葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及びこれを含む組成物
微生物を利用して葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及びこれを含む組成物に係り、該葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、抗ヒスタミン、抗アレルギー、カルシウム吸収促進、骨の成長促進、細胞増殖促進、コラーゲン生合成促進、シワ改善効果、紫外線による細胞損傷抑制効果がある。従って、皮膚外用剤または化粧料組成物、健康補助用の食品組成物、飼料組成物または医薬組成物の用途を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS:folyl extract of fermented soybean)またはこれを含む組成物に係わる。
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質または高分子組成物は、抗ヒスタミン、抗アレルギー、カルシウム吸収促進、骨の成長促進、細胞増殖促進、コラーゲン生合成促進、シワ改善及び紫外線による細胞損傷抑制効果があることが確認された。従って、皮膚外用剤または化粧料組成物、健康補助用の食品組成物、飼料組成物または医薬組成物の用途を有する。
【背景技術】
【0002】
代表的な発酵食品である清麹醤、納豆などは、枯草菌(Bacillus subtilis)を使用して大豆を発酵させて作る。大豆を発酵させれば、γ−ポリグルタメート(γ−polyglutamate)及びポリフラクタン(polyfructan)のような高分子が生成される。γ−ポリグルタメートは、保湿、細胞活性化機能を有し、タキソールなどの抗ガン剤と共に使用すれば、薬剤の効果を高めると知られている。ポリフラクタンは、ダイエット用食物繊維であり、人体に摂取されたとき、飽満感を与えて食欲を抑制できるので、肥満予防効果があって、腸内で有害細菌の増殖を抑制し、乳酸菌の増殖に一助となると報告されている(非特許文献1)。
【0003】
大豆発酵物と関連した特許としては、化粧品原料(特許文献1)、皮膚外用剤(特許文献2)などに係わるものがある。ソン・ムンヒらは、酵素的な方法で、分子量2,000kDa以上のγ−ポリグルタメートを生産する技術を開発した(非特許文献2;特許文献3)。ソン・ムンヒらはまた、前記高分子量のγ−ポリグルタメートにアスコルビン酸を結合させた形態の物質生産に係わる研究結果を特許登録した(特許文献4)。しかし、γ−ポリグルタメートに葉酸(vitamin B9)を混入させた新しい形態の大豆発酵高分子物質及びその用途についての報告は皆無である。
【0004】
葉酸は、老人の心臓疾患及び痴呆に関与すると知られているホモシステインを挙げることができる物質として公知されているので、特に老年層のための食品素材として使われたとき、大きい効果を表すことができる。葉酸は、高分子形態で自然系に存在し、これは動物及び人体に吸収されやすい形態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第0451631号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2001−0083876号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10−0399091号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10−0485727号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of Applied Microbiology,92,5,pp.958-963
【非特許文献2】App. And Environ.Microbiol.2004; 70(7),4249-4255
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新しい形態の大豆発酵物素材を開発し、さらに優秀であって、低価格であって、多様な用途を有する素材を開発することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために本発明は、葉酸及び大豆抽出物を含む組成物の発酵を試み、これまで報告されたことのない葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS)を製造して提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、アレルギーなど、皮膚副作用が激しい者に現れる症状の一つの肥満細胞のヒスタミン放出を抑制し、前身性過敏症状を抑制する機能に非常にすぐれている。また、カルシウムなど、ミネラルの小腸内吸収を促進させ、哺乳動物の骨長軸成長促進の効能を示し、細胞活性化機能によるコラーゲン生合成促進効能に起因して、人体の皮膚に塗布されたときにシワ改善及び抑制効果を示すので、シワ改善効果を基にして、保湿及び抗アレルギーなどの多様な機能を有する。また、本発明の高分子物質は、紫外線による細胞損傷を抑制する効果を示す。従って、本発明の高分子または高分子組成物は、健康機能性食品、化粧品、皮膚外用剤、医薬品そして飼料として、産業で有用に使われうる。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、類似の効果を有する他の製品と比較するとき、低い生産コスト及び高い生産性を有するので、さらに経済性にすぐれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質(folyl EFS)の抗ヒスタミン効能実験結果であり、正常細胞の形態を示すイメージである。
【図1B】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効能実験結果であり、刺激剤処理30分後の細胞形態を示すイメージである。
【図1C】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効能実験結果であり、葉酸含有大豆発酵高分子物質及び刺激剤処理30分後の細胞形態を示すイメージである。
【図2】ヒスタミン定量を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質のヒスタミン分泌抑制効能実験結果であり、喘息治療剤として知られているクロモリン(cromolyn)のヒスタミン分泌抑制効能と比較したグラフである。
【図3】葉酸含有大豆発酵高分子物質の全身性過敏症状(anaphylaxis)に対する効能実験の結果であり、刺激剤の腹腔投入による各群の死滅率で示したグラフである。
【図4】葉酸含有大豆発酵高分子物質の動物小腸でのカルシウム吸収促進効能を示し、動物に一定期間摂取させた後で小腸を摘出し、各群のカルシウムを定量し、無添加群に対する比率で示したグラフである。
【図5】葉酸含有大豆発酵高分子物質の動物の成長促進効能に対する結果であり、一定期間ラットに摂取させた後で各群のラットの血液を採取し、ELISA法でIGF−1を定量したグラフである。
【図6】線維芽細胞の初代培養体と葉酸含有大豆発酵高分子物質または葉酸とを、線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)で、24時間培養後で撮影した結果イメージである。
【図7】線維芽細胞の初代培養体と葉酸含有大豆発酵高分子物質または葉酸とを線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)で、24時間培養後、NR assay(neutral red assay)を介して生存細胞を定量した結果のグラフである。
【図8】葉酸含有大豆発酵高分子物質のコラーゲン生合成促進効能に係わる結果であり、ヒト皮膚の線維芽細胞の初代培養体を利用してコラーゲン生合成を促進し、ELISA法で定量し、コラーゲン生合成促進物質として知られているTGF−βのコラーゲン生合成促進効能と比較したグラフである。
【図9】ヒト角質形成細胞の初代培養体(human keratinocyte、primary culture)を、葉酸の含有量が約10重量%濃度である本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)と角質形成細胞生育培地(KGM、KDR社)培地とで約72時間培養し、生育された細胞に、306nmの紫外線を一定時間照射した後、約24時間培養してNR assay(neutral red assay)を介して、生存細胞(viable cell)を定量した結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、微生物を利用して葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS:extract of fermented soybean)及びその用途に関する。
【0012】
大豆を微生物で発酵させるときに生成されるγ−ポリグルタメートは、グルタミン酸のアミン基とγ−カルボキシル基とがペプチド連結をなして存在する高分子である。一方、葉酸(vitamin B9、プテロイルグルタミン酸)は、グルタミン酸にプテロイル環が結合された形態のグルタミン酸類似体である。本発明者は、伝統的な大豆発酵時に生産されるγ−ポリグルタメートがバシラス(Bacillus)属微生物が生産する合成酵素によるものであることを確認し、このような合成酵素は、プテロイル環にグルタミン酸が結合された構造の葉酸を接したとき、これを高分子化しようとする傾向を示しうるということに着眼して実験した結果、大豆を微生物で発酵させるときに葉酸を添加すれば、微生物が生産する酵素によって、γ−ポリグルタメートに混入され、葉酸とグルタミン酸とによって構成された新しい形態(folyl ポリグルタメート)の高分子を量産することが可能であるということを確認した。よって、本発明では、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及びその量産方法を提供する。本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、folyl ポリグルタメートを含む。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質には、大豆発酵時に生成されるレバン(ポリフラクタン)が含まれうる。
【0013】
高分子物質に混入された葉酸は、単独で存在する葉酸と非常に異なる独特な効能を示し、水に対する水溶性が高まって産業的利用性が向上し、動物の小腸で吸収率も向上する。
【0014】
また、本発明の高分子物質には、大豆発酵時に生成されるレバン(microbial polyfructan)も共に含まれうるために、ビフィダス乳酸菌の増殖促進による整腸効果及び肥満予防効果を期待することができる。
【0015】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、試験管内実験及び動物実験レベルの研究で確認した結果、葉酸単独では有し得なかった免疫増強及び抗アレルギー機能が濃度によって増加することを確認した。本発明の高分子物質は、ヒスタミンの分泌を抑制し(図1及び図2)、前身性過敏症状を減少させた(図3)。よって、本発明の高分子物質は、乳児及び小児の急性アレルギー予防、並びに成人の体質改善のための食品素材として利用が可能である。また、アトピー性皮膚炎や抗アレルギー用皮膚外用剤、または化粧料組成物として利用が可能である。
【0016】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、コラーゲン生合成促進効果があり(図6)、シワ改善効果がある(表5)。よって、本発明の高分子物質は、皮膚細胞の代謝活性化、シワ改善及びその効果を基にする保湿、皮膚改善用外用剤または化粧料組成物として使用可能である。
【0017】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、動物の小腸でカルシウム吸収を促進した(図4)。これは、カルシウム及び鉄、マンガンなどの薬品素材である金属イオンに適用でき、多様な製品を生産できるので、機能性食品だけではなく、医薬品産業でも、栄養剤及び妊婦のための貧血治療剤、糖尿患者のための補助剤などとして使用可能である。
【0018】
