説明

膜厚計測方法及び膜厚計測装置、並びに光電変換装置の製造方法

【課題】第2セル層の膜厚を、より高精度で計測可能な方法及び膜厚計測装置、並びに、該膜厚計測方法を用いて、基板面内で膜厚が均一になるように第2セル層を製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】透明電極層及び光電変換層が形成された基板面内の任意の位置における透過率と、予め測定された透明電極層ヘイズ率及び第1セル層膜厚とに基づき、第2セル層の膜厚を算出する工程とを含む膜厚計測方法。該膜厚計測方法により第2セル層の膜厚を算出する第2セル層膜厚算出部を備える膜厚計測装置。該膜厚計測方法に基づき、基板面内の任意位置における第2セル層の膜厚を算出する工程と、第2セル層の膜厚が許容膜厚範囲から外れる場合に、第2セル層製膜条件を調整する工程とを含む光電変換装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換層の膜厚計測方法及び膜厚計測装置、並びに、該膜厚計測方法を適用した光電変換装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池としては、透明基板上にp型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体(i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜をプラズマCVD法等で製膜して形成した光電変換層を備えた薄膜シリコン系太陽電池が知られている。薄膜シリコン系太陽電池の変換効率、すなわち、発電出力を増加させるために、吸収波長帯域が異なる発電セル層を2段重ねた光電変換層とすることによって、入射光を効率良く吸収させて高い発電効率を得るタンデム型太陽電池が提案されている。透明基板側から太陽光が入射するスーパーストレート型のタンデム型太陽電池においては、例えば、基板側から順に、非晶質シリコンからなる第1セル層及び結晶質シリコンからなる第2セル層が形成される。
【0003】
タンデム型太陽電池の生産において、発電出力のばらつきや変動が生じることが問題となっていた。発電電力のばらつきや変動の要因の一つとして、光電変換層の各層の膜厚が製膜バッチ毎に変動することが挙げられる。特に、厚膜とされる結晶質シリコンi層の膜厚変動の影響が大きい。図9に、第2セル層のi層膜厚とモジュール出力との関係を示す。同図において、横軸は第2セル層のi層膜厚、縦軸は規格化されたモジュール出力である。このように、第2セル層のi層膜厚とモジュール出力との間には強い相関があり、バッチごとに第2セル層のi層膜厚が変動すると、モジュール出力にばらつきが発生する。従って、性能向上及び安定化を図るには、結晶質シリコンi層の膜厚を計測し、管理することが求められる。
【0004】
i層の膜厚変動は、放電電極や製膜室内壁へのシリコン膜の堆積、給電ケーブルの劣化などにより、製膜条件が変動することが原因とされる。堆積シリコン膜を除去するために、所定の製膜バッチ数毎にフッ素含有ガスを用いたセルフクリーニング処理が実施されるが、セルフクリーニング後の残留フッ素の影響によっても、i層の膜厚が変動する。
特許文献1には、アモルファスシリコン薄膜からなる1層の光電変換層を形成した太陽電池について、透過膜厚計により光電変換層(i層膜)の膜厚を計測し、計測された光電変換層の膜厚が基準膜厚で一定になるように、セルフクリーニング後のバッチ数に応じて高周波電力パワー及び電力投入時間を制御する薄膜製造方法及び薄膜製造システムが開示されている。
【特許文献1】特開2008−56949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タンデム型太陽電池の生産において第2セル層膜厚計測に透過膜厚計を適用する場合、シングル型太陽電池よりも層数が増えるために、より計測精度を高めることが求められていた。
【0006】
第2セル層の膜厚を高精度で計測し、製膜条件変動の監視や膜厚制御にフィードバックさせることにより、バッチ間での発電出力のばらつきを抑制できる。大面積基板を用いたタンデム型太陽電池では、供給電力密度の分布、基板近傍での供給ガスや残留フッ素の分布などにより、基板面内における膜厚分布が生じやすい。従って、大面積基板太陽電池においては、第2セル層膜厚分布、主としてi層の膜厚分布を把握し、i層膜厚が面内で均一になるように製膜条件を調整する必要があった。
【0007】
本発明は、タンデム型太陽電池における第2セル層の膜厚を、より高精度で計測可能な膜厚計測方法及び膜厚計測装置を提供する。また、該膜厚計測方法を用いて、第2セル層、特に第2セル層のi層を、基板面内で膜厚が均一になるように制御して製膜する光電変換装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板上に、透明電極層と、該透明電極層側から順に第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とを備える光電変換装置における光電変換層の膜厚計測方法であって、前記透明電極層及び前記光電変換層が形成された前記基板面内の任意の位置における透過率を計測する工程と、該計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記第2セル層の膜厚を算出する工程とを含む。
