説明

複数種類のパレットに対応可能な脱水装置及びこれを用いた洗浄設備

【課題】複数種類のパレットを、簡単な装置構成で、作業性よく効率的に脱水処理できる複数種類のパレットに対応可能な脱水装置及びこれを用いた洗浄設備を提供する。
【解決手段】荷物の運搬に使用した複数種類の使用済みのパレット11の側方周囲を囲むカバー部材と、パレット11を水平状態で搬送するパレット搬送手段19と、このパレット11を設定位置に停止するパレット停止手段23と、停止させたパレット11の搬送方向と直交する方向の位置調整を行うパレット位置調整手段27と、パレット11を載置する回転テーブル46を備えこれを回転可能及び昇降可能に支持する昇降手段47と、カバー部材の内側に設けられ、昇降手段47によって上昇させたパレット11をその形状に対応してその両側からガイドする逆階段状となった一対の嵌合部59、60、59a、60aを備える固定部材61と、このパレット11を回転させる駆動手段65とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フォークリフトによる荷物の運搬の際に使用したパレットから、このパレットの洗浄時に付着した水分を遠心力により吹き飛ばす複数種類のパレットに対応可能な脱水装置及びこれを用いた洗浄設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォークリフトによる荷物の運搬は、荷物をパレットに載置した後、このパレットをフォークリフトに設けられたフォークで持ち上げて行っている。
このパレットは、衛生管理上、使用後に洗浄処理され、例えば、特許文献1に示すように、パレットに付着した水分を送風により吹き飛ばしている。
しかし、パレットの構造は複雑(例えば、多数の補強リブが設けられた構造)であるため、パレットの表面から送風を行っただけでは、パレット内部まで十分に脱水できない。このため、パレットを水平状態で回転させることにより、遠心脱水する装置が提案されているが、パレットの形状(例えば、前後方向の長さ、左右方向の長さ、フォークの差込孔の位置及び寸法)は複数あるため、形状の異なるパレットを同じ脱水装置で処理することが難しかった。
そこで、例えば、特許文献2には、パレットの前後側面を案内するサイドガイド部材と、パレットの左右端面を保持する端面保持部材とを有する脱水装置が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、パレットの前後左右の各側面を固定するクランプ部材を有する脱水装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−752号公報
【特許文献2】特開2000−218194号公報(図1)
【特許文献3】特開2004−57909号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の脱水装置には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献2に開示された脱水装置のサイドガイド部材は、対向する逆L字状の固定部と、この固定部に形成されたねじ孔に、ボルトによって取付けられる位置決め板とを有しており、パレットの形状に応じて、固定部に対する位置決め板の内側への突出長さを調整するものである。また、端面保持部材は、パレットの左右端面に上方側から係合する係合爪を備えた保持板を有し、パレットの形状に応じて保持板の位置を調整するものである。
このため、パレットの固定に際しては、パレットの種類が変わるたびに、位置決め板又は保持板の位置を調整する必要があり、作業性が悪く、しかも作業効率が低下する問題がある。
また、特許文献3に開示された脱水装置は、各クランプ部材を動作させるために、アクチュエータ及びリンク機構を有するクランプ機構を備えているため、装置構成が複雑である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、複数種類のパレットを、簡単な装置構成で、作業性よく効率的に脱水処理できる複数種類のパレットに対応可能な脱水装置及びこれを用いた洗浄設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う第1の発明に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置は、荷物の運搬に使用した平面視して矩形の複数種類の使用済みのパレットから、該パレットの洗浄時に付着した水分を遠心力により吹き飛ばす脱水装置であって、
少なくとも前記パレットの側方周囲を囲むカバー部材と、
前記パレットを前記カバー部材内に水平状態で搬送するパレット搬送手段と、
前記カバー部材内に搬送した前記パレットを予め定めた設定位置に停止するパレット停止手段と、
前記パレット停止手段によって停止させた前記パレットの搬送方向に直交する方向の位置調整を行うパレット位置調整手段と、
前記カバー部材の内側に設けられ、該カバー部材内に搬送した前記パレットを載置する回転テーブルを備え、該回転テーブルを回転可能でしかも昇降可能に支持する昇降手段と、
前記カバー部材の内側に設けられ、前記昇降手段によって上昇させた前記パレットの搬送方向及びこれに直交する方向のいずれか一方又は双方を、該パレットの形状に対応して該パレットの両側からガイドする逆階段状となった一対の嵌合部を備える固定部材と、
前記固定部材に取付けられ、該固定部材の一対の前記嵌合部と前記回転テーブルで前記パレットを固定した状態で、前記固定部材を回転させる駆動手段とを有する。
【0007】
第1の発明に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置において、前記パレット位置調整手段は、前記カバー部材の内側角部に回動可能に立設されたロッド部材と、前記各ロッド部材を連結して同期運動させるシャフト部を備えた同期手段と、前記各ロッド部材に設けられ、該各ロッド部材の回動により前記パレットの両側に接触して該パレットの位置を補正すると共に、前記パレットの上昇の際に該パレットを両側からガイドするガイド部材とを有することが好ましい。