また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、骨の成長を促進し(表4)、血中の成長因子(IGF−10)を増加させた(図5)。現在商用化された成長促進素材は、KI−180(ハイキ韓医院及び韓国食品開発研究院の共同開発)などがあるが、これは、天然漢方薬から抽出したものであって高価であるために、食品素材ではない医薬品など、高価な製品に利用しなければならないなどという産業化時に困難があるが、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、微生物発酵を介して量産が可能であるので成長期の子供のための機能性食品及び閉経女性のための骨多孔症予防機能性食品、栄養剤の素材として幅広く利用可能であり、産業化の可能性はさらに高い。
【0019】
かような実験結果を基に、本発明では、次に記載されたところを提供する。
[1]微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[2][1]において、前記微生物がバシラス属またはコリネバクテリウム属の微生物であることを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[3][1]において、前記微生物が枯草菌(Bacillus subtilis)であることを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[4][1]ないし[3]のうちいずれか一において、抗ヒスタミン効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[5][1]ないし[3]のうちいずれか一において、抗アレルギー効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[6][1]ないし[3]のうちいずれか一において、カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[7][1]ないし[3]のうちいずれか一において、骨の成長促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[8][1]ないし[3]のうちいずれか一において、コラーゲン生合成促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[9][1]ないし[3]のうちいずれか一において、シワ改善効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[10][1]ないし[3]のうちいずれか一において、細胞増殖促進効果を有する葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[11][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む皮膚外用剤または化粧料組成物;
[12][11]において、抗アレルギーまたはアトピー性皮膚炎改善のための皮膚外用剤または化粧料組成物;
[13][11]において、皮膚細胞の代謝活性化、シワ防止またはシワ改善用皮膚外用剤または化粧料組成物;
[14][11]において、紫外線による細胞損傷抑制用の皮膚外用剤または化粧料組成物;
[15][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む健康補助用の食品組成物;
[16][15]において、飲料用組成物であることを特徴とする健康補助用の食品組成物;
[17][15]において、前記健康補助用の食品組成物が成長促進効果を有するところの食品組成物;
[18][15]において、前記健康補助用の食品組成物が骨多孔症予防効果を有するところの食品組成物;
[19][15]において、前記健康補助用の食品組成物がカルシウム吸収促進効果を有するところの食品組成物;
[20][15]において、前記健康補助用の食品組成物がアレルギー予防または体質改善効果を有するところの食品組成物;
[21][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む飼料組成物;
[22][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む成長促進用の医薬組成物;
[23][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む骨多孔症治療または予防用医薬組成物;
[24][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含むカルシウム吸収促進剤用の医薬組成物;
[25]葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を微生物を利用して発酵させ、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を製造する方法。
【0020】
本発明の葉酸含有大豆発酵高分子物質は、大豆抽出物を使用して製造できる。大豆抽出物は、精製水に大豆0.1〜50%を入れ、100℃で1−2時間加熱して徐々に冷却させた後、固形分を除去して製造する。0.1〜25%ブドウ糖、0.01〜10%Na2HPO4、0.01〜10%NaH2PO4の成分で培地を製造し、培地に0.1〜90%大豆抽出物、葉酸0.01%〜10%を添加して殺菌した後、食品から分離された枯草菌を接種し、10〜60℃、望ましくは、35〜55℃、pH5.5〜8.5及び通性嫌気的な発酵条件で48〜96時間発酵を進める。発酵後、連続遠心分離を介して菌体などの不溶性物質を除去し、2M HClを使用し、pH3−5、望ましくはpH4に調整する。ここに、エタノールを2倍以上添加し、高分子物質を回収して凍結乾燥し、粉末状で保管する。分子量によるグループ化は、この技術分野で一般的に使用する方法を適用して実施する。例えば、クロマトグラフィ、限外濾過方法などを使用できる。
【0021】
本発明の葉酸及び大豆抽出物を発酵させるのに使用するできる微生物としては、γ−ポリグルタメートの生産能があるバシラス属(genus Bacillus)またはコリネバクテリウム属(genus Corynebacterium)の微生物を使用できる。バシラス属の微生物としては、例えば、枯草菌、炭疽菌(Bacillus anthracis)、トルファン菌(Bacillus licheniformis)、巨大菌(Bacillus megaterium)などが望ましく、枯草菌がさらに望ましい。コリネバクテリウム属微生物としては、アミノ酸発酵菌(Corynebacterium glutamicum)、などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0022】
また、前記葉酸含有大豆発酵高分子物質は、抗アレルギー及び成長促進、ビフィダス乳酸菌増殖促進などの効能によって、家畜の売上げ向上及び肉質向上の機能を示すことができるので、飼料産業で飼料添加物として使われうる。
【0023】
本発明の組成物は、葉酸混入大豆発酵高分子物質を高分子総重量に対し、0.01−60重量%、望ましくは、0.1−50重量%で含有されうる。
【0024】
本発明の化粧料組成物は、一般皮膚化粧料に配合される成分、例えば、油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などを必要なほど適用して配合することが可能である。本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含有する化粧料組成物は、保湿用化粧品、洗眼剤、ボディー用化粧品などに多様に利用でき、これらに制限されるものではない。本組成物を添加できる製品としては、例えば、収斂(astringent)化粧水、柔軟化粧水、栄養化粧水、各種クリーム、エッセンス、パック、ファウンデ−ションのような化粧品類;クレンジング;洗眼剤;石鹸;トリートメント;美容液などがある。本発明の化粧料の具体例としては、スキンローション、スキンソフナ、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャクリーム、ハンドクリーム、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、シャンプ、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディーローション、ボディークレンザ、油液、プレスパウダー、ルースパウダー、アイシャドーなどを挙げることができる。
【0025】
本発明の医薬組成物は、固形剤、半固形剤、溶液剤、油剤、分散剤、ミセル(micelle)、リポゾームなどの形態で使われ、ここで得られた組成物は、腸内または非経口に適用するのに適した有機または無機の担体または賦形剤と共に、活性成分として本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含む。活性成分は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐薬(suppository)剤、溶液剤、油剤、懸濁剤、軟膏剤、及び使用するのに適した任意のその他形態に対して、一般的に非毒性である製薬上許容される担体と共に混合されうる。使用可能である担体としては、固体状、半固体状または液状のブドウ糖、乳糖、アラビアゴム、ゼラチン、マニトール、澱粉ペースト、三ケイ酸マグネシウム塩、滑石、とうもろこし澱粉、角質、コロイド性シリカ、ジャガイモ澱粉、ウレア、鎖長が中間ほどであるトリグリセリド、デキストラン、及び製剤の製造に使用するのに適したその他担体が含まれる。また、補助剤、安定化剤、増粘剤及び着色剤及び香料剤が使われうる。活性成分を含む製薬組成物は、経口用として使用するのに適した形態、例えば錠剤、口内錠剤(troche)、菱形錠剤、水性または油性の懸濁剤、分散性粉末剤または顆粒剤、油剤、硬質または軟質のカプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤(elixir)でありうる。経口用として使われる組成物は、製薬組成物の製造のために、当業界に公知の任意の方法によって製造され、それら組成物は、製薬的にすぐれ、口に合う製剤を提供するために、蔗糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ハッカ、イチヤクソウ(pyrola japonica)またはチェリーのような調味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される一種以上の作用剤を含むことができる。また、非毒性の製薬上許容される賦形剤と共に、活性成分を含む錠剤は、公知の方法によって製造されうる。使われる賦形剤は、例えば(1)炭酸カルシウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような非活性賦形剤、(2)とうもろこし澱粉、ジャガイモ澱粉またはアルギン酸のような顆粒化剤及び分解剤、(3)トラガカンスゴム、とうもろこし澱粉、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤、及び(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸滑石のような潤滑剤でありうる。錠剤は、被覆されていないか、または胃腸管での分解及び吸収を遅延させるために、公知の方法で被覆され、さらに長時間作用が維持されうる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。それらはまた被覆され、放出を制御するための浸透性治療錠剤を形成できる。
【0026】
一部の場合、経口用製剤は、活性成分が、非活性固体状希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルの形態で使われうる。また、それらは、活性成分が水または油状媒質、例えばピーナッツ油、液状パラフィンまたはオリーブ油と混合される軟性ゼラチンカプセルの形態でありうる。
【0027】
それぞれの治療対象は、徴候の程度が多様であり、各薬剤は、独特な治療的特性を有するので、治療に対する治療対象の反応を決定し、それによる投薬量を変化させることは、専門家が行わなければならない。典型的な一日投与量は、一般的に約10μgないし約200mg/体重kgの範囲、望ましくは、約50μgないし約100mg/体重kg範囲であり、一日4回以下で投与されうる。
【0028】
本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含む食品組成物として製造される食品の種類には、特別な制限はない。例えば、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含んだ酪農製品、各種スープ、飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、それらに制限されるものではない。
【実施例】
【0029】
