説明

自動車を制御する方法および装置と該方法を実行するためのコンピュータプログラム

本発明は、少なくとも1対のシャフト半分体(12)を駆動するためと、少なくとも1個のポンプ(15)を駆動するためとに設けられるエンジン(11)からなる自動車を制御する方法とその装置に関する。前記ポンプは、少なくとも第1の油圧部品(4,5)からなる油圧装置(14)に油圧油を供給するために設けられる。前記方法によって、油圧装置により消費動力を判断する。加えて、前記判断された消費動力を基準値と比較するとともに、前記検出された消費動力が前記基準値を超える場合に、前記油圧装置の最大利用可能動力を制限する。前記動力制限は、前記油圧装置において少なくとも第1の流量調整弁(16,17,22)の最大移動可能量を制限することによって行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1対のシャフト半分体を駆動するために設けられるエンジンと、少なくとも1個の油圧部品からなる油圧装置に油圧油を供給するために設けられる少なくとも1個のポンプを駆動するために設けられるエンジンと、からなる自動車を制御する方法において、前記油圧装置により消費される動力を判断し、かつ前記判断された消費動力を基準値と比較するとともに、前記検出された消費動力が前記基準値を超える場合に、前記油圧装置の最大利用可能動力を制限する方法に関する。本発明は、さらにまた、前記方法を実行するためのコンピュータプログラムと、請求項22の前提部分にしたがった装置とに関する。
【0002】
前記自動車は、好ましくは、ホイール式ローダまたは重ダンプトラック等の作業機械によって構成される。
【0003】
ディーゼル機関からの排出物質を減少させることが望まれている。この要望は、特にますます厳しい法的規定を設けることによって推し進められている。その結果として、多数のエンジンは、低いエンジン速度において低すぎるトルクを有する。動力伝達装置におけるトルクコンバータと、とりわけローダの積載装置およびショベルのリフトおよびチルトシリンダおよびかじ取り用制御シリンダへの供給用油圧装置とを有する機械式ローダは、低いエンジン速度でも高いトルクを必要とする。運転者が低いエンジン速度において油圧装置を作動させるとエンジンからの動力を利用して自動車のシャフト半分体を駆動すると、エンジンが停止するか、またはエンジンが「動かなくなる」、すなわち運転者が加速ペダルを踏み込んでもエンジン速度が増大しなくなる恐れがある。運転者は、当然ながら、さまざまな制御装置を介して動力消費量を調節することができるが、これは、特にエンジンが突然停止すると厄介になる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1において、1個の器具、たとえばショベルを操作するためおよび自動車を方向転換させるための油圧装置を備える作業車両用の制御装置が説明されている。この制御装置は、運転中のエンジン停止を防ぐことを目的としている。第1の油圧ポンプは、自動車のエンジンによって駆動されるとともに、前記1個の器具を上昇または下降させるために設けられる。可変押しのけ容積を有する第2の油圧ポンプは、さらにまた自動車のエンジンによって駆動されるとともに、自動車の本体を方向転換させるために設けられる。前記1個の器具に対する負荷が検出され、前記負荷が所定の値を超える場合は、第2のポンプの最大押しのけ容積が減じられる。これによって、自動車の方向転換によって生じる負荷が減じられ、エンジンが停止することが防がれる。換言すれば、自動車の前記1個の器具の操作は、第2のポンプの押しのけ容積が減じられることによって、自動車のかじ取りより優先される。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5996701号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明の第1の目的は、自動車を制御する方法において、エンジン停止の問題を解決するとともに、より費用対効果の高い運転および/またはより費用対効果の高い装置を可能にする方法を達成することにある。
【0007】
この目的は、油圧装置内の少なくとも1個の流量調整弁の最大移動可能量が制限されることにより動力制限が行なわれることによって達成される。前記弁の移動制限により、前記弁は、ある一定の制限された量しか移動することができないこと、または換言すれば油圧油の通過流量が制限されることになる。作業車両の既存の油圧装置には、すでに複数の移動可能な流量調整弁がある。これらの1個以上を制御することにより、費用対効果の高い装置/自動車を簡単な方法で達成することが可能である。流量調整弁は、たとえば、方向弁によって構成されうる。
【0008】
本発明の好適な実施例によれば、消費動力は、ポンプから特に前記油圧部品に供給される流量を判断するとともに、前記判断された流量値に特別な圧力値を掛けて、消費動力の値を表す積を得ることによって判断される。この流量および圧力値の判断は、多かれ少なかれ正確な複数の方法で行なわれうる。
【0009】