第1の発明に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置において、前記パレット停止手段は、前記パレットの形状に対応した階段状のストッパー部を備えて昇降可能になっており、前記パレット搬送手段の高さ位置に対する前記ストッパー部の突出高さを制御することで、前記パレットの停止位置を調整することが好ましい。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係る洗浄設備は、第1の発明に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置を用いた洗浄設備であって、
前記脱水装置の上流側には、複数段に積み上げられた使用済みの前記パレットを1個ずつ下流側へ送るパレット個別取出装置と、該パレット個別取出装置から取り出された前記パレットを洗浄処理する洗浄装置と、該洗浄装置で洗浄処理された前記パレットを予備乾燥する予備乾燥装置が順次設置され、
前記脱水装置の下流側には、該脱水装置により脱水処理された前記パレットを仕上げ乾燥処理する仕上げ乾燥装置と、該仕上げ乾燥装置で乾燥処理された前記パレットを複数段に積み上げるパレット積上装置が順次設置されている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1〜3記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置、及び請求項4記載の洗浄設備は、パレットを両側からガイドする逆階段状となった一対の嵌合部を備えているので、対向する嵌合部の階段部分の各間隔が異なる長さとなって、脱水処理を行う複数種類のパレットの形状(前後方向及び左右方向のいずれか一方又は双方の長さ)にそれぞれ対応することができ、簡単な構成で複数種類のパレットの固定ができる。そして、パレット搬送手段により搬送されてくる水平状態のパレットが、異なる種類のものであっても、各形状に合わせて固定部材に設けられた一対の嵌合部により容易にガイドできるので、複数種類のパレットの脱水処理を、作業性よく効率的に実施できる。
また、脱水装置は、少なくともパレットの側方周囲を囲むカバー部材を有しているので、パレットの脱水処理時に水分が脱水装置の外部へ飛散することを防止できる。
そして、脱水装置は、パレット停止手段とパレット位置調整手段を有しているので、脱水装置へ搬送されてきたパレットを、固定部材の嵌合部によってガイド可能な位置に確実に配置できる。
更に、脱水装置は、パレットを載置する回転テーブルを備え、これを回転可能で昇降可能に支持する昇降手段を有するので、この昇降手段により、位置調整がされたパレットを上昇させて固定部材の嵌合部に固定できる。そして、固定部材の嵌合部と回転テーブルでパレットを固定した後は、駆動手段により固定部材を回転させることにより、パレットの脱水処理ができる。
【0010】
特に、請求項2記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置は、パレット位置調整手段が、回動可能に立設された複数のロッド部材と、各ロッド部材に設けられパレットの位置を補正するガイド部材とを有するので、ロッド部材を回動させることで、各ガイド部材がパレットを側方から押して、パレットの位置を補正できる。
また、パレット位置調整手段は、各ロッド部材を連結して同期運動させる同期手段を有しているので、各ロッド部材に設けられたガイド部材を、パレットへ向けてそれぞれ同時に移動させ、パレットを搬送方向に直交する側から均等な力で押さえ、パレットを適正位置に配置できる。
【0011】
請求項3記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置は、パレット停止手段が、パレットの形状に対応した階段状のストッパー部を備えて昇降可能になっているので、パレット搬送手段の高さ位置に対するストッパー部の突出高さを制御することで、パレットを固定部材の嵌合部によりガイド可能な位置に確実に停止できる。
【0012】
請求項4記載の洗浄設備は、複数種類のパレットに対応可能な脱水装置を有しているので、1つの洗浄設備で複数種類のパレットの洗浄処理ができる。
また、洗浄設備は、パレット個別取出装置を有しているので、搬入された使用済みのパレットを、1個ずつ下流側へ送ることができ、パレットの搬送作業が容易になると共に、洗浄装置によるパレットの洗浄効果を高めることができる。
そして、洗浄後のパレットを脱水装置で脱水処理する前に、余分な水分を予備乾燥装置で予め除去するので、脱水装置による処理時間の短縮が図れ、脱水処理を効率的に実施できる。また、脱水装置でパレットから回収される水分量も低減できるので、脱水装置の装置構成を小型化できる。
更に、脱水装置で脱水処理したパレットは、遠心力により水分を吹き飛ばしているので、パレットの回転中央部に水分が残存し易いが、この水分を仕上げ乾燥装置により除去することで、パレットに付着した水分の除去ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置(以下、単に脱水装置ともいう)10は、荷物の運搬に使用した複数種類の使用済みのパレット11から、パレット11の洗浄時に付着した水分を遠心力により吹き飛ばして脱水する装置である。この脱水装置10は、複数種類のパレットに対応可能であるが、特には、3種類以上のパレットの脱水に適している。以下、詳しく説明する。
【0014】
