説明

複合機、認証サーバ、及びシステム

【課題】認証サーバと連携したユーザ認証処理と、外部アプリケーションと連携した処理とが可能な複合機において、ユーザが複合機単体機能の画面と外部アプリケーションの機能の画面とをログイン毎に切り替える必要なく、容易にログイン後直ぐ前回使用した機能の画面にアクセスできるようにする。
【解決手段】複合機1は、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を認証サーバ2に送信し、前回のログイン時に送信した利用機能情報に基づいて認証サーバ2で更新済みの最終利用機能情報をユーザ認証後に認証サーバ2から受信する。複合機1は、更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が外部アプリケーション機能を示す場合、最終利用機能の表示画面のデータそのものを認証サーバ2から受信し、ログイン後の初期画面として表示させる。複合機単体機能の場合、最終利用機能の表示画面を表示する指示を認証サーバ2から受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証サーバと連携してユーザ認証処理を行うことが可能で、外部のアプリケーションサーバに格納されたアプリケーションプログラム(アプリケーション)と連携した処理を行うことが可能な複合機、その認証サーバ、及びその複合機と認証サーバとアプリケーションサーバとを備えたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータ(PC)上で動作するアプリケーションの機能と複合機の機能とを連携し、複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができるシステムが提案されている。このシステムを利用し、外部認証・集計アプリケーションを搭載しておくことで、複合機における認証・集計といったアカウンティング機能をサーバで一元管理することも可能になる。
【0003】
また、従来の複合機では、ログインした後の初期画面として、複合機の設定で指定されるデフォルト画面(コピー画面など)が表示される。
【0004】
特許文献1には、複合機自身が持つ認証機能を使用して認証に成功した場合に、ユーザ毎のお好みの初期画面を表示することが可能な複合機が開示されている。この複合機では、お好みの初期画面として、ログイン中に複数の機能を順次選択した際の最初に選択された機能の画面、或いは最初に選択された頻度の高い機能の画面が表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−273126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の複合機は、上述したような複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができるシステムに対応しておらず、複合機単体の機能の画面しか初期画面とならず、外部のアプリケーションサーバに接続したときに表示する画面を初期画面とすることができない。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載の複合機では、外部のアプリケーションサーバのアプリケーション(外部アプリケーション)を操作できるような画面にログイン後直ぐに移行することができない。従って、この複合機では、外部アプリケーションを使用するために、ログイン後、コピーなど複合機の固有機能のメニューなどの中から外部アプリケーションに関するメニューを選択する必要が生じる。
【0008】
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、認証サーバと連携したユーザ認証処理及び外部のアプリケーションサーバに格納されたアプリケーションと連携した処理(外部アプリケーションの機能を実現するための処理)を行うことが可能な複合機であって、ユーザが複合機単体機能の画面と外部アプリケーションの機能の画面とをログイン毎に切り替える必要なく、容易にログイン後直ぐ前回使用した機能の画面にアクセスすることが可能な複合機を提供すること、その認証サーバを提供すること、並びにその複合機と認証サーバとアプリケーションサーバとを備えたシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、認証サーバ及びアプリケーションサーバに接続され、該認証サーバを介してユーザ認証処理を行うことが可能で、且つ前記アプリケーションサーバに格納されたアプリケーションプログラムと連携した処理が可能な複合機であって、ログイン情報を前記認証サーバに送信して前記認証サーバで前記ユーザ認証処理がなされた後、ログアウト直後までの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を前記認証サーバに送信する機能情報送信部と、前回のログイン時に送信した前記利用機能情報に基づいて前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記認証サーバから受信する最終情報受信部と、該最終情報受信部で受信した前記最終利用機能情報に応じた画面を、ログイン後の初期画面として表示させる表示制御部と、を備えることを特徴としたものである。
【0010】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記最終情報受信部は、前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記アプリケーションプログラムの機能を示す場合、前記最終利用機能の表示画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、前記表示制御部が、前記指示に基づいて前記最終利用機能の表示画面のデータを前記アプリケーションサーバから取得して、該表示画面をログイン後の初期画面として表示させ、前記最終情報受信部は、前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記複合機が単体で実行する機能を示す場合、前記最終利用機能の表示画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、前記表示制御部が、前記指示に基づいて前記最終利用機能の表示画面を、ログイン後の初期画面として表示させることを特徴としたものである。
【0011】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記機能情報送信部は、前記利用機能情報として、ユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を前記認証サーバに送信することを特徴としたものである。
【0012】
第4の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記機器情報送信部は、前記利用機能情報と共に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、前記認証サーバに送信し、前記最終情報受信部は、前記最終利用機能情報の一部として前記設定値を受信し、前記複合機は、前記表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、前記最終情報受信部で受信した前記設定値を反映する設定値反映部をさらに備えたことを特徴としたものである。
【0013】
第5の技術手段は、第1〜第3のいずれかの技術手段において、前記機器情報送信部で前記利用機能情報を送信する際に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、記憶する設定値記憶部と、前記表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、前記設定値記憶部で記憶された前記設定値を反映する設定値反映部と、をさらに備えたことを特徴としたものである。
【0014】
第6の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、前記機能情報送信部は、前記利用機能情報と共に、前記複合機を識別するための識別情報を前記認証サーバに送信し、前記最終情報受信部は、前回のログイン時に送信した前記利用機能情報に基づいて前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報であって前記複合機自身の前記識別情報に関連付けられた最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記認証サーバから受信することを特徴としたものである。
【0015】
第7の技術手段は、第1〜第5のいずれかの技術手段において、前記機能情報送信部は、ユーザ操作により選択された利用機能が前記アプリケーションプログラムの機能を指す場合で、且つ前記アプリケーションプログラムと共に前記複合機が単体で実行する機能を使用する必要があった場合、前記アプリケーションプログラムと共に使用する必要がある機能を示す必要機能情報を、前記利用機能情報と共に送信し、前記最終情報受信部は、前回のログイン時に前記複合機又は他の複合機から送信された前記利用機能情報及び前記必要機能情報に基づいて前記認証サーバで前記必要機能情報と関連付けて更新済みの最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後で、前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもつ機能であると前記認証サーバが判定した場合に、前記認証サーバから受信し、一方で前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもたない機能であると前記認証サーバが判定した場合に、前記更新済みの最終利用機能情報の代わりに前記複合機のデフォルト画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、前記表示制御部は、前記最終情報受信部で受信した前記最終利用機能情報に応じた画面又は前記最終情報受信部で受信した指示に従った前記デフォルト画面を、ログイン後の初期画面として表示させることを特徴としたものである。
【0016】
第8の技術手段は、複合機に接続され、該複合機でのユーザ認証処理を行う認証サーバであって、前記複合機は、アプリケーションサーバに接続され該アプリケーションサーバに格納されたアプリケーションプログラムと連携した処理が可能となっており、前記認証サーバは、前記複合機から受信したログイン情報に基づき、前記ユーザ認証処理を実行した後、ログアウト直後までの間に、前記複合機においてユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を前記複合機から受信する機能情報受信部と、該機能情報受信部で受信した利用機能情報に基づき、前記ログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新する更新部と、ログイン後の初期画面の表示のために、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記複合機に送信する最終情報送信部と、を備えることを特徴としたものである。
【0017】