以下、本発明について実施例及び実験例を介してさらに詳細に記述する。ただし、下記実施例及び実験例は、本発明について具体的に説明するものであり、下記実施例及び実験例によって、本発明の範囲が制限されるものではない。
【0030】
<実施例1>
葉酸含有大豆発酵高分子物質の生産
葉酸含有大豆発酵高分子物質の生産のために、まず大豆抽出物を製造した。大豆抽出物は、精製水に大豆50.0%を入れ、100℃で1時間加熱して徐々に冷却させた後、固形分を除去して製造した。2.0%ブドウ糖、1.0%Na2HPO4、0.5%NaH2PO4の成分で培地を製造し、培地に90%大豆抽出物、葉酸0.5%を添加して殺菌した後、食品から分離された枯草菌を接種し、45℃で72時間発酵を進めた。発酵後、連続遠心分離を介して、菌体などの不溶性物質を除去し、2M HClを使用してpH4まで調整した。ここに、エタノールを2倍以上添加し、高分子物質を回収して凍結乾燥し、粉末状で保管した。分子量1,000KDaグループの高分子物質を製造するためには、セファロース4Bを利用して500KDa以下の物質を除去し、限外濾過(cross-flow ultrafiltration unit、Vivascience社)法で、分子量1,000KDa以下と以上との高分子物質を分離した。分子量1,000KDa以上の物質は、液体クロマトグラフィ(LC)を利用したGPC(gel permeation chromatography)分析の結果、平均分子量が2,500KDaであると示された。このように分離された2つの分画を乾燥させた後、同じ乾燥物重量に補正して実験に使用した。
【0031】
<実施例2>
葉酸含有大豆発酵高分子物質を含有する組成物の製造
前記実施例1の葉酸含有大豆発酵高分子物質を0.0〜10.0重量%含有し、食品及び薬剤学的に許容可能である付加物を添加し、多様な組成物を製造した。
(1)製造例1:葉酸含有大豆発酵高分子物質の食品組成物の製造例
下記表1のような組成成分で構成され、飲料式健康補助食品のために適した食品組成物を製造した。下記組成で精製水の量は、天然防腐剤の量によって適切に調節した。
【0032】
【表1】
【0033】
(2)製造例2:葉酸含有大豆発酵高分子物質の化粧品組成物の製造例
下記表2のような組成成分で構成になる化粧料組成物と、対照群としての葉酸含有大豆発酵高分子物質を添加せずに、蒸溜水を添加した組成物とを剤形化した。表2のAは水溶性であり、Bは脂溶性である。滅菌精製水の量は、防腐剤、香料、色素の添加量によって適切に調節した。
【0034】
【表2】
【0035】
(3)製造例3:葉酸含有大豆発酵高分子物質の飼料添加組成物の製造例
下記表3のような組成成分で構成され、飼料添加物のために適した飼料添加用組成物を製造した。
【0036】
【表3】
【0037】
<実施例3>抗アレルギー試験
実施例3−1.肥満細胞の顕微鏡観察による抗ヒスタミン効果の観察
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効果を観察するために、肥満細胞(mast cell;ATCC TIB−64、P815)に試験物質を適用し、顕微鏡で観察比較した(George Chiang et al.,The Journal of Urology,Dec.,164,2000,pp.2119〜2125)。図1Aは、正常細胞の形態、図1Bは、刺激剤(stimulator)であるC48/80(Sigma)10μg/mlを処理して30分後の細胞の形態、図1Cは、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及び刺激剤で処理した後30分後の細胞の形態である。図1Aないし図1Cで、正常な状態である肥満細胞の形態は、滑らかで丸い形態を示し、免疫反応時に示されるデコボコな様子をほぼ示さない。しかし、刺激剤であるC48/80を処理して15分が経過すれば、肥満細胞は、デコボコに角張った形態を示し、30分が経過すれば、本来の形態が分からなくなり、細胞が炸裂しつつヒスタミンが放出される。肥満細胞の表面がデコボコになるのは、C48/80から刺激を受けた肥満細胞の細胞膜でさまざまな信号伝達物質が分泌され、細胞膜の安定性が落ちつつ、細胞膜表面が不安定になるために発生する現象である。従って、細胞の表面がC48/80処理後、どれほど本来の形態を維持するかを確認することは、物質の抗ヒスタミン効果を推し測る目安になりうる。対照群と反対に、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質処理群の肥満細胞の様子は、15分後まではほとんど変化を確認できず、30分後にも一部細胞のみヒスタミンを放出しつつ細胞膜が炸裂したことを除外すれば、正常な状態の肥満細胞の形態と非常に類似していることを確認することができた。
【0038】
実施例3−2.肥満細胞のヒスタミン定量による抗ヒスタミン効果の観察
また、肥満細胞を刺激剤で処理した後で分泌されるヒスタミンの量を、本発明の高分子物質がどれほど減少させるかを確認するために、ELISA法を介したヒスタミン定量法で、分泌されたヒスタミンを定量した。対照群としては、喘息治療剤として周知の1%クロモリンナトリウム(sodium cromolyn)を使用し、C48/80を刺激物質(stimulator)として使用し、肥満細胞(ATCC TIB−64、P815)の活性化(activation)を誘導した。
【0039】
図2で、喘息治療剤であるクロモリン(cromolyn)は、約0.5%処理したとき、ヒスタミン分泌阻害率が50%になり、ED50値が0.5%であり、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質のED50値は、約0.063%であり、その差が約8倍に達した。このように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、抗ヒスタミン(抗アレルギー)効果にすぐれる。
【0040】
実施例3−3.抗アレルギー(抗全身性過敏症状(anti-anaphylaxis))試験
実施例3−1を介して確認された本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の動物での抗ヒスタミン効果を確認するために、マウスに、製造例1の組成1〜6を7日間摂取させた後、C48/80を腹腔に注射し、前身性過敏症状を誘発した。その結果は図3に示した。
【0041】
刺激剤として使用したC48/80は、生体内の免疫器官を刺激することができる物質であり、腹腔内に注入されたとき、30分以内に急性前身性過敏症状(acute anaphylaxis)を誘導できる。本試験は、刺激剤を腹腔に注入した後、実験に使われた動物が一定時間(24時間)内に、どれほど死滅するかを観察して結果を判定した。実験に使われた動物は、マウス(BALB/C、オス)を群当たり10匹ずつ使用し、3回の実験の平均値を算出して死滅率(%)で示した。
【0042】
図3で、無添加群の組成1の死滅率は、93.3%であり、C48/80注入後、24時間以内に10匹のうち9匹が死滅した。比較群として使われた組成2のクロモリンナトリウム塩添加群の死滅率は、20%となっている。組成3〜6までの試験群は、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を、0.05〜0.3%まで、多様な濃度で添加したものであり、0.05%が含まれた組成3は、死滅率が33.3%、組成4は20%、組成5は6.7%、組成6は16.7%と示された。このような結果を考慮するとき、喘息治療剤として知られているクロモリンナトリウム塩1%は、前身性過敏症状を80%まで抑制すると分かり、葉酸含有大豆発酵物は、0.2%の濃度で、最大約94%まで抑制するといえる。しかし、刺激剤であるC48/80投与後24時間以内生存したマウスの状態を観察した結果、肛門が非正常的に腫れ上がった状態の動物が観察されたが、クロモリンナトリウム塩の組成2は、生存したマウスの約80%、葉酸含有大豆発酵高分子物質が段階的濃度で添加された組成物3〜6は、それぞれ約10%、0%、0%、0%の比率で現れた。従って、クロモリンナトリウム塩は、前身性過敏症状を抑制して死滅を防いだが、前身性過敏症状の後遺症を抑制できない一方、葉酸含有大豆発酵高分子物質は、死滅だけではなく、後遺症も抑制できる物質であると判断された。
【0043】
<実施例4>カルシウム吸収促進の効果
カルシウム吸収促進効果に係わる実験は、マウス(BALB/C、オス)を使用し、各試料は、1日2回経口投与法でマウスに注入した。経口投与期間は3日であり、投与終了後に小腸を摘出し、食塩水で3回以上洗浄した後、各群から摘出された小腸をそれぞれ集め、テフロン(登録商標)均質化器(homogenizer)を使用して組織を磨砕(grind)した。これを遠心分離して上澄み液を取り、カルシウム定量キット(和光純薬工業(株))を使用し、腸内で吸収されたカルシウムを量を測定した。
【0044】
図4から分かるように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の添加群は、対照群(無添加群)に比べ、分子量によって約84〜96%のカルシウム吸収率の増加を示し、カルシウム塩添加群は約4.7%、カルシウム吸収促進剤であるカゼインホスホペプチド(CPP:casein phosphopeptide)添加群は21%、γ−ポリグルタメート添加群は、56.8%のカルシウム吸収率の増加を示した。本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、分子量が500〜1,000KDaである場合が、それより大きい分子量を有する場合より、カルシウム吸収促進機能がさらに高いということが分かる。これは、分子量が高すぎる場合、二価イオンであるカルシウムイオンは、負電荷を帯びる高分子物質と反応し、溶解し難い過度の沈殿物状になるために示されるものであると見られ、このようなカルシウム−高分子複合物の場合、一定分子量以上で水溶化されやすい状態に原料を製造することが望ましいということが分かる。
【0045】
<実施例5>成長促進の効果
実施例3で観察されたように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、腸内でカルシウム吸収を促進したので、腸内で吸収されたカルシウムが、動物骨の成長及び血中成長因子(IGF−1)に影響を与えうるか否かを確認するために、哺乳類動物に、本発明の高分子物質を2週間摂取させた後、大腿骨(thighbone)の長さ及び重さを測定し、血液を採取して成長因子であるIGF−1を測定し、その結果を対照群(食塩水添加群)と比較した。実験に利用した動物は、ラット(SD rat、オス)であり、成長期である4週齢を実験に利用し、比較群は、成長促進剤としてP&B社で販売しているKikerup gold製品(ウコギ(Acantopanax)、紅花種、熟地黄(Radix Rehmanniae Preparata)、ブクリョウ(Poria cocos)、山薬 Dioscoreae rhizoma)、山茱萸(サンシュ;Corni fructus)、鹿角(antler)などの漢方薬抽出物を主要成分とする)を同じ条件で比較実験した。
【0046】
結果は、表4と図5とに示した。大腿骨長の測定結果、標準誤差5%以下で、食塩水摂取群である対照群は、29.22mm、P&B社の成長促進剤品摂取群である比較群は、29.63mm、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質摂取群である実験群は、30.04mmを示した。対照群に比べて比較群は、約1.4%の成長促進効果を示したが、実験群は、約3.1%の成長促進効果を示した(表4)。血中成長促進因子として知られているIGF−1をELISA法で定量した結果、対照群は1,409.5μg/ml、比較群は1,566μg/ml、実験群は1,6371μg/mlの結果を示し、これは、比較群と実験群は、対照群に比べ、それぞれ11.1%、16.2%上昇した結果である(図5)。大腿骨の重さにおいて、比較群及び実験群は、対照群より約1.3%、約2.3%高く示された。このような結果を考慮するとき、本発明の高分子物質は、動物の成長促進効果があるということが分かる。また、P&B社の製品と本発明の高分子物質との製造コストを比較するとき、P&B社の製品は、各種ビタミンと栄養源とが含まれた製品であるということを考慮すれば、本発明の高分子物質の製造コストは、P&B社製品の約1/20レベルほどにしかならないので、効能だけではなく、経済的観点でも、優秀な原料であると判断される。
【0047】
【表4】
【0048】
<実施例6>シワ改善及び傷治癒効果
実施例6−1.細胞活性及びコラーゲン生合成促進効能の実験
本願発明の発明者らは、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質が細胞活性化効果が大きいということを明らかにした。細胞活性化効果というのは、細胞の増殖を急激に活性化させるものであり、代謝産物の生産を活性化すること、または細胞内ミトコンドリアの機能を活性化して解毒作用を行うことなど、非常に広範囲であって多様な意味を含蓄的に示した表現である。細胞活性化効果は、皮膚での傷の治療またはシワ改善の効果を示すことができる。