図5(A)に示すように、パレット11は、合成樹脂製、金属製、又は木製のもので、平面視して矩形(即ち、長方形又は正方形)となっており、その側部には、例えば、フォークリフト(図示しない)のフォークが差込み可能な貫通孔12が設けられている。これにより、使用にあっては、パレット11に荷物を載置し、パレット11の貫通孔12にフォークリフトのフォークを差込み、これを持ち上げてトラックに搬入したり、また、トラックに搬入された荷物を、パレット11を持ち上げることで搬出できる。
パレットとしては、図5(B)〜(E)に示すように、その使用用途に応じて、複数の種類、即ち、パレットの前後方向の長さ(例えば、1000〜1130mm程度)、パレットの左右方向の長さ(例えば、1000〜1440mm程度)、貫通孔の形状、及び貫通孔の形成位置(貫通孔の間隔)のいずれか1又は2以上が異なったパレット13〜16もある。
【0015】
図1〜図3に示すように、脱水装置10は、ベース部17上に設けられ、上部に天上部17aを備える複数の鋼材で構成された枠体18を有し、その高さ方向途中位置には、水平状態で配置されたチェーンコンベア(パレット搬送手段の一例)19が設けられている。ここで、パレット11の前後方向は、チェーンコンベア19によるパレット11の搬送方向に直交する方向と一致し、パレット11の左右方向は、チェーンコンベア19によるパレット11の搬送方向に一致している。なお、パレット11を、平面視して90度回転させ、パレット11の前後方向を、チェーンコンベア19によるパレット11の搬送方向に一致させてもよい。
これにより、パレット11を水平状態で脱水装置10の枠体18内に搬送できる。
【0016】
このチェーンコンベア19の上方は、枠体18の側方周囲が図示しないカバー板(カバー部材の一例)で覆われており、カバー板内にパレット11の脱水処理空間20が形成されている。
なお、カバー板は、チェーンコンベア19の上方に設けられているが、更に脱水処理空間20の上方及び下方(例えば、チェーンコンベア19の上方又は下方)のいずれか一方又は双方を覆うように設けてもよい。
脱水処理空間20の上流側に位置するカバー板には、チェーンコンベア19によって搬送されてきたパレット11を脱水処理空間20内へ入れるための開閉可能な入側シャッター21が、また脱水処理空間20の下流側に位置するカバー板には、パレット11を脱水処理空間20から出すための開閉可能な出側シャッター22が設けられている。
【0017】
脱水処理空間20の下方であって、チェーンコンベア19の下側には、脱水処理空間20に搬送したパレット11を、予め定めた設定位置に停止するパレット停止手段23が設けられている。
パレット停止手段23は、パレット11の形状に対応した階段状のストッパー部24を備えている。このストッパー部24は、脱水装置10のベース部17に対して立設されたシリンダー25内を、空圧(油圧でもよい)によって上下方向に往復運動するピストン26の上端部に設けられている。
これにより、チェーンコンベア19で搬送されてきたパレット11を、脱水装置10の脱水処理空間20内で停止させる際には、ピストン26によりストッパー部24をチェーンコンベア19の上端位置よりも突出する位置まで上昇させ、また、パレット11を脱水装置10の脱水処理空間20内から出す場合には、ピストン26によりストッパー部24をチェーンコンベア19の上端位置よりも下方へ移動させることができる。
【0018】
このストッパー部24は階段状になっており、この階段部分の各段差位置がパレット11の停止位置、即ちパレット11の左右方向の長さに応じて設定されている。
従って、階段部分の各段差位置を設定したパレット停止手段23を使用し、チェーンコンベア19に対するストッパー部24の突出高さを制御することで、パレット11の予め設定した停止位置に停止できる。
脱水装置10には、パレット停止手段23によって停止させたパレット11の前後方向の位置調整を行うパレット位置調整手段27が設けられている。
パレット位置調整手段27は、チェーンコンベア19の両側であってカバー板の内側角部に位置する枠体18に、軸受け28によって回動可能に立設されたロッド部材29〜32と、このロッド部材29〜32を連結して同期運動させる同期手段33を有している。
【0019】
同期手段33は、各ロッド部材29〜32の上端部に設けられたベベルギア34と、隣り合うロッド部材29、30と、ロッド部材30、31と、ロッド部材31、32の各ベベルギア34に噛み合うベベルギア35が両端部に設けられたシャフト部36〜38を有している。この各シャフト部36〜38は、その両側部が、枠体18の天井部17aに、軸受け39によって回動可能に取付けられている。なお、脱水処理空間20の下流側に位置するシャフト部37(他のシャフト部36、38でもよい)には、シャフト部37をその軸心を中心として回動させる同期手段駆動モータ40(同期手段33に含まれる)が設けられている。
【0020】
パレット位置調整手段27は、各ロッド部材29〜32に取付けられたガイド部材41〜44を有している。
この各ガイド部材41〜44は、各ロッド部材29〜32にその基部が取付けられた水平支持部材44aと、これと直交した状態で、ベース部17に対して垂直方向になるように設けられた当接部45を有している。なお、この各ガイド部材41〜44の当接部45は、パレット11の前後方向両側に接触可能になっているため、その下端位置がチェーンコンベア19の上面位置よりも高くなっていればよい。
このように構成し、同期手段駆動モータ40を作動させることで、各シャフト部36〜38をその軸心を中心としてそれぞれ回動(シャフト部37とシャフト部36、38とは逆向きに回動)させ、各ロッド部材29〜32も回動して各ガイド部材41〜44が同期運動し、当接部45がパレット11の両側に接触、又はパレット11の両側から離れる。
【0021】
脱水装置10には、カバー板の内側に設けられ、脱水処理空間20内に搬送したパレット11を載置する回転テーブル46を備え、この回転テーブル46を回転可能でしかも昇降可能に支持する昇降手段47が設けられている。