一例によれば、前記油圧部品を調整するために設けられる操作レバー等の第1の移動可能な制御手段の移動量が検出され、この移動量の大きさを用いて、前記部品への流量値が判断される。特に、前記操作レバーからの信号は、コンピュータ装置に送られるとともに、該装置において処理され、然る後に前記コンピュータ装置は、信号を流量調整弁に送って該弁を制御する。これは、特に、油圧装置がいわゆる負荷検出形である場合に有利である。このような負荷検出装置の場合には、弁を横切る圧力降下は、原則として一定であり、このことは、流量が移動可能な制御手段の移動のみに従属することを意味する。
【0010】
また他の実施例によれば、前記圧力は、前記油圧部品に供給される流量において測定され、前記測定された圧力を特別な圧力値として用いて、消費動力が判断される。これに代わる実施例によれば、前記油圧部品に特有の圧力値が用いられる。さらにこれに代わるまた他の実施例によれば、前記圧力値は、適用される作業によって変更される。加えて、推定平均値が、いくつかの異なる油圧部品または適用される作業に用いられうる。
【0011】
本発明の第2の目的は、自動車を制御する装置において、エンジン停止の問題を解決するとともに、より費用対効果の高い運転および/またはより費用対効果の高い装置/自動車を可能にする装置を達成することにある。
【0012】
この目的は、少なくとも第1の油圧部品に油圧油を供給するために設けられるとともに自動車のエンジンに接続されて駆動される少なくとも1個のポンプを含む油圧装置からなっており、前記油圧装置により消費される動力を判断する手段と、前記判断された消費動力を基準値と比較する手段と、前記油圧装置の最大利用可能動力を制限する手段であって、前記油圧装置の流量調整弁によって構成される自動車制御装置によって達成される。
【0013】
本発明の好適な実施例によれば、前記装置は、油圧装置により消費される動力の前記判断と前記判断された消費動力と基準値との前記比較とを行なうソフトウェアを備えるコンピュータ装置からなるとともに、前記コンピュータ装置を前記第1の流量調整弁に接続されてなる。
【0014】
本発明のさらに他の好適な実施例と付随する利点とは、さらに他の従属請求項と以下の説明とから明らかになる。
【0015】
添付図面に示される実施例を参照して、以下に本発明をさらに詳細に説明する
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、ホイール式ローダ1が示されている。このホイール式ローダ1の本体は、前側本体部分2と後側本体部分3とからなり、各部分がそれぞれ1対のシャフト半分体12、120を有する。これらの本体部分は、旋回可能となるような態様に互いに接続される。本体部分2、3は、2つの部分間に設けられる油圧シリンダ4、5の形態をとる2個の第1の油圧部品によって軸のまわりにおいて互いに対して旋回しうる。このように、油圧シリンダ4、5は、ホイール式ローダ1を方向転換させるために設けられる。
【0017】
加えて、ホイール式ローダ1は、積載アーム装置6と、該積載アーム装置上に取り付けられるショベル7の形態をとる1個の器具とを有する。積載アーム装置6は、一方の端部において前側自動車部分2に、他方の端部において積載アーム装置6に接続される2個の各油圧シリンダ8、9の形態をとる2個の第2の油圧部品によって、自動車の前側部分2に対して上昇および下降せしめられうる。ショベル7は、一方の端部において前側自動車部分2に、他方の端部において連結アーム装置を介してショベル7に接続される油圧シリンダ10の形態をとる第3の油圧部品を手段として、積載アーム装置6に対して傾斜せしめられうる。
【0018】
図2に、ホイール式ローダ1の動力伝達装置が略図で示されている。自動車1は、流体力学的トルク変換装置27とギヤボックス32と差動装置33とを介して、前側の対をなすシャフト半分体120と後側の対をなすシャフト半分体12とを駆動するために設けられるディーゼル機関11を有する。エンジン11は、さらにまた、油圧装置に供給を行なう少なくとも1個のポンプ15を駆動する。
【0019】
図3に、ホイール式ローダ1を制御する装置13が図示されている。実線は、油圧ホースを示し、破線は、電気信号の経路を示す。この制御装置13は、前記油圧部品4、5、8、9、10に油圧油を供給するために設けられるポンプ15を含む油圧装置14からなる。
【0020】
油圧装置14は、制御シリンダ4、5を調整するために設けられる制御弁の形態をとる第1の流量調整弁16を含む。この油圧装置14は、加えて、リフトおよびチルトシリンダ8、9、10を調整するために設けられる加圧弁の形態をとる第2の流量調整弁17を含む。
【0021】
制御装置13は、前記第1および第2の弁16、17に接続されて、これらの調整/移動を行なうコンピュータ装置18からなる。前記制御装置は、加えて、運転者がホイール式ローダ1の運転台の内部において利用しやすいように設けられるレバーの形態をとる1組の手動で移動可能な制御手段19を含む。これらの移動可能な制御手段19は、コンピュータ装置18に接続される。
【0022】