【0009】
透過光量に基づいて第2セル層の膜厚を測定する場合、透明電極層及び光電変換層(第1セル層及び第2セル層)が形成された基板に対して計測光が照射され、計測光の透過率が測定される。本発明では、透明電極層のヘイズ率と第1セル層の膜厚とによる補正を考慮して、透明電極層及び光電変換層が形成された基板面内の任意の位置における計測光の透過率から第2セル層の膜厚を算出する。このように、透過光量に基づく第2セル層の膜厚測定に、透明電極層の表面形状に起因する光散乱及び第1セル層での光吸収の影響を考慮することにより、第2セル層の膜厚測定精度を向上させることができる。
【0010】
上記発明において、前記ヘイズ率及び前記第1セル層の膜厚が、前記基板面内における前記透過率が計測された位置と同一位置のヘイズ率及び膜厚とされることが好ましい。
【0011】
このように、透過率が計測された位置と同一の基板面内位置でのヘイズ率及び第1セル層膜厚を用いて補正することにより、第2セル層膜厚の測定精度が更に向上する。
【0012】
上記発明において、前記基板面内の任意の複数位置における前記第2セル層の膜厚を算出することが好ましい。これにより、特に基板面内での製膜条件の変動が発生しやすい大面積基板について、第2セル層のより正確な面内膜厚分布を得ることができる。
【0013】
本発明は、透明電極層と第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とが形成された基板に対して所定波長の計測光を照射する照射部と、前記基板を透過した前記計測光の透過光を受光する検出部と、前記計測光の強度及び前記透過光の強度から透過率を算出する透過率算出部を備える透過率計測部と、該透過率計測部で計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記第2セル層の膜厚を算出する膜厚算出部とを備える膜厚計測装置を提供する。
【0014】
本発明の膜厚計測装置は、第2セル層膜厚算出部において、透明電極層による光散乱及び第1セル層での光吸収を考慮して第2セル層膜厚を算出する。そのため、本発明の膜厚計測装置を用いれば、透明電極層及び第1セル層上に形成された第2セル層の膜厚を、高精度で計測することが可能である。
【0015】
また、本発明は、基板上に、透明電極層と、該透明電極層側から順に第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とを備える光電変換装置の製造方法であって、前記透明電極層及び前記光電変換層が形成された前記基板面内の任意位置における透過率を計測する工程と、該計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意位置における前記第2セル層の膜厚を算出する工程と、該算出された第2セル層の膜厚を、予め設定された許容膜厚範囲と比較する工程と、前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記第2セル層の製膜条件を調整する工程とを含む光電変換装置に製造方法を提供する。
【0016】
本発明は、2層の発電セル層を備える光電変換装置の製造において、透明電極層のヘイズ率と第1セル層の膜厚により補正された第2セル層の膜厚値を用いて、予め設定された許容膜厚範囲と比較し、比較結果に基づいて第2セル層製膜条件の調整を実施する。調整される製膜条件は、例えば、放電電極に投入される高周波電力密度、原料ガス圧力、原料ガス流量、製膜時間とされる。あるいは、高周波電源やガス流量計などの機器の調整により、製膜条件を調整しても良い。透明電極層の表面形状及び第1セル層での吸収を考慮した補正を行うことにより、第2セル層の膜厚測定精度が高くなる。高精度で計測された膜厚に基づいて、第2セル層製膜条件の調整を実施するため、膜厚制御精度が向上する。このため、第2セル層膜厚のバッチ間での変動を抑制することができる。その結果、バッチ間での出力のばらつきが抑えられ、一定出力の光電変換装置を安定して生産することができる。
【0017】
上記発明において、前記透過率を計測する工程において、前記基板面内の任意の複数位置での透過率を計測し、前記第2セル層の膜厚を算出する工程において、前記任意の複数位置での透過率と、前記透明電極層のヘイズ率と、前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意の複数位置における前記第2セル層の膜厚を算出し、少なくとも一の位置における前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記第2セル層の製膜条件を調整することが好ましい。
【0018】
