説明

複合基板およびその製造方法、ならびに複合ウエハ

【課題】III族窒化物とは化学組成の異なる異組成基板とIII族窒化物層とが貼り合わされた複合基板であっても、反りおよびクラックを発生させることなくその複合基板上にIII族窒化物エピタキシャル層を形成することができる複合基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本複合基板2Dは、III族窒化物以外の化学組成を有する異組成基板10と、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、含み、III族窒化物層21は、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイル21pに分離している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物エピタキシャル層の形成に好適な複合基板およびその製造方法ならびにかかる複合基板とIII族窒化物エピタキシャル層とを含む複合ウエハに関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に結晶性のよいGaN系半導体層をエピタキシャル成長させて特性のよいGaN系半導体デバイスを低コストで製造するための基板として、たとえば、特開2008−10766号公報(特許文献1)は、高価なGaN自立基板に替えて、GaN以外の化学組成を有する異種基板にGaN薄膜が貼り合わされている基板を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−10766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特開2008−10766号公報(特許文献1)に記載の貼り合わせ基板においては、GaNと化学組成が異なる異組成基板(たとえば、サファイア基板など)が用いられているため、貼り合わせ基板のGaN薄膜上にGaN系半導体層を成長させると、異組成基板とGaN薄膜およびGaN系半導体層との間の熱膨張係数の差により、貼り合わせ基板に成長したGaN系半導体層には反りまたはクラックが発生するため、得られるGaN系半導体デバイスの歩留まりが低減する問題点があった。
【0005】
本発明は、III族窒化物とは化学組成の異なる異組成基板とIII族窒化物層とが貼り合わされた複合基板であっても、反りおよびクラックを発生させることなくその複合基板上にIII族窒化物エピタキシャル層を形成することができる複合基板およびその製造方法、ならびにかかる複合基板とIII族窒化物エピタキシャル層とを含む複合ウエハを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、III族窒化物以外の化学組成を有する異組成基板と、異組成基板に貼り合わされたIII族窒化物層と、含み、III族窒化物層は、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルに分離している複合基板である。
【0007】
本発明にかかる複合基板は、III族窒化物タイルが有する平面形状を、縞形状、三角形状、四角形状および六角形状からなる群から選ばれる少なくとも1種類とすることができる。また、III族窒化物タイルの最長辺の長さを2000μm以下とすることができる。また、III族窒化物タイルの転位密度を1×107cm-2以下とすることができる。
【0008】
また、本発明は、上記の複合基板と、複合基板のIII族窒化物層上に形成されたIII族窒化物エピタキシャル層と、を含む複合ウエハである。
【0009】
また、本発明は、上記の複合基板の製造方法であって、III族窒化物基板の一方の主面側にイオン注入領域を形成する工程と、異組成基板の一方の主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部を形成する工程と、III族窒化物基板のイオン注入領域が形成された側の主面と異組成基板の凸部が形成された主面とを貼り合わせる工程と、III族窒化物基板をイオン注入領域で、異組成基板に貼り合わされたIII族窒化物層と残りのIII族窒化物基板とに分離する工程と、を含む複合基板の製造方法である。
【0010】
また、本発明は、上記の複合基板の製造方法であって、III族窒化物基板の一方の主面側にイオン注入領域を形成する工程と、III族窒化物基板のイオン注入領域が形成された主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部を形成する工程と、III族窒化物基板のイオン注入領域が形成された側の凸部が形成された主面と異組成基板の一方の主面とを貼り合わせる工程と、III族窒化物基板をイオン注入領域で、異組成基板に貼り合わされたIII族窒化物層と残りのIII族窒化物基板とに分離する工程と、を含む複合基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、III族窒化物とは化学組成の異なる異組成基板とIII族窒化物層とが貼り合わされた複合基板であっても、反りおよびクラックを発生させることなくその複合基板上にIII族窒化物エピタキシャル層を形成することができる複合基板およびその製造方法、ならびにかかる複合基板とIII族窒化物エピタキシャル層とを含む複合ウエハを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にかかる複合基板の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかる複合ウエハの一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置の一例を示す概略図である。