油圧装置14は、負荷検出形であり、このことは、ポンプ15が油を、必要とされるときに必要とされるところにのみ供給することを意味する。これは、シャフト半分体を駆動するより高いエンジン動力が残ることを意味する。加えて、これは、燃料消費量の削減に繋がる。ポンプ15は、シャトル弁20と作動せしめられる弁とを介して、油圧シリンダからの圧力を検出する。前記ポンプは、その後、シリンダの圧力より特定のバール数だけ高い圧力を設定する。圧力が高められる前記バール数は、問題の弁を横切る一定の圧力降下によって判断される。したがって、作動せしめられる制御弁の調節量に依存する量の油がシリンダへと流出する。
【0023】
油圧装置14は、加えて、かじ取りが積載より高い優先順位を有すること、すなわち制御シリンダ4、5と積載/チルトシリンダ8、9、10とが同時に使用される場合に制御シリンダが優先されることを保証するために設けられる優先手段21を含む。この優先は、完全に油圧的に行なわれる。
【0024】
追加の弁22が図3に示されている。この弁22は、1個の器具用の油圧装置への油圧油の供給を調整することを目的とするとともに、優先弁21を介してポンプ15に油圧的に、かつコンピュータ装置18に電気的に接続される。前記の説明において、前記1個の器具は、ショベル7であったが、しかしながらたとえばフォークまたは把持アームによって構成されてもよい。前記1個の器具用の油圧装置は、たとえば把持アームを互いに対して移動させる把持アーム用操作シリンダまたは2本の爪を互いに対して移動させるフォーク用操作シリンダによって構成されうる。優先弁は、さらにまた、かじ取り用油圧装置を問題の前記1個の器具用油圧装置より優先させるために設けられる。
【0025】
前記のように、エンジン11は、前記対をなすシャフト半分体12、120と油圧装置14用の1個または複数個のポンプ15とのいずれをも駆動する。ある一定の動作状況においては、油圧装置14の最大利用可能動力を制限して、十分な動力がシャフト半分体12、120の駆動に用いられうるようにすることが望ましい。したがって、コンピュータ装置18は、油圧装置14によって消費される瞬間的な動力を判断または推定するとともに、前記判断された消費動力を基準値と比較するソフトウェアを含む。前記検出された消費動力が前記基準値を超える場合は、油圧装置の最大利用可能動力は、少なくとも1個の前記流量調整弁16、17の最大移動可能量を制限することによって制限される。
【0026】
油圧動力の基準値は、エンジンの増加せしめられうる速度または少なくとも加速しようとした場合にエンジン停止が起こらないことに対応する。換言すれば、油圧動力の基準値により、エンジンがシャフト半分体に十分な動力を供給しうることが保証される。前記基準値は、さらにまた、たとえばエンジン速度に従属する動力消費量の曲線を定義する1組の基準値を含む。
【0027】
油圧動力は、圧力に流量を掛けることによって得られる。第1の実施例によれば、前記機械は、平均的に特定の圧力で動作すると仮定される。このことは、コンピュータ装置18は、どれだけの流量が異なる機能部に供給されるかを十分に追跡しうることを意味する。前記のように、前記機械は、負荷検出装置を有しており、このことは、弁を横切る圧力降下が原則として一定であることを意味する。これは、コンピュータ装置18が制御レバー19から入力信号として受信するレバーの移動量のみに、流量が従属することを意味する。このため、コンピュータ装置18は、適切に処理された信号を流量調整弁に送る。
【0028】
特に、より低いエンジン速度においては、ポンプ容量は、作動せしめられる機能部の条件を満たすには不十分である。制御装置13は、エンジン11の速度を検出する手段23を含む。コンピュータ装置18は、ポンプ15からの流量を、ポンプの所定の最大押しのけ量とともにポンプ速度を示す検出エンジン速度とレバーの移動量とによって判断することができる。
【0029】
圧力値は、異なる機能部に関して異なる設定または全ての機能部に関して同じ設定とされうる特定の平均圧力に設定される。
【0030】
その後、コンピュータ装置18は、判断された流量(レバーの移動量により判断され、必要な場合はポンプ容量により減じられる)に圧力値を掛けることによって消費される油圧動力を計算する。
【0031】
コンピュータ装置18は、その後、弁16、17、22への出力信号を制限して、全ての計算された油圧動力の合計が特定レベルを超えないようにする。この特定レベルは、コンピュータが検出手段23から入力信号として受信する、エンジンによって生じしめられるエンジン速度に従属する。
【0032】
以下に、油圧動力の判断に関して、前記方法の補足または代案のいずれかとして用いられうる、前記実施例の複数のさらに他の開発形態を説明する。
【0033】
第1の開発形態によれば、前記装置は、消費される油圧動力の計算に後に用いられる圧力値を測定する1個以上の圧力センサ24を油圧装置内において含む。したがって、この圧力センサ24は、コンピュータ装置18に接続される。圧力センサ24は、たとえばポンプの出口に配置される。いくつかの独立したポンプが用いられる場合は、センサは、各ポンプに配置される。これに代わる方法として、前記センサ24は、機能部、たとえば油圧シリンダに配置されうる。
【0034】