または、上記発明において、前記算出された複数位置における第2セル層の膜厚から、前記第2セル層の膜厚分布を取得する工程を更に含み、少なくとも一の位置における前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記膜厚分布を基に、前記第2セル層の形成条件を調整することが好ましい。
【0019】
大面積基板を用いる場合、基板面内でのガス分布、高周波電力密度分布、セルフクリーニング時の残留フッ素などの影響により、基板面内での第2セル層膜厚の変動が生じやすい。このように、大面積基板面内の複数位置における第2セル層の膜厚を算出し、複数位置における第2セル層膜厚あるいは第2セル層膜厚分布を、第2セル層製膜条件の調整に反映させれば、第2セル層を高出力が得られる膜厚にて均一に製膜することができる。この結果、光電変換装置の出力を向上させることができる。
【0020】
上記発明において、前記透過率と、前記透過率が計測された位置と同一位置におけるヘイズ率と、前記透過率が計測された位置と同一位置における前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意位置における前記第2セル層の膜厚を算出することが好ましい。これにより、第2セル層膜厚を高精度で計測でき、第2セル層膜厚の制御精度もさらに向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の膜厚計測方法及び膜厚計測装置によれば、透明電極層及び第1セル層の影響を考慮して第2セル層膜厚を計測することができるため、精度良く第2セル層膜厚を計測することができる。
本発明の膜厚計測方法を用いて第2セル層の膜厚を計測し、計測値を許容膜厚範囲と比較した結果を第2セル層の製膜条件調整に反映させれば、第2セル層膜厚のバッチ間での変動を抑制することができる。その結果、バッチ間での出力のばらつきが抑えられ、一定出力の光電変換装置を安定して生産することができる。
特に、大面積基板を用いた光電変換装置の製造においては、本発明の膜厚計測方法を用いて複数位置での第2セル層膜厚を計測し、計測結果を第2セル層製膜条件の調整に反映させることにより、第2セル層膜厚を基板面内で均一とすることができる。このため、高出力の光電変換装置を製造可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、タンデム型シリコン系太陽電池であり、基板1、透明電極層2、太陽電池光電変換層3としての第1セル層91(非晶質シリコン系)及び第2セル層92(結晶質シリコン系)、及び裏面電極層4を備える。なお、ここで、シリコン系とはシリコン(Si)やシリコンカーバイト(SiC)やシリコンゲルマニウム(SiGe)を含む総称である。また、結晶質シリコン系とは、非晶質シリコン系以外のシリコン系を意味するものであり、微結晶シリコンや多結晶シリコンも含まれる。
【0023】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る光電変換装置の製造方法を、太陽電池パネルを製造する工程を例に挙げて説明する。図2から図5は、本実施形態の太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。
【0024】
(1)図2(a):
基板1として面積が1m以上、または1m角以上のソーダフロートガラス基板(例えば1.4m×1.1m×板厚:3.5mm〜4.5mm)を使用する。基板端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
【0025】
(2)図2(b):
透明電極層2として、酸化錫(SnO)を主成分とする膜厚約500nm以上800nm以下の透明導電膜を、熱CVD装置にて約500℃で製膜する。この際、透明電極膜の表面には、適当な凹凸のあるテクスチャーが形成される。透明電極層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO)を50nm〜150nm、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。
【0026】
透明電極層2形成後、基板面内の任意位置(例えば8点×8点、計64点)における透明電極層2表面のヘイズ率Hが計測される。ヘイズ率の計測方法は、公知の手段を適用することができる。計測された各計測位置でのヘイズ率Hは、後述する第2セル層膜厚計測装置の膜厚算出部に格納される。
【0027】
(3)図2(c):
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から照射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セルの直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光を相対移動して、溝10を形成するように幅約6mmから15mmの所定幅の短冊状にレーザーエッチングする。
【0028】
(4)図2(d):
