説明

自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造、及びロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造

【課題】自動車用ボディパネルへ取付部品を固定部材により取付ける際、または、ロッカパネルへロッカプロテクタを固定部材により取付ける際の作業性を向上させる。
【解決手段】グロメット40の基部42に設けられた一対のプロテクタ嵌合爪46を、ロッカプロテクタ30の長円形状の取付穴34の一対の直線状縁部34Aに嵌合させることにより、グロメット40をロッカプロテクタ30に取付ける。グロメット40の基部42は、一対の直線状縁部34Aにより、プロテクタ30の長手方向に沿ってスライド可能とされると共に、プロテクタ嵌合爪46と直線状縁部34Aとの嵌合が解除される位置への回転を阻止される。また、グロメット40の基部42に設けられた一対のパネル嵌合爪48を、ロッカアウタパネル14に設けられた取付穴32に嵌合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造、及びロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造として、ロッカプロテクタをタッピングスクリューによりロッカパネルに固定する構造が開示されているが、この構造では、ロッカプロテクタとロッカパネルとの複数箇所をタッピングスクリューにより固定する場合、作業工数が増大してしまう(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、タッピングスクリューに替えてグロメットを用いてロッカプロテクタをロッカパネルに取付けることも考えられるが、ロッカプロテクタとロッカパネルとの複数箇所をグロメットにより固定する場合、従来は、グロメットを1つずつ手に取ってロッカプロテクタとロッカパネルとに設けられた開口部に嵌合させていく必要があり、作業性の点では改善の余地があった。
【特許文献1】特開平6−39616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事実を考慮し、自動車用ボディパネルへ取付部品を取付ける際、または、ロッカパネルへロッカプロテクタを取付ける際の作業性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造は、自動車用ボディパネルに設けられたパネル開口部と、前記自動車用ボディパネルに取付けられる取付部品に設けられており、所定方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が互いに前記所定方向と直交する方向に対向した取付部品開口部と、前記直線状縁部に嵌合する取付部品嵌合爪と、前記パネル開口部に嵌合するパネル嵌合爪と、前記取付部品嵌合爪と前記パネル嵌合爪とが設けられ、前記一対の直線状縁部により前記所定方向に沿ってスライド可能とされると共に前記取付部品嵌合爪と前記直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止される基部とを備えた固定部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造では、固定部材の基部に設けられた取付部品嵌合爪が、取付部品に設けられた取付部品開口部に嵌合し、固定部材の基部に設けられたパネル嵌合爪が、自動車用ボディパネルに設けられたパネル開口部に嵌合することで、取付部品が自動車用ボディパネルに固定される。
【0007】
ところで、取付部品開口部では、所定方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が、互いに前記所定方向と直交する方向に対向しており、この一対の直線状縁部に取付部品嵌合爪が嵌合している。
【0008】
ここで、固定部材の基部は、一対の直線状縁部により、前記所定方向に沿ってスライド可能とされると共に、取付部品嵌合爪と直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止されている。
【0009】
このため、取付部品嵌合爪と直線状縁部とを嵌合させることにより固定部材を取付部品に取付けた状態で、固定部材が前記所定方向へスライド可能となり、また、固定部材が取付部品開口部から外れることを防止できるので、取付部品の自動車用ボディパネルへの取付けを、予め固定部材を取付部品に取付けた状態で、取付部品の前記所定方向の寸法のバラツキを吸収しながら、且つ、固定部材を取付部品から落下させることなく行うことが可能となる。
【0010】
従って、前記所定方向に並んだ複数の固定部材により取付部品と自動車用ボディパネルとの複数箇所を固定する場合に、予め複数の固定部材を取付部品に取付けた状態で、取付部品を自動車用ボディパネルへ取付ることが可能となり、従来と比較して作業性を向上できる。
【0011】