この昇降手段47は、チェーンコンベア19の下方であって、チェーンコンベア19の搬送方向と直交する方向に水平状態で配置された駆動シャフト48を有している。この駆動シャフト48は、その長さ方向両側がベース部17に取付けられた軸受け49で回転可能に支持され、昇降用駆動モータ50により回転可能になっている。また、駆動シャフト48の両端部にはベベルギア51が設けられており、この駆動シャフト48に対して垂直に配置され、下端部にベベルギア52が設けられた雄ねじ部材53へ動力が伝達されている。なお、各雄ねじ部材53は、枠体18に設けられた軸受け54により、回転可能に立設されている。
【0022】
各雄ねじ部材53には、これに螺合する雌ねじ部材55が設けられ、この隣り合う雌ねじ部材55間に、駆動シャフト48と平行に配置された接続部材56の両端部が取付けられている。
接続部材56の長さ方向中央部には、パレット11を載置する回転テーブル46を支持する支持ロッド57の下端部が設けられている。なお、支持ロッド57の上端部には、ベアリング58が設けられ、このベアリング58を介して回転テーブル46が配置されているので、回転テーブル46が、支持ロッド57に対してフリーで回転するようになっている。
これにより、昇降用駆動モータ50で駆動シャフト48を回転させることにより、接続部材56を昇降させ、回転テーブル46の上下動ができる。
【0023】
図1〜図4に示すように、チェーンコンベア19の上方であって脱水処理空間20には、昇降手段47によって上昇させたパレット11の左右方向及び前後方向を、その両側からガイドする逆階段状となった一対の嵌合部59、60と一対の嵌合部59a、60aを備える固定部材61が設けられている。
パレット11の左右方向をその両側からガイドする一対の嵌合部59、60は、枠体18の天井部17aに回転可能に取付けられる固定台62のチェーンコンベア19の搬送方向両側にそれぞれ設けられ、嵌合部59と嵌合部60とが、パレット11の左右方向両側に対向する位置に設けられている。この一対の嵌合部59と嵌合部60の対向する階段部分の各間隔は、例えば、図5(A)〜(E)に示す複数種類のパレット11、13〜16の各形状、即ち左右方向の長さにそれぞれ対応している。
また、パレット11の前後方向をその両側からガイドする一対の嵌合部59a、60aは、固定台62のチェーンコンベア19の搬送方向に直交する方向の両側にそれぞれ設けられ、嵌合部59aと嵌合部60aとが、パレット11の前後方向両側に対向する位置に設けられている。この一対の嵌合部59aと嵌合部60aの対向する階段部分の各間隔は、例えば、図5(A)〜(E)に示す複数種類のパレット11、13〜16の各形状、即ち前後方向の長さにそれぞれ対応している。
このため、階段部分の各間隔は、洗浄対象となるパレットの左右方向及び前後方向の各長さに応じて、例えば、片側に2mm以上10mm以下程度の隙間を有するように、パレットの長さより大きく設定されている。
【0024】
この嵌合部60とパレット停止手段23のストッパー部24とは、チェーンコンベア19を境として上下対象になるように配置されているので、パレット11を嵌合部59、60にガイド可能な位置に、パレット停止手段23によって容易に停止できる。
この嵌合部の階段部分は、複数段(例えば、3段以上)に形成することが好ましい。また、パレットの種類が多い場合は、嵌合部を固定部材の固定台に対して取付け取外し可能に構成してもよい。
また、一対の嵌合部は、パレットの左右方向両側及び前後方向両側にそれぞれ設けられているが、パレットの左右方向両側又は前後方向両側のみに設けてもよい。
【0025】
この固定台62は、その軸心に設けられた回転軸63を介して、枠体18の天井部17aに回転可能に取付けられ、天井部17aに配置されたパレット回転用駆動モータ(駆動手段の一例)65によって回転可能になっている。なお、パレット回転用駆動モータ65は、インバータ制御できるものであり、その回転速度はパレット11の形状によって異なるが、例えば、400rpm(ここでは、360rpm)程度まで対応できる。
なお、回転軸63には、ブレーキ機構66が設けられ、固定台62の回転を機械的に停止できる。また、固定台62の停止位置は、天井部17aに設けられたセンサにより検知している。
これにより、固定部材61の一対の嵌合部59、60、59a、60aと回転テーブル46でパレット11を固定した状態で、パレット回転用駆動モータ65により固定部材61を回転させることにより、パレット11の脱水処理ができる。
なお、脱水装置10の枠体18には、脱水処理空間20内に配置された使用済みのパレット11に対して、洗浄水を吹き付け可能な洗浄手段(例えば、複数の洗浄ノズル、又は多数の洗浄水噴出口が形成された配管)を設けてもよい。この場合、停止させた状態、又は回転させた状態のパレットに対し、洗浄水を吹き付けパレットの洗浄を行った後、洗浄水の吹き付けを停止し、引き続き脱水処理を行う。
【0026】
次に、前記した本発明の一実施の形態に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置10を用いた洗浄設備70について、図6〜図9を参照しながら説明する。
前記した脱水装置10の上流側には、搬入用パレット台71、パレット個別取出装置72、洗浄装置73、及び予備乾燥装置74が順次設置され、脱水装置10の下流側には、仕上げ乾燥装置75、パレット積上装置76、及び搬出用パレット台77が順次設置されている。
図6、図7に示すように、搬入用パレット台71は、水平状態に配置され、モータ78によって駆動するローラコンベア79を有している。
【0027】