【0049】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、下記のような実験を介して細胞の増殖を促進し、コラーゲン生合成を促進することと明らかになった。実験に使用した細胞株は、線維芽細胞の初代培養体(human dermal fibroblast neonatal、HDF−N、primary culture;Gibco, Cooper, M.L. et al, Biomaterials 12:243, 1991)であり、培地は、線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)を使用した。本発明で生産された葉酸混入大豆発酵高分子物質は、約10%の葉酸が混入されたポリグルタメートが主要成分であるので、一般的な形態の葉酸と比較実験を行った。前記線維芽細胞の初代培養体(1x105細胞/ウェル)と葉酸または本願発明の葉酸が混入された大豆発酵物を24時間培養後に写真を撮影し(図6)、NR assay(neutral red assay;Sigma; Shao-Zeng Z. et al., Cell Biology and Toxicology, 6:2, 1990)を介して生存細胞(viable cell)を定量した(図7)。
【0050】
本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を添加した場合、細胞増殖度が高く、葉酸を基準に、同一濃度の葉酸を添加した場合より、細胞増殖度がさらに高いことを確認した。また、葉酸の濃度を段階的に高めて添加したときには、細胞増殖度がほとんど示されなかったが、本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)の場合は、濃度別に違いが明確であることが分かった。このような結果は、葉酸とfolyl EFSとの水溶性の差に起因するものであると判断され、これは、folyl EFSの特徴のうち一つである葉酸の水溶性向上を介した細胞の利用性が増大したことを示すものである。このような細胞増殖の促進は、化粧品ではシワ改善の効能を示し、医薬品では、傷治癒促進などの効能を示すことができることを意味する
【0051】
本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質と線維芽細胞の初代培養細胞とを3日間培養した後で上澄み液をとり、human collagen type−1 ELISAキット(Cosmo Bio社)でコラーゲンを定量した。実験に使われた試料は、製造例2の化粧料組成物2の濃度と同一に1%溶液で製造され、1,3−ブチレングリコールを4%濃度で添加して保存した。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の効能と比較するために、同一濃度の葉酸溶液を製造して比較実験に使用し、またコラーゲン生合成促進因子として知られている10ng/ml濃度のTGF−β(transforming growth factor-beta;Sigma)溶液を使用して比較した。
【0052】
葉酸含有大豆発酵高分子物質のコラーゲン生合成促進の効能は、図8に示した。化粧品原料として製造された本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、1%液状製品であり、図8のx軸の濃度(%)は、前記高分子物質溶液の体積/全体培養液体積(v/v、%)の比率で示したものである。結果は、無添加群のコラーゲン含有量平均値を100%と設定した後、無添加群のコラーゲン含有量平均値に対比した各群の値の比率で示した。結果として、TGF−βは、0.63%(v/v、%)で最大促進率である22%を示し、本発明の高分子物質は、0.63%(v/v、%)で最大促進率である109%を示した。これは、比較群であるTGF−βより4倍以上さらに上昇した結果であり、本発明の高分子物質が、人間の皮膚でコラーゲンを過量生産することを介して、シワ改善効果を示すことができるという可能性を示している。一方、葉酸は、誤差範囲内でコラーゲン生合成促進効能を示すと評価できなかった。よって、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、化粧品原料、特にコラーゲン生合成を介したシワ改善原料で非常に有用に使われうる。
【0053】
実施例6−2.化粧料組成物のシワ改善の実験
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質のシワ改善効果を調べるために、30代女性29人に、目の囲りのシワ部位に、実施例2、製造例2で調製された化粧料組成物1(対照群)と組成物2(実験群)とをそれぞれ1ヵ月間1日2回ずつ塗布してもらった。1ヵ月後、シワ改善程度を被験者への設問及びシワの映像分析で評価し、被験者への設問は、実験前と比較して、改善なし、若干改善、重症度改善、相当な改善の4段階で評価した。
【0054】
シワの映像分析による評価は、試験が始まる前に、Visioscan SV600(CK社)を利用し、目の下のレプリカを採取し、試験が終了した直後、同一部位でのレプリカを採取し、映像分析を介してシワの密度を測定し、シワの減少率で示した。
【0055】
結果は表5で示し、葉酸含有大豆発酵高分子物質が含まれた組成物2は、組成物1と比較したとき、シワを緩和または改善させることができるということを確認した。また、本発明の組成物を塗布した場合、シワの密度が、使用前よりも約45%ほど減少することを確認した。
【0056】
かような試験結果は、本発明の組成物が皮膚外用剤として使われたとき、皮膚に生成されたシワを効果的に改善させることができることを示すものであり、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質が、化粧品原料で有用に使われうることを示す。
【0057】
【表5】
【0058】
<実施例7>紫外線による細胞損傷抑制の効果
本発明者らは、本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質が、紫外線による細胞の損傷を抑制する効果があるということを、次のような実験を介して確認した。
ヒト角質形成細胞の初代培養体(human keratinocyte、primary culture)(1x105細胞/ウェル)を葉酸の含有量が約10重量%濃度である本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)と角質形成細胞の生育培地(KGM、KDR社)培地とで約72時間培養し、生育された細胞に306nmの紫外線を一定時間照射した。Folyl EFSに混入された葉酸の濃度は、発酵時に調節し、最終産物の葉酸濃度を調節することも可能である。紫外線照射後、約24時間培養し、NR assay(neutral red assay)を介して、生存細胞(viable cell)を定量した。紫外線照射時間は、予備実験を介して、細胞が約50%死滅する条件に定めた。結果は、下記のように処理した。
生存率(%)=(紫外線照射後の各グループの増殖度)/(同一濃度の紫外線非照射グループの増殖度)
【0059】
本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質が濃度別に添加された培地で生育された細胞は、濃度に依存的に、紫外線に対する損傷を抑制した。実施例6での細胞増殖促進実験の場合とは異なり、葉酸濃度0.62%処理群の結果が最も高く示されたが、これは、約0.62%folyl EFSが添加された培地で生育された細胞の増殖率は、0.31%添加された培地で生育された細胞より低いが、紫外線損傷抑制率は高いことから起因した結果である。このような結果は、folyl EFSが化粧品に添加されたとき、紫外線に対して効果的に防御できることを示すものであり、サンブロック(sun block)製品だけではなく、ローション及びクリームなどの一般剤形にも、約0.1−6%添加されたとき、紫外線に対する防御力を高めることができるということを意味する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS:folyl extract of fermented soybean)またはこれを含む組成物に係わる。
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質または高分子組成物は、抗ヒスタミン、抗アレルギー、カルシウム吸収促進、骨の成長促進、細胞増殖促進、コラーゲン生合成促進、シワ改善及び紫外線による細胞損傷抑制効果があることが確認された。従って、皮膚外用剤または化粧料組成物、健康補助用の食品組成物、飼料組成物または医薬組成物の用途を有する。
【背景技術】
【0002】
代表的な発酵食品である清麹醤、納豆などは、枯草菌(Bacillus subtilis)を使用して大豆を発酵させて作る。大豆を発酵させれば、γ−ポリグルタメート(γ−polyglutamate)及びポリフラクタン(polyfructan)のような高分子が生成される。γ−ポリグルタメートは、保湿、細胞活性化機能を有し、タキソールなどの抗ガン剤と共に使用すれば、薬剤の効果を高めると知られている。ポリフラクタンは、ダイエット用食物繊維であり、人体に摂取されたとき、飽満感を与えて食欲を抑制できるので、肥満予防効果があって、腸内で有害細菌の増殖を抑制し、乳酸菌の増殖に一助となると報告されている(非特許文献1)。
【0003】
大豆発酵物と関連した特許としては、化粧品原料(特許文献1)、皮膚外用剤(特許文献2)などに係わるものがある。ソン・ムンヒらは、酵素的な方法で、分子量2,000kDa以上のγ−ポリグルタメートを生産する技術を開発した(非特許文献2;特許文献3)。ソン・ムンヒらはまた、前記高分子量のγ−ポリグルタメートにアスコルビン酸を結合させた形態の物質生産に係わる研究結果を特許登録した(特許文献4)。しかし、γ−ポリグルタメートに葉酸(vitamin B9)を混入させた新しい形態の大豆発酵高分子物質及びその用途についての報告は皆無である。
【0004】
葉酸は、老人の心臓疾患及び痴呆に関与すると知られているホモシステインを挙げることができる物質として公知されているので、特に老年層のための食品素材として使われたとき、大きい効果を表すことができる。葉酸は、高分子形態で自然系に存在し、これは動物及び人体に吸収されやすい形態である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第0451631号公報
【特許文献2】韓国公開特許第2001−0083876号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10−0399091号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10−0485727号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Journal of Applied Microbiology,92,5,pp.958-963
【非特許文献2】App. And Environ.Microbiol.2004; 70(7),4249-4255
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
新しい形態の大豆発酵物素材を開発し、さらに優秀であって、低価格であって、多様な用途を有する素材を開発することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために本発明は、葉酸及び大豆抽出物を含む組成物の発酵を試み、これまで報告されたことのない葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS)を製造して提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、アレルギーなど、皮膚副作用が激しい者に現れる症状の一つの肥満細胞のヒスタミン放出を抑制し、前身性過敏症状を抑制する機能に非常にすぐれている。また、カルシウムなど、ミネラルの小腸内吸収を促進させ、哺乳動物の骨長軸成長促進の効能を示し、細胞活性化機能によるコラーゲン生合成促進効能に起因して、人体の皮膚に塗布されたときにシワ改善及び抑制効果を示すので、シワ改善効果を基にして、保湿及び抗アレルギーなどの多様な機能を有する。また、本発明の高分子物質は、紫外線による細胞損傷を抑制する効果を示す。従って、本発明の高分子または高分子組成物は、健康機能性食品、化粧品、皮膚外用剤、医薬品そして飼料として、産業で有用に使われうる。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、類似の効果を有する他の製品と比較するとき、低い生産コスト及び高い生産性を有するので、さらに経済性にすぐれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質(folyl EFS)の抗ヒスタミン効能実験結果であり、正常細胞の形態を示すイメージである。