【図4】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置の別の例を示す概略図である。
【図5】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図6】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図7】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図8】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図9】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図10】本発明にかかる複合基板におけるIII族窒化物タイルの平面配置のさらに別の例を示す概略図である。
【図11】本発明にかかる複合基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図12】本発明にかかる複合基板の製造方法の別の例を示す概略断面図である。
【図13】本発明にかかる複合基板の製造方法のさらに別の例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[複合基板]
{実施形態1}
図1〜10を参照して、本発明にかかる複合基板の一実施形態は、III族窒化物以外の化学組成を有する異組成基板10と、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、含み、III族窒化物層21は、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21rに分離している。本実施形態の複合基板2Dは、III族窒化物層21が複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21rに分離しているため、複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21r上に、反りおよびクラックを発生させることなく、結晶性の高いIII族窒化物エピタキシャル層を成長させることができる。
【0014】
(異組成基板)
本実施形態の複合基板2Dの異組成基板10は、III族窒化物以外の化学組成を有する基板であり、たとえば、サファイア基板、SiC基板、Si基板などが挙げられる。
【0015】
(III族窒化物層)
本実施形態の複合基板2DのIII族窒化物層21は、III族窒化物で形成されている層であり、たとえば、AlxInyGa1-x-yN層(0≦x、0≦y、x+y≦1)などが挙げられる。また、かかるIII族窒化物層21は、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21rに分離している。
【0016】
(III族窒化物タイル)
本実施形態の複合基板2DのIII族窒化物タイル21p,21q,21rは、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する。ここで、平面充填とは、平面内を有限種類の平面図形(タイル)で敷き詰める操作をいう。
【0017】
本実施形態の複合基板2DのIII族窒化物タイル21p,21q,21rが有する平面形状は、縞形状、三角形状、四角形状および六角形状からなる群から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。以下、詳細に説明する。
【0018】
1種類で平面充填が可能な平面形状は、たとえば、任意の三角形、任意の平行四辺形、任意の平行六辺形、任意の四角形、任意の縞形状などが挙げられる。ここで、かかる平面形状は、対称性が高い観点から、正三角形(図3)、正六角形(図4)、菱形(図6〜8)、正四角形(図9)、平行直線縞形(図10)などが好ましい。また、かかる平面形状は、III族窒化物タイルおよびその上に成長させるIII族窒化物エピタキシャル層がいずれも六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有する点に着目しそれらの反りおよびクラックを抑制しつつ大きな平面面積を確保する観点から、六回回転対称に平面充填することが可能な形状、たとえば、正三角形(図3)、正六角形(図4)、菱形(図8)などが好ましい。また、かかる平面形状は、複合基板の複数のIII族窒化物タイル上に成長させたIII族窒化物エピタキシャル層をチップ化する際に全て直線でスクライブを形成できる観点から、正三角形(図3)、菱形(図6)、正四角形(図9)、平行直線縞形(図10)などが好ましい。
【0019】