なお、パレットの大きさは、例えば、搬送用パレット台71の搬送方向両側(即ち、上流側と下流側)に配置した距離センサ(図示しない)により、各距離センサの間の距離と、各距離センサからパレット端部までの距離との差から求めることができる。ここで、搬送用パレット台71の搬送方向下流側に配置される距離センサは、シリンダ内を往復駆動するピストンによって、昇降可能な構成となっており、パレットの搬送の際に、パレットが距離センサに接触することを防止している。また、距離センサは、搬送用パレット台71のローラコンベア79の両側に配置することもできる。この場合、各距離センサの一方又は双方を、前記したように昇降可能とし、パレットを搬送する例えばフォークリフトとの接触を防止する。
これにより、複数段に積み上げられた使用済みのパレット11を、例えば、フォークリフトによってローラコンベア79上に載置し、モータ78によりローラコンベア79を駆動させることで、使用済みのパレット11をパレット個別取出装置72へ送ることができる。
【0028】
パレット個別取出装置72は、搬入用パレット台71のローラコンベア79と同一高さ位置に配置された水平状態のチェーンコンベア80を有している。
このチェーンコンベア80の下方には、積み上げられた複数段のパレット11を昇降可能な昇降台81が設けられている。この昇降台81は、パンタグラフ式となっており、その一方側をシリンダー内のピストンによって往復運動させることで、昇降可能になっている。
チェーンコンベア80の上方には、チェーンコンベア80の両側に、高さ方向に渡って複数段(ここでは、3段)の係止爪部82が設けられている。
【0029】
この係止爪部82は、パレット11へ向かって水平方向に突出可能な構成となっており、パレット11の貫通孔12に差込み可能である。なお、各係止爪部82の設置位置は、例えば、パレット11の左右方向及び前後方向の長さ又は貫通孔12の位置に応じて設定する。
これにより、複数段のパレット11を昇降台81によって上昇させ、下から二段目のパレット11の貫通孔12に係止爪部82を差込んだ後、昇降台81を下降させることで、最下段のパレット11のみをチェーンコンベア80上に載置できるので、使用済みのパレット11を1個ずつ洗浄装置73へ送ることができる。
なお、前記した搬入用パレット台71を使用することなく、複数段に積み上げられた使用済みのパレット11を、例えば、フォークリフトによってパレット個別取出装置72の昇降台81上に、直接載置してもよい。この場合、搬入用パレット台71は不要である。
【0030】
洗浄装置73は、パレット個別取出装置72のチェーンコンベア80と同一高さ位置に配置されたチェーンコンベア83を有しており、その周囲がケーシング84により囲まれている。このケーシング84内の上流側、即ち主洗浄領域85には、パレット11を搬入するための入側カーテン(図示しない)が設けられ、下流側、即ち仕上洗浄領域86には、パレット11を搬出するための搬出口(図示しない)が設けられている。
洗浄装置73の主洗浄領域85であって、チェーンコンベア83の周囲には、パレット11の搬送方向に渡って複数の温水供給配管86aが配置されている。この温水供給配管86aには、チェーンコンベア83で搬送されてきたパレット11に対して温水を吹き付けるための洗浄ノズル87が、その長さ方向に所定間隔で多数設けられている。
【0031】
なお、各洗浄ノズル87で使用された温水は、チェーンコンベア83の下方に配置された受皿(図示しない)に設けられた落下口から下方へ落下し、その下方に配置されたタンク87aの上端部に取付けられた金網により、大きな異物が除去された後、タンク87aにより回収される。このタンク87aには、タンク87a内の洗浄水を浄化手段であるサイクロン88によって浄化した後、再度タンク87aへ送る循環用ポンプ89が設けられている。ここで、濃度が濃い汚水(例えば、泥、砂を含む)は、タンク87aへ戻されることなく排出されているが、沈殿物を沈降分離することにより、汚水を浄化して再度タンク87aへ戻してもよい。
そして、タンク87a内の温水を、洗浄用ポンプ90によって洗浄ノズル87に供給することで、温水を循環使用する。
ここで、ケーシング84内の蒸気は、蒸気用ダクト91によって外部へ放出することができる。また、使用する温水量が不足した場合は、給湯用配管92によって、洗浄装置73のタンク87a内へ温水を供給し、温水の温度が低下した場合は、蒸気用配管92aによってボイラーからの蒸気を温水に供給できる。
【0032】
洗浄装置73の仕上洗浄領域86は、主洗浄領域85と仕切り板93によって区分けされており、仕上洗浄領域86のチェーンコンベア83の周囲には、洗浄水供給配管93aが配置されている。この洗浄水供給配管93aには、チェーンコンベア83で搬送されてきたパレット11に対して洗浄水を吹き付け仕上げ洗浄するための洗浄水噴出口94が、その長さ方向に所定間隔で複数設けられている。
この洗浄水は、給水用配管95を介して洗浄水供給配管93aへ、水道水を直接供給することで使用している。
これにより、洗浄が終了したパレット11を、予備乾燥装置74へ送ることができる。
【0033】
予備乾燥装置74は、洗浄装置73の下流側に連続して設けられ、ケーシング96により囲まれた構成となっており、このケーシング96内に、洗浄装置73のチェーンコンベア83が侵入している。このケーシング96の上流側には、パレット11を搬入するための搬入口(図示しない)が設けられ、下流側には、パレット11を搬出するための出側カーテン(図示しない)が設けられている。
このチェーンコンベア83の上方であって、その搬送方向と直交する方向に渡っては、搬送されるパレット11へ向けて縮幅した空気噴出口97が設けられており、ケーシング96の上には、液切りブロワ98が設けられている。
このように構成することで、液切りブロワ98によって供給された空気を、空気噴出口97からパレット11に吹き付けることができ、洗浄装置73で洗浄処理されたパレット11を予備乾燥できる。なお、予備乾燥装置74のケーシング96内には、脱水装置10のチェーンコンベア19の上流側端部が配置されている。
【0034】