第9の技術手段は、第8の技術手段において、前記最終情報送信部は、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報として、前記最終利用機能の表示画面をログイン後の初期画面として表示する指示を、前記複合機に送信することを特徴としたものである。
【0018】
第10の技術手段は、第8又は第9の技術手段において、前記機能情報受信部は、前記利用機能情報として、前記複合機でユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を受信し、前記更新部は、前記ジョブの実行結果から前記最終利用機能情報を特定して、更新を行うことを特徴としたものである。
【0019】
第11の技術手段は、第8〜第10のいずれかの技術手段において、前記最終情報送信部は、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記最終利用機能情報の送信時に前記ログイン情報が示すユーザにとって前記複合機で利用不可に設定されている利用機能であったとき、他の最終利用機能を示す最終利用機能情報を送信することを特徴としたものである。
【0020】
第12の技術手段は、第8〜第11のいずれかの技術手段において、前記機器情報受信部は、前記利用機能情報と共に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、前記複合機から受信し、前記更新部は、前記機器情報受信部で受信した利用機能情報及び設定値に基づき、前記ログイン情報に対応する、前記設定値も含めた最終利用機能情報を更新し、前記最終情報送信部は、前記設定値も含めた前記最終利用機能情報を前記複合機に送信することを特徴としたものである。
【0021】
第13の技術手段は、第8〜第12のいずれかの技術手段において、前記機器情報受信部は、前記利用機能情報と共に、前記複合機を識別するための識別情報を前記複合機から受信し、前記更新部は、前記機能情報受信部で受信した前記利用機能情報及び前記識別情報に基づき、前記ログイン情報及び前記識別情報に対応する最終利用機能情報を更新し、前記最終情報送信部は、前記ユーザ認証処理がなされた後に、前記ユーザ認証処理がなされた複合機の識別情報に対応する前記最終利用機能情報を、該複合機に送信することを特徴としたものである。
【0022】
第14の技術手段は、第8〜第12のいずれかの技術手段において、前記機能情報受信部は、前記複合機においてユーザ操作により選択された利用機能が前記アプリケーションプログラムの機能を指す場合で、且つ前記アプリケーションプログラムと共に前記複合機が単体で実行する機能を使用する必要があった場合、前記アプリケーションプログラムと共に使用する必要がある機能を示す必要機能情報を、前記利用機能情報と共に前記複合機から受信し、前記更新部は、前記機能情報受信部で受信した前記利用機能情報に基づき、前記ログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新すると共に、前記最終利用機能情報に前記機能情報受信部で受信した前記必要機能情報に関連付け、前記最終情報送信部は、ログイン後の初期画面の表示のために、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後で、且つ前記最終利用機能情報に関連付けられた前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもつ機能であると判定した場合に、前記複合機に送信し、一方で前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもたない機能であると判定した場合に、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報の代わりに前記複合機のデフォルト画面を表示する指示を、前記複合機に送信することを特徴としたものである。
【0023】
第15の技術手段は、第1の技術手段における複合機と、第8の技術手段における認証サーバと、前記複合機及び該認証サーバに接続され、前記アプリケーションプログラムを格納したアプリケーションサーバと、を備えたシステムである。
【0024】
第16の技術手段は、認証サーバと、アプリケーションプログラムを格納したアプリケーションサーバと、前記認証サーバを介してユーザ認証処理が可能で且つ前記アプリケーションプログラムと連携した処理が可能な、表示部を有する複合機と、を備えたシステムであって、前記複合機からログイン情報を前記認証サーバに送信して前記認証サーバで前記ユーザ認証処理がなされた後、ログアウトまでの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を最終利用機能情報として保存し、次回のログイン後の初期画面として、前記最終利用機能情報に応じた画面を前記表示部に表示させることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、認証サーバと連携したユーザ認証処理及び外部のアプリケーションサーバに格納されたアプリケーションと連携した処理が可能な複合機において、ユーザが複合機単体機能の画面と外部アプリケーション機能の画面とをログイン毎に切り替える必要なく、容易にログイン後直ぐ前回使用した機能の画面にアクセスすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機を含むシステムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにおける初期画面表示処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図3】図2の初期画面表示処理で複合機において表示されるログイン画面の一例を示す図である。
【図4】図2の初期画面表示処理において複合機起動後になされるログイン画面表示処理のシーケンスを示す図である。
【図5】図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理するユーザ管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する複合機の機能有効/無効管理テーブルの一例を示す図である。
【図7】図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する最終利用機能管理テーブルの一例を示す図である。
【図8】図2の初期画面表示処理により複合機にログイン後の初期画面として表示されるコピー画面の一例を示す図である。
【図9】図2の初期画面表示処理により複合機にログイン後の初期画面として表示されるスキャン画面の一例を示す図である。
【図10】図2の初期画面表示処理により複合機にログイン後の初期画面として表示されるファックス画面の一例を示す図である。
【図11】図2の初期画面表示処理により複合機にログイン後の初期画面として表示される文書管理アプリ画面の一例を示す図である。
【図12】図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第1の例を示す図である。
【図13】図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第2の例を示す図である。
【図14】図13のシーケンスにおいて利用されるジョブ機能と最終利用機能との対応テーブルの一例を示す図である。
【図15】図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第3の例を示す図である。
【図16】図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する最終利用機能管理テーブルの他の例を示す図である。
【図17】本発明に係る複合機を含むシステムの他の概略構成例を示す図である。
【図18】本発明に係る複合機を含むシステムの他の概略構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機を含むシステムの概略構成例を示すブロック図である。図1に示すシステムは、複合機1、認証サーバ2、及びアプリケーションサーバ(外部アプリケーションサーバ)3を備える。
【0028】
アプリケーションサーバ3は、認証サーバ2と物理的に同じ装置として構成してもよい。また、アプリケーションサーバ3、認証サーバ2は、いずれもPC上にサーバプログラムを組み込んで構成してもよい。なお、本明細書中において単に「アプリケーション」と呼んでいるのは、アプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)を指す。
【0029】
複合機1は、デジタル複合機又はアナログ複合機であり、機器制御部10、操作部11、画像読み取り部12、画像形成部13、及び通信部14を備える。機器制御部10は、複合機1が備える各部を制御する。操作部11は、入力部11aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部11bとを有する。入力部11aは、各種入力キー群と、表示部11bに設けられたユーザ入力を受け付けるタッチパネルとを有する。
【0030】
画像読み取り部12は、原稿台又は自動原稿送り装置に載置された原稿を読み取って画像データを入力する。画像形成部13は、画像読み取り部12から入力された画像データ又は通信部14を介して外部PCから入力された画像データに対し、印刷処理を行う。このシステムは印刷が実行可能であることから「印刷システム」であると言える。通信部14は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等のネットワークを介して、情報処理装置と通信する。通信対象の情報処理装置として、認証サーバ2とアプリケーションサーバ3とがシステムに組み込まれている。
【0031】
認証サーバ2は、通信部20及びアプリケーションソフト記憶部21を備えたサーバコンピュータである。通信部20は、有線LANや無線LAN等のネットワークを介して複合機1と通信する。アプリケーションソフト記憶部21は、複合機1を制御するための認証アプリケーション22を記憶する。
【0032】
認証アプリケーション22は、複合機管理部23、複合機制御部24、及び認証部25をアプリケーションとして備え、データとして、ユーザ情報管理データベース(DB)26を備える。複合機管理部23は、ユーザ情報と複合機1との関連付けを行う。複合機制御部24は、複合機1の各要素機能の有効/無効を管理する。各要素機能については後述する。認証部25は、ユーザ認証を行う。ユーザ情報管理DB26は、ユーザ情報が管理されたデータベースである。
【0033】
複合機1の機器制御部10は、認証サーバ2に格納された認証アプリケーション22との間で、通信部14及び通信部20を経由して、入力部11aで入力されたユーザ操作の情報(以下、操作パネル情報とも呼ぶ)を認証サーバ2側に送信すると共に、通信相手の機器をコントロールするための情報やそれに応答する情報であるデバイスコントロール情報をやり取りしながら、認証アプリケーション22の機能を呼び出してその認証処理結果を得る。これにより、複合機1は、認証アプリケーション22と連携した処理(認証アプリケーションの機能を実現するための処理、すなわち認証処理)を行うことが可能になる。
【0034】