第2のさらに他の開発形態によれば、ある一定の機能、たとえば電気的に制御されない機能に関して、位置センサ25が、シリンダまたはその他の機械的に移動可能な部分に配置される。この位置センサ25は、コンピュータ装置18に接続される。これにより、コンピュータ装置18は、機能部の位置を入力信号として受信するとともに、これらの機能部に関する速度と、以ってさらにまた流量とを計算する。
【0035】
第3のさらに他の開発形態によれば、前記装置は、対をなすシャフト半分体12の動力消費量を検出する手段26を含む。この手段26は、たとえば、トルク変換装置27の入力シャフトと出力シャフトとのそれぞれの速度を検出するセンサからなる。前記検出手段26は、コンピュータ装置18に接続される。この手段によって、油圧装置の最大動力消費量は、さらにまた動力伝達装置の瞬間的な動力消費量に従属して判断される。
【0036】
第4のさらに他の開発形態によれば、前記装置は、自動車に取り付けられる加速ペダルの形態をとるスロットル制御装置の位置を検出する手段28を含む。この検出手段28は、コンピュータ装置18に接続される。これを用いて、コンピュータ装置18は、運転者が現在の瞬間的エンジン速度に維持することを望んでいるのか、または運転者がエンジン速度を増加させることを目的としてさらに加速ペダルを踏み込んでいるのかを記録する。油圧装置の動力制限は、これにより、エンジンが自身の速度をより迅速に増すことを意味する状態である、運転者がたとえば加速ペダルを床まで踏み込んだ場合には、増加せしめられる。
【0037】
第5のさらに他の開発形態によれば、前記装置は、自動車の速度を計測する手段29を含む。この速度計測手段29は、コンピュータ装置18に接続される。油圧装置の動力制限は、これにより、さらにまた機械の速度に従属せしめられ、このことは、前記動力制限が操作の種類によって間接的に行なわれうることを意味する。
【0038】
第6のさらに他の開発形態によれば、前記装置は、油圧油の温度を測定する手段30を含む。この温度測定手段30は、コンピュータ装置18に接続される。油圧油の温度は、流量を判断する時と、したがって油圧動力消費量を計算する時とにより高い精度を得ることを目的として用いられる。
【0039】
第7のさらに他の開発形態によれば、前記装置は、動力伝達装置の油の温度を測定する手段31を含む。この温度測定手段31は、コンピュータ装置18に接続される。動力伝達装置の油の温度は、トルク変換装置の動力消費量の計算時により高い精度を得ることを目的として用いられる。
【0040】
自動車のコンピュータ装置18は、記憶装置を含み、この記憶装置は、さらに、プログラムが実行される時に、前記方法にしたがった全ての段階を行なうコンピュータプログラムセグメントを有するコンピュータプログラム製品またはプログラムコードを含む。このコンピュータプログラム製品は、前記方法を実行する実際のソフトウェアまたはソフトウェアが記憶される1個のハードウェア、すなわちディスク等でありうる。
【0041】
油圧部品という表現によって、直線移動用油圧シリンダだけでなく、たとえば回転移動用油圧モータも意味する。
【0042】
本発明は、前記の実施例に制限されると見なされるべきではなく、多数のさらに他の変形態様および改変が以下の特許請求の範囲の枠内において可能である。たとえば、自動車は、1対のシャフト半分体を一時的または恒久的に駆動することが可能である。加えて、2対を超える個数のシャフト半分体、たとえば、重ダンプトラック、すなわち連接車の場合である3対のシャフト半分体を有する自動車が含まれる。
【0043】
前記の実施例の代案によれば、ある一定の機能部は、コンピュータ装置を介することなしにレバーにより機械的または油圧的に直接制御されうる。
【0044】
1個以上の機能部を制限するまた他のさまざまな方法がある。ある一定の機能部を制限することが常に望ましいわけではなく、その代わりにこれらの機能部をある一定の程度に制限してもよい。このような機能部は、たとえば機械のかじ取りである。このため、コンピュータは、ある一定の機能部を最初に優先する。その後、二次優先が行なわれ得、最後に残りの機能部が最大流量に対するある一定の割合またはさらにまた運転者がその瞬間に行なっているレバー移動量に対するある一定の割合だけ制限されうる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ホイール式ローダの略側面図である。
【図2】前記ホイール式ローダの動力伝達装置の略図である。
【図3】前記ホイール式ローダを制御する装置の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対のシャフト半分体(12、120)を駆動するためと、少なくとも1個の油圧部品(4、5、8、9、10)からなる油圧装置(14)に油圧油を供給するために設けられる少なくとも1個のポンプ(15)を駆動するためと、に設けられるエンジン(11)からなる自動車(1)を制御する方法であって、
−前記油圧装置により消費される動力を判断する段階と、
−前記判断された消費動力を基準値と比較する段階と、前記検出された消費動力が基準値を超える場合に、
−前記油圧装置の最大利用可能動力を制限する段階とからなる方法において、
