説明

薄膜撮像方法および装置

光ルミネセンス撮像を使用して半導体薄膜の堆積処理及び/又は事後堆積処理を監視するための方法および装置が提供される。光ルミネセンス画像は、半導体膜の1つ以上の特性および該膜にわたる特性の変化を決定するために解析される。これらの特性は堆積プロセスに関する情報を推定するために使用され、その後、前記情報を使用して、堆積プロセス条件およびその後の処理ステップの条件を調整することができる。方法および装置は、薄膜に基づく太陽電池に対して特定の用途を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜の撮像特性に関し、特に、半導体薄膜の光ルミネセンス撮像のための、とりわけ薄膜に基づく光起電力セルのための方法および装置を開示する。しかしながら、本発明がこの特定の使用分野に限定されないことは言うまでもない。
【背景技術】
【0002】
明細書全体にわたる従来技術の説明は、そのような従来技術が広く知られ或いは当該分野の共通の一般的な知識の一部を成すことを認めるものではないことを留意されたい。
【0003】
薄膜堆積は、基板上に或いは既に堆積された層上に材料の薄膜を堆積させるための技術を含む。「薄」は相対的な用語であるが、殆どの堆積技術によって層厚を数十ナノメートルの範囲内で制御することができ、また、分子線エピタキシによって原子の単一層毎に堆積させることができる。
【0004】
薄膜は、光学素子(例えば、反射コーティングまたは反射防止コーティングに関して)、電子機器(例えば、集積回路のための絶縁層、半導体、および、導体)、光学電子機器(例えば、III−V LEDおよびレーザダイオード)、パッケージング(例えば、アルミニウムコーティングされたPET膜)の製造において、および、現代美術において有用である。多くのこれらの用途においては、堆積された膜の厚さ及び品質などの特性が極めて重要である。電気メッキによる銅の精製、および、気相処理後のCVDのようなプロセスによるシリコンおよび濃縮ウランの堆積などの他の用途では、膜厚は重要ではない。
【0005】
堆積技術は、プロセスが主に化学的か或いは物理的かに応じて2つの広いカテゴリーに分類される。化学蒸着は、流体前駆物質が固体表面で化学変化を起こすことにより固体層が残される堆積技術である。流体は固体を取り囲むため、堆積は全ての表面上で方向に関係なく起こる。よって、化学蒸着技術による薄膜は、方向性よりはむしろ等方性を有し易い。化学蒸着は、前駆物質の相によって更に分類される。すなわち、メッキおよび化学溶液堆積(CSD)は液体前駆物質の使用に依存するのに対し、化学蒸着(CVD)では一般に気相前駆物質を使用する。プラズマCVD(PECVD)は、イオン化した蒸気またはプラズマを前駆物質として使用する。一方、物理蒸着は、固体材料の薄膜を生成するために機械的な或いは熱力学的な手段を使用する。堆積技術は、それらが実行される温度によって特徴付けることもできる。例えば、室温で或いは室温未満で行なわれる技術が「冷間」として表わされる場合があり、一方、高温で行なわれる技術が「熱間」として表わされる場合がある。
【0006】
前述した堆積プロセスの多くは、極めて高価であり、また、極めて緩慢である。例えば、PECVDによって形成される多層III−V薄膜積層体は、高価な高真空蒸着チャンバ内で成長するために5時間を要する場合がある。成長チャンバ内における高電圧および高温に起因して、成長膜の品質を評価する選択肢は限られており、サンプルが仕上がるまで品質を評価することは困難である(そのときまでにコストがかかってしまう)。
【0007】
青/緑LEDにおけるGaN膜、InGaN膜、および、AlGaN膜などの半導体薄膜を特徴付けるための1つの技術は光ルミネセンス(PL)マッピングである。PLマッピングは、一般に、組成および格子欠陥を監視するために使用され、また、利用可能な工具(Nanometricsから入手できるVerteX(商標)器具など)は、一般に、集束励起レーザビームをサンプルにわたってポイントごとに走査して、結果として得られるPLの強度およびスペクトル成分(特にピーク発光波長)を測定する。公開PCT特許出願WO2004/010121 A1および公開米国特許出願2007/0000434 A1号に開示されるように、PLマッピングは、集積回路用途においてシリコン上で形成される間接半導体SiGeの薄膜を特徴付けるためにも使用されてきた。
【0008】
ポイントごとになされる性質により、PLマッピングは、薄膜特性におけるその疑いようもない価値にもかかわらず、比較的遅い技術となってしまう。すなわち、サンプル面積およびポイント間隔に応じて30秒〜数分程度の測定時間を伴う。これは、成長するのに数時間を要する多層薄膜積層体を特徴付けるためには許容できる場合があるが、例えば光起電力セル(太陽電池)産業における単層薄膜のルーチンまたはインライン特徴付けにおいては制限となる可能性が高い。また、PLマッピングで使用される集束励起レーザ光の強度は、光起電力セルが動作時に受ける1Sun Illumination強度(100mW/cm程度)よりも大きい程度の大きさであり、したがって、薄膜に基づく光起電力セルの予期される性能とは程遠い画像を与える。
【0009】