図8、図9に示すように、仕上げ乾燥装置75は、脱水装置10のチェーンコンベア19と同一高さ位置に設けられたチェーンコンベア99を備えており、ケーシング100により囲まれた構成となっている。このケーシング100の上流側には、パレット11を搬入するための搬入口(図示しない)が設けられ、下流側には、パレット11を搬出するための搬出口(図示しない)が設けられている。
このチェーンコンベア99の上方であって、その搬送方向と直交する方向に渡っては、搬送されるパレットへ向けて縮幅した空気噴出口101が設けられており、ケーシング100の上には、水切りブロワ102が設けられている。
このように構成することで、脱水装置10で除去できなかった水分、即ち、パレット11の回転中心付近の水分を除去して、パレット積上装置76へ搬送できる。
【0035】
パレット積上装置76は、前記したパレット個別取出装置72と同じ構成である。
これにより、チェーンコンベア80で搬送してきたパレット11を昇降台81で上昇させ、係止爪部82をパレット11の貫通孔12に差し込んだ後、昇降台81を下降する。
なお、チェーンコンベア80の下方には、脱水装置10に設けられたパレット停止手段23と同様の構成で機能を発揮するパレット停止手段103が設けられている。
搬出用パレット台77は、搬入用パレット台71と同じ構成である。
これにより、複数段に積み上げられたパレット11を、例えば、フォークリフトによってローラコンベア79上から取り出し、これらのパレット11を再び使用する。
なお、搬出用パレット台77を使用することなく、複数段に積み上げられたパレット11を、例えば、フォークリフトによってパレット積上装置76の昇降台81上から、直接取り出してもよい。この場合、搬出用パレット台77は不要である。
【0036】
続いて、前記した洗浄設備70による使用済みのパレットの洗浄処理方法を説明する。
十数段(ここでは、17段)に積み上げられた同種類の使用済みのパレット11の山を、パレット11の左右方向が洗浄設備70によるパレット11の搬送方向と一致するように、フォークリフトで搬入用パレット台71のローラコンベア79上に載置する。
そして、処理対象となる形状のパレット11が、ローラコンベア79上に載置されたか否かを、距離センサによって確認する。ここで、処理対象となる形状のパレット11が搬入されたことを確認できれば、ローラコンベア79により、積み上げられた使用済みのパレット11を、その状態のままパレット個別取出装置72へ送る(以上、パレット搬入工程)。
【0037】
パレット個別取出装置72へ搬送された使用済みのパレット11は、平面視して、パレット11の貫通孔12の位置が係止爪部82の位置と同じ位置になるまで、チェーンコンベア80により搬送される。
そして、積み上げられた複数段のパレット11のうち、下から二段目のパレット11の貫通孔12の高さ位置が、係止爪部82の高さ位置と同じ位置になるまで、複数段のパレット11を昇降台81により上昇させる。
なお、係止爪部82は、パレットの左右方向及び前後方向の長さ、孔の位置(孔の間隔)、及び孔の大きさに応じて、高さ方向に複数段設けられているが、どの係止爪部を使用するかは、処理対象となるパレットの形状に応じて、昇降台81の上げ代で決定する。
【0038】
そして、パレット11の前後方向両側から、下から二段目のパレット11の貫通孔12に、係止爪部82が差し込まれる。このように、パレット11の貫通孔12に係止爪部82が差し込まれた後は、昇降台81が最下段のパレット11のみを載置して下降するため、このパレット11をチェーンコンベア80により洗浄装置73へ送る。
最下段に位置したパレット11を搬出した後は、昇降台81が上昇し、係止爪部82が差し込まれている最下段(搬入時は下から二段目)に位置するパレット11を支持した後、パレット11の貫通孔12から係止爪部82が引き抜かれ、昇降台81がパレット11の一枚分の厚みに相当する距離だけ下がる。
この操作を繰り返し行うことで、複数段に積み上げられた使用済みのパレット11を、1個ずつ洗浄装置73へ送ることができる。なお、最上段に位置するパレット11を、昇降台81に載置した後は、係止爪部82は引っ込んだ状態を維持する(以上、パレット個別取出工程)。
【0039】
洗浄装置73へ搬送された使用済みのパレット11は、まず主洗浄領域85において、多数の洗浄ノズル87から温水が吹き付けられる。これにより、パレット11に付着した汚れを除去できる。なお、温水は循環使用される。
次に、仕上洗浄領域86において、複数の洗浄水噴出口94から水道水が吹き付けられる。これにより、パレット11の洗浄の程度を、更に向上できる。
この洗浄されたパレット11を、チェーンコンベア83により予備乾燥装置74へ送る(以上、洗浄工程)。
予備乾燥装置74へ搬送された洗浄後のパレット11は、空気噴出口97から空気が吹き付けられ、洗浄したパレット11の表面に付着した水分が、ある程度除去される。そして、パレット11は、チェーンコンベア19により脱水装置10へ送られる(以上、予備乾燥工程)。
【0040】
予備乾燥が終了したパレット11は、チェーンコンベア19により、脱水装置10の内部へ搬送される。このとき、パレット11の形状に応じて、即ち、パレット11が固定部材61の嵌合部59、60によってガイド可能な位置(予め定めた設定位置)に停止できるように、チェーンコンベア19の上方へパレット停止手段23のストッパー部24を突出させてパレット11を停止する。これにより、パレット11の左右方向の位置決めができる。
次に、同期手段駆動モータ40を作動させることで、各ロッド部材29〜32を同期させて回動させ、各ロッド部材29〜32に設けられたガイド部材41〜44を、パレット11の前後方向両側へ挟み込むように移動させる。これにより、各ガイド部材41〜44に取付けられた当接部45がパレット11の前後方向両側に接触して、パレット11の位置が固定部材61の嵌合部59a、60aによってガイド可能な位置に補正され、パレット11の前後方向の位置決めができる。