【図1B】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効能実験結果であり、刺激剤処理30分後の細胞形態を示すイメージである。
【図1C】顕微鏡観察を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効能実験結果であり、葉酸含有大豆発酵高分子物質及び刺激剤処理30分後の細胞形態を示すイメージである。
【図2】ヒスタミン定量を介した葉酸含有大豆発酵高分子物質のヒスタミン分泌抑制効能実験結果であり、喘息治療剤として知られているクロモリン(cromolyn)のヒスタミン分泌抑制効能と比較したグラフである。
【図3】葉酸含有大豆発酵高分子物質の全身性過敏症状(anaphylaxis)に対する効能実験の結果であり、刺激剤の腹腔投入による各群の死滅率で示したグラフである。
【図4】葉酸含有大豆発酵高分子物質の動物小腸でのカルシウム吸収促進効能を示し、動物に一定期間摂取させた後で小腸を摘出し、各群のカルシウムを定量し、無添加群に対する比率で示したグラフである。
【図5】葉酸含有大豆発酵高分子物質の動物の成長促進効能に対する結果であり、一定期間ラットに摂取させた後で各群のラットの血液を採取し、ELISA法でIGF−1を定量したグラフである。
【図6】線維芽細胞の初代培養体と葉酸含有大豆発酵高分子物質または葉酸とを、線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)で、24時間培養後で撮影した結果イメージである。
【図7】線維芽細胞の初代培養体と葉酸含有大豆発酵高分子物質または葉酸とを線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)で、24時間培養後、NR assay(neutral red assay)を介して生存細胞を定量した結果のグラフである。
【図8】葉酸含有大豆発酵高分子物質のコラーゲン生合成促進効能に係わる結果であり、ヒト皮膚の線維芽細胞の初代培養体を利用してコラーゲン生合成を促進し、ELISA法で定量し、コラーゲン生合成促進物質として知られているTGF−βのコラーゲン生合成促進効能と比較したグラフである。
【図9】ヒト角質形成細胞の初代培養体(human keratinocyte、primary culture)を、葉酸の含有量が約10重量%濃度である本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)と角質形成細胞生育培地(KGM、KDR社)培地とで約72時間培養し、生育された細胞に、306nmの紫外線を一定時間照射した後、約24時間培養してNR assay(neutral red assay)を介して、生存細胞(viable cell)を定量した結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、微生物を利用して葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質(folyl EFS:extract of fermented soybean)及びその用途に関する。
【0012】
大豆を微生物で発酵させるときに生成されるγ−ポリグルタメートは、グルタミン酸のアミン基とγ−カルボキシル基とがペプチド連結をなして存在する高分子である。一方、葉酸(vitamin B9、プテロイルグルタミン酸)は、グルタミン酸にプテロイル環が結合された形態のグルタミン酸類似体である。本発明者は、伝統的な大豆発酵時に生産されるγ−ポリグルタメートがバシラス(Bacillus)属微生物が生産する合成酵素によるものであることを確認し、このような合成酵素は、プテロイル環にグルタミン酸が結合された構造の葉酸を接したとき、これを高分子化しようとする傾向を示しうるということに着眼して実験した結果、大豆を微生物で発酵させるときに葉酸を添加すれば、微生物が生産する酵素によって、γ−ポリグルタメートに混入され、葉酸とグルタミン酸とによって構成された新しい形態(folyl ポリグルタメート)の高分子を量産することが可能であるということを確認した。よって、本発明では、葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及びその量産方法を提供する。本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、folyl ポリグルタメートを含む。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質には、大豆発酵時に生成されるレバン(ポリフラクタン)が含まれうる。
【0013】
高分子物質に混入された葉酸は、単独で存在する葉酸と非常に異なる独特な効能を示し、水に対する水溶性が高まって産業的利用性が向上し、動物の小腸で吸収率も向上する。
【0014】
また、本発明の高分子物質には、大豆発酵時に生成されるレバン(microbial polyfructan)も共に含まれうるために、ビフィダス乳酸菌の増殖促進による整腸効果及び肥満予防効果を期待することができる。
【0015】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、試験管内実験及び動物実験レベルの研究で確認した結果、葉酸単独では有し得なかった免疫増強及び抗アレルギー機能が濃度によって増加することを確認した。本発明の高分子物質は、ヒスタミンの分泌を抑制し(図1及び図2)、前身性過敏症状を減少させた(図3)。よって、本発明の高分子物質は、乳児及び小児の急性アレルギー予防、並びに成人の体質改善のための食品素材として利用が可能である。また、アトピー性皮膚炎や抗アレルギー用皮膚外用剤、または化粧料組成物として利用が可能である。
【0016】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、コラーゲン生合成促進効果があり(図6)、シワ改善効果がある(表5)。よって、本発明の高分子物質は、皮膚細胞の代謝活性化、シワ改善及びその効果を基にする保湿、皮膚改善用外用剤または化粧料組成物として使用可能である。
【0017】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、動物の小腸でカルシウム吸収を促進した(図4)。これは、カルシウム及び鉄、マンガンなどの薬品素材である金属イオンに適用でき、多様な製品を生産できるので、機能性食品だけではなく、医薬品産業でも、栄養剤及び妊婦のための貧血治療剤、糖尿患者のための補助剤などとして使用可能である。
【0018】
また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、骨の成長を促進し(表4)、血中の成長因子(IGF−10)を増加させた(図5)。現在商用化された成長促進素材は、KI−180(ハイキ韓医院及び韓国食品開発研究院の共同開発)などがあるが、これは、天然漢方薬から抽出したものであって高価であるために、食品素材ではない医薬品など、高価な製品に利用しなければならないなどという産業化時に困難があるが、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、微生物発酵を介して量産が可能であるので成長期の子供のための機能性食品及び閉経女性のための骨多孔症予防機能性食品、栄養剤の素材として幅広く利用可能であり、産業化の可能性はさらに高い。
【0019】
かような実験結果を基に、本発明では、次に記載されたところを提供する。
[1]微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[2][1]において、前記微生物がバシラス属またはコリネバクテリウム属の微生物であることを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[3][1]において、前記微生物が枯草菌(Bacillus subtilis)であることを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[4][1]ないし[3]のうちいずれか一において、抗ヒスタミン効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[5][1]ないし[3]のうちいずれか一において、抗アレルギー効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[6][1]ないし[3]のうちいずれか一において、カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[7][1]ないし[3]のうちいずれか一において、骨の成長促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[8][1]ないし[3]のうちいずれか一において、コラーゲン生合成促進効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[9][1]ないし[3]のうちいずれか一において、シワ改善効果を有することを特徴とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[10][1]ないし[3]のうちいずれか一において、細胞増殖促進効果を有する葉酸が混入された大豆発酵高分子物質;
[11][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む皮膚外用剤または化粧料組成物;
[12][11]において、抗アレルギーまたはアトピー性皮膚炎改善のための皮膚外用剤または化粧料組成物;
[13][11]において、皮膚細胞の代謝活性化、シワ防止またはシワ改善用皮膚外用剤または化粧料組成物;
[14][11]において、紫外線による細胞損傷抑制用の皮膚外用剤または化粧料組成物;
[15][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む健康補助用の食品組成物;
[16][15]において、飲料用組成物であることを特徴とする健康補助用の食品組成物;
[17][15]において、前記健康補助用の食品組成物が成長促進効果を有するところの食品組成物;
[18][15]において、前記健康補助用の食品組成物が骨多孔症予防効果を有するところの食品組成物;
[19][15]において、前記健康補助用の食品組成物がカルシウム吸収促進効果を有するところの食品組成物;
[20][15]において、前記健康補助用の食品組成物がアレルギー予防または体質改善効果を有するところの食品組成物;
[21][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む飼料組成物;
[22][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む成長促進用の医薬組成物;
[23][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む骨多孔症治療または予防用医薬組成物;
[24][1]ないし[3]のうちいずれか1つの葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含むカルシウム吸収促進剤用の医薬組成物;
[25]葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を微生物を利用して発酵させ、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を製造する方法。
【0020】
本発明の葉酸含有大豆発酵高分子物質は、大豆抽出物を使用して製造できる。大豆抽出物は、精製水に大豆0.1〜50%を入れ、100℃で1−2時間加熱して徐々に冷却させた後、固形分を除去して製造する。0.1〜25%ブドウ糖、0.01〜10%Na2HPO4、0.01〜10%NaH2PO4の成分で培地を製造し、培地に0.1〜90%大豆抽出物、葉酸0.01%〜10%を添加して殺菌した後、食品から分離された枯草菌を接種し、10〜60℃、望ましくは、35〜55℃、pH5.5〜8.5及び通性嫌気的な発酵条件で48〜96時間発酵を進める。発酵後、連続遠心分離を介して菌体などの不溶性物質を除去し、2M HClを使用し、pH3−5、望ましくはpH4に調整する。ここに、エタノールを2倍以上添加し、高分子物質を回収して凍結乾燥し、粉末状で保管する。分子量によるグループ化は、この技術分野で一般的に使用する方法を適用して実施する。例えば、クロマトグラフィ、限外濾過方法などを使用できる。