また、PLマッピングの相対的な遅さにより、問題を捕捉或いは是正するための情報を堆積プロセスへ十分迅速に送り戻すことができない場合があるため、薄膜成長の現場監視に対する適合性も制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来技術の不都合のうちの少なくとも1つを克服する或いは改善すること、あるいは、有用な代替案を提供することである。好ましい形態における本発明の目的は、薄膜堆積技術の効果的な監視のための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、薄膜堆積プロセスを監視する方法であって、(a)所定の照明を用いて、堆積プロセスによって形成された或いは成長する半導体薄膜の領域を照明して、薄膜から光ルミネセンスを引き起こすステップと、(b)光ルミネセンスの画像を取得するステップと、(c)画像を処理して、薄膜の1つ以上の特性を決定するステップと、(d)1つ以上の特性を使用して、堆積プロセスに関する情報を推定するステップとを含む方法が提供される。
【0012】
方法は、薄膜を堆積プロセスによって形成することができる間に行なうことができる。堆積プロセスがチャンバ内で起こると、所定の照明を透過するチャンバの窓を通じて薄膜を照明することができ、また、光ルミネセンスを透過するチャンバの窓を通じて画像を取得できる。薄膜の大きな領域の光ルミネセンス画像を生成するためにステップ(a)および(b)が繰り返されるのが好ましい。
【0013】
方法は、以下の特性、すなわち、吸収層品質、少数キャリア寿命、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度、電気的欠陥の濃度、および、構造的欠陥の濃度のうちの少なくとも1つの空間的変化を決定するために利用できることが好ましい。方法は、薄膜に基づく光起電力セルまたはモジュールの生成を監視するために利用できることが好ましい。また、方法は、少数キャリア寿命変化、照明時の局所電圧変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、または、セルまたはモジュールの直列抵抗問題のうちの少なくとも1つを監視するために利用できることが好ましい。
【0014】
また、方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して薄膜堆積プロセスを調整するステップ(e)を更に含むことができる。ステップ(e)は、薄膜サンプルの除去、処理条件の調整、または、堆積プロセスにおけるハードウェア不良の検出のうちの少なくとも1つを含むことができるのが好ましい。方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、薄膜の事後堆積処理を調整し或いは制御するステップ(f)を更に含むことができる。
【0015】
事後堆積処理は、アニーリング、水素化、拡散、欠陥領域のレーザ分離、メタライゼーション、モジュール相互接続、または、薄膜の再処理を含むことができるのが好ましい。光ルミネセンスが半導体薄膜の帯域間発光を含むことができるのが好ましい。光ルミネセンスは、半導体薄膜の欠陥および不純物によって発せられる発光を含むことができるのが好ましい。
【0016】
本発明の更なる態様によれば、部分的に或いは完全に完成した半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールを監視する方法であって、(a)所定の照明を用いて、半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの領域を照明して、セルまたはモジュールから光ルミネセンスを引き起こすステップと、(b)光ルミネセンスの画像を取得するステップと、(c)画像を処理して、セルまたはモジュールの1つ以上の特性を決定するステップと、(d)1つ以上の特性を使用して、セルまたはモジュールに関する情報を推定するステップとを含む方法が提供される。
【0017】
得られた情報は、以下の特性、すなわち、吸収層品質、少数キャリア寿命、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度、電気的欠陥の濃度、および、構造的欠陥の濃度のうちの少なくとも1つの空間的変化を含むことができるのが好ましい。また、情報は、照明時の局所電圧変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、または、セルまたはモジュールの直列抵抗問題を含むことができるのが好ましい。
【0018】
また、方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールに薄膜を堆積させるために使用されるプロセスを調整するステップ(e)も含むことが好ましい。ステップ(e)は、薄膜サンプルの除去、処理条件の調整、または、堆積プロセスにおけるハードウェア不良の検出のうちの少なくとも1つを含むことができるのが好ましい。また、方法は、好ましくは、ステップ(d)において決定された情報を利用して、半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの更なる処理を調整し或いは制御するステップ(f)を含むこともできる。更なる処理は、アニーリング、水素化、拡散、欠陥領域のレーザ分離、メタライゼーション、モジュール相互接続、または、薄膜の再処理を含むことができるのが好ましい。方法は、完成した半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの性能を予測するステップ(g)も含むことができるのが好ましい。
【0019】
本発明の実施形態は、図面と関連する単なる一例として書かれた以下の説明から、更に良く理解されるとともに、当業者に容易に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】薄膜の光ルミネセンス監視のための1つの構成を概略的に示している。