また、かかる平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルの配置は、III族窒化物タイルおよびその上に成長させるIII族窒化物エピタキシャル層がいずれも六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有する点に着目しそれらの反りおよびクラックを抑制しつつ大きな平面面積を確保する観点から、正三角形、正六角形、菱形などの平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルが六回回転対称に平面充填されるように配置されていることが好ましい(図3、4および8)。なお、III族窒化物タイルおよびその上に成長させるIII族窒化物エピタキシャル層の結晶性を高めるために、図6〜8に示す平面形状が菱形の複数のIII窒化物タイルの平面配置の好ましい順は、回転対称性が高い順、すなわち、図8に示す六回回転対称の配置、図7に示す二回回転対称の配置、図6に示す一回回転対称の配置の順である。
【0020】
また、2種類以上で平面充填が可能な平面形状は、たとえば、正三角形と正四角形、正三角形と正六角形(図5)などが挙げられる。かかる平面形状は、III族窒化物タイルおよびその上に成長させるIII族窒化物エピタキシャル層がいずれも六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有する点に着目しそれらの反りおよびクラックを抑制しつつ大きな平面面積を確保する観点から、六回回転対称に平面充填することが可能な形状、たとえば、正三角形および正六角形(図5)などが好ましい。また、かかる形状は、複合基板の複数のIII族窒化物タイル上に成長させたIII族窒化物エピタキシャル層を分離する際に全て直線でスクライブを形成できる観点から、たとえば、正三角形および正六角形(図5)などが好ましい。
【0021】
また、かかる平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルの配置は、III族窒化物タイルおよびその上に成長させるIII族窒化物エピタキシャル層がいずれも六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有する点に着目しそれらの反りおよびクラックを抑制しつつ大きな平面面積を確保する観点から、正三角形、正六角形、菱形などの平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルが六回回転対称に平面充填されるように配置されていることが好ましい(図5)。
【0022】
図3〜10を参照して、本実施形態の複合基板2Dにおける複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21rは、それらの上に反りおよびクラックを発生させることなくIII族窒化物エピタキシャル層を成長させる観点から、III族窒化物タイル21p,21q,21rの最長辺の長さSが、2000μm以下が好ましく、800μm以下がより好ましい。
【0023】
また、図1および3〜10を参照して、本実施形態の複合基板2Dにおける互いに分離された複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21r間の距離Dは、特に制限はないが、それらの上に反りおよびクラックを発生させることなくIII族窒化物エピタキシャル層を成長させる観点から、III族窒化物層と下地基板との間の熱膨張係数の差と最長辺の長さとの積の100倍以上の距離が好ましく、500倍以上2000倍以下の距離がより好ましい。なお、複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21r上に成長するIII族窒化物エピタキシャル層は、特に制限はないが、反りおよびクラックを発生させない観点から、複数のIII族窒化物エピタキシャルタイルに分離していることが好ましい。
【0024】
また、本実施形態の複合基板2Dにおける複数のIII族窒化物タイル21p,21q,21rは、それらの上に転位密度が低く結晶性のよいIII族窒化物エピタキシャル層を成長させる観点から、III族窒化物タイル21p,21q,21rの転位密度が、1×107cm-2以下が好ましく、5×106cm-2以下がより好ましい。ここで、III族窒化物タイル21p,21q,21rの転位密度は、KOHによるエッチングにより形成された単位面積当りのエッチピットの数のカウント、CL(カソードルミネッセンス)により観測される単位面積当りの暗点の数のカウントなどにより測定される。
【0025】
なお、本実施形態の複合基板2Dにおいては、異組成基板10と互いに分離したIII族窒化物タイル21p,21q,21rを含むIII族窒化物層21との接合強度を高めるために、それらの間に接合膜30が介在していることが好ましい。
【0026】
(接合層)
本実施形態の複合基板2Dにおいて、好ましく用いられる接合膜30は、特に制限はないが、異組成基板10とIII族窒化物層21との接合強度を高くする観点から、SiO2膜、ZnO膜、TiO2膜、Ga23膜、SnO2膜、In23膜、Sb23膜、Sb25膜、TiN膜などが好適に挙げられる。
【0027】
[複合基板の製造方法]
本発明にかかる複合基板の製造方法は、実施形態1の複合基板2Dを製造するのに適した方法であれば特に制限はないが、複合基板2Dを効率よく製造する観点から、以下の実施形態が好適に挙げられる。
【0028】
{実施形態2}