第1セル層91として、非晶質シリコン薄膜からなるp層、i層及びn層を、プラズマCVD装置により製膜する。SiHガス及びHガスを主原料にして、減圧雰囲気:30Pa以上1000Pa以下、基板温度:約200℃にて、透明電極層2上に太陽光の入射する側から非晶質シリコンp層31、非晶質シリコンi層32、非晶質シリコンn層33の順で製膜する。非晶質シリコンp層31は非晶質のBドープシリコンを主とし、膜厚10nm以上30nm以下である。非晶質シリコンi層32は、膜厚200nm以上350nm以下である。非晶質シリコンn層33は、非晶質シリコンに微結晶シリコンを含有するPドープシリコンを主とし、膜厚30nm以上50nm以下である。非晶質シリコンp層31と非晶質シリコンi層32の間には、界面特性の向上のためにバッファー層を設けても良い。
【0029】
第1セル層91製膜後、透過膜厚計を用いて、基板面内の任意位置における第1セル層91の膜厚が計測される。計測位置は、透明電極層2のヘイズ率が計測された位置と同一位置であることが好ましい。
具体的に、透明電極層2及び第1セル層91が製膜された基板1の各計測位置に、第1セル層91側から所定波長の計測光(例えば、波長625nmの光)が照射される。基板1を透過した透過光は、基板側に配置された検出素子で検出される。予め作成された透過光強度と第1セル層91の膜厚とを関連づけるグラフに基づき、検出された各計測位置での透過強度から各計測位置での第1セル層91の膜厚Dが算出される。計測された各計測位置での第1セル層膜厚Dは、後述する第2セル層膜厚計測装置の膜厚算出部に格納される。
【0030】
次に、第1セル層91の上に第2セル層92としての結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、及び、結晶質シリコンn層43を順次製膜する。
【0031】
図6は、第2セル層製膜に用いるプラズマCVD薄膜製造装置の構成の一部を示す部分斜視図である。図中に矢印でXYZ方向を示す。
大面積基板用製膜装置では、一般に、複数の放電電極が配置される。放電電極103は、本実施の形態では、8個の放電電極103a〜103hを備え、各々は、互いに略平行にX方向へ伸びる二本の横電極120と、二本の横電極120の間に設けられ互いに略平行にY方向へ伸びる複数の棒状の縦電極121とを備える。放電電極103a〜103hのそれぞれに対して、給電点153側には、整合器113at〜113htと、高周波給電伝送路112a,114a、熱媒体供給管115aおよび原料ガス配管116aがそれぞれ設けられている。また、給電点154側には、整合器113ab〜113hb(113hbは図示されず)と、高周波給電伝送路112b,114bと、熱媒体供給管115bおよび原料ガス配管116bがそれぞれ設けられている。なお図6においては、図を見やすくするために整合器113at,113ab,113htのみを表示し、他の整合器の表示を省略している。
放電電極103a〜103hの各々は、給電点153と給電点154の近傍に接続された原料ガス配管116aと116bから原料ガスを供給され、この原料ガスを、図中の矢印に示す方向(対向電極側)へ略均一に放出する。放電電極103a〜103hの給電点153には、高周波電源(不図示)から高周波電力が供給され、給電点154には、別の高周波電源(不図示)から高周波電力が供給される。
ただし、放電電極の数は必ずしも8個ではなく、これよりも多い場合と少ない場合とがあり、特に限定されるものではない。放電電極103a〜103hへの電力供給を、8個を超えるまたは8個未満の整合器113a、113b及び高周波給電伝送路114a、114bとの組みで行うことも可能である。また各々個別の高周波電源部(不図示)から電力を供給しても良い。これら場合、その組の数に対応するように、放電電極103a〜103hを加減して組分けが好ましい。
【0032】
微結晶シリコンを主とするi層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離は、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内の各構成機器精度から距離を一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(1nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマの均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。
【0033】
図6の薄膜製造装置を用い、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、順に結晶質シリコンp層41、結晶質シリコンi層42、結晶質シリコンn層43を製膜し、第2セル層92を形成する。結晶質シリコンp層41はBドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚10nm以上50nm以下である。結晶質シリコンi層42は微結晶シリコンを主とし、膜厚は1.2μm以上3.0μm以下である。結晶質シリコンn層43はPドープした微結晶シリコンを主とし、膜厚20nm以上50nm以下である。