【図2】好ましい実施形態のための処理ステップの1つの形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
特定の好ましい実施形態では、薄膜堆積技術の効果的な監視のため、および、それに伴うデータを使用して薄膜堆積プロセスをリアルタイムで或いは処理されるべき次のサンプルの準備において制御するための方法および装置が提供される。また、方法および装置は、品質制御およびプロセス向上のため、最初の薄膜堆積ステップおよびその後の処理ステップのうちの1つ以上の最中またはその後における薄膜材料および電子特性の効果的な測定も提供する。
【0022】
光起電力セルに特に関連する他の好ましい実施形態は、アニーリング、水素化、メタライゼーション、(例えば欠陥領域の)レーザ分離、および、(例えばレーザを使用する)モジュール相互接続などのその後の事後堆積処理ステップの効果的な監視または制御を可能にし、あるいは、光起電力セルまたはモジュールの性能を予測できる。
【0023】
好ましい実施形態では、薄膜堆積プロセスの状態を監視する方法が提供され、該方法は、バルクのPL特性または薄膜の表面特性を測定してその電気的特性または材料特性を決定するステップを含む。また、好ましい実施形態は、事後堆積処理ステップの状態を監視する方法も提供し、該方法は、バルクのPL特性または薄膜の表面特性を測定するステップを含む。
【0024】
特定の実施形態において、PLは、薄膜サンプルの実質的部分の照明を伴う簡単な面積平均測定で測定される。好ましい実施形態において、PLは、例えばCCDカメラを用いた薄膜サンプルの実質的部分のマルチピクセル空間分解画像で測定される。この場合、各カメラピクセルは、サンプルの小さい領域からPL応答を測定し、それにより、サンプルの材料特性または電気的特性の変化と関連付けることができるサンプルにわたるPL変化を迅速に評価することができる。PL信号は、半導体材料自体の帯域間発光から生じる可能性があり、あるいは、堆積された半導体材料中の不純物または欠陥から生じる可能性がある。
【0025】
1つの好ましい実施形態において、薄膜堆積プロセスは、堆積チャンバの外部に配置される検出器および励起光源を用いたPL測定によってその場で監視される。この場合、チャンバの窓を通じて薄膜を監視する。方法は、半導体材料が十分な品質を有するようにするために、薄膜サンプルの空間分解PL画像を解析して、組成および欠陥密度などの重要な半導体材料特性の空間的変化を推定することを含むことが好ましい。PL強度が既知の半導体に関する膜厚に関連付けられてもよいため、方法を使用して、所定の領域でのPL強度との直接的な相関により、または、他の光学測定との組み合わせ法により、膜厚およびその空間的変化を測定することもできる。方法は、シリコン、GaN、CIGS、CdTe、CIS、および、GaAsを含む直接および間接バンドギャップ材料に関して使用できる。化合物半導体の場合、PL撮像を使用して、堆積された膜の化学量論をチェックし及び/又は制御することができる。
【0026】
好ましい実施形態において、方法は、吸収層品質(特に、少数キャリア寿命)およびその水平変化、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度およびその水平変化、並びに、構造的および電気的な欠陥の濃度およびその水平変化のうちの少なくとも1つの空間的変化を監視するために利用される。
【0027】
少数キャリア寿命は、光起電材料の重要な特性であり、他の使用分野では薄膜半導体デバイスの性能に必ずしも関与するとは限らない場合があるが、他の半導体材料特性のためのプロキシとして使用できる。方法は、n型またはp型バックグラウンドドーピングを伴う半導体薄膜に適用できる。
【0028】
好ましい実施形態において、方法は、薄膜光起電力セルを監視するため、特に材料品質(特に、少数キャリア寿命)および欠陥の変化および少数キャリア寿命を減少させる他の局部的特徴を含む幾つかの材料特性または電気的特性、照明時の局所電圧の変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、および、モジュールのセル間の欠陥のある相互接続などの直列抵抗問題を監視するために利用される。
【0029】
方法は、薄膜堆積プロセスをリアルタイムで(すなわち、堆積プロセスの現場監視により)或いはサンプル事後堆積から得られる情報を使用して制御する或いは調整するために利用でき、または、その後の事後堆積プロセスステップを制御する或いは調整するために利用できる。プロセス制御または調整は、薄膜サンプルの除去、処理条件の調整(例えば、膜堆積・事後堆積アニーリング、水素化、または、拡散)、サンプル固有の事後処理(例えば、欠陥を補正する)、同じサンプルの再処理、メタライゼーション、個々のセルまたは欠陥領域のレーザ分離、モジュール相互接続、または、ハードウェア製造時の不良の検出のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0030】
1つの好ましい実施形態では、PLイメージングによって薄膜成長を監視するための方法が提供される。該方法は、非接触であるために殆どの薄膜成長プロセスに含めるのに適する完全光学測定に依存する装置で具現化できる。薄膜を特徴付けるために現在使用されるPLマッピング技術とは異なり、PL撮像は、迅速であり、そのため、成長が起こっている間に重要な特性を連続的に測定することができ、それにより、プロセス制御またはサンプル拒絶をリアルタイムで行なうことができる。
【0031】