アプリケーションサーバ3は、通信部30及びアプリケーションソフト記憶部31を備えたサーバコンピュータである。通信部30は、有線LANや無線LAN等のネットワークを介して複合機1と通信する。アプリケーションソフト記憶部31は、複合機1を制御するためのアプリケーション32を記憶する。
【0035】
複合機1の機器制御部10は、アプリケーションサーバ3に格納されたアプリケーション32との間で、通信部14及び通信部30を経由して、操作パネル情報をアプリケーションサーバ3側に送信すると共に、デバイスコントロール情報をやり取りしながら、アプリケーション32の機能(外部アプリケーション機能という)を呼び出してその処理結果を得る。これにより、複合機1は、アプリケーション32と連携した処理(外部アプリケーション機能を実現するための処理)を行うことが可能になる。1つの外部アプリケーション機能は、アプリケーションサーバ3に格納された1つのアプリケーションに対応しており、格納されたアプリケーション毎に複合機1に実装させることができる。
【0036】
上述した操作パネル情報やデバイスコントロール情報は、受信側で送信元が認識できるように、送信側の機器の機器情報を含んで送信される。機器情報とは、機器に固有の情報であり、他の機器と識別可能にするための識別情報を指す。複合機1について例示すると、機器情報とは、複合機1を他の機器(他の複合機や認証サーバ2等)と識別可能にするための識別情報であって、例えば、複合機1に固有の機器番号(シリアル番号)やMAC(Media Access Control)アドレスなどが挙げられる。
【0037】
ここで、複合機1とアプリケーション32との情報のやり取りは、標準のネットワーク技術をベースに行うことが、アプリケーション32と複合機1の機器制御部10(機器制御部10内のファームウェア)との連携部分の開発に多くの一般的なツールやスキルが利用でき、実装が容易であるという点で好ましい。なお、上述した認証アプリケーション22と複合機1との間の情報のやり取りについても、同様である。
【0038】
次に、本発明の主たる特徴である初期画面(ログイン後の初期画面)表示処理を、上述した構成のシステムに適用した場合を挙げて説明する。
【0039】
図2は、図1のシステムにおける初期画面表示処理の一例を説明するためのフロー図である。また、図3は、図2の初期画面表示処理で複合機において表示されるログイン画面の一例を示す図、図4は、図2の初期画面表示処理において複合機起動後になされるログイン画面表示処理のシーケンスを示す図である。
【0040】
複合機1と認証サーバ2とが連携して行うユーザ認証処理は、まず認証機能を有効にすることから始まる(ステップS1)。ステップS1では、複合機の管理者が操作部11からユーザ認証機能を有効にする操作を行うと、その情報が機器制御部10に伝えられ、ユーザ認証機能を有効に設定する。
【0041】
ユーザ認証機能が有効となると、複合機1の機器制御部10は、認証サーバ2から取得した認証画面(ログイン画面)を表示部11bに表示させる(ステップS2)。これにより、例えば、図3のログイン画面40が表示される。ログイン画面40には、ログイン名とパスワードとが入力可能になっている。また、ログイン画面40には、IC(Integrated Circuit)カードなどによりユーザ認証を行う場合に、ICカードをカードリーダに差し込むことを促す文章も表示している。
【0042】
ステップS2のログイン画面40の表示処理の詳細について、図4を参照しながら説明する。ログイン画面40は、上述のように認証サーバ2から取得されるが、取得に際しては、まず認証サーバ2が複合機1を認証対象とする必要がある。
【0043】
そのため、ステップS1においてユーザ認証機能が有効となると、複合機1の機器制御部10は、複合機1の機器情報とユーザ認証機能が有効になったことを示す情報とを含む起動通知を、認証サーバ2に送信する(ステップS11)。なお、ここでの送信処理を含め、複合機1から認証サーバ2への送信処理は、機器制御部10が通信部14に指示して、通信部14が認証サーバ2に送信することでなされ、認証サーバ2の通信部20によってそれが受信される。また、ステップS11及び後述のステップS13〜S15で送信される情報は、上述したデバイスコントロール情報に相当する。
【0044】
ステップS11の処理と同様の処理は、ユーザ認証機能が有効から無効になった時にも施され、複合機1の機器情報とユーザ認証機能が無効になったことを示す情報とを含む起動通知が、認証サーバ2に送信される。また、ステップS11の処理は、複合機1が起動した時にも、ユーザ認証機能が既に有効となっていることを条件に施され、複合機1の機器情報を含む起動通知が認証サーバ2に送信される。
【0045】
認証サーバ2で動作する認証アプリケーション22は、通信部20からステップS11での起動通知を受信すると、複合機管理部23が、機器情報をキーとして複合機情報を内部メモリ(認証サーバ2の内部メモリ)から取得する(ステップS12)。ここで、複合機情報とは、複合機の機器情報と、その機器情報が示す複合機の電源がオンであるかオフであるかを示す情報と、その機器情報が示す複合機を認証対象(ユーザ認証処理を行う対象)とするか否かを示す情報とを含む。
【0046】
そして、複合機管理部23は、取得した複合機情報から、複合機情報で管理中の複合機のうち複合機1の電源がオフからオンになったことを検知した場合、ユーザ認証機能が既に有効となっていることを条件として、その複合機1を認証対象とするように複合機情報を書き換える。一方、複合機管理部23は、取得した複合機情報から、複合機1のユーザ認証機能が無効から有効になったことを検知した場合、(I)その複合機1を認証対象として複合機情報を書き換える(無効から有効に書き換える)か、若しくは(II)認証対象として新たに加えて機器情報から複合機情報を作成する。このような処理により、複合機管理部23は認証対象として複合機1を追加することができる。
【0047】
なお、複合機管理部23は、別の複合機の電源オンを検知したときには、それまでオンとして認証対象としていた複合機(この例では複合機1)を認証対象から外すように、複合機情報を書き換えてもよいが、複数の複合機に対応させるために同時に複数の複合機を認証対象のままにしておくことが好ましい。また、ユーザ認証機能が無効になったことを示す情報とを含む起動通知を受信した場合には、その複合機1を認証対象から外すように、複合機情報を書き換える(有効から無効に書き換える)か、その複合機1の複合機情報自体を削除すればよい。
【0048】
ステップS12に続いて、認証アプリケーション22は、起動通知に対する応答(例えばユーザ認証機能がオンで且つ起動が確認できたことを示す情報)を通信部20を介して返信する(ステップS13)。ここでの送信処理を含め、認証サーバ2から複合機1への送信処理は、認証アプリケーション23が通信部20に指示して、通信部20が複合機1に送信することでなされ、複合機1の通信部14によってそれが受信される。
【0049】
ステップS13での返信を受けた複合機1の機器制御部10は、ログイン画面の取得を通信部14を介して要求する(ステップS14)。認証アプリケーション22は、通信部20を介して、その要求を受けてログイン画面40を認証サーバ2の内部メモリから読み出して複合機1に返信する(ステップS15)。その後、複合機1の機器制御部10は、受信したログイン画面40を表示部11bに操作画面として表示させる。これにより図2のステップS2の処理が終了する。
【0050】
ステップS2の処理後、ユーザはユーザ名及びパスワード(又はICカード内の情報)でなるログイン情報を入力部11a(又はICカードリーダ)で入力し、それを受けた機器制御部10が、認証サーバ2に対してユーザ認証処理を要求し、その要求を受けた認証サーバ2の認証アプリケーション22が、認証が成功したか否かを判定する(ステップS3)。
【0051】
ステップS3のユーザ認証処理の詳細について、図5を併せて参照しながら説明する。図5は、図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理するユーザ管理テーブルの一例を示す図である。図5のユーザ管理テーブル50は、ユーザ情報管理DB26に含まれ、各ユーザ認証情報として、ユーザID毎にログイン名及びパスワードが関連付けられて格納されている。
【0052】
ユーザが入力したログイン情報は、複合機1から認証サーバ2に送信される。このログイン情報は、上述した操作パネル情報として送信される。そして、認証部25が、受信したログイン情報とユーザ管理テーブル50とを照合し、ユーザ管理テーブル50の中で、受信したログイン情報に合致するユーザ認証情報があるか否かで認証を行う。
【0053】
認証に失敗した場合(ステップS3でNOの場合)には、認証エラーとして複合機1側に応答して、複合機1の機器制御部10は、その応答で同時に送信されたログイン画面(又は認証が成功するまで複合機1内で保持しておいたログイン画面)を表示部11bに表示させ、再入力をユーザに促す。そして、認証が成功した場合のみ、次に説明するステップS4へ進む。このようにして複合機1は、認証サーバ2と連携してユーザ認証を行うことができる。
【0054】
認証が成功した場合(ステップS3でYESの場合)、複合機制御部24は、ログイン画面をクリアすると共に複合機における各機能を有効又は無効にする制御コマンドを、複合機1に送信する。この制御コマンドを受信した複合機1は、ログイン画面をクリアすると共に、複合機1における機能を有効又は無効にする(ステップS4)。
【0055】
ステップS4の処理における有効化/無効化処理の詳細について、図6を併せて参照しながら説明する。図6は、図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する機能有効/無効管理テーブルの一例を示す図である。
【0056】
図6の機能有効/無効管理テーブル51は、ユーザ情報管理DB26に含まれ、ユーザID毎に、複合機の各機能(要素機能)についての有効/無効を示す情報が関連付けられて格納されている。なお、有効/無効を示す情報(有効/無効情報という)は、その機能に対するユーザ制限を示す情報であり、権限情報であるともいえる。
【0057】
複合機制御部24は、機能有効/無効管理テーブル51に記述された各要素機能毎の有効/無効情報を、複合機1側からの変更要求に応じて書き換えるなどして管理する。なお、管理者ユーザのログイン情報が複合機1から送信されてきている場合にのみ、この変更要求を可能、つまり更新可能としておけばよい。さらに、複合機制御部24は、管理された有効/無効情報に基づき複合機1側での各要素機能を制限する制御を行う。
【0058】
機能有効/無効管理テーブル51では、要素機能として、コピー機能、スキャン機能、ファックス機能、プリント機能、文書管理アプリ機能といった大きな分類(ここでは動作モードでの分類)で管理を行っているが、例えばスキャンの場合であれば、スキャンしてE−mailで送信する機能、スキャンしてFTP(File Transfer Protocol)送信する機能、といった細かい分類でも構わない。また、カラー情報(モノクロ/フルカラー)といった分類による有効/無効情報の管理など、細部の設定毎に有効/無効情報を管理してもよい。
【0059】