請求項2に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造は、請求項1に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造であって、前記取付部品嵌合爪を前記パネル開口部の内側に配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造では、取付部品嵌合爪がパネル開口部の内側に配置されているので、取付部品嵌合爪を取付部品開口部の直線状縁部に嵌合させた状態で取付部品を自動車用ボディパネルへ取付ける際に、パネル開口部により取付部品嵌合爪と取付部品開口部の直線状縁部との嵌合が解除されることを確実に防止できる。
【0013】
請求項3に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造は、車両前後方向に延在するロッカパネルに設けられたパネル開口部と、前記ロッカパネルに沿って延在するロッカプロテクタに設けられており、前記ロッカプロテクタの長手方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が互いに前記ロッカプロテクタの幅方向に対向したプロテクタ開口部と、前記直線状縁部に嵌合するプロテクタ嵌合爪と、前記パネル開口部に嵌合するパネル嵌合爪と、前記プロテクタ嵌合爪と前記パネル嵌合爪とが設けられ、前記一対の直線状縁部により前記ロッカプロテクタの長手方向に沿ってスライド可能とされると共に前記プロテクタ嵌合爪と前記直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止される基部とを備えた固定部材と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造では、固定部材の基部に設けられたプロテクタ嵌合爪が、ロッカプロテクタに設けられたロッカプロテクタ開口部に嵌合し、固定部材の基部に設けられたパネル嵌合爪が、ロッカパネルに設けられたパネル開口部に嵌合することで、ロッカプロテクタがロッカパネルに固定される。
【0015】
ところで、プロテクタ開口部では、ロッカプロテクタの長手方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が、互いにロッカプロテクタの長手方向と直交する方向に対向しており、この一対の直線状縁部にプロテクタ嵌合爪が嵌合している。
【0016】
ここで、固定部材の基部は、一対の直線状縁部により、ロッカプロテクタの長手方向に沿ってスライド可能とされると共に、プロテクタ嵌合爪と直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止されている。
【0017】
このため、プロテクタ嵌合爪と直線状縁部とを嵌合させることにより固定部材をロッカプロテクタに取付けた状態で、固定部材がロッカプロテクタの長手方向へスライド可能となり、また、固定部材がプロテクタ開口部から外れることを防止できるので、ロッカプロテクタのロッカパネルへの取付けを、予め固定部材をロッカプロテクタに取付けた状態で、ロッカプロテクタの長手方向の寸法のバラツキを吸収しながら、固定部材をロッカプロテクタから落下させることなく行うことが可能となる。
【0018】
従って、ロッカプロテクタの長手方向に並んだ複数の固定部材によりロッカプロテクタとロッカパネルとの複数箇所を固定する場合に、予め複数の固定部材をロッカプロテクタに取付けた状態で、ロッカプロテクタをロッカパネルに取付けることが可能となり、従来と比較して作業性を向上できる。
【0019】
請求項4に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造は、請求項3に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造であって、前記取付部品嵌合爪を前記パネル開口部の内側に配置したことを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造では、プロテクタ嵌合爪がパネル開口部の内側に配置されているので、プロテクタ嵌合爪をプロテクタ開口部の直線状縁部に嵌合させた状態でロッカプロテクタをロッカパネルへ取付ける際に、パネル開口部によりプロテクタ嵌合爪とプロテクタ開口部の直線状縁部との嵌合が解除されることを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、自動車用ボディパネルへ取付部品を取付ける際、または、ロッカパネルへロッカプロテクタを取付ける際の作業性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造、及びロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造の一実施形態を図1乃至図7に従って説明する。
【0023】