前記動力制限は、前記油圧装置において少なくとも1個の流量調整弁(16、17、22)の最大移動可能量を制限することによって行なわれることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記弁(16、17、22)は、前記油圧部品(4、5、8、9、10)を調整するために設けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エンジン(11)の速度が検出されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記動力の前記基準値は、前記検出されたエンジン速度に従属して判断されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記消費される動力は、
−前記ポンプから供給される流量を判断することと、
−前記判断された流量値に特別な圧力値を掛けて、前記消費される動力を示す積を得ることと、
によって判断されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記油圧部品(4、5、8、9、10)を調整するために設けられる第1の移動可能な制御手段(19)の移動が検出され、前記移動の大きさを用いて前記油圧部品の前記流量値が判断されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1個または複数個のポンプ(15)の最大押しのけ量を用いて前記流量値が判断されることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記検出されたエンジン速度を用いて前記流量値が判断されることを特徴とする請求項3および請求項5乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記油圧部品(4、5、8、9、10)は、互いに対して移動しうる部分を有する種類のものであり、前記部分の位置が検出され、前記検出された位置を用いて前記流量値が判断されることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記油圧油の温度が測定され、前記測定された温度を用いて前記流量値が判断されることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ポンプから供給される流量における圧力が測定され、前記測定された圧力を前記特別な圧力値として用いて前記消費される動力が判断されることを特徴とする請求項5乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記油圧部品の第1の油圧部品(4、5)は、前記自動車(1)の本体を方向転換させるために設けられることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記油圧部品の前記第1の油圧部品(4、5)は、油圧シリンダによって構成されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
一方の前記第1の油圧部品(4、5)と第2の油圧部品(8、9、10)との最大利用可能動力がその他の動力より優先されることを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記動力制限は、前記第2の油圧部品(8、9、10)を調整するために設けられる第2の流量調整弁(17)の最大移動可能量を制限することによって行なわれることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の油圧部品(8、9、10)は、前記自動車(1)の積載アーム装置(6)上に取り付けられる1個の器具(4)を前記自動車の本体(2、3)に対して移動させるために設けられることを特徴とする請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の油圧部品(8、9、10)は、油圧シリンダによって構成されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記自動車は、前記エンジン(11)に接続されるトルク変換装置(27)を含み、前記トルク変換装置により消費される動力が判断され、前記油圧装置の前記最大利用可能動力は、前記トルク変換装置の前記判断された消費動力に従属して制限されることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記自動車のスロットル制御装置の位置が検出され、前記油圧装置の前記最大利用可能動力が、前記検出されたスロットル制御装置位置に従属して制限されることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記自動車(1)の速度が計測され、前記油圧装置の前記最大利用可能動力が前記計測された速度に従属して制限されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記自動車(1)内のコンピュータ装置(18)に請求項1乃至20のいずれかに記載の段階を行なわせるコンピュータプログラムセグメントからなるコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