文書管理アプリ機能とはアプリケーションサーバ3にアプリケーション32の1つとして格納された文書管理アプリケーションと連携した機能を指す。このように、ここでは、外部アプリケーション機能も管理の対象としている。この例でのように、複合機単体機能毎にのみではなく、外部アプリケーション機能についても有効/無効情報を管理することが好ましい。アプリケーションサーバ3に複合機1との連携により実行可能に格納されたアプリケーション32毎、つまり外部アプリケーション機能毎に、有効/無効情報を管理すればよい。また、例えばアプリケーション32毎やより細かな分類としてアプリケーション32における設定毎に、有効/無効情報を管理してもよい。さらに、プリント機能など、外部アプリケーション機能においても併用して使用できる機能については、その組み合わせ毎に有効/無効情報を管理してもよい。例えば、複合機単体機能を使用してプリントする機能の有効/無効情報と、外部アプリケーション機能を使用してプリントする機能の有効/無効情報とで管理してもよい。無論、複合機単体機能毎にのみ有効/無効情報を管理するようにしてもよい。
【0060】
複合機制御部24は、認証が成功した場合(ステップS3でYESの場合)に、まずログイン情報に基づいて機能有効/無効管理テーブル51を参照し、ログイン情報が示すユーザに対して、その複合機1についての各機能が有効であるか無効であるかを、有効/無効情報を読み出すことで判定する。より具体的には、ログインされたユーザIDをキーとして、機能有効/無効管理テーブル51から合致するユーザIDに対応する有効/無効情報を抽出し、抽出した有効/無効情報からそのユーザに対して定められた機能毎の有効/無効を判定する。
【0061】
そして、複合機制御部24は、そのユーザに対する有効である複合機1の機能については有効化し無効である複合機1の機能については無効化するような制御コマンドを生成し、複合機1に送信する。この制御コマンドを受信した複合機1の機器制御部10は、複合機1における各機能について有効化又は無効化する。
【0062】
このようにして、認証サーバ2は、ユーザ毎に、複合機単体機能(例えばコピー機能、スキャン機能、ファックス機能、プリント機能等)の利用可否と外部アプリケーション機能の利用可否とを、複合機1に対して制御することができる。
【0063】
ステップS4の処理におけるログイン画面のクリア処理については、上記制御コマンドにクリアのためのコマンドを含んでおき、その制御コマンドを受信した複合機1がそれに従ってログイン画面をクリアすればよい。
【0064】
本発明では、このようにしてクリアするログイン画面の代わりに、次のような初期画面(ログイン後の初期画面)を表示部11bで表示させる制御を行う。この制御の例について、図7〜図12を併せて参照しながら説明する。
【0065】
ログイン後の初期画面を表示するために、まず、認証サーバ2の複合機制御部24は、ユーザ情報管理DB26から後述する最終利用機能情報を取得する(ステップS5)。
【0066】
この最終利用機能情報について、図7を併せて参照しながら説明する。図7は、図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する最終利用機能管理テーブルの一例を示す図である。図7の最終利用機能管理テーブル52には、ユーザID毎に最終利用機能の情報が関連付けられて格納されている。最終利用機能情報は、そのユーザが前回のログイン時に最後に利用した(最も最近利用した)要素機能を示す情報であり、そのユーザが利用した要素機能、すなわち利用機能を適時更新していくことで得られる。この更新の例については図12を参照しながら後述する。
【0067】
ステップS5において、複合機制御部24は、ユーザ情報管理DB26の最終利用機能管理テーブル52から、ステップS3で認証が成功したユーザのログイン情報(この例ではユーザIDで関連付けられている)をキーとしてそのユーザの最終利用機能情報を取得する。
【0068】
複合機制御部24は、そのユーザの最終利用機能情報が取得できたか否かを判定する(ステップS6)。取得できた場合(ステップS6でYESの場合)、複合機制御部24は、最終利用機能情報が示す機能の画面(最終利用画面と呼ぶ)を表示するように複合機1に指示し、この指示に従って機器制御部10が最終利用画面をログイン後の初期画面として表示部11bに表示させる(ステップS7)。最終利用機能情報が示す機能の画面としては、その機能の初期画面を採用しておけばよい。
【0069】
このように、認証サーバ2は、ログイン後の初期画面の表示のために、上述した指示のように、後述の更新部で更新済みの最終利用機能情報(初期画面モード設定情報とも言える)を、ユーザ認証処理がなされた後に複合機1に送信する最終情報送信部を備える。最終情報送信部は、複合機制御部24及び通信部20で例示できる。一方、複合機1は、前回のログイン時に送信した利用機能情報に基づいて認証サーバ2で更新済みの最終利用機能情報(初期画面モード設定情報)を、ユーザ認証処理がなされた後に認証サーバ2から受信する最終情報受信部と、受信した最終利用機能情報に応じた画面を、ログイン後の初期画面として表示させる表示制御部とを備える。最終情報受信部は、通信部14及び機器制御部10で例示でき、表示制御部は、表示部11bに対する表示制御を行う機器制御部10で例示できる。
【0070】
ステップS7の処理について具体的に説明する。まず、複合機制御部24は、その最終利用機能情報が示す機能の初期画面(最終利用画面)を選択して(或いはその最終利用機能情報が示す機能を選択した状態で)、その選択した最終利用画面の表示をアクティベートする制御コマンド(或いはその選択した機能の初期画面の表示をアクティベートする制御コマンド)を複合機1に送信する。この制御コマンドは、画面切り替え指示、つまり画面変更指示を行う制御コマンドに該当する。その制御コマンドを受信した複合機1の機器制御部10が、その選択された最終利用画面(或いはその選択された機能の画面、つまり最終利用画面)を内部メモリから読み出すかアプリケーションサーバ3から受信し、ログイン後の初期画面として表示部11bに表示させる。
【0071】
このように、認証サーバ2の最終情報送信部は、最終利用機能の表示画面をログイン後の初期画面として表示する指示を複合機1に送信する。そして、複合機1の最終情報受信部は、最終利用機能の表示画面を表示する指示を、認証サーバ2から受信し、表示制御部が、その指示に基づいて最終利用機能の表示画面を、ログイン後の初期画面として表示部11bに表示させる。
【0072】
複合機1において初期画面として表示させる最終利用画面の取得について説明する。最終利用機能情報が示す機能が複合機単体機能(例えばコピー機能等、複合機が単体で実行する機能)である場合には、上述した制御コマンドに従い、内部メモリから最終利用画面を読み出し、それを表示部11bで表示させればよい。
【0073】
一方で、最終利用機能が示す機能が外部アプリケーション機能(例えば文書管理アプリの機能)である場合、上述した制御コマンドに従って表示させる画面が外部アプリケーションの画面(設定画面)であることを判断し、アプリケーションサーバ3に対して、その最終利用機能が示す機能の画面(最終利用画面)を定義するデータ、例えばHTML(Hypertext Markup Language)データを複合機1に送信するように通知(要求)する。アプリケーションサーバ3は、この通知を受けて、複合機1にこのデータを送信し、複合機1の機器制御部10は、受信したこのデータを表示部11bに表示させる。このように、認証サーバ2で更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能がアプリケーションの機能を示す場合、表示制御部は、認証サーバ2からの指示に基づいてその最終利用機能の表示画面のデータをアプリケーションサーバ3から取得して、その表示画面をログイン後の初期画面として表示させる。
【0074】
上述のような通知の受信により、図8〜図11で例示するような初期画面が表示部11bに表示される。図8、図9、図10、図11は、それぞれ、図2の初期画面表示処理により複合機にログイン後の初期画面として表示されるコピー画面、スキャン画面、ファックス画面、文書管理アプリ画面の一例を示す図である。
【0075】
図8のコピー画面41、図9のスキャン画面42、図10のファックス画面43は、いずれも複合機単体機能の初期画面であり、最終利用機能管理テーブル52の例では、それぞれはユーザIDが「1」、「3」又は「4」、「2」であるときに表示される。図11の文書管理アプリ画面44は、外部アプリケーション機能の表示画面例であり、最終利用機能管理テーブル52の例ではユーザIDが「N」であるときに表示される。なお、文書管理アプリ画面44は、アプリケーションサーバ3に格納されたアプリケーション32のうち「文書管理アプリXXX」というアプリケーションの画面で例示している。
【0076】
これらの例に限らず、最終利用機能情報として、より細かな分類の要素機能(例えばファックス機能におけるアドレス帳選択機能)の情報が最終利用機能管理テーブル52に格納されていた場合には、その細かな分類の要素機能の画面(上述の例ではファックス機能におけるアドレス帳選択画面)が、複合機制御部24で選択され、最終的に表示部11bで表示されることになる。
【0077】
なお、文書管理アプリ画面44は、文書管理アプリXXXにアクセスするためのログイン画面で例示している。ここで例示したように、アプリケーションサーバ3に対するアプリケーション32の使用のためのユーザ認証は、図6の機能有効/無効管理テーブル51で管理して認証サーバ2側で行う必要は必ずしもなく、利用機能として文書管理アプリ機能(文書管理アプリXXXの機能)が最終利用機能管理テーブル52に記述できれば済む。機能有効/無効管理テーブル51で管理している場合には、文書管理アプリ画面44としてログイン画面ではなくいきなり文書管理アプリXXXが利用できるような画面を表示すればよいが、この例でのように再度のユーザ認証を求めてもよい。
【0078】
一方、そのユーザの最終利用機能が取得できなかった場合(ステップS6でNOの場合)、複合機制御部24は、複合機1の標準画面(標準の初期画面)を表示することを選択し、その標準画面の表示をアクティベートする制御コマンド(画面切り替え指示、つまり画面変更指示を行う制御コマンド)を複合機1に送信する(ステップS8)。ステップS8では、さらに、その制御コマンドを受信した複合機1の機器制御部10が、複合機1の標準画面を内部メモリから読み出し、ログイン後の初期画面として表示部11bに表示させる。なお、そのユーザが一度もログインしておらず、初回のログイン時の場合には、ステップS6でNOとなるため、ステップS8の処理が施されて標準画面が表示されることになる。
【0079】
また、ステップS8では複合機1の標準画面を表示させた例を挙げたが、それに限らず管理者ユーザが事前に認証サーバ2に対して設定しておいた画面を表示させてもよい。例えば、本発明の初期画面表示処理の説明を行う画面などを表示させるなどすればよい。その場合、その説明画面上で確認キー(又はOKキー)が選択されたときにはじめて、認証サーバ2へのアクセスを伴って又は伴わずに、複合機1の標準画面を表示させればよい。
【0080】
また、ステップS7又はステップS8において、複合機制御部24は、複合機1に対して画面変更の指示を行うが、この指示は上述したログイン画面のクリアの指示と実質的に同時に行えばよい。勿論、ステップS4において送信する制御コマンドに、ログイン画面をクリアするためのコマンドを含まないようにしておき、その後、ログイン画面から初期画面への変更を行う制御コマンドとして、ステップS7又はステップS8で複合機1に送信するようにしてもよい。
【0081】