また、能動部品(光源およびカメラ)を活性成長チャンバの完全に外側に配置することができ、また、光学的に透明な窓を通じて薄膜を監視することができる。
【0032】
特定の好ましい実施形態は、製造システムのためのプロセスフィードバックを与えるために薄膜のPL撮像を利用する。この内容は相互参照することにより本願に組み入れられる‘Method and System for Inspecting Indirect Bandgap Semiconductor Structure’と題された公開PCT特許出願WO2007/041758 A1に記載されるPLC撮像システムと同様のPL撮像システムを利用して、好ましい実施形態を実行することができる。
【0033】
1つの好ましい実施形態では、薄膜成長プロセスの動作状態を監視するために薄膜基板のPL撮像を成長中に行うことができるようにCVD型堆積デバイスが改善される。適切な装置1の一例が図1に概略的に示されている。この装置では、ガス注入ポート3、4を通じて注入される成分から得られる半導体材料の堆積のためにCVDチャンバ2が設けられる。チャンバを真空引きするために或いはガス放出のために真空ポート5も設けられる。半導体材料7の薄膜の堆積が基板6に対して行なわれる。
【0034】
堆積プロセスは、発光源9(例えば、要件に応じて、ランプ、レーザ、または、LED型のデバイス)とCCDカメラなどの空間光検出器10とを備えるPL撮像システムによって透明ガラス窓8を通じて監視される。光検出器は、光源の照明状態下で薄膜6を空間的に撮像して、対応する空間画像をコンピュータ化されたPL処理・制御システムへ出力する。また、PL撮像システムは、前述した公開PCT特許出願WO2007/041758 A1に記載される視準光学素子、均質化器、および、光学フィルタ(例えば、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタ、および、ロングパスフィルタ)などの幾つかの他の要素を含んでもよい。図1に示される実施形態では、照明波長およびPL波長で明らかに透明である必要がある同じ窓8を通じて、薄膜サンプルが照明されるとともに、PL放射が取得される。別の実施形態では、別個の窓を通じて、サンプルを照明してPLを撮像できる。それぞれの窓は、適切な波長帯域でのみ透明でありさえすれば済む。この構成は、PL光学素子において必要とされる光ファイバの数を減らすことができる。
【0035】
「熱間」堆積プロセスにおいては、サンプルが効果的に「発光している」場合、すなわち、熱放射により任意のPL信号を判別し難くし或いは無力にしている状態があることが認識される。この「ノイズ」は、ロックイン検出技術(すなわち、光源を変調して、変調周波数でPL放射を検出する)を使用することによりある程度まで改善することができる。現場PL監視において熱放射が問題となる度合いは、サンプルにより生成されるPLの波長によって決まる。例えば、シリコンからの近IR PL放射(約900〜1250nm)は、GaNなどのIII−V半導体からの青−緑放射によってよりも所定の温度での熱放射によって影響される可能性の方が高い。ルミネセンス効率の大きさの程度が間接バンドギャップ半導体よりも大きい直接バンドギャップ半導体も、「熱間」堆積プロセスのその場監視に対して更に従順であると予期される。「冷間」堆積プロセスにおいては、克服されるべき熱ノイズの問題はない。
【0036】
ここで、図2を参照すると、CVD処理システムの例の処理ステップが概略的に示されている。発光源9および空間光検出器10は、光放射を制御してサンプル薄膜により発せられるPLを空間的に撮像するPL処理・制御システム21の制御下で作用する。結果の画像処理から、薄膜の条件の決定が行なわれて、その決定がCVDプロセス制御ユニット22へ出力され、CVDプロセス制御ユニット22は、例えばガス流量およびチャンバ温度などのプロセスパラメータを操作してCVDプロセスを改善することによりCVDプロセスを制御する。図2に示される処理ステップは、膜成長がその場で監視される実施形態および膜が堆積後に監視される実施形態に対して適用される。
【0037】
PL撮像技術は、吸収層品質(特に、少数キャリア寿命)およびその水平変化、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度およびその水平変化、並びに、構造的および電気的な欠陥の濃度およびその水平変化を含む、成長している或いは完成した膜の幾つかの特性を測定するためにPL処理・制御システム21によって使用することができる。これらは、光起電力セル用途において形成される薄膜にとって、また、他の半導体、ディスプレイ、および、LED用途において形成される薄膜にとっても重要な特性である。
【0038】
殆どの工業用半導体および光起電力セルは、今まで、一般に150μm〜400μmの厚さを伴ってシリコンウエハ上に製造される。特に光起電力セルにおける最新の傾向は更に薄いウエハへと向かっている。「第二世代光電池」とも称される薄膜光起電力セルは、吸収材料の薄層がデバイスの「熱」を形成する特定の一部の光起電力デバイスである。薄膜光電池の1つの一般的な特徴は、薄い吸収層がしばしば外部基板上に堆積され/実装され或いは取り付けられるということであり、一方、ウエハベースのセルにおいては、ウエハ自体が吸収体および構造支持体の両方を形成する。すなわち、薄膜光起電力セルの典型的な吸収体厚さは、〜100nmから数ミクロンまでの範囲である。つまり、従来のウエハベースセルを超える薄膜光起電力セルの重要な利点は、2〜3オーダー少ない吸収材料が必要とされ、それにより、コストがかなり減少されるという点である。他の利点は、薄膜処理技術によって直列および並列の相互接続されたモジュールを直接に大面積外部基板上で処理でき、それにより、個々のセルを最初に処理した後にそれらを別個のステップでモジュールへと相互接続する必要性が排除されるという点である。