少なくとも1個の油圧部品(4、5、8、9、10)に油圧油を供給するために設けられるとともに、自動車のエンジン(11)に接続されて駆動される少なくとも1個のポンプ(15)を含む油圧装置(14)からなる、自動車(1)を制御する装置であって、
−油圧装置により消費される動力を判断する手段(18)と、
−前記判断された消費動力を基準値と比較する手段(18)と、
−前記油圧装置の最大利用可能動力を制限する手段(16、17、22)とからなる装置において、
前記動力制限手段は、前記油圧装置の流量調整弁(16、17、22)によって構成されることを特徴とする装置。
【請求項23】
前記弁(16、17、22)は、前記油圧部品(4、5、8、9、10)に接続されて該部品を調整することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記油圧装置の前記消費動力の前記判断と前記判断された消費動力の基準値との前記比較とを行なうソフトウェアを含むコンピュータ装置(18)を含み、前記コンピュータ装置は、前記流量調整弁(16、17、22)に接続されることを特徴とする請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記エンジンの速度を検出する手段(23)を含むことを特徴とする請求項22、23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記油圧部品(4、5、8、9、10)を調整するために設けられる第1の移動可能な制御手段(19)と、前記制御手段の移動の大きさを検出する手段とを含むことを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記油圧部品(4、5、8、9、10)は、互いに対して移動しうる部分を有する種類のものであり、装置は、該部分の位置を検出する手段(25)を含むことを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
前記油圧油の温度を測定する手段(30)を含むことを特徴とする請求項22乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記油圧部品に供給される流量における圧力を測定する手段(24)を含むことを特徴とする請求項22乃至28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記油圧部品の第1の油圧部品(4、5)は、前記自動車の本体(2、3)を方向転換させるために設けられることを特徴とする請求項22乃至29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記油圧装置は、第2の油圧部品(8、9、10)を含み、装置は、前記第1および第2の部品の一方を他方より優先させる手段(21)を含むことを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第2の油圧部品(8、9、10)は、前記自動車の積載アーム装置(6)上に取り付けられる1個の器具(7)を前記自動車の前記本体(2、3)に対して移動させるために設けられることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記油圧部品(4、5、8、9、10)は、油圧シリンダによって構成されることを特徴とする請求項22乃至32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
前記エンジンに接続されるトルク変換装置の消費動力を測定する手段(26)を含むことを特徴とする請求項22乃至23のいずれかに記載の装置。
【請求項35】
前記自動車上におけるスロットル制御装置の位置を検出する手段(28)を含むことを特徴とする請求項22乃至34のいずれかに記載の装置。
【請求項36】
前記自動車の速度を計測する手段(29)を含むことを特徴とする請求項22乃至35のいずれかに記載の装置。
【請求項37】
前記自動車(1)は、ホイール式ローダ等の作業機械によって構成されることを特徴とする請求項22乃至36のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−502341(P2006−502341A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542951(P2004−542951)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001566
【国際公開番号】WO2004/033806
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(502032378)ボルボ コンストラクション イクイップメント ホールディング スウェーデン アーベー (156)
【Fターム(参考)】