ステップS7の処理又はステップS8の処理が終了した場合、ユーザは複合機1を操作部11で操作しながら望む機能の画面を表示してジョブを実行させた後、ログアウト操作を行って、これにより複合機1及び認証サーバ2でログアウト処理がなされる。ログアウト処理は、機器制御部10が、ジョブ終了から又は前の操作から所定時間操作がないことを検知したときや、他のユーザからのログイン要求があったときにも実行される。
【0082】
複合機制御部24は、ログイン後の初期画面表示からログアウト直後までの間に、最終利用機能管理テーブル52における最終利用機能情報の更新処理を実行する(ステップS9)。
【0083】
そのため、複合機1は、ログイン情報を認証サーバ2に送信して認証サーバ2でユーザ認証処理がなされた後、ログアウト直後までの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を認証サーバ2に送信する機能情報送信部を備える。この機能情報送信部は、機器制御部10及び通信部14で例示できる。一方で、認証サーバ2は、複合機1から受信したログイン情報に基づきユーザ認証処理を実行した後、ログアウト直後までの間に、複合機1においてユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を複合機1から受信する機能情報受信部を備える。この機能情報受信部は、通信部20及び複合機制御部24で例示できる。
【0084】
そして、認証サーバ2は、機能情報受信部で受信した利用機能情報に基づき、ログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新する更新部を備える。更新部は、複合機制御部24及びユーザ情報管理DB26の最終利用機能管理テーブル52で例示できる。更新部は、複合機単体で提供する機能を設定するための画面だけでなく、アプリケーションサーバ3が提供する機能を設定する画面に対しても、ログイン情報に基づき、ユーザが利用した画面を示す情報を最終利用機能情報として更新する。
【0085】
ここでなされた更新処理は、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で反映される。つまり、ステップS5で更新された最終利用機能情報が読み出され、ステップS7でそれに対応する最終利用画面が表示される。
【0086】
ステップS9における最終利用機能管理テーブル52の更新処理のうち、要素機能の画面(設定画面)の選択・表示がなされた時に更新を行う処理例について、図12を参照しながら説明する。図12は、図2の初期画面表示処理における、図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第1の例を示す図である。
【0087】
要素機能の画面(設定画面)の選択・表示がなされた時の例として、図8のコピー画面41が選択されて表示されたときの例を挙げる。コピー実行画面のボタンを押し画面を切り替えるなど、コピー画面41が入力部11aで選択されたとき(ステップS21)、機器制御部10は、ユーザが使用した機能を示す情報、つまりそのコピー画面41の機能(要素機能)を示す情報(機能情報と呼ぶ)を、認証サーバ2に送信する(ステップS22)。つまり、コピー画面41が選択されたことを機能情報として認証サーバ2に通知する。この機能情報はデバイスコントロール情報として通知すればよいが、コピー画面41が選択されたことを操作パネル情報として送信し、認証サーバ2側で機能情報であると判定するようにしてもよい。ユーザが使用した機能情報を受信した複合機制御部24は、受信した機能情報から利用機能情報を取得し、ユーザ情報管理DB26の最終利用機能管理テーブル52における現在ログイン中のユーザIDに対応する最終利用機能情報に置き換えることで、更新を行う(ステップS23)。
【0088】
なお、機器制御部10が送信する機能情報を、そのまま複合機制御部24にて利用機能情報として使用できるようにしておいてもよい。また、他の複合機からログイン中のユーザの存在も想定できることから、機能情報には、ユーザID及び/又は複合機1の機器情報を含むことが好ましい。
【0089】
また、コピー画面41が選択されたときを例示したが、無論、他の画面がステップS21で選択・表示されたときにも、その画面の機能情報をステップS22で通知する。なお、初期画面として表示された画面のままログアウトされたとき、例えば初期画面としてコピー画面41を表示したときには、既に最終利用機能がコピー機能となっているため、ステップS22の通知は行わなくてよい。他の画面(特にスキャナ機能などの同分類の他の機能の画面)が選択された後、コピー画面が再度選択された場合には既に最終利用機能情報がその他の画面での機能を示す情報に更新されているため、通知を行って再更新を行う。
【0090】
このようにしてなされた更新処理は、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で反映される。図2に従って初期画面表示処理について説明したように、認証サーバ2は、ユーザ毎に、ログアウト時に利用していた機能によってログイン後の初期画面をユーザ毎にカスタマイズして、複合機単体機能の設定画面表示であっても、外部アプリケーションの設定画面表示であっても、ログイン画面から切り替えて表示することができる。
【0091】
従って、ユーザは複合機単体機能、外部アプリケーション機能の切り替えが不要で、ログイン後、容易に前回のログイン時の設定画面にアクセスできる。このように、本発明によれば、認証サーバ2と連携したユーザ認証処理及び外部のアプリケーションサーバ3に格納されたアプリケーション32と連携した処理が可能な複合機1において、一括してログアウト時の設定画面が次回ログイン時の初期画面となるよう初期画面を設定するため、ユーザが複合機単体機能の画面と外部アプリケーション機能の画面とをログイン毎に切り替える必要なく、容易にログイン後直ぐ前回使用した機能の画面にアクセスすることが可能になる。例えば、複合機にログインしたら、直ぐに外部アプリケーションの操作が可能な画面に移行することができるため、操作性を向上させることができる。
【0092】
次に、図12のシーケンス例の代わりに適用可能な最終利用機能管理テーブルの更新処理の例について、図13及び図14を併せて参照しながら説明する。図13は、図2の初期画面表示処理における、図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第2の例を示す図で、図14は、図13のシーケンスにおいて利用されるジョブ機能と最終利用機能との対応テーブルの一例を示す図である。
【0093】
本例では、実際にユーザが複合機1の機能を利用してジョブが実行されると、機器制御部10は、ジョブの実行を検知して(ステップS31)、実行されたジョブの詳細情報をジョブ結果通知として認証サーバ2に通知する(ステップS32)。つまり、上述の機能情報送信部は、利用機能情報として、ユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を認証サーバ2に送信する。この利用機能情報はデバイスコントロール情報として送信される。
【0094】
ジョブの詳細情報とは、主として次のような情報を指す。つまり、実行ユーザ情報、複合機(MFP)の機種名、MFPのシリアル番号、MFPの設置場所、MFPのMACアドレス、MFPのネットワークアドレス、実行ジョブの識別ID、ジョブの種類(コピー、印刷、ScanToEmail、ScanToFTPなど)、開始時間/終了時間、原稿サイズ、両面設定、カラー設定、ステープル情報、パンチ情報、ファイル形式、圧縮形式、解像度、合計枚数(送信枚数や印刷枚数)などが、ジョブの詳細情報に該当する。
【0095】
このように、ジョブ結果通知には、実行された機能の情報も含まれるため、認証サーバ2の複合機制御部24は、通知された情報を元に、ユーザ情報管理DB26の最終利用機能管理テーブル52を更新する(ステップS33)。つまり、認証サーバ2の上述した機能情報受信部は、利用機能情報として、複合機1でユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を受信し、更新部は、ジョブの実行結果から最終利用機能情報を特定して、更新を行う。
【0096】
このような特定・更新のために、図14で例示する対応テーブル53をユーザ情報管理DB26に格納しておくとよい。この対応テーブル53は、ジョブ結果通知に含まれる実行された機能情報と最終利用機能との対応表である。例えば、実行されたジョブの種類がコピーの場合は、最終利用機能がコピー機能であるとして取り扱う。また実行されたジョブ種別がScanToEmail送信やScanToFTP送信の場合、それらの送信はスキャン画面から実行できる機能であるため、最終利用機能をスキャンと設定するといった対応を行う。ファックス機能や文書管理アプリXXXの機能についても同様である。
【0097】
このようにして、認証サーバ2は、ジョブ実行結果から、その機能が含まれる画面を特定する。例えば、ユーザの操作によってコピー処理が実行された場合には、そのユーザのユーザIDとジョブ結果通知に基づき、そのユーザIDに関連付けられた最終利用機能情報を「コピー機能」に更新する。これにより、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で、図8のコピー画面41が表示されることになる。また、実行されたジョブがScanToEmail送信やScanToFTP送信の場合、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で、図9のスキャン画面42が表示されることになる。また、実行されたジョブがファックス送信の場合、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で、図10のファックス画面43が表示されることになる。また、実行されたジョブが文書管理アプリXXXの機能であった場合、同ユーザの次回のログイン時の初期画面表示処理で、図11の文書管理アプリ画面44が表示されることになる。
【0098】
なお、実行されたジョブがScanToEmail送信やScanToFTP送信の場合に、最終利用機能としてスキャン機能が選択され、結果として次回ログイン後の初期画面が図9のスキャン画面42のようなスキャン送信の代表ページに遷移するよう対応している。しかし、Emai設定ページを初期画面として指定できる場合は、最終利用機能をスキャン(Email設定)機能として対応つけても構わない。つまり、画面設計によりScanToEmail送信画面とScanToFTP送信画面とが別々である場合には、ジョブ種別がScanToEmail送信の場合にはScanToEmail送信機能、ジョブ種別がScanToFTP送信の場合にはScanToFTP送信機能と設定すればよい。
【0099】
そして、ステップS31,S32の処理、つまりジョブ実行に基づくジョブ結果通知を、ジョブの実行完了の度に認証サーバ2に送信するようにしておくことで、最終利用機能管理テーブル52は常に最新の実行ジョブについての利用機能が最終利用機能情報として格納されていることになる。
【0100】