なお、図中矢印FRは車両前方方向を、矢印UPは車両上方方向を、矢印OUTは車幅外側方向を示す。
【0024】
図1、図2に示すように、車体側面を構成するサイメンアウタパネル12は、車両側面下部において車両前後方向に延在する自動車用ボディパネルとしてのロッカアウタパネル14と、車両側面前部において車両上下方向へ延在するAピラーアウタパネル16と、車両側面の車両前後方向中央部において車両上下方向へ延在するBピラーアウタパネル18と、車両側面後部において車両上下方向へ延在するCピラーアウタパネル20とが一体で形成された構成となっている。
【0025】
また、図6(A)に示すように、ロッカアウタパネル14の車両内側には、ロッカリインフォース22が車両前後方向に延在している。ロッカリインフォース22は、共に車幅方向に開口したハット形状をしているロッカリインフォースインナ24とロッカリインフォースアウタ26とで構成されている。このロッカリインフォース22は、ロッカリインフォースインナ24の車両上下方向両端部に形成されたフランジ部24Aと、ロッカリインフォースアウタ26の車両上下方向両端部に形成されたフランジ部26Aとが溶接されることで、閉じ断面を形成している。
【0026】
ここで、ロッカアウタパネル14には、車両下側のフランジ部26Aに溶接されるフランジ部14Aが形成されている。また、ロッカアウタパネル14のフランジ部14Aの車両上側には、取付部品としてのロッカプロテクタ30が取付けられる取付面14Bが形成されている。この取付面14Bは、フランジ部14Aから車幅外側へかけて車両上側へ若干傾斜した面であり、図2に示すように、複数(例えば、図示するように9個)のパネル開口部としての取付穴32が、取付面14Bの長手方向に沿って所定間隔で配設されている。この取付穴32は、円状の貫通孔となっている。
【0027】
また、ロッカアウタパネル14の取付面14Bの車幅外側には、取付面14Bから車幅外側へかけて車両下側へ若干傾斜した面である斜面14Cが形成され、斜面14Cの車幅外側には、車幅外側へ膨らんだ湾曲面14Dが形成されている。
【0028】
また、ロッカプロテクタ30は、車両前後方向(取付面14Bの長手方向)に沿って延在し、幅方向中央部で鈍角に曲げられた樹脂製の板状長尺部品であり、ロッカアウタパネル14を飛石から保護し、また、跳ねた水がロッカ部に当る音の大きさを減少させている。
【0029】
このロッカプロテクタ30の車幅内側の平面は、取付面14Bに取付けられる取付面30Aとなっており、この取付面30Aには、複数(例えば、図示するように9個)の取付部品開口部及びプロテクタ開口部としての取付穴34が、取付面30Aの長手方向に沿って所定間隔で配設されている。
【0030】
図3に示すように、取付穴34では、長円形状(より正確には、長方形の長手方向両端が円弧形であるトラック形状)となっており、取付面30Aの長手方向に沿って直線状に延びる一対の直線状縁部34Aが、互いに取付面30Aの幅方向に対向し、また、円弧状に湾曲した一対の円弧状縁部34Bが、互いに一対の直線状縁部34Aを間に置いて取付面30Aの長手方向に対向している。
【0031】
ここで、図4、図5に示すように、取付穴32と取付穴34とは、車両上下方向に重なるように配設されており、これらには、固定部材としてのグロメット40が取付けられている。図3乃至図5に示すように、グロメット40は、取付穴32、34に挿通される矩形筒状の基部42と、基部42の軸方向一端部に設けられた長円形状のフランジ部44と、基部42の側壁に設けられた一対の取付部品嵌合爪としてのプロテクタ嵌合爪46と、基部42の側壁に設けられた一対のパネル嵌合爪48とが、樹脂により一体で形成された構成となっている。
【0032】
基部42には、直線状縁部34Aと略平行に対向する一対の側壁42Aと、側壁42Aと略直交する一対の側壁42Bとが形成されている。
【0033】
ここで、基部42は、取付穴34内で自身の軸線回りに回転不能となり、また、取付穴34内で取付面30Aの長手方向へスライド可能となるように、一対の直線状縁部34Aの間に嵌め込まれている。
【0034】
なお、複数の取付穴34の中で最も中央寄りに配置された1個の取付穴34では、基部42が取付面30Aの長手方向へスライド不能となるように、その他の取付穴34よりも直線状縁部34Aが短くなっている。
【0035】
また、プロテクタ嵌合爪46は、側壁42Aの中央部に基部42の内側へ弾性変形可能に形成され、側壁42Aから突出したテーパ状の突起部46Aを備える爪部材であり、直線状縁部34Aに突起部46Aを係合させて、基部42が取付穴34からフランジ部44側へ抜け出さないようにしている。
【0036】
また、パネル嵌合爪48は、側壁42Bの中央部に基部42の内側へ弾性変形可能に形成され、側壁42Bから突出したテーパ状の突起部48Aを備える爪部材であり、突起部48Aを取付穴32の上面側の周縁部に係合させて、基部42が取付穴32からフランジ部44側へ抜け出さないようにしている。
【0037】