【0041】
このように、パレット11の位置決めが終了した後は、ガイド部材41〜44がパレット11の前後方向をガイドした状態で、昇降用駆動モータ50により回転テーブル46を上昇させ、パレット11の左右方向両側を、固定部材61の嵌合部59、60に、またパレット11の前後方向両側を、固定部材61の嵌合部59a、60aに、それぞれ嵌め込む。このとき、パレット停止手段23のストッパー部24を、チェーンコンベア19の下方へ移動させる。そして、同期手段駆動モータ40を作動させることで、各ロッド部材29〜32を同期させて回動させ、各ロッド部材29〜32に設けられたガイド部材41〜44を、パレット11の前後方向両側から元の位置へ移動させる。
そして、パレット回転用駆動モータ65を作動させ、パレット11を回転させて、遠心力による脱水処理を行う。なお、回転テーブル46は、ベアリング58によって支持ロッド57に対して回転可能になっているので、パレット11の回転時は、パレット11を下側から回転テーブル46で支持した状態を維持できる。
【0042】
遠心力による脱水処理が終了し、回転したパレット11を停止する場合は、パレット回転用駆動モータ65をインバータ制御し、更にブレーキ機構66により固定台62をセンサによって、ある程度の位置で停止する。そして、クラッチによりパレット回転用駆動モータ65と固定台62との接続状態を切り離し、固定台62を回転可能な自由状態にした後、各ロッド部材29〜32に設けられたガイド部材41〜44を、パレット11の前後方向両側へ挟み込むように移動させる。これにより、パレット11の前後方向の位置調整ができる。
そして、各ガイド部材41〜44がパレット11の前後方向をガイドした状態で、昇降用駆動モータ50により回転テーブル46を下降させ、チェーンコンベア19上に載置した後、各ロッド部材29〜32に設けられたガイド部材41〜44を、パレット11の前後方向両側から元の位置へ移動させる。
このようにして、脱水処理を行ったパレット11を、チェーンコンベア19により仕上げ乾燥装置75へ送る(以上、脱水処理工程)。
【0043】
脱水処理が終了したパレット11は、その中心部の水切りが十分でないため、仕上げ乾燥装置75により、パレット11に対して空気噴出口101から空気を吹き付け、パレット11に残存する水分を十分に除去する。
このように、仕上げ乾燥処理したパレット11を、チェーンコンベア99によりパレット積上装置76へ送る(以上、仕上げ乾燥工程)。
パレット積上装置76へチェーンコンベア80により搬送されたパレット11は、平面視して、パレット11の貫通孔12の位置が係止爪部82の位置と同じ位置になるように、パレット停止手段103により停止される。そして、このパレット11を、その貫通孔12の高さ位置が、係止爪部82の高さ位置と同じ位置になるまで、昇降台81により上昇させる。
なお、係止爪部82は、パレットの前後方向及び左右方向の長さ、孔の位置(孔の間隔)、及び孔の大きさに応じて、高さ方向に複数段設けられているが、どの係止爪部を使用するかは、処理対象となるパレットの形状に応じて、昇降台81の上げ代で決定する。
【0044】
そして、パレット11の前後方向両側から、パレット11の貫通孔12に係止爪部82を差し込む。このように、パレット11の貫通孔12に係止爪部82を差し込んだ後は、昇降台81のみをチェーンコンベア80の下方まで下降させる。
脱水装置10から仕上げ乾燥装置75を介して搬送されてきたパレット11を、前記した方法と同様の方法で停止し、昇降台81で上昇させ、係止爪部82で持ち上げているパレット11の下端に当接させ、重ねたパレット11を昇降台81で支持する。そして、貫通孔12に差し込んでいた係止爪部82を貫通孔12から引き抜き、更に昇降台81を上昇させ、昇降台81上のパレット11の貫通孔12に係止爪部82を差込んで支持させた後、昇降台81を下降させる。
【0045】
以下、この操作を順次繰り返し行い、仕上げ乾燥装置75で乾燥処理されたパレット11を複数段に積み上げる。
これにより、全てのパレット11を積み上げた後は、昇降台81を上昇させ、貫通孔12に係止爪部83が差し込まれた最下段に位置するパレット11を昇降台81で支持する。そして、貫通孔12に差し込んでいた係止爪部82を貫通孔12から引き抜き、昇降台81を下降させることで、積み重ねた複数段のパレット11をチェーンコンベア80上に載置して搬出用パレット台77へ送る(以上、パレット積上工程)。
搬出用パレット台77に載置された複数段のパレット11を、例えば、フォークリフトによってローラコンベア79上から取り出し、これらのパレット11を再び使用する(以上、パレット搬出工程)。
【0046】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置及びこれを用いた洗浄設備を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、洗浄装置、予備乾燥装置、及び仕上げ乾燥装置を、それぞれ1台ずつ配置した場合について説明したが、洗浄装置、予備乾燥装置、及び仕上げ乾燥装置のいずれか1又は2以上を、2台以上配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複数種類のパレットに対応可能な脱水装置の正断面図である。
【図2】同脱水装置の側断面図である。
【図3】同脱水装置の一部省略平面図である。
【図4】(A)〜(C)はそれぞれ同脱水装置に使用する固定部材の平面図、側面図、正面図である。
【図5】(A)〜(E)はそれぞれ同脱水装置で処理するパレットの平面図及び正面図である。
【図6】同脱水装置を用いた洗浄設備の上流側から脱水装置へかけての正断面図である。
【図7】同脱水装置を用いた洗浄設備の上流側から脱水装置へかけての平断面図である。