図12の例では、ジョブの実行に関わらず単に画面切り替えを行っただけで最終利用機能管理テーブル52の更新が行われるのに対し、図13では実際に実行されたジョブの情報を持って最終利用機能管理テーブル52を更新するため、より精度の高い画面切り替え制御が実現される。実際、画面操作だけで最終に実行された画面を特定すると、ユーザの誤操作により画面が切り替わってしまった場合に、次回ログイン時に意図しない画面が表示されることが想定されるが、ユーザが実際に実行したジョブの情報を元に最終利用機能情報を更新することで、より精度高くユーザの利用情報を確認できる。また、ユーザが利用したジョブ履歴を解析し、最も利用頻度の高い機能を最終利用機能として最終利用機能情報とし、ログイン後の初期画面となるようにするといった応用も可能となる。
【0101】
次に、図12や図13のシーケンス例の代わりに適用可能な最終利用機能管理テーブルの更新処理の例について、図15を併せて参照しながら説明する。図15は、図2の初期画面表示処理における、図7の最終利用機能管理テーブルを更新するシーケンスの第3の例を示す図である。
【0102】
本例では、機器制御部10が、ログアウト処理が開始(又は完了)されたことを検知して(ステップS41)、ログアウト前に最後に利用された利用機能の情報(最終利用機能情報)を認証サーバ2に通知する(ステップS42)。この最終利用機能情報はデバイスコントロール情報として通知される。上述の通り、機器制御部10は、ユーザが操作部11でログアウト操作を行ったことを検知して、若しくはジョブ終了から又は前の操作から所定時間操作がないことを検知して、若しくは他のユーザからのログイン要求があったことを検知して、複合機1及び認証サーバ2でログアウト処理がなされる。
【0103】
そして、通知された最終利用機能情報を元に、認証サーバ2の複合機制御部24は、ユーザ情報管理DB26の最終利用機能管理テーブル52を更新する(ステップS33)。この更新により、例えばログアウト前の画面がコピー画面41、スキャン画面42、ファックス画面43、文書管理アプリ画面44であれば、それぞれコピー機能、スキャン機能、ファックス送信機能、文書管理アプリXXXの機能が最終利用機能情報として、認証サーバ2へ送信され、次回のログイン時、ログイン後の初期画面としてこれらの機能の画面が表示される。
【0104】
このように、複合機1からログアウトしたタイミングで、複合機1の機器制御部10が認証サーバ2に対して、最終実行機能情報を含むログアウト通知を行い、ログアウト通知を持って、図12や図13での通知を代用することも可能である。
【0105】
次に、図7の最終利用機能管理テーブル52の代わりに利用できるテーブルの例を、図16を参照して説明する。図16は、図1のシステムにおける認証サーバのユーザ情報管理DBで管理する最終利用機能管理テーブルの一例を示す図である。
【0106】
図16の最終利用機能管理テーブル54は、各要素機能の利用回数をユーザID毎に格納すると共に、次回のログイン時の初期画面として表示させる最終利用画面(最終利用機能の画面)に関する表示優先度をユーザID毎に格納している。
【0107】
最終利用機能管理テーブル54では、ユーザID「2」に対して、各要素機能別利用回数が利用毎に更新されて格納されており、利用回数ベースで第1優先画面、第2優先画面を決定して格納しておき、これにより次回のログイン時の初期画面を指定することができる。この例では、ユーザID「2」について第1優先画面がコピー画面、第2優先画面がファックス画面として格納しておく。
【0108】
より具体的に説明すると、利用回数の取得は、図12、図13、図15のいずれの利用機能の取得方法を採用してもよい。また、利用回数のみをベースとした場合、第1優先画面はスキャン画面、第1優先画面はコピー画面となるはずであるが、図6の機能の有効/無効管理テーブル51を参照して、ユーザID「2」のスキャン機能の権限が無効となっていることを検知し、初期画面として指定してもユーザは利用することができないことから、そのまま第1優先画面としたとしても別の機能を選択する画面に切り替えなければならない。従って、最終利用機能管理テーブル54では、スキャン画面を第1優先画面から削除し、次点であるコピー画面を第1優先画面としている。
【0109】
また、ここで、最終利用機能管理テーブル54では、スキャン機能の利用回数が12回となり、ユーザIDが「2」のユーザがスキャン機能を利用している例を挙げているが、これは、スキャン機能を12回利用した後に、機能有効/無効管理テーブル51におけるユーザID「2」に対するスキャン機能が「有効」から「無効」へ管理者ユーザによって変更されたときに、このような結果が生じる。
【0110】
また、第2優先画面を設ける理由は、第1優先画面が他の要因(例えば利用枚数の超過など)によりそのユーザにとって利用不可となる場合も想定したものであり、これにより利便性を損なうことがない。
【0111】
このように、認証サーバ2の最終情報送信部は、更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が、最終利用機能情報の送信時にログイン情報が示すユーザにとって複合機1で利用不可に設定されている利用機能であったとき、他の最終利用機能を示す最終利用機能情報を送信する。少なくとも、最終利用機能情報の送信時には利用不可の利用機能か否かを判定すればよいため、最終利用機能管理テーブル54のように、更新時に第1優先画面、第2優先画面として、既に利用不可の利用機能を省いた画面を登録しておいてもよい。
【0112】
また、利用不可に設定されている利用機能に関してまとめて説明すると、管理者ユーザによって直接無効に変更された場合に利用不可と判定され、その他に、利用枚数制限到達により利用が禁止となった場合にも利用不可と判定される。また、上記他の最終利用機能として、その次に利用頻度が高い利用機能を例示したが、単に、初期画面となりうる特定画面に関する機能であってもよい。より具体的には、予め定めた特定機能(例えばコピー機能)としておき、その予め定めた機能が利用不可の場合には次の優先順位として予め定めた特定機能(例えばスキャン機能)とすればよい。
【0113】
また、上述した様々な例において、前回ログイン中に複合機単体機能が選択されたか外部アプリケーション機能が選択されたかの二択だけで、最終利用機能の情報を記述しておいてもよく、その場合、複合機1の初期画面か、アプリケーションサーバ3へのログイン画面又はアプリケーション32の選択画面かが、表示部11bに表示されることになる。
【0114】
また、本発明のログイン後初期画面の表示処理について、機能有効/無効管理テーブル51において有効/無効情報が定められる要素機能と、最終利用機能を含む利用機能とが、対応していることを前提に説明した。しかし、図16で説明した機能の無効化と関連した例以外では、これらの機能は異なる分類としてもよい。実際、複合機1に対する要素機能の有効化/無効化と、最終利用機能に基づくログイン後初期画面の選択及び複合機1に対するその指示とは、図16で説明した機能の無効化と関連した例以外では、独立した制御として実行することもできる。
【0115】
上述した様々な例では、複合機1にて実行された機能のみに基づいて次回のログイン時の初期画面を決定したが、そのような初期画面の決定・表示処理に加え、初期画面として表示させる画面の機能に対応するログイン前の設定値を、複合機1に反映させるようにしてもよい。設定値としては、例えばカラーモード、コピー濃度、スキャン解像度、変倍率、外部アプリケーションでの設定事項などの様々な設定値が挙げられる。
【0116】
そのための構成例を説明する。複合機1の機器情報送信部は、利用機能情報と共に、利用機能情報が示す機能についての設定値であってユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値(例えば前回ログオフ時の設定画面で設定されていた設定値)を、認証サーバ2に送信する。
【0117】
認証サーバ2の機器情報受信部は、この設定値を利用機能情報と共に受信し、更新部は、受信した利用機能情報及び設定値に基づき、ログイン情報に対応する、設定値も含めた最終利用機能情報を更新する。そして、認証サーバ2の最終情報送信部は、設定値も含めた最終利用機能情報を複合機1に送信する。
【0118】
複合機1の最終情報受信部は、最終利用機能情報の一部として設定値を受信する。複合機1は次のような設定値反映部を備える。この設定値反映部は、表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、最終情報受信部で受信した設定値を反映する。ここで、表示制御部は、設定値を設定済みの画面が最終機能利用情報(設定値を除く)に応じた画面と異なる場合には、設定値を設定済みの画面をログイン後の初期画面として表示させればよい。
【0119】
このように、前回ログオフ時の設定画面で設定されていたスキャン解像度等の設定値を記憶しておき、次回ログイン時に設定することで、設定作業を省力化することができる。
【0120】
また、設定値を認証サーバ2が記憶しておく例を挙げたが、設定値は複合機1自身が次回ログイン時のために記憶しておいてもよい。そのため、複合機1は次のような設定値記憶部及び設定値反映部を備えるとよい。
【0121】
設定値記憶部は、機器情報送信部で利用機能情報を送信する際に、利用機能情報が示す機能についての設定値であってユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、記憶する。設定値は、ログイン情報に関連付けて格納しておけばよい。設定値反映部は、表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、設定値記憶部で記憶された設定値を反映する。ここでも、表示制御部は、設定値を設定済みの画面が最終機能利用情報(設定値を除く)に応じた画面と異なる場合には、設定値を設定済みの画面をログイン後の初期画面として表示させればよい。なお、この例では、認証サーバ2側では、設定値の読み出しに関わらないため、初期画面についての処理が可能であれば済む。
【0122】
また、上述した様々な例は、複合機1と同様の本発明に機能をもつ他の複合機について触れたように、システムに複数の複合機が接続されていてもよい。このような例について図17を参照して簡単に説明する。
【0123】
図17は、本発明に係る複合機を含むシステムの他の概略構成例を示す図である。図17に示すシステムは、上述した複合機1と同等の2台の複合機1a,1bと、認証サーバ2、及び外部アプリケーションサーバ3がネットワークに接続されてなる。なお、複合機は2台に限らず、3台以上、ネットワークに接続されていても、以下の説明は適用できる。
【0124】
この例では、既に説明した識別情報の送信が前提となる。つまり、複合機1a(1b)の機能情報送信部は、利用機能情報と共に、複合機1a(1b)を識別するための識別情報を認証サーバ2に送信する。複合機1aの機能情報送信部と複合機1bの機能情報送信部とでは、異なる識別情報を送信することになる。
【0125】
認証サーバ2の機器情報受信部は、利用機能情報と共に識別情報を複合機1a(1b)から受信する。更新部は、受信した利用機能情報及び識別情報に基づき、ログイン情報及び識別情報に対応する最終利用機能情報を更新する。図5〜図7及び図16では、1台の複合機1を想定して、1つのユーザ管理テーブル50、1つの機能有効/無効テーブル51、1つの最終利用機能テーブル52、及び1つの最終利用機能テーブル54のみを説明したが、図17で例示したシステムに適用する場合、各テーブル50〜52,54において、複合機の識別情報での区別がつくように管理しておけばよい。
【0126】
