(N,N−ジプロピルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−10)、
N−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−11)、
N−(N,N−ジブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−12)、
N−(N,N−ジブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−13)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−14)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−15)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−16)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−17)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−18)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−19)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−20)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−21)、
N−(ピペリジノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−22)、
N−(ピペリジノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−23)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−24)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−25)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−26)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−27)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジメチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−1)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジメチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−2)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−3)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−4)、
4−スルファモイル−N−(モルホリノエチル)ベンズアミド;(II−5)、
4−スルファモイル−N−(モルホリノプロピル)ベンズアミド;(II−6)、
4−[N−(モルホリノプロピル)スルファモイル]フェニルスルファモイルベンズアミド;(II−7)、
(N,N−ジエチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−8)、
(N,N−ジエチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−9)、
(N,N−ジプロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−10)、
(N,N−ジプロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−11)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジプロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−12)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−13)、
(N,N−ジブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−14)、
(N,N−ジブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−15)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−16)、
4−スルファモイル−N−(N,N−ジブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−17)、
(N−メチル−N−エチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−18)、
(N−メチル−N−エチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−19)、
4−スルファモイル−N−(N−メチル−N−エチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−20)、
4−スルファモイル−N−(N−メチル−N−エチルアミノプロピル) ベンズアミド;(II−21)、
(N−エチル−N−プロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート(II−22)、
(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート(II−23)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−プロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−24)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−25)、
(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−26)、
(N−プロピル−N−ブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−27)、
4−スルファモイル−N−(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−28)、
4−スルファモイル−N−(N−プロピル)−N−ブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−29)、
(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−30)、
(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−31)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)ベンズアミド;(II−32)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−33)、
(ピロリジノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−34)、
(ピロリジノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−35)、
4−スルファモイル−N−(ピロリジノエチル)ベンズアミド;(II−36)、
4−スルファモイル−N−(ピロリジノプロピル)ベンズアミド;(II−37)、
(ピペリジノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−38)、
(ピペリジノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−39)、
4−スルファモイル−N−(ピペリジノエチル)ベンズアミド;(II−40)、
4−スルファモイル−N−(ピペリジノプロピル)ベンズアミド;(II−41)、
(N−エチル−N−イソプロピルアミノエチル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−42)、
(N−エチル−N−イソプロピルアミノプロピル)−4−スルファモイルベンゾエート;(II−43)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−イソプロピルアミノエチル)ベンズアミド;(II−44)、
4−スルファモイル−N−(N−エチル−N−イソプロピルアミノプロピル)ベンズアミド;(II−45)、
[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノエチル]−4−スルファモイルベンゾエート;(II−46)、
[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノプロピル]−4−スルファモイルベンゾエート;(II-47)、
4−スルファモイル−N−[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノエチル]ベンズアミド;(II−48)、
4−スルファモイル−N−[(N−エチル−N−フェニルエチル)アミノプロピル]ベンズアミド;(II−49)
から選んだ請求項1記載の一般式(I)を有する置換スルホンアミドの使用。
【請求項5】
次の一般式(I)

〔式中R1はSO2であり、
R2はNHであり、
R及びnは次の表に示される;

を有する置換スルホンアミド及びこれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物。
【請求項6】
次の化合物;
N−(N,N−ジエチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−1)、
N−(N,N−ジエチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−2)、
N−(ピロリジノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−3)、
N−(ピロリジノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−4)、
N−(モルホリノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−5)、
N−(モルホリノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−6)、
N−(4−ジエチルアミノエトキシベンジル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−7)、
N−(ジメチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−8)、
N−(ジメチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−9)、
N−(N,N−ジプロピルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−10)、
N−(N,N−ジプロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−11)、
N−(N,N−ジブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−12)、
N−(N,N−ジブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−13)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−14)、
N−(N−メチル−N−エチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−15)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−16)、
N−(N−エチル−N−プロピルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−17)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−18)、
N−(N−エチル−N−ブチルアミノプロピル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−19)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノエチル)ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−20)、
N−(N−プロピル−N−ブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−21)、
N−(ピペリジノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−22)、
N−(ピペリジノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−23)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−24)、
N−(N−エチル−N−フェニルエチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−25)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノエチル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−26)、
N−(N−エチル−N−イソブチルアミノプロピル) ベンゼン−1,4−ビス(スルホンアミド);(I−27)
である請求項5記載の一般式(I)を有する置換スルホンアミド。
【請求項7】
抗緑内障剤の如き炭酸脱水酵素阻害剤として用いるための請求項5又は6記載の一般式(I)の置換スルホンアミド及び/又はこれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物。
【請求項8】
活性化合物として請求項5又は6記載の一般式(I)の置換スルホンアミド及び/又はこれの生理上許容しうる塩、水和物又は溶媒和物と製薬担体とを含有してなることを特徴とする、疾病の予防および治療用の製薬組成物。
【請求項9】
交感神経興奮剤例えばブリモジニン、クロニジン、アプラクロニジン;副交感神経興奮剤例えばピロカルピン、カルバコール;ベタブロケーター例えばチモロール、ベタキソロール、レボブノロール;及びプロスタグランジン同族体例えばラタノプロスト、ビマプロストから選んだ疾病の予防又は治療用の別の活性剤特に眼病の治療用の別の活性剤及び別の抗緑内障剤例えばグアネチジン又はダビプラゾールを追加的に含有してなることを特徴とする、請求項8記載の製薬組成物。
【請求項10】
一般式(IV)
2N−(CH2) n−R (IV)
(式中Rは請求項5に定義した通りである)のアミンを次式(V)


の4−スルファモイルベンゼンスルホニルクロライドで0〜20℃の温度で過剰の塩基の存在下に有機溶剤中で処理し、その際親核反応により置換1,4−ビススルホンアミドを得ることを特徴とする、請求項5記載の一般式(I)の化合物の製造方法。
【請求項11】
テトラヒドロフラン又はエーテルを有機溶剤として用い、トリエチルアミンを塩基として用いることを特徴とする、請求項10記載の方法。

【公表番号】特表2010−524929(P2010−524929A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504023(P2010−504023)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/SK2008/050005
【国際公開番号】WO2008/130332
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509290599)ユニメッド ファーマ,スポール.エス.アール.オー. (1)
【Fターム(参考)】