【0034】
第2セル層92製膜後、基板面内の任意位置における第2セル層92の膜厚が計測される。計測位置は、透明電極層2のヘイズ率が計測された位置と同一位置であることが好ましい。
第2セル層の膜厚測定に使用する膜厚計測装置は、透過膜厚計とされる。第2セル層膜厚計測装置は、透過率計測部と膜厚算出部とを備える。透過率計測部は、照射部と検出部と透過率算出部とを備える。
【0035】
照射部は、透明電極層2及び光電変換層3が形成された基板1の各計測位置に、第2セル層92側から所定波長の計測光(例えば、波長625nmの光)を照射する。基板1を透過した透過光は、基板側に配置された検出部で検出される。
透過率算出部は、照射部から照射された計測光強度I、及び、検出部で検出された透過光強度Iから、式(1)より透過率Tを算出する。
透過率 T=I/I×100(%) ・・・(1)
【0036】
一般に、透過光強度Iは、ベールの法則より、式(2)で表される。
I=I(1−R)exp(−αD) ・・・(2)
ただし、R:反射率、α:吸収係数、D:膜厚である。従って、膜厚Dは、式(3)で表される。
D=A+BT ・・・(3)
ただし、A,Bは定数である。
【0037】
本実施形態では、式(3)に基づき、透明電極層、第1セル層及び第2セル層の物性を考慮した第2セル層膜厚算出式を導出した。
透明電極層は、計測光(入射光)を光電変換層に到達させるために、透過率が高い必要がある。一方、透明電極層の表面形状に起因する光散乱は、透明電極層の透過率及び吸収に影響を与える。従って、第2セル層膜厚算出式の導出にあたり、透明電極層のヘイズ率を考慮し、透明電極層の膜厚の影響は無視される。
第1セル層は、透明電極層を透過した計測光(入射光)を吸収する。すなわち、第1セル層の膜厚により、計測光の透過率は変化する。第1セル層の膜質は、計測光の透過率に影響しない。従って、第2セル層膜厚算出式の導出では、第1セル層の膜厚を考慮する。
第2セル層は、第1セル層を透過した計測光を吸収する。計測光の透過率は、第2セル層の膜厚により変化するが、第2セル層の膜質(結晶性)の影響は、膜厚の影響に比べて十分に小さいため、重要な要素とならない。従って、第2セル層膜厚算出式の導出では、第2セル層の膜厚を考慮する。
【0038】
第2セル層膜厚算出式(4)は、透明電極層のヘイズ率H、第1セル層膜厚D、及び第2セル層膜厚Dを式(3)に組み込み、展開したものである。
=a+bH+c(logT)+d(logT)+eH(logT)+fD+gDH+hD(logT) ・・・(4)
式(4)中のa〜hは、第2セル層膜厚が既知サンプルの測定結果から、フィッティングにより導出した検量線定数である。式(4)の第2項bH及び第5項eH(logT)は、ヘイズ率に関する補正係数に相当する。第4項d(logT)は、フィッティング精度を向上させるために追加した項である。第6項fD及び第8項hD(logT)は、第1セル層膜厚に関する補正係数に相当する。第7項gDHは、ヘイズ率及び第1セル層膜厚に関する補正係数に相当する。
【0039】
透過率算出部で算出された基板面内の各計測位置における透過率Tは、膜厚算出部に出力される。膜厚計測装置の膜厚算出部に、式(4)が格納されている。膜厚算出部は、出力された透過率Tと、格納された各計測位置におけるヘイズ率H及び第1セル層膜厚Dとを式(4)に代入し、各計測位置での第2セル層の膜厚Dを算出する。
膜厚算出部は、各計測位置での第2セル層膜厚Dに基づき、第2セル層膜厚の基板面内分布を表す図を作成しても良い。
【0040】
各計測位置での第2セル層膜厚Dは、予め設定された許容膜厚範囲と比較される。第2セル層膜厚Dが許容膜厚範囲内である場合、製膜条件が変更されずに、第2セル層の形成が継続される。第2セル層膜厚Dが許容膜厚範囲外である場合、製膜条件の調整が行われる。
【0041】
第2セル層の膜厚の大部分は結晶質シリコンi層が占めるため、特に結晶質シリコンi層42の膜厚調整が重要である。
具体的に、第2セル層膜厚Dが基板全体にわたって許容膜厚範囲から外れる場合、結晶質シリコンi層42製膜時の投入電力密度、製膜圧力、及び製膜時間を調整する。第2セル層膜厚に基板面内分布があり、許容膜厚範囲から外れるDが局所的に発生している場合、結晶質シリコンi層42の製膜において、Dの分布に対応させて放電電極の投入電力密度や原料ガス配管から供給される原料ガス(Hガス、SiHガス)流量を調整する。
第2セル層膜厚DやDの基板面内分布に基づいて、高周波電源、圧力計、及び流量計など薄膜製造装置の各機器の異常を検出し、機器の調整により製膜条件を調整しても良い。
【0042】
別の基板に対して、調整後の製膜条件にて第1セル層上に第2セル層が形成される。別基板の各計測位置について、製膜条件調整後の第2セル層膜厚D’が、上述の膜厚計測装置を用いて計測される。各計測位置における製膜条件調整後の第2セル層(結晶質シリコンi層)膜厚D’が、許容膜厚範囲を満たすまで、製膜条件調整と膜厚計測とが繰り返される。製膜条件調整後の第2セル層膜厚D’が許容膜厚範囲となると、最終的に調整された製膜条件で第2セル層の形成が継続される。