【0039】
薄膜光起電力セルにおいて吸収体として堆積される材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)、アモルファスシリコン−ゲルマニウム合金(a−SiGe)、結晶シリコン(c−Si)、結晶シリコン−ゲルマニウム合金(c−SiGe)、結晶ゲルマニウム(c−Ge)、Cu(In,Ga)Se(CIGS)、CdTe、III−Vゲルマニウム系半導体、アルミニウム・ヒ化インジウム(Al(In,Ga)As)、C−60分子などの有機化合物と他の有機半導体との組み合わせ、および、色素分子が挙げられる。
【0040】
殆どの結晶シリコン薄膜堆積技術が多結晶膜を生成する。粒径に応じて、ナノ結晶Si、微結晶Si、および、多結晶Siなどの異なるタイプのc−Siを区別することができる。前記材料系の一部の開発は、大学のR&Dステージで或いは他の研究組織で行なわれ、または、商業化の初期段階で行なわれる。大規模な工業生産は、現在、a−Siモジュール、CdTeモジュール、c−Siおよびa−Siから形成される多層セル(いわゆるmicromorphセル)、CIGSモジュール、および、c−Siオンガラスに限られる。
【0041】
薄膜吸収層において監視される必要がある重要な共通の特徴および特性のうちの幾つかは、吸収層品質(特に、少数キャリア寿命)およびその水平変化、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度およびその水平変化、並びに、構造的欠陥の濃度およびその水平変化を含む。また、製造メーカーは、膜堆積の速度を絶えず高めてようとしており、それにより、これらの技術のコスト競争力は高まるが、前述した重要な共通の特徴および特性に対して品質的影響を直接に及ぼす。
【0042】
薄膜光起電力セルおよび相互接続モジュールにおいて監視される必要がある重要な共通の特徴および特性としては、材料品質(特に少数キャリア寿命)変化、照明時の局所電圧変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、および、モジュールのセル間の欠陥のある相互接続などの直列抵抗問題が挙げられる。
【0043】
発光、すなわち、PLまたはエレクトロルミネセンス(EL)の撮像は、大面積c−Siウエハおよびc−Siウエハベースの太陽電池、更にはc−Siウエハ太陽電池ベースのモジュールの特徴付けおよび監視プロセスのための効率的な計測ツールである。ルミネセンス撮像は、ルミネセンス強度の側方分布を測定し、その後、該分布が解析されて、局所少数キャリア寿命などの局所パラメータまたは電気的なセルパラメータがサンプル領域にわたって特定される。PLおよびEL撮像では、光励起または電気的励起のそれぞれによってルミネセンスが生成され、また、検出のためにカメラが使用される。また、照明(光励起)と印加電圧(電気的励起)との組み合わせによってサンプルを励起させることもできる。
【0044】
走査型の方法論で、例えばPLマッピングまたはマイクロ波光伝導減衰(μ−PCD)マッピングの場合のようにポイントごとに、あるいは、ラインスキャナにおけるセンサの配列を用いて特定のパラメータの水平変化が測定される幾つかの別の方法が存在する。実際にこれらのタイプの機器を用いて得られる空間分解能は、しばしば、走査のために利用できる時間によって制限される。すなわち、特定の測定領域における空間分解能が高ければ高いほど、測定時間が長くなる。他の欠点は、そのような技術では一般に集束レーザビームを用いて小さい領域しか照明されないという点である。その結果、実験条件は、被検査材料の典型的な動作条件、例えば光起電力セルの1Sun 動作条件を表わさない。
【0045】
特に光電池におけるPL撮像(マッピングとは対照的である)の利点は、一般にたった数秒の短い時間で或いは更にはほんの一瞬で高分解能画像を得ることができるとともに、照明状態をNIRスペクトル域(例えば、λcxc=900nm)の照明における1Sun illumination、すなわち、一般に〜100mW/cmという典型的な動作状態に近づけることができるという点である。可視域またはUV域における更に短い波長励起においては、1Sun illumination下の吸収光子束に類似する吸収光子束を生成するように照明を適合させることができる。
【0046】
1つの実施形態において、大面積薄膜層/モジュール全体の高分解能画像は、層/モジュール全体から照明および検出によって得られる。この場合、画像における空間分解能は、検出器分解能(ピクセルの数)およびモジュール面積によって制限される。光起電力モジュールは、サイズを1mよりも大きくすることができるとともに、〜100mW/cmの入射強度を得ることができ、その領域にわたって>10kW出力のcw光源が必要とされる。大面積サンプルに適した別の実施形態では、正方形形状の領域に限定されない1×1cm〜20×20cmのサイズであってもよい部分領域から連続的に取得される画像同士を縫い合わせることによってルミネセンス画像全体を生成することができる。このとき、全出力が非常に小さい光源を使用することができ、また、非常に高い空間分解能を得ることができる。代償は、全データ取得時間が更に長くなるということであり、また、照明/検出システムに対してサンプルを機械的に操作する必要があるということである。要求に応じて、以下の走査方法、すなわち、小面積領域が撮像されて基板または撮像装置のいずれかが次の領域へと移動される「ステップ・アンド・イメージ」、撮像装置が所定の小面積単位を測定するがサンプルに対して絶えず前後に掃引動作する「スキャン・アンド・イメージ」、または、例えばライン撮像装置が薄膜サンプルの全幅でサンプルに対して縦方向に移動される「掃引撮像」を利用できる。