【0021】
本発明の葉酸及び大豆抽出物を発酵させるのに使用するできる微生物としては、γ−ポリグルタメートの生産能があるバシラス属(genus Bacillus)またはコリネバクテリウム属(genus Corynebacterium)の微生物を使用できる。バシラス属の微生物としては、例えば、枯草菌、炭疽菌(Bacillus anthracis)、トルファン菌(Bacillus licheniformis)、巨大菌(Bacillus megaterium)などが望ましく、枯草菌がさらに望ましい。コリネバクテリウム属微生物としては、アミノ酸発酵菌(Corynebacterium glutamicum)、などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0022】
また、前記葉酸含有大豆発酵高分子物質は、抗アレルギー及び成長促進、ビフィダス乳酸菌増殖促進などの効能によって、家畜の売上げ向上及び肉質向上の機能を示すことができるので、飼料産業で飼料添加物として使われうる。
【0023】
本発明の組成物は、葉酸混入大豆発酵高分子物質を高分子総重量に対し、0.01−60重量%、望ましくは、0.1−50重量%で含有されうる。
【0024】
本発明の化粧料組成物は、一般皮膚化粧料に配合される成分、例えば、油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などを必要なほど適用して配合することが可能である。本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含有する化粧料組成物は、保湿用化粧品、洗眼剤、ボディー用化粧品などに多様に利用でき、これらに制限されるものではない。本組成物を添加できる製品としては、例えば、収斂(astringent)化粧水、柔軟化粧水、栄養化粧水、各種クリーム、エッセンス、パック、ファウンデ−ションのような化粧品類;クレンジング;洗眼剤;石鹸;トリートメント;美容液などがある。本発明の化粧料の具体例としては、スキンローション、スキンソフナ、スキントナー、アストリンゼント、ローション、ミルクローション、モイスチャローション、栄養ローション、マッサージクリーム、栄養クリーム、モイスチャクリーム、ハンドクリーム、エッセンス、栄養エッセンス、パック、石鹸、シャンプ、クレンジングフォーム、クレンジングローション、クレンジングクリーム、ボディーローション、ボディークレンザ、油液、プレスパウダー、ルースパウダー、アイシャドーなどを挙げることができる。
【0025】
本発明の医薬組成物は、固形剤、半固形剤、溶液剤、油剤、分散剤、ミセル(micelle)、リポゾームなどの形態で使われ、ここで得られた組成物は、腸内または非経口に適用するのに適した有機または無機の担体または賦形剤と共に、活性成分として本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含む。活性成分は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐薬(suppository)剤、溶液剤、油剤、懸濁剤、軟膏剤、及び使用するのに適した任意のその他形態に対して、一般的に非毒性である製薬上許容される担体と共に混合されうる。使用可能である担体としては、固体状、半固体状または液状のブドウ糖、乳糖、アラビアゴム、ゼラチン、マニトール、澱粉ペースト、三ケイ酸マグネシウム塩、滑石、とうもろこし澱粉、角質、コロイド性シリカ、ジャガイモ澱粉、ウレア、鎖長が中間ほどであるトリグリセリド、デキストラン、及び製剤の製造に使用するのに適したその他担体が含まれる。また、補助剤、安定化剤、増粘剤及び着色剤及び香料剤が使われうる。活性成分を含む製薬組成物は、経口用として使用するのに適した形態、例えば錠剤、口内錠剤(troche)、菱形錠剤、水性または油性の懸濁剤、分散性粉末剤または顆粒剤、油剤、硬質または軟質のカプセル剤、またはシロップ剤またはエリキシル剤(elixir)でありうる。経口用として使われる組成物は、製薬組成物の製造のために、当業界に公知の任意の方法によって製造され、それら組成物は、製薬的にすぐれ、口に合う製剤を提供するために、蔗糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ハッカ、イチヤクソウ(pyrola japonica)またはチェリーのような調味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される一種以上の作用剤を含むことができる。また、非毒性の製薬上許容される賦形剤と共に、活性成分を含む錠剤は、公知の方法によって製造されうる。使われる賦形剤は、例えば(1)炭酸カルシウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような非活性賦形剤、(2)とうもろこし澱粉、ジャガイモ澱粉またはアルギン酸のような顆粒化剤及び分解剤、(3)トラガカンスゴム、とうもろこし澱粉、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤、及び(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸滑石のような潤滑剤でありうる。錠剤は、被覆されていないか、または胃腸管での分解及び吸収を遅延させるために、公知の方法で被覆され、さらに長時間作用が維持されうる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。それらはまた被覆され、放出を制御するための浸透性治療錠剤を形成できる。
【0026】
一部の場合、経口用製剤は、活性成分が、非活性固体状希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセルの形態で使われうる。また、それらは、活性成分が水または油状媒質、例えばピーナッツ油、液状パラフィンまたはオリーブ油と混合される軟性ゼラチンカプセルの形態でありうる。
【0027】
それぞれの治療対象は、徴候の程度が多様であり、各薬剤は、独特な治療的特性を有するので、治療に対する治療対象の反応を決定し、それによる投薬量を変化させることは、専門家が行わなければならない。典型的な一日投与量は、一般的に約10μgないし約200mg/体重kgの範囲、望ましくは、約50μgないし約100mg/体重kg範囲であり、一日4回以下で投与されうる。
【0028】
本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を含む食品組成物として製造される食品の種類には、特別な制限はない。例えば、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含んだ酪農製品、各種スープ、飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、それらに制限されるものではない。
【実施例】
【0029】
以下、本発明について実施例及び実験例を介してさらに詳細に記述する。ただし、下記実施例及び実験例は、本発明について具体的に説明するものであり、下記実施例及び実験例によって、本発明の範囲が制限されるものではない。
【0030】
<実施例1>
葉酸含有大豆発酵高分子物質の生産
葉酸含有大豆発酵高分子物質の生産のために、まず大豆抽出物を製造した。大豆抽出物は、精製水に大豆50.0%を入れ、100℃で1時間加熱して徐々に冷却させた後、固形分を除去して製造した。2.0%ブドウ糖、1.0%Na2HPO4、0.5%NaH2PO4の成分で培地を製造し、培地に90%大豆抽出物、葉酸0.5%を添加して殺菌した後、食品から分離された枯草菌を接種し、45℃で72時間発酵を進めた。発酵後、連続遠心分離を介して、菌体などの不溶性物質を除去し、2M HClを使用してpH4まで調整した。ここに、エタノールを2倍以上添加し、高分子物質を回収して凍結乾燥し、粉末状で保管した。分子量1,000KDaグループの高分子物質を製造するためには、セファロース4Bを利用して500KDa以下の物質を除去し、限外濾過(cross-flow ultrafiltration unit、Vivascience社)法で、分子量1,000KDa以下と以上との高分子物質を分離した。分子量1,000KDa以上の物質は、液体クロマトグラフィ(LC)を利用したGPC(gel permeation chromatography)分析の結果、平均分子量が2,500KDaであると示された。このように分離された2つの分画を乾燥させた後、同じ乾燥物重量に補正して実験に使用した。
【0031】
<実施例2>
葉酸含有大豆発酵高分子物質を含有する組成物の製造
前記実施例1の葉酸含有大豆発酵高分子物質を0.0〜10.0重量%含有し、食品及び薬剤学的に許容可能である付加物を添加し、多様な組成物を製造した。
(1)製造例1:葉酸含有大豆発酵高分子物質の食品組成物の製造例
下記表1のような組成成分で構成され、飲料式健康補助食品のために適した食品組成物を製造した。下記組成で精製水の量は、天然防腐剤の量によって適切に調節した。
【0032】
【表1】
【0033】
(2)製造例2:葉酸含有大豆発酵高分子物質の化粧品組成物の製造例
下記表2のような組成成分で構成になる化粧料組成物と、対照群としての葉酸含有大豆発酵高分子物質を添加せずに、蒸溜水を添加した組成物とを剤形化した。表2のAは水溶性であり、Bは脂溶性である。滅菌精製水の量は、防腐剤、香料、色素の添加量によって適切に調節した。
【0034】
【表2】
【0035】
(3)製造例3:葉酸含有大豆発酵高分子物質の飼料添加組成物の製造例
下記表3のような組成成分で構成され、飼料添加物のために適した飼料添加用組成物を製造した。
【0036】
【表3】
【0037】
<実施例3>抗アレルギー試験
実施例3−1.肥満細胞の顕微鏡観察による抗ヒスタミン効果の観察
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の抗ヒスタミン効果を観察するために、肥満細胞(mast cell;ATCC TIB−64、P815)に試験物質を適用し、顕微鏡で観察比較した(George Chiang et al.,The Journal of Urology,Dec.,164,2000,pp.2119〜2125)。図1Aは、正常細胞の形態、図1Bは、刺激剤(stimulator)であるC48/80(Sigma)10μg/mlを処理して30分後の細胞の形態、図1Cは、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質及び刺激剤で処理した後30分後の細胞の形態である。図1Aないし図1Cで、正常な状態である肥満細胞の形態は、滑らかで丸い形態を示し、免疫反応時に示されるデコボコな様子をほぼ示さない。しかし、刺激剤であるC48/80を処理して15分が経過すれば、肥満細胞は、デコボコに角張った形態を示し、30分が経過すれば、本来の形態が分からなくなり、細胞が炸裂しつつヒスタミンが放出される。肥満細胞の表面がデコボコになるのは、C48/80から刺激を受けた肥満細胞の細胞膜でさまざまな信号伝達物質が分泌され、細胞膜の安定性が落ちつつ、細胞膜表面が不安定になるために発生する現象である。従って、細胞の表面がC48/80処理後、どれほど本来の形態を維持するかを確認することは、物質の抗ヒスタミン効果を推し測る目安になりうる。対照群と反対に、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質処理群の肥満細胞の様子は、15分後まではほとんど変化を確認できず、30分後にも一部細胞のみヒスタミンを放出しつつ細胞膜が炸裂したことを除外すれば、正常な状態の肥満細胞の形態と非常に類似していることを確認することができた。
【0038】
実施例3−2.肥満細胞のヒスタミン定量による抗ヒスタミン効果の観察
また、肥満細胞を刺激剤で処理した後で分泌されるヒスタミンの量を、本発明の高分子物質がどれほど減少させるかを確認するために、ELISA法を介したヒスタミン定量法で、分泌されたヒスタミンを定量した。対照群としては、喘息治療剤として周知の1%クロモリンナトリウム(sodium cromolyn)を使用し、C48/80を刺激物質(stimulator)として使用し、肥満細胞(ATCC TIB−64、P815)の活性化(activation)を誘導した。
【0039】