図11を参照して、本発明にかかる複合基板の製造方法の一実施形態は、III族窒化物基板20の一方の主面側にイオン注入領域20iを形成する工程と、異組成基板10の一方の主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部31pを形成する工程と、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の主面と、異組成基板10の凸部が形成された主面と、を貼り合わせる工程と、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する工程と、を含む。本実施形態の複合基板の製造方法によれば、実施形態1の複合基板2Dをきわめて効率的に製造することができる。
【0029】
なお、本実施形態の複合基板の製造方法においては、異組成基板10の一方の主面およびIII族窒化物基板20の一方の主面の少なくとも一つに、これらの間の接合強度を高めるために接合層31,32を形成することが好ましい。かかる接合層31,32は、特に制限はないが、異組成基板10とIII族窒化物層21との接合強度を高くする観点から、SiO2層、ZnO層、TiO2層、Ga23層、SnO2層、In23層、Sb23膜、Sb25膜、TiN層などが好適に用いられる。
【0030】
(III族窒化物基板におけるイオン注入領域の形成工程)
図11の(B1)を参照して、好ましくは、III族窒化物基板20の一方の主面側に、CVD(化学的気相成長)法、スパッタ法、PVD(物理的気相成長)法、めっき法などにより、接合層32を形成する。
【0031】
次いで、図11の(B2)を参照して、III族窒化物基板20の一方の主面側(接合層32を形成した場合は、かかる接合層32が形成された主面側)から、水素、ヘリウムなどの質量数が低いイオンIを注入することにより、III族窒化物基板20の上記の主面から所定の深さの領域に、イオン注入領域20iを形成する。かかるイオン注入領域20iは、それ以外の領域に比べて、脆化される。
【0032】
(異組成基板における凸部の形成工程)
図11の(A1)を参照して、好ましくは、異組成基板10の一方の主面側にCVD法、スパッタ法、PVD法、めっき法などにより、接合層31を形成する。
【0033】
次いで、図11の(A2)を参照して、接合層31を形成した場合は、接合層31の一部を除去することにより(除去部分31d)、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部31pを形成する。かかる凸部31pの形成工程において、接合層の一部を除去する方法は、特に制限はなく、スクライバで除去する方法、レーザで除去する方法、ドライエッチングおよびウェットエッチングのいずれかで除去する方法などが好適に挙げられる。
【0034】
また、異組成基板10上に接合層31を形成しなかった場合は、上記と同様の方法を用いて異組成基板10の一方の主面側の一部を除去することにより、異組成基板10に平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部31pを直接形成することもできる。しかし、かかる方法は、異組成基板10の種類によってその一部を除去する方法が制約されるため、異組成基板10に接合層31を形成し、かかる接合層31を上記のようにパターニングすることにより、複数の凸部31pを形成することが好ましい。
【0035】
なお、図11の(B1)および(B2)で示される工程(III族窒化物基板における接合層およびイオン注入領域の形成工程)と、図11の(A1)および(A2)で示される工程(異組成基板における接合層および凸部の形成工程)とは、いずれが先に行なわれてもよい。
【0036】
(III族窒化物基板と異組成基板との貼り合わせ工程)
次に、図11の(C1)を参照して、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の主面(具体的には、接合層32の主面)と、異組成基板10の凸部31pが形成された主面(具体的には、接合層31の凸部31pの主面)と、を貼り合わせる。ここで、貼り合わせる方法には、特に制限はないが、接合強度を高くする観点から、接合層(たとえばSiO2層)のOH基が導入された表面どうしを圧着しその後脱水することにより接合する表面活性化法、接合層の表面どうしを超高真空中で圧着後加熱することにより接合する高真空圧着法などが好適に挙げられる。
【0037】
こうして、III族窒化物基板20に形成された接合層32と異組成基板10に形成された接合層31の凸部31pとが一体化した接合膜30により、III族窒化物基板20と異組成基板10とが貼り合わされた接合基板1DAが得られる。得られた接合基板1DAにおける接合膜30には、接合層31の除去部分31dによる空隙が形成されている。
【0038】
(III族窒化物基板の分離工程)
次に、図11の(C1)および(C2)を参照して、接合基板1DAに熱または応力をかけることにより、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する。このとき、接合膜30において接合層31の凸部31pと接合層32とが接合した領域では、III族窒化物基板20はイオン注入領域20iで分離するが、接合膜30において接合層31の除去部分31dが存在する領域では、III族窒化物基板20は分離しない。こうして、異組成基板10上に接合膜30の複数の凸部30pを介在させて複数のIII族窒化物タイル21pが貼り合わされた複合基板2Dが得られる。得られた複合基板2Dは、接合層31の除去部分31dに対応する領域におけるIII族窒化物層21の部分が除去されること(除去部分21d)により、複数のIII族窒化物タイル21pが形成されている。