【0047】
幾つかの点において、薄膜層における、特に直接バンドギャップ半導体から成る薄膜光起電力セルおよびモジュールにおけるPL撮像は、c−Siに基づく従来の光起電力セルおよびウエハにおけるPL撮像よりもかなり容易である。シリコンウエハのPL撮像は、c−Siが間接バンドギャップ材料であるため難しく、したがって、一般に非常に低いルミネセンス量子効率、一般的には<10−4程度のルミネセンス量子効率を有する。また、c−Siからの放射は900−1250nmの波長範囲にあり、そのため、放射スペクトルの大部分はシリコンカメラが感知するスペクトル域の外側にある。
【0048】
前述した薄膜半導体材料の大部分において、バンドギャップはシリコンと比べて高いエネルギにあり、これは、従来のSiカメラ(CCD、CMOS)を用いる検出に更に適した更に短い波長に対応する。また、直接バンドギャップ材料のルミネセンス量子効率は一般に桁違いに高く、それにより、同じ照明条件においてルミネセンス強度が更に高くなり、また、UV〜NIR(850nm)の小さいスペクトル間隔で吸収着色ガラスフィルタを利用できる(例えば、Schottから入手できる)。
【0049】
特定のケース、すなわち、Siよりも小さいバンドギャップを伴うSiGeのような材料において、PL検出は、InGaAsカメラなどの別の検出技術を必要とする。
【0050】
各材料系においては、放射特性および吸収特性が異なっており、そのため、照明波長および光学フィルタを具体的に選択することが求められる。一般に、照明源は、サンプルまたは周囲によって反射される任意の照明光がカメラによって検出されないようにするためにショートパスフィルタリングされる必要がある。また、カメラ光学素子の前方にロングパスフィルタが必要とされる。フィルタの遮断波長を特定の励起およびルミネセンス波長のために選択する必要がある。
【0051】
別の実施形態では、光励起と電気的励起との組み合わせ、例えば完成した或いは完成に近い薄膜光起電力セルの接触端子間の電圧の外的制御を伴うPL撮像を使用できる。サンプル(例えば、基板上のモジュール全体または部分的に処理された層)は、サンプル全体を撮像することによって或いは前述したように幾つかの個々の画像を伴う表面を機械的に走査することによって測定することができる。従来のc−Si光起電力セルの特徴付けに対する二重励起の適用は、その内容が相互参照することにより本願に組み入れられる‘Method and System for Testing Indirect Bandgap Semiconductor Devices Using Luminescence Imaging’と題される公開PCT特許出願WO2007/128060 A1に記載されている。この出願において、サンプルセルは、(一般に、1Sunと同等な照明を用いて)照明された後に、その照明で開路電圧よりも小さいバイアス電圧がかけられる。これらの条件下で、放射の明るい領域は、直列抵抗が高い領域または電気的に絶縁された領域を示す。薄膜光起電力セルサンプルとの関連では、この情報を堆積条件またはその後の処理ステップの条件を調整することへフィードバックできる。
【0052】
一般的な用途としては、重要な処理ステップ後の材料品質の水平変化の測定または直列抵抗および並列抵抗などの重要な光起電力セルパラメータの水平変化の測定によるインラインプロセス監視およびプロセス制御が挙げられる。
【0053】
プロセス制御としては、初期段階でのラインからの欠陥サンプルの除去、膜堆積または事後堆積アニーリングなどの処理条件の調整、水素化および拡散、サンプル固有のその後の処理(例えば、悪い領域のレーザ分離によって欠陥を補正するための処理)、同じサンプルの再処理、メタライゼーション、個々のセルまたは欠陥領域のレーザ分離、モジュール相互接続、および、製造ハードウェアにおける不良の検出を挙げることができる。
【0054】
多くの特定の用途が想起される。例えば、複合材料では、スペクトルにわたる強度分布および放射波長が材料の組成に依存する。これは、光起電力セルの機能が層にわたる4つの基本的な構成要素の化学量論的分布に大きく依存するCIGS材料において特に重要である。SiGe合金(結晶性またはアモルファス)において、放射波長は、より高いGe含有量を伴う更に長い波長へとシフトし、それにより、放射スペクトルの対応する変化から、膜化学量論の水平変化を推定することができる。したがって、カメラ対物レンズの前面に取り付けられる異なるスペクトルフィルタ(例えば、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、または、バンドパスフィルタ)を用いて測定される2つ以上のPL画像の(例えば比率、相違、または、微分による)比較を使用して、膜組成の変化に関する情報を得ることができる。例えば、適切なフィルタを用いて取得されるPL画像を使用して解析され得る特徴的な放射スペクトルを伴う基本的な半導体材料の領域へと膜の1つの特定の構成要素が沈殿する/結晶化する部位が存在してもよい。この目的のために使用され得る適切なバンドパスフィルタ、ロングパスフィルタ、および、ショートパスフィルタの広い範囲を容易に利用できる。フィルタ組み合わせは、スペクトロメータを備えるPLマッピングシステムによって与えられる同じレベルのスペクトル判別を与えることができないが、それらは、簡単で、安価であり、急速PLマッピングに更によく適する。また、組成変化によって引き起こされるスペクトル変化がフィルタ組み合わせを変えることによって検出されるに足る大きさをもつ多くの状況が存在する。