【0043】
なお、許容膜厚範囲は、膜厚計測装置の膜厚算出部が、第1セル層膜厚Dに基づき算出し設定した数値範囲とすることも可能である。
【0044】
上記工程により、基板面内の第2セル層膜厚は、所定膜厚範囲内の値でほぼ一定となり、バッチ間の第2セル層膜厚の変動幅が抑制される。
【0045】
本実施形態において、第1セル層91と第2セル層92の間に、接触性を改善するとともに電流整合性を取るために半反射膜となる中間コンタクト層を設けても良い。中間コンタクト層として、膜厚:20nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を、ターゲット:GaドープZnO焼結体を用いてスパッタリング装置により製膜する。また、中間コンタクト層5を設けない場合もある。
【0046】
(5)図2(e):
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換層3の膜面側から照射する。パルス発振:10kHzから20kHzとして、加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの約100μmから150μmの横側を、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。またこのレーザーは基板1側から照射しても良く、この場合は光電変換層3の非晶質シリコン系の第1セル層で吸収されたエネルギーで発生する高い蒸気圧を利用して光電変換層3をエッチングできるので、更に安定したレーザーエッチング加工を行うことが可能となる。レーザーエッチングラインの位置は前工程でのエッチングラインと交差しないように位置決め公差を考慮して選定する。
【0047】
(6)図3(a):
裏面電極層4としてAg膜/Ti膜を、スパッタリング装置により、減圧雰囲気、製膜温度:150℃から200℃にて製膜する。本実施形態では、Ag膜:150nm以上500nm以下、これを保護するものとして防食効果の高いTi膜:10nm以上20nm以下を、この順に積層する。あるいは、裏面電極層4を、25nmから100nmの膜厚を有するAg膜と、15nmから500nmの膜厚を有するAl膜との積層構造としても良い。結晶質シリコンn層43と裏面電極層4との接触抵抗低減と光反射向上を目的に、光電変換層3と裏面電極層4との間に、スパッタリング装置により、膜厚:50nm以上100nm以下のGZO(GaドープZnO)膜を製膜して設けても良い。
【0048】
(7)図3(b):
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から照射する。レーザー光が光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極層2のレーザーエッチングラインの250μmから400μmの横側を、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。
【0049】
(8)図3(c)と図3(a):
発電領域を区分して、基板端周辺の膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から照射する。レーザー光が透明電極層2と光電変換層3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5nmから20mmの位置を、図3(c)に示すように、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。なお、図3(c)では、光電変換層3が直列に接続された方向に切断したX方向断面図となっているため、本来であれば絶縁溝15位置には裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2の膜研磨除去をした周囲膜除去領域14がある状態(図3(a)参照)が表れるべきであるが、基板1の端部への加工の説明の便宜上、この位置にY方向断面を表して形成された絶縁溝をX方向絶縁溝15として説明する。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲膜除去領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
【0050】
絶縁溝15は基板1の端より5nmから15mmの位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。
【0051】
尚、以上までの工程におけるレーザー光はYAGレーザーとしているが、YVO4レーザーやファイバーレーザーなどが同様に使用できるものがある。
【0052】
(9)図4(a:太陽電池膜面側から見た図、b:受光面の基板側から見た図):