図2で、喘息治療剤であるクロモリン(cromolyn)は、約0.5%処理したとき、ヒスタミン分泌阻害率が50%になり、ED50値が0.5%であり、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質のED50値は、約0.063%であり、その差が約8倍に達した。このように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、抗ヒスタミン(抗アレルギー)効果にすぐれる。
【0040】
実施例3−3.抗アレルギー(抗全身性過敏症状(anti-anaphylaxis))試験
実施例3−1を介して確認された本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の動物での抗ヒスタミン効果を確認するために、マウスに、製造例1の組成1〜6を7日間摂取させた後、C48/80を腹腔に注射し、前身性過敏症状を誘発した。その結果は図3に示した。
【0041】
刺激剤として使用したC48/80は、生体内の免疫器官を刺激することができる物質であり、腹腔内に注入されたとき、30分以内に急性前身性過敏症状(acute anaphylaxis)を誘導できる。本試験は、刺激剤を腹腔に注入した後、実験に使われた動物が一定時間(24時間)内に、どれほど死滅するかを観察して結果を判定した。実験に使われた動物は、マウス(BALB/C、オス)を群当たり10匹ずつ使用し、3回の実験の平均値を算出して死滅率(%)で示した。
【0042】
図3で、無添加群の組成1の死滅率は、93.3%であり、C48/80注入後、24時間以内に10匹のうち9匹が死滅した。比較群として使われた組成2のクロモリンナトリウム塩添加群の死滅率は、20%となっている。組成3〜6までの試験群は、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を、0.05〜0.3%まで、多様な濃度で添加したものであり、0.05%が含まれた組成3は、死滅率が33.3%、組成4は20%、組成5は6.7%、組成6は16.7%と示された。このような結果を考慮するとき、喘息治療剤として知られているクロモリンナトリウム塩1%は、前身性過敏症状を80%まで抑制すると分かり、葉酸含有大豆発酵物は、0.2%の濃度で、最大約94%まで抑制するといえる。しかし、刺激剤であるC48/80投与後24時間以内生存したマウスの状態を観察した結果、肛門が非正常的に腫れ上がった状態の動物が観察されたが、クロモリンナトリウム塩の組成2は、生存したマウスの約80%、葉酸含有大豆発酵高分子物質が段階的濃度で添加された組成物3〜6は、それぞれ約10%、0%、0%、0%の比率で現れた。従って、クロモリンナトリウム塩は、前身性過敏症状を抑制して死滅を防いだが、前身性過敏症状の後遺症を抑制できない一方、葉酸含有大豆発酵高分子物質は、死滅だけではなく、後遺症も抑制できる物質であると判断された。
【0043】
<実施例4>カルシウム吸収促進の効果
カルシウム吸収促進効果に係わる実験は、マウス(BALB/C、オス)を使用し、各試料は、1日2回経口投与法でマウスに注入した。経口投与期間は3日であり、投与終了後に小腸を摘出し、食塩水で3回以上洗浄した後、各群から摘出された小腸をそれぞれ集め、テフロン(登録商標)均質化器(homogenizer)を使用して組織を磨砕(grind)した。これを遠心分離して上澄み液を取り、カルシウム定量キット(和光純薬工業(株))を使用し、腸内で吸収されたカルシウムを量を測定した。
【0044】
図4から分かるように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の添加群は、対照群(無添加群)に比べ、分子量によって約84〜96%のカルシウム吸収率の増加を示し、カルシウム塩添加群は約4.7%、カルシウム吸収促進剤であるカゼインホスホペプチド(CPP:casein phosphopeptide)添加群は21%、γ−ポリグルタメート添加群は、56.8%のカルシウム吸収率の増加を示した。本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、分子量が500〜1,000KDaである場合が、それより大きい分子量を有する場合より、カルシウム吸収促進機能がさらに高いということが分かる。これは、分子量が高すぎる場合、二価イオンであるカルシウムイオンは、負電荷を帯びる高分子物質と反応し、溶解し難い過度の沈殿物状になるために示されるものであると見られ、このようなカルシウム−高分子複合物の場合、一定分子量以上で水溶化されやすい状態に原料を製造することが望ましいということが分かる。
【0045】
<実施例5>成長促進の効果
実施例3で観察されたように、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、腸内でカルシウム吸収を促進したので、腸内で吸収されたカルシウムが、動物骨の成長及び血中成長因子(IGF−1)に影響を与えうるか否かを確認するために、哺乳類動物に、本発明の高分子物質を2週間摂取させた後、大腿骨(thighbone)の長さ及び重さを測定し、血液を採取して成長因子であるIGF−1を測定し、その結果を対照群(食塩水添加群)と比較した。実験に利用した動物は、ラット(SD rat、オス)であり、成長期である4週齢を実験に利用し、比較群は、成長促進剤としてP&B社で販売しているKikerup gold製品(ウコギ(Acantopanax)、紅花種、熟地黄(Radix Rehmanniae Preparata)、ブクリョウ(Poria cocos)、山薬 Dioscoreae rhizoma)、山茱萸(サンシュ;Corni fructus)、鹿角(antler)などの漢方薬抽出物を主要成分とする)を同じ条件で比較実験した。
【0046】
結果は、表4と図5とに示した。大腿骨長の測定結果、標準誤差5%以下で、食塩水摂取群である対照群は、29.22mm、P&B社の成長促進剤品摂取群である比較群は、29.63mm、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質摂取群である実験群は、30.04mmを示した。対照群に比べて比較群は、約1.4%の成長促進効果を示したが、実験群は、約3.1%の成長促進効果を示した(表4)。血中成長促進因子として知られているIGF−1をELISA法で定量した結果、対照群は1,409.5μg/ml、比較群は1,566μg/ml、実験群は1,6371μg/mlの結果を示し、これは、比較群と実験群は、対照群に比べ、それぞれ11.1%、16.2%上昇した結果である(図5)。大腿骨の重さにおいて、比較群及び実験群は、対照群より約1.3%、約2.3%高く示された。このような結果を考慮するとき、本発明の高分子物質は、動物の成長促進効果があるということが分かる。また、P&B社の製品と本発明の高分子物質との製造コストを比較するとき、P&B社の製品は、各種ビタミンと栄養源とが含まれた製品であるということを考慮すれば、本発明の高分子物質の製造コストは、P&B社製品の約1/20レベルほどにしかならないので、効能だけではなく、経済的観点でも、優秀な原料であると判断される。
【0047】
【表4】
【0048】
<実施例6>シワ改善及び傷治癒効果
実施例6−1.細胞活性及びコラーゲン生合成促進効能の実験
本願発明の発明者らは、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質が細胞活性化効果が大きいということを明らかにした。細胞活性化効果というのは、細胞の増殖を急激に活性化させるものであり、代謝産物の生産を活性化すること、または細胞内ミトコンドリアの機能を活性化して解毒作用を行うことなど、非常に広範囲であって多様な意味を含蓄的に示した表現である。細胞活性化効果は、皮膚での傷の治療またはシワ改善の効果を示すことができる。
【0049】
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、下記のような実験を介して細胞の増殖を促進し、コラーゲン生合成を促進することと明らかになった。実験に使用した細胞株は、線維芽細胞の初代培養体(human dermal fibroblast neonatal、HDF−N、primary culture;Gibco, Cooper, M.L. et al, Biomaterials 12:243, 1991)であり、培地は、線維芽細胞生育培地(FGM、KDR社)を使用した。本発明で生産された葉酸混入大豆発酵高分子物質は、約10%の葉酸が混入されたポリグルタメートが主要成分であるので、一般的な形態の葉酸と比較実験を行った。前記線維芽細胞の初代培養体(1x105細胞/ウェル)と葉酸または本願発明の葉酸が混入された大豆発酵物を24時間培養後に写真を撮影し(図6)、NR assay(neutral red assay;Sigma; Shao-Zeng Z. et al., Cell Biology and Toxicology, 6:2, 1990)を介して生存細胞(viable cell)を定量した(図7)。
【0050】
本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質を添加した場合、細胞増殖度が高く、葉酸を基準に、同一濃度の葉酸を添加した場合より、細胞増殖度がさらに高いことを確認した。また、葉酸の濃度を段階的に高めて添加したときには、細胞増殖度がほとんど示されなかったが、本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)の場合は、濃度別に違いが明確であることが分かった。このような結果は、葉酸とfolyl EFSとの水溶性の差に起因するものであると判断され、これは、folyl EFSの特徴のうち一つである葉酸の水溶性向上を介した細胞の利用性が増大したことを示すものである。このような細胞増殖の促進は、化粧品ではシワ改善の効能を示し、医薬品では、傷治癒促進などの効能を示すことができることを意味する
【0051】
本発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質と線維芽細胞の初代培養細胞とを3日間培養した後で上澄み液をとり、human collagen type−1 ELISAキット(Cosmo Bio社)でコラーゲンを定量した。実験に使われた試料は、製造例2の化粧料組成物2の濃度と同一に1%溶液で製造され、1,3−ブチレングリコールを4%濃度で添加して保存した。また、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質の効能と比較するために、同一濃度の葉酸溶液を製造して比較実験に使用し、またコラーゲン生合成促進因子として知られている10ng/ml濃度のTGF−β(transforming growth factor-beta;Sigma)溶液を使用して比較した。
【0052】
葉酸含有大豆発酵高分子物質のコラーゲン生合成促進の効能は、図8に示した。化粧品原料として製造された本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、1%液状製品であり、図8のx軸の濃度(%)は、前記高分子物質溶液の体積/全体培養液体積(v/v、%)の比率で示したものである。結果は、無添加群のコラーゲン含有量平均値を100%と設定した後、無添加群のコラーゲン含有量平均値に対比した各群の値の比率で示した。結果として、TGF−βは、0.63%(v/v、%)で最大促進率である22%を示し、本発明の高分子物質は、0.63%(v/v、%)で最大促進率である109%を示した。これは、比較群であるTGF−βより4倍以上さらに上昇した結果であり、本発明の高分子物質が、人間の皮膚でコラーゲンを過量生産することを介して、シワ改善効果を示すことができるという可能性を示している。一方、葉酸は、誤差範囲内でコラーゲン生合成促進効能を示すと評価できなかった。よって、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質は、化粧品原料、特にコラーゲン生合成を介したシワ改善原料で非常に有用に使われうる。
【0053】
実施例6−2.化粧料組成物のシワ改善の実験
本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質のシワ改善効果を調べるために、30代女性29人に、目の囲りのシワ部位に、実施例2、製造例2で調製された化粧料組成物1(対照群)と組成物2(実験群)とをそれぞれ1ヵ月間1日2回ずつ塗布してもらった。1ヵ月後、シワ改善程度を被験者への設問及びシワの映像分析で評価し、被験者への設問は、実験前と比較して、改善なし、若干改善、重症度改善、相当な改善の4段階で評価した。
【0054】
シワの映像分析による評価は、試験が始まる前に、Visioscan SV600(CK社)を利用し、目の下のレプリカを採取し、試験が終了した直後、同一部位でのレプリカを採取し、映像分析を介してシワの密度を測定し、シワの減少率で示した。
【0055】