【0039】
{実施形態3}
図12を参照して、本発明にかかる複合基板の製造方法の別の実施形態は、III族窒化物基板20の一方の主面側にイオン注入領域20iを形成する工程と、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部32pを形成する工程と、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の凸部32pが形成された主面と、異組成基板10の一方の主面と、を貼り合わせる工程と、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する工程と、を含む。本実施形態の複合基板の製造方法によれば、実施形態1の複合基板2Dをきわめて効率的に製造することができる。
【0040】
なお、本実施形態の複合基板の製造方法においても、異組成基板10の一方の主面およびIII族窒化物基板20の一方の主面の少なくとも一つに、これらの間の接合強度を高めるために接合層31,32を形成することが好ましい。かかる接合層31,32は、特に制限はないが、異組成基板10とIII族窒化物層21との接合強度を高くする観点から、SiO2層、ZnO層、TiO2層、Ga23層、SnO2層、In23層、Sb23膜、Sb25膜、TiN層などが好適に用いられる。
【0041】
(III族窒化物基板におけるイオン注入領域の形成工程)
図12の(B1)を参照して、好ましくは、III族窒化物基板20の一方の主面側に、CVD法、スパッタ法、PVD法、めっき法などにより、接合層32を形成する。
【0042】
次いで、図12の(B2)を参照して、III族窒化物基板20の一方の主面側(接合層32を形成した場合は、かかる接合層32が形成された主面側)から、水素、ヘリウムなどの質量数が低いイオンIを注入することにより、III族窒化物基板20の上記の主面から所定の深さの領域に、イオン注入領域20iを形成する。かかるイオン注入領域20iは、それ以外の領域に比べて、脆化される。
【0043】
(III族窒化物基板における凸部の形成工程)
次に、図12の(B3)を参照して、接合層32を形成した場合は、接合層32の一部を除去することにより(除去部分32d)、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部32pを形成する。かかる凸部32pの形成工程において、接合層の一部を除去する方法は、特に制限はなく、スクライバで除去する方法、レーザで除去する方法、ドライエッチングおよびウェットエッチングのいずれかで除去する方法などが好適に挙げられる。
【0044】
また、III族窒化物基板20上に接合層32を形成しなかった場合は、上記と同様の方法を用いてIII族窒化物基板20の一方の主面側の一部を除去することにより、III族窒化物基板20に平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部32pを直接形成することもできる。しかし、かかる方法は、III族窒化物基板20の一部を除去する方法が制約されているため、III族窒化物基板20に接合層32を形成し、かかる接合層32を上記のようにパターニングすることにより、複数の凸部32pを形成することが好ましい。
【0045】
(異組成基板の準備工程)
図12の(A1)を参照して、好ましくは、異組成基板10の一方の主面側にCVD法、スパッタ法、PVD法、めっき法などにより、接合層31を形成する。
【0046】
なお、図12の(B1)〜(B3)で示される工程(III族窒化物基板における接合層、イオン注入領域および凸部の形成工程)と、図12の(A1)で示される工程(異組成基板における接合層の形成工程)とは、いずれが先に行なわれてもよい。
【0047】
(III族窒化物基板と異組成基板との貼り合わせ工程)
次に、図12の(C1)を参照して、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の凸部32pが形成された主面(具体的には、接合層32の凸部32pの主面)と、異組成基板10の一方の主面(具体的には、接合層31の主面)と、を貼り合わせる。ここで、貼り合わせる方法は、実施形態2の場合と同様である。
【0048】
こうして、III族窒化物基板20に形成された接合層32の凸部32pと異組成基板10に形成された接合層31とが一体化した接合膜30により、III族窒化物基板20と異組成基板10とが貼り合わされた接合基板1DBが得られる。得られた接合基板1DBにおける接合膜30には、接合層32の除去部分32dによる空隙が形成されている。
【0049】
(III族窒化物基板の分離工程)