また、フランジ部44は、取付穴34の縁部に当接しており、プロテクタ嵌合爪46と共に取付穴34の縁部を挟み、また、パネル嵌合爪48と共に取付穴32の縁部を挟み込んでいる。
【0038】
ここで、図6(A)、図7(B)に示すように、一対のプロテクタ嵌合爪46の突起部46Aの頂点同士の間隔D1が、円状の取付穴32の直径D2よりも狭くなっており、一対のプロテクタ嵌合爪46と取付穴32との間のクリアランスが確保されるようになっている。
【0039】
また、図7(A)、図6(B)に示すように、一対のパネル嵌合爪48の突起部48Aの頂点同士の間隔D3が、取付穴34の最大直径(一対の円弧状縁部34Bの最も離れた位置同士の間隔)D4よりも狭くなっており、基部42が取付穴34の長手方向中央部に配置された状態で、一対のパネル嵌合爪48と取付穴34の円弧状縁部34Bとの間のクリアランスが確保されようになっている。
【0040】
次に、本実施形態による作用について説明する。
【0041】
ロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に組付ける際、グロメット40の基部42をロッカプロテクタ14の取付穴34へ、側壁42Aと直線状縁部34Aとを略平行に対向させて挿通すると、プロテクタ嵌合爪46の突起部46Aのテーパ部と直線状縁部34Aとが当接することにより、プロテクタ嵌合爪46が基部42の内側へ弾性変形される。また、基部42が取付穴34の長手方向中央部に配置された状態で、パネル嵌合爪48と取付穴34の円弧状縁部34Bとの間のクリアランスが確保されることにより、パネル嵌合爪48は、取付穴34に挿通される。
【0042】
そして、フランジ部44が取付穴34の縁部に当接するまでグロメット40の基部42を取付穴34へ押し込むと、プロテクタ嵌合爪46が弾性復帰して直線状縁部34Aに嵌合する。
【0043】
この状態で、基部42は、自身の軸線回りに回転しないように、一対の直線状縁部34Aの間に嵌め込まれており、プロテクタ嵌合爪46と直線状縁部34Aの縁部との嵌合が解除される位置への回転を、一対の直線状縁部34Aにより阻止されており、グロメット40がロッカプロテクタ14から落下することが防止されている。
【0044】
また、ロッカプロテクタ30の長手方向を車両前後方向に合わせた状態で、取付穴34に取付けられたグロメット40の基部42をロッカアウタパネル14の取付穴32へ挿通すると、パネル嵌合爪48の突起部48Aのテーパ部が取付穴32の縁部に当接することにより、パネル嵌合爪48が基部42の内側へ弾性変形される。また、グロメット40がロッカプロテクタ30の長手方向に位置ずれしている場合には、グロメット40がロッカプロテクタ30の長手方向の正規位置へ移動される。
【0045】
そして、ロッカプロテクタ30の取付面30Aがロッカアウタパネル14の取付面14Aに当接するまでグロメット40の基部42を取付穴32へ押し込むと、パネル嵌合爪48が弾性復帰して取付穴32に嵌合する。これによって、ロッカプロテクタ30がロッカアウタパネル14に固定される。
【0046】
ここで、プロテクタ嵌合爪46と取付穴32の穴壁との間のクリアランスが確保されていることにより、グロメット40が取付けられた(所謂サブアッセンブリー化された)ロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に取付ける際、プロテクタ嵌合爪46が取付穴32の穴壁により基部42の内側へ弾性変形されることを防止でき、以って、プロテクタ嵌合爪46と取付穴34の直線状縁部34Aとの嵌合が解除されることを確実に防止できる。
【0047】
また、基部42が取付穴34内でロッカプロテクタ30の長手方向に沿ってスライド可能とされていることにより、サブアッセンブリー状態のロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に取付ける作業を、グロメット40をロッカプロテクタの長手方向にスライドさせながら行うことができる。即ち、長尺物であるロッカプロテクタ30の長手方向の寸法のバラツキ(グロメットの長手方向の位置のバラツキ)を吸収しながら、ロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に取付けることができる。
【0048】
なお、複数のグロメット40の中で最も中央寄りに配置されたグロメット40は、取付穴34にスライド不能に取付けられており、このグロメット40を基準にしてその他のグロメット40の取付穴32への取付けを行うことができるようになっている。
【0049】
以上説明したように、ロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に取付ける作業を、ロッカプロテクタ30とロッカアウタパネル14の車両下側にセットして、既にロッカプロテクタ30に取付けられているグロメット40を取付穴32に押し込むだけという簡単な作業にすることができる。従って、ロッカアウタパネル14の周囲の作業スペースが狭い場合でも、ロッカプロテクタ30をロッカアウタパネル14に取付ける作業を容易に行うことができる。