【0055】
薄膜光起電力セルモジュールにおいて、モジュールの異なる部分は、しばしば、多くの場合にレーザ処理により、互いに直列に及び/又は並列に接続される。部分的に処理されたモジュールのPL画像解析は、材料品質がかなり低下した局所領域、または、他の領域よりも小さい電圧及び/又は電流を生成する領域をモジュール内にもたらす短絡部位を検出し得る。欠陥領域が検出される場合には、多くの措置をとることができる。例えば、モジュールの相互接続を変更して、品質が最悪の領域の接続を回避することができ、あるいは、モジュールの異なる部分の直列および並列の相互接続に関して相互接続が最適化されてもよい。これが機能し得る簡略化された例は以下のとおりである。すなわち、領域の半分が1.0Vの開路電圧を与える良質な材料から成り且つ他の半分が0.8Vの開路電圧しか与えない質の低い材料から成るモジュールにおいては、良質部位からの4つのセルが直列に接続され且つ低質部位からの5つのセルが直列に接続されるように相互接続を行なうことができる。この場合、これらの2つの電圧整合直列接続ストリングを並列に接続して、材料が全体的に更に効率的に使用されるようにすることができる。通常は、それぞれの側からの5つのセルが直列接続されて、質の悪い部位の低い電圧が良質領域の電圧を不必要に下げる。
【0056】
タンデム光起電力セルでは、通常、異なる材料から形成される少なくとも2つのセルが、互いの上に、すなわち、光学的に直列に位置されるとともに、モノリシック形態で直列接続される。積層体の上端の材料は最も大きいバンドギャップを有しており、それにより、該材料は、高エネルギ光子(短い波長)を吸収して、低エネルギ光子を透過し、その結果、エネルギバンドギャップが次第に低くなるその後の層は、波長が次第に長くなる入射スペクトルの部分を吸収する。したがって、積層体中の特定のセルでのみ特定の波長が理想的に吸収される。特徴付けのため、PL撮像を使用して、適切な単色光またはバンドパスフィルタリングされた光により1つ以上の個々の層を選択的に励起することができ、その後、それらの1つ以上の個々の層からのルミネセンス放射だけを検出することができる。前記直列抵抗解析は、積層体全体にバイアスをかけて適切な励起波長により特定のセルだけを照明することによって行なうことができる。
【0057】
これに関して有益なことは、ルミネセンス放射が通常は励起波長よりも長い波長で行なわれるという事実である。積層体中のn番目のセルからの放射は、その上に横たわるn−1個のセルを伝播して検出され得る。これは、これらのセルの全てが、セルnよりも大きいバンドギャップを有し、したがってセルnからの放射を透過するからである。
【0058】
薄膜c−Siにおいて、帯域間ルミネセンスの放射は、質の悪い材料、c−Siの間接バンドギャップ、および、ウエハに比べて少ない放射量に起因して極めて弱い。別の方法として、装飾転位(すなわち、不純物を含む転位)からの広い放射を利用することができる。この放射帯域は、シリコンカメラによって検出できないがInGaAsカメラによって検出できる〜1550nm波長にそのピークを有する。したがって、薄膜c−Siモジュールおよび層からの欠陥関連の光ルミネセンスの撮像を品質制御技術として使用することができる。
【0059】
特定の実施例に関して本発明を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明は多くの他の形態で具現化できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜堆積プロセスを監視する方法であって、
(a)所定の照明を用いて、前記堆積プロセスによって形成された或いは成長する半導体薄膜の領域を照明して、前記薄膜から光ルミネセンスを引き起こすステップと、
(b)前記光ルミネセンスの画像を取得するステップと、
(c)前記画像を処理して、前記薄膜の1つ以上の特性を決定するステップと、
(d)前記1つ以上の特性を使用して、前記堆積プロセスに関する情報を推定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記方法は、前記薄膜が前記堆積プロセスによって形成されている間に行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堆積プロセスがチャンバ内で起こり、前記薄膜が前記所定の照明を透過する前記チャンバの窓を通じて照明され、前記画像が前記光ルミネセンスを透過する前記チャンバの窓を通じて取得される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薄膜の大きな領域の光ルミネセンスを生成するためにステップ(a)および(b)が繰り返される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、以下の特性、すなわち、吸収層品質、少数キャリア寿命、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度、電気的欠陥の濃度、および、構造的欠陥の濃度のうちの少なくとも1つの空間的変化を決定するために利用される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、薄膜に基づく光起電力セルまたはモジュールの生成を監視するために