次に、図12の(C1)および(C2)を参照して、接合基板1DBに熱または応力をかけることにより、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する。このとき、接合膜30において接合層32の凸部32pと接合層31とが接合した領域では、III族窒化物基板20はイオン注入領域20iで分離するが、接合膜30において接合層32の除去部分32dが存在する領域では、III族窒化物基板20は分離しない。こうして、異組成基板10上に接合膜30の複数の凸部30pを介在させて複数のIII族窒化物タイル21pが貼り合わされた複合基板2Dが得られる。得られた複合基板2Dは、接合層32の除去部分32dに対応する領域におけるIII族窒化物層21の部分が除去されること(除去部分21d)により、複数のIII族窒化物タイル21pが形成されている。
【0050】
{実施形態4}
図13を参照して、本発明にかかる複合基板の製造方法のさらに別の実施形態は、III族窒化物基板20の一方の主面側にイオン注入領域20iを形成する工程と、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の主面と異組成基板10の一方の主面とを貼り合わせる工程と、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する工程と、III族窒化物層21を、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイル21pに分離する工程と、を含む。本実施形態の複合基板の製造方法によれば、実施形態1の複合基板2Dを効率的に製造することができる。
【0051】
なお、本実施形態の複合基板の製造方法においても、異組成基板10の一方の主面およびIII族窒化物基板20の一方の主面の少なくとも一つに、これらの間の接合強度を高めるために接合層31,32を形成することが好ましい。かかる接合層31,32は、特に制限はないが、異組成基板10とIII族窒化物層21との接合強度を高くする観点から、SiO2層、ZnO層、TiO2層、Ga23層、SnO2層、In23層、Sb23膜、Sb25膜、TiN層などが好適に用いられる。
【0052】
(III族窒化物基板におけるイオン注入領域の形成工程)
図13の(B1)を参照して、好ましくは、III族窒化物基板20の一方の主面側に、CVD法、スパッタ法、PVD法、めっき法などにより、接合層32を形成する。
【0053】
次いで、図13の(B2)を参照して、III族窒化物基板20の一方の主面側(接合層32を形成した場合は、かかる接合層32が形成された主面側)から、水素、ヘリウムなどの質量数が低いイオンIを注入することにより、III族窒化物基板20の上記の主面から所定の深さの領域に、イオン注入領域20iを形成する。かかるイオン注入領域20iは、それ以外の領域に比べて、脆化される。
【0054】
(異組成基板の準備工程)
図13の(A1)を参照して、好ましくは、異組成基板10の一方の主面側にCVD法、スパッタ法、PVD法、めっき法などにより、接合層31を形成する。
【0055】
なお、図13の(B1)および(B2)で示される工程(III族窒化物基板における接合層およびイオン注入領域の形成工程)と、図12の(A1)で示される工程(異組成基板における接合層の形成工程)とは、いずれが先に行なわれてもよい。
【0056】
(III族窒化物基板と異組成基板との貼り合わせ工程)
次に、図13の(C1)を参照して、III族窒化物基板20のイオン注入領域20iが形成された側の主面(具体的には、接合層32の主面)と、異組成基板10の一方の主面(具体的には、接合層31の主面)と、を貼り合わせる。ここで、貼り合わせる方法は、実施形態2の場合と同様である。
【0057】
こうして、III族窒化物基板20に形成された接合層32と異組成基板10に形成された接合層31とが一体化した接合膜30により、III族窒化物基板20と異組成基板10とが貼り合わされた接合基板1が得られる。
【0058】
(III族窒化物基板の分離工程)
次に、図13の(C1)および(C2)を参照して、接合基板1に熱または応力をかけることにより、III族窒化物基板20をイオン注入領域20iで、異組成基板10に貼り合わされたIII族窒化物層21と、残りのIII族窒化物基板22と、に分離する。こうして、異組成基板10上に接合膜30を介在させてIII族窒化物層21が貼り合わされた複合基板2が得られる。
【0059】
(III族窒化物タイルへの分離工程)
次に、図13の(C3)を参照して、複合基板2のIII族窒化物層21の一部を除去すること(除去部分21d)により、異組成基板10上に接合膜30の複数の凸部30pを介在させて複数のIII族窒化物タイル21pが貼り合わされた複合基板2Dが得られる。ここで、III族窒化物層21の一部を除去する方法は、特に制限はなく、スクライバで除去する方法、レーザで除去する方法、ドライエッチングおよびウェットエッチングのいずれかで除去する方法などが好適に挙げられる。
【0060】
[複合ウエハ]
{実施形態5}
図2を参照して、本発明にかかる複合ウエハの一実施形態は、実施形態1の複合基板2Dと、複合基板2DのIII族窒化物層21上に形成されたIII族窒化物エピタキシャル層40と、を含む。本実施形態の複合ウエハ3Dにおいては、III族窒化物層21の互いに分離している複数のIII族窒化物タイル21p上に複数のIII族窒化物エピタキシャルタイル40pがそれぞれ形成され、これらのIII族窒化物エピタキシャルタイル40pによりIII族窒化物エピタキシャル層40が構成されている。このため、複合ウエハ3Dは、結晶性の高いIII族窒化物エピタキシャルタイル40pおよびIII族窒化物エピタキシャル層40を有する。また、複合ウエハ3Dの反りおよびクラックの発生を防止する観点から、III族窒化物エピタキシャルタイル40pは互いに分離していることが好ましい。