【0050】
以上、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、本実施形態では、本発明の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造を、ロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造に適用したが、ドアパネルとドアトリムとの取付構造や、リアフェンダパネルとラゲッジトリムとの取付構造や、ドアパネルと衝撃吸収用のパッドとの取付構造等にも適用可能である。
【0051】
また、ロッカプロテクタ30の取付穴34の形状を長円形状から矩形状に変える等、本発明の範囲内での設計変更は可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係るロッカプロテクタのロッカパネルへの取付構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るロッカプロテクタのロッカパネルへの取付構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るロッカプロテクタのロッカパネルへの取付構造を拡大して示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るロッカプロテクタのロッカパネルへの取付構造を拡大して示す分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るロッカプロテクタのロッカパネルへの取付構造を拡大して示す分解斜視図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【符号の説明】
【0053】
14 ロッカアウタパネル(自動車用ボディパネル)
30 ロッカプロテクタ(取付部品)
32 取付穴(パネル開口部)
34 取付穴(取付部品開口部、プロテクタ開口部)
34A 直線状縁部
40 グロメット(固定部材)
42 基部
46 プロテクタ嵌合爪(取付部品嵌合爪)
48 パネル嵌合爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ボディパネルに設けられたパネル開口部と、
前記自動車用ボディパネルに取付けられる取付部品に設けられており、所定方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が互いに前記所定方向と直交する方向に対向した取付部品開口部と、
前記直線状縁部に嵌合する取付部品嵌合爪と、前記パネル開口部に嵌合するパネル嵌合爪と、前記取付部品嵌合爪と前記パネル嵌合爪とが設けられ、前記一対の直線状縁部により前記所定方向に沿ってスライド可能とされると共に前記取付部品嵌合爪と前記直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止される基部とを備えた固定部材と、
を有することを特徴とする自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造。
【請求項2】
前記取付部品嵌合爪を前記パネル開口部の内側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ボディパネルと取付部品との取付構造。
【請求項3】
車両前後方向に延在するロッカパネルに設けられたパネル開口部と、
前記ロッカパネルに沿って延在するロッカプロテクタに設けられており、前記ロッカプロテクタの長手方向に沿って直線状に延在する一対の直線状縁部が互いに前記ロッカプロテクタの幅方向に対向したプロテクタ開口部と、
前記直線状縁部に嵌合するプロテクタ嵌合爪と、前記パネル開口部に嵌合するパネル嵌合爪と、前記プロテクタ嵌合爪と前記パネル嵌合爪とが設けられ、前記一対の直線状縁部により前記ロッカプロテクタの長手方向に沿ってスライド可能とされると共に前記プロテクタ嵌合爪と前記直線状縁部との嵌合が解除される位置への回転を阻止される基部とを備えた固定部材と、
を有することを特徴とするロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造。
【請求項4】
前記取付部品嵌合爪を前記パネル開口部の内側に配置したことを特徴とする請求項3に記載のロッカパネルとロッカプロテクタとの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−74362(P2008−74362A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259403(P2006−259403)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】