後工程のEVA等を介したバックシート24との健全な接着・シール面を確保するために、基板1周辺(周囲膜除去領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去して周囲膜除去領域14を形成する。基板1の端から5〜20mmで基板1の全周囲にわたり膜を除去するにあたり、X方向は前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側において、Y方向は基板端側部付近の溝10よりも基板端側において、裏面電極層4/光電変換層3/透明電極層2を、砥石研磨やブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑や砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。
【0053】
(10)図5(a)(b):
端子箱23の取付け部分はバックシート24に開口貫通窓を設けて集電板を取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層で設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱23の部分から電力が取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による接着充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート24を設置する。バックシート24は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPETシート/Al箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート24までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150〜160℃でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。
【0054】
(11)図5(a):
太陽電池モジュール6の裏側に端子箱23を接着剤で取付ける。
(12)図5(b):
銅箔と端子箱23の出力ケーブルとをハンダ等で接続し、端子箱23の内部を封止剤(ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。
(13)図5(c):
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m)のソーラシミュレータを用いて行う。
(14)図5(d):
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。
【0055】
図7に、式(4)において透明電極層のヘイズ率及び第1セル層膜厚を考慮して算出した第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚と、タンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示す。図8に、式(4)において第1セル層膜厚のみを考慮して算出した第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚と、タンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示す。図7及び図8において、横軸は第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚、縦軸は規格化されたモジュール出力である。
図7では、第2セル層の結晶質シリコンi層の膜厚の測定誤差が抑制されることが分かる。図8では、透明電極層のヘイズ率の影響を考慮していないため、第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚の測定誤差が大きくなり、膜厚測定値がばらついた。
以上の結果の通り、透明電極層のヘイズ率及び第1セル層膜厚を用いて第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚を補正すれば、第2セル層の結晶質シリコンi層膜厚の測定誤差を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の光電変換装置の製造方法により製造される光電変換装置の構成を表す概略図である。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図4】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図5】本発明の光電変換装置の製造方法を用いて太陽電池パネルを製造する一実施形態を説明する概略図である。
【図6】本実施形態の光電変換装置の製造方法に用いる薄膜製造装置の構成の一部を示す部分斜視図である。
【図7】透明電極層のヘイズ率及び第1セル層膜厚を考慮して算出した結晶質シリコンi層膜厚と、タンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示すグラフである。