【0061】
本実施形態の複合ウエハ3Dにおいて、複合基板2DにおけるIII族窒化物層21(互いに分離した複数のIII族窒化物タイル21p)上に、III族窒化物エピタキシャル層40を形成する方法は、特に制限はないが、結晶性の高いIII族窒化物エピタキシャル層40を成長させる観点から、MOVPE(有機金属気相成長)法、MBE(分子線成長)法、HVPE(ハイドライド気相成長)法、昇華法などの気相法、フラックス法、高窒素圧溶液法などの液相法などが好適に挙げられる。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
1.III族窒化物基板におけるイオン注入領域の形成
図11の(B1)を参照して、HVPE法により形成した直径2インチ(5.08cm)で厚さ500μmの2つの主面が(0001)面(Ga原子表面)および(000−1)面(N原子表面)であるGaN基板(III族窒化物基板20)を準備し、そのGaN基板の1つの主面であるN原子表面上にプラズマCVD法により厚さ100nmのSiO2層(接合層32)を形成した。
【0063】
次いで、図11の(B2)を参照して、GaN基板(III族窒化物基板20)のN原子表面上のSiO2層(接合層32)側から、GaN基板のN原子表面から約200nmの深さの領域に、水素イオン(イオンI)を注入した。水素イオンの注入条件は、加速電圧が50keV、ドーズ量が7×1017cm-2であった。
【0064】
2.異組成基板における凸部の形成
図11の(A1)を参照して、直径2インチ(5.08cm)で厚さが500μmの1つの主面が(0001)面であるサファイア基板(異組成基板10)を準備し、そのサファイア基板のその主面((0001)面)上に、プラズマCVD法により厚さ100nmのSiO2層(接合層31)を形成した。
【0065】
次いで、図11の(A2)を参照して、スクライブにより、サファイア基板(異組成基板10)上に形成させたSiO2層(接合層31)の一部を除去することにより、一辺が800μmの正三角形の平面形状を有する凸部31pが、幅20μmの溝状の除去部分31dの距離Dの間隔をあけて、図3に示すような平面充填をするように配置させた。
【0066】
3.III族窒化物基板と異組成基板との貼り合わせ
次に、図11の(C1)を参照して、GaN基板(III族窒化物基板20)のイオン注入領域20iが形成された側の主面(N原子表面)に形成されたSiO2層(接合層32)と、サファイア基板(異組成基板10)の主面上に形成されたSiO2層(接合層31)の凸部31pとを、表面活性化法により、貼り合わせることにより、SiO2層(接合層32)とSiO2層(接合層31)の凸部31pとが一体化して接合膜30が形成され、サファイア基板(異組成基板10)とGaN基板(III族窒化物基板20)とが接合膜30を介在させて貼り合わされた接合基板1DAが得られた。得られた接合基板1DAにおける接合膜30には、接合層31の除去部分31dによる空隙が形成されていた。
【0067】
4.III族窒化物基板の分離
次に、図11の(C2)を参照して、接合基板1DAに応力を加えることにより、GaN基板(III族窒化物基板20)をイオン注入領域20iで、サファイア基板(異組成基板10)に形成された接合膜30に貼り合わされたGaN層(III族窒化物層21)と、残りのGaN基板(残りのIII族窒化物基板22)とに分離した。こうして、サファイア基板(異組成基板10)上に厚さ200nmの接合膜30の複数の凸部30pを介在させて、厚さ200nmのGaN層(III族窒化物層21)の複数のGaNタイル(III族窒化物タイル)が貼り合わされた複合基板2Dが得られた。
【0068】
5.III族窒化物エピタキシャル層の成長
図2を参照して、上記で得られた複合基板2DのGaN層(III族窒化物層21)の複数のGaNタイル(III族窒化物タイル)上に、MOVPE法により、厚さ5μmのGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)を成長させた。成長されたGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)は、GaN層(III族窒化物層21)の複数のGaNタイル(III族窒化物タイル21p)にそれぞれ成長した複数のGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)に分離しており、いずれのGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)においても反りおよびクラックは発生しなかった。
【0069】
(実施例2)