例えば、図17の構成例では、異なる複合機1a,1bに対応して、異なるユーザ管理テーブル50を参照するようにしてもよい。送信されてきた機器情報が複合機1aを示している場合、複合機1aに対応するユーザ管理テーブルを選択し、送信されてきた機器情報が複合機1aと異なる複合機1bを示している場合、複合機1bに対応するユーザ管理テーブルを選択すればよい。そして、複合機1aに対応するユーザ管理テーブルを参照したときには、複合機1aに対応する各テーブル51,52(54)を参照するように決めておき、複合機1bに対応するユーザ管理テーブルを参照したときには、複合機1bに対応する各テーブル51,52(54)を参照するように決めておけばよい。他の例としては、ユーザ管理テーブル50は複合機1a,1bに共通としておき、複合機1aの識別情報に対応する各テーブル51,52(54)と、複合機1bの識別情報に対応する各テーブル51,52(54)とを設けておいてもよい。
【0127】
そして、認証サーバ2の最終情報送信部は、ユーザ認証処理がなされた後に、ユーザ認証処理がなされた複合機1a(1b)の識別情報に対応する最終利用機能情報を、その複合機1a(1b)に送信する。
【0128】
複合機1a(1b)の最終情報受信部は、前回のログイン時に送信した利用機能情報に基づいて認証サーバ2で更新済みの最終利用機能情報であって複合機1a(1b)自身の識別情報に関連付けられた最終利用機能情報を、ユーザ認証処理がなされた後に認証サーバ2から受信する。これにより、複合機1a(1b)の表示制御部が、複合機1a(1b)に合った初期画面を表示させる。
【0129】
このように、ログインした複合機に応じてそれぞれの複合機に対応したログイン初期画面を表示するよう、複合機毎にログオフ時の利用機能情報を認証サーバ2が記憶しておくことで、ユーザが用途に応じて複数の複合機を使い分けている場合に、複合機毎に適したログイン初期画面を表示することができる。
【0130】
また、複数の複合機に対応させる方法として、上述のように複合機毎に分けて処理を行うのではなく、次のような処理を行うようにしてもよい。
【0131】
すなわち、複合機は、アプリケーションの特性に対応する機能、つまりアプリケーションの機能と共に使用する必要がある機能(複合機単体機能中の機能)が、前回ログアウト時の複合機と今回ログイン時の複合機とで一致した場合に、そのユーザの前回のログアウト時の画面を表示するようにしてもよい。認証サーバでは、アプリケーションの特性に対応する複合機の機能が前回ログアウト時の複合機と今回ログイン時の複合機とで一致した場合に、最終利用機能情報を送信するようにすればよい。
【0132】
このような処理を行うための具体的な構成例を説明する。まず、複合機の機能情報送信部は、ユーザ操作により選択された利用機能がアプリケーションの機能を指す場合で、且つアプリケーションと共に複合機が単体で実行する機能を使用する必要があった場合、必要機能情報を利用機能情報と共に認証サーバに送信する。必要機能情報とは、そのアプリケーションと共に使用する必要がある機能を示す情報とする。
【0133】
そして、認証サーバでは、機能情報受信部がその必要機能情報を利用機能情報と共に複合機から受信し、更新部が、受信した利用機能情報に基づきログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新すると共に、その最終利用機能情報に受信した必要機能情報に関連付けて記憶しておく。さらに、認証サーバでは、最終情報送信部が、ログイン後の初期画面の表示のために、更新部で更新済みの最終利用機能情報を、ユーザ認証処理がなされた後で、且つ最終利用機能情報に関連付けられた必要機能情報が示す機能が複合機のもつ機能であると判定した場合に、複合機に送信する。一方で必要機能情報が示す機能が複合機のもたない機能であると判定した場合には、最終情報送信部が、更新部で更新済みの最終利用機能情報の代わりに複合機のデフォルト画面を表示する指示を複合機に送信する。なお、複合機の識別情報を利用機能情報と共に送信するようにしておき、次回ログイン時の識別情報と比較して一致しない場合にのみ、つまり前回ログアウト時の複合機と今回ログイン時の複合機が異なる複合機である場合にのみ、このような判定を実行するようにしてもよい。
【0134】
複合機では、最終情報受信部が、最終利用機能情報か或いはデフォルト画面を表示する指示を受信する。つまり、最終情報受信部は、前回のログイン時に複合機又は他の複合機から送信された利用機能情報及び必要機能情報に基づいて認証サーバで必要機能情報と関連付けて更新済みの最終利用機能情報を、ユーザ認証処理がなされた後で、必要機能情報が示す機能が複合機のもつ機能であると認証サーバが判定した場合に、認証サーバから受信する。一方で必要機能情報が示す機能が複合機のもたない機能であると認証サーバが判定した場合に、更新済みの最終利用機能情報の代わりに複合機のデフォルト画面を表示する指示を、認証サーバから受信する。そして、表示制御部が、最終情報受信部で受信した最終利用機能情報に応じた画面又は最終情報受信部で受信した指示に従ったデフォルト画面を、ログイン後の初期画面として表示させる。
【0135】
図17で例示したシステムにおいて、複合機1aでユーザ選択されたアプリケーションがスキャンアプリケーション(例えばスキャンデータを特定の文書管理サーバに送信するアプリケーション)である場合を例に挙げて、より具体的に説明する。
【0136】
複合機1aでスキャンアプリケーションを利用後のログアウト時に、利用機能情報(スキャンアプリケーションを示す情報)を認証サーバ2に送信すると同時に、必要機能情報としてそのアプリケーションと共に用いる複合機1aのスキャナの機能を示すスキャナ機能情報(例えばカラー読み取り可否、解像度種類、両面読み取りの可否を示す情報など)を認証サーバ2に送信する。認証サーバ2では、ログアウト時の利用機能情報と同時にスキャナ機能情報も取得し、最終利用機能情報とスキャナ機能情報とを関連付けて記憶する。
【0137】
次回、複合機1bから同一ユーザがログインした時、認証サーバ2は、前回ログアウト時の利用機能情報(つまり最終利用機能情報)がスキャンアプリケーションを示すことに基づいて、そのスキャンアプリケーションと共に用いる必要がある機能の情報(スキャナ機能情報)を複合機1bから取得する。複合機1bは、認証サーバ2からの機能情報の要求に従って、その機能情報を送信する。なお、認証サーバ2にてその複合機1bのもつ機能の情報が既に管理されていれば、この情報(スキャナ機能情報)の送受は必要ない。次に、認証サーバ2は、記憶されている複合機1aのスキャナ機能情報が複合機1bのスキャナ機能情報と一致するか否かをチェックして、一致したら前回ログアウト時の最終利用機能情報に応じた画面(この例ではスキャンアプリケーションの画面)を表示するような指示を複合機1bに行い、一致しなければ複合機1bの標準画面を表示する指示を複合機1bに行う。
【0138】
このように構成することで、複合機1aでスキャンアプリケーションを使用しログアウト後、次回に異なる複合機である複合機1bでログインしたとき、当該スキャンアプリケーションと共に用いる機能と同じ機能がログインした複合機1bでも存在すれば、前回の機能を動作させ、機能が異なる場合は前回の機能を動作させることを禁止することができる。なお、上述したように、複合機の識別情報を利用機能情報と共に送信するようにしておき、次回ログイン時の識別情報と比較して一致しない場合にのみ、このような存在するか否かの判定を行うようにしてもよい。
【0139】
例えば複合機1aと複合機1bとで機能が異なると、ユーザが複合機1aでカラースキャンを常用している場合に、複合機1bがモノクロスキャンの機能しかない場合、複合機1bでログインして直ぐにスキャンアプリケーションの設定画面が起動すると、ユーザは複合機1aと同じスキャナ機能、すなわちカラースキャンも利用できると思い込み、後でカラースキャンができないと気づくことになるのでユーザにとってのストレスとなる。しかし、上述のような構成により、同じ機能をもつときにのみ前回の画面が起動するので、起動した後で機能がないことに気づくことによるユーザへのストレスは低減できる。
【0140】
また、上述した様々な例において、認証サーバ2の機能は複合機1(1a,1b)の内部に有するように構成してもよい。図18は、本発明に係る複合機を含むシステムの他の概略構成例を示すブロック図である。図18に示すシステムは、複合機1及び外部アプリケーションサーバ3を備え、図1に示した認証サーバ2の機能が、複合機1内に認証部2aとして組み込まれている。この例では、認証サーバ機能を複合機1の外部に別途設ける必要がないため、複合機1はアプリケーションサーバ3に接続しておくだけでよく、単体で認証処理を行うことができ、小規模のオフィスなどに便利になる。なお、アプリケーションの特性に対応する機能が前回ログアウト時の複合機と今回ログイン時の複合機とで一致した場合に、そのユーザの前回のログアウト時の画面を表示する形態においても、例えば複合機1a内に認証部2aを設け、複合機1b等の他の複合機がその認証部2aでの認証を行うようにすれば適用できる。
【0141】
また、本発明は、上述した各例における複合機、認証サーバ、及びアプリケーションサーバを備えたシステムとしての形態も採り得る。このシステムの主な特徴について簡単に説明する。このシステムは、認証サーバと、アプリケーションを格納したアプリケーションサーバと、認証サーバを介してユーザ認証処理が可能で且つアプリケーションと連携した処理が可能な、表示部を有する複合機と、を備えたシステムである。複合機は、アプリケーションサーバと認証サーバとに接続されている。そして、このシステムは、複合機からログイン情報を認証サーバに送信して認証サーバでユーザ認証処理がなされた後、ログアウトまでの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を最終利用機能情報として保存し、次回のログイン後の初期画面として、最終利用機能情報に応じた画面を表示部に表示させる。なお、このシステムにおける他の応用例については、上述した通りである。
【符号の説明】
【0142】
1,1a,1b…複合機、2…認証サーバ、2a…複合機内部の認証部、3…アプリケーションサーバ、10…機器制御部、11…操作部、11a…入力部、11b…表示部、12…画像読み取り部、13…画像形成部、14…複合機の通信部、20…認証サーバの通信部、21…アプリケーションソフト記憶部、22…認証アプリケーション、23…複合機管理部、24…複合機制御部、25…認証部、26…ユーザ情報管理DB、30…アプリケーションサーバの通信部、31…アプリケーションソフト記憶部、32…アプリケーション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証サーバ及びアプリケーションサーバに接続され、該認証サーバを介してユーザ認証処理を行うことが可能で、且つ前記アプリケーションサーバに格納されたアプリケーションプログラムと連携した処理が可能な複合機であって、
ログイン情報を前記認証サーバに送信して前記認証サーバで前記ユーザ認証処理がなされた後、ログアウト直後までの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を前記認証サーバに送信する機能情報送信部と、
前回のログイン時に送信した前記利用機能情報に基づいて前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記認証サーバから受信する最終情報受信部と、