【図8】第1セル層膜厚のみを考慮して算出した結晶質シリコンi層膜厚と、タンデム型太陽電池モジュールの出力との関係を示すグラフである。
【図9】第2セル層のi層膜厚とモジュール出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0057】
1 基板
2 透明電極層
3 光電変換層
4 裏面電極層
6 太陽電池モジュール
31 非晶質シリコンp層
32 非晶質シリコンi層
33 非晶質シリコンn層
41 結晶質シリコンp層
42 結晶質シリコンi層
43 結晶質シリコンn層
91 第1セル層
92 第2セル層
100 光電変換装置
103a〜103h 放電電極
113at,113ht,113ab 整合器
112a,114a,112b,114b 高周波給電伝送路
115a,115b 熱媒体供給管
116a,116b 原料ガス配管
153,154 給電点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、透明電極層と、該透明電極層側から順に第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とを備える光電変換装置における光電変換層の膜厚計測方法であって、
前記透明電極層及び前記光電変換層が形成された前記基板面内の任意の位置における透過率を計測する工程と、
該計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記第2セル層の膜厚を算出する工程とを含む膜厚計測方法。
【請求項2】
前記ヘイズ率及び前記第1セル層の膜厚が、前記基板面内における前記透過率が計測された位置と同一位置のヘイズ率及び膜厚とされる請求項1に記載の膜厚計測方法。
【請求項3】
前記基板面内の任意の複数位置における前記第2セル層の膜厚を算出する請求項1または請求項2に記載の膜厚計測方法。
【請求項4】
透明電極層と第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とが形成された基板に対して所定波長の計測光を照射する照射部と、前記基板を透過した前記計測光の透過光を受光する検出部と、前記計測光の強度及び前記透過光の強度から透過率を算出する透過率算出部とを備える透過率計測部と、
該透過率計測部で計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記第2セル層の膜厚を算出する膜厚算出部とを備える膜厚計測装置。
【請求項5】
基板上に、透明電極層と、該透明電極層側から順に第1セル層及び第2セル層で構成される光電変換層とを備える光電変換装置の製造方法であって、
前記透明電極層及び前記光電変換層が形成された前記基板面内の任意位置における透過率を計測する工程と、
該計測された透過率と、予め測定された前記透明電極層のヘイズ率と、予め測定された前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意位置における前記第2セル層の膜厚を算出する工程と、
該算出された第2セル層の膜厚を、予め設定された許容膜厚範囲と比較する工程と、
前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記第2セル層の製膜条件を調整する工程とを含む光電変換装置の製造方法。
【請求項6】
前記透過率を計測する工程において、前記基板面内の任意の複数位置での透過率を計測し、
前記第2セル層の膜厚を算出する工程において、前記任意の複数位置での透過率と、前記透明電極層のヘイズ率と、前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意の複数位置における前記第2セル層の膜厚を算出し、
少なくとも一の位置における前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記第2セル層の製膜条件を調整する請求項5に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項7】
前記算出された複数位置における第2セル層の膜厚から、前記第2セル層の膜厚分布を取得する工程を更に含み、
少なくとも一の位置における前記第2セル層の膜厚が、前記許容膜厚範囲から外れる場合に、前記膜厚分布を基に、前記第2セル層の形成条件を調整する請求項6に記載の光電変換装置の製造方法。
【請求項8】
前記透過率と、前記透過率が計測された位置と同一位置におけるヘイズ率と、前記透過率が計測された位置と同一位置における前記第1セル層の膜厚とに基づき、前記基板面内の任意位置における前記第2セル層の膜厚を算出する請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−129784(P2010−129784A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303004(P2008−303004)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】