サファイア基板(異組成基板10)における凸部31pの形成において、一辺が800μmの正六角形の平面形状を有する凸部31pが、幅20μmの溝状の除去部分31dの距離Dの間隔をあけて、図4に示すような平面充填をするように配置させたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板2Dを作製し、複合基板2D上にGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)を成長させた。成長されたGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)は、GaN層(III族窒化物層21)の複数のGaNタイル(III族窒化物タイル21p)にそれぞれ成長した複数のGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)に分離しており、いずれのGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)においても反りおよびクラックは発生しなかった。
【0070】
(実施例3)
サファイア基板(異組成基板10)における凸部31pの形成において、一辺が800μmの正四角形の平面形状を有する凸部31pが、幅20μmの溝状の除去部分31dの距離Dの間隔をあけて、図9に示すような平面充填をするように配置させたこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板2Dを作製し、複合基板2D上にGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)を成長させた。成長されたGaNエピタキシャル層(III族窒化物エピタキシャル層40)は、GaN層(III族窒化物層21)の複数のGaNタイル(III族窒化物タイル21p)にそれぞれ成長した複数のGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)に分離しており、いずれのGaNエピタキシャルタイル(III族窒化物エピタキシャルタイル40p)においても反りおよびクラックは発生しなかった。
【0071】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0072】
1,1DA,1DB 接合基板、2,2D 複合基板、3D 複合ウエハ、10 異組成基板、20 III族窒化物基板、20i イオン注入領域、21 III族窒化物層、21d,31d,32d 除去部分、21p,21q,21r III族窒化物タイル、30 接合膜、30p,31p,32p 凸部、31,32 接合層、40 III族窒化物エピタキシャル層、40p III族窒化物エピタキシャルタイル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
III族窒化物以外の化学組成を有する異組成基板と、前記異組成基板に貼り合わされたIII族窒化物層と、含み、
前記III族窒化物層は、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数のIII族窒化物タイルに分離している複合基板。
【請求項2】
前記III族窒化物タイルが有する前記平面形状は、縞形状、三角形状、四角形状および六角形状からなる群から選ばれる少なくとも1種類である請求項1に記載の複合基板。
【請求項3】
前記III族窒化物タイルの最長辺の長さが2000μm以下である請求項1または請求項2に記載の複合基板。
【請求項4】
前記III族窒化物タイルの転位密度が1×107cm-2以下である請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合基板。
【請求項5】
請求項1に記載の複合基板と、前記複合基板の前記III族窒化物層上に形成されたIII族窒化物エピタキシャル層と、を含む複合ウエハ。
【請求項6】
請求項1に記載の複合基板の製造方法であって、
III族窒化物基板の一方の主面側にイオン注入領域を形成する工程と、
前記異組成基板の一方の主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部を形成する工程と、
前記III族窒化物基板の前記イオン注入領域が形成された側の主面と、前記異組成基板の前記凸部が形成された主面と、を貼り合わせる工程と、
前記III族窒化物基板を前記イオン注入領域で、前記異組成基板に貼り合わされた前記III族窒化物層と、残りのIII族窒化物基板と、に分離する工程と、を含む複合基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の複合基板の製造方法であって、
III族窒化物基板の一方の主面側にイオン注入領域を形成する工程と、
前記III族窒化物基板の前記イオン注入領域が形成された主面側に、平面充填が可能な少なくとも1種類の平面形状を有する複数の凸部を形成する工程と、
前記III族窒化物基板の前記イオン注入領域が形成された側の前記凸部が形成された主面と、前記異組成基板の一方の主面と、を貼り合わせる工程と、
前記III族窒化物基板を前記イオン注入領域で、前記異組成基板に貼り合わされた前記III族窒化物層と、残りのIII族窒化物基板と、に分離する工程と、を含む複合基板の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−30617(P2013−30617A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165654(P2011−165654)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】