【図8】同脱水装置を用いた洗浄設備の脱水装置から下流側へかけての正断面図である。
【図9】同脱水装置を用いた洗浄設備の脱水装置から下流側へかけての平断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10:複数種類のパレットに対応可能な脱水装置、11:パレット、12:貫通孔、13〜16:パレット、17:ベース部、17a:天井部、18:枠体、19:チェーンコンベア(パレット搬送手段)、20:脱水処理空間、21:入側シャッター、22:出側シャッター、23:パレット停止手段、24:ストッパー部、25:シリンダー、26:ピストン、27:パレット位置調整手段、28:軸受け、29〜32:ロッド部材、33:同期手段、34、35:ベベルギア、36〜38:シャフト部、39:軸受け、40:同期手段駆動モータ、41〜44:ガイド部材、44a:水平支持部材、45:当接部、46:回転テーブル、47:昇降手段、48:駆動シャフト、49:軸受け、50:昇降用駆動モータ、51、52:ベベルギア、53:雄ねじ部材、54:軸受け、55:雌ねじ部材、56:接続部材、57:支持ロッド、58:ベアリング、59、59a、60、60a:嵌合部、61:固定部材、62:固定台、63:回転軸、65:パレット回転用駆動モータ(駆動手段)、66:ブレーキ機構、70:洗浄設備、71:搬入用パレット台、72:パレット個別取出装置、73:洗浄装置、74:予備乾燥装置、75:仕上げ乾燥装置、76:パレット積上装置、77:搬出用パレット台、78:モータ、79:ローラコンベア、80:チェーンコンベア、81:昇降台、82:係止爪部、83:チェーンコンベア、84:ケーシング、85:主洗浄領域、86:仕上洗浄領域、86a:温水供給配管、87:洗浄ノズル、87a:タンク、88:サイクロン、89:循環用ポンプ、90:洗浄用ポンプ、91:蒸気用ダクト、92:給湯用配管、92a:蒸気用配管、93:仕切り板、93a:洗浄水供給配管、94:洗浄水噴出口、95:給水用配管、96:ケーシング、97:空気噴出口、98:液切りブロワ、99:チェーンコンベア、100:ケーシング、101:空気噴出口、102:水切りブロワ、103:パレット停止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の運搬に使用した平面視して矩形の複数種類の使用済みのパレットから、該パレットの洗浄時に付着した水分を遠心力により吹き飛ばす脱水装置であって、
少なくとも前記パレットの側方周囲を囲むカバー部材と、
前記パレットを前記カバー部材内に水平状態で搬送するパレット搬送手段と、
前記カバー部材内に搬送した前記パレットを予め定めた設定位置に停止するパレット停止手段と、
前記パレット停止手段によって停止させた前記パレットの搬送方向に直交する方向の位置調整を行うパレット位置調整手段と、
前記カバー部材の内側に設けられ、該カバー部材内に搬送した前記パレットを載置する回転テーブルを備え、該回転テーブルを回転可能でしかも昇降可能に支持する昇降手段と、
前記カバー部材の内側に設けられ、前記昇降手段によって上昇させた前記パレットの搬送方向及びこれに直交する方向のいずれか一方又は双方を、該パレットの形状に対応して該パレットの両側からガイドする逆階段状となった一対の嵌合部を備える固定部材と、
前記固定部材に取付けられ、該固定部材の一対の前記嵌合部と前記回転テーブルで前記パレットを固定した状態で、前記固定部材を回転させる駆動手段とを有することを特徴とする複数種類のパレットに対応可能な脱水装置。
【請求項2】
請求項1記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置において、前記パレット位置調整手段は、前記カバー部材の内側角部に回動可能に立設されたロッド部材と、前記各ロッド部材を連結して同期運動させるシャフト部を備えた同期手段と、前記各ロッド部材に設けられ、該各ロッド部材の回動により前記パレットの両側に接触して該パレットの位置を補正すると共に、前記パレットの上昇の際に該パレットを両側からガイドするガイド部材とを有することを特徴とする複数種類のパレットに対応可能な脱水装置。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置において、前記パレット停止手段は、前記パレットの形状に対応した階段状のストッパー部を備えて昇降可能になっており、前記パレット搬送手段の高さ位置に対する前記ストッパー部の突出高さを制御することで、前記パレットの停止位置を調整することを特徴とする複数種類のパレットに対応可能な脱水装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の複数種類のパレットに対応可能な脱水装置を用いた洗浄設備であって、
前記脱水装置の上流側には、複数段に積み上げられた使用済みの前記パレットを1個ずつ下流側へ送るパレット個別取出装置と、該パレット個別取出装置から取り出された前記パレットを洗浄処理する洗浄装置と、該洗浄装置で洗浄処理された前記パレットを予備乾燥する予備乾燥装置が順次設置され、
前記脱水装置の下流側には、該脱水装置により脱水処理された前記パレットを仕上げ乾燥処理する仕上げ乾燥装置と、該仕上げ乾燥装置で乾燥処理された前記パレットを複数段に積み上げるパレット積上装置が順次設置されていることを特徴とする洗浄設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−326054(P2007−326054A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160116(P2006−160116)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(593028632)株式会社カネヤス (1)
【Fターム(参考)】