該最終情報受信部で受信した前記最終利用機能情報に応じた画面を、ログイン後の初期画面として表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする複合機。
【請求項2】
請求項1に記載の複合機において、
前記最終情報受信部は、前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記アプリケーションプログラムの機能を示す場合、前記最終利用機能の表示画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、前記表示制御部が、前記指示に基づいて前記最終利用機能の表示画面のデータを前記アプリケーションサーバから取得して、該表示画面をログイン後の初期画面として表示させ、
前記最終情報受信部は、前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記複合機が単体で実行する機能を示す場合、前記最終利用機能の表示画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、前記表示制御部が、前記指示に基づいて前記最終利用機能の表示画面を、ログイン後の初期画面として表示させることを特徴とする複合機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合機において、前記機能情報送信部は、前記利用機能情報として、ユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を前記認証サーバに送信することを特徴とする複合機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合機において、
前記機器情報送信部は、前記利用機能情報と共に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、前記認証サーバに送信し、
前記最終情報受信部は、前記最終利用機能情報の一部として前記設定値を受信し、
前記複合機は、前記表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、前記最終情報受信部で受信した前記設定値を反映する設定値反映部をさらに備えたことを特徴とする複合機。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合機において、
前記機器情報送信部で前記利用機能情報を送信する際に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、記憶する設定値記憶部と、
前記表示制御部がログイン後の初期画面を表示する際に、前記設定値記憶部で記憶された前記設定値を反映する設定値反映部と、をさらに備えたことを特徴とする複合機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合機において、
前記機能情報送信部は、前記利用機能情報と共に、前記複合機を識別するための識別情報を前記認証サーバに送信し、
前記最終情報受信部は、前回のログイン時に送信した前記利用機能情報に基づいて前記認証サーバで更新済みの最終利用機能情報であって前記複合機自身の前記識別情報に関連付けられた最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記認証サーバから受信することを特徴とする複合機。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合機において、
前記機能情報送信部は、ユーザ操作により選択された利用機能が前記アプリケーションプログラムの機能を指す場合で、且つ前記アプリケーションプログラムと共に前記複合機が単体で実行する機能を使用する必要があった場合、前記アプリケーションプログラムと共に使用する必要がある機能を示す必要機能情報を、前記利用機能情報と共に送信し、
前記最終情報受信部は、前回のログイン時に前記複合機又は他の複合機から送信された前記利用機能情報及び前記必要機能情報に基づいて前記認証サーバで前記必要機能情報と関連付けて更新済みの最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後で、前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもつ機能であると前記認証サーバが判定した場合に、前記認証サーバから受信し、一方で前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもたない機能であると前記認証サーバが判定した場合に、前記更新済みの最終利用機能情報の代わりに前記複合機のデフォルト画面を表示する指示を、前記認証サーバから受信し、
前記表示制御部は、前記最終情報受信部で受信した前記最終利用機能情報に応じた画面又は前記最終情報受信部で受信した指示に従った前記デフォルト画面を、ログイン後の初期画面として表示させることを特徴とする複合機。
【請求項8】
複合機に接続され、該複合機でのユーザ認証処理を行う認証サーバであって、
前記複合機は、アプリケーションサーバに接続され該アプリケーションサーバに格納されたアプリケーションプログラムと連携した処理が可能となっており、
前記認証サーバは、前記複合機から受信したログイン情報に基づき、前記ユーザ認証処理を実行した後、ログアウト直後までの間に、前記複合機においてユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を前記複合機から受信する機能情報受信部と、
該機能情報受信部で受信した利用機能情報に基づき、前記ログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新する更新部と、
ログイン後の初期画面の表示のために、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後に前記複合機に送信する最終情報送信部と、を備えることを特徴とする認証サーバ。
【請求項9】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記最終情報送信部は、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報として、前記最終利用機能の表示画面をログイン後の初期画面として表示する指示を、前記複合機に送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の認証サーバにおいて、前記機能情報受信部は、前記利用機能情報として、前記複合機でユーザ操作により実行されたジョブの実行結果を受信し、前記更新部は、前記ジョブの実行結果から前記最終利用機能情報を特定して、更新を行うことを特徴とする認証サーバ。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の認証サーバにおいて、前記最終情報送信部は、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報が示す最終利用機能が、前記最終利用機能情報の送信時に前記ログイン情報が示すユーザにとって前記複合機で利用不可に設定されている利用機能であったとき、他の最終利用機能を示す最終利用機能情報を送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の認証サーバにおいて、
前記機器情報受信部は、前記利用機能情報と共に、前記利用機能情報が示す機能についての設定値であって前記ユーザ認証処理がなされた後からログアウト直後までにユーザ操作により設定されていた設定値を、前記複合機から受信し、
前記更新部は、前記機器情報受信部で受信した利用機能情報及び設定値に基づき、前記ログイン情報に対応する、前記設定値も含めた最終利用機能情報を更新し、
前記最終情報送信部は、前記設定値も含めた前記最終利用機能情報を前記複合機に送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか1項に記載の認証サーバにおいて、
前記機器情報受信部は、前記利用機能情報と共に、前記複合機を識別するための識別情報を前記複合機から受信し、
前記更新部は、前記機能情報受信部で受信した前記利用機能情報及び前記識別情報に基づき、前記ログイン情報及び前記識別情報に対応する最終利用機能情報を更新し、
前記最終情報送信部は、前記ユーザ認証処理がなされた後に、前記ユーザ認証処理がなされた複合機の識別情報に対応する前記最終利用機能情報を、該複合機に送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項14】
請求項8〜12のいずれか1項に記載の認証サーバにおいて、
前記機能情報受信部は、前記複合機においてユーザ操作により選択された利用機能が前記アプリケーションプログラムの機能を指す場合で、且つ前記アプリケーションプログラムと共に前記複合機が単体で実行する機能を使用する必要があった場合、前記アプリケーションプログラムと共に使用する必要がある機能を示す必要機能情報を、前記利用機能情報と共に前記複合機から受信し、
前記更新部は、前記機能情報受信部で受信した前記利用機能情報に基づき、前記ログイン情報に対応する最終利用機能情報を更新すると共に、前記最終利用機能情報に前記機能情報受信部で受信した前記必要機能情報に関連付け、
前記最終情報送信部は、ログイン後の初期画面の表示のために、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報を、前記ユーザ認証処理がなされた後で、且つ前記最終利用機能情報に関連付けられた前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもつ機能であると判定した場合に、前記複合機に送信し、一方で前記必要機能情報が示す機能が前記複合機のもたない機能であると判定した場合に、前記更新部で更新済みの前記最終利用機能情報の代わりに前記複合機のデフォルト画面を表示する指示を、前記複合機に送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項15】
請求項1に記載の複合機と、請求項8に記載の認証サーバと、前記複合機及び該認証サーバに接続され、前記アプリケーションプログラムを格納したアプリケーションサーバと、を備えたシステム。
【請求項16】
認証サーバと、アプリケーションプログラムを格納したアプリケーションサーバと、前記認証サーバを介してユーザ認証処理が可能で且つ前記アプリケーションプログラムと連携した処理が可能な、表示部を有する複合機と、を備えたシステムであって、
前記複合機からログイン情報を前記認証サーバに送信して前記認証サーバで前記ユーザ認証処理がなされた後、ログアウトまでの間に、ユーザ操作により選択された利用機能を示す利用機能情報を最終利用機能情報として保存し、次回のログイン後の初期画面として、前記最終利用機能情報に応じた画面を前記表示部に表示させることを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−14996(P2011−14996A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155137(P2009−155137)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】