結果は表5で示し、葉酸含有大豆発酵高分子物質が含まれた組成物2は、組成物1と比較したとき、シワを緩和または改善させることができるということを確認した。また、本発明の組成物を塗布した場合、シワの密度が、使用前よりも約45%ほど減少することを確認した。
【0056】
かような試験結果は、本発明の組成物が皮膚外用剤として使われたとき、皮膚に生成されたシワを効果的に改善させることができることを示すものであり、本発明の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質が、化粧品原料で有用に使われうることを示す。
【0057】
【表5】
【0058】
<実施例7>紫外線による細胞損傷抑制の効果
本発明者らは、本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質が、紫外線による細胞の損傷を抑制する効果があるということを、次のような実験を介して確認した。
ヒト角質形成細胞の初代培養体(human keratinocyte、primary culture)(1x105細胞/ウェル)を葉酸の含有量が約10重量%濃度である本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質(folyl EFS)と角質形成細胞の生育培地(KGM、KDR社)培地とで約72時間培養し、生育された細胞に306nmの紫外線を一定時間照射した。Folyl EFSに混入された葉酸の濃度は、発酵時に調節し、最終産物の葉酸濃度を調節することも可能である。紫外線照射後、約24時間培養し、NR assay(neutral red assay)を介して、生存細胞(viable cell)を定量した。紫外線照射時間は、予備実験を介して、細胞が約50%死滅する条件に定めた。結果は、下記のように処理した。
生存率(%)=(紫外線照射後の各グループの増殖度)/(同一濃度の紫外線非照射グループの増殖度)
【0059】
本願発明の葉酸混入大豆発酵高分子物質が濃度別に添加された培地で生育された細胞は、濃度に依存的に、紫外線に対する損傷を抑制した。実施例6での細胞増殖促進実験の場合とは異なり、葉酸濃度0.62%処理群の結果が最も高く示されたが、これは、約0.62%folyl EFSが添加された培地で生育された細胞の増殖率は、0.31%添加された培地で生育された細胞より低いが、紫外線損傷抑制率は高いことから起因した結果である。このような結果は、folyl EFSが化粧品に添加されたとき、紫外線に対して効果的に防御できることを示すものであり、サンブロック(sun block)製品だけではなく、ローション及びクリームなどの一般剤形にも、約0.1−6%添加されたとき、紫外線に対する防御力を高めることができるということを意味する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項2】
前記微生物が、バシラス属またはコリネバクテリウム属微生物であることを特徴とする請求項1に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項3】
前記微生物が、枯草菌であることを特徴とする請求項1に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項4】
抗ヒスタミン効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項5】
抗アレルギー効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項6】
カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項7】
骨の成長促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項8】
コラーゲン生合成促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項9】
シワ改善効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項10】
細胞増殖促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項11】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項12】
抗アレルギーまたはアトピー性皮膚炎改善のためのものであることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項13】
皮膚細胞の代謝活性化、シワ防止またはシワ改善用であることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項14】
紫外線による細胞損傷抑制用であることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項15】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む健康補助用の食品組成物。
【請求項16】
飲料用組成物であることを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項17】
前記健康補助用の食品組成物が、成長促進効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項18】
前記健康補助用の食品組成物が、骨多孔症予防効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項19】
前記健康補助用の食品組成物が、カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項20】
前記健康補助用の食品組成物が、アレルギー予防または体質改善効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項21】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む飼料組成物。
【請求項22】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む成長促進用の医薬組成物。
【請求項23】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む骨多孔症治療または予防用医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含むカルシウム吸収促進剤用の医薬組成物。
【請求項25】
葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を、微生物を利用して発酵させ、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を製造する方法。
【請求項1】
微生物を利用して、葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を発酵させて生成される、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項2】
前記微生物が、バシラス属またはコリネバクテリウム属微生物であることを特徴とする請求項1に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項3】
前記微生物が、枯草菌であることを特徴とする請求項1に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項4】
抗ヒスタミン効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項5】
抗アレルギー効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項6】
カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項7】
骨の成長促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項8】
コラーゲン生合成促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項9】
シワ改善効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項10】
細胞増殖促進効果を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質。
【請求項11】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項12】
抗アレルギーまたはアトピー性皮膚炎改善のためのものであることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項13】
皮膚細胞の代謝活性化、シワ防止またはシワ改善用であることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項14】
紫外線による細胞損傷抑制用であることを特徴とする請求項11に記載の皮膚外用剤または化粧料組成物。
【請求項15】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む健康補助用の食品組成物。
【請求項16】
飲料用組成物であることを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項17】
前記健康補助用の食品組成物が、成長促進効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項18】
前記健康補助用の食品組成物が、骨多孔症予防効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項19】
前記健康補助用の食品組成物が、カルシウム吸収促進効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項20】
前記健康補助用の食品組成物が、アレルギー予防または体質改善効果を有することを特徴とする請求項15に記載の健康補助用の食品組成物。
【請求項21】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む飼料組成物。
【請求項22】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む成長促進用の医薬組成物。
【請求項23】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含む骨多孔症治療または予防用医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜請求項3のうち、いずれか1項に記載の葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を有効成分として含むカルシウム吸収促進剤用の医薬組成物。
【請求項25】
葉酸及び大豆抽出物を含む培養物を、微生物を利用して発酵させ、葉酸ポリグルタメートを主成分とする葉酸が混入された大豆発酵高分子物質を製造する方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図6】
【公表番号】特表2010−540623(P2010−540623A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527888(P2010−527888)
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005816
【国際公開番号】WO2009/045064
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(510094540)ダミ ケミカル カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(510094551)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際出願番号】PCT/KR2008/005816
【国際公開番号】WO2009/045064
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(510094540)ダミ ケミカル カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(510094551)
【Fターム(参考)】
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