利用される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、少数キャリア寿命変化、照明時の局所電圧変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、または、セルまたはモジュールの直列抵抗問題のうちの少なくとも1つを監視するために利用される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、前記薄膜堆積プロセスを調整するステップ(e)を更に含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(e)は、薄膜サンプルの除去、処理条件の調整、または、堆積プロセスにおけるハードウェア不良の検出のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、前記薄膜の事後堆積処理を調整し或いは制御するステップ(f)を更に含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記事後堆積処理は、アニーリング、水素化、拡散、欠陥領域のレーザ分離、メタライゼーション、モジュール相互接続、または、薄膜の再処理を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光ルミネセンスが前記半導体薄膜の帯域間発光を含む、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記光ルミネセンスは、前記半導体薄膜の欠陥および不純物によって発せられる発光を含む、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法を実施するために使用される装置。
【請求項15】
部分的に或いは完全に完成した半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールを監視する方法であって、
(a)所定の照明を用いて、前記半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの領域を照明して、前記セルまたはモジュールから光ルミネセンスを引き起こすステップと、
(b)前記光ルミネセンスの画像を取得するステップと、
(c)前記画像を処理して、前記セルまたはモジュールの1つ以上の特性を決定するステップと、
(d)前記1つ以上の特性を使用して、セルまたはモジュールに関する情報を推定するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記情報は、以下の特性、すなわち、吸収層品質、少数キャリア寿命、化合物材料の層組成の均一性、不純物濃度、電気的欠陥の濃度、および、構造的欠陥の濃度のうちの少なくとも1つの空間的変化を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記情報は、照明時の局所電圧変化、相互接続モジュールの局部短絡領域または短絡した個々のセル、または、セルまたはモジュールの直列抵抗問題を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、前記半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールに薄膜を堆積させるために使用されるプロセスを調整するステップ(e)を更に含む、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(e)は、薄膜サンプルの除去、処理条件の調整、または、堆積プロセスにおけるハードウェア不良の検出のうちの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、ステップ(d)において決定された情報を利用して、前記半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの更なる処理を調整し或いは制御するステップ(f)を更に含む、請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記更なる処理は、アニーリング、水素化、拡散、欠陥領域のレーザ分離、メタライゼーション、モジュール相互接続、または、薄膜の再処理を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、完成した半導体薄膜光起電力セルまたはモジュールの性能を予測するステップ(g)を更に含む、請求項15から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の方法を実施するために使用される装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2011−527510(P2011−527510A)
【公表日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516928(P2011−516928)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000886
【国際公開番号】WO2010/003186
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(508111981)ビーティー イメージング ピーティーワイ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】